説明

射出成形機

【課題】 コスト削減,成形品質の向上,信頼性の向上及び長寿命化、省エネルギ性の向上を図るとともに、複数の油圧ポンプから吐出する作動油を合流して又は個別に供給する場合でも不安定挙動を回避して的確な圧力制御を行う。
【解決手段】 複数の油圧アクチュエータ4a…における選択した油圧アクチュエータ4a…に対して油圧ポンプ2p,2qから吐出する作動油を合流して又は個別に供給する作動油供給回路5と、各油圧ポンプ2p…から吐出する作動油の圧力をそれぞれ検出する複数の圧力センサ6p,6qと、作動油を合流して供給する際には圧力センサ6p…から得る一つの圧力検出値Pdp…を使用し、かつ作動油を個別に供給する際には各油圧ポンプ2p…に対して設けた各圧力センサ6p…から得る圧力検出値Pdp…をそれぞれ使用して圧力制御を行う複数の圧力制御系7p,7qを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動モータの回転数を可変制御して吐出流量を制御する油圧ポンプにより油圧アクチュエータを駆動する射出成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駆動モータの回転数を可変制御して吐出流量を制御する油圧ポンプを備え、この油圧ポンプにより射出シリンダ(油圧シリンダ)等の油圧アクチュエータを駆動する射出成形機は、特許第3245707号公報で知られている。
【0003】
同公報で開示される射出成形機は、圧力制御時における制御圧力の変動を排して圧力制御の安定性を高めることを目的とし、固定吐出型油圧ポンプにおけるサーボモータの回転数を制御して油圧ポンプの吐出流量と吐出圧力を制御する油圧駆動源を備えるとともに、特に、圧力制御時における油圧ポンプの回転数が、常に、油圧ポンプにおける回転抵抗の不安定領域を外れる回転数以上となるように、油圧ポンプから吐出する作動油をオイルタンクにリリーフするリリーフ回路を設けたものである。
【0004】
【特許文献1】特許第3245707号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来の射出成形機は、次のような解決すべき課題が存在した。
【0006】
第一に、射出成形機が大型の場合、射出成形機の最大能力に対応した大型のサーボモータが必要になるため、サーボモータ自身が高価となり、イニシャルコストの増加を招く。特に、サーボモータの大型化は、付属のサーボ回路(サーボアンプ)の大容量化(大電流化)を招くため、サーボ回路の耐電力性等の確保により全体のコストが累進的に増大してしまう。
【0007】
第二に、射出成形機の全動作に対して、一台のサーボモータにより制御するため、射出成形機の各動作工程に対してサーボモータの動作能力が適合しない領域を発生しやすい。したがって、制御が不安定になりやすく、成形性や成形品質を確保する面から不利になるとともに、過大負荷の発生頻度が多くなり信頼性や長寿命化の面からも不利になる。しかも、サーボモータの回転数が小さくなる不安定領域の対策として、油圧ポンプから吐出する作動油をオイルタンクにリリーフさせる場合、一台の大型のサーボモータでは、エネルギの無駄が大きくなり、省エネルギ性やランニングコストの面においても不利になる。
【0008】
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した射出成形機の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するため、駆動モータ3の回転数を可変制御して吐出流量を制御する油圧ポンプ2を備え、この油圧ポンプ2により油圧アクチュエータ4a…を駆動する射出成形機Mを構成するに際して、複数の油圧ポンプ2p,2qと、複数の油圧アクチュエータ4a…における選択した油圧アクチュエータ4a,4b,4c,4d又は4eに対して油圧ポンプ2p,2qから吐出する作動油を切換手段5cにより合流して又は個別に供給する作動油供給回路5と、各油圧ポンプ2p,2qから吐出する作動油の圧力をそれぞれ検出する複数の圧力センサ6p,6qと、作動油を合流して供給する際には圧力センサ6p,6qから得る一つの圧力検出値Pdp,Pdq又はPdを使用し、かつ作動油を個別に供給する際には各油圧ポンプ2p,2qに対して設けた各圧力センサ6p,6qから得る圧力検出値Pdp,Pdqをそれぞれ使用して圧力制御を行う複数の圧力制御系7p,7qとを有する油圧駆動部8を備えてなることを特徴とする。
【0010】
