説明

多波長ホログラフィックシステム及び方法

【課題】情報の記録及び読み出しを行い、層間クロストークやトラック間クロストークを低減した、マイクロホログラフィックシステムを提供する。
【解決手段】システム10は、レーザビームを出力する少なくとも1つのレーザを含む。システム10は更に、前記ホログラフィックシステムの多波長動作と、ホログラフィック媒体12の実質的に重なり合っていない複数のボリュームに複数のマイクロホログラムを別々の波長で記録することと、を行うように構成されたサブシステム24を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にホログラフィック装置に関し、特に、多波長ホログラフィック方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ホログラフィック記憶は、ホログラム形式のデータ記憶であり、ホログラムは、感光性記憶媒体において2つの光ビームの交差によって形成される3次元干渉パターンの画像である。これまでページ単位ホログラフィック技術およびビット単位ホログラフィック技術の両方が追究されてきた。従来のボリュームホログラフィック記憶、即ち、ページ単位ホログラフィックデータ記憶では、記憶媒体のボリューム内で、デジタルエンコードされたデータが収容された信号ビームを基準ビームに重ね合わせる。この結果として材料変性(例えば、化学反応)が引き起こされ、それによって、そのボリューム内の媒体の屈折率が変更又は変調される。この変調は、信号の強度情報及び位相情報の両方を記録するように働く。従って、各ビットは、主に干渉パターンの一部として記憶される。ホログラムは、後で記憶媒体を基準ビームのみにさらすことによって取り出すことが可能であり、基準ビームと、記憶されているホログラフィックデータとの相互作用によって、ホログラフィック画像の記憶に用いられた最初の信号ビームに対応する復元信号ビームが生成される。
【0003】
ビット単位のホログラフィまたはマイクロホログラフィックデータ記憶装置では、各ビットが、典型的には2つの逆伝搬収束記録ビームによって生成されるマイクロホログラム(ブラッグ反射グレーティング)として書き込まれる。このデータは、読み出しビームをマイクロホログラムに反射させて記録ビームを復元することにより、取り出される。従って、マイクロホログラフィックデータ記憶は、ページ単位ホログラフィック記憶よりも最新の技術に近いものがある。一方、複雑な層別生産工程によるDVDフォーマット及びBlu−ray Diskフォーマットで達成可能な2層又は4層のデータ記憶と異なり、ホログラフィックディスクは、多層ではない均質な記憶媒体において複数の光ビームによって形成される複数のデータ記憶層を有することが可能であり、これによってテラバイト(TB)規模のデータ記憶容量が得られる。従って、ビット単位ホログラフィック記憶では、記憶媒体の大容量は、媒体のボリュームを、データチャネルの1又は0を表すマイクロホログラムの層(ブラッグ反射鏡)で埋めることによって達成される。ホログラフィックディスクにおける層数は層間隔で定義されるが、層間隔は、信号クロストークによって制限される。これは、読み出しレーザビームが、目標とする層の上下にある層を通過しなければならないためである。層同士が近接しているほど、隣接層から反射される不要信号がより多く検出器によって収集されることになる。角度多重や波長多重などの多重化技術は、複数のホログラムをディスク内の同じ物理ボリュームに記録することを利用する。これは、記憶容量を増やすことに利用可能であり、場合によってはデータ転送レートを増やすことも可能であるが、この方法は、材料の性能に対する負担を増やすことになる。即ち、重なり合うホログラムを同等の回折効率でサポートするためには、達成可能な屈折率変化をより高くしなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7123393号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
データ記憶市場の増大する要求に応えるために、且つ、多世代技術ロードマップを確かなものにするために、マイクロホログラフィック媒体の容量を増やすホログラフィックシステム及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、情報の記録及び読み出しを行うホログラフィックシステムが提供される。本システムは、レーザビームを出力する少なくとも1つのレーザを含む。本システムは更に、前記ホログラフィックシステムの多波長動作と、ホログラフィック媒体の実質的に重なり合っていない複数のボリュームに複数のマイクロホログラムを別々の波長で記録することと、を行うように構成されたサブシステムを含む。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、光学式ホログラフィック媒体が提供される。このホログラフィック記録媒体は、複数の記録層を含む。これらの記録層は更に、複数の波長をインタリーブ形式で用いて光学式ホログラフィック媒体に記録された複数のマイクロホログラムを含む。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、情報の処理を行うホログラフィックシステムが提供される。本システムは、レーザビームを出力する少なくとも1つのレーザを含む。