説明

安全連動装置を有するポンプセット

【課題】ポンプ上へのポンプセットの確実な装填を判定するための安全連動装置を有するポンプセットの提供。
【解決手段】ポンプ1とともに用いるためのポンプセット5は、患者に流体供給を配送する。フィードセットは、栄養物液体のための導管および導管と関係付けられる安全連動装置61を有する。ポンプ装置は、ポンプ機器およびポンプの動作を制御するための制御システムを有する。電磁放射光源は、フィードセットの安全連動装置に当たるような方向に電磁放射光信号を放射するために、ポンプの制御システムに接続して動作させる。安全連動装置は、電磁放射光の方向に作用するよう適合している。その方向が安全連動装置により影響を受けると、その電磁放射光信号を受け取り、フィードセット導管がフィードポンプに適切に位置決めされているという制御システムへの指示を提供するために、電磁放射光検出器が、制御システムに接続されて動作する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、全て2006年3月2日付で米国特許商標局に提出の米国特許出願第11/366,225号、第11/366,227号、第11/366,226号の一部継続である。これら出願の開示の全文を引用して本明細書に組み込む。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般に、流量制御設備により、流体を患者に配送するポンプセットに関し、より詳細には、ポンプ上へのポンプセットの確実な装填を判定するための安全連動装置を有するポンプセットに関する。
【背景技術】
【0003】
薬品または栄養物を含む流体を患者に投与することは、従来技術で公知である。流体は重力による流れで患者へ送出できるが、流量制御装置に搭載された、制御送出速度で患者へ流体を送出するぜん動ポンプ等のポンプセットで患者へ流体を送出することも多い。ぜん動ポンプは、減速機を介して少なくとも1台のモータと動作可能に係合されるロータ等を含むハウジングを備えるのが普通である。ロータは、モータによるロータ回転がもたらすぜん動作用により、ポンプセットのチューブを通る流体を駆動する。ロータを駆動する回転軸へモータを動作可能に接続し、ロータは、徐々にチューブを圧縮し、制御された速度でポンプセットを通る流体を駆動する。コントローラが、ロータを駆動するようモータを動作させる。ロータを利用しない他の種類のぜん動ポンプも公知である。
【0004】
ポンプにプログラムされた流れパラメータと対応する正確な流量をポンプが送出するためには、投与フィードセットをポンプへ正確に装填しなければならない。ポンプセットがポンプ内でずれていると、ポンプは正確な流量を患者へ送出できないし、またはポンプが条件を調べて、セットを再装填するよう要求する流量不足アラームを発することになる。既存のポンプは、ポンプセットが適切に装填されているかどうかを検出するシステムを有する。検出システムを有するこのようなポンプの例は、同一出願人による米国特許第4,913,703号、名称「医療流体ポンプのための安全連動装置」に示されている。この開示内容を引用して本明細書に組み込む。このシステムは、ポンプセットに磁石を用いてポンプ内の電子回路がそれを検出する。それぞれのポンプセットに磁石がなくても検出ができるポンプセットを提供することが望まれる。
【発明の開示】
【0005】
本発明の一態様では、ポンプセットはポンプ装置で用いられる。ポンプ装置は、同ポンプ装置の動作を制御して同ポンプ装置に装填したポンプセットにより患者に流体を供給するための制御システム、電磁放射光を放射するためにポンプ装置の制御システムに接続して動作させる電磁放射光源、およびポンプセットがポンプ装置上に適切に装填されているという指示を提供するための制御システムに接続して動作させる電磁放射光検出器を有する。ポンプセットは、概して、患者に流体を搬送するための導管、および導管と関係付けられるとともに、電磁放射光源からの電磁放射光のパス内で、ポンプ装置内に取り付けられるよう適合している電磁放射光伝搬作用部材を備える。伝搬作用部材は、導管と連通している流体通路を画成する本体を備え、その本体を流体が貫流する。流体通路は軸を有し、その本体は、その流体通路から概ね半径方向に突出する光透過部分を含む。光透過部分は、電磁放射光を透過させる材料で形成され、ポンプセットがポンプ装置上に適切に配置されている場合、電磁放射光源が放射する電磁放射光のパス内にあるよう、本体に対して編成される少なくとも一つの干渉面を含む。光透過部分には、干渉面より流体通路の軸の方に近い配置の少なくとも一つのチャンネルが更に含まれ、ポンプセットがポンプ装置に適切に配置されている場合、電磁放射光源から放射される電磁放射光の内の少なくともある量を、干渉面を通過させてそのチャンネルに入れ、電磁放射光検出器に向けて方向を転換するように、電磁放射光を光透過部分の内部で反射させる。
【0006】
本発明の更なる態様では、安全連動装置は、医療装置で用いられる。医療装置は、同医療装置の動作を制御するための制御システム、電磁放射光を放射するために、医療装置の制御システムに接続して動作させる電磁放射光源、安全連動装置が医療装置上に適切に装填されているという指示を提供するための、制御システムに接続して動作させる電磁放射検出器を有する。安全連動装置は、概して、導管と関係付けられるとともに、電磁放射光源からの電磁放射光のパス内で、医療装置内に取り付けられるよう適合している電磁放射光伝搬作用部材を備える。伝搬作用部材は、導管と連通している流体通路を画成する本体を備え、その本体を流体が貫流する。流体通路は軸を有し、その本体には、その流体通路から概ね半径方向に突出する光透過部分が含まれる。光透過部分は、電磁放射光を透過させる材料で形成され、安全連動装置が医療装置上に適切に配置されている場合、電磁放射光源が放射する電磁放射光のパス内にあるよう、本体に対して編成される少なくとも一つの干渉面を含む。光透過部分は、干渉面より流体通路の軸の方に近い配置の少なくとも一つのチャンネルを更に含み、電磁放射光源から放射される電磁放射光の内の少なくともある量を、干渉面を通過させてそのチャンネルに入れる。安全連動装置がポンプ装置上に適切に配置されている場合、電磁放射光検出器に向けて方向を転換するように、電磁放射光を光透過部分の内部で反射させる。
【0007】
本発明の更に別の態様では、ポンプシステムは、概して、ポンプ装置内に装填したポンプセットを通じて流体を患者に供給するよう、ポンプ装置の動作を制御する制御システムを有するポンプ装置を備える。ポンプ装置の制御システムに接続して動作させる電磁放射光源は、電磁放射光を放射でき、制御システムに接続して動作させる電磁放射光検出器は、ポンプセットがポンプ装置上に適切に装填されているという指示を提供できる。ポンプセットは、概して、患者に流体を搬送するための導管、および導管と関係付けられるとともに、電磁放射光源からの電磁放射光のパス内で、ポンプ装置内に取り付けられるよう適合している電磁放射光伝搬作用部材を備える。伝搬作用部材は、導管と連通する流体通路を画成する本体を備え、その本体を流体が貫流する。流体通路は軸を有する。本体には、その流体通路から概ね半径方向に突出する光透過部分が含まれる。光透過部分は、電磁放射光を透過させる材料で形成され、少なくとも一つの干渉面および干渉面より流体通路の軸の方に近い配置の少なくとも一つのチャンネルを含む。チャンネルは、概してチャンネルの半径方向外側面に配置される反射面を画成する。
【0008】
本発明の上記説明した態様に関連して注目される特徴には、多様な改良点が存在する。更なる特徴も、本発明の上記説明した態様に組み込むことができる。これらの改良点および追加の特徴は、個別に、または任意の組合せに存在する。例えば、本発明の図示した実施の形態の何れかに関連して、以下に説明する様々な特徴を、本発明の上記説明した態様の何れかに単独または組み合わせて組み込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図面を参照する。本発明の原理により構成した経腸フィードポンプ(広義には「ポンプ装置(pumping apparatus)」)を全体として1で示す。フィードポンプは、全体として5で示す投与フィードセット(広義には「ポンプセット」)を取り付けるように構成される全体として3で示すハウジングを備える(図1および図3を参照)。言うまでもなく、本明細書で用いる「ハウジング」には、多部品構造およびポンプ1の動作部品を収納しない、つまり取り囲まない構造等を含む多くの支持構造(不図示)の形態が含まれる。ポンプ1は、ハウジング3の前面に、ポンプの状態および/または動作についての情報を表示するディスプレイスクリーン9も有する。ディスプレイスクリーン9の側面のボタン11は、ポンプ1からの情報を制御および取得するのに用いる。言うまでもなく、図示のポンプ1は、経腸フィードポンプであるが、本発明は、医療用輸液ポンプを含む他の型式のぜん動ポンプ(不図示)に適用できる。本明細書で説明するのと同じ汎用型式のポンプは、同一出願人の米国特許第4,909,797号、名称「シェイドドリップチャンバを備える経腸配送セット」に示されている。その開示内容を引用して本明細書に組み込む。
【0010】
経腸フィードポンプ1は、ハウジング3に配置され、図4に略図で示すポンプモータ25を備えるポンプユニット(全体として23で示す)を更に含んでいる。電気コード27が、モータ25を電力源に接続するためにハウジング3から延伸する。代替として、または追加として、ポンプモータ25に電力を供給するためのバッテリ(不図示)をハウジング3に収容してもよい。ポンプユニット23は、ポンプユニットのロータ軸(不図示)に取り付けられるロータ(全体として37で示す)を更に含んでいる。ロータ37は、内側ディスク39と、外側ディスク41と、両ディスクに対して両ディスクの長手軸周りに回転するよう内側ディスクと外側ディスクとの間に取り付けられる3本のローラ43(1本のみ図示する)とを含んでいる。図示の実施の形態では、ポンプモータ25、ロータ軸およびロータ37は、広義には、「ポンプ装置(pumping device)」と考えることができる。ポンプハウジング3は、ロータ37の上方の第1下側凹部45と、第1下側凹部45にほぼ隣接する第2下側凹部47とを含んでいる。ハウジング3は、第1下側凹部45とほぼ軸方向に整列される上側凹部49と、上側凹部の底部にフィードセット5の一部を収容し、保持するための段部51とを有する。第2下側凹部47の上方のハウジング3の湾曲した凹部53は、投与フィードセット5の別の部分を定位置に収容し、保持する。下側凹部45、47、上側凹部49および湾曲凹部53は、広義には、個別にまたは集合体として、以下で更に詳細に説明する態様により投与フィードセット5の各部を収容するハウジング3の「収容部」と考えることができる。
【0011】
