説明

太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置

【課題】本発明は、太陽光追従型発電システムにおいて、太陽光に追従する太陽電池パネル表面を動力なしで、自動的に研磨・洗浄することができる太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置に関するものである。
【解決手段】太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置は、太陽電池パネル用支持部材と、太陽電池パネルを回動可能に固定する太陽電池パネル保持枠と、前記太陽電池パネル保持枠に設けられた溝と、太陽電池パネルの表面を研磨・洗浄するロールブラシまたはチャンネルブラシと、前記ロールブラシまたはチャンネルブラシを固定するほぼコ字型保持部材とから少なくとも構成されている。前記太陽電池パネル用支持部材は、太陽電池パネルが太陽光を追従できるように支持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光追従型発電システムにおいて、太陽光に追従する太陽電池パネル表面を動力なしで、自動的に研磨・洗浄することができる太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2005−251865号公報に記載されている太陽光自動追従装置は、太陽光を平面で受ける太陽電池パネルを太陽の動きに応じて、仰角の調整を行うと共に、東西方向の方位角を調整し、太陽の動きに追従させるものである。前記太陽光自動追従装置は、太陽電池パネルの仰角を太陽電池パネルの上端辺に対して、昇降可能な構成として調整する。また、前記太陽電池パネルの東西方向の方位角は、太陽電池パネルの上端辺を回転可能な構成として調整するようにし、太陽電池パネルの下端辺は上端辺の調整に自在に追従するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−251865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、太陽光自動追従装置は、太陽光線が太陽電池パネルに対して一番当たる位置に追従させる点に重点が置かれて、前記太陽電池パネルの表面の研磨・洗浄を行っていなかった。しかし、太陽光自動追従装置は、太陽光線を最大に吸収できる位置に置くことができるにもかかわらず、前記太陽電池パネルの表面が汚れていたり、木の葉等のゴミにより太陽光線を遮る場合があった。
【0005】
以上のような課題を解決するために、本発明は、簡単な機構により、前記太陽光自動追従装置の表面に設けられた太陽電池パネルに対して、太陽光線を最大に吸収できるような太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置を提供することを目的とする。また、本発明は、太陽電池パネルが太陽光線を最大に吸収できるように、最高位置に達した際に、錘により、降下を始め、その際の摩擦によって前記太陽電池パネルの表面を洗浄できる太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(第1発明)
第1発明の太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置は、太陽光追従型発電システムにおける太陽電池パネル表面を研磨・洗浄するものであり、前記太陽電池パネルを太陽光に追従できるように支持する支持部材と、前記支持部材を中心にして前記太陽電池パネルを太陽光に追従できるように回動可能に固定する太陽電池パネル保持枠と、前記太陽電池パネル保持枠の両側部に設けられ、一方の端および他方の端でそれぞれが閉塞されている溝と、前記溝で両端部が支持されているとともに、前記太陽電池パネルの表面を洗浄できるロールブラシまたはチャンネルブラシと、前記ロールブラシまたはチャンネルブラシの軸と前記溝との距離を一定に保持するほぼコ字型保持部材とから少なくとも構成されていることを特徴とする。
【0007】
(第2発明)
第2発明の太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置において、前記ロールブラシは、両端の軸受が錘となっていることを特徴とする。
【0008】
(第2発明)
第2発明の太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置において、前記チャンネルブラシは、チャンネル部材が錘りとなっていることを特徴とする。
【0009】
(第3発明)
