説明

屋内無線品質測定装置

【課題】GPS位置情報を使用せず、地図あるいは図面等を持ち歩くことなく携帯電話の電波の受信強度を測定位置に対応させて記録する。
【解決手段】携帯電話1の不揮発性メモリ13に保存したフロア図面22の画像データと測定目標位置データを利用してディスプレイ6にフロア図面22の画像と測定目標位置を表示し、この画像を利用してユーザを測定目標位置に導くと共に、測定目標位置に移動したユーザが測定目標位置に相当する画像上の位置にカーソル16を移動させて手動操作盤5から測定実行指令を入力することで、カーソル16の現在位置に近接する測定目標位置データと電波強度測定部から読み込んだ電波強度とを対応させて不揮発性メモリ13に記憶させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内無線品質測定装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カーナビゲーションシステムと汎用型パソコンで発呼制御する携帯電話を利用した車載型の電波品質測定装置が開発され、屋外測定で多く利用されている。
【0003】
同様に、屋内測定でも汎用型パソコンで制御する携帯電話を利用した電波品質測定を行っていた。
【0004】
地図サービスやGPS情報を利用した従来型の屋内無線品質測定装置について図12を参照して簡単に説明する。
【0005】
図12において、屋内無線品質測定装置100の制御部105は、ボタン部101の操作によって位置の測定が指示された時にGPSモジュール部102及び電界強度測定部103で測定された位置情報及び電界強度情報をメモリ部104に蓄積する。そして、メモリ部104に蓄積された位置情報及び電界強度情報を所定のタイミングでアンテナ部106および基地局経由でセンターに送信する。センターは基地局から受信した位置情報と電界強度情報から地図上に電界強度分布を作成する。
【0006】
GPS情報を利用した屋内無線品質測定装置としては、例えば、特許文献1に開示されるような移動体通信電界強度測位システム知られている。
【0007】
しかしながら、従来の屋内無線品質測定装置においては、次のような課題がある。
【0008】
第1の課題は、屋内の電界強度を測定する場合は公共の屋内地図サービスがないため地図上に電界強度分布を作成することができない。
【0009】
また、第2の課題は、屋内フロア測定ではGPS位置情報が使用できないため、測定位置の検出ができないということである。
【0010】
また、パソコンを利用して調査ポイントを電波品位測定装置に記憶させ、調査員がフロア平面図を携えて測定作業を行う方法が特許文献2として開示されており、この方法ではGPS情報は必ずしも必要としないが、地図を携えて測定作業を行わなければならない煩わしさがある。
【0011】
【特許文献1】特開2006−246032号公報(段落0017,0018)
【特許文献2】特開2002−246988号公報(段落0056,0058)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、前記従来技術の不都合を改善し、GPS位置情報を使用せず、地図あるいは図面等を持ち歩くことなく電波の受信強度を測定位置に対応させて記録することのできる屋内無線品質測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の屋内無線品質測定装置は、前記課題を達成するため、
画像データを記憶するメモリと、
前記メモリに家屋のフロア図面の画像データを入力する画像データ入力手段と、
グラフィック表示が可能なディスプレイと、
マン・マシン・インターフェイスとして機能する手動操作盤と、
携帯電話基地局との通信に使用される電波の受信強度を測定する電波強度測定部と、
前記手動操作盤からの教示モード選択指令を受け、前記メモリに記憶されているフロア図面の画像データに基いて前記ディスプレイに画像を表示すると共に、前記手動操作盤からのカーソル移動指令を受けて前記ディスプレイ上でカーソルを移動させ、前記手動操作盤からの測定目標位置設定指令を受けて前記カーソルの現在位置に対応する画像上の位置を測定目標位置データとして前記メモリに記憶させる測定位置教示手段と、
前記手動操作盤からの測定モード選択指令を受け、前記メモリに記憶されているフロア図面の画像データと測定目標位置データに基いて前記ディスプレイに画像と測定目標位置を表示すると共に、前記手動操作盤からのカーソル移動指令を受けて前記ディスプレイ上でカーソルを移動させ、前記手動操作盤からの測定実行指令を受けると、前記カーソルの現在位置に近接する測定目標位置の測定目標位置データに前記電波強度測定部から読み込んだ電波強度を対応させて前記メモリに記憶させる測定実行手段と、
を備えたことを特徴とする構成を有する。
【0014】
以上の構成により、予め、屋内無線品質測定装置の画像データ入力手段を利用して、電波強度の測定対象とする家屋のフロア図面の画像データを屋内無線品質測定装置のメモリに保存しておく。
次いで、マン・マシン・インターフェイスとして機能する手動操作盤を操作することによってユーザが屋内無線品質測定装置の測定位置教示手段に教示モード選択指令を入力すると、屋内無線品質測定装置のモードが教示モードに切り替わり、屋内無線品質測定装置の測定位置教示手段が、前記メモリに記憶されているフロア図面の画像データに基いてディスプレイ上に電波強度の測定対象とする家屋のフロア図面の画像を表示する。
更に、屋内無線品質測定装置の手動操作盤を操作することによってユーザがカーソル移動指令を入力すると、品質測定装置の測定位置教示手段がカーソル移動指令を検知し、前記ディスプレイ上でカーソルを移動させる。ユーザは、電波強度の測定対象とする家屋のフロア図面をディスプレイ上で参照しつつ、電波強度を測定すべき画像上の測定目標位置にカーソルを移動させ、手動操作盤の操作によって品質測定装置に測定目標位置設定指令を入力する。測定目標位置設定指令を受けた品質測定装置の測定位置教示手段はカーソルの現在位置を検知し、カーソルの現在位置に対応する画像上の位置を測定目標位置データとしてメモリに記憶させる。
次いで、電波強度の測定対象とする家屋にユーザが赴いて屋内無線品質測定装置の手動操作盤を操作し、屋内無線品質測定装置の測定実行手段に測定モード選択指令を入力すると、屋内無線品質測定装置のモードが測定実行モードに切り替わり、測定実行手段が、メモリに記憶されているフロア図面の画像データと測定目標位置データに基いてディスプレイ上にフロア図面の画像と測定目標位置を表示する。
ユーザは、電波強度の測定対象とする家屋のフロア図面の画像と画像上の測定目標位置を参照し、家屋の内部を移動する。
そして、測定目標位置に到達したユーザが屋内無線品質測定装置の手動操作盤を操作して自分の現在位置すなわち測定目標位置に相当する画像上の位置にカーソルを移動させ、手動操作盤から測定実行指令を入力すると、測定実行手段が、カーソルの現在位置に近接する測定目標位置の測定目標位置データに電波強度測定部から読み込んだ電波強度を対応させてメモリに記憶させる。
最終的に、屋内無線品質測定装置のメモリに記憶された測定目標位置と電波強度との関係を汎用の無線品質解析ツールに読み込ませ、無線品質解析ツール側の処理で、測定目標位置と電波強度との関係に基いて地図上あるいは図面上に電界強度分布を作成させる。
