説明

対回路基板作業機群に対する作業者作業の計画作成方法

【課題】着脱可能な複数のフィーダ58を備えた部品供給装置24から、装着装置26が電子回路部品を受け取り、基板保持装置22に保持された回路基板に装着する電子回路部品装着機を、複数台含む電子回路部品装着シムテムにおけるフィーダ交換作業が集中することを回避し得る交換作業計画を作成する方法を提供する。
【解決手段】設定枚数の回路基板に対する装着作業を1作業単位とし、各フィーダ58の実初期部品数Nmを、1作業単位に装着される単位装着部品数nmで割った商より小さい素数をフィーダ58の数だけ取得する。取得した素数群に同じ値の素数が含まれている場合には、それらの1つを残し、他の素数は1段階あるいはそれ以上小さい素数に変更して、2つ以上同じ素数を含まない素数群を取得する。その素数群の各素数に対応する作業単位の次の作業単位の開始より前に各素数に対応するフィーダ58の交換が行われる計画を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板に対して定められた対回路基板作業を行う対回路基板作業機を1台以上含む対回路基板作業機群に対して1人または複数人の作業者が為すべき作業者作業の計画である作業者作業計画を作成する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
対回路基板作業機群の一例は、下記特許文献1に記載されている、複数台の電子回路部品装着機により構成される電子回路部品装着機列である。各電子回路部品装着機には部品供給装置が設けられ、各部品供給装置は、複数の部品保持具が保持具保持装置に着脱可能に搭載される。装着作業の進行につれて各部品保持具に収容されている電子回路部品の数である部品残数が減少し、ついには供給不能となる。この部品保持具は新たな部品保持具と交換することが必要であり、この交換作業が作業者作業の一例である。
【0003】
従来は、この部品保持具の交換作業が、各部品保持具の部品残数が0あるいは設定数以下になった場合に行われていた。しかし、電子回路部品装着機列には多数の部品保持具が搭載されるため、複数の部品保持具の交換が同時に必要になることがあり、作業者数が足りないために交換作業が遅れ、電子回路部品装着機列の運転を停止せざるを得なくなることがあった。また、この停止を回避しようとすれば、電子回路部品装着機列を担当する作業者の数を多くすることが必要となり、人件費が高くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−104075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、対回路基板作業機群に対する作業者作業が一時期に集中することを回避し、できる限り少ない作業者に対回路基板作業機群を担当させつつ、対回路基板作業機群を停止させざるを得ない事態の発生を良好に回避し得る作業者作業計画の作成を可能にすることを課題として為されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって、回路基板に対して定められた対回路基板作業を行う対回路基板作業機を複数台含む対回路基板作業機群に対して作業者が為すべき作業者作業の計画である作業者作業計画を作成する方法であって、(a)前記複数台の対回路基板作業機の各々の作動に伴ってそれぞれ変化する複数の変量であって、それら変量の変化の量である複数の変化量の累積がそれら複数の変量に対応する複数の作業要判定量の各々を超える前に、作業者が前記複数台の対回路基板作業機の各々に対して作業者作業を行うことが必要であるものの、1作業単位内における変化量である複数の単位変化量で、前記複数の作業要判定量の各々を割った複数の商よりそれぞれ小さい素数を複数個取得し、それら複数個の素数の中に互いに同じものが設定数を超えて存在する場合に、その設定数を超えて存在する素数を生じさせた前記作業要判定量を前記単位変化量の自然数倍分小さくした代替作業要判定量を前記作業要判定量の代わりに使用することより前記設定数を超えて存在する素数の各々を小さくし、互いに同じ値の素数を前記設定数を超えて含まない素数群を取得する素数群取得工程と、(b)前記複数の単位変化量の各々の累積が前記素数群の各素数に対応する対応累積変化量に達する作業単位の次の作業単位の開始より前に、前記素数群の各素数に対応する前記複数の作業者作業の各々が実行される前記作業者作業計画を作成する計画作成工程とを含むことを特徴とする作業者作業計画作成方法が得られる。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る方法により作成された作業者作業計画に従えば、作業者作業の集中を良好に回避することができるため、少ない人数の作業者に対回路基板作業機列を担当させながら、作業者作業が間に合わないために対回路基板作業機列を停止させざるを得なくなる事態の発生を良好に回避することが可能になる。
【発明の態様】
【0008】
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、請求の範囲に記載された発明である「本願発明」の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組合せを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載,従来技術等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
【0009】
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(3)項が請求項3に、(5)項が請求項4に、(6)項が請求項5に、(9)項が請求項6にそれぞれ相当する。
【0010】
(1)回路基板に対して定められた対回路基板作業を行う対回路基板作業機を複数台含む対回路基板作業機群に対して作業者が為すべき作業者作業の計画である作業者作業計画を作成する方法であって、
前記複数台の対回路基板作業機の各々の作動に伴ってそれぞれ変化する複数の変量であって、それら変量の変化の量である複数の変化量の累積がそれら複数の変量に対応する複数の作業要判定量の各々を超える前に、作業者が前記複数台の対回路基板作業機の各々に対して作業者作業を行うことが必要であるものの、1作業単位内における変化量である複数の単位変化量で、前記複数の作業要判定量の各々を割った複数の商よりそれぞれ小さい素数を複数個取得し、それら複数個の素数の中に互いに同じものが設定数を超えて存在する場合に、その設定数を超えて存在する素数を生じさせた前記作業要判定量を前記単位変化量の自然数倍分小さくした代替作業要判定量を前記作業要判定量の代わりに使用することより前記設定数を超えて存在する素数の各々を小さくし、互いに同じ値の素数を前記設定数を超えて含まない素数群を取得する素数群取得工程と、
前記複数の単位変化量の各々の累積が前記素数群の各素数に対応する対応累積変化量に達する作業単位の次の作業単位の開始より前に、前記素数群の各素数に対応する前記複数の作業者作業の各々が実行される前記作業者作業計画を作成する計画作成工程と
を含むことを特徴とする作業者作業計画作成方法。
上記対回路基板作業機群は、上流から下流へ流される1枚の回路基板に対する対回路基板作業を互いに協同して行う対回路基板作業機ラインを構成するものでもよく、また、それぞれ別の回路基板に対する対回路基板作業を行う複数台の対回路基板作業機であるが、1人の作業者または複数人の作業者から成る1作業者グループにより作業者作業が行われる1群の対回路基板作業機でもよい。
上記変量は、1台の対回路基板作業機に1つ存在しても、複数存在してもよい。後者の一例は、対回路基板作業機が回路基板に電子回路部品を装着する電子回路部品装着機である場合に、1台の電子回路部品装着機に搭載される複数の部品供給具(フィーダ,トレイ等)の各々における累積供給部品数である。この場合には、1台の電子回路部品装着機に搭載される部品供給具の数と同数の変量が1台の電子部品装着機に存在することとなるのである。
「作業単位」は、例えば、対回路基板作業機において作業が行われる回路基板の設定枚数(1枚以上は勿論、1枚より小さい場合も含む),対回路基板作業機の設定作業回数,対回路基板の設定作動時間等とすることができる。
「作業単位」は、その作業単位に対応する時間内に対回路基板作業機群において1人の作業者が1回の作業者作業を行うに適した大きさに設定することが簡明であるが、不可欠ではない。例えば、1人の作業者が設定回数の作業者作業を行い得る大きさに作業単位を設定すること、あるいは、1人の作業者は1回の作業者作業を行い得るのみであるが、対回路基板作業機群が複数の作業者により担当されるため、作業者数と同数の作業者作業が同時に実行可能である場合に、それら作業者数と同数の作業者作業が行い得る大きさに作業単位を設定すること等が可能なのである。
作業要判定量を単位変化量で割った商(この商が端数を含む場合は、切り上げて整数としてもよいが、後に素数を取得する際に必然的に整数となるため、切上げは不可欠ではない)は、対回路基板作業機が対回路基板作業を開始した時点を基準とした作業要時期を表しており、この作業要時期は作業単位の数で表される。
したがって、複数の対回路基板作業機が一斉に対回路基板作業を開始した場合は、複数の商より小さい素数を取得し、それら素数の中に、同じ素数が設定数を超え存在しないようにすれば、同じ作業単位に設定数を超える作業者作業が必要となるのは、作業単位の数が、それら素数の任意の2つずつの最小公倍数、すなわち2つずつの素数の積に達したときである。そして、作業要判定量は単位変化量に比較して十分大きいのが普通であるため、各素数は比較的大きな値となり、比較的大きな2つの素数の積は非常に大きな値となる。したがって、作業単位の数が実際に大きな2つの素数の積に達することは稀であり、同じ作業単位内に設定数を超える作業者作業が必要になることを良好に回避できる。
