寸法測定装置
【課題】 高価な表示装置を共通に使用しても操作性が低下しない寸法測定装置の実現。
【解決手段】 複数の寸法測定値を生成する複数の寸法測定部15-1,15-4;16-1,16-4と、複数の寸法測定部の生成する寸法測定値を表示する表示部11とを備える寸法測定装置であって、表示部が同時に表示できる寸法測定値の個数は、複数の寸法測定部の生成する寸法測定値の個数より少なく、表示部に表示する寸法測定値を、複数の寸法測定部の生成する寸法測定値に応じて自動的に選択する表示制御部を備える。
【解決手段】 複数の寸法測定値を生成する複数の寸法測定部15-1,15-4;16-1,16-4と、複数の寸法測定部の生成する寸法測定値を表示する表示部11とを備える寸法測定装置であって、表示部が同時に表示できる寸法測定値の個数は、複数の寸法測定部の生成する寸法測定値の個数より少なく、表示部に表示する寸法測定値を、複数の寸法測定部の生成する寸法測定値に応じて自動的に選択する表示制御部を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内径、外径または深さのような寸法を測定して、測定した寸法測定値を表示する寸法測定装置に関し、特に複数の寸法測定部が測定した複数の寸法測定値を、バーグラフなどで共通に表示する寸法測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
加工装置や処理装置では、各部の寸法を測定して、加工状態や処理状態を管理することが行われている。測定する各部には許容される寸法範囲である公差が決められており、測定した寸法がこの公差内であることが要求される。寸法測定値が公差内であることが容易に判定できるように、寸法測定値をグラフィック表示し、グラフに対応して公差の上限値と下限値を表示することが行われている。グラフィック表示の代表的な例がバーグラフ表示である。本発明はバーグラフ表示に限定されるものではないが、ここではバーグラフ表示を例として説明を行う。寸法測定値のバーグラフによる表示については、特許文献1および2などに記載されているので、ここでは詳しい説明は省略する。なお、バーグラフは、LEDまたはLCD(液晶表示装置)などを使用するもので、高価な表示装置である。
【0003】
また、各部の寸法を測定する測定方法は各種の方式があり、本発明はどのような方式の寸法測定装置にも適用可能である。寸法測定方法については、それぞれ広く知られているので説明を省略する。
【0004】
従来、バーグラフ表示を行う寸法測定装置は、寸法測定部とバーグラフが1対1に対応していた。すなわち、寸法測定部の個数とバーグラフの個数が同じであった。もっとも一般的な構成は、1個の寸法測定部を有する寸法測定器を、1個のバーグラフを有するコラムに接続した構成である。寸法測定器はケーブルとコネクタを介してコラムに接続され、測定対象に応じて各種の寸法測定器が接続できる。なお、近年寸法測定器とコラムを無線通信経路で接続することも提案されている。
【0005】
しかし、製造工程などでは、同一工程で複数の測定対象を測定する場合があり、各測定対象ごとに寸法測定装置を設けると設備コストが増大すると共に、大きなスペースを必要とし、使い勝手が悪くなるという問題を生じる。そのため、コラムに複数のバーグラフを設け、複数の寸法測定器を接続する構成も考えられるが、この構成は単に従来の寸法測定装置を合わせただけであり、コストが増大するという問題は解消できない。なお、この構成の変形例として、1個の寸法測定器に複数箇所の寸法を測定する複数の寸法測定部を設ける場合もあり、そのような場合には複数のバーグラフを有するコラムが使用されていた。
【0006】
上記のような問題を解決するために、1個のバーグラフを有するコラムに複数の寸法測定器を接続し、スイッチによりバーグラフで表示する寸法測定値を選択可能にした寸法測定装置がある。この装置は、高価なバーグラフを1個だけ使用するため、複数のバーグラフを使用する場合に比べて、コストの低減効果が大きい。なお、コラムに複数のバーグラフが設けられ、バーグラフの個数より多い寸法測定器(部)が接続され、スイッチにより表示する寸法測定値を選択する場合もあるが、ここでは説明を簡単にするために、コラムには1個のバーグラフが設けられる場合を例として説明する。また、1個の寸法測定器が複数の寸法測定部を有する場合もあり、以下の説明では寸法測定部がコラムに接続されるとして説明を行う。
【0007】
上記のように、製造工程では、寸法測定値が公差内に入っていることを確認することが重要であり、バーグラフに対応して公差の上限値と下限値を表示することが行われている。特許文献1は、バーグラフ表示において、バーグラフの中心値と公差の中心値が一致する表示を自動的に行う構成を記載している。この構成により、バーグラフによる表示範囲を有効に利用することができる。
【0008】
【特許文献1】特開平4−64011号公報
【特許文献2】特開平7−334113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように、1個のバーグラフを有するコラムに複数の寸法測定器(部)を接続した従来の寸法測定装置は、どの寸法測定部の測定した寸法測定値を表示するかは、スイッチにより選択していた。このような寸法測定装置を製造工程などにおいて使用する時には、使用する寸法測定部に応じてスイッチを操作し、使用する寸法測定部の測定する寸法測定値が表示されるようにした上で、対象物の寸法を測定していた。そのため、接続される寸法測定部の個数が増加すると、表示選択に要するスイッチ操作の回数が増加して作業が煩雑になる上、表示選択のためのスイッチ操作を忘れると、寸法測定部で対象物の寸法を測定してもバーグラフ表示が変化しないことになる。この場合、寸法測定部で対象物の寸法を測定してもバーグラフ表示が変化しないことに気付いて、表示選択のためのスイッチ操作を忘れたことが判明し、スイッチ操作をした後測定を行うので、作業能率が著しく低下するという問題が生じる。
【0010】
また、上記のように、特許文献1は、バーグラフ表示において、バーグラフの中心値と公差の中心値が一致する表示を自動的に行う構成を記載している。特許文献1によれば、公差の上限値及び下限値の設定は、手動操作により行われる。公差の上限値及び下限値の設定作業は煩雑であり、操作性を向上することが求められている。
【0011】
本発明は、上記のような問題を解決するもので、第1の目的は、バーグラフなどの高価な表示装置を共有して使用する場合の操作性を向上した寸法測定装置の実現であり、第2の目的はバーグラフに対応した公差表示の設定を容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記第1の目的を実現するため、本発明の第1の態様の寸法測定装置は、複数の寸法測定部がそれぞれ生成する寸法測定値に応じて、寸法測定値の有効性及び表示の必要性を判定して、バーグラフによる表示を制御する。
【0013】
すなわち、本発明の第1の対応の寸法測定装置は、複数の寸法測定値を生成する複数の寸法測定部と、前記複数の寸法測定部の生成する寸法測定値を表示する表示部とを備える寸法測定装置であって、前記表示部が同時に表示できる寸法測定値の個数は、前記複数の寸法測定部の生成する寸法測定値の個数より少なく、前記表示部に表示する寸法測定値を、前記複数の寸法測定部の生成する寸法測定値に応じて自動的に選択する表示制御部を備えることを特徴とする。
【0014】
寸法測定値の有効性及び表示の必要性の判定方法は各種あり得るが、以下いくつかの例を説明する。
【0015】
各寸法測定部の生成する寸法測定値は、それぞれ表示部で表示可能な測定レンジがあらかじめ設定されている。例えば、測定を行っていない状態では、寸法測定値は一方に振り切れた状態になっており、対象部分の測定を行う状態にすると、寸法測定値が対象部分の寸法に対応した値に変化する。そのため、寸法測定値が測定レンジ内になければ、測定状態ではないと判断し、また仮に測定状態であっても、表示部で測定値を表示することができない状態である。そこで、測定レンジ内にある寸法測定値のみを有効とし、表示部での表示対象をこれらの寸法測定値に限定する。
【0016】
表示対象の寸法測定値が1つの場合、すなわち1つの寸法測定値のみが測定レンジ内にある時には、それを表示する。より一般的にいえば、測定レンジ内にある寸法測定値の個数が表示部で表示可能な寸法測定値の個数以下の時には、測定レンジ内にあるすべての寸法測定値を表示する。
【0017】
次に、測定レンジ内にある寸法測定値の個数が表示部で表示可能な寸法測定値の個数より大きい時について説明する。以下の説明では、表示部で表示可能な寸法測定値の個数が1個であるとして説明を行う。
【0018】
複数の寸法測定値にあらかじめ表示優先順位を設定しておき、測定レンジ内に複数の寸法測定値がある時には、表示優先順位に従って表示する。例えば、8個の寸法測定部が接続される時には、8個の寸法測定部に1番から8番の表示優先順位を設定し、測定レンジ内の寸法測定値のうち、もっとも小さな表示優先順位の寸法測定部の生成する寸法測定値を表示する。表示優先順位の設定は任意であり、表示優先順位を設定した上で、もっとも大きな表示優先順位の寸法測定部の生成する寸法測定値を表示することも可能である。
【0019】
また、測定レンジ内にある寸法測定値を所定の時間間隔で順に表示するようにしてもよい。
また、最後に測定レンジ内に入った寸法測定値を表示するようにしてもよい。
【0020】
更に、上記のように、製造工程では、寸法測定値が公差内に入っていることを確認する必要がある。通常は、ほとんどの測定対象部分の寸法測定値は公差内に入っているが、まれに公差内に入らない寸法測定値が発生し、そのような測定対象部分は不良となる。測定では不良の発生を検出することが重要であり、測定レンジ内にあるが公差外である寸法測定値を優先的に表示することが望ましい。そこで、測定レンジ内で且つ公差外である寸法測定値が1個の場合には、その寸法測定値を表示する。
【0021】
測定レンジ内で且つ公差外である寸法測定値が複数存在する場合には、上記と同様に、表示優先順位に従って表示したり、所定の時間間隔で順に表示する。また、測定レンジ内で且つ公差外である寸法測定値のうち、公差との差がもっとも大きな寸法測定値を表示するようにしてもよい。
【0022】
測定レンジ内の寸法測定値のすべてが公差内である時には、上記と同様に、表示優先順位に従って表示したり、所定の時間間隔で順に表示する。また、公差との差がもっとも小さな寸法測定値を表示するようにしてもよい。
【0023】
更に、表示部は、表示している寸法測定値を明示する表示を行うことが望ましい。
【0024】
なお、従来例のように外部からスイッチなどで指示された所定の寸法測定値を表示部に表示するモードを設け、上記の表示部に表示する寸法測定値を自動的に選択するモードとの間で切り替え可能にしてもよい。
【0025】
本発明は、表示部がどのような表示器を有する場合にも適用可能であるが、バーグラフを使用する場合に適用すると特に効果的である。
【0026】
次に、上記第2の目的を実現するため、本発明の第2の態様の寸法測定装置は、外部からあらかじめ設定された寸法測定値の公差及び公差範囲のバーグラフの表示範囲に対する比率に応じて、バーグラフの中心が設定された公差の中心に一致し、公差の範囲がバーグラフの表示範囲に対して設定された比率になるように自動で表示を制御する。
【0027】
すなわち、本発明の第2の態様の寸法測定装置は、寸法測定値を表示するバーグラフと、寸法測定値の公差範囲を示す公差範囲表示とを備える寸法測定装置であって、寸法測定値の公差は外部から設定され、前記公差範囲の前記バーグラフの表示範囲に対する比率は、外部から設定されるか、または装置内にあらかじめ固定値として記憶されており、前記表示制御部は、前記バーグラフの中心が、設定された公差の中心に一致し、前記公差の範囲が、前記バーグラフの表示範囲に対して設定された前記比率になるように、自動で表示を制御することを特徴とする。
【0028】
上記の自動設定モードとは別に、バーグラフの表示範囲、公差の上限値および下限値の位置を従来と同様に手動で調整するモードを設けて、選択可能にしてもよい。
【0029】
また、バーグラフの公差範囲に対する表示設定を完全に自動化せずに、各寸法測定値の公差及び公差範囲のバーグラフの表示範囲における位置に関する複数の条件をあらかじめ設定しておき、入力された寸法測定値の公差及び入力されるかまたは装置内にあらかじめ固定値として記憶された公差範囲のバーグラフの表示範囲に対する比率に応じて、あらかじめ設定された複数の条件から、公差の範囲がバーグラフの表示範囲に対して所定の比率以内になる条件を選択し、選択した条件に基づいて自動的に表示を制御するようにしてもよい。
