説明

帯状部材貼付ベルト製造装置および帯状部材貼付ベルト製造方法

【課題】帯状部材が貼り付けられた無端状ベルトの生産性を高めること。
【解決手段】張架された無端状ベルト(B)を回転させるベルト駆動装置(D1)と、帯状部材(16)を無端状ベルト(B)の内周面縁部に誘導する誘導部材(38)、誘導された帯状部材(16)を支持する帯状部材支持装置(31)と、帯状部材支持装置(31)との間で無端状ベルト(B)および帯状部材(16)を加熱圧接して、所定の貼り付け長さに渡って帯状部材(16)を無端状ベルト(B)に貼り付ける圧接部材(39)と、を有する帯状部材貼り付け装置(D2)、帯状部材貼り付け装置(D2)による帯状部材(16)の貼り付けが行われる場合には無端状ベルト(B)を回転停止させ、帯状部材(16)の貼り付けが行われた後、貼り付け長さに対応する所定回転量だけ無端状ベルト(B)を回転させるベルト回転制御手段(C6)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無端状ベルトに帯状部材が貼り付けられた帯状部材貼付ベルトを製造する帯状部材貼付ベルト製造装置および帯状部材貼付ベルト製造方法に関し、特に、無端状ベルトの内周面に帯状部材が貼り付けられた帯状部材貼付ベルトを製造する帯状部材貼付ベルト製造装置および帯状部材貼付ベルト製造方法に関する。
前記本発明の帯状部材貼付ベルト製造装置および帯状部材貼付ベルト製造方法により製造される帯状部材貼付ベルトは、プリンタ、FAX、複写機、およびこれら複数の機能を有する複合機等の電子写真方式の画像形成装置における中間転写ベルトや用紙搬送ベルト、感光体ベルト等に好適に使用可能である。
【背景技術】
【0002】
従来の電子写真方式の画像形成装置で使用される中間転写ベルトのような無端状のベルトにおいて、無端状ベルトを支持し回転する複数の回転軸を全て完全に平行にすることはできない。したがって、回転するベルトが蛇行してしまう。ベルトが蛇行するとベルトが軸方向の一方に偏ることがあり、ベルトの端部が損傷してしまうことがある。また、画像形成装置の中間転写体や用紙搬送ベルトのような無端状ベルト場合では、蛇行が発生すると画像位置のズレが発生するという問題もある。
したがって、従来から、無端状ベルトの周縁に、蛇行防止用のリブ(帯状部材)や、補強用のテープ(帯状部材)を設け、蛇行や損傷を低減することが行われている。
【0003】
無端状ベルトに帯状部材を固着する技術として、下記の従来技術(J01)〜(J06)が公知である。
(J01)特許文献1(特開2000−177918号公報)記載の技術
特許文献1には、駆動ロールと従動ロールとの間に張架された無端状ベルトの両脇から、予め接着剤が塗布されたリブ(帯状部材)を接着させ、無端状ベルトを回転させることにより、無端状ベルトの全周縁にリブを接着させる技術が記載されている。
(J02)特許文献2(特開2002−192620号公報)記載の技術
特許文献2には、2軸ないし3軸に張架された無端状ベルトの脇から、リブを接近させ、ベルトに貼り合わせる直前に、ディスペンサ(41)により接着剤を供給し、伸ばし機構(42)により接着剤を整形してリブに自動的に塗布し、ベルトにリブを貼り合わせる技術が記載されている。
【0004】
(J03)特許文献3(特開2002−055532号公報)記載の技術
特許文献3には、環状リングにリブを嵌着し、リブの外周面に接着剤を塗布または両面テープを貼り付け、その外側から無端状ベルトを嵌着して無端状ベルトの内周面にリブを接着する技術が記載されている。
(J04)特許文献4(特開2004−118044号公報)記載の技術
特許文献4には、リブに設けられた剥離紙付き両面テープの剥離紙を、無端状ベルトにリブ貼り付ける直前に剥がし、リブの姿勢を保持した状態で貼り合わせる技術が記載されている。
【0005】
(J05)特許文献5(特開平10−086232号公報)記載の技術
特許文献5には、ベルト外周径に対応したホルダによりベルトを横向きの姿勢で保持し、接着剤が塗布または両面テープが貼り付けられたリブを供給ガイドを使用してベルトの内周面に供給し、ローラで圧接してリブをベルトに貼り付ける技術が記載されている。
(J06)特許文献6(特開昭59−230950号公報)記載の技術
特許文献6には、ベルト上に蛇行防止用のガイド(リブ)を載せた上で、ホットメルトガンにより形成された溶融したホットメルト型結着樹脂を流し込んで接着する、もしくはホットメルト型結着樹脂を蛇行防止用のガイド(リブ)として成形接着する技術が記載されている。
【0006】
【特許文献1】特開2000−177918号公報(「0033」〜「0043」、第10図〜第12図)
【特許文献2】特開2002−192620号公報(「0021」〜「0031」、第4図、第5図)
【特許文献3】特開2002−055532号公報(「0023」〜「0031」、第3図〜第6図)
【特許文献4】特開2004−118044号公報(「0074」〜「0080」、第3図)
【特許文献5】特開平10−086232号公報(「0021」〜「0029」、第6図)
【特許文献6】特開昭59−230950号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
(従来技術の問題点)
前記従来技術(J01)〜(J05)では、接着剤を塗布する場合、接着剤を均等に塗布することが困難であり、接着剤がはみ出す恐れがある。したがって、はみ出した接着剤をふき取る必要があり、生産性を高めることが困難である。また、貼り合わせ後、接着剤が固まるまでの養生時間が長くなり(半日以上)、生産性を高めることが困難であるという問題もある。
また、前記従来技術(J01)〜(J05)において、両面テープを使用する場合、製品出荷前に行う、リブの側面に大きな力を加えながらベルトを連続回転させる耐久試験において、リブの貼付位置がずれる可能性があり、信頼性に欠けるという問題がある。
また、従来技術(J04)、(J05)では、逐次供給されるリブを逐次貼り合わせるため、面ではなく、点で押しつけた状態でしばらく保持して貼り合わせるので、全周に貼り付けるのに時間がかかり、生産性を向上させることは困難である。
さらに、前記従来技術(J06)では、ホットメルトガンを使用するため、ホットメルトガンの温度・圧力・流量等の維持管理の手間が多大になり、生産性が低いという問題がある。
【0008】
また、前記従来技術(J01)〜(J06)の帯状部材を貼り付ける技術を使用しても、剛性の低い無端状ベルトに剛性の低い帯状部材を貼り付ける場合、共に剛性が低いため、貼付位置のばらつきが発生し、時には許容限度を超えて曲がって貼り付けられる場合がある。このため、無端状ベルトに貼り付けられた帯状部材(リブ等)が、精確な位置に貼り付けられているかについて計測する必要がある。計測には、帯状部材を貼り合わせる装置からベルトを取り外し、別の計測装置に装着し、計測する必要がある。前記各従来技術(J01)〜(J06)では、貼り合わせ位置の計測を別途行う必要があり、工程が多く生産性が低い問題がある。特に、無端状ベルトとしての中間転写ベルトを使用する画像形成装置の分野では、無端状ベルトを画像形成装置に組み付け実際に画像を形成する試験を行って検査することが行われているため、生産性を向上することは困難であるという問題がある。
【0009】
さらに、蛇行防止等のために貼り付けられるリブ(帯状部材)では、貼り付けられたリブの内側端の真直度が重要であり、真直度を計測して選別することが求められる。しかしながら、前記従来技術(J01)〜(J06)では、高い真直度で貼り合わせることは困難であり、高い耐久性、高速で貼り合わせる設備費生産性、手間のかからない人件費生産性、を実現することも困難である。
【0010】
本発明者は、これら問題を解決するために、加熱圧接状態で接着され、常温にすることにより速やかに貼付位置を固定でき且つ常温で強化に固化して接合力が高いホットメルトテープを使用することに着目した。ホットメルトテープは、簡易製本での背表紙の貼付や、Tシャツへの絵柄プリント、自動車内装におけるライナー部品や天板部品の貼付、紙おむつにおける各種材料の貼り合わせ、合板の貼り合わせ、導電性材料を混ぜたメルトテープによる電子部品ICの基板実装などに産業応用されている。しかしながら、無端状ベルトに帯状部材を貼り付ける技術において、ホットメルトテープを使用して帯状部材を貼り付ける装置や方法の具体的な構成は示された例が無かった。本発明者は、鋭意実験、研究をした結果、ホットメルトテープを使用して、前記問題点を解決する本発明をするに至った。
【0011】
本発明は、前述の事情に鑑み、次の記載内容(O01),(O02)を技術的課題とする。(O01)帯状部材が貼り付けられた無端状ベルトの生産性を高めること。
(O02)帯状部材が貼り付けられた無端状ベルトの真直度、耐久性を高めること。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(第1発明)
前記技術的課題を解決するために、第1発明の帯状部材貼付ベルト製造装置は、下記の構成要件(B01)〜(B04)を備えたことを特徴とする。
(B01)張架された無端状ベルトを回転させるベルト駆動装置、
(B02)接着剤が貼付された帯状部材を、前記無端状ベルトの内周面縁部に誘導する誘導部材、
(B03)誘導された前記帯状部材を支持する帯状部材支持装置と、
前記無端状ベルトを挟んで前記帯状部材支持装置に対向して配置され、前記帯状部材支持装置との間で無端状ベルトおよび前記帯状部材を加熱圧接して、所定の貼り付け長さに渡って前記帯状部材を前記無端状ベルトに貼り付ける圧接部材と、
を有する帯状部材貼り付け装置、
