平面ハウジングを備えるアルカリ電池
好ましくは立方体形状の平面ハウジングを有するアルカリ電池。電池は、亜鉛を含む陽極と、MnO2を含む陰極とを有し得る。ハウジングは、典型的には5〜10mmの間の比較的小さな全体的厚さを有し得る。電池含有物は、ハウジングの開放端部を通じて供給され、電池を封止するために、エンドキャップ組立体がそこに挿入される。追加的な電解質の挿入のために、隔離板と陰極との間には間隙があり得る。エンドキャップ組立体は、好ましくは溝付き通気口の通気機構を含み、それは、電池内のガス圧力が典型的には約250〜800psig(1724×103〜5515×103パスカルゲージ)の閾値レベルに達するときに活性化し得る。電池は、ハウジング表面上のレーザ溶接された領域のような補足的な通気機構を有し、それはより高い圧力レベルで活性化し得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実質的に平面的な外部ハウジングを有するアルカリ電池に関する。本発明は、亜鉛を含む陽極と、二酸化マンガンを含む陰極と、水性の水酸化カリウムを含む電解質とを有するアルカリ電池にも関する。
【背景技術】
【0002】
従来的なアルカリ電気化学電池は、亜鉛を含む陽極と、二酸化マンガンを含む陰極とを有する。電池は、典型的には、円筒形の外部ハウジングから形成される。新しい電池は、約1.5ボルトの開放回路電圧(EMF)と、中間ドレインサービスにおいて約1.0〜1.2ボルトの間の典型的な平均運転電圧(100〜300ミリアンペア)とを有する。初めに、円筒形ハウジングは、拡大開放端部と反対側の閉塞端部で形成される。電池含有物が供給された後、絶縁グロメット及び負端子エンドキャップを備えるエンドキャップ組立体が、ハウジング開放端部に挿入される。ハウジング縁部を絶縁栓上でクリンプ加工し、且つ、緊密な封止をもたらすために、開放端部は、ハウジングを絶縁栓の周りで径方向に圧縮することによって閉塞される。絶縁グロメットは、負端子キャップを電池ハウジングから電気的に絶縁する。反対側の閉塞端部にある電池ハウジングの一部は、正端子を形成する。
【0003】
多様な電気化学電池、特にアルカリ電池の設計に関連する問題は、電池が特定地点、普通は、電池の耐用容量の完全な消耗の地点付近を超過して放電し続けると、電池はガスを発生する傾向があることである。電気化学電池、特にアルカリ電池は、従来的には、エンドキャップ組立体内に破裂可能な隔膜又は破裂可能な膜を備える。破裂可能な隔膜又は膜を例えば米国特許第3,617,386号に記載されるようなプラスチック絶縁部材内に形成し得る。
【0004】
従来技術は破裂可能な通気隔膜を開示し、それはエンドキャップ組立体内に含まれる絶縁ディスク内の薄肉領域として一体的に形成される。そのような通気隔膜は、例えば、米国特許第5,589,293号に示されるように、電池の長手軸に対して直交する平面内に位置するよう向けられ得るし、或いは、それらは、米国特許第4,227,701号に示されるように、電池の長手軸に対して傾斜して向けられ得る。米国特許第6,127,062号は、絶縁封止ディスクと、一体成形された破裂可能な隔膜とを開示し、それは垂直に、換言すれば、電池の中心長手軸と平行に向けられている。電池内のガス圧が所定レベルまで上昇すると、膜は破裂し、それによって、エンドキャップを通じて外部環境にガス圧を解放する。
【0005】
電気化学電池内のガス圧を解放するための他の種類の通気口が従来技術に開示されている。1つのそのような通気口は、レシート可能なゴム栓であり、それは小さな平面的な長方形状の充電式ニッケル水素電池と関連して効果的に用いられてきた。レシート可能なゴム栓通気口を備える1つのそのような充電式電池は、Gold Peak Batteries(香港)によって製造される電池型式GP14M145として商業的に入手可能な7/5−F6サイズの充電式ニッケル水素電池である。ゴム栓は、キャビティ内の傾斜開口内に緊密に位置するよう或いは電池のエンドキャップ組立体に着座するよう物理的に圧縮される。電池の内部ガス圧が所定レベルに達すると、栓はその座から持ち上がって離れ、それによって、下に位置する開口からガスを逃がす。電池内のガス圧が通常に戻ると、栓は再着座する。
【0006】
主要なアルカリ電気化学電池は、典型的には、亜鉛陽極活性化材料と、アルカリ電解質と、二酸化マンガン陰極活性化材料と、典型的にはセルロース又はセルロース誘導体及びポリビニルアルコール系繊維の電解質透過性分離フィルムとを含む。陽極活性化材料は、例えば、カルボキシルメチルセルロースナトリウム又はアクリル酸共重合体のような従来的なゲル化剤及び電解質と混合された亜鉛粒子を含み得る。ゲル化剤は、亜鉛粒子を橋架し、それらを相互に接触して維持する働きをする。典型的には、陽極活性化材料内に挿入される伝導性金属釘は、陽極電流コレクタとして働き、それは負端子エンドキャップに電気的に接続される。電解質は、アルカリ水酸化金属、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、又は、水酸化リチウムの水溶液であり得る。陰極は、導電性を増大するために導電性添加剤、典型的には、黒鉛材料と混合された電気化学活性化材料として、粒子状二酸化マンガンを典型的に含む。選択的に、少量の高分子結合剤、例えば、ポリエチレン結合剤、及び、チタン含有化合物他の添加剤を、陰極に加え得る。
【0007】
陰極において用いられる二酸化マンガンは、好ましくは、硫酸マンガン及び硫酸の浴槽の直接電気分解によって生成される電解二酸化マンガン(EMD)である。EMDは高密度及び高純度を有するので、EMDが望ましい。EMDの電気伝導率(抵抗率)はかなり低い。個々の二酸化マンガン粒子間の電気伝導率を向上するために、導電性材料が陰極混合物に加えられる。そのよう導電性添加剤は、二酸化マンガン粒子と電池ハウジングとの間の電気伝導率も向上し、それは従来的な円筒形アルカリ電池における陰極電流コレクタとしても作用する。適切な導電性添加剤は、例えば、黒鉛、黒鉛状材料、アセチレンブラックを含むカーボンブラックのような、伝導性炭素粉末を含み得る。好ましくは、伝導性材料は、薄片状の結晶性天然黒鉛、又は、展伸若しくは剥離黒鉛若しくは黒鉛状炭素ナノ繊維及びそれらの混合物を含む薄片状の結晶性合成黒鉛を含む。
【0008】
小型サイズの長方形状の充電式電池が現在入手可能であり、それらはMP3オーディオプレーヤー及びミニディスク(MD)プレーヤーのような小型電子装置に電力供給するために用いられる。これらの電池は、典型的には、幾分チューインガムパックのサイズの小さな立方体(直平行六面体)の形状である。ここで用いられる「立方体」という用語は、その普通の幾何学的定義、即ち、「直平行六面体」を意味するものとする。例えば、そのような電池は、例えば、国際電気標準会議(IEC)によって定められるそのような電池のための標準サイズに従った置換可能な充電式ニッケル水素(NiMH)サイズF6又は7/5F6サイズの立方体の形態であり得る。F6サイズは、6.0mmの厚さ、17.0mmの幅、及び、35.7mmの長さを有する(ラベルなし)。長さが約48.0ぐらいの大きさであり得るF6サイズのバージョンがある。7/5−F6サイズは、6.0mmの厚さ、17.0mmの幅、及び、67.3mmの長さを有する。IEC規格によれば、7/5−F6サイズの許容偏差は、厚さが+0,−0.7mm、幅が+0,−1mm、長さが+0,−1.5mmである。MP3オーディオプレーヤー又はミニディスク(MD)プレーヤーのような小型デジタルオーディオプレーヤーに電力供給するために用いられるとき、F6又は7/5F6NiMH充電式電池の平均運転圧力は、約1.1〜1.4ボルトの間であり、典型的には、1.12ボルトである。
【0009】
ミニディスク(MD)プレーヤーに電力供給するために用いられるとき、電池は約200〜250ミリアンペアの速度で消耗される。デジタルオーディオMP3プレーヤーに電力供給するために用いられるとき、電池は約100ミリアンペアの速度で消耗されるのが典型的である。
【0010】
ミニディスク(MD)又はMP3プレーヤーのような小型電子装置に電力供給するために、小型アルカリサイズ電池をニッケル水素電池と置換可能に用い得るよう、小型サイズの立方体形状(直平行六面体)のニッケル水素電池と同じサイズ及び形状の小型の平面アルカリ電池を有するのが望ましい。
【0011】
小型の長方形状の充電式電池、具体的には、小型サイズの充電式ニッケル水素電池の代わりとして、主(非充電式)アルカリ電池、好ましくは、亜鉛/MnO2アルカリ電池を使用するのが望ましい。
【0012】
しかしながら、長方(立方体)形状の主Zn/MnO2アルカリ電池の設計に関連する特別な問題は、電極が電池放電中に膨張する傾向があることである。放電中、陽極及び陰極の双方が膨張する。
【0013】
所与のハウジング壁厚に関して、長方形状の電池ハウジングは、同程度のサイズ及び容量の円筒形状ハウジングよりも、(ガス化及び陽極膨張に起因する)電池内部圧力の所与の増大に余り耐え得ない。これは、任意の所与圧力及びハウジング壁厚に関して、類似サイズの円筒形状ハウジング上に加えられるよりも著しく高い、長方(立方体)形状ハウジング上に加えられる円周応力(フープ応力)の故である。ハウジングの壁厚を著しく増大することによって、長方形状の電池に関連するバルジング又は膨張の問題を克服し得る。しかしながら、ハウジング壁厚の著しい増加は、小さな全体的な厚さ、例えば、約10mmより下の厚さの長方形状電池用の陽極及び陰極材料のために利用可能な容量の著しい減少を招き得る。付加される壁厚は、電池の製造コストを増加させる。この関係で、ハウジング壁厚を約0.50未満、好ましくは、約0.47mm未満に保つのが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
よって、長方(立方体)形状ハウジングを有するが、通常の電池使用中にハウジングが著しく膨らまず若しくは膨張しないF6又は7/5−F6サイズ電池のような、小型の平面(非充電式)アルカリ電池を設計するのが望ましい。
【0015】
そのような長方形状電池を同一サイズの平面充電式ニッケル水素電池の代わりとして用い得るのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の主たる特徴は、放電後に水素ガスを発生する(非充電式)アルカリ電池に主として向けられ、該電池は、外部ケーシング(ハウジング)と、ガス圧力が所定値に達するときに水素ガスを電池から逃がす通気機構を含むエンドキャップ組立体とを有する。ケーシングは、電池の長さに沿って走る少なくとも一組の対向する平面壁を有する。
【0017】
エンドキャップ組立体がケーシングの開放端部に挿入され、ケーシングを閉塞するために、クリンプ加工又は溶接によって封止される。ケーシング縁部は、開放端部で、典型的にはナイロン又はポリプロピレンの絶縁封止部材上にクリンプ加工され、開放端部内に挿入され得るが、開放端部を閉塞するために、金属カバーをケーシングにレーザ溶接するのが好ましい。アルカリ電池は、平行六面体の形状であり得るが、望ましくは、立方体(直平行六面体)の形状である。よって、ケーシングは好ましくは立方体形状であり、それは如何なる一体的な筒形状部分も有しない。アルカリ電池は、望ましくは、亜鉛を含む陽極と、水性アルカリ電解質、好ましくは、水酸化カリウムの水溶液とを有する。
【0018】
エンドキャップ組立体は、通気機構と、好ましくは、長方形状の金属カバーとを含む。カバーは、電池含有物がケーシング内に挿入された後に、ケーシングの開放端部を閉塞するために用いられる。もし絶縁体又は絶縁封止部材が前記カバーの縁部とケーシング縁部との間に挿入され、ケーシング縁部が絶縁体上にクリンプ加工されるならば、金属カバーは、電池の負端子を形成し得る。代替的に、カバーをケーシング縁部に直接的に溶接し得る。もしカバーがケーシング縁部に溶接されるならば、電池の負端子として機能するよう、カバーから絶縁された別個のエンドキャップを陽極と電気的に連絡して用い得る。ケーシングは正であり、電池の正端子を形成する。
【0019】
1つの特徴において、金属カバーは、ケーシングの開放端部を閉塞するために、ケーシング縁部に直接的に溶接され、プラスチックエキステンダー封止が金属カバー上に積層され、次いで、負エンドプレートがプラスチックエキステンダー上に積層される。他の特徴において、プラスチックエキステンダーの代わりに、紙ワッシャを用い得る。
【0020】
好ましくは複数のコンパクト化されたスラブ又はディスクの形態のMnO2を含む陰極が挿入される。陰極スラブ又はディスクは好ましくは長方形状であり、それぞれスラブの厚さを通じて走る中心中空コアを有する。スラブは積み重なるように挿入される。スラブは、その外面がケーシングの内面と接触するよう、電池の長さに沿って整列される。積層陰極スラブは、電池の長手軸に沿って走る中心中空コアを形成する。積層陰極スラブ内の中心中空コアは、陽極キャビティを形成する。スラブ内に中心中空コア(陽極キャビティ)を定める各陰極スラブの内面は、好ましくは湾曲面である。そのような湾曲した内面は、移送及び処理期間中に、スラブの機械強度を向上し、電解質透過性隔離板と陰極との間のより均一な接触をもたらす。隔離板の外面が陰極の内面と当接し且つ密接に接触するよう、隔離板は電池の中心中空コア(陽極キャビティ)内に挿入される。亜鉛粒子を含む陽極スラリーが、陽極と陰極との間の接合面をもたらす隔離板を備える陽極キャビティ内に挿入される。エンドキャップ組立体は細長い陽極電流コレクタを有し、それは陽極スラリー内に挿入され且つ電池の負端子と電気的に連絡する。エンドキャップ組立体は、絶縁封止部材を有し、それはそのような陽極電流コレクタを電池の外部ケーシングから絶縁する。
【0021】
陽極キャビティが、電池の長手軸に対して直交する平面に沿った陰極スラブの断面を取った後に平面で見られるときに、陽極キャビティは、好ましくは細長い又は長円形構造を有する。外部ケーシング(ハウジング)は、望ましくは鋼であり、好ましくはニッケルめっき鋼である。ケーシング壁厚は、望ましくは約0.30〜0.50mmの間、典型的には約0.30〜0.45mmの間、好ましくは約0.30〜0.40mmの間、より望ましくは約0.35〜0.40の間である。
【0022】
1つの特徴において、再使用可能な或いは再活性化可能な通気口、好ましくは、レシート可能な栓通気機構を、主通気機構として用い得る。レシート可能な栓は、約100〜300psig(689.5×103〜2069×103パスカルゲージ)の間、望ましくは約100〜200psig(689.5×103〜1379×103パスカルゲージ)の間の電池の内部ガス圧力が閾値レベル圧力P1に達するときに活性化するよう設計されるのが好ましい。
【0023】
他の特徴において、もう1つの離間した溝通気口、好ましくは、ケーシング表面上の少なくとも1つの打抜き又は刻込み領域を含む単一の連続的な溝通気口(鋳造通気口)を、主通気機構として用い得る。溝通気口は、下方に位置する薄肉領域が約250〜800psig(1724.5×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の圧力P1で破裂するよう、ケーシング表面に打ち抜かれ、切断され、或いは、刻み込まれ得る。そのような設計では、レシート可能な栓を除去し得る。好ましくは、溝通気口は、正端子近傍のケーシングの閉塞端部近傍に位置付けられる。溝境界を閉塞或いは開放し得る。溝は、好ましくはケーシング縁部と平行な、直線又は実質的直線であり得る。溝幅は、典型的には小さく、例えば、約1mm未満である。しかしながら、ここでもちいられるような「溝」又は「溝通気口」という用語は、如何なる特定の幅又は形状に限定されることは意図されず、むしろ、電池内のガス圧力が標的閾値レベルに達するときに亀裂し或いは破裂することが期待される下方に位置する薄肉の材料領域をもたらす、電池のケーシングの如何なる凹みをも包含する。非限定的な実施例として、7/5−F6サイズの長方形電池には、好ましくはケーシング閉塞端部近傍に、ケーシングの広い面に位置付けられ且つ広い縁部と平行な溝通気口がある。複数のそのような溝通気口があり得るが、ケーシングの広い側面上にあり、長さが約8mmであり、且つ、ケーシングの閉塞端部から約5〜10mmの単一の溝通気口だけがあるのが望ましい。
【0024】
本発明のそのような特徴において、薄肉材料が下方に位置する溝通気口は、電池内のガス圧力が約250〜800psig(1724×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の設計爆発圧力P1に達するときに破裂するよう設計され得る。約250〜800psig(1724×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の爆発圧力におけるそのような範囲を達成するために、薄肉材料が下方に位置する溝は、約0.04〜0.15mmの間の厚さを有し得る。代替的に、薄肉材料が下方に位置する溝通気口は、電池内のガス圧力が約400〜800psig(2758×103〜5515×103パスカルゲージ)の間、望ましくは約400〜600psig(2758×103〜4136×103パスカルゲージ)の間の設計爆発圧力に達するときに破裂するよう設計され得る。400〜800psig(2758×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の破裂圧力を達成するために、薄肉材料が下方に位置する溝は、約0.07〜0.15mmの間の厚さを有し得る。
【0025】
ケーシング表面を型、好ましくは切断ナイフ縁部を有する型で打ち抜くことによって溝通気口を作成し得る。打抜き型がケーシング外面を先行するときに、マンドレルがケーシングの内面に対して保持される。溝は、等長側面を有するV字形状或いは非等長側面を有するV字形状に便利に切断され得る。前者の場合、V字形状溝を形成する側面は、望ましくは約40度の鋭角を形成し、後者の場合、それらは好ましくは10〜30度の間の角度を形成する。
【0026】
溝通気口と共に、金属カバーをケーシングに固定する1つ又はそれ以上のレーザ溶接部を含む補足的な通気システムがあり得る。そのような溶接部は、薄肉領域が下方に位置する溝通気口の破裂圧力P1よりも高い圧力で破裂するよう設計され得る弱い溶接部及び強い溶接部の一方又は双方から成り得る。そのようなレーザ溶接は、Nd:Yagレーザを用いてなされる。
【0027】
本発明の特徴において、1つだけのレーザ溶接部、即ち、金属カバーの周縁全体をケーシングに固定する強い溶接部があり得る。強い溶接部は、壊滅的条件の下で、例えば、もし電池が極めて高い電流の下で或いは電池内のガス発生を約800psig〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)の間のレベルに急激に上昇させる極めて不正使用の条件の下で不注意に充電に晒されるならば破裂するよう設計される補足的な通気システムとして機能し得る。
【0028】
よって、好適な特徴において、電池ケーシング上を打ち抜かれた或いは切断された少なくとも単一の溝通気がある。単一の溝通気機能は電池の主要通気機構として機能し、その場合には、薄肉材料が下方に位置する溝は、もし電池内のガスが約250〜800psig(1724×103〜5515×103パスカルゲージ)の間、より典型的には約400〜800psig(2758×103〜5515×103パスカルゲージ)の間のレベルに上昇するならば破裂するよう設計される。そして、金属カバーの縁部をケーシングに固定する強いレーザ溶接部を含む補足的通気システムが組み合わせがある。そのような強いレーザ溶接部は、電池内のガスが約800psig〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)の間のレベルに急激に上昇する壊滅的状況の場合に亀裂し或いは破裂するよう設計される。そのような場合には、電池内のガスは破裂を通じて迅速に逃げ、電池の内部圧力は直ちに通常レベルに戻る。
【0029】
本発明の特徴において、電池は、陰極が超過するよう平衡される。望ましくは、電池は、(グラム当たり820ミリアンペア−時間の亜鉛の理論比値に基づく)亜鉛のミリアンペア−時間容量によって割り算された(グラム当たり370ミリアンペア−時間のMnO2の理論比値に基づく)MnO2の理論容量の比率が、約1.15〜2.0の間、望ましくは約1.2〜2.0の間、好ましくは約1.4〜1.8の間であるように平衡される。ここの平面アルカリ電池の設計は、亜鉛の理論容量に対するMnO2の理論容量のより高い比率で、全体的な膨張の量を低減することが測定された。全体的な膨張を減少するために、亜鉛の理論容量に対するMnO2の理論容量の比率は、約2.5の高さ或いは約3.0まででさえあり得るが、電池設計は、約2.0より上のそのように高い比率で、電池容量をより顕著に減少し、よって、その観点から余り望ましくなくなる。何故これが起こるかは確実に知られていない。それは部分的には亜鉛の殆ど全てが放電されるという事実の故であり得る。そのような場合には、たとえあったとしても僅かの水酸化亜鉛中間体が陽極内に残るだけであり、それは膨張を引き起こし得る。
【0030】
ケーシング外側の厚さに対する陽極の厚さの比率は、望ましくは約0.30〜0.40の間である。(そのような厚さは、電池の外側厚さを横断して、電池の長手軸と平行な平面に沿って測定される。)放電後の電池の膨張はそれによって制御され、平面又は長方形状のアルカリ電池が携帯デジタルオーディオプレーヤー及び類似物のような電子装置のための主電源として用いられるのを可能にする。
【0031】
1つの特徴において、アルカリ電池は、小さな立方体(直平行六面体)の全体的形状を有し、典型的には約5〜10mmの外側厚さ、具体的には約5〜7mmの厚さを有する。外側厚さは、電池の短い寸法を定めるハウジングの対向側面の外側面の間の距離によって測定される。そのような実施態様では、本発明の主(非充電式)アルカリ電池を、例えば、小型サイズの平面充電式電池の取替えとして用い得る。具体的には、そのような主アルカリ電池を、同一サイズの充電式ニッケル水素電池、例えば、7/5−F6サイズの長方形の充電式ニッケル水素電池のための取替えとして用い得る。
【0032】
本発明の特徴において、隔離板を開放端部及び反対側の閉塞端部を有するバッグ形状に組み立て得る。単一シートの隔離板材料を巻き付け且つ一端を接着剤又は熱封止で閉塞することによって、そのような隔離板を容易に形成し得る。陰極ディスクが電池ケーシング内に挿入された後、次に、巻き付けられた隔離板は、隔離板表面が露出された陰極表面に面するよう挿入される。好ましくは、隔離板の幅は、陽極キャビティ全体の幅よりも幾分少ない。この結果、隔離板の1つの短い側面と陰極ディスクとの間に間隙が得られる。間隙は、約2〜4mmの間、好ましくは約2〜3mmの間である。次に、隔離板の開放端部を通じて、陽極材料を陽極キャビティ内に充填し得る。この結果、陽極材料、陰極材料、及び、それらの間の隔離板で充填されたケーシングが得られ、この場合には、隔離板の1つの短い側面と陰極との間に間隙(空所)がある。
【0033】
追加的なアルカリ電解液を間隙内に注入することによって、追加的なアルカリ電解液を電池内部に今や加え得る。陽極及び陰極が電池内の所定位置に配置された後に少量の追加的な電解液を電池内部に追加するのが望ましくあり得る。望ましくは増分電解質計量分配の間に短い時間間隔を備えて、追加的な電解液を小さな増分で隔離板と陰極との間の前記間隙に加え得る。代替的な実施態様では、陰極が所定位置に配置された後、陽極が陽極キャビティ内に挿入される前に、追加的な電解質の一部を間隙に加え得る。次に、陽極材料が電池の陽極キャビティ内に挿入され、然る後、追加的な電解液が間隙に加えられ得る。最後の量のアルカリ電解質が隔離板と陰極との間の間隙に加えられた後、陽極は膨張し、隔離板表面を陰極に対して面一に押し付け、よって、間隙を消失させる。
【0034】
追加的な電解液は、陽極の利用及び全体的な電池性能を向上するのに役立ち得る。それは電池の膨張を抑制する傾向のある要因であり得る。もし追加的な電解質が前記間隙に加えられるならば、電解質の吸収を可能にするために、計量分配間に例えば約1〜4分の間で十分な時間遅延を備えて、それは計量分配増分で加えられるのが好ましい。そのような手順は、エンドキャップ組立体キャビティ、即ち、陽極上の空間への電解質のオーバーフローを引き起こさずに、陽極及び陰極への追加的な電解質の吸収を可能にする。そのようなオーバーフローは、ケーシングに対する金属カバーの均一なレーザ溶接を妨げるのに十分な金属カバー表面及び縁部の湿潤を引き起こす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明の平面アルカリ電池10の具体的な実施態様が図1乃至5に示されている。電池10は、少なくとも2つの平面的な対向する側面を有し、それらは電池の長手軸と平行である。図1及び1Aに最良に示されるように、電池は長方形状、換言すれば、立方体であるのが好ましい。ここで用いられる「立方体」という用語は幾何学的定義を意味し、それは直平行六面体である。しかしながら、電池10は平行六面体でもよい。図面に示されるような外部ケーシング100は、好ましくは立方体形状であり、よって、如何なる一体的な円錐形状部分も有さない。電池10は、典型的には、その幅よりも小さな厚さ、且つ、その長さよりも小さな幅を有する。電池の厚さ、幅、及び、長さが異なる寸法であるとき、厚さは、普通、これらの3つの寸法のうちで最小と考えられる。
【0036】
電池は、好適にはニッケルめっき鋼の立方体形状ケーシング(ハウジング)100を含むのが好ましい。ケーシング100の背面は、例えば、商品名TIMREX E−LB炭素塗膜の下で入手可能な溶剤に基づく炭素塗膜の層で被覆されるのが好ましい。図面に示される実施態様において、ケーシング(ハウジング)100は、一組の対向する大きな平面的な壁106a,106bと、一組の対向する小さな平面的な壁107a,107bと、閉塞端部104と、反対側の開放端部102とによって境界付けられている。電池の厚さは、壁106a,106bの外面の間の距離によって定められる。電池の幅は、壁107a,107bの外面の間の距離によって定められる。ケーシング100は、伝導性を向上するために、その内面が炭素又はインジウムの層で被覆されるのが望ましい。陽極150と、陰極110と、それらの間の隔離板140とを含む電池含有物は、開放端部102を通じて供給される。好適実施態様において、陽極150は粒子状亜鉛を含み、陰極110はMnO2を含む。水酸化カリウムの水溶液が陽極及び陰極の一部を形成する。
【0037】
図5に最良に示されるように、陰極110は、その厚さを通じて中空中心コア110bを有する複数のスラブ110aの形態であり得る。陰極スラブ110aは、全体的に長方形状である。図2、3、及び、5に示されるように、陰極スラブ110aはケーシング100内に挿入され、電池の長さに沿って垂直に積み重なって積層化されている。ケーシング100内への挿入後、各陰極スラブ110aを再圧縮し得る。そのような再圧縮は、各陰極スラブ110aの外面がケーシング100の内面と緊密に接触することを保証する。好ましくは、陰極スラブ110a内の中空中心コア110bは、陽極スラリー150を受容するために電池の長手軸190に沿って1つの連続的な中心コアを形成するよう整列される。選択的に、ケーシング100の閉塞端部104に最も近い陰極スラブ110aは、閉塞端部104の内面に当接し且つ被覆する底面を有し得る。
【0038】
陰極スラブ110aをダイカスト又は圧縮成形し得る。代替的に、中空コアを有する単一の連続的な陰極110を形成するようノズルを通じて押し出される陰極材料で陰極110を形成し得る。中空コア110bを備える複数のスラブ110aを用いても陰極110を形成可能であり、その場合には、各スラブはケーシング100内に押し出される。
【0039】
陰極110の挿入後、図2、3、及び、5に示されるように、隔離板140の外面が陰極の内面に当接するよう、電解質透過性隔離板140が、次に、各スラブ110aの中心コア110b内に位置付けられる。前記中空中心コア110bを定める各陰極スラブ110aの内面は、好ましくは曲面である。そのような湾曲した内面は、移動及び処理期間中、スラブの機械的強度を向上し、隔離板140と陰極110との間のより均一な接触をもたらす。
【0040】
スラブ110aの中心コア110bは、上記されたように、1つの連続的なコアを形成するよう整列される。隔離板240の挿入後、連続的なコアは、陽極材料150を収容するための陽極キャビティ155を形成する。陽極キャビティは、陰極材料の全くない陰極スラブ110aの中心コアの内側にある。陽極キャビティ155は、電池の長手軸190に対して直交する平面に沿って陰極スラブ110aの断面を取った後の平面図(図4B)で見られるとき、細長い又は長円の形状を有する。境界パラメータ156によって定められる陽極キャビティ155の断面は、楕円形又は実質的に楕円形である。キャビティ155は、短い寸法D2よりも大きな長い寸法D1を有する。よって、キャビティ155は、電池の狭い側面(107a又は107b)と平行な平面の方向の直径(又は幅)D2よりも大きな、電池の広い側面(106a又は106b)と平行な平面の経路に沿った直径(又は幅)D1を有し得る。よって、非限定的な実施例として、陽極キャビティ155は、中心長手軸190に対して直交する平面に沿った断面で見られるときに、楕円形状を取り得るし、或いは、実質的に楕円形のようであり得る。陽極キャビティの対向する長い境界縁部158a,158bは、断面(図4B)で見られるときに、全体的な構造が完全な楕円ではないが、それにも拘わらず図示のように細長い或いは長円形であるよう、平面的或いは実質的に平面的であり得る。
【0041】
キャビティ155は、電池の中心長手軸190に対して直交する平面によって陰極スラブ110aを切断することによって得られる断面(図4B、4C、及び、4D)で見られるときに、細長い又は長円形の形状を有する。そのような細長い形状は、図4Cに示されるような細長い多角形又は長方形状であり得る。境界パラメータ156によって定められるキャビティ155の長い寸法D1及び短い寸法D2を定める軸を、図4Dに示されるように傾斜し得る。好ましくは、電池中心長手軸190(図1A)に対して直交する平面によって陰極スラブ110aを切断することによって得られる断面(図4B)で見られるときに、キャビティ155は、湾曲した境界パラメータ156の少なくとも一部を有する。キャビティ155は長円形構造であるのが望ましい。好適実施態様では、キャビティ155を定める実質的に全ての境界パラメータ156が湾曲している。具体的には、図4Bに最良に示されるように、少なくとも、電池の対向する狭い側面107a,107bに最も近い、キャビティ155の対向する表面157a,157bは、湾曲しているのが望ましい。好ましくは、上記のような断面で見られるときに、キャビティ155の実質的に全てのパラメータ156は湾曲している。図4Bに示されるように外側ケーシング100から見られるときに、対向する長い縁部158a,158bは、外向きに湾曲している(凸状である)のが好ましい。しかしながら、長い縁部158a,158bは平面的又は実質的に平面的であり得る。代替的に、例えば、交互の凸状及び凹状の表面を有することによって、長い縁部158a,158bは僅かに内側に湾曲し(凸状になり)得るし、或いは、僅かに外向きに湾曲し(凹状になり)得る。同様に、短い縁部157a,157bは、僅かに内側に湾曲し(凸状になり)得るし、或いは、僅かに外向きに湾曲し(凹状になり)得るし、或いは、例えば、交互に凹状及び凸状の表面を有することによって、回旋状の湾曲であり得る。電池の長手軸に対して直交する平面に沿って取られた陰極スラブ110aの如何なる断面にも、平面内の最大長さを表わすキャビティ155の長い寸法D1と、前記平面内の最大幅を表わす短い寸法D2もある。長い直径(D1)は、普通、電池の広い側面(106a,106b)と平行な平面に沿った方向にあり、小さい寸法(D2)は、図4Bに示されるような電池の狭い側面(107a,107b)と平行な平面に沿った方向にある。キャビティ155は、上記されたような断面で見られるときに、少なくともある曲率を有し、D1/D2の比率が1.0よりも大きいことによって特徴とし、それが細長い或いは長円構造であることを反映している。長手軸190に対して直交する平面に沿って取られた断面で見られるときに、キャビティ155の形状は、1.0よりも大きな1/D2比率を有する対称的な長円構造を有するのが望ましい。そのような場合には、寸法D1及びD2は、図4Bに示されるように、互いに直交している。特別な非制限的な実施例として、キャビティ155の形状は、そのような断面で見られるときに、長円形状であり、且つ、楕円又は実質的に楕円であり得る。
【0042】
陽極150は、亜鉛粒子及び水性アルカリ電解質を含むゲル化亜鉛スラリーの形態であるのが好ましい。陽極スラリー150は、電池の長手軸190に沿って電池の中心コア155内に注入される。よって、陽極150は、それらの間の隔離板140によって、直接的な接触から隔離されている。
【0043】
電池含有物の供給後、次に、電池を封止し且つ負端子290を提供するために、電池組立体(図4)は、開放端部102内に挿入される。ケーシングの閉塞端部104は、電池の正端子として機能し得る。突出する正ピップを提供するために、閉塞端部104を引き抜き或いは打ち抜きし得るし、さもなければ、図1Aに示されるように、突出ピップ180を有する別個のエンドプレート184をケーシング104の閉塞端部104に溶接し得る。
【0044】
エンドキャップ組立体12の具体的な実施態様を構成する構成要素が、図4に最良に示されている。エンドキャップ組立体12は、細長い陽極電流コレクタ160と、絶縁封止部材220と、封止部材220の上に位置する金属カバー230と、絶縁封止部材220を部分的に貫通する金属リベット240と、金属カバー230からリベット240を絶縁するプラスチックスペーサ250と、リベット240内のキャビティ248内に位置するゴム通気栓260と、プラスチックエキステンダー封止280と、プラスチックエキステンダー280上の負端子プレート290とを含む。
【0045】
リベット240内のキャビティ248内に位置するときのゴム通気栓260と、ゴム栓260上の通気ピップキャップ270とが開示され、Gold Peak Battery(香港)によって製造される商業的な7/5−F6サイズの長方形状の充電式ニッケル水素電池型番GP14M145と関連して用いられることが認知される。しかしながら、本特許出願の出願人は、エンドキャップ組立体が全体的に前記充電式ニッケル水素電池型番GP14M145において腐食を引き起こし、主要な亜鉛/MnO2アルカリ電池に適用されるならば、気泡発生を促進することを測定した。電流コレクタの最も広い部分は電池ハウジング内面に極めて近い(約0.5mm未満)ので、そのような腐食は細長い電流コレクタと電池ハウジングの背面との間で発生することが分かった。電流コレクタ160の広い部分、即ち、フランジ161は、レシート可能な通気栓設計と関連して用いられることが理解されよう。電流コレクタのそのような広い部分(フランジ161)が必要とされるのは、電流コレクタが絶縁封止部材220の下面にリベット締めされるからである。よって、フランジ161は、そこにリベット240のベース246を締結するのに十分な広さでなければならない。もし電池10が小型サイズの平面電池、例えば、約5〜10mmの全体的な厚さを有する立方体形状の電池であるならば、フランジ161の縁部は、従って、ケーシング100の内面に近接して終端する。
【0046】
本出願人は、絶縁封止部材に囲繞スカート226を提供するために、絶縁封止部材220を設計変更することによって、電流コレクタ160と絶縁封止部材220とを含むサブ組立体を変更した。絶縁封止スカート226は、陽極電流コレクタ160の最も広い部分、即ち、フランジ161を取り囲む。よって、絶縁スカート161は、電流コレクタフランジ161とケーシング100内面との間に障壁をもたらす。絶縁スカート161は、電池放電期間中、フランジ161とケーシング100内面との間の空間において、腐食性化学薬品、典型的には、複合体又は化合物を含有する金属の生産を削減することが測定された。そのような腐食性化学薬品は、もし大量に生成されるならば、電池性能と干渉し、電池の気泡発生を促進し得る。また、ここに記載される変更された設計において、陽極電流コレクタ160の最も広い部分、即ち、フランジ161は、ハウジング内面から、約0.5〜2mmの間、好ましくは約0.5〜1.5mmの間である。これは、電流コレクタフランジ161を取り囲む絶縁封止スカート226の使用との組み合わせにおいて、電流コレクタの広い部分(フランジ161)とケーシング100内面との間の如何なる顕著な量の腐食性化学薬品の生成をも防止することが測定された。次いで、そのような本発明の変更された設計は、レシート可能なゴム通気栓組立体を平面的主要アルカリ電池のための実現性のある通気機構として適切にする。