しかし、1対回路基板作業機群に属する複数の対回路基板作業機が対回路基板作業を開始する時期が互いに異なっていれば、上記のように複数の対回路基板作業機が一斉に対回路基板作業を開始する場合のように理想的にはゆかず、比較的早い時期に、同じ作業単位に設定数を超える作業者作業が必要となることがあり得る。しかし、一旦そのような事態が発生した後は、複数の対回路基板作業機が一斉に対回路基板作業を開始したのと同じ状態となり、同じ作業単位に複数の作業者作業が必要となることは稀になる。このことは、実施形態の説明の項において、具体例に基づいてさらに詳細に説明する。
なお、上記素数は、同じ作業単位内に設定数を超える作業者作業が必要になることを可及的に回避するという観点からすれば、できる限り大きいことが望ましく、上記素数は上記商より小さいのみならず、商に最も近い素数であることが望ましいことになる。しかし、不可欠ではない。例えば、作業要判定量と単位変化量とが互いに同じである作業者作業が設定数を超えて存在することが予め明らかである場合には、商より小さい素数の中で互いに同じにならない素数をはじめから選定することも可能である。あるいは、供給ミスの発生に備えて、商より複数段階小さい素数が選定されることもあり得る。ただし、その場合でも、10段階以上は小さくない素数であることが望ましく、5段階以上あるいは3段階以上は小さくない素数であることが望ましい。
また、作業者作業が部品保持具の交換である場合に、新しい部品保持具と交換された部品保持具に残っている部品は廃棄することも可能であり、その場合には上記素数としては上記商にできる限り近いものを選定することが望ましいのであるが、残ったテープ化部品(長手形状のキャリヤテープに複数の電子回路部品が等間隔に保持されたもの)を集めてつなぎ合わせる等して使用される場合には、残ったテープ化部品があまりに短いと接続作業が大変になるため、ある程度の長さで残す方がよい場合があり、その場合には、上記素数は上記商より十分小さいものとされることが望ましいことになる。ただし、素数があまりに小さければ、発明の効果が十分に得られないため、少なくとも上記商の1/2よりは大きい素数が望ましく、商の2/3あるいは3/4よりは大きいことが望ましい。
(2)前記対回路基板作業機が、(a)回路基板を保持する基板保持装置と、(b)実初期部品数の同種の電子回路部品をそれぞれ保持する複数の部品保持具と、それら複数の部品保持具の各々を着脱可能に保持する保持具保持装置とを備えた部品供給装置と、(c)その部品供給装置から電子回路部品を取り出し、前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含む電子回路部品装着機を含み、
前記対回路基板作業機群が、前記電子回路部品装着機が複数台1列に並べられて装着機ラインを構成し、その装着機ラインが、上流から下流へ送られる回路基板に対して各電子回路部品装着機が順次電子回路部品の装着を行うものであり、
前記作業者作業が、前記装着機ラインの複数の前記部品供給装置の複数m番の前記部品保持具の各々を交換する保持具交換作業を含み、
前記素数群取得工程が、前記作業単位当たりに前記m番の部品保持具の各々から供給される電子回路部品の数を単位装着部品数nmとし、その電子回路部品を供給する前記複数の部品保持具の各々の実初期部品数をNmとした場合に、実初期部品数Nmを単位装着部品数nmで割った複数の商の各々より小さい素数を複数個取得するとともに、それら複数個の素数の中に互いに同じものが設定数を超えて存在する場合に、その設定数を超えて存在する同じ素数のいずれか一方を生じさせた前記実初期部品数Nmを、その実初期部品数Nmより前記単位装着部品数nmの自然数倍小さい代わりの初期部品数である代替初期部品数Nm′に変更し、その代替初期部品数Nm′について前記素数を取得することにより、互いに同じ素数を前記設定数を超えて含まない素数群を取得する工程を含み、
前記計画作成工程が、前記複数の部品保持具のうち、それら複数の部品保持具の各々から前記作業単位の1つである着目作業単位の終わりまでに供給される電子回路部品の合計数が、それぞれ前記素数群の各素数に対応する対応累積部品数に達する部品保持具の交換が、前記着目作業単位の次の作業単位の開始より前に行われるように、前記複数の部品保持具の交換作業計画を作成する工程を含む(2)項に記載の作業者作業計画作成方法。
上記部品保持具は、長手形状のキャリヤテープに複数の電子回路部品が等間隔に保持されたテープ化部品が巻かれたリールでも、長手形状のケースに複数電子回路部品が並べて収容されたスティックでも、複数の電子回路部品がバルク状に収容された部品収容器でもよく、それらリール,スティック,部品収容器を着脱可能に保持して部品供給部から順次供給するフィーダでもよい。また、複数の電子回路部品を平面状に並べて収容するトレイでもよく、そのトレイを複数枚収容したパレットでもよい。
そして、部品保持具の交換作業には、それまで使用されていたフィーダ,トレイ,パレットを取り外し、予め準備されているフィーダ,トレイ,パレット等を取り付ける単純な交換作業や、リールやスティックをフィーダに装着し、装着したリールやスティックが正しいものであるか否かの確認作業を行う等の付随作業を含む複雑な交換作業や、それまでフィーダに装着されていたリールを取り外し、新たなリールを装着し、先行テープ化部品の末端に後続テープ化部品の先端を接続するスプライシング作業等が含まれる。
本項においては、素数群を取得する工程が、互いに同じ素数を設定数を超えて含まない素数群を取得する工程とされているが、担当作業者が複数人であっても、互いに近接した部品保持具の交換が同時に必要になった場合には、複数人が同時に作業を行うことができないため、設定数を1とすること、すなわち互いに同じ素数を含まない素数群を取得する工程とすることが望ましい。
(3)前記対回路基板作業機が、(a)回路基板を保持する基板保持装置と、(b)電子回路部品を供給する部品供給装置と、(c)吸着ノズルを着脱可能に保持する装着ヘッドを備え、前記吸着ノズルにより前記部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含む電子回路部品装着機を含み、
前記対回路基板作業機群が複数台の前記電子回路部品装着機から成る電子回路部品装着機群を含み、
前記作業者作業が、前記電子回路部品装着機群に対して行うべき前記吸着ノズルのメンテナンス作業を含み、
前記素数群取得工程が、前記複数の前記吸着ノズルの各々について予め設定されている実要メンテナンス使用量を、前記作業単位当たりの使用量で除した商の各々より小さい素数を複数個取得するとともに、その取得した複数個の素数の中に互いに同じものが設定数を超え存在する場合に、その設定数を超えて存在する同じ素数を生じさせた前記実要メンテナンス使用量を前記作業単位当たりの使用量の自然数倍分小さくした代替要メンテナンス使用量を前記要メンテナンス使用量の代わりに使用することより、前記設定数を超えて存在する素数の各々を小さくし、互いに同じ値の素数を前記設定数を超えて含まない素数群を取得する工程を含み、
前記計画作成工程が、前記複数の吸着ノズルのうち、それら複数の吸着ノズルの各々の前記作業単位の1つである着目作業単位の終わりまでに使用されるものの使用量の合計が、それぞれ前記素数群の各素数の各々に対応する対応累積使用量に達する吸着ノズルに対する前記メンテナンス作業が前記着目作業単位の次の作業単位の開始より前に行われるように、前記複数の吸着ノズルのメンテナンス作業計画を作成する工程を含む(1)項に記載の作業者作業計画作成方法。
吸着ノズルのメンテナンス作業には、塵埃による吸着ノズルの詰まりの解消、付着した接着剤の除去,吸着管の曲がりの修正等が含まれる。また、吸着ノズルの使用量は、電子回路部品の吸着回数や、使用開始からの経過時間等とすることができる。
(4)前記対回路基板作業機が、
回路基板を保持する基板保持装置と、
その基板保持装置に保持された回路基板の予め定められた複数の部分に高粘性流体を塗布する塗布装置と、
それら基板保持装置と塗布装置とを互いに相対移動させる相対移動装置と、
高粘性流体を収容する収容器を備え、前記塗布装置に高粘性流体を供給する供給装置と
を含む高粘性流体塗布機を含む(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の作業者作業計画作成方法。
高粘性流体塗布機には、回路基板にクリーム状はんだを印刷するスクリーン印刷機や接着剤を局部的に塗布するディスペンサが含まれる。
(5)前記作業者作業が、前記高粘性流体塗布機を複数台含む高粘性流体塗布機群の前記収容器の各々に高粘性流体の補給を行う高粘性流体補給作業を含み、
前記素数群取得工程が、前記複数台の高粘性流体塗布機の前記収容器の各々について予め設定されている実初期収容量を、前記作業単位当たりの消費量である単位消費量で除した商より小さい素数を複数個取得するとともに、その取得した複数個の素数の中に互いに同じものが設定数を超えて存在する場合に、その設定数を超えて存在する素数を生じさせた前記実初期収容量を前記作業単位当たりの消費量の自然数倍分小さくした代替初期収容量を前記実初期収容量の代わりに使用することより、前記設定数を超える素数の各々を小さくし、互いに同じ素数を前記設定数を超えて含まない素数群を取得する工程を含み、
前記計画作成工程が、前記複数の収容器のうち、それら複数の収容器の各々の前記作業単位の1つである着目作業単位の終わりまでの消費量の合計が、それぞれ前記素数群の各素数に対応する対応累積消費量に達する収容器に対する前記高粘性流体補給作業が、前記着目作業単位の次の作業単位の開始より前に行われるように、前記複数の収容器の高粘性流体補給作業計画を作成する工程を含む(4)項に記載の作業者作業計画作成方法。
(6)前記作業者作業が、前記対回路基板作業機群に属する前記複数台の前記対回路基板作業機の各々における1箇所以上ずつである複数の対象部分に対する給脂と清掃との少なくとも一方を含むメンテナンス作業を含み、