【0030】
公差の上限値および下限値は、バーグラフで表示しても、バーグラフに隣接して設けられる目盛りなどで表示してもよい。
【0031】
バーグラフは、LEDやLCDで構成されるが、カラー表示可能であることが望ましく、カラー表示により、公差の上限値および下限値を他のバーグラフ部分との表示色を異ならせて表示することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の第1の態様によれば、寸法測定部の個数に対して表示器の個数を少なくしても、自動的に有効な表示が行えるようになる。これにより、高価な表示器の個数が減少するのでコストが低減される上、煩雑な切り替え操作が低減され、作業効率が向上する。
【0033】
本発明の第1の態様によれば、煩雑な公差範囲(上限値及び下限値)の設定処理が不要になるので、寸法測定装置の操作性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
図1は、本発明の実施例の寸法測定装置の全体構成を示す図である。図示のように、この寸法測定装置は、コラム10と、コラム10にケーブル(有線通信)で接続される4個のペンシル型ゲージ15−1〜15−4と、コラム10に無線通信で接続される4個のハンドゲージ16−1〜16−4とで構成される。ペンシル型ゲージ15−1〜15−4は、先端の触針の変位量を差動トランスで検出する。ハンドゲージ16−1〜16−4は、内径測定用で、直径方向に設けられた2個の触針の変位を差動トランスで検出することにより内径を測定するもので、バッテリィで駆動される。コラム10は、バーグラフ11と、バーグラフ11で寸法測定値を表示しているゲージの番号を表示するゲージ番号表示器12と、バーグラフ11で表示している寸法測定値をデジタル表示する測定値表示器13と、各種の操作を行うためのシートキー14とを備えている。また、コラム10は、ペンシル型ゲージ15−1〜15−4を接続するためのコネクタを、前面に2個、後面に2個備えており、後面には更に電源端子、電源スイッチ、RS−232Cなどの各種コネクタなどが設けられている。また、コラム10の上部にはハンドゲージ16−1〜16−4と無線通信するための無線回路が設けられている。
【0035】
図2は、コラム10の前面のバーグラフ11の部分の詳細を示す図である。図示のように、バーグラフ11は、カラー表示可能であり、寸法測定値をバー17で示すと共に、公差の上限値18と下限値19を異なる色で示す。例えば、バーグラフ11は、寸法測定値が公差内であれば緑色で表示し、公差外であれば赤色で表示し、公差の上限値18と下限値19は橙色で表示する。バーグラフ11の横には、目盛り20が記されている。
【0036】
動作モードの選択、表示する寸法測定値の外部からの指示、各寸法測定値の測定レンジ及び公差の入力などは、表示12を見ながらシートキー14を操作することにより行う。また、これらの操作は、RS−232Cを介して通信可能な制御用コンピュータ(図示せず)から操作することも可能である。更に、コラム10は、各ゲージからの寸法測定値を読み取り、オペレータの指示に応じてRS−232Cを介して制御用コンピュータに送る。制御用コンピュータに送られる寸法測定値は、コラム10で表示されたデータに限定されず、例えば、公差内の寸法測定値は、コラム10によりゲージから読み取られ、コラム10で表示されること無しに制御用コンピュータに送られる。
【0037】
図1に示すように、ハンドゲージ16−1〜16−4は、それぞれLCDによる表示器とシートキーとで構成される操作部23を有している。図3は、ハンドゲージの操作部23の詳細を示す図である。図示のように、操作部23は、表示部を構成するLCD表示器24と、シートキー29と、インジケータ付きのシートキー30とを有する。LCD表示器24は、ハンドゲージの寸法測定値を表示するバーグラフ25、公差の上限値27及び下限値26、寸法測定値のデジタル値28、バテッリィの充電状態、無線通信状況、寸法測定値の保持(ホールド)状態などを表示する。
【0038】
各ハンドゲージにおける動作モードの選択、表示する寸法測定値の外部からの指示、各寸法測定値の測定レンジ及び公差の入力などは、LCD表示器24を見ながらシートキー29及びインジケータ付きのシートキー30を操作することにより行う。このように、各ハンドゲージは、表示器及び操作のためのキーを有しているので、コラム10と接続しなくても独立で使用可能である。
【0039】
図4は、コラム4において、表示処理を含めて各種の処理を行うコンピュータシステムの構成を示す図である。図示のように、バス30を介して、マイクロプロセッサ(MPU)21、ROM32、RAM33、入出力ポート34などが接続されている。入出力ポート34には、制御用コンピュータと接続されるRS−232C通信ポート38、シートキー、ペンシル型(有線)ゲージ15−1〜15−4、ハンドゲージ16−1〜16−4との通信のための無線回路35、バーグラフ表示器26、その他の表示器37などが接続されている。このようなコンピュータシステムについては広く知られているので、詳しい説明は省略する。
【0040】
ハンドゲージ16−1〜16−4にも各種の処理を行うコンピュータシステムが設けられており、その構成は、RS−232C通信ポート38、有線ゲージが接続されていない点、バーグラフ表示器26及びその他表示器37としてLCD表示器が接続されている点を除けば、図4と類似の構成を有する。
【0041】
次に、コラム10及びハンドゲージでのバーグラフ表示における、公差範囲の設定処理を図5を参照して説明する。測定前に、ステップ101で、公差範囲(上限値および下限値)、バーグラフ表示範囲に対する公差範囲の割合など、測定に関する各種の条件が入力される。この入力は、各ゲージ(ペンシル型(有線)ゲージ15−1〜15−4及びハンドゲージ16−1〜16−4)毎に行われ、入力された条件が記憶される。この入力は、シートキー14と各種の表示を利用して行う場合と、RS−232Cを介して接続された制御用コンピュータを利用して行う場合がある。なお、バーグラフ表示範囲に対する公差範囲の割合は、あらかじめ寸法測定装置における固定値として記憶されていてもよい。
【0042】
次に、ステップ102で、固定設定モードであるか自動(AUTO)モードであるかを判定する。本実施例の寸法測定装置では、例えば、±4、±8、±20、±40、±200、±400μmの固定測定レンジに設定する固定設定モードと、入力された公差に応じてバーグラフ表示を自動的に設定する自動(AUTO)モードとを有する。固定設定モードの時にはステップ103に進んで、バーグラフの表示範囲を指示された固定測定レンジに対応させる固定レンジ設定処理を行う。次に、ステップ104で、入力された公差の上限値と下限値をバーグラフに表示する。なお、ステップ104で、特許文献1に記載されたような方法により、公差の上限値と下限値をバーグラフに対応して設定することも可能である。この後ステップ112に進む。
【0043】
本実施例の寸法測定装置は、AUTO1とAUTO2の2つのモードを有する。ステップ102でAUTOモードと判定された時には、ステップ105で、AUTOモードを判定する。AUTO1が指定された場合には、ステップ106及び107で、入力された上限値Uと下限値L及びバーグラフ表示範囲に対する公差範囲の割合Qに応じて、次の式で、バーグラフ表示における測定レンジ及び中央位置を算出する。
【0044】
測定レンジ=±(U−P)/2Q
中央位置 = (U+P)/2
例えば、バーグラフのエレメント数が100個で、公差範囲(上限値−下限値)の割合Qを80%とすると、公差範囲内のエレメント数は80個となる。同様に、バーグラフのエレメント数が80個で、Qを75%とすると、公差範囲内のエレメント数は60個となる。
【0045】
ステップ108でQに応じて公差の上限値と下限値を設定する処理を行う。ここで、公差範囲(上限値−下限値)の割合Qが同じであれば、バーグラフにおける上限値と下限値は同じである。この後ステップ112に進む。
【0046】
ステップ105でAUTO2と判定された時には、ステップ109で、入力された上限値Uと下限値L及びバーグラフ表示範囲に対する公差範囲の割合Qから測定レンジを算出する。そして、ステップ110で、固定レンジの中から、算出した測定レンジが入る測定レンジを選択して設定する。例えば、算出した測定レンジが±60μmであれば、±80μmの測定レンジが選択される。ステップ111で、バーグラフにおいて上限値Uと下限値Lを設定する。この後ステップ112に進む。
【0047】
ステップ112では、上記のようにして設定した表示条件を記憶する。このような設定は、各ゲージごとに行われる。本実施例の寸法測定装置は、複数のゲージでコラム10のバーグラフ表示を共有しており、表示する寸法測定値をその値に応じて選択する。この選択及び選択した寸法測定値の表示には入力された上限値Uと下限値L及び測定レンジが使用されるので、各ゲージごとにこれらの条件を記憶する。
【0048】
上記のような条件が設定されていれば、特許文献1に記載された方法で表示を制御することができる。これにより、バーグラフの中心が公差の中心と一致し、バーグラフの表示範囲に対する公差の上限値と下限値の差が所定の割合Qになり、バーグラフの表示範囲を有効に利用した見やすい表示が実現できる。なお、バーグラフの表示は、コラム10でも、ハンドゲージ16−1〜16−4でも同じである。
【0049】
図6及び図7は、コラム10においてバーグラフ表示する寸法測定値をその値に応じて選択する処理を示すフローチャートである。
【0050】
まず、選択のアルゴリズムを簡単に説明する。
【0051】
上記のように、各寸法測定部の生成する寸法測定値は、それぞれ表示部で表示可能な測定レンジがあらかじめ設定されており、寸法測定値が測定レンジ内になければ、測定状態ではないと判断し、バーグラフでの表示対象を測定レンジ内にある寸法測定値のみに限定する。更に、8個のゲージの寸法測定値にあらかじめ表示優先順位が設定されている。
【0052】
測定レンジ内の寸法測定値が1つの場合には、それを表示する。測定レンジ内に複数の寸法測定値がある時には、表示優先順位に従って表示する。例えば、8個のゲージが接続されているので、8個のゲージに1番から8番の表示優先順位を設定し、測定レンジ内の寸法測定値のうち、もっとも小さな表示優先順位の寸法測定部の生成する寸法測定値を表示する。表示優先順位の設定は、シートキーなどによりあらかじめ設定されている。
【0053】
測定レンジ内の寸法測定値のすべてが公差内である時には、上記と同様に、表示優先順位に従って表示する。
【0054】
ステップ201では、動作中のゲージ数Nを設定する。本実施例では、4個のペンシル型ゲージ15−1〜15−4が有線で接続され、4個のハンドゲージ16−1〜16−4が無線で接続されており、Nは最大8である。使用していないゲージがある場合には、その分Nが小さくなる。
【0055】
ステップ202では、レンジ内リストR(i)、公差内リストT(i)、公差外リストS(i)、変数nを初期化する。
【0056】
ステップ203では、n番目のゲージデータD(n)を読み取る。ステップ204で、ゲージデータD(n)が測定レンジ内であるかを判定する。測定レンジ内でなければステップ205に進んでR(n)、T(n)及びS(n)に0を設定する。これらのリストにおいて、R(n)が0の時には、n番目の寸法測定値は測定レンジ外であり、1の時には、n番目の寸法測定値は測定レンジ内であることを意味する。同様に、T(n)が0の時には、n番目の寸法測定値は公差外であり、1の時には、n番目の寸法測定値は公差内であることを意味する。S(n)が0の時には、n番目の寸法測定値は測定レンジ外であるか公差内であり、1の時には、n番目の寸法測定値は測定レンジ内で且つ公差外であることを意味する。ステップ205の後、ステップ210に進む。
【0057】
ステップ204で、D(n)が測定レンジ内と判定された時には、ステップ206で、R(n)に1を設定し、ステップ207でD(n)が公差内であるか判定する。公差外であれば、ステップ208で、S(n)に1を、T(n)に0を設定してステップ210に進む。公差内であれば、ステップ209で、S(n)に0を、T(n)に1を設定してステップ210に進む。
【0058】
ステップ210では、測定レンジ内の寸法測定値の個数であるレンジ内数Ri、公差内の寸法測定値の個数である公差内数Ti、及び測定レンジ内で且つ公差外の寸法測定値の個数である公差外数Siを算出する。
【0059】
