説明

容器の製造方法

製品を製造する方法は、パリソンを押し出す工程と、部分的に膨張したパリソンをカットすることによって、あるいは、長手方向に薄い部分を引っ張ることによって、パリソンを半分に分割する工程と、対応する分割金型に対して分割パリソンを成形する工程と、を有する。また、製品を製造する方法は、分割パリソンおよび/または分割金型にフィルムを貼る工程と、多層製品の各半分を製造するために、分割金型に対してフィルと分割パリソンを成形する工程と、を有する。前記方法を行う装置についても、開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック容器の製造方法、より詳細には、プラスチック製品の成形工程に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ブロー成形は、さまざまなプラスチック製品、特に燃料タンクや容器等の中空容器を製造する方法としてよく知られている。通常、多層燃料タンクをブロー成形する一般的な工程では、スプレッダピンやブローピンを囲んで、多層のチューブ状パリソンを開いた金型に押し出すことが行われる。スプレッダピンは、分割金型に向かって半径方向にホットパリソンを広げるために、動作する。分割金型は、伸張したパリソンを囲むように閉じる。そして、ブローピンによって、圧力ガスがパリソン内部に注入され、分割金型の内面に合わせてパリソンが変形される。また、キャリアや、燃料計、ガス抜き装置、燃料ポンプ、燃料フィルタなどのさまざまな燃料システム部品は、ブローピンによって運ばれて、所定の場所で成形される。しかしながら、金型を閉じて、分割金型にパリソンを押し付けて成形する際、構成部品が、成形される燃料タンクの内面に付着する。このため、ブロー成形中、燃料タンク内に構成部品を配置することは難しい。
【0003】
また、燃料タンクは、構造層、バリア層、接着剤層などを有する多層のパリソンを押し出して、ブロー成形することにより、しばしば製造される。しかしながら、その押し出しは、一般的に専用の押出装置を必要とする。専用の押出装置は、固定サイズ、固定構造のパリソン層の固定量を生成する。したがって、可変的な量、サイズ、層の構成を有する燃料タンクを製造するにあたって、柔軟性が制限される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る製品を製造する方法における好ましい1つの実施形態によれば、パリソンを押し出す工程と、一対の分割金型を備えた金型に前記パリソンを位置付ける工程と、前記パリソンの密閉内部を画定するために、前記パリソンの上部および下部をつぶす工程と、前記分割金型の間のギャップを保持するために、不完全に前記金型を閉じる工程と、前記パリソンを膨張させるために、前記パリソンの密閉内部に圧力ガスを挿入する工程と、製品を最初に成形するために、不完全に閉じた前記金型の分割金型に対して膨張した前記パリソンを成形する工程と、前記最初に成形される製品を前記分割金型の間のギャップに沿って半分に切断する工程と、を有する。
【0005】
本発明に係る別の実施形態によれば、製品を製造する方法は、長手方向に一対の薄い部分をパリソンに設けるために、パリソンを押し出す工程と、対向する一対のグリッパを用いて、前記パリソンに設けられた一対の薄い部分の対向する端部で前記パリソンを把持する工程と、前記パリソンを分割するために、前記一対のグリッパを収縮する工程と、を有する。
【0006】
また、本発明に係る別の実施形態によれば、製品を製造する方法は、パリソンを押し出す工程と、前記パリソンを半分に分割する工程と、分割された一対の分割パリソンを金型の一対の分割金型の間に位置付ける工程と、前記一対の分割パリソンまたは前記一対の分割金型の少なくとも一方にフィルムを貼り付ける工程と、多層製品の半分を前記一対の分割金型でそれぞれ製造するために、前記一対の分割金型に前記フィルムおよび前記一対の分割パリソンをそれぞれ成形する工程と、を有する。
【0007】
さらに、本発明に係る別の実施形態によれば、製品を製造する装置は、パリソンを押し出す押出機と、一対の分割金型を有する金型と、前記パリソンの密閉内部を画定するために、前記パリソンの上部および下部をつぶす1組のペンチと、前記パリソンを前記金型に配置する一対のグリッパと、前記一対の分割金型の間のギャップに沿って、前記膨張したパリソンを半分に切断するカッターと、を備え、前記一対の分割金型の間のギャップを保持するために、前記金型が不完全に閉じられ、そして、前記パリソンを膨張させるために、圧力ガスが、前記パリソンの密閉内部に挿入される。
【0008】
また、本発明に係るさらに別の実施形態によれば、製品を製造する装置は、長手方向に一対の薄い部分をパリソンに設けるために、パリソンを押し出す押出機と、前記パリソンに設けられた一対の薄い部分の対向する端部で前記パリソンを把持するために伸び、かつ、前記パリソンを分割するために収縮する、対向する一対のグリッパと、を備えている。
【0009】
本発明の好ましい実施例については、明細書に添付した図面に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係るブロー成形装置の長手方向の断面図である。
【図2】図1中の2−2線に沿った断面図であり、破線で膨張していないパリソンを示し、実線で部分的に膨張しているパリソン示す。
【図3】図1に示されたブロー成形装置の部分拡大図であり、閉じたパリソンの上部および下部を挟んで把持している一対のグリッパを示す。
【図4】図1に示されたブロー成形装置の断面図であり、完全に膨張したパリソンと、ブローニードルと、パリソンを二等分に切るために用いられるカッターと、を示し、そして、図4Aは、図4に示されたブロー成形装置の部分拡大図である。
【図5】図1に示されたブロー成形装置の断面図であり、開いた分割金型の間に位置付けられる燃料システム部品とキャリアとを示す。
【図6】図5に示されたブロー成形装置の横断面図であり、前記燃料システム部品と前記キャリアとを一緒に囲んで閉じた分割金型を示し、そして、図6Aは、図1に示されたブロー成形装置の長手方向の断面図であり、金型を開いて成形される製品のバリを除去するために、分離された分割金型を示す。
