説明

実装装置における冷却構造及び冷却方法

【課題】レンズ、ハーフミラー、プリズムといった光学系部材の熱膨張を防ぐことができるとともに、被接合物周囲の空気層のゆらぎを解消し、同時に、全体の厚さを薄くして小型化に貢献することができる実装装置における冷却構造及び冷却方法を提供する。
【解決手段】光学系機器10の筐体11内に形成された収納空間11Aに、光学系機器10の光路13と、冷却用エアーが供給されるエアー流路20とを共に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電子部品、半導体、組立部品等の一方側の被接合物を、基板等の他方側の被接合物に接合する際に用いられる実装装置における冷却構造及び冷却方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような実装装置として、対向する被接合物間に2視野光学系を進退可能に挿入し、両被接合物に付されたアライメントマーク(両被接合物の位置を認識するための位置合わせ用マーク)を読取り、読取り情報に基づいて両被接合物の相対位置を所定の精度範囲内に収まるよう位置合わせし、位置合わせされた被接合物同士を接合する実装装置が知られている。
このような実装装置として、2視野光学系の構成を、対向する被接合物間に進退される光学系ベース板に2個の90度プリズムを背中合わせに固定すると共に、両被接合物側からの各光軸が90度プリズムによって90度方向変換された後の光路に位置合わせ用マーク情報を認識するマーク認識手段を設け、薄型化を図ったものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかしながら、特許文献1に示される実装装置では、光学系ベース板を被接合物上方に進出した際、接合に伴う熱の影響により光学系の筐体自体が加熱されて、レンズ、ハーフミラー、プリズム等の光学系部材に熱膨張が生じて光軸にずれが生じ、被接合物の実装精度が悪化するという問題がある。また、前述した熱の影響により、被接合物周囲の空気層がゆらぐという現象が生じて、画像認識の精度を著しく劣化させるという問題もある。
【0004】
このような問題を解決するために特許文献2及び3に示される技術が提供されている。
特許文献2に示される画像収集装置は、レンズ先端周辺部位置に、光路空間を取り囲むような多数個のエアー噴出穴を配置し、エアー噴出穴より噴出する空気により輻射熱を光路空間に蓄積するエアーカーテンを構成したものである。このようなエアーカーテンにより、レンズと被接合物との間に輻射熱と常温の空間温度差により生じる陽炎を防止し、高温ステージ上の被接合物の高精度認識を可能とする。
特許文献3に示されるワイヤボンディング装置は、ワイヤが挿通されるキャピラリツールを先端に保持するホーンに向けてエアーを吹出する第1のエアー吹出部と、画像取込部による画像取込みの光路にエアーを吹出する第2のエアー吹出部とが、ブロックで一体的に連結されたものである。このようなエアーの吹出しにより、ホーンの熱膨張を抑え、高いボンディング精度を確保する。
【特許文献1】特開2004−22949号公報
【特許文献2】特開2005−98775号公報
【特許文献3】特開平10‐4118号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記特許文献2及び3に示される技術は、基本的に、画像取込みの光路空間に向けて上方からエアーを吹き付けることにより、被接合物周囲の空気層がゆらぐという現象を解消するためのものであり、一部、周辺にある光学系機器への冷却に寄与するとしても、その効果は十分ではなかった。
また、上記特許文献2及び3に示されるような、画像取込みの光路空間に向けて上方からエアーを吹き付ける構成要素は、機器の上部位置に別体で設けられるものであるので、装置が大型化するという問題もあった。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、レンズ、ハーフミラー、プリズムといった光学系部材の熱膨張を防ぐことができるとともに、被接合物周囲の空気層のゆらぎを解消し、同時に、全体の厚さを薄くして小型化に貢献することができる実装装置における冷却構造及び冷却方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。すなわち、本発明は、対向する被接合物間に光学系機器を挿入して、該光学系機器によって、両被接合物に付された位置合わせ用マークをそれぞれ読取り、該位置合わせ用マークの読取データに基づいて両被接合物の相対位置を補正して、被接合物同士を接合する実装装置における冷却構造であって、前記光学系機器が収納される筐体内の収納空間内には、前記光学系機器の光路と、該光路に沿うように冷却用エアーが供給されるエアー流路とが共に配置されることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、光学系機器が収納される筐体内の収納空間内に、該光学系機器の光路と、該光路に沿うように冷却用エアーが供給されるエアー流路とが共に配置される構成であるので、該エアー流路に供給される冷却用エアーによって、光学系機器で発生する熱を吸収して、該光学系機器全体の温度上昇を防止することができる。そして、このような光学系機器全体の温度上昇の防止によって、レンズ、ハーフミラー、プリズムといった光学系部材の熱膨張防止とともに、被接合物周囲の空気層のゆらぎも同時に解消することができ、両被接合物の位置合わせ用マーク読取りを正確に行うことが可能となる。さらに、光路とエアー流路とが平面状に配置されるので、筐体の薄型化を図ることにより装置構成全体の薄型化を図ることができる。
