説明

安定化された医薬製品

還元糖の存在における固体状態の医薬製品を保護するための吸着剤およびシールパッケージ(例えば上包み)の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤を含む安定化された医薬製品に関する。より詳細には、それは、水分の存在における医療装置中の薬剤と還元糖との間の化学反応の結果生じるメイラード生成物の形成を防止するために、不透過性パッケージの内部の局所的環境において水分を吸着または吸収するモレキュラーシーブのような吸着物質を利用するパッケージおよび包装法に関する。それはまた、薬剤の微粒子画分を実質的に保持する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
医薬物質ホルモテロールは、2年までの間周囲条件で安定であることが公知である。しかしながら、ホルモテロールをラクトースと混合したとき、ホルモテロール分子内のアミノ基とラクトース成分との間の相互作用のために分解が起こること(メイラード反応)が公知である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、必要とされるものは、医薬製品内に含有される薬剤の効力を保存するためにメイラード分解生成物の形成が減少させられるかまたは除去される安定な医薬製品である。
本明細書中のいずれの参考文献の引用も、このような参考文献が本出願に対する“先行技術”として利用できるという容認として解釈されるべきではない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書において提供されるのは、薬剤と薬学的に受容できるキャリヤー、例えば還元糖、との間のメイラード反応の結果としての医薬製品中に含有される薬剤の分解が減少させられるかまたは除去される、新規で有用な安定な医薬製品である。
【0005】
広くは、本発明は、(a)薬剤および還元糖を含む固体状態の医薬組成物、(b)有効量の吸着物質、および(c)その中に医薬組成物および吸着物質が置かれる閉鎖空間(enclosed volume)を有する、水分に対して実質的に不透過性であるシールパッケージ、を含む安定な医薬製品にまで及ぶ。医薬組成物は、シールパッケージ内に位置する乾燥粉末吸入器中に収容することができる。
【0006】
さらに本発明は、
a)ホルモテロールおよび還元糖を含む固体状態の医薬組成物;
b)有効量の吸着物質;
c)その中に医薬組成物および吸着物質が置かれる閉鎖空間を有する、水分に対して実質的に不透過性のシールパッケージ;
を含む安定な医薬製品にまで及ぶ。
【0007】
本発明はまた、
a)乾燥粉末吸入器内に収容される、フマル酸ホルモテロール二水和物および微粉砕されていないラクトース一水和物を含む固体状態の医薬組成物;
b)有効量の吸着物質;
c)その中に乾燥粉末吸入器および吸着物質が置かれる閉鎖空間を有する、水分に対して実質的に不透過性のシールパッケージ;
を含む安定な医薬製品にまで及ぶ。
【0008】
さらに本発明は、
a)乾燥粉末吸入器内に収容される、フマル酸ホルモテロール二水和物および微粉砕されていないラクトース一水和物を含む固体状態の医薬組成物;
b)有効量の吸着物質;
c)水分に対して実質的に不透過性のシールパッケージ(ここでこのシールパッケージは、軟質ラミネートであり、そしてその中に乾燥粉末吸入器および吸着物質が置かれる閉鎖空間を形成する);
を含む安定な医薬製品にまで及ぶ。
【0009】
本発明はさらに、工程:
(i)有効量の吸着物質および医薬組成物をシールできるパッケージ内に置くこと;
(ii)医薬組成物および吸着剤がパッケージ内の閉鎖空間中にあるようにシールできるパッケージをシールすること;および
(iii)1またはそれ以上のメイラード生成物の形成を防止するためにパッケージ中の水分を吸着させること;
を含む、
a)薬剤および還元糖を含む固体状態の医薬組成物;
b)有効量の吸着物質;
c)その中に医薬組成物および吸着物質が置かれる閉鎖空間を有する、水分に対して実質的に不透過性のシールできるパッケージ;
を含む医薬製品の薬剤と還元糖との間の化学反応による医薬製品における1またはそれ以上のメイラード生成物の形成を防止する方法にまで及ぶ。
【0010】
呼吸器疾患または障害を治療するための多くの型の薬剤が、医薬製品における1またはそれ以上のメイラード生成物の形成を防止するための本発明の安定な医薬製品の医薬組成物、または方法において、適用性を有する。このような薬剤の例は、抗炎症剤[これには、少数のみの名を挙げれば、モメタゾンフロエート(mometasone furoate)、トリアムシノロンアセトニド、フルニソリド、プロピオン酸フルチカゾン(fluticasone propionate)、ブデソニド(budesonide)、ベクロメタゾンジプロピオネート、プレドニゾン、ベタメタゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロンおよびシクレソニド(ciclesonide)のようなコルチコステロイドがある]、インタール(Intal)、チラード(Tilade)などのような肥満細胞安定化剤、およびザフィルルカスト(zafirlukast)、モンテルカストナトリウム(montelukast sodium)およびジロートン(zileuton)を包含する(但しもちろんこれらに限定はされない)ロイコトリエン修飾薬である。別の適用できる薬剤の例は、ベータ2−アゴニストであり、これにはサルメテロールキシナホエート(salmeterol xinafoate)、ホルモテロール、アルブテロールおよびサルメテロール(salmeterol)があるが、もちろんこれらに限定はされない。さらに別の例は、抗コリン作用剤、例えば臭化イプラトロピウム、臭化チオトロピウム(tiotropium bromide)など、である。本発明の医薬製品における1またはそれ以上のメイラード生成物の形成を防止するための安定な医薬製品または方法で治療することができる呼吸器疾患または障害には、喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)があるが、もちろんこれらに限定はされない。さらに、医薬組成物は、薬剤を単独で、または別の薬剤と組み合わせて含むことができる。
【0011】
もちろん、医薬製品における1またはそれ以上のメイラード生成物の形成を防止するための本発明の安定な医薬製品または本発明の方法において種々の粒度の薬剤が本発明において適用性を有する。特に、粒度は、約0.1μmないし約10μmであることができる。本発明の1またはそれ以上のメイラード生成物の形成を防止するための安定な医薬製品または方法の特定の態様においては、薬剤の約95%より多くが約5μm未満の粒度を有する。
【0012】
本発明はまた、工程:
(a)(i)薬剤および還元糖を含む医薬組成物;
(ii)有効量の吸着物質;
(iii)その中に医薬組成物および吸着物質が置かれる閉鎖空間を有する、水分に対して実質的に不透過性のシールパッケージ;
を含む医薬製品を提供すること;および
(b)医薬組成物中の親水性薬剤を疎水性物質(ここで疎水性物質の親水性薬剤に対する比率は、少なくとも5:1である)と接触させること;
を含む、医薬組成物中の親水性薬剤の微粒子画分を実質的に保持する方法にまでも及ぶ。
【0013】
多くの親水性薬剤が本発明の微粒子画分を実質的に保持する方法において適用性を有する。例としては、少数のみの名を挙げれば、サルメテロールキシナホエート(salmeterol xinafoate)、ホルモテロールおよびアルブテロールのようなベータ2−アゴニストがあるが、もちろんこれらに限定はされない。同様に、抗炎症剤、例えばモメタゾンフロエート(mometasone furoate)、フルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、プロピオン酸フルチカゾン(fluticasone propionate)、ブデソニド(budesonide)、ベクロメタゾンジプロピオネート、プレドニゾン、ベタメタゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、シクレソニド(ciclesonide)などのようなコルチコステロイド、のような呼吸器疾患または障害を治療するための疎水性薬剤を包含する(但しこれらに限定はされない)多くの疎水性物質が本発明において適用性を有する。特定の態様においては、親水性薬剤は、ホルモテロールであり、そして疎水性物質は、シクレソニド(ciclesonide)である。別の特定の態様においては、親水性薬剤は、ホルモテロールであり、そして疎水性薬剤は、モメタゾンフロエート(mometasone furoate)、フルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、プロピオン酸フルチカゾン(fluticasone propionate)、ブデソニド(budesonide)、ベクロメタゾンジプロピオネート、プレドニゾン、ベタメタゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロンおよびプレドニゾロンから成る群から選択されるコルチコステロイドである。
【0014】
さらに、上に開示したように、微粒子画分を実質的に保持する方法において存在する疎水性薬剤の存在する親水性物質に対する比率は、少なくとも5:1である。しかし特定の態様においては、この比率は、約10:1ないし約100:1である。
【0015】
さらに、本発明の微粒子画分を実質的に保持する方法において使用する疎水性物質および親水性薬剤の粒度は、変化しうる、すなわち約0.1μmないし約10μmであることができる。とりわけ、それらの粒子の約95%より多くが約5μm未満の粒度を有する。
【0016】
さらに、本明細書中に記載したとおりの本発明の安定な医薬製品または方法においては、吸着物質は、種々の場所に置くことができる。例えば、吸着物質は、もし乾燥粉末吸入器が存在するならば、パッケージとそれとの間の閉鎖空間中に置くことができる。もし医薬組成物が乾燥粉末吸入器内に収容されているならば、吸着物質もまた、乾燥粉末吸入器内に置くことができる。別のオプションは、乾燥粉末吸入器を製造するために使用する重合体混合物中に吸着物質を組み込むことである。結果として、吸着物質は、乾燥粉末吸入器のプラスチック構成要素の中に製造される。吸着物質を置くことができるその他の位置は、シールパッケージ中であるか、または、シールパッケージをシールするために使用する接着剤例えば自己粘着性のパッチまたはテープ中に組み込むことさえできる。本発明の安定な医薬製品または方法の特定の態様においては、吸着物質は、多孔性サッシェ中に置かれ、次にはこのサッシェがシールパッケージ内に置かれる。
【0017】
当然ながら、少数のみの名を挙げれば、モレキュラーシーブ、活性白土、木炭、活性アルミナ、シリカ、ゼオライト、ボーキサイト、またはこれらの物質のいずれかの混合物を包含する多くの吸着物質が、本発明の安定な医薬製品または方法において適用性を有する。本発明の安定な医薬製品または方法の特定の態様においては、吸着物質は、10Å(オングストローム)モレキュラーシーブである。安定な医薬製品または本発明の方法において使用する吸着物質の有効量は、メイラード生成物の形成を減少させるかまたは除去するために十分な量である。当業者は、常套的な実験技術を使用して本発明の特定の態様のためのこの量を容易に決定することができる。
【0018】
さらに、本発明の安定な医薬製品または方法のシールパッケージは、種々の物質、例えば金属、ガラス、プラスチックなど、から製造することができる。同様に、シールパッケージの形を、変えることができる。このような形の例としては、ビン、バッグ、ドラムボックス、および不規則な形の容器があるが、もちろんこれらに限定はされない。本発明の安定な医薬製品または方法の特定の態様においては、シールパッケージは、保護外層、ヒートシールできる層、およびこの保護外層とヒートシールできる層との間に位置する水分不透過層、を含む軟質ラミネートで作られている。一般的に、ポリエステル接着剤のような接着剤がこれらの層の各々の間にある。紙またはポリエステルのような重合体を包含する多くの物質を、保護層のために使用することができる。同様に、水分不透過層は、重合体または金属、少数のみの名を挙げれば、例えばアルミニウム、銅、鋼、亜鉛、鉄、スズ、マグネシウム、アマルガムなど、のような種々の物質で作ることができる。ヒートシールできる層もまた、ヒートシールすることができる種々の物質で作ることができる。本発明の安定な医薬製品または方法の特定の態様においては、軟質ラミネートは、ポリエステル層、アルミニウム層およびポリエチレン層を含み、ここでアルミニウム層は、ポリエステル層とポリエチレン層との間にある。本発明の安定な医薬製品または方法のパッケージのシールは、種々の方法で達成することができる。より詳細には、ヒートシール、接着、溶接、ろう付け、機械的閉鎖、機械的クランプまたは圧縮により本発明の安定な医薬製品または本発明の方法のシールパッケージを気密シールすることができる。
【0019】
さらに、種々の還元糖(その水和物と同様に)、少数のみの名を挙げれば、例えばラクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース、マルト−ス、キシロース、セロビオース、メリビオース(mellibiose)およびマルトトリオース(maltotriose)が本発明の安定な医薬製品または方法において適用性を有する。特に、本発明において適用性を有する還元糖は、ラクトースである。より詳細には、還元糖は、ラクトース一水和物である。本発明において適用性を有するラクトース一水和物の特定グレードは、レスピトース(RESPITOSE) ML001(DMV、Veghel、オランダ)である。さらに、本発明において適用性を有する還元糖は、微粉砕されている必要はない。特定の態様においては、還元糖は、平均粒度約41μmを有する。さらに、本発明の安定な医薬製品または方法の還元糖は、微粉砕されていないものであることができる。