【図7】本発明の別の実施形態に係るブロー成形装置の上面図であり、押し出されたパリソンと、そのパリソンを保持するグリッパと、を示す。
【図8】図7に示されたブロー成形装置の部分拡大図である。
【図9】図7に示されたブロー成形装置の上面図であり、グリッパによって、半分に分割されて、対応する分割金型の方にそれぞれ引っ張られるパリソンを示す。
【図10】図9に示されたブロー成形装置の断面図であり、分割金型に接して成形される分割パリソンを示す。
【図11】図10に示されたブロー成形装置の断面図であり、分割パリソンを溶融するために、互いに閉じた分割金型を示す。
【図12】本発明のさらに別の実施形態に係るブロー成形装置の上面図であり、押し出されたパリソンの分離された分割パリソンと、分割金型間にフィルム材を位置付けるために追加された一対のグリッパと、を示す。
【図13】図12に示されたブロー成形装置の断面図であり、分割金型に接して成形される分割パリソンと、分割パリソンの内側に接して成形される対応するフィルムと、を示す。
【図14】図13に示されたブロー成形装置の断面図であり、フィルムと分割パリソンとを一緒に溶融するために、互いに閉じた分割金型を示す。
【図15】図13に示されたブロー成形装置の別の構成の断面図であり、分割パリソンの外側と分割金型とに接して成形されるフィルムを示す。
【図16】図15に示されたブロー成形装置の断面図であり、分割パリソンとフィルムとを一緒に溶融するために、互いに閉じた分割金型を示す。
【図17】図13に示されたブロー成形装置のさらに別の構成の断面図であり、分割パリソンの内側に接して成形される外側フィルムと、分割パリソンの外側に接して成形される内側フィルムとを示す。
【図18】図17に示されたブロー成形装置の断面図であり、分割パリソンとフィルムとを一緒に溶融するために、互いに閉じた分割金型を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面について具体的に説明すると、図1には、代表的なブロー成形装置20が示されている。ブロー成形装置20は、単層または多層プラスチック製品などを製造するために用いられる。具体的には、本発明の方法で、1つ以上の構成部品を製品の製造中に挿入することが可能なプラスチック燃料タンクなどを製造するために、ブロー成形装置20が使用される。以下に説明する装置は、単に1つの代表的な装置の概要を説明しているだけであり、ここで示されていない他の装置においても、本発明で開示された方法を用いることは可能である。
【0012】
通常、ブロー成形装置20は、パリソン24を作る押出機20と、パリソン24を燃料タンク(図示せず)などの製品に成形するブロー成形用および/または深絞りブロー成形用の金型26と、を有する。金型26は、一般的に、互いに対向する一対の分割金型26a、26bを有する。ここで用いられているように、その分割金型は、単一の構成部品、または、複数の構成部品を備えたアセンブリ、を有してもよい。つまり、一対の分割金型26a、26bは、成形面を構成する複数の金型部品を有することができる。押出機22は、金型26の上に直接配置されている。必要に応じて、金型26から離れて横に間隔をおいて押出機22を配置してもよい。また、ロボット(図示せず)を押出機22や金型26の近くに配置することも可能である。そのロボットは、上部グリッパ28aおよび/または下部グリッパ28bを有する。上部グリッパ28aおよび下部グリッパ28bによって、パリソン24が把持されて、押出機22から金型26まで運ばれる。上部グリッパ28aおよび下部グリッパ28bは、真空のグリッパでもよい。ブロー成形装置20は、さらに、圧力ガスをパリソン24に注入するブローピン30と、パリソン24を外側に向かって放射状に伸ばすスプレッダ32と、を有する。一般的に、押出機、成形機、延伸機、グリッパ、スプレッダ、ブローピンは、当業者において公知の構造と機能を有する装置であり、本明細書においては詳細な説明は省略する。本発明に係る方法の1つの実施形態は、ブロー成形装置20を含む適切な装置を用いて実行される。
【0013】
パリソンは、押出装置または共押出装置によって公知の方法で作られ、グリッパによって金型まで運ばれる。具体的には、押出機22は、パリソン24を押し出し、上部グリッパ28aおよび下部グリッパ28bでそのパリソン24を金型26まで運ぶ。パリソン24は、高密度ポリエチレン(HDPE)やポリエステルなどの熱可塑性物質で構成されている。パリソン24を合成熱硬化性プラスチックであるデュロプラスト(duroplast)で構成してもよい。また、パリソン24は、成形される燃料タンクを介して燃料蒸気の拡散に対して、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)やポリアミドなどの1つ以上のバリア層で構成されている。なお、バリア層がなくてもよい。ここで用いられている「パリソン」は、押出装置または共押出装置から押出される可塑性物質で構成された少なくとも1層を有する柔らかく、熱い、成形加工物(molding workpiece)を含む。また、ここで用いられている「押出加工」は、単層パリソンの押し出し、または、多層パリソンの共押し出しを含む。
【0014】
押し出されたパリソン24は、金型26に挿入されて、位置付けられる。そして、スプレッダ(spreader)32によって、パリソン24の縦軸において、パリソン24を伸ばしたり、広げたりする。スプレッダ32は、図2に示すように、パリソン24の内部に挿入されている。パリソン24が、金型26の内側に配置された後、スプレッダ32は、下からパリソン24に挿入される。そのスプレッダ32は、固定された中心部と、横に移動可能な2つ以上の拡散指(spreading fingers)と、を有する。2つの拡散指は、別々に動くことができ、その動きは、パリソン24を細長い楕円形状に広げることができる。固定された中心部は、パリソン24の向かい合う壁部の中心領域が、互いに接して一緒に溶融しないように、用いられる。固定された中心部には、ブローピン30が設けられている。拡散指は、必要に応じて成形の間、パリソン24内に残しておいてもよい。拡散指に隣接する材料は、成形されたタンクから分離され、必要に応じて、リサイクルされる。
【0015】