【0047】
図4及び5に最良に示されるエンドキャップ組立体12の構成要素を以下のように組み立て得る。陽極電流コレクタ160は、底端において先端部で終端し且つ頂端において外向きに延びる一体型フランジ161で終端する細長いシャフト162を含み、一体型フランジはシャフト162に対して直角であるのが好ましい。よって、電流コレクタ160が陽極150内に挿入されると、外向きに延びるフランジ161は、シャフト162よりもケーシング100の内面に近接し得る。絶縁封止部材220は、頂部パネル227と、反対側の開放底部228とを有する。絶縁封止部材220は、耐久性があり、アルカリに対する耐性があり、且つ、水素透過性を有するナイロン66又はナイロン612から成るのが好ましい。代替的に、絶縁封止部材220は、耐久性があり、且つ、水素透過性を有するポリプロピレン、タルク充填ポリプロピレン、スルホン化ポリエチレン、又は、他のポリアミド(ナイロン)等級から構成され得る。絶縁部材220は、ケーシング100の開放端部102内に滑り嵌めし得る長方形であるのが好ましい。絶縁封止部材220の頂端部227から延びる対向する側壁226a及び対向する側壁226bは、下向きに延びるスカート226を頂部パネル227の周りに形成する。スカート226は、前記絶縁封止部材220の開放底部228の限界を定める。頂部パネル227を貫通する開口224がある。金属カバー230があり、それは貫通する開口234を有する金属プレートであり得る。ヘッド247とベース245とを有する金属リベット240がある。リベット240はニッケルきっき鋼又はステンレス鋼であり得る。リベット240はヘッド247内にキャビティ248を有する。キャビティ248は、リベットヘッド247及びリベットシャフト245を完全に貫通する。電流コレクタ160のフランジ161が前記封止部材220のスカート226によって取り囲まれ且つ保護されるよう、電流コレクタ160のフランジ161は、絶縁封止部材220の開放底部228内に挿入される。図4に示されるように、電流コレクタ160のフランジ部161は、そこを貫通する開口164を有する。リベット240のベース246を前記開口164に通し、前記リベットと電気接触する電流コレクタ160を保持するために、前記フランジ161にリベット締めし得る。
【0048】
そのような実施態様において、絶縁スカート226は、電流コレクタのフランジ161と電気のケーシング100の内面との間の障壁をもたらす。陽極電流コレクタ160の如何なる表面と電池のケーシング100内面との間の、例えば、約0.5mm未満の狭い間隙も、アルカリ電池の放電期間中に腐食性副産物が生じ得る領域を提供し得ることが測定された。次いで、これは、陽極電流コレクタ160の隣接領域を不動態化し、気泡発生を促進し得る。絶縁封止部材220の下向きに延びるスカート226は、一体型フランジ161のような電流コレクタ160の外向きに延びる部分を取り囲み、それによって、電流コレクタ160の最も広い部分とケーシング100との間に障壁をもたらすことが意図されている。これは腐食問題を解決し且つ気泡発生を減少することが測定された。本出願人は、電流コレクタの最も広い部分を設計変更することによって、好ましくは、障壁、即ち、陽極電流コレクタ160の最も広い部分、即ち、フランジ161を取り囲む絶縁スカート226を設けることによって設計を変更した。ここの以下の段落において、スカート226の配置及び効果をより詳細に記載する。ここに記載された本出願人の変更された設計において、陽極電流コレクタ160の最も広い部分、即ち、フランジ161は、ハウジング内面から約0.5〜2mmの間、好ましくは、約0.5〜1.5mmの間である。また、囲繞絶縁スカート226は、電流コレクタフランジ161とケーシング100との間に障壁をもたらした。これらの設計の機能は、腐食問題を解決し、且つ、レシート可能なゴム通気栓組立体を本発明の平面的主要アルカリ電池のための実現可能な通気機構として適させることが測定された。
【0049】
エンドキャップ組立体12を形成する場合には、電流コレクタ160のフランジ部分161は、そこを貫通する開口164が、絶縁封止部材220の頂部パネル227を貫通する開口224と整列するよう位置付けられる。金属カバー230は、金属カバー230を貫通する開口234が開口224と整列されるよう、絶縁封止部材220の頂部パネル227の上に位置付けられる。プラスチックスペーサディスク250が、スペーサディスク250を貫通する開口252が金属カバー230の開口234と整列するよう金属カバー230の上に挿入される。好適実施態様(図4)において、リベット240のベース246は、プラスチックスペーサ250の開口252に通され、また、金属カバー230の開口に通される。リベット240のベース246も、絶縁封止部材220の開口224及び電流コレクタフランジ161の開口164を通される。プラスチックスペーサ250は、金属カバー230からリベット240を絶縁する。リベットシャフト245のベース246は、絶縁封止部材220の開口224と、陽極電流コレクタ160の頂部フランジ部分161内の下に位置する開孔164を通じて延びる。軌道リベット打機を用いて、リベットシャフトのベース246を、電流コレクタフランジ161の底表面に対する所定位置に打ち込み得る。これはリベットシャフトを絶縁封止部材220の開口224内の所定位置に係止し、また、電流コレクタ160をリベットシャフト245に固定する。これは、電流コレクタ160をリベット240と恒久的に電気接触状態に維持し、リベットシャフト245が絶縁封止部材220の開口224から取り外され或いは取り除かれるのを防止する。リベットヘッド247は、プラスチックスペーサ250上に気密に位置する。これは、リベット240と、プラスチックスペーサ250と、金属カバー230と、絶縁封止部材220と、陽極電流コレクタ160を含むサブ組立体を形成する。さらなる組立てのために準備が出来るまでサブ組立体を保管し得る。
【0050】
組み立てプロセスは、ゴム通気栓260をリベットヘッド247内のキャビティ248内に挿入することによって完成される。栓260は、好ましくは、切頭円錐形状であり、リベットヘッド247内のキャビティ248内に滑り嵌めするよう設計される。栓260は、アルカリ電解質に対して耐性を有する圧縮性の可撓材料から成るのが好ましい。栓260のための好適な材料は、ゴム、好ましくは、ネオプレン若しくはEPDM(エチレン−プロピレンジエンターポリマー)ゴム、又は、他の耐アルカリ圧縮性ゴムである。栓240の表面は、テフロン(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン)、アスファルト、又は、ポリアミドのような非湿潤材によって被覆されるのが好ましい。次に、金属通気ピップキャップ270が、栓260上に挿入される。通気ピップキャップ270は、栓を約0.5mmだけ圧縮するのに十分な力で栓260に押圧される。これは、約200psig(13.79×105パスカル)の内部圧力の蓄積に耐え得る封止をもたらすことが測定された。封止が典型的には約100〜300psig(6.895×105〜20.69×105パスカルゲージ)の間、望ましくは約100〜200psig(6.895×105〜13.79×105パスカルゲージ)の間の内部圧力に耐え得るよう、栓260圧縮を調節し得る。より高い、即ち、300psig(20.69×105パスカルゲージ)より高い圧力に耐える封止を可能にするために、望ましければ、栓260のより高い程度の圧縮も可能である。逆に、望ましければ、封止が100psig未満の任意の所望値にある圧力閾値まで維持されるよう、栓260の圧縮の減少も可能である。通気ピップキャップ270のベース273は、通気キャップ270が栓260上に押圧されるときに、プラスチックスペーサ250の頂面内の圧痕又はクレバス253に嵌入する幾つかの下向きに延びるセグメントを有し得る。これは図5に最良に示されている。通気ピップキャップ270が栓260上へ挿入され、それによって、リベットヘッドキャビティ248内の前記栓を圧縮した後、通気キャップ270はリベットヘッド247に溶接される。栓260は、それによって、リベットヘッドキャビティ248内に圧縮状態に維持される。プラスチックエキステンダー部材280は、通気キャップヘッド271上に配置される。通気キャップヘッド271は、プラスチックエキステンダー280内の開口282を通じて突出する。次に、端子エンドキャップ290(負端子)が通気キャップヘッド271に溶接される。よって、通気キャップ270は、エンドプレート290及びリベット240の双方に溶接される。端子エンドプレート290は、ニッケルめっき冷間圧延鋼又はステンレス鋼、好ましくは、ニッケルめっき低炭素鋼のような良好な機械的強度及び耐食性を有する伝導性金属から構成される。よって、完成されたエンドキャップ組立体12は、電流コレクタ163と恒久的に電気接触する端子エンドプレート290で形成される。
【0051】
次に、完成されたエンドキャップ組立体12は、ケーシング100の開放端部102内に挿入される。電流コレクタシャフト162は、陽極スラリー150内に貫通する。金属カバー230の縁部は、好ましくはレーザ溶接によって、ケーシングの頂部周縁104に溶接される。これはエンドキャップ組立体12を所定位置に確実に保持し、図1及び1Aに示されるように、ケーシング100の開放端部102を封止する。端子プレート290は、電流コネクタ160及び陽極150と電気的に接触し、よって、ここに記載される亜鉛/MnO2アルカリ電池実施態様のための電池の負端子を形成する。負端子プレート290はプラスチックエキステンダー280によってケーシング100から電気的に絶縁されていることが理解されよう。リベット240及び電流コレクタ160は、プラスチックスペーサ250によってケーシング100から電気的に絶縁され、封止部材220を封止する。図1A、2、及び、3に示されるように、ピップ180は、対向するケーシング100の閉塞端部で、電池の正端子を形成する。ピップ180をケーシング100の閉塞端部104から一体的に形成し得るし、或いは、図1Aに示されるように閉塞端部に別個に溶接された別個のプレート184から形成し得る。完成された電池は、図1及び1Aの斜視図及び図2及び3の断面図に示されている。
【0052】
動作中、電池の放電又は蓄電の期間中、もし電池内のガス圧力が蓄積して設計閾値レベルを超えるならば、栓260はリベットヘッドキャビティ248内で外れるようになる。これは、ガスが、リベットヘッドキャビティ248を通じて、次に、通気キャップ270の通気開口272を通じて、電池内部から外部環境に逃げ出すことを可能にする。電池内の圧力が減少すると、栓260はリベットヘッドキャビティ248内で脱座するようになる。
【0053】
追加的な安全機能として、電池は、レシート可能な栓通気260を補足する働きをする第二通気装置を備え得る。補足的通気は、壊滅的状況において、例えば、使用者が平面的に充電可能な電池用の充電器を用いて不注意に主電池10を長時間に亘って充電しようと試みるならば動作するよう設計され得る。本発明の電池10は、主(充電不能電池)であるよう設計される。電池は充電されてはならないという電池ラベル上の十分な書面通知にも拘わらず、使用者が、不注意に、平面的充電器、例えば、平面的ニッケル水素電池を充電するために設計された充電器内で電池の充電を試みる可能性が常にある。もし電池が長時間に亘って充電することを試みることによってこのように不正使用されるならば、内部圧力レベルが突然に上昇し得る危険性がある。
【0054】
もし電池10が(主要な充電不能電池として意図されているに拘わらず)不注意に充電に晒されるならば、栓通気260は外れ、それによって、内部圧力が設計閾値、望ましくは約100〜300(6.895×105〜20.69×105パスカルゲージ)の間の圧力)に達するときに圧力を解放する。圧力が長時間に亘る連続充電後に再び蓄積するならば、栓260は再び脱座する。そのようなプラグ脱座及び再着座のプロセスは多数回反復され、その結果、電池内部からのガス圧力のパルス開放が得られ得る。そのような不正使用条件の下で、KOH電解質が、栓260とリベットヘッドキャビティ248ハウジング栓260の内面との間の自由空間内に漸進的に進入し結晶化する可能性がある。(栓260は、リベットヘッドに溶接された通気キャップ270によって、リベットヘッドキャビティ248内に圧縮状態に保持される。)そのような結晶化されたKOHの蓄積は、栓260と通気キャップ270の内面との間の自由空間の量を減少する。閾値ガス圧力に達したときに、栓260の膨張のために利用可能な自由空間がより少なくなり得るので、充電プロセスが継続されるときに、これは栓260が正しく脱座するのを漸進的により困難にし得る。リベットヘッド248内の少量の自由空間内の結晶化KOHの蓄積も、通気キャップ270内の通気開口272を通じたガスの正しい通気を妨げ得る。
【0055】
栓260と通気キャップ270の内面との間のそのようなKOH結晶蓄積の有害な効果を減少するために、ここでは設計における幾つかの改良が提案される。
【0056】
本発明の通気システムは、主要な及び補足的な通気機構を含み得る。電池内のガス圧力が設計圧力閾値レベルP1まで蓄積すると、主通気機構が活性化される。主通気機構が動作不良となる場合に、或いは、もし電池がガス圧力の急激な蓄積を生む不正使用状況にさらされるならば、より高い圧力レベルP2で活性化する補足的通気機構を有するのが望ましい。例えば、もし電池が不注意に長時間に亘って充電に晒されるならば、1つのそのような不正使用状況が起こり得る。本発明の1つの具体的な実施態様において、レシート可能な栓240は主通気機構として用いられ、それは約100〜300psigの間の設計閾値圧力P1で活性化する。補足的通気機構は、エンドキャップ組立体12又はケーシング本体100の切欠き部内のどこかの弱いレーザ溶接部であり得る。弱いレーザ溶接部は、電池内のガス圧力がより高い圧力P2、望ましくは約400〜800psigの間に達するときに破裂するよう設計される。好ましくは弱い溶接部と接触する強い溶接部もあり得る。
【0057】
金属カバー230とケーシング100の内面との間のレーザ溶接接合面の一部に沿って弱いレーザ溶接部を形成することによって、補足的通気システムの1つの実施態様を提供し得る。(金属カバー230は、ケーシング100の開放端部102を閉塞するために用いられる。)好ましくは、図6に示されるように、金属カバーの長い縁部230a1つの主要部とケーシング縁部108aとの間に、弱い溶接部310aを塗布し得る。電池内のガスが約400〜800psig(2748×103〜5515×103パスカル)の間の圧力まで蓄積するときに溶接部が所望に亀裂し或いは破裂する厚さであるよう、弱いレーザ溶接部310aを塗布し得る。所望の破裂圧力を達成するために、弱い溶接部の浸透深度を調節し得る。約2〜4ミル(0.0508〜0.102mm)の間のレーザ溶接の浸透深度で、約400〜800psig(2748×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の破裂圧力を達成し得る。弱い溶接部は、望ましくは、金属カバー230の長い縁部230aの少なくとも1つの主要部に沿って走り得る。好ましくは、弱い溶接部は、ケーシング100の短い縁部108cと長い縁部108aとの交差する隅部から少なくとも約1mmの地点312aで開始する。よって、平面的7/5−F6電池に関して、弱い溶接部の長さは少なくとも10mm、典型的には約13mmであり得る。
【0058】
金属カバー230の縁部とケーシング縁部(ケーシング縁部107c、107d、106d)(図6)の間の周接合面の残部は、より高い圧力レベル、例えば、約800〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)の間、典型的には約800〜1600psig(5515×103〜11030×103パスカルゲージ)の間の強いレーザ溶接部310bを備え得る。所望の破裂圧力を達成するために、強い溶接部の浸透深度を調節し得る。約5〜7ミル(0.127〜0.178mm)の間のレーザ溶接部の浸透深度で、約800〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)の間の破裂圧力を達成し得る。強い溶接部の浸透深度をより精細に調節可能であり、溶接部が所望の圧力レベル、例えば、約1300〜1600psig(8962×103〜11030×103パスカルゲージ)で破裂するのを可能にする。
【0059】
図6に示されるように、金属ケーシング100の内面に溶接された金属プレート230の縁部が示されているが、金属プレート230の縁部がケーシング100の内面の代わりに金属ケーシングの縁部に溶接された代替的な実施態様があり得る。そのような代替的な実施態様の1つが、図6Aに示されている。そのような実施態様(図6A)において、対向する長い縁部108a,108b及び対向する短い縁部108c,108dによって定められるケーシング縁部108は、そのような縁部が金属プレート230とほぼ同一平面に位置するようクリンプ加工される。よって、金属プレート230の縁部230a,230bをクリンプ加工されたケーシング縁部180に直接的に溶接し得る。より強いレーザ溶接部310bをプレート縁部230bとケーシング縁部108b,108c,108dとの間に加え得るし、弱いレーザ溶接部310aをプレート縁部230aとケーシング縁部108aとの間に加え得る。
【0060】
さらに他の実施態様において、ケーシング100の本体内に切欠き部があり得る。切欠き部は、様々な形状であり得る。例えば、切欠き部は、多角形(図7)であり得るし、或いは、湾曲(図7A)したその境界の少なくとも一部を有し得る。金属プレート、例えば、プレート400(図7)又はプレート500(図7A)をそのような切欠き部内に挿入し得る。切欠き部を閉塞するために、金属プレート400(図7)又は金属プレート500(図7A)の縁部をケーシングに溶接し得る。図7の実施態様に示されるように、溶接部は、望ましくは、強いレーザ溶接部410b及び接触する弱いレーザ溶接部410aの形態であり得る。図7Aに示されるように、溶接部は、強いレーザ溶接部510b及び好ましくは接触する弱いレーザ溶接部510aの形態であり得る。
【0061】
ピーク電力出力の範囲内で動作する異なる種類のレーザを用いて、強い及び弱い溶接部を達成し得る。以下は、Nd:Yagレーザを用いて生成される弱い及び強い溶接部の非限定的な実施例である。上記されたような弱い溶接部は、電池内のガス圧力が約400〜800psig(2748×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の閾値圧力に達するときに亀裂し或いは破裂する。強い溶接部は、電池内のガス圧力が約800〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)、典型的には800〜1600psig(5515×103〜11030×103パスカルゲージ)の間の閾値圧力に達するときに破裂する。特に、弱い溶接部は、補足的な通気システムをもたらし、もし電池が上記されたように不正使用されるならば、ガスが電池内から逃げ出すのを可能にする。
【0062】
代替的に、補足的通気機構は、溝付き通気口、即ち、下方に位置する薄肉材料領域を生むケーシング100の表面上の1つ又はそれ以上の溝の形態であり得る。電池内のガス圧力がP1より大きな圧力P2に上昇するときに薄肉領域が破裂するよう、溝の深さ及び下方に位置する薄肉材料領域の厚さを調節し得る。他の実施態様では、レシート可能な栓を排除し、圧力P1で動作する主通気機構としてレーザ溶接を用い得る。そのような実施態様において、補足的通気機構は、ケーシング表面上の溝の下方に位置する薄肉材料領域であり得る。より高い圧力レベルP2で破裂するよう薄肉材料を設計し得る。
【0063】
さらに他の実施態様では、ケーシング表面上の複数の溝があり得る。1つの溝は、小さな厚さの下方に位置する薄肉領域を有し、電池内のガスが設計圧力レベルP1まで蓄積されるときに、それが破裂するのを可能にし得る。第一溝と接触し或いは離間し得るケーシング表面上の第二溝は、電池内のガス圧力がより高い圧力P2まで蓄積するならば破裂するよう設計された下方に位置する薄肉領域を有し得る。
【0064】
ケーシング100から鋼、例えば、ニッケルめっき冷間圧延鋼又はステンレス鋼から成るとき、溝の下方に位置する薄肉材料が、電池内のガス圧力が約400〜800psig(2748×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の圧力に達するときに破裂するよう、ケーシング表面上に溝600a(図8)のような溝を形成し得る。ケーシング壁の溝なし部分は、典型的には、約0.3〜0.50mmの間、望ましくは、約0.3〜0.45mmの間の平均壁厚を有する。約400〜800psig(2748×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の破裂圧力を得るために、溝は、下方に位置する薄肉材料が、典型的には約0.07〜0.08mmの間の厚さを有するよう形成される。具体的に非限定的な実施例において、もし下方に位置する薄肉材料が約0.074mmの厚さを有するよう溝が形成されるならば、そのような下方に位置する材料は、電池内のガス圧力が約435psig(2999×103パスカルゲージ)のレベルに達するときに破裂する。
【0065】
ケーシングの表面を型、好ましくは切断ナイフ縁部を有する型で打抜きすることによって、例えばケーシング表面上の溝600a又は600b(図8及び8A)の形態であり得る溝600を形成し得る。打抜き型がケーシング外面を穿孔するときに、マンドレルがケーシングの内面に対して保持される。そのような打抜き又は切断型で形成される溝に関して、下方に位置する薄肉領域610(図9)の厚さは、薄肉領域が破裂する圧力を主として決定する。溝切断は、望ましくはV字形状であり、それは好ましくはナイフ縁部を有する打抜き型で得られ得る。V字形状溝は、望ましくは、約40度の鋭角を有する。溝600を他の方法、例えば、化学的エッチング処理で形成し得る。
【0066】
溝600の下方に位置する薄肉材料は、典型的には、ニッケルめっき冷間圧延鋼から成るケーシング材料と同一であるのが好ましい。溝600は、直線又は曲線の境界を有し得るし、或いは、直線及び曲線の組み合わせを有し得る。溝600は、長方形、多角形、又は、長円形の境界を有し得る。溝は、回旋状の、換言すれば、部分的に凸状であり部分的凹状の、それらの境界の少なとも一部を有し得る。溝の境界は、閉塞又は開閉され得る。ここの好適実施態様において、溝は、直線又は実質的に直線、好ましくはケーシングの広い縁部108aと平行であり得る(図8及び8A)。例えば、7/5−F6サイズの長方形電池において、溝600a(図8及び8A)は、ケーシングの広い縁部108aと平行に且つそこから約10mmに位置し得るし、約8mmの長さを有し得る。
【0067】
図8Aに示されるように、第一溝600aから離間した第二溝600bがあり得る。具体的な非限定的な実施態様において、第二溝600bは、溝600aと平行であり、正端子180(閉塞端部)から約10mmであり得る。溝600bは、約8mmの長さを有する。そのような場合には、電池内のガス圧力が異なる圧力レベルに達するときに、下方に位置する材料がそれぞれ破裂するよう、各溝600a,600bの下方に位置する材料の厚さは異なり得る。例えば、電池内のガス圧力が約250〜800psigの間の設計爆発圧力に達するときに破裂するよう、薄肉材料が下方に位置する溝600aを設計し得る。約250〜800psig(1724×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の爆発圧力にあるそのような範囲を達成するために、薄肉材料が下方に位置する溝600aは、約0.04〜0.15mmの間の厚さを有する。代替的に、電池内のガス圧力が約400〜800psig(2758×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の設計爆発圧力に達したときに破裂するよう、薄肉材料が下方に位置する溝600aを設計し得る。約400〜800psigの間にあるそのような爆発圧力を達成するために、薄肉材料が下方に位置する溝600aは、約0.07〜0.15mmの間の厚さを有する。電池が誤用され、電池内のガス圧力が約800〜1600psig(5515×103〜11030×103パスカルゲージ)のレベルに急激に上昇する場合に、電池内のガス圧が壊滅的状況において破裂するときに破裂するよう、薄肉材料が下方に位置する溝600bを設計し得る。約800〜1600psigの間の圧力レベルでの破裂を達成するために、薄肉材料610が下方に位置する溝600bは、典型的には、約0.15〜0.35mmの厚さを有する。
【0068】
実施例1(Nd:Yagレーザを用いた弱い溶接部)
Nd:Yagレーザを用いることによって、金属カバー230をケーシング縁部106c(図6又は6A)に沿ってケーシング100に溶接するために用いられる弱い溶接部を生成する。レーザは、約100ヘルツの周波数で動作される。パルス当たりのピーク電力出力は、約35ワットである。平均電力出力は、0.5キロワットである。パルス幅(ピーク出力の間の周期時間)は、約0.7ミリ秒である。レーザ供給速度(溶接経路に沿ったレーザの移動の速度)は、約3インチ毎分である。ケーシングの長い縁部106cに沿った均一な溶接部が生成され、それによって、当接する金属カバー230の長い縁部230aをそこに溶接する。溶接部は、約2〜4ミル(0.0508〜0.102mm)の間の、典型的には、約3ミル(0.0762mm)の均一な浸透深度を有した。電池内の圧力が約400〜800psig()の間のレベルに達するときに溶接部は亀裂し、それによって、もし主通気口(栓260)の動作が妥協されるようになるならば、補足的通気口として機能する。
【0069】
実施例2(Bd:Yagレーザを用いた強い溶接部)
Nd:Yagレーザを用いることによって、金属カバー230をケーシング縁部106d,107c,107d(図6又は6A)に沿ってケーシング100に溶接するために用いられる強い溶接部を生成し得る。Nd:Yagレーザを用いることによって、金属カバー230をケーシング縁部106d,107c,107dに沿ってケーシング100に溶接するために用いられる強い溶接部を生成し得る。レーザは、約12ヘルツの周波数で動作する。パルス当たりのピーク電力出力は、0.65キロワットである。パルス幅(ピーク出力間の周期時間)は、約5.9ミリ秒である。レーザ供給速度(溶接経路に沿ったレーザの移動の速度)は、約2インチ毎分である。長い縁部106d,107c,107dに沿った均一な溶接部が生成され、それによって、図6に示されるように、当接する金属カバー230の縁部をそこに溶接する。溶接部は、約5〜7ミル(0.127〜0.178mm)の間の、典型的には、約6ミル0.152mm)の均等な浸透深度を有した。電池内の圧力が約800〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)の間の、典型的には、約800〜1600psig(5515×103〜11030×103パスカル)のレベルに達するときに溶接部は亀裂する。
【0070】
商業生産では、上記のNd:Yagレーザを、弱い溶接部を生成するために約125ワットのより高いピーク出力で動作し、強い溶接部を生成するために約150ワットのピーク出力で動作し得る。より高いピーク出力でのそのような動作は、レーザがより高速で溶接経路(供給速度)に沿って移動されることを可能にする。
【0071】
加えて、もし電池が不注意に充電に晒されるならば起こり得る、栓260と通気キャップ270の内面との間の如何なるKOH結晶蓄積の有害な効果をも減少するために、栓が栓260を収容するリベットヘッド247内のキャビティ内のより少ない空間を占めるように、栓260を変更し得る。そのような改良された設計の具体的な実施態様が、図2A、3A、及び、4Aに示されている。図4に示されるせん260の改良された設計では、栓は、リベットヘッドキャビティ248内で、図2、3、及び、4に示される栓のための切頭体設計よりも少ない空間を占める。栓260がリベットヘッドキャビティ248内に圧縮された後、前記栓を収容するキャビティ248内の自由空間の量は、約10%、望ましくは、約10〜40%より大きい。対称的に、図2、3、及び、4に示される切頭体で示される栓260のリベットキャビティ内の自由空間の量は、典型的には、約10%より少ない。
【0072】
変更された栓設計(図4A)を用いて達成されるリベットヘッドキャビティ248内で典型的には約10〜40%より多い量の自由空間は、不正使用状況において、例えば、上述のように、もし電池が不注意に充電に晒されるならば、栓のより有効な動作を保証する。そのような変更された栓260(図4A)は、電池内のガス圧力が設計閾値レベル、例えば、約100〜300psigに達するときに、望ましくは脱座する。リベットキャビティ248内のより多い自由空間は、もし電池が不注意な充電によって不正使用されるならば起こり得る、それらの内部で蓄積する如何なる漸進的なKOH結晶蓄積にも対応する。それにも拘わらず、電池内の圧力が設計閾値レベルまで蓄積するときにガス圧力が解放されるのを可能にするようそれ自体を脱座するときに、栓260が有効に動作するのを可能にするために、リベットヘッドキャビティ248内に十分な自由空間がある。
【0073】
リベットヘッドキャビティ248内のより多くの量の自由空間を達成するために、栓260の形状を図4Aに示されるように変更し得る。変更された設計(図4A)では、栓260は、円筒形のベース262と、そこから延びるより小さな直径の一体的に形成された円筒形の本体261とを有する。変更された栓260(図4A)がキャビティ内で圧縮された後、リベットヘッドキャビティ248内に典型的には約10〜40%の間の所望のより多くの量の自由空間を達成するために、必要に応じて、ベース262の直径に対する本体261の直径の比率を調節し得る。本体261の円筒形状は、リベットヘッドキャビティ248内の圧縮栓260の圧力に十分に耐える。栓の頂面263に力を加え、次に、通気キャップ270をリベットヘッド247に溶接することによって、変更された栓260(図4A)はリベットヘッドキャビティ248内で圧縮される。これは栓260をリベットヘッドキャビティ248内で圧縮状態に気密に着座させ続ける。圧縮状態において、栓260の本体261は、図1A及び2Aに示されるような球根状構造を取る。電池内なのガス圧力が閾値レベル、望ましくは約100〜300psigの間まで蓄積すると、栓は脱座し、それによって、電球内からのガスを通気キャップ270内の通気開口272を通じて逃がす。好ましくは、栓270が脱座するときにガスが通気キャップ270から逃げ得る明確な通路があることを保証するために、通気キャップ270内に少なくとも2つの通気開口272がある。栓260は、エラストマーから成るのが望ましく、十分な圧縮性及び弾性がありながら、アルカリ電解質に接触後の化学的攻撃又は物理的劣化に対する耐性を有するゴム材料から成るのが好ましい。栓260のための好適なゴム材料は、加硫処理されたEPDMゴムであり、約80〜85の間のデュロメーター硬度を有するのが望ましい。
【0074】
図4に示されるような栓260のための変更構造が望ましいが、栓の他の形状も栓を収容するリベットヘッドキャビティ248内の自由空間の所望の増大を達成するのに役立ち得る。例えば、図4Aに示されるような円筒形の代わりに、栓の本体261を僅かに傾斜させ得る。また、リベットヘッドキャビティの幅も電池の広い側面の方向に拡大し得る(図2A)。そのような場合、リベットヘッドキャビティ248は、1つの軸に沿って、即ち、電池の広い側面の方向に細長くされる(図2A)。しかしながら、現在図面に示されている対称的な(円形の)リベットヘッドキャビティ248が好ましい。
【0075】
本発明を如何なる特定のサイズの長方形電池に限定することは意図されない。しかしながら、具体的な実施例として、アルカリ電池100は、小型サイズの長方形(立方体)であり、典型的には、約5〜10mmの間の厚さ、具体的には、ケーシングの外面によって電池の厚さ方向に測定されるとき、約5〜7mmの厚さを有し得る。電池の幅は、典型的には、約12〜30mmであり、電池の長さは、典型的には、約40〜80mmの間であり得る。具体的には、本発明のアルカリ電池10を、同一サイズの充電式ニッケル水素電池、例えば、標準的な7/5−F6サイズの長方形状電池の代わりとして用い得る。7/5−F6サイズの電池は、6.1mmの厚さ、17.3mmの幅、及び、約67.3mmの長さを有する。
【0076】
代表的な電池の化学組成
陽極150、陰極、及び、隔離板140の化学組成に関する電池組成の以下の記載は、上記実施態様において記載された平面的電池に適用可能である。
【0077】
上記の電池10において、陰極110は、二酸化マンガンを含み、陽極150は、亜鉛及び電解質を含む。水性電解質は、KOH、酸化亜鉛、及び、ゲル化剤の従来的な混合物から成る。陽極材料150は、水銀なし(ゼロ添加水銀)亜鉛合金粉末を含有するゲル化混合物であり得る。換言すれば、電池は、重量で亜鉛の100万分の100(ppm)未満、好ましくは、重量で亜鉛の100万分の50水銀未満の合計水銀含有量を有する。電池は、好ましくは、如何なる追加的な量の鉛も有さず、よって、本質的に無鉛である、換言すれば、合計鉛含有量は、陽極中の亜鉛全体の30ppm未満、望ましくは15ppm未満である。そのような混合物は、典型的には、水性KOH電解質溶液、ゲル化剤(例えば、商品名CARBOPOL C940の下でB.F.Goodrichから入手可能なアクリル酸共重合体)と、界面活性剤(例えば、商品名GAFAC RA600の下でRhone Pouleneから入手可能な有機燐光体エステル基界面活性剤)とを含み得る。そのような混合物は、冷笑的な実施例としてのみ与えられ、本発明を限定することは意図されない。亜鉛陽極のための他の代表的なゲル化剤は、米国特許第4,563,404号に開示されている。
【0078】
陰極110は、望ましくは、以下の組成を有する。87〜93wt%の電解質二酸化マンガン(例えば、Kerr−KcGeeからのTrona D)、2〜6wt%(合計)の黒鉛、約30〜40wt%のKOH濃度を有する5〜7wt%の7〜10の普通のKOH水溶液、及び、0.1〜0.5wt%の選択的なポリエチレン結合剤。電解質二酸化マンガンは、典型的には、約1〜100ミクロン、望ましくは約20〜60ミクロンの間の平均粒子サイズを有する。黒鉛は、典型的には、天然、エキスパンド黒鉛、又は、それらの混合物の形態である。黒鉛は、黒鉛炭素ナノファイバ単独、又は、天然若しくはエキスパンド黒鉛との混合物を含み得る。そのような陰極混合物は例示的であり、本発明を限定することは意図されない。
【0079】
陽極材料150は、亜鉛合金粉末62〜69wt%(合金及びめっき材料として200〜500ppmインジウムを含有するインジウムを含有する99.9%亜鉛)と、38wt%KOH及び約2wt%ZnOを含むKOH水溶液と、商品名「CARBOPOL C940」の下でB.F.Goodrichから商業的に入手可能な架橋アクリル酸共重合体ゲル化剤及び「Waterlock A−221」の商品面の下でGrain Processing Co.から商業的に入手可能な澱粉バックボーン上にグラフトされた加水分解ポリアクリロニトリル(0.01〜0.5wt%の間)と、有機燐酸塩エステル界面活性剤RA−600又はRM−510の商品名の下でRhone−Pouleneから入手可能なジオニルフェノール燐酸塩エステル界面活性剤(100〜1000ppmの間)を含む。ここで用いられている亜鉛という用語は、極めて高い濃度の亜鉛、例えば、重量で少なくとも99.9パーセントの亜鉛を含む亜鉛合金粉末を含むもとと境されるべきである。そのような亜鉛合金材料は、電気化学的には本質的に純亜鉛として機能する。
