説明

導電ペースト、異方導電膜およびこれらを用いた電子機器の製造方法

【課題】異方導電膜を挟んで対向する電極間が、確実に導電接続されたか否かを、容易に確認できる異方導電膜を形成しうる導電ペーストと、前記異方導電膜と、これらを使用した電子機器の製造方法とを提供する。
【解決手段】導電ペーストは、接着性を有するバインダ中に、アスペクト比L/Dが1.5以上の異形導電粉末と、直径dがD≦d<Lである球状粉末とを含有させた。異方導電膜は、前記導電ペーストを、膜状に成形した。電子機器の製造方法は、透明な配線基板の電極と、電子回路部品の電極との間に、前記異方導電膜を介在させて、透明な配線基板の側から、球状粉末の圧縮状態を観察しながら、異方導電膜を、配線基板と電子回路部品とで挟んで厚み方向に圧縮させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電ペースト、および異方導電膜と、これらを使用して、配線基板上へ電子回路部品を実装して電子機器を製造するための製造方法とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
配線基板上に、半導体パッケージ等の電子回路部品を実装して電子機器を製造するための、エレクトロニクス実装による電子機器の製造方法の1つとして、感熱または感圧接着性を有し、配線基板上に形成した、多数の電極を備えた接続部と、電子回路部品に形成した、同じく多数の電極を備えた接続部との間に挟まれて、厚み方向に圧縮されることで、前記両者を接着すると共に、前記厚み方向への圧縮によって、膜の面方向の導電抵抗(「絶縁抵抗」という)が高く、かつ厚み方向の導電抵抗(「接続抵抗」という)が低くなる、いわゆる異方導電性を生じる異方導電膜を用いる方法がある。
【0003】
前記異方導電膜は、液状ないし半固形状の導電ペーストを、例えば、配線基板の接続部の表面に、膜状に塗布または印刷することで形成される。また、導電ペーストを、あらかじめ、膜状に成形して異方導電膜を作製し、前記異方導電膜を、配線基板の接続部と、電子回路部品の接続部との間に挟んで使用することも、一般的に行われている。
【0004】
異方導電膜のもとになる導電ペーストとしては、従来、感熱または感圧接着性を有するバインダ中に、長径Lと短径Dとの比で表されるアスペクト比L/Dが1.5未満の、粒状の導電粉末を分散させると共に、異方導電膜を圧縮しない状態での抵抗値が、先に説明した絶縁抵抗以上となり、かつ、圧縮した際の、厚み方向の抵抗値が、接続抵抗以下となるように、前記導電粉末の、式(1):
充填率(体積%)=(導電粉末の体積)/(固形分の総体積)×100 (1)
〔式中、固形分の総体積は、異方導電膜を形成する固形分の体積の合計量を示す。〕
で表される充填率を調整したものを用いるのが一般的である。
【0005】
しかし、近年の、電子機器類の高密度実装化に伴って、接続部に形成される電極のサイズが小さくなると共に、隣り合う電極間の間隔が小さくなる、いわゆるファインピッチ化が進行しつつあり、前記従来の導電ペーストを用いて形成した異方導電膜では、導電粉末の径が、電極のサイズや、隣り合う電極間の間隔よりも大きくなって、ファインピッチ化された電極間を、確実に導電接続できない場合が増加する傾向にある。
【0006】
そのため、ファインピッチ化に十分に対応するために、導電粉末の粒径を、電極のサイズや、隣り合う電極間の間隔よりも小さくすると共に、前記微小な導電粉末によって、膜の厚み方向の導電性を確保するために、導電粉末の充填率を増加させることが試みられているが、導電粉末の粒径を小さくすると、電極の、高さ方向のばらつきに、十分に対応できなくなるおそれがあり、また、充填率を増加させると、膜の面方向の導電性も高くなって、隣り合う電極間での短絡を引き起こしやすくなるという問題がある。
【0007】
そこで、導電粉末として、長径Lと短径Dとの比で表されるアスペクト比L/Dが1.5以上といった、形状異方性の大きい異形導電粉末を使用すると共に、前記異形導電粉末の長径方向を、異方導電膜の厚み方向に配向させることが提案されている。
【0008】
例えば、特許文献1、2には、いわゆる液相還元法によって、強磁性を有する金属のイオンと、還元剤とを含む液中で、前記還元剤の作用によって、金属のイオンを還元して微小な金属粒子として析出させると共に、析出させた金属粒子を、自身の持つ磁性によって鎖状に繋がらせて鎖状金属粉末を製造し、前記鎖状粉末を、異形導電粉末として、膜の厚み方向に配向させた状態で、異方導電膜に含有させることが記載されている。
【0009】