第3発明の太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置において、前記ほぼコ字型保持部材は、前記ブラシを太陽電池パネル表面に程良い圧力で接する弾力を備えていることを特徴とする。
【0010】
(第4発明)
第4発明の太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置において、前記ロールブラシおよびチャンネルブラシの材質は、紙、布、合成樹脂、不織布、バフ、スポンジの中の少なくとも一種類であることを特徴とする。
【0011】
(第5発明)
第5発明の太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置において、前記ロールブラシおよびチャンネルブラシは、前記紙、布、合成樹脂、不織布が所定の大きさに裂かれ、接着剤および/または砥粒が加えられた紐状体を基にして作製されることを特徴とする。
【0012】
(第6発明)
第6発明の太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置において、前記ロールブラシおよびチャンネルブラシは、紙が丸められた棒状体を捻じり、縒ったものからなる紐状体を基にして作製されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、太陽電池パネルを常に太陽光に追従させることができるだけでなく、前記太陽電池パネルの表面を必ず磨き、かつ、洗浄することができるブラシを備えているため、太陽光を効率良く吸収することができる。
【0014】
本発明によれば、前記太陽電池パネルの表面を磨くことができるブラシは、自重で所定高さに至った時点で、落下しながら、前記太陽電池パネルの表面を研磨および/または洗浄することができる。
【0015】
本発明によれば、コ字型保持部材のバネ性、太陽電池パネルの自重、錘、あるいは摩擦等を考慮するだけで、太陽電池パネルの角度が所定位置になった時点で、自重により前記太陽電池パネルを研磨および/または洗浄を行うことができる。
【0016】
本発明によれば、接着剤および/または砥粒が染み込んだ紙シートを丸める際に、紙製素材、合成樹脂製ブラシ毛、動植物ブラシ毛とすることで、前記太陽電池パネルの表面を研磨および/または洗浄できるとともに、ブラシ素材の腰の強度を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(イ)から(ハ)は本発明の第1実施例であり、太陽光追従型発電システムにおける太陽電池パネルの表面を研磨および/または洗浄できる太陽電池パネル自動洗浄装置を説明するための模式図で、(イ)は全体の側面図、(ロ)は太陽電池パネルの平面図、(ハ)は一部断面図である。(実施例1)
【図2】本発明の太陽電池自動洗浄装置におけるロールブラシおよび太陽電池パネルの関係を説明するための模式図である。
【図3】(イ)から(ハ)は本発明の太陽電池パネルとブラシとの関係を説明するための断面模式図である。
【図4】本発明の第2実施例であり、研磨および/または洗浄するブラシおよびコ字型保持部材が第1実施例と異なっている。(実施例2)
【図5】本発明の実施例であり、シート状紙部材を丸めた棒状体を、捩じり、縒ってブラシ素材とした実施例を説明するための模式図である。
【図6】本発明の実施例であり、紙製のチャンネルブラシ、植え込みブラシ、およびホイールブラシを説明するための図である。
【図7】(イ)および(ロ)は本発明の実施例であり、ロールブラシの例を説明するための図である。
【図8】(イ)から(ニ)は本発明の実施例であり、紙を切り裂いた作製された棒状体を成形してブラシ素材とした実施例を説明するための模式図である。
【図9】(イ)から(ニ)は本発明の実施例であり、紙を裁断して作製された棒状体を成形してブラシ素材とした実施例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1発明)
第1発明の太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置は、太陽光追従型発電システムにおいて、太陽光に追従する太陽電池パネル表面を研磨・洗浄するものである。前記太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置は、太陽電池パネル用支持部材と、太陽電池パネルを回動可能に固定する太陽電池パネル保持枠と、前記太陽電池パネル保持枠に設けられた溝と、太陽電池パネルの表面を研磨・洗浄するロールブラシまたはチャンネルブラシと、前記ロールブラシまたはチャンネルブラシを固定するほぼコ字型保持部材とから少なくとも構成されている。前記太陽電池パネル用支持部材は、太陽電池パネルが太陽光を追従できるように支持されている。本発明でいう「研磨・洗浄」、あるいは「研磨および/または洗浄」なる用語は、太陽電池パネルの表面のゴミ等を除去するために擦り取る動作、洗い流す動作等も含むものである。
