説明

差動入力を有する直交出力低雑音トランスコンダクタンス増幅器

【課題】差動入力を有する直交出力低雑音トランスコンダクタンス増幅器を提供する。
【解決手段】低雑音トランスコンダクタンス増幅器200は、差動RF入力信号を受信するように構成されたPMOSトランスコンダクタンス部110と、PMOSトランスコンダクタンス部に結合されたPMOSカスコード部130と、RF差動入力信号を受信するように構成されたNMOSトランスコンダクタンス部120と、NMOSトランスコンダクタンス部に結合されたNMOSカスコード部140と、を含み、PMOSカスコード部及びNMOSカスコード部は、差動直交出力信号gmpq、gmnq及び差動同相出力信号gmpi、gmniを提供する。RF信号を増幅するための方法は、差動RF入力信号を受信することと、差動RF入力信号を電流信号に変換することと、電流信号をバッファリングして差動直交出力信号及び差動同相出力信号を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、増幅器に関するものであり、より具体的には、差動RF入力信号を受信すること及び増幅された差動同相及び直交(I/Q)出力信号を提供することが可能な低雑音トランスコンダクタンス増幅器(LNTA)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
低コストで、小型化され、電力的に効率的な通信システムの需要が増大していることで、より高いレベルの機能を集積回路内に組み入れる必要性が急激に高くなっている。これらの集積回路の面積及び関連するコストを最小化するために、高レベルの干渉が存在する可能性がある環境において低雑音増幅を提供するための斬新で革新的な手段が非常に望ましい。しかしながら、該利益は、要求される性能の低下、例えば直線性の低下及び/又は電力消費量の増大、という犠牲の下では享受すべきでない。新たに策定されてきている通信規格は、受信機の感度低下に関して厳しい要求を有しているため既存の性能要求を維持することが重要であり、さらに競争上の優位性を維持するために受信機の電力消費量を最小化しなければならない。
【0003】
以前の低雑音増幅器のクラスは、概して、電圧によって制御される電流源として動作する(すなわち、入力された電圧信号に基づいて出力電流を提供する)低雑音トランスコンダクタンス増幅器(LNTA)を含む。従来のLNTA設計は、その機能を2つのブロック、すなわち、LNA(低雑音増幅)ブロック及びそれに後続するTA(トランスコンダクタンス増幅)ブロックに区分している。この区分は、設計者が既存のLNA知的財産権を再利用するのを可能にするが、より多くの電力とより大きいダイ面積を使用し、その結果直線性が低下しそれにより干渉信号に対する耐性が低下する可能性がある最適でない設計となるおそれがある。従来の方法で区分されたLNTA設計は、LNA/TAの組み合わせから適切なトランスコンダクタンスを得るために相当な電圧利得を提供しなければならないLNA段によって基本的に制限されることがある。さらに、LNAは、TA段の寄生キャパシタンスを共振させるために誘導負荷も利用することも可能である。インダクタは、集積回路上においてダイ面積のかなりの量を占める可能性があるためコストをさらに増大させるおそれがあり、及び適切な動作のためのさらなる同調ステップを要求することがある。さらに、従来のLNTA設計は、同相出力信号及び直交出力信号の両方を提供するために増幅器回路を重複させ、それによって集積回路上のサイズ要求をさらに増大させることができる。
【0004】
従って、向上された直線性及び動作帯域幅とともに、電力及びダイ面積の点で相当の節約を提供することが可能な単段LNTAが必要である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の典型的実施形態は、低雑音トランスコンダクタンス増幅を提供するためのデバイス及び方法を対象とする。
【0006】
一実施形態においては、低雑音トランスコンダクタンス増幅を提供するためのデバイスが提示される。前記デバイスは、差動RF入力信号を受信するように構成されたPMOSトランスコンダクタンス部と、前記PMOSトランスコンダクタンス部に結合されたPMOSカスコード部と、を含むことができる。前記デバイスは、前記RF差動入力信号を受信するように構成されたNMOSトランスコンダクタンス部と、前記NMOSトランスコンダクタンス部に結合されたNMOSカスコード部とを含むこともでき、前記PMOS及びNMOSカスコード部は、差動直交出力信号及び差動同相出力信号を提供することができる。
【0007】
他の実施形態においては、RF信号を増幅するための方法が提示される。前記方法は、差動RF入力信号を受信することと、前記差動RF入力信号を電流信号に変換することと、前記電流信号をバッファリングして差動直交出力信号及び差動同相出力信号を提供すること、とを含むことができる。
【0008】
他の実施形態は、差動RF入力信号を受信するための手段と、前記差動RF入力信号を電流信号に変換するための手段と、前記電流信号をバッファリングして差動直交出力信号及び差動同相出力信号を提供するための手段とを備える、低雑音トランスコンダクタンス増幅を提供するためのデバイス、を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付図は、本発明の実施形態に関する説明の一助として提示され、これらの実施形態を制限するためではなく単にこれらの実施形態を例示することのみを目的として提供される。
【図1】図1は、低雑音トランスコンダクタンス増幅器(LNTA)の実施形態の典型的ブロック図である。
【図2】図2は、LNTAの他の実施形態の典型的な最高レベルの回路図である。
【図3】図3は、LNTAの実施形態において用いることができる典型的なゲートバイアス制御システムを示した図である。
【図4】図4は、モバイルデバイスのトランシーバにおけるLNTAの典型的な利用を示した図である。
【図5】図5は、LNTAの実施形態と関連づけられたプロセスの典型的なフローチャートである。
【詳細な説明】
【0010】
本発明の特定の実施形態を対象とする以下の説明及び関連図面において本発明の態様が開示される。本発明の適用範囲から逸脱することなしに代替実施形態を案出することができる。さらに、本発明の該当する詳細を曖昧にしないようにするために本発明のよく知られた要素は詳細には説明されないか又は省略される。
【0011】
