説明

小型エンジンの排気制御弁

【課題】小型エンジン用燃料タンクのための弁アセンブリを提供する。
【解決手段】小型エンジンの燃料タンク12のための弁アセンブリ10は、ハウジング14を含む。膜28は、ハウジング14によって支持されて、ハウジング開口30を覆う。膜28は、この膜28を通り、ハウジングキャビティ20内に入る蒸気の通路を可能にし、また、液体が膜28を通過するのを阻止する。圧力リリーフ弁34は、ハウジング14により支持され、ハウジングキャビティ20を通る蒸気の流れを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁アセンブリに関し、特に、小型エンジン用燃料タンクのための液体分別式弁アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料タンクのために燃料レベル及び蒸気流を制御する弁アセンブリが知られている。燃料タンクは、燃料をエンジンに伝達するための重力送りシステム上で一般的に作動する小型エンジンと共に用いられる。重力送りシステムを用いて、燃料タンク内の圧力を維持することは望ましい。しかし、重力送りシステムは、真空状態で作動させることができない。そのため、弁アセンブリは、燃料タンク内の蒸気を排気させ、そして、燃料タンク内の圧力レベルを維持しなければならない。周知のように、蒸気は、一般的にエンジンのための吸入ライン内に排気される。さらに、これらの弁アセンブリは、燃料レベルの変化の結果として燃料タンク内の圧力を維持するために、蒸気を排気することになる。
【0003】
ロールオーバー弁は、燃料タンク内に設けられ、液体が弁アセンブリに到達するのを防止する。しかし、液体のいくらかは、通常のタンクの使用中、液体のスロッシングにより、弁アセンブリを介して排出することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
小型エンジン用燃料タンクのための弁アセンブリが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この弁アセンブリは、ハウジングを含む。ハウジングは、ハウジングキャビティとハウジング開口を形成する。ハウジング開口は、蒸気を燃料タンクからハウジングキャビティに排気することを可能にする。また、蒸気出口は、ハウジングによって形成され、蒸気がハウジングキャビティから出ることを可能にする。膜が、ハウジング開口下方のハウジングによって支持され、その結果、蒸気が膜を介して蒸気キャビティに到達するようになる。この膜は、蒸気を通過させ、かつ膜を介して液体が通過するのを防止する。圧力リリーフ弁は、ハウジングを介して流れる蒸気を制御できるように、ハウジングによって支持されている。
【0006】
本発明の上記特徴及び利点ならびに他の特徴及び利点は、添付の図面に関連して見るとき、以下の詳細な記載から本発明を実行するための最良の形態が容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】燃料タンクに取り付けた小型エンジン弁アセンブリを示す概略断面図である。
【図2】小型エンジンの弁アセンブリの第2実施形態を示す概略断面図である。
【図3】小型エンジンの弁アセンブリの第3実施形態を示す概略断面図である。
【図4】小型エンジンの弁アセンブリの第4実施形態を示す概略断面図である。
【図5】小型エンジンの弁アセンブリにおける第4実施形態の一部断片を示す概略断面図である。
【図6】小型エンジンの弁アセンブリの第6実施形態を示す概略断面図である。
【図7】小型エンジンの弁アセンブリと燃料タンクの第7実施形態を示す概略断面図である。
【図8】小型エンジンの弁アセンブリの第8実施形態を示す概略断面図である。
【図9】小型エンジンの弁アセンブリの第9実施形態を示す概略断面図である。
【図10】図9の弁アセンブリにおける第9実施形態の膜支持体を示す概略端面図である。
【図11】図9及び図10の弁アセンブリにおける第9実施形態の膜支持体を示す概略端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照すると、同様の参照番号は、同様の構成要素に言及しており、図1は、燃料タンク12に取り付けた弁アセンブリ10を示す。弁アセンブリ10は、小型エンジン、例えば、芝刈り機用エンジンのための燃料タンクを使用するためのものである。この弁アセンブリ10は、ハウジング14を有する。第1のハウジング部分16は、主として燃料タンク12内に配置される。第2のハウジング部分18は、主に、燃料タンク12の外側に配置される。ハウジング14は、また、ハウジングキャビティ20を形成し、該キャビティは、弁開口と呼ばれ、蒸気出口22に流体連通する。第1のハウジング部分16は、燃料タンク12内に設けた開口24内にインサートされる。
【0009】
図示した実施形態は、燃料タンク12に直接取り付けられた弁アセンブリを示す。弁アセンブリ10を燃料タンク12に取り付ける、又は弁アセンブリ10を燃料タンク12に取り付ける前に他の構成部品内に組み入れるための他の配置を利用することができる。当業者であれば、特別の燃料タンク12と弁アセンブリ10の組合せのために所望の配置があることがわかるであろう。例えば、第1のハウジング部分16は、燃料タンク12の内部に連通できる1つの通路を有して外側に取り付けることができる。
【0010】
第1のハウジング部分16は、燃料タンク12の外側に配置されるフランジ26を含み、弁アセンブリ10がタンク孔24を貫通して、タンク12内に入るのを防止する。第2のハウジング部分18は、フランジ26で第1のハウジング部分16に固定される。
【0011】
膜28は、ハウジング14に固定される。即ち、膜28は、第1のハウジング部分16と第2のハウジング部分18の一方に固定される。図示した実施形態では、膜28は、第1のハウジング部分16に固定される。この膜28は、溶接、接着剤、熱シーリング、インサート成形、または他の方法によって、ハウジング14に固定することができる。当業者であれば、特定の膜28及びハウジング14の配置に必要とされる適当な取付具を知っている。
【0012】
膜28は、液体を判別する、蒸気透過性の膜である。即ち、膜28は、蒸気が膜28を通過できるようにするが、液体が通過するのを阻止する材料からなる。ハウジング開口30の寸法は、膜28を通過する蒸気の最大量を同時に制御するように設定されている。ハウジング14内に配置されたハウジング開口30は、蒸気を燃料タンク12から排気することができる。膜28は、ハウジング14に固定されて、ハウジング開口30全体を横切るように伸びている。
【0013】