【0009】
また、本発明の実装装置における冷却構造では、前記エアー流路は、前記光学系機器の光路の光軸と平行な平行軸を基準にして蛇行状に配置されていることを特徴とする。
また、本発明の実装装置における冷却構造では、前記エアー流路は、前記光路の光軸を含む仮想水平面内にて蛇行状に配置されていることを特徴とする。
また、本発明の実装装置における冷却構造では、前記エアー流路は、前記光学系機器の光路を挟んだ両側位置に2つ設けられることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の実装装置における冷却構造では、前記光学系機器による被接合物の位置合わせ用マークの読取り位置側に、前記エアー流路のエアー導入口が設けられることを特徴とする。
また、本発明の実装装置における冷却構造では、前記筐体は、低膨張材で構成されていることを特徴とする。
また、本発明の実装装置における冷却構造では、前記筐体の外面には、熱反射率の高い塗料が塗布されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、対向する被接合物間に光学系機器を挿入して、該光学系機器によって、両被接合物の位置合わせ用マークをそれぞれ読取り、該位置合わせ用マークの読取データに基づいて両被接合物の相対位置を補正して、被接合物同士を接合する実装装置における冷却方法であって、前記光学系機器を収納する筐体の収納空間内に、前記光学系機器の光路に沿うように配置されたエアー流路に冷却用エアーを供給することにより、前記収納空間を冷却することを特徴とする。
【0012】
この方法によれば、光学系機器を収納する筐体の収納空間内に、該光学系機器の光路に沿うように冷却用エアーを供給するエアー流路を配置することにより、該筺体の収納空間を冷却するようにしたので、該冷却用エアーによって、光学系機器で発生する熱を吸収して、該光学系機器全体の温度上昇を防止することができる。そして、このような光学系機器全体の温度上昇の防止によって、レンズ、ハーフミラー、プリズムといった光学系部材の熱膨張防止とともに、被接合物周囲の空気層のゆらぎも同時に解消することができ、両被接合物の位置合わせ用マーク読取りを正確に行うことが可能となる。さらに、光路とエアー流路とが平面状に配置されるので、筐体の薄型化を図ることにより装置構成全体の薄型化を図ることができる。
【0013】
また、本発明の実装装置における冷却方法では、前記エアー流路は、全体として、前記光学系機器の光路の光軸と平行な平行軸に沿うように配置することを特徴とする。
また、本発明の実装装置における冷却方法では、前記エアー流路は、前記光学系機器の光路の光軸を含む仮想水平面内に配置することを特徴とする。
また、本発明の実装装置における冷却方法では、前記エアー流路には、前側に位置する前記光学系機器による被接合物の位置合わせ用マークの読取り位置から、後方に位置する前記光学系機器の画像認識手段側に向けて冷却用エアーを供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実装装置における冷却構造及び冷却方法によれば、エアー流路に供給される冷却用エアーによって、光学系機器で発生する熱を吸収して、該光学系機器全体の温度上昇を防止することができる。そして、このような光学系機器全体の温度上昇の防止によって、レンズ、ハーフミラー、プリズムといった光学系部材の熱膨張防止とともに、被接合物周囲の空気層のゆらぎも同時に解消することができ、両被接合物の位置合わせ用マーク読取りを正確に行うことが可能となる。さらに、光路とエアー流路とが平面状に配置されるので、筐体の薄型化を図ることにより装置構成全体の薄型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。
図1及び図2は、本発明に係る実装装置100を模式的に示す斜視図であって、符号1は、実装装置100の構成の一部である接合装置1である。この接合装置1は、基板A(被接合物)を吸着により固定支持する下部ステージ2と、チップB(被接合物)を吸着により固定支持する上部ステージ3と、これら下部ステージ2及び上部ステージ3を移動させる保持手段(図示せず)と、下部ステージ2上の基板Aに上部ステージ3上のチップBを接合処理する接合手段(図示せず)とを有する。そして、この接合装置1では、保持手段によって、下部ステージ2及び上部ステージ3が、X−Y軸方向への移動及び/または回転可能とされるとともに、Z軸方向への昇降も可能となっている。なお、下部ステージ2及び上部ステージ3の動作は、実施の態様に応じて適宜選択される。
