説明

安定長期放出経口投薬組成物

【課題】擬エフェドリン成分に対する放出速度プロフィールが、有効な1日1回用量のデスロラタジンの送達を維持しながら、12時間および好ましくは少なくとも16時間を超過する長期に渡ることを達成すること。
【解決手段】(a)有効量の擬エフェドリンまたはその薬学的に受容可能な塩を含むコア;および(b)フィルムコーティングであって、コアを均一に覆い、かつ有効量のデスロラタジンを含む、フィルムコーティング;を含む、フィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、制御された放出コアに鼻うっ血除去薬(例えば、擬エフェドリン)を含み、そして非鎮静抗ヒスタミン、デスロラタジンを含むフィルム外部コーティングを含む、フィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物に関する。本発明の固体経口投薬組成物は、感冒のようなアレルギー性および/または炎症状態、ならびにアレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎および鼻うっ血、上部呼吸器疾患、アレルギー性鼻炎および鼻うっ血のような、皮膚または、上および下気道通路のアレルギー性および/または炎症状態に関連した徴候および症状を示す患者の処置のために有用である。
【背景技術】
【0002】
デスロラタジン(desloratadine)(または、デスカルブエトキシロラタジン(descarbethoxyloratadine)と呼ばれる)は、特許文献1において、抗アレルギー剤として有用な非鎮静抗ヒスタミンとして、開示されている。特許文献2は、デスロラタジンを含む組成物を開示する。特許文献3は、季節性アレルギー性鼻炎症候群をデスロラタジンを使用して処置するための方法および組成物を開示する。デスロラタジンは、経口で取り込まれると、3位をヒドロキシル化され、代謝産物、3−ヒドロキシデスロラタジンを生成する。
【0003】
特許文献4および特許文献5は、1日2回投与用の徐放性のコートされた錠剤を開示し、ここで錠剤コーティングは、デスカルブエトキシロラタジンおよび親水性高分子およびポリエチレングリコールを含有し、そして、錠剤コアは、アセトアミノフェン、擬エフェドリンまたはその塩、膨潤可能な親水性高分子および薬学的に受容可能な賦形剤を含有する。
【0004】
特許文献6は、擬エフェドリンスルフェートを含有するマトリックスコアおよびロラタジン(loratadine)を含有するコーティングを含む、長期放出錠剤を開示する。
【0005】
先行技術のいずれも、本発明の1日1回投与用のフィルムコートされた固体経口投薬組成物を開示していない。
【0006】
デスロラタジン−擬エフェドリン1日1回投与用製品の処方の成功した進展が望まれるが、擬エフェドリン成分に対する放出速度プロフィールが、有効な1日1回用量のデスロラタジンの送達を維持しながら、12時間および好ましくは少なくとも16時間を超過する長期に渡ることを達成する必要がある。
【0007】
患者のコンプライアンスの増加のために、長期放出デスロラタジン−擬エフェドリン製品が、1日1回の規準で、感冒、および季節性の、アレルギー性鼻炎および鼻うっ血のような皮膚、または上および下気道通路のアレルギー性および炎症状態に関係する徴候および症状の処置、管理および/または鎮静のために使用される場合に、効果的かつ安全であるようにすべきことが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4,659,716号明細書
【特許文献2】米国特許第6,100,274号明細書
【特許文献3】米国特許第5,595,997号明細書
【特許文献4】米国特許第4,990,535号明細書
【特許文献5】米国特許第5,100,675号明細書
【特許文献6】米国特許第5,314,697号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、擬エフェドリン成分に対する放出速度プロフィールが、有効な1日1回用量のデスロラタジンの送達を維持しながら、12時間および好ましくは少なくとも16時間を超過する長期に渡ることを達成することである。
【0010】
本発明のさらなる目的は、患者のコンプライアンスの増加のために、長期放出デスロラタジン−擬エフェドリン製品が、1日1回の規準で、感冒、および季節性の、アレルギー性鼻炎および鼻うっ血のような皮膚、または上および下気道通路のアレルギー性および炎症状態に関係する徴候および症状の処置、管理および/または鎮静のために使用される場合に、効果的かつ安全であるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、以下の(a)および(b):
(a)有効量の擬エフェドリンまたはその薬学的に受容可能な塩を含むコア;および
(b)上記コアを均一に覆い、かつ有効量のデスロラタジンを含むフィルムコーティング;
を含むフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記擬エフェドリンまたはその薬学的に受容可能な塩の量が、上記組成物の単回用量を投与後、約7.60時間〜約8.40時間の時間で、約345ng/mL〜約365ng/mLの幾何最大血漿濃度の擬エフェドリンを生成するに有効であり、そして上記デスロラタジンの量が、上記組成物の単回用量を投与後、約4.0時間〜約4.5時間の時間で、約2.10ng/mL〜約2.45ng/mLの幾何最大血漿濃度のデスロラタジンを生成するに有効である、ことを特徴とし、これにより上記目的が達成される。
【0012】
本発明の一つの局面は、上記に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記デスロラタジンの量が、上記組成物の単回用量を投与後、約5.50時間〜約6.25時間の時間で、約0.75ng/mL〜約1.15ng/mLの幾何最大血漿濃度の3−ヒドロキシデスロラタジンを生成するに有効である。
【0013】
本発明の一つの局面は、上記に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記コアがマトリックスコアであり、そしてここで、上記マトリックスコアを均一に覆う第1フィルムコーティング、および有効量のデスロラタジンを含み、上記第1フィルムコーティングを均一に覆う第2フィルムコーティングが存在する。
【0014】
本発明の一つの局面は、上記に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、
(a)上記コアが以下:
(1)長期放出量の薬学的に受容可能な鼻うっ血除去薬;
(2)ポリマーマトリックス;
(3)水不溶性塩基性カルシウム、マグネシウムまたはアルミニウム塩;
(4)バインダー;
(5)潤滑剤;および、必要に応じて
(6)グライダント;
を含み、そしてここで、
(b)上記マトリックスコアを均一に覆う上記第1フィルムコーティングが以下:
(1)水膨潤可能なフィルム形成中性またはカチオン性コポリマー性エステル;
(2)潤滑剤;
(3)フィルム改質剤;および、必要に応じて
(4)消泡剤;
を含み、そしてここで、
(c)上記第1フィルムコーティングを均一に覆う上記第2フィルムコーティングが以下:
(1)上記組成物の単回用量を投与後、約4.0時間〜約4.5時間の時間で、約2.10ng/mL〜約2.45ng/mLの幾何最大血漿濃度のデスロラタジンを生成するに十分な有効量のデスロラタジン;
(2)水膨潤可能なフィルム形成中性またはカチオン性コポリマー性エステル;
(3)潤滑剤;
(4)水溶性フィルム改質剤;および、必要に応じて
(5)消泡剤;
を含む。
【0015】
本発明の一つの局面は、上記に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記デスロラタジンの量が、上記組成物の単回用量を投与後、約5.50時間〜約6.25時間の時間で、約0.75ng/mL〜約1.15ng/mLの幾何最大血漿濃度の3−ヒドロキシデスロラタジンを生成するに有効である。
【0016】
本発明の一つの局面は、上記に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記フィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物が、約2%未満のN−ホルミルデストロラタジンを含む。
【0017】
本発明の一つの局面は、上記に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、上記第2フィルムコーティングを均一にコートする第3フィルムコーティングをさらに含み、上記第3フィルムコーティングが以下:
(1)薬学的に受容可能な色素;
(2)水膨潤可能なフィルム形成中性またはカチオン性コポリマー性エステル;
(3)潤滑剤;
(4)少なくとも1つの水溶性フィルム改質剤;および、必要に応じて
(5)消泡剤;
を含む。
【0018】
本発明の一つの局面は、上記に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記水溶性フィルム改質剤が、低粘性ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースもしくはカルボキシメチルセルロースナトリウム、またはポリエチレングリコール200〜ポリエチレングリコール8000より選択されるポリエチレングリコール、あるいはそれらの混合物である。
【0019】
本発明の一つの局面は、上記に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記マトリックスコア中の上記水不溶性カルシウム、マグネシウムまたはアルミニウム塩が、カルシウム、マグネシウムまたはアルミニウムの炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩または硫酸塩、あるいはそれらの混合物である。
【0020】
本発明の一つの局面は、上記に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記マトリックスコアが以下:
成分 mg/コア
擬エフェドリンスルフェート 約120〜約360
ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208
(100,000cps) 約160〜約480
エチルセルロース 約40〜約120
二塩基リン酸カルシウム(二水和物) 約56〜約162
ポビドン 約20〜約60
二酸化ケイ素 約6〜約12
ステアリン酸マグネシウム 約2〜約6
マトリックスコア重量範囲: 約400〜約1200mgを含む。
【0021】