【0020】
さらに、薬剤がホルモテロールであり、そして還元糖がラクトース一水和物である本発明の安定な医薬製品または方法の特定の態様においては、医薬組成物は、ホルモテロール約0.5μgないし約4μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む。より格別な態様においては、医薬組成物は、ホルモテロール約1μgないし約2μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含み;そしてさらに格別な態様においては、医薬組成物は、ホルモテロール約1μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む。
【0021】
従って、メイラード生成物の形成を減少させるかまたは防止するであろう、薬剤を含む
安定な医薬製品を提供することは、本発明の一側面である。
【0022】
患者への肺送達のために薬剤の微粒子画分を保護するための方法を提供することは、本発明のもう一つの側面である。
【0023】
これらおよびその他の本発明の側面は、下記の図面および詳細な説明の参照によってよりよく認識されるであろう。
【0024】
添付図面において:
図1は、シクレソニド(Ciclesonide)、ホルモテロールおよびラクトースを含む乾燥粉末吸入器(DPI)(ここでこのDPIは、包装されている、モレキュラーシーブの存在において包装されている、および包装されていない)のセ氏40度および相対湿度75%で6および10週での不純物比較を示す棒グラフである。
図2は、本発明による典型的な乾燥粉末吸入器パッケージを描いている。
図3は、乾燥粉末吸入器中の吸収剤のための多くの可能な位置の2つを描いている。例えば、これらは、あるいはプラスチック構成要素の1つの一部として成形することができるか、または吸入器に固定される容器中で提供することができる。
【0025】
発明の詳細な説明
[1] a)薬剤および還元糖を含む固体状態の医薬組成物;
b)有効量の吸着物質;および
c)その中に医薬組成物および吸着物質が置かれる閉鎖空間を有する、水分に対して実質的に不透過性のシールパッケージ;
を含む安定な医薬製品。
[2] さらに医薬組成物を収容する乾燥粉末吸入器を含む、態様[1]に記載の安定な医薬製品。
[3] 吸着物質がシールパッケージと乾燥粉末吸入器との間の閉鎖空間中に置かれる、態様[2]に記載の安定な医薬製品。
[4] 乾燥粉末吸入器が吸着物質を収容している、態様[2]に記載の安定な医薬製品。
[5] 吸着物質を重合体混合物中に組み込み、乾燥粉末吸入器のプラスチック構成要素の中に製造する、態様[2]に記載の安定な医薬製品。
[6] 吸着物質をシールパッケージ中に組み込む、態様[1]または[2]のいずれかに記載の安定な医薬製品。
[7] 吸着物質を接着剤中に組み込む、態様[1]ないし[4]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[8] 接着剤が粘着性のパッチまたはテープである、態様[7]に記載の安定な医薬製品。
[9] 吸着物質が多孔性サッシェ中にある、態様[1]ないし[4]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[10] 吸着物質がモレキュラーシーブ、活性白土、木炭、活性アルミナ、シリカ、ゼオライト、ボーキサイト、およびその混合物から成る群から選択される、態様[1]ないし[9]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
【0026】
[11] 吸着物質が10Å(オングストローム)モレキュラーシーブである、態様[10]に記載の安定な医薬製品。
[12] シールパッケージが金属、ガラスまたはプラスチックで作られており、そしてこのシールパッケージがビン、バッグ、ドラムボックス、および不規則な形の容器から成る群から選択される、態様[1]ないし[11]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[13] シールパッケージが軟質ラミネートである、態様[12]に記載の安定な医薬製品。
[14] 軟質ラミネートが3層:保護層、ヒートシールできる層、およびこの保護層とヒートシールできる層との間に位置する水分不透過層、を含む、態様[13]に記載の安定な医薬製品。
[15] 保護層がポリエステルであり、水分不透過層がアルミニウム、銅、鋼、亜鉛、鉄、スズ、マグネシウム、およびその混合物から成る群から選択される金属であり、そしてヒートシールできる層がポリエチレンである、態様[14]に記載の安定な医薬製品。[16] 水分不透過層がアルミニウムである、態様[15]に記載の安定な医薬製品。[17] シールパッケージをヒートシール、接着、溶接、ろう付け、機械的閉鎖、機械的クランプまたは圧縮によって気密シールする、態様[1]ないし[16]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[18] 薬剤が呼吸器疾患の治療において使用される、態様[1]ないし[17]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[19] 薬剤が抗炎症剤、ベータ2−アゴニスト、抗コリン作用剤またはその組み合わせ物を含む、態様[18]に記載の安定な医薬製品。
[20] 抗炎症剤がコルチコステロイド、肥満細胞安定化剤、またはロイコトリエン修飾薬を含む、態様[19]に記載の安定な医薬製品。
【0027】
[21] コルチコステロイドがモメタゾンフロエート(mometasone furoate)、トリアムシノロンアセトニド、フルニソリド、プロピオン酸フルチカゾン(fluticasone propionate)、ブデソニド(budesonide)、ベクロメタゾンジプロピオネート、プレドニゾン、ベタメタゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロンおよびプレドニゾロンから成る群から選択される、態様[20]に記載の安定な医薬製品。
[22] コルチコステロイドがシクレソニド(ciclesonide)である、態様[20]に記載の安定な医薬製品。
[23] 肥満細胞安定化剤がインタール(intal)、チラード(tilade)またはその組み合わせ物を含む、態様[20]に記載の安定な医薬製品。
[24] ロイコトリエン修飾薬がザフィルカスト(zafirlukast)、モンテルカストナトリウム(montelukast sodium)、ジロートン(zileuton)またはその組み合わせ物を含む、態様[20]に記載の安定な医薬製品。
[25] ベータ2−アゴニストがサルメテロールキシナホエート(salmeterol xinafoate)、ホルモテロール、アルブテロールおよびサルメテロール(salmeterol)から成る群から選択される、態様[19]に記載の安定な医薬製品。
[26] 抗コリン作用剤が臭化イプラトロピウム、臭化チオトロピウム(tiotropium bromide)およびその混合物から成る群から選択される、態様[19]に記載の安定な医薬製品。
[27] 薬剤がホルモテロールである、態様[25]に記載の安定な医薬製品。
[28] さらにコルチコステロイドを含む、態様[27]に記載の安定な医薬製品。
[29] コルチコステロイドがシクレソニド(ciclesonide)である、態様[28]に記載の安定な医薬製品。
[30] 薬剤が粒度約0.1μmないし約10μmを有する、態様[1]ないし[29]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
【0028】
[31] 薬剤の約95%より多くが約5μm未満の粒度を有する、態様[1]ないし[30]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[32] 還元糖が微粉砕されていない、態様[1]ないし[31]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[33] 還元糖が平均粒度約41μmを有する、態様[1]ないし[32]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[34] 還元糖がラクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース、マルト−ス、キシロース、セロビオース、メリビオースおよびマルトトリオース(maltotriose)から成る群から選択される、態様[1]ないし[33]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[35] 還元糖がラクトースである、態様[1]ないし[34]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[36] 還元糖がラクトース一水和物である、態様[35]に記載の安定な医薬製品。[37] ラクトース一水和物が微粉砕されていない、態様[36]に記載の安定な医薬製品。
[38] 医薬組成物がホルモテロール約0.5μgないし約4μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む、態様[36]または[37]のいずれかに記載の安定な医薬製品。
[39] 医薬組成物がホルモテロール約1μgないし約2μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む、態様[38]に記載の安定な医薬製品。[40] 医薬組成物がホルモテロール約1μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む、態様[39]に記載の安定な医薬製品。
【0029】
[41] 吸着物質の有効量がメイラード生成物の形成を防止するかまたは減少させるために十分な量である、態様[1]ないし[40]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[42] a)ホルモテロールおよび還元糖を含む固体状態の医薬組成物;
b)有効量の吸着物質;および
c)その中に医薬組成物および吸着物質が置かれる閉鎖空間を有する、水分に対して実質的に不透過性のシールパッケージ;
を含む安定な医薬製品。
[43] ホルモテロールがフマル酸ホルモテロール二水和物である、態様[42]に記載の安定な医薬製品。
[44] 還元糖がラクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース、マルト−ス、キシロース、セロビオース、メリビオースおよびマルトトリオース(maltotriose)から成る群から選択される、態様[42]または[43]のいずれかに記載の安定な医薬製品。
[45] 還元糖がラクトースである、態様[44]に記載の安定な医薬製品。
[46] 還元糖がラクトース一水和物である、態様[45]に記載の安定な医薬製品。[47] ラクトース一水和物が微粉砕されていない、態様[46]に記載の安定な医薬製品。
[48] 医薬組成物がホルモテロール約0.5μgないし約4μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む、態様[46]または[47]のいずれかに記載の安定な医薬製品。
[49] 医薬組成物がホルモテロール約1μgないし約2μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む、態様[48]に記載の安定な医薬製品。[50] 医薬組成物がホルモテロール約1μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む、態様[49]に記載の安定な医薬製品。
【0030】
[51] 還元糖が平均粒度約41μmを有する、態様[42]ないし[50]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[52] 医薬組成物がさらに呼吸器疾患または障害を治療するための第2の薬剤を含む、態様[42]−[51]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[53] 第2の薬剤が抗炎症剤、ベータ2−アゴニスト、抗コリン作用剤またはその組み合わせ物を含む、態様[52]に記載の安定な医薬製品。
[54] 抗炎症剤がコルチコステロイド、肥満細胞安定化剤、またはロイコトリエン修飾薬を含む、態様[53]に記載の安定な医薬製品。
[55] コルチコステロイドがモメタゾンフロエート(mometasone furoate)、トリアムシノロンアセトニド、フルニソリド、プロピオン酸フルチカゾン(fluticasone)、ブデソニド(budesonide)、ベクロメタゾンジプロピオネート、プレドニゾン、ベタメタゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロンおよびプレドニゾロンから成る群から選択される、態様[54]に記載の安定な医薬製品。
[56] さらにホルモテロールを含む、態様[55]に記載の安定な医薬製品。
[57] コルチコステロイドがシクレソニド(ciclesonide)である、態様[54]に記載の安定な医薬製品。