パリソン24の上部および下部は、ペンチでその上下部を圧迫するか、または、ペンチでその上下部を挟んで締め付けて、つぶされる。本実施形態では、そのペンチが、図3に示すように、上部グリッパ28aおよび下部グリッパ28bである。別の実施形態では、ペンチが、別の一対のグリッパ、一対のアーム、一対の刃、または、他の適切な装置を有し、それらが、パリソン部分を圧迫したり、挟んで締め付けたりする。パリソン24の上下部をつぶすことにより、パリソン24の密閉内部を画定することができる。
【0016】
また、図2に示すように、パリソン24は、スプレッダ32の中心部に設けられたブローピン30を通して圧力ガスをパリソンの密封内部に注入することにより、部分的に膨らむ。パリソン24は、その最終的な容積のごく一部まで膨らむ。例えば、ブローピンによって、最終的な容積の約20〜40%までパリソン24を膨らませることが可能である。パリソン24を部分的に膨らますために、さまざまな適切な正圧を用いることができる。例えば、ある実施形態では、約0〜3バール(0〜43psi)の圧力、または、2〜3バールの圧力で、パリソンを膨らませる。
【0017】
図2および図3に示すように、金型26が完全に閉じる前に、約20〜70mmのギャップ34を分割金型26a、26bに保持するため、金型26を完全に閉じるのではなく、不完全に閉じる、あるいは、金型26が閉じる位置に向かって移動する。金型26は、パリソン24の部分的な膨張前、膨張後、または、膨張中に、閉じてもよく、適切な方法で閉じられる。例えば、スペーサブロック(図示せず)は、分割金型26a、26bの対向する部分の間、成形機械の取り付け盤(図示せず)の間、成形支持部の間、または、分割金型26a、26bと前記取り付け盤との間に設けられる取り付け具(図示せず)の間などに、配置することができる。そのような配置は、ギャップ34を画定するために、肯定的なハードストップ(hard stop)を提供する。別の適切な配置もギャップ34を定義するために用いられてもよく、例えば、ハードストップを金型機械の閉鎖装置(図示せず)に組み込んだり、「ソフトストップ(soft stops)」を成形機械の制御装置などにプログラム化したりすることができる。
【0018】
また、図2を参照すると、ブロー成形装置20には、シールド33が設けられている。シールド33は、金型26の外側に設けられている。金型26が不完全に閉じているとき、シールド33は、パリソン24の部分的な膨張中にギャップ34を通るパリソン24の噴出を防ぐ。シールド33は、対向する一対のプレート(またはパネル)35a、35bを有し、分割金型26a、26bの側面に沿ってスライド自在に設けられている。対向するプレート35a、35bは、アクチュエータ35cによって、互いに前進および後退する。また、プレート35a、35bは、ギャップ34を塞ぐために、互いに接するまで、または、隣接するまで前進する。アクチュエータ35cは、油圧アクチュエータ、空気圧式アクチュエータ、または、電気機械アクチュエータであることが好ましい。図2に示すように、シールド33は、金型26の長手方向の側面に沿って位置付けられているが、同じ目的で、他のシールドを金型26の上部および/または下部に隣接する位置に設けてもよい。
【0019】
図3を参照すると、ブロー成形装置20には、さらに、パリソン24の上部および下部を切断するカッター29が、設けられている。カッター29は、例えば、刃、ナイフ、レーザー、および/または、加熱されたワイヤー、を含み、他の適切なカッターであってもよい。アクチュエータ31は、例えば、油圧アクチュエータ、空気圧式アクチュエータ、または、電気機械アクチュエータであり、そのアクチュエータ31によって、カッター29を前進させたり、後退させたりする。パリソン24の上部および下部は、適切な時間に切断される。切断は、最初に成形される製品50(図4を参照)にパリソン24を作る間、もしくは、成形後に行うことが好ましい。
【0020】
図4に示すように、部分的に膨らんだパリソン24(図2および図3を参照)は、金型26でさらに成形されてもよい。例えば、ブローピン30やブロー針30′を通じて圧力ガスをパリソン24の内部にさらに導入することによって、または、分割金型26a、26bの真空通路(図示せず)を通じてパリソン24の外部を真空にすることによって、パリソン24を成形することができる。1つの実施形態では、ブローピン30によって約3バール(43psi)の圧力でパリソン24を膨らませている。分割金型26a、26bのどちらか一方と部分的に膨らんだパリソン24の壁とを貫通し横方向に突き出ているブロー針30′によって、約1.5バール(21〜22psi)の追加の圧力で膨らんだパリソン24の内部をさらに膨張させてもよい。適した圧力としては、パリソン24が分割金型26a、26bの内面にぴったりと押し付けられ膨張する圧力が好ましい。具体的には、3〜10バール(43〜145psi)の圧力でパリソン24を膨らませるのが好ましい。最初に成形される製品50を作る際、この圧力を適切な時間で維持することが好ましい。少なくとも初めのうちは、最初に成形される製品50の過剰な冷却を避け、製品の内面が熱くかつ粘着性を有したままにするために、例えば、約15〜25秒間圧力を維持することが望ましい。1つの実施形態では、2つのブロー針30′が用いられている。
【0021】
図4に示すように、最初に成形される製品50は、分割金型26a、26bの間に設けられたギャップ34で切断することができる。例えば、膨らんだパリソン24の残り、または、最初に成形される製品50の一部が、カッター36によって切断されてもよい。具体的には、金型26のピンチライン(pinch line)の外側に突出する部分を、例えば、刃、ナイフ、レーザー、加熱されたワイヤーなどで切断してもよい。アクチュエータ37は、金型26に沿って、シールド33のプレート35a、35b間でカッター36を動かすために、用いられる。このため、カッター36が、分割金型26a、26bの間に設けられたギャップ34に入ることができるように、シールド33のプレート35a、35bは、アクチュエータ37によって後退される。別の実施形態では、カッター36が、まだ少なくとも部分的にプレート35a、35b間に突出することができる間は、プレート35a、35bが、できるだけ近くに配置されるように前進する。この後の実施形態では、密閉されたチャンバー39が、シールド33の対向する側面で画定される。また、プレート35a、35bの間を通って、吹込みがパリソン24に入ることを防止するために、密閉されたチャンバー39に圧力ガスを提供してもよい。いずれにしても、前進するプレート35a、35bにおいて、互いに対向する部分が接近することは、パリソン24がプレート間を通じて吹きつけられることを防ぐのに十分である。切断作業は、完全な膨張の前ではなく、パリソンの部分的な膨張後に行うことが好ましい。あるいは、圧力が最初に成形される製品50の成形中に保持されている間、または、保持した後に、切断作業を行うことが望ましい。すなわち、切断作業は、工程において、適した時期で実行するのが好ましい。