【0019】
前記太陽電池パネル保持枠は、前記支持部材を中心にして、前記太陽電池パネルを太陽光に追従できるように回動可能に固定している。また、前記太陽電池パネル保持枠は、両側端で閉塞された溝、あるいはストッパーが設けられており、前記ロールブラシまたはチャンネルブラシが一方の端から他方の端に脱落することなく往復移動ができるような構造に支持されている。
【0020】
前記ほぼコ字型保持部材は、前記ロールブラシまたはチャンネルブラシの軸と前記溝との距離を一定の圧力と摩擦力を保持できる形状をしている。たとえば、前記ほぼコ字型保持部材は、部材自体にバネ性を持たせるか、あるいは中間部にバネ部材を設けておくようにする。また、前記ほぼコ字型保持部材は、前記ロールブラシまたはチャンネルブラシの摩擦部分が前記太陽電池に対して程よい角度に接触するように支持部で回動できる構造になっている。
【0021】
前記太陽電池パネルは、太陽の方向に追従できるようになっているため、夜から朝になった場合、あるいは朝からお昼過ぎの所定の角度になった場合、前記ロールブラシまたはチャンネルブラシが重力により下方向に落下し、その際に前記ブラシによって太陽電池パネルの表面を磨く、または洗浄することができる。前記ほぼコ字型保持部材は、前記ロールブラシまたはチャンネルブラシによって、バネ圧を決めておき、前記太陽電池パネルの表面に付着したゴミ等を除去することができ、前記太陽電池パネルの発光効率を低下させることがない。また、必要に応じて、前記自動洗浄装置は、少なくとも一方において、前記ロールブラシまたはチャンネルブラシが最下端に達した際に、洗浄するための水等を掛ける洗浄装置を設けることができる。
【0022】
(第2発明)
第2発明の太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置は、ロールブラシの回転部に設けられる軸受けが錘となっている。前記錘は、軸受と兼用できるだけでなく、長さ方向により、重さを適宜調整することが容易にできる。また、前記ロールブラシの軸そのものを錘にすることも可能である。前記錘となる軸受は、前記コ字型保持部材の向きを前記太陽電池の表面にブラシを沿わせるようにしている。
【0023】
(第3発明)
第3発明の太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置は、チャンネルブラシのチャンネル部材が錘りとなるようになっている。前記チャンネルブラシは、ブラシ毛をチャンネル部材に入れ、両側から挟持して作製するが、前記チャンネル部材の重さ、および必要に応じて、チャンネル部材の内部に錘を入れることにより、程よい重さに調整することができる。また、前記コ字型保持部材は、溝の中を摺動および回動自在に移動することにより、前記太陽電池の表面にブラシを沿わせるようにしている。
【0024】
(第4発明)
第4発明の太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置は、ほぼコ字型保持部材に弾性体を設けることにより、前記ブラシを太陽電池パネル表面に程良い圧力で接する弾力を持たせている。前記弾性体の圧力は、コイルバネ、あるいは所定の弾力を有するバネ部材とすることができる。
【0025】
(第5発明)
第5発明の太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置は、太陽電池パネルの表面を磨くブラシ素材として、紙、布、合成樹脂製、動植物製、不織布、バフ、スポンジの中の少なくとも一種類が使用されている。前記ブラシ素材は、太陽電池パネルの表面を研磨・洗浄できる柔らかさのものであれば、必要に応じて、変えることができる。
【0026】
(第6発明)
第6発明の太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置は、ブラシ素材を紙製にしている。前記紙ブラシは、シート状の紙を丸められた棒状体とする。前記棒状体は、捻じられ、その後、複数本を縒り、紐状体とする。前記紐状体は、チャンネルブラシまたはロールブラシに組み立てることができる。
【0027】
(第7発明)
第7発明の太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置は、ブラシ素材が紙、布、合成樹脂、不織布製である。前記紙、布、合成樹脂、不織布は、所定の大きさに裂かれ、または切断され、接着剤および/または砥粒が加えられた紐状体になる。前記紐状体は、編まれ、あるいは接着剤により固定されてチャンネルブラシまたはロールブラシに組み立てることができる。
【実施例1】
【0028】