【0016】
前記チップBには基板Aとの相対位置合わせ用のアライメントマークb(位置合わせ用マーク)が付されており、基板AにはチップBとの相対位置合わせ用のアライメントマークaが付されている。
なお、上記においてチップBとは、例えば、ICチップ、半導体チップ、TCP、FCP、COF、光素子、表面実装部品、ウエハーなど、種類や大きさに関係なく、基板Aと接合される側の全てのものをいう。また、基板Aとは、例えば、樹脂基板、ガラス基板、フィルム基板、チップ、ウエハーなど、種類や大きさに関係なく、チップBと接合される側の全てのものをいう。
【0017】
対向する基板AとチップBとの間には、2視野の光学系機器10が進退可能に挿入されている。この光学系機器10は、基板A及びチップBに付されたアライメントマークa・bを読取り、これらアライメントマークa・bの読取データに基づいて前記保持手段に対してこれら基板A及びチップBの相対位置を補正するための補正信号を供給するためのものである。
【0018】
この光学系機器10は、具体的には、図3に示すように、コバール、インバー、ノビナイトなどの低膨張材で形成されて内部に収納空間11Aを有する筐体11と、該筐体11の端部に設けられた画像認識手段としてのCCDカメラ12と、該CCDカメラ12に至る光路13内の光軸M1に沿うように配置された一対のレンズ14A・14Bと、レンズ14A・14B間に配置されたハーフミラー15と、光路13の末端に配置されたミラー16及び2個の90度プリズム17と、光路13に対して照明を付与する同軸落射照明18とを有している。これら構成要素の中で、ハーフミラー15は、同軸落射照明18から照射された照明を光路13に導くためのものである。また、2個の90度プリズム17は、接着剤によって背面同士が互いに接合されており、一方の90度プリズム17が、一方側の光路13を介してチップB側のアライメントマークbの読取り用に、他方の90度プリズム17が、他方側の光路13を介して基板A側のアライメントマークaの読取り用に、それぞれ利用される。そして、これら光路13を経由して2つの各CCDカメラ12にて、チップB側のアライメントマークb及び基板A側のアライメントマークaの画像認識がそれぞれ行われる。
【0019】
なお、本実施様態では、CCDカメラ12は、筐体11の端部に螺子(図示せず)で止められており、下部ステージ2及び上部ステージ3ともに干渉しないように配置されている。また、光学系機器10には、水平方向(X−Y方向)及び垂直方向(Z方向)に駆動するためにサーボモータ(図示せず)が設けられている。そして、このような光学系機器10では、初期段階において、レンズ14A・14Bの焦点が合うように初期位置調整をした後、水平方向に移動させることで、基板Aが吸着された下部ステージ2と、チップBが吸着された上部ステージ3との間に位置させ、この状態で、チップBのアライメントマークbを認識し、次に基板Aのアライメントマークaを認識する。その後、チップB及び基板Aの位置の差分を計算し、その差分に基づき、下部ステージ2及び上部ステージ3の位置合わせを行った後、基板Aに対するチップBの接合を実行する。
【0020】
次に、本発明に係わる光学系機器10の冷却方法、及び該冷却方法が適用された冷却構造101について図3を参照して説明する。
この光学系機器10の冷却方法は、光学系機器10を収納する筐体11の収納空間11A内に、該光学系機器10の光路13に沿うように冷却用エアーを供給するエアー流路20を配置することにより、該筺体11の収納空間11Aを冷却する、というものである。そして、この冷却方法が採用されたものが、図3に符号101で示される冷却構造であり、具体的には、光学系機器10の筐体11内に形成された収納空間11Aに、光学系機器10の光路13と、冷却用エアーが供給される2つのエアー流路20とを共に配置する構成となっている。
【0021】
エアー流路20は、光学系機器10の光路13を挟んだ両側位置に2つ設けられている。各エアー流路は20、全体として光路13の光軸M1と平行な位置関係にある平行軸M2を基準にして配置され、かつ該平行軸M2を含む仮想水平面内に配置される。また、各エアー流路20は、それぞれ平行軸M2を基準にして蛇行状に配置する、換言すれば、符号20Aで示す如く、凹凸となるように部分、部分が折れ曲がるように設けられており、さらに、光学系機器10による被接合物側のアライメントマークa・bの読取り位置側(+X方向側)にエアー導入口21が配置され、また、反対側のCCDカメラ12側(−X方向側)にエアー排出口22が配置されている。そして、このようなエアー流路20に供給される冷却用エアーとの熱交換によって、光学系機器10内で発生する熱、及び接合装置1で発生した熱を吸収して、該光学系機器10全体の温度上昇を防止する。