ステップ211では、表示処理を行う。この処理については、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0060】
ステップ221で、Riが0であるか、すなわち、測定レンジ内に寸法測定値がないか判定する。Riが0の時には表示するデータがないので、ステップ222に進んで表示をクリアした後、図6のステップ212に進む。
【0061】
ステップ221で、Riが0でないと判定された時には、ステップ223に進み、Riが1であるか判定する。Riが1である時には、表示対象のデータが1つであるので、ステップ224に進んで、レンジ内リストにおいて値が1であるR(i)=1のデータD(i)をバーグラフ表示し、更にi番目のゲージの寸法測定値であること及びデータD(i)のデジタル値を表示した後、図6のステップ212に進む。
【0062】
ステップ223で、Riが1でないと判定された時、すなわち、測定レンジ内に複数の寸法測定値が存在すると判定された時には、ステップ225に進んで、Siが0であるか判定する。Siが0でない時、すなわち測定レンジ内で且つ公差外である寸法測定値が存在する時には、更にステップ226で、Siが1であるか判定する。Siが1の時は、測定レンジ内で且つ公差外である寸法測定値が1つだけ存在するので、ステップ227に進んで、S(i)=1の寸法測定値、すなわち、測定レンジ内で且つ公差外である寸法測定値をバーグラフ表示し、更にi番目のゲージの寸法測定値であること及びデータD(i)のデジタル値を表示した後、図6のステップ212に進む。
【0063】
ステップ226で、Siが1でないと判定された時、すなわち、測定レンジ内で且つ公差外である寸法測定値が複数存在すると判定された時には、ステップ228に進んで、公差外リストS(i)で値が1である寸法測定値うち、もっとも小さいiを決定し、ステップ230に進む。
【0064】
一方、ステップ225に進んで、Siが0であると判定された時は、測定レンジ内で且つ公差外である寸法測定値は存在せず、公差内に複数の寸法測定値が存在することを意味する。そこで、ステップ229に進んで、公差内リストT(i)の値が1である寸法測定値うち、もっとも小さいiを決定し、ステップ230に進む。
【0065】
ステップ230では、i番目のゲージの寸法測定値D(i)をバーグラフ表示し、更にi番目のゲージの寸法測定値であるデータD(i)のデジタル値を表示した後、図6のステップ212に進む。
【0066】
図6のステップ212では、変数nを1だけ増加させ、ステップ213でnが動作中のゲージ数Nより大きいかを判定する。大きくなければ、ステップ203に戻る。大きければ、ステップ214に進んで、変数nを1にした後、ステップ203に戻る。
【0067】
以下、ステップ203からステップ214を繰り返し、随時ステップ201及び202を行う。
【0068】
本実施例では、例えば、8個のゲージがすべて使用される場合で、且つ同じ寸法測定値が繰り返し表示される場合、表示が更新される周期は、ステップ203から214を行う時間の8倍である。ステップ203から214を行う時間は非常に短いので、表示が更新される周期を人間が知覚できないような長さにすることができる。
【0069】
なお、バーグラフ表示処理は、例えば、特許文献1及び2などに記載されており、広く知られているので、ここでは詳しい説明を省略する。
【0070】
また、上記の説明では、バーグラフで表示する寸法測定値が、その値に応じて自動的に選択される動作を説明したが、このような自動表示モードと、寸法測定値を表示するゲージを選択して、そのゲージの寸法測定値が表示される固定表示モードを、シートキーの操作により選択することも可能である。固定表示モードは、従来例と同じであるので、説明を省略する。
【0071】
以上、本発明の実施例における表示動作を説明したが、各種の変形例が可能である。
【0072】
例えば、上記の例では、あらかじめ表示優先順位が決められており、表示対象の寸法測定値が複数存在する場合には、表示優先順位に従って表示する寸法測定値を選択したが、寸法測定値から表示優先度を判定して、表示優先度が高い寸法測定値を表示するようにしてもよい。図8は、この変形例の処理を示すフローチャートであり、図8の(A)は図7のステップ228の替りに行うステップ231の処理を示し、図8の(B)は図7のステップ229の替りに行うステップ232の処理を示す。
【0073】
製造工程では、通常はほとんどの測定対象部分の寸法測定値は公差内に入っているが、まれに公差内に入らない寸法測定値が発生し、そのような測定対象部分は不良となる。そのため、不良の発生を防止する上では、良好でない寸法測定値を表示することが望ましい。そこで、図8の(A)に示すように、ステップ226で、測定レンジ内で且つ公差外である寸法測定値が複数存在すると判定された時には、ステップ231で、公差外リストS(i)のうち、公差とゲージデータD(i)との差が最大のiを決定する。すなわち、公差からの差が大きな寸法測定値を優先的に表示するように選択する。
【0074】
また、図8の(B)に示すように、ステップ225で、測定対象の寸法測定値がすべて公差内であると判定された時には、公差内リストT(i)のうち、公差とゲージデータD(i)との差が最小のiを決定する。すなわち、公差内の複数の寸法測定値が表示対象の時には、公差との差がもっとも小さい寸法測定値を表示するように選択する。
【0075】
また、表示対象の寸法測定値が複数存在する時には、表示対象の複数の寸法測定値を所定の時間間隔で順に表示するようにしてもよい。図9は、この変形例の処理を示すフローチャートであり、図9の(A)は図7のステップ228の替りに行うステップ241〜245の処理を示し、図9の(B)は図7のステップ229の替りに行うステップ251〜255の処理を示す。この処理では、表示タイマCと表示順変数jを使用する。
【0076】
図9の(A)に示すように、ステップ226で、測定レンジ内で且つ公差外である寸法測定値が複数存在すると判定された時には、ステップ241で、タイマCが閾値CTを超えたかを判定し、超えていなければ寸法測定値を表示するゲージを更新する必要はないので、ステップ245に進む。タイマCが閾値CTを超えていれば、ステップ242でjを1増加させ、ステップ243で、表示対象の寸法測定値の個数Si、すなわち測定レンジ内で且つ公差外である寸法測定値の個数を超えたかを判定する。jがSiを超えていなければステップ245に進み、超えていればステップ244でjを1にしてステップ245に進む。ステップ245では、公差外リストS(i)内のj番目を表示対象iとして決定し、ステップ230に進む。
【0077】
また、図8の(B)に示すように、ステップ225で、測定対象の寸法測定値がすべて公差内であると判定された時には、ステップ251で、タイマCが閾値CTを超えたかを判定し、超えていなければ寸法測定値を表示するゲージを更新する必要はないので、ステップ255に進む。タイマCが閾値CTを超えていれば、ステップ252でjを1増加させ、ステップ253で、表示対象の寸法測定値の個数Ti、すなわち公差内の寸法測定値の個数を超えたかを判定する。jがTiを超えていなければステップ255に進み、超えていればステップ254でjを1にしてステップ245に進む。ステップ245では、公差内リストT(i)内のj番目を表示対象iとして決定し、ステップ230に進む。
【0078】
以上、表示する寸法測定値を選択する処理を説明したが、他にも各種の変形例が可能であることが当業者には容易に理解される。
【0079】
また、上記の実施例で示した各ゲージは、1つの寸法測定値を生成するだけであるが、1つのゲージが複数の寸法測定値を同時に生成する場合もある。図10の(A)は、このようなゲージの例を示す。図10の(A)に示したゲージは、穴50の深さと、深さの異なる2箇所の内径を測定するゲージである。図示のように、ゲージのヘッド51は、2対の触針52A,52B;53A,53Bが軸方向の異なる位置に設けられ、更に先端に触針54が設けられている。ヘッド51には、穴の上面に接触する部材55が設けられており、触針54の変位量を検出することにより、穴の深さが測定できる。
【0080】
図10の(A)のゲージを上記の実施例のゲージとして使用する場合には、他のゲージの生成する寸法測定値に、図10の(A)のゲージの生成する3つの寸法測定値を加えた寸法測定値について、上記実施例で説明した処理を行う。また、図10の(A)のゲージが、図3に示した操作部を有する場合には、3つの寸法測定値を、その値に応じて上記の説明のようにLCD表示器24に表示する。
【0081】
また、シリンダヘッドの穴径を測定する場合、図10の(B)に示すように、複数の内径ゲージを組み合わせて、複数の穴径を同時に測定する装置がある。このような場合も、各寸法測定値を上記と同様に処理すればよい。
【0082】
上記の実施例では、バーグラフ11で寸法測定値を表示しているゲージの番号を、コラム10に設けたゲージ番号表示器12で表示しているが、例えば、図11に示すように、接続可能なゲージの個数に対応してインジケータを設け、インジケータにより、各ゲージの状態を示してもよい。例えば、インジケータ80は、点灯しておらず、生成した寸法測定値が測定レンジ外であることを示し、インジケータ81は、緑に連続点灯しており、生成した寸法測定値が公差内であることを示し、インジケータ82は、赤に連続点灯しており、生成した寸法測定値が測定レンジ内で且つ公差外であることを示す。インジケータ83は、赤に点滅しており、現在バーグラフに表示中の生成した寸法測定値であり、生成した寸法測定値が測定レンジ内で且つ公差外であることを示す。
【0083】
図12は、別の方法で表示する寸法測定値を選択して表示する処理を示すフローチャートである。この選択方法は、最後に測定レンジ内に入った寸法測定値、すなわち測定レンジ内の寸法測定値うち最新の寸法測定値のみを表示する。この選択方法は、寸法測定値が公差内であるかには関係しない。
【0084】
ステップ301では、動作中のゲージ数Nを設定する。
ステップ302では、レンジ内リストR(i)、変数nに1を入れ、pに0を入れて初期化する。変数pは、表示されている寸法測定値のゲージ番号を示す。
【0085】
ステップ303では、n番目のゲージデータD(n)を読み取る。ステップ304で、ゲージデータD(n)が測定レンジ内であるかを判定する。測定レンジ内でなければステップ305に進んでR(n)に0を設定した後、ステップ306に進む。ステップ306で変数pがnであるか判定し、変数pがnであればステップ307に進む。この場合、最新の寸法測定値は測定レンジ外になったので、表示する寸法測定値がないので、ステップ307でpに0を入れて、ステップ308で表示をクリアし、ステップ313に進む。ステップ306で変数pがnであればステップ312に進む。
【0086】
ステップ304で、D(n)が測定レンジ内と判定された時には、ステップ309で、R(n)が1であるかを判定する。R(n)が1であれば、すでに測定レンジ内に入っていた寸法測定値であるので、ステップ312に進む。R(n)が1でなければ、新たに測定レンジ内に入った寸法測定値、すなわち最新の寸法測定値であるので、ステップ310でR(n)に1を入れ、ステップ311で変数pにnを入れ、ステップ312に進む。
【0087】
ステップ312では、変数pで示されるp番目のゲージデータD(p)を表示する。ステップ313から315は、図6のフローチャートと同じ処理である。
以上の処理により、最後に測定レンジ内に入った寸法測定値、すなわち最新の寸法測定値が表示される。
【0088】
図12のフローチャートによれば、最新の寸法測定値が表示されるが、最新の寸法測定値が測定レンジ外になると、たとえ測定レンジ内に他の寸法測定値があっても表示されないことになる。そこで、最新の寸法測定値が測定レンジ外になると、測定レンジ内の残りの寸法測定値のうち最後に測定レンジ内に入った寸法測定値を表示する変形例が考えられる。図13はこの変形例の処理を示すフローチャートである。
【0089】
ステップ401では、動作中のゲージ数Nを設定する。
ステップ402では、レンジ内リストR(i)、レンジ内順番リストP(i)、及び変数nを初期化する。レンジ内順番リストP(i)は、測定レンジ内に入った順番を示し、P(1)が最後に測定レンジ内に入った寸法測定値の番号を示す。
【0090】
