説明

居所管理装置

【課題】 この発明は、顔画像による個人照合を行うことで、IDカードなどを携帯する必要がなくなり、ユーザにまったく意識させることなく居所を管理することができる。
【解決手段】 この発明は、種々の居所に設けられる取込手段によりそれぞれ顔画像を取込み、この取込んだ顔画像とあらかじめ登録されている種々の顔画像とを比較し、一致する顔画像の人物を判断し、この判断された一致する顔画像の人物の居所を上記取込手段が設けられている居所として判定するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、人物の居所を管理する居所管理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、人物の居所を管理するものとして、磁気カードやICカードによるIDカードを用いた装置が実用化されている。また、ICカードとしては、接触式のものと非接触式(無線カード)のものとが開発されている。
【0003】このようなIDカードを用いた装置では、IDカードを読取り器にかける必要があったり、必ず各個人がIDカードを携帯しなければならず、大変不便であるという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、必ず各個人がIDカードを携帯しなければならず、大変不便であるという欠点を除去するもので、各個人がIDカードを携帯することなく、各個人の居所を管理することができ、しかも各個人を意識させることなく自動的に居所を管理できる居所管理装置を提供することを目的としている。
【0005】また、発信者が相手の居所を意識することなく電話や伝言メッセージを転送することができる居所管理装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の居所管理装置は、種々の居所に設けられ、それぞれ顔画像を取込む複数の取込手段と、種々の人物ごとの顔画像があらかじめ登録されている登録手段と、上記取込手段により取込んだ顔画像と上記登録手段に登録されている種々の顔画像とを比較し、一致する顔画像の人物を判断する判断手段と、この判断手段により判断された一致する顔画像の人物の居所を上記取込手段が設けられている居所として判定する判定手段とからなる。
【0007】この発明の居所管理装置は、種々の居所に設けられ、それぞれ顔画像を取込む複数の取込手段と、種々の人物ごとの顔画像があらかじめ登録されている登録手段と、上記取込手段により取込んだ顔画像と上記登録手段に登録されている種々の顔画像とを比較し、一致する顔画像の人物を判断する判断手段と、この判断手段により判断された一致する顔画像の人物の居所を上記取込手段が設けられている居所として判定する判定手段と、この判定手段により判定される各人物ごとの居所を表示する表示手段とからなる。
【0008】この発明の居所管理装置は、種々の居所に設けられ、それぞれ顔画像を取込む複数の取込手段と、種々の人物名ごとの顔画像と個人の電話番号があらかじめ登録されている登録手段と、上記取込手段により取込んだ顔画像と上記登録手段に登録されている種々の顔画像とを比較し、一致する顔画像の人物を判断する判断手段と、この判断手段により判断された一致する顔画像の人物の居所を上記取込手段が設けられている居所として判定する判定手段と、上記居所ごとに設けられている電話と、外部から通信回線を介して個人の電話番号を受信した際に、上記登録手段により上記個人の電話番号に対応する人物名を読出し、この人物名に対して上記判定手段により判定される居所に設けられている上記電話を発呼する発呼手段とからなる。
【0009】この発明の居所管理装置は、種々の居所に設けられ、それぞれ顔画像を取込む複数の取込手段と、種々の人物名ごとの顔画像と個人のアドレスがあらかじめ登録されている登録手段と、上記取込手段により取込んだ顔画像と上記登録手段に登録されている種々の顔画像とを比較し、一致する顔画像の人物を判断する判断手段と、この判断手段により判断された一致する顔画像の人物の居所を上記取込手段が設けられている居所として判定する判定手段と、上記居所をごとに設けられ、供給されるメッセージを出力するメッセージ出力手段と、所望の人物のアドレスに対するメッセージを設定する設定手段と、この設定手段により設定されるアドレスに対応する人物名を上記登録手段から読出し、この人物名に対して上記判定手段により判定される居所に設けられている上記メッセージ出力手段に上記設定手段により設定されたメッセージを送信する送信手段とからなる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の第1の実施形態に係る居所管理装置を説明する。
