説明

平板ディスプレイ用ガラス移送ローラーのたるみ防止装置

【課題】平板ディスプレイ製造工程で、大型のガラスを移送するローラシャフトのたるみ防止装置を提供する。
【解決手段】ガラス移送用ローラコンベヤにおいて、ローラーシャフト100のベアリングホルダー150の一方に、ローラーシャフトにかかる荷重とローラーシャフトの自重を支えながら前記ローラーシャフトが回転できるように、2つのマグネチック160とスプリングを設け、マグネチックの反発力を利用してローラシャフトを引っ張り上げローラシャフトのたるみを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平板ディスプレイ用ガラスを移送する移送装置に関するもので、より詳しくは、前記ガラスを移送するローラーシャフトの両側にディスグ型マグネチックを形成し、前記ガラスが下部ローラーシャフトにかかる荷重と前記ローラーシャフトの自重によってローラーシャフトがたるむ場合、前記2つのマグネチックを同じ極性に向かわせて形成し、前記2つのマグネチックが互いに押し出す反発力を利用し、前記たるんだローラーシャフトを引っ張りあげるようにして、前記ローラーシャフトのたるみを防止し、前記ローラーのシャフトのたるみ防止をすることで、ガラスの不良を防げて、前記ローラーシャフトの直径を最小化でき、製造費用を節減できる平板ディスプレイ用ガラス移送ローラーのたるみ防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に最近壁掛け式テレビやマルチメディア用ディスプレイとして利用できる平板ディスプレイ(flat panel display, FPD)の実用化が進められている。前記のような平板ディスプレイ用ブラスは、段々大型化していくにつれ、前記ガラスの自重が増加し、これによって、前記ガラスを移送する移送ローラーのローラーシャフトの長さが長くなっている。
【0003】
前記平板ディスプレイ用ガラスの製造工程で、前記ガラスを移送するために移送ローラーが使用され、従来の移送ローラーが具備された平板ディスプレイ用ガラス移送装置は、ローラーの上部にガラスを載せ、前記のローラーの駆動させて移送するものであった。しかし、平板ディスプレイが大型化するにつれ、ガラスの大きさが大きくなって、その自重が増加し、前記自重を支えられない場合、前記ローラーを支えているローラーシャフトがたるみ、移送過程でガラスが破損されたり、不良率が高くなる問題があった。
【0004】
尚、従来の問題点を解決するため、前記大型化したガラスの自重を耐えられるようにするため、前記ローラーシャフトの直径を大きくしたり、ローラーシャフトの内部に充填物質を挿入し、前記ローラーシャフトの強度を高めることで、前記ガラスの荷重によるローラーシャフトのたるみを防止した。しかし、前記のように、ローラーシャフトの直径を大きくしたり、内部に充填物質を挿入したローラーシャフトは、これによる製造費用が増加し、効率的ではないという短所があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記のような問題点を解決するために案出されたものであり、平板ディスプレイ製造工程の中で平板ディスプレイ用ガラスを移送する移送ローラーのローラーシャフトの両側にディスク型マグネチックを形成し、前記ガラスによる下部ローラーシャフトにかかる荷重や前記ローラーシャフトの自重により、ローラーシャフトがたるむ場合、前記ディスク型マグネチックのマグネチックを同じ極性に向かわせて形成し、前記マグネチックの反発力を利用し前記ローラーシャフトがたるむのを引っ張り上げ、前記ローラーシャフトがたるむのを防止し、これによって、前記ローラーシャフトの直径を増加させたり、前記ローラーシャフトの内部に強度を高めるために充填物を挿入する必要がなく、前記ローラーシャフトの直径を縮小できることで製造費用を節減できる平板ディスプレイ用ガラス移送ローラーのたるみ防止装置を提供することがその目的である。
【0006】
尚、ディスク型マグネチックを使用することによって、無負荷回転トルクによるパーティクルの発生を防げる平板ディスプレイ用ガラス移送ローラーのたるみ防止装置を提供するの目的もある。
また、前記ディスク型マグネチックの代わりにスラスト・ボール・ベアリングを使用し、前記スラスト・ボール・ベアリングのローラーシャフトに発生する荷重を受け、前記ローラーシャフトがたるむのを防げる平板ディスプレイ用ガラス移送ローラーのたるみ防止装置を提供するの目的もある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、平板ディスプレイの製造工程で、ガラス下部に前記ガラスが移送できるようになっているローラーシャフトと前記ローラーシャフトに一定の間隔に挿入された多数のローラーと前記ローラーシャフトと多数のローラーを支える水平プレートと垂直プレートに構成された平板ディスプレイ用ガラス移送装置において、