屋内無線品質測定装置のメモリに保存したフロア図面の画像データと測定目標位置データを利用して屋内無線品質測定装置のディスプレイにフロア図面の画像と測定目標位置を表示し、この画像を利用してユーザを測定目標位置に導くようにしたので、地図や図面等を持ち歩かなくてもユーザを測定目標位置に適切に誘導することができる。しかも、測定目標位置に移動したユーザが測定目標位置に相当する画像上の位置にカーソルを移動させて手動操作盤から測定実行指令を入力することで、カーソルの現在位置に近接する測定目標位置に電波強度測定部から読み込んだ電波強度を対応させてメモリに記憶させるようにしたので、GPS位置情報を使用しなくても電波の受信強度を測定位置に対応させて的確に記録することができる。
【0015】
あるいは、前述した測定実行手段に代えて、前記手動操作盤からの測定モード選択指令を受け、前記メモリに記憶されているフロア図面の画像データと測定目標位置データに基いて前記ディスプレイに画像と測定目標位置を表示すると共に、前記手動操作盤からのカーソル移動指令を受けて前記ディスプレイ上でカーソルを移動させ、カーソルの移動の度に、前記カーソルの現在位置に対応する画像上の位置を移動経路点データとし、該移動経路点データに前記電波強度測定部から読み込んだ電波強度を対応させて前記メモリに記憶させる測定実行手段を設けるようにしてもよい。
【0016】
このような構成を適用した場合は、まず、前記と同様にして、電波強度の測定対象とする家屋のフロア図面の画像データを屋内無線品質測定装置のメモリに保存し、フロア図面の画像をディスプレイに表示して電波強度を測定すべき画像上の測定目標位置を測定目標位置データとしてメモリに記憶させた後、電波強度の測定対象とする家屋にユーザが赴いて、メモリに記憶されているフロア図面の画像データと測定目標位置データに基いてディスプレイ上にフロア図面の画像と測定目標位置を表示させる。
次いで、ユーザは、電波強度の測定対象とする家屋のフロア図面の画像と画像上の測定目標位置を参照しつつ測定目標位置から測定目標位置へと家屋の内部を移動し、屋内無線品質測定装置の手動操作盤を操作して自分の移動軌跡に沿うようにカーソル移動指令を入力して、品質測定装置の測定実行手段によってディスプレイ上でカーソルを移動させる。
測定実行手段は、カーソル移動の度に、該カーソルの現在位置に対応する画像上の位置を移動経路点データとし、該移動経路点データに前記電波強度測定部から読み込んだ電波強度を対応させてメモリに記憶させる。
従って、予め教示された測定目標位置の他、測定目標位置と測定目標位置との間を補間する何点かの移動経路点毎に電波強度を対応させてメモリに記憶させることができる。
よって、汎用の無線品質解析ツールを必ずしも使用しなくても、屋内無線品質測定装置の機能だけで、地図上あるいは図面上に電界強度分布を作成することができる。
【0017】
より具体的には、
前記メモリを携帯電話の不揮発性メモリによって構成し、
前記画像データ入力手段を前記携帯電話のCCDカメラによって構成し、
前記ディスプレイを前記携帯電話のディスプレイによって構成し、
前記手動操作盤を前記携帯電話の手動操作盤によって構成し、
前記電波強度測定部を前記携帯電話の電波強度測定部によって構成し、
前記測定位置教示手段および前記測定実行手段が前記携帯電話のマイクロプロセッサによって構成することができる。
【0018】
一般的な携帯電話の構成を利用して屋内無線品質測定装置の機能を組み込むことにより、開発コストや製造コストの削減が可能である。
【0019】
また、携帯電話のCCDカメラに代えて、携帯電話におけるデータ入力用のインターフェイスを画像データ入力手段として利用することもできる。
【0020】
この場合、スキャナで読み込まれたフロア図面の画像や外部メモリに記憶されたフロア図面の画像、更には、パソコンのCADデータやドローデータ等をラスター化してGIFやBMPに変換したフロア図面の画像を屋内無線品質測定装置の不揮発性メモリに取り込むことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の屋内無線品質測定装置は、屋内無線品質測定装置のメモリに保存したフロア図面の画像データと測定目標位置データを利用して屋内無線品質測定装置のディスプレイにフロア図面の画像と測定目標位置を表示し、この画像を利用してユーザを測定目標位置に導くようにしたので、地図や図面等を持ち歩かなくてもユーザを測定目標位置に誘導することができる。
しかも、測定目標位置に移動したユーザが測定目標位置に相当する画像上の位置にカーソルを移動させて手動操作盤から測定実行指令を入力することで、カーソルの現在位置に近接する測定目標位置に電波強度測定部から読み込んだ電波強度を対応させてメモリに記憶させるようにしたので、GPS位置情報を使用しなくても電波の受信強度を測定位置に対応させて的確に記録することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の屋内無線品質測定装置の機能を実装した一実施形態の携帯電話の外観について示した斜視図、また、図2は同実施形態の携帯電話の構成の概略を示したブロック図である。
【0023】
携帯電話1は、図1に示される通り、主筐体2と副筐体3からなる折り畳み式の携帯電話であり、主筐体2の側に通話用のマイク4とマン・マシン・インターフェイスとして機能する手動操作盤5を備える一方、副筐体3の側にはグラフィック表示が可能なディスプレイ6とスピーカ7およびアンテナ8が設けられ、更に、副筐体3の背面側には、画像データ入力手段として機能するCCDカメラ9が配備されている。
【0024】
ディスプレイ6は液晶モニタ等によって構成され、電話番号の選択表示や着信履歴等の表示、更には、作成過程にあるメールや受信メールの表示等に利用され、また、CCDカメラ9を利用した通常の撮影モードにおいては、CCDカメラ9が捕えている画像の確認等に利用される。
【0025】
図2に示されるカメラ制御部10は携帯電話1のマイクロプロセッサ11からの指令を受けてCCDカメラ9を駆動し、CCDカメラ9で撮像された画像は、画像処理部12で色補正等の処理を施されてからマイクロプロセッサ11に読み込まれ、携帯電話1の不揮発性メモリ13に格納される。不揮発性メモリ13には、画像データの他にもメールのテキストデータや登録済電話番号および電子メールアドレス等が記憶される。
【0026】
従来と同様、携帯電話1を通常の携帯通信端末として使用する際には、マイク4から入力された音声が音声処理部14でA/D変換されてマイクロプロセッサ11に転送され、更に、マイクロプロセッサ11で通信形式データに変換された後、送受信部15で変調されて伸縮式のアンテナ8を介して外部に送信される。
【0027】
また、アンテナ8で受信された通信電波は送受信部15で復調されてマイクロプロセッサ11に転送され、音声データに変換されてから、音声処理部14でD/A変換等の処理操作を受けてスピーカ7から音声として出力される。
【0028】
手動操作盤5は、電話番号の入力操作等に利用されるテンキーやディスプレイ6上でカーソル16を上下左右に移動させるためのカーソル移動キーを備え、更に、携帯電話1が置かれたモードに依存して様々なコマンドを生成するファンクションキーや撮影実行キー等を備える。また、電子メールの作成等に際しては前述のテンキーがテキストデータ入力用のカナキー等としても利用される。
【0029】
電波強度測定部17は当該携帯電話1と携帯電話基地局との通信に使用される電波の受信強度を測定するためのもので、携帯電話の構成要素として既に公知である。マイクロプロセッサ11は電波強度測定部17が感知する電波の受信強度を定常的にサンプリングし、受信強度の大小や圏外等の情報をディスプレイ6の片隅にリアルタイムで表示するようになっている。
【0030】
ROM18には、通話や電子メールの送受信さらには画像の撮影ならびに画像の再生等に必要とされる処理を実行するための制御プログラムに加え、本実施形態においては、特に、マイクロプロセッサ11を屋内無線品質測定装置の測定位置教示手段および測定実行手段として機能させるための制御プログラムが格納されている。