(B04)前記帯状部材貼り付け装置による帯状部材の貼り付けが行われる場合には前記無端状ベルトを回転停止させ、帯状部材の貼り付けが行われた後、前記貼り付け長さに対応する所定回転量だけ前記無端状ベルトを回転させるベルト回転制御手段。
【0013】
(第1発明の作用)
前記構成要件(B01)〜(B04)を備えた第1発明の帯状部材貼付ベルト製造装置では、ベルト駆動装置は、張架された無端状ベルトを回転させる。誘導部材は、接着剤が貼付された帯状部材を、前記無端状ベルトの内周面縁部に誘導する。帯状部材貼り付け装置の帯状部材支持装置は、誘導された前記帯状部材を支持する。無端状ベルトを挟んで前記帯状部材支持装置に対向して配置された圧接部材は、前記帯状部材支持装置との間で無端状ベルトおよび前記帯状部材を加熱圧接して、所定の貼り付け長さに渡って前記帯状部材を前記無端状ベルトに貼り付ける。ベルト回転制御手段は、前記帯状部材貼り付け装置による帯状部材の貼り付けが行われる場合には前記無端状ベルトを回転停止させ、帯状部材の貼り付けが行われた後、前記貼り付け長さに対応する所定回転量だけ前記無端状ベルトを回転させる。
したがって、第1発明の帯状部材貼付ベルト製造装置では、圧接部材によって所定の貼付長さに渡って帯状部材が貼り付けられるので、逐次張り合わせを行う場合に比べ、生産性を高めることができる。
【0014】
(第1発明の形態1)
第1発明の形態1の帯状部材貼付ベルト製造装置は、前記第1発明において、下記の構成要件(B05)を備えたことを特徴とする。
(B05)前記帯状部材を支持する支持台と、
真直に加工され、前記支持台に固定支持された溝壁と、
前記溝壁に対して接近離隔可能な押し当て部材であって、前記溝壁との間に誘導された前記帯状部材を前記溝壁に設定された所定の力で押し当てる前記押し当て部材と、
を有する前記帯状部材支持装置。
【0015】
(第1発明の形態1の作用)
前記構成要件(B05)を備えた第1発明の形態1の帯状部材貼付ベルト製造装置では、前記帯状部材支持装置の支持台は、前記帯状部材を支持する。前記支持台に固定支持された溝壁は真直に加工されている。前記溝壁に対して接近離隔可能な押し当て部材は、前記溝壁との間に誘導された前記帯状部材を前記溝壁に設定された所定の力で押し当てる。
したがって、第1発明の形態1の帯状部材貼付ベルト製造装置は、押し当て部材により真直な溝壁に押しつけられた状態で帯状部材が無端状ベルトに貼り付けられる。したがって、真直度のよい無端状ベルトを生産することができる。
【0016】
(第1発明の形態2)
第1発明の形態2の帯状部材貼付ベルト製造装置は、前記第1発明または第1発明の形態1において、下記の構成要件(B06)を備えたことを特徴とする。
(B06)下方から前記無端状ベルトの内周面に接近するように前記帯状部材を誘導する前記誘導部材。
(第1発明の形態2の作用)
前記構成要件(B06)を備えた第1発明の形態2の帯状部材貼付ベルト製造装置は、前記誘導部材は、下方から前記無端状ベルトの内周面に接近するように前記帯状部材を誘導する。したがって、スムースに帯状部材を無端状ベルトに貼り付けることができる。
【0017】
(第1発明の形態3)
第1発明の形態3の帯状部材貼付ベルト製造装置は、前記第1発明および第1発明の形態1,2のいずれかにおいて、下記の構成要件(B07)を備えたことを特徴とする。
(B07)非加熱時には接着せず、加熱時に溶融して前記無端状ベルトに接着されるホットメルトテープにより構成された前記接着剤。
(第1発明の形態3の作用)
前記構成要件(B07)を備えた第1発明の形態3の帯状部材貼付ベルト製造装置では、前記接着剤は、非加熱時には接着せず、加熱時に溶融して前記無端状ベルトに接着されるホットメルトテープにより構成されている。したがって、非加熱時に速やかに固化し、強い接着力を有するホットメルトテープを使用するので、両面テープを使用する場合に比べ耐久性の高い帯状部材貼付ベルトを作成できる。
【0018】
(第1発明の形態4)
第1発明の形態4の帯状部材貼付ベルト製造装置は、第1発明の形態3において、下記の構成要件(B08)を備えたことを特徴とする。
(B08)シート状の帯状部材作成シート上にホットメルトシートを載置した状態で加熱圧接して作成されたホットメルトシート付き帯状部材作成シートを裁断して作成された前記帯状部材。
(第1発明の形態4)
前記構成要件(B08)を備えた第1発明の形態4の帯状部材貼付ベルト製造装置では、帯状部材は、シート状の帯状部材作成シート上にホットメルトシートを載置した状態で加熱圧接して作成されたホットメルトシート付き帯状部材作成シートを裁断して作成されている。したがって、接着剤を均一に塗布する工程を省略でき、無端状ベルトへの貼付も容易にできる。
【0019】
(第1発明の形態5)
第1発明の形態5の帯状部材貼付ベルト製造装置は、前記第1発明の形態3または4において、下記の構成要件(B09)を備えたことを特徴とする。
(B09)前記誘導部材上に支持された前記ホットメルトテープを加熱して溶融する予備加熱部材。
(第1発明の形態5の作用)
前記構成要件(B09)を備えた第1発明の形態5の帯状部材貼付ベルト製造装置では、予備加熱部材は、前記誘導部材上に支持された前記ホットメルトテープを加熱して溶融する。したがって、予備加熱されて溶融したホットメルトテープを使用するので、圧接部材による圧接時に必要な温度や圧接時間を低減できる。したがって、圧接部材の熱による無端状ベルトの損傷等を低減できる。
【0020】
(第1発明の形態6)
第1発明の形態6の帯状部材貼付ベルト製造装置は、前記第1発明および第1発明の形態1〜5のいずれかにおいて、下記の構成要件(B010)を備えたことを特徴とする。
(B010)前記圧接部材が前記無端状ベルトの外周面を圧接する圧接位置と、前記圧接部材が前記無端状ベルトの外周面に接触し且つ圧接しない軽接触位置と、前記無端状ベルトの外周面から離隔した離隔位置と、の間で前記圧接部材を移動させる圧接部材移動装置であって、前記無端状ベルト回転時には前記圧接部材を前記軽接触位置で保持する前記圧接部材移動装置。
(第1発明の形態6の作用)
前記構成要件(B010)を備えた第1発明の形態6の帯状部材貼付ベルト製造装置では、圧接部材移動装置は、前記圧接部材が前記無端状ベルトの外周面を圧接する圧接位置と、前記圧接部材が前記無端状ベルトの外周面に接触し且つ圧接しない軽接触位置と、前記無端状ベルトの外周面から離隔した離隔位置と、の間で前記圧接部材を移動させる。そして、前記圧接部材移動装置は、前記無端状ベルト回転時には前記圧接部材を前記軽接触位置で保持する。したがって、回転駆動時にも無端状ベルト外周面に接触しているため、回転時に帯状部材の貼付位置がずれることを低減できる。
【0021】
(第1発明の形態7)
第1発明の形態7の帯状部材貼付ベルト製造装置は、前記第1発明および第1発明の形態1〜6のいずれかにおいて、下記の構成要件(B011)を備えたことを特徴とする。
(B011)前記貼り付け長さよりも短く設定された前記無端状ベルトの前記回転量。
(第1発明の形態7の作用)
前記構成要件(B011)を備えた第1発明の形態7の帯状部材貼付ベルト製造装置では、前記無端状ベルトの前記回転量は、前記貼り付け長さよりも短く設定されている。したがって、無端状ベルトを少しずつ移動させながら帯状部材を貼り付けるので、真直度を高めることができる。
【0022】
(第1発明の形態8)
第1発明の形態8の帯状部材貼付ベルト製造装置は、前記第1発明および第1発明の形態1〜7のいずれかにおいて、下記の構成要件(B012)を備えたことを特徴とする。
(B012)前記無端状ベルトに帯状部材を貼り付けて帯状部材貼付ベルトを作成する際に、前記所定回転量の総和が前記無端状ベルトの周長と前記帯状部材の長さの和以上になるように前記無端状ベルトを回転させるベルト回転制御手段。
(第1発明の形態8の作用)
前記構成要件(B012)を備えた第1発明の形態8の帯状部材貼付ベルト製造装置では、ベルト回転制御手段は、前記無端状ベルトに帯状部材を貼り付けて帯状部材貼付ベルトを作成する際に、前記所定回転量の総和が前記無端状ベルトの周長と前記帯状部材の長さの和以上になるように前記無端状ベルトを回転させる。したがって、帯状部材のつなぎ合わせ部分において圧接部材による加熱圧接が行われるので、帯状部材の位置を補正することができ、段差が少なく、真直度の良い帯状部材貼付ベルトを作成できる。
【0023】
(第1発明の形態9)
第1発明の形態9の帯状部材貼付ベルト製造装置は、前記第1発明および第1発明の形態1〜8のいずれかにおいて、下記の構成要件(B013)を備えたことを特徴とする。
(B013)前記帯状部材貼り付け装置のベルト回転方向下流側に配置され且つ前記無端状ベルトの内周部に配置され、前記無端状ベルトの内周面に貼り付けられた前記帯状部材の貼り付け位置を計測する貼付位置計測装置。
(第1発明の形態9の作用)
前記構成要件(B013)を備えた第1発明の形態9の帯状部材貼付ベルト製造装置では、前記帯状部材貼り付け装置のベルト回転方向下流側に配置され且つ前記無端状ベルトの内周部に配置された貼付位置計測装置は、前記無端状ベルトの内周面に貼り付けられた前記帯状部材の貼り付け位置を計測する。したがって、ベルトを取り外さなくても貼付位置計測装置により貼付位置を計測できる。したがって、作業工程が少なくなり、生産性を高めることができる。
【0024】
(第1発明の形態10)
第1発明の形態10の帯状部材貼付ベルト製造装置は、前記第1発明の形態9において、下記の構成要件(B014)を備えたことを特徴とする。
(B014)前記貼付位置計測装置による計測結果に基づいて前記帯状部材貼付装置の位置を調整して、前記帯状部材の貼付位置を調整する前記貼付装置移動装置。
(第1発明の形態10の作用)