前記異方導電膜によれば、異形導電粉末の長径Lを、電極の、高さ方向のばらつきよりも大きい範囲に設定することで、前記ばらつきに対応することができる。また、短径Dを、電極のサイズや、隣り合う電極間の間隔よりも小さい範囲に設定することで、電極のファインピッチ化にも対応することができる。その上、長径Lと短径Dの比であるアスペクト比L/Dを調整することで、異形導電粉末の充てん量を、異方導電膜の面方向の抵抗値が絶縁抵抗以上となるように設定しながら、前記膜の、厚み方向の抵抗値を、接続抵抗以下に調整することもできる。
【特許文献1】特開2003−331951号公報
【特許文献2】特開2004−119063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記異方導電膜を介して、配線基板上に、半導体パッケージ等の電子回路部品を接着して実装する際には、前記両者の、異方導電膜を挟んで互いに対向する電極間が、異方導電膜中の異形導電粉末によって確実に導電接続されるまで、電子回路部品を、配線基板の方向に押し込む等して、異方導電膜を、厚み方向に圧縮させる必要がある。
【0011】
そこで、押し込んだ際に、対向する電極間が、異形導電粉末によって、確実に導電接続されたか否かを確認するために、配線基板を、透明基板と、透明導電材料からなる電極とによって形成して、前記透明な配線基板の側から、異方導電膜中の異形導電粉末の圧縮状態を観察しながら、実装作業を行うことが検討されている。
【0012】
ところが、押し込みによって異方導電膜が厚み方向に圧縮された際に、異形導電粉末は、その長径が、圧縮方向に押し潰されるように変形する場合と、全体が、膜の面方向に倒れ込む場合とがあり、このいずれの場合にも、対向する電極間は、良好に導電接続されるものの、前者の場合には、透明導電材料からなる電極に対する接触部分での、異形導電粉末の形状が変化したり、径が大きくなったりすることで、導電接続されたことを確認できるのに対し、後者の場合には、前記接触部分での、異形導電粉末の形状や径には殆ど変化が見られないことから、導電接続されたことを十分に確認できない場合が生じるという問題がある。
【0013】
本発明の目的は、異方導電膜を挟んで対向する電極間が、異形導電粉末によって確実に導電接続されたか否かを、容易に確認できる異方導電膜を形成しうる導電ペーストと、前記導電ペーストを用いて形成される異方導電膜と、これらを使用した電子機器の製造方法とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1記載の発明は、長径Lと短径Dとの比で表されるアスペクト比L/Dが1.5以上の異形導電粉末と、直径dがD≦d<Lである球状粉末と、接着性を有するバインダとを含有することを特徴とする導電ペーストである。
【0015】
請求項1記載の発明の導電ペーストによれば、前記導電ペーストを用いて形成した異方導電膜を、配線基板と電子回路部品の、対向する電極間に介在させた状態で、電子回路部品を、配線基板の方向に押し込む等した際に、異方導電膜中に存在する球状粉末が押し潰されたか否かを確認するだけで、同じ異方導電膜中に存在する異形導電粉末の挙動に拘らず、対向する電極間が、異形導電粉末によって導電接続されたか否かを確認することが可能となる。
【0016】
球状粉末は、導電性を有していても良いし、有していなくても構わないが、前記球状粉末は、たとえ導電性を有していても、異形導電粉末のように、電極の高さのばらつきに、十分に対応することができず、対向する電極間の導電接続に、確実に寄与し得ない成分であるので、その、導電ペーストの単位体積あたりの個数NB(個/mm3)は、請求項2に記載したように、異形導電粉末の、前記単位体積あたりの個数NA(個/mm3)より小さくする、つまりNA>NBとするのが好ましい。
【0017】
異形導電粉末としては、寸法や形状等が揃ったものを、生産性良く製造することを考慮すると、請求項3に記載したように、液相還元法によって製造され、微小な金属粒子を鎖状に連結した形状を有する鎖状金属粉末が好ましい。また、鎖状金属粉末は、電極の、高さ方向のばらつきに対応すると共に、電極のファインピッチ化にも対応し、しかも、膜の面方向の抵抗値が絶縁抵抗以上となるように、その充てん量を設定した状態で、膜の厚み方向に対向して配設された電極間で、良好な導電接続を形成する効果を、より確実に得ることを考慮すると、請求項3に記載したように、アスペクト比L/Dが3.0以上で、かつ、短径Dが1μm以下であるのが好ましい。
【0018】
