封止されたMEMSデバイス内の湿度を検査するシステム及び方法
【課題】封止されたMEMSデバイス内の湿度を検査するシステム及び方法
【解決手段】一実施形態は、複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲むデバイスの特性を測定することと、上記測定した特性に少なくとも部分的に基づいて、このデバイスの内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度を判断することとを備える、湿度を検査する方法を提供する。一実施形態において、このデバイスの特性は、次のもの、すなわち、i)このデバイスの重量、ii)このデバイス内に封入された乾燥剤の色変化、iii)このデバイスの内部の抵抗、iv)冷たいフィンガデバイスが接触している、このデバイスの内部領域に霜が形成されたか否か、v)このデバイス内に水蒸気が供給された場合に、このデバイス内に封入された乾燥剤が的確に作用しているか否か、vi)i)〜v)のうちの少なくとも2つの組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む。
【解決手段】一実施形態は、複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲むデバイスの特性を測定することと、上記測定した特性に少なくとも部分的に基づいて、このデバイスの内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度を判断することとを備える、湿度を検査する方法を提供する。一実施形態において、このデバイスの特性は、次のもの、すなわち、i)このデバイスの重量、ii)このデバイス内に封入された乾燥剤の色変化、iii)このデバイスの内部の抵抗、iv)冷たいフィンガデバイスが接触している、このデバイスの内部領域に霜が形成されたか否か、v)このデバイス内に水蒸気が供給された場合に、このデバイス内に封入された乾燥剤が的確に作用しているか否か、vi)i)〜v)のうちの少なくとも2つの組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、微小電気機械素子(microelectromechanical systems;MEMS)に関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械素子(MEMS)は、微少機械要素、アクチュエータ及び電子機器を含む。微少機械要素は、蒸着、エッチング、及び又は、基板及び/又は堆積材料層の部分をエッチング除去し、あるいは、層を加えて電気素子及び電気機械素子を形成する他のミクロ機械加工プロセスを用いて形成することができる。MEMSデバイスの1つのタイプは、インターフェロメトリック変調器(interferometric modulator)と称される。本明細書中で用いる場合、インターフェロメトリック変調器又はインターフェロメトリック光変調器とは、光学的干渉の原理を用いて光を選択的に吸収し及び/又は反射するデバイスを指す。ある実施形態において、インターフェロメトリック変調器は、一方又は両方が、この全体又は一部が透過性及び/又は反射性であってもよく、かつ適当な電気信号を印加したときに相対運動が可能な、1組の導電性プレートを備えてもよい。特定の実施形態において、一方のプレートは、基板上に堆積された固定層を備えてもよく、また他方のプレートは、この固定層からエアギャップだけ離れている金属膜を備えてもよい。本明細書に詳細に記載されているように、一方のプレートの他方に対する位置は、このインターフェロメトリック変調器に入射する光の光学的干渉を変えることができる。このようなデバイスは、広範囲の用途を有しており、これらのタイプのデバイスの特徴を利用し及び/又は変更することが当分野において有益であるため、現在ある製品を改良する際、及びまだ開発されていない新しい製品を考案する際に、これらの特徴を活かすことができる。
【0003】
さらに、従来技術においては、例えば、このデバイスの寿命を評価するために、又は、このパッケージに不具合があるか否かを判断するために、MEMSパッケージの製造が完了した後に、MEMSデバイス内部の湿度(相対湿度)のレベルをチェック又は測定する必要性があることは認識されなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明のシステム、方法及びデバイスは、各々がいくつかの態様を有し、単独でこの望ましい特性の原因となる単一の態様はない。この発明の範囲を限定することなく、このより顕著な特徴について簡単に論じる。この論考の後、及び特に、“発明を実施するための最良の形態”という部分を読んだ後には、この発明の特徴が、他のディスプレイデバイスより勝る効果をもたらすことが理解される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態は、湿度を検査する方法を提供する。この方法は、複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲むデバイスの特性を測定することと、この測定した特性に少なくとも部分的に基づいて、このデバイス内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度を測定することとを備える。
【0006】
別の実施形態は、湿度を検査するシステムを提供する。このシステムは、i)湿潤環境をデバイスに与える手段であって、このデバイスが複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲んでいる、該手段と、ii)このデバイスの特性を測定する手段とを備える。このデバイス内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度は、この測定した特性に少なくとも部分的に基づいて測定可能である。
【0007】
他の実施形態は、湿度を検査するシステムを提供する。このシステムは、湿潤環境をターゲットデバイスに与えるように構成された第1の検査デバイスであって、このターゲットデバイスが複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲んでいる該デバイスを備える。また、このシステムは、このターゲットデバイスの特性を測定するように構成された第2の検査デバイスを備える。このターゲットデバイス内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度は、この測定した特性に少なくとも部分的に基づいて測定可能である。
【0008】
別の実施形態は、湿度を検査する方法を提供する。この方法は、i)複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲む第1のデバイスの第1の重量と、ii)複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲む第2のデバイスの第2の重量とを測定することを備え、これらの第1及び第2のデバイスは、異なる量の水蒸気を含む。また、この方法は、これら第1及び第2のデバイスの重量を比較することと、この重量の比較に少なくとも部分的に基づいて、これら2つのデバイスのうちの一方の内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度を測定することとを備える。
【0009】
他の実施形態は、湿度を検査するシステムを提供する。このシステムは、i)複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲む第1のデバイスと、ii)複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲む第2のデバイスとを備え、これら第1及び第2のデバイスは、異なる量の水蒸気を含む。また、このシステムは、これら第1及び第2のデバイスの重量を測定するように構成されたスケールを備える。これら2つのデバイスのうちの一方の内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度は、この測定した重量に少なくとも部分的に基づいて測定可能である。
【0010】
別の実施形態は、湿度を検査する方法を提供する。この方法は、i)複数のインターフェロメトリック変調器と、ii)乾燥剤とを取り囲むデバイスを設けることを備え、この乾燥剤は、該乾燥剤中に吸収された水蒸気の量に基づいて、乾燥剤の色を変化させるように構成されている。また、この方法は、この乾燥剤の色変化の程度を測定することと、この色変化の測定した程度に少なくとも部分的に基づいて、このデバイス内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度を測定することとを備える。
【0011】
他の実施形態は、MEMSデバイスを製造する方法を提供する。この方法は、基板を設けることと、この基板上に複数のインターフェロメトリック変調器を形成することとを備える。また、この方法は、乾燥剤の中に吸収された水蒸気の量に基づいて、乾燥剤の色を変化させるように構成された乾燥剤を設けることと、バックプレートを設けることとを備える。さらに、この方法は、複数のインターフェロメトリック変調器及び乾燥剤を取り囲むデバイスを形成するように、この基板とこのバックプレートを接合することを備える。このバックプレートは、バックプレートを通して、この乾燥剤の色変化を、このデバイスの外側から見ることができる、少なくとも1つの透明部分を含む。
【0012】
別の実施形態は、MEMSデバイスを提供する。この素子は、i)基板と、ii)この基板上に形成された複数のインターフェロメトリック変調器と、iii)乾燥剤の中に吸収された水蒸気の量に基づいて、乾燥剤の色を変化させるように構成された該乾燥剤と、iv)バックプレートとを備える。この基板及びバックプレートは、この複数のインターフェロメトリック変調器及びこのバックプレートを取り囲むデバイスを形成するように、互いに接合されている。このバックプレートは、バックプレートを通して、この乾燥剤の色変化を、このデバイスの外側から見ることができる、少なくとも1つの透明部分を含む。
【0013】
他の実施形態は、湿度を検査する方法を提供する。この方法は、複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲むデバイスを設けることと、このデバイスの少なくとも1つの内部部分の抵抗を測定することとを備える。また、この方法は、この測定した抵抗に少なくとも部分的に基づいて、このデバイス内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度を測定することを備える。
【0014】
別の実施形態は、湿度を検査するシステムを提供する。このシステムは、複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲むデバイスと、このデバイスの少なくとも1つの内部部分の抵抗を測定するように構成された抵抗センサとを備える。このデバイス内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度は、この測定した抵抗に少なくとも部分的に基づいて測定可能である。
【0015】
他の実施形態は、湿度を検査する方法を提供する。この方法は、複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲むデバイスを設けることと、このデバイスの外側領域を、第1の温度に設定された冷たいフィンガデバイスに操作可能に接触させることとを備える。また、この方法は、この接触した領域に関して、このインターフェロメトリック変調器素子の内部領域に霜が形成されたか否かを判断することと、この内部領域に霜が形成されているか否かに少なくとも部分的に基づいて、このインターフェロメトリック変調器素子内の相対湿度の値又は相対湿度の程度を判断することとを備える。
【0016】
別の実施形態は、湿度を検査するシステムを提供する。このシステムは、複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲むデバイスと、このデバイスの外側領域と操作可能に接触するように構成された冷たいフィンガデバイスとを備える。このインターフェロメトリック変調器素子内の相対湿度の値又は相対湿度の程度は、この内部領域に霜が形成されているか否かに少なくとも部分的に基づいて測定可能である。
【0017】
また別の実施形態は、湿度を検査する方法を提供する。この方法は、i)複数のインターフェロメトリック変調器と、ii)乾燥剤とを取り囲むデバイスを設けることを備える。また、この方法は、このデバイスの第1の重量を測定することと、このデバイスの内部に水蒸気を与えることと、iii)水蒸気がこのデバイスの中に与えられた後に、このデバイスの第2の重量を測定することとを備える。さらに、この方法は、この第1の重量と第2の重量を比較することと、この重量の比較に少なくとも部分的に基づいて、このデバイス内部の相対湿度の程度を判断することとを備える。
【0018】
また別の実施形態は、湿度を検査するシステムを提供する。このシステムは、複数のインターフェロメトリック変調器と、ii)水蒸気を吸収するように構成された乾燥剤とを取り囲むデバイスを備え、水蒸気が、穴を介してこのデバイス内に与えられるように、該穴がこのデバイスのある領域内に画成されている。また、このシステムは、i)水蒸気がこのデバイス内に与えられる前のこのデバイスの第1の重量と、ii)水蒸気がこのデバイス内に与えられた後のこのデバイスの第2の重量とを測定するように構成されたスケールを備える。このデバイスの内部の相対湿度の程度は、第1の重量と第2の重量の比較に少なくとも部分的に基づいて測定可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下の詳細な説明は、本発明のある特定の実施形態に関する。しかし、本発明は、多くの異なる方法で実施することができる。この説明においては、図面に関して説明し、同様の部分は、全体を通して、同様の数字を用いて表わすことにする。以下の説明から容易に理解できるように、本実施形態は、動いていようと(例えば、ビデオ)、静止していようと(例えば、静止イメージ)、及びテキストであろうと写真であろうと、イメージを表示するように構成されているいかなるデバイスでも実施することができる。より具体的には、本実施形態を、限定するものではないが、移動電話、無線装置、PDAs(personal data assistants)、ハンドヘルドコンピュータ又はポータブルコンピュータ、GPSレシーバ/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダー、ゲームコンソール、腕時計、時計、計算機、テレビモニタ、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニタ、オートディスプレイ(例えば、走行距離計等)、コックピット制御部及び/又はディスプレイ、カメラビューのディスプレイ(例えば、自動車のリアビューカメラのディスプレイ)、電子写真、電子掲示板又は電子サイン、プロジェクタ、建築構造物、パッケージング及び審美的構造(例えば、宝石に関するイメージの表示)等の様々な電子デバイスで、又は該様々な電子デバイスに付随して実施することができることが意図されている。また、本明細書中で説明したのと同様の構造のMEMSデバイスは、電子スイッチングデバイスにおける等の非表示用途で用いることもできる。
【0020】
一実施形態は、湿度を検査する方法を提供し、この方法は、i)複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲むデバイスを湿潤環境にさらすことと、ii)特性(重量、抵抗、乾燥剤の色変化、霜が生じた箇所の温度等)を測定することと、iii)この測定した特性に少なくとも部分的に基づいて、このデバイスの内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度を判断することとを備える。
【0021】
干渉MEMSディスプレイ要素を備える1つの干渉変調ディスプレイの実施形態を図1に示す。これらのデバイスにおいて、画素は、明るい状態又は暗い状態のいずれかにある。この明るい(「オン」又は「オープン」)状態において、このディスプレイ要素は、入射可視光の大部分をユーザに対して反射させる。この暗い(「オフ」又は「クローズド」)状態の場合、このディスプレイ要素は、わずかな入射可視光を該ユーザに対して反射させる。実施形態によっては、これらの「オン」及び「オフ」状態の光反射特性は、逆にしてもよい。MEMS画素は、選択された色で主に反射するように構成することができ、黒及び白に加えてカラー表示を可能にする。
【0022】
図1は、ビジュアルディスプレイの一連の画素における隣接する2つの画素を示す等角図であり、各画素は、MEMSインターフェロメトリック変調器を備える。いくつかの実施形態においては、干渉変調ディスプレイは、これらのインターフェロメトリック変調器の行/列アレイを備える。各インターフェロメトリック変調器は、互いに可変かつ制御可能な距離をおいて配置され、少なくとも1つの可変寸法を有する光空洞共振器を形成する1対の反射層を含む。一実施形態において、これらの反射層の一方は、2つの位置の間で移動することができる。本明細書において弛緩位置と称する第1の位置においては、この移動可能な反射層は、固定された部分的反射層から比較的大きな距離をおいて配置されている。本明細書において作動位置と称する第2の位置においては、この移動可能な反射層は、この部分的反射層により近接して配置されている。これらの2つの層から反射する入射光は、この移動可能な反射層の位置により、建設的に又は破壊的に干渉し、各画素に対して全体的反射状態又は非反射状態のいずれかをもたらす。
【0023】
図1の画素アレイの図示した部分は、隣接する2つのインターフェロメトリック変調器12a及び12bを含む。左側のインターフェロメトリック変調器12aにおいては、移動可能な高反射層14aが、部分的反射層を含む光学的スタック16aから所定の距離の弛緩位置に示されている。右側のインターフェロメトリック変調器12bにおいては、移動可能な反射層14bが、光学的スタック16bに隣接する作動位置に示されている。
【0024】
本明細書で言及されているような光学的スタック16a、16b(まとめて光学的スタック16と称する)は、典型的には、インジウムスズ酸化物(indium tin oxide;ITO)等の電子層、クロム等の部分的反射層、及び透明誘電体を含むことができるいくつかの融合層から構成される。このため、光学的スタック16は導電性であり、部分的に透明であり、かつ部分的に反射性であり、例えば、これらの層の1つ以上を透明基板20上に堆積させることにより製造することができる。いくつかの実施形態において、これらの層は、平行なストリップにパターン化され、また、以下にさらに説明するように、ディスプレイ装置に行電極を形成することができる。移動可能な反射層14a、14bは、ポスト18の上部に堆積させた(行電極16a、16bと直交する)堆積した1枚の金属層及び複数の金属層と、ポスト18の間に堆積させた介在犠牲材料とからなる一連の平行なストリップとして形成することができる。この犠牲材料がエッチング除去されると、移動可能な反射層14a、14bは、画定されたエアギャップ19だけ、光学的スタック16a、16bから分離される。アルミニウム等の高導電性及び反射性の材料は、反射層14に用いることができ、また、これらのストリップは、ディスプレイ装置内に列電極を形成してもよい。
【0025】
電圧を印加しない場合、空洞19は、図1における画素12aによって示すように、移動可能な反射層14aが物理的に弛緩した状態で、移動可能な反射層14aと光学的スタック16aとの間に存続する。しかし、選択した行及び列に対して電位差を加えると、対応する画素におけるこの行及び列電極の交差部に形成されたキャパシタが充電されて、静電力がこれらの電極を一緒に引っ張る。この電圧が充分高い場合、移動可能な反射層14は変形し、かつ光学的スタック16に向かって押し込まれる。光学的スタック16内の(この図面には示されていない)誘電体層は、短絡を防止することができ、また、図1の右側の画素12bに示すように、層14と層16との間の隔離距離を制御することができる。この作用は、印加された電位差の極性に関係なく同じである。このように、反射性対非反射性の画素状態を制御することができる行/列動作は、従来のLCD及び他の表示技術で用いられるものと多くの点で似ている。
【0026】
図2〜図5Bは、表示用途において、インターフェロメトリック変調器のアレイを用いる1つの例示的なプロセス及びシステムを示す。
【0027】
図2は、本発明の態様を組み込んでもよい電子装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。例示的な実施形態において、この電子装置は、ARM、Pentium(登録商標)、Pentium II(登録商標)、Pentium III(登録商標)、Pentium IV(登録商標)、Pentium Pro(登録商標)、8051、MIPS(登録商標)、Power PC(登録商標)、ALPHA(登録商標)等のどのような汎用の単一又はマルチチップマイクロプロセッサ、あるいは、ディジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ又はプログラマブルゲートアレイ等のどのような専用マイクロプロセッサであってもよいプロセッサ21を含む。従来技術と同様に、プロセッサ21は、1つ以上のソフトウェアモジュールを実行するように構成することができる。このプロセッサは、オペレーティングシステムを実行するのに加えて、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、電子メールプログラム、又は他のソフトウェアアプリケーションを含む1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成することができる。
【0028】