図3を参照する。投与フィードセット5は、少なくとも1つの流体源と患者との間に流路を提供する、全体として55で示すチューブ(広義には「導管」)を備えている。チューブ55は、医療用グレードの変形自在なシリコンにより作製され、点滴チャンバ59と、全体として61で示す安全連動装置との間に接続される第1チューブ部57を備えている。第2チューブ部63は、安全連動装置61に接続され、チューブ55の出口は、患者に取り付けられる胃瘻装置(不図示)への接続に適した突起付コネクタ65等のコネクタに接続される。第3チューブ部67は、チューブ55の入口が栄養液のバッグ69に接続されるとともに、点滴チャンバ59に接続される。先に説明したように、異なる構造のポンプセットを用いてもよく、例えば、検査証明用セット(不図示)を用いてポンプ精度を検証および/または補正してもよい。ポンプ1は、どの種類のセットが装着されるかを自動的に認識するとともに、特定ポンプセットが要求する動作と一致するようその動作を変更するようになされることができる。更に、ポンプ1は、第1チューブ部57がポンプへ適切に装着されているかどうかをセンサで検出するようになされることができる。
【0012】
図3に示すように、安全連動装置61は、投与フィードセット5の第1チューブ部57と第2チューブ部63とを接続する。安全連動装置61は、第1チューブ部57と第2チューブ部63との間で流体を流動させる中心軸穴81を有する(図5を参照)。安全連動装置61は、チューブ57の一部を収容する上側円筒部83と、上側円筒部から径方向外側に延伸する電磁放射光伝搬作用部材87と、第2チューブ部を安全連動装置に取り付けるための、第2チューブ部63に収容される下側円筒部89とを有する。言うまでもなく、安全連動装置61、特に部材87は、投与フィードセット5とは別体であってもよく、および/または液体が安全連動装置内を流れないような方法で投与フィードセットに取り付けてもよい。電磁放射光伝搬作用部材87は、投与フィードセット5がポンプに適切に装填された場合、ポンプ1の第2下側凹部47の底部に形成される、全体として91で示す台座に収容される大きさとする。図示の実施の形態では、台座91は、安全連動装置61の形状に対応する略半円筒状であり、第2下側凹部47の軸方向対向面95と、第2下側凹部47の径方向対向面99とを含んでいる。この第1の実施の形態およびほとんどの他の実施の形態において、ポンプ1は、放射光伝搬作用部材87が台座91の軸方向対向面95と実質的に対向するように収容されたときほぼ適切に機能する。しかしながら、台座91内での、部材87の軸周りの回転の向きは動作にほぼ無関係である。いくつかの実施の形態では(以下に示す)、部材87の特定の回転方向の向きが有用であり、その場合は、特定の構造が提供される。本発明の範囲内で、伝搬作用部材87を位置決めする他の方法を用いてもよい。安全連動装置61およびハウジング3内の台座91は、投与フィードセット5が事故で外れるのを防いだり、安全連動装置がない非準拠フィードセットが使用されるのを防いだりする形状としてもよい。図示の実施の形態では、安全連動装置61および台座91は、略円筒状であるが、言うまでもなく、安全連動装置および台座に他の形状(例えば、六角形)を用いてもよい。
【0013】
安全連動装置61は、可視光には不透明であるが、赤外線範囲の電磁放射光は容易に透過させる材料から成る。一実施の形態では、安全連動装置61は、可視光吸収ポリエン、例えばPVC材料、を形成させる条件で処理することにより、赤外放射光に透明なままとしながら、可視光を吸収させる。安全連動装置材料内の可視光吸収ポリエンの形成を促進させるために、一変形では、可視光吸収ポリエンが形成される程度まで材料を劣化させる約207℃〜約216℃等の高い温度で射出成形処理を行う。安全連動装置61の射出成形は、安全連動装置が単一の材料部品として形成されるよう、シングルショット射出で実行できる。高温射出成形は、例えば、Argurg
Allrounder モデル270−90−350射出成形機で達成できる。
【0014】
実際に207℃〜216℃で成形する方法の代替としては、成分材料または前駆体材料を、所望の効果が得られるのに十分な拡張時間の間、約193℃〜204℃等の高温に曝すことである。別の変形では、安全連動装置の材料は、ポリスルフォン熱可塑性樹脂、熱可塑性ポリマ樹脂と混合した染料、またはある波長範囲(例えば、可視光)の電磁放射光を吸収し、かつ別の波長範囲(例えば、赤外線)の赤外放射光を透過する他の適切な材料等の熱可塑性ポリマ樹脂とすることができる。例えば、一実施の形態では、赤外線顔料をPVCに添加し(例えば、約4%の混合比で)、この材料によりコネクタを射出成形する。射出成形機で用いるペレットの形にPVCを処理する前に、またはその後に射出成形設備で、顔料を添加することができる。
【0015】
一般的に、安全連動装置は、拡散、回折、反射および/もしくは屈折、または拡散、回折、反射および/もしくは屈折の任意の組合せにより電磁放射光の伝搬に作用し得る。拡散は、一般に、粗面から反射したとき、または電磁放射光が半透明媒体を透過するときのいずれかの電磁放射光線の散乱と考えられている。回折は、一般に、不透明物体の端の周りでの電磁放射光線の屈曲と考えられている。反射は、表面に入射するものの、反射面を提供する物質へは侵入しない粒子または放射エネルギの、行程の戻りまたは方向変化と考えられる。屈折は、放射エネルギの光線が、ある媒体から伝搬速度が異なる別の媒体(例えば、異なる密度の媒体)へ斜めに入るときの、その光線の動きの方向変化と考えられている。屈折量は、その媒体に対向する材料の密度に一部依存する屈折率に基づく。
【0016】
ポンプ1は、プログラムされるか、さもなくば所望の方法で動作が制御される。例えば、ポンプ1の動作を開始すると、フィード流体をバッグ69から患者へ与えることができる。介護者は、例えば、送出する流体の量、流体の送出速度、および流体の送出頻度を選択できる。図4に示すように、ポンプ1は、プログラミングを可能にする、および/または介護者が開始する予めプログラムされた動作ルーチンを含むことを可能にするマイクロプロセッサ79を含むコントローラ77(広義には「制御システム」)を有する。マイクロプロセッサ79は、モータ25を動作させるポンプ電子回路80を制御する。ソフトウエアサブシステム82を用いて、フィードセット5がポンプ1に適切に位置決めされたかどうかを判定する。
【0017】
第1の実施の形態では、ポンプは、第2下側凹部47に収容される赤外光(「IR」)放射器105(広義には「電磁放射光源」)を含んでいる。図5および図6を参照する。フィードセット5の安全連動装置61に向けて赤外範囲の(「第1」)波長を有する電磁放射光信号を放射するために、IR放射器105をコントローラ77へ動作可能に接続する。図示の実施の形態では、電磁放射光源は、赤外光(IR)放射器105であるが、言うまでもなく、本発明の範囲から逸脱することなく、他の種類の電磁放射光源を用いてもよい。第2下側凹部47に配置される赤外光(「IR」)検出器109は、IR放射器105から赤外光信号を受けて、フィードセット5がポンプに適切に位置決めされているという指示をコントローラへ提供するために、コントローラ77へ動作可能に接続される。図示の実施の形態では、IR検出器109(広義には「第1センサ」)は、赤外放射光を検出するが、言うまでもなく、本発明の範囲から逸脱することなく、他の種類の電磁放射光を検出する電磁放射光センサを用いてもよい。IR検出器109は、他の種類の電磁放射光(例えば、可視光または紫外光)と赤外放射光を区別する。可視光検出器111(広義には「第2電磁放射光検出器」および「第2センサ」)は、IR検出器109にほぼ隣接させて第2下側凹部47へ収容される。周囲環境からの可視光(例えば、第2波長の電磁放射光)が検出されて、可視光が検出器に到達するのを遮断する位置で安全連動装置61が第2下側凹部47に取り付けられていないことを示す場合、可視光検出器111は、コントローラ77に信号を与える。好ましくは、可視光検出器111は、可視範囲の電磁放射光を検出するが、可視範囲外(例えば、赤外放射光)の電磁放射光は検出しないようになされる。第2電磁放射光検出器は、紫外範囲等の他の範囲の電磁放射光を検出するようになされる。従って、可視光検出器111は、可視光を赤外放射光と区別できる。本明細書で用いる場合、「第1」または「第2」波長の電磁放射光は、赤外範囲、可視範囲および/または紫外範囲にある波長等の波長の範囲を包含することをそれぞれの場合に意図している。
【0018】
ポンプ1に配置されているポンプセットの種類を決定するセンサおよび流量モニターセンサ等の他のセンサ(不図示)が、コントローラ77と通信して、ポンプが正確に動作するのを支援する。放射器からの電磁放射光(図6の矢印A1で示す)を安全連動装置61の電磁放射光伝搬作用部材87に向けるように、ハウジング3の第2下側凹部47内の窪みにIR放射器105を位置決めする(図5も参照)。安全連動装置61が台座91に適切に配置されている場合、IR放射器105からの赤外放射光は、電磁放射光伝搬作用部材87により拡散され、内部反射されて、赤外放射光がIR検出器109に向けられ、検出される。拡散は、部材87の材料に粒子を添加することにより強化できる。この第1の実施の形態(および他の実施の形態)では、赤外放射光伝搬は、主として内部反射により影響を受ける。拡散等の赤外放射光伝搬に対する他の影響もそれを助ける。しかしながら、屈折する赤外放射光はどれも最低限であり、IR検出器109が検出する赤外放射光信号に寄与しない(すなわち、屈折は信号強度の低下の原因となる)。IR検出器は、台座91の径方向対向面99の窪み117に位置決めし、可視光検出器111は窪み119に位置決めする。窪み113、117、119は、IR放射器105、IR検出器109および可視光検出器111を後退させて、伝搬作用部材87と物理的に接触するのを防ぐ。図示していないが、更に保護するために、対応する窪み113、117、119内部の放射器105および検出器109、111それぞれを透明なプラスチック窓で囲んでもよい。更に、窪み117および119は、周囲の電磁放射光(可視光および赤外放射光の両方を含む)から検出器109および111を遮蔽するのに役立つ。
【0019】
図示した第1の実施の形態では、IR放射器105をIR検出器109とほぼ90°の角度になるように配置する。フィードセット5が第2下側凹部47に装填されず、電磁放射光伝搬作用部材87が台座91に収容されない場合、IR放射器105からの赤外放射光は、IR検出器109により検出されない。また、安全連動装置61が台座91に収容されない場合、ポンプ1の外部からの可視光(すなわち、周囲光)が、第2下側凹部47に入り、可視光検出器111により検出される。伝搬作用部材87は、赤外放射光を透過するが、可視光には不透明な材料により構成されることが好ましい。伝搬作用部材87は、一体構造、つまり2部品(内側および外側部材)ではなく単一部品構造でもよく、単一部品成形は、ワンショット射出成形するか、または赤外放射光は透過させるが、可視光は透過させない外側層(不図示)、ならびに赤外放射光および可視電磁放射光の両方に透明な内側層つまりコア等の他の構造でもよい。