膜28は、ほぼ平坦な膜として図示されている。しかし、膜28は、円筒又は膜28の表面積を増加させるためにひだを付けることもできる。当業者は、特定の弁アセンブリ10の構造に対して膜28を適当な形状にすることを知っている。
【0014】
さらに、膜28が液体にさらされると、液体は、膜28を通る蒸気の流速を緩やかにする。弁アセンブリ10の第1のハウジング部分16は、液体が膜28に到達するのを阻止する。それゆえ、第1のハウジング部分16は、膜28を通る蒸気の流量を所定レベルに維持するのに役立つ。
【0015】
弁アセンブリ10は、圧力リリーフ弁34を含む。圧力リリーフ弁34は、スプリング式の弁である。この圧力リリーフ弁34は、またヘッドバルブである。即ち、圧力リリーフ弁34は、燃料タンク12の上方に配置されている。更に、圧力リリーフ弁34は、膜28と蒸気出口22の間に配置されている。
【0016】
圧力リリーフ弁34は、ダイアフラム(またはプレート)36と弁スプリング38とを含む。ダイアフラム36は、膜28の上方のハウジングキャビティ20内に配置されている。弁スプリング38は、ダイアフラム36に対して、ダイアフラム36が蒸気出口22の開口39を閉鎖するような力を加える。燃料タンク12内の蒸気圧が十分なレベルに達すると、ダイアフラム36に加わる蒸気圧は、弁スプリング38によって加えられたダイアフラム36上の力に打ち勝って、ダイアフラム36を押し上げ、蒸気出口22を開放する。蒸気は、ハウジングキャビティ20から蒸気出口22に排気される。蒸気が燃料タンク12から逃げるので、燃料タンク12内の圧力が減少し、ダイアフラム36は、再び、休止位置に戻り、図1に示すように、蒸気出口22を閉鎖する。蒸気圧がダイアフラム36をハウジングから持ち上げるレベルに増加し、そして、蒸気出口22に対してハウジングキャビティ20を開くまで、蒸気は、燃料タンク12から排気されない。
【0017】
図2は、弁アセンブリ110の第2実施形態を示し、この弁アセンブリ110は、燃料タンク112に用いるための膜128を有している。弁アセンブリ110は、小型エンジン用燃料タンク112に用いられる。弁アセンブリ110は、ハウジング114を有する。このハウジング114は、燃料タンク112の外側に取り付けられる。図示した実施形態は、燃料タンク112に直接取り付けた弁アセンブリ110を示す。弁アセンブリ110を燃料タンク112に取り付ける他の配置、または弁アセンブリ110を燃料タンク112に取り付ける前に他の構成部品と組み合わせるための他の配置を用いることもできる。当業者は、特定の燃料タンク12と弁アセンブリ110と組み合わせのための望ましい配置を知っている。
【0018】
燃料タンク112は、燃料タンク開口140を形成し、この開口140は、蒸気が燃料タンク112から排気できるようにする。また、ハウジング114は、ハウジングキャビティ120を形成しており、このキャビティ120は、蒸気出口122と流体連通するベント開口と呼ばれる。
【0019】
膜128は、ハウジング114に固定される。膜128は、溶接、接触剤、熱シーリング、インサート成形、又は他の方法によってハウジング114に固定することができる。当業者は、特定の膜128およびハウジング114の配置のための必要とされる適当な取付具を知っている。
【0020】
膜128は、液体を分別する蒸気透過性の膜である。即ち、膜128は、蒸気が膜128を通過できるが、液体の通過を阻止する材料からなる。膜128は、この膜がハウジング開口130全体を横切って伸びるように、ハウジング114に固定される。ハウジング114内に配置されたハウジング開口130は、蒸気が燃料タンク112からハウジングキャビティ120内に入るのを可能にする。ハウジング開口130の寸法は、膜128を通過する蒸気の最大量を同時に制御するように選択することができる。また、膜128は、ハウジング114に固定されて、燃料タンク開口140全体を横切るように伸びている。この代わりに、燃料タンク開口140は、膜128を通過する蒸気の最大量を同時に制御するように設定することもできる。
【0021】
膜128は、ほぼ平坦な膜128として図示されている。しかし、膜128は、また、円筒あるいは膜128の表面積を増加するためにひだを付けることもできる。当業者は、特定の弁アセンブリ110の構造に対して膜128を適当な形状にすることを知っている。
【0022】
さらに、膜128が液体にさらされると、液体は、膜128を通る蒸気の流速を緩やかにする。燃料タンク112の壁面142は、膜128を通る蒸気の流量を所定レベルに維持するため、液体が膜128に到達しないように働く。
【0023】
弁アセンブリ110は、圧力リリーフ弁134を含む。圧力リリーフ弁134は、スプリング式の弁である。この圧力リリーフ弁134は、また、ヘッドバルブである。即ち、圧力リリーフ弁134は、燃料タンク112の上方に配置される。更に、圧力リリーフ弁134は、膜128と蒸気出口122の間に配置される。
【0024】
圧力リリーフ弁134は、ダイアフラム(また、プレート)136と弁スプリング138を含んでいる。ダイアフラム136は、ハウジングキャビティ120内にある膜128の上方に配置される。弁スプリング138は、ダイアフラム136が蒸気出口122の開口を閉鎖するようにダイアフラム136に力を加える。燃料タンク112内の蒸気圧が十分なレベルに達すると、ダイアフラム136に加わる蒸気力が弁スプリング138によって加えられたダイアフラム136上の力に打勝ち、ダイアフラム136を持ち上げ、図2に示すように、蒸気出口122への開口139を開く。このとき、蒸気は、蒸気出口122を通って排気される。蒸気が燃料タンク112から逃げるので、燃料タンク112内の圧力は、減少し、そして、弁スプリング138は、ダイアフラム136を休止位置に戻し、蒸気出口122を閉鎖する。再び、蒸気圧が、ハウジング114からダイアフラム136を持ち上げるレベルに上昇し、そして、蒸気出口222に対して、ハウジングキャビティ220を開放するまで、蒸気は、燃料タンク112から排気されない。
【0025】
図3は、燃料タンク212に取り付けた弁アセンブリ210の第3実施形態を図示している。弁アセンブリ210は、小型エンジン用燃料タンク212に用いるものである。この弁アセンブリ210は、ハウジング214を有する。ハウジング214は、燃料タンク212の外部に取り付けられる。図示した実施形態は、燃料タンク212に直接取り付けられる弁アセンブリ210を示している。燃料タンク212に弁アセンブリ210を取り付けるための他の配置、または弁アセンブリ210を燃料タンク212に取り付ける前に他の構成部品内に組み込むための他の配置を、また、利用することができる。当業者は、特定の燃料タンク212と弁アセンブリ210の組合せのための所望の構造を知っている。
【0026】