一実施形態においては、プロセッサ21も、アレイドライバ22と通信するように構成されている。一実施形態において、アレイドライバ22は、信号を表示アレイ又はパネル30へ供給する行ドライバ回路24及び列ドライバ回路26を含む。図1に示すこのアレイの断面は、図2の線1−1によって示されている。MEMSインターフェロメトリック変調器の場合、この行/列作動プロトコルは、図3に示すそれらのデバイスのヒステリシス特性を利用してもよい。例えば、移動可能な層を、上記弛緩状態から作動状態に変形させるために、10ボルトの電位差を要求してもよい。しかし、この電圧がこの値から低下した場合、この移動可能な層は、この電圧が10ボルト以下に低下したときにその状態を維持する。図3の例示的な実施形態において、この移動可能な層は、この電圧が2ボルト以下に低下するまで、完全に弛緩しない。それに伴って、図3に示した実施例には、約3〜7Vの電圧範囲があり、この場合、その範囲内でこのデバイスが、この弛緩状態又は作動状態のいずれかで安定している印加電圧のウィンドウが存在する。本明細書では、これを「ヒステリシスウィンドウ」又は「安定ウィンドウ」と称する。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイの場合、上記行/列作動プロトコルは、行ストロービングの間、作動されるべきこのストローブされた行の画素が、約10ボルトの電圧差にさらされ、かつ弛緩されるべき画素が、0ボルトに近い電圧差にさらされるように設計することができる。このストローブの後、これらの画素は、どのような状態においても、行ストローブのままであるように、約5ボルトの定常電圧差にさらされる。書き込まれた後、各画素は、この実施例において3〜7Vの「安定ウィンドウ」内の電位差を参照する。この特徴は、図1に示す画素デザインを、作動又は弛緩先在状態のいずれかにおける同じ印加電圧条件の下で安定させる。上記インターフェロメトリック変調器の各画素は、作動状態であろうと弛緩状態であろうと、本質的に、固定された反射層と移動可能な層とによって形成されたキャパシタであるため、この安定状態は、ほとんど電力消失を伴わずに、このヒステリシスウィンドウ内の電圧で保持することができる。印加電位が固定されている場合、本質的に、電流はこの画素へは流れない。
【0029】
典型的な用途において、ディスプレイフレームは、第1の行における作動画素の所望のセットに従って、列電極のセットをアサートすることによって生成することができる。そして、行パルスは、行1電極に印加され、このアサートされた列ラインに対応する画素が作動される。次に、列電極のこのアサートされたセットは、第2の行の作動画素の所望のセットに対応させるため変化する。次いで、パルスが行2電極に印加され、このアサートされた列電極に従って、行2の適当な画素が作動される。行1画素は、行2パルスによる影響を受けず、行1パルスの間に設定された状態のままである。これは、フレームを生成するために、一連の行に対して繰り返すことができる。一般に、これらのフレームは、毎秒所望数のフレームにおいて、このプロセスを連続的に繰り返すことにより、新たな表示データに伴ってリフレッシュ及び/又は更新される。画素アレイの行及び列電極を駆動して表示フレームを生成する幅広いプロトコルもまた周知であり、本発明と共に用いることができる。
【0030】
図4、図5A及び図5Bは、図2の3×3アレイに表示フレームを生成する1つの可能な作動プロトコルを示す。図4は、図3のヒステリシス曲線を示す画素に用いることができる列及び行電圧レベルの可能なセットを示す。図4の実施形態において、画素を作動させることは、適当な行を−Vbiasに、適当な列を+ΔVに設定することを含み、これらはそれぞれ、−5V及び+5Vに相当する。画素を弛緩させることは、適当な行を+Vbiasに、適当な列を同じく+ΔVに設定して、この画素の両端に0Vの電位差を生じることにより実現される。行電圧が0Vに保持される行においては、これらの画素は、この列が+Vbias又は−Vbiasであることに関係なく、これらの画素が元々どのような状態にあろうとも安定している。図4にも示されているように、上述したもの以外の反対極性の電圧を用いることができること、例えば、画素を作動させることが、適当な列を+Vbiasに、及び適当な行を−ΔVに設定することを含むことができることは、正しく理解される。この実施形態において、画素を解放することは、適当な行を−Vbiasに、及び適当な行を同じく−ΔVに設定して、この画素の両端に0Vの電位差を生じさせることによって実現される。
【0031】
図5Bは、作動画素が非反射性である、図5Aに示す表示構成を生じる、図2の3×3アレイに印加される一連の行及び列信号を示すタイミング図である。図5Aに示すフレームに書き込む前に、画素は、どのような状態も可能であり、この実施例においては、全ての行が0Vであり、全ての列が+5Vである。これらの印加電圧によって、全ての画素は、これらの現在の作動又は弛緩状態において安定している。
【0032】
図5Aのフレームにおいては、画素(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)及び(3,3)が作動している。これを実現するため、行1のための「ラインタイム」の間には、列1及び列2が−5Vに設定され、かつ列3が+5Vに設定される。このことは、全ての画素が3〜7Vの安定ウィンドウに入ったままであるため、どの画素の状態も変えない。そして、行1は、0から5Vに上昇した後0に戻るパルスによってストローブされる。このことは、(1,1)及び(1,2)画素を作動させ、(1,3)画素を弛緩させる。このアレイ内の他の画素は影響を受けない。行2を要望通りに設定するため、列2は−5Vに設定され、列1及び列3は+5Vに設定される。次いで、行2に印加される同じストローブが画素(2,2)を作動させ、かつ画素(2,1)及び(2,3)を弛緩させる。ここでも、このアレイの他の画素は影響を受けない。行3は、列2及び列3を−5Vに、及び列1を+5Vに設定することにより、同様に設定される。行3のストローブは、行3の画素を図5Aに示すように設定する。このフレームを書き込んだ後、この行電位は0であり、この列電位は、+5又は−5Vのいずれかのままとすることができ、上記ディスプレイは、図5Aの構成において安定している。数十又は数百の行及び列のアレイに対して同じ処理手順を用いることができることは正しく認識される。また、行及び列の作動を実行するのに用いる電圧のタイミング、シーケンス及びレベルを、上述した包括的な原理の範囲内で大きく変化させることができること、及び上記の実施例が単に例示であり、どのような作動電圧方法も本明細書に記載したシステム及び方法と共に用いることができることは正しく認識される。
【0033】
図6A及び図6Bは、ディスプレイ装置40の実施形態を示すシステムブロック図である。ディスプレイ装置40は、例えば、携帯電話又は移動電話とすることができる。しかし、ディスプレイ装置40又は、そのわずかな変形例の同じ構成要素も、テレビ及びポータブルメディアプレーヤ等の様々なタイプのディスプレイ装置の例証である。
【0034】
ディスプレイ装置40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカ44と、入力装置48と、マイクロフォン46とを含む。ハウジング41は、一般に、射出成形及び真空成形を含む、当業者には周知の種々の製造プロセスのうちのいずれかによって形成されている。また、ハウジング41は、限定するものではないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴム及びセラミック又はこれらの組み合わせを含む様々な材料のうちのいずれかから形成することができる。一実施形態において、ハウジング41は、異なる色の、又は、異なるロゴ、写真又はシンボルからなる他の取外し可能な部分と交換することができる取外し可能な部分(図示せず)を含む。
【0035】
例示的なディスプレイ装置40のディスプレイ30は、本明細書で説明したようなバイステイブルディスプレイを含む様々なディスプレイのうちのいずれかとすることができる。他の実施形態においては、ディスプレイ30は、上述したように、プラズマ、EL、OLED、STN LCD及びTFT LCD等のフラットパネルディスプレイ、あるいは、当業者には周知のCRT又は他のブラウン管装置等の非フラットパネルディスプレイを含む。しかし、本実施形態を説明するため、ディスプレイ30は、本明細書に記載したように、干渉変調ディスプレイを含む。
【0036】
例示的なディスプレイ装置40の一実施形態の構成要素を図6Bに概略的に示す。図示した例示的なディスプレイ装置40は、ハウジング41を含み、またこのハウジングの中に少なくとも部分的に閉じ込められた追加的な構成要素を含むことができる。例えば、一実施形態において、例示的なディスプレイ装置40は、トランシーバ47に結合されているアンテナ43を含むネットワークインタフェース27を含む。トランシーバ47はプロセッサ21に接続されており、このプロセッサは、調整ハードウェア52に接続されている。調整ハードウェア52は、信号を調整する(例えば、信号をフィルタリングする)ように構成してもよい。調整ハードウェア52は、スピーカ45及びマイクロフォン46に接続されている。また、プロセッサ21は、入力装置48及びドライバコントローラ29にも接続されている。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28及びアレイドライバ22に結合されており、このアレイドライバは、ディスプレイアレイ30にも結合されている。電源50は、特定の例示的なディスプレイ装置40デザインに要求される全ての構成要素に電力を供給する。
【0037】
ネットワークインタフェース27は、例示的なディスプレイ装置40が、ネットワークを介して1つ以上のデバイスと通信することができるように、アンテナ43及びトランシーバ47を含む。一実施形態において、ネットワークインタフェース27は、プロセッサ21の要求を軽減するためのいくつかの処理能力も有してもよい。アンテナ43は、当業者は既知である、信号を送受信する何らかのアンテナである。一実施形態において、このアンテナは、IEEE802.11(a)、(b)又は(g)を含むIEEE802.11規格に従ってRF信号を送受信する。別の実施形態においては、このアンテナは、ブルートゥース規格に従ってRF信号を送受信する。携帯電話の場合、このアンテナは、CDMA、GSM、AMPS、又は、無線セル電話ネットワーク内で通信するのに用いられる他の公知の信号を受信するように設計されている。トランシーバ47は、アンテナ43から受け取った信号をプロセッサ21によって受け取り、かつこのプロセッサによってさらに処理できるようにこの信号を前処理する。また、トランシーバ47は、プロセッサ21から受け取った信号を、アンテナ43を介して例示的なディスプレイ装置40から送信できるように、この信号を処理する。
【0038】
代替の実施形態においては、トランシーバ47は、レシーバと置き換えることができる。また別の代替の実施形態においては、ネットワークインタフェース27は、イメージソースと置き換えることができ、このイメージソースは、プロセッサ21へ送るべきイメージデータを格納又は生成することができる。例えば、このイメージソースは、イメージデータを含むDVD(digital video disc)又はハードディスクドライブ、あるいは、イメージデータを生成するソフトウェアモジュールとすることができる。
【0039】
プロセッサ21は、一般に、例示的なディスプレイ装置40の全体の動作を制御する。プロセッサ21は、ネットワークインタフェース27又はイメージソースからの圧縮されたイメージデータ等のデータを受け取り、このデータを処理して生イメージデータに、又は生イメージデータに容易に処理されるフォーマットにする。そして、プロセッサ21は、この処理されたデータをドライバコントローラ29に、又は格納のためにフレームバッファ28へ送る。生データとは、典型的には、イメージ内の各位置におけるイメージ特性を識別する情報を指す。例えば、このようなイメージ特性は、色、飽和及びグレースケールレベルを含むことができる。
【0040】
一実施形態において、プロセッサ21は、マイクロコントローラ、CPU、又は、例示的なディスプレイ装置40の動作を制御する論理ユニットを含む。調整ハードウェア52は、一般に、信号をスピーカ45へ転送し、かつマイクロフォン46から信号を受け取る増幅器及びフィルタを含む。調整ハードウェア52は、例示的なディスプレイ装置40内の個別の構成要素であってもよく、あるいは、プロセッサ21又は他の構成要素に組み込んでもよい。
【0041】
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生イメージデータを、プロセッサ21から直接、又はフレームバッファ28から取得して、アレイドライバ22への高速転送に適した生イメージデータに再フォーマット化する。具体的には、ドライバコントローラ29は、表示アレイ30の全域を走査するのに適した時間順序を有するように、この生イメージデータを、ラスタ状フォーマットを有するデータフローに再フォーマット化する。そして、ドライバコントローラ29は、このフォーマット化した情報をアレイドライバ22へ送る。LCDコントローラ等のドライバコントローラ29は、独立型集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21と関連付けられる場合があるが、このようなコントローラは、多くの方法で実施することができる。このコントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21に、ソフトウェアとしてプロセッサ21に埋め込んでもよく、又は、ハードウェア内で、アレイドライバ22と完全に一体化してもよい。
【0042】
典型的には、アレイドライバ22は、ドライバコントローラ29から上記フォーマット化された情報を受け取って、このビデオデータを、上記ディスプレイの画素のx−yマトリックスからくる何百及び時には何千ものリードに毎秒多数回印加される波形の並行セットに再フォーマット化する。
【0043】
一実施形態において、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22及び表示アレイ30は、本明細書に記載したいずれかの種類のディスプレイに適している。例えば、一実施形態において、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラ又はバイステイブルディスプレイコントローラ(例えば、干渉変調コントローラ)である。別の実施形態においては、アレイドライバ22は、従来のドライバ又はバイステイブルディスプレイドライバ(例えば、干渉変調ディスプレイ)である。一実施形態において、ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22と一体化されている。このような実施形態は、携帯電話、時計及び他の小面積ディスプレイ等の高度に一体化されたシステムにおいては共通である。また別の実施形態においては、表示アレイ30は、典型的な表示アレイ又はバイステイブルディスプレイアレイ(例えば、インターフェロメトリック変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0044】
入力装置48は、ユーザが例示的なディスプレイ装置40の動作を制御できるようにする。一実施形態において、入力装置48は、QWERTYキーボード又は電話キーパッド、ボタン、スイッチ、タッチスクリーン、圧力又は熱センシティブ膜等のキーパッドを含む。一実施形態において、マイクロフォン46は、例示的なディスプレイ装置40のための入力装置である。マイクロフォン46を、この装置にデータを入力するのに使用する場合、例示的なディスプレイ装置40の動作を制御するために、ユーザがボイスコマンドを与えてもよい。
【0045】
電源50は、公知の様々なエネルギストレージデバイスを含むことができる。例えば、一実施形態において、電源50は、ニッケル−カドミウム電池又はリチウムイオン電池等の充電可能な電池である。別の実施形態において、電源50は、回復可能なエネルギ源、コンデンサ、又は、プラスチックソーラーセル及びソーラーセルペイントを含む太陽電池である。別の実施形態において、電源50は、壁コンセントから電力を受け取るように構成される。
【0046】
いくつかの実施においては、制御プログラム性は、上述したように、電子表示システムのいくつかの箇所に配置することができるドライバコントローラに存する。制御プログラム性は、アレイドライバ22に存する場合もある。当業者は、上述した最適化を、多数のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素のどれでも、及び様々な構成で実施することができることを正しく認識する。
【0047】
上述した原理に従って作動するインターフェロメトリック変調器の構成の細部は、大幅に変更してもよい。例えば、図7A〜図7Eは、移動可能な反射層14及びこれの支持構造の5つの異なる実施形態を示す。図7Aは、図1の実施形態の断面であり、金属材料からなるストリップ14が、直交して伸びる支持体18の上に堆積されている。図7Bにおいては、移動可能な反射層14が、その隅においてのみテザー32上で支持体に取付けられている。図7Cにおいては、移動可能な反射層14が、柔軟な材料を備えてもよい変形可能な層34から吊り下げられている。変形可能な層34は、変形可能な層34の周辺部で基板20に直接的又は間接的に接続する。これらの接続は、本明細書においては、支持ポストと称する。図7Dに示す実施形態は、変形可能な層34がその上に載る支持ポストプラグ42を有する。移動可能な反射層14は、図7A〜図7Cと同様に、この空間上に吊り下げられたままであるが、変形可能な層34は、変形可能な層34と光学的スタック16との間の穴を充填することにより、この支持ポストを形成しない。正確に言えば、この支持ポストは、支持ポストプラグ42を形成するのに使われる平坦化材料で形成される。図7Eに示す実施形態は、図7Dに示す実施形態に基づいているが、図7A〜図7Cに示す実施形態のうちのいずれかならびに図示していない追加的な実施形態と共に機能するように適応させることもできる。図7Eに示す実施形態においては、金属からなる追加の層又は他の導電性材料が、バス構造44を形成するのに用いられている。このことは、このインターフェロメトリック変調器の裏に沿った信号ルーティングを可能にし、別の方法で基板20上に形成されなければならない可能性がある多数の電極を排除できる。
【0048】
図7に示すような実施形態において、上記インターフェロメトリック変調器は、イメージが、透明基板20の前面、すなわち、この変調装置が配置されている面と反対側の面から見られる直視型デバイスとして機能する。これらの実施形態において、反射層14は、変形可能な層34を含む、基板20と反対側の反射層の側のインターフェロメトリック変調器の部分を光学的に遮蔽する。このことは、この遮断された領域を、イメージ品質に悪い影響を与えることなく構成し、かつ作動できるようにする。このような遮蔽は、図7Eにおける構造44を可能にし、このことは、取扱い及びこの取扱いから生じる動き等の、この変調装置の電気機械的特性からこの変調装置の光学的特性を切り離す能力をもたらす。この切り離し可能な変調装置構造は、この変調装置の電気機械的態様及び光学的態様に用いられる構造デザイン及び材料を選択できるようにし、かつ互いに無関係に機能できるようにする。また、図7C〜図7Eに示す実施形態は、反射層14の光学的特性の、該反射層の機械的特性からの分離から得られる追加的な利益を有し、この分離は、変形可能な層34によって行われる。このことは、反射層14に用いられる構造デザイン及び材料を、その光学的特性に対して最適化できるようにし、また、変形可能な層34に用いられる構造デザイン及び材料を所望の機械的特性に対して最適化できるようにする。
【0049】
一般的に、インターフェロメトリック変調器は、OLEDデバイスより高い、湿度要件に対する許容範囲を有する。上述したように、水蒸気は、半密閉状態又は密閉状態であっても、パッケージ内に浸入することが可能である。乾燥剤がこのパッケージの内部に配置されている特定の実施形態において、一定量の水分の浸入は、この乾燥剤の容量により許容することができる。しかし、許容範囲レベルよりも高い水分又は水蒸気が存在する場合、又は、所望量よりも多い、このパッケージ内への水分の浸入がある場合には、この干渉変調ディスプレイデバイスは、短縮された寿命を有しやすくなり、あるいは、正常に作動しない可能性がある。また、特定のパッケージにおいては、組立中に生成されている及び/又は浸入している水分を、このパッケージの製造を完了する前に、適切に除去されない可能性がある。さらに、特に、乾燥剤が入っていないパッケージの内部の相対湿度レベルは、このデバイスが、意図した目的のために作動するように、又は、予想される寿命を有するように、あるレベル以下に維持する必要がある。そのため、例えば、このデバイスの寿命を評価するために、あるいは、このパッケージに不具合があるかないかを判断するために、このパッケージの製造が完了した後に、このパッケージの内部の湿度(相対湿度)のレベルをチェック又は測定する必要性がある。
【0050】
図8は、本発明の実施形態によるパッケージの内部の湿度検査のプロセスを示す概念図を示す。図14は、本発明の実施形態による湿度検査プロセスを説明するための例示的なフローチャートを示す。図8〜図14を参照して、様々な実施形態の湿度検査処理手順について詳細に説明する。
【0051】
まず、湿度検査のための、製造したパッケージ51をサンプルとする(選択する)(200)。図8に示すように、製造したパッケージ51は、基板100とバックプレート80とを含む。複数のインターフェロメトリック変調器を含むインターフェロメトリック変調器アレイ54は、パッケージ51内に密閉されている。基板100及びバックプレート80は、透明であってもなくてもよい。シール56及び58は、典型的には、基板100とバックプレート80とを接合して、製造したパッケージ51を形成するために設けられている。実施形態により、シール56及び58は、非密封シール、半密封シール又は密封シールとすることができる。
【0052】
一実施形態においては、パッケージ構造51内の水分を低減するために、乾燥剤70がパッケージ構造51内に設けられている。一実施形態において、乾燥剤70は、インターフェロメトリック変調器アレイ54とバックプレート80との間に配置されている。乾燥剤は、密封シール又は半密封シールを有するパッケージに用いることができる。一実施形態において、パッケージ51の内部で使用される乾燥剤の量は、デバイス51の存続期間中に、シール56及び58を介して浸入する水蒸気を吸収するように選定される。
【0053】
本明細書を通じて、サンプルとされた(又は、サンプル)パッケージ51とは、以下で論じるように、湿潤環境にさらされていないパッケージを意味する。また、本明細書を通じて、製造したパッケージ51とは、複数のインターフェロメトリック変調器(インターフェロメトリック変調器アレイ)を取り囲むデバイスを意味する。特定の実施形態においては、必要に応じて、湿度検査の前に、最初の測定(例えば、重量、色、抵抗、初期相対湿度等)を行うことができる。(210)。
【0054】
サンプルとしたパッケージ51は、例えば、この検査のための、十分な量の水蒸気を含む湿度チャンバ53を介して、ある環境に一定期間、例えば、250〜500時間さらされる(220)。一実施形態において、湿度チャンバ53は、人が実際に住み、電子機器を使用する普通の環境よりも厳しい湿度状態を生成することができる。例えば、この普通の環境が、40℃で90%RH(相対湿度)である場合、湿度チャンバ53は、例えば、約70℃で80%RH、又は85℃で60%RHに設定することができる。すなわち、短時間、湿度チャンバ53を用いて、サンプルとされたパッケージ51は、他の方法(例えば、周囲環境)よりもかなり長く湿度にさらされているかのようにシミュレートすることができる。
【0055】