【0020】
図6Aを参照する。電磁放射光伝搬作用部材87内の赤外放射光の動きを略図で示す。IR放射器105は、部材87の側面に向かって円錐状に赤外放射光を放射する。IR放射器105は、すぐ近くの部材87の側面にほぼ垂直に配置する。円錐の中心線CLが図面に示されている。簡単にするために、拡散を無視し、円錐のほぼ半分を二等分した放射光線R1を観察する。光線R1は、この円錐の半分にある赤外放射光の公称パスを表している。円錐のもう半分(すなわち、図6Aの中心線CLより上の部分)は、IR検出器109が検出する光信号の提供に少し有用であるか、または全く有用でないと考えられる。光線R1は、反射して戻らずに伝搬作用部材87に入る角度で部材の側面にあたる。光線R1は、部材87の軸穴81周りの境界B(広義には「内側境界領域」)に達するまで、部材87のほぼ中心に向かって進む。光線R1は、部材87の側面に向かって反射して戻り、側面では、光線の大部分が中心に向かって反射して戻る。境界Bで、光線R1は再び部材87の側面に向かって反射して戻る。最終的に、光線は、IR放射器105の場所から約96°の場所で部材87の内面に当たる。判明したのは、特に高いレベルの赤外放射光強度が、この場所で部材87を抜け出すということである。従って、IR検出器109をこの位置に位置決めするか、または約0〜105°の範囲に位置決めするのが好ましい。もう一つの強度の高いノードは、その反射から予測されるように、IR放射器105から約49°の場所にあることが判る。本発明の別の実施の形態(不図示)では、IR検出器をIR放射器から約60°の位置に配置する(すなわち、49°の強度の高いノードに、より近い)。
【0021】
電磁放射光伝搬作用部材87の境界Bは、部材の他の部分と同一の材料で作製できる。境界Bの材料は、他の部分より更に「磨いて」(すなわち、更に鏡面にする)境界に衝突する電磁放射光の反射性能を強化してもよい。しかしながら、部材87の中心部分を別の材料で形成することも可能である。その場合は、部材87は、図22について下記に説明するように、内側部材および外側部材により形成する。使用にあたっては、投与フィードセットのフィード流体バッグ69は、IVポール(不図示)等の適切な支持体から吊り下げることができる。点滴チャンバ59は、図1に示すような動作位置で、第1下側凹部45および上側凹部49に配置できる。第1チューブ部57は、ロータ37の下部の周囲に配置し、安全連動装置61は、第2下側凹部47の底部の台座91上に配置する。第1チューブ部57がロータ37の周囲に実質的に巻き掛けられる位置で、安全連動装置61を第2下側凹部47に配置できるように、第2下側凹部47の台座91を概ね配置する。IR放射器105およびIR検出器109は、適切に装填したフィードセット5の存在を間歇的または連続的にチェックする。安全連動装置61を、台座91上の適切な動作位置に収容した場合、IR放射器105からの赤外光信号は、電磁放射光伝搬作用部材87に向けられる。電磁放射光伝搬作用部材は、電磁放射光を拡散し、内部反射する内側部に赤外放射光を導く(図6および図6A参照)。再び外側に導かれ、電磁放射光伝搬作用部材87の外側境界に実質的に直角に当たる赤外放射光の一部は、電磁放射光伝搬作用部材を通って外に出る。抜け出た赤外放射光の一部は、IR検出器109に向かって導かれる。IR検出器は、フィードセット5がポンプに適切に装填されている場合、定期的に動作し、赤外放射光の存在を検出する。言うまでもなく、IR検出器109は、電磁スペクトルの可視光領域の波長を有する電磁放射光を検出できないことが好ましい。赤外光信号を検出すると、IR検出器109は、マイクロプロセッサ79へ対応する信号を送る。また、安全連動装置61を台座91に装填した場合、部材87は可視光が可視光検出器111に到達するのを妨げる。セット5が装填されている場合、可視光検出器111は、信号をマイクロプロセッサ79に送って、可視光が遮断され、ポンプ1が動作可能であることを指示する。
【0022】
一実施の形態では、IR放射器105およびIR検出器109は、ともに間歇的に動作して、台座91上の安全連動装置61の存在を検出する。IR放射器105は、あるパターンの赤外放射光パルスを発生するよう動作する。IR検出器109は、IR放射器105からの電磁放射光の存在をチェックする一連の検出アクティブ化、つまりパルス受付けで動作する。典型的には、IR検出器109のアクティブ化数は、所定の時間の間、IR放射器105のパルス数を超える。例えば、IR検出器109は、3秒間に2アクティブとし、IR放射器105は、3秒間に1パルスの赤外放射光を発生するようプログラムする。3秒間の間に、ポンプ1は、約2:1の検出器アクティブ対放射器アクティブの比を有する。言うまでもなく、ポンプ1が他の比率を有してもよく、IR放射器105およびIR検出器109が、本発明の範囲から逸脱することなく、他の所定の間歇パターンで動作してもよい。IR検出器109およびコントローラ77は、IR放射器105の特定パターン、および、例えば不規則なパターンのアクティブ化を認識するよう構成してもよい。
【0023】
図7は、本発明の第2の実施の形態の台座191および安全連動装置121を示す。本実施の形態の安全連動装置121は、傾斜環状面125を備える電磁放射光伝搬作用部材123を有する。IR放射器129は、ハウジング143の台座191の径方向対向面132の窪み131内に配置し、第1の実施の形態と同様な方法で安全連動装置121の方に赤外放射光を向けるよう位置決めする。図7の実施の形態では、IR検出器133および可視光検出器135を、台座191の軸方向対向面141のそれぞれの窪み137、139に配置する。安全連動装置121をハウジング143の台座191に収容した場合、傾斜環状面125は、IR放射器129からの赤外放射光を下方に向けてIR検出器133に反射するよう反射性である。安全連動装置121が台座191に適切に収容されていない場合、可視光検出器135により周囲の可視光が検出される。
【0024】
図7Aは、本発明の第3の実施の形態の台座159および安全連動装置161を示す。本実施の形態では、安全連動装置161は、電磁放射光伝搬作用部材167の径方向外面に反射器165を含んでいる。反射器165は、電磁放射光伝搬作用部材167の他の部分に固定した反射テープ層または研磨金属層でもよい。図7Aの実施の形態では、IR放射器169、IR検出器171、および可視光検出器173は、これら3つのデバイスが概ね縦に整列し、互いに平行となるようにハウジング179の径方向対向面177の窪み175に配置される。言うまでもなく、IR放射器169、IR検出器171、および可視光検出器173は、他の方法で配置してもよい。安全連動装置161を台座159に収容した場合、IR放射器169から放射された赤外放射光は、反射器165で反射されてIR検出器171に送られ、可視光検出器173による周囲の可視光検出は遮断される。安全連動装置161が台座159に装填されていない場合、赤外放射光はIR検出器171に送られず、可視光検出器173により、周囲の可視光が検出される。
【0025】
図8は、本発明の第4の実施の形態の台座189および安全連動装置191を示す。先の実施の形態のように、安全連動装置191は、台座189上に脱着可能に位置決めできるので、ユーザまたは介護者はこれをポンプに取り付けたり取り外したりできる。本実施の形態では、安全連動装置191は、フィードセット201をポンプに装填した場合に、ハウジング199の台座189に収容される光パイプ195(「電磁放射光伝搬作用部材」)を含んでいる。光パイプ195は、外側環状部205と、傾斜環状壁207と、傾斜壁とフィードセット201のチューブ213を収容する上部211との間の中心部209とを含んでいる。図8に示すように、IR放射器217およびIR検出器219は共に、台座189の底壁221の下に収納される。IR放射器217は、傾斜環状壁207により反射されるように、赤外放射光を上に向けて光パイプ195の外側環状部205に導き、光パイプ(中央の流体通路218の周囲)の中心部209を通してから、光パイプの反対側の傾斜環状壁207により、IR検出器219に向けて反射させる。安全連動装置191が、フィードセット201の装填位置の台座189に適切に収容されていない場合、IR放射器217からのIR信号は、光パイプ195を通ってIR検出器219に送られない。本発明の先の実施の形態におけるように、周囲光検出用の可視光検出器(不図示)を設けてもよい。
【0026】
図9は、本発明の第5の実施の形態の台座231および安全連動装置235を示す。本実施の形態のこの安全連動装置235は、やはり安全連動装置を透過する赤外放射光を屈折させる赤外放射光透過材料を含む。安全連動装置235は、略多角形の形状を有する。安全連動装置235の両側面236は、互いに平行に角度を成している。下記に説明するように、電磁放射光が所望の態様で屈折するように、台座231は図9に示す特定の向きに安全連動装置を収容するキーを有する。IR放射器237、上側IR検出器239(広義には「第2検出器」)、および下側IR検出器241(広義には「第1検出器」)は、投与フィードセット245がポンプに適切に装填されたかどうかを感知するために位置決めされる。上側IR検出器239および下側IR検出器241は、台座231のIR放射器237とは反対側に位置決めするので、放射器と検出器は、互いにほぼ180°を向いている。また、上側IR検出器239および下側IR検出器241は、距離Dだけ離間しているので、赤外放射光が安全連動装置235を通過する時、放射光(矢印A5で示す)は屈折し、つまり下方に屈曲し、それにより、下側IR検出器241が赤外放射光の存在を感知し、マイクロプロセッサに信号を送って、ポンプの動作が可能になる。安全連動装置235の両側面は、互いに平行に角度を成しているので、赤外放射光の屈折は下側IR検出器241へ屈折により導かれる。安全連動装置235がポンプの台座231に装填されていない場合、上側IR検出器239だけに赤外放射光ビームが導かれ、信号をコントローラに送ってポンプ動作を実行不可とするようにIR放射器237からの赤外放射光は(破線矢印A6で示すように)台座を通過する。安全連動装置235の密度および幅は、上側IR検出器239と下側IR検出器241との間の距離Dに影響を与えるので、異なる密度および/または幅を有する材料で作製される安全連動装置を有するフィードセットを用いる場合、フィードセットが適切に装填されていても、電磁放射光は適切な距離を屈折せず、下側IR検出器241へ入射しない。本発明の先の実施の形態のように、周囲光検出用の可視光検出器(不図示)を設けてもよい。
【0027】