【0031】
カードスロット19は、SDメモリカード等の外部メモリを装着するためのもの、また、入出力インターフェイス20は、データ入力用のインターフェイスであり、RAM21はマイクロプロセッサ11が演算処理を行う際にデータの一時記憶に用いるものであって、何れも携帯電話の構成要素として公知である。
【0032】
以上に述べた通り、携帯電話1のハードウェア上の構成に関しては従来のものと同様である。
【0033】
この実施形態においては、更に、携帯電話1のCCDカメラ9が家屋のフロア図面の画像データを入力するための画像データ入力手段として機能し、携帯電話1の不揮発性メモリ13が、フロア図面の画像データを記憶するメモリとして機能する。
【実施例1】
【0034】
図3〜図7は携帯電話1を屋内無線品質測定装置として作動させた場合のマイクロプロセッサ11の処理動作の概略について示したフローチャートである。
【0035】
次に、図3〜図7を参照して測定位置教示手段および測定実行手段として機能するマイクロプロセッサ11の処理動作について具体的に説明する。
【0036】
なお、電波強度の測定対象とする家屋のフロア図面としては、例えば、図11に示されるようなフロア図面22(平面図)が予め準備されているものとする。
【0037】
マイクロプロセッサ11は、手動操作盤5のファンクションキーの操作による図面取込モード選択指令の入力の有無(ステップa1)、手動操作盤5のファンクションキーの操作による教示モード選択指令の入力の有無(ステップa2)、手動操作盤5のファンクションキーの操作による測定モード選択指令の入力の有無(ステップa3)、手動操作盤5のファンクションキーの操作によるモニタモード選択指令の入力の有無(ステップa4)を定常的に見張っており、これらの選択指令の入力が検知されなければ、電話の送受話やメールの作成あるいは送受信等に関わる通常処理のみを従来と同様にして繰り返し実行する(ステップa5)。
【0038】
そこで、まず、図11に示されるようなフロア図面22を準備したユーザが手動操作盤5のファンクションキーを操作して図面取込モード選択指令を携帯電話1に入力すると、マイクロプロセッサ11はステップa1の判定処理で図面取込モード選択指令の入力を検知し、図面取込モードの処理に移行する。
【0039】
図面取込モードの処理に移行したマイクロプロセッサ11は、まず、手動操作盤5の撮影実行キーが操作されているか否かを判定し(ステップa6)、撮影実行キーの操作が検知されなければ、更に、図面取込モードから通常処理に戻るための終了キーの操作が手動操作盤5上で行われているか否かを判定し(ステップa10)、終了キーの操作も検知されなければ、ステップa6,ステップa10の判定処理のみを繰り返し実行して、ユーザによる撮影実行キーの操作や終了キーの操作を待機する。
【0040】
次いで、ユーザがCCDカメラ9のレンズをフロア図面22に向けて手動操作盤5の撮影実行キーを操作すると、マイクロプロセッサ11はステップa6の判定処理で撮影実行キーの操作を検知し、CCDカメラ9を作動させて画像の取り込みを行い(ステップa7)、このフロア図面22に対してユーザが図面名を設定するのを待つ待機状態に入る(ステップa8)。
【0041】
そして、ユーザが手動操作盤5を操作して図面名を設定すると、マイクロプロセッサ11は、この図面名とステップa7の処理で取り込まれた画像とを対応させて不揮発性メモリ13に記憶させる(ステップa9)。
【0042】
ユーザは、前記と同様にしてステップa6〜ステップa9の処理を繰り返しマイクロプロセッサ11に実行させることで、必要な枚数のフロア図面を取り込み、その各々に対して個別の図面名を設定して不揮発性メモリ13に記憶させることが可能である。
【0043】
ユーザは、必要な枚数のフロア図面の取り込みと図面名の設定が完了した段階で手動操作盤5の終了キーを操作し、図面取込モードの終了をマイクロプロセッサ11に対して宣言する。
【0044】
マイクロプロセッサ11はステップa10の判定処理で終了キーの操作を検知し、図面取込モードの処理を終えて、ステップa1〜ステップa4の判定処理とステップa5の通常処理のみを繰り返し実行する初期の待機状態に復帰する。
【0045】
なお、フロア図面を不揮発性メモリ13に記憶させる処理は必ずしもCCDカメラ9を作動させて行なう必要はなく、例えば、スキャナで読み込まれたフロア図面の画像や外部メモリに記憶されたフロア図面の画像、更には、パソコンのCADデータやドローデータ等をラスター化してGIFやBMPに変換したフロア図面の画像を、図面名と共に入出力インターフェイス20やカードスロット19を経由して不揮発性メモリ13に取り込むといったことでも実現可能である。
【0046】
次いで、ユーザが手動操作盤5のファンクションキーの操作によって教示モード選択指令をマイクロプロセッサ11に入力すると、マイクロプロセッサ11はステップa2の判定処理で教示モード選択指令の入力を検知し、教示モードの処理に移行する。
【0047】
教示モードの処理に移行したマイクロプロセッサ11は、まず、不揮発性メモリ13に記憶されている図面名の一覧をディスプレイ6上に表示し(ステップa11)、ユーザによる手動操作盤5の操作によって何れかの図面名が選択されるのを待つ待機状態に入る(ステップa12)。
【0048】
そして、ユーザが手動操作盤5を操作して何れかの図面名を選択すると、マイクロプロセッサ11はステップa12の判定処理で図面名の選択操作を検知し、発呼試行回数,通話時間,発信間隔,発信先等の測定条件が手動操作盤5の操作によってユーザから入力されるまで待機し(ステップa13)、測定条件が入力されると、これらの測定条件を選択中の図面名に対応させて不揮発性メモリ13に記憶させる(ステップa14)。
【0049】
次いで、測定位置教示手段として機能するマイクロプロセッサ11が不揮発性メモリ13から選択中の図面名に対応するフロア図面の画像データを読み出し、例えば、図1に示されるようにしてディスプレイ6上にカーソル16と共に表示する(ステップa15)。
【0050】
そして、マイクロプロセッサ11は、手動操作盤5のカーソル移動キーが操作されているか否かを判定し(ステップa16)、カーソル移動キーが操作されていなければ、更に、手動操作盤5のプロット指令キーが操作されているか否かを判定する(ステップa18)。そして、プロット指令キーが操作されていなければ、更に、手動操作盤5の終了キーが操作されているか否かを判定し(ステップa22)、何れのキーも操作されていなければ、ステップa16,ステップa18,ステップa22の判定処理のみを繰り返し実行して、何れかのキーが操作されるのを待機する。
【0051】
ここで、ユーザが手動操作盤5のカーソル移動キーを操作すると、測定位置教示手段として機能するマイクロプロセッサ11がステップa16の判定処理でカーソル移動キーの操作を検知し、カーソル移動キーの操作に応じてディスプレイ6上でカーソル16を上下左右に移動させる(ステップa17)。
【0052】
ユーザは電波強度の測定対象とする家屋のフロア図面22をディスプレイ6上で参照しつつ手動操作盤5のカーソル移動キーを操作し、電波強度を測定すべき画像上の測定目標位置にカーソル16を移動させた後、手動操作盤5のプロット指令キーを操作して、測定目標位置設定指令をマイクロプロセッサ11に入力する。
【0053】