前記素数取得工程が、前記複数の対象部分の各々について予め設定されている設定作動時間を、前記対回路基板作業機群における前記作業単位としての単位作動時間で除した商より小さい素数を複数個取得し、その取得した複数個の素数の中に互いに同じものが設定数を超えて存在する場合に、その設定数を超えて存在する素数を生じさせた前記設定作動時間を前記単位作動時間の自然数倍分小さくした代替作動時間を前記設定作動時間の代わりに使用することより、前記設定数を超えて存在する素数の各々を小さくし、互いに同じ値の素数を前記設定数を超えて含まない素数群を取得する素数群取得工程を含み、
前記計画作成工程が、前記複数の対象部分のうち、それら複数の対象部分の各々についての前記単位作動時間の1つである特定単位作動時間の終わりまでに前記単位作動時間の合計が、前記素数群の各素数に対応する対応累積作動時間に達する対象部分に対する前記メンテナンス作業が前記着目作業単位の次の作業単位の開始より前に行われるように、前記複数の対象部分のメンテナンス作業計画を作成する工程を含む(1)項ないし(5)項のいずれかに記載の作業者作業計画作成方法。
本項の方法は、電子回路部品装着機群と高粘性流体塗布機群との少なくとも一方を含む対回路基板作業機群についての作業者作業計画の作成に適用することができる。給脂作業の対象部分は、例えば、給脂ニップルとすることができ、清掃作業の対象部分は、電子回路部品装着機の吸着ノズル,接着剤塗布機の吐出ノズルあるいは試し塗布部材の塗布面,スクリーン印刷機のマスクあるいはスキージの少なくとも1つとすることができる。
(7)作業者作業が実行に要する所要時間を互いに異にする複数種類の作業者作業を含み、前記所要時間が長い作業者作業の計画を先に作成し、空いた作業単位に前記所要時間の短い作業者作業が実行されるように計画を作成する(1)項ないし(6)項のいずれかに記載の作業者作業計画作成方法。
(8)作業者作業が実行に要する所要時間を互いに異にする複数種類の作業者作業を含み、前記所要時間が短い作業者作業の計画を先に作成し、連続して空いた作業単位連に前記所要時間の長い作業者作業を割り当てて計画を作成する(1)項ないし(7)項のいずれかに記載の作業者作業計画作成方法。
本項が(7)項に従属する態様では、本項に記載の作業者作業計画作成方法と、(7)項に記載の作業者作業計画作成方法とが折衷して実施されることとなる。
(9)作業者作業が実行に要する所要時間を互いに異にする複数種類の作業者作業を含み、実行時期の自由度が小さい作業者作業の計画を先に作成し、実行時期の自由度が大きい作業者作業を、前記自由度が小さい作業者作業が行われない時期に割り当てて計画を作成する(1)項ないし(6)項のいずれかに記載の作業者作業計画作成方法。
(10)回路基板に対して定められた対回路基板作業を行う対回路基板作業機を複数台含む対回路基板作業機群に対して作業者が為すべき作業者作業の計画である作業者作業計画を作成する装置であって、
前記複数台の対回路基板作業機の各々の作動に伴ってそれぞれ変化する複数の変量であって、それら変量の変化の量である複数の変化量の累積がそれら複数の変量に対応する複数の作業要判定量の各々を超える前に、作業者が前記複数台の対回路基板作業機の各々に対して作業者作業を行うことが必要であるものの、1作業単位内における変化量である複数の単位変化量で、前記複数の作業要判定量の各々を割った複数の商より小さい素数を複数個取得し、それら複数個の素数の中に互いに同じものが設定数を超えて存在する場合に、その設定数を超えて存在する素数を生じさせた前記作業要判定量を前記単位変化量の自然数倍分小さくした代替作業要判定量を前記作業要判定量の代わりに使用することより、前記設定数を超えて存在する素数の各々を小さくし、互いに同じ値の素数を前記設定数を超えて含まない素数群を取得する素数群取得部と、
前記複数の単位変化量の各々の累積が前記素数群の各素数に対応する対応累積変化量に達する作業単位の次の作業単位の開始より前に、前記素数群の各素数に対応する前記複数の作業者作業の各々が実行される前記作業者作業計画を作成する計画作成部と
を含むことを特徴とする作業者作業計画作成装置。
前記(2)項ないし(9)項に記載の特徴は本項の作業者作業計画作成装置にも適用可能である。
(11)(a)回路基板を保持する基板保持装置と、(b)その基板保持装置に保持された回路基板に予め定められた作業を行う作業装置とを含む対回路基板作業機と、
その対回路基板作業機を制御する制御装置と
を含み、前記制御装置が、
前記回路基板作業機の作動に伴って、その対回路基板作業機に対して作業者が為すべき作業者作業の計画を記憶している作業者作業計画記憶部と、
その作業者作業計画記憶部に記憶されている作業者作業計画に基づいて、作業者作業が必要な複数の時期に、作業者が為すべき作業を順次報知する作業報知部と
を含む対回路基板作業システム。
前記(1)項ないし(10)項の各々に記載の特徴は本項の対回路基板作業システムにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】請求可能発明の一実施形態である電子回路部品装着システムの外観を示す斜視図である。
【図2】上記電子回路部品装着システムの構成要素である装着モジュールの構成を一部のカバーを除去して示す斜視図である。
【図3】上記装着モジュールにおける装着装置を取り出して示す斜視図である。
【図4】前記電子回路部品装着システムの制御装置を示すブロック図である。
【図5】前記電子回路部品装着システムにおけるフィーダ交換作業を説明するための図である。
【図6】上記フィーダ交換作業の計画を作成するために使用される初期部品数テーブルを示す図である。
【図7】前記電子回路部品装着システムにおけるフィーダ交換作業テーブルを示す図である。
【図8】前記電子回路部品装着システムにおけるフィーダ交換作業の制御プログラムのメインルーチンを示すフローチャートである。
【図9】上記メインルーチンにおけるフィーダ交換作業計画作成ルーチンを示すフローチャートである。
【図10】上記メインルーチンにおけるフィーダ交換作業報知ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】前記フィーダ交換作業計画の作成原理を説明するための図である。
【図12】前記フィーダ交換作業計画の有効性を確認するために行ったシミュレーションの結果を示す図である。
【図13】前記フィーダ交換作業計画の一例を示す図である。
【図14】別の実施形態におけるスクリーン印刷機を示す正面図である。
【図15】上記スクリーン印刷機におけるクリーム状はんだ供給装置を示す正面図である。
【図16】別の実施形態における接着剤ディスペンサ機の要部を示す部分断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、請求可能発明の実施形態を、上記各図を参照しつつ説明する。なお、請求可能発明は、下記実施形態の他、上記〔発明の態様〕の項に記載した態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
【0013】
図1に、電子回路部品装着システムの外観を示す。本装着システムは、複数の装着モジュール10の2台ずつが、それぞれ共通で一体のベース12上に、互いに隣接して横並びに配列されて固定されたものが、さらに複数横並びに配列されることにより構成されている。複数の装着モジュール10はそれぞれ電子回路部品装着機と考えることができ、回路基板への電子回路部品の装着を分担し、並行して行う。
【0014】
装着モジュール10については、例えば、特開2004−104075公報に詳細に記載されており、本請求可能発明に関係する部分以外の部分については簡単に説明する。
各装着モジュール10はそれぞれ、図2に示すように、本体フレームとしてのモジュール本体18,基板搬送装置20,基板保持装置22,部品供給装置24,装着装置26,基準マーク撮像装置28(図3参照),部品撮像装置30および電気制御装置32を備えている。
【0015】
モジュール本体18は、図2に示すように、前後方向に長いベッド36と、そのベッド36の前端部および後端部からそれぞれ立ち上がった2本ずつの前コラム38および後コラム40と、それら4本のコラム38,40に支持されたクラウン42とを備えている。クラウン42は、強度部材であるビーム44とそのビーム44の上方を覆うカバー46とを備えている。
【0016】
基板搬送装置20は、図2に示すように、2つの基板コンベヤ54,56を備え、ベッ
ド36の、装着モジュール10の前後方向の中央部に設けられ、回路基板57(以下、特に必要がない限り基板57と略称する)を複数の装着モジュール10が並ぶ方向と平行な方向であって、水平な搬送方向に搬送する。基板保持装置22は2つの基板コンベヤ54,56の各々について設けられ、それぞれ基板57を下方から支持する支持部材および基板57の搬送方向に平行な両側縁部をそれぞれクランプするクランプ部材を備え、基板57をその電子回路部品が装着される装着面が水平となる姿勢で保持する。基板搬送装置20による基板57の搬送方向をX軸方向、基板保持装置22に保持された基板57の装着面に平行な平面である、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向とする。
【0017】
部品供給装置24は、ベッド36の基板搬送装置20に対してY軸方向の一方の側であって、装着モジュール10の前面側に設けられている。部品供給装置24は、例えば、部品フィーダの一種であるテープフィーダ(以後、フィーダと略称する)58により部品を供給するものとされ、複数のフィーダ58と、それらフィーダ58が着脱可能に取り付けられるフィーダ支持台59とを含む。複数のフィーダ58はそれぞれ、多数の部品をテープにより保持した状態で供給し、それぞれ異なる種類の部品を保持した複数のフィーダ58が、各々の部品供給部がX軸方向に沿って並ぶ状態でフィーダ支持台59に取り付けられる。部品供給装置はトレイによって部品を供給する装置としてもよい。
【0018】