図10は、本発明の第6の実施の形態の台座271および安全連動装置273を示す。本実施の形態の安全連動装置273は、第1の実施の形態と概ね類似しているが、安全連動装置の外面に赤外光遮蔽材料から成る層275を含んでいる。第1の実施の形態のように、安全連動装置273は、安全連動装置内へ赤外放射光を透過させる電磁放射光伝搬作用部材279を含んでいる。電磁放射光伝搬作用部材279の径方向面281には、赤外放射光遮蔽材料がないので、この面を用いてIR放射器285からの赤外信号を受けることができ、それにより、IR信号が安全連動装置273を透過して、IR検出器287により検出される。言うまでもなく、本実施の形態のIR放射器285およびIR検出器287は、台座271の径方向面291周りに任意の角度で配置してもよい。投与フィードセット295がポンプに装填された場合、IR遮蔽層275は、外部光源(例えば、太陽光)からの赤外電磁放射光がIR検出器287に入るのを防ぐ。想定では、電磁放射光伝搬作用部材279の径方向面281の一部に、IR遮蔽材料があってもよい。その場合、IR放射器285およびIR検出器287が遮蔽されないよう、電磁放射光伝搬作用部材279は、台座271にキー構造(不図示)を有するのが好ましい。本発明の先の実施の形態のように、周囲光検出用の可視光検出器(不図示)があってもよい。
【0028】
本実施の形態の安全連動装置273は、「ツーショット射出成形」処理とも呼ばれる「2色同時射出成形」処理で構築できる。この処理は、赤外放射光透過材料(例えば、光透過性熱可塑性高分子樹脂)を含む電磁放射光伝搬作用部材279と、IR遮蔽層275(例えば、不透明性熱可塑性高分子樹脂)とを備える安全連動装置273を射出成形することを含む。本実施の形態の他の変形では、IR遮蔽材料の代わりに可視光遮蔽材料(例えば、赤色染料を混合した熱可塑性高分子樹脂)を用いて、赤外電磁放射光は安全連動装置を通過するが、可視光が本装置を通過するのを防ぐようにしてもよい。
【0029】
図11は、ソフトウエアサブシステム82を動作させて、安全連動装置61がポンプに適切に装填されているかどうかを決定する場合にコントローラ77(図4)が遭遇する多様な状況を説明する状態図である。本状態図は、他の実施の形態でも適用するが、第1の実施の形態に関して説明する。図11に示すように、コントローラが「セット装填」状態を提供するには、IR放射器105およびIR検出器109の状態が「ON」で、かつ可視光検出器111の状態が「OFF」でなければならない。IR放射器105、IR検出器109および可視光検出器111からの他のどの組合せの状態表示の結果も、コントローラは「不良」状態を示すこととなる。「不良」状態は、ユーザに安全連動装置61の装填チェックを促し、ポンプ1が動作するのを防止する。投与フィードセット5が適切に装填されると、コントローラ77は、「セット装填」状態を感知し、ポンプ1の動作を開始する。ポンプ動作中は、安全連動状態を連続監視するようにIR放射器105を連続動作させてもよく、「セット装填」から「不良」へ状態が変化した場合、コントローラ77は、ポンプ1の動作を停止させて、アラーム状態に入る。オプションとして、安全連動状態を連続監視するように、IR放射器105は、短時間の赤外放射光パルスを設定時間間隔でIR検出器109へ送るように間歇動作させてもよい。安全連動装置61が台座91から外れて可視光が窪みに入った時、可視光検出器111が直ちにこの条件を感知して、コントローラ77へアラーム状態に入るよう信号を送るように、可視光検出器111は可視光の存在を連続的にチェックする。可視光検出器111は、本発明の範囲を逸脱することなく間歇的に動作してもよい。
【0030】
図12は、本発明の第7の実施の形態の台座301および安全連動装置303を示す。本実施の形態では、安全連動装置303は、赤外放射光に不透明な材料で作製され、装置の上面309から底面311まで貫通する開口部307を有する。開口部307は、IR放射器313からの赤外放射光のビーム(A7で示す)を、一連の離間したビーム(A8a〜A8eで示す)に回折させるようになされ、ハウジング327の台座301の下方に配置された一連のIR検出器321a〜321eにより離間したビームを検出する。図示の実施の形態では、IR放射器313は、安全連動装置303の上方の窪み331に配置し、IR検出器(321a〜321e)は、安全連動装置303の下方の窪み335に配置する。IR検出器321a〜321eは、開口部307が回折させた赤外放射光がIR検出器に当たるような距離だけ離間させる。言うまでもなく、IR放射器313が安全連動装置303の下方にあり、IR検出器321a〜321eが安全連動装置の上方にあってもよく、または本発明の範囲を逸脱しない何らかの他の編成でもよい。IR放射器313およびIR検出器321a〜321eの代わりに、可視光放射器および可視光検出器アレイ(不図示)を用いることができる。
【0031】
図12の実施の形態では、安全連動装置303が台座301に適切に配置された場合、IR放射器からの赤外放射光がIR検出器321a〜321eにより検出できるように、IR放射器313からの赤外放射光は安全連動装置303により回折される。検出器321a〜321eの個数は、本発明の範囲を逸脱することなく本実施の形態に示す個数以外でもよい。安全連動装置303がない場合、IR放射器313からの赤外放射光は、中央のIR検出器321c(広義には第2検出器)が受けるが、他の検出器321a、321b、321d、321eはこれを検出しない。安全連動装置303は、ハウジング327に対してキー構造(不図示)として適切な位置決めを確実にするのが好ましい。本発明の先の実施の形態のように、可視光検出器(不図示)を用いて周囲光を検出してもよい。
【0032】
図13は、本発明の第8の実施の形態の台座381および安全連動装置385を示す。本実施の形態では、安全連動装置385は、赤外放射光を透過させる材料で作製される電磁放射光伝搬作用部材387を有する。電磁放射光伝搬作用部材387は、IRの透過に不透明な材料層389を部材の上面に有する。不透明層389は、IR放射器393からの単一の赤外放射光ビームA9を回折させて、一連の離間したビームA10a〜A10eにする開口部391を有し、安全連動装置385がポンプに適切に収容されている場合、IR検出器395a〜395eはそれぞれ離間したビームを検出する。伝搬作用部材387が台座381から外れた場合、IR検出器395cだけがIR放射器393からの赤外放射光を受ける。言うまでもなく、IR検出器395a〜395eの個数は図示以外の個数でもよい。更に、伝搬作用部材387が台座381から外れた場合、IR検出器395c以外のIR検出器が赤外放射光を検出したり、2つ以上のIR検出器が赤外放射光を受けることができるのは言うまでもない。また、IR検出器395a〜395eのグループの向きを、台座381の下部にし、IR放射器を台座の上部に換えてもよい。可視光放射器および可視光検出器(不図示)を、IR放射器393およびIR検出器395a〜395eの代わりに用いることができる。その場合、電磁放射光伝搬部材は、可視光を透過できるが、可視光に不透明な層(層389のような)を有する。更に別の可視光検出器を、先の実施の形態のように、本第8の実施の形態で用いることができる。連動装置385を、キー構造(不図示)として適切な位置決めを確実にするのが好ましい。
【0033】
図14は、本発明の第9の実施の形態の台座421および安全連動装置461を示す。台座421は、図16にブロック図形式で示すポンプ401の一部である。ポンプ401には、チューブ455と、安全連動装置461とを含むフィードセット405が取り付けられている。フィードセット405は、図3に示すフィードセット5と実質的に同一とすることができる。ポンプ装置(pumping device)423は、モータ425で駆動されるロータ437を含んでいる。ロータ437は、先の実施の形態で説明したのと実質的に同じように、チューブ455と係合して流体を患者へ送出することができる。本実施の形態は、ハウジング439のそれぞれの窪み(図14)のIR放射器427と、IR検出器429と、可視光放射器433と、可視光検出器435とを含んでいる。本実施の形態では、IR放射器427およびIR検出器429は、互いに略90°の角度になるよう配置し、可視光放射器433および可視光検出器435は、互いに略90°の角度になるよう配置する。これ以外の相対角度も可能である。一般的には、安全連動装置461がない場合、IR放射器が放射する赤外放射光がIR検出器に当たらないように、IR放射器427に対してIR検出器429を配置する。安全連動装置がポンプ401に適切に取り付けられた場合、IR放射器427および可視光放射器433はともに、直ぐ近くに隣接する安全連動装置461の側面に対してほぼ垂直に配置する。本実施の形態および他の実施の形態では、更に、放射器427,433と安全連動装置461との間の間隙は、安全連動装置の直径に対して小さい方が好ましい(例えば、公称0.005インチつまり約0.13mm)。本実施の形態の安全連動装置461は、赤外放射光を透過するが、可視光には不透明である。言いかえると、連動装置461は、可視光を遮断するが赤外放射光は通過させる。
【0034】
フィードセット405が適切に装填された場合、IR放射器427が放射する赤外光信号は、安全連動装置461内で拡散し、反射されてIR検出器429に入射する。本実施の形態の台座421および安全連動装置461は、暗い部屋で動作する際に特に有用である。なぜなら、可視光放射器433は、暗い部屋に存在しない可視光の代わりに、第2電磁放射光信号(例えば、青い光)を提供するからである。本実施の形態の制御システムは、最初に、安全連動装置461が装填されたことを認識する信号をIR検出器429が受け取るまで、IR放射器427をパルス化する。次に、安全連動装置が台座421に正しく装填されている場合、可視光放射器433をアクティブにして、安全連動装置461により遮断される光信号を送る。可視光検出器435は可視光信号をチェックし、過剰な周囲光を検出するよう動作する。何れかの条件(すなわち、放射器433からの光または過剰な周囲光)が検出された場合、コントローラ477は、オペレータにフィードセット405の収まり具合をチェックするよう警告するアラームをアクティブにし、その条件が修正されるまでポンプ401を動作させない。安全連動装置461による周囲光の遮断により、セットが装填され、ポンプが動作可能であることをコントローラ477は認識する。IR検出器429が安全連動装置461の存在を検出した後に可視光検出器435が可視光放射器433からの可視光信号を検出した場合は、ポンプ401は不良状態を検出する。
【0035】