測定位置教示手段として機能するマイクロプロセッサ11はステップa18の判定処理で測定目標位置設定指令の入力を検知し、カーソル16の現在位置に対応する画像上の位置を測定目標位置データとして選択中の図面名に対応させて不揮発性メモリ13に記憶させると共に(ステップa19)、画像上のカーソル位置に対応させて画像データそれ自体に測定点マーカーを書き込み(ステップa20)、測定点マーカーを書き込んだ画像を不揮発性メモリ13に上書きして記憶させる(ステップa21)。
【0054】
電波強度を測定すべき測定目標位置の設定個数は任意であり、ユーザは、前記と同様にしてステップa16〜ステップa21の処理をマイクロプロセッサ11に繰り返し実行させることで、必要な数の測定目標位置データおよび測定点マーカーを選択中のフロア図面の図面名に対応させて不揮発性メモリ13に記憶させることができる。図11ではフロア図面22に4つの測定点マーカーP1(X1,Y1),P2(X2,Y2),P3(X3,Y3),P4(X4,Y4)を書き込んだ場合について例示している。
【0055】
ユーザは、必要な数の測定目標位置データおよび測定点マーカーを教示操作によって不揮発性メモリ13に記憶させた後、手動操作盤5の終了キーを操作して、教示モードの終了をマイクロプロセッサ11に対して宣言する。
【0056】
マイクロプロセッサ11はステップa22の判定処理で終了キーの操作を検知し、教示モードの処理を終えて、ステップa1〜ステップa4の判定処理とステップa5の通常処理のみを繰り返し実行する初期の待機状態に復帰する。
【0057】
フロア図面22の準備や画像の取り込み、および、測定目標位置の教示に関わる作業は何処で行っても構わないが、電波強度の測定対象とする家屋に赴く際にフロア図面22を持参するのは面倒であるから、図面取込モードや教示モードの処理は、電波強度の測定対象とする家屋に赴く前に済ませておくことが望ましい。
【0058】
その後、ユーザは、この携帯電話1を携えて電波強度の測定対象とする家屋に赴く。
【0059】
そして、測定対象とする家屋に到着したユーザが、手動操作盤5のファンクションキーの操作によって測定モード選択指令をマイクロプロセッサ11に入力すると、マイクロプロセッサ11はステップa3の判定処理で測定モード選択指令の入力を検知し、測定モードの処理に移行する。
【0060】
測定モードの処理に移行したマイクロプロセッサ11は、まず、不揮発性メモリ13に記憶されている図面名の一覧をディスプレイ6上に表示し(ステップa23)、ユーザによる手動操作盤5の操作によって何れかの図面名が選択されるのを待つ待機状態に入る(ステップa24)。
【0061】
そして、ユーザが手動操作盤5を操作して電波強度の測定対象とする家屋、つまり、現時点で目の前にしている家屋に対応した図面名を選択すると、マイクロプロセッサ11はステップa24の判定処理で図面名の選択操作を検知し、測定実行手段として機能するマイクロプロセッサ11が、不揮発性メモリ13から選択中の図面名に対応するフロア図面の画像データを読み出し、例えば、図1に示されるようにしてディスプレイ6上に測定点マーカーやカーソル16と共に表示する(ステップa25)。
【0062】
そして、マイクロプロセッサ11は、選択中の図面名に対応して記憶された測定条件と測定目標位置データを不揮発性メモリ13から読み出し(ステップa26)、手動操作盤5の測定開始キーが操作されるのを待つ待機状態に入る(ステップa27)。
【0063】
その後、ユーザが手動操作盤5の測定開始キーを操作して測定の開始をマイクロプロセッサ11に宣言すると、マイクロプロセッサ11はステップa27の判定処理で測定開始キーの操作を検知し、ステップa26の処理で読み出された測定条件に従って送受信部15を駆動制御して携帯電話1からの発呼を開始する(ステップa28)。
【0064】
次いで、マイクロプロセッサ11は、手動操作盤5のカーソル移動キーが操作されているか否かを判定し(ステップa29)、カーソル移動キーが操作されていなければ、更に、手動操作盤5の測定実行キーが操作されているか否かを判定する(ステップa31)。そして、測定実行キーが操作されていなければ、更に、手動操作盤5の終了キーが操作されているか否かを判定し(ステップa35)、何れのキーも操作されていなければ、ステップa29,ステップa31,ステップa35の判定処理のみを繰り返し実行して、何れかのキーが操作されるのを待機する。
【0065】
ここで、ユーザが手動操作盤5のカーソル移動キーを操作すると、測定実行手段として機能するマイクロプロセッサ11がステップa29の判定処理でカーソル移動キーの操作を検知し、カーソル移動キーの操作に応じてディスプレイ6上でカーソル16を上下左右に移動させる(ステップa30)。
【0066】
ユーザは電波強度の測定対象とする家屋のフロア図面22の画像と当該画像上の測定点マーカーをディスプレイ6上で参照しつつ家屋の内部を移動して、何れかの測定目標位置、例えば、図11中のP1,P2,P3,P4で示される何れかの測定目標位置に辿り着く。
【0067】
次いで、測定目標位置に到達したユーザは、手動操作盤5を操作して自分の現在位置すなわち何れかの測定目標位置に相当する画像上の位置にカーソル16を移動させた後、手動操作盤5の測定実行キーを操作して、測定実行指令をマイクロプロセッサ11に入力する。
【0068】
測定実行手段として機能するマイクロプロセッサ11はステップa31の判定処理で測定実行指令の入力を検知し、カーソル16の現在位置を読み込んで、カーソル16の現在位置がステップa26の処理で読み出された何れかの測定目標位置データのインポジション幅内に入っているか否かを判定する(ステップa32)。
【0069】
そして、カーソル16の現在位置が何れかの測定目標位置データのインポジション幅内に入っていれば、測定実行手段として機能するマイクロプロセッサ11は、現時点で電波強度測定部17が検知している電波の受信強度を読み込み(ステップa33)、カーソル16の現在位置に最も近接した位置の測定目標位置データに対応させて、現時点における電波の受信強度を不揮発性メモリ13に記憶させる(ステップa34)。例えば、図11に示されるように、測定目標位置P1の位置に合わせるべきカーソル16の位置がP1’の位置までずれていたとしても、そのずれがインポジション幅の範囲に入っていれば、電波強度測定部17が現時点で検知している電波の受信強度がフロア図面22の測定目標位置P1に対応して不揮発性メモリ13に記憶されることになる。但し、カーソル16の位置はGPS情報のようにユーザの現在位置それ自体を表すものではなく、飽くまでも、ユーザが正しいと信じているユーザの現在位置を手動操作によって設定したものに過ぎない。従って、ユーザは、家屋内の状況を適切に判断してディスプレイ6上のフロア図面22の画像と見比べ、本来の測定目標位置に正しく移動して、その位置にカーソル16を移動させて測定実行キーを操作する必要がある。
【0070】
なお、ステップa32の判定結果が偽となった場合には、カーソル16による測定目標位置の選択操作が著しく不正確であることを意味するので、ステップa33〜ステップa34の処理は非実行とされる。この場合、ユーザは、改めてカーソル移動キーの操作でカーソル16を移動させ、測定目標位置を表す測定点マーカーの近傍にカーソル16を位置決めする必要がある。
【0071】
ユーザは、電波強度の測定対象とする家屋のフロア図面22の画像と当該画像上の測定点マーカーをディスプレイ6上で参照しつつ家屋の内部を移動し、予め教示された測定目標位置の各々に移動して前記と同様にしてステップa29〜ステップa34の処理操作をマイクロプロセッサ11に繰り返し実行させ、測定目標位置の全て、例えば、図11中のP1,P2,P3,P4の各々で電波の受信強度を測定し、これらのデータを図面名および測定目標位置データに対応させて不揮発性メモリ13に記憶させた後、手動操作盤5の終了キーを操作して、測定モードの終了をマイクロプロセッサ11に対して宣言する。