請求項4記載の発明は、透明基板の片面に、透明導電材料からなる電極を備えた配線基板の、前記電極と、前記配線基板上に実装される電子回路部品の電極のうち、少なくとも一方の上に、請求項1記載の導電ペーストを、塗布または印刷して異方導電膜を形成する工程と、前記配線基板の側から、異方導電膜中の球状粉末の圧縮状態を観察しながら、異方導電膜を、配線基板と電子回路部品とで挟んで厚み方向に圧縮させることで、配線基板と電子回路部品とを、異方導電膜を介して接着させる工程とを含むことを特徴とする電子機器の製造方法である。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、透明な配線基板の側から、異方導電膜中の球状粉末の圧縮状態を観察しながら、前記異方導電膜を、配線基板と電子回路部品とで挟んで厚み方向に圧縮させることによって、前記両者の、異方導電膜を挟んで対向する電極間を、異形導電粉末の挙動に拘らず、前記異形導電粉末によって、確実に導電接続した状態で、配線基板と電子回路部品とを、異方導電膜を介して接着させて電子機器を製造することが可能となる。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の導電ペーストを、膜状に成形したことを特徴とする異方導電膜である。また、請求項6記載の発明は、異形導電粉末の長径方向が、膜の厚み方向に配向されている請求項5記載の異方導電膜である。請求項5、6記載の発明によれば、あらかじめ成形した異方導電膜を使用することで、より簡便に、しかも配線基板と電子回路部品の、異方導電膜を挟んで対向する電極間を、異形導電粉末の挙動に拘らず、前記異形導電粉末によって、確実に導電接続した状態で、配線基板と電子回路部品とを、異方導電膜を介して接着させることが可能となる。
【0021】
請求項7記載の発明は、透明基板の片面に、透明導電材料からなる電極を備えた配線基板の、前記電極と、前記配線基板上に実装される電子回路部品の電極との間に、請求項5記載の異方導電膜を介在させる工程と、前記配線基板の側から、異方導電膜中の球状粉末の圧縮状態を観察しながら、異方導電膜を、配線基板と電子回路部品とで挟んで厚み方向に圧縮させることで、配線基板と電子回路部品とを、異方導電膜を介して接着させる工程とを含むことを特徴とする電子機器の製造方法である。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、透明な配線基板の側から、異方導電膜中の球状粉末の圧縮状態を観察しながら、前記異方導電膜を、配線基板と電子回路部品とで挟んで厚み方向に圧縮させることによって、前記両者の、異方導電膜を挟んで対向する電極間を、異形導電粉末の挙動に拘らず、前記異形導電粉末によって、確実に導電接続した状態で、配線基板と電子回路部品とを、異方導電膜を介して接着させて電子機器を製造することが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、異方導電膜を挟んで対向する電極間が、異形導電粉末によって確実に導電接続されたか否かを、容易に確認できる異方導電膜を形成しうる導電ペーストと、前記導電ペーストを用いて形成される異方導電膜と、これらを使用した電子機器の製造方法とを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
《導電ペースト》
本発明の導電ペーストは、長径Lと短径Dとの比で表されるアスペクト比L/Dが1.5以上の異形導電粉末と、直径dがD≦d<Lである球状粉末と、接着性を有するバインダとを含有することを特徴とする。
【0025】
前記各成分のうち、異形導電粉末のアスペクト比L/Dが1.5以上に限定されるのは、前記範囲未満では、異形導電粉末を使用することによる、電極の、高さ方向のばらつき、および、電極のファインピッチ化に、十分に対応すると共に、異方導電膜の面方向の抵抗値が絶縁抵抗以上となるように、充てん量を設定した状態で、異方導電膜を挟んで対向して配設された電極間で、良好な導電接続を形成する効果が得られないためである。
【0026】
異形導電粉末としては、いわゆる液相還元法によって、強磁性を有する金属のイオンと、還元剤とを含む液中で、前記還元剤の作用によって、金属のイオンを還元して微小な金属粒子として析出させると共に、析出させた金属粒子を、自身の持つ磁性によって鎖状に繋がらせて製造した鎖状金属粉末を用いるのが好ましい。
【0027】
また、鎖状金属粉末は、アスペクト比L/Dが3.0以上で、かつ、短径Dが1μm以下であるのが好ましい。アスペクト比L/Dと、短径Dとを、前記範囲内とすることにより、先に説明した、電極の、高さ方向のばらつき、および、電極のファインピッチ化に、十分に対応すると共に、異方導電膜の面方向の抵抗値が絶縁抵抗以上となるように、充てん量を設定した状態で、異方導電膜を挟んで対向して配設された電極間で、良好な導電接続を形成する効果を、さらに向上することができる。