図16を参照する。コントローラ477は、モータ425を動作させるポンプ電子回路480を制御するマイクロプロセッサ479を有する。コントローラ477は、フィードセット405がポンプ401に適切に位置決めされているのを検出するのに用いる少なくとも1つのソフトウエアサブシステムを含んでいる。フィードセット405および特に安全連動装置461がポンプの適切な位置にあるかどうかに基づいてポンプ401を制御するのに用いるソフトウエアサブシステム482の動作は、図17に示すフロー図で与えられる。この特定の命令セットは、IR放射器427をON、OFF、つまりパルス化するように動作する。1396でポンプ401をパワーONすると、ブロック1398でソフトウエアは幾つかの項をOFFに設定して初期化する。例えば、IR放射器427および可視光放射器433をOFFに設定する。同様に、Ambient Lockと呼ばれるプログラムフィーチャもOFFに設定し、プログラムフィーチャInstantOutputおよびOutputもOFFにする。簡単に説明すると、Ambient
Lockは、IR検出器429がIR放射器427以外の光源から赤外放射光を受けたと判定された場合に、ポンプ401の動作を停止するためにトリガーするフィーチャである。InstantOutputは、ソフトウエアの一時的または事前の出力である(すなわち、ポンプ401に圧送開始を許可すべきかどうか)。Outputは、ポンプ401に流体圧送動作を許可するかどうかを決定するために用いるソフトウエアの最終出力である。
【0036】
まず、図17に示すように、安全連動装置461がポンプ401に適切に位置決めされたと想定して、ソフトウエアサブシステム482の機能を説明する。初期化1398の後、IR放射器427は、赤外放射光が放射されるようにブロック1400でスイッチ(つまり「トグル」)をONにする。赤外放射光が安全連動装置に当たるように安全連動装置461を位置決めした場合、放射器427からの赤外放射光の伝搬が影響を受けて、赤外放射光は安全連動装置内部で拡散し、反射される。赤外放射光の一部は、安全連動装置を出て、IR検出器429に入射する。ソフトウエアは、IR放射器427がONにトグルされた後、ブロック1401で短時間一時停止し、次いで、ブロック1402でIR検出器429を読み取って、それが「ON」であるかどうかを判定する(すなわち、その赤外放射光が検出される)。次いで、ソフトウエアサブシステム482は判定ブロック1404に進み、そこでIR検出器429がONで、かつ、IR放射器427がOFFか、またはAmbient LockがONのいずれであるかを問い合わせる。安全連動装置461が適切に位置決めされている場合には、IR検出器429はONであるが、IR放射器427はONであり、Ambient
LockはOFFである。従って、判定ブロック1404での問い合わせへの回答は「No」である。言いかえると、IR検出器429は、放射器427からの赤外放射光を受け、安全連動装置が適切に位置決めされたことを示す。次いで、ソフトウエアは、ブロック1404aでAmbient
LockをOFFに設定し(初期条件から変化せず)、別の判定ブロック1406に進む。
【0037】
次の判定ブロック1406では、ソフトウエアサブシステム482は、Ambient
LockがONか(なぜなら、IR放射器427がOFFの時に検出器429が赤外放射光を検出したので)、またはIR放射器427、IR検出器429および可視光放射器433が全てOFFのいずれかの状況で可視光検出器435の評価をバイパスするよう動作することになる。この場合は、Ambient
LockがOFFで、かつIR放射器427およびIR検出器429がともにONなので、ソフトウエアは、ブロック1408で可視光検出器435を読み取るよう進む。適切に配置された安全連動装置461は可視光検出器435を遮断するので、その読み取りはOFFである。従って、次の判定ブロック1410で問い合わせを受けると、答えは「No」であり、プログラムは次の判定ブロック1412に移動する。可視光放射器433はまだONになっていないので、プログラムはブロック1414で可視光放射器をONにし、遅延1415があるプログラムの最後に移動する。InstantOutput
およびOutputはともにOFFに初期化されているので、ポンプ401は未だ動作が可能ではない。1415での遅延の後、プログラムはステップ1400に戻る。IR放射器427の間歇動作および可視光放射器433の条件付き動作は、ポンプ401の動作において著しい電力の節約をもたらす。この特徴は、ポンプ401がバッテリ電力で動作する場合に有用である。
【0038】
トグルのステップ1400に戻って進めると、IR放射器427は今度はOFFとなり、遅延の後の1404で問い合わせを受けた時、IR検出器429はOFFを読み取る。その結果、Ambient LockはOFFに留まるので、次の判定ブロック1406に到達した時に、その答えは再度肯定され、1408で可視光検出器435が再度読み取られる。安全連動装置461が依然可視光検出器435を遮断しているので、可視光検出器はOFFである。プログラムステップの最初のループとは異なり、可視光放射器433は今度はONなので、プログラムは、ブロック1416でInstantOutputをONに設定するよう移動し、ポンプ401が流体圧送動作を許可されるべきであることが示される。しかしながら、プログラムは、直ちにはポンプ401に動作を許可しない。次のアクションブロック1418に示すように、出力フィルタ処理を用いてから最終Outputが与えられる。例えば、1416で何回かInstantOutputがONに設定されてからブロック1418で最終OutputをONに設定するようソフトウエアが要求する。プログラムの最終出力の信頼性を達成する各種のアルゴリズムが利用できる。他方、出力フィルタ処理はインスタンス毎にOutput1418がInstantOutput1416と等しくなる場合は省略できる。いずれの場合でも、Output1418をONに設定すると、ポンプ401は動作を許可される。ポンプ401の動作が許可されると、安全連動装置461が定位置に確実にあるのをチェックするルーチンを実行できる。図示の実施の形態では、これは、ソフトウエアサブシステム482の継続動作により達成される。また、想定では、可視光放射器433は電力を節約するために再度OFFにしてもよい。IR放射器427および可視光放射器433を動作させる各種の方法を、本発明の範囲内で間歇的に利用できる。
【0039】
言うまでもなく、フィードセット405の安全連動装置461がポンプに適切に位置決めされていないことを示す不良状態を検出することにより、ソフトウエアサブシステム482がポンプ401の動作を防止する幾つかの場合がある。図15を参照する。図15は、ソフトウエアサブシステム482内にあるソフトウエア命令の実行から起こり得る可能性がある幾つかの条件を示す。図に示される条件は、全てを網羅した訳ではなく、ポンプ401の動作で起きる可能性のある条件を示したにすぎない。IR検出器429が赤外放射光を検出する(IR検出器「ON」)等の時間になるまで、ソフトウエアサブシステム482は、ポンプ401が動作するのを許可しない。言いかえると、IR検出器429が赤外放射光を少なくとも一回検出するまで、Output1418はONに設定されない。IR検出器429がONにならない場合、ソフトウエアが判定ブロック1406に到達した時に、答えは「No」であり、プログラムはInstantOutput1422がOFFに設定されるループの最後に進む。同様に、可視光放射器433は、IR放射器427からの赤外放射光がIR検出器429により検出された後の時点まで、1414でONにならない。その場合は、ソフトウエアサブシステム482は判定ブロック1406から進んで、可視光放射器433をOFFにし(ブロック1420)、InstantOutputをOFFに設定する(ブロック1422)。
【0040】
図15の第1の条件つまり状態で、IR放射器427およびIR検出器429はともにOFFである。これは、例えば、図17に示すソフトウエアサブシステム482の前回のループで、IR放射器427がONになっているのに、IR検出器429は赤外放射光を検出しなかったという場合に起こり得る。これは、例えば、フィードセット405が装着されていない場合に起きることである。判定ブロック1406での問い合わせへの答えは「NO」であっただろうから、プログラムはInstantOutput1422をOFFに設定して、ループの最後に移るであろう。2回目のループではIR放射器427はOFFにトグルされるので、IR放射器およびIR検出器429は条件1に示すようにともにOFFになる。これはフィードセット405がポンプ405の定位置にないことを示す(「不良」状態)。注意すべきは、図15の表の条件XXは、説明した特定条件での特定要素に対して適用不可、つまり非アクティブであることを示していることである。
【0041】
図15の第2の条件は、フィードセット405および安全連動装置461が検出される場合の条件のうちの第1のものである。前回、ソフトウエアサブシステム482は、可視光放射器433が1414でONになった場合のループを通って巡回していたとする。この、前回のプログラムループは、IR放射器427およびIR検出器429はONであるが、ブロック1418でOutputをONに設定するのをまだ許可しないように、可視光放射器433にまだ通電していない場合の条件6で表される。2回目のループで、IR放射器427およびIR検出器429はOFFとなるが、プログラムがブロック1408に到達すると、可視光検出器435が読み取られる。フィードセット405が適切に定位置にあると仮定すると、可視光検出器435はONではないので、ソフトウエアサブシステム482はフィードセットが適切に位置決めされていることを知り、Output1418をONに設定して、ポンプ401を動作可能とする。条件8は、ソフトウエアサブシステム482の後のループで、IR放射器427、IR検出器429および可視光放射器433は全てONであるが、可視光検出器435がOFFの読み取りにより、Output1418に生じる結果をONに設定したままであると認識する。条件3および9は同じ様に並んでいるが、これらの条件では、可視光検出器435が可視光放射器433から放射される光を検出するので、ポンプ401が駆動して流体が患者へ送出されるのを防ぐ。
【0042】
条件4は、ポンプ401を取り巻く環境における周囲の電磁放射光をIR検出器429が検出する状況を示す。IR放射器427はOFFなので、ソフトウエアサブシステム482は、赤外放射光がIR放射器から来ていないことが判る。この場合、ソフトウエアサブシステム482は、ブロック1404での問い合わせに「Yes」という回答を受け取り、次いで、ブロック1404bでAMBIENT LOCKをONに設定する。その結果、ソフトウエアサブシステム482は、ブロック1406で可視光存在の評価を何もせずに、1422でInstantOutputをOFFに設定する。条件5では、安全連動装置461は定位置にないので、IR放射器427がONの状態におけるIR検出器429のブロック1402での最初の読み取りは、IR検出器がOFFということになる。ソフトウエアサブシステム482はブロック1406の後、ブロック1420および1422まで直ちに進んで、可視光の評価をそれ以上せずにOutputを(ブロック1418で)OFFに設定する。また、ポンプ401は、家庭内使用でポンプが窓に設置されるか、またはその近くに設置された場合に起こり得る、周囲光がBRIGHTであるという状況を報せるようになされることもできる。周囲光が明るいことを報せることにより、ユーザにもっと暗い場所にポンプを移動するよう指示する。