本システムは更に、フォーマット済みホログラフィック媒体からデータを取り出すことと、フォーマット済みホログラフィック媒体のマイクロホログラムに変更を加えることによって記録を行うことと、のための多波長動作を行うように構成されたサブシステムを含んでいる。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、ホログラフィック媒体にある情報を処理する方法が提供される。本方法は、複数の波長を有する複数のレーザビームを放射するステップを含む。本方法は更に、複数の波長を切り換えることと、上記1つ以上のレーザビームを変調することと、を行うように構成されたサブシステムを設けるステップを含む。本方法は更に、ホログラフィック媒体において隣接する複数のマイクロホログラムの記録を別々の波長で行うステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態による、多層光学式ホログラフィックデータ記憶媒体の情報を処理するシステムを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による、ホログラフィック媒体の記憶データ容量を増やすための情報処理方法のフローチャートを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による、読み出しビーム波長に対する、平面波ホログラムの正規化反射率のプロットを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による、様々な開口数(NA)におけるマイクロホログラムの波長離調曲線の計算値を表す、別の限定ではない例としての表現を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による、離調曲線の半値全幅を、マイクロホログラムの開口数(NA)の関数として示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による、NA=0.16の静的テストシステムにおいて記録されたホログラムに関する波長離調曲線の限定ではない例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態による、読み出しビームの深さ方向変位に対する共焦点反射率読み取り値のプロットである。
【図8】本発明の一実施形態による、様々な波長で行われたマイクロホログラム記録から得られる感度の測定値の、限定ではない例としての実験結果を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態による、隣接する複数層の、異なる波長による同時読み出しを、異なる複数の検出器を用いて行う構成を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態による、隣接する多波長層の同時検出を行うための別の構成を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態による、単層における複数波長記録のための構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
全図面を通じて同様のパーツを同様の符号で表した添付図面を参照しながら、下記の発明を実施するための形態を読めば、本発明のこれら及びその他の特徴、態様、及び利点の理解が深まるであろう。
【0012】
以下で詳述するように、本発明の実施形態は、記憶媒体のデータ記憶容量を増やすための多波長ホログラフィック方法及びシステムを対象としている。本明細書で用いる「インデックスプロファイルグレーティング」又は「グレーティング」という用語は、ホログラフィック記憶媒体又はディスク内に配置されたマイクロホログラムを意味する。
【0013】
本発明の各種実施形態の各要素を紹介する際、単数名詞は、その要素が1つ以上あることを意味するものとする。「備える」、「含む」、「有する」などの用語は、包括的であり、列挙された要素以外の要素が存在しうることを意味するものとする。更に「処理」という用語は、ホログラフィックデータ記憶システムにおける、データの読み出し又は記録又は再書き込み又は取り出しを意味する場合がある。動作パラメータのいかなる例も、開示の実施形態における他のパラメータを除外するものではない。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態による、光学式データ記憶媒体12の情報を処理するシステム10を示す。図に示すように、光学式データ記憶媒体12のボリュームは、複数の層14を含んでいる。複数層14は、光学式データ記憶媒体12の中心のまわりでらせん状になっている複数のデータトラックの形で配列された複数のマイクロホログラフィックシンボルを含んでいる。限定ではない例として、光学式データ記憶媒体12は、垂直方向にスタックされ、水平方向に広がる複数の層の形で、複数のデータトラックに沿って配列された複数のボリュームを有するプラスチック基板と、それぞれが複数のボリュームのうちの対応するボリュームに実質的に収容されている複数のマイクロホログラムとを含んでいる。各ボリュームにおけるマイクロホログラムの有無は、記憶されている、対応するデータ部分を示している。図に示すように、光学式データ記憶媒体12の1つの層16は、内側トラック18及び外側トラック20を含んでおり、更に、内側トラック18と外側トラック20との間に複数のトラック(図示せず)を含んでいる。システム10は更に、情報の記録及び取り出しのために光学式データ記憶媒体12にレーザビームを当てるための、ピックアップヘッド装置22と通信しているレーザを含んでいる。一実施形態では、レーザは、青紫色波長のレーザである。別の実施形態では、システム10は、より高いレートで情報を処理するための、複数の光学レンズを有する1つ以上のピックアップヘッド装置22を含んでよい。この1つ以上のピックアップヘッド装置22は、1つ以上の光路を通して光学式データ記憶媒体12における情報の記録又は読み出しを行うように構成されている。