装着装置26は、図2および図3に示すように、装着ヘッド60と、その装着ヘッド60を移動させるヘッド移動装置62とを備えている。ヘッド移動装置62は、図3に示すように、X軸方向移動装置64およびY軸方向移動装置66を備えている。Y軸方向移動装置66は、モジュール本体18を構成するビーム44に、部品供給装置24の部品供給部と基板保持装置22とに跨って設けられたリニアモータ70を備え、可動部材としてのY軸スライド72をY軸方向の任意の位置へ移動させる。X軸方向移動装置64はY軸スライド72上に設けられ、Y軸スライド72に対してX軸方向に移動させられるとともに、互いにX軸方向に相対移動させられる第1,第2X軸スライド74,76と、それらスライド74,76をそれぞれ、X軸方向に移動させるX軸スライド移動装置78(図3には第2X軸スライド76を移動させる移動装置のみが図示されている)とを備えている。2つのX軸スライド移動装置はそれぞれ、例えば、駆動源たる電動回転モータの一種であるサーボモータと、ボールねじおよびナットを含む送りねじ機構とを含むものとされ、X軸スライド74,76をX軸方向の任意の位置へ移動させる。
【0019】
装着ヘッド60は、第2X軸スライド76に着脱自在に搭載され、ヘッド移動装置62により、部品供給装置24の部品供給部と基板保持装置22とに跨る移動領域である装着作業領域内の任意の位置へ移動させられる。装着ヘッド60は、部品保持具の一種である吸着ノズル86によって部品を保持するものとされており、吸着ノズル86を着脱可能に保持し、保持具保持部を構成するノズルホルダ88の数を異にする複数種類の装着ヘッド60が用意され、部品が装着される基板57の種類に応じて選択的に第2X軸スライド76に取り付けられる。
【0020】
前記電気制御装置32は、図4に示すように、CPU90,ROM92,RAM94およびI/Oポート96を含む制御コンピュータ98を主体とするものであり、この制御コンピュータ98には、図示は省略するが、前記基板搬送装置20,基板保持装置22,部品供給装置24,装着装置26等の駆動源たる各アクチュエータが駆動回路を介して接続されるとともに、基準マーク撮像装置28および部品撮像装置30が接続され、かつ、図1,2に示すディスプレイ100と、図1,2においては省略されている報知器102と入力装置104とが接続されている。報知器102は、電子回路部品装着システムを担当している作業者に作業者作業を行うことが必要であることを報知するものであり、報知ランプと報知ブザーとの少なくとも一方を含むものとされる。
【0021】
制御コンピュータ98のROM92には、上記基板搬送装置20,基板保持装置22,部品供給装置24,装着装置26,基準マーク撮像装置28および部品撮像装置30等を制御する基本プログラムが格納されており、部品を基板57に装着するためにRAM94に格納されるシーケンスデータに基づいて上記基本プログラムが実行されることにより、基板57の搬送や部品の基板57への装着が行われる。各装着モジュール10の制御コンピュータ98は、CPU110,ROM112,RAM114およびI/Oポート116を含むホストコンピュータ120に接続されており、RAM114に上記シーケンスデータ等が格納される一方、ROM112には本電子回路部品装着システムにおける作業者作業の一種としての、部品供給装置24におけるフィーダ58の交換作業の計画を、シーケンスデータに基づいて作成するためのプログラムも格納されている。
【0022】
以下、このフィーダ交換作業計画の作成について説明する。
本電子回路部品装着システムには、複数の装着モジュール10全体に対して多数(ここではM個とする)のフィーダ58が搭載され、原則として、各フィーダ58内に1作業単位に装着されるべき数以上の部品がある状態ではなくなった(以下、単に「部品が不足」という)場合に、そのフィーダ58が、規定の初期部品数の部品が収容されたフィーダ58と交換されるようになっている。本実施形態においては、図5に示すように、1作業単位が、1回のフィーダ交換作業を行うに十分な時間であって、その間にn枚(nは1以上であり、図示の例では2)の基板57に対する部品の装着作業が行われる時間に決定されている。上記「n枚」が1作業単位であると考えることもでき、また、各フィーダ58については、各フィーダ58からn枚の基板57に対して供給され、装着される部品の合計数である「単位装着部品数」が1作業単位であると考えることもできる。
【0023】
なお、上記「1回のフィーダ交換作業(必要に応じて、広義のフィーダ交換作業と称する)」は、図5に示すように、「フィーダ準備」,「フィーダ脱着」および「フィーダ後始末」を含む一連の作業であり、「フィーダ準備」は、フィーダ58を図示しない収納棚から取り出す「フィーダ取出し」、フィーダ58とリール130(図2参照)とにそれぞれ設けられているバーコードをバーコードリーダに読み取らせてホストコンピュータ120またはパーソナルコンピュータに記憶させる「バーコード読取り」、およびリール130をフィーダ58に取り付ける「リール取付け」を含む。また、「フィーダ脱着」は、部品が不足のフィーダ58をフィーダ支持台59から取り外し、準備作業が終了しているフィーダ58を取り付ける作業であり、「フィーダ後始末」は、取り外したフィーダ58からリール130を取り外す「リール取外し」、およびフィーダ58を収納棚に収納する「フィーダ収納」を含む。上記「バーコード読取り」は、各装着モジュール10の制御コンピュータ98において、フィーダ58(それに収容された部品の種類)の誤搭載を防止するために、リール130に収容されている部品の種類および規定の初期部品数を含む部品情報と、フィーダ58を個々に識別可能なフィーダ識別コードとを取得するために行われるものであるが、ここにおいて取得されるフィーダ識別コードとそれに対応付けて取得された規定の初期部品数とは、以下の説明から明らかなように、フィーダ交換作業計画の作成にも利用される。
【0024】
さらに附言すれば、実際上、「フィーダ準備」および「フィーダ脱着」は1作業単位の終わりまでに終了することが必要であるが、「フィーダ後始末」は1作業単位の終了時点より遅れて実行されても差し支えない。特に、1作業単位が1枚の基板57に対する装着作業であり、その作業単位の末部における基板搬入搬出の間に「フィーダ脱着」が行われる場合には、「フィーダ後始末」の一部または全部が次の1作業単位の最初に、あるいは作業者作業が必要ではない作業単位内に実行されることとなる。
【0025】
ホストコンピュータ120のRAM114には種々の電子回路を組み立てるためのシーケンスリストが格納されており、次に組み立てられるべき電子回路用のシーケンスリストが各装着モジュール10の制御コンピュータ98へ送られて各装着モジュール10における装着作業のための制御に使用されるのであるが、それに先だってホストコンピュータ120においてフィーダ交換作業計画が作成される。このフィーダ交換作業計画は、電子回路部品装着システムによる装着作業の実行に伴って必要となる作業者の作業が、一時期に集中することがないように均等化させるための作業者作業計画の一種である。
【0026】
フィーダ交換作業計画は、図6に示す初期部品数テーブル134(前記「バーコード読取り」により取得される情報に基づいて作成される)と、前記シーケンスリストと、図示を省略する一般的な素数テーブルとを使用して、図9に示すフィーダ交換作業計画作成ルーチンを実行することにより作成される。初期部品数テーブル134は、次の装着作業の実行のために電子回路部品装着システムに搭載されるすべてのフィーダ58に便宜的に付される番号であるフィーダ番号m(例えば、電子回路部品装着システム全体について、上流側のフィーダ58から順に1〜Mという番号が付される。フィーダ支持台59におけるフィーダ取付部の番号と考えることもできる。)と、各リール130に巻かれているテープ化部品の種類と規定の初期部品数とを対応付けて作成されるテーブルである。また、フィーダ交換計画作成ルーチンは図8に示すメインルーチンの一サブルーチンとして作成されたものであり、各フィーダ58には、それぞれ規定の初期部品数の部品が収容されたテープ化部品が巻かれた新品のリール130が装着され、かつ、交換されるフィーダ58にも新品のリール130が装着されることを前提として作成されており、次に組み立てられるべき電子回路にはM個のフィーダ58から供給される部品が必要であるものとする。
【0027】
メインルーチンは種々の処理を行うための多数のサブルーチンを含んでいるが、図8にはフィーダ交換作業計画の作成とフィーダ交換作業の報知とに関連の深い部分のみを取り出して示す。
まず、S1の初期設定において、フィーダ番号である変数mが0にセットされる。そして、S2において作業者の入力装置104の操作によりフィーダ交換作業計画の作成が指示されたか否かが判定され、指示があればS3のフィーダ交換作業計画作成ルーチンが実行される。また、S4において、各装着モジュール10において1作業単位の開始時期になったか否かが判定される。具体的には、n枚ずつの基板57に対する装着作業が終了したか否かが判定されるのであるが、開始時期に到れば、S5のフィーダ交換作業報知ルーチンが実行される。やがて、S6において、作業者による入力装置104の操作によってメインルーチンの実行を終了すべきことが指示されたか否かが判定され、判定結果のNOであれば、S2以降が再び実行されるが、判定結果がYESであれば、S7の終了処理が行われてメインルーチンの実行が終了する。S6においては、予定枚数の電子回路の組立作業が終了したか否かが判定され、終了すれば自動的にS7の終了処理が実行されるようにしてもよい。
【0028】
次に、フィーダ交換作業計画作成ルーチンを説明する。
まず、S11において変数mがインクリメントされ、1番目のフィーダ58が指定される。次に、S12において、シーケンスリストに基づいて1番目のフィーダ58に収容させられるべき部品の種類が取得され、その部品の規定の初期部品数Cmが初期部品数テーブル134から読み出される。S13において、シーケンスリストに基づいて1作業単位内にn枚の基板57に装着されるべき部品の数である単位装着部品数cmが、cm=n×amの演算により取得され、S14において、Cm/cmの演算により、規定の初期部品数Cmにより実行可能な作業単位の数が取得され、S15において、商Cm/cmより小さく、かつ、その商に最も近い素数pmが素数テーブルを利用して取得され、フィーダ58の識別コードと対応付けてRAM114のフィーダ交換作業計画テーブル136(図7参照)に格納される。なお、商Cm/cmは端数を含むことが多いが、S15の実行には差し支えない。