【0008】
前記ロ―ラーシャフトの一方と他方に前記垂直プレートと結合されるように形成し、前記ローラーシャフトが貫通できるシャフト貫通口を形成するベアリング・ホルダー・ブラケット部;
【0009】
前記ベアリング・ホルダー・ブラケット部の一方に、前記ガラスによりローラーシャフトにかかる荷重とローラーシャフトの自重を支えながら、前記ローラーシャフトが回転できるように、深いホール・ボール・ベアリングを含むベアリングホルダー部;
【0010】
前記ベアリングホルダー部の一方に2つのマグネチックを互いに同じ極性に向かわせて形成し、前記ガラスによりローラーシャフトに発生する荷重と前記ローラーシャフトの自重によって前記ローラーシャフトがたるむのを前記マグネチックに反発力を利用して防止するディスク型マグネチック;
【0011】
前記ディスク型マグネチックの一方に形成し、前記ディスク型マグネチックの反発力を維持させ、前記ローラーシャフトに固定する固定ナット;で構成されるのがその特徴である。
【0012】
尚、前記ディスク型マグネチックは、ボールが転がる溝があるワッシャー形状の軌凸輪とボールを内臓したリテーナで構成されているスラスト・ボール・ベアリングに使えることが特徴である。
【0013】
前記ディスク型マグネチックとスラスト・ボール・ベアリングは大型ガラスによるローラーシャフトのたるみが大きい場合、一方に弾性力を維持した状態のスプリングを形成し、前記ローラーシャフトのたるみを防止することができるのが特徴である。
【0014】
以下、本発明を具体的に説明するために添付された図面を参考にしながら詳しく説明する。
【0015】
図1は、本発明による平板ディスプレイ用ガラス移送ローラーのたるみ防止装置の全体図面であり、図2は、本発明による平板ディスプレイ用ガラス移送ローラーのたるみ防止装置のベアリング・ホルダー・ブラケット部の正面図と側面図であり、図3は、本発明による平板ディスプレイ用ガラス移送ローラーのたるみ防止装置のベアリング・ホルダー部の正面図と側面図である。
【0016】
前記図1・図2・図3に図示されている通り、平板ディスプレイ製造工程でガラス下部に前記ガラスが移送させるローラーシャフト(100)と、前記ローラーシャフト(100)に一定の間隔で挿入された多数のローラー(110)と、前記ローラーシャフト(100)や多数のローラー(110)を支えるようにする水平プレート(120)と垂直プレート(130)に構成された平板ディスプレイ用ガラス移送装置で、前記ローラーシャフト(100)の一方と他方にベアリング・ホルダー・ブラケット部(140)と、ベアリング・ホルダー部(150)と、ディスク型マグネチック(160)と、固定ナット(170)を形成し、大型化したガラスの荷重と前記ローラーシャフト(100)の自重により、前記ローラーシャフト(100)がたるむ場合、前記ディスク型マグネチック(160)に形成された互いに同じ極性に向かわせた2つのマグネチックを通じて発生する反発力を利用し、前記ローラーシャフト(100)がたるむのを引っ張り上げ、前記ローラーシャフト(100)のたるみを防止し、製造費用が節減でき、前記ローラーシャフト(100)の直径を最小化することができる。
【0017】
前記ロ―ラーシャフト(100)は、両側にベアリング・ホルダーブラケット(140)と、ベアリング・ホルダー(150)と、ディスク型マグネチック(160)と、固定ナット(170)を形成して作られる。
【0018】
前記ベアリング・ホルダー・ブラケット部(140)は、ローラーシャフト(100)の両側に前記垂直プレート(130)と結合されるように形成し、シャフト貫通口により、前記ローラーシャフト(100)が貫通できるようにして、前記ベアリング・ホルダー・ブラケット部(140)の一方にベアリング・ホルダー(150)を形成する。前記ベアリング・ホルダー・ブラケット部(140)の一方に形成したベアリング・ホルダー部(150)は、内部に深いホール・ボール・ベアリング(151)を形成して、前記ローラーシャフト(100)の自重とガラスによるローラーシャフト(100)にかかる荷重を支えながら前記ローラーシャフト(100)が回転するようにする。前記深いホール・ボール・ベアリング(151)により、前記ベアリング・ホルダー部(150)とベアリング・ホルダー・ブラケット部(140)は、前記垂直プレート(130)に固定され、前記ベアリング・ホルダー部(150)と、ベアリング・ホルダー・ブラケット部(140)に貫通されたローラーシャフト(100)が回転する。