本発明の一つの局面は、上記に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記第1フィルムコーティングが以下:
(1)エチルアクリレートおよびメチルアクリレートの中性コポリマー;
(2)タルク、ケイ素、ポリエチレングリコール200〜ポリエチレングリコール8000、から選択される潤滑剤;
(3)ポリエチレングリコール200〜ポリエチレングリコール8000より選択されるポリエチレングリコール;および、必要に応じて
(4)同種の液体メチルシロキサンポリマーおよびシリカゲルの薬学的に受容可能な混合物;
を含む。
【0022】
本発明の一つの局面は、上記に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記第2フィルムコーティングが以下:
(1)上記組成物の単回用量を投与後、約4.0時間〜約4.5時間の時間で、約2.10ng/mL〜約2.45ng/mLの幾何最大血漿濃度のデスロラタジンを生成するに有効な量のデスロラタジン;
(2)エチルアクリレートおよびメチルアクリレートの中性コポリマー;
(3)タルク、二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウムから選択される潤滑剤;
(4)ポリエチレングリコール200〜ポリエチレングリコール8000より選択されるポリエチレングリコール;および、必要に応じて
(5)同種の液体メチルシロキサンポリマーおよびシリカゲルの薬学的に受容可能な混合物;
を含む。
【0023】
本発明の一つの局面は、上記に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記第3フィルムコーティングが以下:
(1)エチルアクリレートおよびメチルアクリレートの中性コポリマー;
(2)タルク、二酸化ケイ素、およびステアリン酸マグネシウムから選択される潤滑剤;
(3)低粘性ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースナトリウム、あるいはポリエチレングリコール200〜ポリエチレングリコール8000より選択されるポリエチレングリコール、あるいはそれらの混合物である有効量の水溶性フィルム改質剤;
(4)薬学的に受容可能な色素;および、必要に応じて
(5)同種の液体メチルシロキサンポリマーおよびシリカゲルの薬学的に受容可能な混合物;
を含む。
【0024】
本発明の一つの局面は、上記に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記デスロラタジンの量が、上記組成物の単回用量を投与後、約5.50時間〜約6.25時間の時間で、約0.75ng/mL〜約1.15ng/mLの幾何最大血漿濃度の3−ヒドロキシデスロラタジンを生成するに有効である。
【0025】
本発明の他の局面は、以下の(a)、(b)および(c):
(a)有効量の擬エフェドリンまたはその薬学的に受容可能な塩を含むコア;
(b)上記コアを均一に覆う第1フィルムコーティング;および
(c)有効量のデスロラタジンを含み、上記第1フィルムコーティングを均一に覆う第2フィルムコーティング;
を含むフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記擬エフェドリンまたはその薬学的に受容可能な塩の量が、上記組成物の単回用量を投与後、約7.60時間〜約8.40時間の時間で、約345ng/mL〜約365ng/mLの幾何最大血漿濃度の擬エフェドリンを提供するに有効であり、そして上記デスロラタジンの量が、上記組成物の単回用量を投与後、約4.0時間〜約4.5時間の時間で、約2.10ng/mL〜約2.45ng/mLの幾何最大血漿濃度のデスロラタジンを提供し、約5.50時間〜約6.25時間の時間で、約0.75ng/mL〜約1.15ng/mLの幾何最大血漿濃度の3−ヒドロキシデスロラタジンを生成するに有効である。
・本発明はまた、以下を提供する:
・(項目1) 以下の(a)および(b):
(a)有効量の擬エフェドリンまたはその薬学的に受容可能な塩を含むコア;および
(b)上記コアを均一に覆い、かつ有効量のデスロラタジンを含むフィルムコーティング;
を含むフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記擬エフェドリンまたはその薬学的に受容可能な塩の量が、上記組成物の単回用量を投与後、約7.60時間〜約8.40時間の時間で、約345ng/mL〜約365ng/mLの幾何最大血漿濃度の擬エフェドリンを生成するに有効であり、そして上記デスロラタジンの量が、上記組成物の単回用量を投与後、約4.0時間〜約4.5時間の時間で、約2.10ng/mL〜約2.45ng/mLの幾何最大血漿濃度のデスロラタジンを生成するに有効である、組成物。
・(項目2) 項目1に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記デスロラタジンの量が、上記組成物の単回用量を投与後、約5.50時間〜約6.25時間の時間で、約0.75ng/mL〜約1.15ng/mLの幾何最大血漿濃度の3−ヒドロキシデスロラタジンを生成するに有効である、組成物。
・(項目3) 項目1に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記コアがマトリックスコアであり、そしてここで、上記マトリックスコアを均一に覆う第1フィルムコーティング、および有効量のデスロラタジンを含み、上記第1フィルムコーティングを均一に覆う第2フィルムコーティングが存在する、組成物。
・(項目4) 項目3に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、
(a)上記コアが以下:
(1)長期放出量の薬学的に受容可能な鼻うっ血除去薬;
(2)ポリマーマトリックス;
(3)水不溶性塩基性カルシウム、マグネシウムまたはアルミニウム塩;
(4)バインダー;
(5)潤滑剤;および、必要に応じて
(6)グライダント;
を含み、そしてここで、
(b)上記マトリックスコアを均一に覆う上記第1フィルムコーティングが以下:
(1)水膨潤可能なフィルム形成中性またはカチオン性コポリマー性エステル;
(2)潤滑剤;
(3)フィルム改質剤;および、必要に応じて
(4)消泡剤;
を含み、そしてここで、
(c)上記第1フィルムコーティングを均一に覆う上記第2フィルムコーティングが以下:
(1)上記組成物の単回用量を投与後、約4.0時間〜約4.5時間の時間で、約2.10ng/mL〜約2.45ng/mLの幾何最大血漿濃度のデスロラタジンを生成するに十分な有効量のデスロラタジン;
(2)水膨潤可能なフィルム形成中性またはカチオン性コポリマー性エステル;
(3)潤滑剤;
(4)水溶性フィルム改質剤;および、必要に応じて
(5)消泡剤;
を含む、組成物。
・(項目5) 項目4に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記デスロラタジンの量が、上記組成物の単回用量を投与後、約5.50時間〜約6.25時間の時間で、約0.75ng/mL〜約1.15ng/mLの幾何最大血漿濃度の3−ヒドロキシデスロラタジンを生成するに有効である、組成物。
・(項目6) 項目1に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記フィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物が、約2%未満のN−ホルミルデストロラタジンを含む、組成物。
・(項目7) 項目3または4に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、上記第2フィルムコーティングを均一にコートする第3フィルムコーティングをさらに含み、上記第3フィルムコーティングが以下:
(1)薬学的に受容可能な色素;
(2)水膨潤可能なフィルム形成中性またはカチオン性コポリマー性エステル;
(3)潤滑剤;
(4)少なくとも1つの水溶性フィルム改質剤;および、必要に応じて
(5)消泡剤;
を含む、組成物。
・(項目8) 項目7に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記水溶性フィルム改質剤が、低粘性ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースもしくはカルボキシメチルセルロースナトリウム、またはポリエチレングリコール200〜ポリエチレングリコール8000より選択されるポリエチレングリコール、あるいはそれらの混合物である、組成物。
・(項目9) 項目4に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記マトリックスコア中の上記水不溶性カルシウム、マグネシウムまたはアルミニウム塩が、カルシウム、マグネシウムまたはアルミニウムの炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩または硫酸塩、あるいはそれらの混合物である、組成物。
・(項目10) 項目1に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記マトリックスコアが以下:
成分 mg/コア
擬エフェドリンスルフェート 約120〜約360
ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208
(100,000cps) 約160〜約480
エチルセルロース 約40〜約120
二塩基リン酸カルシウム(二水和物) 約56〜約162
ポビドン 約20〜約60
二酸化ケイ素 約6〜約12
ステアリン酸マグネシウム 約2〜約6
マトリックスコア重量範囲: 約400〜約1200mgを含む、組成物。
・(項目11) 項目4に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記第1フィルムコーティングが以下:
(1)エチルアクリレートおよびメチルアクリレートの中性コポリマー;
(2)タルク、ケイ素、ポリエチレングリコール200〜ポリエチレングリコール8000、から選択される潤滑剤;
(3)ポリエチレングリコール200〜ポリエチレングリコール8000より選択されるポリエチレングリコール;および、必要に応じて
(4)同種の液体メチルシロキサンポリマーおよびシリカゲルの薬学的に受容可能な混合物;
を含む、組成物。
・(項目12) 項目4に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記第2フィルムコーティングが以下:
(1)上記組成物の単回用量を投与後、約4.0時間〜約4.5時間の時間で、約2.10ng/mL〜約2.45ng/mLの幾何最大血漿濃度のデスロラタジンを生成するに有効な量のデスロラタジン;