【0029】
続いて、S16において、S15において取得された最新の素数pmと同じ素数pmがフィーダ交換作業計画テーブル136内に既にあるか否かの判定が行われ、判定結果がYESであれば、S17において、最新の素数pmがそれより小さくかつそれに最も近い素数に変更され、再びS16の判定が行われる。S17およびS16の実行が、S16の判定結果がNOになるまで繰り返され、最終的に代替素数pm′が取得され、S18においてフィーダ交換作業計画テーブル136に格納される。一方、S15の実行直後に実行されるS16の判定結果がNOであれば、S18においてフィーダ交換作業計画テーブル136にはS15において取得された素数pmが格納される。結局、フィーダ交換作業計画テーブル136には、各フィーダ58のフィーダ識別コードと対応付けて素数pmまたは代替素数pm′が格納されることとなる。素数pmは規定の初期部品数Cmに基づいて決定されたものであるのに対し、代替素数pm′は、フィーダ交換作業計画テーブル136に同じ素数が存在しないようにするために、故意に小さくされたものであり、見方を変えれば、リール58に保持されている部品の数を、規定の初期部品数Cmより小さい代替初期部品定数Cm′に基づいて代替素数pm′が取得されたと考えることができる。これら代替素数pm′および代替初期部品定数Cm′との比較において、素数pmおよび規定の初期部品数数Cmを基本素数および基本初期部品数と称することとする。
【0030】
上記S18の実行後、S19において変数mがフィーダ58の総数以上になったか否か、すなわち、すべてのフィーダ58について基本素数pmまたは代替素数pm′が取得されたか否かの判定が行われ、判定結果がNOであればS11において変数mがインクリメントされてS12〜18が実行される。その繰返しの結果、S19の判定結果がYESとなれば、フィーダ交換作業計画作成ルーチンの実行が終了し、メインルーチンの実行に戻る。
以上の説明から明らかなように、フィーダ交換作業計画テーブル136にフィーダ識別コードと対応付けて格納される基本素数pmまたは代替素数pm′は、フィーダ58の交換作業が行われるべき累積単位作業数を表しており、フィーダ交換作業計画テーブル136の内容自体がフィーダ交換作業計画なのである。そして、フィーダ交換作業計画テーブル136に格納されている基本素数pmおよび代替素数pm′の中には互いに同じものは含まれていないため、1作業単位内に2回のフィーダ交換作業が必要になることがないフィーダ交換作業計画が作成されたことになる。
【0031】
したがって、装着モジュール10の各々において、n枚ずつの基板57に対する装着作業が行われる毎に、各フィーダ58についての累積作業単位数が1ずつ増加させられ、その累積作業単位数が、次の作業単位において基本素数pmまたは代替素数pm′と等しくなる場合に、次の作業単位内にフィーダ交換作業を行うべきことがディスプレイ100および報知器102により報知されるようにすることができる。
【0032】
しかし、本電子回路部品装着システムにおいては、図10に示すフィーダ交換作業報知ルーチンの実行により、基本初期部品数Cmまたは代替初期部品数Cm′と、単位装着部品数cmとに基づいて次の作業単位内にフィーダ交換作業を行うべきことが報知されるようになっている。1作業単位数を表すものとして、単位装着部品数cmが使用されているのである。
【0033】
まずS21において変数mがインクリメントされた後、S22においてCm=Cm−cmまたはCm′=Cm′−cmが実行される。このS22の処理は、基本初期部品数Cmまたは代替初期部品数Cm′から累積単位装着部品数Σcmを差し引いて部品残数を求める処理と同じである。この部品残数は、実際にフィーダ58に残っている部品数である実部品残数を表すものではなく、実部品残数が、フィーダ交換作業が必要となる時点における実部品残数である交換時点部品残数に達するまでに供給可能な部品数を表すものである。この供給可能な部品数が負であるか否かがS23で判定され、判定結果がYESであれば、S24において、フィーダ交換作業を行うべきことがディスプレイ100および報知器102により報知される。ホストコンピュータ116から制御コンピュータ98へ、フィーダ交換作業を行うべき旨の情報が送られ、その情報に基づいて制御コンピュータ98によりディスプレイ100および報知器102が制御されるのである。
【0034】
フィーダ交換作業を行うべき旨の報知は、該当する1作業単位の開始点から終了点まで行われるが、その中でも前記「フィーダ脱着」の実行時期は厳密に守られるべきであるため、基板57の搬入搬出時期に合わせて「フィーダ脱着」の実行時期が別途明確に作業者に報知されることが望ましい。
例えば、「フィーダ脱着」の実行時期には、報知器102が「フィーダ交換作業を行うべき旨の報知」とは異なる態様で作動させられるようにするのである。具体的には、報知器102が報知ランプを含むものである場合に、通常は緑色のランプが点灯されているが、フィーダ交換作業を行うべき期間中は黄色のランプが点灯され、フィーダ脱着の実行時期には赤色のランプが点灯されるというように、報知ランプの色が変えられたり、フィーダ交換作業を行うべき旨の報知は報知ランプが連続点灯させられるのに対し、フィーダ脱着の実行時期には点滅させられるというように点灯の態様が変えられたり、報知器102が報知ブザーを含むものである場合に、フィーダ交換作業を行うべき時期の間は一定周期で短く鳴動させられ、フィーダ脱着の実行時期中には連続して鳴動させられるというように、鳴動の態様が変えられるようにするのである。報知ランプと報知ブザーとの両方が設けられている場合には、両者の作動の組合せにより、「フィーダ交換作業を行うべき旨の報知」と「フィーダ脱着の報知」とを互いに異ならせることも可能である。
【0035】
そして、S25において、フィーダ58の交換(図5における「フィーダ脱着」に当たる狭義のフィーダ交換作業)が行われることが待たれる。装着モジュール10の制御コンピュータ98は、図4に示すように、フィーダ58に設けられたフィーダ制御コンピュータ150との間で通信が可能であるとともに、フィーダ支持台59の各フィーダ保持部にフィーダ58が搭載されているか否かを検出するフィーダ検出器152(図4においては1個のみ代表的に示す)を備えており、このフィーダ検出器152の検出結果と、フィーダ制御コンピュータ150との通信結果とに基づいて、フィーダ58の脱着が行われたか否かを検出することができる。したがって、フィーダ58の交換が行われれば、その情報がホストコンピュータ120へ送られてS25の判定結果がYESとなり、S26において、基本初期部品数Cmまたは代替初期部品数Cm′の初期化が行われた後、S27においてすべてのフィーダ58についてのフィーダ交換作業の要否判定が行われたか否かが判定され、判定結果がNOであれば再びS21以下が実行される。やがて、S27の判定結果がYESとなり、1回のフィーダ交換作業報知ルーチンの実行が終了し、メインルーチンの実行に戻る。
【0036】
なお、図10に示すフィーダ交換作業報知ルーチンの実行は、表面上、n枚ずつの基板57に対する装着作業が作業単位とされる場合と異なるように見えるが、実際上は同じことであり、後者による方が本発明を理解し易いため、以下、後者であるかのように説明することとする。
【0037】
図9のフィーダ交換作業計画作成ルーチンの実行により作成された図7のフィーダ交換作業計画テーブル136の内容、すなわちフィーダ交換作業計画に従えば、複数の装着モジュール10が一斉に装着作業を開始するという仮想条件の下では、1作業単位であるn枚の基板57に対する装着作業(基板57の搬入搬出を含む)が行われている間に、2回以上のフィーダ交換作業(広義の)が必要になることは、累積作業単位数が基本素数pmまたは代替素数pm′の最小公倍数に達するまでなく、基本素数pmや代替素数pm′は通常相当大きい値になるため、その最小公倍数である2つの基本素数pmや代替素数pm′の積は極めて大きな値であり、実際の電子回路の組立作業においては生じないこともある。
【0038】
しかしながら、実際には、本電子回路部品装着システムに属する複数の装着モジュール10は一列に並んでおり、基板搬送装置20により順次送られる基板57に対して部品の装着作業を行うため、複数の装着モジュール10が最初の基板57に対する装着作業を一斉に開始することはない。例えば、各装着モジュール10内には1枚ずつの基板57が存在し、隣接する装着モジュール10間には存在しない状態で電子回路部品装着システムが使用される場合に、1作業単位が2枚の基板57に対する装着作業であるとすれば、最上流の装着モジュール10において部品の装着が行われた最初の基板57に対して、最上流から5番目(以下、単に5番目という)の装着モジュール10において部品の装着が行われるのは、2作業単位分後になる。
【0039】
その場合に、仮に、最上流の装着モジュール10において1つのフィーダ58の交換が必要になる作業単位数が素数109であり、5番目の装着モジュール10において1つのフィーダ58の交換が必要になる作業単位数も素数109であったとすれば、すべての装着モジュール10が一斉に装着作業を開始するという仮想条件の下では、図11(a)に示すように、最上流の装着モジュール10と5番目の装着モジュール10とにおいて1つずつのフィーダ58の交換が同時に必要になることになる。そのため、5番目の装着モジュール10のフィーダ58についての基本素数109が1段下の代替素数107に変更されることになるのであるが、実際には、5番目の装着モジュール10においては、上述のとおり2作業単位分後に装着作業が開始されるため、図11(b)に示すように、最上流の装着モジュール10における基本素数109に対応する交換と5番目の装着モジュール10とにおける代替素数107に対応する交換とが同時に必要になってしまうことになる。5番目の装着モジュール10における基本素数109を代替素数107に変更しなければ、同時に交換が必要になることはなかったのに、変更したためにかえって同時に交換が必要になってしまうのである。