“典型的な”という表現は、ここでは、“1つの例、事例、又は実例”を意味するために用いられる。ここにおいて“典型的な”として説明されるいずれの実施形態も、その他の実施形態よりも好ましい又は有利であるとは必ずしも解釈すべきではない。同様に、“本発明の実施形態”という表現は、本発明のすべての実施形態が説明される特徴、利点又は動作モードを含むように要求するわけではない。
【0012】
ここにおいて用いられる用語は、特定の実施形態のみについて説明することを目的とするものであり、本発明の実施形態を制限することは意図されない。ここにおいて用いられる場合において、単数形は、文脈上別の意味であることが明示されない限り、複数形を含むことが意図される。ここにおいて用いられるときの表現“備える”、“備え”、“含む”及び/又は“含み”は、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を明示するものであるが、1つ以上のその他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はその集まりの存在又は追加を排除するものではないことがさらに理解されるであろう。
【0013】
さらに、多くの実施形態は、例えば計算デバイスの要素によって行われるべき一連の動作に関して説明される。ここにおいて説明される様々な動作は、特定の回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))によって、1つ以上のプロセッサによって実行されるプログラム命令によって、又は両方の組み合わせによって行うことができることが認識されるであろう。さらに、ここにおいて説明されるこれらの一連の動作は、実行された時点でここにおいて説明される機能を実行することを関連づけられたプロセッサに行わせることになる対応する一組のコンピュータ命令を格納しているあらゆる形態のコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体内において全体を具現化することができる。従って、本発明の様々な態様は、幾つかの異なる形態で具現化することができ、これらはすべて、請求される主題の適用範囲内であることが企図されている。さらに、ここにおいて説明される実施形態の各々に関して、該実施形態の対応する形態は、ここにおいては、例えば説明される動作を行う “ように構成された論理”として説明することができる。
【0014】
図1は、単段低雑音トランスコンダクタンス増幅器(LNTA)100の典型的なブロック図である。LNTA100は、PMOSトランスコンダクタンス部110と、NMOSトランスコンダクタンス部120と、PMOSカスコード部130と、NMOSカスコード部140と、第1のゲートバイアス部135と、第2のゲートバイアス部145と、を含むことができる。PMOSトランスコンダクタンス部110は、正のラインRFipと負のラインRFinとを含む差動RF入力信号を受信することができる。PMOSトランスコンダクタンス部110は、入力信号の振幅とPMOSトランスコンダクタンス部110のトランスコンダクタンスの積に比例する大きさを有する電流を含む第1の差動中間信号を提供することができる。第1の差動中間信号は、正の同相ライン(gmpi)出力信号及び正の直交ライン(gmpq)出力信号を生成するためにPMOSカスコード部130によって搬送される。
【0015】
NMOSトランスコンダクタンス部120は、正のラインRFipと負のラインRFinと含む差動RF入力信号を受信することもできる。NMOSトランスコンダクタンス部120は、第2の差動中間信号を提供することができる。第2の差動中間信号は、NMOSカスコード部140によって増幅及び処理して負の同相(gmni)ライン出力信号及び負の直交ライン(gmnq)出力信号を生成することができる。
【0016】
機能的には、トランスコンダクタンス部110、120は、RFip/RFinにおける差動入力信号を電流に変換することができる。カスコード部130、140は、この電流を非常に低い損失で出力部(gmpq、gmnq、gmpi、gmni)に搬送するための電流バッファとして働くことができる。これは、カスコード部130、140がトランスコンダクタンス部110/120に対して低インピーダンスを、及び(gmpq、gmnq、gmpi、gmni)において高出力インピーダンスを提示することによって達成することができる。
【0017】
差動RF入力をPMOSトランスコンダクタンス部110及びNMOSトランスコンダクタンス部120内に直接提供することは、高トランスコンダクタンス(例えば、入力電圧信号に関連する高電流利得)という利益を提供することができる。トランスコンダクタンス部110、120において高いトランスコンダクタンスを有することによって、初期電圧利得を有する前置増幅器に関する要求を軽減させることができ、これは、追加の同調回路の必要性を取り除き、それによって集積回路内におけるインダクタ数を最小にすることができる。PMOS及びNMOSカスコード部130、140は、負荷内に引き渡される電流の量を最大化し、LNTA100の効率を向上させるために望ましいものであることができる高出力インピーダンスを提供することができる。
【0018】
図1をさらに参照し、LNTA100は、第1のゲートバイアス部135と、第2のゲートバイアス部145とを含むことができる。ゲートバイアス部は、LNTA100の適切な動作のためにカスコード部130、140における各トランジスタに対してゲートバイアス電圧を提供することができる。一実施形態においては、ゲートバイアス部135、145の両方は、PMOSカスコード部130及びNMOSカスコード部140内のトランジスタに対して一定の電圧バイアスを提供することができる。
【0019】
他の実施形態においては、ゲートバイアス部135は、PMOSカスコード部130に対して一定のゲートバイアス電圧を提供することができ、ゲートバイアス部145は、NMOSカスコード部140内のトランジスタに対して動的に変化するゲートバイアス電圧を提供することができる。この実施形態においては、ゲートバイアス部145は、NMOSカスコード部140のトランジスタ内における電圧変動を補償するためにLNTA100の出力に基づいてバイアス電圧を提供するゲートバイアス制御システムであることができる。さらに他の実施形態においては、ゲートバイアス部135及び145は、上述される前実施形態とは逆にすることができ、ゲートバイアス部135は、ゲートバイアス制御システムを利用することができ、ゲートバイアス部145は、一定のバイアスゲート電圧を用いることができる。