【0080】
本発明の平面的アルカリ電池10の陽極150に関して、亜鉛粉末の平均の平均粒子サイズは、望ましくは約1〜350ミクロンの間、望ましくは約1〜250ミクロンの間、好ましくは約20〜250ミクロンの間である。典型的には、亜鉛粉末は、約150ミクロンの平均の平均粒子サイズを有し得る。陽極150内の亜鉛粒子は、針形状又は球形状であり得る。球状亜鉛粒子が好ましい。何故ならば、それらは、亜鉛スラリーを備える電池の比較的小さな陽極キャビティ内に充填するために用いられる計量分配ノズルからより良好に計量分配するからである。陽極内の亜鉛のバルク密度は、陽極の立方センチメータ当たり約1.75〜2.2グラム亜鉛である。陽極内の水性電解質溶液の容量パーセントは、陽極の約69.2〜75.5容量パーセントである。
【0081】
(1グラム当たり820ミリアンペア−時間に基づく)亜鉛のミリアンペア−時間容量によって割り算された(1グラムのMnO2当たり370ミリアンペア−時間に基づく)MnO2のミリアンペア−時間容量が約1であるよう、電池10は従来的な方法で平衡される。しかしながら、陰極が顕著に超過するよう、電池を平衡することが好ましい。好ましくは、電池10は、亜鉛の総理論容量によって割り算されたMnO2の総理論容量が約1.15〜2.0の間、望ましくは約1.2〜2.0の間、好ましくは1.4〜1.8の間、より好ましくは約1.5〜1.7の間であるように平衡される。総電池重量に基づいて放電時により小さな割合のMnO2からMnOOHへの転換があるので、そのような陰極超過を備える電池の平衡は、陰極拡張の量を減少するために決定された。次いで、これは電池ケーシングの膨張の量を削減する。全体的な膨張を減少するために、亜鉛の理論容量に対するMnO2の理論容量の上記比率は、実行可能であるように約2.5ぐらいの高さ、或いは、約3.0までの高さでさえあり得るが、電池設計は、約2.0を越えるそのようなより高い比率では、電池容量を著しく減少し、よって、その観点から余り望ましくなくなる。
【0082】
約0.30〜0.50mmの間、典型的には約0.30〜0.45mmの間、好ましくは約0.30〜0.40mmの間、より望ましくは0.35〜0.45の間のケーシング10壁厚を有することが望ましいと測定された。電池10は、望ましくは約5〜10mmの間の全体的な厚さを有する立方体形状(図1及び2)であるのが好ましい。それとの組み合わせで、電池は、陰極が超過するように平衡される。望ましくは、電池は、(グラム当たり820ミリアンペア−時間の亜鉛に基づく)亜鉛のミリアンペア−時間容量によって割り算された(グラム当たり370ミリアンペア−時間のMnO2に基づく)MnO2の理論容量の比率が、約1.15〜2.0の間、望ましくは約1.2〜2.0の間、好ましくは約1.4〜1.8の間であるように平衡される。ケーシングの外側の厚さに対する陽極の厚さの比率は、望ましくは約0.30〜0.40である。(そのような厚さは、電池の厚さ(小さな寸法)に横断して、長手軸190に対して直交する平面に沿って測定される。)
【0083】
隔離板140は、セルロース及びポリビニルアルコール繊維の不織材料の内部層とセロハンの外部層から成る従来的な鉄多孔性の隔離板であり得る。そのような材料は例証的であるに過ぎず、本発明を制限することは意図されない。
【0084】
ケーシング100は、ニッケルめっき鋼から成るのが望ましい。ケーシング100は、その内面が炭素塗膜、好ましくは黒鉛炭素塗膜で塗布されるのが望ましい。そのような黒鉛塗膜は、例えば、水性基の黒鉛分散の形態であり、それはケーシング内面に塗布され、引き続き、それは環境条件の下で乾燥され得る。黒鉛炭素は伝導性を向上し、ケーシング内面上に起こる表面腐食の可能性を低減することによって、間接的に電池の気泡発生を減少し得る。金属カバー230、負端子プレート290、及び、正端子プレート180も、ニッケルめっき鋼であるのが好ましい。電流コレクタ材料として有用であると分かった多様な既知の導電性金属、例えば、真鍮、スズめっき真鍮、青銅、銅、又は、インジウムめっき真鍮から電流コレクタ160を選択し得る。絶縁封止部材220は、ナイロン66又はナイロン612から成るのが好ましい。
【0085】
以下は、異なる電池平衡を備える同一サイズの長方形電池を用いた比較性能を示す具体的な実施例である。新しい電池は、各場合において、5.6mmの厚さ、17mmの幅、及び67mmの長さを有した。(特段の定めのない限り、全ての寸法はケーシング周囲のラベルなしの外径寸法である。)ケーシング壁厚は、試験された電池のそれぞれのために0.38mmで同一であった。)各電池のためのケーシング100は、その内面が黒鉛炭素で被覆されたニッケルめっき鋼であった。図面(図1乃至5)に描写されるように、電池構造は各場合に同一であった。陽極電流コレクタ160の広い部分(フランジ161)の縁部は、ケーシング100の内面から約0.5mmであった。絶縁封止部材220の囲繞スカート226は、電流コレクタ160の前記広い部分(フランジ161)を取り囲み、それによって、それとケーシング100の内壁面との間に障壁をもたらし得る。
【0086】
全ての電池構成要素は上記と同一であり、試験された各電池は図面に示されるような通気エンドキャップ組立体12を有した。唯一の相違は、電池平衡及び陽極組成にあった。比較電池(比較実施例)は、平衡比率、即ち、グラム当たり820ミリアンペア−時間の亜鉛に基づく)亜鉛のミリアンペア−時間容量によって割り算された(グラム当たり370ミリアンペア−時間容量のMnO2に基づく)MnO2の理論容量が1.1であるように平衡された。試験実施例1の試験電池は、平衡比率、即ち、亜鉛の理論容量によって割り算されたMnO2の理論容量が1.25であるように平衡された。試験実施例2の試験電池は、亜鉛の理論容量によって割り算されたMnO2の理論容量がそれぞれ1.6及び2.0であるように平衡された。
【0087】
以下の実施例における比較及び試験電池は、0.9ボルトのカットオフ電圧に達するまで電源オン及び後続の3時間の電源オフを備える90ミリワットの周期で間欠的に放電された。(そのような間欠的放電は、典型的にはMP3オーディオ形式を用い得る携帯型ソリッドステートデジタルアーディオプレーヤーの典型的な使用を模擬実験している。)実際の総使用時間を次に記録し、電池ケーシングの膨張の量を評価し且つ記録した。
【0088】
比較実施例(比較電池)
図面に示される長方形(立方体)構造及びエンドキャップ組立体の比較試験電池10を準備した。ケーシング100外径寸法によって定められるような電池は、約67mmの長さ、約17の幅、及び、約5.6mmの厚さ(放電前)を有した。陽極150及び陰極110は、以下の組成を有した。
【0089】
陽極組成:
Wt%
亜鉛1 70.0
界面活性剤2 0.088
(RA600)
電解質3
(9正常KOH) 29.91
100.00
【0090】
注記:
1.亜鉛粒子は約150ミクロンの平均粒子サイズを有し、約200ppmの総インジウム含有量をもたらすよう、インジウムで合金化されメッキされた。
2.Rhone Poulencからの有機燐酸エステル基界面活性剤溶液RA600
3.電解質は、全体で電解質溶液の約1.5wt%を構成するゲル化剤Waterlock A221及びCarbopol C940を含有した。
【0091】
陰極組成:
Wt%
MnO2(EMD) 87.5
(Kerr McGee
からのTrona D)
黒鉛1
(NdG15天然黒鉛) 7.4
電解質
(9正常KOH) 5.1
100.00
【0092】
注記:
1.黒鉛NdG15は、Nacional De Grafiteからの天然黒鉛である。
【0093】
電池のためのケーシング100壁厚は0.38mmであった。新しい電池は、67mmの長さ、5.6mmの厚さ、及び、17mmの幅を有した。電池の陽極150及び陰極110は、(グラム当たり820ミリアンペア−時間の亜鉛に基づく)亜鉛のミリアンペア−時間容量によって割り算された(グラム当たり370ミリアンペア−時間のMnO2に基づく)MnO2の理論容量が1.1であるように平衡された。陽極は2.8グラムの亜鉛を有した。(陰極は6.89グラムのMnO2を有した。)陽極150、陰極110、及び、隔離板140は、図1及び1Aに示される構造のケーシング100の外部容量の約66%を構成した。ケーシング外側厚さに対する陽極の厚さの比率は約0.35であった。厚さは、電池の外側厚さ(小さな寸法)を横断して、長手軸190に対して直交する平面に沿って測定される。
【0094】
電池は、0.9ボルトのカットオフ電圧に達するまで「電源オン」及び後続の3時間の「電源オフ」を備える90ミリワットの周期で間欠的に放電された。実際の耐用年数は24.5時間であった。ケーシングは、5.6mmの厚さから6.13mmの厚さに膨張した。(厚さは、図1Aに示される側壁106a,106の外面間で測定された。)
【0095】
試験電池実施例1
長方形構造で比較実施例におけると同一サイズの試験電池を準備した。陽極150及び陰極110は以下の組成を有した。
【0096】
陽極組成:
Wt%
亜鉛1 66.0
界面活性剤2 0.083
(RA600)
電解質3
(9正常KOH) 34.0
100.08
【0097】
注記:
1.亜鉛粒子は約150ミクロンの平均粒子サイズを有し、約200ppmの総インジウム含有量をもたらすよう、インジウムで合金化されメッキされた。
2.Rhone Poulencからの有機燐酸エステル基界面活性剤溶液RA600
3.電解質は、全体で電解質溶液の約1.5wt%を構成するゲル化剤Waterlock A221及びCarbopol C940を含有した。
【0098】
陰極組成:
Wt%
MnO2(EMD) 87.5
(Kerr McGee
からのTrona D)
黒鉛1
(NdG15天然黒鉛) 7.4
電解質
(9正常KOH) 5.1
100.00
【0099】
1.黒鉛NdG15は、Nacional De Grafiteからの天然黒鉛である。
【0100】
電池のためのケーシング100壁厚は0.38mmであった。新しい電池は、67mmの長さ、5.6mmの厚さ、及び、17mmの幅を有した。電池の陽極150及び陰極110は、(グラム当たり820ミリアンペア−時間の亜鉛に基づく)亜鉛のミリアンペア−時間容量によって割り算された(グラム当たり370ミリアンペア−時間のMnO2に基づく)MnO2の理論容量が1.25であるように平衡された。陽極は2.56グラムの亜鉛を有した。(陰極は7.11グラムのMnO2を有した。)陽極150、陰極110、電解質、及び、隔離板140は、換言すれば、ケーシングの閉塞端部104と開放端部102との間で測定されるときに、ケーシング100の外部容量の約66%を構成した。ケーシング外側厚さに対する陽極の厚さの比率は約0.35であった。厚さは、電池の外側厚さ(小さな寸法)を横断して、長手軸190に対して直交する平面に沿って測定される。
【0101】
電池は、0.9ボルトのカットオフ電圧に達するまで「電源オン」及び後続の3時間の「電源オフ」を備える90ミリワットの周期で間欠的に放電された。実際の耐用年数は24.3時間であった。ケーシングは、5.6mmの厚さから6.03mmの厚さに膨張した。(厚さは、図1Aに示される側壁106a,106の外面間で測定された。)使用時間は比較実施例におけるとほぼ同一であったが、ケーシング膨張はより少なかった。
【0102】
試験電池実施例2
長方形構造で比較実施例におけると同一サイズの試験電池を準備した。陽極150及び陰極110は以下の組成を有した。
【0103】
陽極組成:
Wt%
亜鉛1 60.0
界面活性剤2 0.083
(RA600)
電解質3
(9正常KOH) 39.92
100.00
【0104】
注記:
1.亜鉛粒子は約150ミクロンの平均粒子サイズを有し、約200ppmの総インジウム含有量をもたらすよう、インジウムで合金化されメッキされた。
2.Rhone Poulencからの有機燐酸エステル基界面活性剤溶液RA600
3.電解質は、全体で電解質溶液の約1.5wt%を構成するゲル化剤Waterlock A221及びCarbopol C940を含有した。
【0105】
陰極組成:
Wt%
MnO2(EMD) 87.5
(Kerr McGee
からのTrona D)
黒鉛1
(NdG15天然黒鉛) 7.4
電解質
(9正常KOH) 5.1
100.00
【0106】
1.黒鉛NdG15は、Nacional De Grafiteからの天然黒鉛である。
【0107】
電池のためのケーシング100壁厚は0.38mmであった。新しい電池は、67mmの長さ、5.6mmの厚さ、及び、17mmの幅を有した。電池の陽極150及び陰極110は、(グラム当たり820ミリアンペア−時間の亜鉛に基づく)亜鉛のミリアンペア−時間容量によって割り算された(グラム当たり370ミリアンペア−時間のMnO2に基づく)MnO2の理論容量が1.6であるように平衡された。陽極は2.01グラムの亜鉛を有した。(陰極は7.13グラムのMnO2を有した。)陽極150、陰極110、及び、隔離板140は、ケーシング100の外部容量の約66%を構成した。ケーシング外側厚さに対する陽極の厚さの比率は約0.35であった。
【0108】
厚さは、電池の外側厚さ(小さな寸法)を横断して、長手軸190に対して直交する平面に沿って測定される。
【0109】
電池は、0.9ボルトのカットオフ電圧に達するまで「電源オン」及び後続の3時間の「電源オフ」を備える90ミリワットの周期で間欠的に放電された。実際の耐用年数は20.9時間であった。ケーシングは、5.6mmの厚さから5.95mmの厚さに膨張した。(厚さは、図1Aに示される側壁106a,106の外面間で測定された。)
【0110】
試験電池実施例3
長方形構造で比較実施例におけると同一サイズの試験電池を準備した。陽極150及び陰極110は以下の組成を有した。
【0111】
陽極組成:
Wt%
亜鉛1 52.0
界面活性剤2 0.083
(RA600)
電解質3
(9正常KOH) 47.92
100.00
【0112】
注記:
1.亜鉛粒子は約150ミクロンの平均粒子サイズを有し、約200ppmの総インジウム含有量をもたらすよう、インジウムで合金化されメッキされた。
2.Rhone Poulencからの有機燐酸エステル基界面活性剤溶液RA600
3.電解質は、全体で電解質溶液の約1.5wt%を構成するゲル化剤Waterlock A221及びCarbopol C940を含有した。
【0113】
陰極組成:
Wt%
MnO2(EMD) 87.5
(Kerr McGee
からのTrona D)
黒鉛1
(NdG15天然黒鉛) 7.4
電解質
(9正常KOH) 5.1
100.00
【0114】
1.黒鉛NdG15は、Nacional De Grafiteからの天然黒鉛である。
【0115】
電池のためのケーシング100壁厚は0.38mmであった。新しい電池は、68mmの長さ、5.6mmの厚さ、及び、17mmの幅を有した。電池の陽極150及び陰極110は、(グラム当たり820ミリアンペア−時間の亜鉛に基づく)亜鉛のミリアンペア−時間容量によって割り算された(グラム当たり370ミリアンペア−時間のMnO2に基づく)MnO2の理論容量が2.0であるように平衡された。陽極は1.61グラムの亜鉛を有した。(陰極は7.13グラムのMnO2を有した。)陽極150、陰極110、及び、隔離板140は、ケーシング100の外部容量の約66%を構成した。ケーシング外側厚さに対する陽極の厚さの比率は約0.35であった。厚さは、電池の外側厚さ(小さな寸法)を横断して、長手軸190に対して直交する平面に沿って測定される。
【0116】
電池は、0.9ボルトのカットオフ電圧に達するまで「電源オン」及び後続の3時間の「電源オフ」を備える90ミリワットの周期で間欠的に放電された。実際の耐用年数は18.5時間であった。ケーシングは、5.6mmの厚さから5.87mmの厚さに膨張した。(厚さは、図1Aに示される側壁106a,106の外面間で測定された。)
【0117】
上記試験において、同一サイズの平面電池は、漸進的により高い平衡比率で平衡された。陽極電流コレクタ160の広い部分(フランジ161)の縁部は、ケーシング100の内面から約0.5mmであり、絶縁障壁226によって取り囲まれた。平衡比率は、(グラム当たり820ミリアンペア−時間の亜鉛に基づく)亜鉛のミリアンペア−時間容量によって割り算された(グラム当たり370ミリアンペア−時間のMnO2に基づく)MnO2の理論容量として定められた。以上の比較試験において、電池の平衡比率(亜鉛の理論容量に対するMnO2の理論容量)が約1.1であるとき、平面試験電池の膨張は、5.6mm〜6.13mmの全体的厚さに著しく増大した。試験実施例1(1.25の平衡比率)では、電池の膨張はより少なく、即ち、5.6mmから6.03mmである。試験実施例2(1.6の平衡比率)では、電池は5.6mmから5.95mmに膨張した。試験実施例3(2.0の平衡比率)では、電池の膨張はより少なく、5.6mm〜5.87mmであった。平衡比率が1.1〜1.6の間で増大するに応じて、電池の耐用年数は(24.5時間から20.9時間へ)緩やかに少なくなり、2.0の最大平衡比率でより著しく少なくなる。
【0118】
本発明の他の好適実施態様が図10乃至17に示されている。レシート可能な栓260のような再使用可能又は再活性化可能な通気機構が望ましいが、図10乃至17に示される実施態様におけるように、それを除去し得る。レシート可能な栓260を除去し得ること、並びに、レシート可能な栓の活性化圧力、即ち、好ましくは約100〜300psig(689×103〜2068×103パスカル)の間の圧力P1で亀裂し或いは破裂する主通気機構として弱いレーザ溶接部を用い得ることが、既に上記において指摘された。そのような場合(レシート可能な栓が排除された状態)には、補足的通気機構は、ケーシング表面上で、溝(溝600a又は600b)の下方に位置する薄肉材料領域であり得ることが上記において述べられた。より高い圧力レベルP2で破裂するように薄肉材料を設計し得る。
【0119】
今や図10乃至17の実施態様に示されるように、1つ又はそれ以上の溝通気口、好ましくは単一の溝通気口600a又は600bを主通気機構として用い得る。そのような場合、可能に位置する薄肉領域が圧力P1で破裂するよう、600a又は600bのような単一の溝通気口をケーシング表面に切り込み或いは刻み込み得る。好ましくは、単一の溝通気口600bは、図10Aに示されるように、正端子180近傍のケーシングの閉塞端部近傍に位置し得る。溝境界は閉塞或いは開放され得る。この好適実施態様において、溝は、好ましくはケーシングの広い縁部108aと平行な(図8及び8A)、直線又は実質的直線であり得る。例えば、7/5−F6サイズの長方形電池には、ケーシングの広い面106a上に位置する溝通気口600bがあり得る(図10A)。好適実施態様において、溝通気口600bは、ケーシング表面上に唯一の溝通気口を含む。非限定的な実施例として、溝600bは、電池の閉塞端部と平行な直線溝であり得る(図10A)。好ましくは、直線溝600bの両端部は、ケーシングの狭い側面から等距離にあり得る。そのような好適実施態様において、図10Aに示されるように、溝600bは約8mmの長さであり、ケーシングの閉塞端部104から約5〜10mmである。直線溝600bが望ましいが、そのような溝をそのような構造に限定することは意図されない。溝通気口600bは、曲線形状又は部分的に直線で部分的に曲線のような他の構造を有し、開放又は閉塞境界パターンを形成し得ることが理解されよう。
【0120】
薄肉材料が下方に位置する溝600b(図10A)は、電池内のガス圧力が約250〜800psig(1724×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の設計爆発圧力に達するときに破裂するよう設計され得る。約250〜800psig(1724×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の爆発圧力におけるそのような範囲を達成するために、薄肉材料が下方に位置する溝600bは、約0.04〜0.15mmの間の厚さを有する。代替的に、薄肉材料が下方に位置する溝600bは、電池内のガス圧力が約400〜800psig(1758×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の設計爆発圧力に達するときに破裂するよう設計され得る。約400〜800psig(1758×103〜5515×103パスカルゲージ)の間のそのような爆発圧力を達成するために、薄肉材料が下方に位置する溝600bは、約0.07〜0.15mmの厚さを有する。溝600b(図10A)の幅は、そのベース(隣接する薄肉領域610)で、典型的には、約0.1〜1mmの間、より典型的には約0.1〜0.5mmの間であり得る。そのような範囲内で、破裂圧力は主として下方に位置する薄肉領域の厚さによって制御される。しかしながら、ケーシング上に下方に位置する薄肉領域を備えるより広い溝付き又は切断領域も可能であることが理解されよう。
【0121】
溝600bは、ケーシング100の表面を型、好ましくは切断ナイフ縁部を有する型で打ち抜くことによって作成され得る。打抜き型がケーシング外面を穿孔するときに、マンドレルがケーシングの内面に対して保持される。溝600bは、図9に示されるような等長の側面を有するV字形状、或いは、図15に示されるような非等長の側面を有するV字形状に切断され得る。前者の場合(図9)、V字形状溝を形成する側面は、約40度の鋭角αを有するのが望ましく、後者の場合(図15)、それは約10〜30度の間の角度を有するのが好ましい。溝600bと共に、金属カバー230をケーシング100に固定する1つ又はそれ以上のレーザ溶接があり得る。そのような溶接部は、薄肉領域が下方に位置する溝600bの破裂圧力よりも高い圧力で破裂するよう設計され得る弱いレーザ溶接部及び強いレーザ溶接部の一方又は双方から構成され得る。前記されたように、そのようなレーザ溶接は、Nd:Yagレーザを用いてなされ得る。金属カバー230をケーシング100に固定するために用いられる隣接する弱いレーザ溶接部及び強いレーザ溶接部、例えば、溶接部310a及び310bの配置は、図6及び6Aを参照して示され且つ記載された。好適実施態様では、1つのレーザ溶接部だけ、即ち、図10に示されるように、金属カバー230の周縁全体をケーシング100に固定する強い溶接部310bだけがあり得る。強い溶接部310は、壊滅的条件の下で、例えば、もし電池が不注意に極めて高い電流の下で又は電池内のガス発生を急激に約800psig〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)の間のレベルまで上昇させるような極めて不正な条件の下で充電に晒されるならば破裂するよう設計され得る。
【0122】
よって、図10及び13に示される変更された好適な電池の実施態様において、単一の溝600bは、電池の主通気機構として機能し、その場合には、薄肉材料610(図9及び15)が下方に位置する溝600bは、もし電池内のガスが約250〜800psig(1724×103〜5515×103パスカルゲージ)の間、より典型的には、約400〜800psig(2758×103〜5515×103パスカルゲージ)の間のレベルまで上昇するならば破裂するよう設計される。そして、金属カバー230の縁部をケーシング100に固定する強いレーザ溶接部310b(図10)は、電池の補足的な通気システムとして機能するよう設計される。そのような強いレーザ溶接部310bは、電池内のガス圧力が約800psig〜2500psigの間のレベルまで急激に上昇するときのような壊滅的状況の場合に亀裂し或いは破裂するよう設計される。
【0123】
図10及び10Aに示される電池は、広い側面106aと平行な平面と通じて取られた図11の断面、及び、狭い側面107aと平行な平面を通じて取られた図12の断面として示されている。図11及び12に示されるように、前記の具体的な実施態様(図2及び図4)を組み込んだレシート可能な栓260は除去されている。電池のエンドキャップ組立体12を形成する関連部材を除去すること、即ち、前記実施態様(図2及び4)に示される通気ピップキャップ270及びプラスチックスペーサディスク250の除去も可能である。エンドキャップ組立体12を形成する構成要素の数の削減も、電池の内部構成要素の展開図である図13中に反映されている。よって、変更された実施態様(図10乃至13)において、リベット240は、図11及び12に最良に示されるように、負端子プレート290に直接的に溶接され得る。
【0124】
負端子プレート290へのリベット240の溶接は、電気抵抗溶接によって効率的に遂行され得る。リベット240は真鍮であるのが好ましく、望ましくは、典型的には約1〜3ミクロンの厚さのスズの層で鍍金された真鍮である。負端子プレート290は、ニッケルめっき冷間圧延鋼であるのが好ましい。端子プレート290の厚さが溶接場所で約4ミル(0.102mm)であるとき、溶接は最も効率的になされ得るし、均一な溶接が容易に達成され得ることが測定された。全体的強度のために、端子プレート290の残部はより厚い、好ましくは約8ミル(0.204mm)であることが望ましい。8ミル厚の冷間圧延鋼プレートが商業的に入手可能であるので、溶接場所でのプレートの厚さを約4ミル(0.102mm)まで減少するために、マンドレルを用いて端子プレート290の中央部290a(図13)、即ち、溶接領域はを容易に打ち抜き得ることが測定された。打抜きは、打抜き領域を形成するために、端子プレート290(図13)の頂面からなされるのが好ましい。そのような手順は、端子プレート290の残部290b(図13)の厚さを元の8ミル(0.204mm)の厚さのままにする。
【0125】
端子プレート290の中央部分290a(図13)は、多様な構造、例えば、長方形、円形、又は、楕円形に打ち抜かれ得る。長方形又は楕円形の打抜き領域290aの場合、溶接電極(図示せず)の配置を可能にするために、(ケーシングの広い側面の方向における)打抜き領域290aの長い寸法は、リベットヘッド247直径よりも幾分大きくなければならない。例えば、3mm直径のリベットヘッド247を用いると、打抜き領域290aの長い寸法は約4mmであり、打抜き領域290aの長い寸法は約3〜4mmの間である。もし打抜き領域が円形であるならば、もしリベットヘッド247直径が約3mmであるならば、その直径は約3〜4mmの間であり得る。
【0126】
変更された実施態様(図10乃至13)の平面アルカリ電池10を組み立てる場合、亜鉛を含む陽極材料150及びMnO2を含む陰極材料は、隔離板140をそれらの間に備えた状態で、開放端部102を通じて電池ケーシング100内に挿入される。エンドキャップ組立体12(図13)は、絶縁封止部材の突出ヘッド221が金属カバー230の開口234内に挿入されるよう、金属カバー230を絶縁封止部材220の上に挿入することによって形成される。次に、リベットシャフト240が開口234を通じて金属カバー230内に挿入される(図13)。リベットシャフト240は、絶縁封止部材220の突出ヘッド221によって金属カバー230から絶縁される。好ましくは真鍮から成る陽極電流コレクタの頂部フランジ部分161は、封止部材220の底面に対して押し上げられ、従来的なリベット締め技法によって、好ましくは真鍮又はスズめっき真鍮から成るリベット240の下部に締結され、よって、電流コレクタ160をリベット240に電気的に接続する。陽極電流コレクタをリベット240に締結するのを容易にするために、電流コレクタフランジ161には開口164があり、リベット240の下部には開口249aもある。(図11及び12に示されるように、リベット240の上部249bは中実であることが望ましい。)電流コレクタ160をリベット240に締結した後、封止部材220は電流コレクタフランジ161と金属カバー230の底面との間に楔止めされる。
【0127】
図10及び11に最良に示されるように、金属カバー230は、強いレーザ溶接部(好ましくは800〜2500psigの間の破裂圧力)によってケーシング100の内面に溶接される。金属カバー230の中央部分は押し込まれ或いは押圧され、池領域235(図11)を形成する。封止材料236、好ましくは商品名KORITEアスファルト封止材(Customer Products)の下で入手可能なアスファルト封止材が、金属カバー230の表面上の押圧された池領域235に塗布される(図11及び13)。KORITEアスファルト封止材は、約55〜70wt%アスファルト及び30〜45%アスファルトの混合物から成る非硬化アスファルトである。封止材が塗布されるときに、アスファルト/溶剤比及び封止材温度を調節することによって、封止材の粘度を調節し得る。カバープレート230内の池領域235及びリベットヘッド247は、アスファルト封止材が池領域235内に注入される前に加熱されるのが好ましい。望ましくは、アスファルト封止材は、池領域235内に注入されるときに、約1000センチポイズの粘度である。アスファルトは、くぼみ領域235を充填し、リベット240と封止部材220との間の追加的な封止保護をもたらす。次に、電流コレクタシャフト162が陽極材料150中に浸透するよう、金属カバー230、リベット240、及び、絶縁封止部材220から成るサブ組立体は、ケーシングの開放端部内に挿入される(図11及び12)。金属カバー230の周縁がケーシング100にレーザ溶接された後、プラスチックエキステンダー封止280(図13)がリベット240上に挿入され得る。これは、リベットヘッド247をプラスチックエキステンダー280の開口282を通じて挿入することによってなされる。次に、平面負金属プレート290が突出するリベットヘッド247と接触するよう、平面負金属プレートはプラスチックエキステンダー280の頂面上に配置される。次に、エンドキャップ組立体12の構築を完成するために、負プレート290は、リベットヘッド247に溶接される。電池10内の完成されたエンドキャップ組立体12は、図11及び
12に示されている。
【0128】
金属カバー230の縁部をケーシング100にレーザ溶接するときには、伝熱媒体、望ましくは液体又は金属を金属カバーに塗布するのが好ましい。伝熱媒体は、金属カバー230の表面上の池又はトラフ領域235内に便利に配置され得る液体であるのが好ましい。そのような伝熱媒体は、レーザ溶接期間中に発生する熱のかなりの部分を吸収し得る。このようにして、Nd:Yag(又は等価物)を用いるときの溶接期間中に、金属カバー230が約100℃より高い温度に達することを防止するために、十分な熱を吸収し得る。代替的に、金属カバーは、周囲室温(21℃)未満の温度、好ましくは水の氷点に接近する温度及びさらに低い温度に事前冷却され得る。そのような事前冷却は、金属カバー230が溶接動作期間中に100℃を越えることを防止する。加えて、金属カバー230は事前冷却され得るし、伝熱媒体も金属カバー230に塗布され得る。
【0129】
プラスチックエキステンダー封止280は、金属カバー230上でケーシング100にプレス嵌めされる。もし金属カバー230がレーザ溶接期間中に十分に冷却され続けないならば、封止280は、場合によっては、その物理特性に不利に影響する地点まで過熱し得る。この結果、径方向圧縮の損失、即ち、封止280とケーシング100との間の緊密な嵌合の緩みを招き、次いで、電解質が金属カバー230と金属カバー280との間の領域に漏れ出し得るケーシング外部への通路をもたらす。よって、金属カバー230を十分に冷たく保つこと、或いは、レーザ溶接動作期間中に十分な熱が吸収されるのを保証するために、伝熱媒体を金属カバーに塗布することが推奨される。これを達成する便利な方法は、少量の冷却脱イオン水を、例えば約5〜10℃で、金属カバー230のトラフ領域235に加えることにである。これは金属カバー230の温度を約100℃未満に保ち、次いで、封止(図11及び12)が好適な動作温度内に留まることを可能にする。(レーザ溶接動作後、封止材、例えば、アスファルト封止材が、前述された方法で池領域に加えられ得る。)代替的に、金属ブロック(選択的に事前冷却される)が、金属カバー230に接触して塗布され得る。金属カバー230が100℃を越える温度に達しないことを保証するために、典型的には鋼から成る金属ブロックは、溶接動作期間中に十分な熱を吸収し得る。
【0130】
レーザ動作期間中に金属カバー230を冷たく保つために水を加え得るが、他の適切な冷却材を用い得ることが理解されよう。例えば、純水の代わりに、ポリビニルアルコール及び水酸化カリウムの冷却水溶液を用い得る。ポリビニルアルコールは、金属カバー230の表面の外を被覆し、それによって、金属カバー230と封止280との間の追加的な封止保護をもたらす。そのような溶剤をプラスチック封止280(図11及び12)の下面に直接的に塗布可能であり、それによって、封止280の下面に追加的な封止保護をもたらす。
【0131】
代替的に、池235に塗布される冷却水溶液にゲル化剤を加え得る。ゲル化剤という用語は、従来的なゲル化剤と同様に高吸収剤を含むことが意図される。そのようなゲル化剤は、ポリアクリル酸、ポリアクリレート、アクリル酸共重合体のナトリウム塩、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、澱粉グラフト共重合体、及び、類似物を含む。ゲル化剤は、金属カバー230と封止280との間の追加的な封止保護をもたらすために、金属カバー230の表面を被覆する。圧縮ローラ及び類似物(図11及び12)を用いて、プラスチック封止280の下面に粉末としてゲル化剤を塗布可能であり、それによって、封止280をゲル化剤で被覆し、追加的な封止保護をもたらし得る。
【0132】
プラスチック封止280の代わりに紙ワッシャ295を用いる図17に示される実施態様において、紙ワッシャは、ゲル化剤を含む水溶液又はポリビニルアルコール及び水酸化カリウムの水溶液で事前含浸され得る。電解質が金属カバー230と端子プレート290との間の領域に漏れ出すならば、そのような紙ワッシャ295の事前湿潤は、追加的な封止保護をもたらす(図17)。加えて、ゲル化剤粉末を含む別個の層が、圧縮ローラ及び類似物を用いて、ワッシャ295の下面に押圧され得るし、或いは、米国特許第4,999,264号に記載されるように、ワッシャ295を含む繊維網目内に分散され得る。
【0133】
別個の突出金属部材180を電池の対向する閉塞端部104に溶接し得る。完成された電池10(図10乃至13)において、金属部材180は、電池ケーシングと電気的に接触し、よって、電池の正端子を形成する。エンドプレートお290はリベット240と電気的に接触し、次いで、それは陽極電流コレクタ160と電気的に接触し、よって、電池の負極を形成する。
【0134】
本発明は具体的な実施態様に関して詳細に記載されているが、具体的な構成要素の多様な設計が可能であり、本発明の概念の範囲内であることが意図されることが理解されよう。例えば、電流コレクタ160(図4及び13)は、釘の形状の細長い部材として示されており、頂端部が水平に延びるフランジ161で終端し、フランジは貫通する開口164を備える。電流コレクタ160の頂部フランジ161をリベット240の底面(図11)に締結するのを容易にするので、この設計は魅力的である。これは従来的なリベット締め技法によって達成され、リベットの底面249はフランジ開口164内に挿入され、次に、電流コレクタフランジ161をリベット240に固定するためにクリンプ加工され得る。そのような設計では、電流コレクタシャフトは偏心し、換言すれば、電池の中心長手軸に沿って位置しない。そのような偏心は、陽極の効率的な放電或いは電池の全体的性能と著しく干渉しないように思われる。電流コレクタシャフト162は、図4の実施態様では、直線釘として示され、図13に示される実施態様では、曲面を有する直線釘として示されている。いずれの場合にも、例えば図11に示されるように、釘は電池の中心長手軸190から偏心している。
【0135】