[58] さらにサルメテロールキシナホエート(salmeterol xinafoate)、アルブテロールおよびサルメテロール(salmeterol)から成る群から選択されるベータ2−アゴニストを含む、態様[57]に記載の安定な医薬製品。
[59] 肥満細胞安定化剤がインタール(intal)、チラード(tilade)またはその組み合わせ物を含む、態様[54]に記載の安定な医薬製品。
[60] ロイコトリエン修飾薬がザフィルカスト(zafirlukast)、モンテルカストナトリウム(montelukast sodium)またはジロートン(zileuton)、またはその組み合わせ物を含む、態様[54]に記載の安定な医薬製品。
【0031】
[61] ベータ2−アゴニストがサルメテロールキシナホエート(salmeterol xinafoate)、ホルモテロール、アルブテロールおよびサルメテロール(salmeterol)から成る群から選択される、態様[53]に記載の安定な医薬製品。
[62] 抗コリン作用剤が臭化イプラトロピウム、臭化チオトロピウム(tiotropium bromide)およびその混合物から成る群から選択される、態様[53]に記載の安定な医薬製品。
[63] 吸着物質がモレキュラーシーブ、活性白土、木炭、活性アルミナ、シリカ、ゼオライト、ボーキサイト、およびその混合物から成る群から選択される、態様[42]−[63]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[64] 吸着物質が10Å(オングストローム)モレキュラーシーブである、態様[63]に記載の安定な医薬製品。
[65] さらに医薬組成物を収容している乾燥粉末吸入器を含む、態様[42]−[64]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[66] シールパッケージが金属、ガラスまたはプラスチックで作られており、そしてこのシールパッケージがビン、バッグ、ドラムボックス、および不規則な形の容器から成る群から選択される、態様[42]−[65]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。[67] シールパッケージが軟質ラミネートである、態様[42]−[66]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[68] 軟質ラミネートが3層:保護層、ヒートシールできる層、およびこの保護層とヒートシールできる層との間に位置する水分不透過層、を含む、態様[67]に記載の安定な医薬製品。
[69] 保護層がポリエステルであり、水分不透過層がアルミニウム、銅、鋼、亜鉛、鉄、スズ、マグネシウム、およびその混合物から成る群から選択される金属であり、そしてヒートシールできる層がポリエチレンである、態様[68]に記載の安定な医薬製品。[70] 水分不透過層がアルミニウムである、態様[69]に記載の安定な医薬製品。
【0032】
[71] シールパッケージをヒートシール、接着、溶接、ろう付け、機械的閉鎖、機械的クランプまたは圧縮によって気密シールする、態様[42]−[70]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[72] 医薬組成物が粒度約0.1μmないし約10μmを有する、態様[42]−[71]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[73] 医薬組成物の約95%より多くが約5μm未満の粒度を有する、態様[42]−[72]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[74] 吸着物質の有効量がメイラード生成物の形成を防止するかまたは減少させるための量である、態様[42]−[73]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[75] a)乾燥粉末吸入器内に収容される、フマル酸ホルモテロール二水和物および微粉砕されていないラクトース一水和物を含む固体状態の医薬組成物;
b)有効量の吸着物質;
c)その中に乾燥粉末吸入器および吸着物質が置かれる閉鎖空間を有する、水分に対して実質的に不透過性のシールパッケージ;
を含む安定な医薬製品。
[76] 医薬組成物がさらに呼吸器疾患または障害を治療するための第2の薬剤を含む、態様[75]に記載の安定な医薬製品。
[77] 第2の薬剤が抗炎症剤、ベータ2−アゴニスト、抗コリン作用剤またはその組み合わせ物を含む、態様[76]に記載の安定な医薬製品。
[78] 抗炎症剤がコルチコステロイド、肥満細胞安定化剤、またはロイコトリエン修飾薬を含む、態様[77]に記載の安定な医薬製品。
[79] コルチコステロイドがモメタゾンフロエート(mometasone furoate)、トリアムシノロンアセトニド、フルニソリド、プロピオン酸フルチカゾン(fluticasone propionate)、ブデソニド(budesonide)、ベクロメタゾンジプロピオネート、プレドニゾン、ベタメタゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロンおよびプレドニゾロンから成る群から選択される、態様[78]に記載の安定な医薬製品。
[80] コルチコステロイドがシクレソニド(ciclesonide)である、態様[78]に記載の安定な医薬製品。
【0033】
[81] 肥満細胞安定化剤がインタール(intal)、チラード(tilade)またはその組み合わせ物を含む、態様[78]に記載の安定な医薬製品。
[82] ロイコトリエン修飾薬がザフィルカスト(zafirlukast)、モンテルカストナトリウム(montelukast sodium)、ジロートン(zileuton)またはその組み合わせ物を含む、態様[78]に記載の安定な医薬製品。
[83] ベータ2−アゴニストがサルメテロールキシナホエート(salmeterol xinafoate)、アルブテロールおよびサルメテロール(salmeterol)から成る群から選択される、態様[77]に記載の安定な医薬製品。
[84] 抗コリン作用剤が臭化イプラトロピウム、臭化チオトロピウム(tiotropium bromide)およびその組み合わせ物から成る群から選択される、態様[77]に記載の安定な医薬製品。
[85] 医薬組成物が粒度約0.1μmないし約10μmを有する、態様[75]−[84]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[86] 医薬組成物の約95%より多くが約5μm未満の粒度を有する、態様[75]−[85]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[87] 微粉砕されていないラクトース一水和物が平均粒度約41μmを有する、態様[75]−[86]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[88] 吸着物質が10Å(オングストローム)モレキュラーシーブである、態様[75]−[87]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[89] 医薬組成物がフマル酸ホルモテロール二水和物約0.5μgないし約4μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む、態様[75]−[88]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[90] 医薬組成物がフマル酸ホルモテロール二水和物約1μgないし約2μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む、態様[89]に記載の安定な医薬製品。
【0034】
[91] 医薬組成物がホルモテロール約1μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む、態様[66]−[81]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[92] シールパッケージが金属、ガラスまたはプラスチックで作られており、そしてこのシールパッケージがビン、バッグ、ドラムボックス、および不規則な形の容器から成る群から選択される、態様[75]−[91]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。[93] シールパッケージが軟質ラミネートである、態様[92]に記載の安定な医薬製品。
[94] 軟質ラミネートが3層:保護層、ヒートシールできる層、およびこの保護層とヒートシールできる層との間に位置する水分不透過層、を含む、態様[93]に記載の安定な医薬製品。
[95] 保護層がポリエステルであり、水分不透過層がアルミニウム、銅、鋼、亜鉛、鉄、スズ、マグネシウム、およびその混合物から成る群から選択される金属であり、そしてヒートシールできる層がポリエチレンである、態様[94]に記載の安定な医薬製品。[96] 水分不透過層がアルミニウムである、態様[95]に記載の安定な医薬製品。[97] シールパッケージをヒートシール、接着、溶接、ろう付け、機械的閉鎖、機械的クランプまたは圧縮によって気密シールする、態様[75]−[96]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[98] 吸着物質の有効量がメイラード生成物の形成を防止するかまたは減少させるための量である、態様[75]−[97]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[99] a)乾燥粉末吸入器内に収容される、フマル酸ホルモテロール二水和物および平均粒度約41μmを有する微粉砕されていないラクトース一水和物を含む固体状態の医薬組成物;
b)有効量の10Å(オングストローム)モレキュラーシーブ;および
c)水分に対して実質的に不透過性のシールパッケージ(ここでこのシールパッケージは軟質ラミネートであり、そしてこのシールパッケージは、その中に上記乾燥粉末吸入器および上記吸着物質が置かれる閉鎖空間を形成する);
を含む安定な医薬製品。
[100] 医薬組成物がさらに呼吸器疾患または障害を治療するための第2の薬剤を含む、態様[99]に記載の安定な医薬製品。
【0035】
[101] 第2の薬剤が抗炎症剤、ベータ2−アゴニスト、抗コリン作用剤またはその組み合わせ物を含む、態様[100]に記載の安定な医薬製品。
[102] 抗炎症剤がコルチコステロイド、肥満細胞安定化剤、またはロイコトリエン修飾薬を含む、態様[100]に記載の安定な医薬製品。
[103] コルチコステロイドがモメタゾンフロエート(mometasone furoate)、トリアムシノロンアセトニド、フルニソリド、プロピオン酸フルチカゾン(fluticasone propionate)、ブデソニド(budesonide)、ベクロメタゾンジプロピオネート、プレドニゾン、ベタメタゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロンおよびプレドニゾロンから成る群から選択される、態様[100]に記載の安定な医薬製品。
[104] コルチコステロイドがシクレソニド(ciclesonide)である、態様[100]に記載の安定な医薬製品。
[105] 肥満細胞安定化剤がインタール(intal)、チラード(tilade)またはその組み合わせ物を含む、態様[100]に記載の安定な医薬製品。
[106] ロイコトリエン修飾薬がザフィルカスト(zafirlukast)、モンテルカストナトリウム(montelukast sodium)、ジロートン(zileuton)またはその組み合わせ物を含む、態様[100]に記載の安定な医薬製品。[107] ベータ2−アゴニストがサルメテロールキシナホエート(salmeterol xinafoate)、ホルモテロール、アルブテロールおよびサルメテロール(salmeterol)から成る群から選択される、態様[99]に記載の安定な医薬製品。
[108] 抗コリン作用剤が臭化イプラトロピウム、臭化チオトロピウム(tiotropium bromide)およびその混合物から成る群から選択される、態様[99]に記載の安定な医薬製品。
[109] 医薬組成物が粒度約0.1μmないし約10μmを有する、態様[99]−[108]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[110] 医薬組成物の約95%より多くが約5μm未満の粒度を有する、態様[99]−[109]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
【0036】
[111] 軟質ラミネートが3層:保護層、ヒートシールできる層、およびこの保護層とヒートシールできる層との間に位置する水分不透過層、を含む、態様[99]−[110]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[112] 保護層がポリエステルであり、水分不透過層がアルミニウム、銅、鋼、亜鉛、鉄、スズ、マグネシウム、およびその混合物から成る群から選択される金属であり、そしてヒートシールできる層がポリエチレンである、態様[111]に記載の安定な医薬製品。
[113] 水分不透過層がアルミニウムである、態様[112]に記載の安定な医薬製品。