ステップ403では、n番目のゲージデータD(n)を読み取る。ステップ404で、ゲージデータD(n)が測定レンジ内であるかを判定する。測定レンジ内でなければステップ405に進んでR(n)に0を設定した後、ステップ406に進む。ステップ406で、レンジ内順番リストP(i)内にnがあるか判定する。P(i)内にnがなければ、今回のゲージデータD(n)はもともと測定レンジ内ではないので、ステップ407に進む。ステップ407では、P(1)が有効であるか、すなわち、測定レンジ内に寸法測定値が存在するか判定する。P(1)が有効でなければ表示するゲージデータはないので、ステップ408で表示をクリアした後、ステップ416に進む。P(1)が有効であれば、表示するデータがあるので、ステップ414に進む。
【0091】
ステップ406で、P(i)内にnがある場合には、P(i)からnを除く必要があるので、ステップ409でP(i)からnを除き、P(i)内の順番を修正する。この処理は、例えば、P(i)でnのある順番からnを除き、それより上の順番を順に下にシフトする。この後、ステップ414に進む。
ステップ404で、ゲージデータD(n)が測定レンジ内であると判定された時には、ステップ410で、R(n)が1であるか判定する。R(n)が1であれば、すでに測定レンジ内の寸法測定値であるので、ステップ414に進む。R(n)が1でなければ、このゲージデータD(n)は最新の寸法測定値であるので、ステップ411でR(n)に1を入れ、ステップ412でP(i)を1つだけ上にシフトして、ステップ413で空いたP(1)にnを入れ、ステップ414に進む。これにより表示する番号を示すP(1)は、最新の寸法測定値を示すことになる。
【0092】
ステップ414でiにP(1)を入れ、ステップ415でゲージデータD(i)を表示し、ステップ416に進む。
ステップ416から418は図12のフローチャートと同じである。
【産業上の利用可能性】
【0093】
以上説明したように、本発明によれば、複数の寸法測定値をバーグラフ表示器などのグラフィック表示器で表示する場合に、高コストのバーグラフ表示器を共通化してコスト低減を図っても、操作性の良好な寸法測定装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の寸法測定装置の全体構成を示す図である。
【図2】コラムのバーグラフ表示の詳細を示す図である。
【図3】ハンドゲージの操作部を示す図である。
【図4】コラムのコンピュータシステムの構成を示す図である。
【図5】実施例における公差設定処理を説明するフローチャートである。
【図6】実施例におけるコラムの表示動作を示すフローチャートである。
【図7】実施例におけるコラムの表示動作を示すフローチャートである。
【図8】表示動作の変形例を示す図である。
【図9】表示動作の変形例を示す図である。
【図10】ゲージの変形例を示す図である。
【図11】コラムにおける表示の変形例を示す図である。
【図12】コラムの別の表示動作を示すフローチャートである。
【図13】コラムの別の表示動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0095】
10 コラム
11 バーグラフ
12、13 表示器
14 シートキー
15−1〜15−4 ペンシル型ゲージ
16−1〜16−4 ハンドゲージ
18 上限値
19 下限値
23 操作部
【技術分野】
【0001】
本発明は、内径、外径または深さのような寸法を測定して、測定した寸法測定値を表示する寸法測定装置に関し、特に複数の寸法測定部が測定した複数の寸法測定値を、バーグラフなどで共通に表示する寸法測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
加工装置や処理装置では、各部の寸法を測定して、加工状態や処理状態を管理することが行われている。測定する各部には許容される寸法範囲である公差が決められており、測定した寸法がこの公差内であることが要求される。寸法測定値が公差内であることが容易に判定できるように、寸法測定値をグラフィック表示し、グラフに対応して公差の上限値と下限値を表示することが行われている。グラフィック表示の代表的な例がバーグラフ表示である。本発明はバーグラフ表示に限定されるものではないが、ここではバーグラフ表示を例として説明を行う。寸法測定値のバーグラフによる表示については、特許文献1および2などに記載されているので、ここでは詳しい説明は省略する。なお、バーグラフは、LEDまたはLCD(液晶表示装置)などを使用するもので、高価な表示装置である。
【0003】
また、各部の寸法を測定する測定方法は各種の方式があり、本発明はどのような方式の寸法測定装置にも適用可能である。寸法測定方法については、それぞれ広く知られているので説明を省略する。
【0004】
従来、バーグラフ表示を行う寸法測定装置は、寸法測定部とバーグラフが1対1に対応していた。すなわち、寸法測定部の個数とバーグラフの個数が同じであった。もっとも一般的な構成は、1個の寸法測定部を有する寸法測定器を、1個のバーグラフを有するコラムに接続した構成である。寸法測定器はケーブルとコネクタを介してコラムに接続され、測定対象に応じて各種の寸法測定器が接続できる。なお、近年寸法測定器とコラムを無線通信経路で接続することも提案されている。
【0005】
しかし、製造工程などでは、同一工程で複数の測定対象を測定する場合があり、各測定対象ごとに寸法測定装置を設けると設備コストが増大すると共に、大きなスペースを必要とし、使い勝手が悪くなるという問題を生じる。そのため、コラムに複数のバーグラフを設け、複数の寸法測定器を接続する構成も考えられるが、この構成は単に従来の寸法測定装置を合わせただけであり、コストが増大するという問題は解消できない。なお、この構成の変形例として、1個の寸法測定器に複数箇所の寸法を測定する複数の寸法測定部を設ける場合もあり、そのような場合には複数のバーグラフを有するコラムが使用されていた。
【0006】
上記のような問題を解決するために、1個のバーグラフを有するコラムに複数の寸法測定器を接続し、スイッチによりバーグラフで表示する寸法測定値を選択可能にした寸法測定装置がある。この装置は、高価なバーグラフを1個だけ使用するため、複数のバーグラフを使用する場合に比べて、コストの低減効果が大きい。なお、コラムに複数のバーグラフが設けられ、バーグラフの個数より多い寸法測定器(部)が接続され、スイッチにより表示する寸法測定値を選択する場合もあるが、ここでは説明を簡単にするために、コラムには1個のバーグラフが設けられる場合を例として説明する。また、1個の寸法測定器が複数の寸法測定部を有する場合もあり、以下の説明では寸法測定部がコラムに接続されるとして説明を行う。
【0007】
上記のように、製造工程では、寸法測定値が公差内に入っていることを確認することが重要であり、バーグラフに対応して公差の上限値と下限値を表示することが行われている。特許文献1は、バーグラフ表示において、バーグラフの中心値と公差の中心値が一致する表示を自動的に行う構成を記載している。この構成により、バーグラフによる表示範囲を有効に利用することができる。
【0008】
【特許文献1】特開平4−64011号公報
【特許文献2】特開平7−334113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように、1個のバーグラフを有するコラムに複数の寸法測定器(部)を接続した従来の寸法測定装置は、どの寸法測定部の測定した寸法測定値を表示するかは、スイッチにより選択していた。このような寸法測定装置を製造工程などにおいて使用する時には、使用する寸法測定部に応じてスイッチを操作し、使用する寸法測定部の測定する寸法測定値が表示されるようにした上で、対象物の寸法を測定していた。そのため、接続される寸法測定部の個数が増加すると、表示選択に要するスイッチ操作の回数が増加して作業が煩雑になる上、表示選択のためのスイッチ操作を忘れると、寸法測定部で対象物の寸法を測定してもバーグラフ表示が変化しないことになる。この場合、寸法測定部で対象物の寸法を測定してもバーグラフ表示が変化しないことに気付いて、表示選択のためのスイッチ操作を忘れたことが判明し、スイッチ操作をした後測定を行うので、作業能率が著しく低下するという問題が生じる。
【0010】
また、上記のように、特許文献1は、バーグラフ表示において、バーグラフの中心値と公差の中心値が一致する表示を自動的に行う構成を記載している。特許文献1によれば、公差の上限値及び下限値の設定は、手動操作により行われる。公差の上限値及び下限値の設定作業は煩雑であり、操作性を向上することが求められている。
【0011】
本発明は、上記のような問題を解決するもので、第1の目的は、バーグラフなどの高価な表示装置を共有して使用する場合の操作性を向上した寸法測定装置の実現であり、第2の目的はバーグラフに対応した公差表示の設定を容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記第1の目的を実現するため、本発明の第1の態様の寸法測定装置は、複数の寸法測定部がそれぞれ生成する寸法測定値に応じて、寸法測定値の有効性及び表示の必要性を判定して、バーグラフによる表示を制御する。
【0013】
すなわち、本発明の第1の対応の寸法測定装置は、複数の寸法測定値を生成する複数の寸法測定部と、前記複数の寸法測定部の生成する寸法測定値を表示する表示部とを備える寸法測定装置であって、前記表示部が同時に表示できる寸法測定値の個数は、前記複数の寸法測定部の生成する寸法測定値の個数より少なく、前記表示部に表示する寸法測定値を、前記複数の寸法測定部の生成する寸法測定値に応じて自動的に選択する表示制御部を備えることを特徴とする。
【0014】
寸法測定値の有効性及び表示の必要性の判定方法は各種あり得るが、以下いくつかの例を説明する。
【0015】
各寸法測定部の生成する寸法測定値は、それぞれ表示部で表示可能な測定レンジがあらかじめ設定されている。例えば、測定を行っていない状態では、寸法測定値は一方に振り切れた状態になっており、対象部分の測定を行う状態にすると、寸法測定値が対象部分の寸法に対応した値に変化する。そのため、寸法測定値が測定レンジ内になければ、測定状態ではないと判断し、また仮に測定状態であっても、表示部で測定値を表示することができない状態である。そこで、測定レンジ内にある寸法測定値のみを有効とし、表示部での表示対象をこれらの寸法測定値に限定する。
【0016】
表示対象の寸法測定値が1つの場合、すなわち1つの寸法測定値のみが測定レンジ内にある時には、それを表示する。より一般的にいえば、測定レンジ内にある寸法測定値の個数が表示部で表示可能な寸法測定値の個数以下の時には、測定レンジ内にあるすべての寸法測定値を表示する。
【0017】
次に、測定レンジ内にある寸法測定値の個数が表示部で表示可能な寸法測定値の個数より大きい時について説明する。以下の説明では、表示部で表示可能な寸法測定値の個数が1個であるとして説明を行う。
【0018】
複数の寸法測定値にあらかじめ表示優先順位を設定しておき、測定レンジ内に複数の寸法測定値がある時には、表示優先順位に従って表示する。例えば、8個の寸法測定部が接続される時には、8個の寸法測定部に1番から8番の表示優先順位を設定し、測定レンジ内の寸法測定値のうち、もっとも小さな表示優先順位の寸法測定部の生成する寸法測定値を表示する。表示優先順位の設定は任意であり、表示優先順位を設定した上で、もっとも大きな表示優先順位の寸法測定部の生成する寸法測定値を表示することも可能である。
【0019】
また、測定レンジ内にある寸法測定値を所定の時間間隔で順に表示するようにしてもよい。
また、最後に測定レンジ内に入った寸法測定値を表示するようにしてもよい。
【0020】
更に、上記のように、製造工程では、寸法測定値が公差内に入っていることを確認する必要がある。通常は、ほとんどの測定対象部分の寸法測定値は公差内に入っているが、まれに公差内に入らない寸法測定値が発生し、そのような測定対象部分は不良となる。測定では不良の発生を検出することが重要であり、測定レンジ内にあるが公差外である寸法測定値を優先的に表示することが望ましい。そこで、測定レンジ内で且つ公差外である寸法測定値が1個の場合には、その寸法測定値を表示する。
【0021】
測定レンジ内で且つ公差外である寸法測定値が複数存在する場合には、上記と同様に、表示優先順位に従って表示したり、所定の時間間隔で順に表示する。また、測定レンジ内で且つ公差外である寸法測定値のうち、公差との差がもっとも大きな寸法測定値を表示するようにしてもよい。
【0022】
測定レンジ内の寸法測定値のすべてが公差内である時には、上記と同様に、表示優先順位に従って表示したり、所定の時間間隔で順に表示する。また、公差との差がもっとも小さな寸法測定値を表示するようにしてもよい。
【0023】
更に、表示部は、表示している寸法測定値を明示する表示を行うことが望ましい。