前記構成要件(B014)を備えた第1発明の形態10の帯状部材貼付ベルト製造装置では、前記貼付装置移動装置は、貼付位置計測装置による計測結果に基づいて前記帯状部材貼付装置の位置を調整して、前記帯状部材の貼付位置を調整する。したがって、真直度のよい帯状部材貼付ベルトを生産できる。
【0025】
(第1発明の形態11)
第1発明の形態11の帯状部材貼付ベルト製造装置は、前記第1発明および第1発明の形態1〜10のいずれかにおいて、下記の構成要件(C01)を備えたことを特徴とする。
(C01)熱硬化性弾性体の樹脂またはゴムからなる蛇行防止部材により構成された前記帯状部材。
(第1発明の形態11の作用)
前記構成要件(C01)を備えた第1発明の形態11の帯状部材貼付ベルト製造装置では、前記帯状部材は、熱硬化性弾性体の樹脂またはゴムからなる蛇行防止部材により構成されている。したがって、蛇行防止部材が貼り付けられた無端状ベルトの生産性を高めることができる。
【0026】
(第1発明の形態12)
第1発明の形態12の帯状部材貼付ベルト製造装置は、前記第1発明および第1発明の形態1〜10のいずれかにおいて、下記の構成要件(C02)を備えたことを特徴とする。
(C02)樹脂からなる補強テープ部材により構成された前記帯状部材。
(第1発明の形態12の作用)
前記構成要件(C02)を備えた第1発明の形態12の帯状部材貼付ベルト製造装置では、前記帯状部材は、樹脂からなる補強テープ部材により構成されている。したがって、補強テープ部材が貼り付けられた無端状ベルトの生産性を高めることができる。
【0027】
(第1発明の形態13)
第1発明の形態13の帯状部材貼付ベルト製造装置は、前記第1発明および第1発明の形態1〜12のいずれかにおいて、下記の構成要件(C03)を備えたことを特徴とする。
(C03)無端状ベルトが張架される一対の軸部材の軸間距離と同一長さの一辺と、前記軸部材の軸方向距離と同一長さの他辺と、を有する平板上の校正治具であって、一定の対辺平行度と平面度とを有し、前記軸部材に当接させて前記軸部材の平行度の校正を行う前記校正治具。
(第1発明の形態13の作用)
前記構成要件(C03)を備えた第1発明の形態13の帯状部材貼付ベルト製造装置では、無端状ベルトが張架される一対の軸部材の軸間距離と同一長さの一辺と、前記軸部材の軸方向距離と同一長さの他辺と、を有する平板上の校正治具は、一定の対辺平行度と平面度とを有し、前記軸部材に当接させて前記軸部材の平行度の校正を行う。したがって、前記校正治具を使用して、軸部材の平行アライメントを簡便且つ迅速に調整できる。
【0028】
(第2発明)
前記技術的課題を解決するために、第2発明の帯状部材貼付ベルト製造方法は、
無端状ベルトを挟んで帯状部材支持装置に対向して配置された圧接部材を前記無端状ベルトに圧接する圧接位置に移動させることによって、前記無端状ベルトに前記帯状部材支持装置に支持された帯状部材を加熱圧接して、所定の貼り付け長さに渡って貼り付ける帯状部材貼付工程と、
前記無端状ベルトを圧接しない非圧接位置に前記圧接部材を移動させる非圧接位置移動工程と、
前記無端状ベルトを、前記貼り付け長さに対応する所定回転量だけ前記無端状ベルトを回転させて停止させるベルト回転工程と、
を繰り返して実行して前記無端状ベルトの内周面に前記帯状部材を貼り付けることを特徴とする。
【0029】
(第2発明の作用)
前記構成要件を備えた第2発明の帯状部材貼付ベルト製造方法では、帯状部材貼付工程において、無端状ベルトを挟んで帯状部材支持装置に対向して配置された圧接部材を前記無端状ベルトに圧接する圧接位置に移動させることによって、前記無端状ベルトに前記帯状部材支持装置に支持された帯状部材を加熱圧接して、所定の貼り付け長さに渡って貼り付ける。非圧接位置移動工程において、前記無端状ベルトを圧接しない非圧接位置に前記圧接部材を移動させる。ベルト回転工程において、無端状ベルトを、前記貼り付け長さに対応する所定回転量だけ前記無端状ベルトを回転させて停止させる。そして、前記各工程を繰り返して実行して前記無端状ベルトの内周面に前記帯状部材を貼り付ける。したがって、第2発明の帯状部材貼付ベルト製造方法では、圧接部材によって所定の貼付長さに渡って帯状部材が貼り付けられるので、逐次張り合わせを行う場合に比べ、生産性を高めることができる。
【0030】
(第2発明の形態1)
第2発明の形態1の帯状部材貼付ベルト製造方法は、前記第2発明において、
前記ベルト回転工程終了後、前記帯状部材支持装置のベルト回転方向下流側に配置された貼付位置計測装置によって、前記無端状ベルトの内周面に貼り付けられた前記帯状部材の貼り付け位置を計測する貼付位置計測工程、
をさらに実行することを特徴とする。
(第2発明の形態1の作用)
前記構成要件を備えた第2発明の形態1の帯状部材貼付ベルト製造方法では、貼付位置計測工程において、前記ベルト回転工程終了後、前記帯状部材支持装置のベルト回転方向下流側に配置された貼付位置計測装置によって、前記無端状ベルトの内周面に貼り付けられた前記帯状部材の貼り付け位置を計測する。したがって、第2発明の形態1の帯状部材貼付ベルト製造方法では、ベルトを取り外さなくても貼付位置計測装置により貼付位置を計測できる。したがって、作業工程が少なくなり、生産性を高めることができる。
【0031】
(第2発明の形態2)
第2発明の形態2の帯状部材貼付ベルト製造方法は、前記第2発明の形態1において、
前記貼付位置計測装置による計測結果に基づいて前記帯状部材支持装置の位置を調整して、前記帯状部材の貼付位置を調整する前記支持装置移動工程、
をさらに実行することを特徴とする。
(第2発明の形態2の作用)
前記構成要件を備えた第2発明の形態2の帯状部材貼付ベルト製造方法では、前記支持装置移動工程において、前記貼付位置計測装置による計測結果に基づいて前記帯状部材支持装置の位置を調整して、前記帯状部材の貼付位置を調整する。したがって、真直度の良い帯状部材貼付ベルトを提供できる。
【発明の効果】
【0032】
前述の本発明は、下記の効果(E01),(E02)を奏する。
(E01)帯状部材が貼り付けられた無端状ベルトの生産性を高めることができる。
(E02)帯状部材が貼り付けられた無端状ベルトの真直度、耐久性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
【実施例1】
【0034】
図1は帯状部材作成シート上にホットメルトシートを接着するためのシート接着装置の説明図である。
図2はリブ作成工程の作用説明図であり、図2Aは加熱圧接前の状態の説明図、図2Bは加熱圧接した状態の説明図、図2Cは裁断前の状態の説明図、図2Dは裁断された状態の説明図である。
(リブ作成装置)
図1において、実施例1のシート接着装置1は、プレート状のフィルム支持台2を有する。前記フィルム支持台2の上方には、フィルムプレス部材4が配置されている。前記フィルムプレス部材4は、前記フィルム支持台2上のシート束を圧接位置(図2B参照)と、上方に退避した退避位置(図2A参照)との間を移動する。なお、前記フィルムプレス部材4の移動は、図示しないプレス部材移動装置(例えば、油圧シリンダや空シリンダ)により行われる。また、フィルムプレス部材4は、高温で加熱されている。
【0035】
図2A、図2Bにおいて、前記フィルム支持台2上には、ウレタンシート6が載置され、ウレタンシート6の上には、端部分を位置あわせした剥離紙8付きのホットメルトシート7が積載される。前記剥離紙8と、フィルムプレス部材4との間には、表面平面度が鏡面に近いシム(shim)板9が挟まれる。この状態で、フィルムプレス部材4により加熱圧接され、ウレタンシート6にホットメルトシート7が接着され、ホットメルトシート付き帯状部材作成シート(6+7+8)が作成される。
【0036】
なお、実施例1では、ウレタンシート6として、幅が数百mm、長さが無端状ベルトの内周長に対し差が0〜−4mm、厚みは1mmのものが使用される。前記ウレタンシート6の上面は、ローレット加工(格子状のギザギザの凹凸を形成する加工)により、10点平均粗さRzが数十μm程度の粗さ面に加工されており、ホットメルトシート7との接着性を高めている。また、前記ホットメルトシート7は、ポリエステル系の接着材料により構成され、厚みは50μmで、幅と長さがウレタンシート6と同サイズのものが使用される。なお、ホットメルトシート7として、前記厚みは20μ〜100μmのものを使用できる。さらに、フィルムプレス部材4による熱圧接条件としては、温度110℃〜180℃、圧力0.05〜0.3MPa、圧接時間3〜60秒の範囲がよく、実施例1ではこの中でさらに好適な150℃、0.2MPa、30秒で加熱圧接を行った。なお、フィルムプレス部材4による圧着を行うと、フィルムプレス部材4の表面の形状がホットメルトシート付き帯状部材作成シート(6+7+8)表面に転写されるが、シム板9を挟み込んでいるので、ホットメルトシート付き帯状部材作成シート(6+7+8)表面は鏡面状となる。したがって、ウレタンシート6とホットメルトシート7との接着面に空気の噛み込みが無く、無端状ベルトに貼り付けたときに密着し、耐久性を向上させることができる。
【0037】
前記シート接着装置1により作成されたホットメルトシート付き帯状部材作成シート(6+7+8)は、シート裁断装置11の裁断用支持台12に載置される。前記裁断用支持台12の上方には、複数のトムソン刃13が平行して配置されたトムソン型(ビク型とも呼ばれる)14が配置されている。トムソン型14は、図示しないトムソン型移動装置により、上方の退避位置(図2C参照)と、ホットメルトシート付き帯状部材作成シート(6+7+8)を裁断する裁断位置(図2D参照)との間を移動する。実施例1のトムソン型14では、トムソン刃13が5mm間隔で配置されており、ホットメルトシート付き帯状部材作成シート(6+7+8)が幅5mmの帯状(短冊状)のリブ(帯状部材)16に一括で打ち抜き裁断される。なお、ホットメルトシート付き帯状部材作成シート(6+7+8)の接着面は常温ではタック性(接着性、粘着性、吸着性等)を示さないので、前記トムソン型14により容易に打ち抜くことができる。なお、実施例1では、剥離紙8はこの型抜きまで剥がさないで、型抜きで同時に打ち抜く。ホットメルトシート表面の汚染を防止するためである。