【0020】
ゲートバイアス制御システムは、カスコード部内でのトランジスタのマッチングをこれまでよりもはるかに容易にし、その一方で追加の同調回路及びその関連するインダクタの使用を最小にするという利点を提供することができる。以下において、一定ゲート電圧バイアシング回路及びゲートバイアス制御システムの両方に関する詳細がさらに詳細に示される。
【0021】
従って、本開示の実施形態は、低雑音トランスコンダクタンス増幅を提供するためのデバイスを含むことができる。デバイスは、差動RF入力信号を受信するように構成されたPMOSトランスコンダクタンス部(例えば110)と、PMOSトランスコンダクタンス部に結合されたPMOSカスコード部(例えば130)とを含むことができる。デバイスは、RF差動入力信号を受信するように構成されたNMOSトランスコンダクタンス部(例えば120)と、NMOSトランスコンダクタンス部に結合されたNMOSカスコード部(例えば140)とをさらに含むことができ、PMOSカスコード部及びNMOSカスコード部は、差動直交出力信号及び差動同相出力信号を提供する。
【0022】
本開示の他の実施形態は、RF信号を増幅するための方法を含むことができ、前記方法は、差動RF入力信号を受信することと、差動RF入力信号を電流信号に変換することと、電流信号をバッファリングして差動直交出力信号及び差動同相出力信号を提供すること、とを含むことができる。
【0023】
図2は、単段低雑音トランスコンダクタンス増幅器(LNTA)200の典型的な回路図である。LNTA200は、PMOSトランジスタ215、220を含むPMOSトランスコンダクタンス部110と、PMOSトランジスタ225、230、235、240を含むPMOSカスコード部130と、NMOSトランジスタ280と285とを含むNMOSトランスコンダクタンス部120と、NMOSトランジスタ260、265、270、275を含むNMOSカスコード部140と、を含むことができる。
【0024】
PMOSトランスコンダクタンス部110において、PMOSトランジスタ215のゲートラインは、(キャパシタ250を介して)差動RF入力のマイナスラインに静電結合することができる。PMOSトランジスタ215のソースラインは、Isourceを受信するために電流源210に結合し及びそのドレインラインはPMOSカスコード部130におけるPMOSトランジスタ225及び230のソースラインに接続することができる。さらにPMOSトランスコンダクタンス部110を参照し、PMOSトランジスタ220のゲートラインは、(キャパシタ255を介して)差動RF入力の正のラインに静電結合することができる。PMOSトランジスタ220は、そのソースラインを介してソース210からソース電流Isourceを受信することができる。PMOSトランジスタ220のドレインラインは、PMOSカスコード部130におけるPMOSトランジスタ235及び240のソースラインに結合することができる。
【0025】
PMOSカスコード部130において、PMOSトランジスタ225のソースラインは、トランジスタ230のソースライン及びトランジスタ215のドレインラインに結合することができる。PMOSトランジスタ225のドレインラインは、差動直交出力信号(gmpq)の正のラインを提供するために、NMOSカスコード部140におけるNMOSトランジスタ260のドレインラインに結合することができる。PMOSトランジスタ225のゲートラインは、ゲートバイアシング回路245に結合することができる。
【0026】
PMOSトランジスタ230のソースラインは、PMOSトランジスタ225のソースライン及びトランジスタ215のドレインラインに結合することができる。PMOSトランジスタ230のドレインラインは、差動同相出力信号(gmpi)の正のラインを提供するために、NMOSカスコード部140におけるNMOSトランジスタ265のドレインラインに結合することができる。PMOSトランジスタ230のゲートラインは、ゲートバイアシング回路245に結合することができる。
【0027】
PMOSトランジスタ235のソースラインは、PMOSトランジスタ240のソースライン及びトランジスタ220のドレインラインに結合することができる。PMOSトランジスタ235のドレインラインは、差動同相出力信号(gmni)の負のラインを提供するために、NMOSカスコード部140におけるNMOSトランジスタ270のドレインラインに結合することができる。PMOSトランジスタ235のゲートラインは、ゲートバイアシング回路245に結合することができる。
【0028】
PMOSトランジスタ240のソースラインは、PMOSトランジスタ235のソースライン及びトランジスタ220のドレインラインに結合することができる。PMOSトランジスタ240のドレインラインは、差動直交出力信号(gmnq)の負のラインを提供するために、NMOSカスコード部140におけるNMOSトランジスタ275のドレインラインに結合することができる。PMOSトランジスタ240のゲートラインは、ゲートバイアシング回路245に結合することができる。
【0029】
ゲートバイアシング回路245は、PMOSカスコード部130が適切に動作するように一定バイアシング電圧を各PMOSトランジスタ225乃至240に提供することができる。ゲートバイアシング回路245は、適切なプルアップ抵抗器を有する電圧源を含むことができ、及びバイアシング回路のために用いられる従来の回路構成を利用することができる。
【0030】
さらにNMOSトランスコンダクタンス部120を有する図2に示される実施形態を参照し、NMOSトランジスタ285のゲートラインは、差動RF入力部の負のラインに接続することができる。NMOSトランジスタ285のソースラインは、ソース縮退インダクタ(source degeneration inductor)(L)290に結合し、そのドレインラインはNMOSカスコード部140におけるNMOSトランジスタ265及び260のソースラインに接続することができる。さらにNMOSトランスコンダクタンス部120を参照し、NMOSトランジスタ280のゲートラインは差動RF入力の正のラインに接続することができる。NMOSトランジスタ280のソースラインは、ソース縮退インダクタ(Ls)290に結合することができる。NMOSトランジスタ280のドレインラインは、NMOSカスコード部140におけるNMOSトランジスタ275及び270のソースラインに結合することができる。