燃料タンク212は、燃料タンク開口240を形成し、蒸気が燃料タンク212から排気される。また、ハウジング214は、ハウジングキャビティ220を形成しており、このキャビティ220は、蒸気出口222に流体連通するベント開口とも呼ばれる。
【0027】
膜228は、ハウジング214に固定される。膜228は、溶接、接触剤、熱シーリング、インサート成形、又は他の方法によってハウジング214に固定することができる。当業者は、特定の膜228およびハウジング214の配置のための必要とされる適当な取付具を知っている。
【0028】
膜228は、液体を分別する蒸気透過性の膜である。即ち、膜228は、蒸気が膜228を通過できるが、液体の通過を阻止する材料からなる。ハウジング214内に配置されたハウジング開口230は、蒸気が燃料タンク212からハウジングキャビティ220内に入るのを可能にする。膜228は、開口240とハウジング開口230全体との間の空間を横切って伸びるようにハウジング214に固定される。ハウジング開口230の寸法は、膜228を通過する蒸気の最大量を同時に制御するように選択することができる。また、膜228は、ハウジング214に固定されて、燃料タンク開口240全体を横切るように伸びている。この代わりに、燃料タンク開口240は、膜228を通過する蒸気の最大量を同時に制御するように設定することもできる。
【0029】
膜228は、ほぼ平坦な膜228として図示されている。しかし、膜228は、また、円筒あるいは膜228の表面積を増加するためにひだを付けることもできる。当業者は、特定の弁アセンブリ210の構造に対して膜228を適当な形状にすることを知っている。
【0030】
さらに、膜228が液体にさらされると、液体は、膜228を通る蒸気の流速を緩やかにする。燃料タンク212の壁面242は、膜228を通る蒸気の流量を所定レベルに維持するため、液体が膜228に到達しないように働く。
【0031】
弁アセンブリ210は、圧力リリーフ弁234を含む。圧力リリーフ弁234は、スプリング式の弁である。この圧力リリーフ弁234は、また、ヘッドバルブである。即ち、圧力リリーフ弁234は、燃料タンク212の上方に配置される。更に、圧力リリーフ弁234は、膜228と蒸気出口222の間に配置される。
【0032】
圧力リリーフ弁234は、ダイアフラム(また、プレート)236と弁スプリング238を含んでいる。ダイアフラム236は、ハウジングキャビティ220内にある膜228の上方または下流に配置される。弁スプリング238は、ダイアフラム236が蒸気出口222の開口239を閉鎖するようにダイアフラム236に力を加える。燃料タンク212内の蒸気圧が十分なレベルに達すると、ダイアフラム236に加わる蒸気力が弁スプリング238によって加えられたダイアフラム236上の力に打勝ち、ダイアフラム236を持ち上げ、蒸気出口222への開口239を開く。蒸気は、蒸気出口222を通って排気される。蒸気が燃料タンク212から逃げるので、燃料タンク212内の圧力は、減少し、そして、弁スプリング238は、ダイアフラム236を休止位置に戻し、蒸気出口222を閉鎖する。再び、蒸気圧が、ハウジング214からダイアフラム236を持ち上げるレベルに上昇し、そして、蒸気出口222に対して、ハウジングキャビティ220を開放するまで、蒸気は、燃料タンク212から排気されない。
【0033】
図4は、燃料タンク312に取り付けた弁アセンブリ310の第4実施形態を図示している。弁アセンブリ310は、小型エンジン用燃料タンク312に用いるものである。この弁アセンブリ310は、ハウジング314を有する。ハウジング314は、燃料タンク312の外部に取り付けられる。図示した実施形態は、燃料タンク312に直接取り付けられる弁アセンブリ310を示している。燃料タンク312に弁アセンブリ310を取り付けるための他の配置、または弁アセンブリ310を燃料タンク312に取り付ける前に他の構成部品内に組み込むための他の配置を、また、利用することができる。当業者は、特定の燃料タンク312と弁アセンブリ310の組合せのための所望の構造を知っている。
【0034】
燃料タンク312は、燃料タンク開口340を形成し、蒸気が燃料タンク312から排気される。また、ハウジング314は、ハウジングキャビティ320を形成しており、このキャビティ320は、蒸気出口322に流体連通するベント開口とも呼ばれる。
【0035】
膜328は、ハウジング314に固定される。膜328は、溶接、接触剤、熱シーリング、インサート成形、又は他の方法によってハウジング214に固定することができる。当業者は、特定の膜328およびハウジング314の配置のために必要とされる適当な取付具を知っている。
【0036】
膜328は、液体を分別する蒸気透過性の膜である。即ち、膜328は、蒸気が膜328を通過できるが、液体の通過を阻止する材料からなる。少なくとも1つのハウジング開口330がハウジング314内に配置され、そして、蒸気が燃料タンク312からハウジングキャビティ320内に入るのを可能にする。膜328は、ハウジング開口330全体横切って伸びるように、ハウジング314に固定される。ハウジング開口330の寸法は、膜328を通過する蒸気の最大量を同時に制御するように選択することができる。また、膜328は、ハウジング314に固定されて、燃料タンク開口340全体を横切るように伸びている。この代わりに、燃料タンク開口340は、膜328を通過する蒸気の最大量を同時に制御するように設定することもできる。
【0037】
膜328は、ほぼ平坦な膜328として図示されている。しかし、膜328は、また、円筒あるいは膜328の表面積を増加するためにひだを付けることもできる。当業者は、特定の弁アセンブリ310の構造に対して膜328を適当な形状にすることを知っている。
【0038】
さらに、膜328が液体にさらされると、液体は、膜328を通る蒸気の流速を緩やかにする。燃料タンク312の壁面342は、膜328を通る蒸気の流量を所定レベルに維持するため、液体が膜328に到達しないように働く。
【0039】
弁アセンブリ310は、圧力リリーフ弁334を含む。圧力リリーフ弁334は、ハウジング開口330の上方にボール346を含む。この圧力リリーフ弁334は、また、ヘッドバルブである。即ち、圧力リリーフ弁334は、燃料タンク312の上方に配置される。更に、圧力リリーフ弁334は、膜328と蒸気出口322の間に配置される。
【0040】
圧力リリーフ弁334のためのボール346は、ハウジング314の上方に配置され、一部分がハウジングキャビティ320内に配置されている。蒸気は、流れを制限するハウジング開口330を通って燃料タンク312に排気される。燃料タンク312内の蒸気圧が十分なレベルに達すると、ボール34が、図示するように、ハウジング314から持ち上がる。蒸気は、ボール346の側面6のハウジング開口330を通って排気される。蒸気が燃料タンク312から逃げるので、燃料タンク312内の圧力は、減少し、そして、ボール346は、ハウジング314の休止位置またはハウジング開口330内に戻る。燃料タンク312内の圧力が、ボール346がハウジング314から上昇するレベルに増加するまで、蒸気が、燃料タンク312からハウジング開口330を通って逃げることはない。