【0011】図1は、この発明の居所管理装置の概略構成を示している。
【0012】この居所管理装置は、オフィス「1」としての居所監視区域101と、会議室としての居所監視区域102と、通路としての廊下部100とからなる建物における各個人たとえば人物107、108、109の居所つまり居所監視区域101、102の入退出を管理するものである。
【0013】この居所管理装置は、画像入力手段103〜106、顔面像照合手段110、、顔画像照合用データベース111、居所管理/検索手段112、居所データベース113、画像入力手段/場所変換テーブル114、居所表示手段115により構成されている。画像入力手段103〜106と顔面像照合手段110とは、映像・ケーブル、Ethernet、無線LANなどの伝送手段116によって接続されている。
【0014】上記オフィス101には、上記オフィス101の出入口101aから入ってくる人物の顔画像を室内側から撮像する撮像機としての画像入力手段(電子スチルカメラ)104が設けられている。
【0015】上記オフィス101の出入口101aに対向する廊下部100には、上記オフィス101の出入口101aから出てくる人物の顔画像を廊下側から撮像する撮像機としての画像入力手段(電子スチルカメラ)103が設けられている。
【0016】上記会議室102には、上記オフィス101の出入口102aから入ってくる人物の顔画像を室内側から撮像する撮像機としての画像入力手段(電子スチルカメラ)105が設けられている。
【0017】上記会議室102の出入口102aに対向する廊下部100には、上記会議室102の出入口102aから出てくる人物の顔画像を廊下側から撮像する撮像機としての画像入力手段(電子スチルカメラ)106が設けられている。
【0018】上記各画像入力手段103〜106により捕らえられた人物の顔画像は、顔画像照合手段110に伝送される。
【0019】顔画像照合用データベース111は、各人物に対する照合用の顔画像データが登録されるようになっている。
【0020】居所データベース113は、図2に示すように、各人物名に対して、照合画像入力手段番号と、入室時刻あるいは退出時刻としての照合時刻が登録されるようになっている。新規なものが先頭に登録されている。
【0021】画像入力手段/場所変換テーブル114は、図3に示すように、画像入力手段番号に対して、その設置場所が登録されるようになっている。たとえば、画像入力手段103に対してオフィス1(退室)が登録され、画像入力手段104に対してオフィス1(入室)が登録され、画像入力手段105に対して会議室(入室)が登録され、画像入力手段106に対して会議室(退室)が登録されている。
【0022】顔画像照合手段110は、上記各画像入力手段103〜106からの顔画像データと上記顔画像照合用データベース111に登録されている各人物に対する照合用の顔画像データとの照合(個人照合)を行い、照合用の顔画像データ(一番照合の度合いの高い)に対する人物名(照合人物情報)に上記照合した画像入力手段の番号と、入室時刻あるいは退出時刻としての照合時刻とを付与して居所管理/検索手段112に供給するものである。この顔画像照合手段110による照合は、画像データを主成分分析することにより次元圧縮し、変動にロバストな照合を行う手法を用いることにより実現ができる。(特開平11−144105号公報参照)居所管理/検索手段112は、顔画像照合手段110から供給される照合結果をもとに、十分な確信度(所定の照合度合い以上、類似度の高い候補)をもつ結果のみを居所データベース113に登録するものである。
【0023】たとえば、図2に示すように、人物名「青木」に対して、照合した画像入力手段の番号「105」と、入室時刻としての照合時刻「10:24」とが登録され、人物名「井上」に対して、照合した画像入力手段の番号「104」と、入室時刻としての照合時刻「10:19」とが登録され、人物名「遠藤」に対して、照合した画像入力手段の番号「105」と、入室時刻としての照合時刻「10:15」とが登録され、人物名「井上」に対して、照合した画像入力手段の番号「106」と、退室時刻としての照合時刻「10:10」とが登録され、人物名「井上」に対して、照合した画像入力手段の番号「105」と、入室時刻としての照合時刻「9:00」とが登録されるようになっている。