【0031】
NMOSカスコード部140において、NMOSトランジスタ260のソースラインは、NMOSトランジスタ265のソースライン及びNMOSトランジスタ285のドレインラインに結合することができる。NMOSトランジスタ260のドレインラインは、差動直交出力信号(gmpq)の正のラインを提供するために、PMOSカスコード部130におけるPMOSトランジスタ225のドレインラインに結合することができる。NMOSトランジスタ260のゲートラインは、電圧Vgb1を受信するためにゲートバイアス制御295に結合することができる。
【0032】
NMOSトランジスタ265のソースラインは、NMOSトランジスタ260のソースライン及びNMOSトランジスタ285のドレインラインに結合することができる。NMOSトランジスタ265のドレインラインは、差動同相出力信号gmpiの正のラインを提供するために、PMOSカスコード部130におけるPMOSトランジスタ230のドレインラインに結合することができる。NMOSトランジスタ265のゲートラインは、電圧Vgb2を受信するためにゲートバイアス制御295に結合することができる。
【0033】
NMOSトランジスタ270のソースラインは、NMOSトランジスタ275のソースライン及びNMOSトランジスタ280のドレインラインに結合することができる。NMOSトランジスタ270のドレインラインは、差動同相出力信号(gmni)の負のラインを提供するために、PMOSカスコード部130におけるPMOSトランジスタ235のドレインラインに結合することができる。NMOSトランジスタ270のゲートラインは、電圧Vgb3を受信するためにゲートバイアス制御295に結合することができる。
【0034】
NMOSトランジスタ275のソースラインは、NMOSトランジスタ270のソースライン及びNMOSトランジスタ280のドレインラインに結合することができる。NMOSトランジスタ275のドレインラインは、差動直交出力信号(gmnq)の負のラインを提供するために、PMOSカスコード部130におけるPMOSトランジスタ240のドレインラインに結合することができる。NMOSトランジスタ275のゲートラインは、電圧Vgb4を受信するためにゲートバイアス制御295に結合することができる。
【0035】
ゲートバイアシング制御295は、NMOSカスケード部140におけるNMOSトランジスタ260乃至275のためのゲートバイアス電圧の各々を動的に調整することができる。ゲートバイアス制御295は、差動同相出力信号及び差動直交出力信号(gmpq、gmnq、gmpi、gmni)を入力として受信し、それらに基づき、NMOSトランジスタ260乃至275のためのゲート電圧Vgb1、Vgb2、Vgb3、及びVgb3をそれぞれ提供することができる。ゲートバイアス電圧を動的に調整することによって、NMOSトランジスタ260乃至275をマッチングさせるための公差を軽減することができ、同調回路(例えば、インダクタを用いたタンク回路)を回避することができる。ゲートバイアス制御システム295は、ソース縮退インダクタLsに対して補償電流をさらに提供することができる。補償電流は、LNTA内におけるトランジスタの両端間の電圧を平衡化するために用いることができる。補償電流は、(gmpi、gmni、gmpq、gmnq)における同相モード電圧がVcommon_referneceと等しくなるように調整するために用いることができる。ゲートバイアス制御295の詳細が以下に示される。
【0036】
図1の説明において示されるように、本発明のその他の実施形態(示されない)は、PMOSカスケード部130及びNMOSカスケード部140の両方においてゲートバイアシング回路を用いることを含むことができる。ここで、カスケード部130、140の両方は、一定ゲート電圧によってバイアスが印加されたこれらトランジスタゲートラインを有することができる。さらに他の実施形態においては、PMOSカスケード部130は、PMOSトランジスタ225乃至240に動的にバイアスを印加するためにゲートバイアス制御システムを利用することができ、NMOSカスケード部140は、NMOSトランジスタ260乃至275の各々に対して一定バイアス電圧を提供してそれによってgmpq、gmnq、等のための一定の電圧を提供するためにゲートバイアス回路を利用することができる。
【0037】
図2に示されるように、LNTA200の単段設計は、相補NMOS/PMOS差動入力対の並列接続を通じて容易にすることができ、単一のNMOS差動対又はPMOS差動入力対のいずれよりも大きいトランスコンダクタンスを提供することができる。LNTA200入力は、NMOSトランジスタ入力対280、285のラジアン遷移周波数(ω)とソース縮退インダクタLs290の積に等しい実入力インピーダンスを合成することによってソースインピーダンスにマッチングさせることができ、これは、最大のトランスコンダクタンスを得るためにPMOS入力対215−220を自由に最適化することを可能にし、PMOS差動対215−220の容量性リアクタンスのみがマッチングされる。PMOS/NMOS差動対215−220/285−280の結合された容量性リアクタンスは、入力インダクタLg(示されていない)及びソース縮退インダクタLs290によって共振させることができる。
【0038】
差動PMOS/NMOS対215−220/280−285のドレイン接続は2つに分割することができ、各経路は、4つの直交出力(gmpq、gmnq、gmpi、gmni)の各々のための高出力インピーダンスを実現するためにカスケード接続トランジスタ(cascading transistor)を通じて接続することができる。直交出力(gmpq、gmnq、gmpi、gmni)の各々に関して別々の接続を有することは、それらを互いに隔離することができ及びI及びQ混合経路を通ってLNTA200まで戻るときにベースバンドI部とQ部との間に共通経路が存在しないように保証することができる。カスコードトランジスタの利用は、概してI/Qミキサの切り替え動作によって壊されることになる直交出力からNMOS/PMOS差動対を隔離するという利益を提供することができる。カスコードトランジスタは、PMOS/NMOS入力差動対デバイスの(典型的に)高い出力コンダクタンスをLNTAの出力電圧スイングから隔離することによってLNTAの安定性及び直線性を向上させることも可能である。
【0039】