【0043】
ソフトウエアサブシステム482は、過度に明るい周囲光がある状況を検出することもできる。条件7に示すように、IR放射器427およびIR検出器429がともにONであることは、フィードセット405がポンプ401に適切に位置決めされていることを示す。実際には、セット405が適切に装填されていないか、可視光を遮断しない不適切なセットが装填されているかのどちらかである。可視光放射器433がOFFであるにもかかわらず、可視光検出器435は可視光を検出する。ソフトウエアサブシステム482は、判定ブロック1410で可視光検出器435がONの場合、ブロック1420および1422に進んで、InstantOutputをOFFに設定するので、ポンプ401は稼働できない。
【0044】
ポンプ401のコントローラ477を動作させるために用いることができる別のソフトウエアサブシステム484を図18に示す。安全連動装置461を含むフィードセット405の適切な配置を検出するための本システムでは、IR放射器427はOFFおよびONを切り換えない(すなわち、「パルス」化しない)。従って、初期化ステップ1428の後、IR放射器427をブロック1430でONにすると、ポンプ401の電源が入っている間はONのままである。図18のソフトウエアサブシステム484の動作条件を一部選択して示す図19の表の条件1に示すように、IR放射器427がOFFになるのは、ポンプ401が未だONになっていない時だけである。再度図18を参照すると、ソフトウエアサブシステム484は、IR放射器427がONになった後、ブロック1432でIR検出器429を読み取る前に、ブロック1431で遅延される。ソフトウエアサブシステム484は、ブロック1433でのIR検出器429による赤外放射光の検出を、フィードセットが適切に位置決めされているかを更に確認するチェックの条件とする。条件2は、IR放射器427がONで、IR検出器429が赤外放射光を検出しない場合の状況を示す。IR検出器429が赤外放射光を検出すると、プログラムは、第1ループに進んで、ブロック1434で可視光検出器435を読み取り、可視光検出器がOFFであることを確認し(ブロック1435)、次いで、ブロック1436で可視光放射器433をONにする。ブロック1437の遅延の後、ソフトウエアサブシステム484は、2回目のループに進み、ソフトウエアサブシステム484は可視光が1435で遮断されていることを確認し、1438で可視光放射器433がONであることが判っているので、ブロック1440でInstantOutputをONに設定する。それ以上の出力フィルタ処理がないと仮定すると、Outputはブロック1442でONに設定され、ポンプ401の動作が可能となる。しかしながら、可視光放射器433がアクティブにされる前に可視光が検出された場合(すなわち、ブロック1434で)、可視光放射器はONにされない。その場合には、ソフトウエアサブシステム484はブロック1444に進んで、可視光放射器433をOFFにし、ブロック1446でInstantOutputをOFFに設定する。可視光放射器をアクティブにする前の可視光検出器435による可視光の検出については、図19の条件3に示す。
【0045】
条件4および6はともに、フィードセットおよび安全連動装置461が検出されたので、ソフトウエアサブシステム484がOutput1442をONに設定し、ポンプ401を動作可能にするという結果となる。条件5および7は、赤外放射光がIR検出器429により検出されても、可視光検出器435による可視光検出によりポンプを動作させない状況を示す。条件7では、可視光検出器435は、可視光放射器433からの、または周囲からの光のいずれかを検出している。どちらの場合でも、ポンプ401は動作を許可されない。図17および図18では、図示のフロー図を通るパスを追跡することにより他の改変が記述できる。
【0046】
図20および21は、本発明の第10の実施の形態のポンプの台座602に隣接するポンプ601の一部、および安全連動装置603を示す。安全連動装置603は、赤外放射光および可視光の両方を透過させる材料を含む。安全連動装置603は、可視光の透過に不透明な遮光部分607を含んでいるので、安全連動装置がポンプに装填された場合に、可視光は可視光検出器609に到達しない。安全連動装置603が、可視光検出器に概ね隣接する遮光部分607と整列するように、安全連動装置603は、ポンプハウジングの対応する溝615に収容されるキー613を含んでいる。図示の実施の形態では、キー613は安全連動装置603から延伸する突起であるが、言うまでもなく、キーおよび対応する溝615は本発明から逸脱することなく他の形状および大きさとすることができる。ポンプに安全連動装置の位置をキーで合わせるための他の構造を、本発明の範囲内で用いてもよい。
【0047】
安全連動装置603をポンプ601内に装填した場合、IR放射器616からの赤外電磁放射光は安全連動装置により拡散、反射され、IR検出器617により検出されてセットが装填されたことを実証する。次に、可視光検出器609は、ポンプ601内の可視光をチェックするが、何も検出できない。なぜなら、安全連動装置603の遮光部分607の配置が可視光を遮断するからである。図20の実施の形態では、可視光放射器619を放射し、可視光信号を安全連動装置603に送る。可視光信号は、遮光部分607があるので可視光検出器609まで透過せず、ポンプ601の制御システムはポンプを動作させる。
【0048】
図22は、本発明の第11の実施の形態の台座702を含むポンプ701の一部、および安全連動装置703を示す。安全連動装置703は赤外放射光を透過させるが、可視範囲の電磁放射光を遮断するので、安全連動装置をポンプ701に装填した場合、可視光は可視光検出器709まで透過しない。ある波長の電磁放射光を通過させ、別の波長の電磁放射光を遮断するための他の適切な構造を、本発明の範囲内で利用してもよい。異なる編成も可能であるが、図20に示すような可視光および赤外光の放射器および検出器の編成を第11の実施の形態で利用してもよい。
【0049】
安全連動装置703は、外側部材704と、内側部材706とを備える。外側部材は、上側円筒部708と、下側円筒部710と、環状フランジ712とを含んでいる。環状フランジは、上側および下側環状チャネル714を有する。図示の実施の形態では、チャネルは、材料使用量を減少させるが、安全連動装置703の動作には影響を与えない。フィードセットの第1チューブ部757を安全連動装置703の外側部材704の上側円筒部708に収容し、第2円筒部763は外側部材の下側円筒部710を収容する。
【0050】
外側部材704は、可視光を選択的に遮断し、赤外放射光を通過させる材料で作製する。内側部材706は外側部材と同一の材料、または異なる材料で作製できる。しかしながら、内側部材706は、赤外範囲および可視範囲の電磁放射光に対して実質的に不透明であり、また、高反射性であることが好ましい。図示の実施の形態では、内側部材706は、外側部材704と同一材料により作製されるが、色は白である。内側部材706は、2色射出処理または押出処理等により外側部材704と一体化して形成できる。更に、外側部材704および内側部材706は別体として作製し、接着または溶着等の適切な方法で互いに取り付けできる。内側部材706は、安全連動装置703に入る赤外放射光の光パスに位置決めし、赤外光パスと第1チューブ部757との間に配置する。従って、内側部材706の外面は、赤外放射光を反射するための、本第11の実施の形態における「内側境界領域」を画成する。内側部材706は、チューブ757に流れる特定の液体(例えば、水)の存在が原因で起きることがある赤外放射光の内部反射損失を抑制する。このようにして、赤外放射光検出器(不図示)への赤外放射光の強い反射を、チューブ757内を流れる流体の光特性と無関係にできる。
【0051】
図23は、本発明の第12実施の形態のポンプ801および安全連動装置803の部分拡大断面図を示す。安全連動装置803は、本体811を構成する電磁放射光伝搬作用部材809を有する。本体811は、上部円筒部分806および下部円筒部分807を含み、流体通路820を画成する(図24も参照)。フィードセットの第1チューブ部815は、本体811の上部円筒部分806内に係止され、第2チューブ部817は、本体811の下部円筒部分807に被せられて係止される。本体811には、電磁放射光を透過する材料により形成される光透過部分823が更に含まれる。より詳細には、光透過部分は、本明細書で先に説明したように、選択したある波長範囲(例えば、赤外線)の電磁放射光を透過し、別の波長範囲(例えば、可視光)の電磁放射光を遮断するよう形成する。光透過部分823には、ポンプ801の放射器805が放射する電磁放射光(例えば、赤外放射光)のパス内に編成される環状の干渉面830が含まれる。放射光伝搬作用部材809の本体811は、本体の底面に概ねL字形の、環状チャンネル814を有する。チャンネル814の深い部分814Aが、安全連動装置803の長手軸近傍に配置され、浅い部分814Bが、深い部分の半径方向外側に配置される。チャンネル814の深い部分814Aの半径方向外壁が、光反射面810を形成する。別の環状チャンネル816が、放射光伝搬作用部材809の本体811の上面に配置される。上側チャンネル816は、下側チャンネル814の逆構成のようになっている。深い部分816Aが、浅い部分816Bの半径方向外側に配置される。浅い部分814Bおよびチャンネル816は、材料節約および成形工程の容易化をもたらすためであるが、本発明の範囲から逸脱することなく、省くことができる。言うまでもなく、一つ以上のチャンネルの他の構成を本発明の範囲から逸脱することなく用いることができる。例示であって限定ではないが、一つ以上のチャンネルを、光透過部分の材料で完全に覆うことができ、および/または完全に本体周囲に延伸しなくてもよい。チャンネル814、816により、安全連動装置803で用いる材料を低減することができる。
【0052】
チャンネル814の深い部分814Aは、放射器805から赤外光検出器(不図示)まで光を透過させるのを支援する。特別な理論にとらわれずに言えることは、ポンプ801の動作中に流体が流体通路820を満たす場合、光反射面810により、光透過部分823内部で反射される赤外放射光を増加させることができる。光透過部分823内の赤外放射光の反射の増加により、流体チャンネル820との界面による屈折が低減することになる。赤外放射光の屈折量が低減すると、検出器に到達する光を増加させることができる。