[114] 軟質ラミネートをヒートシールする、態様[99]−[113]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[115] 医薬組成物がフマル酸ホルモテロール二水和物約0.5μgないし約4μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む、態様[99]−[114]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[116] 医薬組成物がホルモテロール約1μgないし約2μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む、態様[115]に記載の安定な医薬製品。
[117] 医薬組成物がホルモテロール約1μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む、態様[116]に記載の安定な医薬製品。
[118] 吸着物質の有効量がメイラード生成物の形成を防止するかまたは減少させるための量である、態様[99]−[117]のいずれか1つに記載の安定な医薬製品。
[119] 工程:
(i)有効量の吸着物質および医薬組成物をシールできるパッケージ内に置くこと;
(ii)医薬組成物および吸着剤がシールパッケージ内の閉鎖空間中にあるようにパッケージをシールしてシールパッケージを形成させること;および
(iii)1またはそれ以上のメイラード生成物の形成を防止するためにパッケージ中の水分を吸着させること;
を含む、
a)薬剤および還元糖を含む固体状態の医薬組成物;
b)有効量の吸着物質;および
c)水分に対して実質的に不透過性であり、そしてその中に医薬組成物および吸着物質が置かれる閉鎖空間を有するシールパッケージ;
を含む医薬製品の薬剤と還元糖との間の化学反応による1またはそれ以上のメイラード生成物の形成を防止する方法。
[120] 医薬組成物が乾燥粉末吸入器中にある、態様[119]に記載の方法。
【0037】
本発明はまた、驚くべきことにそして予想外のことに、本発明の安定な医薬製品中の過剰量の疎水性物質の存在が実質的にこの安定な医薬製品における親水性薬剤の微粒子画分を保持することの発見にも基づいている。結果的に、親水性薬剤の凝集を制限し、そして患者の肺への親水性薬剤の微粒子の有効な乾燥粉末吸入投与を促進することができる。この発見の説明を要するものではなく、そしてもちろんこの発見を説明することができるいずれかの仮説に結びつけることをも意図していないけれども、この保護効果は、低用量の親水性薬剤(フマル酸ホルモテロール二水和物のような)を過剰量の疎水性物質(上記のとおりのコルチコステロイドのような)とともに製剤化するときに生じると思われ、それによって周囲水蒸気の作用に対する親水性薬剤の相互作用のためのポテンシャルを制限すると考えられる。結果的に、過剰量の疎水性物質と組み合わせたとき、疎水性物質が存在しない場合よりも大きな製品の性能安定性が親水性薬剤に与えられる。このため本発明は、さらに下記のものにまで及ぶ:
【0038】
[121] 工程:
(a)(i)親水性薬剤および還元糖を含む医薬組成物;
(ii)有効量の吸着物質;
(iii)その中に医薬組成物および吸着物質が置かれる閉鎖空間を有する、水分に対して実質的に不透過性のシールパッケージ;
を含む医薬製品を提供すること;および
(b)医薬組成物中の親水性薬剤を疎水性物質(ここで疎水性物質の親水性物質に対する比率は、少なくとも5:1である)と接触させること;
を含む、呼吸器疾患または障害を治療するための親水性薬剤の微粒子画分を実質的に保持する方法。
[122] 親水性薬剤がベータ2−アゴニストである、態様[121]に記載の方法。[123] ベータ2−アゴニストがサルメテロールキシナホエート(salmeterol xinafoate)、ホルモテロールおよびアルブテロールから成る群から選択される、態様[122]に記載の方法。
[124] 親水性薬剤がホルモテロールである、態様[123]に記載の方法。
[125] 疎水性物質が呼吸器疾患または障害を治療するための疎水性薬剤である、態様[121]−[124]のいずれか1つに記載の方法。
[126] 疎水性薬剤がコルチコステロイドである、態様[125]に記載の方法。
[127] コルチコステロイドがモメタゾンフロエート(mometasone furoate)、トリアムシノロンアセトニド、フルニソリド、プロピオン酸フルチカゾン(fluticasone propionate)、ブデソニド(budesonide)、ベクロメタゾンジプロピオネート、プレドニゾン、ベタメタゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロンおよびプレドニゾロンから成る群から選択される、態様[126]に記載の方法。
[128] コルチコステロイドがシクレソニド(ciclesonide)である、態様[126]に記載の方法。
[129] 疎水性物質の親水性薬剤に対する比率が約10:1ないし約100:1である、態様[121]−[128]のいずれか1つに記載の方法。
[130] 疎水性物質および親水性薬剤が粒度約0.1μmないし約10μmを有する、態様[121]−[129]のいずれか1つに記載の方法。
【0039】
[131] 疎水性物質および親水性薬剤約95%より多くが約5μm未満の粒度を有する、態様[121]−[130]のいずのれか1つに記載の方法。
[132] 還元糖がラクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース、マルト−ス、キシロース、セロビオース、メリビオースおよびマルトトリ
オース(maltotriose)から成る群から選択される、態様[121]−[131]のいずれか1つに記載の方法。
[133] 還元糖が微粉砕されていない、態様[132]に記載の方法。
[134] 還元糖がラクトース一水和物である、態様[133]に記載の方法。
[135] 吸着物質がモレキュラーシーブ、活性白土、木炭、活性アルミナ、シリカ、ゼオライト、ボーキサイト、およびその混合物から成る群から選択される、態様[121]−[134]のいずれか1つに記載の方法。
[136] 吸着物質が10Å(オングストローム)モレキュラーシーブである、態様[121]−[135]のいずれか1つに記載の方法。
[137] 医薬組成物が乾燥粉末吸入器中に収容されている、態様[131]−[136]のいずれか1つに記載の方法。
[138] シールパッケージが軟質ラミネートである、態様[121]−[137]のいずれか1つに記載の方法。
[139] 軟質ラミネートが3層:保護層、ヒートシールできる層、およびこの保護層とヒートシールできる層との間に位置する水分不透過層、を含む、態様[138]に記載の方法。
[140] 保護層がポリエステルであり、水分不透過層がアルミニウム、銅、鋼、亜鉛、鉄、スズ、マグネシウム、およびその混合物から成る群から選択される金属であり、そしてヒートシールできる層がポリエチレンである、態様[139]に記載の方法。
[141] 水分不透過層がアルミニウムである、態様[140]に記載の方法。
[142] シールパッケージをヒートシール、接着、溶接、ろう付け、機械的閉鎖、機械的クランプまたは圧縮によって気密シールする、態様[121]−[141]のいずれか1つに記載の方法。
[143] 吸着物質の有効量がメイラード生成物の形成を防止するかまたは減少させるための量である、態様[121]−[142]のいずれか1つに記載の方法。
【0040】
明快さのために述べると、別々の態様として述べた本発明のある種の特長点はまた、単一の態様において組み合わせて用いうることは理解されるべきである。また、簡潔のために単一の態様の文脈において説明する本発明の種々の特徴を、別々に、またはいずれかの適当な少ない組み合わせ(subcombination)で提供することもできる。
【0041】
さらに、本明細書および特許請求の範囲を通じて多数の用語および句を使用する。
【0042】
従って:
本明細書中で使用するとき用語“安定な”は、本発明の医薬製品または方法の薬剤が、吸着物質とともにセ氏40度、相対湿度75%で少なくとも5ヶ月間シールパッケージ中で貯蔵したとき、実質的に分解して1またはそれ以上のメイラード生成物を形成することがないことを意味することを意図している。例えば、薬剤がホルモテロールであって、それを吸着物質とともにセ氏約40度、相対湿度約75%で少なくとも5ヶ月間シールパッケージ中で貯蔵するとき、実質的に確認されるメイラード生成物はない。
【0043】
本明細書中で使用するとき、用語“微粒子画分”は、約6ミクロンまたはそれより小さい空気力学的直径を有する、患者の肺内に吸入される医薬組成物の粒子の量またはパーセンテージである。
【0044】
患者の肺内に吸入される薬剤の“空気力学的直径”は、下記の式:
【数1】

(ここで:
pa=空気力学的粒子径、μm
ps=ストークス径、μm
ρp=粒子密度、gm/cm3
を使用して0.5ミクロンより大きいすべての粒子について概算することができる。
【0045】
本明細書中で使用するとき、用語“疎水性物質”は、水と結合しない傾向があるかまたは水に溶解することができない薬学的に受容できる物質を指す。このような物質の特定の例は、コルチコステロイド、例えばモメタゾンフロエート(mometasone furoate)、フルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、プロピオン酸フルチカゾン(fluticasone propionate)、ブデソニド(budesonide)、ベクロメタゾンジプロピオネート、プレドニゾン、ベタメタゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、シクレソニド(ciclesonide)など、のような呼吸器疾患または障害を治療するための疎水性薬剤である。疎水性物質はまた、親水性薬剤を含む医薬組成物におけるキャリヤーまたは賦形剤であることもできる。
【0046】
本明細書中で使用するとき、句“薬学的に受容できる”は、ヒトに投与したとき、生理学的に許容できて、典型的には急性胃蠕動、めまいなどのようなアレルギー性または同様の有害反応を生じない化合物および組成物を指す。好ましくは、本明細書中で使用するとき、用語“薬学的に受容できる”は、米国連邦または州政府の規制(regulatory)機関によって認可されたか、または動物、そしてより特定的にはヒト、において使用するために米国薬局方またはその他の一般的に認められた薬局方に列挙されたことを意味する。
【0047】
本明細書中で使用するとき、用語“親水性薬剤”は、容易に水を吸収するか、または水に溶解する薬剤を指す。本発明において適用性を有するこのような薬剤の特定の例は、少数のみの名を挙げれば、サルメテロールキシナホエート(salmeterol xinafoate)、ホルモテロールおよびアルブテロールのようなベータ2−アゴニストである。
【0048】
本明細書中で使用するとき、用語“還元糖”は、酸化をうけ、そして金属イオンを還元してより低い酸化状態にすることができるラクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース、マルト−ス、キシロース、セロビオース、メリビオースまたはマルトトリオース(maltotriose)のような炭水化物を意味する。本発明の特定の態様においては、還元糖は、ラクトースである。とりわけ、還元糖は、レスピトース(RESPITOSE)ML001(DMV、Veghel、オランダ)のようなラクトース一水和物である。還元糖の粒度は、約0.5μmないし約350μm、約0.5μmないし約315μm、約0.5μmないし約150μm、約0.5μmないし約100μm、約0.5μmないし約45μm、約0.5μmないし約25μm、約0.5μmないし約10μm、約5μmないし約350μm、約5μmないし約315μm、約5μmないし約150μm、約5μmないし約100μm、約5μmないし約45μm、約5μmないし約25μm、約5μmないし約10μm、約10μmないし約350μm、約10μmないし約315μm、約10μmないし約150μm、約10μmないし約100μm、約10μmないし約45μm、約10μmないし約25μm、約25μmないし約350μm、約25μmないし約315μm、約25μmないし約150μm、約25μmないし約100μm、約25μmないし約45μm、約45μmないし約350μm、約45μmないし約315μm、約45μmないし約150μm、約45μmないし約100μm、約100μmないし約350μm、約100μmないし約315μm、約100μmないし約150μm、約150μmないし約350μm、約150μmないし約315μm、約315μmないし約350μmであることができる。特に、平均粒度は、約41μmである。また、還元糖は、微粉砕されている必要はない。本明細書中で使用するとき用語“メイラード生成物”は、水分の存在における薬剤と還元糖とのメイラード反応によって形成される生成物を意味する。
【0049】
