説明

帯電防止剤含有樹脂マスターバッチの製造方法及びそれに使用する装置、並びに前記製造方法によるマスターバッチ

【課題】使用前に帯電防止剤がブリードアウトしにくい、帯電防止剤を含有する樹脂からなるマスターバッチの製造方法。
【解決手段】帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂からなるマスターバッチペレットの製造方法において、 帯電防止剤を含有した熱可塑性樹脂を芯状の内層とし、当該内層の外周が、前記内層の熱可塑性樹脂よりも低濃度に帯電防止剤を含有するか、または帯電防止剤を含有しない熱可塑性樹脂から成る鞘状の外層で覆われたストランド1を押出機先端から導出し、当該ストランド1を押圧歯車3を回転させて先端が曲面を有する押圧部材である略円弧状の各歯3aで押し潰し、当該押し潰した各箇所を切断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、帯電防止剤含有樹脂マスターバッチの製造方法及びそれに使用する装置、並びに前記製造方法によるマスターバッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、予め樹脂に帯電防止剤を高濃度に練り込んだマスターバッチを用意し、樹脂成形時の押出機に樹脂原料とともに前記マスターバッチを投入し、帯電防止剤含有樹脂の成形を行っている。
【0003】
この様なマスターバッチは、過度に帯電防止剤がブリードアウトするため、成形品表面がべたつく、金型が曇る、効果の持続性が失われる等の欠点を有している。また、マスターバッチ自体の粘着性が高く、ブロッキングを起こしやすいため、作業性が悪く、原料樹脂との均一混合性に欠け、また、成形品の物性に著しく影響を与えるという欠点もある。
【0004】
これらを改善すべく、特許文献1に示すように、熱可塑性樹脂に、顔料及び添加剤から選ばれる少なくとも一種の化合物を配合してなる芯層が、前記化合物が含まれている熱可塑性樹脂からなる鞘層により被覆された鞘芯構造のマスターバッチペレットであって、前記化合物の全重量のうちの80%以上が前記芯層に含まれている、脆性の改善されたマスターバッチ樹脂ペレットが開発されている。
【0005】
従って、特許文献1に示すように、鞘芯構造のペレットにおいて、芯層に高濃度の帯電防止剤を含有させ、当該芯層を被覆する鞘層に帯電防止剤を含ませないか少量の帯電防止剤を含ませた、帯電防止ペレットが考えられる。
【0006】
また一方、マスターバッチの製法は、前記特許文献1に示すように、熱可塑性樹脂等の基材樹脂及び帯電防止剤等の添加物を含む溶融物をストランドの形状に押し出した後、該ストランドを冷却し、ペレットに切断する方法が一般的である。
【0007】
【特許文献1】特許第4278738号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記特許文献1のものは、鞘芯型のストランドの形態に溶融押し出し、当該ストランドを冷却した後に、ペレットに切断するため、当該ペレットは切断面に芯層が露出しており、芯層に帯電防止剤が含有している場合、使用前に外面にブリードアウトしてしまい、依然として前記欠点を具備したものとなる。
【0009】
そこで、この発明は、使用前に帯電防止剤がブリードアウトしにくい、帯電防止剤を含有する樹脂からなるマスターバッチの製造方法及びそれに使用する装置、並びに前記製造方法によってできたマスターバッチを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂からなるマスターバッチペレットの製造方法において、帯電防止剤を含有した熱可塑性樹脂を芯状の内層とし、当該内層の外周が、前記内層の熱可塑性樹脂よりも低濃度に帯電防止剤を含有するか、または帯電防止剤を含有しない熱可塑性樹脂から成る鞘状の外層で覆われたストランドを押出機先端から導出する工程と、当該ストランドを、曲面を有する押圧部材により、上下又は左右から圧着して押しつぶす工程と、当該押しつぶした各箇所を切断する工程とを含む、マスターバッチペレットの製造方法とした。
【0011】
また、請求項2の発明は、帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂からなるマスターバッチペレットの製造装置であって、押出機から導出され且つ、帯電防止剤を含有した熱可塑性樹脂を芯状の内層とし、当該内層の外周が、前記内層の熱可塑性樹脂よりも低濃度に帯電防止剤を含有するか、または帯電防止剤を含有しない熱可塑性樹脂から成る鞘状の外層で覆われたストランドを支持する支持手段と、前記支持手段の対向する位置に設置された、曲面を有する押圧部材を具備する押圧手段と、前記押圧手段により押し潰された箇所にて切断する切断手段とを有する、マスターバッチペレット製造装置である。
【0012】
また、請求項3の発明は、帯電防止剤を含有した熱可塑性樹脂を芯状の内層とし、当該内層の外周が、前記内層の熱可塑性樹脂よりも低濃度に帯電防止剤を含有するか、または帯電防止剤を含有しない熱可塑性樹脂から成る鞘状の外層で覆われてなるマスターバッチペレットであって、前記ペレットの両端部が切断面を有し、前記ペレット全体の表面積に対する外層の表面積の割合が80%以上である、マスターバッチペレットとした。
【発明の効果】
【0013】
請求項1及び2の各発明によれば、押出機から出てきたストランドを押圧して潰し、この押し潰した各箇所を切断するため、切断されたペレットの両端の各切断面の外層が内層をほぼ被い、内層は切断面からほとんど露出していない。従って、内層に含有されている帯電防止剤は外気にほとんど触れず、また、外層に帯電防止剤が含有されている場合であっても、帯電防止剤は前記内層の熱可塑性樹脂より低濃度であるため、ペレットの外表面に帯電防止剤がブリードアウトする量が極めて少ない。
【0014】