【0015】
光学式データ記憶媒体12のデータ記憶密度を高めるために、システム10は、多波長動作を行うように構成されたサブシステム24を含んでおり、これによって、光学式データ記憶媒体12において隣接する複数のマイクロホログラムの記録を別々の波長で行う。サブシステム24は、光学式データ記憶媒体12にレーザビームを当てる一連の光学素子(図示せず)を含んでいる。光学式データ記憶媒体12から反射したビームが、1つ以上の光検出器(図示せず)によってピックアップされる。一実施形態では、この1つ以上の光検出器は、光学式データ記憶媒体12の複数層の読み出しを同時に行う同相及び直角位相(I/Q)検出器を含んでいる。別の実施形態では、ピックアップヘッド装置22は、励起ビームの発生、光学式データ記憶媒体12上でのビームの集束、及び光学式データ記憶媒体12からの反射ビームの検出を行うように設計された任意の数の異なる素子を含んでよい。ピックアップヘッド装置22は、光学系駆動回路パッケージ28との結合26を通して制御される。光学系駆動回路パッケージ28は、1つ以上のレーザシステムのための電源、光検出器からの電子信号を検出する検出回路、検出された信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器などの装置を含んでよく、又、検出器信号が、光学式データ記憶媒体12に記憶されているビット値と実際に位置が合うタイミングを予測するビット予測器など、他の装置も含んでよい。
【0016】
光学式データ記憶媒体12上でのピックアップヘッド装置22の位置は、フォーカス及びトラッキングサーボ30によって制御され、フォーカス及びトラッキングサーボ30は、光学式データ記憶媒体12に対してピックアップヘッド装置22を軸方向及び半径方向に動かすように構成されたメカニカルアクチュエータ32を有している。光学系駆動回路パッケージ28及びトラッキングサーボ30は、処理装置34によって制御される。処理装置34は、ピックアップヘッド装置22によって検出されたデータに対して応答し、位置信号の送信及び1つ以上のピックアップヘッド装置22の動き調整を行うことが可能である。本方法に従ういくつかの実施形態では、処理装置34は、ピックアップヘッド装置22で受信されて処理装置34にフィードバックされるサンプリング情報に基づいてピックアップヘッド装置22の位置を決定することが可能であってよい。
【0017】
サブシステム24は、この多波長方式により、光学式データ記憶媒体12において、複数のマイクロホログラムの記録又は取り出しを、複数の波長をインタリーブ形式で用いて行う。より具体的には、サブシステム24は、光学式データ記憶媒体12の隣接する複数層において、複数のマイクロホログラムの記録又は取り出しを、複数の異なる波長を用いて行う。別の実施形態では、サブシステム24は、光学式データ記憶媒体12の隣接する複数のトラックにおいて、複数のマイクロホログラムの記録又は取り出しを、複数の異なる波長を用いて行う。更に、一実施形態では、サブシステム24は、光学式データ記憶媒体12の任意の層の単一トラックにおいて、隣接する複数のマイクロホログラムの記録又は読み出しを、複数の異なる波長を用いて行うように構成されている。
【0018】
更に、処理装置34は、スピンドルモータ38に電力を供給するモータ制御装置36の制御も行う。スピンドルモータ38は、光学式データ記憶媒体12の回転速度を制御するスピンドル40と結合されている。なお、本発明の実施形態は、本発明の処理タスクを実行するいかなる特定の処理装置にも限定されない。本発明で用いる「処理装置」という用語は、本発明のタスクの実行に必要な計算を実行できる任意の機械を意味するものとする。「処理装置」という用語は、構造化入力を受け入れ、所定のルールに従って入力を処理して出力を生成することが可能な任意の機械を意味するものとする。また、当業者であれば理解されるように、処理装置は、本発明のタスクを実行するハードウェア及びソフトウェアの組み合わせを備えていることが可能である。なお、ビット単位ホログラフィック記録及び取り出しシステムが一体型システムの形でも単体でも使用可能であることは、本発明の範囲に含まれることを理解されたい。
【0019】
一実施形態では、情報の処理を行うホログラフィックシステムを提供する。このようなホログラフィックシステムとしては、限定ではなく、ユーザが使用するホログラフィックディスク再生機/記録機があってよい。本システムは、レーザビームを出力する少なくとも1つのレーザを含んでいる。本システムは更に、フォーマット済みホログラフィック媒体からデータを取り出すことと、フォーマット済みホログラフィック媒体のマイクロホログラムに変更を加えることによって記録を行うことと、のための多波長動作を行うように構成されたサブシステムを含んでいる。このサブシステムは、単波長高出力レーザ源を用いてデータを記録するように構成されている。更に、このサブシステムは、波長可変機能を有する1つ以上の低出力レーザ源を用いてデータを取り出す。
【0020】