単段LNTA200は、後続するトランスコンダクタンス段を駆動するために用いられる高利得の誘導的に負荷がかけられたLNA段から成る2段設計を回避する。並列に接続される相補的なNMOS及びPMOS差動入力の使用は、実ソースインピーダンスに対するインピーダンスマッチを提供する一方でトランスコンダクタンスを最適化することができる。さらに、LNTA200のカスコード接続された直交出力回路は、LNTA入力を出力から隔離することができ、さらに4つのLNTA出力を互いに隔離することができる。
【0040】
図3は、LNTAの様々な実施形態において用いることができる典型的なゲートバイアス制御システム300を示す。ゲートバイアス制御システム300は、同相チャネル及び直交チャネルの両方を示す。各チャネルは同じ動作ブロックを利用するため、以下の説明は、直交制御に焦点を合わせるが、これらの機能ブロックは同相チャネルに対しても当てはめることが可能であることが理解されるべきである。
【0041】
最初に、正の直交信号は、同相モード誤り信号を生成するため加算器ブロック340Aにおいて負の直交信号と加算することができる。正の直交信号及び負の直交信号は、差分ブロック350Aにおいて“差分を求めて(difference)”差動モード誤り信号を生成することも可能である。同相モード誤り信号は、差分ブロック330Aにおいて電圧基準(Vcommon_reference)と比較することができる。Vcommon_referenceは、出力信号(gmpq、gmnq、gmpi、gmni)から形成された所望の同相モード電圧である。この比較された信号は、ブロック310Aにおいて差分モード誤りと加算してVgb1(NMOSトランジスタ260のためのゲートバイアス電圧)を生成することができる。比較された信号は、ブロック320Aにおいて差動モード誤り信号との“差分を求めて”Vgb2(NMOSトランジスタ265のためのゲートバイアス電圧)を生成することも可能である。
【0042】
ブロック310B乃至350Bにおいて同相チャネルを用いて同様の動作を行い、Vgb3(NMOSトランジスタ270のためのゲートバイアス電圧)及びVgb4(NMOSトランジスタ275のためのゲートバイアス電圧)を生成することができる。数学的には、ゲートバイアス電圧と同相信号及び直交信号との関係は以下のように表すことができる。
【0043】
Vgb1=((gmpq+gmnq)−Vcommon_reference)+(gmpq−gmnq)/2
Vgb4=((gmpq+gmnq)−Vcommon_reference)−(gmpq−gmnq)/2
Vgb2=((gmpi+gmni)−Vcommon_reference)+(gmpi−gmni)/2
Vgb3=((gmpi+gmni)−Vcommon_reference)−(gmpi−gmni)/2
ゲートバイアス制御300は、Vcommon_reference信号に基づいて出力信号(gmpq、gmnq、gmpi、gmni)から形成された同相モード電圧を制御し、差動モード電圧(gmpi−gmni)及び(gmpq−gmnq)をゼロに駆動する。
【0044】
図4は、モバイルデバイス400のトランシーバにおける低雑音トランスコンダクタンス増幅器(LNTA)の典型的な利用を示す。モバイルデバイス400は、ネットワークを通じてデータ及び/又はコマンドを交換することができるプラットフォーム410を有することができる。プラットフォーム410は、送信機と(受信機のフロントエンド部のみが明示される)受信機とをさらに含むことができるトランシーバ415を含むことができる。トランシーバは、プロセッサ420、又はその他のコントローラ、マイクロプロセッサ、ASIC、論理回路、又はその他のタイプのデータ処理デバイスに動作可能に結合することができる。プロセッサ420は、UE400のメモリ430に格納することが可能な論理を実行することができる。メモリ430は、読み取り専用メモリ及び/又はランダムアクセスメモリ(RAM及びROM)、EEPROM、フラッシュカード、又は該プラットフォームに共通するいずれかのメモリ、から成ることができる。
【0045】
コマンドを提供するための様々な論理要素は、ここにおい開示される機能を達成させるために個別の要素、プロセッサにおいて実行されるソフトウェアモジュール、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせにおいて具現化することができる。例えば、プロセッサ420及びメモリ430はすべて、ここにおいて開示される様々な機能を読み込み、格納し、及び実行するために協力的に用いることができ、このため、これらの機能を果たすための論理は、様々な要素にわたって分散させることができる。代替として、これらの機能は、1つの個別の構成要素内に(例えば、プロセッサ420内の埋め込まれたメモリ内に)組み入れることが可能である。従って、図4のモバイル端末400の特徴は、単なる例であるにすぎないとみなされるべきであり、本発明は例示される特徴又は配置に限定されない。
【0046】
図4をさらに参照し、トランシーバ415は、LNTAを含む典型的な受信機フロントエンドの幾つかの詳細を示す。受信機フロントエンドは、RF入力信号をアンテナ440から受信することができる。RF入力信号は、シングルエンド方式であることができ、ブロック450によってフィルタリングして雑音を除去して差動RF入力信号に変換することができる。RF入力信号の差動形態は、同相モード雑音を除去してより高い品質の信号を提供することができるという利点を有することができる。これで、フィルタリングされた、差動RF入力信号をLNTA460に供給することができる。LNTAは、差動RF入力信号(RFip、RFin)を増幅して差動同相出力信号及び差動直交出力信号(gmpq、gmnq、gmpi、gmni)を提供することができる。これらの信号は、直交変調器及びその他のミキサ及び/又は増幅器によってさらに処理してベースバンドI信号及びQ信号を生成することができ、フィルタ430を通じてミキサ435内にこれらの信号を渡す。ベースバンド信号は、後続して処理してこれらの信号から情報を抽出することができる。
【0047】