【0041】
ハウジング314は、また、ハウジング部分344と第2ハウジング開口348を形成する。第2ハウジング開口348は、ボール346の上方に配置され、ハウジング開口330に対して垂直に配置されている。ハウジング部分344は、ボール346を案内し、ハウジング開口330上に留まっている。第2ハウジング開口348は、燃料タンク312からの蒸気の流れを制限するためにハウジング開口330よりも小さくなっている。代わりに、第2ハウジング開口348は、ハウジング開口330よりも大きくすることができ、ハウジング開口330は、燃料タンク312からの蒸気の最大流量を制御する。いずれの例においても、第2ハウジング開口348は、ハウジング開口330にボール346が整合できるようにボール346よりも小さくなっている。
【0042】
図5は、燃料タンク412に取り付けた弁アセンブリ410の第5実施形態を図示している。弁アセンブリ410は、小型エンジン用燃料タンク412に用いるものである。この弁アセンブリ410は、ハウジング414を有する。ハウジング414は、燃料タンク412の外部に取り付けられる。図示した実施形態は、燃料タンク412に直接取り付けられる弁アセンブリ410を示している。燃料タンク412に弁アセンブリ410を取り付けるための他の配置、または弁アセンブリ410を燃料タンク412に取り付ける前に他の構成部品内に組み込むための他の配置を、また、利用することができる。当業者は、特定の燃料タンク412と弁アセンブリ410の組合せのための所望の構造を知っている。
【0043】
燃料タンク412は、燃料タンク開口440を形成し、蒸気が燃料タンク412から排気される。また、ハウジング414は、ハウジングキャビティ420を形成しており、このキャビティ420は、蒸気出口(図示略)と流体連通するベント開口とも呼ばれる。
【0044】
膜428は、ハウジング414に固定される。膜428は、溶接、接触剤、熱シーリング、インサート成形、又は他の方法によってハウジング414に固定することができる。当業者は、特定の膜428およびハウジング414の配置のための必要とされる適当な取付具を知っている。
【0045】
膜428は、液体を分別する蒸気透過性の膜である。即ち、膜428は、蒸気が膜428を通過できるが、液体の通過を阻止する材料からなる。少なくとも1つのハウジング開口430がハウジング414内に配置され、そして、蒸気が燃料タンク412からハウジングキャビティ420内に入るのを可能にする。膜428は、ハウジング開口430全体を横切って伸びるように、ハウジング414に固定される。ハウジング開口430の寸法は、膜428を通過する蒸気の最大量を同時に制御するように選択することができる。また、膜は、ハウジング414に固定されて、燃料タンク開口440全体を横切るように伸びている。この代わりに、燃料タンク開口440は、膜428を通過する蒸気の最大量を同時に制御するように設定することもできる。
【0046】
膜428は、ほぼ平坦な膜428として図示されている。しかし、膜428は、また、円筒あるいは膜428の表面積を増加するためにひだを付けることもできる。当業者は、特定の弁アセンブリ410の構造に対して膜428を適当な形状にすることを知っている。
【0047】
さらに、膜428が液体にさらされると、液体は、膜428を通る蒸気の流速を緩やかにする。燃料タンク412の壁面442は、膜428を通る蒸気の流量を所定レベルに維持するため、液体が膜428に到達しないように働く。
【0048】
弁アセンブリ410は、圧力リリーフ弁434を含む。圧力リリーフ弁434は、ハウジング414によって形成されるハウジング開口430内に少なくとも一部分が配置されるボール446を含む。この圧力リリーフ弁434は、ヘッドバルブである。即ち、圧力リリーフ弁434は、燃料タンク412の上方に配置される。更に、圧力リリーフ弁434は、膜428と蒸気出口422の間に配置される。
【0049】
また、ハウジング通路448は、ハウジング414によって形成され、蒸気がハウジング開口430をバイパスして流れるのを可能にする。ボール446は、ハウジングキャビティ420とハウジング開口430内に、その一部分が配置される。ハウジング開口430は、ボール446を案内しかつ支持するために拡張又はテーパーとなった部分450を有する。蒸気は、流れを制限するオリフィスを含むハウジング通路448を通過して燃料タンク412から出ることができる。燃料タンク412内の蒸気圧力が十分なレベルに到達すると、ボール446は、図示するようにハウジング414から持ち上げられる。蒸気は、矢印Vによって図示するように、ハウジング通路448及びボール446の側面の回りを通って排気される。テーパー部分450は、ハウジング414に対してボール446が適切な位置に案内されるのを助ける。蒸気が燃料タンクから逃げるので、燃料タンク412内の圧力が減少し、そして、ボール446は、ハウジング414上の休止位置(図示略)に戻る。蒸気は、ハウジング通路448を介して燃料タンク412から出ることができるが、燃料タンク412内の圧力が再び増加して、ハウジング414からボール446が上昇するレベルになるまで、ハウジング開口430を介して蒸気が排気されることはないであろう。
【0050】
図6は、燃料タンク512に取り付けた弁アセンブリ510の第6実施形態を図示している。弁アセンブリ510は、小型エンジン用燃料タンク512に用いるものである。この弁アセンブリ510は、ハウジング514を有する。ハウジング514は、燃料タンク512の外部に取り付けられる。図示した実施形態は、燃料タンク512に直接取り付けられる弁アセンブリ510を示している。燃料タンク512に弁アセンブリ510を取り付けるための他の配置、または弁アセンブリ510を燃料タンク512に取り付ける前に他の構成部品内に組み込むための他の配置を、また、利用することができる。当業者は、特定の燃料タンク512と弁アセンブリ510の組合せのための所望の構造を知っている。
【0051】
燃料タンク512は、燃料タンク開口540を形成し、蒸気が燃料タンク512から排気される。また、ハウジング514は、ハウジングキャビティ520を形成しており、このキャビティは、蒸気出口522と流体連通するベント開口とも呼ばれる。蒸気出口522は、燃料タンク512の外部にある蒸気回復キャニスター(図示略)または他の部品に導くことができる。