【0024】居所管理/検索手段112は、居所表示手段115からの検索要求にしたがって、居所データベース113を検索し、最も新しく人物が照合された画像入力手段番号あるいは新しいものから複数の人物が照合された画像入力手段番号を得るものである。居所管理/検索手段112は、この得られた画像入力手段番号と具体的な場所名の対応をとる画像入力手段/場所変換テーブル114をもとに居所名を特定し、居所表示手段115に供給する(返す)ものである。
【0025】居所管理/検索手段112には、図示しない登録個人情報テーブルが接続され、上記検索した人物に対する登録個人情報たとえば所属と内線番号とが検索されるようになっている。
【0026】居所管理/検索手段112は、定期的に居所データベース113をチェックし、ある一定期間以上照合(入室)が行われていない(居所が確認されていない)人物の居所データを不明として更新する。
【0027】居所表示手段115は、パソコン等で構成され、居所検索依頼者の依頼によって、または定期的に居所情報を更新するために居所管理/検索手段112に問い合わせ(検索要求)を行い、人物の居所情報を得て表示するものである。
【0028】この居所表示手段115では、図4に示すように、居所の全体の概略、登録画像、照合映像、照合内容、登録個人情報が表示されるようになっている。
【0029】次に、上記画像入力手段104と顔画像照合手段110での処理について、図5に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0030】たとえば、画像入力手段104は背景差分などの処理により出入口101aからの人物の入室を検出し(ST1)、肌色領域または平均顔パターンとの相関の高い領域を選択することで顔領域つまり顔画像データを抽出する(ST2)。この抽出された顔画像データは大きさや明るさの正規化、ズーム処理を行った後(ST3)、この顔画像データとともに画像入力手段の番号の情報が、伝送手段116によって顔画像照合手段110に伝送される(ST4)。
【0031】これにより、顔画像照合手段110では、あらかじめ顔画像照合用データベース111に登録されている個人ごとの顔画像データとの相関を取り(照合を行い)(ST5)、十分に類似度の高い候補を照合人物(照合結果)として居所管理/検索手段112に供給される(ST6、7)。
【0032】また、画像入力手段103、105、106からの顔画像データも上記同様に処理される。
【0033】次に、上記のような構成において、入退出の管理処理について、図6に示すフローチャートと図1の居所管理装置と図2の居所データベース113の登録例を参照しつつ説明する。
【0034】すなわち、人物107が9時に出入口102aにより会議室102内に入室する。すると、画像入力手段105により人物107の顔画像データが画像入力手段の番号の情報とともに顔画像照合手段110に伝送される(ST11)。
【0035】これにより、顔画像照合手段110では、あらかじめ顔画像照合用データベース111に登録されている個人ごとの顔画像データとの相関を取る(照合を行う)(ST12)。この照合の結果、十分に類似度の高い候補の照合人物としての人物名「井上」と、照合した画像入力手段の番号「105」と、入室時刻としての照合時刻「9:00」が居所管理/検索手段112に供給される(ST13)。
【0036】この結果、居所データベース113に、人物名「井上」に対して、照合した画像入力手段の番号「105」と、入室時刻としての照合時刻「9:00」とが登録される(ST14)。
【0037】次に、人物107が10時10分に出入口102aにより会議室102外へ退室する。すると、画像入力手段106により人物107の顔画像データが画像入力手段の番号の情報とともに顔画像照合手段110に伝送される(ST11)。
【0038】これにより、顔画像照合手段110で、照合を行い(ST12)、この照合の結果、人物名「井上」と、照合した画像入力手段の番号「106」と、退室時刻としての照合時刻「10:10」が居所管理/検索手段112に供給される(ST13)。
【0039】この結果、居所管理/検索手段112により、居所データベース113に、人物名「井上」に対して、照合した画像入力手段の番号「106」と、退室時刻としての照合時刻「10:10」とが登録される(ST14)。
【0040】次に、人物108が10時15分に出入口102aにより会議室102内に入室する。すると、画像入力手段105により人物108の顔画像データが画像入力手段の番号の情報とともに顔画像照合手段110に伝送される(ST11)。
【0041】これにより、顔画像照合手段110で、照合を行い(ST12)、この照合の結果、人物名「遠藤」と、照合した画像入力手段の番号「105」と、入室時刻としての照合時刻「10:15」が居所管理/検索手段112に供給される(ST13)。