この場合、発明の好適な態様により、作動油を合流して供給する際に圧力センサ6p,6qから得る一つの圧力検出値Pdp,Pdq又はPdには、各圧力センサ6p,6qのいずれか一つから得る圧力検出値Pdp(Pdq)又は各圧力センサ6p,6qから得る圧力検出値Pdp,Pdqの平均値Pdを用いることができる。また、作動油を合流して供給する際の圧力制御系7p,7qには、各圧力制御系7p,7qから選択した一つの圧力制御系7p(7q)を用いることができる。さらに、複数の油圧ポンプ2p,2qには、同一定格の油圧ポンプを用いることができるとともに、油圧ポンプ2p,2qは、斜板角Rsの変更により複数の固定吐出流量Qo…を設定可能な可変吐出型油圧ポンプ2vp,2vqを用いることができる。一方、駆動モータ3…には、サーボ回路3pa,3qaに接続したサーボモータ3p,3qを用いることができる。また、切換手段5cは、油圧アクチュエータ4a…に対して複数の油圧ポンプ2p,2qから吐出する作動油を個別に供給する一又は二以上の切換バルブ12,13,14により構成できる。
【発明の効果】
【0011】
このような構成を有する本発明に係る射出成形機Mによれば、次のような顕著な効果を奏する。
【0012】
(1) 大型の射出成形機Mであっても、射出成形機Mの最大能力に対応した大型の駆動モータ3が不要になるため、例えば、駆動モータ3としてサーボモータ3p…を使用する場合であっても、廉価なサーボモータ3p…を用意すれば足り、サーボ回路3pa…等を含む全体のイニシャルコストを低減できる。
【0013】
(2) 射出成形機Mにおける各動作工程に対して駆動モータ3の動作能力が適合しない領域を縮減できるため、制御の安定化を図ることができ、成形性及び成形品質の向上に寄与できるとともに、過大負荷の発生を回避或いは低減することにより、信頼性の向上及び長寿命化に寄与できる。しかも、駆動モータ3(サーボモータ3p…)の小型化により、駆動モータ3の回転数が小さくなる不安定領域に対する別途の対策が不要或いは縮減可能となり、省エネルギ性の向上及びランニングコストの削減に寄与できる。
【0014】
(3) 各油圧ポンプ2p,2qから吐出する作動油の圧力をそれぞれ検出する複数の圧力センサ6p,6qを設け、圧力制御系7p,7qにより、作動油を合流して供給する際には各圧力センサ6p,6qから得る一つの圧力検出値Pdp,Pdq又はPdを使用し、かつ作動油を個別に供給する際には各油圧ポンプ2p,2qに対して設けた各圧力センサ6p,6qから得る圧力検出値Pdp,Pdqをそれぞれ使用して圧力制御を行うようにしたため、油圧ポンプ2p,2qから吐出する作動油を合流して又は個別に供給する場合であっても、各供給態様における不安定挙動を回避して的確な圧力制御を行うことができる。
【0015】
(4) 好適な態様により、作動油を合流して供給する際に圧力センサ6p,6qから得る一つの圧力検出値Pdp,Pdq又はPdとして、各圧力センサ6p,6qのいずれか一つから得る圧力検出値Pdp(Pdq)を用いれば、作動油を合流して供給する際における圧力制御を安定して行うことができるとともに、各圧力センサ6p,6qから得る圧力検出値Pdp,Pdqの平均値Pdを用いれば、圧力制御を安定して行えることに加え、圧力制御をより高精度に行うことができる。
【0016】
(5) 好適な態様により、作動油を合流して供給する際の圧力制御系7p,7qに、各圧力制御系7p,7qから選択した一つの圧力制御系7p(7q)を用いれば、作動油を合流して供給する際における圧力制御の安定化を図れるとともに、消費電力の削減にも寄与できる。
【0017】
(6) 好適な態様により、複数の油圧ポンプ2p…として、同一定格の油圧ポンプ2p…を用いれば、単一種類の油圧ポンプ2p…を複数用意すれば足りるため、低コスト性及びコンパクト性を高めることができる。
【0018】
(7) 好適な態様により、駆動モータ3…に、サーボ回路3pa…に接続したサーボモータ3p…を使用すれば、本発明に係る射出成形機Mを容易かつ確実に実施できるとともに、同射出成形機Mによる上記(1)〜(3)の効果をより有効に享受できる。
【0019】
(8) 好適な態様により、油圧ポンプ2p…に、斜板角Rsの変更により複数の固定吐出流量Qo…を設定可能な可変吐出型油圧ポンプ2vp…を使用すれば、複数の油圧ポンプ2p…の組合わせと併せ、油圧ポンプ2p…の実質的な容量をより細分化できるため、マッチング性及び制御性をより高めることができるとともに、複数の固定吐出流量Qo…を容易かつ確実に得ることができる。
【0020】