図2は、本発明の一実施形態による、ホログラフィック媒体の記憶データ容量を増やすための情報処理方法50のフローチャートを示す。本方法は、ステップ52で、複数の波長を有する1つ以上のレーザビームを放射する。本方法は更に、ステップ54で、レーザビームの様々な波長の切り換えと、レーザビームの変調と、を行うように構成されたサブシステムを設ける。本方法は更に、ステップ56で、ホログラフィック媒体において隣接する複数のマイクロホログラムの記録を別々の波長で行う。本方法は、複数のマイクロホログラムを有する複数層からなる第1のセットを、第1の波長を用いて記録するステップと、複数のマイクロホログラムを有する複数層からなる第2のセットを、第2の波長を用いてインタリーブ形式で記録するステップと、を含む。一実施形態では、本方法は、単波長高出力レーザ源を用いて、フォーマット済みホログラフィック媒体において片面記録を行うステップを含む。このホログラフィック媒体は、フォーマット済みホログラフィック媒体又は事前記録ホログラフィック媒体であってよい。別の実施形態では、本情報処理方法は又、多波長機能を有する低出力レーザ源を用いて、フォーマット済みホログラフィック媒体にあるデータの読み出し及びトラッキングを行うステップを含む。又、本方法は、記録時に使用された波長に対応する複数の読み出しレーザビームを用いてホログラフィック媒体にある情報のトラッキング及び転送を行うステップを含む。一実施形態では、ホログラフィック媒体の複数層にある情報のトラッキング及び転送は、2波長検出器を用いて行う。そこで、本発明は、読み出しビーム波長及び記録ビーム波長に対するマイクロホログラムの反射率の選択性を利用することにより、ホログラフィック媒体の容量を有利に増大させる。
【0021】
図3は、本発明の一実施形態による、読み出しビーム波長に対する、平面波ホログラムの正規化反射率(回折効率)の、限定ではない例としてのプロット70を示す。X軸72は、読み出し波長をナノメートル単位で示している。Y軸74は、正規化反射率を示している。インデックスプロファイルグレーティング(ホログラム)の反射率は、回折効率(反射信号強度)を、グレーティングパラメータと、レーザビーム波長と、ホログラフィックシステムの読み出し時の幾何学的配置との関数として説明する波結合理論によって決定されることを理解されたい。マイクロホログラムは周期的な3次元構造であるため、ホログラムの反射率は、読み出しレーザビームの波長に対して高度に選択的である。マイクロホログラムがビット単位方式で記録されているホログラフィックシステムの、逆伝搬時の幾何学的配置では、マイクロホログラム反射鏡のインデックスプロファイルは、ホログラフィック媒体内の同じ場所に集束される2つの逆伝搬コヒーレント記録レーザビームによって形成される干渉縞パターンに追従する。ホログラフィックシステムの逆伝搬時の幾何学的配置においてそのようなグレーティングを読み出す場合、このグレーティングの回折効率(反射率)が最高になるのは、読み出し用レーザビームの波長が、記録に用いられたレーザビームの波長と同じになる場合である。一方、読み出しレーザビームの波長が記録レーザビームの波長からずれるにつれて、このグレーティングの反射率は急激に低下する。図3のプロファイル70に示した曲線76、77、78は、波長405nmで記録されたマイクロホログラムに対する、様々な波長の正規化反射率を示している。曲線76、77、78のそれぞれは、波長405nmで記録されたマイクロホログラムの(凡例79にミクロン単位で示された)様々な厚さに対する反射率を示している。プロット70が明らかに示しているように、読み出し波長が記録波長(405nm)からずれるにつれて、反射率は急激に低下する。
【0022】
なお、ホログラフィック媒体の最終的なデータ容量は、ホログラフィック媒体において隣接する複数のデータ層又はトラックの間隔で規定される。このデータ容量は、別々の層又はトラックから発生した信号(反射)の間のクロストークによって制限される。層間又はトラック間が狭すぎると、読み出し中の層又はトラックに集束された読み出しビームの一部が、隣接する層又はトラックによって反射され、これらの二次反射ビームの一部が検出器に到達し、主たる読み出し層又はトラックからの信号と干渉して、誤り率が高くなる。隣接する層又はトラックの記録に用いられた波長と、主たる層又はトラックの記録に用いられた波長との差がわずかに異なれば、主たる層又はトラックの読み出し時に発生する、隣接する層又はトラックからの反射が抑制される。これは、隣接する層又はトラックに関して読み出し光と記録光との間に存在する波長のミスマッチに起因するものである。これによって、層間クロストークが減少するため、複数の層又はトラック同士をより近づけて配置することによってホログラフィック媒体の使用可能なデータ容量を増やすことが可能になる。
【0023】