【0042】この結果、居所管理/検索手段112により、居所データベース113に、人物名「遠藤」に対して、照合した画像入力手段の番号「105」と、入室時刻としての照合時刻「10:15」とが登録される(ST14)。
【0043】次に、人物107が10時19分に出入口101aによりオフィス「1」101内に入室する。すると、画像入力手段104により人物107の顔画像データが画像入力手段の番号の情報とともに顔画像照合手段110に伝送される(ST11)。
【0044】これにより、顔画像照合手段110で、照合を行い(ST12)、この照合の結果、人物名「井上」と、照合した画像入力手段の番号「104」と、入室時刻としての照合時刻「10:19」が居所管理/検索手段112に供給される(ST13)。
【0045】この結果、居所管理/検索手段112により、居所データベース113に、人物名「井上」に対して、照合した画像入力手段の番号「104」と、入室時刻としての照合時刻「10:19」とが登録される(ST14)。
【0046】次に、人物109が10時24分に出入口102aにより会議室102内に入室する。すると、画像入力手段105により人物109の顔画像データが画像入力手段の番号の情報とともに顔画像照合手段110に伝送される(ST11)。
【0047】これにより、顔画像照合手段110で、照合を行い(ST12)、この照合の結果、人物名「青木」と、照合した画像入力手段の番号「105」と、入室時刻としての照合時刻「10:24」が居所管理/検索手段112に供給される(ST13)。
【0048】この結果、居所管理/検索手段112により、居所データベース113に、人物名「青木」に対して、照合した画像入力手段の番号「105」と、入室時刻としての照合時刻「10:24」とが登録される(ST14)。
【0049】次に、上記のような構成において、居所の表示処理について、図7に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0050】たとえば今、定期的に居所情報を更新するために居所管理/検索手段112に対して問い合わせを行う(ST21)。
【0051】すると、居所管理/検索手段112は、供給される検索要求にしたがって、居所データベース113を検索し(ST22)、各個人の最新の照合時刻(入室時刻、退室時刻)に基づいて、各個人の居所を判断する(ST23)。
【0052】また、居所管理/検索手段112は、各個人の居所と各個人の顔画像照合用データベース111に登録されている顔画像データ(登録画像)とを居所表示手段115に供給する(ST24)。
【0053】これにより、居所表示手段115は供給される各個人の居所と各個人の顔画像データ(登録画像)とに基づいて、居所全体表示を行う(ST25)。
【0054】たとえば、居所全体表示として、「井上さん」の顔画像データがその氏名とともにオフィス1内に表示され、「青木さん」の顔画像データがその氏名とともに会議室内に表示され、「遠藤さん」の顔画像データがその氏名とともに会議室内に表示される。
【0055】このような状態において、居所検索依頼者の依頼によって居所表示手段115から「井上さん」に対する検索要求が居所管理/検索手段112が出力される(ST26)。すると、居所管理/検索手段112は、供給される検索要求にしたがって、居所データベース113を検索し(ST27)、「井上さん」に対応する画像入力手段番号と照合時刻を新しいものから順に抽出する(ST28)。さらに、居所管理/検索手段112は、この得られた画像入力手段番号に対する具体的な場所名を画像入力手段/場所変換テーブル114から順次抽出し(ST29)、上記対応する照合時間(入室、退室)とともに居所表示手段115に供給する(ST30)。
【0056】また、居所管理/検索手段112は、一番最新の照合内容「オフィス1 10:19(入室)」に対して上記顔画像照合手段110で照合した正規化後の顔画像データ(照合映像)と照合結果に対応する顔画像照合用データベース111に登録されている顔画像データ(登録画像)とを居所表示手段115に供給する(ST31)。
【0057】また、居所管理/検索手段112は、図示しない登録個人情報テーブルから上記検索した人物に対する登録個人情報としての所属「経理課」と内線番号「2352」とを検索し(ST32)、この検索結果を居所表示手段115に供給する(ST33)。
【0058】これにより、居所表示手段115は、居所全体表示に追加して、図4に示すように、供給される「井上さん」の登録されている顔画像データ、照合した正規化後の顔画像データ、入室あるいは退室に対する照合が行われた場所と時刻、登録個人情報が表示される(ST34)。