【0022】
図5に示すように、膨らんだパリソン24の分割された分割パリソン24a、24bが、それらに対応する分割金型26a、26bにそれぞれ保持された状態で、金型26が開いている。1つの実施形態では、分割パリソン24a、24bが、グリッパ(図示せず)によって金型26に保持される。別の実施形態では、分割パリソン24a、24bの周りに設けられたアンダーカット、溝、ピン(図示せず)により、分割パリソン24a、24bが金型26に保持される。さらに別の実施形態では、分割パリソン24a、24bに設けられた真空孔(図示せず)を通じて適用される真空により、分割パリソン24a、24bが金型26に保持される。
【0023】
一般的に、構成部品は、完成した成形物の中に位置付けるために、金型26に挿入される。例えば、1つ以上の構成部品40、42、44、46が、キャリア38に集合的に配置されて、金型26の中に導入される。そして、それら構成部品を有するキャリア38は、分割パリソン24a、24bのいずれか一方に接続される。具体的には、ロボットやグリッパ(図示せず)を用いて、1つ以上の構成部品が分割パリソン24a、24bの内面や壁に取り付けられるように、分割パリソン24a、24bのいずれか一方の内面や壁、または、分割パリソン24a、24bの両方の内面や壁に配置される。別の実施形態では、それら構成部品が、分割パリソン24a、24bの壁に取り付けられないように、大まかに配置されている。そのような構成部品は、燃料計、ガス抜き装置、燃料ポンプ、および、燃料フィルタであり、それらは、共通のキャリア38に事前に取り付けられている。同様に、支え部48(bracing element)は、燃料タンクの領域と間隔をあけて設けられており、例えば、キャリア38の1つ以上の角領域に設けることができる。また、このようなタイプの共通キャリアの例としては、2009年9月19日に出願された「燃料タンク支持部(fuel tank support)」と称する米国特許出願第12/562,266に開示されており、そこで開示されている内容は本明細書に組み込まれる。1つ以上の構成部品は、ロボットによって燃料タンクの内部に保持される。その後、ロボットは、金型26から離れるように動かされる。
【0024】
図6に示すように、まだ熱い分割パリソン24a、24bが、それらに対応する縁部または端部に沿って互いに溶融して、成形される製品150を画定するために、金型26が閉じられる。必要に応じて、その縁部や端部の溶融を高めるために、ヒーター(図示せず)を用いてもよい。
【0025】
成形される製品150の最終的な形状を作ったり、適切な冷却を行ったりするために、ブロー針30′によって、成形される製品150の内部に圧力を加えることができる。例えば、製品150は、約6〜20バール(86〜290psi)範囲内の圧力を加えることが好ましく、さらに具体的に述べると、約8〜10バール(115〜145psi)の圧力を加えることが好ましい。伸縮可能なブロー針30′により、成形される製品150の内部が膨張される。
【0026】
その後、金型26は、開いた状態になり、成形された製品150は、金型26から取り出される。同時に、バリ(不要部分)151が除去され、製品150が、終了工程の目的地まで移動される。例えば、図6Aに示すように、適切なインモールドバリ取りの配置(in-mold deflashing arrangement)によって、タンク150におけるバリが自動的に除去される。したがって、インモールドバリ取り(in-mold deflashing)と連動するカッター29、36が、さらなる除去をすることなく、完成品を提供することができる。
【0027】
図7〜11には、本発明に係る方法の別の実施形態が示されており、適切な装置を用いて実行される。具体的には、この実施形態では、本発明の方法が、1つの例となる装置220と連動して実行される。なお、この実施形態では、図1〜図6の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0028】
図7および図8に示すように、パリソン224は、押出成形機または共押出成形機によって作られ、長手方向に伸びる2つの薄い部分(weakened portions)225a、225bを有する。その2つの薄い部分225a、225bは、向かい合って配置されている。1つの実施形態では、薄い部分225a、225bが、切り込み、または、薄い壁部を有する。その切り込み、または、薄い壁部は、パリソン224の全長に沿って長手方向に伸びている。図8に示すように、薄い部分225a、225bは、パリソン224の内面、外面、または、その両方に沿って、形成されている。例えば、図1を参照すると、押出機22は、図8に示す薄い部分225aのような雌型形状に対応する雄型形状の押出部(図示せず)を備えたノズル23、を有している。別の実施形態では、雄型形状の押出部が、ノズル23の下部、例えばノズル23に搭載されるリングに設けられている。また、別の実施形態では、図示はしていないが、薄い部分が、長手方向に伸びるミシン目(perforations)で構成されてもよい。そのミシン目は、押出機のノズル23で、スポークホイール(spoked wheels)によって作り出される。さらに別の実施形態では、図示はしていないが、薄い部分が、長手方向に伸びる部分的な切断部であってもよい。その部分的な切断部は、パリソン224の壁を貫通しておらず、押出機のノズル23において、ピザカッターのような回転式のナイフによって作られる。
【0029】
