説明

尿素水補給スタンド案内装置

【課題】尿素水補給スタンド案内装置に関し、車両を最適な尿素水補給スタンドに案内する。
【解決手段】尿素水用タンク74を備えた車両の尿素水補給スタンド案内装置1に、尿素水の残存量を検出する尿素水量センサ14と、車両位置情報を検出するGPS受信機11と、表示装置22と、尿素水補給スタンドの位置情報を予め記憶した外部メモリ20と、目的地の位置情報を入力可能な入力装置21と、車両位置情報と目的地の位置情報とに基づいて目的地までの目標距離を算出する目標走行距離算出部32と、尿素水の残存量に基づいて走行可能距離を算出する走行可能距離算出部34と、表示装置22に走行可能範囲内にある尿素水補給スタンドまでの最短経路を表示させる表示装置制御部38とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿素水補給スタンド案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、水素燃料自動車や電気自動車等においては、燃料を補給する水素補給スタンドや充電スタンド等のインフラ整備が進んでいない実情がある。そのため、これらの車両は、燃料切れを引き起こす前に車両を最適な燃料補給スタンドまで案内するシステムを搭載することが好ましい。
【0003】
例えば、特許文献1には、水素燃料駆動自動車を最寄りのスタンドまで案内する補給スタンド案内システムが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、電気自動車を最適な充電スタンドまで案内する電気自動車用ナビシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−292195号公報
【特許文献2】特開平9−119839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に、ディーゼルエンジンを搭載したトラック等の大型車両は、燃料タンクの空警告ランプが点灯した後でも20〜30kmの走行が可能である。また、燃料である軽油の補給スタンドは数多く存在するので、通常は燃料切れを引き起こす前に燃料の補給スタンドを見付けることが可能である。
【0007】
ところで、大型車両においては、排気浄化装置にディーゼルエンジンから排出される排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)をアンモニアと反応させて還元浄化する選択還元型NOx触媒(Selective Catalytic Reduction:以下、SCR触媒という)を備えたものが知られている。一般的に、SCR触媒を十分に機能させて、排気中のNOx濃度を低レベルに維持するためには、およそ2〜3回の燃料給油につき1回の尿素水補給が必要とされる。
【0008】
しかし、尿素水の補給スタンドは、燃料の補給スタンドに比べてインフラの整備が進んでいない実情がある。そのため、尿素水の残存量が低下した際に、適切な補給スタンドを見付け出せないと、尿素水切れによる排気中のNOx濃度上昇を招く可能性がある。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、その目的は、SCR触媒に供給される尿素水用のタンクを備えた車両を最適な尿素水補給スタンドに案内することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の尿素水補給スタンド案内装置は、排気浄化触媒に供給される尿素水用のタンクを備えた車両の尿素水補給スタンド案内装置であって、前記タンク内にある尿素水の残存量を検出する尿素水量検出手段と、前記車両の位置情報を検出する車両位置検出手段と、前記車両の運転室に設けられた表示装置と、地図データ及び、尿素水補給スタンドの位置情報を予め記憶した記憶手段と、前記車両の目的地の位置情報を入力可能な入力手段と、検出された前記車両の位置情報と、入力された前記目的地の位置情報とに基づいて、現在位置から目的地までの目標距離を算出する目標距離算出手段と、検出された前記尿素水の残存量に基づいて、前記車両が該残存量を使い切らない走行可能距離を算出する走行可能距離算出手段と、前記目標距離が前記走行可能距離の範囲内である場合に、前記表示装置に前記地図データ及び、走行可能距離の範囲内にある尿素水補給スタンドまでの最短経路を表示させる表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、渋滞情報を含む道路交通情報を検出する道路交通情報検出手段をさらに備え、前記走行可能距離算出手段は、検出された前記尿素水の残存量と、検出された前記道路交通情報とに基づいて、前記走行可能距離を算出してもよい。