別の実施形態においては、サンプルパッケージ51を、湿度チャンバ53以外の環境(X)にさらすことができ、この場合、十分な量の湿度がこの検査のために存在し、又は、この環境は、湿度チャンバ53と同様の温湿度を有する。別の実施形態においては、サンプルパッケージ51は、人が実際に住み、電子機器を使用する周囲環境(普通の環境;Y)にさらすことができる。この環境においては、このさらす時間は、サンプルパッケージ51が、湿度チャンバ53内のようなより高い湿度環境にさらされる場合よりも長くなる。本明細書を通じて、「湿潤環境」という用語は、この湿度チャンバ及び上述した環境X及びYのうちの少なくとも1つを表すことができる。
【0056】
一定(所定)期間の後、パッケージ51は、湿度チャンバ53又は他の湿度環境から取り除かれる(230)。一実施形態においては、湿度の程度により、さらす時間を変えることができる。例えば、サンプルとしたパッケージ51が、湿度チャンバ53等のより高い湿潤環境にさらされる場合、この所定期間は、サンプルとしたパッケージ51が、周囲環境等のより低い湿潤環境にさらされる場合よりも比較的短くなることになる。便宜上、この湿潤環境から取り除かれたパッケージを、さらし済みパッケージ60と称することにする。様々な実施形態において、この湿度検査は、さらし済みパッケージ60に対して実行することができる。別の実施形態においては、この湿度検査は、この湿潤環境にさらされていないサンプルパッケージ51に対して実行することができる。この検査は、製造プロセス中に、サンプルパッケージ51から水蒸気が十分に除去されていない場合でも有用である。しかし、便宜上、この湿度検査処理手順は、さらし済みパッケージ60に関して説明する。
【0057】
一実施形態においては、図8に概略するように、この湿度検査は、例えば、重量測定検査(A)、乾燥剤の色変化検査(B)、抵抗測定検査(C)、冷たいフィンガ測定検査(D)及びC及びDの組み合わせ(E)に基づいて実行される。別の実施形態においては、前述した検査プロセスのうちの1つ以上を互いに組合わせて、多数の湿度検査プロセスを実現することができる。他の実施形態においては、前述した検査プロセスのうちの1つ以上を、図9Cに例示したような状況により変更することができる(「A」の変更バージョン)。また別の実施形態においては、前述した検査プロセスのうちの1つ以上の組み合わせを、図10Dに例示したような状況により変更することができる(「A」及び「B」の組み合わせの変更バージョン)。
【0058】
様々な実施形態において、さらし済みパッケージ60の内部における測定した相対湿度の程度の評価は、例えば、次のパラメータ、すなわち、i)温度/湿度の組み合わせ(例えば、40℃及び90%RH、又は85℃及び60%RH)、ii)シール24の厚さ及び幅、iii)付着透過性(例えば、12.1グラムmm/m2/1日/KPa)、iv)乾燥剤容量(例えば、乾燥剤重量の10%)、及びv)ディスプレイサイズ(例えば、1.1インチ対角又は4.5インチ対角)等のうちの少なくとも1つを考慮することにより、実行することができる。
【0059】
図9A及び図9Bは、本発明の一実施形態による湿度検査プロセスを示す。この実施形態において、さらし済みパッケージ60の湿度レベルは、サンプルパッケージ51及びさらし済みパッケージ60の重量を比較することによって決まる。別の実施形態においては、さらし済みパッケージ60の内部の湿度レベルは、さらし済みパッケージ60の重量と、複数の(さらされていない)サンプルパッケージの平均重量とを比較することによって決めることができる。
【0060】
図9Aについて説明すると、(このパッケージが湿潤環境にさらされる前の)サンプルパッケージ51の重量が、重量測定デバイス(又は、スケール)62を用いて測定される。一実施形態において、重量測定デバイス62は、増量を識別することができる何らかの種類のスケールを含む。一実施形態において、デバイス62の重量スケールは、約±0.1mgの精度である。別の実施形態においては、デバイス62の重量スケールは、例えば、±0.05mgの精度である。一実施形態において、重量測定デバイス62は、例えば、メトラー(Mettler)社から入手可能なAE163又はXS105を含む。
【0061】
図9Bについて説明すると、(このパッケージが湿潤環境にさらされた後の)さらし済みパッケージ60の重量は、重量測定デバイス62を用いて測定される。例えば、サンプルパッケージ51の重量がY(g)で、さらし済みパッケージ60の重量がY+α(g)である場合、増量(α)は、さらし済みパッケージ60の内部における湿度レベルを評価するのに用いることができる。一実施形態において、増量(α)がしきい値よりも大きい場合、さらし済みパッケージ60は、不具合があるか又は短縮された寿命を有すると判断することができる。例えば、85℃及び60%の相対湿度において300時間のさらし時間の場合、約1mgの増量を伴うこのさらし済みパッケージは、1つの検査シナリオにおいて、不具合があると判断することができる。
【0062】
図9Cは、本発明の別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。この実施形態においては、同じサンプルとしたパッケージを、所定の間隔で、少なくとも2回、測定することができる。この実施形態において、サンプルとしたパッケージ51が測定されて、第1の重量が重量測定デバイス62によって得られる。所定期間の後、サンプルとしたパッケージ51が測定されて、第2の重量が得られる。上述したように、この所定期間は、湿度レベル要件により変わる。測定した第1の重量と第2の重量とが比較される。このパッケージの内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度は、この重量の比較に基づいて判断される。一実施形態において、サンプルとしたパッケージ51の重量は、2回以上、測定される。
【0063】
図10A〜図10Cは、本発明の別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。この実施形態において、さらし済みパッケージ60の湿度レベルは、さらし済みパッケージ60の乾燥剤の色変化によって判断される。一般的に、乾燥剤は、水分を吸収したときに、乾燥剤の色を変化させる。また、一般的に、乾燥剤の色は、この乾燥剤が吸収した水分の量に従って変化する。一実施形態において、ある乾燥剤の元の色は、例えば、青である。この実施形態において、乾燥剤70は、例えば、約25℃及び15%RHにおいて、周囲の水分を吸収したときに、青から、例えば、赤へ色変化を始める。さらに、この乾燥剤の色は、約25℃及び40%RHにおいて、乾燥剤70が一定量以上、水分を吸収したときに、その元の色から特定の色(例えば、赤)に完全に変化する。
【0064】
一実施形態において、バックプレート80は、乾燥剤70の色変化を、透明なバックプレート80全体から見ることができるように、透明材料で形成されている。この実施形態においては、この乾燥剤の色又は色変化を見るのに必要な独立したウィンドウはない。別の実施形態においては、バックプレート80は、透明でも半透明でもない。この実施形態において、バックプレート80は、乾燥剤70の色変化を、ウィンドウ72を介してパッケージ60の外側から見ることができるように、図10Aに示すような透明なウィンドウ72を含む。別の実施例においては、ウィンドウ74のサイズは、図10Bに示すように、変えてもよい。また別の実施形態においては、バックプレート80は、図10Cに示すように、複数の透明なウィンドウ76及び78を含む。
【0065】
一実施形態において、サンプルパッケージ51が湿潤環境にさらされる前に、乾燥剤70の色変化を手動で、又は自動的に測定することができる。この実施形態において、さらし済みパッケージ60のこの乾燥剤の色変化は、この色変化の程度を判断するために、サンプルパッケージ51の色変化と比較することができる。さらし済みパッケージ60の乾燥剤70の色をチェックした後、及び/又はサンプルとしたパッケージ51とさらし済みパッケージ60との間で、乾燥剤の色変化を比較した後、検知した色の程度及び/又は乾燥剤の色変化は、さらし済みパッケージ60の内部における相対湿度のレベルを評価するのに用いることができる。一実施形態において、この評価は、このパッケージの寿命を計算することと、サンプルパッケージ51に不具合があるか否かを判断することとを備える。
【0066】
図10Dは、本発明の別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。この実施形態において、乾燥剤70は、水蒸気を吸収しても、乾燥剤の色を変化させない。この実施形態は、破壊的湿度検査方法のうちの1つである。最初に、さらし済みパッケージ60又はサンプルとしたパッケージ51(本明細書において、以後、さらし済みパッケージ60と称する)が、重量測定デバイス62によって測定される。次に、水蒸気をパッケージ60内に供給するために、開口部64が、さらし済みパッケージ60の外側部分、例えば、シール58上に画成される。別の実施形態においては、開口部64は、別の部分、例えば、基板100、バックプレート80又はシール56上に画成することができる。一実施形態においては、例えば、ポンプ(図示せず)を用いた処理を促進するために、水蒸気をパッケージ60内に注入してもよい。別の実施形態においては、水蒸気は、何らかのデバイスを用いることなく、パッケージ60内に浸入できるようになっている。次いで、再び、さらし済みパッケージ60が、重量測定デバイス62によって測定される。
【0067】
乾燥剤70が的確に作用している場合、この乾燥剤は、短期間に、相当量の、浸入した水蒸気を吸収することになり、また、第2の重量が、第1の重量よりもかなり大きくなる。この状況においては、穴64を画成する前の、パッケージ60の内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度が許容可能であったと判断することができる。
【0068】
上記乾燥剤が的確に作用していない場合には、この乾燥剤は、これ以上、浸入した水蒸気を吸収せず、第2の重量は、実質的に第1の重量と同じになる。この状況においては、穴64を画成する前の、パッケージ60の内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度がかなり高く、許容できなかったと判断することができる。
【0069】
図11A及び図11Bは、本発明の別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。この実施形態において、さらし済みパッケージ60の内部の相対湿度は、抵抗湿度センサ82を用いて測定される。一実施形態において、センサ82は、パッケージ60のリード86に接続されている。リード86は、インターフェロメトリック変調器アレイ54の電極に、又は、インターフェロメトリック変調器アレイ54の一部に、あるいは、電気インピーダンス又は抵抗を、その部分の周りで測定することができる、パッケージ60のどこかの内部部分(例えば、バックプレート80又は基板100の上)に接続することができる。一実施形態において、リード86は、パッケージ60の現存するリードである。別の実施例においては、リード86は、この湿度検査のためのインターフェロメトリック変調器の製造プロセス中に形成された、パターン化されたリードである。この実施形態において、このパターン化されたリードは、このインターフェロメトリック変調器の未使用部分(例えば、角の領域)に配設することができる。このパターン化されたリードは、この湿度検査が終了した後に、取り除くか又は保持することができる。さらに別の実施形態において、リード86は、この目的のために画成されている穴を介して、パッケージ60の内部に挿入することができる独立したリードである。
【0070】
一般的に、材料物質の抵抗と、この材料物質の周囲の相対湿度は、図11Bに示すような指数関数的関係を有する。一実施形態において、センサ82は、例えば、図11Bに示すような抵抗と相対湿度の既知の関係に基づいて、測定した抵抗値を対応する相対湿度の値に変換することにより、相対湿度の値を生成することができる。
【0071】
図12A〜図12Cは、本発明のまた別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。この実施形態において、さらし済みパッケージ60の湿度レベルは、冷たいフィンガデバイス92を用いて測定される。一般的に、冷たいフィンガデバイス92は、冷却された物質(例えば、氷、ドライアイス等)が配置されている中空部分を有する。一実施形態において、冷たいフィンガデバイス92は、例えば、−20℃、−40℃又は−60℃に設定される。代替として、実施形態により、より低い又はより高い他の温度、あるいは、例示した温度の間の他の温度を用いることができる。一実施形態において、冷たいフィンガデバイス92は、熱伝導性材料、例えば、金属で形成されている。一実施形態においては、アルコール等の特定の液体材料を、冷たいフィンガデバイス92の接触領域上に加えて、より良好な接触及び熱コンダクタンスを与えることができる。
【0072】
一実施形態においては、冷たいフィンガデバイス92は、図12Aに示すように、バックプレート80の特定の領域に接触するように構成される。別の実施形態においては、冷たいフィンガデバイス92は、基板100又はシール56、58の特定の領域に接触するように構成される。また別の実施形態においては、冷たいフィンガデバイス92は、各シール56、58及び基板100の境界領域に接触するように構成される。この実施形態において、パッケージ60の内部に形成された霜(以下で説明する)透明基板100を通して見ることができる。
【0073】
一実施形態において、冷たいフィンガデバイス92は、低温、例えば、−60℃に設定され、図12Aに示すように、例えば、領域96に接触する。この結果、接触領域96に対応する内部領域94に霜が形成されたか否かが判断される。一実施形態において、霜が形成されたか否かは、バックプレート80の接触領域96の周りに形成された透明ウィンドウ(図12Aには示されていない)を介して視覚的に判断することができる。別の実施例においては、上述したように、冷たいフィンガデバイス92が基板100又はシール56、58と基板100の境界領域に接触した場合、検査者は、透明基板100の一部を介して、霜が内部領域94に形成されたか否かを判断することができる。また別の実施形態においては、図11に関して説明したように、及び図13に示すように、抵抗湿度センサ82を、霜が内部領域94に形成されたか否かを判断するのに用いることができる。図13の実施形態は、バックプレート80が透明でなく、また透明部分を含まない場合に、パッケージ60の内部の湿度を測定するのに特に有用である。
【0074】
図11A及び図12Aに関して説明したように、センサ82は、パッケージ60のどこかの内部部分(例えば、バックプレート80又は基板100等)に接続されているリードに接続することができ、この場合、電気インピーダンス又は電気抵抗は、この部分の周りで測定することができる。この実施形態において、冷たいフィンガデバイス92は、この内部部分に対応する外側領域(例えば、バックプレート80又は基板100)に接触する。この実施形態は、バックプレート80及び基板100の少なくとも一方が透明でなく、又は、透明部分を含まない場合に、パッケージ60内部の湿度を測定する際に、特に有利である。一実施形態において、例えば、−60℃の温度に設定された冷たいフィンガデバイス92を用いて、内部領域94に霜が形成されておらず、上記インターフェロメトリック変調器デバイスの意図した動作に対して、パッケージ60の内部が十分に乾燥している(すなわち、十分に低い湿度を有している)ことを示していると判断された場合、それ以上、検査は必要ない。別の実施形態においては、例えば、−60℃の温度に設定された冷たいフィンガデバイス92を用いて、内部領域94に霜が形成されていると判断された場合には、より高い温度(例えば、−40℃)を用いて、この湿度検査を続けることができる。この実施形態において、内部領域94に霜が形成されたと判断された場合、この実施形態に従って、より高い温度(例えば、−30℃)を用いた別の検査を行うことができ、あるいは、これ以上の検査は行わない。この検査プロセスは、必要に応じて、異なる温度値を用いて、何度でも繰り返すことができる。
【0075】
別の実施形態においては、冷たいフィンガデバイス92は、図12Bに示すように、基板100に接触する。この実施形態において、霜は、パッケージ60内部の領域94に形成される。この実施形態においては、形成された霜を透明なバックプレート80を介して見ることができるように、バックプレート80が透明であるか、又は、少なくとも透明部分を含むことが望ましい。
【0076】
別の実施形態においては、冷たいフィンガデバイス92は、図12Cに示すように、バックプレート80に接触する。この実施形態において、霜は、パッケージ60内部の領域94に形成される。この実施形態においては、形成された霜を透明な基板100を介して見ることができるように、基板100が透明であるか、又は、少なくとも透明部分を含むことが望ましい。
【0077】
上記の詳細な説明は、様々な実施形態に適用される本発明の新規な特徴を示し、記載し、かつ指摘したが、当業者には、本発明の趣旨を逸脱することなく、説明したデバイス又はプロセスの形態及び詳細における様々な省略、置換え及び変更が可能であることは、理解される。正しく認識できるように、本発明は、いくつかの特徴は、他の特徴とは別に用いることができ、又は実施することができるため、本明細書に記載した特徴及び利益の全てを備えていない構成内に具体化してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】第1のインターフェロメトリック変調器の可動反射層が弛緩位置にあり、かつ第2のインターフェロメトリック変調器の可動反射層が作動位置にある、干渉変調ディスプレイの一実施形態の一部を示す等角図である。
【図2】3×3干渉変調ディスプレイを組み入れた電子デバイスの一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図3】図1のインターフェロメトリック変調器の例示的な一実施形態の場合の可動ミラー位置対印加電圧の図である。
【図4】干渉変調ディスプレイを駆動するのに用いることができる、行及び列電圧のセットの図である。
【図5A】図2の3×3干渉変調ディスプレイにおける表示データの1つの例示的なフレームを示す。
【図5B】図5Aのフレームを書き込むのに用いることができる、行及び列信号のための1つの例示的なタイミング図を示す。
【図6A】複数のインターフェロメトリック変調器を備えるビジュアルディスプレイデバイスの一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図6B】複数のインターフェロメトリック変調器を備えるビジュアルディスプレイデバイスの一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図7A】図1のデバイスの断面図である。
【図7B】インターフェロメトリック変調器の代替の実施形態の断面図である。
【図7C】インターフェロメトリック変調器の別の代替の実施形態の断面図である。
【図7D】インターフェロメトリック変調器のまた別の代替の実施形態の断面図である。
【図7E】インターフェロメトリック変調器の追加的な代替の実施形態の断面図である。
【図8】本発明の実施形態によるパッケージの内部における湿度検査のプロセスを示す概念図である。
【図9A】本発明の一実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図9B】本発明の一実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図9C】本発明の一実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図10A】本発明の別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図10B】本発明の別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図10C】本発明の別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図10D】本発明の別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図11A】本発明の別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図11B】本発明の別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図12A】本発明のまた別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図12B】本発明のまた別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図12C】本発明のまた別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図13】本発明のさらに別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図14】本発明の実施形態による湿度検査プロセスを説明するための例示的なフローチャートを示す。
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、微小電気機械素子(microelectromechanical systems;MEMS)に関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械素子(MEMS)は、微少機械要素、アクチュエータ及び電子機器を含む。微少機械要素は、蒸着、エッチング、及び又は、基板及び/又は堆積材料層の部分をエッチング除去し、あるいは、層を加えて電気素子及び電気機械素子を形成する他のミクロ機械加工プロセスを用いて形成することができる。MEMSデバイスの1つのタイプは、インターフェロメトリック変調器(interferometric modulator)と称される。本明細書中で用いる場合、インターフェロメトリック変調器又はインターフェロメトリック光変調器とは、光学的干渉の原理を用いて光を選択的に吸収し及び/又は反射するデバイスを指す。ある実施形態において、インターフェロメトリック変調器は、一方又は両方が、この全体又は一部が透過性及び/又は反射性であってもよく、かつ適当な電気信号を印加したときに相対運動が可能な、1組の導電性プレートを備えてもよい。特定の実施形態において、一方のプレートは、基板上に堆積された固定層を備えてもよく、また他方のプレートは、この固定層からエアギャップだけ離れている金属膜を備えてもよい。本明細書に詳細に記載されているように、一方のプレートの他方に対する位置は、このインターフェロメトリック変調器に入射する光の光学的干渉を変えることができる。このようなデバイスは、広範囲の用途を有しており、これらのタイプのデバイスの特徴を利用し及び/又は変更することが当分野において有益であるため、現在ある製品を改良する際、及びまだ開発されていない新しい製品を考案する際に、これらの特徴を活かすことができる。
【0003】