【0022】
以上説明した本実施形態に示される実装装置100の冷却構造101では、光学系機器10を収納する筐体11内の収納空間11A内に、該光学系機器10の光路13と、該光路13に沿うように冷却用エアーが供給されるエアー流路20とが共に配置される構成であるので、該エアー流路20に供給される冷却用エアーによって、光学系機器10で発生する熱、及び接合装置1で発生した熱を吸収して、該光学系機器10全体の温度上昇を防止することができる。
そして、このような光学系機器10全体の温度上昇を防止することによって、レンズ、ハーフミラー、プリズムといった光学系部材の熱膨張防止とともに、被接合物周囲の空気層のゆらぎも同時に解消することができ、両被接合物の位置合わせ用マーク読取りを正確に行うことが可能となる。
さらに、光路13とエアー流路20とが平面状に配置されるので、筐体11の薄型化を図ることにより装置構成全体の薄型化を図ることができる。
【0023】
また、前記エアー流路20が、凹凸を形成するように蛇行状に折れ曲がって配置されることで、該エアー流路20内の冷却用空気との熱交換を高い効率で行うことができ、その結果、光学系機器10全体の温度上昇を効率良く抑えて、前述した光学系機器10の熱膨張、被接合物周囲の空気層のゆらぎを確実に防止することができる。
【0024】
また、上記実装装置100の冷却構造101では、仮想水平面内にて凹凸を形成するように蛇行状に折れ曲がってエアー流路20が配置されることによって、上下方向に厚くならず装置全体のコンパクト化をさらに図ることができる。なお、凹凸を形成するように蛇行状に折れ曲がるように配置されたエアー流路20は、全体が、光軸M1と平行に配置された平行軸M2に沿うように配置されていれば、必ずしも仮想水平面内に位置する必要はなく、傾斜面内に配置されていても良い。
【0025】
また、上記実装装置100の冷却構造101では、光学系機器10の光軸M1を挟んだ両側位置に前記エアー流路20を2つ設けることにより、光学系機器10で発生する熱を効率良くかつバランス良く吸収して、該光学系機器10全体の温度上昇を確実に防止することができる。
【0026】
また、上記実装装置100の冷却構造101では、エアー流路20のエアー導入口を、光学系機器10によるアライメントマークa・bの読取り位置側(+X方向側)に設けることによって、十分に冷えた状態にある冷却用エアーを、該アライメントマークa・bの読取り位置付近に最初に供給して、特に、温度上昇の激しい、アライメントマークa・bの読取り位置での温度上昇、及び該温度上昇により生じる空気層のゆらぎを確実に抑えることができる。
なお、上記実装装置100では、光学系機器10による被接合物側のアライメントマークa・bの読取り位置側(+X方向側)にエアー導入口21を配置し、また、反対側のCCDカメラ12側にエアー排出口22を配置したが、これに限定されず、これらエアー導入口21及びエアー排出口22の位置を逆にしても良く、また、2系統の各エアー流路20について、筐体11内の流路13全体の温度平均化を図るために、エアー導入口21及びエアー排出口22の位置を逆にしても良い。
【0027】
また、上記実装装置100は以下のように変形しても良い。すなわち、同軸落射照明18から同軸落射光を付与する場合に、光路13内にハーフミラー15を設けた場合には、画像解像度が低下し、ハレーション(写真で強い光が当たった部分の周りが白くぼやける現象)を起こすなどの問題が懸念される。これを解決するために、ハーフミラーを通過した同軸落射光の反射を防ぐために、該ハーフミラー15の反射面に黒めっきを施すと良い。また、図4に符号25で示すように、反射面を三角形の形状にすることによって、反射光によるハレーションが防ぐことが可能となる。
【0028】
また、効率良く熱膨張を防ぐために、エアー流路20に供給する冷却用エアーのエアーブロースピードを可能な限り高めると良い。また、筐体11を低膨張材で構成することにより熱膨張を有効に抑える他、光学系機器10の筐体11の外面を熱反射率の高い塗料を塗布することで、高温に達した被接合物(基板A、チップB)及び接合装置1から発せられる輻射熱を反射させ、筐体11内の温度上昇を防止するようにしても良い。また、これに限定されず、筐体11の外面を極めて表面粗さの小さい鏡面に仕上げる、又は別資材として輻射熱を反射させる反射板カバーを別途、該筐体11の外面に設置する形態も考えられる。
【0029】
また、被接合物の種類によっては、図5に符号30で示す斜方照明を利用した実施形態も考えられる。この斜方照明30は、90度プリズム17に設置されるものであって、このような斜方照明30に設置よって、同軸落射照明18及びハーフミラー15が不要となって、光学系機器10の幅寸法を小さくして小型化することが可能となる。