それ故、請求項3の発明のマスターバッチペレットは、その使用前に帯電防止剤のブリード量が少なく、べたつきも少なく、その後の取り扱いが極めて容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
この発明は、帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂からなるマスターバッチペレットの製造方法において、帯電防止剤を含有した熱可塑性樹脂を芯状の内層とし、当該内層の外周が、前記内層の熱可塑性樹脂よりも低濃度に帯電防止剤を含有するか、または帯電防止材を含有していない熱可塑性樹脂から成る鞘状の外層で覆われたストランドを押出機先端から導出する工程と、当該ストランドを、曲面を有する押圧部材により、上下又は左右から圧着して押し潰す工程と、当該押し潰した各箇所を切断する工程とを含む、マスターバッチペレットの製造方法とした。
【0016】
この発明で使用する熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等、一般的な熱可塑性樹脂であればよい。
【0017】
また、この発明で用いる帯電防止剤は、特に制約されず、一般的な練り込み型帯電防止剤として知られているものであれば、いずれのものでも使用することができるが、中でも界面活性剤が好ましい。
【0018】
非イオン系界面活性剤では、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等のポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤、ポリエチレンオキサイド、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの脂肪酸エステル、ソルビット及びソルビタンの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪族アミド等の多価アルコール型非イオン界面活性剤が挙げられる。
【0019】
また、アニオン界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩等のカルボン酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩類、高級アルコールリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩類が挙げられる。また、カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩類が挙げられる。また、両性界面活性剤としては、例えば、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸型両性界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、高級アルキルジヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。
【0020】
さらに、この発明で使用する帯電防止剤は、以下のAからDのうち、少なくとも3成分を含むものが特に好ましい。
【0021】
(A)脂肪酸エステル型非イオン性帯電防止剤、
(B)下式(1)にて表されるアルキルアミン誘導体、又は、下式(2)にて表されるポリオキシエチレン脂肪酸アミド
式(1)
(CHCHO)mH

R-N−(CHCHO)nH
R:C8〜22 m+n=1〜10

式(2)
/(CHCHO)mH
R−C−N
‖ \(CHCHO)nH

R:C8〜22 m+n=1〜10
(C)親水基を有する高級アルコール、高価アルコール、エーテル類、グリシジルエーテル類、高級カルボン酸のうちの少なくとも一つ
(D)ポリアルキレンオキサイド
【0022】
前記(A)の脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤としては、例えば、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノステアレート、ジグリセリンモノラウレート、テトラグリセリンモノステアレート、デカグリセリンモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ジヒドロキシエチルステアリルアミンものステアレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンジステアレート、ポリオキシプロピレンモノステアレート、ポリオキシプロピレンジステアレート等が挙げられる。
【0023】
前記(B)のアルキルアミン誘導体としては、例えば、デシルジエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ドデシルジエタノールアミン、テトラデシルジエタノールアミン、ヘキサデシルジエタノールアミン、オクタデシルジエタノールアミン、ドコシルジエタノールアミン等が挙げられる。これらのアルキルアミン誘導体は、単独(1種)で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて使用することもできる。また、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドとしては、例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ラウリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ミリスチルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)パルミチルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ステアロアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)オレオアミド等のN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)脂肪族アミド、ラウリルジエタノールアミドが挙げられる。