(2)エチルアクリレートおよびメチルアクリレートの中性コポリマー;
(3)タルク、二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウムから選択される潤滑剤;
(4)ポリエチレングリコール200〜ポリエチレングリコール8000より選択されるポリエチレングリコール;および、必要に応じて
(5)同種の液体メチルシロキサンポリマーおよびシリカゲルの薬学的に受容可能な混合物;
を含む、組成物。
・(項目13) 項目2に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記第3フィルムコーティングが以下:
(1)エチルアクリレートおよびメチルアクリレートの中性コポリマー;
(2)タルク、二酸化ケイ素、およびステアリン酸マグネシウムから選択される潤滑剤;
(3)低粘性ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースナトリウム、あるいはポリエチレングリコール200〜ポリエチレングリコール8000より選択されるポリエチレングリコール、あるいはそれらの混合物である有効量の水溶性フィルム改質剤;
(4)薬学的に受容可能な色素;および、必要に応じて
(5)同種の液体メチルシロキサンポリマーおよびシリカゲルの薬学的に受容可能な混合物;
を含む、組成物。
・(項目14) 項目12に記載のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記デスロラタジンの量が、上記組成物の単回用量を投与後、約5.50時間〜約6.25時間の時間で、約0.75ng/mL〜約1.15ng/mLの幾何最大血漿濃度の3−ヒドロキシデスロラタジンを生成するに有効である、組成物。
・(項目15) 以下の(a)、(b)および(c):
(a)有効量の擬エフェドリンまたはその薬学的に受容可能な塩を含むコア;
(b)上記コアを均一に覆う第1フィルムコーティング;および
(c)有効量のデスロラタジンを含み、上記第1フィルムコーティングを均一に覆う第2フィルムコーティング;
を含むフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、ここで、上記擬エフェドリンまたはその薬学的に受容可能な塩の量が、上記組成物の単回用量を投与後、約7.60時間〜約8.40時間の時間で、約345ng/mL〜約365ng/mLの幾何最大血漿濃度の擬エフェドリンを提供するに有効であり、そして上記デスロラタジンの量が、上記組成物の単回用量を投与後、約4.0時間〜約4.5時間の時間で、約2.10ng/mL〜約2.45ng/mLの幾何最大血漿濃度のデスロラタジンを提供し、約5.50時間〜約6.25時間の時間で、約0.75ng/mL〜約1.15ng/mLの幾何最大血漿濃度の3−ヒドロキシデスロラタジンを生成するに有効である、組成物。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明者らは、デストロラタジン−擬エフェドリン1日1回投与用製品を発見し、この製品は、擬エフェドリンに対する放出速度プロフィールが、有効な1日1回用量のデスロラタジンの送達を維持しながら、12時間および好ましくは少なくとも16時間を超過する長期に渡ることを達成する。
【0027】
従って、本発明は、フィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物を提供し、この組成物は、以下を含有する:(a)有効量の擬エフェドリンまたはその薬学的に受容可能な塩を含有するコア、および(b)コアを均一に覆い、そして有効量のデスロラタジンを含有するフィルムコーティング。ここで、その擬エフェドリンまたはその薬学的に受容可能な塩の量は、約345ng/mL〜約365ng/mLの幾何最大血漿濃度の擬エフェドリンを単回用量の上記組成物の投与後、約7.60時間〜約8.40時間で生成するために有効であり、そして、デスロラタジンの量は、単回用量の上記組成物の投与後、約2.10ng/mL〜約2.45ng/mLの幾何最大血漿濃度のデスロラタジンを約4.0時間〜約4.5時間で生成するために有効である。
【0028】
本発明のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物の好ましい実施態様はまた、単回用量の上記組成物の投与後、約0.75ng/mL〜約1.15ng/mLの幾何最大血漿濃度の3−ヒドロキシデスロラタジンを約5.50時間〜約6.25時間で生成する。
【0029】
本発明のフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物のより好ましい実施態様はまた、単回用量の上記組成物の投与後、約2.10ng/mL〜約2.45ng/mLの幾何最大血漿濃度のデスロラタジンを約4.0時間〜約4.5時間で、そして約0.75ng/mL〜約1.15ng/mLの幾何最大血漿濃度の3−ヒドロキシデスロラタジンを約5.50時間〜約6.25時間で生成する。
【0030】
従って、好ましい実施態様において、この発明は、コアに治療に有効な量の擬エフェドリンスルフェートおよびフィルムコーティングに有効量のデスロラタジンを含有する薬学的組成物を提供する。ここで、この組成物は、本明細書中で上に列挙されたデスロラタジン、3−ヒドロキシデスロラタジンおよび擬エフェドリンの望ましい薬物動態学的パラメータを維持し、最初に、ならびにそのような組成物が25℃および約60%の相対湿度において、少なくとも約24ヶ月保存された場合、約2%未満のデスロラタジン分解生成物(例えば、N−ホルミルデスロラタジン)、好ましくは約1.4%〜約1.6%未満のデスロラタジン分解生成物(例えば、N−ホルミルデスロラタジン)を含む。
【0031】
本発明者らは、デスロラタジンを含有するフィルムコーティングと鼻うっ血除去薬(例えば、擬エフェドリン塩、好ましくは擬エフェドリンスルフェート)を含有するコアとの間に、第1コーティングを置くことによって、デスロラタジンの第2フィルムコーティングからのデスロラタジンの放出、および12時間を超過する期間に渡る、コア、好ましくはマトリックスコアからの鼻うっ血除去薬擬エフェドリンスルフェートの長期放出が提供されることをまた、発見した。ここで、この間、本明細書中の上に列挙されたデスロラタジン、3−ヒドロキシデスロラタジンおよび擬エフェドリンの望ましい薬物動態学的パラメータを維持し、そしてデスロラタジンのN−ホルミルデスロラタジンへの2%未満の分解を生じる。
【0032】
従って、好ましい実施態様において、本発明は、以下を含有する、フィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物を提供する:
(a)以下を含有するマトリックスコア:
1.長期放出量の薬学的に受容可能なうっ血除去薬;
2.ポリマーマトリックス;
3.水不溶性の塩基性カルシウム、マグネシウムまたはアルミニウム塩;
4.バインダー;
5.潤滑剤;および、必要に応じて、
6.グライダント;
(b)以下を含有し、上記マトリックスコアを均一に覆う、第1フィルムコーティング:
1.水膨潤可能なフィルム形成中性またはカチオン性コポリマー性エステル;
2.潤滑剤;
3.フィルム改質剤;および、必要に応じて、
4.消泡剤;
(c)以下を含有し、上記第1コーティングを均一に覆う、第2フィルムコーティング:
1.即時放出量のデスロラタジン;
2.水膨潤可能フィルム形成中性またはカチオン性コポリマー性エステル;
3.潤滑剤;
4.水溶性フィルム改質剤;および必要に応じて、
5.消泡剤;
本発明の、フィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物のこの好ましい実施態様は、100rpmでのUSP Paddle Methodにおいて、少なくとも約80%のデスロラタジンを37℃の0.1N HCl溶液中に約45分以内で放出し、そして約64%の擬エフェドリンスルフェートを6時間以内に、そして88%の擬エフェドリンスルフェートを12時間以内に放出する。ここで、このフィルムコートされた長期放出経口投薬組成物は、約2%未満のデスロラタジン分解生成物(例えば、N−ホルミルデスロラタジン)を含有する。
【0033】
別の好ましい実施態様において、本発明は、以下を含有する、フィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物を提供する:
(a)以下を含有するマトリックスコア:
成分 mg/コア
擬エフェドリンスルフェート 約240
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2208
100,000cps 約160〜480
エチルセルロース 約40〜120
二塩基リン酸カルシウム(二水和物) 約56〜162
ポビドン 約20〜60
二酸化ケイ素 約6〜12
ステアリン酸マグネシウム 約2〜6
おおよそのマトリックスコアの重量範囲: 約518〜1082mg
および
(b)以下を含有し、上記マトリックスコアを均一に覆う、第1フィルムコーティング:
(1)エチルアクリレートおよびメチルアクリレートの中性コポリマー;
(2)タルク、二酸化ケイ素およびステアリン酸マグネシウムから選択される潤滑剤;
(3)ポリエチレングリコール200〜ポリエチレングリコール8000から選択される、ポリエチレングリコール;および、必要に応じて、
(4)同種の液体メチルシロキサンポリマーとシリカゲルとの、薬学的に受容可能な混合物;ならびに
(c)以下を含有し、上記第1コーティングを均一にコートする、第2フィルムコーティング:
(1)上記組成物の単回用量の投与後、約4.0時間〜約4.5時間の時点で、約2.10ng/mL〜約2.45ng/mLの幾何最大血漿濃度のデスロラタジンを生成するために有効な量のデスロラタジン;
(2)エチルアクリレートおよびメチルアクリレートの中性コポリマー;
(3)タルク、二酸化ケイ素およびステアリン酸マグネシウムから選択される潤滑剤;
(4)ポリエチレングリコール200〜ポリエチレングリコール8000から選択される、ポリエチレングリコール;および、必要に応じて、
(5)同種の液体メチルシロキサンポリマーとシリカゲルとの、薬学的に受容可能な混合物。
【0034】
上記に列挙した、好ましい、フィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物は、さらに、上記第2フィルムコーティングを均一に覆う第3フィルムコーティングを含み得、ここで、その第3フィルムコーティングは以下を含む:
(1)エチルアクリレートおよびメチルアクリレートの中性コポリマー;
(2)タルク、二酸化ケイ素およびステアリン酸マグネシウムから選択される潤滑剤;