【0038】
(リブ貼付けベルト製造装置)
図3は、実施例1のリブ貼り付けベルト製造装置の説明図であり、ベルトが弛緩した状態の説明図である。
図4は、実施例1のリブ貼付ベルト製造装置のリブ送り出し装置およびリブ支持装置の要部拡大説明図である。
図5は、実施例1のリブ貼り付け装置の説明図であり、ベルトが張り出された状態の説明図である。
図6は実施例1のリブ貼り付け装置の説明図であり、リブ貼り付け装置が貼り付け位置に移動した状態の説明図である。
【0039】
図3、図5,図6において、実施例1のリブ貼付ベルト製造装置(帯状部材貼付ベルト製造装置)Dは、無端状ベルトBを支持するベルト支持装置D1と、前記ベルト支持装置D1に無端状ベルトBを着脱する図示しないベルト着脱装置と、前記ベルト支持装置D1の両脇に配置され、ベルト支持装置D1の無端状ベルトにリブ16を貼り付けるリブ貼付装置(帯状部材貼付装置)D2と、前記無端状ベルトBに貼り付けられたリブの貼付位置を計測する貼付位置計測装置D3とを有する。
(リブ貼付装置D2)
図3、図4において、前記リブ貼付装置D2は、リブ送り出し装置21を有する。前記リブ送り出し装置(リブストッカー)21には、一括打ち抜き裁断により作成された複数のリブ16が、リブ本体16aを下側にし、ホットメルトテープ16bを上側にした状態で積載される。前記リブ送り出し装置21は、前記リブ16の幅に合わせて作成された一対の側壁22と、リブ16の1本分の厚みに設定されたリブ送り出し口23aが形成された前端壁23と、積載された前記リブ16の最下面に接触し、前記リブ送り出し口23aからリブ16を送り出す送り出しロール24とを有する。
【0040】
前記リブ送り出し装置21により送り出されたリブ16は、リブ送り出し口23aの前方に配置されたリブ支持装置(帯状部材支持装置)31に支持される。前記リブ支持装置は、送り出されたリブ16を支持するリブ支持台32を有する。前記リブ支持台32には溝壁33が固定支持されている。前記リブ支持台32の溝壁33から離隔した位置には溝壁33に対して接近、離隔可能な押し当て部材34が配置されている。前記押し当て部材34は、押し当て制御装置36により前記溝壁33への接近離隔が制御される。前記押し当て部材34は、初期状態では、前記溝壁33から離隔した離隔位置に保持され、溝壁33と押し当て部材34との間にリブ16が搬送されると、接近位置に移動してリブを所定の圧力で挟む。
また、前記リブ支持台32のリブ送り出し口23a側には、下方に湾曲する円弧状の外周面を有する誘導部材38が支持されており、リブ16の後部を下方に垂れ下がった状態(余分なストレスが作用しない状態)で支持する。なお、前記誘導部材38には、図示しない誘導溝が形成されており、無端状ベルト貼り付け時には垂れ下がったリブ16を誘導溝によりガイドする。したがって、誘導部材38により、スムースにリブ16が誘導される。
【0041】
なお、前記溝壁33および押し当て部材34の高さは、リブ16の厚みの80%〜60%の範囲のものが好適に使用され、実施例1では80%に設定されている。また、リブ受け台32の上面や溝壁33および押し当て部材34のリブ16が接触する面は、平面度が10μm台(100分台、1mmに対して0.01mm台の凹凸)に高く加工されている。また、前記リブ受け台32や溝壁33、押し当て部材34、誘導部材38の表面は、フッ素樹脂でコーティングされており、摩擦が低く、リブ16の移動がスムースに行われると共にリブ16がリブ受け台32等に貼り付き難くなるように構成されている。なお、フッ素樹脂に限定されず、例えば、シリコン樹脂等の低摩擦材料によりコーティングすることも可能である。
【0042】
図3、図5、図6において、前記リブ支持台32の上方には、プレス部材(加熱圧接部材)39が配置されている。図3、図5,図6において、前記リブ支持装置31およびプレス部材39は、支持台移動装置41により、リブ支持装置31を無端状ベルトBから離隔した退避位置(図3、図5参照)と、無端状ベルトBの内周縁にリブ16を貼り付ける貼付実行位置(図6参照)との間を、1軸方向に一体的に移動可能に構成されている。前記支持台移動装置41は、例えば、ギア溝が形成されたレール(図示せず)と、前記ギア溝に噛み合うギア(図示せず)とにより1軸方向に移動可能な構成を採用することができ、前記1軸方向の位置をμm単位で微調整可能に構成されている。
なお、図3、図5,図6に示すように、無端状ベルトBの両脇に配置される各一対のリブ送り出し装置21およびリブ支持装置31は、対称に配置されている。
【0043】
図7はプレス部材が退避位置に移動した状態のリブ貼付装置の説明図である。
図8はプレス部材が圧接位置に移動した状態のリブ貼付装置の説明図である。
図9はプレス部材が軽接触位置に移動した状態のリブ貼付装置の説明図である。
図3〜図6において、リブ支持台の上方に配置された前記プレス部材39は、図示しないプレス部材移動装置(例えば、エアシリンダ等)により、リブ支持台32に接近、離隔可能に保持されている。前記プレス部材39は、前記リブ支持装置31が貼付実行位置に移動した状態で、無端状ベルトBから離隔した退避位置(図7参照)と、前記無端状ベルトBをリブ16に圧接(圧着)させ、リブ16を貼り付ける圧接位置(図8参照)と、前記無端状ベルトBに接触し且つ圧接せず、無端状ベルトBが回転可能な軽接触位置(図9参照)との間で移動可能に構成されている。なお、実施例1では、前記プレス部材39を使用して、一回で熱圧着できるベルト周方向長さ(一括貼付長さL)は、無端状ベルトBが張架される駆動軸51および従動軸52との間に前記プレス部材39が入る範囲であり、最大で40%、少なくとも内周長BLの10%に設定できる。
【0044】
(ベルト支持装置D1)
図3,図5、図6において、ベルト支持装置(ベルト駆動装置)D1は、無端状ベルトBが張架される駆動軸51および従動軸52とを有する。前記駆動軸51には、図示しないベルト駆動モータが連結され、ベルト駆動モータの駆動により無端状ベルトBを矢印Y1方向に回転させる。
前記駆動軸(ドライブ軸)51および従動軸(テンション軸)52は、小径軸部51a、52aと、前記小径軸部51a、52aの軸方向中央部に嵌め合いネジで固定支持された円筒状セットカラー51b、52bとを有する。したがって、実施例1の駆動軸51および従動軸52では、円筒状セットカラー51b、52b部分で無端状ベルトBが支持されると共に、小径軸部51a、52aの部分にリブ16が貼り付けられ、ベルトBが接触しないように回避される。なお、前記小径軸部51a、52aと円筒状セットカラー51b、52bとの段差領域は最小限にすることがベルト端部の緩み防止によい。実施例1の前記円筒状セットカラー51b、52bは、嵌め合いネジで小径部51a、52aに固定されているので、使用する無端状ベルトBの幅やリブ16の取り付け位置等に応じて、サイズの異なる円筒状セットカラー51b、52bに交換して対応することができる。
【0045】
図3,図5、図6において、前記駆動軸51および従動軸52の後端部は、後端ベアリング53,54により回転可能に支持されている。前記後端ベアリング53,54は、ベルト張出・弛緩装置56により軸部材51,52どうしが接近して張架されたベルトBが弛緩する弛緩位置(図3参照)と、軸部材51,52どうしが離隔して張架されたベルトBが張り出される張り出し位置(図5、図6参照)との間で移動可能に構成されている。
また、前記駆動軸51および従動軸52の前端部は、前記張り出し位置に移動した状態で、着脱軸受け57,58により回転可能に支持される。前記着脱軸受け57,58は、断面L字形の固定部57a、58aと、前記固定部57a、58aの上端に回転可能に支持された回動部57b、58bとを有する。前記回動部57b、58bは、前記ベルト張出弛緩装置56の移動に連動して、上方に回動して駆動軸51および従動軸52の前端部を移動自由にする開放位置(図3参照)と、駆動軸51および従動軸52の前端部を挟み込み回転可能に支持する軸支持位置(図5,図6参照)との間を移動可能に構成されている。
【0046】
なお、前記駆動軸51および従動軸52は、張架された無端状ベルトBのウォーク量(蛇行量)が最小になるように平行アライメントが調整されている。ベルトBが蛇行すると、貼り付けられるリブ16も蛇行し、真直度が得られにくいからである。実施例1では、両軸部材51,52の水平断面の平行度、垂直断面の平行度をそれぞれ0.01mm未満(100分台)に合わせ込む位置調整がされている。従来、位置調整を行う場合、石定盤などの基準となるベース定盤上にブロックゲージなどの調整・測定用の治具の揃った検査室に持ち込む必要があり、多大な測定工数が必要となっていた。実施例1では、前記各軸部材51,52の軸方向長さに相当する一辺と、ベルト張架時の軸間距離に相当する長さの他辺を有し、一定の平面度と対辺平行度を有する長方形状の平板により構成された校正治具を使用して、位置調整する。この校正治具を使用して垂直断面の平行度を調整する場合、まず、両軸部材51,52の上面を渡すように校正治具を設置する。そして、駆動軸51を校正治具下面に線接触させたときに、従動軸52側の片側浮き上がり量(調整量)をシム板を挟み込んで計測できる。次に、両軸部材51,52の水平断面の平行度を調整する場合、まず、ベアリングに軸部材51,52を固定した後、駆動軸51の側面(軸方向に垂直な面)に校正治具側面が線接触するように設置する。この状態で、従動軸52側の片側浮き上がり量を、シム板を挟み込んで計測できる。これにより、装置設置先で、簡便且つ迅速に平行度の測定ができる。なお、測定結果に応じた位置調整は、例えば、シム板をベアリング部分に挿入するなどして平行になるように調整することが可能である。