また、光学系機器10への熱的影響の度合を検知するために、この光学系機器10に対して、熱電対(図示せず)を設けると良い。そして、この熱電対による検知温度に対応する補正量を接合装置1にフィードバックすることにより、実装時の温度が変化した場合に、該温度変化に基づき、下部ステージ2及び上部ステージ3の位置を補正し、これによって高精度な位置決めを行うことが可能となる。すなわち、温度変化とは無関係に高精度の実装を実現することが可能になる。
【0030】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態に係る実装装置100を示す斜視図である。
【図2】図1の実装装置100が作動した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る実装装置100の冷却構造101を示す平面図である。
【図4】図3の第一の変形例を示す平面図である。
【図5】図3の第二の変形例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 接合装置
10 光学系機器
11 筐体
11A 収納空間
12 CCDカメラ(画像認識手段)
13 光路
20 エアー流路
100 実装装置
101 冷却構造
A 基板(被接合物)
B チップ(被接合物)
M1 光軸
M2 平行軸
a アライメントマーク(位置合わせ用マーク)
b アライメントマーク(位置合わせ用マーク)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する被接合物間に光学系機器を挿入して、該光学系機器によって、両被接合物に付された位置合わせ用マークをそれぞれ読取り、該位置合わせ用マークの読取データに基づいて両被接合物の相対位置を補正して、被接合物同士を接合する実装装置における冷却構造であって、
前記光学系機器が収納される筐体内の収納空間内には、前記光学系機器の光路と、該光路に沿うように冷却用エアーが供給されるエアー流路とが共に配置されることを特徴とする実装装置における冷却構造。
【請求項2】
前記エアー流路は、前記光学系機器の光路の光軸と平行な平行軸を基準にして蛇行状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の実装装置における冷却構造。
【請求項3】
前記エアー流路は、前記光路の光軸を含む仮想水平面内にて蛇行状に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の実装装置における冷却構造。
【請求項4】
前記エアー流路は、前記光学系機器の光路を挟んだ両側位置に2つ設けられることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の実装装置における冷却構造。
【請求項5】
前記光学系機器による被接合物の位置合わせ用マークの読取り位置側に、前記エアー流路のエアー導入口が設けられることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載の実装装置における冷却構造。
【請求項6】
前記筐体は、低膨張材で構成されていることを特徴とする請求項1から5のうちずれか一項に記載の実装装置における冷却構造。
【請求項7】
前記筐体の外面には、熱反射率の高い塗料が塗布されていることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか一項に記載の実装装置における冷却構造。
【請求項8】
対向する被接合物間に光学系機器を挿入して、該光学系機器によって、両被接合物の位置合わせ用マークをそれぞれ読取り、該位置合わせ用マークの読取データに基づいて両被接合物の相対位置を補正して、被接合物同士を接合する実装装置における冷却方法であって、
前記光学系機器を収納する筐体の収納空間内に、前記光学系機器の光路に沿うように配置されたエアー流路に冷却用エアーを供給することにより、前記収納空間を冷却することを特徴とする実装装置における冷却方法。
【請求項9】
前記エアー流路は、全体として、前記光学系機器の光路の光軸と平行な平行軸に沿うように配置することを特徴とする請求項8に記載の実装装置における冷却方法。
【請求項10】
前記エアー流路は、前記光学系機器の光路の光軸を含む仮想水平面内に配置することを特徴とする請求項8又は9に記載の実装装置における冷却方法。
【請求項11】
前記エアー流路には、前側に位置する前記光学系機器による被接合物の位置合わせ用マークの読取り位置から、後方に位置する前記光学系機器の画像認識手段側に向けて冷却用エアーを供給することを特徴とする請求項8から10のうちいずれか一項に記載の実装装置における冷却方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−80662(P2010−80662A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−247044(P2008−247044)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】