【0019】
前記ベアリング・ホルダー・ブラケット部(140)の一方に形成したディスク型マグネチック(160)は、2つのマグネチックを同じ極性に向かわせて形成し、 前記ガラスにより、ローラーシャフト(100)にかかる荷重と前記ローラーシャフト(100)の自重により、前記ローラーシャフト(100)がたるむ場合、前記2つのマグネチックによって発生する反発力により、前記のたるんだローラーシャフト(100)を引っ張り上げ、前記ローラーシャフト(100)のたるみを防止する。前記ディスク型マグネチック(160)により、たるみを防止するローラーシャフト(100)は、直径の最小化ができ、前記ローラーシャフト(100)のたるみを防止するための既存のローラーシャフト(100)の直径を増やしたり、前記ローラーシャフト(100)の内部に強度を高めるための充填物を挿入する必要がなくなり、製造費用が節減できる。
【0020】
尚、前記ディスク型マグネチック(160)の一方には、固定ナット(170)を形成し、前記同じ極性に向かわせた2つのマグネチックによって発生する反発力を維持するように前記ローラーシャフト(100)に固定する。前記固定ナット(170)と、前記固定ナット(170)の他方に形成されたマグネチックは、固定ナット(170)により、前記ローラーシャフト(100)に固定され、前記ローラーシャフト(100)と一体となって回転することになり。前記ベアリング・ホルダー部(150)の一方に形成したマグネチックは、前記ベアリング・ホルダー部(150)に固定され、前記ローラーシャフト(100)が回転し、マグネチックとマグネチックの間に空間が作られて、無負荷回転トルクにより、パーティクルの発生を防止できる。
【0021】
図4は、本発明による平板ディスプレイ用移送ローラーのたるみ防止装置の実施例を表わせた図面である。
【0022】
前記図4に図示されたとおり、前記ローラーシャフト(100)の両側にディ スク型マグネチック(160)の代わりにスラスト・ボール・ベアリング(180)を形成し、ボールが転がる溝のあるワッシャー形状の軌道輪とボールを内臓下リテーナに構成し、前記ローラーシャフト(100)の方向に荷重がかかるようにし、前記ベアリング・ホルダー部(150)と、スラスト・ボール・ベアリング(180)の間にベアリング・カラー部(181)を形成し、前記スラスト・ボール・ベアリング(180)がローラーシャフト(100)の方向に荷重がかかるように支える。
【0023】
尚、前記ローラーシャフト(100)の一方に形成されたスラスト・ボール・ベアリング(180)の一方には、弾性力を維持した状態のスプリング(190)を形成し、前記ガラス荷重と、前記ローラーシャフト(100)の自重により、ローラーシャフト(100)がたるむ場合、前記スプリング(190)の弾性力で、前記ローラーシャフト(100)を引っ張り上げ、前記ローラーシャフト(100)のたるみを防止するようにし、前記スプリング(190)の一方には、弾性力を維持した状態のスプリング(190)が 前記単勢力を維持できるように支えてくれるスプリング・カラー部(191)を形成し、前記スプリング・カラー部(191)の一方に前記スプリング(190)を弾性力が維持された状態に固定するために、前記ローラーシャフト(100)と固定する固定ナット(170)を形成する。
【0024】
前記のような構成で形成された本発明は、大型化するガラスの荷重と前記ローラーシャフト(100)の自重で、前記ローラーシャフト(100)がたるむ場合、ディスク型マグネチック(160)の反発力を通じて前記ローラーシャフト(100)のたるみを防止でき、これにより製造費用が節減でき、前記ディスク型マグネチック(160)の無負荷回転トルクによるパーティクルの発生を防止できるようにしてくれる。
【0025】
上述したとおり、本発明による望ましい実施例を説明してきたが、本発明は前記の実施例にとどまらず、以下の特許請求範囲で請求する本発明の要旨を外すことなく、当該発明が属する分野で通常の知識を持つ者なら誰でも多様な変更実施が可能な範囲まで本発明の技術的精神があるといえる。
【発明の効果】
【0026】