他の電流コレクタ設計が可能であることが理解されよう。例えば、リベット240は、ヘッド247から下向きに延び且つ少なくとも部分的に陽極150内に進入する釘の形態の一体形成された細長いシャフト部(図示せず)を備えるヘッド部247(図11)を有する中実部材であり得る。そのような場合には、電流コレクタシャフトは、電池の中心長手軸190に沿って位置するよう位置付けられ得る。そのようなリベットのヘッド部247は、依然として上述の方法で端子エンドプレート290に溶接され得る。
【0136】
本発明の平面電池の他の具体的な実施態様が図17に示されている。この実施態様において、プラスチックエキステンダー280の代わりに、例えば、クラフト紙の紙ワッシャ295を金属カバー230と負端子プレート290との間に用い得る。クラフトワッシャは耐久性があり、金属カバー230と端子プレート290との間に所要の電気絶縁をもたらす。そのような設計は、リベットヘッド247の高さを低減し、それによって、エンドキャップ組立体12の全体的な高さをコンパクト化している。それはプラスチックエキステンダー280を成型する必要も排除するという利点も有する。次いで、これは、電池内部に陽極/陰極活性化材料のために、より多くの利用可能な容積をもたらす。(図17に示される電池の他の構成要素は、図10乃至12に示される電池に関して記載されたものと本質的に同じである)。リベットに締結された別個の電流コレクタ160を備える図17に示されるリベット240を、例えば、電流コレクタから延び且つ陽極の少なくとも一部に進入する釘の形状の一体的な細長い電流コレクタ160を備えた単一リベットと置換し得る。そのような一体的な電流コレクタは、電池の中心長手軸190に沿って中心的に位置付けられ得る。
【0137】
電池のそれぞれの実施態様は、電池ケーシングを巻き付ける従来的なフィルムラベルを有することが意図されることが理解されよう。そのようなラベルのための適切なプラスチックフィルムは当該技術分野において既知であり、典型的にはポリ塩化ビニルを含む。ラベルは、所望の設計又は表示で刻印され得る。そのようなラベルは、典型的には端部で接着剤で被覆され、ケーシング表面の周りに巻き付けることによって塗布され得る。代替的に、ラベルはスリーブの形態で塗布され、ケーシング表面上で熱収縮され得る。典型的なラベル12が図17に示されている。
【0138】
隔離板の組み立て
図10乃至13に示される電池の実施態様において、アルカリ電池において従来的に用いられる隔離板材料から、隔離板140を従来的に形成し得る。例えば、典型的には、セルロース又はセルロース誘導体及びポリビニルアルコール繊維から成る。電池10(図10乃至13)は、典型的には、約16mmの厚さ、約17mmの幅、及び、約35〜67mmの長さを有する立方体形状であり得る。所望の隔離板は、二重の層から構成され、(陰極110に面する)外層はセルロース誘導体及びポリビニルアルコール繊維を含み、陽極150に面する内層はレーヨンのようなセルロース材料を含む。陰極ディスク110が開放端部102(図11)を通じてケーシング内に挿入された後、隔離板が陰極面に晒されるように、隔離板140が挿入される。
【0139】
上述の平面電池(図10乃至13)における使用のための隔離板140は、図14及び14Bに示されるように、平面隔離板シートを転動することによって従来的に作成される。先ず、近端部140aが、縁部140aから約3〜5mm変位した屈曲線140bに沿って、F1の方向に内向きに折り畳まれる。隔離板表面140dに対してマンドレル(図示せず)を配置し得る。次に、遠縁部140cが縁部140aの周りを通過し、その結果、図14Aに示される部分的に巻き付けられた構造が得られるよう、隔離板の遠縁部140cがマンドレルの周りに巻き付けられる。遠縁部140cは、隔離板面上でF2方向に継続的に巻き付けられる(図14A)。縁部140cは、隔離板面に接着可能に固定され得る。次に、底部隔離板縁部142が、図14Bに示されるように、隔離板の背面を覆って約3mm内向きに折り畳まれ、そこに接着可能に固定される。単に底部隔離板縁部143cをF3方向に折り畳み、次に、図14Bに示されるようなバッグ構造を形成するために、それを押し付けることによって、縁部140c及び/又は底部隔離板縁部142を固定するための接着剤の使用を排除し得る。折り畳まれた隔離板がケーシング内に挿入されると、陰極形状も隔離板を図14Bに示されるバッグ構造に保持するのを助ける。マンドレル(図示せず)は除去される。結果として得られる巻き付けられた隔離板140(図14B)は、開放端部144と対向する閉塞端部143を備える閉塞境界面148を有するバッグの形状である。隔離板境界面148は、そこへ陽極材料の挿入するためのキャビティ155を定める。
【0140】
陰極ディスク110aが電池ケーシング100内に挿入された後、図14Bに示される構造に巻き付けられた隔離板140は、隔離板表面が露出した陰極表面に面するように挿入される。隔離板境界面148は、陽極キャビティ155を形成する。陽極キャビティ155は、好ましくは、図14Bに示されるような長円形構造を有する。キャビティ155の長円形構造の短い寸法は、典型的には、立方体構造の約6mmの全体的厚さの電池10のために約2〜3mmの間である。好ましくは、長円形構造の長い寸法は陽極キャビティ全体のために電池内で利用可能な空間の幅よりも幾分少ない。これは、図16に示されるように、隔離板の短い側面と陰極ディスク100aとの間に間隙145を生む。間隙145は、約2〜4mmの間、好ましくは約2〜3mmの間である。次に、陽極材料150は、隔離板の開放端部143を通じて陽極キャビティ155内に充填され、その結果、陽極材料150、陰極材料110、及び、それらの間の隔離板140で充填されたケーシング100が得られ、その場合には、図16に示されるように、隔離板の1つの短い側面と陰極との間の間隙145(空所)がある。
【0141】
所望であれば、間隙145内に直接的に計量分配することによって、追加的なアルカリ電解液を電池内部に加え得ることが測定された。追加的な電解質は、計量分配ノズルを間隙内に直接的に挿入することによって計量分配され得る。好適実施態様では、陽極150及び陰極110が電池内の所定位置に配置された後、少量の追加的な電解液を間隙145内に加え得る。代替的な実施態様では、陰極が所定位置に配置された後、陽極材料が陽極キャビティ内に挿入される前に、追加的な電解質の一部を間隙145内に加え得る。次に、陽極材料を電池の陽極キャビティ内に挿入し、然る後、最終量の電解質を間隙145内に加え得る。いずれの場合にも、追加的な電解質は、陽極の利用(放電された活性陽極百分率)及び全体的な電池性能を向上するのを助ける。それは電池の膨張を抑制する傾向のある要因でもあり得る。
【0142】
上記されたような隔離板140と陰極110との間の間隙145への電解液の追加は、もし電解質が陽極に直接的に加えられるならば起こり得るオーバーフロー問題を回避する。例えば、もし初めに隔離板140と陰極110との間に間隙がなく、追加的な電解質が電池内部に加えられるならば、陽極150上の空所146(図11)への電解質のオーバーフローがあり得る。そのようなオーバーフローは望ましくない。何故ならば、それは、金属カバー230が電池の開放端部102を覆う所定位置に配置された後、金属カバー230の下面又は縁部に沿った湿潤を引き起こすからである。次いで、そのような湿潤は、ケーシング100への金属カバー230の適切なレザー溶接に不利に影響を与える。
【0143】
もし追加的な電解質が間隙145に加えられるならば、それが増分ステップでなされることが推奨される。例えば、もし追加的な電解質が、陽極150、陰極110、及び、隔離板140がケーシング内に挿入された後に間隙145に加えられるならば、そのような追加的な電解質が複数の計量分配ステップで増分追加され、計量分配間に典型的には約1〜4分の間の時間経過を許容することが推奨される。これは、電解質の各増分量のための時間が陽極、隔離板、及び、陰極に吸収されることを可能にし、金属カバー230の適切な溶接を妨げ得る如何なるオーバーフローが発生する可能性も低減する。もし電池が長方形の7/5−F6サイズ電池であるならば、間隙145に加えられるべき追加的な電解液の量は、典型的には、約1グラムより下である。好ましくは、そのような各場合には、増分量の電解質が陽極、陰極、及び、隔離板に適切に吸収されるべき十分な時間を可能にするよう、計量分配間に約1〜4分の間の時間間隔を備えて、約4回の増分均等計量分配で電解質を加え得る。驚くべきことに、前記追加的電解質の全体が間隙145内に計量分配されるとき、陽極150は、隔離板表面148によって境界付けられた陽極キャビティ155を拡張するのに十分に膨張することが発見された。陽極150が膨張すると、隔離板表面148は陽極及び陰極の双方に対して面一に押し付けられ、それによって、間隙145を完全に閉塞する。
【0144】
図10乃至16を参照して図示され開示される実施態様に従って作成された電池10の性能試験がなされ、以下の試験電池実施例4において報告される。
【0145】
試験電池実施例4
図10乃至13に示される実施態様における長方形構造及び比較実施例におけると同一サイズの試験電池を準備した。陽極内の亜鉛の量は2.01グラムであり、MnO2の量は6.69であった。陽極150及び陰極110は以下の組成を有した。
【0146】
陽極組成:
Wt%
亜鉛1 60.0
界面活性剤2 0.075
(RM510)
電解質3
(9正常KOH) 39.9
100.00
【0147】
注記:
1.亜鉛粒子は約150ミクロンの平均粒子サイズを有し、約200ppmの総インジウム含有量をもたらすよう、インジウムで合金化されメッキされた。
2.Rhone Poulencからの有機燐酸エステル基界面活性剤溶液RM510
3.電解質は、全体で電解質溶液の約1.5wt%を構成するゲル化剤Waterlock A221及びCarbopol C940を含有した。
【0148】
陰極組成:
Wt%
MnO2(EMD) 84.0
(Kerr McGee
からのTrona D)
黒鉛1
(NdG15天然黒鉛) 10.0
電解質
(9正常KOH) 6.0
100.00
【0149】
1.黒鉛NdG15は、Nacional De Grafiteからの天然黒鉛である。
【0150】
陽極及び陰極が電池ケーシング内の所定位置に配置された後、追加的な合計0.82グラムの9N KOH電荷質が、4回の計量分配増分(増分当たり0.205グラム)で、隔離板140と陰極(図6)との間の間隙145に加えられた。計量分配増分の間の時間間隔は、約1〜4分の間であった。合計0.82グラムの電解質の追加は、上記の陽極及び陰極組成を著しく変えなかった。追加された電解質全体の一部は陽極内に吸収され、他の部分は陰極に吸収され、一部は隔離板に吸収された。間隙145に加えられた電解質は陽極を膨張させ、それによって、間隙145を閉塞する。この技法は、陽極上の空所146への電解質の如何なるオーバーフローも生じさせることなしに、追加的な電解質が陽極に加えられることを可能にする。そのような電解質のオーバーフローは望ましくない。何故ならば、それは金属カバー230の縁部の質順を引き起こし、次いで、それは電池ケーシングへのカバー230の適切な溶接を妨げ得るからである。
【0151】
電池のためのケーシング100壁厚は0.38mmであった。新しい電池は、67mmの長さ、5.6mmの厚さ、及び、17mmの幅を有した。電池の陽極150及び陰極110は、(グラム当たり820ミリアンペア−時間の亜鉛に基づく)亜鉛のミリアンペア−時間容量によって割り算された(グラム当たり370ミリアンペア−時間のMnO2に基づく)MnO2の理論容量が1.5であるように平衡された。陽極は2.01グラムの亜鉛を有した。(陰極は6.69グラムのMnO2を有した。)陽極150、陰極110、及び、隔離板140は、ケーシング100の外部容量の約66%を構成した。ケーシング外側厚さに対する陽極の厚さの比率は約0.35であった。
【0152】
厚さは、電池の外側厚さ(小さな寸法)を横断して、長手軸190に対して直交する平面に沿って測定される。
【0153】
電池は、0.9ボルトのカットオフ電圧に達するまで「電源オン」及び後続の3時間の「電源オフ」を備える90ミリワットの周期で間欠的に放電された。実際の耐用年数は20.1時間であった。ケーシングは、5.6mmの厚さから5.99mmの厚さに膨張した。(厚さは、図1Aに示される側壁106a,106の外面間で測定された。)
【0154】
比較試験では、電池の平衡比率(亜鉛の理論容量に対するMnO2の理論容量)が約1.1であるとき、平面試験電池の膨張は、5.6mm〜6.13mmの全体的厚さに著しく増大した。上記試験実施例4(1.5の平衡比率)では、電池の膨張はより少なく、即ち、5.6mmから6.03mmである。試験実施例4(1.5の平衡比率)では、電池は5.6mmから5.99mmに膨張した。
【0155】
本発明の好適実施態様は、立方体(直平行六面体)の全体的形状を有する平面アルカリ電池に関して記載されたが、そのような全体的形状の変形が可能であり、本発明の概念内に入ることが意図される。平面電池の場合には、例えば、立方体(直平行六面体)の形状において、ハウジングの両端部は、それらの長方形状を維持しながらも、僅かに外向き或いは内向きにテーパ付きであり得る。そのような多様な形状の全体的外観は、依然として本質的に立方体のそれであり、立方体又はその法律的均等物の意味内に入ることが意図される。平行六面体が厳密な直方形から僅かに偏位するように電池の両端部がハウジングの側面の任意の1つと成す角度を僅かに変えるような全体的形状に対する他の変形も、ここで並びに請求項において用いられるような立方体(直平行六面体)の意味の範囲内に入ることが意図される。
【0156】
本発明は、ケーシングの長さに沿った外部ケーシングの側面が実質的に平面であるという点で平面である全体的な電池形状に望ましくは及ぶことが意図される。よって、「平面」という用語は、そのような表面の曲率度が僅かであるという点で実質的に平面的である表面に及び且つ含むことが意図される。具体的には、本発明の概念は、ケーシングの長さに沿った電池ケーシング表面の側面が平面的な多角形面を有する平面電池に及ぶことが意図される。よって、電池は、多角形である外部ケーシングの全ての側面を備えた多面体の全体的形状を有し得る。本発明は、その長さに沿った電池ケーシングの側面が平面を有し、それは平行四辺形であり、電池の全体的形状がプリズム状である電池に及ぶことも意図される。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】電池の負端子端部を示す本発明の平面アルカリ電池を示す斜視図である。
【図1A】電池の正端子端部を示す図1の平面アルカリ電池を示す斜視図である。
【図2】線2−2に沿って取られた図1Aに示される電池を示す断面図である。
【図2A】線2−2に沿って取られ且つ変更された栓設計を示す図1に示される電池を示す断面図である。
【図3】線3−3に沿って取られた図1Aに示す電池を示す断面図である。
【図3A】線3−3に沿って取られ且つ変更された栓設計を示す図1Aに示される電池を示す断面図である。
【図4】平面アルカリ電池のためのエンドキャップ組立体を構成する構成要素を示す展開図である。
【図4A】線がそのハウジングキャビティ内に圧縮される前の図2A及び図3Aに示される変更された栓を示す斜視図である。
【図4B】細長い陽極キャビティを示すために図1Aの視線に沿った電池の長手軸に対して直交する平面で取られた電池の断面を示す平面図である。
【図4C】細長い陽極キャビティの他の実施態様を示す電池の断面を示す平面図である。
【図4D】細長い陽極キャビティの第三実施態様を示す断面を示す平面図である。
【図5】電池ケーシング(ハウジング)内への電池含有物及びエンドキャップ組立体の導入を示す展開図である。
【図6】電池のケーシングの内面への強い溶接部及び弱い溶接部を備えた縁部に沿ってレーザ溶接された金属カバープレートを示す平面図である。
【図6A】電池のケーシングのクリンプ加工された縁部への強い溶接部及び弱い溶接部を備えた縁部に沿ってレーザ溶接された金属カバープレートを示す平面図である。
【図7】強い溶接部及び弱い溶接部の実施態様を示す電池ケーシング本体を示す側面図である。
【図7A】湾曲した強い溶接部及び弱い溶接部の実施態様を示す電池ケーシング本体を示す側面図である。
【図8】下方に位置する薄肉材料の涼気を形成するケーシング本体内の溝を示す電池の側面図である。
【図8A】ケーシング本体内の複数の溝を示す電池の側面図であり、各溝は下方に位置する薄肉材料の領域を形成している。
【図9】図8及び8Aに示される代表的な溝を示す断面図である。
【図10】図10Aに示される電池ケーシングにレーザ溶接された金属カバーを示す上面図である。
【図10A】ケーシングの広い側面上の単一の溝を示す平面アルカリ電池の実施態様を示す側面図である。
【図11】図10Aに示される電池の広い側面を示す断面図である。
【図12】図10Aに示される電池の短い側面に沿った断面図である。
【図13】図10Aに示される平面電池のためのエンドキャップ組立体を構成する構成部材を示す展開図である。
【図14】単一シートの隔離板材料から図10Aの電池のための隔離板を組み立てを示す斜視図である。
【図14A】巻き付けられた隔離板シートを形成するステップを示す斜視図である。
【図14B】開放端部及び反対側の閉塞端部を有する完成された巻き付けられた隔離板を示す斜視図である。
【図15】溝付き通気口から切断されたV字形状溝の代替的な種類を示す断面図である。
【図16】隔離板の短い側面と陰極との間に間隙がある実施態様を示す断面図である。
【図17】プラスチックエキステンダーの代わりに紙ワッシャが溶接された金属カバーの上に積層されている点を除き図11の電池と類似する代替的な実施態様を示す断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、実質的に平面的な外部ハウジングを有するアルカリ電池に関する。本発明は、亜鉛を含む陽極と、二酸化マンガンを含む陰極と、水性の水酸化カリウムを含む電解質とを有するアルカリ電池にも関する。
【背景技術】
【0002】
従来的なアルカリ電気化学電池は、亜鉛を含む陽極と、二酸化マンガンを含む陰極とを有する。電池は、典型的には、円筒形の外部ハウジングから形成される。新しい電池は、約1.5ボルトの開放回路電圧(EMF)と、中間ドレインサービスにおいて約1.0〜1.2ボルトの間の典型的な平均運転電圧(100〜300ミリアンペア)とを有する。初めに、円筒形ハウジングは、拡大開放端部と反対側の閉塞端部で形成される。電池含有物が供給された後、絶縁グロメット及び負端子エンドキャップを備えるエンドキャップ組立体が、ハウジング開放端部に挿入される。ハウジング縁部を絶縁栓上でクリンプ加工し、且つ、緊密な封止をもたらすために、開放端部は、ハウジングを絶縁栓の周りで径方向に圧縮することによって閉塞される。絶縁グロメットは、負端子キャップを電池ハウジングから電気的に絶縁する。反対側の閉塞端部にある電池ハウジングの一部は、正端子を形成する。
【0003】
多様な電気化学電池、特にアルカリ電池の設計に関連する問題は、電池が特定地点、普通は、電池の耐用容量の完全な消耗の地点付近を超過して放電し続けると、電池はガスを発生する傾向があることである。電気化学電池、特にアルカリ電池は、従来的には、エンドキャップ組立体内に破裂可能な隔膜又は破裂可能な膜を備える。破裂可能な隔膜又は膜を例えば米国特許第3,617,386号に記載されるようなプラスチック絶縁部材内に形成し得る。
【0004】
従来技術は破裂可能な通気隔膜を開示し、それはエンドキャップ組立体内に含まれる絶縁ディスク内の薄肉領域として一体的に形成される。そのような通気隔膜は、例えば、米国特許第5,589,293号に示されるように、電池の長手軸に対して直交する平面内に位置するよう向けられ得るし、或いは、それらは、米国特許第4,227,701号に示されるように、電池の長手軸に対して傾斜して向けられ得る。米国特許第6,127,062号は、絶縁封止ディスクと、一体成形された破裂可能な隔膜とを開示し、それは垂直に、換言すれば、電池の中心長手軸と平行に向けられている。電池内のガス圧が所定レベルまで上昇すると、膜は破裂し、それによって、エンドキャップを通じて外部環境にガス圧を解放する。
【0005】
電気化学電池内のガス圧を解放するための他の種類の通気口が従来技術に開示されている。1つのそのような通気口は、レシート可能なゴム栓であり、それは小さな平面的な長方形状の充電式ニッケル水素電池と関連して効果的に用いられてきた。レシート可能なゴム栓通気口を備える1つのそのような充電式電池は、Gold Peak Batteries(香港)によって製造される電池型式GP14M145として商業的に入手可能な7/5−F6サイズの充電式ニッケル水素電池である。ゴム栓は、キャビティ内の傾斜開口内に緊密に位置するよう或いは電池のエンドキャップ組立体に着座するよう物理的に圧縮される。電池の内部ガス圧が所定レベルに達すると、栓はその座から持ち上がって離れ、それによって、下に位置する開口からガスを逃がす。電池内のガス圧が通常に戻ると、栓は再着座する。
【0006】
主要なアルカリ電気化学電池は、典型的には、亜鉛陽極活性化材料と、アルカリ電解質と、二酸化マンガン陰極活性化材料と、典型的にはセルロース又はセルロース誘導体及びポリビニルアルコール系繊維の電解質透過性分離フィルムとを含む。陽極活性化材料は、例えば、カルボキシルメチルセルロースナトリウム又はアクリル酸共重合体のような従来的なゲル化剤及び電解質と混合された亜鉛粒子を含み得る。ゲル化剤は、亜鉛粒子を橋架し、それらを相互に接触して維持する働きをする。典型的には、陽極活性化材料内に挿入される伝導性金属釘は、陽極電流コレクタとして働き、それは負端子エンドキャップに電気的に接続される。電解質は、アルカリ水酸化金属、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、又は、水酸化リチウムの水溶液であり得る。陰極は、導電性を増大するために導電性添加剤、典型的には、黒鉛材料と混合された電気化学活性化材料として、粒子状二酸化マンガンを典型的に含む。選択的に、少量の高分子結合剤、例えば、ポリエチレン結合剤、及び、チタン含有化合物他の添加剤を、陰極に加え得る。
【0007】
陰極において用いられる二酸化マンガンは、好ましくは、硫酸マンガン及び硫酸の浴槽の直接電気分解によって生成される電解二酸化マンガン(EMD)である。EMDは高密度及び高純度を有するので、EMDが望ましい。EMDの電気伝導率(抵抗率)はかなり低い。個々の二酸化マンガン粒子間の電気伝導率を向上するために、導電性材料が陰極混合物に加えられる。そのよう導電性添加剤は、二酸化マンガン粒子と電池ハウジングとの間の電気伝導率も向上し、それは従来的な円筒形アルカリ電池における陰極電流コレクタとしても作用する。適切な導電性添加剤は、例えば、黒鉛、黒鉛状材料、アセチレンブラックを含むカーボンブラックのような、伝導性炭素粉末を含み得る。好ましくは、伝導性材料は、薄片状の結晶性天然黒鉛、又は、展伸若しくは剥離黒鉛若しくは黒鉛状炭素ナノ繊維及びそれらの混合物を含む薄片状の結晶性合成黒鉛を含む。
【0008】
小型サイズの長方形状の充電式電池が現在入手可能であり、それらはMP3オーディオプレーヤー及びミニディスク(MD)プレーヤーのような小型電子装置に電力供給するために用いられる。これらの電池は、典型的には、幾分チューインガムパックのサイズの小さな立方体(直平行六面体)の形状である。ここで用いられる「立方体」という用語は、その普通の幾何学的定義、即ち、「直平行六面体」を意味するものとする。例えば、そのような電池は、例えば、国際電気標準会議(IEC)によって定められるそのような電池のための標準サイズに従った置換可能な充電式ニッケル水素(NiMH)サイズF6又は7/5F6サイズの立方体の形態であり得る。F6サイズは、6.0mmの厚さ、17.0mmの幅、及び、35.7mmの長さを有する(ラベルなし)。長さが約48.0ぐらいの大きさであり得るF6サイズのバージョンがある。7/5−F6サイズは、6.0mmの厚さ、17.0mmの幅、及び、67.3mmの長さを有する。IEC規格によれば、7/5−F6サイズの許容偏差は、厚さが+0,−0.7mm、幅が+0,−1mm、長さが+0,−1.5mmである。MP3オーディオプレーヤー又はミニディスク(MD)プレーヤーのような小型デジタルオーディオプレーヤーに電力供給するために用いられるとき、F6又は7/5F6NiMH充電式電池の平均運転圧力は、約1.1〜1.4ボルトの間であり、典型的には、1.12ボルトである。
【0009】
ミニディスク(MD)プレーヤーに電力供給するために用いられるとき、電池は約200〜250ミリアンペアの速度で消耗される。デジタルオーディオMP3プレーヤーに電力供給するために用いられるとき、電池は約100ミリアンペアの速度で消耗されるのが典型的である。
【0010】
ミニディスク(MD)又はMP3プレーヤーのような小型電子装置に電力供給するために、小型アルカリサイズ電池をニッケル水素電池と置換可能に用い得るよう、小型サイズの立方体形状(直平行六面体)のニッケル水素電池と同じサイズ及び形状の小型の平面アルカリ電池を有するのが望ましい。
【0011】
小型の長方形状の充電式電池、具体的には、小型サイズの充電式ニッケル水素電池の代わりとして、主(非充電式)アルカリ電池、好ましくは、亜鉛/MnO2アルカリ電池を使用するのが望ましい。
【0012】
しかしながら、長方(立方体)形状の主Zn/MnO2アルカリ電池の設計に関連する特別な問題は、電極が電池放電中に膨張する傾向があることである。放電中、陽極及び陰極の双方が膨張する。
【0013】
所与のハウジング壁厚に関して、長方形状の電池ハウジングは、同程度のサイズ及び容量の円筒形状ハウジングよりも、(ガス化及び陽極膨張に起因する)電池内部圧力の所与の増大に余り耐え得ない。これは、任意の所与圧力及びハウジング壁厚に関して、類似サイズの円筒形状ハウジング上に加えられるよりも著しく高い、長方(立方体)形状ハウジング上に加えられる円周応力(フープ応力)の故である。ハウジングの壁厚を著しく増大することによって、長方形状の電池に関連するバルジング又は膨張の問題を克服し得る。しかしながら、ハウジング壁厚の著しい増加は、小さな全体的な厚さ、例えば、約10mmより下の厚さの長方形状電池用の陽極及び陰極材料のために利用可能な容量の著しい減少を招き得る。付加される壁厚は、電池の製造コストを増加させる。この関係で、ハウジング壁厚を約0.50未満、好ましくは、約0.47mm未満に保つのが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
よって、長方(立方体)形状ハウジングを有するが、通常の電池使用中にハウジングが著しく膨らまず若しくは膨張しないF6又は7/5−F6サイズ電池のような、小型の平面(非充電式)アルカリ電池を設計するのが望ましい。
【0015】
そのような長方形状電池を同一サイズの平面充電式ニッケル水素電池の代わりとして用い得るのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の主たる特徴は、放電後に水素ガスを発生する(非充電式)アルカリ電池に主として向けられ、該電池は、外部ケーシング(ハウジング)と、ガス圧力が所定値に達するときに水素ガスを電池から逃がす通気機構を含むエンドキャップ組立体とを有する。ケーシングは、電池の長さに沿って走る少なくとも一組の対向する平面壁を有する。
【0017】
エンドキャップ組立体がケーシングの開放端部に挿入され、ケーシングを閉塞するために、クリンプ加工又は溶接によって封止される。ケーシング縁部は、開放端部で、典型的にはナイロン又はポリプロピレンの絶縁封止部材上にクリンプ加工され、開放端部内に挿入され得るが、開放端部を閉塞するために、金属カバーをケーシングにレーザ溶接するのが好ましい。アルカリ電池は、平行六面体の形状であり得るが、望ましくは、立方体(直平行六面体)の形状である。よって、ケーシングは好ましくは立方体形状であり、それは如何なる一体的な筒形状部分も有しない。アルカリ電池は、望ましくは、亜鉛を含む陽極と、水性アルカリ電解質、好ましくは、水酸化カリウムの水溶液とを有する。
【0018】
エンドキャップ組立体は、通気機構と、好ましくは、長方形状の金属カバーとを含む。カバーは、電池含有物がケーシング内に挿入された後に、ケーシングの開放端部を閉塞するために用いられる。もし絶縁体又は絶縁封止部材が前記カバーの縁部とケーシング縁部との間に挿入され、ケーシング縁部が絶縁体上にクリンプ加工されるならば、金属カバーは、電池の負端子を形成し得る。代替的に、カバーをケーシング縁部に直接的に溶接し得る。もしカバーがケーシング縁部に溶接されるならば、電池の負端子として機能するよう、カバーから絶縁された別個のエンドキャップを陽極と電気的に連絡して用い得る。ケーシングは正であり、電池の正端子を形成する。
【0019】
1つの特徴において、金属カバーは、ケーシングの開放端部を閉塞するために、ケーシング縁部に直接的に溶接され、プラスチックエキステンダー封止が金属カバー上に積層され、次いで、負エンドプレートがプラスチックエキステンダー上に積層される。他の特徴において、プラスチックエキステンダーの代わりに、紙ワッシャを用い得る。
【0020】
好ましくは複数のコンパクト化されたスラブ又はディスクの形態のMnO2を含む陰極が挿入される。陰極スラブ又はディスクは好ましくは長方形状であり、それぞれスラブの厚さを通じて走る中心中空コアを有する。スラブは積み重なるように挿入される。スラブは、その外面がケーシングの内面と接触するよう、電池の長さに沿って整列される。積層陰極スラブは、電池の長手軸に沿って走る中心中空コアを形成する。積層陰極スラブ内の中心中空コアは、陽極キャビティを形成する。スラブ内に中心中空コア(陽極キャビティ)を定める各陰極スラブの内面は、好ましくは湾曲面である。そのような湾曲した内面は、移送及び処理期間中に、スラブの機械強度を向上し、電解質透過性隔離板と陰極との間のより均一な接触をもたらす。隔離板の外面が陰極の内面と当接し且つ密接に接触するよう、隔離板は電池の中心中空コア(陽極キャビティ)内に挿入される。亜鉛粒子を含む陽極スラリーが、陽極と陰極との間の接合面をもたらす隔離板を備える陽極キャビティ内に挿入される。エンドキャップ組立体は細長い陽極電流コレクタを有し、それは陽極スラリー内に挿入され且つ電池の負端子と電気的に連絡する。エンドキャップ組立体は、絶縁封止部材を有し、それはそのような陽極電流コレクタを電池の外部ケーシングから絶縁する。
【0021】
陽極キャビティが、電池の長手軸に対して直交する平面に沿った陰極スラブの断面を取った後に平面で見られるときに、陽極キャビティは、好ましくは細長い又は長円形構造を有する。外部ケーシング(ハウジング)は、望ましくは鋼であり、好ましくはニッケルめっき鋼である。ケーシング壁厚は、望ましくは約0.30〜0.50mmの間、典型的には約0.30〜0.45mmの間、好ましくは約0.30〜0.40mmの間、より望ましくは約0.35〜0.40の間である。
【0022】
1つの特徴において、再使用可能な或いは再活性化可能な通気口、好ましくは、レシート可能な栓通気機構を、主通気機構として用い得る。レシート可能な栓は、約100〜300psig(689.5×103〜2069×103パスカルゲージ)の間、望ましくは約100〜200psig(689.5×103〜1379×103パスカルゲージ)の間の電池の内部ガス圧力が閾値レベル圧力P1に達するときに活性化するよう設計されるのが好ましい。
【0023】
他の特徴において、もう1つの離間した溝通気口、好ましくは、ケーシング表面上の少なくとも1つの打抜き又は刻込み領域を含む単一の連続的な溝通気口(鋳造通気口)を、主通気機構として用い得る。溝通気口は、下方に位置する薄肉領域が約250〜800psig(1724.5×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の圧力P1で破裂するよう、ケーシング表面に打ち抜かれ、切断され、或いは、刻み込まれ得る。そのような設計では、レシート可能な栓を除去し得る。好ましくは、溝通気口は、正端子近傍のケーシングの閉塞端部近傍に位置付けられる。溝境界を閉塞或いは開放し得る。溝は、好ましくはケーシング縁部と平行な、直線又は実質的直線であり得る。溝幅は、典型的には小さく、例えば、約1mm未満である。しかしながら、ここでもちいられるような「溝」又は「溝通気口」という用語は、如何なる特定の幅又は形状に限定されることは意図されず、むしろ、電池内のガス圧力が標的閾値レベルに達するときに亀裂し或いは破裂することが期待される下方に位置する薄肉の材料領域をもたらす、電池のケーシングの如何なる凹みをも包含する。非限定的な実施例として、7/5−F6サイズの長方形電池には、好ましくはケーシング閉塞端部近傍に、ケーシングの広い面に位置付けられ且つ広い縁部と平行な溝通気口がある。複数のそのような溝通気口があり得るが、ケーシングの広い側面上にあり、長さが約8mmであり、且つ、ケーシングの閉塞端部から約5〜10mmの単一の溝通気口だけがあるのが望ましい。
【0024】
本発明のそのような特徴において、薄肉材料が下方に位置する溝通気口は、電池内のガス圧力が約250〜800psig(1724×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の設計爆発圧力P1に達するときに破裂するよう設計され得る。約250〜800psig(1724×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の爆発圧力におけるそのような範囲を達成するために、薄肉材料が下方に位置する溝は、約0.04〜0.15mmの間の厚さを有し得る。代替的に、薄肉材料が下方に位置する溝通気口は、電池内のガス圧力が約400〜800psig(2758×103〜5515×103パスカルゲージ)の間、望ましくは約400〜600psig(2758×103〜4136×103パスカルゲージ)の間の設計爆発圧力に達するときに破裂するよう設計され得る。400〜800psig(2758×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の破裂圧力を達成するために、薄肉材料が下方に位置する溝は、約0.07〜0.15mmの間の厚さを有し得る。
【0025】
ケーシング表面を型、好ましくは切断ナイフ縁部を有する型で打ち抜くことによって溝通気口を作成し得る。打抜き型がケーシング外面を先行するときに、マンドレルがケーシングの内面に対して保持される。溝は、等長側面を有するV字形状或いは非等長側面を有するV字形状に便利に切断され得る。前者の場合、V字形状溝を形成する側面は、望ましくは約40度の鋭角を形成し、後者の場合、それらは好ましくは10〜30度の間の角度を形成する。
【0026】
溝通気口と共に、金属カバーをケーシングに固定する1つ又はそれ以上のレーザ溶接部を含む補足的な通気システムがあり得る。そのような溶接部は、薄肉領域が下方に位置する溝通気口の破裂圧力P1よりも高い圧力で破裂するよう設計され得る弱い溶接部及び強い溶接部の一方又は双方から成り得る。そのようなレーザ溶接は、Nd:Yagレーザを用いてなされる。
【0027】
本発明の特徴において、1つだけのレーザ溶接部、即ち、金属カバーの周縁全体をケーシングに固定する強い溶接部があり得る。強い溶接部は、壊滅的条件の下で、例えば、もし電池が極めて高い電流の下で或いは電池内のガス発生を約800psig〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)の間のレベルに急激に上昇させる極めて不正使用の条件の下で不注意に充電に晒されるならば破裂するよう設計される補足的な通気システムとして機能し得る。
【0028】
よって、好適な特徴において、電池ケーシング上を打ち抜かれた或いは切断された少なくとも単一の溝通気がある。単一の溝通気機能は電池の主要通気機構として機能し、その場合には、薄肉材料が下方に位置する溝は、もし電池内のガスが約250〜800psig(1724×103〜5515×103パスカルゲージ)の間、より典型的には約400〜800psig(2758×103〜5515×103パスカルゲージ)の間のレベルに上昇するならば破裂するよう設計される。そして、金属カバーの縁部をケーシングに固定する強いレーザ溶接部を含む補足的通気システムが組み合わせがある。そのような強いレーザ溶接部は、電池内のガスが約800psig〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)の間のレベルに急激に上昇する壊滅的状況の場合に亀裂し或いは破裂するよう設計される。そのような場合には、電池内のガスは破裂を通じて迅速に逃げ、電池の内部圧力は直ちに通常レベルに戻る。