【0028】
なお、球状粉末およびバインダを混合して導電ペーストを調製する際等のせん断力によって、異形導電粉末が、途中で切断されたりするのを防止することを考慮すると、異形導電粉末の短径Dは、前記範囲内でも0.05μm以上、特に0.1〜0.5μmであるのが好ましく、アスペクト比L/Dは、前記範囲内でも5.0〜20.0であるのが好ましい。また、異形導電粉末が、膜の面方向に横倒しになった際に、隣り合う電極間を短絡させるのを防止することを考慮すると、異形導電粉末の長径Lは、隣り合う電極間の間隔の0.9倍以下、特に0.1〜0.5倍であるのが好ましい。
【0029】
鎖状金属粉末は、その全体を、強磁性を有する金属単体、強磁性を有する2種以上の金属の合金、強磁性を有する金属と他の金属との合金、もしくは強磁性を有する金属を含む複合体によって形成することができる。
【0030】
例えば、鎖状金属粉末としては、
(a) 強磁性を有する金属単体、強磁性を有する2種以上の金属の合金、または強磁性を有する金属と他の金属との合金から形成した金属粒子を、多数、自身の磁性によって鎖状に繋がらせたもの、
(b) 前記(a)の鎖状金属粉末の表面を、さらに、強磁性を有する金属単体、強磁性を有する2種以上の金属の合金、または強磁性を有する金属と他の金属との合金からなる金属層で被覆して、金属粒子間を強固に結合させたもの、
(c) 前記(a)の金属粒子を芯材として、その表面に、他の金属や合金からなる金属層を被覆した複合粒子を、多数、芯材の磁性によって鎖状に繋がらせたもの、
(d) 前記(a)(b)または(c)の鎖状金属粉末の表面に、さらに、他の金属や合金からなる金属層を被覆したもの、
等が挙げられる。
【0031】
鎖状金属粉末を、液相還元法によって製造する際に使用する還元剤としては、3価のチタンイオン(Ti3+)が好ましい。還元剤として、3価のチタンイオンを用いた場合には、鎖状金属粉末を形成した後の、チタンイオンが4価に酸化した水溶液を電解再生して、チタンイオンを再び3価に還元することによって、繰り返し、鎖状金属粉末の製造に利用可能な状態に再生できるという利点がある。
【0032】
また、還元剤として3価のチタンイオンを用いた液相還元法としては、四塩化チタン等の、4価のチタン化合物の水溶液を電解して、4価のチタンイオンの一部を3価に還元して還元剤水溶液を調製した後、前記還元剤水溶液と、鎖状金属粉末のもとになる金属のイオンを含む水溶液(反応液)とを混合して、3価のチタンイオンが4価に酸化する際の還元作用によって金属のイオンを還元、析出させて鎖状金属粉末を製造する方法が好ましい。
【0033】
前記方法においては、あらかじめ、系中に存在する4価のチタンイオンが、金属粒子の成長を抑制する成長抑制剤として機能する。また、還元剤水溶液中で、3価のチタンイオンと4価のチタンイオンとは、複数個ずつがクラスターを構成して、全体として、水和および錯体化した状態で存在する。そのため、1つのクラスター中で、3価のチタンイオンによる、金属粒子を成長させる機能と、4価のチタンイオンによる、金属粒子の成長を抑制する機能とが、1つの同じ金属粒子に作用しながら、金属粒子と、それが多数繋がった鎖状金属粉末とが形成される。
【0034】
したがって金属粒子の真球度を高めることができる上、平均粒径が400nm以下という微細な金属粒子が鎖状に繋がれた、短径Dが1μm以下の鎖状金属粉末を、容易に製造することができる。しかも、前記製造方法では、電解条件を調整して、還元剤水溶液中における、3価のチタンイオンと4価のチタンイオンとの存在比率を調整することによって、先に説明した、クラスター中での、両イオンの、相反する機能の割合を制御できるため、金属粒子の平均粒径を、任意に制御することも可能である。
【0035】
前記液相還元法を実施すると、液中に、金属粒子が析出するとともに、先に説明したように、自身の磁性によって多数が鎖状に繋がって鎖状金属粉末が形成される。また、このあとさらに析出を続けると、形成された鎖状金属粉末の表面に、さらに金属層が析出して、金属粒子同士が強固に結合される。つまり、先に説明した(a)(b)等の鎖状金属粉末や、そのもとになる金属粒子、あるいは(c)の鎖状金属粉末のもとになる複合体のうち芯材等が形成される。
【0036】