【0012】
また、前記目標距離が前記走行可能距離の範囲内にない場合は、エンジンの運転領域を尿素水の消費量が低減される低負荷運転領域に切り替える運転モード切替手段をさらに備えてもよい。
【0013】
また、前記表示制御手段は、走行可能距離の範囲内にある尿素水補給スタンドのうち、前記車両の現在位置から最寄りの尿素水補給スタンドまでの最短経路を表示させてもよい。
【0014】
また、検出された前記車両の位置情報と、前記記憶手段に記憶された尿素水補給スタンドの位置情報とに基づいて、該尿素水補給スタンドの利用回数を計算するスタンド利用回数計算手段をさらに備え、前記表示制御手段は、走行可能距離の範囲内にある尿素水補給スタンドのうち、利用回数が最も多い尿素水補給スタンドまでの最短経路を表示させてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の尿素水補給スタンド案内装置によれば、SCR触媒に供給される尿素水用のタンクを備えた車両を最適な尿素水補給スタンドに案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る尿素水補給スタンド案内装置を示すブロック構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る尿素水補給スタンド案内装置の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1、2に基づいて、本発明の一実施形態に係る車両用表示装置を説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係る尿素水補給スタンド案内装置1は、SCR触媒73に供給される尿素水用のタンク74を有する車両に搭載されるもので、GPS受信機11と、VICS受信機12と、車速センサ13と、尿素水量センサ14と、外部メモリ20と、入力装置21と、表示装置22と、音声警告装置23と、制御装置30とを備えている。なお、本実施形態において、GPS受信機11は本発明の車両位置検出手段、VICS受信機12は本発明の道路交通情報検出手段、尿素水量センサ14は本発明の尿素水量検出手段、外部メモリ20は本発明の記憶手段に相当する。
【0019】
車両に搭載されたエンジン70の排気マニホールドには、排気管71が接続されている。この排気管71の下流側にはSCR触媒73を有する排気浄化装置72が設けられている。また、排気浄化装置72よりも上流側に位置する排気管71には、タンク74内の尿素水を排気管71内に噴射する噴射弁75が設けられている。
【0020】
GPS受信機11は、図示しないGPS衛星から送信される位置情報を受信するもので、受信される位置情報は電気的に接続された制御装置30に出力される。
【0021】
VICS受信機12は、VICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)から送信される渋滞情報や道路工事情報等を含む道路交通情報を受信するもので、図示しないVICSセンサユニットやFM多重放送受信機等を備え構成されている。このVICS受信機12で受信される道路交通情報は電気的に接続された制御装置30に出力される。
【0022】
車速センサ13は、車両の車速を検出するもので、検出された車速は電気的に接続された制御装置30に出力される。尿素水量センサ14は、タンク74内の尿素水量、すなわち尿素水の残存量を検出するもので、検出された尿素水の残存量は電気的に接続された制御装置30に出力される。
【0023】
外部メモリ20は、例えばフラッシュメモリ等の書き換え可能な半導体メモリで構成されており、制御装置30による各種制御に用いられる地図データ及び、複数の尿素水補給スタンドの位置情報が予め記憶されている。
【0024】
入力装置21は、運転者等による入力操作を受け付けるインターフェースであって、入力される目的地の位置情報等の受け付けを行う。
【0025】
表示装置22は、例えば液晶パネル等のディスプレイを備えており、外部メモリ20に記憶されている地図データ、GPS受信機11で受信された車両の現在位置及び、目的地や尿素水補給スタンドまでの最短経路が表示される。
【0026】
音声警告装置23は、例えば公知のスピーカであって、電気的に接続された制御装置30から入力される音声出力信号に応じた音声を発する。
【0027】