図4は、読み出しビームの波長に対する平面波ホログラムの正規化反射率の、別の限定ではない例としての表現80を示す。この表現80は、波長405nmで記録されたマイクロホログラムに関して計算された、凡例84にある様々な開口数に対応する波長離調曲線82を示している。X軸85は、読み出し波長をナノメートル単位で示している。Y軸86は、正規化反射率を示している。この表現80は更に、マイクロホログラムによる波長選択性(ブラッグ選択性)の概念と、これがホログラムの寸法に依存することとを示している。ホログラムの中心で集束される単一読み出しビームによって照射される単一マイクロホログラムからの反射率信号が最大になるのは、読み出し波長が、ホログラムの記録に用いられた波長と厳密に一致した場合である。これが起こるのは、ホログラムの縞の間隔の結果として、様々な縞から反射されたビーム同士の間に発展的な干渉が起こり、反射信号強度が最大になるためである。これに対し、読み出し波長が異なる場合は、縞間隔が一致しないために、別々のホログラム縞から反射された波同士が部分的に打ち消し合って、反射信号強度が漸減する。このブラッグ選択性は、グレーティング又はホログラムの厚さに依存し、この厚さは、グレーティング又はホログラムの屈折率縞の数に関連している可能性がある。これは、マイクロホログラムの幾何学的配置においては、ホログラムの記録及び読み出しに用いられた光学系の開口数(NA)に関連している。図4に示すように、離調曲線82は、光学系のいくつかの異なるNAで記録されたマイクロホログラムについて計算したものである。NAを高くすると、マイクロホログラムが短くなり(反射縞が少なくなり)、離調曲線が広くなっていく。
【0024】
図5は、(図4の82で示した)離調曲線の半値全幅を、マイクロホログラムの開口数(NA)の関数として表した表現90を示す。
【0025】
図6は、本発明の一実施形態による、静的テストシステムにおいて記録されたホログラムに関する波長離調曲線102、104を表す、限定ではない例としての表現100を示す。表現100は、波長405nmで記録され、開口数0.16に対応しているマイクロホログラムに関して計算された波長離調曲線102を示している。表現100は又、波長405nmで記録されたマイクロホログラムに関して、NA=0.16システムで得られた実験値による離調曲線104も示している。
【0026】
マイクロホログラムの小型化及び記憶媒体の大容量化を達成するには、NAを高くする必要がある。光学系のNAを高くすると、マイクロホログラムの小型化が可能になり、複数のマイクロホログラムを水平方向にも深さ方向にも近接配置することが可能になって、データ密度を高くすることが可能になる。限定ではない例として、NA=0.85で動作するシステムがあり、このシステムは、CDサイズのディスク媒体に約40〜50層のマイクロホログラムを収容することにより、約1テラバイトのデータ容量を達成できる可能性がある。この場合も、容量は最小層間隔によって制限される場合があり、これは、反射信号の層間クロストークによって決定される。しかしながら、図6に示したように、高NAシステムの場合の波長離調曲線は、実質的に、低NAシステムの場合より広いため、適切な間隔が得られるように動作波長を選択しなければならない。
【0027】
図7は、本発明の一実施形態による、読み出しビームの深さ方向変位に対する共焦点反射率読み取り値(検出用信号)のプロット150を示す。読み出しビームは、読み出しビームの焦点スポットから「z」の距離にあるマイクロホログラム154を更に示す表現152によって描かれている。図に示すように、マイクロホログラムのサイズは2z0であり、z0は、読み出しビームのレイリーパラメータである。従って、プロット150は、読み出しビームの焦点スポットの、ホログラムの中心からの軸方向オフセット(X軸のz/z0)に対する、共焦点検出器から見た、ホログラムの正規化反射率(検出用信号)の代表値(Y軸)を示している。曲線156によれば、z/z0=20では、反射率は、ピーク値の約0.3%である。
【0028】
更に、記録ビームと異なる波長のビームで読み出しが行われた場合(例えば、図4の405nmでの記録に対して435nmで読み出しが行われた場合)、ピーク時の反射率は、(NA=0.85で)約5分の1になる。読み出しビームがデータ層からずれると、反射率は更に下がり、図7の曲線158のようになる。従って、隣接層間で記録波長を交互に設定することにより、層間クロストークを同レベル(点線矢印160)に保ったまま、層間隔を大幅に減らすことが可能になる。或いは、層間隔を保ったまま層間クロストークを減らすことが可能であり(破線矢印162)、これによってビット誤り率(BER)が下がり、コーティングオーバヘッドを少なくして媒体の有効容量を増やすことが可能になる。
【0029】
一実施形態では、(上述のような)複数の波長を有する事前記録媒体が、コンテンツの様々な部分を、共通の波長を有する複数層からなる様々なサブセットで保持する。限定ではない一例として挙げられるホログラフィック記録媒体では、1つ以上の層で、第1の波長で記録された基本コンテンツ(映画など)を保持し、残りの層で、多波長機能に基づいてホログラフィックシステムによって記録された(又は読み出された)拡張コンテンツを保持する。拡張コンテンツ(追加シーン、3Dコンテンツ、別の視野角など)は、サテライト波長層に記憶可能である。限定ではない例として、基本コンテンツは、シンプルな単波長再生装置において読み出され、拡張コンテンツは、多波長機能を有する装置によってアクセス可能である。この方式は、小容量で使用される旧世代装置への、媒体の後方互換性を提供するとともに、ハードウェアの複雑化よって媒体当たりの容量が世代ごとに大幅に増える多世代媒体への道筋を提供する。
【0030】
別の実施形態では、同一層内で多波長記録を実施する(例えば、インタリーブされた複数の隣接トラックの記録を別々の波長で行う)。これにより、トラック間クロストークの改善が可能であり、結果として、BERの向上並びに有効容量の増大が可能である。更に、一実施形態では、光学式ホログラフィック記録媒体は、ユーザ側にあるホログラフィック装置の単波長高出力レーザ源による片面記録に使用されるフォーマット済みホログラフィック媒体を含む。このホログラフィック装置は、多波長機能を有する低出力レーザ源を用いて、データの取り出し又はトラッキングを行う。