強磁性を有する金属または合金としては、例えばNi、Fe、Coおよびこれらの2種以上の合金等が挙げられ、特にNi単体やNi−Fe系合金(パーマロイ等)が好ましい。また、(c)の鎖状金属粉末のもとになる複合体のうち、芯材を被覆する金属層や、(d)の鎖状金属粉末の表面を被覆する金属層を形成する他の金属または合金としては、例えばAg、Cu,Au、Rhおよびこれらの2種以上の合金等が挙げられ、特に、導電性に優れたAgが好ましい。前記金属層は、例えば無電解めっき法、電解めっき法、液相還元法、真空蒸着法等の、種々の成膜方法によって形成することができる。
【0037】
球状粉末としては、導電性を有する、または有しない種々の材料からなり、その粒径dが、鎖状金属粉末等の異形導電粉末の長径Lおよび短径Dに対してD≦d<Lを満足する球状粒子が、いずれも使用可能である。特に、異方導電膜を、配線基板と電子回路部品とで挟んで厚み方向に圧縮させた際に、その圧力によって容易に押し潰される樹脂粉末が好ましい。
【0038】
また、樹脂粉末としては、種々の樹脂からなるものを用いることができるが、特に、バインダとして、感熱接着性を有する熱硬化性樹脂を使用する場合には、その硬化温度で容易に溶解したりしない、耐熱性を有する樹脂の粉末が好ましい。具体例としては、例えば、ベンゾグアナミン樹脂、ポリジビニルベンゼン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂等が挙げられる。樹脂粉末は、異形導電粉末による、対向する電極間の導電接続を補助するため、その表面を、Ag、Cu,Au、Rh、Niおよびこれらの2種以上の合金等によって被覆して導電性を付与しても良い。
【0039】
球状粉末の直径dがD≦d<Lの範囲に限定されるのは、前記範囲未満、つまり球状粉末の直径dが、異形導電粉末の短径D未満では、前記異形導電粉末が、膜の面方向に、完全に横倒しになった状態でも、対向する電極間の間隔が、球状粉末の直径dより大きい短径Dに維持されることになり、球状粉末の圧縮状態を観察しても、対向する電極間が、異形導電粉末によって導電接続されたか否かを確認することができないためである。
【0040】
一方、球状粉末の直径dが、異形導電粉末の長径L以上では、前記粒径の大きい球状粉末によって、異方導電膜の、厚み方向の圧縮が妨げられて、異形導電粉末による、対向する電極間の導電接続が、十分に得られないためである。なお、これらの問題を併せ考慮すると、球状粉末の直径dは、前記範囲内でも、特に、異形導電粉末の短径Dの1.5〜10.0倍であるのが好ましい。
【0041】
本発明では、球状粉末の直径dを、前記球状粉末を、直接に、電子顕微鏡で観察して測定した数平均粒径で表すこととする。また、異形導電粉末の長径Lおよび短径Dを、任意に抽出した1000個の異形導電粉末を、直接に、電子顕微鏡で計測した結果で表すこととする。
【0042】
球状粉末の、導電ペーストの単位体積あたりの個数NB(個/mm3)は、対向する電極間の導電接続に、主として寄与する成分である異形導電粉末の、前記単位体積あたりの個数NA(個/mm3)より小さい、つまりNA>NBであるのが好ましい。なお、個数NA、NBは、異形導電粉末の長径L、短径D、および球状粉末の直径dから求められる、両粉末の体積と、前記両粉末の、導電ペーストへの配合割合(体積%)とから求めることができる。
【0043】
球状粉末の個数NBが、異形導電粉末の個数NAと等しいか、または個数NAより大きい場合には、前記球状粉末が導電性を有しない場合は言うまでもなく、たとえ導電性を有していても、電極の高さのばらつきに十分に対応できず、対向する電極間の導電接続に、確実に寄与し得ない成分であることから、相対的に、異形導電粉末の個数が少なくなることと相まって、対向する電極間の導電接続が、不十分になるおそれがある。
【0044】
バインダとしては、感熱もしくは感圧接着性と、異方導電膜を形成しうる成膜性とを有する種々の化合物が、いずれも使用可能である。前記バインダとしては、例えば熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等が挙げられる。特に、感熱接着性を有し、配線基板上に電子回路部品を実装する際の加熱によって硬化反応して、その後の熱履歴によって流動しなくなるため、異形導電粉末による、初期の導電接続状態を、その後も維持することができる熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂としては、例えば、熱硬化性アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。
【0045】