多くの場合、その後、パリソン224は、図1に示すグリッパ28a、28bによって、図7に示す開いた金型26に運ばれて離される。この実施形態では、図7および図8に示すように、金型に配置されている対向する一対のグリッパ252a、252bが、薄い部分225a、225bに隣接するパリソン224を、薄い部分225a、225bの対向する側面でかみ合うように、前進する。グリッパ252a、252bは、真空グリッパであるが、適切なタイプのグリッパであればよい。パリソン224は、対向する一対のグリッパ252a、252bによって、開いた金型226に挿入されて、分割金型226a、226bの間に位置付けられる。
【0030】
対向する一対のグリッパ252a、252bは、薄い部分225a、225bに沿ってパリソン224を分離するために、互いに離れるようにパリソン224を引っ張る。具体的には、少なくとも一対の一方のグリッパ252aによって、分割された一方の分割パリソン224aが保持されると共に、少なくとも対向する一対の他方のグリッパ252bによって、他方の分割パリソン224bが保持される。適切な数およびサイズで構成されたグリッパが、用いられる。この実施形態では、グリッパは、完全なパリソン224から分割パリソン224a、224bに分割することが十分できるように、パリソン224を保持するさまざまな構成部品を含む。
【0031】
図9を参照すると、分割パリソン224a、224bが、分割金型226a、226bの内側部分に対応する分割パリソン224a、224bの外側を成形するために、分割金型226a、226bに対してそれぞれ位置付けられている。例えば、グリッパ252a、252bは、分割パリソン224a、224bをそれぞれ引っ張り続けることができると共に、分割金型226a、226bの開いている内面に分割パリソン224a、224bを位置付けるために、移動することができる。図9および10に示すように、分割パリソン224a、22bと分割金型226a、226bとの間の隙間227a、227bは、分割金型226a、226bの凹状面に接して2つの分割タンク228a、228bを成形するために、減圧または真空にされる。
【0032】
1つ以上の個々の構成部品、または、集団的にキャリア38に設けられた複数の構成部品40、42、44、46は、金型226に挿入されて、成形される分割タンク228a、228bのいずれか一方、または、両方に接続される。図11に示すように、その後、金型226は、互いに対応する端部に沿って、構成部品とキャリアを含む分割タンク228a、228bを溶融するために、閉じられる。構成部品とキャリアは、分割タンクの間に保持される。そして、金型226は開いて、成形されたタンク250が移動される。
【0033】
図12〜図16には、本発明に係る方法のさらに別の実施形態が示されており、適切な装置を用いて実行される。具体的には、上述した方法の実施形態において、本発明の方法が、装置320と連動して実行される。なお、この実施形態では、図1〜11の実施形態と同一構成部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0034】
最初に、図12に示すように、フィルム352が、開いた金型326の一対の分割金型326a、326bの間に位置付けられている。この実施形態では、フィルム352は、フィルム、溶射フィルム、フィルムコーティングなどのシートを含む。例えば、フィルム352のロール354は、分割金型326a、326bの上端部に位置付けられている。対向する一対のフィルム用グリッパ356a、356bは、フィルムのロール354からフィルム352の対応する部分を挟み、そして、開いた分割金型326a、326bのそれぞれの前にフィルム352を位置付けるために、フィルム352を分割金型326a、326bの下端部まで引っ張る。
【0035】
1つの実施形態では、図12に示すように、フィルム352は、分割した分割パリソン324a、324bの内側に配置されている。すなわち、分割パリソン324a、324bの内面に対してフィルム352が位置付けられている。分割パリソン324a、324bは、カットしたり、裂いたりして適切な方法で相互に分割される。そして、分割パリソン324a、324bと分割金型326a、326bとの間の隙間327a、327bは、図13に示すように、分割金型326a、326bの凹状面に対して、2つの分割タンク328a、328bを成形するために、真空または減圧される。その後、金型326は、図14に示すように、互いにそれらの対応する端部に沿って、成形される分割タンク328a、328bを溶融するために、閉じられる。そして、燃料タンク350が、成形される。この実施形態における変化例としては、フィルムの代わりに、分割パリソン324a、324bの内面に対して噴射可能なコーティングを用いてもよい。例となる噴射(spray)は、ポリビニルアルコール、ポリアミドなどを含む。別の実施形態では、フィルム付き、または、フィルム無しの成形された分割タンク328a、328bが、浸透に対するバリアまたは抵抗を提供するために、フッ素化化学反応において、フルオロガス(fluoro-gas)と一緒に処理される。
【0036】
別の実施形態では、図15に示すように、フィルムが、分割金型326a、326bに対して設けられている。この実施形態によれば、分割した分割パリソン324a、324bが、その後、フィルム352の内面に対して配置される。この実施形態の異なる(説明されてない)状況によれば、パリソンは、不完全に開いた金型において、フィルムと接触して膨張させることができる。そして、図4および図4Aを参照して上述したように、パリソンは分割金型の間のギャップに沿って切断されることができる。図15に示すように、フィルム352と分割金型との間の隙間は、分割金型326a、326bの凹状面に対して、2つの分割タンク428a、428bを成形するために、真空または減圧される。その後、金型326は、図16に示すように、互いにそれらの対応する端部にそって、成形される分割タンク428a、428bを溶融するために、閉じられる。そして、燃料タンク350が成形される。
【0037】