【0059】上記したように、居所表示手段115の画面上部の居所全体表示には居所監視区域とその区域にいる人物が表示されており、居所を知ることができる。
【0060】また、ユーザが人物画像を選択、または検索したい人物の名前などの情報を入力して指定することにより、その人物のより詳しい情報を下部に表示することもできる。
【0061】さらに、登録された顔画像だけでなく、実際に照合に用いた映像も同時に表示することにより、正しく人物照合が行われていることをユーザが検証することもできる。
【0062】次に、上記第1の実施形態の居所管理装置の居所表示の代りに、電話転送機能を設けた第2の実施形態の居所管理装置について説明する。なお、第1の実施形態との同一部位には同一番号を付し説明を省略する。
【0063】すなわち、図8に示す第2の実施形態の居所管理装置は、図1に示す第1の実施形態の居所管理装置の居所表示手段115の代りに電話転送手段215を設け、画像入力手段/場所変換テーブル114の代りに画像入力手段/内線番号変換テーブル214が設けられている。上記電話転送手段215には、個人電話番号/人物名変換テーブル217が接続され、内線用の回線を介してオフィスとしての居所監視区域101内に設置される電話機218と、会議室としての居所監視区域102内に設置される電話機219とが接続され、公衆回線(外線)を介して外部の電話機200が接続されている。
【0064】上記個人電話番号/人物名変換テーブル217は、図9に示すように、個人電話番号に対して、対応する人物名(個人名)が登録されるようになっている。たとえば、個人電話番号「1001」に対して人物名「青木」が登録され、個人電話番号「1002」に対して人物名「井上」が登録され、個人電話番号「1003」に対して人物名「遠藤」が登録されている。
【0065】上記画像入力手段/内線番号変換テーブル214は、図10に示すように、画像入力手段番号に対して、その設置場所内の電話機の内線番号が登録されるようになっている。たとえば、画像入力手段103に対してオフィス1内の電話機218の内線番号「2351」が登録され、画像入力手段105に対して会議室内の電話機219の内線番号「2352」が登録されている。
【0066】次に、上記のような構成において、電話の転送処理について、図11に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0067】たとえば今、外部の電話機200から個人電話番号を指定して発信する。すると、電話転送手段215は個人電話番号に対する発信を受付ける(ST41)。この受付けにより、電話転送手段215は個人電話番号/人物名変換テーブル217を参照して、個人電話番号に対する人物名を特定し、この人物の居所に対応する内線番号を居所管理/検索手段112に問い合わせる(ST42)。
【0068】すると、居所管理/検索手段112は、居所データベース113からその人物の入室に対応する最新の照合画像入力手段の番号を検索し(ST43)、その番号に対応する内線番号を画像入力手段/内線番号変換テーブル214から得て電話転送手段215に返す(ST44)。電話転送手段215は得られた内線番号をもとに電話を転送する(ST45)。これにより、その電話が発呼状態となる。
【0069】なお、居所管理/検索手段112において、もしその人物が最近照合されていない場合は、あらかじめ定められた電話機、もしくはすべての電話機に転送する。
【0070】これにより、電話を発信する人物は受信人物の居所を考慮する必要がなくなり、個人電話番号の指定のみで相手の居所に電話をかけることができるようになる。
【0071】たとえば、個人電話番号「1002」に対する発信を受付けた際に、電話転送手段215は個人電話番号/人物名変換テーブル217を参照して、人物名「井上」を特定し、この人物の居所に対応する内線番号を居所管理/検索手段112に問い合わせる。
【0072】すると、居所管理/検索手段112は、居所データベース113からその人物の入室に対応する最新の照合画像入力手段の番号「104」を検索し、その番号に対応する内線番号「2351」を画像入力手段/内線番号変換テーブル214から得て電話転送手段215に返す。
【0073】これにより、電話転送手段215は得られた内線番号「2351」に電話を転送する。
【0074】次に、上記第1の実施形態の居所管理装置の居所表示の代りに、伝言・ボイスメール機能を設けた第3の実施形態の居所管理装置について説明する。なお、第1の実施形態との同一部位には同一番号を付し説明を省略する。