また、熱硬化性樹脂を使用する場合、導電ペーストには、前記熱硬化性樹脂を硬化させるための硬化剤が配合される。硬化剤としては、例えば室温(5〜35℃)では硬化反応せず、熱接着時の加熱によって初めて反応する、いわゆる潜在性硬化剤が好ましい。潜在性硬化剤としては、例えば、熱接着温度に達するとマイクロカプセルが溶解して、内部に封入してあった硬化剤成分が、熱硬化性樹脂と接触して硬化反応を進行させる、マイクロカプセル型のもの等が挙げられる。硬化剤は、熱硬化性樹脂を十分に硬化させるに足る配合量、好ましくは理論当量分だけ配合すればよい。
【0046】
バインダが半固形ないし固形の樹脂である場合、導電ペーストには、流動性を付与するために、溶剤を配合しても良い。また、バインダとして、例えば液状の熱硬化性樹脂等を使用して、溶剤を省略したり、その配合量を少なくしたりしても良い。
【0047】
本発明の導電ペーストは、前記各成分を、所定の割合で配合して製造される。各成分の、具体的な配合割合は、特に限定されないが、異形導電粉末の配合割合は0.01〜5.0体積%、特に0.05〜1.0体積%であるのが好ましい。異形導電粉末の配合割合が、前記範囲未満では、異方導電膜の厚み方向に、十分な導電性を付与できないおそれがある。また、前記範囲を超える場合には、相対的に、バインダや溶剤の配合割合が少なくなるため、導電ペーストの流動性、成膜性等が低下するおそれがある。
【0048】
球状粉末は、先に説明したように、導電ペーストの単位体積あたりの個数NBが、異形導電粉末の個数NAより少なくなるように、その配合割合を設定すればよいが、前記球状粉末は、異方導電膜の圧縮状態を知る指標として、透明な配線基板側から圧縮状態を観察できればよいことから、導電ペーストの流動性、成膜性等が低下するのを防止すること等を併せ考慮すると、その配合割合は、前記範囲内でも、できるだけ少ないことが好ましく0.005〜1.0体積%、特に0.01〜0.5体積%であるのが好ましい。
【0049】
球状粉末の配合割合が、前記範囲未満では、導電ペーストの単位体積あたりの個数NBが少なくなりすぎるため、透明な配線基板側から、圧縮状態を十分に観察できなくなって、上で述べた、異方導電膜の圧縮状態を知る指標としての機能が得られないおそれがある。また、前記範囲を超える場合には、相対的に、バインダや溶剤の配合割合が少なくなるため、導電ペーストの流動性、成膜性等が低下するおそれがある。
【0050】
本発明の導電ペーストは、例えば、配線基板の接続部の表面に、直接に塗布または印刷して、異方導電膜を形成するために使用することができる。また、本発明の導電ペーストを、あらかじめ、膜状に成形して、本発明の異方導電膜を作製し、前記異方導電膜を、配線基板の接続部と、電子回路部品の接続部との間に挟んで使用することもできる。
【0051】
前者の場合には、本発明の導電ペーストを、配線基板の接続部の表面に塗布または印刷して、所定の厚みを有する塗膜を形成すると共に、異形導電粉末が、先に説明した、強磁性を有する金属を含む鎖状金属粉末である場合には、前記塗膜の厚み方向に磁場を印加する等して、鎖状金属粉末の長径方向を、塗膜の厚み方向に配向させる。
【0052】
そして、鎖状金属粉末を配向させた状態で、塗膜を乾燥(溶剤を含む場合)、もしくは半硬化(バインダが熱硬化性樹脂である場合)させて、固化させることによって、異方導電膜が形成される。異方導電膜の厚みは、前記異方導電膜上に、電子回路部品を圧着させた際に、対向する電極間を、異形導電粉末によって良好に導電接続させることを考慮すると10〜100μmであるのが好ましい。
【0053】
《異方導電膜》
後者の、本発明の異方導電膜を作製するには、前記本発明の導電ペーストを、適当な下地上に塗布して、所定の厚みを有する塗膜を形成すると共に、異形導電粉末が、先に説明した、強磁性を有する金属を含む鎖状金属粉末である場合には、前記塗膜の厚み方向に磁場を印加する等して、鎖状金属粉末の長径方向を、塗膜の厚み方向に配向させる。
【0054】
そして、鎖状金属粉末を配向させた状態で、塗膜を乾燥(溶剤を含む場合)、もしくは半硬化(バインダが熱硬化性樹脂である場合)させて、固化させた後、下地からはく離することで、異方導電膜が作製される。異方導電膜の厚みは、配線基板と電子回路部品の、対向させた接続部間に挟んで圧着させた際に、対向する電極間を、異形導電粉末によって良好に導電接続させることを考慮すると、やはり10〜100μmであるのが好ましい。
【0055】
《電子機器の製造方法》
本発明の電子機器の製造方法は、先に説明したように、本発明の導電ペーストを、配線基板の接続部の表面に塗布または印刷して形成した異方導電膜、または、本発明の導電ペーストを、あらかじめ、膜状に成形して作製した、本発明の異方導電膜を使用して実施することができる。
【0056】