【0031】
更に、本発明では、多波長記録に使用されるホログラフィック媒体として、レーザビームの強度を変化させた場合の感度が、異なる波長間で同等である材料が挙げられることに注目されたい。そのような、多波長記録用ホログラフィック媒体の材料の限定ではない例として、ポリビニルシンナメート(PVCm)及びビス(1−エチニル−4−(フェニルエチニル)ベンゼン)ビス(トリフェニルホスフィン)Pd(II)(Pd−PE2)の合成物が挙げられる。Pd−PE2の有機式は次式で与えられる。
【0032】
【化1】

限定ではない例として、この材料(Pd−PE2)を調製するには、250mL丸底フラスコに、4−エチニルジフェニルフェニルアセチレン(0.202グラム、0.001モル)、ビス(トリブチルホスフィン)パラジウムジクロライド(0.350グラム、0.0005モル)、及び銅(I)ヨージド(0.010グラム)を加える。この混合物を、窒素下室温で18時間、ジエチルアミン25mL中で攪拌する。次に、このジエチルアミンを真空下で除去し、残留物を塩化メチレン(5mL)に溶かし、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン−エチルアセテート、10:1)で精製して、0.130グラムの淡黄色固体(Pd−PE2)を得る。この材料のプロトン核磁気共鳴(NMR)分光法の詳細は、1H NMR 0.97、t(18H)、1.45m(12H)、1.63m(12H)、2.05m(12H)、7.10m(6H)、7.30〜7.45m(8H)、7.93m(4H)である。更に、Pd−PE2の実験時の可視・紫外分光法データが次表で与えられる。
【0033】
【表1】

┌────────┬─────────┬────────┬─────────┐
│Pt錯体 │λmax/nma εmax/M-1cm-1a│ ε405nm/M-1cm-
│ │ │ │1b
├────────┼─────────┼────────┼─────────┤
│Pd−PE2 │346 133380 │10 │
└────────┴─────────┴────────┴─────────┘

但し、λmax(色素分子Pd−PE2の吸収が最大の時の波長)及びεmax(色素分子Pd−PE2の吸光係数を表すシンボル)は、塩化メチレン中のPd−PE2について測定された。405nmにおける吸光係数は、濃厚溶液(〜10-2−10-3M)を用いて計算される。
【0034】
更に、Pd−PE2/PVCmの薄膜サンプルを作るには、ジクロロエタン/塩化メチレン混合溶剤(15g、2:8v/v)を溶剤としてポリビニルシンナメート(1g)及び4.0wt%(0.04M)のPd−PE2との溶液を調製する。この溶液を、0.45μmフィルタでろ過して、準備されたガラスプレート上のガラスリム(5cm径)にあけ、ホットプレート上で、約45℃に保って5時間、及び約55℃に保って一晩乾燥させる。ホットプレートで乾燥させた後、ガラスプレートから膜を取り出し、60℃で6時間、真空乾燥させる。この、ホログラフィック媒体の調製された膜は、図8に示すように、レーザビームの強度を変化させた場合の感度が、異なる波長間で同等である。
【0035】
調製されたホログラフィック膜(PVC/Pd−PE2(2%ドープ))に対して行われたマイクロホログラム記録から得られる感度の測定値の、限定ではない例としての実験結果170を、図8に示す。ここで、感度Sは、S=Δn/Fで定義される。但し、Δnは、光に起因する屈折率の変化、Fは、記録光のフルエンス(単位断面積当たりにもたらされる光エネルギ。J/cm2単位で測定される)である。記録は、波長405nm及び435nmで行い、それぞれを曲線172及び174で示した。曲線172、174の感度が同等であることは、この材料が、調製されたホログラフィック膜において隣接する場所において別々の波長でマイクロホログラムの記録を行うことをサポートできることの現れである。限定ではないが、調製されたホログラフィック膜は、約350nmから約450nmの範囲の記録波長に応答する。
【0036】
図9は、本発明の一実施形態による、隣接層202、204の、異なる波長λ1、λ2による同時読み出しを、層間クロストークなしで行う構成200を示す。この実施形態では、複数の検出器206、208が、それぞれ異なる光学レンズを用い、それぞれ波長λ1及びλ2で記録された複数のマイクロホログラムを有するホログラフィックデータ層の読み出しを、それぞれ波長λ1及びλ2で行う。
【0037】
図10は、本発明の一実施形態による、隣接する多波長層302、304の同時検出を行うための構成300を示す。この実施形態では、2波長同相及び直角位相(I/Q)検出器306を用いて、圧縮された層302、304を単一光路から検出する。
【0038】
図11は、本発明の一実施形態による、ホログラフィック媒体の単層402における複数波長記録のための構成400を示す。異なる波長で記録されたシンボル同士を、同一層の隣接する平行トラック、又は同一層の同一トラック内に配置することが可能である。この実施形態では、検出器406が、単層402において複数の波長を検出する。限定ではない例として、この構成400で用いられる変調器が、3つのシンボル{マイクロホログラムなし、波長1のマイクロホログラム、波長2のマイクロホログラム}から選択を行うことが可能である。なお、2シンボルアルファベットの潜在的情報量がシンボル当たり1情報ビットであるのに対し、3シンボルアルファベットの潜在的情報量は、シンボル当たり1.58情報ビットである。従って、この構成400は、複数の波長シンボルλ1、λ2を用いる単層402の並列読み出しシステムを示している。