図1(イ)から(ハ)は本発明の実施例であり、太陽光追従型発電システムにおける太陽電池パネルの表面を研磨および/または洗浄できる太陽電池パネル自動洗浄装置を説明するための模式図で、(イ)は全体の側面図、(ロ)は太陽電池パネルの平面図、(ハ)は一部断面図である。図1(イ)において、太陽光追従型発電システム11は、太陽電池パネル用支持部材12と、太陽電池パネル保持枠13と、太陽電池パネル15と、前記太陽電池パネル15の表面を研磨および/または洗浄するロールブラシ14とから少なくとも構成されている。前記太陽電池パネル用支持部材12は、前記太陽電池パネル保持枠13に太陽電池パネル15を取り付け、風雨に耐えるように大地に取り付けられている。
【0029】
図1(ロ)および(ハ)は本発明の実施例で、前記太陽電池パネル15が太陽電池パネル保持枠13に取り付けられている。前記太陽電池パネル15は、前記太陽電池パネル保持枠13とともに回転軸121を中心に回転し、太陽光に追従するとともに、ロールブラシ14によって、前記太陽電池パネル表面が研磨・洗浄される。前記太陽電池パネル15および太陽電池パネル保持枠13は、ほぼコ字型保持部材32(図3(イ)および(ロ)参照)によって所定の間隔と圧力で保持されている。
【0030】
前記太陽電池パネル保持枠13は、前記太陽電池パネル支持部材12の回転軸121を中心に回転して、前記太陽電池パネル15を太陽光に追従できるように回動可能に固定している。また、前記太陽電池パネル保持枠13は、両側端で閉塞された溝131が設けられている。前記ロールブラシ14は、前記太陽電池パネル保持枠13の上部に達した場合、ほぼコ字型保持部材32の弾性に反し、自重により、一方の端から他方の端に移動できるような構造で支持されている。前記ほぼコ字型保持部材は、部材自体にバネ性を持たせるか、あるいは中間部にバネ部材を設けておくことができる。
【0031】
前記太陽電池パネル15は、図示されていない制御装置によって、常に、太陽の方向を向くようになっているため、夜から朝になった場合(太陽電池パネル追従装置の制御による)、あるいは朝からお昼過ぎの所定の角度になった場合、前記ロールブラシが重力により下方向に落下し、その際に前記ブラシによって太陽電池パネル15の表面を磨くことができる。前記ほぼコ字型保持部材31は、前記ロールブラシ14によって、バネ圧を決めておき、前記太陽電池パネル15の表面に付着したゴミ等を除去することができ、前記太陽電池パネルの発光効率を低下させることがない。
【0032】
また、必要に応じて、前記太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置は、少なくとも一方において、前記ロールブラシ14(図2)またはチャンネルブラシ34(図4)が最下端に達した際に、洗浄するための水等を掛ける洗浄装置を設けることができる。
【0033】
図2は本発明の太陽電池自動洗浄装置におけるロールブラシおよび太陽電池パネルの関係を説明するための模式図である。図2において、太陽電池パネル保持枠13(図1参照)は、ロールブラシ14をコ字型保持部材31、35(図3参照)で支持するとともに、摺動自在に移動できる溝131、および必要に応じて、ストッパー132、132′が設けられている。
【0034】
図3(イ)から(ハ)は本発明の太陽電池パネルとブラシとの関係を説明するための断面模式図である。図3(イ)において、ほぼコ字型保持部材31は、図示のごとく、二つの部材からなり、中間にバネ部材32があり、互いに引きつけられることにより、ロールブラシ14を太陽電池パネル15の表面に押しつけるように保持する。図3(ロ)のほぼコ字型保持部材35は、予め所定の弾性を有する部材からなるチャンネルブラシ34のチャンネル部材341(図(ハ)参照)が取付凹部33に摺動自在に取り付けられる。前記ほぼコ字型保持部材35は、チャンネルブラシ34のチャンネル部材に溶接または接着剤351により取り付けられる。さらに、前記チャンネルブラシ34は、必要に応じて、錘342を上部に取り付けることにより、太陽電池パネル15の表面を上手に研磨・洗浄ができる。
【0035】
図4は本発明の第2実施例であり、研磨および/または洗浄するブラシおよびコ字型保持部材が第1実施例と異なっている。すなわち、図4に示す太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置は、図3(ロ)および(ハ)に示すように、チャンネルブラシ34およびほぼコ字型保持部材31の形状が図2および図3(イ)と異なっている。
【0036】
図3において、前記ほぼコ字型保持部材31は、ロールブラシ14の内部にブラシ軸受141を設け、前記ブラシ軸受141を錘にするために、重さを調整することができる。また、前記ブラシ軸受141は、長さを調整することにより、ロールブラシ14の研磨・洗浄を調整することができる。