(9) 好適な態様により、切換手段5cを、油圧アクチュエータ4a…に対して複数の油圧ポンプ2p…から吐出する作動油を個別に供給する一又は二以上の切換バルブ12…により構成すれば、本発明に係る射出成形機Mを容易かつ確実に実施できるとともに、制御の多様性,制御の的確性及び制御精度をより高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明に係る最良の実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0022】
まず、本実施形態に係る射出成形機Mの全体構成について、図1〜図5を参照して説明する。
【0023】
図2において、Mは射出成形機であり、射出装置Miと型締装置Mcを備える。射出成形機Mは、油圧アクチュエータ(4a…)として、射出装置Miにおける加熱筒21に内蔵したスクリュ22を進退させる射出シリンダ4a及び当該スクリュ22を回転させる計量モータ(オイルモータ)4bを備えるとともに、型締装置Mcにおける金型23に対する型開閉及び型締を行う型締シリンダ4c及び金型23における成形品の突き出し(エジェクタ)を行う突出しシリンダ4d(図1)を備える。また、射出装置Miを進退移動させて金型23に対するノズルタッチ又はその解除を行う射出装置移動シリンダ4e(図1)を備える。
【0024】
一方、8は油圧駆動部であり、油圧駆動源となる二台の可変吐出型油圧ポンプ2vp,2vq(油圧ポンプ2,2),作動油供給回路5及び切換バルブ回路32を備える。一方の可変吐出型油圧ポンプ2vpは、ポンプ部35pとこのポンプ部35pを回転駆動するサーボモータ3p(駆動モータ3)を備える。この場合、サーボモータ3pはサーボ回路(サーボアンプ)3paに接続した交流サーボモータを用いるとともに、サーボモータ3pには、このサーボモータ3pの回転数を検出するロータリエンコーダ3peが付設されている。このように、駆動モータ3として、サーボモータ3pを使用すれば、本実施形態に係る射出成形機Mを容易かつ確実に実施できるとともに、同射出成形機Mにより生じる効果をより有効に享受できる利点がある。
【0025】
また、ポンプ部35pは、斜板型ピストンポンプにより構成するポンプ機体36pを内蔵する。この場合、ポンプ部35pは、斜板37p(図3)を備え、斜板37pの傾斜角となる斜板角Rsを大きくすれば、ポンプ機体36pにおけるポンプピストンのストロークが大きくなり、吐出流量が増加するとともに、斜板角Rsを小さくすれば、同ポンプピストンのストロークが小さくなり、吐出流量が減少する。よって、斜板角Rsを所定の角度に設定することにより、吐出流量が所定の大きさとなる固定吐出流量Qo…を設定できる。さらに、斜板37pには、コントロールシリンダ38p及び戻しスプリング39pを付設するとともに、コントロールシリンダ38pは、切換バルブ(電磁バルブ)40pを介してポンプ部35p(ポンプ機体36p)の吐出口に接続する。これにより、斜板37pの角度は、コントロールシリンダ38pの制御により変更可能となる。このような可変吐出型油圧ポンプ2vp…を使用すれば、二台の油圧ポンプ2p…の組合わせと併せ、油圧ポンプ2p…の実質的な容量をより細分化できるため、マッチング性及び制御性をより高めることができるとともに、複数の固定吐出流量Qo…を容易かつ確実に得ることができる利点がある。
【0026】
他方の可変吐出型油圧ポンプ2vqも、上述した可変吐出型油圧ポンプ2vpと同様に構成する。したがって、油圧ポンプ2vpと2vqは同一定格となる。なお、油圧ポンプ2vqにおいて、35qはポンプ部、3qはサーボモータ(駆動モータ3)、36qはポンプ機体、37qは斜板(図3)、38qはコントロールシリンダ、39qは戻しスプリング、40qは切換バルブ(電磁バルブ)をそれぞれ示す。よって、各サーボモータ3p,3qの回転数を可変制御すれば、各油圧ポンプ2vp,2vqの吐出流量及び吐出圧力をそれぞれ可変できる。
【0027】
このような二台の油圧ポンプ2vp,2vqは、図4及び図5に示すようなポンプユニット2uとして構成できる。図中、2bはポンプ支持ベースであり、このポンプ支持ベース2bの上に、二台の油圧ポンプ2vp,2vqを並べて設置する。この場合、ポンプ支持ベース2bの上面に支持プレート部2bsを起立して設け、この支持プレート部2bsに、各油圧ポンプ2vp,2vqにおける中間部位を取付ける。図中、51p,51qは各油圧ポンプ2vp,2vqの吐出ポート、52p,52qは各油圧ポンプ2vp,2vqの吸込ポート、53p,53qは各油圧ポンプ2vp,2vqに圧力センサを付設する際の圧力センサポート、54p,54qは各油圧ポンプ2vp,2vqの大容量側吐出流量調整ネジ、55p,55qは各油圧ポンプ2vp,2vqの小容量側吐出流量調整ネジをそれぞれ示す。その他、図4及び図5において、図2及び図3と同一部分には同一符号を付してその構成を明確にした。