【0040】
このような事態が生ずる可能性はあるのであるが、たとえこのような事態が1回生じたとしても、この同時に交換が必要になった2つのフィーダ58の交換が再び同時に必要になるのはずっと後である。これら2つのフィーダ58の交換が再び同時に必要になるのは基本素数109と代替素数107との最小公倍数11,663の作業単位数後であり、図11の例では1作業単位が2枚の基板57に対する装着作業であるため、11,663×2=23,326枚の基板57の装着作業が行われた後なのである。したがって、本電子回路部品装着システムに属する複数の装着モジュール10は一斉に装着作業を開始するのではないという事実を無視し、すべての装着モジュール10が一斉に装着作業を開始するという仮想条件の下で図9のフローチャートで表される処理が行われるようにしても、2つのフィーダ58の交換作業が同時に必要になる可能性を著しく低くし得ることに変わりはなく、本発明の目的は達成し得るのである。
【0041】
以上の説明においては、複数枚(図示の例では2枚)の基板57に対する装着作業が1作業単位である場合に、フィーダ58の脱着作業がそれら複数枚の基板57に対する装着作業の間の搬出入時期に行われるものとしたが、交換されるフィーダ58に残る部品数をできる限りの少なくする観点からは、それら複数枚の基板57のうちの最後の基板57が搬出され、次の作業単位の最初の基板57が搬入される時期に、フィーダ58の脱着作業が行われるようにすることが望ましい。その場合には、フィーダ後始末作業は次の作業単位の開始後に行われることとなる。
【0042】
また、上記実施形態においては、n枚の基板57に対する装着作業が1作業単位とされているが、これに限定されるわけではない。例えば、フィーダ58の交換作業を前記狭義のフィーダ交換作業、すなわち、部品が不足するフィーダ58をフィーダ支持台59から取り外し、新たなリールが装着されて予め準備されているフィーダ58を搭載するのみのものとすれば、1回のフィーダ交換作業に要する時間が短くて済むため、1作業単位を短いものとすることができる。例えば、基板搬入搬出を含む1枚の基板57に対する装着作業全体を1作業単位とすることができるのである。
【0043】
この場合について本発明の効果を確認するシミュレーションを行った。このシミュレーションは、実際の生産ラインにおいて使用されたシーケンスリストと、実際に使用されたリールの初期部品数とを用い、かつ、複数の装着モジュール10において装着作業の開始時期が1作業単位で遅れることを考慮しないで作成したフィーダ交換作業計画に従って装着作業が行われるものとして行った。その結果を図12に示す。本発明を適用しない場合には、図12(a)に示すように、フィーダ交換作業が集中して発生する時期があり、最大で50以上のフィーダの交換が同時に必要であるのに対し、本発明のフィーダ交換作業計画に従えば、図12図(b)に示すように、フィーダ交換作業がほぼ均等に発生し、同時に交換が必要になるフィーダの数が2に減少することを確認することができた。
【0044】
前記実施形態においては、1作業単位が、1回のフィーダ交換作業は行い得るが2回は行い得ない大きさとされていたが、1作業単位を複数回のフィーダ交換作業が行い得る(1人または複数人の作業者により)大きさとすることも可能である。1作業単位内に基本素数pmや代替素数pm′の同じものが予め定められた複数である設定数までは存在することを許容してフィーダ交換作業計画が作成されるようにするのである。
その一例は、基板搬入搬出を含む1枚の基板57に対する装着作業全体を1作業単位として、その1作業単位内に、基板の搬入搬出が行われる時期の他に、部品装着作業が行われる間の少なくとも一時期にフィーダ58の脱着を行い得る場合である。この場合には、1作業単位内に1人の作業者によって狭義のフィーダ交換作業が2回は行い得ることになるため、1作業単位に2回のフィーダ交換作業が行い得るとして、フィーダ交換作業計画が作成されるようにすることができるのである。ただし、フィーダ58の脱着を行い得る時期が作業者に報知されることが望ましい。
【0045】
前記実施形態においては、フィーダ交換作業が必要か否かの判定が1作業単位の開始時点に行われ、必要である場合には直ちにフィーダ交換作業を行うべきであることが報知され、上記1作業単位内にフィーダ交換作業が行われるようにされていた。しかし、これは不可欠ではない。フィーダ交換作業が必要か否かの判定は、実際にフィーダ交換が必要になる作業単位の開始時点より前に行うことも可能なのである。例えば、数作業単位前にフィーダ交換作業が必要か否かの判定が行われ、予告の報知が行われるようにすることも可能である。このよう予告は、本発明に従って作成されるフィーダ交換作業計画が狭義のフィーダ交換作業、すなわち前記「フィーダ脱着」のみに関するものであり、前記「フィーダ準備」および「フィーダ後始末」も同一の作業者により行われる場合に特に有効である。「フィーダ脱着」が必要な時期が予告されれば、作業者は「フィーダ準備」や「フィーダ後始末」を行うのに適した時期を知ることができるからである。
【0046】
前記実施形態の説明は、各フィーダ58には、それぞれ規定の初期部品数の部品が収容されたテープ化部品132が巻かれた新品のリール130が装着され、かつ、交換されるフィーダ58にも新品のリール130が装着されることを前提として行ったが、1種類の電子回路の生産の最終段階においては、新品のリール130が装着されたフィーダ58ではなくても途中で部品がなくなることがない場合が多く、その場合には、既に一定量の部品が供給されたリール130が装着されたフィーダ58を搭載することも可能である。
さらに、1種類の電子回路の生産の最終段階等、限られた段階では1作業単位に複数回のフィーダ交換作業が必要になることを許容し、その限られた段階においてのみ担当の作業者数を増加させることにより電子回路部品装着システムを停止させざるを得なくなることを可及的に回避し、あるいは作業者数は増加させず、電子回路部品装着システムを停止させざるを得なくなることを許容することも可能であり、この段階を含むフィーダ交換作業計画の作成も本発明の実施形態の一つである。
【0047】
前記実施形態の説明は、発明の理解を容易にすべく煩雑化を避けて、各装着モジュール10において部品の吸着や装着のミスが発生することがないという仮想的な条件の下で行ったが、実際にはミスが発生することを完全に防止することは困難であるため、電子回路部品装着システムを停止させざるを得なくなることがあり得る。前記実施形態はこのような事態の発生を許容するフィーダ交換作業計画の作成であると考えることができるが、このような事態の発生を回避し得るようにフィーダ交換作業計画が作成されるようにすることもできる。フィーダ58の交換作業が必要になる時点を決定する場合に、吸着や装着のミスが発生しても部品の不足が発生しないように余裕分の部品が残るようにするのである。
【0048】
前記実施形態においては、原則として、規定の初期部品数の部品が収容されたテープ化部品132が巻かれた新品のリール130が使用されるものとしたが、この条件は不可欠ではない。例えば、部品残数がまちまちである複数のリール130がある場合に、それらリール130の中で最も部品数が少ないものの初期部品数を、全部のリール130に共通の初期部品数であると見なしてフィーダ交換作業計画が作成されるようにすれば、1作業単位内に2回以上のフィーダ交換作業が必要となることを可及的に回避することができ、本発明の効果が得られるのである。
【0049】
いずれにしても、本発明に係るフィーダ交換作業計画に従ってフィーダ交換作業を行えば、未だ部品が残っているテープ化部品132が巻かれたリール130が装着されたフィーダ58が取り外されてしまうことを避け得ない。残っている部品が安価なのもであり、かつ部品残数がごく僅かであれば、そのテープ化部品132が廃棄されてもよいが、そうではない場合には、残ったテープ化部品132がつなぎ合わせて使用されるようにすればよい。
【0050】
前記実施形態においては、図10に示すフィーダ交換作業報知ルーチンがホストコンピュータ120において実行されるものとしたが、制御コンピュータ98により実行されるようにしてもよい。ホストコンピュータ120により作成されたフィーダ交換作業計画の全体あるいは各装着モジュール分が各制御コンピュータ98に送られ、それに基づいて各制御コンピュータ98においてフィーダ交換作業報知ルーチンが実行されるようにするのである。また、ホストコンピュータ120を設けず、複数の制御コンピュータ98の1つにおいてフィーダ交換作業計画が作成されるようにすることも可能である。
【0051】
さらに、前記実施形態においては、同一作業単位内に2つの基本素数が生じた場合には、最新の基本素数pmが代替基素数pm′に変更されるようにされていたが、これは不可欠ではなく、例えば、1枚の基板57に装着される部品の数が少ない方や、保持されている部品が安価である方のフィーダ58に対応する基本素数pmが代替基素数pm′に変更されるようにすることも可能である。
また、前記実施形態においては、1個の基本素数pmが取得される毎に、既に同一の基本素数pmが存在するか否かの判定が行われるようにされていたが、全てのフィーダ58に対する基本素数pmが取得された後に、同一の基本素数pmが存在するか否かが調べられ、存在する場合に、同一の基本素数pmのいずれかが代替基素数pm′に変更されるようにすることも可能である。
【0052】
また、前述の広義のフィーダ交換作業には含まれているが、狭義のフィーダ交換作業(すなわち前記「フィーダ脱着」)には含まれていない「フィーダ準備」や「フィーダ後始末」の作業計画も作成されることが望ましい。これらの作業の実行時期は、狭義のフィーダ交換作業の実行時期に比較して自由度に富んでいるため、狭義のフィーダ交換作業の計画とは異なる規則に基づいて計画が作成され、作業者に実行時期が報知されるようにすることが望ましい。また、「フィーダ準備」や「フィーダ後始末」はフィーダ58が搭載される時期の近くで行われることが望ましい。搭載時期からあまりに離れた時期に行われれば、他の部品の供給に使用可能なフィーダ58の数が減少してしまうからである。