【0052】
膜528は、ハウジング514に固定される。膜528は、溶接、接触剤、熱シーリング、インサート成形、又は他の方法によってハウジング514に固定することができる。当業者は、特定の膜528およびハウジング514の配置のために必要とされる適当な取付具を知っている。
【0053】
膜528は、液体を分別する蒸気透過性の膜である。即ち、膜528は、蒸気が膜528を通過できるが、液体の通過を阻止する材料からなる。少なくとも1つのハウジング開口530がハウジング514内に配置され、そして、蒸気が燃料タンク512からハウジングキャビティ520内に入るのを可能にする。膜528は、ハウジング開口530全体を横切って伸びるように、ハウジング514に固定される。ハウジング開口530の寸法は、膜528を通過する蒸気の最大量を同時に制御するように選択することができる。また、膜528は、ハウジング514に固定されて、燃料タンク開口540全体を横切るように伸びている。この代わりに、燃料タンク開口540は、膜528を通過する蒸気の最大量を同時に制御するように設定することもできる。
【0054】
膜528は、ほぼ平坦な膜528として図示されている。しかし、膜528は、また、円筒あるいは膜528の表面積を増加するためにひだを付けることもできる。当業者は、特定の弁アセンブリ510の構造に対して膜528を適当な形状にすることを知っている。
【0055】
さらに、膜528が液体にさらされると、液体は、膜528を通る蒸気の流速を緩やかにする。燃料タンク512の壁面542は、膜528を通る蒸気の流量を所定レベルに維持するため、液体が膜528に到達しないように働く。
【0056】
弁アセンブリ510は、圧力リリーフ弁534を含み、この圧力リリーフ弁534は、ハウジング開口530の上方または下流に配置されたディスク(またはプレート)544を含む。この圧力リリーフ弁534は、ヘッドバルブである。即ち、圧力リリーフ弁534は、燃料タンク512の上方に配置される。更に、圧力リリーフ弁534は、膜528と蒸気出口522の間に配置される。
【0057】
ディスク544は、ハウジング514上方のハウジングキャビティ520内に配置される。蒸気は、流れを制限するハウジング開口530を介して燃料タンク512から出る。燃料タンク514内の蒸気圧が十分なレベルに達すると、ディスク544は、図示するように、ハウジング514から上昇する。ハウジング514上のフィンガー545は、ディスク544を案内するのに役立つ。蒸気は、矢印Vによって図示するように、ハウジング開口530を介してディスク544の側面の周りから出ることができる。蒸気が燃料タンク512から逃げるので、燃料タンク512内の圧力が減少し、そして、ディスク544は、ハウジング514上の休止位置(図示略)に戻る。ディスク544は、燃料タンク512内の圧力が再び増加して、ハウジング514からディスク544が上昇するレベルになるまで、休止位置に留まるであろう。
【0058】
ディスク544は、また、ディスク開口548を形成する。ディスク開口548は、ハウジング開口530と垂直方向に整列している。ディスク開口548は、ハウジング開口530より小さく、燃料タンク512からの蒸気の流れを制限する。代わりに、ディスク開口548は、ハウジング開口530よりも大きくすることができ、そして、ハウジング開口530が燃料タンク512からの蒸気の最大流量を制御する。いずれの場合も、ディスク開口548は、ディスクが休止位置にあるとき、蒸気がディスク544を介して燃料タンク512から流れることを可能にする。
【0059】
図7は、燃料タンク612に取り付けた弁アセンブリ610の第7実施形態を図示している。弁アセンブリ610は、小型エンジン用燃料タンク612に用いるものである。この弁アセンブリ610は、ハウジング614を有する。ハウジング614は、燃料タンク612の外部に取り付けられる。図示した実施形態は、燃料タンク612に直接取り付けられる弁アセンブリ610を示している。燃料タンク612に弁アセンブリ610を取り付けるための他の配置、または弁アセンブリ610を燃料タンク612に取り付ける前に他の構成部品内に組み込むための他の配置を、また、利用することができる。当業者は、特定の燃料タンク612と弁アセンブリ610の組合せのための所望の構造を知っている。
【0060】
燃料タンク612は、燃料タンク開口640を形成し、蒸気が燃料タンク612から排気される。また、ハウジング614は、ハウジングキャビティ620を形成しており、このキャビティは、蒸気出口622と流体連通するベント開口とも呼ばれる。蒸気出口622は、燃料タンク612の外部にある蒸気回復キャニスター(図示略)または他の部品に導くことができる。
【0061】
膜628は、ハウジング614に固定される。膜628は、溶接、接触剤、熱シーリング、インサート成形、又は他の方法によってハウジング614に固定することができる。当業者は、特定の膜628およびハウジング614の配置のための必要とされる適当な取付具を知っている。
【0062】
膜628は、液体を分別する蒸気透過性の膜である。即ち、膜628は、蒸気が膜528を通過できるが、液体の通過を阻止する材料からなる。少なくとも1つのハウジング開口630がハウジング614内に配置され、そして、蒸気が燃料タンク612からハウジングキャビティ620内に入るのを可能にする。膜628は、ハウジング開口630全体を横切って伸びるように、ハウジング514に固定される。ハウジング開口630の寸法は、膜628を通過する蒸気の最大量を同時に制御するように選択することができる。また、膜628は、ハウジング614に固定されて、燃料タンク開口640全体を横切るように伸びている。この代わりに、燃料タンク開口640は、膜628を通過する蒸気の最大量を同時に制御するように設定することもできる。
【0063】
膜628は、ほぼ平坦な膜628として図示されている。しかし、膜628は、また、円筒あるいは膜628の表面積を増加するためにひだを付けることもできる。当業者は、特定の弁アセンブリ610の構造に対して膜628を適当な形状にすることを知っている。
【0064】
弁アセンブリ610は、概略図示した圧力リリーフ弁634を含む。この圧力リリーフ弁634は、公知の形式のヘッドバルブであり、弁アセンブリ610と共に用いることができる。即ち、圧力リリーフ弁634は、燃料タンク612の上方に配置される。当業者は、特定利用のための圧力リリーフ弁634の適当な形式を知っている。さらに、圧力リリーフ弁634は、膜628と蒸気出口622の間に配置される。
【0065】