【0028】
このように、二台の油圧ポンプ2vp,2vqを、ポンプ支持ベース2bにより一体化したポンプユニット2uとして構成すれば、更なるコンパクト性及び設置性を高めることができる。また、二台の油圧ポンプ2vp,2vqには、同一定格の油圧ポンプ2vp…を使用したため、単一種類の油圧ポンプ2vp…を二台用意すれば足り、低コスト性及びコンパクト性を高めることができる。
【0029】
他方、各ポンプ部35p,35qの吸入口は、オイルタンク42…に接続するとともに、ポンプ部35p,35qの吐出口は、それぞれ作動油供給回路5の一次側に接続する。また、作動油供給回路5の二次側は、切換バルブ回路32の一次側に接続し、さらに、切換バルブ回路32の二次側は、図3に示すように、射出成形機Mにおける油圧アクチュエータを構成する射出シリンダ4a,計量モータ4b,型締シリンダ4c,突出しシリンダ4d及び射出装置移動シリンダ4eに接続する。このため、切換バルブ回路32には、少なくとも、射出シリンダ4a,計量モータ4b,型締シリンダ4c,突出しシリンダ4d及び射出装置移動シリンダ4eにそれぞれ接続する切換バルブ(電磁バルブ)32a,32b,32c,32d及び32eを備える。なお、各切換バルブ32a…は、それぞれ一又は二以上のバルブ部品をはじめ、必要な付属油圧部品等により構成され、少なくとも、射出シリンダ4a,計量モータ4b,型締シリンダ4c,突出しシリンダ4d及び射出装置移動シリンダ4eに対する作動油の供給,停止,排出に係わる切換機能を有する。
【0030】
一方、作動油供給回路5は切換手段5cを備え、二台の油圧ポンプ2vp,2vqから吐出する作動油を合流して又は個別に各油圧アクチュエータ4a…に供給、即ち、射出シリンダ4a,計量モータ4b,型締シリンダ4c,突出しシリンダ4d,射出装置移動シリンダ4eに供給する機能を有する。切換手段5cの具体的な回路を図1に示す。同図に示す切換手段5cは切換バルブ(電磁バルブ)12を備え、この切換バルブ12を閉側に切換えれば、一方の油圧ポンプ2vpが、型締装置Mc(型締シリンダ4c及び突出しシリンダ4d)側に接続され、かつ他方の油圧ポンプ2vqが、射出装置Mi(射出シリンダ4a,計量モータ4b,射出装置移動シリンダ4e)側に接続される個別モードになるとともに、切換バルブ12を開側に切換えれば、油圧ポンプ2vpと2vqから吐出する作動油が合流する合流モードとなる。
【0031】
また、図1及び図2に示すように、各油圧ポンプ2p,2qの吐出側には、各油圧ポンプ2p,2qから吐出する作動油の圧力をそれぞれ検出する圧力センサ6p,6qをそれぞれ接続するとともに、この圧力センサ6p,6qを利用する圧力制御系7p,7qを備える。この圧力制御系7p,7qは、図3に示す成形機コントローラ61により構成する。成形機コントローラ61は、射出成形機M全体の制御を司る機能を備えており、この成形機コントローラ61には、前述した各サーボモータ3p,3qをそれぞれサーボ回路3pa,3qaを介して接続するとともに、電磁バルブを用いた各切換バルブ32a,32b,32c,32d,32e及び切換バルブ40p,40qを接続する。各サーボモータ3p,3qに付設したロータリエンコーダ3pe,3qeは、それぞれサーボ回路3pa,3qaに接続する。なお、図1に示すサーボ駆動部62pには、図3に示すサーボモータ3p,サーボ回路3pa及びロータリエンコーダ3peが含まれるとともに、サーボ駆動部62qには、図3に示すサーボモータ3p,サーボ回路3pa及びロータリエンコーダ3peが含まれる。
【0032】
さらに、図1に示すように、圧力制御系7pは、偏差演算部71p,圧力補償部72p及び速度圧力切換部73pを備えるとともに、圧力制御系7qは、偏差演算部71q,圧力補償部72q及び速度圧力切換部73qを備える。また、圧力制御系7pと7qに共通となる平均値演算部74,圧力選択部75及びモード切換部76を備える。これにより、圧力センサ6pから得られる圧力検出値Pdpは、平均値演算部74及び圧力選択部75に付与されるとともに、圧力センサ6qから得られる圧力検出値Pdqは、平均値演算部74及び圧力選択部75に付与される。そして、平均値演算部74では、圧力検出値PdpとPdqの平均値Pdが算出され、圧力選択部75に付与される。なお、偏差演算部71p,71qの反転入力部には圧力選択部75により選択された圧力検出値Pip,Piqが付与されるとともに、偏差演算部71p,71qの非反転入力部には予め設定された圧力目標値Psp,Psqが付与される。一方、速度圧力切換部73p,73qには、圧力補償部72p,72qの出力となる圧力制御信号Spp,Spq又は図示を省略した速度制御系からの速度制御信号Svp,Svqが付与される。さらに、モード切換部76は、油圧ポンプ2vp,2vqから吐出する作動油を合流させて供給する際の合流モードと油圧ポンプ2vp,2vqから吐出する作動油を個別に供給する際の個別モードに対応して切換が行われる。