図5は、低雑音トランスコンダクタンス増幅器の実施形態と関連するプロセスの典型的フローチャート500を示す。差動RF入力信号は、LNTAの入力部において受信することができる(B510)。この信号は、PMOSトランスコンダクタンス部110及びNMOSトランスコンダクタンス部120の入力部において受信することができる。差動RF入力信号は、電流信号に変換することができる(B520)。各トランスコンダクタンス部110及び120は、この変換を行うことができる。電流信号は、バッファリングして出力差動直交信号及び出力差動同相信号を提供することができる(B530)。このバッファリングは、PMOSカスコード部130及びNMOSカスコード部140によって行うことができる。これらの出力信号は、ゲートバイアス電圧を調整するために用いることができる(B540)。このブロックは、ゲートバイアス制御295によって実行することができる。
【0048】
本発明の実施形態は、あらゆるポータブルデバイスとともに用いることができ、例示される実施形態に限定されない。例えば、モバイル端末は、携帯電話と、アクセス端末と、音楽プレイヤーと、ラジオと、GPS受信機と、ラップトップコンピュータと、パーソナルデジタルアシスタントと、等を含むことができる。
【0049】
情報及び信号は、様々な異なる技術及び技法のうちのいずれかを用いて表すことができることを当業者は理解するであろう。例えば、上記の説明全体を通じて言及されることができるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場、磁気粒子、光学場、光学粒子、又はそのいずれかの組合せを用いて表すことができる。
【0050】
さらに、ここにおいて開示される実施形態に関係させて説明される様々な例示的論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズム上のステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又は両方の組み合わせとして実装することができる。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に例示するため、上記においては、様々な例示的構成要素、ブロック、モジュール、回路、及びステップが、各々の機能の観点で一般的に説明されている。該機能がハードウェアとして又はソフトウェアとして実装されるかは、全体的システムに対する特定の用途上の及び設計上の制約事項に依存する。当業者は、説明されている機能を各々の特定の用途に合わせて様々な形で実装することができるが、これらの実装決定は、本発明の適用範囲からの逸脱を生じさせるものであるとは解釈すべきではない。
1つ以上の典型的実施形態において、説明される機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はその組み合わせにおいて実装することができる。ソフトウェアにおいて実装される場合は、これらの機能は、コンピュータによって読み取り可能な媒体において1つ以上の命令又は符号として格納すること又は送信することができる。コンピュータによって読み取り可能な媒体は、コンピュータ記憶媒体と、1つの場所から他の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にするあらゆる媒体を含む通信媒体との両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能なあらゆる利用可能な媒体であることができる。一例として、及び制限することなしに、該コンピュータによって読み取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM又はその他の光学ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気記憶デバイス、又はコンピュータによってアクセス可能な命令又はデータ構造の形態で希望されるプログラムコードを搬送又は格納するために用いることができるその他の媒体、を備えることができる。さらに、いずれの接続もコンピュータによって読み取り可能な媒体であると適切に呼ばれる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、より対線(twisted pair)、デジタル加入者ライン(DSL)、又は無線技術、例えば、赤外線、無線、及びマイクロ波、を用いてウェブサイト、サーバ、又はその他の遠隔ソースから送信される場合は、該同軸ケーブル、光ファイバケーブル、より対線、DSL、又は無線技術、例えば赤外線、無線、及びマイクロ波、は、媒体の定義の中に含まれる。ここにおいて用いられるときのディスク(disk及びdisc)は、コンパクトディスク(CD)(disc)と、レーザーディスク(登録商標)(disc)と、光ディスク(disc)と、デジタルバーサタイルディスク(DVD)(disc)と、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)と、ブルーレイディスク(disc)と、を含み、ここで、diskは通常は磁気的にデータを複製し、discは、レーザを用いて光学的にデータを複製する。上記の組合せも、コンピュータによって読み取り可能な媒体の適用範囲に含めるべきである。
【0051】
従って、本発明は、示される例には限定されず、ここにおいて説明される機能を実行するためのあらゆる手段が本発明の実施形態に含まれる。例えば、上述される様々な典型的実施形態は、MOSタイプのトランジスタを採用する一方で、その他の実施形態は、その他の既知のトランジスタのタイプを利用することができる。
【0052】
上記の開示は、本発明の例示的な実施形態を示す一方で、ここにおいては、添付された請求項によって定義される本発明の適用範囲から逸脱することなしに様々な変更及び修正を行うことが可能であることが注目されるべきである。ここにおいて説明される本発明の実施形態による方法請求項の機能、ステップ及び/又は動作は、いずれかの特定の順序で実行する必要がない。さらに、本発明の要素は、単数形で説明又は請求することができるが、単数形に限定することが明示されない限り複数形が企図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低雑音トランスコンダクタンス増幅を提供するためのデバイスであって、
差動RF入力信号を受信するように構成されたPMOSトランスコンダクタンス部と、
前記PMOSトランスコンダクタンス部に結合されたPMOSカスコード部と、
前記RF差動入力信号を受信するように構成されたNMOSトランスコンダクタンス部と、
前記NMOSトランスコンダクタンス部に結合されたNMOSカスコード部と、を備え、前記PMOSカスコード部及びNMOSカスコード部は、差動直交出力信号及び差動同相出力信号を提供する、低雑音トランスコンダクタンス増幅を提供するためのデバイス。