【0047】
図3,図5,図6において、前記駆動軸51および従動軸52の中間部にはベルトリフター59が配置されている。前記ベルトリフター59は、前記ベルト張出・弛緩装置56により、弛緩したベルトBを吊り上げて支持するリフト位置(図3参照)と、張架されたベルトBの内周部内に配置される待機位置(図5参照)との間を移動可能に構成されている。したがって、実施例1のベルト支持装置D1では、前記ベルトリフター59がリフト位置に移動し、ベアリング53,54が弛緩位置に移動した状態で、図示しないベルト着脱装置により無端状ベルトBが着脱される。また、無端状ベルトBが装着された状態で、ベルトリフター59が待機位置に移動し、ベアリング53,54が張出位置に移動した状態で、2軸51,52により無端状ベルトBが張り出され、回転可能な状態に保持される。
なお、実施例1のベルト支持装置D1では、ベルト着脱装置を使用して無端状ベルトBを着脱したが、作業者が手作業で交換(着脱)することも可能である。
【0048】
(貼付位置計測装置D3)
図10は実施例1の貼付位置計測装置の説明図であり、図10Aはベルトを内周面側から見た状態の説明図、図10Bは撮像範囲の部分の断面説明図である。
図3、図5、図6、図10において、貼付位置計測装置D3は、図示しない計測装置移動機構によりリブ支持装置31の移動に連動して、無端状ベルトBの内周部に進入してリブ貼付装置D2のベルト回転方向Y1下流側に配置され、リブ16の貼付位置を計測可能な計測位置(図6参照)と、前記無端状ベルトBから退避する退避位置(図3,図5参照)との間を移動可能に支持されている。
【0049】
図3,図5,図6、図10において、前記貼付位置計測装置D3は、計測位置に移動した状態で、リブ16の下方に配置され、リブ16の画像を反射する数十mm角の小型直角プリズムミラー61と、前記プリズムミラー61により反射された画像を縮小する低倍率の縮小系マイクロレンズ62とからなる折り返し撮像光学系(61+62)と、ベルトBから軸方向に離隔した位置に配置されたCCDカメラ63(撮像装置)とを有する。また、実施例1の貼付位置計測装置D3は、光を出射するスポット光源(照射装置)64と、前記リブ16の貼付位置を明るくするために前記スポット光源64からの照射光を拡散して照射する黒色の艶消し照明拡散板66とを有する。なお、前記スポット光源64として、ハロゲン光やLED光を照射する光源を使用することが可能である。
したがって、実施例1の貼付位置計測装置D3は、艶消し照明拡散板66により拡散された照明光がリブの貼付位置を中心に照射され、折り返し撮像光学系(61+62)を介してCCDカメラ63で、無端状ベルトBおよびリブ16の画像を撮像できる。なお、実施例1の貼付位置計測装置D3は、図10Aの点線の枠で示す撮像範囲の画像を撮像し解析する。
【0050】
(コントローラ(制御部)の説明)
図11は実施例1の帯状部材貼付ベルト製造装置のコントローラの説明図である。
実施例1のリブ貼付け装置Dでは、前記リブ送り出し装置21の送り出しロール24の駆動や、押し当て部材34の移動、プレス部材39の移動、支持台移動装置41によるリブ支持装置31の移動、ベルト張出・弛緩装置56の作動、ベルトリフター59の移動、駆動軸51の駆動、無端状ベルトBの着脱(ベルト着脱装置の作動)、貼付位置計測装置D3の移動等は、コントローラCにより制御される。
前記コントローラCは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、前記ROMに記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有するマイクロコンピュータにより構成されており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
前記コントローラCの機能(制御手段)を、図11を使用して次に説明する。
【0051】
C1:リブ送り出し装置制御手段
リブ送り出し装置制御手段C1は、リブ送り出し装置21の送り出しロール24の駆動を制御して、リブ16のリブ支持台32への送り出しを制御する。
C2:押し当て部材制御手段
押し当て部材制御手段C2は、前記リブ支持装置31の押し当て部材34の前記離隔位置と接近位置との間の移動を制御し、前記リブ16がリブ送り出し装置21から送り出される際には前記離隔位置に移動させ、リブ16がリブ支持台32の所定の位置まで送り出されると前記接近位置に移動させ、押し当て部材34と溝壁33との間の溝でリブ16を挟み込む。
【0052】
C3:ベルト着脱装置制御手段
ベルト着脱装置制御手段C3は、図示しないベルト着脱装置を制御して、弛緩位置に保持されたベルトリフター59や各軸51,52に対し、リブ16の貼付が行われていない無端状ベルトBを装着したり、リブ16が貼り付けられた無端状ベルトBを取り外す。
C4:ベルト張出・弛緩制御手段
ベルト張出・弛緩制御手段C4は、ベルト張出・弛緩装置56の制御を行うことにより、ベアリング53,54を弛緩位置と張出位置との間で移動させたり、ベルトリフター59をリフト位置と待機位置との間で移動させたり、着脱軸受け57,58の回動部57b、58bを開放位置と軸支持位置との間で移動させる。
【0053】
C5:貼付装置移動制御手段
貼付装置位置制御手段C5は、貼付実行位置補正量記憶手段C5Aを有し、前記支持台移動装置41を制御することにより、リブ支持装置31およびプレス部材39を、前記退避位置と貼付実行位置との間で移動させる。
C5A:貼付実行位置補正量記憶手段
貼付実行位置補正量記憶手段C5Aは、無端状ベルトBに貼り付けられたリブ16の貼付位置のずれや無端状ベルトBのウォーク(蛇行)量に応じて演算された前記貼付実行位置の補正量(無端状ベルトBの幅方向の位置調整量)を記憶する。
【0054】
C6:ベルト回転制御手段
ベルト回転制御手段C6は、貼付時ベルト回転量記憶手段C6Aと、精度計測時回転制御手段C6Bとを有し、駆動軸51のベルト駆動モータの駆動を制御することにより、無端状ベルトBの回転を制御する。
C6A:貼付時ベルト回転量記憶手段
貼付時ベルト回転量記憶手段C6Aは、無端状ベルトBにリブ16を順次貼り付ける際に、無端状ベルトBの回転速度および回転量Rを記憶する。回転速度としては10〜100mm/sの範囲を好適に使用することができ、また、回転速度の加速制御は、急激な加速によるリブ16やベルトB等への衝撃を緩和するために低速から加速し、プロファイルが台形となる台形制御を採用することが好ましい。また、実施例1の貼付時ベルト回転量記憶手段C6Aは、回転量Rとして、前記プレス部材39で一括して貼り付けることができる長さ(一括貼付長さ、プレス部材39のベルト周方向の長さに対応)Lと同一の長さが設定されている。なお、前記回転量Rは、高い真直度が必要な場合、例えば、R=L/10に設定して、小刻みに貼り合わせることが望ましい。この場合、後述するプレス部材39による1回あたりのプレス時間は、短くすることが望ましい。一方、それほど高い真直度が要求されておらず、生産性を高めたい場合には、RをLより大きな数値とすることも可能である。この場合、Lより大きな数値によっては部分的に熱圧着されていない部分があるが、L+20mm程度であれば、画像形成装置において耐久性や真直度に関しては問題がないことが本発明者の実験により確認された。
【0055】
C6B:精度計測時回転制御手段
精度計測時回転制御手段C6Bは、貼り付けられたリブ16の貼付位置の精度や真直度を計測する場合や、無端状ベルトBのウォーク量を計測する場合に、前記無端状ベルトBを所定の回転速度で連続回転させる。
C7:リブ貼付制御手段
リブ貼付制御手段C7は、プレス部材制御手段C7Aと、圧着時間計時手段C7Bと、貼付完了判別手段C7Cとを有し、プレス部材39の制御を行うことにより、前記一括貼付長さLだけリブ16を無端状ベルトBへ貼付ける。なお、実施例1のリブ貼付制御手段C7は、好適な熱圧着条件である温度150℃、圧力0.08MPaで、前記プレス部材39によりリブ16を無端状ベルトBに加熱圧接して接着する(熱圧着する)。なお、前記熱圧着条件としては、温度110℃〜180℃を使用することができ、圧力0.03〜0.5MPaを使用することができる。
【0056】
C7A:プレス部材制御手段
プレス部材制御手段C7Aは、前記プレス部材39を、前記退避位置と、圧接位置と、軽接触位置との間で移動させる。
C7B:圧着時間計時手段
圧着時間計時手段C7Bは、前記プレス部材39を前記圧接位置で保持し、リブ16と無端状ベルトBを加熱圧接して接着する時間である圧着時間が経過したか否かを計時する。実施例1の圧着時間計時手段C7Bは、前記圧着時間として好適な時間である10秒を記憶している。なお、前記圧着時間は、変更可能であり、3秒〜15秒程度とすることも可能である。
【0057】
C7C:貼付完了判別手段