【0029】
本発明の特徴において、電池は、陰極が超過するよう平衡される。望ましくは、電池は、(グラム当たり820ミリアンペア−時間の亜鉛の理論比値に基づく)亜鉛のミリアンペア−時間容量によって割り算された(グラム当たり370ミリアンペア−時間のMnO2の理論比値に基づく)MnO2の理論容量の比率が、約1.15〜2.0の間、望ましくは約1.2〜2.0の間、好ましくは約1.4〜1.8の間であるように平衡される。ここの平面アルカリ電池の設計は、亜鉛の理論容量に対するMnO2の理論容量のより高い比率で、全体的な膨張の量を低減することが測定された。全体的な膨張を減少するために、亜鉛の理論容量に対するMnO2の理論容量の比率は、約2.5の高さ或いは約3.0まででさえあり得るが、電池設計は、約2.0より上のそのように高い比率で、電池容量をより顕著に減少し、よって、その観点から余り望ましくなくなる。何故これが起こるかは確実に知られていない。それは部分的には亜鉛の殆ど全てが放電されるという事実の故であり得る。そのような場合には、たとえあったとしても僅かの水酸化亜鉛中間体が陽極内に残るだけであり、それは膨張を引き起こし得る。
【0030】
ケーシング外側の厚さに対する陽極の厚さの比率は、望ましくは約0.30〜0.40の間である。(そのような厚さは、電池の外側厚さを横断して、電池の長手軸と平行な平面に沿って測定される。)放電後の電池の膨張はそれによって制御され、平面又は長方形状のアルカリ電池が携帯デジタルオーディオプレーヤー及び類似物のような電子装置のための主電源として用いられるのを可能にする。
【0031】
1つの特徴において、アルカリ電池は、小さな立方体(直平行六面体)の全体的形状を有し、典型的には約5〜10mmの外側厚さ、具体的には約5〜7mmの厚さを有する。外側厚さは、電池の短い寸法を定めるハウジングの対向側面の外側面の間の距離によって測定される。そのような実施態様では、本発明の主(非充電式)アルカリ電池を、例えば、小型サイズの平面充電式電池の取替えとして用い得る。具体的には、そのような主アルカリ電池を、同一サイズの充電式ニッケル水素電池、例えば、7/5−F6サイズの長方形の充電式ニッケル水素電池のための取替えとして用い得る。
【0032】
本発明の特徴において、隔離板を開放端部及び反対側の閉塞端部を有するバッグ形状に組み立て得る。単一シートの隔離板材料を巻き付け且つ一端を接着剤又は熱封止で閉塞することによって、そのような隔離板を容易に形成し得る。陰極ディスクが電池ケーシング内に挿入された後、次に、巻き付けられた隔離板は、隔離板表面が露出された陰極表面に面するよう挿入される。好ましくは、隔離板の幅は、陽極キャビティ全体の幅よりも幾分少ない。この結果、隔離板の1つの短い側面と陰極ディスクとの間に間隙が得られる。間隙は、約2〜4mmの間、好ましくは約2〜3mmの間である。次に、隔離板の開放端部を通じて、陽極材料を陽極キャビティ内に充填し得る。この結果、陽極材料、陰極材料、及び、それらの間の隔離板で充填されたケーシングが得られ、この場合には、隔離板の1つの短い側面と陰極との間に間隙(空所)がある。
【0033】
追加的なアルカリ電解液を間隙内に注入することによって、追加的なアルカリ電解液を電池内部に今や加え得る。陽極及び陰極が電池内の所定位置に配置された後に少量の追加的な電解液を電池内部に追加するのが望ましくあり得る。望ましくは増分電解質計量分配の間に短い時間間隔を備えて、追加的な電解液を小さな増分で隔離板と陰極との間の前記間隙に加え得る。代替的な実施態様では、陰極が所定位置に配置された後、陽極が陽極キャビティ内に挿入される前に、追加的な電解質の一部を間隙に加え得る。次に、陽極材料が電池の陽極キャビティ内に挿入され、然る後、追加的な電解液が間隙に加えられ得る。最後の量のアルカリ電解質が隔離板と陰極との間の間隙に加えられた後、陽極は膨張し、隔離板表面を陰極に対して面一に押し付け、よって、間隙を消失させる。
【0034】
追加的な電解液は、陽極の利用及び全体的な電池性能を向上するのに役立ち得る。それは電池の膨張を抑制する傾向のある要因であり得る。もし追加的な電解質が前記間隙に加えられるならば、電解質の吸収を可能にするために、計量分配間に例えば約1〜4分の間で十分な時間遅延を備えて、それは計量分配増分で加えられるのが好ましい。そのような手順は、エンドキャップ組立体キャビティ、即ち、陽極上の空間への電解質のオーバーフローを引き起こさずに、陽極及び陰極への追加的な電解質の吸収を可能にする。そのようなオーバーフローは、ケーシングに対する金属カバーの均一なレーザ溶接を妨げるのに十分な金属カバー表面及び縁部の湿潤を引き起こす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明の平面アルカリ電池10の具体的な実施態様が図1乃至5に示されている。電池10は、少なくとも2つの平面的な対向する側面を有し、それらは電池の長手軸と平行である。図1及び1Aに最良に示されるように、電池は長方形状、換言すれば、立方体であるのが好ましい。ここで用いられる「立方体」という用語は幾何学的定義を意味し、それは直平行六面体である。しかしながら、電池10は平行六面体でもよい。図面に示されるような外部ケーシング100は、好ましくは立方体形状であり、よって、如何なる一体的な円錐形状部分も有さない。電池10は、典型的には、その幅よりも小さな厚さ、且つ、その長さよりも小さな幅を有する。電池の厚さ、幅、及び、長さが異なる寸法であるとき、厚さは、普通、これらの3つの寸法のうちで最小と考えられる。
【0036】
電池は、好適にはニッケルめっき鋼の立方体形状ケーシング(ハウジング)100を含むのが好ましい。ケーシング100の背面は、例えば、商品名TIMREX E−LB炭素塗膜の下で入手可能な溶剤に基づく炭素塗膜の層で被覆されるのが好ましい。図面に示される実施態様において、ケーシング(ハウジング)100は、一組の対向する大きな平面的な壁106a,106bと、一組の対向する小さな平面的な壁107a,107bと、閉塞端部104と、反対側の開放端部102とによって境界付けられている。電池の厚さは、壁106a,106bの外面の間の距離によって定められる。電池の幅は、壁107a,107bの外面の間の距離によって定められる。ケーシング100は、伝導性を向上するために、その内面が炭素又はインジウムの層で被覆されるのが望ましい。陽極150と、陰極110と、それらの間の隔離板140とを含む電池含有物は、開放端部102を通じて供給される。好適実施態様において、陽極150は粒子状亜鉛を含み、陰極110はMnO2を含む。水酸化カリウムの水溶液が陽極及び陰極の一部を形成する。
【0037】
図5に最良に示されるように、陰極110は、その厚さを通じて中空中心コア110bを有する複数のスラブ110aの形態であり得る。陰極スラブ110aは、全体的に長方形状である。図2、3、及び、5に示されるように、陰極スラブ110aはケーシング100内に挿入され、電池の長さに沿って垂直に積み重なって積層化されている。ケーシング100内への挿入後、各陰極スラブ110aを再圧縮し得る。そのような再圧縮は、各陰極スラブ110aの外面がケーシング100の内面と緊密に接触することを保証する。好ましくは、陰極スラブ110a内の中空中心コア110bは、陽極スラリー150を受容するために電池の長手軸190に沿って1つの連続的な中心コアを形成するよう整列される。選択的に、ケーシング100の閉塞端部104に最も近い陰極スラブ110aは、閉塞端部104の内面に当接し且つ被覆する底面を有し得る。
【0038】
陰極スラブ110aをダイカスト又は圧縮成形し得る。代替的に、中空コアを有する単一の連続的な陰極110を形成するようノズルを通じて押し出される陰極材料で陰極110を形成し得る。中空コア110bを備える複数のスラブ110aを用いても陰極110を形成可能であり、その場合には、各スラブはケーシング100内に押し出される。
【0039】
陰極110の挿入後、図2、3、及び、5に示されるように、隔離板140の外面が陰極の内面に当接するよう、電解質透過性隔離板140が、次に、各スラブ110aの中心コア110b内に位置付けられる。前記中空中心コア110bを定める各陰極スラブ110aの内面は、好ましくは曲面である。そのような湾曲した内面は、移動及び処理期間中、スラブの機械的強度を向上し、隔離板140と陰極110との間のより均一な接触をもたらす。
【0040】
スラブ110aの中心コア110bは、上記されたように、1つの連続的なコアを形成するよう整列される。隔離板240の挿入後、連続的なコアは、陽極材料150を収容するための陽極キャビティ155を形成する。陽極キャビティは、陰極材料の全くない陰極スラブ110aの中心コアの内側にある。陽極キャビティ155は、電池の長手軸190に対して直交する平面に沿って陰極スラブ110aの断面を取った後の平面図(図4B)で見られるとき、細長い又は長円の形状を有する。境界パラメータ156によって定められる陽極キャビティ155の断面は、楕円形又は実質的に楕円形である。キャビティ155は、短い寸法D2よりも大きな長い寸法D1を有する。よって、キャビティ155は、電池の狭い側面(107a又は107b)と平行な平面の方向の直径(又は幅)D2よりも大きな、電池の広い側面(106a又は106b)と平行な平面の経路に沿った直径(又は幅)D1を有し得る。よって、非限定的な実施例として、陽極キャビティ155は、中心長手軸190に対して直交する平面に沿った断面で見られるときに、楕円形状を取り得るし、或いは、実質的に楕円形のようであり得る。陽極キャビティの対向する長い境界縁部158a,158bは、断面(図4B)で見られるときに、全体的な構造が完全な楕円ではないが、それにも拘わらず図示のように細長い或いは長円形であるよう、平面的或いは実質的に平面的であり得る。
【0041】
キャビティ155は、電池の中心長手軸190に対して直交する平面によって陰極スラブ110aを切断することによって得られる断面(図4B、4C、及び、4D)で見られるときに、細長い又は長円形の形状を有する。そのような細長い形状は、図4Cに示されるような細長い多角形又は長方形状であり得る。境界パラメータ156によって定められるキャビティ155の長い寸法D1及び短い寸法D2を定める軸を、図4Dに示されるように傾斜し得る。好ましくは、電池中心長手軸190(図1A)に対して直交する平面によって陰極スラブ110aを切断することによって得られる断面(図4B)で見られるときに、キャビティ155は、湾曲した境界パラメータ156の少なくとも一部を有する。キャビティ155は長円形構造であるのが望ましい。好適実施態様では、キャビティ155を定める実質的に全ての境界パラメータ156が湾曲している。具体的には、図4Bに最良に示されるように、少なくとも、電池の対向する狭い側面107a,107bに最も近い、キャビティ155の対向する表面157a,157bは、湾曲しているのが望ましい。好ましくは、上記のような断面で見られるときに、キャビティ155の実質的に全てのパラメータ156は湾曲している。図4Bに示されるように外側ケーシング100から見られるときに、対向する長い縁部158a,158bは、外向きに湾曲している(凸状である)のが好ましい。しかしながら、長い縁部158a,158bは平面的又は実質的に平面的であり得る。代替的に、例えば、交互の凸状及び凹状の表面を有することによって、長い縁部158a,158bは僅かに内側に湾曲し(凸状になり)得るし、或いは、僅かに外向きに湾曲し(凹状になり)得る。同様に、短い縁部157a,157bは、僅かに内側に湾曲し(凸状になり)得るし、或いは、僅かに外向きに湾曲し(凹状になり)得るし、或いは、例えば、交互に凹状及び凸状の表面を有することによって、回旋状の湾曲であり得る。電池の長手軸に対して直交する平面に沿って取られた陰極スラブ110aの如何なる断面にも、平面内の最大長さを表わすキャビティ155の長い寸法D1と、前記平面内の最大幅を表わす短い寸法D2もある。長い直径(D1)は、普通、電池の広い側面(106a,106b)と平行な平面に沿った方向にあり、小さい寸法(D2)は、図4Bに示されるような電池の狭い側面(107a,107b)と平行な平面に沿った方向にある。キャビティ155は、上記されたような断面で見られるときに、少なくともある曲率を有し、D1/D2の比率が1.0よりも大きいことによって特徴とし、それが細長い或いは長円構造であることを反映している。長手軸190に対して直交する平面に沿って取られた断面で見られるときに、キャビティ155の形状は、1.0よりも大きな1/D2比率を有する対称的な長円構造を有するのが望ましい。そのような場合には、寸法D1及びD2は、図4Bに示されるように、互いに直交している。特別な非制限的な実施例として、キャビティ155の形状は、そのような断面で見られるときに、長円形状であり、且つ、楕円又は実質的に楕円であり得る。
【0042】
陽極150は、亜鉛粒子及び水性アルカリ電解質を含むゲル化亜鉛スラリーの形態であるのが好ましい。陽極スラリー150は、電池の長手軸190に沿って電池の中心コア155内に注入される。よって、陽極150は、それらの間の隔離板140によって、直接的な接触から隔離されている。
【0043】
電池含有物の供給後、次に、電池を封止し且つ負端子290を提供するために、電池組立体(図4)は、開放端部102内に挿入される。ケーシングの閉塞端部104は、電池の正端子として機能し得る。突出する正ピップを提供するために、閉塞端部104を引き抜き或いは打ち抜きし得るし、さもなければ、図1Aに示されるように、突出ピップ180を有する別個のエンドプレート184をケーシング104の閉塞端部104に溶接し得る。
【0044】
エンドキャップ組立体12の具体的な実施態様を構成する構成要素が、図4に最良に示されている。エンドキャップ組立体12は、細長い陽極電流コレクタ160と、絶縁封止部材220と、封止部材220の上に位置する金属カバー230と、絶縁封止部材220を部分的に貫通する金属リベット240と、金属カバー230からリベット240を絶縁するプラスチックスペーサ250と、リベット240内のキャビティ248内に位置するゴム通気栓260と、プラスチックエキステンダー封止280と、プラスチックエキステンダー280上の負端子プレート290とを含む。
【0045】
リベット240内のキャビティ248内に位置するときのゴム通気栓260と、ゴム栓260上の通気ピップキャップ270とが開示され、Gold Peak Battery(香港)によって製造される商業的な7/5−F6サイズの長方形状の充電式ニッケル水素電池型番GP14M145と関連して用いられることが認知される。しかしながら、本特許出願の出願人は、エンドキャップ組立体が全体的に前記充電式ニッケル水素電池型番GP14M145において腐食を引き起こし、主要な亜鉛/MnO2アルカリ電池に適用されるならば、気泡発生を促進することを測定した。電流コレクタの最も広い部分は電池ハウジング内面に極めて近い(約0.5mm未満)ので、そのような腐食は細長い電流コレクタと電池ハウジングの背面との間で発生することが分かった。電流コレクタ160の広い部分、即ち、フランジ161は、レシート可能な通気栓設計と関連して用いられることが理解されよう。電流コレクタのそのような広い部分(フランジ161)が必要とされるのは、電流コレクタが絶縁封止部材220の下面にリベット締めされるからである。よって、フランジ161は、そこにリベット240のベース246を締結するのに十分な広さでなければならない。もし電池10が小型サイズの平面電池、例えば、約5〜10mmの全体的な厚さを有する立方体形状の電池であるならば、フランジ161の縁部は、従って、ケーシング100の内面に近接して終端する。
【0046】
本出願人は、絶縁封止部材に囲繞スカート226を提供するために、絶縁封止部材220を設計変更することによって、電流コレクタ160と絶縁封止部材220とを含むサブ組立体を変更した。絶縁封止スカート226は、陽極電流コレクタ160の最も広い部分、即ち、フランジ161を取り囲む。よって、絶縁スカート161は、電流コレクタフランジ161とケーシング100内面との間に障壁をもたらす。絶縁スカート161は、電池放電期間中、フランジ161とケーシング100内面との間の空間において、腐食性化学薬品、典型的には、複合体又は化合物を含有する金属の生産を削減することが測定された。そのような腐食性化学薬品は、もし大量に生成されるならば、電池性能と干渉し、電池の気泡発生を促進し得る。また、ここに記載される変更された設計において、陽極電流コレクタ160の最も広い部分、即ち、フランジ161は、ハウジング内面から、約0.5〜2mmの間、好ましくは約0.5〜1.5mmの間である。これは、電流コレクタフランジ161を取り囲む絶縁封止スカート226の使用との組み合わせにおいて、電流コレクタの広い部分(フランジ161)とケーシング100内面との間の如何なる顕著な量の腐食性化学薬品の生成をも防止することが測定された。次いで、そのような本発明の変更された設計は、レシート可能なゴム通気栓組立体を平面的主要アルカリ電池のための実現性のある通気機構として適切にする。
【0047】
図4及び5に最良に示されるエンドキャップ組立体12の構成要素を以下のように組み立て得る。陽極電流コレクタ160は、底端において先端部で終端し且つ頂端において外向きに延びる一体型フランジ161で終端する細長いシャフト162を含み、一体型フランジはシャフト162に対して直角であるのが好ましい。よって、電流コレクタ160が陽極150内に挿入されると、外向きに延びるフランジ161は、シャフト162よりもケーシング100の内面に近接し得る。絶縁封止部材220は、頂部パネル227と、反対側の開放底部228とを有する。絶縁封止部材220は、耐久性があり、アルカリに対する耐性があり、且つ、水素透過性を有するナイロン66又はナイロン612から成るのが好ましい。代替的に、絶縁封止部材220は、耐久性があり、且つ、水素透過性を有するポリプロピレン、タルク充填ポリプロピレン、スルホン化ポリエチレン、又は、他のポリアミド(ナイロン)等級から構成され得る。絶縁部材220は、ケーシング100の開放端部102内に滑り嵌めし得る長方形であるのが好ましい。絶縁封止部材220の頂端部227から延びる対向する側壁226a及び対向する側壁226bは、下向きに延びるスカート226を頂部パネル227の周りに形成する。スカート226は、前記絶縁封止部材220の開放底部228の限界を定める。頂部パネル227を貫通する開口224がある。金属カバー230があり、それは貫通する開口234を有する金属プレートであり得る。ヘッド247とベース245とを有する金属リベット240がある。リベット240はニッケルきっき鋼又はステンレス鋼であり得る。リベット240はヘッド247内にキャビティ248を有する。キャビティ248は、リベットヘッド247及びリベットシャフト245を完全に貫通する。電流コレクタ160のフランジ161が前記封止部材220のスカート226によって取り囲まれ且つ保護されるよう、電流コレクタ160のフランジ161は、絶縁封止部材220の開放底部228内に挿入される。図4に示されるように、電流コレクタ160のフランジ部161は、そこを貫通する開口164を有する。リベット240のベース246を前記開口164に通し、前記リベットと電気接触する電流コレクタ160を保持するために、前記フランジ161にリベット締めし得る。
【0048】
そのような実施態様において、絶縁スカート226は、電流コレクタのフランジ161と電気のケーシング100の内面との間の障壁をもたらす。陽極電流コレクタ160の如何なる表面と電池のケーシング100内面との間の、例えば、約0.5mm未満の狭い間隙も、アルカリ電池の放電期間中に腐食性副産物が生じ得る領域を提供し得ることが測定された。次いで、これは、陽極電流コレクタ160の隣接領域を不動態化し、気泡発生を促進し得る。絶縁封止部材220の下向きに延びるスカート226は、一体型フランジ161のような電流コレクタ160の外向きに延びる部分を取り囲み、それによって、電流コレクタ160の最も広い部分とケーシング100との間に障壁をもたらすことが意図されている。これは腐食問題を解決し且つ気泡発生を減少することが測定された。本出願人は、電流コレクタの最も広い部分を設計変更することによって、好ましくは、障壁、即ち、陽極電流コレクタ160の最も広い部分、即ち、フランジ161を取り囲む絶縁スカート226を設けることによって設計を変更した。ここの以下の段落において、スカート226の配置及び効果をより詳細に記載する。ここに記載された本出願人の変更された設計において、陽極電流コレクタ160の最も広い部分、即ち、フランジ161は、ハウジング内面から約0.5〜2mmの間、好ましくは、約0.5〜1.5mmの間である。また、囲繞絶縁スカート226は、電流コレクタフランジ161とケーシング100との間に障壁をもたらした。これらの設計の機能は、腐食問題を解決し、且つ、レシート可能なゴム通気栓組立体を本発明の平面的主要アルカリ電池のための実現可能な通気機構として適させることが測定された。
【0049】
エンドキャップ組立体12を形成する場合には、電流コレクタ160のフランジ部分161は、そこを貫通する開口164が、絶縁封止部材220の頂部パネル227を貫通する開口224と整列するよう位置付けられる。金属カバー230は、金属カバー230を貫通する開口234が開口224と整列されるよう、絶縁封止部材220の頂部パネル227の上に位置付けられる。プラスチックスペーサディスク250が、スペーサディスク250を貫通する開口252が金属カバー230の開口234と整列するよう金属カバー230の上に挿入される。好適実施態様(図4)において、リベット240のベース246は、プラスチックスペーサ250の開口252に通され、また、金属カバー230の開口に通される。リベット240のベース246も、絶縁封止部材220の開口224及び電流コレクタフランジ161の開口164を通される。プラスチックスペーサ250は、金属カバー230からリベット240を絶縁する。リベットシャフト245のベース246は、絶縁封止部材220の開口224と、陽極電流コレクタ160の頂部フランジ部分161内の下に位置する開孔164を通じて延びる。軌道リベット打機を用いて、リベットシャフトのベース246を、電流コレクタフランジ161の底表面に対する所定位置に打ち込み得る。これはリベットシャフトを絶縁封止部材220の開口224内の所定位置に係止し、また、電流コレクタ160をリベットシャフト245に固定する。これは、電流コレクタ160をリベット240と恒久的に電気接触状態に維持し、リベットシャフト245が絶縁封止部材220の開口224から取り外され或いは取り除かれるのを防止する。リベットヘッド247は、プラスチックスペーサ250上に気密に位置する。これは、リベット240と、プラスチックスペーサ250と、金属カバー230と、絶縁封止部材220と、陽極電流コレクタ160を含むサブ組立体を形成する。さらなる組立てのために準備が出来るまでサブ組立体を保管し得る。
【0050】
組み立てプロセスは、ゴム通気栓260をリベットヘッド247内のキャビティ248内に挿入することによって完成される。栓260は、好ましくは、切頭円錐形状であり、リベットヘッド247内のキャビティ248内に滑り嵌めするよう設計される。栓260は、アルカリ電解質に対して耐性を有する圧縮性の可撓材料から成るのが好ましい。栓260のための好適な材料は、ゴム、好ましくは、ネオプレン若しくはEPDM(エチレン−プロピレンジエンターポリマー)ゴム、又は、他の耐アルカリ圧縮性ゴムである。栓240の表面は、テフロン(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン)、アスファルト、又は、ポリアミドのような非湿潤材によって被覆されるのが好ましい。次に、金属通気ピップキャップ270が、栓260上に挿入される。通気ピップキャップ270は、栓を約0.5mmだけ圧縮するのに十分な力で栓260に押圧される。これは、約200psig(13.79×105パスカル)の内部圧力の蓄積に耐え得る封止をもたらすことが測定された。封止が典型的には約100〜300psig(6.895×105〜20.69×105パスカルゲージ)の間、望ましくは約100〜200psig(6.895×105〜13.79×105パスカルゲージ)の間の内部圧力に耐え得るよう、栓260圧縮を調節し得る。より高い、即ち、300psig(20.69×105パスカルゲージ)より高い圧力に耐える封止を可能にするために、望ましければ、栓260のより高い程度の圧縮も可能である。逆に、望ましければ、封止が100psig未満の任意の所望値にある圧力閾値まで維持されるよう、栓260の圧縮の減少も可能である。通気ピップキャップ270のベース273は、通気キャップ270が栓260上に押圧されるときに、プラスチックスペーサ250の頂面内の圧痕又はクレバス253に嵌入する幾つかの下向きに延びるセグメントを有し得る。これは図5に最良に示されている。通気ピップキャップ270が栓260上へ挿入され、それによって、リベットヘッドキャビティ248内の前記栓を圧縮した後、通気キャップ270はリベットヘッド247に溶接される。栓260は、それによって、リベットヘッドキャビティ248内に圧縮状態に維持される。プラスチックエキステンダー部材280は、通気キャップヘッド271上に配置される。通気キャップヘッド271は、プラスチックエキステンダー280内の開口282を通じて突出する。次に、端子エンドキャップ290(負端子)が通気キャップヘッド271に溶接される。よって、通気キャップ270は、エンドプレート290及びリベット240の双方に溶接される。端子エンドプレート290は、ニッケルめっき冷間圧延鋼又はステンレス鋼、好ましくは、ニッケルめっき低炭素鋼のような良好な機械的強度及び耐食性を有する伝導性金属から構成される。よって、完成されたエンドキャップ組立体12は、電流コレクタ163と恒久的に電気接触する端子エンドプレート290で形成される。
【0051】
次に、完成されたエンドキャップ組立体12は、ケーシング100の開放端部102内に挿入される。電流コレクタシャフト162は、陽極スラリー150内に貫通する。金属カバー230の縁部は、好ましくはレーザ溶接によって、ケーシングの頂部周縁104に溶接される。これはエンドキャップ組立体12を所定位置に確実に保持し、図1及び1Aに示されるように、ケーシング100の開放端部102を封止する。端子プレート290は、電流コネクタ160及び陽極150と電気的に接触し、よって、ここに記載される亜鉛/MnO2アルカリ電池実施態様のための電池の負端子を形成する。負端子プレート290はプラスチックエキステンダー280によってケーシング100から電気的に絶縁されていることが理解されよう。リベット240及び電流コレクタ160は、プラスチックスペーサ250によってケーシング100から電気的に絶縁され、封止部材220を封止する。図1A、2、及び、3に示されるように、ピップ180は、対向するケーシング100の閉塞端部で、電池の正端子を形成する。ピップ180をケーシング100の閉塞端部104から一体的に形成し得るし、或いは、図1Aに示されるように閉塞端部に別個に溶接された別個のプレート184から形成し得る。完成された電池は、図1及び1Aの斜視図及び図2及び3の断面図に示されている。
【0052】
動作中、電池の放電又は蓄電の期間中、もし電池内のガス圧力が蓄積して設計閾値レベルを超えるならば、栓260はリベットヘッドキャビティ248内で外れるようになる。これは、ガスが、リベットヘッドキャビティ248を通じて、次に、通気キャップ270の通気開口272を通じて、電池内部から外部環境に逃げ出すことを可能にする。電池内の圧力が減少すると、栓260はリベットヘッドキャビティ248内で脱座するようになる。
【0053】
追加的な安全機能として、電池は、レシート可能な栓通気260を補足する働きをする第二通気装置を備え得る。補足的通気は、壊滅的状況において、例えば、使用者が平面的に充電可能な電池用の充電器を用いて不注意に主電池10を長時間に亘って充電しようと試みるならば動作するよう設計され得る。本発明の電池10は、主(充電不能電池)であるよう設計される。電池は充電されてはならないという電池ラベル上の十分な書面通知にも拘わらず、使用者が、不注意に、平面的充電器、例えば、平面的ニッケル水素電池を充電するために設計された充電器内で電池の充電を試みる可能性が常にある。もし電池が長時間に亘って充電することを試みることによってこのように不正使用されるならば、内部圧力レベルが突然に上昇し得る危険性がある。
【0054】
もし電池10が(主要な充電不能電池として意図されているに拘わらず)不注意に充電に晒されるならば、栓通気260は外れ、それによって、内部圧力が設計閾値、望ましくは約100〜300(6.895×105〜20.69×105パスカルゲージ)の間の圧力)に達するときに圧力を解放する。圧力が長時間に亘る連続充電後に再び蓄積するならば、栓260は再び脱座する。そのようなプラグ脱座及び再着座のプロセスは多数回反復され、その結果、電池内部からのガス圧力のパルス開放が得られ得る。そのような不正使用条件の下で、KOH電解質が、栓260とリベットヘッドキャビティ248ハウジング栓260の内面との間の自由空間内に漸進的に進入し結晶化する可能性がある。(栓260は、リベットヘッドに溶接された通気キャップ270によって、リベットヘッドキャビティ248内に圧縮状態に保持される。)そのような結晶化されたKOHの蓄積は、栓260と通気キャップ270の内面との間の自由空間の量を減少する。閾値ガス圧力に達したときに、栓260の膨張のために利用可能な自由空間がより少なくなり得るので、充電プロセスが継続されるときに、これは栓260が正しく脱座するのを漸進的により困難にし得る。リベットヘッド248内の少量の自由空間内の結晶化KOHの蓄積も、通気キャップ270内の通気開口272を通じたガスの正しい通気を妨げ得る。
【0055】
栓260と通気キャップ270の内面との間のそのようなKOH結晶蓄積の有害な効果を減少するために、ここでは設計における幾つかの改良が提案される。
【0056】
本発明の通気システムは、主要な及び補足的な通気機構を含み得る。電池内のガス圧力が設計圧力閾値レベルP1まで蓄積すると、主通気機構が活性化される。主通気機構が動作不良となる場合に、或いは、もし電池がガス圧力の急激な蓄積を生む不正使用状況にさらされるならば、より高い圧力レベルP2で活性化する補足的通気機構を有するのが望ましい。例えば、もし電池が不注意に長時間に亘って充電に晒されるならば、1つのそのような不正使用状況が起こり得る。本発明の1つの具体的な実施態様において、レシート可能な栓240は主通気機構として用いられ、それは約100〜300psigの間の設計閾値圧力P1で活性化する。補足的通気機構は、エンドキャップ組立体12又はケーシング本体100の切欠き部内のどこかの弱いレーザ溶接部であり得る。弱いレーザ溶接部は、電池内のガス圧力がより高い圧力P2、望ましくは約400〜800psigの間に達するときに破裂するよう設計される。好ましくは弱い溶接部と接触する強い溶接部もあり得る。
【0057】
金属カバー230とケーシング100の内面との間のレーザ溶接接合面の一部に沿って弱いレーザ溶接部を形成することによって、補足的通気システムの1つの実施態様を提供し得る。(金属カバー230は、ケーシング100の開放端部102を閉塞するために用いられる。)好ましくは、図6に示されるように、金属カバーの長い縁部230a1つの主要部とケーシング縁部108aとの間に、弱い溶接部310aを塗布し得る。電池内のガスが約400〜800psig(2748×103〜5515×103パスカル)の間の圧力まで蓄積するときに溶接部が所望に亀裂し或いは破裂する厚さであるよう、弱いレーザ溶接部310aを塗布し得る。所望の破裂圧力を達成するために、弱い溶接部の浸透深度を調節し得る。約2〜4ミル(0.0508〜0.102mm)の間のレーザ溶接の浸透深度で、約400〜800psig(2748×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の破裂圧力を達成し得る。弱い溶接部は、望ましくは、金属カバー230の長い縁部230aの少なくとも1つの主要部に沿って走り得る。好ましくは、弱い溶接部は、ケーシング100の短い縁部108cと長い縁部108aとの交差する隅部から少なくとも約1mmの地点312aで開始する。よって、平面的7/5−F6電池に関して、弱い溶接部の長さは少なくとも10mm、典型的には約13mmであり得る。
【0058】
金属カバー230の縁部とケーシング縁部(ケーシング縁部107c、107d、106d)(図6)の間の周接合面の残部は、より高い圧力レベル、例えば、約800〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)の間、典型的には約800〜1600psig(5515×103〜11030×103パスカルゲージ)の間の強いレーザ溶接部310bを備え得る。所望の破裂圧力を達成するために、強い溶接部の浸透深度を調節し得る。約5〜7ミル(0.127〜0.178mm)の間のレーザ溶接部の浸透深度で、約800〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)の間の破裂圧力を達成し得る。強い溶接部の浸透深度をより精細に調節可能であり、溶接部が所望の圧力レベル、例えば、約1300〜1600psig(8962×103〜11030×103パスカルゲージ)で破裂するのを可能にする。
【0059】
図6に示されるように、金属ケーシング100の内面に溶接された金属プレート230の縁部が示されているが、金属プレート230の縁部がケーシング100の内面の代わりに金属ケーシングの縁部に溶接された代替的な実施態様があり得る。そのような代替的な実施態様の1つが、図6Aに示されている。そのような実施態様(図6A)において、対向する長い縁部108a,108b及び対向する短い縁部108c,108dによって定められるケーシング縁部108は、そのような縁部が金属プレート230とほぼ同一平面に位置するようクリンプ加工される。よって、金属プレート230の縁部230a,230bをクリンプ加工されたケーシング縁部180に直接的に溶接し得る。より強いレーザ溶接部310bをプレート縁部230bとケーシング縁部108b,108c,108dとの間に加え得るし、弱いレーザ溶接部310aをプレート縁部230aとケーシング縁部108aとの間に加え得る。
【0060】
さらに他の実施態様において、ケーシング100の本体内に切欠き部があり得る。切欠き部は、様々な形状であり得る。例えば、切欠き部は、多角形(図7)であり得るし、或いは、湾曲(図7A)したその境界の少なくとも一部を有し得る。金属プレート、例えば、プレート400(図7)又はプレート500(図7A)をそのような切欠き部内に挿入し得る。切欠き部を閉塞するために、金属プレート400(図7)又は金属プレート500(図7A)の縁部をケーシングに溶接し得る。図7の実施態様に示されるように、溶接部は、望ましくは、強いレーザ溶接部410b及び接触する弱いレーザ溶接部410aの形態であり得る。図7Aに示されるように、溶接部は、強いレーザ溶接部510b及び好ましくは接触する弱いレーザ溶接部510aの形態であり得る。
【0061】
ピーク電力出力の範囲内で動作する異なる種類のレーザを用いて、強い及び弱い溶接部を達成し得る。以下は、Nd:Yagレーザを用いて生成される弱い及び強い溶接部の非限定的な実施例である。上記されたような弱い溶接部は、電池内のガス圧力が約400〜800psig(2748×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の閾値圧力に達するときに亀裂し或いは破裂する。強い溶接部は、電池内のガス圧力が約800〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)、典型的には800〜1600psig(5515×103〜11030×103パスカルゲージ)の間の閾値圧力に達するときに破裂する。特に、弱い溶接部は、補足的な通気システムをもたらし、もし電池が上記されたように不正使用されるならば、ガスが電池内から逃げ出すのを可能にする。