(3)以下から選択される、有効量の少なくとも1つの水溶性フィルム改質剤:低粘性ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム、ならびにポリエチレングリコール(ポリエチレングリコール200〜ポリエチレングリコール8000またはその混合物から選択される);
(4)薬学的に受容可能な色素;および、必要に応じて、
(5)同種の液体メチルシロキサンポリマーとシリカゲルとの、薬学的に受容可能な混合物。
【0035】
より好ましい実施態様において、本発明は、以下を含有するフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物を提供する:
(a)以下を含有するマトリックスコア:
成分 mg/コア
擬エフェドリンスルフェート 約240
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2208
100,000cps. 約160〜480
エチルセルロース 約40〜120
二塩基リン酸カルシウム(二水和物) 約54〜162
ポビドン 約20〜60
二酸化ケイ素 約6〜12
ステアリン酸マグネシウム 約2〜6
おおよその(マトリックスコア)重量範囲 約518〜1082mg
(b)以下を含有し、上記マトリックスコアを均一に覆う、第1フィルムコーティング:
成分 mg/第1コーティング
(d)800,000の平均分子量
を有する、エチルアクリレートおよび
メチルアクリレートの中性コポリマー; 約1.36〜約4.08
(2)タルク、二酸化ケイ素および
ステアリン酸マグネシウムから選択される
潤滑剤; 約1.36〜約4.08
(3)ポリエチレングリコール6000〜
ポリエチレングリコール8000より選択される、
ポリエチレングリコール 約0.136〜約0.408および、必要に応じて、
(4)同種の液体メチルシロキサンポリマーと
シリカゲルとの、薬学的に受容可能な混合物; 約0.11〜約0.33
第1フィルムコーティングの総量: 約2.96〜8.89mg
ならびに
(c)上記第1コーティングを均一に覆う、第2フィルムコーティングであって、この第2フィルムコーティングは以下を含有する:
成分 mg/第2フィルムコーティング
(1) 24時間のデスロラタジン量; 約5.0〜約6.0
(2)800,000の平均分子量
を有する、エチルアクリレートおよび
メチルアクリレートの中性コポリマー; 約0.34〜約9.12
(3)タルク、二酸化ケイ素および
ステアリン酸マグネシウムから選択さ
れる潤滑剤; 約3.5〜約10.5
(4)ポリエチレングリコール6000〜
ポリエチレングリコール8000より選択される、
ポリエチレングリコール 約0.915〜約2.75および、必要に応じて、
(5)同種の液体メチルシロキサンポリマーと
シリカゲルとの、薬学的に受容可能な混合物; 約0.14〜約0.42
第2コーティングの総量; 約12.60〜38.79mg。
【0036】
好ましい実施態様において、本発明は、以下を含有する、フィルムコートされた長期放出経口投薬組成物を提供する:
(a)以下を含有するマトリックスコア:
成分 mg/コア
擬エフェドリンスルフェート 約240
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2208
100,000cps. 約160〜480
エチルセルロース 約40〜120
二塩基リン酸カルシウム(二水和物) 約56〜162
ポビドン 約20〜60
二酸化ケイ素;および 約6〜12
ステアリン酸マグネシウム 約2〜6
おおよそのマトリックスコアの重量範囲: 約518〜1082mg
(b)以下を含有し、上記マトリックスコアを均一に覆う、第1フィルムコーティング:
(1)800,000の分子量を有する、エチルアクリレートおよびメチルアクリレートの中性コポリマー;
(2)タルク、二酸化ケイ素およびステアリン酸マグネシウムから選択される潤滑剤;
(3)ポリエチレングリコール200〜ポリエチレングリコール8000より選択される、ポリエチレングリコール;および、必要に応じて、
(4)同種の液体メチルシロキサンポリマーとシリカゲルとの、薬学的に受容可能な混合物;ならびに
(c)以下を含有し、上記第1コーティングを均一に覆う、第2フィルムコーティング:
(1)上記組成物の単回用量の投与後、約4.0時間〜約4.5時間の時点で、約2.10ng/mL〜約2.45ng/mLの幾何最大血漿濃度のデスロラタジンを生成するために有効な量のデスロラタジン;
(2)800,000の平均分子量を有する、エチルアクリレートおよびメチルアクリレートの中性コポリマー;
(3)タルク、二酸化ケイ素およびステアリン酸マグネシウムから選択される潤滑剤;
(4)ポリエチレングリコール200〜ポリエチレングリコール8000より選択される、ポリエチレングリコール;および、必要に応じて、
(5)同種の液体メチルシロキサンポリマーとシリカゲルとの、薬学的に受容可能な混合物。
【0037】
本発明のより好ましい組成物を、ここで、以下に示す:
(1.マトリックスコア)
成分 mg/コア
擬エフェドリンスルフェート USP 240
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2208
USP 100,000cps 320
エチルセルロースNF Type7 80
二塩基リン酸カルシウムUSP(二水和物) 108
ポビドンUSP 40
二酸化ケイ素NF 8
ステアリン酸マグネシウムNF 4
おおよそのマトリックスコアの重量:800mg
(1.マトリックスコアコーティング)
1.第1フィルムコーティング:
成分 mg/錠剤
シメチコン 0.22
ポリエチレングリコール 8000 0.27
タルクNF 2.72
エチルアクリレート/
メチルメタクリレート中性コポリマー
(水中30%分散液) 2.72
第1コーティングの小計 5.93mg
第2フィルム(即時放出)コーティング
mg/錠剤
デスロラタジン 6.0
シメチコン 0.28
ポリエチレングリコール 8000 1.83
タルクNF 5.88
エチルアクリレート/メチルメタクリレート
中性コポリマー 6.09
第2コーティングの小計 20.08mg
3.第3フィルムコーティング
mg/錠剤
ヒドロキシプロピルメチルセルロース
2910 USP 6cps 2.09
タルクNF 5.79
エチルアクリレート/
メチルメタクリレート中性コポリマー 4.18
ポリエチレングリコール 8000 NF 0.42
シメチコン 0.11
Spectra Spray Med
Blue Dye 3.65
第三コーティングの小計 16.24
おおよその3種のコーティングの総重量:42.37mg
おおよその錠剤(マトリックスコアおよび3種のコーティング)の重量:
842.97mg
本発明の別のより好ましい組成物をここで以下に示す:
(1.マトリックスコア)
成分 mg/コア
擬エフェドリンスルフェートUSP 240
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2208
USP 100,000cps 320
エチルセルロースNF Type7 80
二塩基リン酸カルシウムUSP(二水和物) 108
ポビドンUSP 40
二酸化ケイ素NF 8
ステアリン酸マグネシウムNF 4
おおよそのマトリックスコアの重量:800mg
(2.マトリックスコアコーティング)
1.第1フィルムコーティング:
成分 mg/錠剤
シメチコン 0.22
ポリエチレングリコール 8000 0.27
タルクNF 2.72
エチルアクリレート/
メチルメタクリレート中性コポリマー
(水中30%分散液) 2.72
第1コーティングの小計 5.93mg
第2フィルム(即時放出)コーティング mg/錠剤
デスロラタジン 5.0
シメチコン 0.28
ポリエチレングリコール 8000 0.61
タルクNF 5.17
エチルアクリレート/メチルメタアクリレート
中性コポリマー 6.09
ヒドロキシプロピルメチルセルロース
2910 USP 6cps 3.05
第2コーティングの小計 20.20mg
3.第3フィルムコーティング mg/錠剤
ヒドロキシプロピルメチルセルロース
2910 USP 6cps 2.09
タルクNF 5.79
エチルアクリレート/
メチルメタアクリレート中性コポリマー 4.18
ポリエチレングリコール 8000 NF 0.42
シメチコン 0.11
Spectra Spray Med
Blue Dye 3.65
第3コーティングの小計 16.24
おおよその3種のコーティングの総重量: 42.37mg
おおよその錠剤(マトリックスコアおよび3種のコーティング)
の総重量: 842.97mg。
【0038】
うっ血除去薬として、有効量の別の薬学的に受容可能な擬エフェドリン塩(例えば、擬エフェドリン塩酸塩)が、擬エフェドリンスルフェートの代わりに使用される場合、同様の結果が期待される。
【0039】
本発明の組成物は、皮膚のアレルギー性および/または炎症性の症状(例えば、じん麻疹)ならびに上部気道および下部気道のアレルギー性および/または炎症性の症状(このような治療が必要な患者の鼻うっ血を含む、季節性アレルギー性鼻炎の、鼻または鼻以外の症状を含む)の処置治療に有用である。
【0040】
デスロラタジンを、擬エフェドリンスルフェートを含むマトリックスコアの一部として、米国特許第5,314,697号に記載されるような様々な賦形剤と組み合わせて貯蔵すると、デスロラタジンは不安定であり、脱色することが、本発明の組成物の開発の過程の間に分かった。デスロラタジンの脱色および不安定性を引き起こす賦形剤には、水中で7より低いpHを有する酸性賦形剤(例えば、ステアリン酸などの有機酸)、ポビドン、クロスポビドン(crospovidone)、カルボニル含有物質(例えば、ラクトース)、ならびにエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。ポビドンのようなバインダー、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなポリマーは、擬エフェドリンスルフェートの、内部ポリマーマトリックスコアからの持続した放出のためのポリマーマトリックスとして、有用である。
【0041】
本発明者らは、内部コアマトリックス(鼻うっ血除去薬(例えば、擬エフェドリンスルフェート)、ならびにヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロースおよびポビドンを含有する)を、第1コーティング(水膨潤可能なフィルム形成中性またはカチオン性コポリマー性エステル、フィルム改質剤、および潤滑剤を含有する)で均一に覆うことによって、デスロラタジンが安全にこの第1コーティング上にコートされ得ることを見出した。デスロラタジンが、第2コーティングからの受容可能な即時放出プロフィールを有すること(約45分未満で、0.1N HCl中で80%放出)、および少なくとも24ヶ月間(好ましくは、25℃および約60%の相対湿度(「RH」)において36ヶ月間まで)の貯蔵の後でさえ、約2%未満のN−ホルミルデスロラタジン、好ましくは、約1.4%〜約1.6%のN−ホルミルデスロラタジンを含むことが見出された。