【0033】
次に、このような構成を有する本実施形態に係る射出成形機Mの要部の動作(機能)について、図1〜図5を参照しつつ図6に示すフローチャートに従って説明する。
【0034】
本実施形態に係る射出成形機Mは、作動油供給回路5に備える切換手段5cにより、二つの油圧ポンプ2p,2qから吐出する作動油を合流して供給する合流モードと、二つの油圧ポンプ2p,2qから吐出する作動油をそれぞれ個別に供給する個別モードに切換えることができ、特に、合流モードでは、圧力センサ6p,6qから得る一つの圧力検出値Pdp,Pdq又はPdを使用する。このため、予め、圧力選択部75により合流モードで使用する一つの圧力検出値Pdp,Pdq又はPdを設定、即ち、各圧力センサ6p,6qのいずれか一つから得る圧力検出値Pdp又はPdq、或いは各圧力センサ6p,6qから得る圧力検出値Pdp,Pdqの平均値Pdを選択して設定する(ステップSf)。このように、一つの圧力検出値Pdp,Pdq又はPdを使用、特に、各圧力センサ6p,6qのいずれか一つから得る圧力検出値Pdp又はPdqを使用すれば、作動油を合流して供給する際における圧力制御を安定して行うことができるとともに、各圧力センサ6p,6qから得る圧力検出値Pdp,Pdqの平均値Pdを用いれば、圧力制御を安定して行えることに加え、圧力制御をより高精度に行うことができる。なお、平均値Pdは平均値演算部74から得られる。
【0035】
一方、射出成形機Mを稼働させるに際しては、樹脂種類や成形条件等に対応して、二つの油圧ポンプ2p,2qを合流モードで使用するか又は個別モードで使用するかを、作動油供給回路5の切換手段5cにより切換えることができる。例えば、大型射出成形機のように、充填工程が高速となり大流量を必要とする際は、切換手段5cにおける切換バルブ12を開側に切換えることにより合流モードにすることができる。合流モードでは、二つの油圧ポンプ2vp,2vqから吐出する作動油が合流して型締装置Mc(型締シリンダ4c,突出しシリンダ4d)側又は射出装置Mi(射出シリンダ4a,計量モータ4b,射出装置移動シリンダ4e)側に供給される。これに対して、通常の成形時には、切換バルブ12を閉側に切換えることにより個別モードにすることができる。個別モードでは、一方の油圧ポンプ2vpが型締装置Mc(型締シリンダ4c及び突出しシリンダ4d)側で使用され、他方の油圧ポンプ2vqが射出装置Mi(射出シリンダ4a,計量モータ4b,射出装置移動シリンダ4e)側で使用される。この際、使用しない油圧ポンプ2vp又は2vqは運転停止状態となる。
【0036】
今、個別モードに切換えた場合を想定する(ステップS1)。これにより、モード切換部76は個別モード側76sに切換えられ、一方のサーボ駆動部62pに圧力制御信号Sppが付与されるとともに、他方のサーボ駆動部62qに圧力制御信号Spqが付与される(ステップS2,S3)。また、圧力選択部75も個別モード側に切換えられ、一方の偏差演算部71pの反転入力部には、油圧ポンプ2pに対して設けた圧力センサ6pから得る圧力検出値Pdpが圧力検出値Pipとして付与されるとともに、他方の偏差演算部71qの反転入力部には、油圧ポンプ2qに対して設けた圧力センサ6qから得る圧力検出値Pdqが圧力検出値Piqとして付与される(ステップS4)。したがって、各圧力制御系7p,7qはそれぞれ独立した制御系として機能する。
【0037】
この場合、一方の偏差演算部71pの反転入力部には一方の圧力センサ6pから得られる圧力検出値Pipが付与されるとともに、偏差演算部71pの非反転入力部に圧力目標値Pspが付与される。偏差演算部71pでは、圧力目標値Pspと圧力検出値Pipの偏差が得られ、この偏差は圧力補償部72pにより圧力補償された後、圧力制御信号Spqとなってサーボ駆動部62pに付与される。なお、圧力制御時における速度圧力切換部73pは、図1に示す圧力制御側73ppに切換わっている。これにより、圧力検出値Pipが圧力目標値Pspに一致するように圧力に対するフィードバック制御が行われる。同様に、他方の偏差演算部71qの反転入力部には他方の圧力センサ6qから得られる圧力検出値Piqが付与され、偏差演算部71qの非反転入力部に圧力目標値Psqが付与される。偏差演算部71qでは、圧力目標値Psqと圧力検出値Piqの偏差が得られ、この偏差は圧力補償部72qにより圧力補償された後、圧力制御信号Spqとなってサーボ駆動部62qに付与される。なお、圧力制御時における速度圧力切換部73qは、図1に示す圧力制御側73pqに切換わっている。これにより、圧力検出値Piqが圧力目標値Psqに一致するように圧力に対するフィードバック制御が行われる。