さらに、弁アセンブリ610は、ハウジング614の第1部分616にソフトシャットオフ機能を含んでいる。このハウジング部分616は、燃料タンク612内の下方に伸びている。当業者に知られているように、ハウジング部分616は、燃料タンク612に燃料が充填されるとき、燃料ポンプのシャットオフを制御するために、1つのエアポケットを与えることができる。図示の実施形態において、ハウジング部分616は、この部分の少なくとも一部分の回りにテーパー状のエッジ656を有する。
【0066】
ハウジング部分616は、燃料シャットオフ開口658を形成する。燃料タンク612が流体に満たされるに従い、テーパー付きエッジ656と燃料シャットオフ開口658は、蒸気の流れを制限する。それゆえ、ハウジング部分616は、スロッシングによる膜628に到達する液体の量を最小にすることにより、燃料タンク612が充填されるときに現れるスロッシングに適合する。膜628が液体にさらされると、液体は、膜628を通る蒸気の流速を緩やかにする。その結果、ハウジング部分616は、膜628を通る蒸気の流量を所定レベルに維持することができる。
【0067】
テーパー付きエッジ656と燃料シャットオフ開口658が完全に液中に沈むまで液体レベルは上昇するので、テーパー付きエッジ656と燃料シャットオフ開口658は、一緒にまたは個々に用いられて、ハウジング内に流れる蒸気の流れを制限する。
【0068】
図8は、燃料タンク712に取り付けた弁アセンブリ710の第8実施形態を図示している。弁アセンブリ710は、小型エンジン用燃料タンク712に用いるものである。この弁アセンブリ710は、ハウジング714を有する。ハウジング714は、燃料タンク712の外部に取り付けられる。図示した実施形態は、燃料タンク712に直接取り付けられる弁アセンブリ710を示している。燃料タンク712に弁アセンブリ710を取り付けるための他の配置、または弁アセンブリ710を燃料タンク712に取り付ける前に他の構成部品内に組み込むための他の配置を、また、利用することができる。当業者は、特定の燃料タンク712と弁アセンブリ710の組合せのための所望の構造を知っている。
【0069】
燃料タンク712は、燃料タンク開口740を形成し、蒸気が燃料タンク712から排気される。また、ハウジング714は、ハウジングキャビティ720を形成しており、このキャビティ720は、蒸気出口722と流体連通するベント開口とも呼ばれる。
【0070】
膜728は、ハウジング714に固定される。膜728は、溶接、接触剤、熱シーリング、インサート成形、又は他の方法によってハウジング714に固定することができる。当業者は、特定の膜728およびハウジング714の配置のための必要とされる適当な取付具を知っている。
【0071】
膜728は、液体を分別する蒸気透過性の膜である。即ち、膜728は、蒸気が膜528を通過できるが、液体の通過を阻止する材料からなる。少なくとも1つのハウジング開口730がハウジング714内に配置され、そして、蒸気が燃料タンク712からハウジングキャビティ720内に入るのを可能にする。膜728は、ハウジング開口730全体を横切って伸びるように、ハウジング714に固定される。ハウジング開口730の寸法は、膜728を通過する蒸気の最大量を同時に制御するように選択することができる。また、膜728は、ハウジング714に固定されて、燃料タンク開口740全体を横切るように伸びている。この代わりに、燃料タンク開口740は、膜728を通過する蒸気の最大量を同時に制御するように設定することもできる。
【0072】
膜728は、ほぼ平坦な膜728として図示されている。しかし、膜728は、また、円筒あるいは膜728の表面積を増加するためにひだを付けることもできる。当業者は、特定の弁アセンブリ710の構造に対して膜628を適当な形状にすることを知っている。
【0073】
弁アセンブリ710は、概略図示した圧力リリーフ弁734を含む。この圧力リリーフ弁734は、公知の形式のヘッドバルブであり、弁アセンブリ710と共に用いることができる。即ち、圧力リリーフ弁734は、燃料タンク612の上方に配置される。当業者は、特定利用のための圧力リリーフ弁734の適当な形式を知っている。さらに、圧力リリーフ弁734は、膜728と蒸気出口722の間に配置される。
【0074】
さらに、フロート760がハウジング714の一部分716内に配置されている。このハウジング部分716は、燃料タンク712内の下方に伸びている。フロート760は、第1ハウジング部分716内に配置され、従来公知のように燃料ポンプにおいて燃料のシャットオフを制御するために用いることができる。
【0075】
さらに、ハウジング部分716は、膜728を介して蒸気の流量を制御するのに役立つ。即ち、膜728が液体にさらされると、液体は、膜728を通る蒸気の流速を緩やかにする。その結果、ハウジング部分716は、膜728を通る蒸気の流量を所定レベルに維持することができる。
【0076】
図9−11は、燃料タンク812に取り付けられる弁アセンブリ810の第9実施形態を図示している。弁アセンブリ810は、小型エンジン用燃料タンク812に用いるものである。この弁アセンブリ810は、ハウジング814を有する。第1ハウジング部分816は、主に、燃料タンク812内に配置される。第2ハウジング部分818は、主に、燃料タンク812の外部に配置される。図示した実施形態は、燃料タンク812に直接取り付けられる弁アセンブリ810を示している。燃料タンク812に弁アセンブリ810を取り付けるための他の配置、または弁アセンブリ810を燃料タンク812に取り付ける前に他の構成部品内に組み込むための他の配置を、また、利用することができる。当業者は、特定の燃料タンク812と弁アセンブリ810の組合せのための所望の構造を知っている。
【0077】
ハウジング814は、ハウジングキャビティ820を形成しており、このキャビティは、蒸気出口822と流体連通するベント開口とも呼ばれる。第1ハウジング部分816は、燃料タンク812内のタンク孔824内に挿入される。第1ハウジング部分816は、また、燃料タンク812の内部と連通できる通路と共に外部に取り付けることができる。第1ハウジング部分816は、燃料タンク812の外側に配置されるフランジ826を含み、弁アセンブリ810がタンク孔824を介してかつ燃料タンク812内へ通過するのを防止する。第2ハウジング部分818は、ハウジング814の蒸気回復側と時々呼ばれる。この第2ハウジング部分818は、フランジ826の位置で第1ハウジング部分816に固定される。キャリア860が、第1ハウジング部分816と第2ハウジング部分818の間に配置されている。第1ハウジング部分816上に第2ハウジング部分818を固定すると、キャリア860をハウジング814に保持することになる。
【0078】