貼付完了判別手段C7Cは、プレス部材39により貼付を行った(圧着した)回数である貼付回数nをカウントする貼付回数カウント手段C7C1と、貼付が完了したか否かを判別するための貼付完了判別値を記憶する貼付完了判別値記憶手段C7C2とを有する。そして、前記貼付完了判別手段C7Cは、前記貼付回数nと、貼付完了判別値とに基づいて、無端状ベルトBの内周縁へのリブ16の貼り付けが完了したか否かを判別する。なお、実施例1の貼付完了判別手段C7Cでは、無端状ベルトBの内周の長さBLと一括貼付長さLとの和(=BL+L)が前記貼付完了判別値に設定されており、回転量の総和、すなわち、回転量Rと貼付回数の積(=R×n)が貼付完了判別値以上になった場合に、貼付が完了したものと判別する。なお、前記貼付完了判別値を内周長さBLと一括貼付長さLとの和に設定することにより、リブ16の前端と後端のつなぎ合わせ部分が、溝壁33および押し当て部材34に挟まれた状態で貼り合わされる。したがって、つなぎ合わせ部分では、接着剤が再溶融してリブ16の位置が、溝壁33および押し当て部材34により補正される。この結果、つなぎ合わせ部分でベルト幅方向に対してずれていた場合、補正されるので、つなぎ合わせ部分でのズレ(段差)を低減できる。
【0058】
C8:貼付精度計測手段
貼付精度計測手段C8は、エッジ抽出手段C8Aと、エッジ位置算出手段C8Bと、計測終了判別手段C8Cと、真直度演算手段C8Dと、貼付位置補正量算出手段C8Eとを有し、無端状ベルトBに貼り付けられたリブ16の貼付位置の精度や真直度を計測する。なお、実施例1の貼付位置の計測等は、無端状ベルトBを連続回転させながら連続撮像して計測する。
C8A:エッジ抽出手段
エッジ抽出手段C8Aは、CCDカメラ63により撮像した画像を解析し、エッジ部分を抽出する。前記エッジ部分は、無端状ベルトBとリブ16の境界部分や無端状ベルトBの縁等で発生する画像の陰影を解析することにより抽出される。
【0059】
C8B:エッジ位置算出手段
エッジ位置算出手段C8Bは、抽出されたエッジ部分の位置を検出する。実施例1のエッジ位置算出手段C8Bは、図10Aに示すように、撮像範囲のベルト外方から内方に向かって最初のエッジ部分を無端状ベルトBの縁と判別し、リブ16の内側のエッジ部分までの距離を計算する。
C8C:計測終了判別手段
計測終了判別手段C8Cは、前記貼付位置の計測が終了したか否かを判別する。実施例1の計測終了判別手段C8Cは、無端状ベルトBが1回転した場合に、貼付位置の計測が終了したものと判別する。
【0060】
図12は、実施例1の貼り合わせ位置のプロファイルの説明図である。
C8D:真直度演算手段
真直度演算手段C8Dは、前記エッジ位置算出手段C8Bにより計算された貼付位置のベルト1周分の履歴データ(プロファイルデータ)に基づいて、貼り付けられたリブ16の真直度を演算する。例えば、実施例1の真直度算出手段C8Dは、図12に示す貼付位置のベルト1周分のプロファイルデータが得られた場合、その最大値と最小値との差を真直度として演算する。なお、図12の貼付位置のプロファイルデータには、部分的にデータが存在しない部分があるが、この部分は、リブ16のつなぎ合わせ部分であり、無端状ベルトBの内周長よりも短めに設定されているリブ16が設けられていない部分に相当する。
C8E:貼付実行位置補正量算出手段
貼付実行位置補正量算出手段C8Eは、前記真直度演算手段C8Dにより演算された真直度に基づいて、リブ支持装置31およびプレス部材39の前記貼付実行位置の補正量を算出する。実施例1の貼付実行位置補正量算出手段C8Eは、貼付実行位置補正量として、前記貼付位置の値が計測されたベルト周方向位置毎に、貼付位置のズレをうち消す補正量が設定される。
【0061】
C9:ウォーク量計測手段
ウォーク量計測手段C9は、エッジ抽出手段C9Aと、エッジ位置算出手段C9Bと、計測終了判別手段C9Cと、ウォーク量演算手段C9Dと、貼付実行位置補正量算出手段C8Eとを有し、無端状ベルトBを回転させた場合の各軸51,52の平行度により発生するウォーク(蛇行)の量を計測する。なお、実施例1のウォーク量の計測は、無端状ベルトBを連続回転させながら無端状ベルトBの縁を連続撮像して計測する。
C9A:エッジ抽出手段
エッジ抽出手段C)Aは、CCDカメラ63により撮像した画像を解析し、エッジ部分を抽出する。
【0062】
C9B:エッジ位置算出手段
エッジ位置算出手段C9Bは、抽出されたエッジ部分の位置を検出する。エッジ位置算出手段C9Bは、撮像範囲のベルト外方から内方に向かって最初のエッジ部分を無端状ベルトBの縁と判別する。
【0063】
C9C:計測終了判別手段
計測終了判別手段C9Cは、前記ウォーク量の計測が終了したか否かを判別する。実施例1の計測終了判別手段C9Cは、無端状ベルトBが1回転した場合に、ウォーク量の計測が終了したものと判別する。
【0064】
C9D:ウォーク量演算手段
ウォーク量演算手段C9Dは、前記エッジ位置算出手段C9Bにより算出された縁の位置のベルト1周分の履歴データ(プロファイルデータ)に基づいて、無端状ベルトBが1周した時のウォーク量(蛇行量)を演算する。例えば、実施例1のウォーク量算出手段C9Dは、前記真直度演算手段C9Dと同様に、ベルト1周分のプロファイルデータからその最大値と最小値との差をウォーク量として演算する。
C9E:貼付実行位置補正量算出手段
貼付実行位置補正量算出手段C9Eは、前記ウォーク量演算手段C9Dにより演算されたウォーク量に基づいて、リブ支持装置31およびプレス部材39の前記貼付実行位置の補正量を算出する。実施例1の貼付実行位置補正量算出手段C9Eは、貼付実行位置補正量として、前記縁の位置が計測されたベルト周方向位置毎に、縁の位置のズレをうち消す補正量が設定される。
【0065】
(フローチャートの説明)
次に、実施例1のリブ貼付ベルトの製造工程のフローチャートの説明を行う。
図13は実施例1のリブ貼付ベルトの製造工程のフローチャートである。
図13のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記コントローラCのROM等に記憶されたプログラム等に従って行われる。
【0066】
リブ貼付ベルト製造工程が開始されると、図13のST1において、リブ送り出し装置21を駆動して、リブ16をリブ支持台32に送り出す。その後、押し当て部材34を接近位置に移動させて、リブ16を挟み込む。そして、ST2に進む。
ST2において、ベルト着脱装置によりベルトリフター59や軸51,52に無端状ベルトBを装着する。そして、ST3に進む。
ST3において、ベルト張出・弛緩装置56を制御して、無端状ベルトBを張り出す。そして、ST4に進む。
ST4において、ウォーク量の計測を行うウォーク量計測処理(後述する図14のサブルーチン参照)を実行し、ST5に進む。
【0067】
ST5において、支持台移動装置41を制御して、リブ支持装置31およびプレス部材39を貼付実行位置に移動させる。そして、ST6に進む。
ST6において、次の処理(1)、(2)を実行し、ST7に進む。
(1)プレス部材39を軽接触位置に移動させる。
(2)貼付回数nを0に初期化する。
ST7(支持装置移動工程および帯状部材貼付工程)において、次の処理(1)、(2)を実行して、ST8に進む。
(1)貼付実行位置補正量が設定されている場合、貼付実行位置を補正(調整)する。
(2)プレス部材を圧接位置に移動し、熱圧着を開始する。
【0068】
ST8において、圧着時間が経過したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST8を繰り返し、イエス(Y)の場合はST9に進む。
ST9(非圧接位置移動工程)において、プレス部材を軽接触位置に移動させる。そして、ST10に進む。
ST10(ベルト回転工程)において、次の処理(1)、(2)を実行し、ST11に進む。
(1)無端状ベルトBを設定された回転量Rだけ回転させる。
(2)貼付回数nに1を加算する。すなわち、n=n+1とする。
ST11において、回転量の総和が貼付完了判別値より大きくなったか否かを判別する。すなわち、実施例1では、(貼付回数n)×(回転量R)>(ベルト内周長BL)+(一括貼付長さL)であるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST7に戻り、イエス(Y)の場合はST12に進む。
【0069】
ST12において、プレス部材39を退避位置に移動させる。そして、ST13に進む。
ST13(貼付位置計測工程)において、貼付位置の計測を行う貼付位置計測処理(後述する図15のサブルーチン参照)を実行する。そして、ST14に進む。
ST14において、支持台移動装置41を退避位置に移動させる。そして、ST15に移る。
ST15において、ベルト張出・弛緩装置56を制御して、無端状ベルトBを弛緩させる。そして、ST16に進む。
ST16において、ベルト着脱装置により無端状ベルトBを取り出す。そして、リブ貼付ベルト製造工程を終了する。
【0070】
(ウォーク量計測処理)
図14はウォーク量計測処理のフローチャートであり、図13のST4のサブルーチンのフローチャートである。
図14のST21において、無端状ベルトBの所定速度での連続回転を開始する。そして、ST22に進む。
ST22において、CCDカメラ63によるベルト内周面の画像の撮像を実行する。そして、ST23に進む。
ST23において、撮像された画像に基づいて、エッジ部の抽出を行う。そして、ST24に進む。
ST24において、抽出されたエッジ部のエッジ位置の算出を行う。そして、ST25に進む。
【0071】
ST25において、無端状ベルト1周分の撮像やエッジ位置の算出が終了したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST22に戻り、イエス(Y)の場合はST26に進む。
ST26において、次の処理(1)〜(3)を実行する。
(1)ベルトウォーク量を計算する。
(2)計算されたベルトウォーク量に基づいて、貼付実行位置補正量を算出する。
(3)無端状ベルトBの回転を停止する。
そして、図14のウォーク量計測処理を終了して図13に戻る。
【0072】
(貼付位置計測処理)
図15は貼付位置計測処理のフローチャートであり、図13のST13のサブルーチンのフローチャートである。