【0062】
代替的に、補足的通気機構は、溝付き通気口、即ち、下方に位置する薄肉材料領域を生むケーシング100の表面上の1つ又はそれ以上の溝の形態であり得る。電池内のガス圧力がP1より大きな圧力P2に上昇するときに薄肉領域が破裂するよう、溝の深さ及び下方に位置する薄肉材料領域の厚さを調節し得る。他の実施態様では、レシート可能な栓を排除し、圧力P1で動作する主通気機構としてレーザ溶接を用い得る。そのような実施態様において、補足的通気機構は、ケーシング表面上の溝の下方に位置する薄肉材料領域であり得る。より高い圧力レベルP2で破裂するよう薄肉材料を設計し得る。
【0063】
さらに他の実施態様では、ケーシング表面上の複数の溝があり得る。1つの溝は、小さな厚さの下方に位置する薄肉領域を有し、電池内のガスが設計圧力レベルP1まで蓄積されるときに、それが破裂するのを可能にし得る。第一溝と接触し或いは離間し得るケーシング表面上の第二溝は、電池内のガス圧力がより高い圧力P2まで蓄積するならば破裂するよう設計された下方に位置する薄肉領域を有し得る。
【0064】
ケーシング100から鋼、例えば、ニッケルめっき冷間圧延鋼又はステンレス鋼から成るとき、溝の下方に位置する薄肉材料が、電池内のガス圧力が約400〜800psig(2748×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の圧力に達するときに破裂するよう、ケーシング表面上に溝600a(図8)のような溝を形成し得る。ケーシング壁の溝なし部分は、典型的には、約0.3〜0.50mmの間、望ましくは、約0.3〜0.45mmの間の平均壁厚を有する。約400〜800psig(2748×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の破裂圧力を得るために、溝は、下方に位置する薄肉材料が、典型的には約0.07〜0.08mmの間の厚さを有するよう形成される。具体的に非限定的な実施例において、もし下方に位置する薄肉材料が約0.074mmの厚さを有するよう溝が形成されるならば、そのような下方に位置する材料は、電池内のガス圧力が約435psig(2999×103パスカルゲージ)のレベルに達するときに破裂する。
【0065】
ケーシングの表面を型、好ましくは切断ナイフ縁部を有する型で打抜きすることによって、例えばケーシング表面上の溝600a又は600b(図8及び8A)の形態であり得る溝600を形成し得る。打抜き型がケーシング外面を穿孔するときに、マンドレルがケーシングの内面に対して保持される。そのような打抜き又は切断型で形成される溝に関して、下方に位置する薄肉領域610(図9)の厚さは、薄肉領域が破裂する圧力を主として決定する。溝切断は、望ましくはV字形状であり、それは好ましくはナイフ縁部を有する打抜き型で得られ得る。V字形状溝は、望ましくは、約40度の鋭角を有する。溝600を他の方法、例えば、化学的エッチング処理で形成し得る。
【0066】
溝600の下方に位置する薄肉材料は、典型的には、ニッケルめっき冷間圧延鋼から成るケーシング材料と同一であるのが好ましい。溝600は、直線又は曲線の境界を有し得るし、或いは、直線及び曲線の組み合わせを有し得る。溝600は、長方形、多角形、又は、長円形の境界を有し得る。溝は、回旋状の、換言すれば、部分的に凸状であり部分的凹状の、それらの境界の少なとも一部を有し得る。溝の境界は、閉塞又は開閉され得る。ここの好適実施態様において、溝は、直線又は実質的に直線、好ましくはケーシングの広い縁部108aと平行であり得る(図8及び8A)。例えば、7/5−F6サイズの長方形電池において、溝600a(図8及び8A)は、ケーシングの広い縁部108aと平行に且つそこから約10mmに位置し得るし、約8mmの長さを有し得る。
【0067】
図8Aに示されるように、第一溝600aから離間した第二溝600bがあり得る。具体的な非限定的な実施態様において、第二溝600bは、溝600aと平行であり、正端子180(閉塞端部)から約10mmであり得る。溝600bは、約8mmの長さを有する。そのような場合には、電池内のガス圧力が異なる圧力レベルに達するときに、下方に位置する材料がそれぞれ破裂するよう、各溝600a,600bの下方に位置する材料の厚さは異なり得る。例えば、電池内のガス圧力が約250〜800psigの間の設計爆発圧力に達するときに破裂するよう、薄肉材料が下方に位置する溝600aを設計し得る。約250〜800psig(1724×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の爆発圧力にあるそのような範囲を達成するために、薄肉材料が下方に位置する溝600aは、約0.04〜0.15mmの間の厚さを有する。代替的に、電池内のガス圧力が約400〜800psig(2758×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の設計爆発圧力に達したときに破裂するよう、薄肉材料が下方に位置する溝600aを設計し得る。約400〜800psigの間にあるそのような爆発圧力を達成するために、薄肉材料が下方に位置する溝600aは、約0.07〜0.15mmの間の厚さを有する。電池が誤用され、電池内のガス圧力が約800〜1600psig(5515×103〜11030×103パスカルゲージ)のレベルに急激に上昇する場合に、電池内のガス圧が壊滅的状況において破裂するときに破裂するよう、薄肉材料が下方に位置する溝600bを設計し得る。約800〜1600psigの間の圧力レベルでの破裂を達成するために、薄肉材料610が下方に位置する溝600bは、典型的には、約0.15〜0.35mmの厚さを有する。
【0068】
実施例1(Nd:Yagレーザを用いた弱い溶接部)
Nd:Yagレーザを用いることによって、金属カバー230をケーシング縁部106c(図6又は6A)に沿ってケーシング100に溶接するために用いられる弱い溶接部を生成する。レーザは、約100ヘルツの周波数で動作される。パルス当たりのピーク電力出力は、約35ワットである。平均電力出力は、0.5キロワットである。パルス幅(ピーク出力の間の周期時間)は、約0.7ミリ秒である。レーザ供給速度(溶接経路に沿ったレーザの移動の速度)は、約3インチ毎分である。ケーシングの長い縁部106cに沿った均一な溶接部が生成され、それによって、当接する金属カバー230の長い縁部230aをそこに溶接する。溶接部は、約2〜4ミル(0.0508〜0.102mm)の間の、典型的には、約3ミル(0.0762mm)の均一な浸透深度を有した。電池内の圧力が約400〜800psig()の間のレベルに達するときに溶接部は亀裂し、それによって、もし主通気口(栓260)の動作が妥協されるようになるならば、補足的通気口として機能する。
【0069】
実施例2(Bd:Yagレーザを用いた強い溶接部)
Nd:Yagレーザを用いることによって、金属カバー230をケーシング縁部106d,107c,107d(図6又は6A)に沿ってケーシング100に溶接するために用いられる強い溶接部を生成し得る。Nd:Yagレーザを用いることによって、金属カバー230をケーシング縁部106d,107c,107dに沿ってケーシング100に溶接するために用いられる強い溶接部を生成し得る。レーザは、約12ヘルツの周波数で動作する。パルス当たりのピーク電力出力は、0.65キロワットである。パルス幅(ピーク出力間の周期時間)は、約5.9ミリ秒である。レーザ供給速度(溶接経路に沿ったレーザの移動の速度)は、約2インチ毎分である。長い縁部106d,107c,107dに沿った均一な溶接部が生成され、それによって、図6に示されるように、当接する金属カバー230の縁部をそこに溶接する。溶接部は、約5〜7ミル(0.127〜0.178mm)の間の、典型的には、約6ミル0.152mm)の均等な浸透深度を有した。電池内の圧力が約800〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)の間の、典型的には、約800〜1600psig(5515×103〜11030×103パスカル)のレベルに達するときに溶接部は亀裂する。
【0070】
商業生産では、上記のNd:Yagレーザを、弱い溶接部を生成するために約125ワットのより高いピーク出力で動作し、強い溶接部を生成するために約150ワットのピーク出力で動作し得る。より高いピーク出力でのそのような動作は、レーザがより高速で溶接経路(供給速度)に沿って移動されることを可能にする。
【0071】
加えて、もし電池が不注意に充電に晒されるならば起こり得る、栓260と通気キャップ270の内面との間の如何なるKOH結晶蓄積の有害な効果をも減少するために、栓が栓260を収容するリベットヘッド247内のキャビティ内のより少ない空間を占めるように、栓260を変更し得る。そのような改良された設計の具体的な実施態様が、図2A、3A、及び、4Aに示されている。図4に示されるせん260の改良された設計では、栓は、リベットヘッドキャビティ248内で、図2、3、及び、4に示される栓のための切頭体設計よりも少ない空間を占める。栓260がリベットヘッドキャビティ248内に圧縮された後、前記栓を収容するキャビティ248内の自由空間の量は、約10%、望ましくは、約10〜40%より大きい。対称的に、図2、3、及び、4に示される切頭体で示される栓260のリベットキャビティ内の自由空間の量は、典型的には、約10%より少ない。
【0072】
変更された栓設計(図4A)を用いて達成されるリベットヘッドキャビティ248内で典型的には約10〜40%より多い量の自由空間は、不正使用状況において、例えば、上述のように、もし電池が不注意に充電に晒されるならば、栓のより有効な動作を保証する。そのような変更された栓260(図4A)は、電池内のガス圧力が設計閾値レベル、例えば、約100〜300psigに達するときに、望ましくは脱座する。リベットキャビティ248内のより多い自由空間は、もし電池が不注意な充電によって不正使用されるならば起こり得る、それらの内部で蓄積する如何なる漸進的なKOH結晶蓄積にも対応する。それにも拘わらず、電池内の圧力が設計閾値レベルまで蓄積するときにガス圧力が解放されるのを可能にするようそれ自体を脱座するときに、栓260が有効に動作するのを可能にするために、リベットヘッドキャビティ248内に十分な自由空間がある。
【0073】
リベットヘッドキャビティ248内のより多くの量の自由空間を達成するために、栓260の形状を図4Aに示されるように変更し得る。変更された設計(図4A)では、栓260は、円筒形のベース262と、そこから延びるより小さな直径の一体的に形成された円筒形の本体261とを有する。変更された栓260(図4A)がキャビティ内で圧縮された後、リベットヘッドキャビティ248内に典型的には約10〜40%の間の所望のより多くの量の自由空間を達成するために、必要に応じて、ベース262の直径に対する本体261の直径の比率を調節し得る。本体261の円筒形状は、リベットヘッドキャビティ248内の圧縮栓260の圧力に十分に耐える。栓の頂面263に力を加え、次に、通気キャップ270をリベットヘッド247に溶接することによって、変更された栓260(図4A)はリベットヘッドキャビティ248内で圧縮される。これは栓260をリベットヘッドキャビティ248内で圧縮状態に気密に着座させ続ける。圧縮状態において、栓260の本体261は、図1A及び2Aに示されるような球根状構造を取る。電池内なのガス圧力が閾値レベル、望ましくは約100〜300psigの間まで蓄積すると、栓は脱座し、それによって、電球内からのガスを通気キャップ270内の通気開口272を通じて逃がす。好ましくは、栓270が脱座するときにガスが通気キャップ270から逃げ得る明確な通路があることを保証するために、通気キャップ270内に少なくとも2つの通気開口272がある。栓260は、エラストマーから成るのが望ましく、十分な圧縮性及び弾性がありながら、アルカリ電解質に接触後の化学的攻撃又は物理的劣化に対する耐性を有するゴム材料から成るのが好ましい。栓260のための好適なゴム材料は、加硫処理されたEPDMゴムであり、約80〜85の間のデュロメーター硬度を有するのが望ましい。
【0074】
図4に示されるような栓260のための変更構造が望ましいが、栓の他の形状も栓を収容するリベットヘッドキャビティ248内の自由空間の所望の増大を達成するのに役立ち得る。例えば、図4Aに示されるような円筒形の代わりに、栓の本体261を僅かに傾斜させ得る。また、リベットヘッドキャビティの幅も電池の広い側面の方向に拡大し得る(図2A)。そのような場合、リベットヘッドキャビティ248は、1つの軸に沿って、即ち、電池の広い側面の方向に細長くされる(図2A)。しかしながら、現在図面に示されている対称的な(円形の)リベットヘッドキャビティ248が好ましい。
【0075】
本発明を如何なる特定のサイズの長方形電池に限定することは意図されない。しかしながら、具体的な実施例として、アルカリ電池100は、小型サイズの長方形(立方体)であり、典型的には、約5〜10mmの間の厚さ、具体的には、ケーシングの外面によって電池の厚さ方向に測定されるとき、約5〜7mmの厚さを有し得る。電池の幅は、典型的には、約12〜30mmであり、電池の長さは、典型的には、約40〜80mmの間であり得る。具体的には、本発明のアルカリ電池10を、同一サイズの充電式ニッケル水素電池、例えば、標準的な7/5−F6サイズの長方形状電池の代わりとして用い得る。7/5−F6サイズの電池は、6.1mmの厚さ、17.3mmの幅、及び、約67.3mmの長さを有する。
【0076】
代表的な電池の化学組成
陽極150、陰極、及び、隔離板140の化学組成に関する電池組成の以下の記載は、上記実施態様において記載された平面的電池に適用可能である。
【0077】
上記の電池10において、陰極110は、二酸化マンガンを含み、陽極150は、亜鉛及び電解質を含む。水性電解質は、KOH、酸化亜鉛、及び、ゲル化剤の従来的な混合物から成る。陽極材料150は、水銀なし(ゼロ添加水銀)亜鉛合金粉末を含有するゲル化混合物であり得る。換言すれば、電池は、重量で亜鉛の100万分の100(ppm)未満、好ましくは、重量で亜鉛の100万分の50水銀未満の合計水銀含有量を有する。電池は、好ましくは、如何なる追加的な量の鉛も有さず、よって、本質的に無鉛である、換言すれば、合計鉛含有量は、陽極中の亜鉛全体の30ppm未満、望ましくは15ppm未満である。そのような混合物は、典型的には、水性KOH電解質溶液、ゲル化剤(例えば、商品名CARBOPOL C940の下でB.F.Goodrichから入手可能なアクリル酸共重合体)と、界面活性剤(例えば、商品名GAFAC RA600の下でRhone Pouleneから入手可能な有機燐光体エステル基界面活性剤)とを含み得る。そのような混合物は、冷笑的な実施例としてのみ与えられ、本発明を限定することは意図されない。亜鉛陽極のための他の代表的なゲル化剤は、米国特許第4,563,404号に開示されている。
【0078】
陰極110は、望ましくは、以下の組成を有する。87〜93wt%の電解質二酸化マンガン(例えば、Kerr−KcGeeからのTrona D)、2〜6wt%(合計)の黒鉛、約30〜40wt%のKOH濃度を有する5〜7wt%の7〜10の普通のKOH水溶液、及び、0.1〜0.5wt%の選択的なポリエチレン結合剤。電解質二酸化マンガンは、典型的には、約1〜100ミクロン、望ましくは約20〜60ミクロンの間の平均粒子サイズを有する。黒鉛は、典型的には、天然、エキスパンド黒鉛、又は、それらの混合物の形態である。黒鉛は、黒鉛炭素ナノファイバ単独、又は、天然若しくはエキスパンド黒鉛との混合物を含み得る。そのような陰極混合物は例示的であり、本発明を限定することは意図されない。
【0079】
陽極材料150は、亜鉛合金粉末62〜69wt%(合金及びめっき材料として200〜500ppmインジウムを含有するインジウムを含有する99.9%亜鉛)と、38wt%KOH及び約2wt%ZnOを含むKOH水溶液と、商品名「CARBOPOL C940」の下でB.F.Goodrichから商業的に入手可能な架橋アクリル酸共重合体ゲル化剤及び「Waterlock A−221」の商品面の下でGrain Processing Co.から商業的に入手可能な澱粉バックボーン上にグラフトされた加水分解ポリアクリロニトリル(0.01〜0.5wt%の間)と、有機燐酸塩エステル界面活性剤RA−600又はRM−510の商品名の下でRhone−Pouleneから入手可能なジオニルフェノール燐酸塩エステル界面活性剤(100〜1000ppmの間)を含む。ここで用いられている亜鉛という用語は、極めて高い濃度の亜鉛、例えば、重量で少なくとも99.9パーセントの亜鉛を含む亜鉛合金粉末を含むもとと境されるべきである。そのような亜鉛合金材料は、電気化学的には本質的に純亜鉛として機能する。
【0080】
本発明の平面的アルカリ電池10の陽極150に関して、亜鉛粉末の平均の平均粒子サイズは、望ましくは約1〜350ミクロンの間、望ましくは約1〜250ミクロンの間、好ましくは約20〜250ミクロンの間である。典型的には、亜鉛粉末は、約150ミクロンの平均の平均粒子サイズを有し得る。陽極150内の亜鉛粒子は、針形状又は球形状であり得る。球状亜鉛粒子が好ましい。何故ならば、それらは、亜鉛スラリーを備える電池の比較的小さな陽極キャビティ内に充填するために用いられる計量分配ノズルからより良好に計量分配するからである。陽極内の亜鉛のバルク密度は、陽極の立方センチメータ当たり約1.75〜2.2グラム亜鉛である。陽極内の水性電解質溶液の容量パーセントは、陽極の約69.2〜75.5容量パーセントである。
【0081】
(1グラム当たり820ミリアンペア−時間に基づく)亜鉛のミリアンペア−時間容量によって割り算された(1グラムのMnO2当たり370ミリアンペア−時間に基づく)MnO2のミリアンペア−時間容量が約1であるよう、電池10は従来的な方法で平衡される。しかしながら、陰極が顕著に超過するよう、電池を平衡することが好ましい。好ましくは、電池10は、亜鉛の総理論容量によって割り算されたMnO2の総理論容量が約1.15〜2.0の間、望ましくは約1.2〜2.0の間、好ましくは1.4〜1.8の間、より好ましくは約1.5〜1.7の間であるように平衡される。総電池重量に基づいて放電時により小さな割合のMnO2からMnOOHへの転換があるので、そのような陰極超過を備える電池の平衡は、陰極拡張の量を減少するために決定された。次いで、これは電池ケーシングの膨張の量を削減する。全体的な膨張を減少するために、亜鉛の理論容量に対するMnO2の理論容量の上記比率は、実行可能であるように約2.5ぐらいの高さ、或いは、約3.0までの高さでさえあり得るが、電池設計は、約2.0を越えるそのようなより高い比率では、電池容量を著しく減少し、よって、その観点から余り望ましくなくなる。
【0082】
約0.30〜0.50mmの間、典型的には約0.30〜0.45mmの間、好ましくは約0.30〜0.40mmの間、より望ましくは0.35〜0.45の間のケーシング10壁厚を有することが望ましいと測定された。電池10は、望ましくは約5〜10mmの間の全体的な厚さを有する立方体形状(図1及び2)であるのが好ましい。それとの組み合わせで、電池は、陰極が超過するように平衡される。望ましくは、電池は、(グラム当たり820ミリアンペア−時間の亜鉛に基づく)亜鉛のミリアンペア−時間容量によって割り算された(グラム当たり370ミリアンペア−時間のMnO2に基づく)MnO2の理論容量の比率が、約1.15〜2.0の間、望ましくは約1.2〜2.0の間、好ましくは約1.4〜1.8の間であるように平衡される。ケーシングの外側の厚さに対する陽極の厚さの比率は、望ましくは約0.30〜0.40である。(そのような厚さは、電池の厚さ(小さな寸法)に横断して、長手軸190に対して直交する平面に沿って測定される。)
【0083】
隔離板140は、セルロース及びポリビニルアルコール繊維の不織材料の内部層とセロハンの外部層から成る従来的な鉄多孔性の隔離板であり得る。そのような材料は例証的であるに過ぎず、本発明を制限することは意図されない。
【0084】
ケーシング100は、ニッケルめっき鋼から成るのが望ましい。ケーシング100は、その内面が炭素塗膜、好ましくは黒鉛炭素塗膜で塗布されるのが望ましい。そのような黒鉛塗膜は、例えば、水性基の黒鉛分散の形態であり、それはケーシング内面に塗布され、引き続き、それは環境条件の下で乾燥され得る。黒鉛炭素は伝導性を向上し、ケーシング内面上に起こる表面腐食の可能性を低減することによって、間接的に電池の気泡発生を減少し得る。金属カバー230、負端子プレート290、及び、正端子プレート180も、ニッケルめっき鋼であるのが好ましい。電流コレクタ材料として有用であると分かった多様な既知の導電性金属、例えば、真鍮、スズめっき真鍮、青銅、銅、又は、インジウムめっき真鍮から電流コレクタ160を選択し得る。絶縁封止部材220は、ナイロン66又はナイロン612から成るのが好ましい。
【0085】
以下は、異なる電池平衡を備える同一サイズの長方形電池を用いた比較性能を示す具体的な実施例である。新しい電池は、各場合において、5.6mmの厚さ、17mmの幅、及び67mmの長さを有した。(特段の定めのない限り、全ての寸法はケーシング周囲のラベルなしの外径寸法である。)ケーシング壁厚は、試験された電池のそれぞれのために0.38mmで同一であった。)各電池のためのケーシング100は、その内面が黒鉛炭素で被覆されたニッケルめっき鋼であった。図面(図1乃至5)に描写されるように、電池構造は各場合に同一であった。陽極電流コレクタ160の広い部分(フランジ161)の縁部は、ケーシング100の内面から約0.5mmであった。絶縁封止部材220の囲繞スカート226は、電流コレクタ160の前記広い部分(フランジ161)を取り囲み、それによって、それとケーシング100の内壁面との間に障壁をもたらし得る。
【0086】
全ての電池構成要素は上記と同一であり、試験された各電池は図面に示されるような通気エンドキャップ組立体12を有した。唯一の相違は、電池平衡及び陽極組成にあった。比較電池(比較実施例)は、平衡比率、即ち、グラム当たり820ミリアンペア−時間の亜鉛に基づく)亜鉛のミリアンペア−時間容量によって割り算された(グラム当たり370ミリアンペア−時間容量のMnO2に基づく)MnO2の理論容量が1.1であるように平衡された。試験実施例1の試験電池は、平衡比率、即ち、亜鉛の理論容量によって割り算されたMnO2の理論容量が1.25であるように平衡された。試験実施例2の試験電池は、亜鉛の理論容量によって割り算されたMnO2の理論容量がそれぞれ1.6及び2.0であるように平衡された。
【0087】
以下の実施例における比較及び試験電池は、0.9ボルトのカットオフ電圧に達するまで電源オン及び後続の3時間の電源オフを備える90ミリワットの周期で間欠的に放電された。(そのような間欠的放電は、典型的にはMP3オーディオ形式を用い得る携帯型ソリッドステートデジタルアーディオプレーヤーの典型的な使用を模擬実験している。)実際の総使用時間を次に記録し、電池ケーシングの膨張の量を評価し且つ記録した。
【0088】
比較実施例(比較電池)
図面に示される長方形(立方体)構造及びエンドキャップ組立体の比較試験電池10を準備した。ケーシング100外径寸法によって定められるような電池は、約67mmの長さ、約17の幅、及び、約5.6mmの厚さ(放電前)を有した。陽極150及び陰極110は、以下の組成を有した。
【0089】
陽極組成:
Wt%
亜鉛1 70.0
界面活性剤2 0.088
(RA600)
電解質3
(9正常KOH) 29.91
100.00
【0090】
注記:
1.亜鉛粒子は約150ミクロンの平均粒子サイズを有し、約200ppmの総インジウム含有量をもたらすよう、インジウムで合金化されメッキされた。
2.Rhone Poulencからの有機燐酸エステル基界面活性剤溶液RA600
3.電解質は、全体で電解質溶液の約1.5wt%を構成するゲル化剤Waterlock A221及びCarbopol C940を含有した。
【0091】
陰極組成:
Wt%
MnO2(EMD) 87.5
(Kerr McGee
からのTrona D)
黒鉛1
(NdG15天然黒鉛) 7.4
電解質
(9正常KOH) 5.1
100.00
【0092】
注記:
1.黒鉛NdG15は、Nacional De Grafiteからの天然黒鉛である。
【0093】
電池のためのケーシング100壁厚は0.38mmであった。新しい電池は、67mmの長さ、5.6mmの厚さ、及び、17mmの幅を有した。電池の陽極150及び陰極110は、(グラム当たり820ミリアンペア−時間の亜鉛に基づく)亜鉛のミリアンペア−時間容量によって割り算された(グラム当たり370ミリアンペア−時間のMnO2に基づく)MnO2の理論容量が1.1であるように平衡された。陽極は2.8グラムの亜鉛を有した。(陰極は6.89グラムのMnO2を有した。)陽極150、陰極110、及び、隔離板140は、図1及び1Aに示される構造のケーシング100の外部容量の約66%を構成した。ケーシング外側厚さに対する陽極の厚さの比率は約0.35であった。厚さは、電池の外側厚さ(小さな寸法)を横断して、長手軸190に対して直交する平面に沿って測定される。
【0094】
電池は、0.9ボルトのカットオフ電圧に達するまで「電源オン」及び後続の3時間の「電源オフ」を備える90ミリワットの周期で間欠的に放電された。実際の耐用年数は24.5時間であった。ケーシングは、5.6mmの厚さから6.13mmの厚さに膨張した。(厚さは、図1Aに示される側壁106a,106の外面間で測定された。)
【0095】
試験電池実施例1
長方形構造で比較実施例におけると同一サイズの試験電池を準備した。陽極150及び陰極110は以下の組成を有した。
【0096】
陽極組成:
Wt%
亜鉛1 66.0
界面活性剤2 0.083
(RA600)
電解質3
(9正常KOH) 34.0
100.08
【0097】
注記:
1.亜鉛粒子は約150ミクロンの平均粒子サイズを有し、約200ppmの総インジウム含有量をもたらすよう、インジウムで合金化されメッキされた。
2.Rhone Poulencからの有機燐酸エステル基界面活性剤溶液RA600
3.電解質は、全体で電解質溶液の約1.5wt%を構成するゲル化剤Waterlock A221及びCarbopol C940を含有した。
【0098】
陰極組成:
Wt%
MnO2(EMD) 87.5
(Kerr McGee
からのTrona D)
黒鉛1
(NdG15天然黒鉛) 7.4
電解質
(9正常KOH) 5.1
100.00
【0099】
1.黒鉛NdG15は、Nacional De Grafiteからの天然黒鉛である。
【0100】
電池のためのケーシング100壁厚は0.38mmであった。新しい電池は、67mmの長さ、5.6mmの厚さ、及び、17mmの幅を有した。電池の陽極150及び陰極110は、(グラム当たり820ミリアンペア−時間の亜鉛に基づく)亜鉛のミリアンペア−時間容量によって割り算された(グラム当たり370ミリアンペア−時間のMnO2に基づく)MnO2の理論容量が1.25であるように平衡された。陽極は2.56グラムの亜鉛を有した。(陰極は7.11グラムのMnO2を有した。)陽極150、陰極110、電解質、及び、隔離板140は、換言すれば、ケーシングの閉塞端部104と開放端部102との間で測定されるときに、ケーシング100の外部容量の約66%を構成した。ケーシング外側厚さに対する陽極の厚さの比率は約0.35であった。厚さは、電池の外側厚さ(小さな寸法)を横断して、長手軸190に対して直交する平面に沿って測定される。
【0101】
電池は、0.9ボルトのカットオフ電圧に達するまで「電源オン」及び後続の3時間の「電源オフ」を備える90ミリワットの周期で間欠的に放電された。実際の耐用年数は24.3時間であった。ケーシングは、5.6mmの厚さから6.03mmの厚さに膨張した。(厚さは、図1Aに示される側壁106a,106の外面間で測定された。)使用時間は比較実施例におけるとほぼ同一であったが、ケーシング膨張はより少なかった。
【0102】
試験電池実施例2
長方形構造で比較実施例におけると同一サイズの試験電池を準備した。陽極150及び陰極110は以下の組成を有した。
【0103】
陽極組成:
Wt%
亜鉛1 60.0
界面活性剤2 0.083
(RA600)
電解質3
(9正常KOH) 39.92
100.00
【0104】
注記:
1.亜鉛粒子は約150ミクロンの平均粒子サイズを有し、約200ppmの総インジウム含有量をもたらすよう、インジウムで合金化されメッキされた。
2.Rhone Poulencからの有機燐酸エステル基界面活性剤溶液RA600
3.電解質は、全体で電解質溶液の約1.5wt%を構成するゲル化剤Waterlock A221及びCarbopol C940を含有した。
【0105】
陰極組成:
Wt%
MnO2(EMD) 87.5
(Kerr McGee
からのTrona D)
黒鉛1
(NdG15天然黒鉛) 7.4
電解質
(9正常KOH) 5.1
100.00
【0106】
1.黒鉛NdG15は、Nacional De Grafiteからの天然黒鉛である。
【0107】
電池のためのケーシング100壁厚は0.38mmであった。新しい電池は、67mmの長さ、5.6mmの厚さ、及び、17mmの幅を有した。電池の陽極150及び陰極110は、(グラム当たり820ミリアンペア−時間の亜鉛に基づく)亜鉛のミリアンペア−時間容量によって割り算された(グラム当たり370ミリアンペア−時間のMnO2に基づく)MnO2の理論容量が1.6であるように平衡された。陽極は2.01グラムの亜鉛を有した。(陰極は7.13グラムのMnO2を有した。)陽極150、陰極110、及び、隔離板140は、ケーシング100の外部容量の約66%を構成した。ケーシング外側厚さに対する陽極の厚さの比率は約0.35であった。
【0108】
厚さは、電池の外側厚さ(小さな寸法)を横断して、長手軸190に対して直交する平面に沿って測定される。
【0109】
電池は、0.9ボルトのカットオフ電圧に達するまで「電源オン」及び後続の3時間の「電源オフ」を備える90ミリワットの周期で間欠的に放電された。実際の耐用年数は20.9時間であった。ケーシングは、5.6mmの厚さから5.95mmの厚さに膨張した。(厚さは、図1Aに示される側壁106a,106の外面間で測定された。)
【0110】
試験電池実施例3
長方形構造で比較実施例におけると同一サイズの試験電池を準備した。陽極150及び陰極110は以下の組成を有した。
【0111】
陽極組成:
Wt%
亜鉛1 52.0
界面活性剤2 0.083
(RA600)
電解質3
(9正常KOH) 47.92
100.00
【0112】
注記:
1.亜鉛粒子は約150ミクロンの平均粒子サイズを有し、約200ppmの総インジウム含有量をもたらすよう、インジウムで合金化されメッキされた。
2.Rhone Poulencからの有機燐酸エステル基界面活性剤溶液RA600
3.電解質は、全体で電解質溶液の約1.5wt%を構成するゲル化剤Waterlock A221及びCarbopol C940を含有した。
【0113】
陰極組成:
Wt%
MnO2(EMD) 87.5
(Kerr McGee
からのTrona D)
黒鉛1
(NdG15天然黒鉛) 7.4
電解質
(9正常KOH) 5.1
100.00
【0114】
1.黒鉛NdG15は、Nacional De Grafiteからの天然黒鉛である。
【0115】
電池のためのケーシング100壁厚は0.38mmであった。新しい電池は、68mmの長さ、5.6mmの厚さ、及び、17mmの幅を有した。電池の陽極150及び陰極110は、(グラム当たり820ミリアンペア−時間の亜鉛に基づく)亜鉛のミリアンペア−時間容量によって割り算された(グラム当たり370ミリアンペア−時間のMnO2に基づく)MnO2の理論容量が2.0であるように平衡された。陽極は1.61グラムの亜鉛を有した。(陰極は7.13グラムのMnO2を有した。)陽極150、陰極110、及び、隔離板140は、ケーシング100の外部容量の約66%を構成した。ケーシング外側厚さに対する陽極の厚さの比率は約0.35であった。厚さは、電池の外側厚さ(小さな寸法)を横断して、長手軸190に対して直交する平面に沿って測定される。
【0116】
電池は、0.9ボルトのカットオフ電圧に達するまで「電源オン」及び後続の3時間の「電源オフ」を備える90ミリワットの周期で間欠的に放電された。実際の耐用年数は18.5時間であった。ケーシングは、5.6mmの厚さから5.87mmの厚さに膨張した。(厚さは、図1Aに示される側壁106a,106の外面間で測定された。)
【0117】
上記試験において、同一サイズの平面電池は、漸進的により高い平衡比率で平衡された。陽極電流コレクタ160の広い部分(フランジ161)の縁部は、ケーシング100の内面から約0.5mmであり、絶縁障壁226によって取り囲まれた。平衡比率は、(グラム当たり820ミリアンペア−時間の亜鉛に基づく)亜鉛のミリアンペア−時間容量によって割り算された(グラム当たり370ミリアンペア−時間のMnO2に基づく)MnO2の理論容量として定められた。以上の比較試験において、電池の平衡比率(亜鉛の理論容量に対するMnO2の理論容量)が約1.1であるとき、平面試験電池の膨張は、5.6mm〜6.13mmの全体的厚さに著しく増大した。試験実施例1(1.25の平衡比率)では、電池の膨張はより少なく、即ち、5.6mmから6.03mmである。試験実施例2(1.6の平衡比率)では、電池は5.6mmから5.95mmに膨張した。試験実施例3(2.0の平衡比率)では、電池の膨張はより少なく、5.6mm〜5.87mmであった。平衡比率が1.1〜1.6の間で増大するに応じて、電池の耐用年数は(24.5時間から20.9時間へ)緩やかに少なくなり、2.0の最大平衡比率でより著しく少なくなる。
【0118】
本発明の他の好適実施態様が図10乃至17に示されている。レシート可能な栓260のような再使用可能又は再活性化可能な通気機構が望ましいが、図10乃至17に示される実施態様におけるように、それを除去し得る。レシート可能な栓260を除去し得ること、並びに、レシート可能な栓の活性化圧力、即ち、好ましくは約100〜300psig(689×103〜2068×103パスカル)の間の圧力P1で亀裂し或いは破裂する主通気機構として弱いレーザ溶接部を用い得ることが、既に上記において指摘された。そのような場合(レシート可能な栓が排除された状態)には、補足的通気機構は、ケーシング表面上で、溝(溝600a又は600b)の下方に位置する薄肉材料領域であり得ることが上記において述べられた。より高い圧力レベルP2で破裂するように薄肉材料を設計し得る。
【0119】
今や図10乃至17の実施態様に示されるように、1つ又はそれ以上の溝通気口、好ましくは単一の溝通気口600a又は600bを主通気機構として用い得る。そのような場合、可能に位置する薄肉領域が圧力P1で破裂するよう、600a又は600bのような単一の溝通気口をケーシング表面に切り込み或いは刻み込み得る。好ましくは、単一の溝通気口600bは、図10Aに示されるように、正端子180近傍のケーシングの閉塞端部近傍に位置し得る。溝境界は閉塞或いは開放され得る。この好適実施態様において、溝は、好ましくはケーシングの広い縁部108aと平行な(図8及び8A)、直線又は実質的直線であり得る。例えば、7/5−F6サイズの長方形電池には、ケーシングの広い面106a上に位置する溝通気口600bがあり得る(図10A)。好適実施態様において、溝通気口600bは、ケーシング表面上に唯一の溝通気口を含む。非限定的な実施例として、溝600bは、電池の閉塞端部と平行な直線溝であり得る(図10A)。好ましくは、直線溝600bの両端部は、ケーシングの狭い側面から等距離にあり得る。そのような好適実施態様において、図10Aに示されるように、溝600bは約8mmの長さであり、ケーシングの閉塞端部104から約5〜10mmである。直線溝600bが望ましいが、そのような溝をそのような構造に限定することは意図されない。溝通気口600bは、曲線形状又は部分的に直線で部分的に曲線のような他の構造を有し、開放又は閉塞境界パターンを形成し得ることが理解されよう。