図10は、図9とは異なる断面で見たキャリア860の拡大断面図を示し、図11は、図9のキャリア860の底部から見た図を示す。キャリア860は、一般的に円環形状であり、主本体862を有する。少なくとも1つのフィンガー864が、主本体862から上方に突出している。フィンガー864は、キャリア860がハウジング814に組み付けられるとき、第2ハウジング部分818上に設けたくぼみ865に対応する。上述し、かつ図9に示すように、主本体862は、弁アセンブリ810が組み立てられるとき、第1ハウジング部分816と第2ハウジング部分818の間に固定される。キャリア860の円環形状は、ハウジング開口830を形成し、この開口を通って燃料タンク812内の蒸気が、蒸気出口822(図9に図示)に排気することができる。
【0079】
膜828は、キャリア860に固定される。膜828は、溶接、接触剤、熱シーリング、インサート成形、又は他の方法によってキャリア860に固定することができる。当業者は、特定のキャリア860及び膜828の配置のための必要とされる適当な取付具を知っている。
【0080】
膜828は、液体を分別する蒸気透過性の膜である。即ち、膜828は、蒸気が膜828を通過できるが、液体の通過を阻止する材料からなる。膜828は、ハウジング開口830全体を覆うように伸びている。ハウジング開口830の寸法は、膜828を通過する蒸気の最大量を同時に制御するように設定することができる。膜628は、ほぼ平坦な膜828として図示されている。しかし、膜828は、また、円筒あるいは膜828の表面積を増加するためにひだを付けることもできる。当業者は、特定の弁アセンブリ810の構造に対して膜828を適当な形状にすることを知っている。
【0081】
弁アセンブリ810は、膜828の上方に配置した、概略図示した圧力リリーフ弁834を含む。この圧力リリーフ弁834は、公知の形式のヘッドバルブであり、弁アセンブリ810と共に用いることができる。即ち、圧力リリーフ弁834は、燃料タンク812の上方に配置される。当業者は、特定利用のための圧力リリーフ弁834の適当な形式を知っている。さらに、圧力リリーフ弁834は、膜828と蒸気出口822の間に配置される。
【0082】
膜828が液体にさらされると、液体は、膜828を通る蒸気の流速を緩やかにする。その結果、デフレクタ866は、液体が膜828に到達するのを阻止して、膜828を通る蒸気の流量を所定レベルに維持することができる。
【0083】
デフレクタ866は、キャリア860の主本体862から下方にかつ内側に伸びている。このデフレクタ866は、少なくとも1つの開口868を形成し、また、複数のデフレクタ開口868を形成することもできる。デフレクタ866は、膜828およびハウジングキャビティ820から直接液体を遠ざけるのに役立ち、一方、デフレクタ開口868は、蒸気がデフレクタ866を通過できるようにして、膜828を通って燃料タンク812から蒸気を排気させる。デフレクタ開口868の寸法及び数は、蒸気が同時に通過できる最大流量を制御するように選択される。さらに、デフレクタ866は、デフレクタ866の各層上の種々の位置にデフレクタ開口868を備える複数層の材料を含む。これは、曲がりくねった流路を形成し、液体が膜828から離れるように偏向するのを助ける。
【0084】
キャリア860は、またデフレクタ866から上方に伸びる複数のリブ870を含んでいる。これらのリブ870は、デフレクタ866上に放射状に配置され、膜828を支持すると共にデフレクタ866を強固にする。
【0085】
本発明を実施するための最良の形態を詳細に記載してきたが、この発明に関する技術の当業者には、添付の請求項に記載の範囲内で本発明を実施するための種々の変形例及び実施形態を認めることができよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小型エンジンの燃料タンク(12,112,212,312,412,512,612,712,812)のための弁アセンブリ(10,110,210,310,410,510,610,710,810)であって、
前記燃料タンク(12,112,212,312,412,512,612,712,812)の外側に少なくとも部分的に配置されたハウジング(14,114,214,314,414,514,614,714,814)と、
前記ハウジング(14,114,214,314,414,514,614,714,814)と前記燃料タンク(12,112,212,
312,412,512,612,712,812)の一方に支持された膜(28,128,228,328,428,528,628,728,828)とを含み、
前記ハウジング(14,114,214,314,414,514,614,714,814)は、ハウジングキャビティ(20,120,220,320,420,520,620,720,820)を形成し、さらに、前記ハウジング(14,114,214,
314,414,514,614,714,814)は、ハウジング開口(30,130,230,330,430,530,630,730,830)を形成して、前記ハウジングキャビティ(20,120,220,320,420,520,620,720,820)と蒸気出口(22,122,322,422,522,622,722,822)に蒸気を排気させ、さらに、前記ハウジングキャビティ(20,120,220,320,420,520,620,720,820)から蒸気が排気できるようにし、
前記燃料タンク(12,112,212,312,412,512,612,712,812)は、前記ハウジング開口(30,130,230,330,430,530,630,730,830)の一次側に設けられ、蒸気が前記燃料タンク(12,112,212,312,412,512,612,712,812)から前記膜(28,128,228,328,428,528,628,728,828)を介して流れ、前記ハウジングキャビティ(20,120,220,320,420,520,620,720,820)に到達し、前記膜(28,128,228,328,428,528,628,728,828)は、蒸気の通過を可能にし、かつ液体の通過を防止することを特徴とする弁アセンブリ。
【請求項2】
圧力リリーフ弁(34,134,234,334,434,534,634,734,834)が、前記ハウジング(14,114,
214,314,414,514,614,714,814)によって支持され、該ハウジング(14,114,214,314,414,
514,614,714,814)を通って流れる蒸気を制御することを特徴とする請求項1記載の弁アセンブリ。
【請求項3】
前記圧力リリーフ弁(34,134,234,334,434,534,634,734,834)は、ヘッドバルブであることを特徴とする請求項2記載の弁アセンブリ。
【請求項4】