制御装置30は、本実施形態の尿素水補給スタンド案内装置1による各種制御を行うもので、公知のCPUやROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え構成されている。この制御装置30は、尿素水残存量判定部31と、目標走行距離算出部32と、尿素水消費傾向算出部33と、走行可能距離算出部34と、走行可能判定部35と、最適スタンド選別部36と、スタンド位置情報読込部37と、表示装置制御部38と、運転モード切替部39とを一部の機能要素として有する。これら各機能要素は、本実施形態では一体のハードウェアである制御装置30に含まれるものとして説明するが、これらのいずれか一部を別体のハードウェアに設けることもできる。
【0028】
尿素水残存量判定部31は、尿素水量センサ14から出力される尿素水の残存量に基づいて、タンク74内の残存量が十分にあるか否かを判定する。例えば、残存量が所定の下限閾値以下の場合、タンク74内の尿素水量は不十分と判定される。
【0029】
目標走行距離算出部32は、入力装置21から入力された目的地の位置情報、GPS受信機11から入力される現在地の位置情報及び、外部メモリ20に記憶された地図データに基づいて、現在地から目的地までの経路の中で最も距離が短い最短経路の走行距離(以下、目標走行距離という)を算出する。なお、目標走行距離の算出基準になる最短経路は、必ずしも最短距離を基準にする必要はなく、例えば、VICS受信機12で受信される道路交通情報を加味(渋滞道路等を迂回)した最短時間を基準としてもよい。
【0030】
尿素水消費傾向算出部33は、車両の総走行距離及び、尿素水の総消費量に基づいて、車両の所定走行距離(例えば、1km)に対する尿素水の消費量(以下、消費傾向という)を算出する。ここで、車両の総走行距離は図示しない走行メータから読み取られ、尿素水の消費量は尿素水量センサ14により検出される。また、消費傾向は、車両走行中はリアルタイムで算出されるように構成されている。
【0031】
走行可能距離算出部34は、尿素水量センサ14から出力される尿素水の残存量、尿素水消費傾向算出部33で算出される尿素水の消費傾向及び、VICS受信機12で受信される道路交通情報に基づいて、車両が尿素水を全て使い切ることなく走行できる最長距離(以下、走行可能距離という)を算出する。
【0032】
走行可能判定部35は、目標走行距離算出部32で算出された目標走行距離と、走行可能距離算出部34で算出された走行可能距離とを比較して、目的地が走行可能距離の範囲内にあるか否かを判定する。例えば、目標走行距離が走行可能距離以下の場合は、目的地は走行可能距離の範囲内にあると判定される。
【0033】
最適スタンド選別部36は、GPS受信機11からの位置情報及び、外部メモリ20に記憶された複数の尿素水補給スタンドの位置情報に基づいて、各尿素水補給スタンドの利用回数をカウントすると共に、カウントされた利用回数に応じて各尿素水補給スタンドの優先順位付けを行う。例えば、外部メモリ20に記憶されている各尿素水補給スタンドは、この最適スタンド選別部36によって利用回数が多い順に優先順位を付されて書き換えられるように構成されている。
【0034】
スタンド位置情報読込部37は、走行可能判定部35により目的地が走行可能距離の範囲内と判定された場合に、外部メモリ20に記憶されている複数の尿素水補給スタンドの位置情報を制御装置30に読み込む。
【0035】
表示装置制御部38は、表示装置22に地図データ及び、スタンド位置情報読込部37により読み込まれた尿素水補給スタンドまでの最短経路を表示させる。ここで、本実施形態の尿素水補給スタンド案内装置1は、運転者の入力装置22の操作により「最適スタンド」又は、「最寄りスタンド」の選択が可能に構成されている。そのため、運転者により「最適スタンド」が選択された場合は、走行可能距離の範囲内にある尿素水補給スタンドの中から最も優先順位の高い尿素水補給スタンドまでの最短経路が表示装置22に表示される。一方、運転者により「最寄りスタンド」が選択された場合は、走行可能距離の範囲内にある尿素水補給スタンドの中から最寄りの尿素水補給スタンドまでの最短経路が表示装置22に表示されるように構成されている。
【0036】
運転モード切替部39は、走行可能距離の範囲内に尿素水補給スタンドが無い場合に、エンジン70の運転領域を尿素水の消費量が低減できる低負荷の運転領域(以下、エコモードともいう)に制限する。この尿素水の消費量を低減できるエンジン70の運転領域は予め実験等で求められており、制御装置30の図示しない内部メモリに格納されている。
【0037】
次に、図2のフローチャートを参照して動作について説明する。
【0038】
ステップ(以下、ステップを単にSと記載する)100では、尿素水残存量判定部31に尿素水量センサ14の検出値が読み込まれ、尿素水の残存量が所定の下限閾値以下であるか否かが確認される。残存量が所定の下限閾値以下の場合は、尿素水量は不十分と判定されてS110へと進む。
【0039】