【0024】
前記(C)の高級アルコール類としては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、イソステアリルアルコール等があげられる。また、多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マルチトール等が挙げられる。また、エーテル類としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ジメチルエーテル、フェノールメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、フラン、ジベンゾフラン、テトラヒドロフラン等があげられる。
【0025】
また、グリシジルエーテル類としては、例えば、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ネオンペンチルグリコールグリシジルエーテル、p-(sec-ブチル)フェニルグリシジルエーテル、p-(tert-ブチル)フェニルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等があげられる。
【0026】
また、高級カルボン酸としては、例えば、ステアリン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸等の高級脂肪酸が挙げられる。また、高級カルボン酸の金属塩としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、12-ヒドロキシステアリン酸リチウム、12-ヒドロキシステアリン酸亜鉛、12-ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12-ヒドロキシステアリン酸マグネシウムなどが挙げられる。
【0027】
また、前記(D)のポリアルキレンオキサイドとしては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリテトラメチレンオキサイド等が挙げられる。好ましくは数平均分子量が1万以上70万以下のものが用いられる。また、これら帯電防止剤に無機充填剤を含有させることも可能である。具体的な例としては、微粉末シリカが挙げられ、その一次粒子の平均粒径が30μm以下であることが好ましいが、さらに、一次粒子の平均粒径が1μm以下であることがより好ましい。
【実施例1】
【0028】
以下、この発明の実施例1を図に基づいて説明する。図1はこの発明に使用する、押出機(図示省略)から押し出されたストランドの斜視図であり、当該ストランド1は、芯状の内層1Aと、この内層1Aの外周を、鞘状の外層1Bで被った横向き円柱形状のものである。
【0029】
前記内層1Aは、内層を形成する樹脂に対する帯電防止剤の含有量が5〜40重量%であり、前記外層1Bは、外層を形成する樹脂に対する帯電防止剤の含有量が0〜4重量%である。
【0030】
この様に押出機(図示省略)から押し出されたストランド1を、図2の(a)図の押圧、切断工程の概略構成図に示すように、押圧して押しつぶし、その後切断する。具体的には、押出機から押し出されたストランド1が押し出されたその速度で移送される台座2の上方に、多数の歯3aが円周上に間隔をあけて設けられ、各歯3aの夫々の先端が曲面を有する押圧部材である略円孤状の押圧歯車3を設けている。そして、前記台座2の上に移送され、外層の厚みの1/10〜99/100が固化されたストランド1を、前記押圧歯車3の回転により略円孤状の各歯3aにて押圧し、潰す。そして、その後、当該潰された各箇所をカッター(図示省略)により切断する。
【0031】
この押圧は、図2の(a)図の矢印方向に台座2の上を移送されているストランド1の動きと同期して回転する押圧歯車3の各歯3aが台座2上を移動するストランド1の一側を押圧して潰していく。これにより、ストランド1は一定間隔で潰され、潰された各箇所で切断される。これにより、図2の(b)図に描かれたペレット4が出来上がる。
【0032】
このペレット4は、両端に押しつぶされた切断面4aを有し、前記内層1Aは外層1Bに被われて、外面にほとんど露出していない。ペレット4の全体の表面積に対する外層1Bの表面積の割合が80%以上となっている。
【実施例2】
【0033】
図3の(a)図は、この発明の実施例2の押圧、切断工程を示す概略構成図、同(b)図は、切断されたペレットの斜視図である。この実施例2においては、押圧と切断をほぼ同時に行っている。他の構成は実施例1と同じである。
【0034】
この実施例2は図3の(a)図に示すように、台座2の上に、回転する押圧歯車5を設け、この押圧歯車5は、円周上に間隔をあけて、先端が曲面を有する押圧部材である略円弧状の歯5aを多数設け、これらの各歯5aの先端に、さらに小径の略円弧状の切断歯5bを設けたものである。
【0035】
これにより図3の(a)図に示すように、押出機(図示省略)から押し出されたストランド1が前記台座2の上に移送され、外層の厚みの1/10〜99/100が固化されたストランド1を、前記押圧歯車5の回転により略円孤状の各歯5aにて押圧し、潰すと同時に、各歯5aの先端の切断歯5bが潰されたストランド1を台座2上で切断する。切断後も後から移送されるストランド1に押されてペレット4は移動する。
【0036】
この様にして、図3の(b)図に示すように、前記実施例1と同様のペレット4が製造される。
【実施例3】
【0037】
図4の(a)図は、この発明の実施例3の押圧、切断工程を示す概略構成図、同(b)図は、切断されたペレットの斜視図である。この実施例3においても、押圧と切断をほぼ同時に行っている。他の構成は実施例1と同じである。