前者の場合には、まず、透明基板の片面に、透明導電材料からなる電極を備えた接続部を有する配線基板を用意し、前記配線基板の接続部の表面に、本発明の導電ペーストを使用して、先に説明した手順で、所定の厚みを有する異方導電膜を形成する。また、後者の場合には、配線基板の接続部の表面に、本発明の異方導電膜を位置合わせしながら重ねて加圧することで、仮接着させる。
【0057】
仮接着の際、加熱して、異方導電膜を軟化させると、配線基板の接続部における、電極のある部分とない部分との凹凸等の、表面形状への追従性を向上させることができる。異方導電膜に含まれるバインダが熱硬化性樹脂である場合、加熱の温度は、先に説明した潜在性硬化剤の設定温度等によって規定される、熱硬化性樹脂の硬化開始温度未満とするのが好ましい。
【0058】
次に、配線基板と電子回路部品の、それぞれの接続部を構成する電極を、互いに位置合わせしながら、電子回路部品を、配線基板上に形成または仮接着した異方導電膜上に載置して固定する。そして、配線基板の側から、異方導電膜中の球状粉末の圧縮状態を観察しながら、前記異方導電膜を、配線基板と電子回路部品とで挟んで、所定の圧力で、厚み方向に圧縮させることで、配線基板と電子回路部品とを、異方導電膜を介して本接着させる。
【0059】
そうすると、異形導電粉末が、圧縮方向に押し潰されるように変形する場合と、膜の面方向に倒れ込む場合とに関係なく、球状粉末の圧縮状態を見るだけで、つまり、球状粉末がどの程度まで押し潰されたかを確認するだけで、配線基板と電子回路部品の、対向する電極間が、異形導電粉末によって確実に導電接続されたか否かを確認しながら、電子回路部品を、異方導電膜を介して、配線基板上に実装して電子機器を製造することができる。そのため、配線基板と電子回路部品の、異方導電膜を挟んで対向する電極間が、異形導電粉末によって導電接続されない接続不良が発生するのを防止して、配線基板上に電子回路部品が実装された電子機器の、製造の歩留まりを向上することができる。
【0060】
なお、バインダが熱硬化性樹脂である場合には、前記本接着時の圧縮と同時に、または圧縮後に、配線基板と異方導電膜と電子回路部品との積層体を、熱硬化性樹脂の硬化開始温度以上に加熱して、硬化反応させればよい。本明細書で言うところの電子回路部品には、半導体パッケージその他、配線基板上に実装される各種素子が含まれる他、他の配線基板も含まれるものとする。すなわち、本発明の電子機器の製造方法は、配線基板同士を、導電ペーストまたは異方導電膜を介して接続する場合にも適用することができる。
【実施例】
【0061】
《実施例1》
(異方導電膜の作製)
異形導電粉末としては、液相還元法によって作製した、長径Lが3μm、短径Dが0.3μm、アスペクト比L/Dが10.0の、直鎖状Ni粉末を用いた。また、球状粉末としては、直径dが2.5μmで、かつ表面がAuでコートされたスチレン−アクリル樹脂製の粉末を用いた。
【0062】
まず、バインダとしての、2種の固形エポキシ樹脂〔旭化成(株)製の品番6099(樹脂Aとする)、品番6144(樹脂Bとする)〕と、マイクロカプセル型潜在性硬化剤〔旭化成(株)製の品番HX3721(硬化剤とする)〕とを、重量比で樹脂A/樹脂B/硬化剤=70/30/40の割合で、溶剤としての、酢酸ブチル75重量部とメチルイソブチルケトン25重量部との混合溶媒に溶解して、樹脂分、つまり樹脂A、樹脂Bおよび硬化剤の合計の濃度が40重量%である樹脂溶液を調製した。
【0063】
次に、前記樹脂溶液に、直鎖状Ni粉末と、球状粉末とを配合し、遠心撹拌ミキサーを用いて撹拌して均一に分散させることで、導電ペーストを調製し、前記導電ペーストを、PETフィルム上に、ドクターナイフを用いて塗布した後、40mTの磁場をかけながら80℃で5分間、次いで100℃で10分間、加熱して溶剤を除去すると共に、樹脂を半硬化させて、鎖状Ni粉末の長径方向が、膜の厚み方向に配向された状態で固定された、厚み40μmの異方導電膜を作製した。
【0064】
(実装試験)
透明なガラス基板の片面に、ITO透明導電膜からなる、幅15μm、長さ50μm、厚み2μmの電極が複数、形成された配線基板を用意し、前記配線基板の電極上に異方導電膜を重ねて、80℃に加熱しながら0.1N/mm2の圧力で10秒間、加圧して仮接着した。
【0065】
次に、電子回路部品のモデルとして、ガラス基板の片面に、Al膜からなる、幅15μm、長さ50μm、厚み2μmの電極が複数、形成されたものを用意し、前記モデルの電子回路部品を、先に、配線基板上に仮接着した異方導電膜上に、両者の電極を位置合わせしながら重ねた状態で、透明な配線基板の側から、異方導電膜中の球状粉末の圧縮状態を観察しながら、前記異方導電膜を、配線基板と電子回路部品とで挟んで、加熱温度200℃、圧力3N/mm2の条件で、厚み方向に圧縮させると共に、異方導電膜を構成するエポキシ樹脂を硬化反応させて本接着させた。