【0072】
マイクロプロセッサ11はステップa35の判定処理で終了キーの操作を検知し、測定モードの処理を終えて、ステップa1〜ステップa4の判定処理とステップa5の通常処理のみを繰り返し実行する初期の待機状態に復帰する。
【0073】
最終的に、携帯電話1の不揮発性メモリ13に記憶された各図面名毎の測定目標位置データと電波強度との関係、例えば、フロア図面22に対応して記憶された(測定位置P1,電波強度S1),(測定位置P2,電波強度S2),(測定位置P3,電波強度S3),(測定位置P4,電波強度S4)等を入出力インターフェイス20あるいはカードスロット19に接続されたSDメモリカード等を経由して汎用の無線品質解析ツールに読み込ませ、従来と同様に、無線品質解析ツール側の処理で、測定目標位置と電波強度との関係に基いてフロア図面22上あるいは他の図面上に電界強度分布を作成させる。
あるいは、携帯電話1が有するパケット通信機能を利用して各図面名毎の測定目標位置データと電波強度との関係を汎用の無線品質解析ツールに読み込ませるようにしてもよい。
【0074】
なお、この実施形態の携帯電話1においては、携帯電話1のみを利用して測定目標位置データと電波強度との対応関係を確認することも可能である。
【0075】
測定目標位置データと電波強度との対応関係を携帯電話1上で確認する場合、ユーザは、手動操作盤5のファンクションキーの操作によってモニタモード選択指令をマイクロプロセッサ11に入力する。
【0076】
マイクロプロセッサ11はステップa4の判定処理でモニタモード選択指令の入力を検知してモニタモードの処理に移行する。
【0077】
モニタモードの処理に移行したマイクロプロセッサ11は、まず、不揮発性メモリ13に記憶されている図面名の一覧をディスプレイ6上に表示し(ステップa36)、ユーザによる手動操作盤5の操作によって何れかの図面名が選択されるのを待つ待機状態に入る(ステップa37)。
【0078】
そして、ユーザが手動操作盤5を操作し、測定目標位置データと電波強度との対応関係を確認しようとする家屋に対応したフロア図面の図面名を選択すると、マイクロプロセッサ11はステップa37の判定処理で図面名の選択操作を検知し、選択中の図面名に対応するフロア図面の画像データと選択中の図面名に対応して記憶された測定目標位置データを不揮発性メモリ13から読み出して、フロア図面の画像をディスプレイ6上に測定点マーカーやカーソル16と共に表示する(ステップa38)。
【0079】
次いで、マイクロプロセッサ11は、手動操作盤5のカーソル移動キーが操作されているか否かを判定し(ステップa39)、カーソル移動キーが操作されていなければ、更に、手動操作盤5の終了キーが操作されているか否かを判定し(ステップa43)、何れのキーも操作されていなければ、ステップa39,ステップa43の判定処理のみを繰り返し実行して、何れかのキーが操作されるのを待機する。
【0080】
ここで、ユーザが手動操作盤5のカーソル移動キーを操作すると、マイクロプロセッサ11がステップa39の判定処理でカーソル移動キーの操作を検知し、カーソル移動キーの操作に応じてディスプレイ6上でカーソル16を上下左右に移動させ(ステップa40)、カーソル16の移動の度に、カーソル16の現在位置がステップa38の処理で読み出された何れかの測定目標位置データのインポジション幅内に入っているか否かを判定する(ステップa41)。
【0081】
そして、カーソル16の現在位置が何れかの測定目標位置データのインポジション幅内に入っていれば、マイクロプロセッサ11は、この測定目標位置データに対応して記憶されている電波強度のデータを不揮発性メモリ13から読み出して、ディスプレイ6上に数値情報として表示する(ステップa42)。
【0082】
ユーザは、ディスプレイ6上でカーソル16を様々な位置に移動させることで、カーソル現在位置に直近する位置の測定目標位置データに対応した電波強度の測定値をディスプレイ6上に表示させて適宜に参照することが可能である。
【0083】
そして、ユーザが手動操作盤5の終了キーを操作すると、マイクロプロセッサ11はステップa43の判定処理で終了キーの操作を検知し、モニタモードの処理を終えて、ステップa1〜ステップa4の判定処理とステップa5の通常処理のみを繰り返し実行する初期の待機状態に復帰する。
【0084】
以上に述べた通り、この実施形態では、電波強度の測定対象とする家屋のフロア図面22の画像データと教示操作によって設定された測定目標位置データを携帯電話1の不揮発性メモリ13に予め保存しておき、この携帯電話1を持って電波強度の測定対象とする家屋に赴いたユーザを、携帯電話1のディスプレイ6に表示されるフロア図面22の画像と測定目標位置を表す測定点マーカーで適切な測定目標位置に導くようにしているので、ユーザは地図や図面等を持ち歩かなくても測定目標位置に的確に到達することができる。
【0085】
しかも、測定目標位置に移動したユーザが測定目標位置に相当する画像上の位置にカーソル16を移動させて手動操作盤5から測定実行指令を入力することで、カーソル16の現在位置に近接する測定目標位置と電波強度測定部17から読み込んだ電波強度とを対応させて不揮発性メモリ13に記憶させるようにしているので、GPS位置情報を使用しなくても、予め決められた測定位置に対応させて電波の受信強度を的確に記録することができる。
【実施例2】
【0086】
次に、電波強度の測定対象とする家屋にユーザが赴いた時点で不揮発性メモリ13に記憶されている当該家屋のフロア図面の画像データと測定目標位置データをディスプレイ6上に表示させた後、手動操作盤5からのカーソル移動指令の入力によってディスプレイ6上でカーソル16を移動させ、カーソル16の移動の度に、カーソル16の現在位置に対応する画像上の位置を移動経路点データとして不揮発性メモリ13に記憶させ、更に、この移動経路点データに対応させて、電波強度測定部17から読み込んだ電波強度を不揮発性メモリ13に記憶させるようにした携帯電話(屋内無線品質測定装置)1の実施形態について簡単に説明する。
【0087】
携帯電話1のハードウェア構成は前述した実施形態と同様である。また、フロア図面22の準備や画像の取り込み、および、測定目標位置の教示に関わる作業と処理操作は先述した実施形態におけるステップa1〜ステップa10の処理と同様であるから、これらの点に関しては説明を省略する。
【0088】
図8〜図10は本実施形態における測定位置教示手段および測定実行手段として機能するマイクロプロセッサ11の処理動作について示したフローチャートである。
【0089】
ユーザが手動操作盤5のファンクションキーの操作によって教示モード選択指令をマイクロプロセッサ11に入力すると、マイクロプロセッサ11は前述した実施形態の場合と同様にして教示モード選択指令の入力を検知し、教示モードの処理に移行する。
【0090】
教示モードの処理に移行したマイクロプロセッサ11は、不揮発性メモリ13に記憶されている図面名の一覧をディスプレイ6上に表示し(ステップb1)、ユーザによる手動操作盤5の操作によって何れかの図面名が選択されるのを待つ待機状態に入る(ステップb2)。
【0091】
そして、ユーザが手動操作盤5を操作して何れかの図面名を選択すると、マイクロプロセッサ11はステップb2の判定処理で図面名の選択操作を検知し、発呼試行回数,通話時間,発信間隔,発信先等の測定条件が手動操作盤5の操作によってユーザから入力されるまで待機し(ステップb3)、測定条件が入力されると、これらの測定条件を選択中の図面名に対応させて不揮発性メモリ13に記憶させる(ステップb4)。
【0092】