【0120】
薄肉材料が下方に位置する溝600b(図10A)は、電池内のガス圧力が約250〜800psig(1724×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の設計爆発圧力に達するときに破裂するよう設計され得る。約250〜800psig(1724×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の爆発圧力におけるそのような範囲を達成するために、薄肉材料が下方に位置する溝600bは、約0.04〜0.15mmの間の厚さを有する。代替的に、薄肉材料が下方に位置する溝600bは、電池内のガス圧力が約400〜800psig(1758×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の設計爆発圧力に達するときに破裂するよう設計され得る。約400〜800psig(1758×103〜5515×103パスカルゲージ)の間のそのような爆発圧力を達成するために、薄肉材料が下方に位置する溝600bは、約0.07〜0.15mmの厚さを有する。溝600b(図10A)の幅は、そのベース(隣接する薄肉領域610)で、典型的には、約0.1〜1mmの間、より典型的には約0.1〜0.5mmの間であり得る。そのような範囲内で、破裂圧力は主として下方に位置する薄肉領域の厚さによって制御される。しかしながら、ケーシング上に下方に位置する薄肉領域を備えるより広い溝付き又は切断領域も可能であることが理解されよう。
【0121】
溝600bは、ケーシング100の表面を型、好ましくは切断ナイフ縁部を有する型で打ち抜くことによって作成され得る。打抜き型がケーシング外面を穿孔するときに、マンドレルがケーシングの内面に対して保持される。溝600bは、図9に示されるような等長の側面を有するV字形状、或いは、図15に示されるような非等長の側面を有するV字形状に切断され得る。前者の場合(図9)、V字形状溝を形成する側面は、約40度の鋭角αを有するのが望ましく、後者の場合(図15)、それは約10〜30度の間の角度を有するのが好ましい。溝600bと共に、金属カバー230をケーシング100に固定する1つ又はそれ以上のレーザ溶接があり得る。そのような溶接部は、薄肉領域が下方に位置する溝600bの破裂圧力よりも高い圧力で破裂するよう設計され得る弱いレーザ溶接部及び強いレーザ溶接部の一方又は双方から構成され得る。前記されたように、そのようなレーザ溶接は、Nd:Yagレーザを用いてなされ得る。金属カバー230をケーシング100に固定するために用いられる隣接する弱いレーザ溶接部及び強いレーザ溶接部、例えば、溶接部310a及び310bの配置は、図6及び6Aを参照して示され且つ記載された。好適実施態様では、1つのレーザ溶接部だけ、即ち、図10に示されるように、金属カバー230の周縁全体をケーシング100に固定する強い溶接部310bだけがあり得る。強い溶接部310は、壊滅的条件の下で、例えば、もし電池が不注意に極めて高い電流の下で又は電池内のガス発生を急激に約800psig〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)の間のレベルまで上昇させるような極めて不正な条件の下で充電に晒されるならば破裂するよう設計され得る。
【0122】
よって、図10及び13に示される変更された好適な電池の実施態様において、単一の溝600bは、電池の主通気機構として機能し、その場合には、薄肉材料610(図9及び15)が下方に位置する溝600bは、もし電池内のガスが約250〜800psig(1724×103〜5515×103パスカルゲージ)の間、より典型的には、約400〜800psig(2758×103〜5515×103パスカルゲージ)の間のレベルまで上昇するならば破裂するよう設計される。そして、金属カバー230の縁部をケーシング100に固定する強いレーザ溶接部310b(図10)は、電池の補足的な通気システムとして機能するよう設計される。そのような強いレーザ溶接部310bは、電池内のガス圧力が約800psig〜2500psigの間のレベルまで急激に上昇するときのような壊滅的状況の場合に亀裂し或いは破裂するよう設計される。
【0123】
図10及び10Aに示される電池は、広い側面106aと平行な平面と通じて取られた図11の断面、及び、狭い側面107aと平行な平面を通じて取られた図12の断面として示されている。図11及び12に示されるように、前記の具体的な実施態様(図2及び図4)を組み込んだレシート可能な栓260は除去されている。電池のエンドキャップ組立体12を形成する関連部材を除去すること、即ち、前記実施態様(図2及び4)に示される通気ピップキャップ270及びプラスチックスペーサディスク250の除去も可能である。エンドキャップ組立体12を形成する構成要素の数の削減も、電池の内部構成要素の展開図である図13中に反映されている。よって、変更された実施態様(図10乃至13)において、リベット240は、図11及び12に最良に示されるように、負端子プレート290に直接的に溶接され得る。
【0124】
負端子プレート290へのリベット240の溶接は、電気抵抗溶接によって効率的に遂行され得る。リベット240は真鍮であるのが好ましく、望ましくは、典型的には約1〜3ミクロンの厚さのスズの層で鍍金された真鍮である。負端子プレート290は、ニッケルめっき冷間圧延鋼であるのが好ましい。端子プレート290の厚さが溶接場所で約4ミル(0.102mm)であるとき、溶接は最も効率的になされ得るし、均一な溶接が容易に達成され得ることが測定された。全体的強度のために、端子プレート290の残部はより厚い、好ましくは約8ミル(0.204mm)であることが望ましい。8ミル厚の冷間圧延鋼プレートが商業的に入手可能であるので、溶接場所でのプレートの厚さを約4ミル(0.102mm)まで減少するために、マンドレルを用いて端子プレート290の中央部290a(図13)、即ち、溶接領域はを容易に打ち抜き得ることが測定された。打抜きは、打抜き領域を形成するために、端子プレート290(図13)の頂面からなされるのが好ましい。そのような手順は、端子プレート290の残部290b(図13)の厚さを元の8ミル(0.204mm)の厚さのままにする。
【0125】
端子プレート290の中央部分290a(図13)は、多様な構造、例えば、長方形、円形、又は、楕円形に打ち抜かれ得る。長方形又は楕円形の打抜き領域290aの場合、溶接電極(図示せず)の配置を可能にするために、(ケーシングの広い側面の方向における)打抜き領域290aの長い寸法は、リベットヘッド247直径よりも幾分大きくなければならない。例えば、3mm直径のリベットヘッド247を用いると、打抜き領域290aの長い寸法は約4mmであり、打抜き領域290aの長い寸法は約3〜4mmの間である。もし打抜き領域が円形であるならば、もしリベットヘッド247直径が約3mmであるならば、その直径は約3〜4mmの間であり得る。
【0126】
変更された実施態様(図10乃至13)の平面アルカリ電池10を組み立てる場合、亜鉛を含む陽極材料150及びMnO2を含む陰極材料は、隔離板140をそれらの間に備えた状態で、開放端部102を通じて電池ケーシング100内に挿入される。エンドキャップ組立体12(図13)は、絶縁封止部材の突出ヘッド221が金属カバー230の開口234内に挿入されるよう、金属カバー230を絶縁封止部材220の上に挿入することによって形成される。次に、リベットシャフト240が開口234を通じて金属カバー230内に挿入される(図13)。リベットシャフト240は、絶縁封止部材220の突出ヘッド221によって金属カバー230から絶縁される。好ましくは真鍮から成る陽極電流コレクタの頂部フランジ部分161は、封止部材220の底面に対して押し上げられ、従来的なリベット締め技法によって、好ましくは真鍮又はスズめっき真鍮から成るリベット240の下部に締結され、よって、電流コレクタ160をリベット240に電気的に接続する。陽極電流コレクタをリベット240に締結するのを容易にするために、電流コレクタフランジ161には開口164があり、リベット240の下部には開口249aもある。(図11及び12に示されるように、リベット240の上部249bは中実であることが望ましい。)電流コレクタ160をリベット240に締結した後、封止部材220は電流コレクタフランジ161と金属カバー230の底面との間に楔止めされる。
【0127】
図10及び11に最良に示されるように、金属カバー230は、強いレーザ溶接部(好ましくは800〜2500psigの間の破裂圧力)によってケーシング100の内面に溶接される。金属カバー230の中央部分は押し込まれ或いは押圧され、池領域235(図11)を形成する。封止材料236、好ましくは商品名KORITEアスファルト封止材(Customer Products)の下で入手可能なアスファルト封止材が、金属カバー230の表面上の押圧された池領域235に塗布される(図11及び13)。KORITEアスファルト封止材は、約55〜70wt%アスファルト及び30〜45%アスファルトの混合物から成る非硬化アスファルトである。封止材が塗布されるときに、アスファルト/溶剤比及び封止材温度を調節することによって、封止材の粘度を調節し得る。カバープレート230内の池領域235及びリベットヘッド247は、アスファルト封止材が池領域235内に注入される前に加熱されるのが好ましい。望ましくは、アスファルト封止材は、池領域235内に注入されるときに、約1000センチポイズの粘度である。アスファルトは、くぼみ領域235を充填し、リベット240と封止部材220との間の追加的な封止保護をもたらす。次に、電流コレクタシャフト162が陽極材料150中に浸透するよう、金属カバー230、リベット240、及び、絶縁封止部材220から成るサブ組立体は、ケーシングの開放端部内に挿入される(図11及び12)。金属カバー230の周縁がケーシング100にレーザ溶接された後、プラスチックエキステンダー封止280(図13)がリベット240上に挿入され得る。これは、リベットヘッド247をプラスチックエキステンダー280の開口282を通じて挿入することによってなされる。次に、平面負金属プレート290が突出するリベットヘッド247と接触するよう、平面負金属プレートはプラスチックエキステンダー280の頂面上に配置される。次に、エンドキャップ組立体12の構築を完成するために、負プレート290は、リベットヘッド247に溶接される。電池10内の完成されたエンドキャップ組立体12は、図11及び
12に示されている。
【0128】
金属カバー230の縁部をケーシング100にレーザ溶接するときには、伝熱媒体、望ましくは液体又は金属を金属カバーに塗布するのが好ましい。伝熱媒体は、金属カバー230の表面上の池又はトラフ領域235内に便利に配置され得る液体であるのが好ましい。そのような伝熱媒体は、レーザ溶接期間中に発生する熱のかなりの部分を吸収し得る。このようにして、Nd:Yag(又は等価物)を用いるときの溶接期間中に、金属カバー230が約100℃より高い温度に達することを防止するために、十分な熱を吸収し得る。代替的に、金属カバーは、周囲室温(21℃)未満の温度、好ましくは水の氷点に接近する温度及びさらに低い温度に事前冷却され得る。そのような事前冷却は、金属カバー230が溶接動作期間中に100℃を越えることを防止する。加えて、金属カバー230は事前冷却され得るし、伝熱媒体も金属カバー230に塗布され得る。
【0129】
プラスチックエキステンダー封止280は、金属カバー230上でケーシング100にプレス嵌めされる。もし金属カバー230がレーザ溶接期間中に十分に冷却され続けないならば、封止280は、場合によっては、その物理特性に不利に影響する地点まで過熱し得る。この結果、径方向圧縮の損失、即ち、封止280とケーシング100との間の緊密な嵌合の緩みを招き、次いで、電解質が金属カバー230と金属カバー280との間の領域に漏れ出し得るケーシング外部への通路をもたらす。よって、金属カバー230を十分に冷たく保つこと、或いは、レーザ溶接動作期間中に十分な熱が吸収されるのを保証するために、伝熱媒体を金属カバーに塗布することが推奨される。これを達成する便利な方法は、少量の冷却脱イオン水を、例えば約5〜10℃で、金属カバー230のトラフ領域235に加えることにである。これは金属カバー230の温度を約100℃未満に保ち、次いで、封止(図11及び12)が好適な動作温度内に留まることを可能にする。(レーザ溶接動作後、封止材、例えば、アスファルト封止材が、前述された方法で池領域に加えられ得る。)代替的に、金属ブロック(選択的に事前冷却される)が、金属カバー230に接触して塗布され得る。金属カバー230が100℃を越える温度に達しないことを保証するために、典型的には鋼から成る金属ブロックは、溶接動作期間中に十分な熱を吸収し得る。
【0130】
レーザ動作期間中に金属カバー230を冷たく保つために水を加え得るが、他の適切な冷却材を用い得ることが理解されよう。例えば、純水の代わりに、ポリビニルアルコール及び水酸化カリウムの冷却水溶液を用い得る。ポリビニルアルコールは、金属カバー230の表面の外を被覆し、それによって、金属カバー230と封止280との間の追加的な封止保護をもたらす。そのような溶剤をプラスチック封止280(図11及び12)の下面に直接的に塗布可能であり、それによって、封止280の下面に追加的な封止保護をもたらす。
【0131】
代替的に、池235に塗布される冷却水溶液にゲル化剤を加え得る。ゲル化剤という用語は、従来的なゲル化剤と同様に高吸収剤を含むことが意図される。そのようなゲル化剤は、ポリアクリル酸、ポリアクリレート、アクリル酸共重合体のナトリウム塩、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、澱粉グラフト共重合体、及び、類似物を含む。ゲル化剤は、金属カバー230と封止280との間の追加的な封止保護をもたらすために、金属カバー230の表面を被覆する。圧縮ローラ及び類似物(図11及び12)を用いて、プラスチック封止280の下面に粉末としてゲル化剤を塗布可能であり、それによって、封止280をゲル化剤で被覆し、追加的な封止保護をもたらし得る。
【0132】
プラスチック封止280の代わりに紙ワッシャ295を用いる図17に示される実施態様において、紙ワッシャは、ゲル化剤を含む水溶液又はポリビニルアルコール及び水酸化カリウムの水溶液で事前含浸され得る。電解質が金属カバー230と端子プレート290との間の領域に漏れ出すならば、そのような紙ワッシャ295の事前湿潤は、追加的な封止保護をもたらす(図17)。加えて、ゲル化剤粉末を含む別個の層が、圧縮ローラ及び類似物を用いて、ワッシャ295の下面に押圧され得るし、或いは、米国特許第4,999,264号に記載されるように、ワッシャ295を含む繊維網目内に分散され得る。
【0133】
別個の突出金属部材180を電池の対向する閉塞端部104に溶接し得る。完成された電池10(図10乃至13)において、金属部材180は、電池ケーシングと電気的に接触し、よって、電池の正端子を形成する。エンドプレートお290はリベット240と電気的に接触し、次いで、それは陽極電流コレクタ160と電気的に接触し、よって、電池の負極を形成する。
【0134】
本発明は具体的な実施態様に関して詳細に記載されているが、具体的な構成要素の多様な設計が可能であり、本発明の概念の範囲内であることが意図されることが理解されよう。例えば、電流コレクタ160(図4及び13)は、釘の形状の細長い部材として示されており、頂端部が水平に延びるフランジ161で終端し、フランジは貫通する開口164を備える。電流コレクタ160の頂部フランジ161をリベット240の底面(図11)に締結するのを容易にするので、この設計は魅力的である。これは従来的なリベット締め技法によって達成され、リベットの底面249はフランジ開口164内に挿入され、次に、電流コレクタフランジ161をリベット240に固定するためにクリンプ加工され得る。そのような設計では、電流コレクタシャフトは偏心し、換言すれば、電池の中心長手軸に沿って位置しない。そのような偏心は、陽極の効率的な放電或いは電池の全体的性能と著しく干渉しないように思われる。電流コレクタシャフト162は、図4の実施態様では、直線釘として示され、図13に示される実施態様では、曲面を有する直線釘として示されている。いずれの場合にも、例えば図11に示されるように、釘は電池の中心長手軸190から偏心している。
【0135】
他の電流コレクタ設計が可能であることが理解されよう。例えば、リベット240は、ヘッド247から下向きに延び且つ少なくとも部分的に陽極150内に進入する釘の形態の一体形成された細長いシャフト部(図示せず)を備えるヘッド部247(図11)を有する中実部材であり得る。そのような場合には、電流コレクタシャフトは、電池の中心長手軸190に沿って位置するよう位置付けられ得る。そのようなリベットのヘッド部247は、依然として上述の方法で端子エンドプレート290に溶接され得る。
【0136】
本発明の平面電池の他の具体的な実施態様が図17に示されている。この実施態様において、プラスチックエキステンダー280の代わりに、例えば、クラフト紙の紙ワッシャ295を金属カバー230と負端子プレート290との間に用い得る。クラフトワッシャは耐久性があり、金属カバー230と端子プレート290との間に所要の電気絶縁をもたらす。そのような設計は、リベットヘッド247の高さを低減し、それによって、エンドキャップ組立体12の全体的な高さをコンパクト化している。それはプラスチックエキステンダー280を成型する必要も排除するという利点も有する。次いで、これは、電池内部に陽極/陰極活性化材料のために、より多くの利用可能な容積をもたらす。(図17に示される電池の他の構成要素は、図10乃至12に示される電池に関して記載されたものと本質的に同じである)。リベットに締結された別個の電流コレクタ160を備える図17に示されるリベット240を、例えば、電流コレクタから延び且つ陽極の少なくとも一部に進入する釘の形状の一体的な細長い電流コレクタ160を備えた単一リベットと置換し得る。そのような一体的な電流コレクタは、電池の中心長手軸190に沿って中心的に位置付けられ得る。
【0137】
電池のそれぞれの実施態様は、電池ケーシングを巻き付ける従来的なフィルムラベルを有することが意図されることが理解されよう。そのようなラベルのための適切なプラスチックフィルムは当該技術分野において既知であり、典型的にはポリ塩化ビニルを含む。ラベルは、所望の設計又は表示で刻印され得る。そのようなラベルは、典型的には端部で接着剤で被覆され、ケーシング表面の周りに巻き付けることによって塗布され得る。代替的に、ラベルはスリーブの形態で塗布され、ケーシング表面上で熱収縮され得る。典型的なラベル12が図17に示されている。
【0138】
隔離板の組み立て
図10乃至13に示される電池の実施態様において、アルカリ電池において従来的に用いられる隔離板材料から、隔離板140を従来的に形成し得る。例えば、典型的には、セルロース又はセルロース誘導体及びポリビニルアルコール繊維から成る。電池10(図10乃至13)は、典型的には、約16mmの厚さ、約17mmの幅、及び、約35〜67mmの長さを有する立方体形状であり得る。所望の隔離板は、二重の層から構成され、(陰極110に面する)外層はセルロース誘導体及びポリビニルアルコール繊維を含み、陽極150に面する内層はレーヨンのようなセルロース材料を含む。陰極ディスク110が開放端部102(図11)を通じてケーシング内に挿入された後、隔離板が陰極面に晒されるように、隔離板140が挿入される。
【0139】
上述の平面電池(図10乃至13)における使用のための隔離板140は、図14及び14Bに示されるように、平面隔離板シートを転動することによって従来的に作成される。先ず、近端部140aが、縁部140aから約3〜5mm変位した屈曲線140bに沿って、F1の方向に内向きに折り畳まれる。隔離板表面140dに対してマンドレル(図示せず)を配置し得る。次に、遠縁部140cが縁部140aの周りを通過し、その結果、図14Aに示される部分的に巻き付けられた構造が得られるよう、隔離板の遠縁部140cがマンドレルの周りに巻き付けられる。遠縁部140cは、隔離板面上でF2方向に継続的に巻き付けられる(図14A)。縁部140cは、隔離板面に接着可能に固定され得る。次に、底部隔離板縁部142が、図14Bに示されるように、隔離板の背面を覆って約3mm内向きに折り畳まれ、そこに接着可能に固定される。単に底部隔離板縁部143cをF3方向に折り畳み、次に、図14Bに示されるようなバッグ構造を形成するために、それを押し付けることによって、縁部140c及び/又は底部隔離板縁部142を固定するための接着剤の使用を排除し得る。折り畳まれた隔離板がケーシング内に挿入されると、陰極形状も隔離板を図14Bに示されるバッグ構造に保持するのを助ける。マンドレル(図示せず)は除去される。結果として得られる巻き付けられた隔離板140(図14B)は、開放端部144と対向する閉塞端部143を備える閉塞境界面148を有するバッグの形状である。隔離板境界面148は、そこへ陽極材料の挿入するためのキャビティ155を定める。
【0140】
陰極ディスク110aが電池ケーシング100内に挿入された後、図14Bに示される構造に巻き付けられた隔離板140は、隔離板表面が露出した陰極表面に面するように挿入される。隔離板境界面148は、陽極キャビティ155を形成する。陽極キャビティ155は、好ましくは、図14Bに示されるような長円形構造を有する。キャビティ155の長円形構造の短い寸法は、典型的には、立方体構造の約6mmの全体的厚さの電池10のために約2〜3mmの間である。好ましくは、長円形構造の長い寸法は陽極キャビティ全体のために電池内で利用可能な空間の幅よりも幾分少ない。これは、図16に示されるように、隔離板の短い側面と陰極ディスク100aとの間に間隙145を生む。間隙145は、約2〜4mmの間、好ましくは約2〜3mmの間である。次に、陽極材料150は、隔離板の開放端部143を通じて陽極キャビティ155内に充填され、その結果、陽極材料150、陰極材料110、及び、それらの間の隔離板140で充填されたケーシング100が得られ、その場合には、図16に示されるように、隔離板の1つの短い側面と陰極との間の間隙145(空所)がある。
【0141】
所望であれば、間隙145内に直接的に計量分配することによって、追加的なアルカリ電解液を電池内部に加え得ることが測定された。追加的な電解質は、計量分配ノズルを間隙内に直接的に挿入することによって計量分配され得る。好適実施態様では、陽極150及び陰極110が電池内の所定位置に配置された後、少量の追加的な電解液を間隙145内に加え得る。代替的な実施態様では、陰極が所定位置に配置された後、陽極材料が陽極キャビティ内に挿入される前に、追加的な電解質の一部を間隙145内に加え得る。次に、陽極材料を電池の陽極キャビティ内に挿入し、然る後、最終量の電解質を間隙145内に加え得る。いずれの場合にも、追加的な電解質は、陽極の利用(放電された活性陽極百分率)及び全体的な電池性能を向上するのを助ける。それは電池の膨張を抑制する傾向のある要因でもあり得る。
【0142】
上記されたような隔離板140と陰極110との間の間隙145への電解液の追加は、もし電解質が陽極に直接的に加えられるならば起こり得るオーバーフロー問題を回避する。例えば、もし初めに隔離板140と陰極110との間に間隙がなく、追加的な電解質が電池内部に加えられるならば、陽極150上の空所146(図11)への電解質のオーバーフローがあり得る。そのようなオーバーフローは望ましくない。何故ならば、それは、金属カバー230が電池の開放端部102を覆う所定位置に配置された後、金属カバー230の下面又は縁部に沿った湿潤を引き起こすからである。次いで、そのような湿潤は、ケーシング100への金属カバー230の適切なレザー溶接に不利に影響を与える。
【0143】
もし追加的な電解質が間隙145に加えられるならば、それが増分ステップでなされることが推奨される。例えば、もし追加的な電解質が、陽極150、陰極110、及び、隔離板140がケーシング内に挿入された後に間隙145に加えられるならば、そのような追加的な電解質が複数の計量分配ステップで増分追加され、計量分配間に典型的には約1〜4分の間の時間経過を許容することが推奨される。これは、電解質の各増分量のための時間が陽極、隔離板、及び、陰極に吸収されることを可能にし、金属カバー230の適切な溶接を妨げ得る如何なるオーバーフローが発生する可能性も低減する。もし電池が長方形の7/5−F6サイズ電池であるならば、間隙145に加えられるべき追加的な電解液の量は、典型的には、約1グラムより下である。好ましくは、そのような各場合には、増分量の電解質が陽極、陰極、及び、隔離板に適切に吸収されるべき十分な時間を可能にするよう、計量分配間に約1〜4分の間の時間間隔を備えて、約4回の増分均等計量分配で電解質を加え得る。驚くべきことに、前記追加的電解質の全体が間隙145内に計量分配されるとき、陽極150は、隔離板表面148によって境界付けられた陽極キャビティ155を拡張するのに十分に膨張することが発見された。陽極150が膨張すると、隔離板表面148は陽極及び陰極の双方に対して面一に押し付けられ、それによって、間隙145を完全に閉塞する。
【0144】
図10乃至16を参照して図示され開示される実施態様に従って作成された電池10の性能試験がなされ、以下の試験電池実施例4において報告される。
【0145】
試験電池実施例4
図10乃至13に示される実施態様における長方形構造及び比較実施例におけると同一サイズの試験電池を準備した。陽極内の亜鉛の量は2.01グラムであり、MnO2の量は6.69であった。陽極150及び陰極110は以下の組成を有した。
【0146】
陽極組成:
Wt%
亜鉛1 60.0
界面活性剤2 0.075
(RM510)
電解質3
(9正常KOH) 39.9
100.00
【0147】
注記:
1.亜鉛粒子は約150ミクロンの平均粒子サイズを有し、約200ppmの総インジウム含有量をもたらすよう、インジウムで合金化されメッキされた。
2.Rhone Poulencからの有機燐酸エステル基界面活性剤溶液RM510
3.電解質は、全体で電解質溶液の約1.5wt%を構成するゲル化剤Waterlock A221及びCarbopol C940を含有した。
【0148】
陰極組成:
Wt%
MnO2(EMD) 84.0
(Kerr McGee
からのTrona D)
黒鉛1
(NdG15天然黒鉛) 10.0
電解質
(9正常KOH) 6.0
100.00
【0149】
1.黒鉛NdG15は、Nacional De Grafiteからの天然黒鉛である。
【0150】
陽極及び陰極が電池ケーシング内の所定位置に配置された後、追加的な合計0.82グラムの9N KOH電荷質が、4回の計量分配増分(増分当たり0.205グラム)で、隔離板140と陰極(図6)との間の間隙145に加えられた。計量分配増分の間の時間間隔は、約1〜4分の間であった。合計0.82グラムの電解質の追加は、上記の陽極及び陰極組成を著しく変えなかった。追加された電解質全体の一部は陽極内に吸収され、他の部分は陰極に吸収され、一部は隔離板に吸収された。間隙145に加えられた電解質は陽極を膨張させ、それによって、間隙145を閉塞する。この技法は、陽極上の空所146への電解質の如何なるオーバーフローも生じさせることなしに、追加的な電解質が陽極に加えられることを可能にする。そのような電解質のオーバーフローは望ましくない。何故ならば、それは金属カバー230の縁部の質順を引き起こし、次いで、それは電池ケーシングへのカバー230の適切な溶接を妨げ得るからである。
【0151】
電池のためのケーシング100壁厚は0.38mmであった。新しい電池は、67mmの長さ、5.6mmの厚さ、及び、17mmの幅を有した。電池の陽極150及び陰極110は、(グラム当たり820ミリアンペア−時間の亜鉛に基づく)亜鉛のミリアンペア−時間容量によって割り算された(グラム当たり370ミリアンペア−時間のMnO2に基づく)MnO2の理論容量が1.5であるように平衡された。陽極は2.01グラムの亜鉛を有した。(陰極は6.69グラムのMnO2を有した。)陽極150、陰極110、及び、隔離板140は、ケーシング100の外部容量の約66%を構成した。ケーシング外側厚さに対する陽極の厚さの比率は約0.35であった。
【0152】
厚さは、電池の外側厚さ(小さな寸法)を横断して、長手軸190に対して直交する平面に沿って測定される。
【0153】
電池は、0.9ボルトのカットオフ電圧に達するまで「電源オン」及び後続の3時間の「電源オフ」を備える90ミリワットの周期で間欠的に放電された。実際の耐用年数は20.1時間であった。ケーシングは、5.6mmの厚さから5.99mmの厚さに膨張した。(厚さは、図1Aに示される側壁106a,106の外面間で測定された。)
【0154】
比較試験では、電池の平衡比率(亜鉛の理論容量に対するMnO2の理論容量)が約1.1であるとき、平面試験電池の膨張は、5.6mm〜6.13mmの全体的厚さに著しく増大した。上記試験実施例4(1.5の平衡比率)では、電池の膨張はより少なく、即ち、5.6mmから6.03mmである。試験実施例4(1.5の平衡比率)では、電池は5.6mmから5.99mmに膨張した。
【0155】
本発明の好適実施態様は、立方体(直平行六面体)の全体的形状を有する平面アルカリ電池に関して記載されたが、そのような全体的形状の変形が可能であり、本発明の概念内に入ることが意図される。平面電池の場合には、例えば、立方体(直平行六面体)の形状において、ハウジングの両端部は、それらの長方形状を維持しながらも、僅かに外向き或いは内向きにテーパ付きであり得る。そのような多様な形状の全体的外観は、依然として本質的に立方体のそれであり、立方体又はその法律的均等物の意味内に入ることが意図される。平行六面体が厳密な直方形から僅かに偏位するように電池の両端部がハウジングの側面の任意の1つと成す角度を僅かに変えるような全体的形状に対する他の変形も、ここで並びに請求項において用いられるような立方体(直平行六面体)の意味の範囲内に入ることが意図される。
【0156】
本発明は、ケーシングの長さに沿った外部ケーシングの側面が実質的に平面であるという点で平面である全体的な電池形状に望ましくは及ぶことが意図される。よって、「平面」という用語は、そのような表面の曲率度が僅かであるという点で実質的に平面的である表面に及び且つ含むことが意図される。具体的には、本発明の概念は、ケーシングの長さに沿った電池ケーシング表面の側面が平面的な多角形面を有する平面電池に及ぶことが意図される。よって、電池は、多角形である外部ケーシングの全ての側面を備えた多面体の全体的形状を有し得る。本発明は、その長さに沿った電池ケーシングの側面が平面を有し、それは平行四辺形であり、電池の全体的形状がプリズム状である電池に及ぶことも意図される。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】電池の負端子端部を示す本発明の平面アルカリ電池を示す斜視図である。
【図1A】電池の正端子端部を示す図1の平面アルカリ電池を示す斜視図である。
【図2】線2−2に沿って取られた図1Aに示される電池を示す断面図である。
【図2A】線2−2に沿って取られ且つ変更された栓設計を示す図1に示される電池を示す断面図である。
【図3】線3−3に沿って取られた図1Aに示す電池を示す断面図である。
【図3A】線3−3に沿って取られ且つ変更された栓設計を示す図1Aに示される電池を示す断面図である。
【図4】平面アルカリ電池のためのエンドキャップ組立体を構成する構成要素を示す展開図である。
【図4A】線がそのハウジングキャビティ内に圧縮される前の図2A及び図3Aに示される変更された栓を示す斜視図である。
【図4B】細長い陽極キャビティを示すために図1Aの視線に沿った電池の長手軸に対して直交する平面で取られた電池の断面を示す平面図である。
【図4C】細長い陽極キャビティの他の実施態様を示す電池の断面を示す平面図である。
【図4D】細長い陽極キャビティの第三実施態様を示す断面を示す平面図である。
【図5】電池ケーシング(ハウジング)内への電池含有物及びエンドキャップ組立体の導入を示す展開図である。
【図6】電池のケーシングの内面への強い溶接部及び弱い溶接部を備えた縁部に沿ってレーザ溶接された金属カバープレートを示す平面図である。
【図6A】電池のケーシングのクリンプ加工された縁部への強い溶接部及び弱い溶接部を備えた縁部に沿ってレーザ溶接された金属カバープレートを示す平面図である。
【図7】強い溶接部及び弱い溶接部の実施態様を示す電池ケーシング本体を示す側面図である。
【図7A】湾曲した強い溶接部及び弱い溶接部の実施態様を示す電池ケーシング本体を示す側面図である。
【図8】下方に位置する薄肉材料の涼気を形成するケーシング本体内の溝を示す電池の側面図である。
【図8A】ケーシング本体内の複数の溝を示す電池の側面図であり、各溝は下方に位置する薄肉材料の領域を形成している。
【図9】図8及び8Aに示される代表的な溝を示す断面図である。
【図10】図10Aに示される電池ケーシングにレーザ溶接された金属カバーを示す上面図である。
【図10A】ケーシングの広い側面上の単一の溝を示す平面アルカリ電池の実施態様を示す側面図である。
【図11】図10Aに示される電池の広い側面を示す断面図である。
【図12】図10Aに示される電池の短い側面に沿った断面図である。
【図13】図10Aに示される平面電池のためのエンドキャップ組立体を構成する構成部材を示す展開図である。
【図14】単一シートの隔離板材料から図10Aの電池のための隔離板を組み立てを示す斜視図である。
【図14A】巻き付けられた隔離板シートを形成するステップを示す斜視図である。
【図14B】開放端部及び反対側の閉塞端部を有する完成された巻き付けられた隔離板を示す斜視図である。
【図15】溝付き通気口から切断されたV字形状溝の代替的な種類を示す断面図である。
【図16】隔離板の短い側面と陰極との間に間隙がある実施態様を示す断面図である。
【図17】プラスチックエキステンダーの代わりに紙ワッシャが溶接された金属カバーの上に積層されている点を除き図11の電池と類似する代替的な実施態様を示す断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部ハウジングを含む圧力容器であって、
前記外部ハウジングは、閉塞端部と、反対側の開放端部とを含み、当該容器は、前記外部ハウジングの前記開放端部を封止するエンドキャップ組立体をさらに含み、前記外部ハウジング及び前記エンドキャップ組立体は、当該容器の内部の周りに圧力境界面を形成し、
当該容器は、前記圧力境界面上に位置する通気機構を含み、該通気機構は、当該容器内からガス圧力を解放するよう活性化し、前記通気機構は、前記境界面上に溝を形成する第一破裂ゾーンと、前記境界面上の第二破裂ゾーンとを含み、前記溝は、前記境界面の平均厚さよりも薄い材料領域を定め、前記第一破裂ゾーンは、当該電池内のガス圧力が第一圧力レベルまで上昇するときに破裂し、前記第二破裂ゾーンは、当該電池内のガス圧力が前記第一圧力レベルよりも高い第二圧力レベルまで上昇するときに破裂する容器。
【請求項2】
前記第一破裂ゾーン及び前記第二破裂ゾーンは、前記境界面上で離間している、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記第一破裂ゾーンは、当該容器内のガス圧力が約250〜800psig(1724×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の圧力まで上昇するときに破裂する、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記第一破裂ゾーンは、当該容器内のガス圧力が約400〜800psig(2758×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の圧力まで上昇するときに破裂する、請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記第二破裂ゾーンは、当該容器内のガス圧力が約800〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)の間の圧力まで達するときに破裂する、請求項1に記載の容器。