そして、「フィーダ準備」や「フィーダ後始末」の作業が、狭義のフィーダ交換作業と同じ作業者によって行われる場合には、これら作業の計画は、狭義のフィーダ交換作業の計画と関連付けて作成されることが必要である。以下、その一例を説明する。
【0053】
「フィーダ準備」および「フィーダ後始末」の作業計画は、狭義のフィーダ交換作業(「フィーダ脱着」)の計画が本発明に従って作成された後に作成される。「フィーダ脱着」の計画中において「フィーダ脱着」が早く行われるフィーダ58についての計画から順次作成されるのである。
図13に、フィーダAをフィーダBに交換する必要が生じた時点(AB脱着と表示)に、フィーダBの準備作業が完了しているものとして、フィーダA,Bの脱着作業以後の「フィーダ脱着」,「フィーダ準備」および「フィーダ後始末」の各作業の計画の一例を示す。この作業者作業計画は、図13から明らかなように、狭義のフィーダ交換作業(「フィーダ脱着」)の実行時期が右上がりのハッチングで示される時期に決定されると仮定した場合、右下がりのハッチングで表される「フィーダ準備」は「フィーダ脱着」より前であればいつ行わてもよいのであるが、本実施形態では「フィーダ準備」の作業計画は、「フィーダ脱着」より前に適宜の長さで設定されている設定先行期間の開始時点以後であって、可及的に早く、かつ、「フィーダ脱着」および先行して決定された「フィーダ準備」と重ならないようにするとの規則に従って作成される。一方、クロスハッチングで表される「フィーダ後始末」の作業計画は、「フィーダ脱着」の実行後であって可及的に早く、かつ、「フィーダ脱着」,「フィーダ準備」および先行して決定された「フィーダ後始末」と重ならないようにするとの規則に従って作成されている。
すなわち、自由度が小さい作業者作業である「フィーダ脱着」が行われない時期に、自由度が比較的大きい「フィーダ準備」の作業を割り当て、さらに自由度が大きい「フィーダ後始末」の作業を「フィーダ着脱」および「フィーダ準備」の作業が行われない時期に割り当てて作業者作業計画が作成されているのである。
【0054】
なお、「フィーダ準備」や「フィーダ後始末」の作業が「フィーダ脱着」の作業とは異なる作業者によって行われる場合には、「フィーダ準備」や「フィーダ後始末」の作業計画を「フィーダ脱着」の作業計画とは関係なく作成することも可能である。しかし、前述のように、他の部品の供給に使用可能なフィーダ58の数が減少してしまうことを回避するとの観点から、「フィーダ脱着」の作業とある程度関連付けて作成することが望ましい。その観点から有効な作業計画作成の一例は、図13に示した作業計画の作成時に、「フィーダ準備」や「フィーダ後始末」の作業が「フィーダ脱着」の作業と重ならないようにするという条件を考慮しないで計画を作成するものである。
【0055】
上記に「フィーダ準備」および「フィーダ後始末」の作業の代わりに、吸着ノズル86のメンテナンス作業を行うための作業者作業の計画の作成に、請求可能発明を適用することも可能である。
例えば、図示は省略するが、前記装着システムにおける各装着モジュール10のベッド36の後端部に、前記吸着ノズル86を複数保持し、それら吸着ノズルをノズルホルダ88を備えた装着ヘッドとの間で自動交換可能なノズルストッカを設ける。そして、そのノズルストッカに保持された吸着ノズル86に対するメンテナンス作業を、作業者が装着モジュール10の後方から行い得るようにし、そのメンテナンス作業の計画を作成するために請求可能発明を適用するのである。
【0056】
具体的には、複数の装着モジュール10の装着ヘッドに保持されたすべての吸着ノズル58の各々について、予め実要メンテナンス使用回数(吸着ノズル58の種類に応じて変えることが可能である)を設定し、まず、その実要メンテナンス使用回数を、単位使用回数(例えば、1枚の回路基板57に対する装着作業のために各吸着ノズル58が使用される回数であって、吸着ノズル58毎に異なる場合がある)で除した商の各々より小さくかつそれらに最も近い素数を複数個取得する。次に、その取得した複数個の素数の中に互いに同じものが2つ以上存在する場合に、それら2つ以上存在する素数を生じさせた上記実要メンテナンス使用回数を上記単位使用回数の自然数倍分小さくした代替要メンテナンス使用回数を上記要メンテナンス使用回数の代わりに使用することより、上記2つ以上存在する素数の1つを除く素数の各々を小さくし、互いに同じ値の素数を2つ以上含まない素数群を取得する。そして、複数の吸着ノズル58のうち、それら複数の吸着ノズル58の各々の前記単位使用回数の合計が、着目作業単位(ここでは1枚の回路基板57に対する装着作業)内に、それぞれ前記素数群の各素数の各々に対応する対応累積使用回数に達する吸着ノズル58を、前記ノズルストッカに保持された同種の吸着ノズル58と自動交換させ、その交換されてノズルストッカに保持された吸着ノズル58に対するメンテナンス作業が前記着目作業単位内に行われるように、メンテナンス作業計画を作成するのである。
【0057】
請求可能発明はスクリーン印刷機群(高粘性流体塗布機群)に対する作業者作業の計画の作成にも適用することができる。スクリーン印刷機158は対回路基板作業機の一種であって、図14に示すように、回路基板を保持する基板保持装置160と、その基板保持装置160に保持された回路基板の予め定められた複数部位に、マスク162を通してクリーム状はんだ(高粘性流体)を印刷するスキージ装置164,166(塗布装置)と、それら基板保持装置160とスキージ装置164,166とを互いに相対移動させる相対移動装置168とを含む。このスクリーン印刷機158に、図15に示すはんだ収容器172(高粘性流体収容器)を備えたクリーム状はんだ供給装置174を設ける。収容器172は通常は長手方向が水平方向となる姿勢に保たれているが、クリーム状はんだの供給時には回動装置176により長手方向が鉛直方向となる姿勢とされるとともに、収容器移動装置178によりマスク162に沿って移動させられ、マスク162上にクリーム状はんだを水平に長く延びた状態で供給する。このクリーム状はんだは、上記スキージ装置164,166が、それの一方が上昇位置にある状態で移動させられ、マスク162上のクリーム状はんだがスキージ装置164,166の中間位置に位置する状態で、上昇位置にあったスキージ装置が下降させられることにより、スキージ装置164.166の間に取り込まれる。
【0058】
上記スクリーン印刷機群のはんだ収容器172の各々にクリーム状はんだの補給を行うはんだ補給作業が作業者作業の一例である。
まず、上記スクリーン印刷機群の各塗布装置、すなわち各対のスキージ装置164,166について実初期収容量(塗布装置毎に異なっても差し支えない)を設定する。次に、その実初期収容量を、1作業単位(例えば、設定枚数の回路基板に対するクリーム状はんだの印刷(塗布)当たりの消費量である単位消費量で除した商より小さくかつそれらに最も近い素数を複数個取得するとともに、その取得した複数個の素数の中に互いに同じものが2つ以上存在する場合に、それら2つ以上存在する素数を生じさせた上記実初期収容量を上記単位消費量の自然数倍分小さくした代替初期収容量を上位実初期収容量の代わりに使用することより、前記2つ以上存在する素数の1つを除く素数の各々を小さくし、互いに同じ素数を2つ以上含まない素数群を取得する。そして、スクリーン印刷機群の各塗布装置のうち、それら複数の塗布装置の各々についての作業単位の1つである着目作業単位の終わりまでの消費量の合計が、それぞれ上記素数群の各素数に対応する対応累積消費量に達する塗布装置に対して、はんだ収容器172からクリーム状はんだが自動で補給され、その結果、はんだ収容器172に対して作業者がクリーム状はんだを補給することが必要となる。このはんだ収容器172に対するクリーム状はんだの補給作業が上記着目作業単位内に行われるように、クリーム状はんだ補給作業の計画を作成する。
【0059】
なお、上記説明においては、単純化のために、はんだ収容器172に収容されたクリーム状はんだの全量が塗布装置に自動補給されるものとしたが、この自動補給は複数回に分けて行われるようにしてもよい。いずれにしても、はんだ収容器172に収容されているクリーム状はんだは、塗布装置におけるクリーム状はんだの消費に伴って連続的に補給されるのではなく、一定量ずつまとめて補給される。しかし、はんだ収容器172へのクリーム状はんだの補給作業の計画を作成する上では、塗布装置におけるクリーム状はんだの消費に伴ってはんだ収容器172内のクリーム状はんだが連続的に補給され、はんだ収容器172内のクリーム状はんだも連続的に消費されると考えても差し支えなく、その方が簡明である。
【0060】
請求可能発明は接着剤ディスペンサ機群(高粘性流体塗布機群)に対する作業者作業の計画の作成にも適用することができる。
接着剤ディスペンサ機は専用機とすることも可能である。しかし、図16に示すように、電子回路部品装着機のヘッド保持部190に装着ヘッドの代わりに、ディスペンサヘッド192(高粘性流体塗布ヘッド)を取り付けることにより接着剤ディスペンサ機194を構成することも可能である。この接着剤ディスペンサ機194は、上記スクリーン印刷機158と同様に基板保持装置を含むとともに、ディスペンサヘッド192を基板保持装置に対して、その基板保持装置に保持された回路基板に平行な方向に相対移動させ、回路基板上の任意の部位に対向する状態とする相対移動装置を含むが図示を省略する。
【0061】
ディスペンサヘッド192は、接着剤を収容する接着剤収容器196と、その接着剤収容器196の下端に着脱可能に保持された吐出ノズル198と、接着剤収容器196に所定量の加圧空気を供給して吐出ノズルから吐出させるエア供給装置200とを含んでいる。本接着剤ディスペンサ機194においては、接着剤収容器196,吐出ノズル198およびエア供給装置200が塗布装置を構成すると考えることも、吐出ノズル198およびエア供給装置200が塗布装置を構成し、その塗布装置に接着剤収容器194が接着剤を補給すると考えることもできる。