図15の貼付位置計測処理では、ST31〜ST35は、前記ウォーク量計測処理のST21〜ST25と同様の処理を実行する。
図15のST36において、次の処理(1)〜(3)を実行する。
(1)真直度を計算する。
(2)計算された真直度に基づいて、貼付実行位置補正量を算出する。
(3)無端状ベルトBの回転を停止する。
そして、図15の貼付位置計測処理を終了して図13に戻る。
【0073】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のリブ貼付ベルト製造装置(帯状部材貼付ベルト製造装置)および方法では、プレス部材39により所定の一括貼付長さL分一度に貼り付けられ、一括貼付長さLに対応する所定回転量Rだけ無端状ベルトが回転する。この回転により、新たなリブ16が溝壁33と押し当て部材34との間に誘導され、次のプレス部材39の熱圧着により貼り合わされる。そして、これを繰り返してリブ16が無端状ベルトBの内周面の縁全面に貼り付けられる。したがって、実施例1では、プレス部材39によって所定の貼付長さLに渡ってリブ16が貼り付けられるので、逐次貼り合わせを行う場合に比べ、生産性を高めることができる。
また、実施例1のリブ貼付ベルト製造装置および方法では、溝壁33や押し当て部材34およびリブ支持台32が精度良く真直に形成されており、押し当て部材34により押し当てられた状態で、貼り付けられるので、貼付位置の精度が高まり、真直度が良くなる。また、ベルト回転時にはプレス部材39が軽接触位置に保持されているので、回転中にリブ16が溝壁33や押し当て部材34で形成される溝からずれ難く、真直度を良くすることができる。
【0074】
さらに、実施例1のリブ貼付ベルト製造装置および方法では、誘導部材38によりリブ16がスムースに溝壁33と押し当て部材34との間に誘導されるので、貼付が円滑且つ正確に行われ、真直度等を高めることができる。また、垂れ下がるようにリブ16が支持されるので、リブ16に余分なストレスが作用することを防止できる。
また、実施例1のリブ貼付ベルト製造装置および方法では、接着剤としてホットメルトシート7を裁断したホットメルトテープ16bを使用しているので、両面テープを使用する場合に比べ、耐久性を高めることができる。さらに、ホットメルトテープ16bは、非加熱時に速やかに固化し接着力が強いので、力が加わってもリブ16がずれにくく、信頼性を高めることができる。
【0075】
また、ウレタンシート6にホットメルトシート7を貼り付ける際にシム板9を使用しているので、ホットメルトテープ16bとリブ16との間で空気の噛み込みが少なくなり、リブ貼り付きベルト(帯状部材貼付ベルト)(B+16)の耐久性を高めることができる。さらに、ホットメルトシート7を使用するため、接着剤を均一に塗布する工程が不要であり、容易にウレタンシート6にホットメルトシート7を貼り付けることができ、生産性を高めることができる。
また、リブ16の貼り付けは、無端状ベルトBの回転量の総和(=(貼付回数n)×(回転量R))が、貼付完了判別値((ベルト内周長BL)+(一括貼付長さL))より大きくなるまで行われるので(ST11参照)、ベルト1周以上の長さ分貼付が行われる。したがって、リブ16の前端と後端のつなぎ合わせ部分で溝壁33および押し当て部材34とにより矯正される。したがって、つなぎ合わせ部分で段差が少なく、真直度を良くすることができる。
【0076】
さらに、実施例1のリブ貼付ベルト製造装置および方法では、貼付位置計測装置D3により、リブ16貼り合わせ後、無端状ベルトBを着脱せずに貼付位置の計測を行うことができる。したがって、無端状ベルトBを着脱する作業を省略でき、生産性を高めることができる。
また、実施例1のリブ貼付ベルト製造装置および方法では、計測した貼付位置やウォーク量を次回のリブ16貼付時に貼付実行位置補正量としてフィードバックすることができる。したがって、貼付位置がずれたり、ウォークによりベルト1周した時にウォーク分ずれて貼り付けられることを低減できるので、リブ貼付ベルト(B+16)の真直度を良くすることができる。
【0077】
さらに、実施例1のリブ貼付ベルト製造装置および方法では、ベルトリフター59を使用して高いリフト位置に吊った状態から無端状ベルトBを張架するので、ベルト表面への他の部材の接触等を低減できる。したがって、表面の破損や接触汚染等を防止でき、無端状ベルトBの品質を保持することができる。また、ベルトリフター59を使用しているので、無端状ベルトBを自動的に着脱することができ、キンク等のダメージの発生を抑えることができる。
また、実施例1のリブ貼付ベルト製造装置および方法では、駆動軸51および従動軸52が、ベルト張出状態で両端支持となり、ベルト弛緩状態で片持ち支持となるので、無端状ベルトBの着脱を容易に行うことができ、キンク等のダメージの発生を低減できる。また、リブの貼付動作が終了後、リブ支持台32等が退避位置に移動するので、ベルトの着脱を容易に行うことができ、キンク等のダメージの発生を抑えることができる。
【0078】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H06)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、無端状ベルトBを構成する材料が熱により損傷を受ける可能性がある場合には、誘導部材38により誘導されるリブ16を予備加熱部材(例えば、熱風送風機等)により加熱し、ホットメルトテープを予め少し溶融させておくと、プレス部材39の熱圧着条件の温度や時間を減らしても圧着でき且つ無端状ベルトの損傷を低減できる。
【0079】
(H02)前記実施例において、帯状部材として蛇行防止用のリブ16を例示したが、これに限定されず、無端状ベルトBを補強するベルト補強テープとすることも可能である。また、前記ベルト補強用テープを無端状ベルトに貼り付けた後、その上に蛇行防止用のリブ16を積層して貼り付けることも可能である。蛇行防止用のリブ16が貼られたベルトでは、蛇行により機械の中でリブに対して強い横向きの力が加わるため、ベルト端部が屈曲したり座屈することもある。そのため、従来から補強用テープを貼り合わせることが多いが、一般的に補強用テープは人手または専用の装置でベルト外周面に貼り合わされる。しかしながら、ベルト外周面は電子写真方式の中間画像が形成されるなど使用されるため、テープが貼り付けない方が望ましい。しかし、実施例1の帯状部材貼付ベルト製造装置Dでは、ベルト内周面に精度良く容易に貼ることができるため、補強テープを内周面に貼り合わせた無端状ベルトを作成することができる。さらに、リブ送り出し装置から送り出す帯状部材を補強テープやリブに交換するだけで、補強テープとリブが積層されて貼り付けられた無端状ベルトを作成することができる。
【0080】
(H03)前記実施例において、校正治具によりウォーク量が補正する必要がない程度まで調整されている場合、ST4および図14の処理は省略することも可能である。
(H04)前記実施例において、リブ貼付け装置の下流側に配置される貼付位置計測装置D3は、実施例1の貼付装置に限定されず、従来公知の帯状部材貼付ベルト製造装置に適用可能である。
(H05)前記実施例において、貼付位置計測装置D3を省略することも可能である。
【0081】
(H06)前記実施例において、CCDカメラ63により所定の1つの撮像範囲内の画像を分析したが、ベルト周方向に沿って複数の箇所の画像を分析することも可能である。この場合、画像を分析する範囲が広がるので、貼付位置やウォーク量の計測の精度を高めることができる。または、ベルトの回転速度を高速化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1は帯状部材作成シート上にホットメルトシートを接着するためのシート接着装置の説明図である。
【図2】図2はリブ作成工程の作用説明図であり、図2Aは加熱圧接前の状態の説明図、図2Bは加熱圧接した状態の説明図、図2Cは裁断前の状態の説明図、図2Dは裁断された状態の説明図である。
【図3】図3は、実施例1のリブ貼り付けベルト製造装置の説明図であり、ベルトが弛緩した状態の説明図である。
【図4】図4は、実施例1のリブ貼付ベルト製造装置のリブ送り出し装置およびリブ支持装置の要部拡大説明図である。
【図5】図5は、実施例1のリブ貼り付け装置の説明図であり、ベルトが張り出された状態の説明図である。
【図6】図6は実施例1のリブ貼り付け装置の説明図であり、リブ貼り付け装置が貼り付け位置に移動した状態の説明図である。
【図7】図7はプレス部材が退避位置に移動した状態のリブ貼付装置の説明図である。
【図8】図8はプレス部材が圧接位置に移動した状態のリブ貼付装置の説明図である。
【図9】図9はプレス部材が軽接触位置に移動した状態のリブ貼付装置の説明図である。
【図10】図10は実施例1の貼付位置計測装置の説明図であり、図10Aはベルトを内周面側から見た状態の説明図、図10Bは撮像範囲の部分の断面説明図である。
【図11】図11は実施例1の帯状部材貼付ベルト製造装置のコントローラの説明図である。
【図12】図12は、実施例1の貼り合わせ位置のプロファイルの説明図である。
【図13】図13は実施例1のリブ貼付ベルトの製造工程のフローチャートである。
【図14】図14はウォーク量計測処理のフローチャートであり、図13のST4のサブルーチンのフローチャートである。
【図15】図15は貼付位置計測処理のフローチャートであり、図13のST13のサブルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