【0042】
第3のフィルムコーティング(これは、水膨潤可能なフィルム形成中性またはカチオン性コポリマー性エステル、およびフィルム改質剤としてポリエチレングリコールを含有する)が、第2コーティングの上に被覆された場合は、第2コーティングからのデスロラタジンの溶解速度、およびコアからの擬エフェドリンの溶解速度が、受容不可能な低いレベルまで減少した。
【0043】
驚くべきことに、低粘度のヒドロキシルプロピルメチルセルロースを、この第3コーティングに、フィルム改質剤として添加することによって、両方の活性成分(擬エフェドリンスルフェートおよびデスロラタジン)の溶解速度が、コアマトリックスを2つのフィルムコーティングで均一に覆った場合に得られるものとほぼ同じレベルにまで、回復された。
【0044】
成句「皮膚および気道通路の、アレルギー性および炎症性の状態」とは、皮膚、ならびに鼻から肺までの上気道通路および下気道通路において見られる、アレルギー性および炎症性の状態および症状を意味する。皮膚ならびに上気道通路および下気道通路における、典型的なアレルギー性および炎症性の状態には、季節性および通年性のアレルギー性鼻炎、非アレルギー性鼻炎、アレルギー性および非アレルギー性の喘息を含む、喘息、静脈洞炎、風邪(NSAID(例えば、アスピリン、イブプロフェンまたはアセトアミノフェン)、および/またはうっ血除去薬(例えば、擬エフェドリン)との組合せによる)、皮膚炎、特に、アレルギー性およびアトピー性の皮膚炎、ならびにじんま疹および症候性の皮膚描記症、ならびに真性糖尿病関連の小脈管の疾患および網膜症が挙げられる。
【0045】
皮膚ならびに上気道通路および下気道通路における、アレルギー性および炎症性状態を処置または予防するために有効な、デスロラタジンの量は、その患者の年齢、性別、体重、ならびにアレルギー性および炎症性の状態の重篤度によって、変化する。典型的に、このようなアレルギー性および炎症性の状態を処置または予防するために有効な、デスロラタジンの量は、単回用量で、約2.5mg/日〜約60mg/日であり、好ましくは、約2.5mg/日〜約20mg/日、または約4.0mg/日〜約15mg/日、または約5.0mg/日〜約10mg/日であり、より好ましくは、約5.0mg/日〜約10.0mg/日であり、そして最も好ましくは、約5.0mg/日〜約6.0mg/日の範囲である。
【0046】
デスロラタジンは、末梢のH1レセプターアンタゴニスト活性に選択的な効力を有する、非鎮静の長期活性ヒスタミンアンタゴニストである。経口投与に続いて、ロラタジンは迅速に代謝され、薬理学的に活性な代謝産物である、デスカルボエトキシロラタジンまたはデスロラタジンとなる。インビトロおよびインビボでの動物の薬理研究が、デスロラタジンおよびロラタジンの様々な薬力学的効果を評価するために、実施されてきた。マウスにおける抗ヒスタミン活性の評価(ED50値の比較)において、デスロラタジンには、神経学的または自律神経の機能の挙動の変化は比較的起こらなかった。デスロラタジンまたはロラタジンが、脳のH1レセプターを占有する可能性を、モルモットにおいて腹腔内投与に続いて評価し、そしてその結果は、デスロラタジンまたはロラタジンの、中枢ヒスタミンレセプターへのアクセスが乏しいことを示す。
【0047】
抗ヒスタミン活性に加えて、デスロラタジンは、抗アレルギー性活性および抗炎症性活性を、多数のインビトロおよびインビボの試験から、実証した。これらのインビトロ試験(主に、ヒトに由来の細胞において実施された)は、デスロラタジンが、アレルギー性炎症のカスケードにおける多数の事象を阻害し得ることを示した。デスロラタジンのこれらの抗炎症性効果は、デスロラタジンのH1アンタゴニスト効果とは独立であり、そして、以下のものが挙げられる:
炎症性媒体であるヒスタミン、トラプターゼ、ロイコトリエンおよびプロスタグランジンD2の、肥満細胞からの放出;
IL−4、IL−6、IL−8およびIL−13を含む、炎症性サイトカインの放出;
RANTES(活性時に調節される、発現および恐らく分泌された正常T細胞:regulated upon activation,normal T cell expressed and presumably secreted)などの炎症性ケモキネシスの放出;
多形核好中球の、スーパーオキシドアニオン生成;
内皮細胞中の、細胞間接着分子(ICAM−1)およびP−セレクチンのような、細胞接着分子の発現;ならびに
抗酸球の移動および接着。
【0048】
インビボの研究はまた、デスロラタジンの、アレルギー性の気管支痙攣および咳に対する阻害効果がまた期待され得ることを示唆する。
【0049】
デスロラタジンの臨床的効力および安全性は、3,200人を超える季節性アレルギー性鼻炎患者において、4回の二重盲検による、無作為の臨床試験において、文書で証明されている。これらの化学的研究の結果は、季節性鼻炎を患う成人および青年患者の処置におけるデスロラタジンの効力を実証した。
【0050】
本発明に有用な鼻うっ血除去薬には、フェニルプロパノールアミン、フェニレフリンおよび擬エフェドリンが挙げられる。擬エフェドリンは、薬学的に受容可能な酸付加塩(例えば、HClまたはH2SO4などが付加した塩)と同様に、当業者が、鼻うっ血の処置のために効果的な、安全な治療用試薬であることを認識する、交換神経作用薬物であり、そして通常、アレルギー性鼻炎に関連する鼻うっ血の処置のために、経口的に、抗ヒスタミン薬と同時に、投与される。本発明における、擬エフェドリンの鼻うっ血除去薬としての使用は好ましい;擬エフェドリンスルフェートの使用がさらに好ましい。
【0051】
本発明の経口投薬組成物の開発の過程において、ポリマーマトリックスコアのためのポリマーの選択が、擬エフェドリンスルフェートの、所望の長期の放出期間(少なくとも12時間、好ましくは12〜16時間、そしてより好ましくは少なくとも16時間)を達成するために重要であることが見出された。例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース4,000cpsまたは15,000cpsの、マトリックスコアにおけるポリマーとしての使用は、擬エフェドリンスルフェートの用量に、より好ましい長期放出期間である少なくとも16時間を、提供しなかった。本発明者らは、マトリックスコアに、特定の重量比の3つの特定のポリマーを含むように選択することのみによって、所望の擬エフェドリン放出プロフィールが達成されることを見出した。(1)4重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロース2208 USP、100,000cpsと、(2)1重量部のエチルセルロースと、(3)1/2重量部のポビドン(第2バインダーとして)との組み合わせのみにより、擬エフェドリンスルフェートの、マトリックスコアからの、より好ましい長期放出プロフィールである、少なくとも16時間が、達成された。このマトリックスコアはまた、特定の量の二酸化ケイ素をグライダントとして含有し、そしてステアリン酸マグネシウムを潤滑剤として含有する。22±6 Strong−Cobb Unit(SCU)の錠剤硬度は、より高レベルの潤滑剤(6mg/錠剤)によって大きくは影響されないが、潤滑剤のレベルを1/10重量部の潤滑剤から1重量部のポビドン(二次バインダーとして)に維持することが好ましい。
【0052】
用語「潤滑剤」は、本明細書中で使用する場合には、投薬形態に添加されて、その投薬形態(例えば、錠剤)を、それが圧縮された後に、そのモールドまたはダイから離すことを可能とする物質を表す。
【0053】
適切な潤滑剤には、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、硬化植物性油などが挙げられる。好ましくは、ステアリン酸マグネシウムまたはタルクが使用される。
【0054】
用語「グライダント」は、本明細書中で使用する場合には、粉末混合物の流動特性を改善する、抗ケーキング剤などの物質を表す。
【0055】
適切なグライダントには、二酸化ケイ素およびタルクが挙げられる。好ましくは、二酸化ケイ素が使用される。
【0056】
用語「バインダー」は、本明細書中で使用される場合には、薬学的組成物に添加されて、このような組成物をまとめて保持し、そしてそこから医薬品を放出することを補助する、任意の材料を意味する。
【0057】
適切なバインダーは、クロスカルメロース(croscarmellose)ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウムの架橋ポリマー、ポビドン、クロスポビドン、デンプン、セルロース、アルギニン酸塩、およびガムからなる群から選択される;USP XXII第1858頁(1990)もまた参照のこと。好ましくは、ポビドンが使用される。
【0058】
典型的に適切な消泡剤には、Simetheconeの商品名で入手可能な、同種の液体メチルシロキサンおよびシリカゲルの混合物が挙げられる。
【0059】
用語「水膨潤可能なフィルム形成中性またはカチオン性コポリマー性エステル」は、本明細書中で使用される場合には、アクリル酸エチルと、置換または非置換のメタクリル酸メチルエステルもしくはメタクリル酸エチルエステルとの、中性およびカチオン性のコポリマーを意味する。
【0060】
典型的に適切な水膨潤可能なフィルム形成中性コポリマー性エステルには、アクリル酸エチルとメタクリル酸メチルとの中性コポリマー(例えば、Huls Groupの会社であるPharma Polymersから、EUDRAGIT(登録商標);EUDRAGIT NE30Dの商品名で入手可能なもの)およびKollicoat(BASF、Mt Olive、New Jerseyから入手可能)が挙げられる。アクリル酸エチルおよびメタクリル酸メチルを主体とした中性コポリマー(平均分子量約800,000)を30重量%含む、水性分散物が、好ましい。
【0061】
典型的に適切な水膨潤可能なフィルム形成性カチオン性コポリマー性エステルには、ジメチルアミノエチルメタクリレートと、中性メタクリル酸エステルを主体とするカチオン性コポリマー(例えば、Pharma Polymersから12.5%溶液として(EUDRAGIT E 12.5)または固体として(EUDRAGIT E 100)得られる、EUDRAGIT Eコポリマー)、ならびにUPS/NFに「Amononio methacrylate copolymer,Type ”A” and Type ”B”」と記載されている、第四級アンモニウムコポリマーが挙げられる。このようなコポリマーは、塩として存在する第四級アンモニウム基(例えば、第四級塩化アンモニウム)の(置換)含有量が低い、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとのコポリマーの水性分散物として、利用可能である。Type AおよびType Bは、それぞれEUDRAGIT RL 30D およびEUDRAGIT RS