【0075】すなわち、図12に示す第3の実施形態の居所管理装置は、図1に示す第1の実施形態の居所管理装置の居所表示手段115の代りにメッセージ蓄積/通知手段(送信手段)315を設け、画像入力手段/場所変換テーブル114の代りに画像入力手段/メッセージ受信手段アドレス変換テーブル314が設けられている。上記メッセージ蓄積/通知手段315には、伝言またはボイスメール等のメッセージを送信するメッセージ送信手段(設定手段)317が接続され、回線を介してオフィスとしての居所監視区域101内に設置されるメッセージ受信/通知/再生手段318と、会議室としての居所監視区域102内に設置されるメッセージ受信/通知/再生手段319、320とが接続されている。
【0076】画像入力手段/メッセージ受信手段アドレス変換テーブル314は、図13に示すように、画像入力手段番号に対して、その設置場所内のメッセージ受信/通知/再生手段318のアドレスが登録されるようになっている。たとえば、画像入力手段103に対してオフィス1内のメッセージ受信/通知/再生手段318のアドレス「192.168.0.1」が登録され、画像入力手段105に対して会議室内のメッセージ受信/通知/再生手段319、320の内線番号「192.168.0.2」「192.168.0.3」が登録されている。これにより、ある画像入力手段で撮像された人物にメッセージを伝えるのにもっとも適切なメッセージ受信/通知/再生手段318〜320のアドレスを保持している。
【0077】次に、上記のような構成において、伝言またはボイスメールの送信処理について、図14に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0078】たとえば今、メッセージ送信手段317からある人物107〜109に対する伝言またはボイスメールを送信する。すると、メッセージ蓄積/通知手段315は、メッセージ送信手段317からある人物107〜109に対する伝言またはボイスメールを受信する(ST51)。この受信により、メッセージ蓄積/通知手段315は、その伝言またはボイスメールを蓄積し、受信者に対応する受信手段アドレスを居所管理/検索手段112に問い合わせる(ST52)。
【0079】すると、居所管理/検索手段112は、居所データベース113からその人物の入室に対応する最新の照合画像入力手段番号を検索し(ST53)、その番号に対応するメッセージ受信手段アドレスを画像入力手段/メッセージ受信手段アドレス変換テーブル314から得てメッセージ蓄積/通知手段315に返す(ST54)。
【0080】これにより、メッセージ蓄積/通知手段315は、そのアドレスをもとにメッセージの到着を対応するメッセージ受信/通知/再生手段318〜320に通知する。
【0081】この結果、通知を受けたメッセージ受信/通知/再生手段318〜320は、画面表示、または音声通知により受信者107〜109にメッセージの到着を通知する。
【0082】そして、受信者107〜109の操作によってメッセージを再生する。メッセージはメッセージ蓄積/通知手段315に蓄積されており、受信者107〜109はメッセージ受信/通知/再生手段318〜320を通じて随時呼び出すことができる。
【0083】たとえば、人物名「井上」に対する伝言またはボイスメールを受信した際に、メッセージ蓄積/通知手段315はその伝言またはボイスメールを蓄積し、この人物の居所に対応する受信手段アドレスを居所管理/検索手段112に問い合わせる。
【0084】すると、居所管理/検索手段112は、居所データベース113からその人物の入室に対応する最新の照合画像入力手段の番号「104」を検索し、その番号に対応する受信手段アドレス「192.168.0.1」をメッセージ受信手段アドレス変換テーブル314から得てメッセージ蓄積/通知手段315に返す。
【0085】これにより、メッセージ蓄積/通知手段315は得られた受信手段アドレス「192.168.0.1」のメッセージ受信/通知/再生手段318にメッセージの到着を転送する。
【0086】この結果、通知を受けたメッセージ受信/通知/再生手段318は、画面表示、または音声通知により受信者107にメッセージの到着を通知する。
【0087】そして、受信者107の操作によってメッセージを再生する。メッセージはメッセージ蓄積/通知手段315に蓄積されており、受信者107はメッセージ受信/通知/再生手段318を通じて随時呼び出すことができる。
【0088】また、受信者107〜109に近いメッセージ受信/通知/再生手段318〜320が音声通知することにより、受信者107〜109は必ずしも装置の近くにいなくても受信を知ることができる。