【0039】
別の実施形態では、ホログラフィック媒体の単層が、2つの2シンボルアルファベット{0、波長1のマイクロホログラム}(「アルファベットP」)及び{0、波長2のマイクロホログラム}(「アルファベットQ」)を用いてクロストークを最小化する。なお、クロストークを最小化するために、様々なアルファベットの中から、隣接するシンボルが選択されている。(図10に示した)検出器406と同様の検出器が、この方法にも適用可能である。
【0040】
上述の例のいくつかは、2つの異なる波長を参照しているが、これらの実施形態は、3つ以上の波長の場合にも拡張可能であることを理解されたい。
【0041】
有利なことに、本発明の方法及びシステムは、ホログラフィックデータ記憶媒体のデータ記憶容量の増大を可能にする。本発明の方法及びシステムは又、容易かつ迅速な情報処理を可能にする。本発明は更に、隣接する複数の層又はトラッキングにおいて隣接するマイクロホログラム同士の間のクロストークを最小化することにより、情報の迅速な取り出しを可能にする。本発明の方法の別の利点は、同じディスク媒体を多世代技術で使用できることであり、これは、基本的な単波長構造はそのままにし、かつ旧世代との後方互換性を保ちながら、多波長機能を追加して容量を増やして、より先進的な世代のディスク媒体にすることにより、可能である。更に別の適用可能性として考えられるのは、事前記録コンテンツ流通であり、その場合、コアとなるコンテンツは、あらゆる単波長装置でアクセス可能であるように記録され、拡張コンテンツは、交互に設定された波長によって記録され、高度な装置によってのみアクセス可能である。
【0042】
また、当業者には明らかなように、異なる実施形態の種々の特徴を置き換えることができる。同様に、記載されている種々の方法ステップ及び特徴、並びにこうした方法及び特徴の各々の周知の等価物を組み合わせて、本開示の原理に従った更なるシステム及び技術を構築することが当業者には可能である。勿論、いずれの特定の実施形態においても、上述のこうした目的又は利点を全て達成する必要はないことを理解されたい。例えば、当業者であればわかるように、本明細書で教示又は示唆され得るその他の目的又は利点を必ずしも達成しなくても、本明細書で教示した利点のひとつ又は利点の組み合わせを達成又は最適化することによって、本明細書に記載のシステム及び技術を実装又は実施できる。
【0043】
本明細書では、本発明の一部の特徴のみを図示及び記述したが、当業者には多くの改変及び変更が想到されよう。したがって、添付の特許請求の範囲は、こうした改変及び変更も、本発明の本質に含まれるものとして包含することを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報の記録及び取り出しを行うホログラフィックシステムであって、
レーザビームを出力する少なくとも1つのレーザと、
前記ホログラフィックシステムの多波長動作と、ホログラフィック媒体の実質的に重なり合っていない複数のボリュームに複数のマイクロホログラムを別々の波長で記録することと、を行うように構成されたサブシステムと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記レーザは、波長可変青紫色レーザである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
制御装置と、複数のレーザ源と、複数の光学素子と、複数の検出器とを、記録及び読み出しのために更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の検出器は、前記ホログラフィック媒体の複数層の読み出しを行う同相及び直角位相(I/Q)検出器を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記サブシステムは更に、前記ホログラフィック媒体において、マイクロホログラムの記録を、複数の波長をインタリーブ形式で用いて行うように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記サブシステムは更に、前記ホログラフィック媒体の隣接する複数の層に、複数の異なる波長でマイクロホログラムを記録するように構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記サブシステムは更に、前記ホログラフィック媒体の一層内の隣接する複数のトラックに、複数の異なる波長でマイクロホログラムを記録するように構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記サブシステムは更に、前記ホログラフィック媒体の任意の層の単一トラック内に複数の異なる波長で、隣接する複数のマイクロホログラムを記録するように構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記ホログラフィック媒体に対して情報の読み出し及び記録を行うための、複数の光学素子を有する1つ以上のピックアップヘッド装置を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つ以上のピックアップヘッド装置は、複数の波長を有する1つ以上のレーザビームを1つ以上の光路を通して放射する複数のレーザを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