【0024】
なお、従来例のように外部からスイッチなどで指示された所定の寸法測定値を表示部に表示するモードを設け、上記の表示部に表示する寸法測定値を自動的に選択するモードとの間で切り替え可能にしてもよい。
【0025】
本発明は、表示部がどのような表示器を有する場合にも適用可能であるが、バーグラフを使用する場合に適用すると特に効果的である。
【0026】
次に、上記第2の目的を実現するため、本発明の第2の態様の寸法測定装置は、外部からあらかじめ設定された寸法測定値の公差及び公差範囲のバーグラフの表示範囲に対する比率に応じて、バーグラフの中心が設定された公差の中心に一致し、公差の範囲がバーグラフの表示範囲に対して設定された比率になるように自動で表示を制御する。
【0027】
すなわち、本発明の第2の態様の寸法測定装置は、寸法測定値を表示するバーグラフと、寸法測定値の公差範囲を示す公差範囲表示とを備える寸法測定装置であって、寸法測定値の公差は外部から設定され、前記公差範囲の前記バーグラフの表示範囲に対する比率は、外部から設定されるか、または装置内にあらかじめ固定値として記憶されており、前記表示制御部は、前記バーグラフの中心が、設定された公差の中心に一致し、前記公差の範囲が、前記バーグラフの表示範囲に対して設定された前記比率になるように、自動で表示を制御することを特徴とする。
【0028】
上記の自動設定モードとは別に、バーグラフの表示範囲、公差の上限値および下限値の位置を従来と同様に手動で調整するモードを設けて、選択可能にしてもよい。
【0029】
また、バーグラフの公差範囲に対する表示設定を完全に自動化せずに、各寸法測定値の公差及び公差範囲のバーグラフの表示範囲における位置に関する複数の条件をあらかじめ設定しておき、入力された寸法測定値の公差及び入力されるかまたは装置内にあらかじめ固定値として記憶された公差範囲のバーグラフの表示範囲に対する比率に応じて、あらかじめ設定された複数の条件から、公差の範囲がバーグラフの表示範囲に対して所定の比率以内になる条件を選択し、選択した条件に基づいて自動的に表示を制御するようにしてもよい。
【0030】
公差の上限値および下限値は、バーグラフで表示しても、バーグラフに隣接して設けられる目盛りなどで表示してもよい。
【0031】
バーグラフは、LEDやLCDで構成されるが、カラー表示可能であることが望ましく、カラー表示により、公差の上限値および下限値を他のバーグラフ部分との表示色を異ならせて表示することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の第1の態様によれば、寸法測定部の個数に対して表示器の個数を少なくしても、自動的に有効な表示が行えるようになる。これにより、高価な表示器の個数が減少するのでコストが低減される上、煩雑な切り替え操作が低減され、作業効率が向上する。
【0033】
本発明の第1の態様によれば、煩雑な公差範囲(上限値及び下限値)の設定処理が不要になるので、寸法測定装置の操作性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
図1は、本発明の実施例の寸法測定装置の全体構成を示す図である。図示のように、この寸法測定装置は、コラム10と、コラム10にケーブル(有線通信)で接続される4個のペンシル型ゲージ15−1〜15−4と、コラム10に無線通信で接続される4個のハンドゲージ16−1〜16−4とで構成される。ペンシル型ゲージ15−1〜15−4は、先端の触針の変位量を差動トランスで検出する。ハンドゲージ16−1〜16−4は、内径測定用で、直径方向に設けられた2個の触針の変位を差動トランスで検出することにより内径を測定するもので、バッテリィで駆動される。コラム10は、バーグラフ11と、バーグラフ11で寸法測定値を表示しているゲージの番号を表示するゲージ番号表示器12と、バーグラフ11で表示している寸法測定値をデジタル表示する測定値表示器13と、各種の操作を行うためのシートキー14とを備えている。また、コラム10は、ペンシル型ゲージ15−1〜15−4を接続するためのコネクタを、前面に2個、後面に2個備えており、後面には更に電源端子、電源スイッチ、RS−232Cなどの各種コネクタなどが設けられている。また、コラム10の上部にはハンドゲージ16−1〜16−4と無線通信するための無線回路が設けられている。
【0035】
図2は、コラム10の前面のバーグラフ11の部分の詳細を示す図である。図示のように、バーグラフ11は、カラー表示可能であり、寸法測定値をバー17で示すと共に、公差の上限値18と下限値19を異なる色で示す。例えば、バーグラフ11は、寸法測定値が公差内であれば緑色で表示し、公差外であれば赤色で表示し、公差の上限値18と下限値19は橙色で表示する。バーグラフ11の横には、目盛り20が記されている。
【0036】
動作モードの選択、表示する寸法測定値の外部からの指示、各寸法測定値の測定レンジ及び公差の入力などは、表示12を見ながらシートキー14を操作することにより行う。また、これらの操作は、RS−232Cを介して通信可能な制御用コンピュータ(図示せず)から操作することも可能である。更に、コラム10は、各ゲージからの寸法測定値を読み取り、オペレータの指示に応じてRS−232Cを介して制御用コンピュータに送る。制御用コンピュータに送られる寸法測定値は、コラム10で表示されたデータに限定されず、例えば、公差内の寸法測定値は、コラム10によりゲージから読み取られ、コラム10で表示されること無しに制御用コンピュータに送られる。
【0037】
図1に示すように、ハンドゲージ16−1〜16−4は、それぞれLCDによる表示器とシートキーとで構成される操作部23を有している。図3は、ハンドゲージの操作部23の詳細を示す図である。図示のように、操作部23は、表示部を構成するLCD表示器24と、シートキー29と、インジケータ付きのシートキー30とを有する。LCD表示器24は、ハンドゲージの寸法測定値を表示するバーグラフ25、公差の上限値27及び下限値26、寸法測定値のデジタル値28、バテッリィの充電状態、無線通信状況、寸法測定値の保持(ホールド)状態などを表示する。
【0038】
各ハンドゲージにおける動作モードの選択、表示する寸法測定値の外部からの指示、各寸法測定値の測定レンジ及び公差の入力などは、LCD表示器24を見ながらシートキー29及びインジケータ付きのシートキー30を操作することにより行う。このように、各ハンドゲージは、表示器及び操作のためのキーを有しているので、コラム10と接続しなくても独立で使用可能である。
【0039】
図4は、コラム4において、表示処理を含めて各種の処理を行うコンピュータシステムの構成を示す図である。図示のように、バス30を介して、マイクロプロセッサ(MPU)21、ROM32、RAM33、入出力ポート34などが接続されている。入出力ポート34には、制御用コンピュータと接続されるRS−232C通信ポート38、シートキー、ペンシル型(有線)ゲージ15−1〜15−4、ハンドゲージ16−1〜16−4との通信のための無線回路35、バーグラフ表示器26、その他の表示器37などが接続されている。このようなコンピュータシステムについては広く知られているので、詳しい説明は省略する。
【0040】
ハンドゲージ16−1〜16−4にも各種の処理を行うコンピュータシステムが設けられており、その構成は、RS−232C通信ポート38、有線ゲージが接続されていない点、バーグラフ表示器26及びその他表示器37としてLCD表示器が接続されている点を除けば、図4と類似の構成を有する。
【0041】
次に、コラム10及びハンドゲージでのバーグラフ表示における、公差範囲の設定処理を図5を参照して説明する。測定前に、ステップ101で、公差範囲(上限値および下限値)、バーグラフ表示範囲に対する公差範囲の割合など、測定に関する各種の条件が入力される。この入力は、各ゲージ(ペンシル型(有線)ゲージ15−1〜15−4及びハンドゲージ16−1〜16−4)毎に行われ、入力された条件が記憶される。この入力は、シートキー14と各種の表示を利用して行う場合と、RS−232Cを介して接続された制御用コンピュータを利用して行う場合がある。なお、バーグラフ表示範囲に対する公差範囲の割合は、あらかじめ寸法測定装置における固定値として記憶されていてもよい。
【0042】
次に、ステップ102で、固定設定モードであるか自動(AUTO)モードであるかを判定する。本実施例の寸法測定装置では、例えば、±4、±8、±20、±40、±200、±400μmの固定測定レンジに設定する固定設定モードと、入力された公差に応じてバーグラフ表示を自動的に設定する自動(AUTO)モードとを有する。固定設定モードの時にはステップ103に進んで、バーグラフの表示範囲を指示された固定測定レンジに対応させる固定レンジ設定処理を行う。次に、ステップ104で、入力された公差の上限値と下限値をバーグラフに表示する。なお、ステップ104で、特許文献1に記載されたような方法により、公差の上限値と下限値をバーグラフに対応して設定することも可能である。この後ステップ112に進む。
【0043】
本実施例の寸法測定装置は、AUTO1とAUTO2の2つのモードを有する。ステップ102でAUTOモードと判定された時には、ステップ105で、AUTOモードを判定する。AUTO1が指定された場合には、ステップ106及び107で、入力された上限値Uと下限値L及びバーグラフ表示範囲に対する公差範囲の割合Qに応じて、次の式で、バーグラフ表示における測定レンジ及び中央位置を算出する。
【0044】
測定レンジ=±(U−P)/2Q
中央位置 = (U+P)/2
例えば、バーグラフのエレメント数が100個で、公差範囲(上限値−下限値)の割合Qを80%とすると、公差範囲内のエレメント数は80個となる。同様に、バーグラフのエレメント数が80個で、Qを75%とすると、公差範囲内のエレメント数は60個となる。
【0045】
ステップ108でQに応じて公差の上限値と下限値を設定する処理を行う。ここで、公差範囲(上限値−下限値)の割合Qが同じであれば、バーグラフにおける上限値と下限値は同じである。この後ステップ112に進む。
【0046】
ステップ105でAUTO2と判定された時には、ステップ109で、入力された上限値Uと下限値L及びバーグラフ表示範囲に対する公差範囲の割合Qから測定レンジを算出する。そして、ステップ110で、固定レンジの中から、算出した測定レンジが入る測定レンジを選択して設定する。例えば、算出した測定レンジが±60μmであれば、±80μmの測定レンジが選択される。ステップ111で、バーグラフにおいて上限値Uと下限値Lを設定する。この後ステップ112に進む。
【0047】
ステップ112では、上記のようにして設定した表示条件を記憶する。このような設定は、各ゲージごとに行われる。本実施例の寸法測定装置は、複数のゲージでコラム10のバーグラフ表示を共有しており、表示する寸法測定値をその値に応じて選択する。この選択及び選択した寸法測定値の表示には入力された上限値Uと下限値L及び測定レンジが使用されるので、各ゲージごとにこれらの条件を記憶する。
【0048】
上記のような条件が設定されていれば、特許文献1に記載された方法で表示を制御することができる。これにより、バーグラフの中心が公差の中心と一致し、バーグラフの表示範囲に対する公差の上限値と下限値の差が所定の割合Qになり、バーグラフの表示範囲を有効に利用した見やすい表示が実現できる。なお、バーグラフの表示は、コラム10でも、ハンドゲージ16−1〜16−4でも同じである。
【0049】
図6及び図7は、コラム10においてバーグラフ表示する寸法測定値をその値に応じて選択する処理を示すフローチャートである。
【0050】
まず、選択のアルゴリズムを簡単に説明する。
【0051】
上記のように、各寸法測定部の生成する寸法測定値は、それぞれ表示部で表示可能な測定レンジがあらかじめ設定されており、寸法測定値が測定レンジ内になければ、測定状態ではないと判断し、バーグラフでの表示対象を測定レンジ内にある寸法測定値のみに限定する。更に、8個のゲージの寸法測定値にあらかじめ表示優先順位が設定されている。
【0052】
測定レンジ内の寸法測定値が1つの場合には、それを表示する。測定レンジ内に複数の寸法測定値がある時には、表示優先順位に従って表示する。例えば、8個のゲージが接続されているので、8個のゲージに1番から8番の表示優先順位を設定し、測定レンジ内の寸法測定値のうち、もっとも小さな表示優先順位の寸法測定部の生成する寸法測定値を表示する。表示優先順位の設定は、シートキーなどによりあらかじめ設定されている。
【0053】