前記圧力リリーフ弁(34,134,234)は、さらに、前記ハウジング(14,114,214)内に配置したダイアフラム(36,136,236)と、
該ダイアフラム(36,136,236)を付勢し、少なくとも部分的に蒸気出口(22,122,222)を閉鎖し、かつ前記ハウジングキャビティ(20,120,220)内の蒸気が、前記ハウジング(314,414,514)から排気されるのを選択的に阻止する弁スプリング(38,138,238)と、を含むことを特徴とする請求項2記載の弁アセンブリ。
【請求項5】
前記圧力リリーフ弁(334,434,534)は、前記ハウジングキャビティ(320,420,520)内に配置されたディスク(544)またはボール(346,446)の一方を更に含み、蒸気の流れが前記ハウジング(314,414,514)に排気されるのを少なくとも部分的に阻止することを特徴とする請求項2記載の弁アセンブリ。
【請求項6】
前記ディスク(544)は、更に、ディスク開口(548)を形成し、前記ディスク(544)が、前記圧力リリーフ弁(534)を通る流れを制限する位置にあるとき、蒸気が前記ディスク開口(548)を通って流れるようにすることを特徴とする請求項5記載の弁アセンブリ。
【請求項7】
前記圧力リリーフ弁(434)は、さらに、
前記ハウジング(414)によって形成され、かつ前記ハウジング開口(430)に略平行なハウジング通路(448)を含み、
前記ボール(446)が、前記ハウジング開口(430)と前記ハウジングキャビティ(420)内に少なくとも部分的に配置されていることを特徴とする請求項5記載の弁アセンブリ。
【請求項8】
前記ハウジング(414)は、前記ハウジング開口(430)と整列したハウジング通路(448)を形成することを特徴とする請求項5記載の弁アセンブリ。
【請求項9】
前記ハウジング(14,614,714,814)の一部分(16,616,716,816)は、前記燃料タンク(12,612,712,812)内にあって、前記膜(28,628,728、828)の前記燃料タンク(12,612,712,812)側に伸びていることを特徴とする請求項1記載の弁アセンブリ。
【請求項10】
前記ハウジング(714)の一部分(716)内にあって、前記膜(728)の燃料タンク(712)側に配置されるフロート(760)を更に含んでいることを特徴とする請求項9記載の弁アセンブリ。
【請求項11】
前記ハウジング(814)によって支持され、かつ該ハウジングから伸びるデフレクタ(866)を更に含み、該デフレクタ(866)は、複数のデフレクタ開口(868)を形成し、蒸気がハウジング開口(830)に到達でき、かつ燃料が前記膜(828)に到達しないようにすることを特徴とする請求項9記載の弁アセンブリ。
【請求項12】
前記ハウジング(14,114,214,314,414,514,614,714,814)は、前記膜(28,128,228,328,
428,528,628,728,828)が前記燃料タンクに固定するのに役立つように、前記燃料タンク(12,112,212,312,412,512,612,712,812)の外側に固定されることを特徴とする請求項1記載の弁アセンブリ。
【請求項13】
ハウジングキャビティ(20,120,220,320,420,520,620,720,820)を形成するハウジング(14,114,214,314,414,514,614,714,814)と、
前記ハウジング(14,114,214,314,414,514,614,714,814)に固定される膜(28,128,228,
328,428,528,628,728,828)と、
前記ハウジングキャビティ(20,120,220,320,420,520,620,720,820)内に配置され、前記ハウジングを通過する蒸気の流れを制御するヘッドバルブ(34,134,234,334,434,534,
634,734,834)とを含み、
前記ハウジング(14,114,214,314,414,514,614,714,814)は、更にハウジング開口(30,130,230,330,430,530,630,730,830)を形成して、蒸気が前記ハウジングキャビティ(20,120,220,320,420,520,620,720,820)内に入れるようにし、
前記膜(28,128,228,328,428,528,628,728,828)は、前記ハウジング開口(30,130,230,
330,430,530,630,730,830)の一次側にあって、蒸気が前記ハウジングキャビティ内に到達するように、前記膜(28,128,228,328,428,528,628,728,828)を通って流れるようにし、前記膜(28,128,228,328,428,528,628,728,828)は、蒸気の通過を可能にし、かつ液体の通過を防止することを特徴とする弁アセンブリ。
【請求項14】
前記ハウジング(14,114,214)は、更に、蒸気出口(22,122,222)とヘッドバルブ(34,134,234)を形成し、該ヘッドバルブは、
ハウジングキャビティ(20,120,220)内に配置されるダイアフラム(36,136,236)と、
該ダイアフラムを付勢して、少なくとも部分的に前記蒸気出口(22,122、222)を閉鎖し、そして、前記ハウジングキャビティ(20,120,220)内の蒸気が、前記ハウジング(14,114,214)から排気されるのを選択的に防止する弁スプリング(38,138,238)と、をさらに含むことを特徴とする請求項13記載の弁アセンブリ。
【請求項15】
前記ヘッドバルブ(334,434,534)は、さらに、前記ハウジングキャビティ(320,420,520内に配置されるディスク(544)またはボール(346,446)の一方を含み、蒸気の流れが、前記ハウジング開口(330,430,530)を通って前記ハウジング(314,414,514)内に入るのを少なくとも部分的に阻止することを特徴とする請求項13記載の弁アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−530877(P2012−530877A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516878(P2012−516878)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【国際出願番号】PCT/IB2010/001502
【国際公開番号】WO2010/150073
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(390033020)イートン コーポレーション (290)
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
【Fターム(参考)】