さらに別の実施形態では、図17に示すように、第1フィルム352が分割パリソン524a、524bの外側に設けられると共に、第2フィルム353が、分割パリソン524a、524bの内側に設けられている。すなわち、第1フィルム352は、分割金型326a、326bと分割パリソン524a、524bとの間に配置されており、第2フィルム353は、分割金型326a、326bの内側に配置されている。ゆえに、分割パリソン524a、524bは、第1フィルム352と第2フィルム353との間にそれぞれ挟まれている。その後、金型326は、図18に示すように、互いに対応する端部に沿って、成形される分割タンク528a、528bを溶融するために、閉じられる。そして、燃料タンク550が、成形される。この実施形態では、第1フィルムおよび第2フィルムは、異なる構成の層で構成することができ、また、異なる材料で構成してもよい。以下に、さまざまなフィルムの構成および材料を記述する。
【0038】
フィルムは、1つ以上の接着剤層(a)と、バリア層(b)と、構造層(c)と、を有する構成にすることが好ましい。1つの実施形態では、フィルムが、次の基本的な構成:c/a/b/a/cを有する5層以上のフィルムである。別の実施形態では、フィルムが、次の基本的な構成:a/b/aを有する3層以上のフィルムである。さらに、別の実施形態では、フィルムが、次の基本的な構成:a/bを有する2層以上のフィルムである。接着剤層(a)は、その対応する分割パリソンと接して配置されてもよい。フィルムは、適切な数の層を有することができ、ここで記載されていない追加の層を有することも可能である。
【0039】
1つの実施形態では、フィルム352、353は、接着剤層(a)を含む多層フィルムを有する。接着剤層(a)は、対応する2つの分割タンクのうちの1つに配置される。そして、比較的温かい分割タンクが、分割タンクとフィルムとの好ましい溶融を行うために、少なくとも部分的に接着剤層を溶かす。接着剤層の例となる樹脂としては、無水マレイン酸グラフト線形低密度ポリエチレン(maleic anhydride grafted linear low density polyethylene)がある。
【0040】
また、多層フィルムは、バリア層(b)を有する。そのバリア層(b)は、フィルムの構造的整合性を保つために、分割タンクからの熱によって溶けても溶けなくてもよい。バリア層の例となる樹脂としては、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリオキシメチレン(POM)、熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEs)がある。熱可塑性ポリエステルエラストマーには、米国デュポン(DuPont)社が開発した熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマーであるハイトレル製品(HYTREL)を用いてもよい。別の実施形態では、バリア層が、多数のポリアミド(PA)を有する。ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド12(PA12)、195℃〜200℃の融点を有するPA6/6−6共重合体、または、220℃〜225℃の融点を有するポリアミド6(PA6)、がある。他のポリアミド材料としては、例えば、三菱ガス化学株式会社の半芳香族ポリアミドであるMXD6が挙げられる。さらに、他のポリアミド材料としては、ポリアミドとポリエチレンの混合や合金などがある。具体的には、例えば、アルケマ(Arkema)社のポリアミドアロイであるオルガロイ(ORGALLOY)、米国デュポン社のザイテル(ZYTEL)がある。別の実施形態では、バリア層は、ナノコンポジット材料(nanocomposite material)を有する。そのナノコンポジット材料としては、例えば、ナノ粘士材料(nanoclay material)、ナノチューブ材料などがあり、バリア性能を向上させることができる。さらに、別の実施形態では、バリア層が、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)とアルケマ(Arkema)社のオルガロイ(ORGALLOY)FT−104との組合せであってもよい。
【0041】
また、多層フィルムは、フィルムの構成的整合性を強化するために、構造層(c)を有することができる。構造層(c)に対して例となる樹脂は、押し出されたパリソンと同じ構成、例えば、高密度ポリエチレンであってもよい。内側の構造層に対して例となる樹脂は、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、他のポリマーなどがある。それらの導電性は、それらのベースの樹脂と、導電性フィルタまたはナノチューブとを混合させることによって、得ることができる。また、構造層および/または1つ以上の別の層は、未使用材料または製品からの粉砕再生材料(reground material)として提供されることができる。
【0042】
1つの実施形態では、構造層(c)は、導電性の層ではない。その代わり、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)で構成することができる。また、異なる導電性の材料は、薄い内層の形で設けることができる。
【0043】
多層フィルムの構造層(c)を有する別の実施形態では、構造層は、構造層と分割パリソンとの間のスペースを残すために、分割パリソンの材料と溶融しない材料で構成されている。この実施形態では、フィルムは溶かされる。あるいは、成形される燃料タンクのピンチラインで、フィルム自体が溶接される。例えば、加熱された金型インサート(図示せず)は、ピンチラインでその材料の温度を上げるのに用いられ、フィルムが一緒に溶かされる。この場合、特に、加熱される金型インサートが誘導型ヒーターであるならば、フィルムが導電性ポリマーで構成されることが望ましい。
【0044】
前述の段落に関連した別の実施形態では、フィルムが、バリア層だけを有する単層フィルムとして提供される。この実施形態では、バリア層が、バリア層と分割パリソンとの間のスペースを保持するために、設けられている。また、バリア層で構成される単層フィルムは、溶かすことができる。あるいは、成形される燃料タンクのピンチラインでフィルム自体が溶接されることができる。例えば、加熱された金型インサート(図示せず)は、ピンチラインでその材料の温度を上げるのに用いられ、フィルムが一緒に溶かされる。この場合、特に、加熱される金型インサートが誘導型ヒーターであるならば、フィルムが導電性ポリマーで構成されることが望ましい。