さらに、従来技術においては、例えば、このデバイスの寿命を評価するために、又は、このパッケージに不具合があるか否かを判断するために、MEMSパッケージの製造が完了した後に、MEMSデバイス内部の湿度(相対湿度)のレベルをチェック又は測定する必要性があることは認識されなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明のシステム、方法及びデバイスは、各々がいくつかの態様を有し、単独でこの望ましい特性の原因となる単一の態様はない。この発明の範囲を限定することなく、このより顕著な特徴について簡単に論じる。この論考の後、及び特に、“発明を実施するための最良の形態”という部分を読んだ後には、この発明の特徴が、他のディスプレイデバイスより勝る効果をもたらすことが理解される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態は、湿度を検査する方法を提供する。この方法は、複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲むデバイスの特性を測定することと、この測定した特性に少なくとも部分的に基づいて、このデバイス内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度を測定することとを備える。
【0006】
別の実施形態は、湿度を検査するシステムを提供する。このシステムは、i)湿潤環境をデバイスに与える手段であって、このデバイスが複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲んでいる、該手段と、ii)このデバイスの特性を測定する手段とを備える。このデバイス内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度は、この測定した特性に少なくとも部分的に基づいて測定可能である。
【0007】
他の実施形態は、湿度を検査するシステムを提供する。このシステムは、湿潤環境をターゲットデバイスに与えるように構成された第1の検査デバイスであって、このターゲットデバイスが複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲んでいる該デバイスを備える。また、このシステムは、このターゲットデバイスの特性を測定するように構成された第2の検査デバイスを備える。このターゲットデバイス内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度は、この測定した特性に少なくとも部分的に基づいて測定可能である。
【0008】
別の実施形態は、湿度を検査する方法を提供する。この方法は、i)複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲む第1のデバイスの第1の重量と、ii)複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲む第2のデバイスの第2の重量とを測定することを備え、これらの第1及び第2のデバイスは、異なる量の水蒸気を含む。また、この方法は、これら第1及び第2のデバイスの重量を比較することと、この重量の比較に少なくとも部分的に基づいて、これら2つのデバイスのうちの一方の内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度を測定することとを備える。
【0009】
他の実施形態は、湿度を検査するシステムを提供する。このシステムは、i)複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲む第1のデバイスと、ii)複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲む第2のデバイスとを備え、これら第1及び第2のデバイスは、異なる量の水蒸気を含む。また、このシステムは、これら第1及び第2のデバイスの重量を測定するように構成されたスケールを備える。これら2つのデバイスのうちの一方の内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度は、この測定した重量に少なくとも部分的に基づいて測定可能である。
【0010】
別の実施形態は、湿度を検査する方法を提供する。この方法は、i)複数のインターフェロメトリック変調器と、ii)乾燥剤とを取り囲むデバイスを設けることを備え、この乾燥剤は、該乾燥剤中に吸収された水蒸気の量に基づいて、乾燥剤の色を変化させるように構成されている。また、この方法は、この乾燥剤の色変化の程度を測定することと、この色変化の測定した程度に少なくとも部分的に基づいて、このデバイス内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度を測定することとを備える。
【0011】
他の実施形態は、MEMSデバイスを製造する方法を提供する。この方法は、基板を設けることと、この基板上に複数のインターフェロメトリック変調器を形成することとを備える。また、この方法は、乾燥剤の中に吸収された水蒸気の量に基づいて、乾燥剤の色を変化させるように構成された乾燥剤を設けることと、バックプレートを設けることとを備える。さらに、この方法は、複数のインターフェロメトリック変調器及び乾燥剤を取り囲むデバイスを形成するように、この基板とこのバックプレートを接合することを備える。このバックプレートは、バックプレートを通して、この乾燥剤の色変化を、このデバイスの外側から見ることができる、少なくとも1つの透明部分を含む。
【0012】
別の実施形態は、MEMSデバイスを提供する。この素子は、i)基板と、ii)この基板上に形成された複数のインターフェロメトリック変調器と、iii)乾燥剤の中に吸収された水蒸気の量に基づいて、乾燥剤の色を変化させるように構成された該乾燥剤と、iv)バックプレートとを備える。この基板及びバックプレートは、この複数のインターフェロメトリック変調器及びこのバックプレートを取り囲むデバイスを形成するように、互いに接合されている。このバックプレートは、バックプレートを通して、この乾燥剤の色変化を、このデバイスの外側から見ることができる、少なくとも1つの透明部分を含む。
【0013】
他の実施形態は、湿度を検査する方法を提供する。この方法は、複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲むデバイスを設けることと、このデバイスの少なくとも1つの内部部分の抵抗を測定することとを備える。また、この方法は、この測定した抵抗に少なくとも部分的に基づいて、このデバイス内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度を測定することを備える。
【0014】
別の実施形態は、湿度を検査するシステムを提供する。このシステムは、複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲むデバイスと、このデバイスの少なくとも1つの内部部分の抵抗を測定するように構成された抵抗センサとを備える。このデバイス内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度は、この測定した抵抗に少なくとも部分的に基づいて測定可能である。
【0015】
他の実施形態は、湿度を検査する方法を提供する。この方法は、複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲むデバイスを設けることと、このデバイスの外側領域を、第1の温度に設定された冷たいフィンガデバイスに操作可能に接触させることとを備える。また、この方法は、この接触した領域に関して、このインターフェロメトリック変調器素子の内部領域に霜が形成されたか否かを判断することと、この内部領域に霜が形成されているか否かに少なくとも部分的に基づいて、このインターフェロメトリック変調器素子内の相対湿度の値又は相対湿度の程度を判断することとを備える。
【0016】
別の実施形態は、湿度を検査するシステムを提供する。このシステムは、複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲むデバイスと、このデバイスの外側領域と操作可能に接触するように構成された冷たいフィンガデバイスとを備える。このインターフェロメトリック変調器素子内の相対湿度の値又は相対湿度の程度は、この内部領域に霜が形成されているか否かに少なくとも部分的に基づいて測定可能である。
【0017】
また別の実施形態は、湿度を検査する方法を提供する。この方法は、i)複数のインターフェロメトリック変調器と、ii)乾燥剤とを取り囲むデバイスを設けることを備える。また、この方法は、このデバイスの第1の重量を測定することと、このデバイスの内部に水蒸気を与えることと、iii)水蒸気がこのデバイスの中に与えられた後に、このデバイスの第2の重量を測定することとを備える。さらに、この方法は、この第1の重量と第2の重量を比較することと、この重量の比較に少なくとも部分的に基づいて、このデバイス内部の相対湿度の程度を判断することとを備える。
【0018】
また別の実施形態は、湿度を検査するシステムを提供する。このシステムは、複数のインターフェロメトリック変調器と、ii)水蒸気を吸収するように構成された乾燥剤とを取り囲むデバイスを備え、水蒸気が、穴を介してこのデバイス内に与えられるように、該穴がこのデバイスのある領域内に画成されている。また、このシステムは、i)水蒸気がこのデバイス内に与えられる前のこのデバイスの第1の重量と、ii)水蒸気がこのデバイス内に与えられた後のこのデバイスの第2の重量とを測定するように構成されたスケールを備える。このデバイスの内部の相対湿度の程度は、第1の重量と第2の重量の比較に少なくとも部分的に基づいて測定可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下の詳細な説明は、本発明のある特定の実施形態に関する。しかし、本発明は、多くの異なる方法で実施することができる。この説明においては、図面に関して説明し、同様の部分は、全体を通して、同様の数字を用いて表わすことにする。以下の説明から容易に理解できるように、本実施形態は、動いていようと(例えば、ビデオ)、静止していようと(例えば、静止イメージ)、及びテキストであろうと写真であろうと、イメージを表示するように構成されているいかなるデバイスでも実施することができる。より具体的には、本実施形態を、限定するものではないが、移動電話、無線装置、PDAs(personal data assistants)、ハンドヘルドコンピュータ又はポータブルコンピュータ、GPSレシーバ/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダー、ゲームコンソール、腕時計、時計、計算機、テレビモニタ、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニタ、オートディスプレイ(例えば、走行距離計等)、コックピット制御部及び/又はディスプレイ、カメラビューのディスプレイ(例えば、自動車のリアビューカメラのディスプレイ)、電子写真、電子掲示板又は電子サイン、プロジェクタ、建築構造物、パッケージング及び審美的構造(例えば、宝石に関するイメージの表示)等の様々な電子デバイスで、又は該様々な電子デバイスに付随して実施することができることが意図されている。また、本明細書中で説明したのと同様の構造のMEMSデバイスは、電子スイッチングデバイスにおける等の非表示用途で用いることもできる。
【0020】
一実施形態は、湿度を検査する方法を提供し、この方法は、i)複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲むデバイスを湿潤環境にさらすことと、ii)特性(重量、抵抗、乾燥剤の色変化、霜が生じた箇所の温度等)を測定することと、iii)この測定した特性に少なくとも部分的に基づいて、このデバイスの内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度を判断することとを備える。
【0021】
干渉MEMSディスプレイ要素を備える1つの干渉変調ディスプレイの実施形態を図1に示す。これらのデバイスにおいて、画素は、明るい状態又は暗い状態のいずれかにある。この明るい(「オン」又は「オープン」)状態において、このディスプレイ要素は、入射可視光の大部分をユーザに対して反射させる。この暗い(「オフ」又は「クローズド」)状態の場合、このディスプレイ要素は、わずかな入射可視光を該ユーザに対して反射させる。実施形態によっては、これらの「オン」及び「オフ」状態の光反射特性は、逆にしてもよい。MEMS画素は、選択された色で主に反射するように構成することができ、黒及び白に加えてカラー表示を可能にする。
【0022】
図1は、ビジュアルディスプレイの一連の画素における隣接する2つの画素を示す等角図であり、各画素は、MEMSインターフェロメトリック変調器を備える。いくつかの実施形態においては、干渉変調ディスプレイは、これらのインターフェロメトリック変調器の行/列アレイを備える。各インターフェロメトリック変調器は、互いに可変かつ制御可能な距離をおいて配置され、少なくとも1つの可変寸法を有する光空洞共振器を形成する1対の反射層を含む。一実施形態において、これらの反射層の一方は、2つの位置の間で移動することができる。本明細書において弛緩位置と称する第1の位置においては、この移動可能な反射層は、固定された部分的反射層から比較的大きな距離をおいて配置されている。本明細書において作動位置と称する第2の位置においては、この移動可能な反射層は、この部分的反射層により近接して配置されている。これらの2つの層から反射する入射光は、この移動可能な反射層の位置により、建設的に又は破壊的に干渉し、各画素に対して全体的反射状態又は非反射状態のいずれかをもたらす。
【0023】
図1の画素アレイの図示した部分は、隣接する2つのインターフェロメトリック変調器12a及び12bを含む。左側のインターフェロメトリック変調器12aにおいては、移動可能な高反射層14aが、部分的反射層を含む光学的スタック16aから所定の距離の弛緩位置に示されている。右側のインターフェロメトリック変調器12bにおいては、移動可能な反射層14bが、光学的スタック16bに隣接する作動位置に示されている。
【0024】
本明細書で言及されているような光学的スタック16a、16b(まとめて光学的スタック16と称する)は、典型的には、インジウムスズ酸化物(indium tin oxide;ITO)等の電子層、クロム等の部分的反射層、及び透明誘電体を含むことができるいくつかの融合層から構成される。このため、光学的スタック16は導電性であり、部分的に透明であり、かつ部分的に反射性であり、例えば、これらの層の1つ以上を透明基板20上に堆積させることにより製造することができる。いくつかの実施形態において、これらの層は、平行なストリップにパターン化され、また、以下にさらに説明するように、ディスプレイ装置に行電極を形成することができる。移動可能な反射層14a、14bは、ポスト18の上部に堆積させた(行電極16a、16bと直交する)堆積した1枚の金属層及び複数の金属層と、ポスト18の間に堆積させた介在犠牲材料とからなる一連の平行なストリップとして形成することができる。この犠牲材料がエッチング除去されると、移動可能な反射層14a、14bは、画定されたエアギャップ19だけ、光学的スタック16a、16bから分離される。アルミニウム等の高導電性及び反射性の材料は、反射層14に用いることができ、また、これらのストリップは、ディスプレイ装置内に列電極を形成してもよい。
【0025】
電圧を印加しない場合、空洞19は、図1における画素12aによって示すように、移動可能な反射層14aが物理的に弛緩した状態で、移動可能な反射層14aと光学的スタック16aとの間に存続する。しかし、選択した行及び列に対して電位差を加えると、対応する画素におけるこの行及び列電極の交差部に形成されたキャパシタが充電されて、静電力がこれらの電極を一緒に引っ張る。この電圧が充分高い場合、移動可能な反射層14は変形し、かつ光学的スタック16に向かって押し込まれる。光学的スタック16内の(この図面には示されていない)誘電体層は、短絡を防止することができ、また、図1の右側の画素12bに示すように、層14と層16との間の隔離距離を制御することができる。この作用は、印加された電位差の極性に関係なく同じである。このように、反射性対非反射性の画素状態を制御することができる行/列動作は、従来のLCD及び他の表示技術で用いられるものと多くの点で似ている。
【0026】
図2〜図5Bは、表示用途において、インターフェロメトリック変調器のアレイを用いる1つの例示的なプロセス及びシステムを示す。
【0027】
図2は、本発明の態様を組み込んでもよい電子装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。例示的な実施形態において、この電子装置は、ARM、Pentium(登録商標)、Pentium II(登録商標)、Pentium III(登録商標)、Pentium IV(登録商標)、Pentium Pro(登録商標)、8051、MIPS(登録商標)、Power PC(登録商標)、ALPHA(登録商標)等のどのような汎用の単一又はマルチチップマイクロプロセッサ、あるいは、ディジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ又はプログラマブルゲートアレイ等のどのような専用マイクロプロセッサであってもよいプロセッサ21を含む。従来技術と同様に、プロセッサ21は、1つ以上のソフトウェアモジュールを実行するように構成することができる。このプロセッサは、オペレーティングシステムを実行するのに加えて、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、電子メールプログラム、又は他のソフトウェアアプリケーションを含む1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成することができる。
【0028】
一実施形態においては、プロセッサ21も、アレイドライバ22と通信するように構成されている。一実施形態において、アレイドライバ22は、信号を表示アレイ又はパネル30へ供給する行ドライバ回路24及び列ドライバ回路26を含む。図1に示すこのアレイの断面は、図2の線1−1によって示されている。MEMSインターフェロメトリック変調器の場合、この行/列作動プロトコルは、図3に示すそれらのデバイスのヒステリシス特性を利用してもよい。例えば、移動可能な層を、上記弛緩状態から作動状態に変形させるために、10ボルトの電位差を要求してもよい。しかし、この電圧がこの値から低下した場合、この移動可能な層は、この電圧が10ボルト以下に低下したときにその状態を維持する。図3の例示的な実施形態において、この移動可能な層は、この電圧が2ボルト以下に低下するまで、完全に弛緩しない。それに伴って、図3に示した実施例には、約3〜7Vの電圧範囲があり、この場合、その範囲内でこのデバイスが、この弛緩状態又は作動状態のいずれかで安定している印加電圧のウィンドウが存在する。本明細書では、これを「ヒステリシスウィンドウ」又は「安定ウィンドウ」と称する。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイの場合、上記行/列作動プロトコルは、行ストロービングの間、作動されるべきこのストローブされた行の画素が、約10ボルトの電圧差にさらされ、かつ弛緩されるべき画素が、0ボルトに近い電圧差にさらされるように設計することができる。このストローブの後、これらの画素は、どのような状態においても、行ストローブのままであるように、約5ボルトの定常電圧差にさらされる。書き込まれた後、各画素は、この実施例において3〜7Vの「安定ウィンドウ」内の電位差を参照する。この特徴は、図1に示す画素デザインを、作動又は弛緩先在状態のいずれかにおける同じ印加電圧条件の下で安定させる。上記インターフェロメトリック変調器の各画素は、作動状態であろうと弛緩状態であろうと、本質的に、固定された反射層と移動可能な層とによって形成されたキャパシタであるため、この安定状態は、ほとんど電力消失を伴わずに、このヒステリシスウィンドウ内の電圧で保持することができる。印加電位が固定されている場合、本質的に、電流はこの画素へは流れない。
【0029】
典型的な用途において、ディスプレイフレームは、第1の行における作動画素の所望のセットに従って、列電極のセットをアサートすることによって生成することができる。そして、行パルスは、行1電極に印加され、このアサートされた列ラインに対応する画素が作動される。次に、列電極のこのアサートされたセットは、第2の行の作動画素の所望のセットに対応させるため変化する。次いで、パルスが行2電極に印加され、このアサートされた列電極に従って、行2の適当な画素が作動される。行1画素は、行2パルスによる影響を受けず、行1パルスの間に設定された状態のままである。これは、フレームを生成するために、一連の行に対して繰り返すことができる。一般に、これらのフレームは、毎秒所望数のフレームにおいて、このプロセスを連続的に繰り返すことにより、新たな表示データに伴ってリフレッシュ及び/又は更新される。画素アレイの行及び列電極を駆動して表示フレームを生成する幅広いプロトコルもまた周知であり、本発明と共に用いることができる。
【0030】
図4、図5A及び図5Bは、図2の3×3アレイに表示フレームを生成する1つの可能な作動プロトコルを示す。図4は、図3のヒステリシス曲線を示す画素に用いることができる列及び行電圧レベルの可能なセットを示す。図4の実施形態において、画素を作動させることは、適当な行を−Vbiasに、適当な列を+ΔVに設定することを含み、これらはそれぞれ、−5V及び+5Vに相当する。画素を弛緩させることは、適当な行を+Vbiasに、適当な列を同じく+ΔVに設定して、この画素の両端に0Vの電位差を生じることにより実現される。行電圧が0Vに保持される行においては、これらの画素は、この列が+Vbias又は−Vbiasであることに関係なく、これらの画素が元々どのような状態にあろうとも安定している。図4にも示されているように、上述したもの以外の反対極性の電圧を用いることができること、例えば、画素を作動させることが、適当な列を+Vbiasに、及び適当な行を−ΔVに設定することを含むことができることは、正しく理解される。この実施形態において、画素を解放することは、適当な行を−Vbiasに、及び適当な行を同じく−ΔVに設定して、この画素の両端に0Vの電位差を生じさせることによって実現される。
【0031】
図5Bは、作動画素が非反射性である、図5Aに示す表示構成を生じる、図2の3×3アレイに印加される一連の行及び列信号を示すタイミング図である。図5Aに示すフレームに書き込む前に、画素は、どのような状態も可能であり、この実施例においては、全ての行が0Vであり、全ての列が+5Vである。これらの印加電圧によって、全ての画素は、これらの現在の作動又は弛緩状態において安定している。
【0032】