【0038】
個別モードでは、型締シリンダ4cによる型閉工程(型締工程)→射出装置移動シリンダ4eによる射出装置Miの前進工程→射出シリンダ4aによる充填工程及び保圧工程→計量モータ4bによる計量工程→射出装置移動シリンダ4eによる射出装置Miの後退工程→型締シリンダ4cによる型開工程→突出しシリンダ4dによるエジェクタ工程の順に進行し、作動油供給回路5の二次側には、各動作工程に対応する各シリンダ4a,4c,4d,4e,計量モータ4bが各切換バルブ32a…により選択されて接続される。個別モードでは、油圧ポンプ2vpと2vqをそれぞれ単独で使用できるため、油圧ポンプ2vpによる型開工程と油圧ポンプ2vqによる計量工程をそれぞれ同時に独立して行うことができる。即ち、切換バルブ12を閉側に切換えた状態において射出装置Miを後退移動させる上述した後退工程が終了したなら、油圧ポンプ2vpと油圧ポンプ2vqを同時に作動させ、型開工程と計量工程を同時に独立して行うことができるため、サイクル時間を短縮できる。
【0039】
一方、合流モードに切換えた場合を想定する(ステップS5,S1)。これにより、モード切換部76は合流モード側76cに切換られ、各サーボ駆動部62p,62qの双方に、一方の圧力制御信号Sppが同時に付与される(ステップS2,S6)。また、圧力選択部75は合流モード側に切換られ、一方の偏差演算部71pの反転入力部には、予め設定した一つの圧力検出値Pdp,Pdq又はPdが付与される(ステップSf,S7)。即ち、設定された一つの圧力検出値Pdp,Pdq又はPdが各油圧ポンプ2vp,2vqに共通に使用される。
【0040】
この場合、一方の偏差演算部71pの反転入力部には圧力選択部75で設定された一つの圧力検出値Pdp,Pdq又はPdが圧力検出値Pipとして付与されるとともに、偏差演算部71pの非反転入力部に圧力目標値Pspが付与される。偏差演算部71pでは、圧力目標値Pspと圧力検出値Pipの偏差が得られ、この偏差は圧力補償部72pにより圧力補償された後、圧力制御信号Spqとなって双方のサーボ駆動部62p及び62qに同時に付与される。これにより、圧力検出値Pipが圧力目標値Pspに一致するように圧力に対するフィードバック制御が行われる。したがって、他方の偏差演算部71q及び圧力補償部72qは非使用状態となる。このように、合流モードにおいて、各圧力制御系7p,7qから選択した一つの圧力制御系7p(7q)を用いれば、合流モードにおける圧力制御の安定化を図れるとともに、消費電力の削減にも寄与できる。合流モードでは、二台の油圧ポンプ2vp,2vqから吐出する作動油が合流して各シリンダ4a,4c,4d,4e又は計量モータ4bに供給される。なお、合流モードであっても、型開工程と計量工程を同時に独立して行うことは可能である。
【0041】
よって、本実施形態に係る射出成形機Mでは、各油圧ポンプ2p,2qから吐出する作動油の圧力をそれぞれ検出する複数の圧力センサ6p,6qを設け、合流モードでは各圧力センサ6p,6qから得る一つの圧力検出値Pdp,Pdq又はPdを使用するとともに、個別モードでは各油圧ポンプ2p,2qに対して設けた各圧力センサ6p,6qから得る圧力検出値Pdp,Pdqをそれぞれ使用して圧力制御を行うようにしたため、油圧ポンプ2p,2qから吐出する作動油を合流して又は個別に供給する場合であっても、各供給態様における不安定挙動を回避して的確な圧力制御を行うことができる。
【0042】
次に、本発明の変更実施形態に係る射出成形機Mについて、図7及び図8を参照して説明する。
【0043】