30Dの商品名で、30%水性分散物として、入手可能である。アクリル酸エチルおよびメタクリル酸エチルを主体とする、水膨潤可能なフィルム形成中性コポリマー性エステルの使用が、好ましい。
【0062】
用語「水溶性フィルム改質剤」は、本明細書中で使用する場合には、本発明の組成物において有用な、フィルム形成中性またはカチオン性のコポリマー性エステルの水膨潤可能特性を修飾する、フィルム形成剤を意味する。典型的に適切な水溶性フィルム改質剤は、低粘度(20cps以下)のセルロースであり、例えば、低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低粘度ヒドロキシルエチルメチルセルロース;低粘度カルボキシメチルセルロースナトリウム、またはポリエチレングリコール200〜ポリエチレングリコール8000より選択されるポリエチレングリコールなどである。
【0063】
ポリエチレングリコール6000〜ポリエチレングリコール8000の、フィルム改質剤としての使用は、第1および第2のコーティングにおいて好ましい;ポリエチレングリコール8000をそれぞれのコーティングに使用することが、より好ましい。
【0064】
ポリエチレングリコールを、低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロースと組み合わせて、第3コーティングにおいて使用することが、好ましい。ポリエチレングリコール8000およびヒドロキシプロピルメチルセルロース2910cpsの混合物を、第3または最外のフィルムコーティングにおいて使用することが、より好ましい。
【0065】
用語「水不溶性塩基性カルシウム、マグネシウムおよびアルミニウム塩」は、本明細書中で使用する場合には、カルシウム、マグネシウムおよびアルミニウムの、薬学的に受容可能な炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、および硫酸塩、あるいはその混合物を意味する。典型的に適切な薬学的に受容可能な塩基性塩には、硫酸カルシウム無水物、硫酸カルシウムの水和物(例えば、硫酸カルシウム二水和物)、硫酸マグネシウム無水物、硫酸マグネシウムの水和物、二塩基リン酸カルシウム、二塩基ケイ酸カルシウム、三ケイ酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ならびにリン酸マグネシウムおよびリン酸アルミニウムの水和物が挙げられる;リン酸カルシウムがより好ましい。二塩基リン酸カルシウム二水和物の使用が、最も好ましい。
【0066】
ヒドロキシルプロピルメチルセルロース2910は、フィルムコーティングにおいて、フィルム形成剤として作用し、そしてポリエチレングリコールは、フィルム改質剤として作用する。使用され得る他の適切なフィルム形成性ポリマーには、低粘度(720cps)ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられる。
【0067】
本発明の経口投薬組成物はまた、その錠剤が標準的なパッケージ内で、2℃〜30℃の間で、相対湿度60%の周囲環境において貯蔵される限り、24ヶ月より長い(例えば、36〜48ヶ月まで)有効期限を提供する。
【0068】
錠剤コアの調製において、ポビドンを、アルコールおよび水の混合物に溶解する。擬エフェドリンスルフェート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208USP、100,000cps、エチルセルロース、および二塩基リン酸カルシウムをブレンドし、ポビドンを含有するアルコール性水溶液によって顆粒化する。この顆粒を粉砕し、0.5〜2.0%の間の乾燥減量まで、乾燥させる。
【0069】
この乾燥顆粒を粉砕し、必要量の二酸化ケイ素およびステアリン酸マグネシウムと共にブレンドする。最終ブレンド物を圧縮して、内部ポリマーマトリックスコア組成物を製造する。
【0070】
コーティングは通常、以下の様式で、この内部ポリマーマトリックスコアに適用される。
【0071】
コアを、適切なコーティングパンに充填する。タルク、Simethicone、ポリエチレングリコール8000およびEUDRAGIT NE30Dの水分散物を、第1コーティングとして、マトリックスコアに適用する。これらのコートされたマトリックスコアを、次いで、デスロラタジン、Simethicone、EUDRAGIT NE 30D、ポリエチレングリコール8000NFおよびタルクの分散物でコートする。これに続いて、キレート剤としてEDTAを含有するFD & C Blue No.2アルミニウムレーキ、タルク、Simethicone、EUDRAGIT NE30Dの分散物(ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910cpsおよびポリエチレングリコール8000NFを含有する)を含有する第3コーティングを適用する。次いで、コートされた錠剤に商標を付け(黒色インクを用いる)、そして周囲環境において2℃と30℃との間の温度で貯蔵するために、プラスチックビンおよびブリスタにパッケージする。
【0072】
本発明の処方物の開発過程において、本発明者らは、5mg錠剤のデスロラタジンの場合と比較して、インビトロ溶解研究が、増加したpH、特に7.0を超えるpH値におけるデスロラタジン放出速度およびデスロラタジン濃度の両方の減少を示すことを発見した。インビボ研究は、Tmaxが4時間を超え、そして吸収性デスロラタジンプロセスの有意な部分がアルカリpH(7.0を超えるpH)を有する小腸内で起こることを示した。
【0073】
本発明者らは、デスロラタジンを含有する第2フィルムコーティング中のヒドロキシプロピルメチルセルロースのレベルを増加し、そして可塑剤(例えば、ポリエチレングリコール8000)および潤滑剤(例えば、タルク)のレベルを減少することによってデスロラタジンの放出を増加し得ることを発見した。
【0074】
別の好ましい実施態様において、第2フィルムコーティング中の有効量のデスロラタジンは、6.0mgまで増加させ、タルクの量を(約1.12mg)減らし、これによって受容可能な薬物動態学的プロフィールを得た。実施例3および表3を参照のこと。
【0075】
本発明の固体の経口投薬処方物に対して、擬エフェドリン(PES)の幾何平均最大血漿濃度は、約7.60時間〜約8.40時間の時間(Tmax)において約345ng/mL〜約365ng/mLである;デスロラタジン(DL)の幾何平均最大血漿濃度は、約4.0時間〜約4.5時間の時間(Tmax)において約2.10ng/mL〜約2.45ng/mLであり、好ましくは2.15ng/mL〜約2.35ng/mLであり、3−ヒドロキシデスロラタジン(3−OH−DL)の幾何平均最大血漿濃度は、健康な被検体に対する単一容量の上記組成物の投与後の約5.50時間〜約6.25時間の時間(Tmax)において、約0.75ng/mL〜約1.15ng/mLであり、好ましくは約0.85ng/mL〜約1.05ng/mLであり、そしてより好ましくは約0.88ng/mL〜約1.02ng/mLである。
【0076】
(薬物動態学的研究No.1)
この研究の薬物動態学的目的は、参照として米国特許第6,100,274号(USP’274)の実施例11の5mgの処方物、および長期放出擬エフェドリンコアに対して、本出願の実施例2(5mgのDL/240mgのPES)の処方物からデスロラタジン(DL)、3−OH DLおよび擬エフェドリン(PES)の生物学的利用度および生物学的等価性を決定することであった。この研究は、各処置間に7日間の洗浄期間を有する、相I、オープンラベル、単回用量、無作為化した三方法交差研究であった。36匹の健康な雄および雌の被検体は、コンピュータ発生ランダムコードによって割り当てられたオーダーで以下のそれぞれの処置を受けた。
処置A: 実施例2の5mgDL/240mg PES錠剤1個
処置B: USP’274の実施例11のDL5mg錠剤1個
処置C: 240mg擬エフェドリンスルフェート1個(placebo
Claritin(登録商標)D−24コートでコートしたC
laritin(登録商標)D−24由来の楕円形長期放出擬
エフェドリンコア)。
【0077】
錠剤を非炭酸室温水180mL(5液量オンス)と共に投与した。錠剤を噛んだり粉砕することなく丸ごと飲み込んだ。投薬後、被検体が錠剤を飲み込んだことを確かめるため、口腔を検査した。4時間の研究手順が完了するまで被検体は絶食を続けた。投薬後の2時間を除いて、絶食期間中、水を与えた。被検体は、投薬後の4時間にわたり、目覚めたままであり、そして直立に座ったり、移動したりした。全ての被検体は、120時間血液サンプル、生命兆候および臨床検査が得られるまで、研究サイトに拘束した。
【0078】
連続の血液サンプル(10mL)を以下の時点における抗凝固剤をしてヘパリンを含有するチューブ内に回収した:0(投薬前)、投薬後の0.5、1、1.5、2、3、4、5、6、8、10、12、16、20、24、36、48、48、72、96および120時間。投薬後の4時間は食物を与えなかった。処置と共に投与された120mLを除いて、飲用水を投薬前1時間〜投薬後1時間まで与えなかった。擬エフェドリンの血漿濃度を、有効(validated)液体クロマトグラフィーを使用して、10.0ng/mLの定量化下限(LOQ)および10.0〜400ng/mLの直線範囲を有するタンデムマススペクトル法(LC/MS/MS)で、決定した。付随する平均薬物動態学的パラメータを表1に提供する。
【0079】
本発明の実施例2のDL錠剤、または米国特許第6,100,274号の実施例11の5mgデスロラタジン錠剤の投与後の平均DL Cmaxは、それぞれ1.79ng/mLおよび2.23ng/mLであり、そしてそれぞれ6.78時間および5.10時間の平均Tmax値に達した。
(表1 DL−24およびDLの単回用量経口投与後の健康な被検体のDLおよび3−OH DLの平均(%CVa)薬物動態学的パラメータ)
【0080】
【表1】

a:%CVは、変動のパーセント係数であり、変動性の相対的測定値である。SteeleおよびTorrie、「Principles and Procedures of
Statistics」、(1980)第2版、McGraw−Hill、NY、27頁を参照のこと
b:n=35