図5Aのフレームにおいては、画素(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)及び(3,3)が作動している。これを実現するため、行1のための「ラインタイム」の間には、列1及び列2が−5Vに設定され、かつ列3が+5Vに設定される。このことは、全ての画素が3〜7Vの安定ウィンドウに入ったままであるため、どの画素の状態も変えない。そして、行1は、0から5Vに上昇した後0に戻るパルスによってストローブされる。このことは、(1,1)及び(1,2)画素を作動させ、(1,3)画素を弛緩させる。このアレイ内の他の画素は影響を受けない。行2を要望通りに設定するため、列2は−5Vに設定され、列1及び列3は+5Vに設定される。次いで、行2に印加される同じストローブが画素(2,2)を作動させ、かつ画素(2,1)及び(2,3)を弛緩させる。ここでも、このアレイの他の画素は影響を受けない。行3は、列2及び列3を−5Vに、及び列1を+5Vに設定することにより、同様に設定される。行3のストローブは、行3の画素を図5Aに示すように設定する。このフレームを書き込んだ後、この行電位は0であり、この列電位は、+5又は−5Vのいずれかのままとすることができ、上記ディスプレイは、図5Aの構成において安定している。数十又は数百の行及び列のアレイに対して同じ処理手順を用いることができることは正しく認識される。また、行及び列の作動を実行するのに用いる電圧のタイミング、シーケンス及びレベルを、上述した包括的な原理の範囲内で大きく変化させることができること、及び上記の実施例が単に例示であり、どのような作動電圧方法も本明細書に記載したシステム及び方法と共に用いることができることは正しく認識される。
【0033】
図6A及び図6Bは、ディスプレイ装置40の実施形態を示すシステムブロック図である。ディスプレイ装置40は、例えば、携帯電話又は移動電話とすることができる。しかし、ディスプレイ装置40又は、そのわずかな変形例の同じ構成要素も、テレビ及びポータブルメディアプレーヤ等の様々なタイプのディスプレイ装置の例証である。
【0034】
ディスプレイ装置40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカ44と、入力装置48と、マイクロフォン46とを含む。ハウジング41は、一般に、射出成形及び真空成形を含む、当業者には周知の種々の製造プロセスのうちのいずれかによって形成されている。また、ハウジング41は、限定するものではないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴム及びセラミック又はこれらの組み合わせを含む様々な材料のうちのいずれかから形成することができる。一実施形態において、ハウジング41は、異なる色の、又は、異なるロゴ、写真又はシンボルからなる他の取外し可能な部分と交換することができる取外し可能な部分(図示せず)を含む。
【0035】
例示的なディスプレイ装置40のディスプレイ30は、本明細書で説明したようなバイステイブルディスプレイを含む様々なディスプレイのうちのいずれかとすることができる。他の実施形態においては、ディスプレイ30は、上述したように、プラズマ、EL、OLED、STN LCD及びTFT LCD等のフラットパネルディスプレイ、あるいは、当業者には周知のCRT又は他のブラウン管装置等の非フラットパネルディスプレイを含む。しかし、本実施形態を説明するため、ディスプレイ30は、本明細書に記載したように、干渉変調ディスプレイを含む。
【0036】
例示的なディスプレイ装置40の一実施形態の構成要素を図6Bに概略的に示す。図示した例示的なディスプレイ装置40は、ハウジング41を含み、またこのハウジングの中に少なくとも部分的に閉じ込められた追加的な構成要素を含むことができる。例えば、一実施形態において、例示的なディスプレイ装置40は、トランシーバ47に結合されているアンテナ43を含むネットワークインタフェース27を含む。トランシーバ47はプロセッサ21に接続されており、このプロセッサは、調整ハードウェア52に接続されている。調整ハードウェア52は、信号を調整する(例えば、信号をフィルタリングする)ように構成してもよい。調整ハードウェア52は、スピーカ45及びマイクロフォン46に接続されている。また、プロセッサ21は、入力装置48及びドライバコントローラ29にも接続されている。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28及びアレイドライバ22に結合されており、このアレイドライバは、ディスプレイアレイ30にも結合されている。電源50は、特定の例示的なディスプレイ装置40デザインに要求される全ての構成要素に電力を供給する。
【0037】
ネットワークインタフェース27は、例示的なディスプレイ装置40が、ネットワークを介して1つ以上のデバイスと通信することができるように、アンテナ43及びトランシーバ47を含む。一実施形態において、ネットワークインタフェース27は、プロセッサ21の要求を軽減するためのいくつかの処理能力も有してもよい。アンテナ43は、当業者は既知である、信号を送受信する何らかのアンテナである。一実施形態において、このアンテナは、IEEE802.11(a)、(b)又は(g)を含むIEEE802.11規格に従ってRF信号を送受信する。別の実施形態においては、このアンテナは、ブルートゥース規格に従ってRF信号を送受信する。携帯電話の場合、このアンテナは、CDMA、GSM、AMPS、又は、無線セル電話ネットワーク内で通信するのに用いられる他の公知の信号を受信するように設計されている。トランシーバ47は、アンテナ43から受け取った信号をプロセッサ21によって受け取り、かつこのプロセッサによってさらに処理できるようにこの信号を前処理する。また、トランシーバ47は、プロセッサ21から受け取った信号を、アンテナ43を介して例示的なディスプレイ装置40から送信できるように、この信号を処理する。
【0038】
代替の実施形態においては、トランシーバ47は、レシーバと置き換えることができる。また別の代替の実施形態においては、ネットワークインタフェース27は、イメージソースと置き換えることができ、このイメージソースは、プロセッサ21へ送るべきイメージデータを格納又は生成することができる。例えば、このイメージソースは、イメージデータを含むDVD(digital video disc)又はハードディスクドライブ、あるいは、イメージデータを生成するソフトウェアモジュールとすることができる。
【0039】
プロセッサ21は、一般に、例示的なディスプレイ装置40の全体の動作を制御する。プロセッサ21は、ネットワークインタフェース27又はイメージソースからの圧縮されたイメージデータ等のデータを受け取り、このデータを処理して生イメージデータに、又は生イメージデータに容易に処理されるフォーマットにする。そして、プロセッサ21は、この処理されたデータをドライバコントローラ29に、又は格納のためにフレームバッファ28へ送る。生データとは、典型的には、イメージ内の各位置におけるイメージ特性を識別する情報を指す。例えば、このようなイメージ特性は、色、飽和及びグレースケールレベルを含むことができる。
【0040】
一実施形態において、プロセッサ21は、マイクロコントローラ、CPU、又は、例示的なディスプレイ装置40の動作を制御する論理ユニットを含む。調整ハードウェア52は、一般に、信号をスピーカ45へ転送し、かつマイクロフォン46から信号を受け取る増幅器及びフィルタを含む。調整ハードウェア52は、例示的なディスプレイ装置40内の個別の構成要素であってもよく、あるいは、プロセッサ21又は他の構成要素に組み込んでもよい。
【0041】
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生イメージデータを、プロセッサ21から直接、又はフレームバッファ28から取得して、アレイドライバ22への高速転送に適した生イメージデータに再フォーマット化する。具体的には、ドライバコントローラ29は、表示アレイ30の全域を走査するのに適した時間順序を有するように、この生イメージデータを、ラスタ状フォーマットを有するデータフローに再フォーマット化する。そして、ドライバコントローラ29は、このフォーマット化した情報をアレイドライバ22へ送る。LCDコントローラ等のドライバコントローラ29は、独立型集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21と関連付けられる場合があるが、このようなコントローラは、多くの方法で実施することができる。このコントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21に、ソフトウェアとしてプロセッサ21に埋め込んでもよく、又は、ハードウェア内で、アレイドライバ22と完全に一体化してもよい。
【0042】
典型的には、アレイドライバ22は、ドライバコントローラ29から上記フォーマット化された情報を受け取って、このビデオデータを、上記ディスプレイの画素のx−yマトリックスからくる何百及び時には何千ものリードに毎秒多数回印加される波形の並行セットに再フォーマット化する。
【0043】
一実施形態において、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22及び表示アレイ30は、本明細書に記載したいずれかの種類のディスプレイに適している。例えば、一実施形態において、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラ又はバイステイブルディスプレイコントローラ(例えば、干渉変調コントローラ)である。別の実施形態においては、アレイドライバ22は、従来のドライバ又はバイステイブルディスプレイドライバ(例えば、干渉変調ディスプレイ)である。一実施形態において、ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22と一体化されている。このような実施形態は、携帯電話、時計及び他の小面積ディスプレイ等の高度に一体化されたシステムにおいては共通である。また別の実施形態においては、表示アレイ30は、典型的な表示アレイ又はバイステイブルディスプレイアレイ(例えば、インターフェロメトリック変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0044】
入力装置48は、ユーザが例示的なディスプレイ装置40の動作を制御できるようにする。一実施形態において、入力装置48は、QWERTYキーボード又は電話キーパッド、ボタン、スイッチ、タッチスクリーン、圧力又は熱センシティブ膜等のキーパッドを含む。一実施形態において、マイクロフォン46は、例示的なディスプレイ装置40のための入力装置である。マイクロフォン46を、この装置にデータを入力するのに使用する場合、例示的なディスプレイ装置40の動作を制御するために、ユーザがボイスコマンドを与えてもよい。
【0045】
電源50は、公知の様々なエネルギストレージデバイスを含むことができる。例えば、一実施形態において、電源50は、ニッケル−カドミウム電池又はリチウムイオン電池等の充電可能な電池である。別の実施形態において、電源50は、回復可能なエネルギ源、コンデンサ、又は、プラスチックソーラーセル及びソーラーセルペイントを含む太陽電池である。別の実施形態において、電源50は、壁コンセントから電力を受け取るように構成される。
【0046】
いくつかの実施においては、制御プログラム性は、上述したように、電子表示システムのいくつかの箇所に配置することができるドライバコントローラに存する。制御プログラム性は、アレイドライバ22に存する場合もある。当業者は、上述した最適化を、多数のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素のどれでも、及び様々な構成で実施することができることを正しく認識する。
【0047】
上述した原理に従って作動するインターフェロメトリック変調器の構成の細部は、大幅に変更してもよい。例えば、図7A〜図7Eは、移動可能な反射層14及びこれの支持構造の5つの異なる実施形態を示す。図7Aは、図1の実施形態の断面であり、金属材料からなるストリップ14が、直交して伸びる支持体18の上に堆積されている。図7Bにおいては、移動可能な反射層14が、その隅においてのみテザー32上で支持体に取付けられている。図7Cにおいては、移動可能な反射層14が、柔軟な材料を備えてもよい変形可能な層34から吊り下げられている。変形可能な層34は、変形可能な層34の周辺部で基板20に直接的又は間接的に接続する。これらの接続は、本明細書においては、支持ポストと称する。図7Dに示す実施形態は、変形可能な層34がその上に載る支持ポストプラグ42を有する。移動可能な反射層14は、図7A〜図7Cと同様に、この空間上に吊り下げられたままであるが、変形可能な層34は、変形可能な層34と光学的スタック16との間の穴を充填することにより、この支持ポストを形成しない。正確に言えば、この支持ポストは、支持ポストプラグ42を形成するのに使われる平坦化材料で形成される。図7Eに示す実施形態は、図7Dに示す実施形態に基づいているが、図7A〜図7Cに示す実施形態のうちのいずれかならびに図示していない追加的な実施形態と共に機能するように適応させることもできる。図7Eに示す実施形態においては、金属からなる追加の層又は他の導電性材料が、バス構造44を形成するのに用いられている。このことは、このインターフェロメトリック変調器の裏に沿った信号ルーティングを可能にし、別の方法で基板20上に形成されなければならない可能性がある多数の電極を排除できる。
【0048】
図7に示すような実施形態において、上記インターフェロメトリック変調器は、イメージが、透明基板20の前面、すなわち、この変調装置が配置されている面と反対側の面から見られる直視型デバイスとして機能する。これらの実施形態において、反射層14は、変形可能な層34を含む、基板20と反対側の反射層の側のインターフェロメトリック変調器の部分を光学的に遮蔽する。このことは、この遮断された領域を、イメージ品質に悪い影響を与えることなく構成し、かつ作動できるようにする。このような遮蔽は、図7Eにおける構造44を可能にし、このことは、取扱い及びこの取扱いから生じる動き等の、この変調装置の電気機械的特性からこの変調装置の光学的特性を切り離す能力をもたらす。この切り離し可能な変調装置構造は、この変調装置の電気機械的態様及び光学的態様に用いられる構造デザイン及び材料を選択できるようにし、かつ互いに無関係に機能できるようにする。また、図7C〜図7Eに示す実施形態は、反射層14の光学的特性の、該反射層の機械的特性からの分離から得られる追加的な利益を有し、この分離は、変形可能な層34によって行われる。このことは、反射層14に用いられる構造デザイン及び材料を、その光学的特性に対して最適化できるようにし、また、変形可能な層34に用いられる構造デザイン及び材料を所望の機械的特性に対して最適化できるようにする。
【0049】
一般的に、インターフェロメトリック変調器は、OLEDデバイスより高い、湿度要件に対する許容範囲を有する。上述したように、水蒸気は、半密閉状態又は密閉状態であっても、パッケージ内に浸入することが可能である。乾燥剤がこのパッケージの内部に配置されている特定の実施形態において、一定量の水分の浸入は、この乾燥剤の容量により許容することができる。しかし、許容範囲レベルよりも高い水分又は水蒸気が存在する場合、又は、所望量よりも多い、このパッケージ内への水分の浸入がある場合には、この干渉変調ディスプレイデバイスは、短縮された寿命を有しやすくなり、あるいは、正常に作動しない可能性がある。また、特定のパッケージにおいては、組立中に生成されている及び/又は浸入している水分を、このパッケージの製造を完了する前に、適切に除去されない可能性がある。さらに、特に、乾燥剤が入っていないパッケージの内部の相対湿度レベルは、このデバイスが、意図した目的のために作動するように、又は、予想される寿命を有するように、あるレベル以下に維持する必要がある。そのため、例えば、このデバイスの寿命を評価するために、あるいは、このパッケージに不具合があるかないかを判断するために、このパッケージの製造が完了した後に、このパッケージの内部の湿度(相対湿度)のレベルをチェック又は測定する必要性がある。
【0050】
図8は、本発明の実施形態によるパッケージの内部の湿度検査のプロセスを示す概念図を示す。図14は、本発明の実施形態による湿度検査プロセスを説明するための例示的なフローチャートを示す。図8〜図14を参照して、様々な実施形態の湿度検査処理手順について詳細に説明する。
【0051】
まず、湿度検査のための、製造したパッケージ51をサンプルとする(選択する)(200)。図8に示すように、製造したパッケージ51は、基板100とバックプレート80とを含む。複数のインターフェロメトリック変調器を含むインターフェロメトリック変調器アレイ54は、パッケージ51内に密閉されている。基板100及びバックプレート80は、透明であってもなくてもよい。シール56及び58は、典型的には、基板100とバックプレート80とを接合して、製造したパッケージ51を形成するために設けられている。実施形態により、シール56及び58は、非密封シール、半密封シール又は密封シールとすることができる。
【0052】
一実施形態においては、パッケージ構造51内の水分を低減するために、乾燥剤70がパッケージ構造51内に設けられている。一実施形態において、乾燥剤70は、インターフェロメトリック変調器アレイ54とバックプレート80との間に配置されている。乾燥剤は、密封シール又は半密封シールを有するパッケージに用いることができる。一実施形態において、パッケージ51の内部で使用される乾燥剤の量は、デバイス51の存続期間中に、シール56及び58を介して浸入する水蒸気を吸収するように選定される。
【0053】
本明細書を通じて、サンプルとされた(又は、サンプル)パッケージ51とは、以下で論じるように、湿潤環境にさらされていないパッケージを意味する。また、本明細書を通じて、製造したパッケージ51とは、複数のインターフェロメトリック変調器(インターフェロメトリック変調器アレイ)を取り囲むデバイスを意味する。特定の実施形態においては、必要に応じて、湿度検査の前に、最初の測定(例えば、重量、色、抵抗、初期相対湿度等)を行うことができる。(210)。
【0054】
サンプルとしたパッケージ51は、例えば、この検査のための、十分な量の水蒸気を含む湿度チャンバ53を介して、ある環境に一定期間、例えば、250〜500時間さらされる(220)。一実施形態において、湿度チャンバ53は、人が実際に住み、電子機器を使用する普通の環境よりも厳しい湿度状態を生成することができる。例えば、この普通の環境が、40℃で90%RH(相対湿度)である場合、湿度チャンバ53は、例えば、約70℃で80%RH、又は85℃で60%RHに設定することができる。すなわち、短時間、湿度チャンバ53を用いて、サンプルとされたパッケージ51は、他の方法(例えば、周囲環境)よりもかなり長く湿度にさらされているかのようにシミュレートすることができる。
【0055】
別の実施形態においては、サンプルパッケージ51を、湿度チャンバ53以外の環境(X)にさらすことができ、この場合、十分な量の湿度がこの検査のために存在し、又は、この環境は、湿度チャンバ53と同様の温湿度を有する。別の実施形態においては、サンプルパッケージ51は、人が実際に住み、電子機器を使用する周囲環境(普通の環境;Y)にさらすことができる。この環境においては、このさらす時間は、サンプルパッケージ51が、湿度チャンバ53内のようなより高い湿度環境にさらされる場合よりも長くなる。本明細書を通じて、「湿潤環境」という用語は、この湿度チャンバ及び上述した環境X及びYのうちの少なくとも1つを表すことができる。
【0056】
一定(所定)期間の後、パッケージ51は、湿度チャンバ53又は他の湿度環境から取り除かれる(230)。一実施形態においては、湿度の程度により、さらす時間を変えることができる。例えば、サンプルとしたパッケージ51が、湿度チャンバ53等のより高い湿潤環境にさらされる場合、この所定期間は、サンプルとしたパッケージ51が、周囲環境等のより低い湿潤環境にさらされる場合よりも比較的短くなることになる。便宜上、この湿潤環境から取り除かれたパッケージを、さらし済みパッケージ60と称することにする。様々な実施形態において、この湿度検査は、さらし済みパッケージ60に対して実行することができる。別の実施形態においては、この湿度検査は、この湿潤環境にさらされていないサンプルパッケージ51に対して実行することができる。この検査は、製造プロセス中に、サンプルパッケージ51から水蒸気が十分に除去されていない場合でも有用である。しかし、便宜上、この湿度検査処理手順は、さらし済みパッケージ60に関して説明する。
【0057】
一実施形態においては、図8に概略するように、この湿度検査は、例えば、重量測定検査(A)、乾燥剤の色変化検査(B)、抵抗測定検査(C)、冷たいフィンガ測定検査(D)及びC及びDの組み合わせ(E)に基づいて実行される。別の実施形態においては、前述した検査プロセスのうちの1つ以上を互いに組合わせて、多数の湿度検査プロセスを実現することができる。他の実施形態においては、前述した検査プロセスのうちの1つ以上を、図9Cに例示したような状況により変更することができる(「A」の変更バージョン)。また別の実施形態においては、前述した検査プロセスのうちの1つ以上の組み合わせを、図10Dに例示したような状況により変更することができる(「A」及び「B」の組み合わせの変更バージョン)。
【0058】
様々な実施形態において、さらし済みパッケージ60の内部における測定した相対湿度の程度の評価は、例えば、次のパラメータ、すなわち、i)温度/湿度の組み合わせ(例えば、40℃及び90%RH、又は85℃及び60%RH)、ii)シール24の厚さ及び幅、iii)付着透過性(例えば、12.1グラムmm/m2/1日/KPa)、iv)乾燥剤容量(例えば、乾燥剤重量の10%)、及びv)ディスプレイサイズ(例えば、1.1インチ対角又は4.5インチ対角)等のうちの少なくとも1つを考慮することにより、実行することができる。
【0059】
図9A及び図9Bは、本発明の一実施形態による湿度検査プロセスを示す。この実施形態において、さらし済みパッケージ60の湿度レベルは、サンプルパッケージ51及びさらし済みパッケージ60の重量を比較することによって決まる。別の実施形態においては、さらし済みパッケージ60の内部の湿度レベルは、さらし済みパッケージ60の重量と、複数の(さらされていない)サンプルパッケージの平均重量とを比較することによって決めることができる。
【0060】
図9Aについて説明すると、(このパッケージが湿潤環境にさらされる前の)サンプルパッケージ51の重量が、重量測定デバイス(又は、スケール)62を用いて測定される。一実施形態において、重量測定デバイス62は、増量を識別することができる何らかの種類のスケールを含む。一実施形態において、デバイス62の重量スケールは、約±0.1mgの精度である。別の実施形態においては、デバイス62の重量スケールは、例えば、±0.05mgの精度である。一実施形態において、重量測定デバイス62は、例えば、メトラー(Mettler)社から入手可能なAE163又はXS105を含む。
【0061】