いずれにしても、接着剤収容器196対する接着剤の補給は作業者により行われ、複数台の接着剤ディスペンサ機194の複数の接着剤収容器194に対する接着剤の補給作業の計画は、前記複数のはんだ収容器172へのクリーム状はんだの補給作業の計画と同様に作成することができる。
【符号の説明】
【0062】
10:装着モジュール 22:基板保持装置 24:部品供給装置 26:装着装置 32:電気制御装置 36:ベッド 54,56:基板コンベヤ 58:テープフィーダ(フィーダ) 59:フィーダ支持台 60:装着ヘッド 62:ヘッド移動装置 86:吸着ノズル 88:ノズルホルダ 98:制御コンピュータ 100:ディスプレイ 102:報知器 120:ホストコンピュータ 130:リール 132:テープ化部品 134:初期部品数テーブル 136:フィーダ交換作業計画テーブル 150:フィーダ制御コンピュータ 158:スクリーン印刷機 160:基板保持装置 162:マスク 164,166:スキージ装置 168:相対移動装置 170:スクリーン印刷機 172:はんだ収容器 174:クリーム状はんだ供給装置 190:ヘッド保持部 192:ディスペンサヘッド 194:接着剤ディスペンサ機 196:接着剤収容器 198:吐出ノズル 200:エア供給装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板に対して定められた対回路基板作業を行う対回路基板作業機を複数台含む対回路基板作業機群に対して作業者が為すべき作業者作業の計画である作業者作業計画を作成する方法であって、
前記複数台の対回路基板作業機の各々の作動に伴ってそれぞれ変化する複数の変量であって、それら変量の変化の量である複数の変化量の累積がそれら複数の変量に対応する複数の作業要判定量の各々を超える前に、作業者が前記複数台の対回路基板作業機の各々に対して作業者作業を行うことが必要であるものの、1作業単位内における変化量である複数の単位変化量で、前記複数の作業要判定量の各々を割った複数の商よりそれぞれ小さい素数を複数個取得し、それら複数個の素数の中に互いに同じものが設定数を超えて存在する場合に、その設定数を超えて存在する素数を生じさせた前記作業要判定量を前記単位変化量の自然数倍分小さくした代替作業要判定量を前記作業要判定量の代わりに使用することより前記設定数を超えて存在する素数の各々を小さくし、互いに同じ値の素数を前記設定数を超えて含まない素数群を取得する素数群取得工程と、
前記複数の単位変化量の各々の累積が前記素数群の各素数に対応する対応累積変化量に達する作業単位の次の作業単位の開始より前に、前記素数群の各素数に対応する前記複数の作業者作業の各々が実行される前記作業者作業計画を作成する計画作成工程と
を含むことを特徴とする作業者作業計画作成方法。
【請求項2】
前記対回路基板作業機が、(a)回路基板を保持する基板保持装置と、(b)実初期部品数の同種の電子回路部品をそれぞれ保持する複数の部品保持具と、それら複数の部品保持具の各々を着脱可能に保持する保持具保持装置とを備えた部品供給装置と、(c)その部品供給装置から電子回路部品を取り出し、前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含む電子回路部品装着機を含み、
前記対回路基板作業機群が、前記電子回路部品装着機が複数台1列に並べられて装着機ラインを構成し、その装着機ラインが、上流から下流へ送られる回路基板に対して各電子回路部品装着機が順次電子回路部品の装着を行うものであり、
前記作業者作業が、前記装着機ラインの複数の前記部品供給装置の複数m番の前記部品保持具の各々を交換する保持具交換作業を含み、
前記素数群取得工程が、前記作業単位当たりに前記m番の部品保持具の各々から供給される電子回路部品の数を単位装着部品数nmとし、その電子回路部品を供給する前記複数の部品保持具の各々の実初期部品数をNmとした場合に、実初期部品数Nmを単位装着部品数nmで割った複数の商の各々より小さい素数を複数個取得するとともに、それら複数個の素数の中に互いに同じものが設定数を超えて存在する場合に、その設定数を超えて存在する同じ素数のいずれか一方を生じさせた前記実初期部品数Nmを、その実初期部品数Nmより前記単位装着部品数nmの自然数倍小さい代わりの初期部品数である代替初期部品数Nm′に変更し、その代替初期部品数Nm′について前記素数を取得することにより、互いに同じ素数を前記設定数を超えて含まない素数群を取得する工程を含み、
前記計画作成工程が、前記複数の部品保持具のうち、それら複数の部品保持具の各々から前記作業単位の1つである着目作業単位の終わりまでに供給される電子回路部品の合計数が、それぞれ前記素数群の各素数に対応する対応累積部品数に達する部品保持具の交換が、前記着目作業単位の次の作業単位の開始より前に行われるように、前記複数の部品保持具の交換作業計画を作成する工程を含む請求項1に記載の作業者作業計画作成方法。
【請求項3】
前記対回路基板作業機が、(a)回路基板を保持する基板保持装置と、(b)電子回路部品を供給する部品供給装置と、(c)吸着ノズルを着脱可能に保持する装着ヘッドを備え、前記吸着ノズルにより前記部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含む電子回路部品装着機を含み、
前記対回路基板作業機群が複数台の前記電子回路部品装着機から成る電子回路部品装着機群を含み、
前記作業者作業が、前記電子回路部品装着機群に対して行うべき前記吸着ノズルのメンテナンス作業を含み、
前記素数群取得工程が、前記複数の前記吸着ノズルの各々について予め設定されている実要メンテナンス使用量を、前記作業単位当たりの使用量で除した商の各々より小さい素数を複数個取得するとともに、その取得した複数個の素数の中に互いに同じものが設定数を超え存在する場合に、その設定数を超えて存在する同じ素数を生じさせた前記実要メンテナンス使用量を前記作業単位当たりの使用量の自然数倍分小さくした代替要メンテナンス使用量を前記要メンテナンス使用量の代わりに使用することより、前記設定数を超えて存在する素数の各々を小さくし、互いに同じ値の素数を前記設定数を超えて含まない素数群を取得する工程を含み、
前記計画作成工程が、前記複数の吸着ノズルのうち、それら複数の吸着ノズルの各々の前記作業単位の1つである着目作業単位の終わりまでに使用されるものの使用量の合計が、それぞれ前記素数群の各素数の各々に対応する対応累積使用量に達する吸着ノズルに対する前記メンテナンス作業が前記着目作業単位の次の作業単位の開始より前に行われるように、前記複数の吸着ノズルのメンテナンス作業計画を作成する工程を含む請求項1に記載の作業者作業計画作成方法。
【請求項4】
前記作業者作業が、前記高粘性流体塗布機を複数台含む高粘性流体塗布機群の前記収容器の各々に高粘性流体の補給を行う高粘性流体補給作業を含み、
前記素数群取得工程が、前記複数台の高粘性流体塗布機の前記収容器の各々について予め設定されている実初期収容量を、前記作業単位当たりの消費量である単位消費量で除した商より小さい素数を複数個取得するとともに、その取得した複数個の素数の中に互いに同じものが設定数を超えて存在する場合に、その設定数を超えて存在する素数を生じさせた前記実初期収容量を前記作業単位当たりの消費量の自然数倍分小さくした代替初期収容量を前記実初期収容量の代わりに使用することより、前記設定数を超える素数の各々を小さくし、互いに同じ素数を前記設定数を超えて含まない素数群を取得する工程を含み、
前記計画作成工程が、前記複数の収容器のうち、それら複数の収容器の各々の前記作業単位の1つである着目作業単位の終わりまでの消費量の合計が、それぞれ前記素数群の各素数に対応する対応累積消費量に達する収容器に対する前記高粘性流体補給作業が、前記着目作業単位の次の作業単位の開始より前に行われるように、前記複数の収容器の高粘性流体補給作業計画を作成する工程を含む請求項1に記載の作業者作業計画作成方法。
【請求項5】
前記作業者作業が、前記対回路基板作業機群に属する前記複数台の前記対回路基板作業機の各々における1箇所以上ずつである複数の対象部分に対する給脂と清掃との少なくとも一方を含むメンテナンス作業を含み、
前記素数取得工程が、前記複数の対象部分の各々について予め設定されている設定作動時間を、前記対回路基板作業機群における前記作業単位としての単位作動時間で除した商より小さい素数を複数個取得し、その取得した複数個の素数の中に互いに同じものが設定数を超えて存在する場合に、その設定数を超えて存在する素数を生じさせた前記設定作動時間を前記単位作動時間の自然数倍分小さくした代替作動時間を前記設定作動時間の代わりに使用することより、前記設定数を超えて存在する素数の各々を小さくし、互いに同じ値の素数を前記設定数を超えて含まない素数群を取得する素数群取得工程を含み、
前記計画作成工程が、前記複数の対象部分のうち、それら複数の対象部分の各々についての前記単位作動時間の1つである着目単位作動時間の終わりまでに前記単位作動時間の合計が、前記素数群の各素数に対応する対応累積作動時間に達する対象部分に対する前記メンテナンス作業が前記着目作業単位の次の作業単位の開始より前に行われるように、前記複数の対象部分のメンテナンス作業計画を作成する工程を含む請求奥1ないし4のいずれかに記載の作業者作業計画作成方法。
【請求項6】
作業者作業が実行に要する所要時間を互いに異にする複数種類の作業者作業を含み、実行時期の自由度が小さい作業者作業の計画を先に作成し、実行時期の自由度が大きい作業者作業を、前記自由度が小さい作業者作業が行われない時期に割り当てて計画を作成する請求項1ないし5のいずれかに記載の作業者作業計画作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−99614(P2012−99614A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245427(P2010−245427)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】