本出願の実施例2の5mgDL/240mg PES錠剤、および米国特許第6,100,274号の実施例11の5mgデスロラタジン錠剤の投与後の平均3−OH DL Cmaxは、それぞれ0.695ng/mLおよび0.832ng/mLであり、そしてそれぞれ6.09時間および4.96時間の平均Tmax値に達した。3−OH DLの最大血漿濃度は、本出願の実施例2の5mgDL/240mg PES錠剤の投与後の29.6時間の半減期、および米国特許第6,100,274号の5mg DL錠剤の投与後の29.5時間の半減期と共に徐々に減少した。
【0081】
本出願の実施例2の錠剤および米国特許第6,100,274号の5mgデスロラタジン錠剤の投与後のCmaxおよびAUC(tf)の統計学的比較は、DKおよび3−OH
DL血漿濃度に対して行った。
【0082】
この結果は、DLおよび3−OH DLに対する90%信頼区間が、CmaxおよびAUC(tf)の両方に対して80−125%生物学的等価性ガイドラインを満たさないことを示した。AUC(I)が決定され得るこれらの被検体の場合、AUC(I)に対するDLの信頼区間は、80−125生物学的等価性ガイドラインを満たさなかった。しかし、AUC(I)に対する3−OH DLの信頼区間は80−125生物学的等価性ガイドラインを満たした。
【0083】
擬エフェドリンの平均薬物動態学的パラメータを表2に示す。

表2.DL D−24および240mgの擬エフェドリンスルフェート(Placebo Claritin(登録商標)D−24コートでコーティングしたClaritin(登録商標)D−24由来の楕円形長期放出擬エフェドリンコア)錠剤(n=36)の単回用量経口投与後の健康な被検体の擬エフェドリンの平均(%CVa)薬物動態学的パラ
メータ
【0084】
【表2】

a:%CVは、変動のパーセント係数であり、変動性の相対的測定値である。SteeleおよびTorrie、「Principles and Procedures of
Statistics」、(1980)第2版、McGraw−Hill、NY、27頁を参照のこと
実施例2の(5mg DL/240mgPES)錠剤または240mg擬エフェドリンスルフェート長期放出コアの投与後の平均擬エフェドリンCmaxは、それぞれ328ng/mLおよび349ng/mLであった。DL D−24(5mg/240mg)対240mg擬エフェドリンスルフェート(長期放出コア)に対するCmaxおよびAUC(tf)の値の統計学的比較を行った。対数変換したCmaxおよびAUC(tf)に対する0.05(両側の)α−レベルにおける処置手段の20%の差異を検出するためのパワーは、それぞれ100%および93%であった。
【0085】
擬エフェドリンに対する90%信頼区間は、CmaxおよびAUC(tf)の両方に対して80−125%生物学的等価性ガイドラインを満たした。AUI(I)が決定され得るこれらの被検体に対して、AUC(I)の信頼区間はまた、80−125ガイドラインを満たした。
【0086】
(薬物動態学的研究No.2)
各処置の少なくとも12時間前に研究サイトにて被検体を拘束した(Day−1)。10時間の一晩の絶食後の1日目の午前中に、各被検体は、雄/雌の被検体数および研究期間に基づく以下の処置の1つを受けた。
処置A:本出願の実施例2の1個(5mgDL/240mgPES)の錠剤
処置B:本出願の実施例3の1個(6mgDL/240mgPES)の錠剤
処置C:USP’274の実施例11の1個の5mgDL錠剤+1個の120mgPES錠剤(楕円形長期放出擬エフェドリンコア)。
【0087】
研究No.1に要約した研究手順、血液回収時間および分析方法論を使用した。
【0088】
平均薬物動態学的パラメータを表3に示す。対数変換したAUC(tf)、AUC(I)、およびCmax値に対する0.05(両側の)α−レベルにおける処置手段の20%の差異を検出するためのパワーは、それぞれ89%、90%および88%であった。

表3 実施例2(5DL/240PESmg)のDL錠剤、実施例3(6DL/240PESmg)のDL錠剤またはUSP’274の5mgDL錠剤+1個の240mgPES錠剤の単回用量経口投与後の健康な大人ボランティア(n=42)のDL、3−OH DLおよび擬エフェドリンの平均(%CV1)薬物動態学的パラメータ
【0089】
【表3】

1.%CVは、変動のパーセント係数であり、変動性の相対的測定値である。SteeleおよびTorrie、「Principles and Procedures of
Statistics」、(1980)第2版、McGraw−Hill、NY、27頁を参照のこと
2.処置A=実施例2の1個(5mg/240mg)の錠剤
3.処置B=実施例3の1個(6mg/240mg)の錠剤
4.処置C=USP6,100,274の実施例IIの1個の5mgDL錠剤+1個の240mg擬エフェドリン錠剤
これらの結果は、血漿3−OH DL濃度に基づいて、実施例2の(5mg/240mg)がUSP’274の実施例11の5mgDL錠剤と等価ではないこと、および実施例3の6mgDL/240PESmgとUSP’274の実施例IIの5mgDLの錠剤が生物学的等価性であることを示す。
【0090】
これらの結果は、実施例2および3の処方物由来の擬エフェドリンの生物学的等価性が基準生成物に対して確立されたことを示す。
【0091】
(薬物動態学的研究No.3)
40人の健康なボランティアが、オープンラベル、無作為化した、3方法の交差、単回用量研究に登録された。これらの被検体は、無作為化され、一晩の10時間にわたった絶食後に受けた:
処置A:本出願の実施例4の5mgDL/240mgPES
処置B:USP’274の実施例11のDL5mg+擬エフェドリンスルフェート240mg
上に列挙した処置を使用して、研究No.1の手順を続けた。
【0092】
DL、3−OH DLおよび擬エフェドリンに対する平均薬物動態学的パラメータを表4に示す。

表4:実施例4の1個の5mgD−24錠剤またはUSP’274の1個の5mgDL錠剤+1個の240mg擬エフェドリン錠剤の単回用量経口投与後の健康な大人ボランティア(n=40)のDL、3−OH DLおよび擬エフェドリンの平均(%CV1)薬物動
態学的パラメータ
【0093】
【表4】

1.%CVは、変動のパーセント係数であり、変動性の相対的測定値である。SteeleおよびTorrie、「Principles and Procedures of
Statistics」、(1980)第2版、McGraw−Hill、NY、27頁を参照のこと
2.処置A=本出願の実施例4の1個(5mgDL/240mgPES)の錠剤3.処置B=米国特許第6,100,274号の実施例11の1個の5mgDL錠剤+1個の240mg擬エフェドリン錠剤
【実施例】
【0094】
(実施例1)
この実施例は、本発明の好ましい経口投薬組成物の調製を示す。その成分および特定量を以下に列挙する。
【0095】
1.マトリックスコア
A.製造方法:
1.3部のアルコールおよび1部の純水の混合物中にポビドンを溶解させる。
【0096】
2.適切な混合ボール中で、擬エフェドリンスルフェート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208、エチルセルロースおよび二塩基リン酸カルシウム(二水和物)を合わせ、窒素をかぶせて(overlay)ブレンドする。
【0097】
3.工程2からのブレンドを工程1からの溶液で顆粒化する。湿った顆粒を、大きな塊を粉砕するために適切な製粉装置を通過させる。
【0098】
4.水分バランスまたは含水当量によって決定される、0.5〜2.0%の間の乾燥時の減少まで、適切な流動床プロセッサにおいて約70℃でこの湿った顆粒を乾燥させる。
【0099】
5.乾燥した顆粒を適切な製粉装置を通過させる。
【0100】
6.乾燥した製粉顆粒に、必要な量の二酸化ケイ素およびステアリン酸マグネシウムを添加し、ブレンドする。
【0101】
7.適切な錠剤圧縮機でこのブレンドを圧縮する。
【0102】
マトリックスコアを以下の方法でコーティングする:
A.コーティング分散物および溶液の調製
1.第1フィルムコーティング溶液
(1)シメチコンおよびポリエチレングリコール8000を純水の一部に分散し、完全に溶解するまで攪拌する。
【0103】
(2)工程1の生成物に、純水の残りおよびタルクを添加する;このように形成された懸濁液を室温で均質になるまで攪拌する。
【0104】
(3)このように形成された工程2の均質な懸濁液を、攪拌したEUDRAGIT
NE30D分散物にゆっくり添加し、均質な分散物が形成されるまで、そのように形成された混合物を混合し続ける。この分散物をスクリーン(screen)を通過させる。
【0105】
(4)回転パン上で40℃±5℃を維持しながら、分散物をマトリックスコアに噴霧する。
【0106】
(5)回転パン上で、冷却したマトリックスコアを乾燥する。
【0107】
2.第2フィルムコーティング分散物
(1)シメチコンおよびポリエチレングリコール8000を純水の一部に分散させる。さらに水を添加し、完全に溶解するまで、室温でこの分散物を攪拌する。
【0108】
(2)工程1の分散物にデスロラタジンをゆっくり添加し、均一な分散物が形成されるまで混合する。タルクとこのように形成された均一な分散物を合わせ、均質な懸濁液が形成されるまで攪拌を続ける。
【0109】
(3)工程2の分散物をEUDRAGIT NE30D分散物に添加し、均一な分散物が形成されるまで混合する。この分散物をスクリーンを通過させる。
【0110】
(4)25〜27℃で、回転パンにおいて、第1のコーティングを有するマトリックスコアに、工程3からの必要な量の分散物を噴霧する。
【0111】
(5)回転パン上でコーティングされたマトリックスコアを乾燥する。
【0112】
3.第3フィルムコーティング溶液
(1)ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910を熱純水(75℃)に添加し、溶液が形成されるまで攪拌する。このように形成された溶液を室温まで冷却する。
【0113】
(2)分離コンテナに、シメチコンおよびポリエチレングリコール8000を純水に添加し、溶液が形成されるまで混合し続ける。
【0114】
(3)タルクを工程2の溶液に添加し、均一な分散物が形成されるまで混合を続ける。
【0115】
(4)工程1の溶液を工程3の分散物に添加し、均一な分散物が形成されるまで混合を続ける。
【0116】
(5)第3のコンテナにて、キレート剤としてEDTAを含有するFD&C Blue No.2アルミニウムレーキを、純水に添加する。
【0117】
(6)工程5のBlueレーキ溶液を工程4の分散物に添加し、均質な混合物が形成されるまで混合する。
【0118】
(7)工程6の混合物をEUDRAGIT NE30Dの分散物にゆっくり添加し、均質になるまで混合を続ける。
【0119】
(8)工程6の分散物を、60メッシュのスクリーンを通過させる。
【0120】
(9)35℃〜45℃で回転パンにおいて、必要な量の工程8の分散物を2重コーティングされたマトリックスコアに噴霧する。回転パンで、3重コーティングされたマトリックスコアを錠剤形態で乾燥する。