図9Bについて説明すると、(このパッケージが湿潤環境にさらされた後の)さらし済みパッケージ60の重量は、重量測定デバイス62を用いて測定される。例えば、サンプルパッケージ51の重量がY(g)で、さらし済みパッケージ60の重量がY+α(g)である場合、増量(α)は、さらし済みパッケージ60の内部における湿度レベルを評価するのに用いることができる。一実施形態において、増量(α)がしきい値よりも大きい場合、さらし済みパッケージ60は、不具合があるか又は短縮された寿命を有すると判断することができる。例えば、85℃及び60%の相対湿度において300時間のさらし時間の場合、約1mgの増量を伴うこのさらし済みパッケージは、1つの検査シナリオにおいて、不具合があると判断することができる。
【0062】
図9Cは、本発明の別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。この実施形態においては、同じサンプルとしたパッケージを、所定の間隔で、少なくとも2回、測定することができる。この実施形態において、サンプルとしたパッケージ51が測定されて、第1の重量が重量測定デバイス62によって得られる。所定期間の後、サンプルとしたパッケージ51が測定されて、第2の重量が得られる。上述したように、この所定期間は、湿度レベル要件により変わる。測定した第1の重量と第2の重量とが比較される。このパッケージの内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度は、この重量の比較に基づいて判断される。一実施形態において、サンプルとしたパッケージ51の重量は、2回以上、測定される。
【0063】
図10A〜図10Cは、本発明の別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。この実施形態において、さらし済みパッケージ60の湿度レベルは、さらし済みパッケージ60の乾燥剤の色変化によって判断される。一般的に、乾燥剤は、水分を吸収したときに、乾燥剤の色を変化させる。また、一般的に、乾燥剤の色は、この乾燥剤が吸収した水分の量に従って変化する。一実施形態において、ある乾燥剤の元の色は、例えば、青である。この実施形態において、乾燥剤70は、例えば、約25℃及び15%RHにおいて、周囲の水分を吸収したときに、青から、例えば、赤へ色変化を始める。さらに、この乾燥剤の色は、約25℃及び40%RHにおいて、乾燥剤70が一定量以上、水分を吸収したときに、その元の色から特定の色(例えば、赤)に完全に変化する。
【0064】
一実施形態において、バックプレート80は、乾燥剤70の色変化を、透明なバックプレート80全体から見ることができるように、透明材料で形成されている。この実施形態においては、この乾燥剤の色又は色変化を見るのに必要な独立したウィンドウはない。別の実施形態においては、バックプレート80は、透明でも半透明でもない。この実施形態において、バックプレート80は、乾燥剤70の色変化を、ウィンドウ72を介してパッケージ60の外側から見ることができるように、図10Aに示すような透明なウィンドウ72を含む。別の実施例においては、ウィンドウ74のサイズは、図10Bに示すように、変えてもよい。また別の実施形態においては、バックプレート80は、図10Cに示すように、複数の透明なウィンドウ76及び78を含む。
【0065】
一実施形態において、サンプルパッケージ51が湿潤環境にさらされる前に、乾燥剤70の色変化を手動で、又は自動的に測定することができる。この実施形態において、さらし済みパッケージ60のこの乾燥剤の色変化は、この色変化の程度を判断するために、サンプルパッケージ51の色変化と比較することができる。さらし済みパッケージ60の乾燥剤70の色をチェックした後、及び/又はサンプルとしたパッケージ51とさらし済みパッケージ60との間で、乾燥剤の色変化を比較した後、検知した色の程度及び/又は乾燥剤の色変化は、さらし済みパッケージ60の内部における相対湿度のレベルを評価するのに用いることができる。一実施形態において、この評価は、このパッケージの寿命を計算することと、サンプルパッケージ51に不具合があるか否かを判断することとを備える。
【0066】
図10Dは、本発明の別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。この実施形態において、乾燥剤70は、水蒸気を吸収しても、乾燥剤の色を変化させない。この実施形態は、破壊的湿度検査方法のうちの1つである。最初に、さらし済みパッケージ60又はサンプルとしたパッケージ51(本明細書において、以後、さらし済みパッケージ60と称する)が、重量測定デバイス62によって測定される。次に、水蒸気をパッケージ60内に供給するために、開口部64が、さらし済みパッケージ60の外側部分、例えば、シール58上に画成される。別の実施形態においては、開口部64は、別の部分、例えば、基板100、バックプレート80又はシール56上に画成することができる。一実施形態においては、例えば、ポンプ(図示せず)を用いた処理を促進するために、水蒸気をパッケージ60内に注入してもよい。別の実施形態においては、水蒸気は、何らかのデバイスを用いることなく、パッケージ60内に浸入できるようになっている。次いで、再び、さらし済みパッケージ60が、重量測定デバイス62によって測定される。
【0067】
乾燥剤70が的確に作用している場合、この乾燥剤は、短期間に、相当量の、浸入した水蒸気を吸収することになり、また、第2の重量が、第1の重量よりもかなり大きくなる。この状況においては、穴64を画成する前の、パッケージ60の内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度が許容可能であったと判断することができる。
【0068】
上記乾燥剤が的確に作用していない場合には、この乾燥剤は、これ以上、浸入した水蒸気を吸収せず、第2の重量は、実質的に第1の重量と同じになる。この状況においては、穴64を画成する前の、パッケージ60の内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度がかなり高く、許容できなかったと判断することができる。
【0069】
図11A及び図11Bは、本発明の別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。この実施形態において、さらし済みパッケージ60の内部の相対湿度は、抵抗湿度センサ82を用いて測定される。一実施形態において、センサ82は、パッケージ60のリード86に接続されている。リード86は、インターフェロメトリック変調器アレイ54の電極に、又は、インターフェロメトリック変調器アレイ54の一部に、あるいは、電気インピーダンス又は抵抗を、その部分の周りで測定することができる、パッケージ60のどこかの内部部分(例えば、バックプレート80又は基板100の上)に接続することができる。一実施形態において、リード86は、パッケージ60の現存するリードである。別の実施例においては、リード86は、この湿度検査のためのインターフェロメトリック変調器の製造プロセス中に形成された、パターン化されたリードである。この実施形態において、このパターン化されたリードは、このインターフェロメトリック変調器の未使用部分(例えば、角の領域)に配設することができる。このパターン化されたリードは、この湿度検査が終了した後に、取り除くか又は保持することができる。さらに別の実施形態において、リード86は、この目的のために画成されている穴を介して、パッケージ60の内部に挿入することができる独立したリードである。
【0070】
一般的に、材料物質の抵抗と、この材料物質の周囲の相対湿度は、図11Bに示すような指数関数的関係を有する。一実施形態において、センサ82は、例えば、図11Bに示すような抵抗と相対湿度の既知の関係に基づいて、測定した抵抗値を対応する相対湿度の値に変換することにより、相対湿度の値を生成することができる。
【0071】
図12A〜図12Cは、本発明のまた別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。この実施形態において、さらし済みパッケージ60の湿度レベルは、冷たいフィンガデバイス92を用いて測定される。一般的に、冷たいフィンガデバイス92は、冷却された物質(例えば、氷、ドライアイス等)が配置されている中空部分を有する。一実施形態において、冷たいフィンガデバイス92は、例えば、−20℃、−40℃又は−60℃に設定される。代替として、実施形態により、より低い又はより高い他の温度、あるいは、例示した温度の間の他の温度を用いることができる。一実施形態において、冷たいフィンガデバイス92は、熱伝導性材料、例えば、金属で形成されている。一実施形態においては、アルコール等の特定の液体材料を、冷たいフィンガデバイス92の接触領域上に加えて、より良好な接触及び熱コンダクタンスを与えることができる。
【0072】
一実施形態においては、冷たいフィンガデバイス92は、図12Aに示すように、バックプレート80の特定の領域に接触するように構成される。別の実施形態においては、冷たいフィンガデバイス92は、基板100又はシール56、58の特定の領域に接触するように構成される。また別の実施形態においては、冷たいフィンガデバイス92は、各シール56、58及び基板100の境界領域に接触するように構成される。この実施形態において、パッケージ60の内部に形成された霜(以下で説明する)透明基板100を通して見ることができる。
【0073】
一実施形態において、冷たいフィンガデバイス92は、低温、例えば、−60℃に設定され、図12Aに示すように、例えば、領域96に接触する。この結果、接触領域96に対応する内部領域94に霜が形成されたか否かが判断される。一実施形態において、霜が形成されたか否かは、バックプレート80の接触領域96の周りに形成された透明ウィンドウ(図12Aには示されていない)を介して視覚的に判断することができる。別の実施例においては、上述したように、冷たいフィンガデバイス92が基板100又はシール56、58と基板100の境界領域に接触した場合、検査者は、透明基板100の一部を介して、霜が内部領域94に形成されたか否かを判断することができる。また別の実施形態においては、図11に関して説明したように、及び図13に示すように、抵抗湿度センサ82を、霜が内部領域94に形成されたか否かを判断するのに用いることができる。図13の実施形態は、バックプレート80が透明でなく、また透明部分を含まない場合に、パッケージ60の内部の湿度を測定するのに特に有用である。
【0074】
図11A及び図12Aに関して説明したように、センサ82は、パッケージ60のどこかの内部部分(例えば、バックプレート80又は基板100等)に接続されているリードに接続することができ、この場合、電気インピーダンス又は電気抵抗は、この部分の周りで測定することができる。この実施形態において、冷たいフィンガデバイス92は、この内部部分に対応する外側領域(例えば、バックプレート80又は基板100)に接触する。この実施形態は、バックプレート80及び基板100の少なくとも一方が透明でなく、又は、透明部分を含まない場合に、パッケージ60内部の湿度を測定する際に、特に有利である。一実施形態において、例えば、−60℃の温度に設定された冷たいフィンガデバイス92を用いて、内部領域94に霜が形成されておらず、上記インターフェロメトリック変調器デバイスの意図した動作に対して、パッケージ60の内部が十分に乾燥している(すなわち、十分に低い湿度を有している)ことを示していると判断された場合、それ以上、検査は必要ない。別の実施形態においては、例えば、−60℃の温度に設定された冷たいフィンガデバイス92を用いて、内部領域94に霜が形成されていると判断された場合には、より高い温度(例えば、−40℃)を用いて、この湿度検査を続けることができる。この実施形態において、内部領域94に霜が形成されたと判断された場合、この実施形態に従って、より高い温度(例えば、−30℃)を用いた別の検査を行うことができ、あるいは、これ以上の検査は行わない。この検査プロセスは、必要に応じて、異なる温度値を用いて、何度でも繰り返すことができる。
【0075】
別の実施形態においては、冷たいフィンガデバイス92は、図12Bに示すように、基板100に接触する。この実施形態において、霜は、パッケージ60内部の領域94に形成される。この実施形態においては、形成された霜を透明なバックプレート80を介して見ることができるように、バックプレート80が透明であるか、又は、少なくとも透明部分を含むことが望ましい。
【0076】
別の実施形態においては、冷たいフィンガデバイス92は、図12Cに示すように、バックプレート80に接触する。この実施形態において、霜は、パッケージ60内部の領域94に形成される。この実施形態においては、形成された霜を透明な基板100を介して見ることができるように、基板100が透明であるか、又は、少なくとも透明部分を含むことが望ましい。
【0077】
上記の詳細な説明は、様々な実施形態に適用される本発明の新規な特徴を示し、記載し、かつ指摘したが、当業者には、本発明の趣旨を逸脱することなく、説明したデバイス又はプロセスの形態及び詳細における様々な省略、置換え及び変更が可能であることは、理解される。正しく認識できるように、本発明は、いくつかの特徴は、他の特徴とは別に用いることができ、又は実施することができるため、本明細書に記載した特徴及び利益の全てを備えていない構成内に具体化してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】第1のインターフェロメトリック変調器の可動反射層が弛緩位置にあり、かつ第2のインターフェロメトリック変調器の可動反射層が作動位置にある、干渉変調ディスプレイの一実施形態の一部を示す等角図である。
【図2】3×3干渉変調ディスプレイを組み入れた電子デバイスの一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図3】図1のインターフェロメトリック変調器の例示的な一実施形態の場合の可動ミラー位置対印加電圧の図である。
【図4】干渉変調ディスプレイを駆動するのに用いることができる、行及び列電圧のセットの図である。
【図5A】図2の3×3干渉変調ディスプレイにおける表示データの1つの例示的なフレームを示す。
【図5B】図5Aのフレームを書き込むのに用いることができる、行及び列信号のための1つの例示的なタイミング図を示す。
【図6A】複数のインターフェロメトリック変調器を備えるビジュアルディスプレイデバイスの一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図6B】複数のインターフェロメトリック変調器を備えるビジュアルディスプレイデバイスの一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図7A】図1のデバイスの断面図である。
【図7B】インターフェロメトリック変調器の代替の実施形態の断面図である。
【図7C】インターフェロメトリック変調器の別の代替の実施形態の断面図である。
【図7D】インターフェロメトリック変調器のまた別の代替の実施形態の断面図である。
【図7E】インターフェロメトリック変調器の追加的な代替の実施形態の断面図である。
【図8】本発明の実施形態によるパッケージの内部における湿度検査のプロセスを示す概念図である。
【図9A】本発明の一実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図9B】本発明の一実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図9C】本発明の一実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図10A】本発明の別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図10B】本発明の別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図10C】本発明の別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図10D】本発明の別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図11A】本発明の別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図11B】本発明の別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図12A】本発明のまた別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図12B】本発明のまた別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図12C】本発明のまた別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図13】本発明のさらに別の実施形態による湿度検査プロセスを示す。
【図14】本発明の実施形態による湿度検査プロセスを説明するための例示的なフローチャートを示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿度を検査する方法であって、
複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲むデバイスの特性を測定することと、
前記測定した特性に少なくとも部分的に基づいて、前記デバイスの内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度を判断することと、
を備える方法。
【請求項2】
前記デバイスの特性は、次のもの、すなわち、i)前記デバイスの重量、ii)前記デバイス内に封入された乾燥剤の色変化、iii)前記デバイスの内部の抵抗、iv)ある温度に設定された冷たいフィンガデバイスが接触している、前記デバイスの内部領域に霜が形成されたか否か、及びv)水蒸気が前記デバイス内に供給された場合に、前記デバイス内に封入された乾燥剤が的確に作用しているか否か、のうちの1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記デバイスの特性は、前記i)〜iv)のうちの少なくとも2つの組み合わせを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記特性を測定することの前に、前記デバイスを湿潤環境にさらすことをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記湿潤環境は湿度チャンバを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記デバイス内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度が、次のパラメータ、すなわち、i)温度と湿度の組み合わせ、ii)シールの厚さ及び幅、iii)接着剤透過性、iv)乾燥剤の容量、及びv)デバイスのサイズ、のうちの少なくとも1つを考慮して判断される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
湿度を検査するシステムであって、
湿潤環境をデバイスに与える手段であって、前記デバイスは、複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲んでいる手段と、
前記デバイスの特性を測定する手段であって、前記デバイスの内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度が、前記測定した特性に少なくとも部分的に基づいて測定可能である、手段と、
を備えるシステム。
【請求項8】
前記与える手段は湿度チャンバを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記測定手段は、次のもの、すなわち、i)前記デバイスの重量を測定するように構成されたスケール、ii)前記デバイス内に封入され、かつ乾燥剤の中に吸収された水蒸気の量に基づいて、乾燥剤の色を変化させるように構成された第1の乾燥剤、iii)前記デバイスの少なくとも1つの内部部分の抵抗を測定するように構成された抵抗センサ、iv)前記デバイスの外側領域に操作可能に接触するように構成された冷たいフィンガデバイス、v)前記デバイス内に封入され、かつ乾燥剤の色の変化を伴わずに、水蒸気を吸収するように構成された第2の乾燥剤、のうちの少なくとも1つを含む、請求項7又は8に記載のシステム。
【請求項10】
前記デバイスの特性は、次のもの、すなわち、i)前記デバイスの重量、ii)前記デバイス内に封入された乾燥剤の色変化、iii)前記デバイスの内部の抵抗、iv)ある温度に設定された冷たいフィンガデバイスが接触している、前記デバイスの内部領域に霜が形成されたか否か、及びv)水蒸気が前記デバイス内に供給された場合に、前記デバイス内に封入された乾燥剤が的確に作用しているか否か、のうちの1つを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記デバイスの特性は、前記i)〜iv)のうちの少なくとも2つの組み合わせを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
湿度を検査するシステムであって、
湿潤環境をターゲットデバイスに与えるように構成された第1の検査デバイスであって、前記ターゲットデバイスは複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲んでいる、第1の検査デバイスと、
前記ターゲットデバイスの特性を測定するように構成された第2の検査デバイスであって、前記ターゲットデバイスの内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度が、前記測定した特性に少なくとも部分的に基づいて測定可能である、第2の検査デバイスと、
を備えるシステム。
【請求項13】
前記ターゲットデバイスは、
前記複数のインターフェロメトリック変調器と電気的に連通しているプロセッサであって、イメージデータを処理するように構成されているプロセッサと、
前記プロセッサと電気的に連通している記憶装置と、
を備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ターゲットデバイスはさらに、
少なくとも1つの信号を前記複数のインターフェロメトリック変調器に送るように構成されたドライバ回路を備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ターゲットデバイスはさらに、
前記イメージデータの少なくとも一部を前記ドライバ回路へ送るように構成されたコントローラを備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ターゲットデバイスはさらに、
前記イメージデータを前記プロセッサへ送るように構成されたイメージソースモジュールを備える請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記イメージソースモジュールは、レシーバ、トランシーバ及びトランスミッタのうちの少なくとも1つを備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記ターゲットデバイスはさらに、