【0037】
第3発明の太陽電池自動洗浄装置は、チャンネルブラシのチャンネル部材が錘りとなるようになっている。前記チャンネルブラシは、ブラシ毛をチャンネル部材に入れ、両側から挟持して作製するが、前記チャンネル部材の重さ、および必要に応じて、チャンネル部材の内部に錘を入れることにより、程よい重さに調整することができる。
【0038】
図5(イ)から(ヘ)は本発明の実施例であり、シート状紙部材を丸めた棒状体を、捩じり、縒ってブラシ素材とした実施例を説明するための模式図である。図5(イ)から(ニ)は本発明の捻じり縒り紙製ブラシ毛を説明するための模式図である。本実施例の紙製ブラシは、図5(イ)に示されたような薄い紙製シート11から作製される。前記紙製シート51は、一端から丸められ、丸い棒状体52となる。前記棒状体52は、図5(ハ)に示されているように、捻じられられた状態53となる。
【0039】
前記薄い紙製シートを丸めた棒状体52は、捻じられた後、さらに、複数本を縒ることにより、捻じり縒り紙製ブラシ毛54が作製される。前記紙製シート51は、和紙の場合、濃淡のある(透けて見える所がある)ものとなる。また、前記紙製シートは、和紙、洋紙、厚紙、リサイクル用紙等、被研磨面、あるいは研磨目的によって、種々の品種のものを選択することができる。前記紙製シートは、古紙、牛乳パック、段ボール等を基にしたものを使用することもできる。
【0040】
図5(ホ)は、捻じり縒り紙製ブラシ毛の他の例で、前記捻じり縒り紙製ブラシ毛の少なくとも一本を編み機(公知の編み機)により網状に編み込んだ状態にしたもの55を巻回55′する。前記合成樹脂製ブラシ毛より、研磨面および腰が柔らかい、紙独特の性質を得ることができる。前記紙の種類は、多数あり、紙製ブラシ毛として使用する際の用途により、目的に合った紙の種類を選択することができる。前記各種紙製シートは、薄いシートを丸めて棒状体とした後、捻じられる。
【0041】
前記捻じられた棒状体は、縒ることにより、紙の種類から生じる独特の柔らかさ、および紙の捩じりおよび縒りから生じる隙間により、摩擦力および腰の強さに独特の強度を持ち、かつ、柔軟性の優れた紙製ブラシ毛となる。前記捩じりおよび縒られた棒状体は、少なくとも1本または複数本が集合されて紙製ブラシ毛となる。前記柔軟性の高い紙製ブラシ毛は、植え込み部材に植え込まれる。
【0042】
前記捻じり縒り紙製ブラシ毛は、さらに、図5(ホ)に示されているように、公知の編み機によって編まれ(符号55)、巻回された状態55′になる。前記捻じり縒り紙製ブラシ毛の編み方は、図示以外に、公知の各種方法を採用することができる。前記網状に編まれた紙製ブラシ毛は、先端、側端、側面をブラシ面として使用できる。前記網の編み方は、紙の材質以外に、交差部、結び目、編み目の大小、編み目の密度等によって研磨具合を変えることができる。前記網状に編まれた紙製ブラシ毛は、捩じり縒りだけの場合と比較して、より多くの隙間を有するため、柔らかい研磨以外に、振動を吸収しながらの研磨ができる。
【0043】
前記捻じり縒り紙製ブラシ毛は、編まれた状態55′を巻回することにより、図5(ヘ)に示す棒状ブラシ551ができる。前記棒状ブラシ551は、把持部552を付けることにより、大型平面部材の研磨ブラシとすることがでる。
【0044】
図6(イ)から(ニ)は本発明に使用する捻じり縒り紙製ブラシ毛から紙製ブラシを作製する状態を説明するための模式図である。図6(イ)において、作製された捻じり縒り紙製ブラシ毛61は、たとえば、少なくとも1本が半分に折られ、その中間部に芯線62を挟み、コ字状チャンネル部材63に挟むことにより植設される。その後、前記コ字状チャンネル部材63は、両側から押され、紙製ブラシが完成する。前記コ字状チャンネル部材63は、金属製または合成樹脂製とすることができる。前記合成樹脂製チャンネルは、熱等を加えることにより、前記紙製ブラシを強く挟み込む。
【0045】
また、図6(ロ)に示す捻じり縒り紙製ブラシ毛64は、半分に折るか、あるいは長さを一定にして、コ字状チャンネル部材65に植設される。その後、前記捻じり縒り紙製ブラシ毛64は、前記コ字状チャンネル部材65に接着剤66を入れることにより、紙製ブラシとなる。さらに、図6(ハ)に示す紙製ブラシは、通常の方法により、捻じり縒り紙製ブラシ毛68をデッキ67の孔に植設する。前記紙製ブラシは、いろいろな形状のものとすることができるだけでなく、紙の種類、捩じりおよび縒りによって生じる独特のものを作製することができる。前記チャンネル部材は、断面コ字状以外に、断面C型、断面U型、あるいは変形した形状にすることができる。
【0046】