本明細書中で使用するとき用語“シールパッケージ”は、水分に対して実質的に不透過性であるシールされた容器を包含することを意味する。例えば、シールパッケージは、金属、ガラスまたはプラスチックで作ることができ、そしてビン、バッグ、ドラムボックス、および不規則な形の容器から成る群から選択される。特定の態様においては、このパッケージは、慣用の軟質パッケージ(例えば上包み)であって、その製造は、完全に当業者の知識の範囲内である。一般に、軟質パッケージは、折り畳まれるか、または他の方法でパッケージ装置技術に従ってシールおよび切断によってパッケージの形にされるラミネートのフラットリールから構成される。例えば、図2に示すように、シールパッケージは、実質的に不透過性の軟質パッケージ10を有し、この実質的に不透過性の軟質パッケージ10中に乾燥粉末吸入器20および多孔性サッシェ40内に封入されたモレキュラーシーブ30がシールされる。この態様においては、パッケージは、ぐるっと曲げられて長いチューブになっている軟質物質のフラットリールから構成され、そしてシール14は、このチューブの両縁を一緒に加熱すること(溶接すること)によって形成される。クロスシール12は、パッケージ内容物(すなわち吸入器および吸着剤サッシェ)の前後でラミネートチューブをクランプするストレートヒーターバーによって形成させる。それはまた、連続したチューブを個々のパックに切断もする。結果として、このシールパッケージの中央を下がる長い連続したシール14および両端のクロスシール12がある。また、図3においては、シールパッケージは、実質的に不透過性の軟質パッケージ10を有し、この実質的に不透過性の軟質パッケージ10中に乾燥粉末吸入器20および吸着剤30が位置している。吸着剤30は、プラスチック構成要素の1つの一部として成形することができるか、または吸入器に固定される容器内で提供されることができる。この態様においては、シールパッケージは、ぐるっと曲げられて長いチューブになっている軟質物質のフラットリールから構成され、そしてシール14は、このチューブの両縁を一緒に加熱すること(溶接すること)によって形成される。クロスシール12は、パッケージ内容物の前後でラミネートチューブをクランプするストレートヒーターバーによって形成させる。それはまた、連続したチューブを個々のパックに切断もする。結果として、このパックの中央を下がる長い連続したシール14および両端のクロスシール12がある。
【0050】
その他のシールパッケージ型は、容器の所望の形に従ってこれより多いかまたは少ないシールを包含することができ、これらは、フラットシールであるかまたはひだ付けすることができ、そしてガセットを包含することができる。シールは、加熱(溶接)によってまたは感圧材料の使用によって形成することができる。さらに別の態様においては、軟質ラミネートは、熱、圧力および/または真空を使用してブリスターまたはポケットの形にして、製品を含有させることができ、そしてその後これを加熱によってシールする。
【0051】
軟質シールパッケージは、本発明において適用性を有する特定のパッケージ型である。しかしながら、他の型の閉鎖容器または容器は、軟質であっても軟質でなくても、選択された閉鎖容器が水分の侵入に対して実質的に不透過性であるという条件で、適する可能性がある。
【0052】
他の物質もまた十分に使用することができるけれども、軟質シールパッケージを製造するための特定の軟質物質は、ラミネートである。主たる制限は、ラミネートが周囲水分に対して実質的に不透過性でなくてはならないことである。
【0053】
パッケージを製造する際に使用するラミネートは、一般に同時押し出しされるかまたは接着されて“ラミネート”の見かけ上単一フィルムを形成する数層の物質から成る。例として、適したラミネートは、相互に接着して積層した3層:保護外層、ヒートシールできる層、およびこの保護外層とヒートシールできる層との間に位置する水分不透過層、を有することができる。一般に、ポリエステル接着剤のような接着剤がこれらの層の各々の間にある。紙またはポリエステルのような重合体を包含する多くの物質を、保護層のために使用することができる。ヒートシールできる層もまた、ヒートシールすることができる種々の物質で作ることができる。例えば、Pharmaflex Ltd.、Alcan inc.の一部(Cramlington、Northumberland、英国)は、3層:ポリエステル(12μm)、アルミニウム箔(9μm)およびポリエチレン(50μm)、を有するラミネートフィルム(製品カタログLMP−F BRI/72/H1)を供給する。また、別の適したラミネートは、ポリエステル(12μm)、アルミニウム箔(9μm)および線状低密度ポリエチレン(40μm)から成り、ここで3層は、ポリエチレンを基にした重合体を包含する接着層を使用して一緒に押出積層する。このラミネートは、スウェーデン、Lund、Amcor Flexiblesから入手可能である。ヒートシールできる層は、パッケージの内側(医療装置と接触している)を形成し、そして通常は熱可塑性層である。内層のための通常の素材は、ポリエチレンであるが、その他のポリオレフィンまたはシクロオレフィン素材もまた使用することができる。さらに、イオノマーのような高付加価値素材、例えば商品名サーリン(SURLYN)のイオノマー、もまた、内層を製造するためにしばしば用いられる。
【0054】
水分不透過層は、内側のヒートシールできる層と外側の保護層との間に位置しており、パックに不透過性を与える。巻いて薄いシートにすることができるいずれかの他の金属も十分に使用することができるけれども、一般にアルミニウム箔を水分不透過層のために使用する。アルミニウム箔層のための典型的な厚さは、約8または9ミクロンである。別法として、バリヤー層は、重合体シート上に真空蒸着またはスパッタリングによって被覆したスズ、鉄、亜鉛、マグネシウムまたはその他の金属からできた蒸着フィルムであることができる。特定の態様においては、アルミニウムを水分不透過層として使用する。
【0055】
外側の保護層は、普通は水分不透過層に対して支持、衝撃抵抗および保護を与え、そしてパックに一般的な丈夫さを与える。紙のような他の物質も使用することができるけれども、保護層のために一般的に使用する物質は、ポリエステルである。
【0056】
本発明は、遊離酸、遊離塩基、塩、アミンおよびこのような薬剤の半−水和物を包含する種々の水和物形を包含することを意図し、そして特に、当業者には一般的に公知の薬学的に受容できる賦形剤物質と組み合わせて、特に保存料のような他の添加剤を含まないで製剤化したこのような薬剤の薬学的に受容できる製剤を目的としている。この結果、本明細書中で使用するとき、用語“ホルモテロール”は、ホルモテロールのいずれかの光学的に活性な異性体、ならびにホルモテロールのいずれかの水和物を指す。場合により、医薬組成物は、1種の薬剤または1種より多い薬剤の組み合わせ物を含むこともできる。
【0057】
薬剤はまた、界面活性剤または乳化剤のような種々の添加剤、およびビヒクルと配合することもできる。
【0058】
特定の薬剤製剤は、本質的に薬剤またはその生理学的に受容できる塩または溶媒和物から成るが、場合により1またはそれ以上の他の薬理学的に活性な薬剤と組み合わせてもよい。
【0059】
場合により、本発明に従う製剤は、さらに1またはそれ以上の酸化防止剤を含んでいてもよい。酸化防止剤は、トコフェロール、メチルパラベン、エチルパラベンおよびアスコルビン酸ならびにその混合物類から成る群から選択することができる。特定の酸化防止剤は、トコフェロールである。
【0060】
本明細書中で使用するとき、用語“乾燥粉末吸入器”(DPI)は、乾燥粉末を患者の肺内に投与するための呼吸活性化装置(breath activated device)を指す。本発明において適用性を有する乾燥粉末吸入器としては、少数のみの名を挙げればシェリング・プラウ社(Schering Plough Corp.)、Kenilworth、ニュージャージーによって製造されるツイストハーラー(TWISTHALER);ファイソンズ社(Fisons)、英国によって製造されるスピンハーラー(SPINHALER);グラクソスミスクライン(GlaxoSmithkline)によって製造されるロタハーラー(ROTAHALER);アベンティス・ファーマ(Aventis Pharma)、英国によって製造されるウルトラハーラー(ULTRAHALER);アストラゼネカ社(Astrazeneca Corp.)によって製造されるターブハーラー(TURBUHALER);およびグラクソスミスクライン(GlaxoSmithkline)によって製造されるアッキュハーラー(ACCUHALER);があるが、もちろんこれらに限定はされない。本発明において適用性を有する特定の乾燥粉末吸入器は、ウルトラハーラー(ULTRAHALER)である。
【0061】
本明細書中で使用するとき、用語“吸着剤”は、その表面上またはその内部構造中に他の物質の分子を凝縮または保持する能力、しばしば各々“吸着”または“吸収”と呼ばれる活性、を有する物質を包含することを意味する。このような吸着剤の例としては、活性炭、アルミナ、ボーキサイト、木炭、ゼオライト、シリカゲル、モレキュラーシーブ、活性白土、ボーキサイト、およびその混合物類がある。
【0062】
本発明は、いずれかの特定の吸着剤に限定はされない。水分に対する適切な吸着剤を選択することは、完全に当業者の通常の技術の範囲内である。彼らは、その知識および経験(例えば、吸着剤の孔径ならびにそれがもたらすいずれかの電子電荷のような因子をはかりにかけること)に基づいて最初の選択を行い、その後常套的な試験を実施して、与えられた水分量に対する選択された吸着剤の実際の有効性および有効量を決定することができる。彼らは、適当な吸着剤が見つかるまでこのプロセスを繰り返すことを必要とするかもしれない。メイラード生成物形成に対する有効な吸着剤を発見するための試験の1つは、本明細書中に記載されていて、水分の存在において薬剤と還元糖との相互作用によって引き起こされるメイラード生成物の形成に対する、現存するかまたは将来開発されるべきいずれかの吸着剤の実際の有効性を決定するために当業者によって採用することができる。
【0063】
吸着物質を医薬製品中に存在させることができる多くの方法がある。例えば、吸着剤を重合体混合物中に組み込み、医療装置のプラスチック構成要素に製造することができる。また、吸着剤を重合体混合物中に組み込み、装置のパッケージの際に使用するプラスチックシート材料に製造することもできる。吸着剤は、米国特許第5,911,937号;第3,245,946号;第4,013,566号;第4,407,897号;第4,425,410号;第4,464,443号;第5,078,909号;および第4,792,484号;に開示された乾燥性重合体(desiccant polymer)混合物と同一または類似方法で重合体混合物中に組み込むことができ、そしてこれらの米国特許は、その全体として参照によって本明細書中に組み込まれる。これらの特許は、乾燥剤を開示しているけれども、これらのプラスチックを製造する方法が本発明で使用する吸着物質を製造するために使用することができることは、予見できる。例えば、吸着剤は、医療装置中の空洞内にある(すなわち装置中に収容されている)ことができ、例えば吸着剤は、乾燥粉末吸入器の蓋の内側または本体の内側に位置させることができる(図3参照)。また吸着剤は、装置の構成要素であることもでき、例えば乾燥粉末吸入器の蓋は、吸着性重合体(adsorbent polymer)混合物を含むことができる(図3参照)。また吸着剤は、吸着剤を含む粘着ステッカー/テープの形で装置に貼ることもできる。さらに、吸着剤は、その中に装置が置かれる閉鎖空間中で装置から分離していることができる(図2参照)。
【0064】
吸着剤はまた、米国特許第6,103,141号に開示された接着性乾燥剤と同一または類似方法で接着剤(例えば粘着ステッカーまたはテープ)中に組み込んだ吸着剤の形であることもでき、そしてこの米国特許は、その全体として参照によって本明細書中に組み込まれる。
【0065】
本発明の吸着物質は、多孔性サッシェ中の吸着剤の形であることもできる。パッケージ内に吸着剤を含有するためにサッシェを有することは、必須ではないけれども、サッシェは明らかに本発明において適用性を有する。吸着剤サッシェは、サド−ケミー(Sud−Chemie)(Middlewich、英国)を含む多くの供給者によって市販されている。“ティーバッグ”様の外見を有するサッシェは、一般にポリアミドもしくはポリエステル繊維またはそのブレンドのような合成繊維から製造される。吸着剤サッシェを製造するために適した市販の材料としては、例えばサンエイ・コーポレーション(San−ei Corporation)(大阪、日本)からのGDT−IIおよびパーフェクシール(Perfecseal)(ロンドンデリー、北アイルランド、英国)からのチベク(Tyvek)がある。しかしながら、適したサッシェは、他の好都合な形または外見であってもよく、そして他の透過性物質で作るることができる。吸着剤の例は、モレキュラーシーブ、活性白土、活性アルミナ、シリカ、ゼオライト、ボーキサイト、およびその混合物類から成る群から選択される。特定の態様においては、吸着物質は、10Å(オングストローム)モレキュラーシーブである。本発明において使用すべきシーブの量は、例えば吸収されるべき水分量、モレキュラーシーブの孔径およびパッケージの内容積を考慮に入れることによって、当業者には容易に計算することができる。本発明の特定の態様においては、約0.8グラムないし約10グラムのモレキュラーシーブが有効量であり、とりわけ、0.8グラムないし約4.0グラムが有効量である。モレキュラーシーブ物質は、いくつかの製造者から商業的に入手できる。例えば、アトフィナ(AtoFina)(Solihull、英国)は、シリポライト(Siliporite)の商品名でモレキュラーシーブを販売している。モレキュラーシーブおよびそのその他の工業的使用に関するさらに詳しい技術的情報は、the Molecular Seives:Unique Moisture and Odor−Taste Control Material”、D.Hajdu、T.J.DangieriおよびS.R.Dunne、TAPPI Polym.、Laminations Coat.Conf.(1999)、第2巻、第655−662ページ、中に見出すことができ、そしてこれは、その全体として参照によって本明細書中に組み込まれる。
【0066】
本明細書中で使用するとき用語“吸着物質の有効量”は、メイラード生成物の形成を減少させるのに有効であるために必要である吸着物質の量を包含することを意図している。吸着剤の有効量は、吸着剤の型および医薬製品の水分含量を包含する多くの因子に依存するであろう。当業者は、容易に吸着剤の有効量を決定することができるはずである。
【0067】