【請求項2】
前記PMOSカスコード部は、
前記NMOSカスコード部に結合されたドレインラインを有する第1のPMOSトランジスタと、
前記第1のPMOSトランジスタのソースラインに結合されたソースラインと、前記NMOSカスコード部に結合されたドレインラインとを有する第2のPMOSトランジスタと、
前記NMOSカスコード部に結合されたドレインラインを有する第3のPMOSトランジスタと、
前記第3のPMOSトランジスタのソースラインに結合されたソースラインと、前記NMOSカスコード部に結合されたドレインラインと、を有する第4のPMOSトランジスタと、をさらに備え、前記第1、第2、第3及び第4のPMOSトランジスタのゲートラインは、第1のゲートバイアス部に結合される請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記NMOSカスコード部は、
前記第1のPMOSトランジスタのドレインラインに結合されたドレインラインを有する第1のNMOSトランジスタと、
前記第1のNMOSトランジスタのソースラインに結合されたソースラインと、前記第2のPMOSトランジスタのドレインラインに結合されたドレインラインと、を有する第2のNMOSトランジスタと、
前記第3のPMOSトランジスタのドレインラインに結合されたドレインラインを有する第3のNMOSトランジスタと、
前記第3のNMOトランジスタのソースラインに結合されたソースラインと、前記第4のPMOSトランジスタのドレインラインに結合されたドレインラインと、を有する第4のNMOSトランジスタと、をさらに備え、前記第1、第2、第3及び第4のNMOSトランジスタの前記ゲートラインは、第2のゲートバイアス部に結合される請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1のPMOSトランジスタ及び第1のNMOSトランジスタのドレインラインは、前記差動直交出力信号の正のラインを提供し、
前記第2のPMOSトランジスタ及び第2のNMOSトランジスタのドレインラインは、前記差動同相出力信号の正のラインを提供し、
前記第3のPMOSトランジスタ及び第3のNMOSトランジスタのドレインラインは、前記差動同相出力信号の負のラインを提供し、
前記第4のPMOSトランジスタ及び第4のNMOSトランジスタのドレインラインは、前記差動直交出力信号の負のラインを提供する請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記PMOSトランスコンダクタンス部は、
電流源に結合されたソースラインと、前記第1及び第2のPMOSトランジスタのソースラインに結合されたドレインラインと、前記RF差動入力信号の負のラインに静電結合されたゲートラインと、を有する第5のPMOSトランジスタと、
電流源に結合されたソースラインと、前記第3及び第4のPMOSトランジスタのソースラインに結合されたドレインラインと、前記RF差動入力信号の正のラインに静電結合されたゲートラインと、を有する第6のPMOSトランジスタと、をさらに備える請求項3に記載のデバイス。
【請求項6】
前記NMOSトランスコンダクタンス部は、
ソース縮退インダクタに結合されたソースラインと、前記第1及び第2のNMOSトランジスタのソースラインに結合されたドレインラインと、前記RF差動入力信号の負のラインに直接結合されたゲートラインと、を有する第5のNMOSトランジスタと、
前記ソース縮退インダクタに結合されたソースラインと、前記第3及び第4のNMOSトランジスタのソースラインに結合されたドレインラインと、前記RF差動入力信号の正のラインに直接結合されたゲートラインと、を有する第6のNMOSトランジスタと、をさらに備える請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記第1のゲートバイアス部は、前記第1、第2、第3、及び第4のPMOSトランジスタのゲートラインに共通のバイアス電圧を提供する第1のゲートバイアシング回路を備え、前記第2のゲートバイアス部は、前記第1、第2、第3、及び第4のNMOSトランジスタのゲートラインに共通のバイアス電圧を提供する第2のゲートバイアシング回路を備える請求項3に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第1のゲートバイアシング回路は、
前記第1、第2、第3、及び第4のPMOSトランジスタのゲートラインに結合された少なくとも1つのプルアップ抵抗器と、
前記少なくとも1つのプルアップ抵抗器に結合された電源と、をさらに備える請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第1のゲートバイアス部は、前記第1、第2、第3、及び第4のPMOSトランジスタのゲートに共通のバイアス電圧を提供するゲートバイアシング回路を備え、前記第2のゲートバイアス部は、前記差動同相出力信号及び差動直交出力信号に基づいて前記第1、第2、第3、及び第4のNMOSトランジスタのゲートラインのための電圧の各々を動的に調整するゲートバイアス制御システムを備える請求項6に記載のデバイス。
【請求項10】
前記ゲートバイアス制御システムは、前記ソース縮退インダクタに補償電流を提供する請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記ゲートバイアス制御システムは、
差動制御信号を受信し及び同相モード誤り信号を生成する第1の加算器モジュールと、
前記差動制御信号を受信し及び差動モード誤り信号を生成する第1の差分モジュールと、
前記同相モード誤り信号及び基準電圧を受信し、及び比較された信号を生成する第2の差分モジュールと、
前記比較された信号及び前記差動モード誤り信号を受信し、第1のバイアス電圧を生成する第2の加算器モジュールと
前記比較された信号及び前記差動モード誤り信号を受信し、及び第2のバイアス電圧を生成する第3の差分モジュールと、をさらに備える請求項9に記載のデバイス。
【請求項12】
前記差動制御信号は、前記差動直交入力信号を備え、前記第1のバイアス電圧は、前記第1のNMOSトランジスタのゲート電圧を備え、前記第2のバイアス電圧は、前記第4のNMOSトランジスタのためのゲート電圧を備える請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記差動制御信号は、前記差動同相出力信号を備え、前記第1のバイアス電圧は、第2のNMOSトランジスタのためのゲート電圧を備え、前記第2のバイアス電圧は、前記第3のNMOSトランジスタのためのゲート電圧を備える請求項11に記載のデバイス。