入力データを受け取り、前記入力データを前記プロセッサへ伝達するように構成された入力デバイスを備える請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
湿度を検査する方法であって、
i)複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲む第1のデバイスの第1の重量、及びii)複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲む第2のデバイスの第2の重量を測定することであって、前記第1及び第2のデバイスは異なる量の水蒸気を含むことと、
前記第1及び第2のデバイスの重量を比較することと、
前記重量の比較に少なくとも部分的に基づいて、前記2つのデバイスの一方の内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度を判断することと、
を備える方法。
【請求項20】
前記第1の重量と前記第2の重量の差を判断することと、
前記差がしきい値よりも大きい場合に、前記デバイスに不具合があること、又は、前記デバイスは短縮された寿命を有することを判断することと、
をさらに備える、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記デバイスの内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度が、次のパラメータ、すなわち、i)温度と湿度の組み合わせ、ii)シールの厚さ及び幅、iii)接着剤透過性、iv)乾燥剤の容量、及びv)デバイスのサイズ、のうちの少なくとも1つを考慮して判断される請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記第2のデバイスは、各々が複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲んでいる複数のデバイスを含み、前記複数のデバイスのうちの少なくとも1つは、前記第1のデバイスからの異なる量の水蒸気を含んでおり、前記第2の重量は、前記複数のデバイスの平均重量である請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記第2のデバイスは前記第1のデバイスと同じであり、前記第2の重量を測定することが、前記第1の重量の測定の所定期間後に実行される、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
湿度を検査するシステムであって、
複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲む第1のデバイスと、
複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲む第2のデバイスであって、前記第1及び第2のデバイスは、異なる量の水蒸気を含む、前記第2のデバイスと、
前記第1及び第2のデバイスの重量を測定するように構成されたスケールと、
を備え、
前記2つのデバイスの相対湿度の値又は相対湿度の程度が、前記測定した重量に少なくとも部分的に基づいて測定可能であるシステム。
【請求項25】
前記スケールは、約±0.1mgの精度である、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記スケールは、約±0.05mgの精度である、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
湿度を検査する方法であって、
i)複数のインターフェロメトリック変調器と、ii)乾燥剤とを取り囲むデバイスを設けることであって、前記乾燥剤は、この乾燥剤の中に吸収された一定量の水蒸気に基づいて、乾燥剤の色を変化させるように構成されていること、
前記乾燥剤の色変化の程度を判断することと、
前記判断した色変化の程度に少なくとも部分的に基づいて、前記デバイスの内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度を判断することと、
を備える方法。
【請求項28】
前記デバイスは、少なくとも透明部分を含むバックプレートを備え、前記色変化の程度を判断することは、前記バックプレートの前記透明部分を介して実行される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記デバイスは透明なバックプレートを備え、前記色変化の程度を判断することは、前記透明なバックプレートを介して実行される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記乾燥剤の色変化の程度を判断することは、
前記デバイスを湿潤環境にさらすことと、
前記デバイスを湿潤環境にさらすことの前に、前記乾燥剤の第1の色を測定することと、
前記デバイスを前記湿潤環境にさらすことの後に、前記乾燥剤の第2の色を測定することと、
前記第1の色と第2の色を比較することと、
前記色の比較に基づいて、前記乾燥剤の色変化の程度を判断することと、
を備える請求項27に記載の方法。
【請求項31】
微小電気機械素子(MEMS)を製造する方法であって、
基板を設けることと、
前記基板の上に複数のインターフェロメトリック変調器を形成することと、
乾燥剤の中に吸収された水蒸気の量に基づいて、乾燥剤の色を変化させるように構成された乾燥剤を設けることと、
バックプレートを設けることと、
前記複数のインターフェロメトリック変調器及び前記乾燥剤を取り囲むデバイスを形成するように、前記基板と前記バックプレートとを接合することと、
を備え、
前記バックプレートは、前記乾燥剤の色変化を、前記デバイスの外部からバックプレートを通して見ることができる少なくとも1つの透明部分を含む方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法によって製造される微小電気機械素子(MEMS)。
【請求項33】
前記デバイスの内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度が、次のパラメータ、すなわち、i)温度と湿度の組み合わせ、ii)シールの厚さ及び幅、iii)接着剤透過性、iv)乾燥剤の容量、及びv)デバイスのサイズのうちの少なくとも1つを考慮して判断される、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
基板と、
前記基板の上に形成された複数のインターフェロメトリック変調器と、
乾燥剤の中に吸収された一定量の水蒸気に基づいて、乾燥剤の色を変化させるように構成された乾燥剤と、
バックプレートと、
を備え、
前記基板と前記バックプレートは、前記複数のインターフェロメトリック変調器及び前記乾燥剤を取り囲むデバイスを形成するように、互いに接合され、
前記バックプレートは、前記乾燥剤の色変化を、前記デバイスの外部からバックプレートを通して視ることができる少なくとも1つの透明部分を含む、微小電気機械素子(MEMS)デバイス。
【請求項35】
前記バックプレートは、透明な材料で形成される、請求項34に記載のデバイス。
【請求項36】
前記複数のインターフェロメトリック変調器と電気的に連通しているプロセッサであって、イメージデータを処理するように構成されているプロセッサと、
前記プロセッサと電気的に連通している記憶装置と、
をさらに備える請求項34に記載のデバイス。
【請求項37】
少なくとも1つの信号を前記複数のインターフェロメトリック変調器へ送るように構成されたドライバ回路をさらに備える、請求項36に記載のデバイス。
【請求項38】
前記イメージデータの少なくとも一部を前記ドライバ回路へ送るように構成されたコントローラをさらに備える請求項37に記載のデバイス。
【請求項39】
前記イメージデータを前記プロセッサへ送るように構成されたイメージソースモジュールをさらに備える請求項36に記載のデバイス。
【請求項40】
前記イメージソースモジュールは、レシーバ、トランシーバ及びトランスミッタのうちの少なくとも1つを備える、請求項39に記載のデバイス。
【請求項41】
入力データを受け取り、前記入力データを前記プロセッサへ伝達するように構成された入力デバイスをさらに備える、請求項36に記載のデバイス。
【請求項42】
湿度を検査する方法であって、
複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲むデバイスを設けることと、
前記デバイスの少なくとも1つの内部部分の抵抗を測定することと、
前記測定した抵抗に少なくとも部分的に基づいて、前記デバイスの相対湿度の値又は相対湿度の程度を判断することと、
を備える方法。
【請求項43】
前記測定することは、抵抗センサを用いて実行される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記抵抗センサを前記デバイスのリードに接続することをさらに備え、前記リードは前記デバイスの内部部分に接続され、前記抵抗センサは、前記内部部分の周りの電気インピーダンス又は抵抗を測定するように構成される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
リードをパターニングすることと、
前記抵抗センサを前記パターニングしたリードに接続することと、
前記相対湿度の値又は相対湿度の程度を判断した後に、前記パターニングしたリードを取り除くことと、
をさらに備える、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記デバイスの外側領域を冷たいフィンガデバイスに操作可能に接触させることと、
前記接触した領域に対応する前記インターフェロメトリック変調器の内部領域に霜が形成されたか否かを判断することと、
をさらに備え、
前記相対湿度の値又は相対湿度の程度が、i)霜が前記内部領域に形成されたか否かと、ii)前記測定した抵抗との組み合わせに少なくとも部分的に基づいて判断される、請求項42に記載の方法。
【請求項47】
前記デバイスは、バックプレート及び基板を備え、前記バックプレート及び基板の少なくとも一方は非透明である、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
湿度を検査するシステムであって、
複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲むデバイスと、
前記デバイスの少なくとも1つの内部部分の抵抗を測定するように構成された抵抗センサと、
を備え、
前記デバイスの相対湿度の値又は相対湿度の程度が、前記測定した抵抗に少なくとも部分的に基づいて測定可能であるシステム。
【請求項49】
前記抵抗センサは、前記デバイスのリードに接続されており、前記リードは、前記デバイスの内部部分に接続されており、前記抵抗センサは、前記内部部分の周りの電気インピーダンス又は抵抗を測定するように構成されている、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記リードは、前記湿度検査のために形成されたパターン化されたリードである、請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記パターン化されたリードは、前記湿度検査の後に取り除かれるように構成されている、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記パターン化されたリードは、前記デバイスの未使用部分に配設されている、請求項50に記載のシステム。
【請求項53】
前記リードは、次のもの、すなわち、i)前記複数のインターフェロメトリック変調器のうちの少なくとも1つの電極、ii)前記インターフェロメトリック変調器の一部、及びiii)前記デバイスの他の内部部分、のうちの1つに接続されている、請求項49に記載のシステム。
【請求項54】
前記リードは、前記デバイスのバックプレート又は基板の一部に接続されている、請求項49に記載のシステム。
【請求項55】
前記リードは、湿度検査のために画成されている穴を介して、前記デバイスの内部に挿入されるように構成されている請求項49に記載のシステム。
【請求項56】
前記インターフェロメトリック変調器の外側領域に操作可能に接触するように構成された冷たいフィンガデバイスをさらに備え、前記相対湿度の値又は相対湿度の程度は、i)霜が前記内部に形成されたか否か、及びii)前記測定した抵抗の組み合わせに少なくとも部分的に基づいて測定可能である、請求項48に記載のシステム。
【請求項57】
湿度を検査する方法であって、
i)複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲むデバイスを設けることと、
ii)前記デバイスの外側領域を、第1の温度に設定された冷たいフィンガデバイスに操作可能に接触させることと、
iii)前記接触した領域に対して前記インターフェロメトリック変調器デバイスの内部領域に霜が形成されたか否かを判断することと、
iv)前記内部領域に霜が形成されたか否かに少なくとも部分的に基づいて、前記インターフェロメトリック変調器デバイスの内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度を判断することと、
を備える方法。
【請求項58】
より良好な接触及び熱コンダクタンスを実現できるように、液体材料を前記冷たいフィンガデバイスの接触領域に塗布することをさらに備える、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
v)前記内部領域に霜が形成された場合に、前記第1の温度よりも高い第2の温度に設定された冷たいフィンガデバイスを、前記デバイスの外側領域に接触させることと、
vi)必要に応じて、前記iii)及びiv)を繰り返すことと、
をさらに備える、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
前記内部領域に霜が形成されなくなるまで、前記v)及びvi)を繰り返すことをさらに備える、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記判断することiii)は抵抗センサを用いて実行される、請求項57に記載の方法。
【請求項62】
前記抵抗センサを前記デバイスのリードに接続することをさらに備え、前記リードは、前記デバイスの内部部分に接続されており、前記抵抗センサは、前記内部部分の周りの電気インピーダンス又は抵抗を測定するように構成されている、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記ii)は、前記冷たいフィンガデバイスを、次のもの、すなわち、バックプレート、基板、及び前記デバイスの1)シールと2)前記基板との境界領域のうちの1つに接触させることを備える、請求項57に記載の方法。
【請求項64】
前記基板は、少なくとも1つの透明部分を含み、前記方法はさらに、
前記冷たいフィンガデバイスを前記バックプレートの外側領域に接触させることと、
前記基板の少なくとも1つの透明部分を介して、前記外側領域に対応する前記バックプレートの内部領域に霜が形成されたか否かを判断することと、
を備える、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記バックプレートは少なくとも1つの透明部分を含み、前記方法はさらに、
前記冷たいフィンガデバイスを、前記基板の外側領域に接触させることと、
前記バックプレートの少なくとも1つの透明部分を介して、前記外側領域に対応する前記基板の前記内部領域に霜が形成されたか否かを判断することと、
を備える、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
前記判断することiii)は、バックプレートの少なくとも1つの透明ウィンドウを介して、又は、透明基板の一部を介して実行される、請求項57に記載の方法。
【請求項67】
前記デバイスの少なくとも1つの内部部分の抵抗を測定することをさらに備え、前記相対湿度の値又は相対湿度の程度が、i)霜が前記内部領域に形成されたか否かと、ii)前記測定した抵抗との組み合わせに少なくとも部分的に基づいて判断される、請求項57に記載の方法。
【請求項68】
湿度を検査するシステムであって、
複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲むデバイスと、
前記デバイスの外側領域に操作可能に接触するように構成された冷たいフィンガデバイスと、
を備え、
前記インターフェロメトリック変調器の内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度が、前記内部領域に霜が形成されたか否かに少なくとも部分的に基づいて測定可能であるシステム。
【請求項69】
前記デバイスは、少なくとも1つの透明部分を含む基板を備え、前記内部領域に霜が形成されたか否かを判断することは、前記基板の少なくとも1つの透明部分を介して実行される、請求項68に記載のシステム。
【請求項70】
前記デバイスは、少なくとも1つの透明部分を含むバックプレートを備え、前記内部領域に霜が形成されたか否かを判断することは、前記バックプレートの少なくとも1つの透明部分を介して実行される、請求項68に記載のシステム。
【請求項71】
前記デバイスの少なくとも1つの内部部分の抵抗を測定するように構成された抵抗センサをさらに備え、前記相対湿度の値又は相対湿度の程度が、i)前記内部領域に霜が形成されたか否かと、ii)前記測定した抵抗との組み合わせに少なくとも部分的に基づいて測定可能である、請求項68に記載のシステム。
【請求項72】
湿度を検査する方法であって、
i)複数のインターフェロメトリック変調器と、ii)乾燥剤とを取り囲むデバイスを設けることと、
前記デバイスの第1の重量を測定することと、
水蒸気を前記デバイスの内部に供給することと、
前記水蒸気が前記デバイス内に供給された後に、前記デバイスの第2の重量を測定することと、
前記第1の重量と前記第2の重量を比較することと、
前記重量の比較に少なくとも部分的に基づいて、前記デバイスの内部の相対湿度の程度を判断することと、
を備える方法。
【請求項73】
前記デバイスは乾燥剤を含み、前記方法はさらに、前記第2の重量が前記第1の重量と実質的に同じである場合に、前記乾燥剤は的確に作用していないと判断することを備える、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
次の領域、すなわち、前記デバイスのシール、バックプレート及び基板のうちの少なくとも1つに穴を画成することをさらに備え、前記水蒸気が前記穴を介して前記デバイス内に供給される、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
湿度を検査するシステムであって、
i)複数のインターフェロメトリック変調器と、ii)水蒸気を吸収するように構成された乾燥剤とを取り囲むデバイスであって、水蒸気が穴を介して前記デバイス内に供給されるように、前記デバイスの領域内に前記穴が画成されている、デバイスと、
i)前記水蒸気が前記デバイス内に供給される前の、前記デバイスの第1の重量と、ii)前記水蒸気が前記デバイス内に供給された後の、前記デバイスの第2の重量とを測定するように構成されたスケールと、
を備え、
前記デバイスの内部の相対湿度の程度が、前記第1の重量と第2の重量の重量比較に少なくとも部分的に基づいて測定可能であるシステム。
【請求項1】
湿度を検査する方法であって、
複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲むデバイスの特性を測定することと、
前記測定した特性に少なくとも部分的に基づいて、前記デバイスの内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度を判断することと、
を備える方法。
【請求項2】
前記デバイスの特性は、次のもの、すなわち、i)前記デバイスの重量、ii)前記デバイス内に封入された乾燥剤の色変化、iii)前記デバイスの内部の抵抗、iv)ある温度に設定された冷たいフィンガデバイスが接触している、前記デバイスの内部領域に霜が形成されたか否か、及びv)水蒸気が前記デバイス内に供給された場合に、前記デバイス内に封入された乾燥剤が的確に作用しているか否か、のうちの1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記デバイスの特性は、前記i)〜iv)のうちの少なくとも2つの組み合わせを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記特性を測定することの前に、前記デバイスを湿潤環境にさらすことをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記湿潤環境は湿度チャンバを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記デバイス内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度が、次のパラメータ、すなわち、i)温度と湿度の組み合わせ、ii)シールの厚さ及び幅、iii)接着剤透過性、iv)乾燥剤の容量、及びv)デバイスのサイズ、のうちの少なくとも1つを考慮して判断される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
湿度を検査するシステムであって、
湿潤環境をデバイスに与える手段であって、前記デバイスは、複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲んでいる手段と、
前記デバイスの特性を測定する手段であって、前記デバイスの内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度が、前記測定した特性に少なくとも部分的に基づいて測定可能である、手段と、
を備えるシステム。
【請求項8】
前記与える手段は湿度チャンバを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記測定手段は、次のもの、すなわち、i)前記デバイスの重量を測定するように構成されたスケール、ii)前記デバイス内に封入され、かつ乾燥剤の中に吸収された水蒸気の量に基づいて、乾燥剤の色を変化させるように構成された第1の乾燥剤、iii)前記デバイスの少なくとも1つの内部部分の抵抗を測定するように構成された抵抗センサ、iv)前記デバイスの外側領域に操作可能に接触するように構成された冷たいフィンガデバイス、v)前記デバイス内に封入され、かつ乾燥剤の色の変化を伴わずに、水蒸気を吸収するように構成された第2の乾燥剤、のうちの少なくとも1つを含む、請求項7又は8に記載のシステム。
【請求項10】