測定レンジ内の寸法測定値のすべてが公差内である時には、上記と同様に、表示優先順位に従って表示する。
【0054】
ステップ201では、動作中のゲージ数Nを設定する。本実施例では、4個のペンシル型ゲージ15−1〜15−4が有線で接続され、4個のハンドゲージ16−1〜16−4が無線で接続されており、Nは最大8である。使用していないゲージがある場合には、その分Nが小さくなる。
【0055】
ステップ202では、レンジ内リストR(i)、公差内リストT(i)、公差外リストS(i)、変数nを初期化する。
【0056】
ステップ203では、n番目のゲージデータD(n)を読み取る。ステップ204で、ゲージデータD(n)が測定レンジ内であるかを判定する。測定レンジ内でなければステップ205に進んでR(n)、T(n)及びS(n)に0を設定する。これらのリストにおいて、R(n)が0の時には、n番目の寸法測定値は測定レンジ外であり、1の時には、n番目の寸法測定値は測定レンジ内であることを意味する。同様に、T(n)が0の時には、n番目の寸法測定値は公差外であり、1の時には、n番目の寸法測定値は公差内であることを意味する。S(n)が0の時には、n番目の寸法測定値は測定レンジ外であるか公差内であり、1の時には、n番目の寸法測定値は測定レンジ内で且つ公差外であることを意味する。ステップ205の後、ステップ210に進む。
【0057】
ステップ204で、D(n)が測定レンジ内と判定された時には、ステップ206で、R(n)に1を設定し、ステップ207でD(n)が公差内であるか判定する。公差外であれば、ステップ208で、S(n)に1を、T(n)に0を設定してステップ210に進む。公差内であれば、ステップ209で、S(n)に0を、T(n)に1を設定してステップ210に進む。
【0058】
ステップ210では、測定レンジ内の寸法測定値の個数であるレンジ内数Ri、公差内の寸法測定値の個数である公差内数Ti、及び測定レンジ内で且つ公差外の寸法測定値の個数である公差外数Siを算出する。
【0059】
ステップ211では、表示処理を行う。この処理については、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0060】
ステップ221で、Riが0であるか、すなわち、測定レンジ内に寸法測定値がないか判定する。Riが0の時には表示するデータがないので、ステップ222に進んで表示をクリアした後、図6のステップ212に進む。
【0061】
ステップ221で、Riが0でないと判定された時には、ステップ223に進み、Riが1であるか判定する。Riが1である時には、表示対象のデータが1つであるので、ステップ224に進んで、レンジ内リストにおいて値が1であるR(i)=1のデータD(i)をバーグラフ表示し、更にi番目のゲージの寸法測定値であること及びデータD(i)のデジタル値を表示した後、図6のステップ212に進む。
【0062】
ステップ223で、Riが1でないと判定された時、すなわち、測定レンジ内に複数の寸法測定値が存在すると判定された時には、ステップ225に進んで、Siが0であるか判定する。Siが0でない時、すなわち測定レンジ内で且つ公差外である寸法測定値が存在する時には、更にステップ226で、Siが1であるか判定する。Siが1の時は、測定レンジ内で且つ公差外である寸法測定値が1つだけ存在するので、ステップ227に進んで、S(i)=1の寸法測定値、すなわち、測定レンジ内で且つ公差外である寸法測定値をバーグラフ表示し、更にi番目のゲージの寸法測定値であること及びデータD(i)のデジタル値を表示した後、図6のステップ212に進む。
【0063】
ステップ226で、Siが1でないと判定された時、すなわち、測定レンジ内で且つ公差外である寸法測定値が複数存在すると判定された時には、ステップ228に進んで、公差外リストS(i)で値が1である寸法測定値うち、もっとも小さいiを決定し、ステップ230に進む。
【0064】
一方、ステップ225に進んで、Siが0であると判定された時は、測定レンジ内で且つ公差外である寸法測定値は存在せず、公差内に複数の寸法測定値が存在することを意味する。そこで、ステップ229に進んで、公差内リストT(i)の値が1である寸法測定値うち、もっとも小さいiを決定し、ステップ230に進む。
【0065】
ステップ230では、i番目のゲージの寸法測定値D(i)をバーグラフ表示し、更にi番目のゲージの寸法測定値であるデータD(i)のデジタル値を表示した後、図6のステップ212に進む。
【0066】
図6のステップ212では、変数nを1だけ増加させ、ステップ213でnが動作中のゲージ数Nより大きいかを判定する。大きくなければ、ステップ203に戻る。大きければ、ステップ214に進んで、変数nを1にした後、ステップ203に戻る。
【0067】
以下、ステップ203からステップ214を繰り返し、随時ステップ201及び202を行う。
【0068】
本実施例では、例えば、8個のゲージがすべて使用される場合で、且つ同じ寸法測定値が繰り返し表示される場合、表示が更新される周期は、ステップ203から214を行う時間の8倍である。ステップ203から214を行う時間は非常に短いので、表示が更新される周期を人間が知覚できないような長さにすることができる。
【0069】
なお、バーグラフ表示処理は、例えば、特許文献1及び2などに記載されており、広く知られているので、ここでは詳しい説明を省略する。
【0070】
また、上記の説明では、バーグラフで表示する寸法測定値が、その値に応じて自動的に選択される動作を説明したが、このような自動表示モードと、寸法測定値を表示するゲージを選択して、そのゲージの寸法測定値が表示される固定表示モードを、シートキーの操作により選択することも可能である。固定表示モードは、従来例と同じであるので、説明を省略する。
【0071】
以上、本発明の実施例における表示動作を説明したが、各種の変形例が可能である。
【0072】
例えば、上記の例では、あらかじめ表示優先順位が決められており、表示対象の寸法測定値が複数存在する場合には、表示優先順位に従って表示する寸法測定値を選択したが、寸法測定値から表示優先度を判定して、表示優先度が高い寸法測定値を表示するようにしてもよい。図8は、この変形例の処理を示すフローチャートであり、図8の(A)は図7のステップ228の替りに行うステップ231の処理を示し、図8の(B)は図7のステップ229の替りに行うステップ232の処理を示す。
【0073】
製造工程では、通常はほとんどの測定対象部分の寸法測定値は公差内に入っているが、まれに公差内に入らない寸法測定値が発生し、そのような測定対象部分は不良となる。そのため、不良の発生を防止する上では、良好でない寸法測定値を表示することが望ましい。そこで、図8の(A)に示すように、ステップ226で、測定レンジ内で且つ公差外である寸法測定値が複数存在すると判定された時には、ステップ231で、公差外リストS(i)のうち、公差とゲージデータD(i)との差が最大のiを決定する。すなわち、公差からの差が大きな寸法測定値を優先的に表示するように選択する。
【0074】
また、図8の(B)に示すように、ステップ225で、測定対象の寸法測定値がすべて公差内であると判定された時には、公差内リストT(i)のうち、公差とゲージデータD(i)との差が最小のiを決定する。すなわち、公差内の複数の寸法測定値が表示対象の時には、公差との差がもっとも小さい寸法測定値を表示するように選択する。
【0075】
また、表示対象の寸法測定値が複数存在する時には、表示対象の複数の寸法測定値を所定の時間間隔で順に表示するようにしてもよい。図9は、この変形例の処理を示すフローチャートであり、図9の(A)は図7のステップ228の替りに行うステップ241〜245の処理を示し、図9の(B)は図7のステップ229の替りに行うステップ251〜255の処理を示す。この処理では、表示タイマCと表示順変数jを使用する。
【0076】
図9の(A)に示すように、ステップ226で、測定レンジ内で且つ公差外である寸法測定値が複数存在すると判定された時には、ステップ241で、タイマCが閾値CTを超えたかを判定し、超えていなければ寸法測定値を表示するゲージを更新する必要はないので、ステップ245に進む。タイマCが閾値CTを超えていれば、ステップ242でjを1増加させ、ステップ243で、表示対象の寸法測定値の個数Si、すなわち測定レンジ内で且つ公差外である寸法測定値の個数を超えたかを判定する。jがSiを超えていなければステップ245に進み、超えていればステップ244でjを1にしてステップ245に進む。ステップ245では、公差外リストS(i)内のj番目を表示対象iとして決定し、ステップ230に進む。
【0077】
また、図8の(B)に示すように、ステップ225で、測定対象の寸法測定値がすべて公差内であると判定された時には、ステップ251で、タイマCが閾値CTを超えたかを判定し、超えていなければ寸法測定値を表示するゲージを更新する必要はないので、ステップ255に進む。タイマCが閾値CTを超えていれば、ステップ252でjを1増加させ、ステップ253で、表示対象の寸法測定値の個数Ti、すなわち公差内の寸法測定値の個数を超えたかを判定する。jがTiを超えていなければステップ255に進み、超えていればステップ254でjを1にしてステップ245に進む。ステップ245では、公差内リストT(i)内のj番目を表示対象iとして決定し、ステップ230に進む。
【0078】
以上、表示する寸法測定値を選択する処理を説明したが、他にも各種の変形例が可能であることが当業者には容易に理解される。
【0079】
また、上記の実施例で示した各ゲージは、1つの寸法測定値を生成するだけであるが、1つのゲージが複数の寸法測定値を同時に生成する場合もある。図10の(A)は、このようなゲージの例を示す。図10の(A)に示したゲージは、穴50の深さと、深さの異なる2箇所の内径を測定するゲージである。図示のように、ゲージのヘッド51は、2対の触針52A,52B;53A,53Bが軸方向の異なる位置に設けられ、更に先端に触針54が設けられている。ヘッド51には、穴の上面に接触する部材55が設けられており、触針54の変位量を検出することにより、穴の深さが測定できる。
【0080】
図10の(A)のゲージを上記の実施例のゲージとして使用する場合には、他のゲージの生成する寸法測定値に、図10の(A)のゲージの生成する3つの寸法測定値を加えた寸法測定値について、上記実施例で説明した処理を行う。また、図10の(A)のゲージが、図3に示した操作部を有する場合には、3つの寸法測定値を、その値に応じて上記の説明のようにLCD表示器24に表示する。
【0081】
また、シリンダヘッドの穴径を測定する場合、図10の(B)に示すように、複数の内径ゲージを組み合わせて、複数の穴径を同時に測定する装置がある。このような場合も、各寸法測定値を上記と同様に処理すればよい。
【0082】
上記の実施例では、バーグラフ11で寸法測定値を表示しているゲージの番号を、コラム10に設けたゲージ番号表示器12で表示しているが、例えば、図11に示すように、接続可能なゲージの個数に対応してインジケータを設け、インジケータにより、各ゲージの状態を示してもよい。例えば、インジケータ80は、点灯しておらず、生成した寸法測定値が測定レンジ外であることを示し、インジケータ81は、緑に連続点灯しており、生成した寸法測定値が公差内であることを示し、インジケータ82は、赤に連続点灯しており、生成した寸法測定値が測定レンジ内で且つ公差外であることを示す。インジケータ83は、赤に点滅しており、現在バーグラフに表示中の生成した寸法測定値であり、生成した寸法測定値が測定レンジ内で且つ公差外であることを示す。
【0083】
図12は、別の方法で表示する寸法測定値を選択して表示する処理を示すフローチャートである。この選択方法は、最後に測定レンジ内に入った寸法測定値、すなわち測定レンジ内の寸法測定値うち最新の寸法測定値のみを表示する。この選択方法は、寸法測定値が公差内であるかには関係しない。
【0084】
ステップ301では、動作中のゲージ数Nを設定する。
ステップ302では、レンジ内リストR(i)、変数nに1を入れ、pに0を入れて初期化する。変数pは、表示されている寸法測定値のゲージ番号を示す。
【0085】
ステップ303では、n番目のゲージデータD(n)を読み取る。ステップ304で、ゲージデータD(n)が測定レンジ内であるかを判定する。測定レンジ内でなければステップ305に進んでR(n)に0を設定した後、ステップ306に進む。ステップ306で変数pがnであるか判定し、変数pがnであればステップ307に進む。この場合、最新の寸法測定値は測定レンジ外になったので、表示する寸法測定値がないので、ステップ307でpに0を入れて、ステップ308で表示をクリアし、ステップ313に進む。ステップ306で変数pがnであればステップ312に進む。