【0053】
異なる媒質間の界面に当たって反射する赤外放射光の量は、二つの媒質の屈折率の差に依存する。その差が大きい程、反射される赤外放射光が増加する。光透過部分823は、電磁放射光を透過する材料、典型的には熱可塑性ポリマ樹脂で形成する。典型的な熱可塑性ポリマ樹脂の屈折率は約1.3を示す。医療用途では、水のようなほとんど透明な液体を、流体通路820に貫流させる必要があることが多い。水の屈折率は約1.3である。光透過部分823の材料と流体内の水の屈折率が同一なので、チャンネル814がなければ、赤外放射光は、流体通路820を直接通過するはずである。図23に示す実施の形態では、赤外放射光は、放射器から光透過部分823を経由して、光透過部分823とチャンネル814の深い部分814Aとの間の界面としての役割を果たす光反射面810まで通過する。赤外放射光は、流体通路820との界面に対向している光反射面810で反射する。チャンネル814は、屈折率が約1.0の空気で満たされている。光透過部分と空気の屈折率差、約0.3、は、光透過部分と水の差より大きいので、チャンネル814の深い部分814Aにより、光透過部分823内で反射される赤外放射光を増加させることができる。
【0054】
一般に、光反射面810は、流体チャンネル820と干渉面830との間のどこにあってもよい。しかし、図解した実施の形態では、電磁放射光伝搬作用部材809の流体チャンネル820の長手軸から、光反射面810までの半径と、干渉面830の半径との比が約60%を越えると、光透過部分823には、光量を検出器に方向転換して検出器動作を最良にする傾向が薄れる。例えば好適な一実施の形態では、約49%の比となるように、放射光伝搬作用部材809の軸から光反射面までの半径は約0.132インチ(0.335cm)であり、干渉面830までの半径は約0.268インチ(0.679cm)である。考えられることは、比が大きいと(すなわち、光反射面810が干渉面830の近傍に配置されていると)、十分な赤外放射光が検出器に向けて方向転換されない、ということである。言うまでもなく、他の寸法および比(とりわけ検出器の配置に依存する)を、本発明の最大の範囲から逸脱することなく用いることができる。
【0055】
ポンプ901内に収まる第13実施の形態の安全連動装置910を図25に示す。安全連動装置910は、本体911を構成する電磁放射光伝搬作用部材909を有する。本体911は、上部円筒部分906および下部円筒部分907を含み、流体通路925を画成する。第1および第2チューブ部915、917は、第12実施の形態の説明と同様に、安全連動装置910に接続される。本体911には、電磁放射光を透過する材料により形成される光透過部分923が更に含まれる。光透過部分923には、ポンプ901の放射器905が放射する電磁放射光(例えば、赤外放射光)のパス内に編成される環状の干渉面930が含まれる。干渉面930の底面930Aは面取りされている。面取りした底面930Aは、安全連動装置をポンプの座902内に挿入する時に、安全連動装置910をポンプ901内に位置決めするのに役立つ。座902に挿入する時に、装置910が僅かにずれている場合、面取りした底面930Aがポンプ901と係合し、装置を座の中央に据える。電磁放射光伝搬作用部材909の本体911の底面は、二つの別々の環状チャンネル914、916を有する。深いチャンネル914が、浅いチャンネルの半径方向内側に配置される。環状チャンネル920が、本体911の上面に配置される。図の実施の形態では、上部チャンネル920は、下部チャンネル916と概ね整列している。
【0056】
環状チャンネル914、916の半径方向外壁が光反射面910、912を形成する。光反射面910、912は、光透過部分923と環状チャンネル914、916内の空気との間の界面である。第2の光反射面の追加により、光透過部分923内の赤外放射光を更に反射することができ、ポンプ901の動作中に、屈折して流体通路925に入ってしまい強度が失われるのを防ぐ。
【0057】
図26を参照する。ポンプ1001内に係止される第14実施の形態の安全連動装置1010を示す。安全連動装置1010には、本体1011を構成する電磁放射伝搬作用部材1009、上部円筒部分1006、および下部円筒部分1007が含まれる。上部および下部円筒部分1006、1007は、それぞれチューブ部1015および1017に取り付けられる。単一チャンネル1014が本体1011の底面から上方に延伸している。傾斜した環状壁1060が、本体1011の干渉面1030を上部円筒部分1006に接続する。干渉面1030の下面1030Aは面取りされていて、安全連動装置をポンプの座に収める時に、安全連動装置1010をポンプ1001内に位置決めするのに役立つ。チャンネル1014の半径方向外壁は、赤外放射光を干渉面1030内で反射させ、ポンプ1001の動作中に、屈折して流体通路1020に入ってしまい強度が失われるのを防ぐのに役立つ光反射面1012を形成する。傾斜した環状壁1060の下向きの角度は、流体が安全連動装置1010の上面に集まるのを防ぐ。
【0058】
図27を参照する。経腸フィードポンプ1105を、概ね開位置にあるカバー1122とともに示す。ポンプ1105には、ローター1110、ポンプセット1116の点滴チャンバ1114を保持するための第1凹部1112、およびポンプセットの安全連動装置1120を保持するための第2凹部1118が含まれる。安全連動装置1120は、電磁放射光伝搬作用部材1129を有する。ポンプセット1116には、ローター廻りを囲み点滴チャンバ1114を安全連動装置1120に流体接続するチューブも含まれる。ポンプセット1116は、ポンプ1105から取り外すことができる。
【0059】
ポンプ1105には、赤外光(IR)放射器、IR検出器、可視光放射器および可視光検出器が含まれ、これらは全て、第2凹部1118に隣接し、ポンプセット1116がポンプ上に適切に装填された時を検出するために協働して用いられる。放射器および検出器は、第14実施の形態では図示されていないが、上記実施の形態(例えば、第9実施の形態)で図示され、説明されている。より詳細には、安全連動装置1120が第2凹部1118内に適切に装填された場合、IR検出器によりIR放射器からのIRを検出する。電磁放射光伝搬部材1129を第2凹部1118内に適切に位置決めすると、IR光は、電磁放射光伝搬作用部材により、拡散、回折、反射および/または屈折され、またはそれらが組み合わされて、IRを検出器に向けて方向づける。放射光伝搬部材1129は、第2凹部1118内に位置決めされると、可視光放射器から可視光検出器への可視光の透過を遮断する。ポンプセット1116が適切に装填されたことを伝えるIR検出器および可視光検出器からの信号を、マイクロコントローラが受け取る。この観点では、ポンプ1105の構成および動作は、本明細書で先に説明した上記ポンプと同様である。
【0060】
カバー1122は、安全連動装置1120が第2凹部1118内に係止されている場合に、可視光検出器に周囲の可視光が透過(およびIR検出器に周囲の赤外放射光が透過)するのを防ぐように概ね不透明とする。カバー1122は、安全連動装置1120(図27)を第2凹部1118内に係止したり取り外したりできるように、第2凹部1118をカバーしない開位置と、第2凹部内に係止される安全連動装置全体を実質的にカバーする閉位置(図28)との間で回動するように、ポンプ1105にヒンジで連結する。安全連動装置を全ての側面に実質的に収めるために、カバーを閉じた場合に、安全連動装置と関係付けられるチューブを概ね嵌合する関係で係止する寸法および形状の、切り欠き1128、1130を有する上部アームおよび下部アーム1124、1126が、カバー1122には含まれ、それにより、安全連動装置を第2凹部に係止した場合に、可視光が可視光検出器に透過するのを防ぐ。異なる寸法のチューブが切り欠き内にうまく係止されて、チューブを挟んだり、閉塞させたりせずに、全ての側面に安全連動装置がほぼ収められるように、切り欠きはゴム等の弾性材料で内張りしてもよい(不図示)。カバー1122、例えば上部アーム1124は、カバーを閉じた時に、第2凹部1118内に安全連動装置1120を適切に配置させるのにも役立つ。より詳細には、切り欠き1128は、安全連動装置1120が切り欠きを通り抜けることができないような寸法とする。それにより、カバー1122を閉じた場合に、安全連動装置1120は、上部アーム1124により第2凹部1118内の下方に保持される。
【0061】
上部および下部アーム1124、1126を含むカバー1122は、単一の材料部品として射出成型等により形成する。カバー1122には、カバー1122を開閉するための容易に把持できる窪み1132および指掛け1134も含まれる。言うまでもなく、カバーは本発明の範囲内で異なる構成としてもよい。更に言うまでもなく、カバー1122は、本発明の範囲内で全面的に省略してもよい。
【0062】
本発明またはその好適な実施の形態の要素を紹介する時、冠詞「a」、「an」、「the」および「前記」は、一つ以上の要素があるという意味を意図している。用語「備える」、「含む」および「有する」は包含することを意図し、列挙した要素以外の追加要素があることを意味する。更に、「上」、「下」、「上部」および「底部」およびこれら用語の変形は簡便さのために使用するが、部品の何らかの特定の向きを要求するものではない。
【0063】
本発明の範囲から逸脱することなく、上記における各種の変形を成すことができるが、意図しているのは、上記説明に含み、付帯の図面に示す全てのことが説明のためであり、制限する意味ではないと解釈すべきであるということである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
同一の参照符号は、幾つかの図面を通じて同一の部品を示す。
【0065】
【図1】図1は、ポンプに収容されたフィードセットの一部を示す、経腸フィードポンプの斜視図である。
【図2】図2は、ポンプの斜視図である。
【図3】図3は、投与フィードセットの立面図である。
【図4】図4は、ポンプの要素を示すブロック図である
【図5】図5は、第1の実施の形態のポンプおよび安全連動装置の部分拡大断面図である。
【図6】図6は、図5の平面図である。
【図6A】図6Aは、安全連動装置内の光線伝搬を示す、図6と類似の略図である。
【図7】図7は、第2の実施の形態のポンプおよび安全連動装置の部分拡大断面図である。
【図7A】図7Aは、第3の実施の形態のポンプおよび安全連動装置の部分拡大断面図である。
【図8】図8は、第4の実施の形態のポンプおよび安全連動装置の部分拡大断面図である。
【図9】図9は、第5の実施の形態のポンプおよび安全連動装置の部分拡大断面図である。
【図10】図10は、第6の実施の形態のポンプおよび安全連動装置の部分拡大断面図である。
【図11】図11は、ポンプのマイクロプロセッサの状態図である。
【図12】図12は、第7の実施の形態のポンプおよび安全連動装置の部分拡大断面図である。