【0045】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0046】
例えば、燃料タンクに関して記載したが、本発明における方法および装置は、さまざまな種類の容器に用いることができる。
【符号の説明】
【0047】
20 ブロー成形装置
22 押出機
24、224 パリソン
24a、24b、224a、224b、324a、324b 分割パリソン
26 金型
26a、26b、326a、326b 分割金型
29 カッター
28a 上部グリッパ(グリッパ)
28b 下部グリッパ(グリッパ)
252a、252b、356a、356b グリッパ
29、36 カッター
30 ブローピン
31、35c、37 アクチュエータ
32 スプレッダ
33 シールド
34 ギャップ
35a、35b プレート(パネル)
38 キャリア
40、42、44、46 構成部品
50、150 製品
225a、225b 薄い部分
227a、227b、327a、327b 隙間
250、550 燃料タンク(製品)
328a、328b、428a、428b、528a、528b 分割タンク
352 フィルム(第1フィルム)
353 フィルム(第2フィルム)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を製造する方法において、
パリソンを押し出す工程と、
一対の分割金型を備えた金型に前記パリソンを位置付ける工程と、
前記パリソンの密閉内部を画定するために、前記パリソンの上部および下部をつぶす工程と、
前記分割金型の間のギャップを保持するために、不完全に前記金型を閉じる工程と、
前記パリソンを膨張させるために、前記パリソンの密閉内部に圧力ガスを挿入する工程と、
製品を最初に成形するために、不完全に閉じた前記金型の分割金型に対して膨張した前記パリソンを成形する工程と、
前記最初に成形される製品を前記分割金型の間のギャップに沿って半分に切断する工程と、
を有することを特徴とする製品を製造する方法。
【請求項2】
前記パリソンの密閉内部に上昇した圧力ガスをさらに挿入することによって、前記パリソンが、前記一対の分割金型で成形されることを特徴とする請求項1に記載の製品を製造する方法。
【請求項3】
前記パリソンの密閉内部に圧力ガスを挿入する工程は、約3バール(3×105Pa)の圧力まで上昇するガスを有し、前記最初に成形される製品を成形するために上昇した圧力が、約6バール(6×105Pa)まで上昇することを特徴とする請求項2に記載の製品を製造する方法。
【請求項4】
前記パリソンの上部または下部の少なくとも1つを除去する工程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の製品を製造する方法。
【請求項5】
前記除去する工程が、前記分割金型に対して膨張したパリソンを成形する工程中に行われることを特徴とする請求項4に記載の製品を製造する方法。
【請求項6】
前記不完全に閉じた金型を開く工程と、
前記一対の分割金型の間に1つ以上の構成部品を挿入する工程と、
パリソンの半分である一対の分割パリソンが、対応する端部に沿って互いに溶融し、溶融された製品となるように、1つ以上の構成部品を囲んで前記金型を閉じる工程と、
前記溶融された製品の内部に圧力を加える工程と、
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の製品を製造する方法。
【請求項7】
前記パリソンが、前記金型に配置された後、前記パリソンの押し出される長手方向に対して直角方向にパリソンを広げる工程をさらに有することを特徴とする請求項6に記載の製品を製造する方法。
【請求項8】
前記1つ以上の構成部品が、前記一対の分割金型の一方または両方の内壁に取り付けられることを特徴とする請求項6に記載の製品を製造する方法。
【請求項9】
前記分割パリソンまたは前記分割金型の少なくとも一方に対して、フィルムを貼り付ける工程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の製品を製造する方法。
【請求項10】
製品を製造する方法において、
長手方向に一対の薄い部分をパリソンに設けるために、パリソンを押し出す工程と、
対向する一対のグリッパを用いて、前記パリソンに設けられた一対の薄い部分の対向する端部で前記パリソンを把持する工程と、
前記パリソンを分割するために、前記一対のグリッパを収縮する工程と、
を有することを特徴とする製品を製造する方法。
【請求項11】
前記対向する一対のグリッパを用いて、分割された一対の分割パリソンを金型の一対の分割金型にそれぞれ位置付ける工程と、
前記製品の半分を真空成形するために、前記分割パリソンと前記分割金型との間の隙間を取り除く工程と、
前記一対の分割金型の間に1つ以上の構成部品を挿入する工程と、
前記一対の分割パリソンを互いに対応する端部に沿って溶融するために、前記1つ以上の構成部品を囲むように前記分割金型を閉じる工程と、
を有することを特徴とする請求項10に記載の製品を製造する方法。
【請求項12】
前記一対の分割パリソンまたは前記一対の分割金型の少なくとも一方に対して、フィルムを貼り付ける工程をさらに有することを特徴とする請求項10に記載の製品を製造する方法。
【請求項13】
製品を製造する方法において、
パリソンを押し出す工程と、
前記パリソンを半分に分割する工程と、
分割された一対の分割パリソンを金型の一対の分割金型の間に位置付ける工程と、
前記一対の分割パリソンまたは前記一対の分割金型の少なくとも一方にフィルムを貼り付ける工程と、
多層製品の各半分を前記一対の分割金型で製造するために、前記一対の分割金型に前記フィルムおよび前記一対の分割パリソンをそれぞれ成形する工程と、
を有することを特徴とする製品を製造する方法。
【請求項14】
前記多層製品の各半分を真空形成するために、前記一対の分割金型と前記一対の分割パリソンとの間の隙間をそれぞれ取り除き、
前記多層製品の各半分を対応する端部に沿って互いに溶融するために、前記一対の分割金型を互いに閉じることによって、