次いで、測定位置教示手段として機能するマイクロプロセッサ11が不揮発性メモリ13から選択中の図面名に対応するフロア図面の画像データを読み出し、例えば、図1に示されるようにしてディスプレイ6上にカーソル16と共に表示する(ステップb5)。
【0093】
そして、マイクロプロセッサ11は、手動操作盤5のカーソル移動キーが操作されているか否かを判定し(ステップb6)、カーソル移動キーが操作されていなければ、更に、手動操作盤5のプロット指令キーが操作されているか否かを判定する(ステップb8)。そして、プロット指令キーが操作されていなければ、更に、手動操作盤5の終了キーが操作されているか否かを判定し(ステップb11)、何れのキーも操作されていなければ、ステップb6,ステップb8,ステップb11の判定処理のみを繰り返し実行して、何れかのキーが操作されるのを待機する。
【0094】
ここで、ユーザが手動操作盤5のカーソル移動キーを操作すると、測定位置教示手段として機能するマイクロプロセッサ11がステップb6の判定処理でカーソル移動キーの操作を検知し、カーソル移動キーの操作に応じてディスプレイ6上でカーソル16を上下左右に移動させる(ステップb7)。
【0095】
ユーザは電波強度の測定対象とする家屋のフロア図面22をディスプレイ6上で参照しつつ手動操作盤5のカーソル移動キーを操作し、電波強度を測定すべき画像上の測定目標位置にカーソル16を移動させた後、手動操作盤5のプロット指令キーを操作して、測定目標位置設定指令をマイクロプロセッサ11に入力する。
【0096】
測定位置教示手段として機能するマイクロプロセッサ11はステップb8の判定処理で測定目標位置設定指令の入力を検知し、画像上のカーソル位置に対応させて画像データそれ自体に測定点マーカーを書き込み(ステップb9)、測定点マーカーを書き込んだ画像を不揮発性メモリ13に上書きして記憶させる(ステップb10)。
【0097】
前述した実施形態との相違は、画像上のカーソル位置に対応させて画像データそれ自体に測定点マーカーを書き込むのみで、測定目標位置データを数値として不揮発性メモリ13に記憶させる必要がない点である。画像上に記録される測定点マーカーは画像データの一部であって、数値を有するデータとして不揮発性メモリ13に記憶されるものではないが、広い意味での測定目標位置データである。
【0098】
ユーザは、前記と同様にしてステップb6〜ステップb10の処理をマイクロプロセッサ11に繰り返し実行させることで、必要な数の測定点マーカーを選択中のフロア図面に書き込んで不揮発性メモリ13に記憶させることができる。図11ではフロア図面22に4つの測定点マーカーP1(X1,Y1),P2(X2,Y2),P3(X3,Y3),P4(X4,Y4)を書き込んだ場合について例示している。
【0099】
ユーザは、必要な数の測定点マーカーを教示操作によって選択中のフロア図面に書き込んで不揮発性メモリ13に記憶させた後、手動操作盤5の終了キーを操作して、教示モードの終了をマイクロプロセッサ11に対して宣言し、ステップb11の判定処理で終了キーの操作を検知したマイクロプロセッサ11は、教示モードの処理を終え、ステップa1〜ステップa4の判定処理とステップa5の通常処理のみを繰り返し実行する初期の待機状態に復帰する。
【0100】
その後、ユーザは、この携帯電話1を携えて電波強度の測定対象とする家屋に赴く。
【0101】
そして、測定対象とする家屋に到着したユーザが、手動操作盤5のファンクションキーの操作によって測定モード選択指令をマイクロプロセッサ11に入力すると、マイクロプロセッサ11はステップa3の判定処理で測定モード選択指令の入力を検知し、測定モードの処理に移行する。
【0102】
測定モードの処理に移行したマイクロプロセッサ11は、まず、不揮発性メモリ13に記憶されている図面名の一覧をディスプレイ6上に表示し(ステップb12)、ユーザによる手動操作盤5の操作によって何れかの図面名が選択されるのを待つ待機状態に入る(ステップb13)。
【0103】
そして、ユーザが手動操作盤5を操作して電波強度の測定対象とする家屋、つまり、現時点で目の前にしている家屋に対応した図面名を選択すると、マイクロプロセッサ11はステップb13の判定処理で図面名の選択操作を検知し、測定実行手段として機能するマイクロプロセッサ11が、不揮発性メモリ13から選択中の図面名に対応するフロア図面の画像データを読み出し、例えば、図1に示されるようにしてディスプレイ6上に測定点マーカーやカーソル16と共に表示する(ステップb14)。
【0104】
そして、マイクロプロセッサ11は、選択中の図面名に対応して記憶された測定条件と測定目標位置データを不揮発性メモリ13から読み出し(ステップb15)、手動操作盤5の測定開始キーが操作されるのを待つ待機状態に入る(ステップb16)。
【0105】
その後、ユーザが手動操作盤5の測定開始キーを操作して測定の開始をマイクロプロセッサ11に宣言すると、マイクロプロセッサ11はステップb16の判定処理で測定開始キーの操作を検知し、ステップb15の処理で読み出された測定条件に従って送受信部15を駆動制御して携帯電話1からの発呼を開始する(ステップb17)。
【0106】
次いで、マイクロプロセッサ11は、手動操作盤5のカーソル移動キーが操作されているか否かを判定し(ステップb18)、カーソル移動キーが操作されていなければ、更に、測定の実行を指示する測定実行フラグFがセットされているか否かを判定する(ステップb21)。そして、測定実行フラグFがセットされていなければ、更に、手動操作盤5の終了キーが操作されているか否かを判定し(ステップb27)、何れのキーも操作されていなければ、ステップb18,ステップb21,ステップb27の判定処理のみを繰り返し実行して、何れかのキーが操作されるのを待機する。
【0107】
ユーザは電波強度の測定対象とする家屋のフロア図面22の画像と当該画像上の測定点マーカーをディスプレイ6上で参照し、測定目標位置を連絡するようにして、例えば、図11中のP1,P2,P3,P4を結ぶ経路に沿ってゆっくりと移動し、その都度、手動操作盤5のカーソル移動キーを操作して、自分の移動経路に沿ってディスプレイ6上でカーソル16を移動させる。
【0108】
カーソル移動キーの操作はステップb18の判定処理で検知され、測定実行手段として機能するマイクロプロセッサ11が、カーソル移動キーの操作に応じてディスプレイ6上でカーソル16を上下左右に移動させ(ステップb19)、その都度、測定の実行を指示する測定実行フラグFをセットする(ステップb20)。
【0109】
カーソル移動キーの操作すなわちカーソル16の移動に伴って測定実行フラグFがセットされたことがステップb21の判定処理で確認されると、測定実行手段として機能するマイクロプロセッサ11は、現時点で電波強度測定部17が検知している電波の受信強度を読み込み(ステップb22)、カーソル16の現在位置に対応するフロア図面上の位置を移動経路点データとし、この移動経路点データと現時点における電波の受信強度とを対応させて不揮発性メモリ13に記憶させると共に(ステップb23)、画像上のカーソル位置に対応させて画像データそれ自体に経路マーカーを書き込み(ステップb24)、経路マーカーを書き込んだ画像を不揮発性メモリ13に上書きして記憶させた後(ステップb25)、測定実行フラグFをリセットして(ステップb26)、ステップb18,ステップb21,ステップb27の判定処理のみを繰り返し実行する待機状態に入る。
【0110】
カーソル移動キーの操作によるカーソル16の移動が検知されて測定実行フラグFがセットされる度にステップb22〜ステップb25の処理が繰り返し実行される結果、測定目標位置P1,P2,P3,P4を結ぶ経路をカーソル移動キーの操作に応じた適当な間隔で補間するようなかたちで、何点かの移動経路点毎に電波強度を対応させて不揮発性メモリ13に記憶させることができる。