本発明の特定の態様に適用したときの本発明の基本の新規な特徴を記載し、指摘したけれども、具体的に示したパッケージ、吸着剤、医薬製品および方法の形および詳細における種々の省略および置換および変更が、本発明の精神から離れることなく当業者によって行うことができることは、理解されるであろう。例えば、同一結果を達成するための実質的に同一の方法において実質的に同一の機能を果たす要素および/または方法工程のすべての組み合わせが本発明の範囲内であることは、明白に意図されている。
【0068】
本発明は、本発明の好例として示すものであって限定するものではない下記の実施例を参照することによってよりよく理解されるであろう。下記の実施例は、本発明の特定の態様をより十分に具体的に説明するために示すものである。しかしながら、これらは、決して本発明の広い範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【実施例】
【0069】
実施例I
本発明の安定な医薬製品の製造
A.フマル酸ホルモテロール二水和物および付加的薬剤を含む安定な医薬製品
この実施例の付加的薬剤は、上で論議したいずれかの薬剤であることができる。
1.ラクトース一水和物、フマル酸ホルモテロール二水和物および付加的薬剤を解凝集させた(deaggregate)(別々に)。
2.ラクトース一水和物および付加的薬剤の両者を高剪断ミキサーの混合ドラム中に加えた。
3.ブレンダ−を使用して配合物を約4分間混合した。
4.粉末の一部(例えば100g)を取って、フマル酸ホルモテロール二水和物に加えた。
5.フマル酸ホルモテロール二水和物をブレンダ−中の付加的薬剤/ラクトース混合物とブレンドした。
6.プレブレンドを高剪断ミキサー中のブレンドの残部に戻した。
7.さらに例えば4分間ブレンドした。
8.適した充填機を使用してブレンドを乾燥粉末吸入装置内に充填した。
9.乾燥粉末吸入装置をモレキュラーシーブとともにラミネート箔の上包み(すなわちパッケージ)の内側に包装した。
【0070】
安定性試験
上で論議した手順、および付加的薬剤としてのシクレソニド(ciclesonide)を使用して、シクレソニド(ciclesonide)(19.97mg/g)、フマル酸ホルモテロール二水和物(0.3mg/g)およびラクトース一水和物(979.70mg/g)のブレンドをミキサー中で数分間ブレンドした。このブレンドを、充填機を使用してアベンティス(Aventis)ウルトラハーラー(ULTRAHALER)乾燥粉末吸入装置内に充填し、そしてこの装置をモレキュラーシーブ・サッシェとともにラミネート箔の上包み中に包装した。製品をセ氏40度および相対湿度75%で10週間貯蔵し、そして下記の分析条件を使用するHPLCによって分解量を測定した:
カラム: ハイパーシル(Hipersil)BDS−C18、粒度5μm、150mm×4.6mm内径
カラム温度: 周囲温度
移動相A組成: 酢酸アンモニウム(pH 8.0±0.05)30%、水55%、アセトニトリル15%
移動相B組成: 酢酸アンモニウム(pH 8.0±0.05)300:アセトニトリル750
【0071】
勾配時間表
【表1】

【0072】
流速: 1.0ml/分
検出: 250nm
注入体積: 200μl
全操作時間(2回の注入の間の時間): 60分
フマル酸ホルモテロール二水和物の典型的な保持時間 ほぼ18ないし19分
【0073】
結果:
貯蔵すると、相対時間(RRT)=1.35およびRRT 1.82で各々1.42および1.01%の面積の水準で報告閾値(reporting threshold)より上の2つの分解生成物(degradant)のみが形成された(これらは、非メイラード生成物として確認された)。これは、同一製品を上包みおよびモレキュラーシーブ無しでセ氏40度および相対湿度75%で貯蔵したとき確認された8つの分解生成物と明確な対照をなす。観察された最大の分解生成物は、上包みおよびモレキュラーシーブ無しでセ氏40度および相対湿度75%で貯蔵した製品におけるRRT=1.12(1.42%の面積)でのものであった。この安定性試験の結果を図1に示す。
上記の研究結果は、吸着物質および実質的に水分不透過性のシールパッケージの包含が、乾燥粉末吸入器中の薬剤および還元糖が水分の存在において相互に接触しているとき起こるメイラード生成物形成の問題に対する簡単で有効な解決であることを証明する。特に、モレキュラーシーブは、水分の存在においてホルモテロールおよびラクトースによって引き起こされるメイラード生成物形成に対する有効な吸着物質である。
【0074】
B.フマル酸ホルモテロール二水和物の安定な医薬製品
この実施例においては、薬剤としてフマル酸ホルモテロール二水和物のみを有する医薬製品を、還元糖を使用して製造した。フマル酸ホルモテロール二水和物5.4gおよびラクトース一水和物19994.6gを含有する全量20kgのブレンドを製造する方法は、下記のとおりである:
【0075】
ブレンド工程
1.ラクトース一水和物およびフマル酸ホルモテロール二水和物をふるいにかけて、凝
集粒子を除去した。
2.各物質の必要量をはかり分けた。
3.フマル酸ホルモテロール二水和物5.4gおよび解凝集させたラクトース一水和物ほぼ100gをブレンドして、“プレブレンド”を形成させた。
4.次にこのプレブレンドをブレンダ−中の残りのラクトース一水和物19894.6gに加えた。粉末混合物をブレンドして、最終的な均質な粉末ブレンドを形成させた。
【0076】
ホルモテロールDPI ウルトラハーラー(ULTRAHALER)の製造
最終的な粉末ブレンドを、目的に応じて作った機械的充填および組み立て機を使用して乾燥粉末吸入器(DPI)構成要素内に充填した。
特定の態様においては、この安定な医薬製品を充填したDPIは、アベンティス・ファーマ(Aventis Pharma)、英国からのウルトラハーラー(ULTRAHALER)であった。充填した後、ウルトラハーラー(ULTRAHALER)をラミネート箔の上包みでくるんで、シールパッケージを形成させた。モレキュラーシーブ約4gを含有するサッシェもまた、このシールパッケージ内に含有させた。本発明に従えば、メイラード反応のためにDPI内に発生する不純物の水準は、明らかにラミネート箔の上包みおよびモレキュラーシーブがない場合において発生する不純物の水準よりも少ない。この観察を支持するデータを下の表1に示すが、この表1は、上包みおよびシーブ無しで貯蔵したときおよびこれらの成分を使用して貯蔵したときの、それぞれの25℃/相対湿度75%で2ヶ月貯蔵6ヶ月貯蔵後の分解が同程度であることを示している。
【0077】
【表2】

【0078】
入手できる種々の型の吸着物質があり、そしていずれかの与えられた気体状物質に対するその有効性は、かなり変動するけれども、当然ながら当業者であれば、上記実施例を採用して、他の異なる薬剤を含有するいずれかの他の型の医療装置について薬剤付加物の形成を減少させる際に有効である吸着物質の型および量を容易に決定することができる。
【0079】
実施例II
過剰の疎水性薬剤の存在が親水性薬剤の微粒子画分を保護する
この実施例においては、シクレソニド(ciclesonide)を疎水性薬剤として使用し、そしてフマル酸ホルモテロール二水和物を親水性薬剤として使用した。3つの別々のウルトラハーラー(ULTRAHALER)に各々3種の別々のシクレソニド(ciclesonide)およびフマル酸ホルモテロール二水和物の製剤を充填した。3種の製剤は、下記のものであった:
(1)1作動当たりシクレソニド(ciclesonide)80mcg:フマル酸ホルモテロール二水和物4.5mcg(比率約20:1);
(2)1作動当たりシクレソニド(ciclesonide)160mcg:フマル酸ホルモテロール二水和物4.5mcg(比率約40:1);および
(3)シクレソニド(ciclesonide)320mcg:フマル酸ホルモテロール二水和物4.5mcg(比率約80:1)。
【0080】
フマル酸ホルモテロール二水和物4.5mcgの対照製剤を充填したウルトラハーラー(ULTRAHALER)もまた、製造した。これらのウルトラハーラー(ULTRAHALER)の各々を、またモレキュラーシーブのサッシェをも含有するシールした保護箔上包みでくるんだ。
【0081】
最初に、微粒子画分のパーセンテージ(塊<5.8ミクロン、用量の%として表す)を、その上包みからの除去の前に各ウルトラハーラー(ULTRAHALER)DPIにおいて測定した(初期測定)。次にこれらのウルトラハーラー(ULTRAHALER)を25℃、相対湿度(RH)75%の条件で2ヶ月間貯蔵した。微粒子画分のパーセンテージを、1ヶ月および2ヶ月で各ウルトラハーラー(ULTRAHALER)において測定した。これらの測定値を下の表2に示す:
【0082】
【表3】

【0083】
表2のデータによれば、シクレソニド(ciclesonide)の存在におけるフマル酸ホルモテロール二水和物の微粒子画分は、ウルトラハーラー(ULTRAHALER)を上包みから取り出して、25℃、相対湿度75%で貯蔵した2ヶ月後でさえ、モレキュラーシーブのサッシェを有するラミネートの上包み内のウルトラハーラー(ULTRAHALER)から取った初期測定値に匹敵するままであった(1つの場合には等しく、そして別の場合にはもっと大きい)。対照的に、シクレソニド(ciclesonide)を欠く対照製剤におけるフマル酸ホルモテロール二水和物の微粒子画分は、その初期測定値と比較したときほぼ42%減少した。
【0084】
この実施例は、医薬組成物中の親水性薬剤の存在に関して5:1の過剰での疎水性薬剤の存在が、吸着物質をも含有するシールパッケージから医薬組成物を含有する乾燥粉末吸入器を取り出した後に親水性薬剤の微粒子画分を実質的に保護することを証明する。
【0085】
本発明は、本明細書中に記載した特定の態様によって範囲を限定されるべきではない。事実、本明細書中に記載したもののほかの本発明の種々の変更が、前記の説明および添付した図面から当業者には明らかになるであろう。このような変更は、添付の特許請求の範囲の範囲内であることを意図している。
【0086】
種々の刊行物を本明細書中に列挙したが、それらの開示は、その全体として参照によって本明細書中に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】シクレソニド(Ciclesonide)、ホルモテロールおよびラクトースを含む乾燥粉末吸入器(DPI)(ここでこのDPIは、包装されている、モレキュラーシーブの存在において包装されている、および包装されていない)のセ氏40度および相対湿度75%で6および10週での不純物比較を示す棒グラフ。
【図2】本発明による典型的な乾燥粉末吸入器パッケージ。
【図3】乾燥粉末吸入器中の吸収剤のための多くの可能な位置の2つ。例えば、これらは、あるいはプラスチック構成要素の1つの一部として成形することができるか、または吸入器に固定した容器中で提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)薬剤および還元糖を含む固体状態の医薬組成物;
b)有効量の吸着物質;および
c)その中に上記医薬組成物および上記吸着物質が置かれる閉鎖空間を有する、水分に対して実質的に不透過性のシールパッケージ;
を含む安定な医薬製品。
【請求項2】
さらに医薬組成物を収容する乾燥粉末吸入器を含む、請求項1に記載の安定な医薬製品。
【請求項3】
吸着物質がシールパッケージと乾燥粉末吸入器との間の閉鎖空間中に置かれる、請求項2に記載の安定な医薬製品。
【請求項4】
乾燥粉末吸入器が吸着物質を収容している、請求項2に記載の安定な医薬製品。
【請求項5】
吸着物質を重合体混合物中に組み込み、乾燥粉末吸入器のプラスチック構成要素の中にに製造する、請求項2に記載の安定な医薬製品。
【請求項6】
吸着物質をシールパッケージ中に組み込む、請求項1または2に記載の安定な医薬製品。
【請求項7】
吸着物質を接着剤中に組み込む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項8】
接着剤が自己粘着性のパッチまたはテープである、請求項7に記載の安定な医薬製品。
【請求項9】
吸着物質が多孔性サッシェ中にある、請求項1〜4のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項10】
吸着物質がモレキュラーシーブ、活性白土、木炭、活性アルミナ、シリカ、ゼオライト、ボーキサイト、およびその混合物から成る群から選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項11】
吸着物質が10Å(オングストローム)モレキュラーシーブである、請求項10に記載の安定な医薬製品。
【請求項12】
シールパッケージが金属、ガラスまたはプラスチックで作られており、そしてこのシールパッケージがビン、バッグ、ドラムボックス、および不規則な形の容器から成る群から選択される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項13】
シールパッケージが軟質ラミネートである、請求項12に記載の安定な医薬製品。
【請求項14】
軟質ラミネートが、保護層、ヒートシールできる層、およびこの保護層とヒートシールできる層との間に位置する水分不透過層の3層を含む、請求項13に記載の安定な医薬製品。
【請求項15】
保護層がポリエステルであり、水分不透過層がアルミニウム、銅、鋼、亜鉛、鉄、スズ、マグネシウム、およびその混合物から成る群から選択される金属であり、そしてヒートシールできる層がポリエチレンである、請求項14に記載の安定な医薬製品。
【請求項16】
水分不透過層がアルミニウムである、請求項15に記載の安定な医薬製品。
【請求項17】