【0086】
ステップ304で、D(n)が測定レンジ内と判定された時には、ステップ309で、R(n)が1であるかを判定する。R(n)が1であれば、すでに測定レンジ内に入っていた寸法測定値であるので、ステップ312に進む。R(n)が1でなければ、新たに測定レンジ内に入った寸法測定値、すなわち最新の寸法測定値であるので、ステップ310でR(n)に1を入れ、ステップ311で変数pにnを入れ、ステップ312に進む。
【0087】
ステップ312では、変数pで示されるp番目のゲージデータD(p)を表示する。ステップ313から315は、図6のフローチャートと同じ処理である。
以上の処理により、最後に測定レンジ内に入った寸法測定値、すなわち最新の寸法測定値が表示される。
【0088】
図12のフローチャートによれば、最新の寸法測定値が表示されるが、最新の寸法測定値が測定レンジ外になると、たとえ測定レンジ内に他の寸法測定値があっても表示されないことになる。そこで、最新の寸法測定値が測定レンジ外になると、測定レンジ内の残りの寸法測定値のうち最後に測定レンジ内に入った寸法測定値を表示する変形例が考えられる。図13はこの変形例の処理を示すフローチャートである。
【0089】
ステップ401では、動作中のゲージ数Nを設定する。
ステップ402では、レンジ内リストR(i)、レンジ内順番リストP(i)、及び変数nを初期化する。レンジ内順番リストP(i)は、測定レンジ内に入った順番を示し、P(1)が最後に測定レンジ内に入った寸法測定値の番号を示す。
【0090】
ステップ403では、n番目のゲージデータD(n)を読み取る。ステップ404で、ゲージデータD(n)が測定レンジ内であるかを判定する。測定レンジ内でなければステップ405に進んでR(n)に0を設定した後、ステップ406に進む。ステップ406で、レンジ内順番リストP(i)内にnがあるか判定する。P(i)内にnがなければ、今回のゲージデータD(n)はもともと測定レンジ内ではないので、ステップ407に進む。ステップ407では、P(1)が有効であるか、すなわち、測定レンジ内に寸法測定値が存在するか判定する。P(1)が有効でなければ表示するゲージデータはないので、ステップ408で表示をクリアした後、ステップ416に進む。P(1)が有効であれば、表示するデータがあるので、ステップ414に進む。
【0091】
ステップ406で、P(i)内にnがある場合には、P(i)からnを除く必要があるので、ステップ409でP(i)からnを除き、P(i)内の順番を修正する。この処理は、例えば、P(i)でnのある順番からnを除き、それより上の順番を順に下にシフトする。この後、ステップ414に進む。
ステップ404で、ゲージデータD(n)が測定レンジ内であると判定された時には、ステップ410で、R(n)が1であるか判定する。R(n)が1であれば、すでに測定レンジ内の寸法測定値であるので、ステップ414に進む。R(n)が1でなければ、このゲージデータD(n)は最新の寸法測定値であるので、ステップ411でR(n)に1を入れ、ステップ412でP(i)を1つだけ上にシフトして、ステップ413で空いたP(1)にnを入れ、ステップ414に進む。これにより表示する番号を示すP(1)は、最新の寸法測定値を示すことになる。
【0092】
ステップ414でiにP(1)を入れ、ステップ415でゲージデータD(i)を表示し、ステップ416に進む。
ステップ416から418は図12のフローチャートと同じである。
【産業上の利用可能性】
【0093】
以上説明したように、本発明によれば、複数の寸法測定値をバーグラフ表示器などのグラフィック表示器で表示する場合に、高コストのバーグラフ表示器を共通化してコスト低減を図っても、操作性の良好な寸法測定装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の寸法測定装置の全体構成を示す図である。
【図2】コラムのバーグラフ表示の詳細を示す図である。
【図3】ハンドゲージの操作部を示す図である。
【図4】コラムのコンピュータシステムの構成を示す図である。
【図5】実施例における公差設定処理を説明するフローチャートである。
【図6】実施例におけるコラムの表示動作を示すフローチャートである。
【図7】実施例におけるコラムの表示動作を示すフローチャートである。
【図8】表示動作の変形例を示す図である。
【図9】表示動作の変形例を示す図である。
【図10】ゲージの変形例を示す図である。
【図11】コラムにおける表示の変形例を示す図である。
【図12】コラムの別の表示動作を示すフローチャートである。
【図13】コラムの別の表示動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0095】
10 コラム
11 バーグラフ
12、13 表示器
14 シートキー
15−1〜15−4 ペンシル型ゲージ
16−1〜16−4 ハンドゲージ
18 上限値
19 下限値
23 操作部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の寸法測定値を生成する複数の寸法測定部と、前記複数の寸法測定部の生成する寸法測定値を表示する表示部とを備える寸法測定装置であって、
前記表示部が同時に表示できる寸法測定値の個数は、前記複数の寸法測定部の生成する寸法測定値の個数より少なく、
前記表示部に表示する寸法測定値を、前記複数の寸法測定部の生成する寸法測定値に応じて自動的に選択する表示制御部を備えることを特徴とする寸法測定装置。
【請求項2】
前記複数の寸法測定値は、各寸法測定値ごとに、前記表示部で表示可能な測定レンジがあらかじめ設定されており、
前記表示制御部は、前記測定レンジ内にある寸法測定値から、前記表示部に表示する寸法測定値を選択する請求項1に記載の寸法測定装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記測定レンジ内にある寸法測定値の個数が前記表示部で表示可能な寸法測定値の個数以下の時には、前記測定レンジ内にあるすべての寸法測定値を表示するように選択する請求項2に記載の寸法測定装置。
【請求項4】
前記複数の寸法測定値は、あらかじめ表示優先順位が設定されており、
前記表示制御部は、前記測定レンジ内にある寸法測定値の個数が前記表示部で表示可能な寸法測定値の個数より多い時には、前記測定レンジ内にある寸法測定値から、前記表示優先順位に従って、表示する寸法測定値を選択する請求項2に記載の寸法測定装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記測定レンジ内にある寸法測定値の個数が前記表示部で表示可能な寸法測定値の個数より多い時には、前記測定レンジ内にある少なくとも一部の寸法測定値を、所定の時間間隔で順に表示するように選択する請求項2に記載の寸法測定装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記測定レンジ内にある寸法測定値の個数が前記表示部で表示可能な寸法測定値の個数より多い時には、最後に前記測定レンジ内に入った寸法測定値を表示するように選択する請求項2に記載の寸法測定装置。
【請求項7】
前記複数の寸法測定値は、各寸法測定値ごとに公差があらかじめ設定されており、
前記表示制御部は、前記測定レンジ内に複数の寸法測定値が存在し、前記測定レンジ内で且つ前記公差外である寸法測定値の個数が前記表示部で表示可能な寸法測定値の個数以下の時には、前記測定レンジ内で且つ前記公差外であるすべての寸法測定値を表示するように選択する請求項2に記載の寸法測定装置。
【請求項8】
前記複数の寸法測定値は、あらかじめ表示優先順位が設定されており、
前記複数の寸法測定値は、各寸法測定値ごとに公差があらかじめ設定されており、
前記表示制御部は、前記測定レンジ内に複数の寸法測定値が存在し、前記測定レンジ内で且つ前記公差外である寸法測定値の個数が前記表示部で表示可能な寸法測定値の個数より大きい時には、前記測定レンジ内で且つ前記公差外である寸法測定値から、前記表示優先順位に従って、表示する寸法測定値を選択する請求項2に記載の寸法測定装置。
【請求項9】
前記複数の寸法測定値は、各寸法測定値ごとに公差があらかじめ設定されており、
前記表示制御部は、前記測定レンジ内に複数の寸法測定値が存在し、前記測定レンジ内で且つ前記公差外である寸法測定値の個数が前記表示部で表示可能な寸法測定値の個数より大きい時には、前記測定レンジ内で且つ前記公差外である少なくとも一部の寸法測定値を、所定の時間間隔で順に表示するように選択する請求項2に記載の寸法測定装置。
【請求項10】
前記複数の寸法測定値は、各寸法測定値ごとに公差があらかじめ設定されており、
前記表示制御部は、前記測定レンジ内に複数の寸法測定値が存在し、前記測定レンジ内で且つ前記公差外である寸法測定値の個数が前記表示部で表示可能な寸法測定値の個数より大きい時には、前記測定レンジ内で且つ前記公差外である寸法測定値のうち、前記公差との差がもっとも大きな寸法測定値を表示するように選択する請求項2に記載の寸法測定装置。
【請求項11】
前記複数の寸法測定値は、あらかじめ表示優先順位が設定されており、
前記複数の寸法測定値は、各寸法測定値ごとに公差があらかじめ設定されており、
前記表示制御部は、前記測定レンジ内に複数の寸法測定値が存在し、前記測定レンジ内で且つ前記公差外である寸法測定値が存在しない時には、前記公差内である寸法測定値から、前記表示優先順位に従って、表示する寸法測定値を選択する請求項2に記載の寸法測定装置。
【請求項12】
前記複数の寸法測定値は、各寸法測定値ごとに公差があらかじめ設定されており、
前記表示制御部は、前記測定レンジ内に複数の寸法測定値が存在し、前記測定レンジ内で且つ前記公差外である寸法測定値が存在しない時には、前記公差内である少なくとも一部の寸法測定値を、所定の時間間隔で順に表示するように選択する請求項2に記載の寸法測定装置。
【請求項13】
前記複数の寸法測定値は、各寸法測定値ごとに公差があらかじめ設定されており、
前記表示制御部は、前記測定レンジ内に複数の寸法測定値が存在し、前記測定レンジ内で且つ前記公差外である寸法測定値が存在しない時には、前記公差内である寸法測定値のうち、前記公差との差がもっとも小さな寸法測定値を表示するように選択する請求項2に記載の寸法測定装置。
【請求項14】
前記表示部は、表示している寸法測定値を示す表示を行う請求項1から13のいずれか1項に記載の寸法測定装置。
【請求項15】
前記表示部に表示する寸法測定値を自動的に選択するモードと、前記表示部に外部から指示された所定の寸法測定値を表示するモードとの間で切り替えることが可能である請求項1から14のいずれか1項に記載の寸法測定装置。
【請求項16】
前記表示部は、寸法値を表示するバーグラフを備え、前記バーグラフの個数が、前記複数の寸法測定部の生成する寸法測定値の個数より少ない請求項1から15のいずれか1項に記載の寸法測定装置。
【請求項17】
各寸法測定値の公差は外部から設定され、前記公差範囲の前記バーグラフの表示範囲に対する比率は、外部から設定されるか、または装置内にあらかじめ固定値として記憶されており、
前記表示制御部は、前記バーグラフの中心が、設定された公差の中心に一致し、前記公差の範囲が、前記バーグラフの表示範囲に対して設定された前記比率になるように、自動で表示を制御する請求項16に記載の寸法測定装置。
【請求項18】
前記バーグラフの表示範囲、公差の上限値および下限値の位置が手動でも調整可能である請求項17に記載の寸法測定装置。
【請求項19】
各寸法測定値の公差及び前記公差範囲の前記バーグラフの表示範囲における位置に関する複数の条件があらかじめ設定されており、
前記表示部は、あらかじめ設定された前記複数の条件から、前記公差の範囲が前記バーグラフの表示範囲に対して所定の比率以内になる条件を選択し、選択した前記条件に基づいて自動的に表示を制御する請求項16に記載の寸法測定装置。
【請求項20】
前記バーグラフは、前記公差の上限値および下限値を表示する請求項17から19のいずれか1項に記載の寸法測定装置。
【請求項21】
前記バーグラフは、LEDで構成される請求項16から17のいずれか1項に記載の寸法測定装置。
【請求項22】
前記バーグラフは、LCDで構成される請求項16から209のいずれか1項に記載の寸法測定装置。
【請求項23】
前記バーグラフは、カラー表示可能であり、前記公差の上限値および下限値を、他のバーグラフ部分との表示色を異ならせて表示する請求項20に記載の寸法測定装置。