【請求項14】
前記第1のゲートバイアス部は、前記第1、第2、第3、及び第4のNMOSトランジスタのゲートに共通のバイアス電圧を提供するゲートバイアシング回路を備え、前記第2のゲートバイアス部は、前記差動同相出力信号及び差動直交出力信号に基づいて前記第1、第2、第3、及び第4のPMOSトランジスタのゲートラインための電圧の各々を別々に調整するゲートバイアス制御システムを備える請求項6に記載のデバイス。
【請求項15】
RF信号を増幅するための方法であって、
差動RF入力信号を受信することと、
前記差動RF入力信号を電流信号に変換することと、
前記電流信号をバッファリングして差動直交出力信号及び差動同相出力信号を提供すること、とを備える、RF信号を増幅するための方法。
【請求項16】
前記差動RF入力信号に基づいて第1の組の電流信号を提供することと、
前記第1の組の電流信号を前記差動直交出力信号及び前記差動同相出力信号の正のラインに変換すること、とをさらに備える請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記差動RF入力信号に基づいて第2の組の電流信号を提供することと、
前記第2の組の電流信号を前記差動直交出力信号及び前記差動同相出力信号の負のラインに変換すること、とをさらに備える請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記差動直交出力信号及び前記差動同相出力信号を受信することと、
前記差動同相出力信号及び差動直交出力信号に基づいてゲートバイアス電圧を動的に調整すること、とをさらに備える請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記差動直交出力信号の正のライン及び負のラインを加算して同相モード誤り信号を生成することと、
前記差動直交出力信号の正のライン及び負のラインを減算して差動モード誤り信号を生成することと、
前記同相モード誤り信号及び基準電圧を減算して比較された信号を生成することと、
前記比較された信号及び前記差動モード誤り信号を加算して第1のゲートバイアス電圧を生成することと、
前記比較された信号及び前記差動モード誤り信号を減算して第4のゲートバイアス電圧を生成すること、とをさらに備える請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記差動同相出力信号の正のライン及び負のラインを加算して同相モード誤り信号を生成することと、
前記差動同相出力信号の正のライン及び負のラインを減算して差動モード誤り信号を生成することと、
前記同相モード誤り信号及び基準電圧を減算して比較された信号を生成することと、
前記比較された信号及び前記差動モード誤り信号を加算して第2のゲートバイアス電圧を生成することと、
前記比較された信号及び前記差動モード誤り信号を減算して第3のゲートバイアス電圧を生成すること、とをさらに備える請求項18に記載の方法。
【請求項21】
低雑音トランスコンダクタンス増幅を提供するためのデバイスであって、
差動RF入力信号を受信するための手段と、
前記差動RF入力信号を電流信号に変換するための手段と、
前記電流信号をバッファリングして差動直交出力信号及び差動同相出力信号を提供するための手段と、を備える、低雑音トランスコンダクタンス増幅を提供するためのデバイス。
【請求項22】
前記差動RF入力信号に基づいて第1の組の電流信号を提供するための手段と、
前記第1の組の電流信号を前記差動直交出力信号及び前記差動同相出力信号の正のラインに変換するための手段と、をさらに備える請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記差動RF入力信号に基づいて第2の組の電流信号を提供するための手段と、
前記第2の組の電流信号を前記差動直交出力信号及び前記差動同相出力信号の負のラインに変換するための手段と、をさらに備える請求項21に記載のデバイス。
【請求項24】
前記差動直交出力信号及び差動同相出力信号を受信するための手段と、
前記差動同相出力信号及び前記差動直交出力信号に基づいてゲートバイアス電圧を動的に調整するための手段と、をさらに備える請求項21に記載のデバイス。
【請求項25】
前記差動直交出力信号の正のライン及び負のラインを加算して同相モード誤り信号を生成するための手段と、
前記差動直交出力信号の正のライン及び負のラインを減算して差動モード誤り信号を生成するための手段と、
前記同相モード誤り信号及び基準電圧を減算して比較された信号を生成するための手段と、
前記比較された信号及び前記差動モード誤り信号を加算して第1のゲートバイアス電圧を生成するための手段と、
前記比較された信号及び差動モード誤り信号を減算するための並びに第4のゲートバイアス電圧を生成するための手段と、をさらに備える請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記差動同相出力信号の正のライン及び負のラインを加算して同相モード誤り信号を生成するための手段と、
前記差動同相出力信号の正のライン及び負のラインを減算して差動モード誤り信号を生成するための手段と、
前記同相モード誤り信号及び基準電圧を減算して比較された信号を生成するための手段と、
前記比較された信号及び前記差動モード誤り信号を加算して第2のゲートバイアス電圧を生成するための手段と、
前記比較された信号及び前記差動モード誤り信号を減算して第3のゲートバイアス電圧を生成するための手段と、をさらに備える請求項24に記載のデバイス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−66184(P2013−66184A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−227393(P2012−227393)
【出願日】平成24年10月12日(2012.10.12)
【分割の表示】特願2011−501005(P2011−501005)の分割
【原出願日】平成21年3月20日(2009.3.20)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】