シールパッケージをヒートシール、接着、溶接、ろう付け、機械的閉鎖、機械的クランプまたは圧縮によって気密シールする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項18】
薬剤が呼吸器疾患の治療において使用される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項19】
薬剤が抗炎症剤、ベータ2−アゴニスト、抗コリン作用剤またはその組み合わせ物を含む、請求項18に記載の安定な医薬製品。
【請求項20】
抗炎症剤がコルチコステロイド、肥満細胞安定化剤、またはロイコトリエン修飾薬を含む、請求項19に記載の安定な医薬製品。
【請求項21】
コルチコステロイドがモメタゾンフロエート、トリアムシノロンアセトニド、フルニソリド、プロピオン酸フルチカゾン、ブデソニド、ベクロメタゾンジプロピオネート、プレドニゾン、ベタメタゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロンおよびプレドニゾロンから成る群から選択される、請求項20に記載の安定な医薬製品。
【請求項22】
コルチコステロイドがシクレソニドである、請求項20に記載の安定な医薬製品。
【請求項23】
肥満細胞安定化剤がインタール、チラードまたはその組み合わせ物を含む、請求項20に記載の安定な医薬製品。
【請求項24】
ロイコトリエン修飾薬がザフィルカスト、モンテルカストナトリウム、ジロートンまたはその組み合わせ物を含む、請求項20に記載の安定な医薬製品。
【請求項25】
ベータ2−アゴニストがサルメテロールキシナホエート、ホルモテロール、アルブテロールおよびサルメテロールから成る群から選択される、請求項19に記載の安定な医薬製品。
【請求項26】
抗コリン作用剤が臭化イプラトロピウム、臭化チオトロピウムおよびその混合物から成る群から選択される、請求項19に記載の安定な医薬製品。
【請求項27】
薬剤がホルモテロールである、請求項25に記載の安定な医薬製品。
【請求項28】
さらにコルチコステロイドを含む、請求項27に記載の安定な医薬製品。
【請求項29】
コルチコステロイドがシクレソニドである、請求項28に記載の安定な医薬製品。
【請求項30】
薬剤が粒度約0.1μmないし約10μmを有する、請求項1〜29のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項31】
薬剤の約95%より多くが約5μm未満の粒度を有する、請求項1〜30のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項32】
還元糖が微粉砕されていない、請求項1〜31のいずれか1項に記載の安定な医薬製
品。
【請求項33】
還元糖が平均粒度約41μmを有する、請求項1〜32のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項34】
還元糖がラクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース、マルト−ス、キシロース、セロビオース、メリビオースおよびマルトトリオースから成る群から選択される、請求項1〜33のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項35】
還元糖がラクトースである、請求項1〜34のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項36】
還元糖がラクトース一水和物である、請求項35に記載の安定な医薬製品。
【請求項37】
ラクトース一水和物が微粉砕されていない、請求項36に記載の安定な医薬製品。
【請求項38】
医薬組成物がホルモテロール約0.5μgないし約4μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む、請求項36または37に記載の安定な医薬製品。
【請求項39】
医薬組成物がホルモテロール約1μgないし約2μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む、請求項38に記載の安定な医薬製品。
【請求項40】
医薬組成物がホルモテロール約1μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む、請求項39に記載の安定な医薬製品。
【請求項41】
吸着物質の有効量がメイラード生成物の形成を防止するかまたは減少させるために十分な量である、請求項1〜40のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項42】
a)ホルモテロールおよび還元糖を含む固体状態の医薬組成物;
b)有効量の吸着物質;および
c)その中に上記医薬組成物および上記吸着物質が置かれる閉鎖空間を有する、水分に対して実質的に不透過性のシールパッケージ;
を含む安定な医薬製品。
【請求項43】
ホルモテロールがフマル酸ホルモテロール二水和物である、請求項42に記載の安定な医薬製品。
【請求項44】
還元糖がラクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース、マルト−ス、キシロース、セロビオース、メリビオースおよびマルトトリオースから成る群から選択される、請求項42または43に記載の安定な医薬製品。
【請求項45】
還元糖がラクトースである、請求項44に記載の安定な医薬製品。
【請求項46】
還元糖がラクトース一水和物である、請求項45に記載の安定な医薬製品。
【請求項47】
ラクトース一水和物が微粉砕されていない、請求項46に記載の安定な医薬製品。
【請求項48】
医薬組成物がホルモテロール約0.5μgないし約4μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む、請求項46または47に記載の安定な医薬製品。
【請求項49】
医薬組成物がホルモテロール約1μgないし約2μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む、請求項48に記載の安定な医薬製品。
【請求項50】
医薬組成物がホルモテロール約1μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む、請求項49に記載の安定な医薬製品。
【請求項51】
還元糖が平均粒度約41μmを有する、請求項42〜50のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項52】
医薬組成物がさらに呼吸器疾患または障害を治療するための第2の薬剤を含む、請求項42〜51のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項53】
第2の薬剤が抗炎症剤、ベータ2−アゴニスト、抗コリン作用剤またはその組み合わせ物を含む、請求項52に記載の安定な医薬製品。
【請求項54】
抗炎症剤がコルチコステロイド、肥満細胞安定化剤、またはロイコトリエン修飾薬を含む、請求項53に記載の安定な医薬製品。
【請求項55】
コルチコステロイドがモメタゾンフロエート、トリアムシノロンアセトニド、フルニソリド、プロピオン酸フルチカゾン、ブデソニド、ベクロメタゾンジプロピオネート、プレドニゾン、ベタメタゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロンおよびプレドニゾロンから成る群から選択される、請求項54に記載の安定な医薬製品。
【請求項56】
さらにホルモテロールを含む、請求項55に記載の安定な医薬製品。
【請求項57】
コルチコステロイドがシクレソニドである、請求項54に記載の安定な医薬製品。
【請求項58】
さらにサルメテロールキシナホエート、アルブテロールおよびサルメテロールから成る群から選択されるベータ2−アゴニストを含む、請求項57に記載の安定な医薬製品。
【請求項59】
肥満細胞安定化剤がインタール、チラードまたはその組み合わせ物を含む、請求項54に記載の安定な医薬製品。
【請求項60】
ロイコトリエン修飾薬がザフィルルカスト、モンテルカストナトリウム、ジロートンまたはその組み合わせ物を含む、請求項54に記載の安定な医薬製品。
【請求項61】
ベータ2−アゴニストがサルメテロールキシナホエート、ホルモテロール、アルブテロールおよびサルメテロールから成る群から選択される、請求項53に記載の安定な医薬製品。
【請求項62】
抗コリン作用剤が臭化イプラトロピウム、臭化チオトロピウムおよびその混合物から成る群から選択される、請求項53に記載の安定な医薬製品。
【請求項63】
吸着物質がモレキュラーシーブ、活性白土、木炭、活性アルミナ、シリカ、ゼオライト、ボーキサイト、およびその混合物から成る群から選択される、請求項42〜62のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項64】
吸着物質が10Å(オングストローム)モレキュラーシーブである、請求項63に記載の安定な医薬製品。
【請求項65】
さらに医薬組成物を収容している乾燥粉末吸入器を含む、請求項42〜64のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項66】
シールパッケージが金属、ガラスまたはプラスチックで作られており、そしてこのシールパッケージがビン、バッグ、ドラムボックス、および不規則な形の容器から成る群から選択される、請求項42〜65のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項67】
シールパッケージが軟質ラミネートである、請求項42〜66のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項68】
軟質ラミネートが、保護層、ヒートシールできる層、およびこの保護層とヒートシールできる層との間に位置する水分不透過層の3層を含む、請求項67に記載の安定な医薬製品。
【請求項69】
保護層がポリエステルであり、水分不透過層がアルミニウム、銅、鋼、亜鉛、鉄、スズ、マグネシウム、およびその混合物から成る群から選択される金属であり、そしてヒートシールできる層がポリエチレンである、請求項68に記載の安定な医薬製品。
【請求項70】
水分不透過層がアルミニウムである、請求項69に記載の安定な医薬製品。
【請求項71】
シールパッケージをヒートシール、接着、溶接、ろう付け、機械的閉鎖、機械的クランプまたは圧縮によって気密シールする、請求項42〜70のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項72】
医薬組成物が粒度約0.1μmないし約10μmを有する、請求項42〜71のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項73】
医薬組成物の約95%より多くが約5μm未満の粒度を有する、請求項42〜72のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項74】
吸着物質の有効量がメイラード生成物の形成を防止するかまたは減少させるための量である、請求項42〜73のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項75】
a)乾燥粉末吸入器内に収容される、フマル酸ホルモテロール二水和物および微粉砕されていないラクトース一水和物を含む固体状態の医薬組成物;
b)有効量の吸着物質;
c)その中に上記乾燥粉末吸入器および上記吸着物質が置かれる閉鎖空間を有する、水分に対して実質的に不透過性のシールパッケージ;
を含む安定な医薬製品。
【請求項76】
医薬組成物がさらに呼吸器疾患または障害を治療するための第2の薬剤を含む、請求項75に記載の安定な医薬製品。
【請求項77】
第2の薬剤が抗炎症剤、ベータ2−アゴニスト、抗コリン作用剤またはその組み合わせ物を含む、請求項76に記載の安定な医薬製品。
【請求項78】
抗炎症剤がコルチコステロイド、肥満細胞安定化剤、またはロイコトリエン修飾薬を含む、請求項77に記載の安定な医薬製品。
【請求項79】
コルチコステロイドがモメタゾンフロエート、トリアムシノロンアセトニド、フルニソリド、プロピオン酸フルチカゾン、ブデソニド、ベクロメタゾンジプロピオネート、プレドニゾン、ベタメタゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロンおよびプレドニゾロンから成る群から選択される、請求項78に記載の安定な医薬製品。
【請求項80】
コルチコステロイドがシクレソニドである、請求項78に記載の安定な医薬製品。
【請求項81】
肥満細胞安定化剤がインタール、チラードまたはその組み合わせ物を含む、請求項78に記載の安定な医薬製品。
【請求項82】
ロイコトリエン修飾薬がザフィルルカスト、モンテルカストナトリウム、ジロートンまたはその組み合わせ物を含む、請求項78に記載の安定な医薬製品。
【請求項83】
ベータ2−アゴニストがサルメテロールキシナホエート、アルブテロールおよびサルメテロールから成る群から選択される、請求項77に記載の安定な医薬製品。
【請求項84】
抗コリン作用剤が臭化イプラトロピウム、臭化チオトロピウムおよびその組み合わせ物から成る群から選択される、請求項77に記載の安定な医薬製品。
【請求項85】
医薬組成物が粒度約0.1μmないし約10μmを有する、請求項75〜84のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項86】
医薬組成物の約95%より多くが約5μm未満の粒度を有する、請求項75〜85のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項87】