図7に示す変更実施形態は、作動油供給回路5の二次側における接続態様を変更したものである。この場合、通常は切換バルブ12を閉側(個別モード)に切換え、一方の油圧ポンプ2vpを、型締装置Mcの型締シリンダ4cに使用し、また、他方の油圧ポンプ2vqを、型締装置Mcにおける突出しシリンダ4dに使用するとともに,射出装置Miにおける射出シリンダ4a,計量モータ4b及び射出装置移動シリンダ4eに使用する。そして、大流量が必要となる高速の充填工程においてのみ、切換バルブ12を開側に切換え、合流モードとする。図7の態様でも、油圧ポンプ2vpと2vqをそれぞれ単独で使用できるため、一方の油圧ポンプ2vpによる型開工程と他方の油圧ポンプ2vqによるエジェクタ工程を同時に独立して行うことができる。即ち、個別モードにおいて射出装置Miを後退移動させる上述した後退工程が終了したなら、油圧ポンプ2vpと油圧ポンプ2vqを同時に作動させ、型開工程とエジェクタ工程を同時に独立して行うことができ、この場合もサイクル時間を短縮できる利点がある。なお、合流モードであっても、上述した型開工程とエジェクタ工程を同時に独立して行うことは可能である。
【0044】
図8に示す変更実施形態は、作動油供給回路5を二つの切換バルブ13,14により構成したものである。なお、作動油供給回路5の二次側における接続態様は、図1と同じである。したがって、個別モード又は合流モードに切換えることができるとともに、型開工程と計量工程の同時動作が可能となるなど、各シリンダ4a,4c,4d,4e又は計量モータ4bを駆動する際の自由度の高い回路となる。具体的には、切換バルブ13及び14を共に閉側に切換えた状態での油圧ポンプ2vpによる型閉工程(型締工程)、切換バルブ13のみを開側に切換えた状態での油圧ポンプ2vpによる射出装置Miを前進移動させる前進工程、切換バルブ13及び14を共に開側に切換えた状態での油圧ポンプ2vp及び2vqの合流による充填工程、切換バルブ14のみを開側に切換えた状態での油圧ポンプ2vqによる保圧工程、切換バルブ13のみを開側に切換えた状態での油圧ポンプ2vpによる計量工程及び射出装置Miを後退移動させる後退工程、切換バルブ13及び14を共に閉側に切換えた状態での油圧ポンプ2vpによる型開工程及びエジェクタ工程をそれぞれ行うことができる。そして、この場合であっても、前述した型開工程と計量工程を同時に独立して行うことは可能である。
【0045】
その他、図示を省略したが、一方の油圧ポンプ2vpを各シリンダ4a,4c,4d,4e及び計量モータ4bの全てに接続するとともに、他方の油圧ポンプ2vqを油圧ポンプ2vpに対して合流又は合流解除できるようにしてもよい。この場合、一方の油圧ポンプ2vpのみで、各シリンダ4a,4c,4d,4e又は計量モータ4bを駆動できるとともに、必要に応じて他方の油圧ポンプ2vqを合流させることができる。したがって、大流量が必要となる高速の充填工程においてのみ合流モードとし、大流量の作動油を供給することにより高速の充填工程を行うことができるとともに、他の動作工程では、一方の油圧ポンプ2vpのみで各動作工程を行うことができる。
【0046】
このように、本実施形態に係る射出成形機Mによれば、大型の射出成形機Mであっても、射出成形機Mの最大能力に対応した大型の駆動モータ3が不要になるため、例えば、駆動モータ3としてサーボモータ3p…を使用する場合であっても、廉価なサーボモータ3p…を用意すれば足り、サーボ回路3pa…等を含む全体のイニシャルコストを低減できる。また、射出成形機Mにおける各動作工程に対して駆動モータ3の動作能力が適合しない領域を縮減できるため、制御の安定化を図ることができ、成形性及び成形品質の向上に寄与できるとともに、過大負荷の発生を回避或いは低減することにより、信頼性の向上及び長寿命化に寄与できる。しかも、駆動モータ3(サーボモータ3p…)の小型化により、駆動モータ3の回転数が小さくなる不安定領域に対する別途の対策が不要或いは縮減可能となり、省エネルギ性の向上及びランニングコストの削減に寄与できる。特に、切換手段5cを、油圧アクチュエータ4a…に対して複数の油圧ポンプ2p…から吐出する作動油を個別に供給する一又は二以上の切換バルブ12…により構成したため、本発明に係る射出成形機Mを容易かつ確実に実施できるとともに、制御の多様性,制御の的確性及び制御精度をより高めることができる利点がある。
【0047】
以上、最良の実施形態及び変更実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような各実施形態に限定されるものではなく、細部の構成(回路構成),回路部品等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
【0048】