【請求項24】
前記公差の上限値および下限値は、前記バーグラフに隣接して設けられた表示目盛りにより表示される請求項20に記載の寸法測定装置。
【請求項25】
寸法測定値を表示するバーグラフと、前記寸法測定値の公差範囲を示す公差範囲表示とを備える寸法測定装置であって、
寸法測定値の公差は外部から設定され、前記公差範囲の前記バーグラフの表示範囲に対する比率は、外部から設定されるか、または装置内にあらかじめ固定値として記憶されており、
前記表示制御部は、前記バーグラフの中心が、設定された公差の中心に一致し、前記公差の範囲が、前記バーグラフの表示範囲に対して設定された前記比率になるように、自動で表示を制御することを特徴とする寸法測定装置。
【請求項26】
前記バーグラフの表示範囲、公差の上限値および下限値の位置が手動でも調整可能である請求項25に記載の寸法測定装置。
【請求項27】
各寸法測定値の公差及び前記公差範囲の前記バーグラフの表示範囲における位置に関する複数の条件があらかじめ設定されており、
前記表示部は、あらかじめ設定された前記複数の条件から、前記公差の範囲が前記バーグラフの表示範囲に対して所定の比率以内になる条件を選択し、選択した前記条件に基づいて自動的に表示を制御する請求項25に記載の寸法測定装置。
【請求項28】
前記バーグラフは、前記公差の上限値および下限値を表示する請求項25から27のいずれか1項に記載の寸法測定装置。
【請求項29】
前記バーグラフは、LEDで構成される請求項25から28のいずれか1項に記載の寸法測定装置。
【請求項30】
前記バーグラフは、LCDで構成される請求項25から28のいずれか1項に記載の寸法測定装置。
【請求項31】
前記バーグラフは、カラー表示可能であり、前記公差の上限値および下限値を、他のバーグラフ部分との表示色を異ならせて表示する請求項25から30のいずれか1項に記載の寸法測定装置。
【請求項32】
前記公差の上限値および下限値は、前記バーグラフに隣接して設けられた表示目盛りにより表示される請求項25から30のいずれか1項に記載の寸法測定装置。
【請求項1】
複数の寸法測定値を生成する複数の寸法測定部と、前記複数の寸法測定部の生成する寸法測定値を表示する表示部とを備える寸法測定装置であって、
前記表示部が同時に表示できる寸法測定値の個数は、前記複数の寸法測定部の生成する寸法測定値の個数より少なく、
前記表示部に表示する寸法測定値を、前記複数の寸法測定部の生成する寸法測定値に応じて自動的に選択する表示制御部を備えることを特徴とする寸法測定装置。
【請求項2】
前記複数の寸法測定値は、各寸法測定値ごとに、前記表示部で表示可能な測定レンジがあらかじめ設定されており、
前記表示制御部は、前記測定レンジ内にある寸法測定値から、前記表示部に表示する寸法測定値を選択する請求項1に記載の寸法測定装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記測定レンジ内にある寸法測定値の個数が前記表示部で表示可能な寸法測定値の個数以下の時には、前記測定レンジ内にあるすべての寸法測定値を表示するように選択する請求項2に記載の寸法測定装置。
【請求項4】
前記複数の寸法測定値は、あらかじめ表示優先順位が設定されており、
前記表示制御部は、前記測定レンジ内にある寸法測定値の個数が前記表示部で表示可能な寸法測定値の個数より多い時には、前記測定レンジ内にある寸法測定値から、前記表示優先順位に従って、表示する寸法測定値を選択する請求項2に記載の寸法測定装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記測定レンジ内にある寸法測定値の個数が前記表示部で表示可能な寸法測定値の個数より多い時には、前記測定レンジ内にある少なくとも一部の寸法測定値を、所定の時間間隔で順に表示するように選択する請求項2に記載の寸法測定装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記測定レンジ内にある寸法測定値の個数が前記表示部で表示可能な寸法測定値の個数より多い時には、最後に前記測定レンジ内に入った寸法測定値を表示するように選択する請求項2に記載の寸法測定装置。
【請求項7】
前記複数の寸法測定値は、各寸法測定値ごとに公差があらかじめ設定されており、
前記表示制御部は、前記測定レンジ内に複数の寸法測定値が存在し、前記測定レンジ内で且つ前記公差外である寸法測定値の個数が前記表示部で表示可能な寸法測定値の個数以下の時には、前記測定レンジ内で且つ前記公差外であるすべての寸法測定値を表示するように選択する請求項2に記載の寸法測定装置。
【請求項8】
前記複数の寸法測定値は、あらかじめ表示優先順位が設定されており、
前記複数の寸法測定値は、各寸法測定値ごとに公差があらかじめ設定されており、
前記表示制御部は、前記測定レンジ内に複数の寸法測定値が存在し、前記測定レンジ内で且つ前記公差外である寸法測定値の個数が前記表示部で表示可能な寸法測定値の個数より大きい時には、前記測定レンジ内で且つ前記公差外である寸法測定値から、前記表示優先順位に従って、表示する寸法測定値を選択する請求項2に記載の寸法測定装置。
【請求項9】
前記複数の寸法測定値は、各寸法測定値ごとに公差があらかじめ設定されており、
前記表示制御部は、前記測定レンジ内に複数の寸法測定値が存在し、前記測定レンジ内で且つ前記公差外である寸法測定値の個数が前記表示部で表示可能な寸法測定値の個数より大きい時には、前記測定レンジ内で且つ前記公差外である少なくとも一部の寸法測定値を、所定の時間間隔で順に表示するように選択する請求項2に記載の寸法測定装置。
【請求項10】
前記複数の寸法測定値は、各寸法測定値ごとに公差があらかじめ設定されており、
前記表示制御部は、前記測定レンジ内に複数の寸法測定値が存在し、前記測定レンジ内で且つ前記公差外である寸法測定値の個数が前記表示部で表示可能な寸法測定値の個数より大きい時には、前記測定レンジ内で且つ前記公差外である寸法測定値のうち、前記公差との差がもっとも大きな寸法測定値を表示するように選択する請求項2に記載の寸法測定装置。
【請求項11】
前記複数の寸法測定値は、あらかじめ表示優先順位が設定されており、
前記複数の寸法測定値は、各寸法測定値ごとに公差があらかじめ設定されており、
前記表示制御部は、前記測定レンジ内に複数の寸法測定値が存在し、前記測定レンジ内で且つ前記公差外である寸法測定値が存在しない時には、前記公差内である寸法測定値から、前記表示優先順位に従って、表示する寸法測定値を選択する請求項2に記載の寸法測定装置。
【請求項12】
前記複数の寸法測定値は、各寸法測定値ごとに公差があらかじめ設定されており、
前記表示制御部は、前記測定レンジ内に複数の寸法測定値が存在し、前記測定レンジ内で且つ前記公差外である寸法測定値が存在しない時には、前記公差内である少なくとも一部の寸法測定値を、所定の時間間隔で順に表示するように選択する請求項2に記載の寸法測定装置。
【請求項13】
前記複数の寸法測定値は、各寸法測定値ごとに公差があらかじめ設定されており、
前記表示制御部は、前記測定レンジ内に複数の寸法測定値が存在し、前記測定レンジ内で且つ前記公差外である寸法測定値が存在しない時には、前記公差内である寸法測定値のうち、前記公差との差がもっとも小さな寸法測定値を表示するように選択する請求項2に記載の寸法測定装置。
【請求項14】
前記表示部は、表示している寸法測定値を示す表示を行う請求項1から13のいずれか1項に記載の寸法測定装置。
【請求項15】
前記表示部に表示する寸法測定値を自動的に選択するモードと、前記表示部に外部から指示された所定の寸法測定値を表示するモードとの間で切り替えることが可能である請求項1から14のいずれか1項に記載の寸法測定装置。
【請求項16】
前記表示部は、寸法値を表示するバーグラフを備え、前記バーグラフの個数が、前記複数の寸法測定部の生成する寸法測定値の個数より少ない請求項1から15のいずれか1項に記載の寸法測定装置。
【請求項17】
各寸法測定値の公差は外部から設定され、前記公差範囲の前記バーグラフの表示範囲に対する比率は、外部から設定されるか、または装置内にあらかじめ固定値として記憶されており、
前記表示制御部は、前記バーグラフの中心が、設定された公差の中心に一致し、前記公差の範囲が、前記バーグラフの表示範囲に対して設定された前記比率になるように、自動で表示を制御する請求項16に記載の寸法測定装置。
【請求項18】
前記バーグラフの表示範囲、公差の上限値および下限値の位置が手動でも調整可能である請求項17に記載の寸法測定装置。
【請求項19】
各寸法測定値の公差及び前記公差範囲の前記バーグラフの表示範囲における位置に関する複数の条件があらかじめ設定されており、
前記表示部は、あらかじめ設定された前記複数の条件から、前記公差の範囲が前記バーグラフの表示範囲に対して所定の比率以内になる条件を選択し、選択した前記条件に基づいて自動的に表示を制御する請求項16に記載の寸法測定装置。
【請求項20】
前記バーグラフは、前記公差の上限値および下限値を表示する請求項17から19のいずれか1項に記載の寸法測定装置。
【請求項21】
前記バーグラフは、LEDで構成される請求項16から17のいずれか1項に記載の寸法測定装置。
【請求項22】
前記バーグラフは、LCDで構成される請求項16から209のいずれか1項に記載の寸法測定装置。
【請求項23】
前記バーグラフは、カラー表示可能であり、前記公差の上限値および下限値を、他のバーグラフ部分との表示色を異ならせて表示する請求項20に記載の寸法測定装置。
【請求項24】
前記公差の上限値および下限値は、前記バーグラフに隣接して設けられた表示目盛りにより表示される請求項20に記載の寸法測定装置。
【請求項25】
寸法測定値を表示するバーグラフと、前記寸法測定値の公差範囲を示す公差範囲表示とを備える寸法測定装置であって、
寸法測定値の公差は外部から設定され、前記公差範囲の前記バーグラフの表示範囲に対する比率は、外部から設定されるか、または装置内にあらかじめ固定値として記憶されており、
前記表示制御部は、前記バーグラフの中心が、設定された公差の中心に一致し、前記公差の範囲が、前記バーグラフの表示範囲に対して設定された前記比率になるように、自動で表示を制御することを特徴とする寸法測定装置。
【請求項26】
前記バーグラフの表示範囲、公差の上限値および下限値の位置が手動でも調整可能である請求項25に記載の寸法測定装置。
【請求項27】
各寸法測定値の公差及び前記公差範囲の前記バーグラフの表示範囲における位置に関する複数の条件があらかじめ設定されており、
前記表示部は、あらかじめ設定された前記複数の条件から、前記公差の範囲が前記バーグラフの表示範囲に対して所定の比率以内になる条件を選択し、選択した前記条件に基づいて自動的に表示を制御する請求項25に記載の寸法測定装置。
【請求項28】
前記バーグラフは、前記公差の上限値および下限値を表示する請求項25から27のいずれか1項に記載の寸法測定装置。
【請求項29】
前記バーグラフは、LEDで構成される請求項25から28のいずれか1項に記載の寸法測定装置。
【請求項30】
前記バーグラフは、LCDで構成される請求項25から28のいずれか1項に記載の寸法測定装置。
【請求項31】
前記バーグラフは、カラー表示可能であり、前記公差の上限値および下限値を、他のバーグラフ部分との表示色を異ならせて表示する請求項25から30のいずれか1項に記載の寸法測定装置。
【請求項32】
前記公差の上限値および下限値は、前記バーグラフに隣接して設けられた表示目盛りにより表示される請求項25から30のいずれか1項に記載の寸法測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−208290(P2006−208290A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−23424(P2005−23424)
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(000151494)株式会社東京精密 (592)
【出願人】(598060350)株式会社東精エンジニアリング (33)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(000151494)株式会社東京精密 (592)
【出願人】(598060350)株式会社東精エンジニアリング (33)
【Fターム(参考)】
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