【0111】
但し、最初に述べた実施形態の場合と同様、カーソル16の位置はGPS情報のようにユーザの現在位置それ自体を表すものではなく、飽くまでも、ユーザが正しいと信じているユーザの現在位置を手動操作によって設定したものに過ぎないので、ユーザは、家屋内の状況を適切に判断してディスプレイ6上のフロア図面22の画像と見比べ、本来の測定目標位置を連絡するようなかたちで経路に沿ってゆっくりと移動し、その都度、手動操作盤5のカーソル移動キーを操作して、自分の移動経路に沿ってディスプレイ6上でカーソル16を的確に移動させる必要がある。あるいは、電子コンパスと加速度センサを携帯電話1に追加配備し携帯電話1の移動経路を自動検知してディスプレイ6上でカーソル16を移動させるようにしてもよく、その場合は、ステップb18の処理で測定開始キーを操作する際にユーザが携帯電話1を持って何れかの測定点たとえばP1に移動してカーソル16をディスプレイ6の画像のP1位置に合わせることで携帯電話1の座標系の零点規制を行ってから電子コンパスと加速度センサを起動し、ステップb18〜ステップb21の処理に代えて、零点規制された位置たとえばP1を原点とする携帯電話1の移動位置の読み出しとカーソル16の移動位置の更新表示を行なうようにし、ステップb22〜ステップb25の処理は所定のサンプリング周期毎に行なうか、あるいは、携帯電話1の移動変移が予め決められた閾値たとえば1メートルを超える度に繰り返し実行するようにする。
【0112】
電波強度の測定を終えたユーザは手動操作盤5の終了キーを操作して測定モードの終了をマイクロプロセッサ11に対して宣言し、ステップb27の判定処理で終了キーの操作を検知したマイクロプロセッサ11は、測定モードの処理を終えてステップa1〜ステップa4の判定処理とステップa5の通常処理のみを繰り返し実行する初期の待機状態に復帰する。
【0113】
最終的に、携帯電話1の不揮発性メモリ13に記憶された各図面名毎の移動経路点データと電波強度との関係を入出力インターフェイス20あるいはカードスロット19に接続されたSDメモリカードもしくは携帯電話1が有するパケット通信機能を利用して汎用の無線品質解析ツールに読み込ませ、従来と同様に、無線品質解析ツール側の処理で、測定目標位置と電波強度との関係に基いてフロア図面22上あるいは他の図面上に電界強度分布を作成させる。
前述した実施形態に比べて電波強度を測定した測定位置つまり移動経路点が稠密になるので、厳密な電界強度分布を作成することができる。あるいは、電波強度を測定した測定位置が稠密となることを利用し、測定値そのものを利用して電界強度分布を作成するといったことも可能である。
【0114】
この実施形態の携帯電話1においては、携帯電話1のみを利用して移動経路点の位置データと電波強度との対応関係を確認することが可能である。
【0115】
移動経路点の位置データと電波強度との対応関係を携帯電話1上で確認する場合、ユーザは、手動操作盤5のファンクションキーの操作によってモニタモード選択指令をマイクロプロセッサ11に入力する。
【0116】
マイクロプロセッサ11はステップa4の判定処理でモニタモード選択指令の入力を検知してモニタモードの処理に移行する。
【0117】
モニタモードの処理に移行したマイクロプロセッサ11は、まず、不揮発性メモリ13に記憶されている図面名の一覧をディスプレイ6上に表示し(ステップb28)、ユーザによる手動操作盤5の操作によって何れかの図面名が選択されるのを待つ待機状態に入る(ステップb29)。
【0118】
そして、ユーザが手動操作盤5を操作し、移動経路点の位置データと電波強度との対応関係を確認しようとする家屋に対応したフロア図面の図面名を選択すると、マイクロプロセッサ11はステップb29の判定処理で図面名の選択操作を検知し、選択中の図面名に対応するフロア図面の画像データと選択中の図面名に対応して記憶された移動経路点の位置データを不揮発性メモリ13から読み出して、フロア図面の画像をディスプレイ6上に経路マーカーやカーソル16と共に表示する(ステップb30)。
【0119】
次いで、マイクロプロセッサ11は、手動操作盤5のカーソル移動キーが操作されているか否かを判定し(ステップb31)、カーソル移動キーが操作されていなければ、更に、手動操作盤5の終了キーが操作されているか否かを判定し(ステップb35)、何れのキーも操作されていなければ、ステップb31,ステップb35の判定処理のみを繰り返し実行して、何れかのキーが操作されるのを待機する。
【0120】
ここで、ユーザが手動操作盤5のカーソル移動キーを操作すると、マイクロプロセッサ11がステップb31の判定処理でカーソル移動キーの操作を検知し、カーソル移動キーの操作に応じてディスプレイ6上でカーソル16を上下左右に移動させ(ステップb32)、カーソル16の移動の度に、カーソル16の現在位置の近傍にステップb30の処理で読み出された何れかの移動経路点の経路マーカーが存在するか否かを判定する(ステップb33)。
【0121】
そして、カーソル16の現在位置の近傍に何れかの移動経路点の経路マーカーが存在すれば、マイクロプロセッサ11は、この移動経路点の位置データに対応して記憶されている電波強度のデータを不揮発性メモリ13から読み出して、ディスプレイ6上に数値情報として表示する(ステップb34)。
【0122】
ユーザは、ディスプレイ6上でカーソル16を様々な位置に移動させることで、カーソル現在位置に直近する移動経路点の位置データに対応した電波強度の測定値をディスプレイ6上に表示させて適宜に参照することが可能である。
【0123】
そして、ユーザが手動操作盤5の終了キーを操作すると、マイクロプロセッサ11はステップb35の判定処理で終了キーの操作を検知し、モニタモードの処理を終えて、ステップa1〜ステップa4の判定処理とステップa5の通常処理のみを繰り返し実行する初期の待機状態に復帰する。
【0124】
以上に述べた通り、この実施形態においては、電波強度の測定対象とする家屋のフロア図面22の画像データに教示操作によって測定点マーカーを書き込み、この画像データを不揮発性メモリ13に保存した携帯電話1を持って電波強度の測定対象とする家屋に赴いたユーザを、携帯電話1のディスプレイ6に表示されるフロア図面22の画像と測定目標位置を表す測定点マーカーで適切な測定目標位置に導くようにしているので、ユーザは地図や図面等を持ち歩かなくても測定目標位置を的確に把握することができる。
【0125】
また、実際の測定に際しては、携帯電話1の手動操作盤5を操作してユーザの移動軌跡に沿うようにディスプレイ6上でカーソル16を移動させ、カーソル16の移動の度に移動経路点すなわちカーソル現在位置に対応させて電波強度を不揮発性メモリ13に記憶させるようにしているので、GPS位置情報を使用しなくても、測定目標位置を結ぶ経路をカーソル移動キーの操作に応じた適当な間隔で補間するようなかたちで、何点かの移動経路点毎に電波強度を対応させて記憶させることができる。
【0126】
そして、何れの実施形態においても、一般的な携帯電話の構成を利用して屋内無線品質測定装置の機能を組み込むようにしているので、格別な構造を追加して実装する必要がなく、開発コストや製造コストの削減の面で有利である。また、携帯電話1のマイクロプロセッサ11で発呼や電波強度測定部17を制御する構成であるので、携帯電話1を単なる発呼手段として利用する従来型の屋内無線品質測定装置とは相違し、発呼手段となる携帯電話を制御する汎用型パソコンや格別な電波強度測定器を用いなくても受信強度の測定ができ、小型軽量の測定装置とすることができる。