S110では音声警告装置23から尿素水の補給警告が発せられ、S120では車速センサ13の検出値が0(ゼロ)であるか否かが確認される。車速が0(ゼロ)の場合はリターンされ、車速が0(ゼロ)よりも大きい場合はS100へと戻される。
【0040】
S100で尿素水の残存量が所定の下限閾値以下よりも大きいと判定された場合は、S130でGPS受信機11から目標走行距離算出部32に現在地の位置情報が読み込まれる。その後、S140では、目標走行距離算出部32により、目的地の位置情報、現在地の位置情報及び、地図データに基づいて目標走行距離が算出される。
【0041】
S150では、VICS受信機12から走行可能距離算出部34に道路交通情報が読み込まれる。その後、S160では、走行可能距離算出部34により、尿素水の残存量、尿素水の消費傾向及び、道路交通情報に基づいて走行可能距離が算出される。
【0042】
S170では、走行可能判定部35により、目標走行距離と走行可能距離とが比較される。目標走行距離が走行可能距離以下の場合は、目的地は走行可能距離の範囲内にあると判定されてS180へと進む。一方、目標走行距離が走行可能距離よりも大きい場合は、目的地は走行可能距離の範囲外と判定されてS120へ戻される。
【0043】
S180では、スタンド情報読込部37により、外部メモリ20に記憶されている複数の尿素水補給スタンドの位置情報が制御装置30に読み込まれる。
【0044】
S190では、S180で読み込まれた尿素水補給スタンドの位置情報が走行可能距離の範囲内にあるか否かが確認される。尿素水補給スタンドが走行可能距離の範囲内にある場合はS200へと進む一方、尿素水補給スタンドが走行可能距離の範囲内にない場合はS300へと進む。
【0045】
S200では、S180で読み込まれた尿素水補給スタンドの中から、運転者がこれまで複数回利用した尿素水補給スタンドがあるか否かが確認される。複数回利用した尿素水補給スタンドがある場合はS210に進み、複数回利用した尿素水補給スタンドがない場合はS230に進む。
【0046】
S210では、運転者の入力装置21の操作により「最適スタンド」の選択が行われているか否かが確認される。運転者により「最適スタンド」の選択がなされている場合はS220へと進む一方、「最適スタンド」の選択がなされていない場合はS230へと進む。
【0047】
S220では、表示装置制御部38により、走行可能距離の範囲内にある尿素水補給スタンドの中から最も優先順位の高い尿素水補給スタンドまでの最短経路が表示装置22に表示されて、本制御はリターンされる。また、S230に進んだ場合は、表示装置制御部38により、走行可能距離の範囲内にある尿素水補給スタンドの中から最寄りの尿素水補給スタンドまでの最短経路が表示装置22に表示されて、本制御はリターンされる。
【0048】
S300では、目標走行距離が所定の上限閾値以下であるか否かが確認される。目標走行距離が所定の上限閾値よりも大きい場合は、S310でエンジン70の運転領域がエコモードに切り替えられてS100へと戻される。一方、目標走行距離が所定の上限閾値以下の場合は、S320で車速が0(ゼロ)か否かが確認される。車速が0(ゼロ)でない場合は、S330でエンジン70の運転領域がエコモードに切り替えられてS100へと戻される一方、車速が0(ゼロ)の場合は、本制御はリターンされる。
【0049】
次に、本発明の一実施形態に係る尿素水補給スタンド案内装置1の作用効果について説明する。
【0050】
目的地までの目標走行距離が尿素水の残存量に基づいて算出された走行可能距離の範囲内にある場合は、地図データ及び、走行可能距離の範囲内にある尿素水補給スタンドまでの最短経路が表示装置22に正確に表示される。
【0051】
したがって、尿素水を補給しようとする車両を最適な尿素水補給スタンドに案内することが可能となり、尿素水切れによる排気中のNOx濃度上昇を効果的に防ぐことができる。
【0052】
また、走行可能距離の算出は、尿素水の残存量のみならず、VICS受信機12で受信された渋滞情報や工事情報を含んだ道路交通情報に基づいて算出される。すなわち、目標走行距離と走行可能距離とを比較する走行可能判定は、渋滞や工事による影響を加味した正確な情報に基づいて行われることになる。
【0053】
したがって、運転者に渋滞や工事等の影響を正確に回避できる高精度の情報提供が可能となり、尿素水切れを引き起こす前に車両を最適な尿素水補給スタンドに確実に案内することができる。
【0054】
また、走行可能距離の範囲内に尿素水補給スタンドが無い場合、エンジン70の運転領域は、運転モード切替部39によって尿素水の消費量を低減できる低負荷の運転領域(エコモード)に切り替えられる。
【0055】