図6(ニ)において、図6(イ)および(ロ)によって作製された紙製チャンネルブラシを円形からなるホイールブラシとした例である。また、前記ホイールブラシは、同心的に重ねることにより、ロールブラシとすることもできる。図7(イ)および(ロ)は、本発明の実施例であり、ロールブラシの例を説明するための図である。前記チャンネルブラシを連続して一つの軸72に設けて、ロールブラシ73としている。基台74上には、たとえば、被研磨部材が置かれており、その上をロールブラシ73が回転しながら研磨・洗浄を行う。
【0047】
図8(イ)から(ニ)は本発明の実施例であり、紙を切り裂いた作製された棒状体を成形してブラシ素材とした実施例を説明するための模式図である。図8(イ)において、紙81は、細かに切り裂かれる。次に、前記切り裂かれた紙81は、たとえば、図8(ロ)に示す容器82に収容される。図8(ハ)において、前記容器82は、前記切り裂かれた紙81に接着剤811および/または砥粒812が入れられる。その後、図8(ニ)において、金型(図示されていない)に入れられ、棒状体83、石鹸状体84、およびシート状体85が成形される。前記棒状体83等に成形された後、前記接着剤811は、自然に蒸発するもの、乾燥により蒸発するもの等がある。
【0048】
図9(イ)から(ニ)は本発明の実施例であり、裁断した紙からブラシ素材を作製し、成形した例を説明するための模式図である。図9において、紙は、所望の大きさに裁断91される。次に、前記裁断91された紙は、たとえば、図9(ロ)に示す容器92に収容される。図9(ハ)において、前記容器92は、前記裁断された紙に接着剤911および/または砥粒912が入れられる。その後、図9(ニ)において、金型(図示されていない)に入れられ、棒状体93、石鹸状体94、およびシート状体95が成形される。なお、前記図9(イ)に示す紙の裁断91は、一例であり、同じ形に整然とするもの、または大きさの異なる形が混じったもの等が考えられる。
【0049】
前記紙は、和紙の場合、濃淡のある(透けて見える所がある)ものとなる。また、前記紙は、和紙、洋紙、厚紙、リサイクル用紙等、被研磨面、あるいは研磨目的によって、種々の品種のものを選択することができる。前記紙は、古紙、牛乳パック、段ボール等を基にしたものを使用することもできる。図1から図3に示された棒状体13、23、33は、必要に応じて、捻じり縒られたブラシ素材となる(図示されていない)。
【0050】
前記捻じり縒り棒状体からなるブラシ素材は、縒ることにより、紙の種類から生じる独特の柔らかさ、および紙の捩じりおよび縒りから生じる隙間により、摩擦力および腰の強さに独特の強度を持ち、かつ、柔軟性の優れた紙製ブラシ毛となる。前記捩じりおよび縒られた棒状体は、少なくとも1本または複数本が集合されて紙製ブラシ毛となる。前記柔軟性の高い紙製ブラシ毛は、植え込み部材に植え込まれる。
【0051】
また、前記捻じり縒り紙製ブラシ毛は、公知の編み機によって網状に編まれる。前記捻じり縒り紙製ブラシ毛の編み方は、図示以外に、公知の各種方法を採用することができる。前記網状に編まれた紙製ブラシ毛は、先端、側端、側面をブラシ面として使用できる。前記網の編み方は、紙の材質以外に、交差部、結び目、編み目の大小、編み目の密度等によって研磨具合を変えることができる。前記網状に編まれた紙製ブラシ毛は、捩じり縒りだけの場合と比較して、より多くの隙間を有するため、柔らかい研磨以外に、振動を吸収しながらの研磨することができる。
【0052】
本発明のブラシ素材に使用する接着剤は、使用目的等により、種類を選択し、濃度を調整することにより、形状以外に固さも調整することができる。前記接着剤が染み込んだ捻じり縒り紙製ブラシ毛は、接着剤の種類および濃度、紙の種類、捩じり、および縒りから生じる独特の柔らかさおよび軽さを持たせることができる。前記接着剤は、水性接着剤、無機系接着剤、有機系接着剤、天然ゴム系接着剤、ニカワを主原料とする天然接着剤、ニカワと木質セルローズを含む接着剤、壁紙用天然接着剤等が使用される。
【0053】
また、紙製ブラシ素材の中心には、金属線、合成樹脂製ブラシ毛、動植物製ブラシ毛を入れることができる。また、砥粒は、たとえば、シリコンカーバイト、アルミナ、ジルコニア、ダイアモンド、エメリー、酸化セリウム、金属等のうちの少なくとも一つの砥粒が接着剤により、所定量だけ取り付けることができる。前記砥粒の種類、大きさ、および接着剤の量は、紙製ブラシの使用目的および紙製ブラシで拭く対象物によって任意に選択できる。さらに、前記砥粒およびペースト状接着剤の入れる場所は、前記同様に、紙製ブラシの使用目的および紙製ブラシで拭く(磨く)対象物によって、先端部の一部、先端部から中間部まで、あるいは全体といったように任意に選択できる。