【0089】また、受信者107〜109の最寄りのメッセージ受信/通知/再生手段318〜320のみが音声通知することにより、受信者107〜109から離れた無関係のメッセージ受信/通知/再生手段318〜320が音声通知を行うことによる騒音も発生しなくなる。
【0090】さらに、特開平11−98557号公報に示されるような指向性のあるスピーカを用い、音声の到達範囲を人物の存在範囲付近に制限することにより、無関係な騒音の発生をさらに低減することができる。
【0091】上記したように、種々の居所に設けられる画像入力手段によりそれぞれ顔画像を取込み、この取込んだ顔画像とあらかじめ登録されている種々の顔画像とを比較し、一致する顔画像の人物を判断し、この判断された一致する顔画像の人物の居所を上記画像入力手段が設けられている居所として判定するようにしたものである。
【0092】これにより、顔画像による個人照合を行うことで、IDカードなどを携帯する必要がなくなり、ユーザにまったく意識させることなく居所を管理することができる(第1の実施形態)。
【0093】また、居所だけでなく、居所データベース、画像入力手段/場所変換テーブルの登録内容を用いて、各人物の入退出も管理できるようになっている。
【0094】また、そこで得られる居所情報にもとづいて電話を転送することにより、発信者は受信者の居所を意識することなく電話を発信することができる(第2の実施形態)。
【0095】さらに、居所情報にもとづいて伝言・ボイスメールの到着通知を行うことにより、受信者は能動的にメッセージの到着を確認する必要がなくなる(第3の実施形態)。
【0096】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれば、各個人がIDカードを携帯することなく、各個人の居所を管理することができ、しかも各個人を意識させることなく自動的に居所を管理できる居所管理装置を提供できる。
【0097】また、発信者が相手の居所を意識することなく電話や伝言メッセージを転送することができる居所管理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態の居所管理装置の概略構成を示す図。
【図2】居所データベースの登録例を示す図。
【図3】画像入力手段/場所変換テーブルの登録例を示す図。
【図4】居所表示手段の表示例を示す図。
【図5】画像入力手段と顔画像照合手段での処理を説明するためのフローチャート。
【図6】入退出の管理処理を説明するためのフローチャート。
【図7】居所の表示処理を説明するためのフローチャート。
【図8】この発明の第2の実施形態の居所管理装置の概略構成を示す図。
【図9】個人電話番号/人物名変換テーブルの登録例を示す図。
【図10】画像入力手段/内線番号変換テーブルの登録例を示す図。
【図11】電話の転送処理を説明するためのフローチャート。
【図12】この発明の第3の実施形態の居所管理装置の概略構成を示す図。
【図13】画像入力手段/メッセージ受信手段アドレス変換テーブルの登録例を示す図。
【図14】伝言またはボイスメールの送信処理を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
101…居所監視区域(オフィス「1」)
102…居所監視区域(会議室)
101a、102a…出入口
103〜106…画像入力手段(取込手段)
107、108、109…人物
110…顔面像照合手段(判断手段)
111…顔画像照合用データベース(登録手段)
112…居所管理/検索手段(判定手段)
113…居所データベース
114…画像入力手段/場所変換テーブル
115…居所表示手段
116…伝送手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】 種々の居所に設けられ、それぞれ顔画像を取込む複数の取込手段と、種々の人物ごとの顔画像があらかじめ登録されている登録手段と、上記取込手段により取込んだ顔画像と上記登録手段に登録されている種々の顔画像とを比較し、一致する顔画像の人物を判断する判断手段と、この判断手段により判断された一致する顔画像の人物の居所を上記取込手段が設けられている居所として判定する判定手段と、を具備したことを特徴とする居所管理装置。
【請求項2】 種々の居所に設けられ、それぞれ顔画像を取込む複数の取込手段と、種々の人物ごとの顔画像があらかじめ登録されている登録手段と、上記取込手段により取込んだ顔画像と上記登録手段に登録されている種々の顔画像とを比較し、一致する顔画像の人物を判断する判断手段と、この判断手段により判断された一致する顔画像の人物の居所を上記取込手段が設けられている居所として判定する判定手段と、この判定手段により判定される各人物ごとの居所を表示する表示手段と、を具備したことを特徴とする居所管理装置。