【0121】
(10)パンからこのように形成された錠剤を取り出し、さらに40℃で16時間乾燥する。
【0122】
(実施例2)
本発明の以下のさらに好ましい組成物は、実施例1の上記手順に従って作製された。
【0123】
1.マトリックスコア
成分 mg/コア
擬エフェドリンスルフェートUSP 240
ヒドロキシプロピルメチルセルロース
2208 USP 100,000cps 320
エチルセルロースNF Type7 80
二塩基リン酸カルシウムUSP(二水和物) 108
ポビドンUSP 40
二酸化ケイ素NF 8
ステアリン酸マグネシウムNF 4
およそのマトリックスコア重量: 800mg。
【0124】
3.マトリックスコアコーティング
1.第1フィルムコーティング:
成分 mg/錠剤
シメチコン 0.22
ポリエチレングリコール8000 0.27
タルクNF 2.72
エチルアクリレート/メチル
メタクリレート中性コポリマー
(水中、30%分散物) 2.72
第1コーティングの小計 5.93mg。
【0125】
2.第2フィルム(即時放出)コーティング mg/錠剤
デスロラタジン 5.0
シメチコン 0.28
ポリエチレングリコール8000 1.83
タルクNF 7.00
エチルアクリレート/メチル
メタクリレート中性コポリマー 6.09
第2コーティングの小計 20.20mg。
【0126】
3.第3フィルムコーティング mg/錠剤
ヒドロキシプロピルメチルセルロース
2910 USP 6cps 2.09
タルクNF 5.79
エチルアクリレート/メチルメタクリレート
中性コポリマー 4.18
ポリエチレングリコール8000NF 0.42
シメチコン 0.11
スペクトルスプレー医療用青色色素
(Spectra Spray Med
Blue Dye) 3.65
第3コーティングの小計 16.24
3つのコーティングのおおよその総計重量: 42.37mg
おおよその錠剤(マトリックスコアおよび3つのコーティング)重量:
842.97mg。
【0127】
実施例1の錠剤のインビボの溶解プロフィールを、37℃で攪拌した0.1N
HCl溶液中で測定し(最初の1時間)、その後、37℃でpH7.5を有する攪拌したリン酸緩衝液中で測定した。コーティング中の80%のデスロラタジンを、最初の45分で溶解し、マトリックスコア中の擬エフェドリンスルフェートの総用量を、少なくとも16時間に渡って、浸食(erosion)および溶解メカニズムによってゆっくり放出させた。
【0128】
(実施例3)
以下の本発明のより好ましい組成物は、実施例1の上記手順に従って作製された。
【0129】
1.マトリックスコア
成分 mg/コア
擬エフェドリンスルフェートUSP 240
ヒドロキシプロピルメチルセルロース
2208 USP 100,000cps 320
エチルセルロースNF Type7 80
二塩基リン酸カルシウムUSP(二水和物) 108
ポビドンUSP 40
二酸化ケイ素NF 8
ステアリン酸マグネシウムNF 4
おおよそのマトリックスコア重量: 800mg。
【0130】
4.マトリックスコアコーティング
1.第1フィルムコーティング:
成分 mg/錠剤
シメチコン 0.22
ポリエチレングリコール8000 0.27
タルクNF 2.72
エチルアクリレート/メチル
メタクリレート中性コポリマー
(水中、30%分散物) 2.72
第1コーティングの小計 5.93mg。
【0131】
第2フィルム(即時放出)コーティング mg/錠剤
デスロラタジン 6.0
シメチコン 0.28
ポリエチレングリコール8000 1.83
タルクNF 5.88
エチルアクリレート/メチル
メタクリレート中性コポリマー 6.09
第2コーティングの小計 20.08mg。
【0132】
3.第3フィルムコーティング mg/錠剤
ヒドロキシプロピルメチルセルロース
2910 USP 6cps 2.09
タルクNF 5.79
エチルアクリレート/メチルメタクリレート
中性コポリマー 4.18
ポリエチレングリコール8000NF 0.42
シメチコン 0.11
スペクトルスプレー医療用青色色素 3.65
第3コーティングの小計 16.24
3つのコーティングのおおよその総計重量: 42.37mg
おおよその錠剤(マトリックスコアおよび3つのコーティング)重量:
842.97mg。
【0133】
(実施例4)
本発明の以下のより好ましい組成物は、実施例1の上記手順に従って作製された。
【0134】
1.マトリックスコア
成分 mg/コア
擬エフェドリンスルフェートUSP 240
ヒドロキシプロピルメチルセルロース
2208 USP 100,000cps 320
エチルセルロースNF Type7 80
二塩基リン酸カルシウムUSP(二水和物) 108
ポビドンUSP 40
二酸化ケイ素NF 8
ステアリン酸マグネシウムNF 4
おおよそのマトリックスコア重量: 800mg。
【0135】
マトリックスコアコーティング
1.第1フィルムコーティング:
成分 mg/錠剤
シメチコン 0.22
ポリエチレングリコール8000 0.27
タルクNF 2.72
エチルアクリレート/メチル
メタクリレート中性コポリマー
(水中、30%分散物) 2.72
第1コーティングの小計 5.93mg。
【0136】
5.マトリックスコアコーティング
1.第1フィルムコーティング:
成分 mg/錠剤
シメチコン 0.22
ポリエチレングリコール8000 0.27
タルクNF 2.72
エチルアクリレート/メチル
メタクリレート中性コポリマー
(水中、30%分散物) 2.72
第1コーティングの小計 5.93mg。
【0137】
第2フィルム(即時放出)コーティング mg/コア
デスロラタジン 5.0
シメチコン 0.28
ポリエチレングリコール8000 0.61
タルクNF 5.17
エチルアクリレート/メチル
メタクリレート中性コポリマー 6.09
ヒドロキシプロピルメチルセルロース
2910 USP 6cps 3.05
第2コーティングの小計 20.20mg。
【0138】
3.第3フィルムコーティング mg/錠剤
ヒドロキシプロピルメチルセルロース
2910 USP 6cps 2.09
タルクNF 5.79
エチルアクリレート/メチルメタクリレート
中性コポリマー 4.18
ポリエチレングリコール8000NF 0.42
シメチコン 0.11
スペクトルスプレー医療用青色色素 3.65
第3コーティングの小計 16.24
3つのコーティングのおおよその総計重量: 42.37mg
おおよその錠剤(マトリックスコアおよび3つのコーティング)重量:
842.97mg。
【0139】
うっ血除去有効量の別の薬学的に受容可能な擬エフェドリン塩(例えば、擬エフェドリン塩酸塩)が、擬エフェドリンスルフェートの代わりに使用される場合、同様な結果が期待される。
【0140】
本発明の組成物は、皮膚(例えば、じんま疹)ならびに上気道通路および下気道通路のアレルギー性および/または炎症性状態(鼻閉を含む季節性のアレルギー性鼻炎の鼻の症状および非鼻の症状を含む)の処置について、このような処置を必要とする患者において有用である。正確な投薬および投薬のレジメンは、患者の要件(例えば、患者の年齢、性別ならびに処置されるアレルギー性および/または炎症性状態の重症度)に基づき、本明細書中の教示を考慮して、担当の臨床医によって変化され得る。特定の患者のための適切な投薬および投薬のレジメンの決定は、担当の臨床医の技術の範囲内である。
【0141】
本発明者らは、本明細書中上記において、実施例によって本発明の多くの好ましい実施態様を示したが、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定されるべきであることは明らかである。
【0142】
コア中に鼻うっ血除去薬、擬エフェドリンまたはその塩(例えば、擬エフェドリンスルフェート)を含み、約7.60時間〜約8.40時間の時間で、約345ng/mL〜約365ng/mLの幾何最大血漿濃度の擬エフェドリンを提供するに有効であり、そしてコア上に2または3個のフィルムコーティングを有するフィルムコートされた長期放出固体経口投薬組成物であって、第2フィルムコーティングが、約4.0時間〜約4.5時間の時間で、約2.10ng/mL〜約2.45ng/mLの幾何最大血漿濃度のデスロラタジンを提供するに有効な量の非鎮静抗ヒスタミン、デスロラタジンを含む、組成物、ならびに皮膚および気道通路のアレルギー性および/または炎症性状態と関連した兆候および症状を示す患者の処置のための組成物の使用が開示される。
(実施例1の長期放出錠剤からのデスカルブエトキシロラタジンおよび擬エフェドリンスルフェート(”PES”)のインビトロ溶解プロフィール)
溶解した%
時間(時間) デスカルブエトキシロラタジンa PESb
1 97 25
2 −− 37
4 −− 53
6 −− 64
8 −− 74
10 −− 82
12 −− 88
16 −− 96
a媒体:1000ml 0.1N HCL,37℃;USP Paddle,100rp
m;平均12個の錠剤
b媒体:1000ml 純水,37℃;USP Paddle,100rpm;平均12
個の錠剤。
【0143】
(発明の効果)
本発明により、擬エフェドリン成分に対する放出速度プロフィールが、有効な1日1回用量のデスロラタジンの送達を維持しながら、12時間および好ましくは少なくとも16時間を超過する長期に渡ることが達成される。
【0144】
さらに、本発明により、患者のコンプライアンスの増加のために、長期放出デスロラタジン−擬エフェドリン製品が、1日1回の規準で、感冒、および季節性の、アレルギー性鼻炎および鼻うっ血のような皮膚、または上および下気道通路のアレルギー性および炎症状態に関係する徴候および症状の処置、管理および/または鎮静のために使用される場合に、効果的かつ安全であるようにすることが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。

【公開番号】特開2012−224642(P2012−224642A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−181028(P2012−181028)
【出願日】平成24年8月17日(2012.8.17)
【分割の表示】特願2007−324054(P2007−324054)の分割
【原出願日】平成12年12月20日(2000.12.20)
【出願人】(596129215)メルク・シャープ・アンド・ドーム・コーポレーション (785)
【氏名又は名称原語表記】Merck Sharp & Dohme Corp.
【住所又は居所原語表記】One Merck Drive,Whitehouse Station,New Jersey 08889,U.S.A.
【Fターム(参考)】