【図13】図13は、第8の実施の形態のポンプおよび安全連動装置の部分拡大断面図である。
【図14】図14は、第9の実施の形態のポンプおよび安全連動装置の平面図である。
【図15】図15は、第9の実施の形態のポンプのマイクロプロセッサの状態図である。
【図16】図16は、第9の実施の形態のフィードセットおよびポンプの要素を示すブロック図である。
【図17】図17は、赤外光放射器をパルス駆動する第9の実施の形態のポンプで用いるソフトウエアサブシステムの動作を示すフロー図である。
【図18】図18は、赤外光放射器をパルス駆動しない第9の実施の形態のポンプで用いる別のソフトウエアサブシステムの動作を示すフロー図である。
【図19】図19は、図18に示すソフトウエアサブシステムの命令を実行する際に遭遇する条件を示す状態図である。
【図20】図20は、第10の実施の形態のポンプおよび安全連動装置の部分平面図である。
【図21】図21は、図20の21−21線に沿って見た部分拡大断面図である。
【図22】図22は、図21と同様であるが、第11の実施の形態の安全連動装置を示す部分拡大断面図である。
【図23】図23は、第12実施の形態のポンプおよび安全連動装置の部分拡大断面図である。
【図24】図24は、第12実施の形態による安全連動装置の透視図である。
【図25】図25は、第13実施の形態のポンプおよび安全連動装置の部分拡大断面図である。
【図26】図26は、第14実施の形態のポンプおよび安全連動装置の部分拡大断面図である。
【図27】
【図28】

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ装置内で用いるためのポンプセットであって、前記ポンプ装置は、同ポンプ装置の動作を制御して前記ポンプ装置に装填したポンプセットにより患者に流体を供給するための制御システム、電磁放射光を放射するために前記ポンプ装置の前記制御システムに接続して動作させる電磁放射光源、前記ポンプセットが前記ポンプ装置上に適切に装填されているという指示を提供するために前記制御システムに接続して動作させる電磁放射光検出器を有し、
前記ポンプセットは、
患者に流体を搬送するための導管、
前記導管と関係付けられるとともに、前記電磁放射光源からの前記電磁放射光のパス内で、前記ポンプ装置内に取り付けられるよう適合している電磁放射光伝搬作用部材を備え、前記伝搬作用部材は、前記導管と連通している流体通路を画成する本体であって前記本体に流体を貫流させるための本体を備え、前記流体通路は軸を有し、前記本体は、前記流体通路から概ね半径方向に突出する光透過部分を含み、前記光透過部分は、電磁放射光を透過させる材料で形成され、前記光透過部分には、少なくとも一つの干渉面および前記干渉面より前記流体通路の軸の方に近い配置の少なくとも一つのチャンネルが含まれ、前記チャンネルは、前記チャンネルの概ね半径方向外側に配置された反射面を画成する、
ポンプセット。
【請求項2】
前記本体は概ね軸方向を向いた面を有し、前記チャンネルは前記軸方向を向いた面から軸方向内側に延伸する請求項1のポンプセット。
【請求項3】
前記チャンネルは、前記干渉面と少なくとも部分的に軸整列している請求項2のポンプセット。
【請求項4】
前記チャンネルおよび反射面は、前記流体通路の軸廻りに概ね環状に延在している請求項3のポンプセット。
【請求項5】
前記軸方向を向いた面は、第1の軸方向を向いた面を構成し、前記本体の前記光透過部分は、前記第1の軸方向を向いた面と逆の軸方向を向いている第2の概ね軸方向の面を更に備える請求項4のポンプセット。
【請求項6】
前記第2の軸方向の面は、前記流体通路の軸に対して、ある角度で配置されている請求項5のポンプセット。
【請求項7】
前記第2の軸方向の面は、形状が概ね円錐切頭形である請求項6のポンプセット。
【請求項8】
前記第1の軸方向を向いた面内のチャンネルは、第1チャンネルを構成し、前記第2の軸方向の面は、その面に形成された第2のチャンネルを有する請求項5のポンプセット。
【請求項9】
前記チャンネルは、概ねL字形の断面を有する請求項1のポンプセット。
【請求項10】
前記チャンネルには、前記本体に第1の軸方向距離だけ延伸する第1部分、および前記本体に前記第1の軸方向距離より長い第2軸方向距離だけ延伸する第2部分が含まれる請求項9のポンプセット。
【請求項11】
前記第2チャンネルは、概ねL字形断面を有する請求項10のポンプセット。
【請求項12】
前記本体には、前記光透過部分から互いに逆向きの軸方向に延伸する第1および第2の概ね円筒形の部分が含まれ、前記流体通路は、前記円筒形部分を通って延伸する請求項1のポンプセット。
【請求項13】
前記本体の前記光透過部分を、赤外範囲の電磁放射光を透過し、可視範囲の電磁放射光の透過を遮断する材料で形成する請求項1のポンプセット。
【請求項14】
前記ポンプ装置は、前記ポンプセットの前記伝搬作用部材を係止する寸法および形状の凹部を含む筐体、および前記伝搬作用部材を前記凹部に挿入したり、前記凹部から取り外すために前記凹部を曝す開位置と、前記伝搬作用部材を前記凹部内に実質的に閉じ込め、かつ前記凹部に周囲光が入るのを遮断するよう適合している閉位置との間で移動させるために、前記筐体に回動するよう取り付けられたドアを備え、前記ポンプ装置と組み合わされる請求項1のポンプセット。
【請求項15】
前記ポンプ装置が、前記伝搬作用部材を前記凹部に挿入したり、前記凹部から取り外すために前記凹部を曝す開位置と、前記伝搬作用部材を前記凹部内に実質的に閉じ込め、かつ前記凹部に周囲光が入るのを遮断するよう適合している閉位置との間で移動させるために、前記筐体に回動するよう取り付けられたドアを更に備える請求項14のポンプセット。
【請求項16】
前記反射面の半径と前記干渉面の半径との比が約60%以下である請求項1のポンプセット。
【請求項17】
医療装置内で用いるための安全連動装置であって、前記医療装置は、同医療装置の動作を制御するための制御システム、電磁放射光を放射するために前記医療装置の前記制御システムに接続して動作させる電磁放射光源、前記安全連動装置が前記医療装置上に適切に装填されているという指示を提供するために前記制御システムに接続して動作させる電磁放射光検出器を有し、
前記安全連動装置は、前記導管と関係付けられるとともに、前記電磁放射光源からの前記電磁放射光のパス内で、前記医療装置内に取り付けられるよう適合している電磁放射光伝搬作用部材を備え、前記伝搬作用部材は、前記導管と連通している流体通路を画成する本体であって前記本体に流体を貫流させるための本体を備え、前記流体通路は軸を有し、前記本体は、前記流体通路から概ね半径方向に突出する光透過部分を含み、前記光透過部分は、電磁放射光を透過させる材料で形成され、前記光透過部分には、少なくとも一つの干渉面および前記干渉面より前記流体通路の軸の方に近い配置の少なくとも一つのチャンネルが含まれ、前記チャンネルは、前記チャンネルの概ね半径方向外側に配置された反射面を画成する、
安全連動装置。
【請求項18】
前記本体は、概ね軸方向を向いた面を有し、前記チャンネルは、前記軸方向を向いた面から軸方向内側に延伸する請求項17の安全連動装置。
【請求項19】
前記チャンネルは、前記干渉面と少なくとも部分的に軸整列している請求項18の安全連動装置。
【請求項20】
前記チャンネルおよび反射面は、前記流体通路の軸廻りに概ね環状に延在している請求項19の安全連動装置。
【請求項21】
前記軸方向を向いた面は、第1の軸方向を向いた面を構成し、前記本体の前記光透過部分は、前記第1の軸方向を向いた面と逆の軸方向を向いている第2の概ね軸方向を向いた面を更に備える請求項20の安全連動装置。
【請求項22】
前記第2の軸方向の面は、前記流体通路の軸に対して、ある角度で配置されている請求項21の安全連動装置。
【請求項23】
前記第2の軸方向の面は、形状が概ね円錐切頭形である請求項22の安全連動装置。
【請求項24】
前記第1の軸方向を向いた面内のチャンネルは、第1チャンネルを構成し、前記第2の軸方向の面は、その面に形成された第2のチャンネルを有する請求項21の安全連動装置。
【請求項25】
前記チャンネルは、概ねL字形の断面を有する請求項17の安全連動装置。
【請求項26】
前記チャンネルには、前記本体に第1の軸方向距離だけ延伸する第1部分、および前記本体に前記第1の軸方向距離より長い第2軸方向距離だけ延伸する第2部分が含まれる請求項25の安全連動装置。
【請求項27】
前記第2チャンネルは、概ねL字形断面を有する請求項26の安全連動装置。
【請求項28】
前記本体には、前記光透過部分から互いに逆向きの軸方向に延伸する第1および第2の概ね円筒形の部分が含まれ、前記流体通路は、前記円筒形部分を通って延伸する請求項17の安全連動装置。
【請求項29】
前記本体の前記光透過部分を、赤外範囲の電磁放射光を透過し、可視範囲の電磁放射光の透過を遮断する材料で形成する請求項17のポンプセット。
【請求項30】
前記反射面の半径と前記干渉面の半径との比が約60%以下である請求項17のポンプセット。
【請求項31】
ポンプシステムであって、
ポンプ装置の動作を制御して同ポンプ装置に装填したポンプセットにより患者に流体を供給するための制御システム、電磁放射光を放射するために前記ポンプ装置の前記制御システムに接続して動作させる電磁放射光源、前記ポンプセットが前記ポンプ装置上に適切に装填されているという指示を提供するために前記制御システムに接続して動作させる電磁放射光検出器を有するポンプ装置、
を備え、
前記ポンプセットは、
患者に流体を搬送するための導管、
前記導管と関係付けられるとともに、前記電磁放射光源からの前記電磁放射光のパス内で、前記ポンプ装置内に取り付けられるよう適合している電磁放射光伝搬作用部材を備え、前記伝搬作用部材は、前記導管と連通している流体通路を画成する本体であって前記本体に流体を貫流させるための本体を備え、前記流体通路は軸を有し、前記本体は、前記流体通路から概ね半径方向に突出する光透過部分を含み、前記光透過部分は、電磁放射光を透過させる材料で形成され、前記光透過部分には、少なくとも一つの干渉面および前記干渉面より前記流体通路の軸の方に近い配置の少なくとも一つのチャンネルが含まれ、前記チャンネルは、前記チャンネルの概ね半径方向外側に配置された反射面を画成する、
ポンプシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図7A】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2008−168111(P2008−168111A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−211732(P2007−211732)
【出願日】平成19年8月15日(2007.8.15)
【出願人】(507132673)コヴィディーン アーゲー (12)
【Fターム(参考)】