1…シート接着装置、2…フィルム支持台、4…フィルムプレス部材、6…ウレタンシート、7…ホットメルトシート、8…剥離紙、9…シム板、11…シート裁断装置、12…裁断用支持台、13…トムソン刃、14…トムソン型、16b…ホットメルトシート、16…リブ、21…リブ送り出し装置、22…側壁、23…前端壁、23a…リブ送り出し口、24…送り出しロール、31…リブ支持装置、32…リブ支持台、33…溝壁、34…押し当て部材、36…押し当て制御装置、38…誘導部材、39…プレス部材、41…支持台移動装置、51…駆動軸、51a,52a…小径軸部、51b,52b…円筒状セットカラー、52…従動軸、53,54…後端ベアリング、56…ベルト張出・弛緩装置、57b…回動部、57a…固定部、59…ベルトリフター、61…プリズムミラー、62…マイクロレンズ、63…カメラ、64…スポット光源、66…照明拡散板、B…無端状ベルト、BL…ベルト内周長、BL…内周長、C…コントローラ、C1…装置制御手段、C2…部材制御手段、C3…ベルト着脱装置制御手段、C4…ベルト張出・弛緩制御手段、C5…貼付装置位置制御手段、C5A…貼付実行位置補正量記憶手段、C6…ベルト回転制御手段、C6A…貼付時ベルト回転量記憶手段、C6B…精度計測時回転制御手段、C7…リブ貼付制御手段、C7A…プレス部材制御手段、C7B…圧着時間計時手段、C7C…貼付完了判別手段、C7C1…貼付回数カウント手段、C7C2…貼付完了判別値記憶手段、C8…貼付精度計測手段、C8A…エッジ抽出手段、C8B…エッジ位置算出手段、C8C…計測終了判別手段、C8D…真直度演算手段、C8D…真直度算出手段、C8E…貼付位置補正量算出手段、C8E…貼付実行位置補正量算出手段、C9…ウォーク量計測手段、C9A…エッジ抽出手段、C9B…エッジ位置算出手段、C9C…計測終了判別手段、C9D…ウォーク量演算手段、C9D…ウォーク量算出手段、C9D…真直度演算手段、C9E…貼付実行位置補正量算出手段、D…帯状部材貼付ベルト製造装置、D1…ベルト支持装置、D2…リブ貼付装置、D3…貼付位置計測装置、n…貼付回数、R…回転量、Y1…ベルト回転方向。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の構成要件(B01)〜(B04)を備えたことを特徴とする帯状部材貼付ベルト製造装置、
(B01)張架された無端状ベルトを回転させるベルト駆動装置、
(B02)接着剤が貼付された帯状部材を、前記無端状ベルトの内周面縁部に誘導する誘導部材、
(B03)誘導された前記帯状部材を支持する帯状部材支持装置と、
前記無端状ベルトを挟んで前記帯状部材支持装置に対向して配置され、前記帯状部材支持装置との間で無端状ベルトおよび前記帯状部材を加熱圧接して、所定の貼り付け長さに渡って前記帯状部材を前記無端状ベルトに貼り付ける圧接部材と、
を有する帯状部材貼り付け装置、
(B04)前記帯状部材貼り付け装置による帯状部材の貼り付けが行われる場合には前記無端状ベルトを回転停止させ、帯状部材の貼り付けが行われた後、前記貼り付け長さに対応する所定回転量だけ前記無端状ベルトを回転させるベルト回転制御手段。
【請求項2】
下記の構成要件(B05)を備えたことを特徴とする請求項1記載の帯状部材貼付ベルト製造装置、
(B05)前記帯状部材を支持する支持台と、
真直に加工され、前記支持台に固定支持された溝壁と、
前記溝壁に対して接近離隔可能な押し当て部材であって、前記溝壁との間に誘導された前記帯状部材を前記溝壁に設定された所定の力で押し当てる前記押し当て部材と、
を有する前記帯状部材支持装置。
【請求項3】
下記の構成要件(B06)を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の帯状部材貼付ベルト製造装置、
(B06)下方から前記無端状ベルトの内周面に接近するように前記帯状部材を誘導する前記誘導部材。
【請求項4】
下記の構成要件(B07)を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の帯状部材貼付ベルト製造装置、
(B07)非加熱時には接着せず、加熱時に溶融して前記無端状ベルトに接着されるホットメルトテープにより構成された前記接着剤。
【請求項5】
下記の構成要件(B08)を備えたことを特徴とする請求項4記載の帯状部材貼付ベルト製造装置、
(B08)シート状の帯状部材作成シート上にホットメルトシートを載置した状態で加熱圧接して作成されたホットメルトシート付き帯状部材作成シートを裁断して作成された前記帯状部材。
【請求項6】
下記の構成要件(B09)を備えたことを特徴とする請求項4または5記載の帯状部材貼付ベルト製造装置、
(B09)前記誘導部材上に支持された前記ホットメルトテープを加熱して溶融する予備加熱部材。
【請求項7】
下記の構成要件(B010)を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか記載の帯状部材貼付ベルト製造装置、
(B010)前記圧接部材が前記無端状ベルトの外周面を圧接する圧接位置と、前記圧接部材が前記無端状ベルトの外周面に接触し且つ圧接しない軽接触位置と、前記無端状ベルトの外周面から離隔した離隔位置と、の間で前記圧接部材を移動させる圧接部材移動装置であって、前記無端状ベルト回転時には前記圧接部材を前記軽接触位置で保持する前記圧接部材移動装置。
【請求項8】
下記の構成要件(B011)を備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか記載の帯状部材貼付ベルト製造装置、
(B011)前記貼り付け長さよりも短く設定された前記無端状ベルトの前記回転量。
【請求項9】
下記の構成要件(B012)を備えたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか記載の帯状部材貼付ベルト製造装置、
(B012)前記無端状ベルトに帯状部材を貼り付けて帯状部材貼付ベルトを作成する際に、前記所定回転量の総和が前記無端状ベルトの周長と前記帯状部材の長さの和以上になるように前記無端状ベルトを回転させるベルト回転制御手段。
【請求項10】
下記の構成要件(B013)を備えたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか記載の帯状部材貼付ベルト製造装置、
(B013)前記帯状部材貼り付け装置のベルト回転方向下流側に配置され且つ前記無端状ベルトの内周部に配置され、前記無端状ベルトの内周面に貼り付けられた前記帯状部材の貼り付け位置を計測する貼付位置計測装置。
【請求項11】
下記の構成要件(B014)を備えたことを特徴とする請求項10記載の帯状部材貼付ベルト製造装置、
(B014)前記貼付位置計測装置による計測結果に基づいて前記帯状部材貼付装置の位置を調整して、前記帯状部材の貼付位置を調整する前記貼付装置移動装置。
【請求項12】
下記の構成要件(C01)を備えたことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか記載の帯状部材貼付ベルト製造装置、
(C01)熱硬化性弾性体の樹脂またはゴムからなる蛇行防止部材により構成された前記帯状部材。
【請求項13】
下記の構成要件(C02)を備えたことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか記載の帯状部材貼付ベルト製造装置、
(C02)樹脂からなる補強テープ部材により構成された前記帯状部材。
【請求項14】
下記の構成要件(C03)を備えたことを特徴とする請求項1ないし13のいずれか記載の帯状部材貼付ベルト製造装置、
(C03)無端状ベルトが張架される一対の軸部材の軸間距離と同一長さの一辺と、前記軸部材の軸方向距離と同一長さの他辺と、を有する平板上の校正治具であって、一定の対辺平行度と平面度とを有し、前記軸部材に当接させて前記軸部材の平行度の校正を行う前記校正治具。
【請求項15】
無端状ベルトを挟んで帯状部材支持装置に対向して配置された圧接部材を前記無端状ベルトに圧接する圧接位置に移動させることによって、前記無端状ベルトに前記帯状部材支持装置に支持された帯状部材を加熱圧接して、所定の貼り付け長さに渡って貼り付ける帯状部材貼付工程と、
前記無端状ベルトを圧接しない非圧接位置に前記圧接部材を移動させる非圧接位置移動工程と、
前記無端状ベルトを、前記貼り付け長さに対応する所定回転量だけ前記無端状ベルトを回転させて停止させるベルト回転工程と、
を繰り返して実行して前記無端状ベルトの内周面に前記帯状部材を貼り付けることを特徴とする帯状部材貼付ベルト製造方法。
【請求項16】
前記ベルト回転工程終了後、前記帯状部材支持装置のベルト回転方向下流側に配置された貼付位置計測装置によって、前記無端状ベルトの内周面に貼り付けられた前記帯状部材の貼り付け位置を計測する貼付位置計測工程、
をさらに実行することを特徴とする請求項15記載の帯状部材貼付ベルト製造方法。
【請求項17】
前記貼付位置計測装置による計測結果に基づいて前記帯状部材支持装置の位置を調整して、前記帯状部材の貼付位置を調整する前記支持装置移動工程、
をさらに実行することを特徴とする請求項16記載の帯状部材貼付ベルト製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−76943(P2010−76943A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285295(P2009−285295)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【分割の表示】特願2005−73259(P2005−73259)の分割
【原出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】