前記多層製品の各半分が成形されることを特徴とする請求項13に記載の製品を製造する方法。
【請求項15】
前記製品の各半分を対応する端部に沿って互いに溶融するために、前記一対の分割金型を互いに閉じて、
閉じた前記一対の分割金型内に圧力ガスを加えることにより、
前記製品の各半分が成形されることを特徴とする請求項13に記載の製品を製造する方法。
【請求項16】
前記一対の分割金型の間のフィルムシートを把持して広げることにより、前記フィルムが配置されることを特徴とする請求項13に記載の製品を製造する方法。
【請求項17】
前記フィルムが、前記一対の分割パリソンの内側だけに配置されることを特徴とする請求項13に記載の製品を製造する方法。
【請求項18】
前記フィルムが、前記一対の分割パリソンの外側だけに配置されることを特徴とする請求項13に記載の製品を製造する方法。
【請求項19】
前記フィルムが、前記一対の分割パリソンの内側および外側の両方に配置されることを特徴とする請求項13に記載の製品を製造する方法。
【請求項20】
前記パリソンの密閉内部を画定するために、パリソンの上部および下部をつぶす工程と、
前記分割金型の間のギャップを保持するために、不完全に前記金型を閉じる工程と、
前記パリソンを部分的に膨張させるために、前記パリソンの密閉内部に圧力ガスを挿入する工程と、
部分的に膨張したパリソンを前記分割金型の間のギャップに沿って半分に切断する工程と、を行うことにより、
前記パリソンが、分割されることを特徴とする請求項13に記載の製品を製造する方法。
【請求項21】
長手方向に一対の薄い部分を設けるために、パリソンを押し出す工程と、
対向する一対のグリッパを用いて、前記パリソンに設けられた一対の薄い部分の対向する端部で前記パリソンを把持する工程と、
前記パリソンを分割するために、前記一対のグリッパを収縮する工程と、を行うことにより、
前記パリソンが、分割されることを特徴とする請求項13に記載の製品を製造する方法。
【請求項22】
前記フィルムが、少なくとも1つのバリア層と、少なくとも1つの接着剤層と、で構成されることを特徴とする請求項13に記載の製品を製造する方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つのバリア層が、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリアミド(PA)系材料、または、ナノコンポジット材料の少なくとも1つから成ることを特徴とする請求項22に記載の製品を製造する方法。
【請求項24】
前記ポリアミド系材料が、ポリアミド12(PA12)、ポリアミド6/6(PA6/6)、6共重合体(6 copolymers)、MXD6、または、ポリアミドとポリエチレンとの混合の少なくとも1つを有することを特徴とする請求項23に記載の製品を製造する方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの接着剤層が、無水マレイン酸グラフト線形低密度ポリエチレンから成ることを特徴とする請求項22に記載の製品を製造する方法。
【請求項26】
前記フィルムが、少なくとも1つの構造層で構成されることを特徴とする請求項22に記載の製品を製造する方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つの構造層が、未使用材料またはリグラインド高密度ポリエチレン(regrind HDPE)の少なくとも1つから成ることを特徴とする請求項26に記載の製品を製造する方法。
【請求項28】
前記少なくとも1つの構造層が、導電性ポリマーから成ることを特徴とする請求項26に記載の製品を製造する方法。
【請求項29】
前記少なくとも1つの構造層が、前記少なくとも1つの構造層と前記構造層に対応する分割パリソンとの間のスペースを保つために、前記分割パリソンに接着しない材料から成ることを特徴とする請求項26に記載の製品を製造する方法。
【請求項30】
前記フィルムが、前記製品のピンチラインで溶接されることを特徴とする請求項29に記載の製品を製造する方法。
【請求項31】
製品を製造する装置において、
パリソンを押し出す押出機と、
一対の分割金型を有する金型と、
前記パリソンの密閉内部を画定するために、前記パリソンの上部および下部をつぶす1組のペンチと、
前記パリソンを前記金型に配置する一対のグリッパと、
前記一対の分割金型の間のギャップに沿って、前記膨張したパリソンを半分に切断するカッターと、を備え、
前記一対の分割金型の間のギャップを保持するために、前記金型が不完全に閉じられ、そして、
前記パリソンを膨張させるために、圧力ガスが、前記パリソンの密閉内部に挿入される
ことを特徴とする製品を製造する装置。
【請求項32】
製品を製造する装置において、
長手方向に一対の薄い部分をパリソンに設けるために、パリソンを押し出す押出機と、
前記パリソンに設けられた一対の薄い部分の対向する端部で前記パリソンを把持するために伸び、かつ、前記パリソンを分割するために収縮する、対向する一対のグリッパと、を備えたことを特徴とする製品を製造する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4A】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2012−531334(P2012−531334A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517757(P2012−517757)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2010/039914
【国際公開番号】WO2010/151724
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(500385968)ティーアイ オートモーティヴ テクノロジー センター ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (7)
【氏名又は名称原語表記】TI Automotive Technology Center GmbH
【Fターム(参考)】