【0066】
前記実装作業中に、透明な配線基板側から観察した球状粉末の圧縮状態を、図1、図3、図5に示す。また、断面方向から観察した球状粉末の圧縮状態を図2、図4、図6に示す。図1、図2は、異方導電膜を挟んで対向する電極間の間隔が2.5μmより大きい状態での、球状粉末の圧縮状態を示しており、この際の、両電極間の抵抗値は5Ωを超えており、前記両電極間は、鎖状Ni粉末によって導電接続されていないことが判った。また、図3、図4は、電極間の間隔が1.5〜2.5μmであるときの、球状粉末の圧縮状態を示しており、この際の、両電極間の抵抗値は2〜5Ωであって、前記両電極間は、一部で、鎖状Ni粉末によって導電接続されているものの、いまだ十分でないことが判った。
【0067】
さらに図5、図6は、電極間の間隔が1.5μm未満であるときの、球状粉末の圧縮状態を示しており、この際の、両電極間の抵抗値は2Ω未満であって、前記両電極間が、鎖状Ni粉末によって良好に導電接続されたことが判った。そして、以上の結果から、球状粉末の圧縮状態を確認することで、異方導電膜を挟んで対向する電極間が、鎖状Ni粉末によって確実に導電接続されたか否かを、容易に確認できることが判った。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施例において、実装作業中に、透明な配線基板側から観察した、異方導電膜を挟んで対向する電極間の間隔が2.5μmより大きい状態での、球状粉末の圧縮状態を示す実体顕微鏡写真である。
【図2】図1の圧縮状態を断面方向から観察した、実体顕微鏡写真である。
【図3】本発明の実施例において、実装作業中に、透明な配線基板側から観察した、前記両電極間の間隔が1.5〜2.5μmであるときの、球状粉末の圧縮状態を示す実体顕微鏡写真である。
【図4】図3の圧縮状態を断面方向から観察した、実体顕微鏡写真である。
【図5】本発明の実施例において、実装作業中に、透明な配線基板側から観察した、前記両電極間の間隔が1.5μm未満であるときの、球状粉末の圧縮状態を示す実体顕微鏡写真である。
【図6】図5の圧縮状態を断面方向から観察した、実体顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長径Lと短径Dとの比で表されるアスペクト比L/Dが1.5以上の異形導電粉末と、直径dがD≦d<Lである球状粉末と、接着性を有するバインダとを含有することを特徴とする導電ペースト。
【請求項2】
単位体積あたりの、異形導電粉末の個数NA(個/mm3)と、球状粉末の個数NB(個/mm3)とが、NA>NBである請求項1記載の導電ペースト。
【請求項3】
異形導電粉末が、微小な金属粒子を鎖状に連結した形状を有し、アスペクト比L/Dが3.0以上で、かつ、短径Dが1μm以下の鎖状金属粉末である請求項1記載の導電ペースト。
【請求項4】
透明基板の片面に、透明導電材料からなる電極を備えた配線基板の、前記電極と、前記配線基板上に実装される電子回路部品の電極のうち、少なくとも一方の上に、請求項1記載の導電ペーストを、塗布または印刷して異方導電膜を形成する工程と、前記配線基板の側から、異方導電膜中の球状粉末の圧縮状態を観察しながら、異方導電膜を、配線基板と電子回路部品とで挟んで厚み方向に圧縮させることで、配線基板と電子回路部品とを、異方導電膜を介して接着させる工程とを含むことを特徴とする電子機器の製造方法。
【請求項5】
請求項1記載の導電ペーストを、膜状に成形したことを特徴とする異方導電膜。
【請求項6】
異形導電粉末の長径方向が、膜の厚み方向に配向されている請求項5記載の異方導電膜。
【請求項7】
透明基板の片面に、透明導電材料からなる電極を備えた配線基板の、前記電極と、前記配線基板上に実装される電子回路部品の電極との間に、請求項5記載の異方導電膜を介在させる工程と、前記配線基板の側から、異方導電膜中の球状粉末の圧縮状態を観察しながら、異方導電膜を、配線基板と電子回路部品とで挟んで厚み方向に圧縮させることで、配線基板と電子回路部品とを、異方導電膜を介して接着させる工程とを含むことを特徴とする電子機器の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−4429(P2008−4429A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−174007(P2006−174007)
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】