前記デバイスの特性は、次のもの、すなわち、i)前記デバイスの重量、ii)前記デバイス内に封入された乾燥剤の色変化、iii)前記デバイスの内部の抵抗、iv)ある温度に設定された冷たいフィンガデバイスが接触している、前記デバイスの内部領域に霜が形成されたか否か、及びv)水蒸気が前記デバイス内に供給された場合に、前記デバイス内に封入された乾燥剤が的確に作用しているか否か、のうちの1つを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記デバイスの特性は、前記i)〜iv)のうちの少なくとも2つの組み合わせを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
湿度を検査するシステムであって、
湿潤環境をターゲットデバイスに与えるように構成された第1の検査デバイスであって、前記ターゲットデバイスは複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲んでいる、第1の検査デバイスと、
前記ターゲットデバイスの特性を測定するように構成された第2の検査デバイスであって、前記ターゲットデバイスの内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度が、前記測定した特性に少なくとも部分的に基づいて測定可能である、第2の検査デバイスと、
を備えるシステム。
【請求項13】
前記ターゲットデバイスは、
前記複数のインターフェロメトリック変調器と電気的に連通しているプロセッサであって、イメージデータを処理するように構成されているプロセッサと、
前記プロセッサと電気的に連通している記憶装置と、
を備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ターゲットデバイスはさらに、
少なくとも1つの信号を前記複数のインターフェロメトリック変調器に送るように構成されたドライバ回路を備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ターゲットデバイスはさらに、
前記イメージデータの少なくとも一部を前記ドライバ回路へ送るように構成されたコントローラを備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ターゲットデバイスはさらに、
前記イメージデータを前記プロセッサへ送るように構成されたイメージソースモジュールを備える請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記イメージソースモジュールは、レシーバ、トランシーバ及びトランスミッタのうちの少なくとも1つを備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記ターゲットデバイスはさらに、
入力データを受け取り、前記入力データを前記プロセッサへ伝達するように構成された入力デバイスを備える請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
湿度を検査する方法であって、
i)複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲む第1のデバイスの第1の重量、及びii)複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲む第2のデバイスの第2の重量を測定することであって、前記第1及び第2のデバイスは異なる量の水蒸気を含むことと、
前記第1及び第2のデバイスの重量を比較することと、
前記重量の比較に少なくとも部分的に基づいて、前記2つのデバイスの一方の内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度を判断することと、
を備える方法。
【請求項20】
前記第1の重量と前記第2の重量の差を判断することと、
前記差がしきい値よりも大きい場合に、前記デバイスに不具合があること、又は、前記デバイスは短縮された寿命を有することを判断することと、
をさらに備える、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記デバイスの内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度が、次のパラメータ、すなわち、i)温度と湿度の組み合わせ、ii)シールの厚さ及び幅、iii)接着剤透過性、iv)乾燥剤の容量、及びv)デバイスのサイズ、のうちの少なくとも1つを考慮して判断される請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記第2のデバイスは、各々が複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲んでいる複数のデバイスを含み、前記複数のデバイスのうちの少なくとも1つは、前記第1のデバイスからの異なる量の水蒸気を含んでおり、前記第2の重量は、前記複数のデバイスの平均重量である請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記第2のデバイスは前記第1のデバイスと同じであり、前記第2の重量を測定することが、前記第1の重量の測定の所定期間後に実行される、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
湿度を検査するシステムであって、
複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲む第1のデバイスと、
複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲む第2のデバイスであって、前記第1及び第2のデバイスは、異なる量の水蒸気を含む、前記第2のデバイスと、
前記第1及び第2のデバイスの重量を測定するように構成されたスケールと、
を備え、
前記2つのデバイスの相対湿度の値又は相対湿度の程度が、前記測定した重量に少なくとも部分的に基づいて測定可能であるシステム。
【請求項25】
前記スケールは、約±0.1mgの精度である、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記スケールは、約±0.05mgの精度である、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
湿度を検査する方法であって、
i)複数のインターフェロメトリック変調器と、ii)乾燥剤とを取り囲むデバイスを設けることであって、前記乾燥剤は、この乾燥剤の中に吸収された一定量の水蒸気に基づいて、乾燥剤の色を変化させるように構成されていること、
前記乾燥剤の色変化の程度を判断することと、
前記判断した色変化の程度に少なくとも部分的に基づいて、前記デバイスの内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度を判断することと、
を備える方法。
【請求項28】
前記デバイスは、少なくとも透明部分を含むバックプレートを備え、前記色変化の程度を判断することは、前記バックプレートの前記透明部分を介して実行される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記デバイスは透明なバックプレートを備え、前記色変化の程度を判断することは、前記透明なバックプレートを介して実行される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記乾燥剤の色変化の程度を判断することは、
前記デバイスを湿潤環境にさらすことと、
前記デバイスを湿潤環境にさらすことの前に、前記乾燥剤の第1の色を測定することと、
前記デバイスを前記湿潤環境にさらすことの後に、前記乾燥剤の第2の色を測定することと、
前記第1の色と第2の色を比較することと、
前記色の比較に基づいて、前記乾燥剤の色変化の程度を判断することと、
を備える請求項27に記載の方法。
【請求項31】
微小電気機械素子(MEMS)を製造する方法であって、
基板を設けることと、
前記基板の上に複数のインターフェロメトリック変調器を形成することと、
乾燥剤の中に吸収された水蒸気の量に基づいて、乾燥剤の色を変化させるように構成された乾燥剤を設けることと、
バックプレートを設けることと、
前記複数のインターフェロメトリック変調器及び前記乾燥剤を取り囲むデバイスを形成するように、前記基板と前記バックプレートとを接合することと、
を備え、
前記バックプレートは、前記乾燥剤の色変化を、前記デバイスの外部からバックプレートを通して見ることができる少なくとも1つの透明部分を含む方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法によって製造される微小電気機械素子(MEMS)。
【請求項33】
前記デバイスの内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度が、次のパラメータ、すなわち、i)温度と湿度の組み合わせ、ii)シールの厚さ及び幅、iii)接着剤透過性、iv)乾燥剤の容量、及びv)デバイスのサイズのうちの少なくとも1つを考慮して判断される、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
基板と、
前記基板の上に形成された複数のインターフェロメトリック変調器と、
乾燥剤の中に吸収された一定量の水蒸気に基づいて、乾燥剤の色を変化させるように構成された乾燥剤と、
バックプレートと、
を備え、
前記基板と前記バックプレートは、前記複数のインターフェロメトリック変調器及び前記乾燥剤を取り囲むデバイスを形成するように、互いに接合され、
前記バックプレートは、前記乾燥剤の色変化を、前記デバイスの外部からバックプレートを通して視ることができる少なくとも1つの透明部分を含む、微小電気機械素子(MEMS)デバイス。
【請求項35】
前記バックプレートは、透明な材料で形成される、請求項34に記載のデバイス。
【請求項36】
前記複数のインターフェロメトリック変調器と電気的に連通しているプロセッサであって、イメージデータを処理するように構成されているプロセッサと、
前記プロセッサと電気的に連通している記憶装置と、
をさらに備える請求項34に記載のデバイス。
【請求項37】
少なくとも1つの信号を前記複数のインターフェロメトリック変調器へ送るように構成されたドライバ回路をさらに備える、請求項36に記載のデバイス。
【請求項38】
前記イメージデータの少なくとも一部を前記ドライバ回路へ送るように構成されたコントローラをさらに備える請求項37に記載のデバイス。
【請求項39】
前記イメージデータを前記プロセッサへ送るように構成されたイメージソースモジュールをさらに備える請求項36に記載のデバイス。
【請求項40】
前記イメージソースモジュールは、レシーバ、トランシーバ及びトランスミッタのうちの少なくとも1つを備える、請求項39に記載のデバイス。
【請求項41】
入力データを受け取り、前記入力データを前記プロセッサへ伝達するように構成された入力デバイスをさらに備える、請求項36に記載のデバイス。
【請求項42】
湿度を検査する方法であって、
複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲むデバイスを設けることと、
前記デバイスの少なくとも1つの内部部分の抵抗を測定することと、
前記測定した抵抗に少なくとも部分的に基づいて、前記デバイスの相対湿度の値又は相対湿度の程度を判断することと、
を備える方法。
【請求項43】
前記測定することは、抵抗センサを用いて実行される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記抵抗センサを前記デバイスのリードに接続することをさらに備え、前記リードは前記デバイスの内部部分に接続され、前記抵抗センサは、前記内部部分の周りの電気インピーダンス又は抵抗を測定するように構成される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
リードをパターニングすることと、
前記抵抗センサを前記パターニングしたリードに接続することと、
前記相対湿度の値又は相対湿度の程度を判断した後に、前記パターニングしたリードを取り除くことと、
をさらに備える、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記デバイスの外側領域を冷たいフィンガデバイスに操作可能に接触させることと、
前記接触した領域に対応する前記インターフェロメトリック変調器の内部領域に霜が形成されたか否かを判断することと、
をさらに備え、
前記相対湿度の値又は相対湿度の程度が、i)霜が前記内部領域に形成されたか否かと、ii)前記測定した抵抗との組み合わせに少なくとも部分的に基づいて判断される、請求項42に記載の方法。
【請求項47】
前記デバイスは、バックプレート及び基板を備え、前記バックプレート及び基板の少なくとも一方は非透明である、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
湿度を検査するシステムであって、
複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲むデバイスと、
前記デバイスの少なくとも1つの内部部分の抵抗を測定するように構成された抵抗センサと、
を備え、
前記デバイスの相対湿度の値又は相対湿度の程度が、前記測定した抵抗に少なくとも部分的に基づいて測定可能であるシステム。
【請求項49】
前記抵抗センサは、前記デバイスのリードに接続されており、前記リードは、前記デバイスの内部部分に接続されており、前記抵抗センサは、前記内部部分の周りの電気インピーダンス又は抵抗を測定するように構成されている、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記リードは、前記湿度検査のために形成されたパターン化されたリードである、請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記パターン化されたリードは、前記湿度検査の後に取り除かれるように構成されている、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記パターン化されたリードは、前記デバイスの未使用部分に配設されている、請求項50に記載のシステム。
【請求項53】
前記リードは、次のもの、すなわち、i)前記複数のインターフェロメトリック変調器のうちの少なくとも1つの電極、ii)前記インターフェロメトリック変調器の一部、及びiii)前記デバイスの他の内部部分、のうちの1つに接続されている、請求項49に記載のシステム。
【請求項54】
前記リードは、前記デバイスのバックプレート又は基板の一部に接続されている、請求項49に記載のシステム。
【請求項55】
前記リードは、湿度検査のために画成されている穴を介して、前記デバイスの内部に挿入されるように構成されている請求項49に記載のシステム。
【請求項56】
前記インターフェロメトリック変調器の外側領域に操作可能に接触するように構成された冷たいフィンガデバイスをさらに備え、前記相対湿度の値又は相対湿度の程度は、i)霜が前記内部に形成されたか否か、及びii)前記測定した抵抗の組み合わせに少なくとも部分的に基づいて測定可能である、請求項48に記載のシステム。
【請求項57】
湿度を検査する方法であって、
i)複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲むデバイスを設けることと、
ii)前記デバイスの外側領域を、第1の温度に設定された冷たいフィンガデバイスに操作可能に接触させることと、
iii)前記接触した領域に対して前記インターフェロメトリック変調器デバイスの内部領域に霜が形成されたか否かを判断することと、
iv)前記内部領域に霜が形成されたか否かに少なくとも部分的に基づいて、前記インターフェロメトリック変調器デバイスの内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度を判断することと、
を備える方法。
【請求項58】
より良好な接触及び熱コンダクタンスを実現できるように、液体材料を前記冷たいフィンガデバイスの接触領域に塗布することをさらに備える、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
v)前記内部領域に霜が形成された場合に、前記第1の温度よりも高い第2の温度に設定された冷たいフィンガデバイスを、前記デバイスの外側領域に接触させることと、
vi)必要に応じて、前記iii)及びiv)を繰り返すことと、
をさらに備える、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
前記内部領域に霜が形成されなくなるまで、前記v)及びvi)を繰り返すことをさらに備える、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記判断することiii)は抵抗センサを用いて実行される、請求項57に記載の方法。
【請求項62】
前記抵抗センサを前記デバイスのリードに接続することをさらに備え、前記リードは、前記デバイスの内部部分に接続されており、前記抵抗センサは、前記内部部分の周りの電気インピーダンス又は抵抗を測定するように構成されている、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記ii)は、前記冷たいフィンガデバイスを、次のもの、すなわち、バックプレート、基板、及び前記デバイスの1)シールと2)前記基板との境界領域のうちの1つに接触させることを備える、請求項57に記載の方法。
【請求項64】
前記基板は、少なくとも1つの透明部分を含み、前記方法はさらに、
前記冷たいフィンガデバイスを前記バックプレートの外側領域に接触させることと、
前記基板の少なくとも1つの透明部分を介して、前記外側領域に対応する前記バックプレートの内部領域に霜が形成されたか否かを判断することと、
を備える、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記バックプレートは少なくとも1つの透明部分を含み、前記方法はさらに、
前記冷たいフィンガデバイスを、前記基板の外側領域に接触させることと、
前記バックプレートの少なくとも1つの透明部分を介して、前記外側領域に対応する前記基板の前記内部領域に霜が形成されたか否かを判断することと、
を備える、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
前記判断することiii)は、バックプレートの少なくとも1つの透明ウィンドウを介して、又は、透明基板の一部を介して実行される、請求項57に記載の方法。
【請求項67】
前記デバイスの少なくとも1つの内部部分の抵抗を測定することをさらに備え、前記相対湿度の値又は相対湿度の程度が、i)霜が前記内部領域に形成されたか否かと、ii)前記測定した抵抗との組み合わせに少なくとも部分的に基づいて判断される、請求項57に記載の方法。
【請求項68】
湿度を検査するシステムであって、
複数のインターフェロメトリック変調器を取り囲むデバイスと、
前記デバイスの外側領域に操作可能に接触するように構成された冷たいフィンガデバイスと、
を備え、
前記インターフェロメトリック変調器の内部の相対湿度の値又は相対湿度の程度が、前記内部領域に霜が形成されたか否かに少なくとも部分的に基づいて測定可能であるシステム。
【請求項69】
前記デバイスは、少なくとも1つの透明部分を含む基板を備え、前記内部領域に霜が形成されたか否かを判断することは、前記基板の少なくとも1つの透明部分を介して実行される、請求項68に記載のシステム。
【請求項70】
前記デバイスは、少なくとも1つの透明部分を含むバックプレートを備え、前記内部領域に霜が形成されたか否かを判断することは、前記バックプレートの少なくとも1つの透明部分を介して実行される、請求項68に記載のシステム。
【請求項71】
前記デバイスの少なくとも1つの内部部分の抵抗を測定するように構成された抵抗センサをさらに備え、前記相対湿度の値又は相対湿度の程度が、i)前記内部領域に霜が形成されたか否かと、ii)前記測定した抵抗との組み合わせに少なくとも部分的に基づいて測定可能である、請求項68に記載のシステム。
【請求項72】
湿度を検査する方法であって、
i)複数のインターフェロメトリック変調器と、ii)乾燥剤とを取り囲むデバイスを設けることと、
前記デバイスの第1の重量を測定することと、
水蒸気を前記デバイスの内部に供給することと、
前記水蒸気が前記デバイス内に供給された後に、前記デバイスの第2の重量を測定することと、
前記第1の重量と前記第2の重量を比較することと、
前記重量の比較に少なくとも部分的に基づいて、前記デバイスの内部の相対湿度の程度を判断することと、
を備える方法。
【請求項73】
前記デバイスは乾燥剤を含み、前記方法はさらに、前記第2の重量が前記第1の重量と実質的に同じである場合に、前記乾燥剤は的確に作用していないと判断することを備える、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
次の領域、すなわち、前記デバイスのシール、バックプレート及び基板のうちの少なくとも1つに穴を画成することをさらに備え、前記水蒸気が前記穴を介して前記デバイス内に供給される、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
湿度を検査するシステムであって、
i)複数のインターフェロメトリック変調器と、ii)水蒸気を吸収するように構成された乾燥剤とを取り囲むデバイスであって、水蒸気が穴を介して前記デバイス内に供給されるように、前記デバイスの領域内に前記穴が画成されている、デバイスと、
i)前記水蒸気が前記デバイス内に供給される前の、前記デバイスの第1の重量と、ii)前記水蒸気が前記デバイス内に供給された後の、前記デバイスの第2の重量とを測定するように構成されたスケールと、
を備え、
前記デバイスの内部の相対湿度の程度が、前記第1の重量と第2の重量の重量比較に少なくとも部分的に基づいて測定可能であるシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−26876(P2008−26876A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−150404(P2007−150404)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【分割の表示】特願2007−533474(P2007−533474)の分割
【原出願日】平成17年8月22日(2005.8.22)
【出願人】(505258472)アイディーシー、エルエルシー (122)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−150404(P2007−150404)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【分割の表示】特願2007−533474(P2007−533474)の分割
【原出願日】平成17年8月22日(2005.8.22)
【出願人】(505258472)アイディーシー、エルエルシー (122)
【Fターム(参考)】
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