【請求項3】 種々の居所に設けられ、それぞれ顔画像を取込む複数の取込手段と、種々の人物名ごとの顔画像と個人の電話番号があらかじめ登録されている登録手段と、上記取込手段により取込んだ顔画像と上記登録手段に登録されている種々の顔画像とを比較し、一致する顔画像の人物を判断する判断手段と、この判断手段により判断された一致する顔画像の人物の居所を上記取込手段が設けられている居所として判定する判定手段と、上記居所ごとに設けられている電話と、外部から通信回線を介して個人の電話番号を受信した際に、上記登録手段により上記個人の電話番号に対応する人物名を読出し、この人物名に対して上記判定手段により判定される居所に設けられている上記電話を発呼する発呼手段と、を具備したことを特徴とする居所管理装置。
【請求項4】 種々の居所に設けられ、それぞれ顔画像を取込む複数の取込手段と、種々の人物名ごとの顔画像と個人のアドレスがあらかじめ登録されている登録手段と、上記取込手段により取込んだ顔画像と上記登録手段に登録されている種々の顔画像とを比較し、一致する顔画像の人物を判断する判断手段と、この判断手段により判断された一致する顔画像の人物の居所を上記取込手段が設けられている居所として判定する判定手段と、上記居所をごとに設けられ、供給されるメッセージを出力するメッセージ出力手段と、所望の人物のアドレスに対するメッセージを設定する設定手段と、この設定手段により設定されるアドレスに対応する人物名を上記登録手段から読出し、この人物名に対して上記判定手段により判定される居所に設けられている上記メッセージ出力手段に上記設定手段により設定されたメッセージを送信する送信手段と、を具備したことを特徴とする居所管理装置。
【請求項5】 種々の居所に設けられる複数の取込手段によりそれぞれ顔画像を取込み、この取込んだ顔画像とあらかじめ登録されている種々の人物ごとの顔画像とを比較し、一致する顔画像の人物を判断し、この判断された一致する顔画像の人物の居所を上記取込手段が設けられている居所として判定する、ことを特徴とする居所管理装置における居所判定方法。
【請求項6】 種々の居所に設けられる複数の取込手段によりそれぞれ顔画像を取込み、この取込んだ顔画像とあらかじめ登録されている種々の人物ごとの顔画像とを比較し、一致する顔画像の人物を判断し、この判断された一致する顔画像の人物の居所を上記取込手段が設けられている居所として判定し、この判定される各人物ごとの居所を表示する、ことを特徴とする居所管理装置における居所表示方法。
【請求項7】 種々の居所に設けられる複数の取込手段によりそれぞれ顔画像を取込み、この取込んだ顔画像とあらかじめ登録されている種々の人物ごとの顔画像とを比較し、一致する顔画像の人物を判断し、この判断された一致する顔画像の人物の居所を上記取込手段が設けられている居所として判定するものにおいて、外部から個人の電話番号を受信した際に、あらかじめ登録されている個人の電話番号に対応する人物名を読出し、この人物名に対して上記判定される居所に設けられている電話を発呼する、ことを特徴とする居所管理装置における電話転送方法。
【請求項8】 種々の居所に設けられる複数の取込手段によりそれぞれ顔画像を取込み、この取込んだ顔画像とあらかじめ登録されている種々の人物ごとの顔画像とを比較し、一致する顔画像の人物を判断し、この判断された一致する顔画像の人物の居所を上記取込手段が設けられている居所として判定するものにおいて、所望の人物のアドレスに対するメッセージを設定し、この設定されるアドレスに対応してあらかじめ登録されている人物名を読出し、この人物名に対して上記判定される居所に設けられているメッセージ出力手段に上記設定されたメッセージを送信する、ことを特徴とする居所管理装置におけるメッセージの送信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図13】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【公開番号】特開2001−45471(P2001−45471A)
【公開日】平成13年2月16日(2001.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−217154
【出願日】平成11年7月30日(1999.7.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】