【0038】
この実施例3では、実施例2と同じ押圧歯車5を設けている。当該押圧歯車5は円周上に間隔をあけて、先端が曲面を有する押圧部材である略円弧状の歯5aを多数設け、これらの歯5aの先端にさらに小径の略円弧状の切断歯5bを設けている。また、当該歯押圧歯車5の真下の台座2に孔6が設けられ、当該孔6内を上下する、上面に断面三角形状の突起部を有する突起体7が設けられている。
【0039】
そして、これらの歯5aがストランド1を押圧して切断歯5bで切断する際、前記突起体7が上昇し、図4の(a)図に示すように、ストランド1の下面を突起部が押圧する。これによりストランド1は上から切断歯5b、下から突起体7に押圧されて切断される。なお、前記突起体7の内部にヒータ又は超音波発生器8を設け、ストランド1を突起体7で押圧した際、ストラッド1を瞬時に熱して柔らかくし、切断歯5bによるストランド1の切断を容易にすることもできる。
【実施例4】
【0040】
図5の(a)図は、この発明の実施例4の押圧、切断工程を示す概略構成図、同(b)図は、切断されたペレットの斜視図である。この実施例4は、前記実施例3と略同じものであり、上下する突起体7の代わりに、押圧歯車5をストランド1の上下対象位置に設けた。上下の押圧歯車5の回転は相互に同期し、上下の歯5a及び切断歯5bがストランド1を同時に押圧、切断する構成である。他の構成は実施例1と同一である。
【0041】
また、切断歯5bの内側にヒータ又は超音波発生器8を設け、ストランド1の切断の際、ストランド1を瞬時に熱して柔らかくし、切断を容易にすることもできる。
【0042】
なお、前記実施例1、2及び3では、台座2は固定されているが、台座2はベルトコンベアーにしても良く、その場合、ストランド1の押し出し速度に合わせてベルトコンベアーを回転させる。その場合、実施例3では、孔6の前後で二つに分かれたベルトコンベアーを回転させることとなる。
【0043】
また、前記実施例ではストランド1を上下で押しつぶしているが、これはスロランドの左右両側を押しつぶしても良い。また、前記実施例では複数の円孤状の歯3a又は5a(押圧部材)を有する押圧歯車3又は5(押圧手段)を回転自在に設けているが、一つの押圧部材を有する押圧手段を回転自在に設けても良い。また、回転せずに上下の動きを繰り返すものとしても良い。
また、前記実施例1では切断手段としてカッターを用いているが、押圧手段によって押し切ることで切断を行っても良い。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】この発明の実施例1の押出機から押し出されたストランドの斜視図である。
【図2】(a)図はこの発明の実施例1の方法に使用するストランドの押圧、切断工程を示す概略構成図、(b)図は切断されたペレットの斜視図である。
【図3】(a)図はこの発明の実施例2の方法に使用するストランドの押圧、切断工程を示す概略構成図、(b)図は切断されたペレットの斜視図である。
【図4】(a)図はこの発明の実施例3の方法に使用するストランドの押圧、切断工程を示す概略構成図、(b)図は切断されたペレットの斜視図である。
【図5】(a)図はこの発明の実施例4の方法に使用するストランドの押圧、切断工程を示す概略構成図、(b)図は切断されたペレットの斜視図である。
【符号の説明】
【0045】
1 ストランド 2 台座
3 押圧歯車 3a 歯
4 ペレット 5 押圧歯車
5a 歯 5b 切断歯
6 孔 7 突起体
8 ヒータ又は超音波発生器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂からなるマスターバッチペレットの製造方法において、
帯電防止剤を含有した熱可塑性樹脂を芯状の内層とし、当該内層の外周が、前記内層の熱可塑性樹脂よりも低濃度に帯電防止剤を含有するか、または帯電防止剤を含有しない熱可塑性樹脂から成る鞘状の外層で覆われたストランドを押出機先端から導出する工程と、
当該ストランドを、曲面を有する押圧部材により、上下又は左右から圧着して押しつぶす工程と、
当該押しつぶした各箇所を切断する工程とを含むことを特徴とする、
マスターバッチペレットの製造方法。
【請求項2】
帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂からなるマスターバッチペレットの製造装置であって、
押出機から導出され且つ、
帯電防止剤を含有した熱可塑性樹脂を芯状の内層とし、当該内層の外周が、前記内層の熱可塑性樹脂よりも低濃度に帯電防止剤を含有するか、または帯電防止剤を含有しない熱可塑性樹脂から成る鞘状の外層で覆われたストランドを支持する支持手段と、
前記支持手段の対向する位置に設置された、曲面を有する押圧部材を具備する押圧手段と、
前記押圧手段により押し潰された箇所にて切断する切断手段とを有することを特徴とする、マスターバッチペレット製造装置。
【請求項3】
帯電防止剤を含有した熱可塑性樹脂を芯状の内層とし、当該内層の外周が、前記内層の熱可塑性樹脂よりも低濃度に帯電防止剤を含有するか、または帯電防止剤を含有しない熱可塑性樹脂から成る鞘状の外層で覆われてなるマスターバッチペレットであって、
前記ペレットの両端部が切断面を有し、前記ペレット全体の表面積に対する外層の表面積の割合が80%以上であることを特徴とする、マスターバッチペレット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−97130(P2012−97130A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243265(P2010−243265)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【出願人】(508234729)理究株式会社 (8)
【Fターム(参考)】