例えば、回転数を可変制御して油圧ポンプ2…の吐出流量を制御する駆動モータ3…としてサーボモータ3p…を例示したが、同様の機能を有する他の駆動モータ3…を用いてもよい。また、油圧ポンプ2p…として、斜板角Rsの変更により複数の固定吐出流量Qo…を設定可能な可変吐出型油圧ポンプ2vp…を例示したが、固定吐出型油圧ポンプなど、他の油圧ポンプ2p…の使用を排除するものではない。さらに、二台の油圧ポンプ2p…(2vp…)を用いた場合を説明したが、三台以上用いても同様に実施することができる。一方、作動油供給回路5の構成として、油圧アクチュエータ4a…に対して二台(複数)の油圧ポンプ2p…から吐出する作動油を合流又は個別に供給する切換バルブ12…を備える回路例を示したが、例示以外の回路構成を排除するものではない。特に、図1,図7及び図8をはじめ、例示した各回路例における各部の構成は必要に応じて任意に組合わせることができる。また、作動油を合流して供給する際における圧力制御系7p,7qには、各圧力制御系7p,7qから選択した一つの圧力制御系7pを使用する態様を示したが、各圧力制御系7p,7qを使用し、一つの圧力検出値Pdp,Pdq又はPdを共通に使用する態様であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の最良の実施形態に係る射出成形機における圧力制御系を含む要部の油圧回路図、
【図2】同射出成形機の油圧駆動部を含む構成図、
【図3】同射出成形機における油圧駆動部のブロック回路図、
【図4】同射出成形機に備えるポンプユニットの外観正面図、
【図5】同射出成形機に備えるポンプユニットの外観側面図、
【図6】同射出成形機の要部の動作を説明するためのフローチャート、
【図7】本発明の変更実施形態に係る射出成形機の一部を示す油圧回路図、
【図8】本発明の他の変更実施形態に係る射出成形機の一部を示す油圧回路図、
【符号の説明】
【0050】
M:射出成形機,2:油圧ポンプ,2p:油圧ポンプ,2q:油圧ポンプ,2vp:可変吐出型油圧ポンプ,2vq:可変吐出型油圧ポンプ,3:駆動モータ,3p:サーボモータ,3q:サーボモータ,3pa:サーボ回路,3qa:サーボ回路,4a…:油圧アクチュエータ,5:作動油供給回路,5c:切換手段,6p:圧力センサ,6q:圧力センサ,7p:圧力制御系,7q:圧力制御系,8:油圧駆動部,12:切換バルブ,13:切換バルブ,14:切換バルブ,Pdp:圧力検出値,Pdq:圧力検出値,Pd:圧力検出値(平均値)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動モータの回転数を可変制御して吐出流量を制御する油圧ポンプを備え、この油圧ポンプにより油圧アクチュエータを駆動する射出成形機において、複数の油圧ポンプと、複数の油圧アクチュエータにおける選択した油圧アクチュエータに対して前記油圧ポンプから吐出する作動油を切換手段により合流して又は個別に供給する作動油供給回路と、各油圧ポンプから吐出する作動油の圧力をそれぞれ検出する複数の圧力センサと、作動油を合流して供給する際には前記圧力センサから得る一つの圧力検出値を使用し、かつ作動油を個別に供給する際には各油圧ポンプに対して設けた各圧力センサから得る圧力検出値をそれぞれ使用して圧力制御を行う複数の圧力制御系とを有する油圧駆動部を備えることを特徴とする射出成形機。
【請求項2】
作動油を合流して供給する際に前記圧力センサから得る一つの圧力検出値は、各圧力センサのいずれか一つから得る圧力検出値又は各圧力センサから得る圧力検出値の平均値を用いることを特徴とする請求項1記載の射出成形機。
【請求項3】
作動油を合流して供給する際の圧力制御系は、各圧力制御系から選択した一つの圧力制御系を用いることを特徴とする請求項1記載の射出成形機。
【請求項4】
複数の前記油圧ポンプには、同一定格の油圧ポンプを用いることを特徴とする請求項1記載の射出成形機。
【請求項5】
前記油圧ポンプは、斜板角の変更により複数の固定吐出流量を設定可能な可変吐出型油圧ポンプを用いることを特徴とする請求項1又は4記載の射出成形機。
【請求項6】
前記駆動モータは、サーボ回路に接続したサーボモータを用いることを特徴とする請求項1記載の射出成形機。
【請求項7】
前記切換手段は、前記油圧アクチュエータに対して複数の前記油圧ポンプから吐出する作動油を合流して又は個別に供給する一又は二以上の切換バルブにより構成することを特徴とする請求項1記載の射出成形機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−73936(P2008−73936A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−255365(P2006−255365)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(000227054)日精樹脂工業株式会社 (293)
【Fターム(参考)】