【0054】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではない。そして、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。本発明の太陽光追従型発電システムは、公知ものであれば、どのようなタイプのものにも適用できる。太陽電池パネルを研磨・洗浄するロールブラシおよび/またはチャンネルブラシのブラシ素材は、合成樹脂部材、布部材、植物部材、動物部材、紙等を選択することができる。特に、紙は、その種類、厚さ、透きかた、形状、密度、捩じり方、縒り方等は、任意に選択することができる。また、紙の捩じり、または縒り方は、従来から使用されている機械により作製することができる。
【符号の説明】
【0055】
11・・・太陽光追従型発電システム
12・・・太陽電池用支持部材
121・・・回転軸
122、122′、122″・・・回転軸受
13・・・太陽電池保持枠
131・・・溝
132、132′・・・ストッパー
14・・・ロールブラシ
141・・・ブラシ軸受
15・・・太陽電池パネル
31・・・コ字型保持部材
32・・・バネ部材
33・・・取付凹部
34・・・チャンネルブラシ
341・・・チャンネル部材
342・・・錘
35・・・コ字型保持部材
351・・・ハンダ付(接着剤)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光追従型発電システムにおける太陽電池パネル表面を研磨・洗浄する自動研磨および/または洗浄装置において、
前記太陽電池パネルを太陽光に追従できるように支持する支持部材と、
前記支持部材を中心にして前記太陽電池パネルを太陽光に追従できるように回動可能に固定する太陽電池パネル保持枠と、
前記太陽電池パネル保持枠の両側部に設けられ、一方の端および他方の端でそれぞれが閉塞されている溝と、
前記溝で両端部が支持されているとともに、前記太陽電池パネルの表面を洗浄できるロールブラシまたはチャンネルブラシと、
前記ロールブラシまたはチャンネルブラシの軸と前記溝との距離を一定に保持するほぼコ字型保持部材と、
から少なくとも構成されていることを特徴とする太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置。
【請求項2】
前記ロールブラシは、両端の軸受が錘となっていることを特徴とする請求項1に記載された太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置。
【請求項3】
前記チャンネルブラシは、チャンネル部材が錘りとなっていることを特徴とする請求項1に記載された太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置。
【請求項4】
前記ほぼコ字型保持部材は、前記ブラシを太陽電池パネル表面に程良い圧力で接する弾力を備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載された太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置。
【請求項5】
前記ロールブラシおよびチャンネルブラシの材質は、紙、布、合成樹脂、不織布、バフ、スポンジの中の少なくとも一種類であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載された太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置。
【請求項6】
前記ロールブラシおよびチャンネルブラシは、
前記紙、布、合成樹脂、不織布が所定の大きさに裂かれ、接着剤および/または砥粒が加えられた紐状体を基にして作製されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載された太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置。
【請求項7】
前記ロールブラシおよびチャンネルブラシは、
紙が丸められた棒状体を捻じり、縒ったものからなる紐状体を基にして作製されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載された太陽電池パネル自動研磨および/または洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−124303(P2012−124303A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273409(P2010−273409)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(398029234)
【出願人】(506324806)
【Fターム(参考)】