したがって、尿素水の補給を行えないような状況であっても、尿素水の消費量を抑えながら車両を走行させることが可能となり、尿素水切れを効果的に防ぐことができる。
【0056】
また、運転者の入力装置21の操作により「最適スタンド」が選択された場合は、走行可能距離の範囲内にある尿素水補給スタンドの中から最も優先順位が高い(利用回数の多い)尿素水補給スタンドまでの最短経路が表示装置22に表示される。
【0057】
したがって、車両を運転者の利用頻度が高い最適な尿素水補給スタンドに効果的に案内することができる。
【0058】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
【0059】
例えば、最適スタンド選別部36による尿素水補給スタンドの優先順位は、利用回数に応じて付されるものとして説明したが、係る優先順位を入力装置21の入力操作に応じた運転者の好みで付されるようにしてもよい。
【0060】
また、タンク74内の尿素水の残存量が極端に少ない場合は、尿素水切れによる排気中のNOx濃度上昇を未然に回避すべく、エンジン70を強制的に停止するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 尿素水補給スタンド案内装置
11 GPS受信機(車両位置検出手段)
12 VICS受信機(道路交通情報検出手段)
14 尿素水量センサ(尿素水量検出手段)
20 外部メモリ(記憶手段)
21 入力装置(入力手段)
22 表示装置
30 制御装置
32 目標走行距離算出部(目標距離算出手段)
34 走行可能距離算出部(走行可能距離算出手段)
36 最適スタンド選別部(スタンド利用回数計算手段)
38 表示装置制御部(表示制御手段)
39 運転モード切替部(運転モード切替手段)
70 エンジン
73 SCR触媒(排気浄化触媒)
74 タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気浄化触媒に供給される尿素水用のタンクを備えた車両の尿素水補給スタンド案内装置であって、
前記タンク内にある尿素水の残存量を検出する尿素水量検出手段と、
前記車両の位置情報を検出する車両位置検出手段と、
前記車両の運転室に設けられた表示装置と、
地図データ及び、尿素水補給スタンドの位置情報を予め記憶した記憶手段と、
前記車両の目的地の位置情報を入力可能な入力手段と、
検出された前記車両の位置情報と、入力された前記目的地の位置情報とに基づいて、現在位置から目的地までの目標距離を算出する目標距離算出手段と、
検出された前記尿素水の残存量に基づいて、前記車両が該残存量を使い切らない走行可能距離を算出する走行可能距離算出手段と、
前記目標距離が前記走行可能距離の範囲内である場合に、前記表示装置に前記地図データ及び、走行可能距離の範囲内にある尿素水補給スタンドまでの最短経路を表示させる表示制御手段と、を備えることを特徴とする尿素水補給スタンド案内装置。
【請求項2】
渋滞情報を含む道路交通情報を検出する道路交通情報検出手段をさらに備え、 前記走行可能距離算出手段は、検出された前記尿素水の残存量と、検出された前記道路交通情報とに基づいて、前記走行可能距離を算出する請求項1に記載の尿素水補給スタンド案内装置。
【請求項3】
前記目標距離が前記走行可能距離の範囲内にない場合は、エンジンの運転領域を尿素水の消費量が低減される低負荷運転領域に切り替える運転モード切替手段をさらに備える請求項1又は2に記載の尿素水補給スタンド案内装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、走行可能距離の範囲内にある尿素水補給スタンドのうち、前記車両の現在位置から最寄りの尿素水補給スタンドまでの最短経路を表示させる請求項1から3の何れかに記載の尿素水補給スタンド案内装置。
【請求項5】
検出された前記車両の位置情報と、前記記憶手段に記憶された尿素水補給スタンドの位置情報とに基づいて、該尿素水補給スタンドの利用回数を計算するスタンド利用回数計算手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、走行可能距離の範囲内にある尿素水補給スタンドのうち、利用回数が最も多い尿素水補給スタンドまでの最短経路を表示させる請求項1から3の何れかに記載の尿素水補給スタンド案内装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−247360(P2012−247360A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120637(P2011−120637)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】