複数の記録層と、
複数の波長をインタリーブ形式で用いて記録された複数のマイクロホログラムと、
を備える光学式ホログラフィック媒体。
【請求項12】
前記複数の記録層は、1つ以上の記録層に、第1の波長で記録された主データコンテンツを含んでおり、残りの層に、複数の異なる波長で記録された拡張コンテンツを含んでおり、前記ホログラフィック記録媒体の読み出しは、ホログラフィックシステムによって、多波長機能に基づいて行われる、請求項11に記載の光学式ホログラフィック媒体。
【請求項13】
前記各記録層は、クロストークを最小化する複数シンボルアルファベット構成を有する多波長マイクロホログラムを備える、請求項11に記載の光学式ホログラフィック媒体。
【請求項14】
前記各記録層は、トラック間クロストークを最小化するための多波長トラックを備える、請求項11に記載の光学式ホログラフィック媒体。
【請求項15】
層間クロストークを最小化するために、前記記録層の少なくとも1つの記録が、隣接する記録層とは異なる波長で行われる、請求項11に記載の光学式ホログラフィック媒体。
【請求項16】
前記記録層の1つ以上の単一トラックが、隣接する複数の多波長マイクロホログラムを備える、請求項11に記載の光学式ホログラフィック媒体。
【請求項17】
約350nmから約450nmの範囲の記録波長に応答する、請求項11に記載の光学式ホログラフィック媒体。
【請求項18】
ポリビニルシンナメート(PVCm)及びビス(1−エチニル−4−(フェニルエチニル)ベンゼン)ビス(トリフェニルホスフィン)Pd(II)(Pd−PE2)を含む材料組成が用いられている、請求項17に記載の光学式ホログラフィック媒体。
【請求項19】
情報の処理を行うホログラフィックシステムであって、
レーザビームを出力する少なくとも1つのレーザと、
フォーマット済みホログラフィック媒体からデータを取り出すことと、前記フォーマット済みホログラフィック媒体のマイクロホログラムに変更を加えることによって記録を行うことと、のための多波長動作を行うように構成されたサブシステムと、
を備えるホログラフィックシステム。
【請求項20】
前記サブシステムは、単波長高出力レーザ源を用いてデータを記録するように構成されている、請求項19に記載のホログラフィックシステム。
【請求項21】
前記サブシステムは、多波長機能を有する1つ以上の低出力レーザ源を用いてデータを取り出す、請求項19に記載のホログラフィックシステム。
【請求項22】
前記サブシステムは更に、前記フォーマット済みホログラフィック媒体の隣接する複数の層にある、複数の波長を有する複数のマイクロホログラムを読み出すように構成されている、請求項19に記載のホログラフィックシステム。
【請求項23】
前記サブシステムは更に、前記フォーマット済みホログラフィック媒体の隣接する複数のトラックにある、複数の波長を有する複数のマイクロホログラムを読み出すように構成されている、請求項19に記載のホログラフィックシステム。
【請求項24】
前記サブシステムは更に、前記フォーマット済みホログラフィック媒体の単一トラックにある、複数の波長を有する、隣接する複数のマイクロホログラムを読み出すように構成されている、請求項19に記載のホログラフィックシステム。
【請求項25】
ホログラフィック媒体にある情報を処理する方法であって、
複数の波長を有する1つ以上のレーザビームを放射するステップと、
複数の波長を切り換えることと、前記1つ以上のレーザビームを変調することと、を行うように構成されたサブシステムを設けるステップと、
前記ホログラフィック媒体に、隣接する複数のマイクロホログラムを別々の波長で記録するステップと、
を含む方法。
【請求項26】
記録時に使用された波長に対応する1つ以上の読み出しレーザビームを用いて前記ホログラフィック媒体にある情報のトラッキング及び転送を行うステップを更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
複数のマイクロホログラムを有する複数層からなる第1のセットを、第1の波長を用いて記録するステップと、複数のマイクロホログラムを有する複数層からなる第2のセットを、第2の波長を用いてインタリーブ形式で記録するステップと、を更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記ホログラフィック媒体の複数層の情報を、2波長検出器を用いて処理するステップを更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
単波長高出力レーザ源を用いて既存のホログラムに変更を加えることによってフォーマット済みホログラフィック媒体に片面記録を行うステップと、多波長機能を有する低出力レーザ源を用いて前記フォーマット済みホログラフィック媒体からデータを読み出すステップと、を更に含む、請求項25に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−216274(P2012−216274A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−62965(P2012−62965)
【出願日】平成24年3月21日(2012.3.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Blu−ray
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】