以上で説明したように、本発明は、平板ディスプレイ製造工程の中で平板ディスプレイ用ガラスを移送する移送ローラーのローラーシャフトの両側にディスク型マグネチックを形成し、前記ガラスによる下部ローラーシャフトにかかる荷重や前記ローラーシャフトの自重により、ローラーシャフトがたるむ場合、前記ディスク型マグネチックの2つのマグネチックを同じ極性に向かわせて形成し、前記マグネチックの反発力を利用し、前記ローラーシャフトがたるむのを引っ張り上げ、前記ローラーシャフトがたるむのを防止できる効果があり、これによって、前記ローラーシャフトの直径を増加させたり、前記ローラーシャフトの内部に強度を高めるために充填物を挿入する必要がなく、前記ローラーシャフトの直径を縮小できることで製造費用を節減できる効果があり、ディスク型マグネチックの使用で無負荷回転トルクによるパーティクルの発生を防止する効果がある。
【0027】
尚、前記ディスク型マグネチックの代わりにスラスト・ボール・ベアリングを使用し、前記スラスト・ボール・ベアリングのローラーシャフトに生ずる荷重を受け、前記ローラーシャフトがたるむのを防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明による平板ディスプレイ用ガラス移送ローラーのたるみ防止装置の全体図面。
【図2】本発明による平板ディスプレイ用ガラス移送ローラーのたるみ防止装置のベアリング・ホルダー・ブラケット部の正面図・側面図。
【図3】本発明による平板ディスプレイ用ガラス移送ローラーのたるみ防止装置のベアリング・ホルダー部の正面図・側面図。
【図4】本発明による平板ディスプレイ用ガラス移送ローラーのたるみ防止装置の実施例を表わせた図面。
【符号の説明】
【0029】
100:ローラーシャフト
110:ローラー
120:水平プレート
130:垂直プレート
140:ベアリング・ホルダー・ブラケット部
150:ベアリング・ホルダー部
151 :深いホール・ボール・ベアリング
160:ディスク型マグネチック
170 :固定ナット
180:スラスト・ボール・ベアリング
181 :ベアリング・カラー部
190:スプリング
191 : スプリング・カラー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板ディスプレイの製造工程で、ガラス下部に前記ガラスが移送できるようになっているローラーシャフトと前記ローラーシャフトに一定の間隔に挿入された多数のローラーと前記ローラーシャフトと多数のローラーを支える水平プレートと垂直プレートに構成された平板ディスプレイ用ガラス移送装置において、
前記ロ―ラーシャフトの一方と他方に前記垂直プレートと結合されるように形成し、前記ローラーシャフトが貫通できるシャフト貫通口を形成するベアリング・ホルダー・ブラケット部;
前記ベアリング・ホルダー・ブラケット部の一方に、前記ガラスによりローラーシャフトにかかる荷重とローラーシャフトの自重を支えながら、前記ローラーシャフトが回転できるように、深いホール・ボール・ベアリングを含むベアリングホルダー部;
前記ベアリング・ホルダー部の一方に2つのマグネチックを同じ極性に向かわせて形成し、前記ガラスによってローラーシャフトに発生する荷重と、前記ローラーシャフトの自重により、前記ローラーシャフトがたるむのを前記マグネチックの反発力を利用して防止するディスク型マグネチック;
前記ディスク型マグネチックの一方に形成し、前記ディスク型マグネチックの反発力を維持するよう、前記ローラーシャフトに固定する固定ナット;に構成されるのを特徴とする平板ディスプレイ用ガラス移送ローラーのたるみ防止装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記ディスク型マグネチックは、ボールが転がる溝があるワッシャー形状の軌道輪とボールを内臓したリテーナで構成されているスラスト・ボール・ベアリングに使えることがその特徴である平板ディスプレイ用ガラス移送ローラーのたるみ防止装置。
【請求項3】
請求項1乃至2において、
前記ディスク型マグネチックとスラスト・ボール・ベアリングは大型ガラスによるローラーシャフトのたるみが大きい場合、一方に弾性力を維持した状態のスプリングを形成し、前記ローラーシャフトのたるみを防止することができるのをその特徴する平板ディスプレイ用ガラス移送ローラーのたるみ防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−87959(P2008−87959A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−63881(P2007−63881)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(507081588)アプロ システム カンパニー,リミテッド (4)
【Fターム(参考)】