【0127】
また、携帯電話1のCCDカメラ9等を利用して測定対象となる家屋のフロア図面の画像を不揮発性メモリ13に取り込み、フロア図面の画像をディスプレイ6上に表示する機能を有しているので、公共の地図サービス等が利用できなくても、家屋内における電波の受信強度を容易に測定することができる。
【0128】
しかも、携帯電話1のディスプレイ6上にフロア図面の画像とカーソル16を同時に表示し、カーソル16を移動させて画像上の位置を指定することにより、測定位置に対応させて電波の受信強度を記憶させるようにしているため、GPS信号が届きにくい屋内においても、測定位置と測定結果とを的確に対応させて記憶することができる。
【0129】
また、携帯電話1の不揮発性メモリ13に蓄積された測定データを携帯電話1のパケット通信や入出力インターフェイス20さらにはカードスロット20に着脱自在に装着されるSDメモリカード等の外部メモリを介して出力できるので、汎用の無線品質解析ツールへのデータの取り込みを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明の屋内無線品質測定装置の機能を実装した一実施形態の携帯電話の外観について示した斜視図である(実施例1,実施例2)。
【図2】同実施形態の携帯電話の構成の概略を示したブロック図である(実施例1,実施例2)。
【図3】同実施形態の携帯電話を屋内無線品質測定装置として作動させた場合のマイクロプロセッサの処理動作の概略について示したフローチャートである(実施例1,実施例2)。
【図4】同実施形態のマイクロプロセッサの処理動作の概略について示したフローチャートの続きである(実施例1,実施例2)。
【図5】同実施形態のマイクロプロセッサの処理動作の概略について示したフローチャートの続きである(実施例1)。
【図6】同実施形態のマイクロプロセッサの処理動作の概略について示したフローチャートの続きである(実施例1)。
【図7】同実施形態のマイクロプロセッサの処理動作の概略について示したフローチャートの続きである(実施例1)。
【図8】本発明の屋内無線品質測定装置の機能を実装した他の一実施形態の携帯電話におけるマイクロプロセッサの処理動作の概略について示したフローチャートである(実施例2)。
【図9】同実施形態のマイクロプロセッサの処理動作の概略について示したフローチャートの続きである(実施例2)。
【図10】同実施形態のマイクロプロセッサの処理動作の概略について示したフローチャートの続きである(実施例2)。
【図11】電波強度の測定対象とする家屋のフロア図面の一例を示した図である(実施例1,実施例2)。
【図12】地図サービスやGPS情報を利用した従来型の屋内無線品質測定装置について簡略化して示したブロック図である。
【符号の説明】
【0131】
1 屋内無線品質測定装置の機能を実装した携帯電話
2 主筐体
3 副筐体
4 マイク
5 手動操作盤
6 ディスプレイ
7 スピーカ
8 アンテナ
9 CCDカメラ(画像データ入力手段)
10 カメラ制御部
11 マイクロプロセッサ(測定位置教示手段,測定実行手段)
12 画像処理部
13 不揮発性メモリ
14 音声処理部
15 送受信部
16 カーソル
17 電波強度測定部
18 ROM
19 カードスロット
20 入出力インターフェイス(データ入力用のインターフェイス)
21 RAM
22 フロア図面
100 屋内無線品質測定装置
101 ボタン部
102 GPSモジュール部
103 電界強度測定部
104 メモリ部
105 制御部
106 アンテナ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを記憶するメモリと、
前記メモリに家屋のフロア図面の画像データを入力する画像データ入力手段と、
グラフィック表示が可能なディスプレイと、
マン・マシン・インターフェイスとして機能する手動操作盤と、
携帯電話基地局との通信に使用される電波の受信強度を測定する電波強度測定部と、
前記手動操作盤からの教示モード選択指令を受け、前記メモリに記憶されているフロア図面の画像データに基いて前記ディスプレイに画像を表示すると共に、前記手動操作盤からのカーソル移動指令を受けて前記ディスプレイ上でカーソルを移動させ、前記手動操作盤からの測定目標位置設定指令を受けて前記カーソルの現在位置に対応する画像上の位置を測定目標位置データとして前記メモリに記憶させる測定位置教示手段と、
前記手動操作盤からの測定モード選択指令を受け、前記メモリに記憶されているフロア図面の画像データと測定目標位置データに基いて前記ディスプレイに画像と測定目標位置を表示すると共に、前記手動操作盤からのカーソル移動指令を受けて前記ディスプレイ上でカーソルを移動させ、前記手動操作盤からの測定実行指令を受けると、前記カーソルの現在位置に近接する測定目標位置の測定目標位置データに前記電波強度測定部から読み込んだ電波強度を対応させて前記メモリに記憶させる測定実行手段と、
を備えたことを特徴とする屋内無線品質測定装置。
【請求項2】
画像データを記憶するメモリと、
前記メモリに家屋のフロア図面の画像データを入力する画像データ入力手段と、
グラフィック表示が可能なディスプレイと、
マン・マシン・インターフェイスとして機能する手動操作盤と、
携帯電話基地局との通信に使用される電波の受信強度を測定する電波強度測定部と、
前記手動操作盤からの教示モード選択指令を受け、前記メモリに記憶されているフロア図面の画像データに基いて前記ディスプレイに画像を表示すると共に、前記手動操作盤からのカーソル移動指令を受けて前記ディスプレイ上でカーソルを移動させ、前記手動操作盤からの測定目標位置設定指令を受けて前記カーソルの現在位置に対応する画像上の位置を測定目標位置データとして前記メモリに記憶させる測定位置教示手段と、
前記手動操作盤からの測定モード選択指令を受け、前記メモリに記憶されているフロア図面の画像データと測定目標位置データに基いて前記ディスプレイに画像と測定目標位置を表示すると共に、前記手動操作盤からのカーソル移動指令を受けて前記ディスプレイ上でカーソルを移動させ、カーソルの移動の度に、前記カーソルの現在位置に対応する画像上の位置を移動経路点データとし、該移動経路点データに前記電波強度測定部から読み込んだ電波強度を対応させて前記メモリに記憶させる測定実行手段とを備えたことを特徴とする屋内無線品質測定装置。
【請求項3】
前記メモリが携帯電話の不揮発性メモリによって構成され、
前記画像データ入力手段が前記携帯電話のCCDカメラによって構成され、
前記ディスプレイが前記携帯電話のディスプレイによって構成され、
前記手動操作盤が前記携帯電話の手動操作盤によって構成され、
前記電波強度測定部が前記携帯電話の電波強度測定部によって構成され、
前記測定位置教示手段および前記測定実行手段が前記携帯電話のマイクロプロセッサによって構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の屋内無線品質測定装置。
【請求項4】
前記CCDカメラに代えて、前記携帯電話におけるデータ入力用のインターフェイスを前記画像データ入力手段としたことを特徴とする請求項3記載の屋内無線品質測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−244891(P2008−244891A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−83084(P2007−83084)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】