微粉砕されていないラクトース一水和物が平均粒度約41μmを有する、請求項75〜86のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項88】
吸着物質が10Å(オングストローム)モレキュラーシーブである、請求項75〜87のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項89】
医薬組成物がフマル酸ホルモテロール二水和物約0.5μgないし約4μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む、請求項75〜88のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項90】
医薬組成物がフマル酸ホルモテロール二水和物約1μgないし約2μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む、請求項89に記載の安定な医薬製品。
【請求項91】
医薬組成物がホルモテロール約1μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む、請求項66〜81のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項92】
シールパッケージが金属、ガラスまたはプラスチックで作られており、そしてこのシールパッケージがビン、バッグ、ドラムボックス、および不規則な形の容器から成る群から選択される、請求項75〜91のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項93】
シールパッケージが軟質ラミネートである、請求項92に記載の安定な医薬製品。
【請求項94】
軟質ラミネートが、保護層、ヒートシールできる層、およびこの保護層とヒートシールできる層との間に位置する水分不透過層の3層を含む、請求項93に記載の安定な医薬製品。
【請求項95】
保護層がポリエステルであり、水分不透過層がアルミニウム、銅、鋼、亜鉛、鉄、スズ、マグネシウム、およびその混合物から成る群から選択される金属であり、そしてヒートシールできる層がポリエチレンである、請求項94に記載の安定な医薬製品。
【請求項96】
水分不透過層がアルミニウムである、請求項95に記載の安定な医薬製品。
【請求項97】
シールパッケージをヒートシール、接着、溶接、ろう付け、機械的閉鎖、機械的クランプまたは圧縮によって気密シールする、請求項75〜96のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項98】
吸着物質の有効量がメイラード生成物の形成を防止するかまたは減少させるための量である、請求項75〜97のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項99】
a)乾燥粉末吸入器内に収容される、フマル酸ホルモテロール二水和物および平均粒度約41μmを有する微粉砕されていないラクトース一水和物を含む固体状態の医薬組成物;
b)有効量の10Å(オングストローム)モレキュラーシーブ;および
c)水分に対して実質的に不透過性のシールパッケージ(ここでこのシールパッケージは軟質ラミネートであり、そしてこのシールパッケージは、その中に上記乾燥粉末吸入器および上記吸着物質が置かれる閉鎖空間を形成する);
を含む安定な医薬製品。
【請求項100】
医薬組成物がさらに呼吸器疾患または障害を治療するための第2の薬剤を含む、請求項99に記載の安定な医薬製品。
【請求項101】
第2の薬剤が抗炎症剤、ベータ2−アゴニスト、抗コリン作用剤またはその組み合わせ物を含む、請求項100に記載の安定な医薬製品。
【請求項102】
抗炎症剤がコルチコステロイド、肥満細胞安定化剤、またはロイコトリエン修飾薬を含む、請求項100に記載の安定な医薬製品。
【請求項103】
コルチコステロイドがモメタゾンフロエート、トリアムシノロンアセトニド、フルニソリド、プロピオン酸フルチカゾン、ブデソニド、ベクロメタゾンジプロピオネート、プレドニゾン、ベタメタゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロンおよびプレドニゾロンから成る群から選択される、請求項100に記載の安定な医薬製品。
【請求項104】
コルチコステロイドがシクレソニドである、請求項100に記載の安定な医薬製品。
【請求項105】
肥満細胞安定化剤がインタール、チラードまたはその組み合わせ物を含む、請求項100に記載の安定な医薬製品。
【請求項106】
ロイコトリエン修飾薬がザフィルルカスト、モンテルカストナトリウム、ジロートンまたはその組み合わせ物を含む、請求項100に記載の安定な医薬製品。
【請求項107】
ベータ2−アゴニストがサルメテロールキシナホエート、ホルモテロール、アルブテロールおよびサルメテロールから成る群から選択される、請求項99に記載の安定な医薬製品。
【請求項108】
抗コリン作用剤が臭化イプラトロピウム、臭化チオトロピウムおよびその混合物から成る群から選択される、請求項99に記載の安定な医薬製品。
【請求項109】
医薬組成物が粒度約0.1μmないし約10μmを有する、請求項99〜108のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項110】
医薬組成物の約95%より多くが約5μm未満の粒度を有する、請求項99〜109のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項111】
軟質ラミネートが、保護層、ヒートシールできる層、およびこの保護層とヒートシールできる層との間に位置する水分不透過層の3層を含む、請求項99〜110のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項112】
保護層がポリエステルであり、水分不透過層がアルミニウム、銅、鋼、亜鉛、鉄、スズ、マグネシウム、およびその混合物から成る群から選択される金属であり、そしてヒートシールできる層がポリエチレンである、請求項111に記載の安定な医薬製品。
【請求項113】
水分不透過層がアルミニウムである、請求項112に記載の安定な医薬製品。
【請求項114】
軟質ラミネートをヒートシールする、請求項99〜113のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項115】
医薬組成物がフマル酸ホルモテロール二水和物約0.5μgないし約4μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む、請求項99〜114のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項116】
医薬組成物がホルモテロール約1μgないし約2μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む、請求項115に記載の安定な医薬製品。
【請求項117】
医薬組成物がホルモテロール約1μg当たりラクトース一水和物約2969μgないし約3016μgを含む、請求項116に記載の安定な医薬製品。
【請求項118】
吸着物質の有効量がメイラード生成物の形成を防止するかまたは減少させるための量である、請求項99〜117のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項119】
工程:
(i)有効量の吸着物質および医薬組成物をシールできるパッケージ内に置くこと;
(ii)医薬組成物および吸着剤がシールパッケージ内の閉鎖空間中にあるようにパッケージをシールしてシールパッケージを形成すること;および
(iii)1またはそれ以上のメイラード生成物の形成を防止するためにパッケージ中の水分を吸着させること;
を含む、
a)薬剤および還元糖を含む固体状態の医薬組成物;
b)有効量の吸着物質;および
c)水分に対して実質的に不透過性であり、そしてその中に医薬組成物および吸着物質が置かれる閉鎖空間を有するシールパッケージ;
を含む、医薬製品の薬剤と還元糖との間の化学反応による1またはそれ以上のメイラード生成物の形成を防止する方法。
【請求項120】
医薬組成物が乾燥粉末吸入器中にある、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
工程:
(a)(i)親水性薬剤および還元糖を含む医薬組成物;
(ii)有効量の吸着物質;
(iii)その中に医薬組成物および吸着物質が置かれる閉鎖空間を有する、水分に対して実質的に不透過性のシールパッケージ;
を含む医薬製品を提供すること;および
(b)医薬組成物中の親水性薬剤を疎水性物質(ここで疎水性物質の親水性物質に対する比率は、少なくとも5:1である)と接触させること;
を含む、呼吸器疾患または障害を治療するための親水性薬剤の微粒子画分を実質的に保持する方法。
【請求項122】
親水性薬剤がベータ2−アゴニストである、請求項121に記載の方法。
【請求項123】
ベータ2−アゴニストがサルメテロールキシナホエート、ホルモテロールおよびアルブテロールから成る群から選択される、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
親水性薬剤がホルモテロールである、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
疎水性物質が呼吸器疾患または障害を治療するための疎水性薬剤である、請求項121〜124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項126】
疎水性薬剤がコルチコステロイドである、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
コルチコステロイドがモメタゾンフロエート、トリアムシノロンアセトニド、フルニソリド、プロピオン酸フルチカゾン、ブデソニド、ベクロメタゾンジプロピオネート、プレドニゾン、ベタメタゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロンおよびプレドニゾロンから成る群から選択される、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
コルチコステロイドがシクレソニドである、請求項126に記載の方法。
【請求項129】
疎水性物質の親水性薬剤に対する比率が約10:1ないし約100:1である、請求項121〜128のいずれか1項に記載の方法。
【請求項130】
疎水性物質および親水性薬剤が粒度約0.1μmないし約10μmを有する、請求項121〜129のいずれか1項に記載の方法。
【請求項131】
疎水性物質および親水性薬剤の約95%より多くが約5μm未満の粒度を有する、請求項121〜130のいずれか1項に記載の方法。
【請求項132】
還元糖がラクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース、マルト−ス、キシロース、セロビオース、メリビオースおよびマルトトリオースから成る群から選択される、請求項121〜131のいずれか1項に記載の方法。
【請求項133】
還元糖が微粉砕されていない、請求項132に記載の方法。
【請求項134】
還元糖がラクトース一水和物である、請求項133に記載の方法。
【請求項135】
吸着物質がモレキュラーシーブ、活性白土、木炭、活性アルミナ、シリカ、ゼオライト、ボーキサイト、およびその混合物から成る群から選択される、請求項121〜134のいずれか1項に記載の方法。
【請求項136】
吸着物質が10Å(オングストローム)モレキュラーシーブである、請求項121〜135のいずれか1項に記載の方法。
【請求項137】
医薬組成物が乾燥粉末吸入器中に収容されている、請求項131〜136のいずれか1項に記載の方法。
【請求項138】
シールパッケージが軟質ラミネートである、請求項121〜137のいずれか1項に記載の方法。
【請求項139】
軟質ラミネートが、保護層、ヒートシールできる層、およびこの保護層とヒートシールできる層との間に位置する水分不透過層の3層を含む、請求項138に記載の方法。
【請求項140】
保護層がポリエステルであり、水分不透過層がアルミニウム、銅、鋼、亜鉛、鉄、スズ、マグネシウム、およびその混合物から成る群から選択される金属であり、そしてヒートシールできる層がポリエチレンである、請求項139に記載の方法。
【請求項141】
水分不透過層がアルミニウムである、請求項140に記載の方法。
【請求項142】
シールパッケージをヒートシール、接着、溶接、ろう付け、機械的閉鎖、機械的クランプまたは圧縮によって気密シールする、請求項121〜141のいずれか1項に記載の方法。
【請求項143】
吸着物質の有効量がメイラード生成物の形成を防止するかまたは減少させるための量である、請求項121〜142のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−504277(P2007−504277A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530539(P2006−530539)
【出願日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【国際出願番号】PCT/GB2004/002249
【国際公開番号】WO2004/105727
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(500184637)アベンティス・フアーマ・リミテッド (6)
【Fターム(参考)】