【請求項6】
前記第二破裂ゾーンは、前記境界面の一部の内側のレーザ溶接部を含む、請求項1に記載の容器。
【請求項7】
前記溝は、前記境界面を打ち抜くことによって形成される、請求項1に記載の容器。
【請求項8】
前記レーザ溶接部は、前記外部ハウジングと前記外部ハウジングの前記開放端部内に嵌入された金属部材との間に形成され、それによって、前記開放端部を閉塞する、請求項6に記載の容器。
【請求項9】
前記レーザ溶接部は、前記外部ハウジングの前記内面と前記外部ハウジングの前記開放端部内に嵌入された前記金属部材の縁部との間に形成され、それによって、前記開放端部を閉塞する、請求項6に記載の容器。
【請求項10】
前記レーザ溶接部は、Nd:Yagレーザによって作成され、前記レーザ溶接部は、当該電池内のガス圧力が約800〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)の間のレベルまで上昇するときに破裂する、請求項6に記載の容器。
【請求項11】
当該容器は、立方体形状を有し、前記金属部材は長方形状の金属プレートである、請求項8に記載の容器。
【請求項12】
前記金属部材は、貫通する開口を有する長方形状のプレートである、請求項8に記載の容器。
【請求項13】
負端子と、正端子と、立方体形状の外部ハウジングとを含む主アルカリ電池であって、該外部ハウジングは、閉塞端部と、開放端部とを有し、当該電池は、前記外部ハウジング内に、亜鉛を含む陽極と、MnO2を含む陰極とをさらに含み、当該電池は、前記陽極と前記陰極との間の隔離板と、前記外部ハウジングの前記開放端部を封止するエンドキャップ組立体とをさらに含み、それによって、当該電池の内部の周りに境界面を形成し、
前記陰極は、複数の長方形状の陰極スラブを含み、各陰極スラブは、陰極材料のない中心開口を有し、前記陰極スラブは、前記陰極の外面が前記外部ハウジングの前記内面と接触した状態で、前記陰極材料のない開口がコアを形成するよう、前記外部ハウジング内に積層し、
当該電池は、前記境界面上に位置する通気機構を含み、該通気機構は、ガス圧力が上昇するに応じて、前記電池内から前記ガス圧力を開放するよう活性化し、前記通気機構は、前記境界面上に溝を含み第一破裂ゾーンと、前記境界面上の第二破裂ゾーンとを含み、前記溝は、前記境界の平均厚さよりも薄い下方に位置する材料領域を定め、前記第一破裂ゾーンは、当該電池内のガス圧力が第一圧力レベルまで上昇するときに破裂し、前記第二破裂ゾーンは、当該電池内のガス圧力が前記第一圧力レベルよりも高い第二圧力レベルまで上昇するときに破裂し、よって、当該電池内からのガスが、当該電池の内部から前記破裂部を通じて逃げ出すのを許容するアルカリ電池。
【請求項14】
前記第一破裂ゾーン及び前記第二破裂ゾーンは、前記境界面上で離間している、請求項13に記載のアルカリ電池。
【請求項15】
前記第一破裂ゾーンは、当該容器内のガス圧力が約250〜800psig(1724×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の圧力まで上昇するときに破裂する、請求項13に記載のアルカリ電池。
【請求項16】
前記第一破裂ゾーンは、当該容器内のガス圧力が約400〜800psig(2758×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の圧力まで上昇するときに破裂する、請求項13に記載のアルカリ電池。
【請求項17】
前記第二破裂ゾーンは、当該容器内のガス圧力が約800〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)の間の圧力まで達するときに破裂する、請求項13に記載のアルカリ電池。
【請求項18】
前記第二破裂ゾーンは、前記境界面の一部の内側のレーザ溶接部を含む、請求項13に記載のアルカリ電池。
【請求項19】
前記溝は、前記境界面を打ち抜くことによって形成される、請求項13に記載のアルカリ電池。
【請求項20】
前記エンドキャップ組立体は、金属カバーを含み、前記レーザ溶接部は、前記ハウジングと前記ハウジングの前記開放端部内に嵌入される前記金属カバーとの間に形成され、それによって、前記開放端部を閉塞する、請求項18に記載のアルカリ電池。
【請求項21】
前記エンドキャップ組立体は、金属カバーを含み、前記レーザ溶接部は、前記ハウジングの内面と前記ハウジングの前記開放端部内に陥入される前記金属カバーの縁部との間に形成され、それによって、前記開放端部を閉塞する、請求項18に記載のアルカリ電池。
【請求項22】
前記レーザ溶接部は、Nd:Yagレーザによって作成され、前記レーザ溶接部は、当該電池内のガス圧力が約800〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)の間のレベルまで上昇するときに破裂する、請求項18に記載のアルカリ電池。
【請求項23】
前記金属カバーは、長方形状の金属プレートである、請求項20に記載のアルカリ電池。
【請求項24】
前記金属カバーは、貫通する開口を有する長方形の金属プレートである、請求項20に記載のアルカリ電池。
【請求項25】
前記エンドキャップ組立体は、前記金属カバーと、端子エンドプレートと、絶縁封止部材と、その一部が前記絶縁封止部材及び前記金属カバーの双方を通過する細長い導電性部材とを含み、該導電性部材は、前記端子エンドプレートに電気的に接続されている、請求項24に記載のアルカリ電池。
【請求項26】
前記導電性部材は、前記陽極に電気的に接続されている、請求項25に記載のアルカリ電池。
【請求項27】
前記細長い導電性部材の一部は、前記陽極内に進入し、陽極電流コレクタ(160)として機能する、請求項26に記載のアルカリ電池。
【請求項28】
前記エンドキャップ組立体は、前記端子エンドプレートと前記金属カバーとの間に導電性部材をさらに含み、それによって、前記端子エンドプレートを前記金属カバーから絶縁する、請求項26に記載のアルカリ電池。
【請求項29】
前記端子エンドプレートと前記金属カバーとの間の前記導電性部材は、プラスチック材料を含む、請求項28に記載のアルカリ電池。
【請求項30】
前記端子エンドプレートと前記金属カバーとの間の前記導電性部材は、紙材料を含む、請求項28に記載のアルカリ電池。
【請求項31】
前記端子エンドプレートは、前記エンドプレートの平均厚さよりも小さな厚さの中央領域を有し、前記細長い伝導性材料は、電気抵抗溶接によって、前記中央領域で前記端子エンドプレートに溶接されている、請求項28に記載のアルカリ電池。
【請求項32】
アスファルトを含む封止材料が、前記細長い伝導性部材の表面の少なくとも一部と前記金属カバーとの間に塗布されることで、そこを通じたアルカリ電解質の漏出を防止する、請求項25に記載のアルカリ電池。
【請求項33】
前記陰極スラブ内の前記中央開口の少なくとも一部は、前記陽極を収容するためのキャビティを形成する、請求項13に記載のアルカリ電池。
【請求項34】
前記キャビティは、長円形構造を有する、請求項33に記載のアルカリ電池。
【請求項35】
当該電池は、水酸化カリウムの水溶液を含むアルカリ電解質を含む、請求項13に記載のアルカリ電池。
【請求項36】
当該電池は、陰極が、グラム当たり820ミリアンペア−時間の亜鉛の理論比値に基づく亜鉛のミリアンペア−時間によって割り算された、グラム当たり370ミリアンペア−時間のMnO2の理論比値に基づくMnO2の理論容量の比率が、約1.2〜2.0の間であるよう超過するよう平衡された、請求項35に記載のアルカリ電池。
【請求項37】
当該電池は、陰極が、グラム当たり820ミリアンペア−時間の亜鉛の理論比値に基づく亜鉛のミリアンペア−時間によって割り算された、グラム当たり370ミリアンペア−時間のMnO2の理論比値に基づくMnO2の理論容量の比率が、約1.4〜1.8の間であるよう超過するよう平衡された、請求項35に記載のアルカリ電池。
【請求項38】
当該電池は、約5〜10mmの間の全体的厚さを有し、前記全体的厚さは、前記ハウジングの短い寸法を定める前記ハウジングの対向する側面の外面の間の距離として定められる、請求項13に記載のアルカリ電池。
【請求項39】
前記ハウジングは、約0.30mmから0.50mmの間の壁厚を有する金属を含む、請求項13に記載のアルカリ電池。
【請求項40】
前記ハウジングは、約0.30mmから0.40mmの間の壁厚を有する金属を含む、請求項13に記載のアルカリ電池。
【請求項41】
前記ハウジングは鋼を含む、請求項13に記載のアルカリ電池。
【請求項42】
負端子と、正端子と、立方体形状の外部ハウジングとを含む主アルカリ電池であって、該外部ハウジングは、閉塞端部と、開放端部とを有し、当該電池は、前記外部ハウジング内に、亜鉛を含む陽極と、MnO2を含む陰極とをさらに含み、当該電池は、前記陽極と前記陰極との間の隔離板と、前記外部ハウジングの前記開放端部を封止するエンドキャップ組立体とをさらに含み、それによって、当該電池の内部の周りに境界面を形成し、
前記陰極は、複数の長方形状の陰極スラブを含み、各陰極スラブは、陰極材料のない中心開口を有し、前記陰極スラブは、前記陰極の外面が前記外部ハウジングの前記内面と接触した状態で、前記陰極材料のない開口が、前記長手軸に沿って中心コアを形成するよう、当該電池の中心長手軸に沿って前記外部ハウジング内に積層し、
当該電池は、前記境界面上に位置する通気機構を含み、該通気機構は、ガス圧力が上昇するに応じて、前記電池内から前記ガス圧力を解放するよう活性化し、前記通気機構は、前記境界面上に第一破裂ゾーン及び第二破裂ゾーンを含み、前記破裂ゾーンの少なくとも一方は、前記境界面上に溝を含み、該溝は、前記境界の平均厚さよりも薄い下方に位置する金属領域を定め、前記第一破裂ゾーンは、当該電池内のガス圧力が第一圧力レベルまで上昇するときに破裂し、前記第二破裂ゾーンは、当該電池内のガス圧力が前記第一圧力レベルよりも高い第二圧力レベルまで上昇するときに破裂し、よって、当該電池内からのガスが当該電池の内部から前記破裂部を通じて逃げ出すことを許容する電池。
【請求項43】
前記第一破裂ゾーンと第二破裂ゾーンは、前記境界面上で離間している、請求項42に記載の電池。
【請求項44】
前記第二破裂ゾーンは、前記境界面の一部の内側のレーザ溶接部を含む、請求項42に記載の電池。
【請求項45】
前記溝は、前記境界面を打ち抜くことによって形成される、請求項42に記載の電池。
【請求項46】
前記境界面上の前記第一破裂ゾーンは、当該電池内部内のガス圧力が約250〜800psig(1724×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の圧力レベルに達するときに破裂し、前記境界面上の前記第一破裂ゾーンは、当該電池内部内のガス圧力が約800〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)の間の圧力レベルに達するときに破裂する、請求項42に記載の電池。
【請求項47】
前記境界面上の前記第一破裂ゾーンは、当該電池内部内のガス圧力が約400〜800psig(2758×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の圧力レベルに達するときに破裂し、前記境界面上の前記第一破裂ゾーンは、当該電池内部内のガス圧力が約800〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)の間の圧力レベルに達するときに破裂する、請求項42に記載の電池。
【請求項48】
前記エンドキャップ組立体は、金属カバーを含み、前記第一破裂ゾーンは、前記ハウジングの前記外面上の溝によって形成され、前記第二破裂ゾーンは、金属部材の縁部と前記ハウジングの内面との間のレーザ溶接部によって形成され、よって、前記金属部材を、その縁部の一部に沿って、前記ハウジングの前記開放端部の近傍で、前記外部ハウジングの前記内面に固定する、請求項42に記載の電池。
【請求項49】
前記金属カバーは、長方形状のプレートである、請求項48に記載の電池。
【請求項50】
前記溝は、当該電池の前記閉塞端部と平行に走る、請求項42に記載の電池。
【請求項51】
前記ハウジングは、約0.30mm〜0.50mmの間の壁厚を有する金属を含む、請求項42に記載の電池。
【請求項52】
当該電池は、約5〜10mmの間の全体的厚さを有し、前記全体的厚さは、前記ハウジングの短い寸法を定める前記ハウジングの対向する側面の外面の間の距離として定められる、請求項42に記載の電池。
【請求項53】
アルカリ電池の外部ハウジングを閉塞する方法であって、前記外部ハウジングは、閉塞端部と、対向する開放端部と、少なくとも1つの平面とを有し、当該方法は、
金属カバーの縁部が前記ハウジングに当接し、且つ、前記金属カバーの少なくとも一部が露出されるよう、前記金属カバーを前記開放端部の近傍で前記ハウジング内に挿入するステップと、伝熱媒体を前記金属カバーの一部に塗布するステップと、前記開放端部を閉塞するために、前記カバーの前記縁部を前記ハウジングにレーザ溶接するステップとを含み、前記伝熱媒体は、前記レーザ溶接の期間中に発生する熱の少なくとも一部を吸収する方法。
【請求項54】
前記金属カバーは、その露出された表面の一部が湾曲してトラフを形成し、当該方法は、前記伝熱媒体を前記トラフ内に配置するステップをさらに含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記金属カバーが、前記溶接期間中に約100℃よりも大きな温度に達しないよう、前記溶接によって発生する十分な熱が、前記伝熱媒体によって吸収される、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記伝熱媒体は固体又は液体を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項57】
前記伝熱媒体は金属を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項58】
前記金属カバーを前記ハウジングに溶接した後、前記封止部材が前記金属カバーの少なくとも一部と接触するよう、非金属封止部材を前記金属カバーの上に配置するステップをさらに含む、請求項53に記載の方法。
【請求項59】
前記伝熱媒体は、前記金属カバーの露出部に塗布される脱イオン水を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項60】
前記伝熱媒体は、ポリビニルアルコールと水酸化カリウムとを含む水溶液を含み、前記ポリビニルアルコールは、前記金属カバーの露出部を被覆する、請求項53に記載の方法。
【請求項61】
前記伝熱媒体は、ゲル化剤を含む水溶液を含み、前記ゲル化剤は、前記金属カバーの露出部を被覆する、請求項53に記載の方法。
【請求項62】
前記封止部材を前記金属カバー上に配置する前に、前記非金属封止部材の一部をゲル化剤で被覆するステップをさらに含む、請求項53に記載の方法。
【請求項63】
前記封止部材はプラスチックを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項64】
前記封止部材は紙を含む、請求項58に記載の方法。
【請求項65】
前記レーザ溶接は、Nd:Yagレーザを用いることで達成される、請求項53に記載の方法。
【請求項66】
前記閉塞されたハウジングは、立方体の形状である、請求項53に記載の方法。
【請求項67】
前記ハウジングは、約5〜10mmの間の全体的厚さを有し、前記全体的厚さは、前記ハウジングの短い寸法を定める前記ハウジングの対向する側面の外面の間の距離として定められる、請求項53に記載の方法。
【請求項68】
アルカリ電池の外部ハウジングを閉塞する方法であって、前記外部ハウジングは、閉塞端部と、反対側の開放端部と、少なくとも1つの平面とを有し、当該方法は、
金属カバーの縁部が前記ハウジングに当接し、且つ、前記金属カバーの少なくとも一部が露出されるよう、前記金属カバーを前記開放端部の近傍で前記ハウジング内に挿入するステップと、前記金属カバーを周囲室温より下の温度に冷却するステップと、前記開放端部を閉塞するために、前記金属カバーの縁部を前記ハウジングにレーザ溶接するステップとを含む方法。
【請求項69】
前記金属カバーが、前記溶接期間中に約100℃よりも大きい温度に達しないよう、前記金属カバーは、周囲室温より十分に下に冷却される、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記金属カバーを前記ハウジングに溶接した後、前記封止部材が前記金属カバーの少なくとも一部と接触するよう、非金属封止材料を前記金属カバーの上に配置するステップをさらに含む、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記金属カバーは、脱イオン水を前記金属カバーの露出部に塗布することによって冷却される、請求項68に記載の方法。
【請求項72】
前記金属カバーは、ポリビニルアルコールと水酸化カリウムとを含む水溶液を塗布することによって冷却され、前記ポリビニルアルコールは、前記金属カバーの露出部を被覆する、請求項68に記載の方法。
【請求項73】
前記金属カバーは、ゲル化剤を含む水溶液を塗布することによって冷却され、前記ゲル化剤は、前記金属カバーの露出部を被覆する、請求項68に記載の方法。
【請求項74】
前記封止部材を前記金属カバー上に配置する前に、前記非金属封止部材の一部をゲル化剤で被覆するステップをさらに含む、請求項70に記載の方法。
【請求項75】
前記封止部材はプラスチックを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項76】
前記封止部材は紙を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項77】
前記レーザ溶接は、Nd:Yagレーザを用いることで達成される、請求項68に記載の方法。
【請求項78】
前記閉塞されたハウジングは、立方体の形状である、請求項68に記載の方法。
【請求項79】
前記ハウジングは、約5〜10mmの間の全体的厚さを有し、前記全体的厚さは、前記ハウジングの短い寸法を定める前記ハウジングの対向する側面の外面の間の距離として定められる、請求項78に記載の方法。
【請求項1】
外部ハウジングを含む圧力容器であって、
前記外部ハウジングは、閉塞端部と、反対側の開放端部とを含み、当該容器は、前記外部ハウジングの前記開放端部を封止するエンドキャップ組立体をさらに含み、前記外部ハウジング及び前記エンドキャップ組立体は、当該容器の内部の周りに圧力境界面を形成し、
当該容器は、前記圧力境界面上に位置する通気機構を含み、該通気機構は、当該容器内からガス圧力を解放するよう活性化し、前記通気機構は、前記境界面上に溝を形成する第一破裂ゾーンと、前記境界面上の第二破裂ゾーンとを含み、前記溝は、前記境界面の平均厚さよりも薄い材料領域を定め、前記第一破裂ゾーンは、当該電池内のガス圧力が第一圧力レベルまで上昇するときに破裂し、前記第二破裂ゾーンは、当該電池内のガス圧力が前記第一圧力レベルよりも高い第二圧力レベルまで上昇するときに破裂する容器。
【請求項2】
前記第一破裂ゾーン及び前記第二破裂ゾーンは、前記境界面上で離間している、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記第一破裂ゾーンは、当該容器内のガス圧力が約250〜800psig(1724×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の圧力まで上昇するときに破裂する、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記第一破裂ゾーンは、当該容器内のガス圧力が約400〜800psig(2758×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の圧力まで上昇するときに破裂する、請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記第二破裂ゾーンは、当該容器内のガス圧力が約800〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)の間の圧力まで達するときに破裂する、請求項1に記載の容器。
【請求項6】
前記第二破裂ゾーンは、前記境界面の一部の内側のレーザ溶接部を含む、請求項1に記載の容器。
【請求項7】
前記溝は、前記境界面を打ち抜くことによって形成される、請求項1に記載の容器。
【請求項8】
前記レーザ溶接部は、前記外部ハウジングと前記外部ハウジングの前記開放端部内に嵌入された金属部材との間に形成され、それによって、前記開放端部を閉塞する、請求項6に記載の容器。
【請求項9】
前記レーザ溶接部は、前記外部ハウジングの前記内面と前記外部ハウジングの前記開放端部内に嵌入された前記金属部材の縁部との間に形成され、それによって、前記開放端部を閉塞する、請求項6に記載の容器。
【請求項10】
前記レーザ溶接部は、Nd:Yagレーザによって作成され、前記レーザ溶接部は、当該電池内のガス圧力が約800〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)の間のレベルまで上昇するときに破裂する、請求項6に記載の容器。
【請求項11】
当該容器は、立方体形状を有し、前記金属部材は長方形状の金属プレートである、請求項8に記載の容器。
【請求項12】
前記金属部材は、貫通する開口を有する長方形状のプレートである、請求項8に記載の容器。
【請求項13】
負端子と、正端子と、立方体形状の外部ハウジングとを含む主アルカリ電池であって、該外部ハウジングは、閉塞端部と、開放端部とを有し、当該電池は、前記外部ハウジング内に、亜鉛を含む陽極と、MnO2を含む陰極とをさらに含み、当該電池は、前記陽極と前記陰極との間の隔離板と、前記外部ハウジングの前記開放端部を封止するエンドキャップ組立体とをさらに含み、それによって、当該電池の内部の周りに境界面を形成し、
前記陰極は、複数の長方形状の陰極スラブを含み、各陰極スラブは、陰極材料のない中心開口を有し、前記陰極スラブは、前記陰極の外面が前記外部ハウジングの前記内面と接触した状態で、前記陰極材料のない開口がコアを形成するよう、前記外部ハウジング内に積層し、
当該電池は、前記境界面上に位置する通気機構を含み、該通気機構は、ガス圧力が上昇するに応じて、前記電池内から前記ガス圧力を開放するよう活性化し、前記通気機構は、前記境界面上に溝を含み第一破裂ゾーンと、前記境界面上の第二破裂ゾーンとを含み、前記溝は、前記境界の平均厚さよりも薄い下方に位置する材料領域を定め、前記第一破裂ゾーンは、当該電池内のガス圧力が第一圧力レベルまで上昇するときに破裂し、前記第二破裂ゾーンは、当該電池内のガス圧力が前記第一圧力レベルよりも高い第二圧力レベルまで上昇するときに破裂し、よって、当該電池内からのガスが、当該電池の内部から前記破裂部を通じて逃げ出すのを許容するアルカリ電池。
【請求項14】
前記第一破裂ゾーン及び前記第二破裂ゾーンは、前記境界面上で離間している、請求項13に記載のアルカリ電池。
【請求項15】
前記第一破裂ゾーンは、当該容器内のガス圧力が約250〜800psig(1724×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の圧力まで上昇するときに破裂する、請求項13に記載のアルカリ電池。
【請求項16】
前記第一破裂ゾーンは、当該容器内のガス圧力が約400〜800psig(2758×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の圧力まで上昇するときに破裂する、請求項13に記載のアルカリ電池。
【請求項17】
前記第二破裂ゾーンは、当該容器内のガス圧力が約800〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)の間の圧力まで達するときに破裂する、請求項13に記載のアルカリ電池。
【請求項18】
前記第二破裂ゾーンは、前記境界面の一部の内側のレーザ溶接部を含む、請求項13に記載のアルカリ電池。
【請求項19】
前記溝は、前記境界面を打ち抜くことによって形成される、請求項13に記載のアルカリ電池。
【請求項20】
前記エンドキャップ組立体は、金属カバーを含み、前記レーザ溶接部は、前記ハウジングと前記ハウジングの前記開放端部内に嵌入される前記金属カバーとの間に形成され、それによって、前記開放端部を閉塞する、請求項18に記載のアルカリ電池。
【請求項21】
前記エンドキャップ組立体は、金属カバーを含み、前記レーザ溶接部は、前記ハウジングの内面と前記ハウジングの前記開放端部内に陥入される前記金属カバーの縁部との間に形成され、それによって、前記開放端部を閉塞する、請求項18に記載のアルカリ電池。
【請求項22】
前記レーザ溶接部は、Nd:Yagレーザによって作成され、前記レーザ溶接部は、当該電池内のガス圧力が約800〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)の間のレベルまで上昇するときに破裂する、請求項18に記載のアルカリ電池。
【請求項23】
前記金属カバーは、長方形状の金属プレートである、請求項20に記載のアルカリ電池。
【請求項24】
前記金属カバーは、貫通する開口を有する長方形の金属プレートである、請求項20に記載のアルカリ電池。
【請求項25】
前記エンドキャップ組立体は、前記金属カバーと、端子エンドプレートと、絶縁封止部材と、その一部が前記絶縁封止部材及び前記金属カバーの双方を通過する細長い導電性部材とを含み、該導電性部材は、前記端子エンドプレートに電気的に接続されている、請求項24に記載のアルカリ電池。
【請求項26】
前記導電性部材は、前記陽極に電気的に接続されている、請求項25に記載のアルカリ電池。
【請求項27】
前記細長い導電性部材の一部は、前記陽極内に進入し、陽極電流コレクタ(160)として機能する、請求項26に記載のアルカリ電池。
【請求項28】
前記エンドキャップ組立体は、前記端子エンドプレートと前記金属カバーとの間に導電性部材をさらに含み、それによって、前記端子エンドプレートを前記金属カバーから絶縁する、請求項26に記載のアルカリ電池。
【請求項29】
前記端子エンドプレートと前記金属カバーとの間の前記導電性部材は、プラスチック材料を含む、請求項28に記載のアルカリ電池。
【請求項30】
前記端子エンドプレートと前記金属カバーとの間の前記導電性部材は、紙材料を含む、請求項28に記載のアルカリ電池。
【請求項31】
前記端子エンドプレートは、前記エンドプレートの平均厚さよりも小さな厚さの中央領域を有し、前記細長い伝導性材料は、電気抵抗溶接によって、前記中央領域で前記端子エンドプレートに溶接されている、請求項28に記載のアルカリ電池。
【請求項32】
アスファルトを含む封止材料が、前記細長い伝導性部材の表面の少なくとも一部と前記金属カバーとの間に塗布されることで、そこを通じたアルカリ電解質の漏出を防止する、請求項25に記載のアルカリ電池。
【請求項33】
前記陰極スラブ内の前記中央開口の少なくとも一部は、前記陽極を収容するためのキャビティを形成する、請求項13に記載のアルカリ電池。
【請求項34】
前記キャビティは、長円形構造を有する、請求項33に記載のアルカリ電池。
【請求項35】
当該電池は、水酸化カリウムの水溶液を含むアルカリ電解質を含む、請求項13に記載のアルカリ電池。
【請求項36】
当該電池は、陰極が、グラム当たり820ミリアンペア−時間の亜鉛の理論比値に基づく亜鉛のミリアンペア−時間によって割り算された、グラム当たり370ミリアンペア−時間のMnO2の理論比値に基づくMnO2の理論容量の比率が、約1.2〜2.0の間であるよう超過するよう平衡された、請求項35に記載のアルカリ電池。
【請求項37】
当該電池は、陰極が、グラム当たり820ミリアンペア−時間の亜鉛の理論比値に基づく亜鉛のミリアンペア−時間によって割り算された、グラム当たり370ミリアンペア−時間のMnO2の理論比値に基づくMnO2の理論容量の比率が、約1.4〜1.8の間であるよう超過するよう平衡された、請求項35に記載のアルカリ電池。
【請求項38】
当該電池は、約5〜10mmの間の全体的厚さを有し、前記全体的厚さは、前記ハウジングの短い寸法を定める前記ハウジングの対向する側面の外面の間の距離として定められる、請求項13に記載のアルカリ電池。
【請求項39】
前記ハウジングは、約0.30mmから0.50mmの間の壁厚を有する金属を含む、請求項13に記載のアルカリ電池。
【請求項40】
前記ハウジングは、約0.30mmから0.40mmの間の壁厚を有する金属を含む、請求項13に記載のアルカリ電池。
【請求項41】
前記ハウジングは鋼を含む、請求項13に記載のアルカリ電池。
【請求項42】
負端子と、正端子と、立方体形状の外部ハウジングとを含む主アルカリ電池であって、該外部ハウジングは、閉塞端部と、開放端部とを有し、当該電池は、前記外部ハウジング内に、亜鉛を含む陽極と、MnO2を含む陰極とをさらに含み、当該電池は、前記陽極と前記陰極との間の隔離板と、前記外部ハウジングの前記開放端部を封止するエンドキャップ組立体とをさらに含み、それによって、当該電池の内部の周りに境界面を形成し、
前記陰極は、複数の長方形状の陰極スラブを含み、各陰極スラブは、陰極材料のない中心開口を有し、前記陰極スラブは、前記陰極の外面が前記外部ハウジングの前記内面と接触した状態で、前記陰極材料のない開口が、前記長手軸に沿って中心コアを形成するよう、当該電池の中心長手軸に沿って前記外部ハウジング内に積層し、
当該電池は、前記境界面上に位置する通気機構を含み、該通気機構は、ガス圧力が上昇するに応じて、前記電池内から前記ガス圧力を解放するよう活性化し、前記通気機構は、前記境界面上に第一破裂ゾーン及び第二破裂ゾーンを含み、前記破裂ゾーンの少なくとも一方は、前記境界面上に溝を含み、該溝は、前記境界の平均厚さよりも薄い下方に位置する金属領域を定め、前記第一破裂ゾーンは、当該電池内のガス圧力が第一圧力レベルまで上昇するときに破裂し、前記第二破裂ゾーンは、当該電池内のガス圧力が前記第一圧力レベルよりも高い第二圧力レベルまで上昇するときに破裂し、よって、当該電池内からのガスが当該電池の内部から前記破裂部を通じて逃げ出すことを許容する電池。
【請求項43】
前記第一破裂ゾーンと第二破裂ゾーンは、前記境界面上で離間している、請求項42に記載の電池。
【請求項44】
前記第二破裂ゾーンは、前記境界面の一部の内側のレーザ溶接部を含む、請求項42に記載の電池。
【請求項45】
前記溝は、前記境界面を打ち抜くことによって形成される、請求項42に記載の電池。
【請求項46】
前記境界面上の前記第一破裂ゾーンは、当該電池内部内のガス圧力が約250〜800psig(1724×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の圧力レベルに達するときに破裂し、前記境界面上の前記第一破裂ゾーンは、当該電池内部内のガス圧力が約800〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)の間の圧力レベルに達するときに破裂する、請求項42に記載の電池。
【請求項47】
前記境界面上の前記第一破裂ゾーンは、当該電池内部内のガス圧力が約400〜800psig(2758×103〜5515×103パスカルゲージ)の間の圧力レベルに達するときに破裂し、前記境界面上の前記第一破裂ゾーンは、当該電池内部内のガス圧力が約800〜2500psig(5515×103〜17235×103パスカルゲージ)の間の圧力レベルに達するときに破裂する、請求項42に記載の電池。
【請求項48】
前記エンドキャップ組立体は、金属カバーを含み、前記第一破裂ゾーンは、前記ハウジングの前記外面上の溝によって形成され、前記第二破裂ゾーンは、金属部材の縁部と前記ハウジングの内面との間のレーザ溶接部によって形成され、よって、前記金属部材を、その縁部の一部に沿って、前記ハウジングの前記開放端部の近傍で、前記外部ハウジングの前記内面に固定する、請求項42に記載の電池。
【請求項49】
前記金属カバーは、長方形状のプレートである、請求項48に記載の電池。
【請求項50】
前記溝は、当該電池の前記閉塞端部と平行に走る、請求項42に記載の電池。
【請求項51】
前記ハウジングは、約0.30mm〜0.50mmの間の壁厚を有する金属を含む、請求項42に記載の電池。
【請求項52】
当該電池は、約5〜10mmの間の全体的厚さを有し、前記全体的厚さは、前記ハウジングの短い寸法を定める前記ハウジングの対向する側面の外面の間の距離として定められる、請求項42に記載の電池。
【請求項53】
アルカリ電池の外部ハウジングを閉塞する方法であって、前記外部ハウジングは、閉塞端部と、対向する開放端部と、少なくとも1つの平面とを有し、当該方法は、
金属カバーの縁部が前記ハウジングに当接し、且つ、前記金属カバーの少なくとも一部が露出されるよう、前記金属カバーを前記開放端部の近傍で前記ハウジング内に挿入するステップと、伝熱媒体を前記金属カバーの一部に塗布するステップと、前記開放端部を閉塞するために、前記カバーの前記縁部を前記ハウジングにレーザ溶接するステップとを含み、前記伝熱媒体は、前記レーザ溶接の期間中に発生する熱の少なくとも一部を吸収する方法。
【請求項54】
前記金属カバーは、その露出された表面の一部が湾曲してトラフを形成し、当該方法は、前記伝熱媒体を前記トラフ内に配置するステップをさらに含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記金属カバーが、前記溶接期間中に約100℃よりも大きな温度に達しないよう、前記溶接によって発生する十分な熱が、前記伝熱媒体によって吸収される、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記伝熱媒体は固体又は液体を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項57】
前記伝熱媒体は金属を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項58】
前記金属カバーを前記ハウジングに溶接した後、前記封止部材が前記金属カバーの少なくとも一部と接触するよう、非金属封止部材を前記金属カバーの上に配置するステップをさらに含む、請求項53に記載の方法。
【請求項59】
前記伝熱媒体は、前記金属カバーの露出部に塗布される脱イオン水を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項60】
前記伝熱媒体は、ポリビニルアルコールと水酸化カリウムとを含む水溶液を含み、前記ポリビニルアルコールは、前記金属カバーの露出部を被覆する、請求項53に記載の方法。
【請求項61】
前記伝熱媒体は、ゲル化剤を含む水溶液を含み、前記ゲル化剤は、前記金属カバーの露出部を被覆する、請求項53に記載の方法。
【請求項62】
前記封止部材を前記金属カバー上に配置する前に、前記非金属封止部材の一部をゲル化剤で被覆するステップをさらに含む、請求項53に記載の方法。
【請求項63】
前記封止部材はプラスチックを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項64】
前記封止部材は紙を含む、請求項58に記載の方法。
【請求項65】
前記レーザ溶接は、Nd:Yagレーザを用いることで達成される、請求項53に記載の方法。
【請求項66】
前記閉塞されたハウジングは、立方体の形状である、請求項53に記載の方法。
【請求項67】
前記ハウジングは、約5〜10mmの間の全体的厚さを有し、前記全体的厚さは、前記ハウジングの短い寸法を定める前記ハウジングの対向する側面の外面の間の距離として定められる、請求項53に記載の方法。
【請求項68】
アルカリ電池の外部ハウジングを閉塞する方法であって、前記外部ハウジングは、閉塞端部と、反対側の開放端部と、少なくとも1つの平面とを有し、当該方法は、
金属カバーの縁部が前記ハウジングに当接し、且つ、前記金属カバーの少なくとも一部が露出されるよう、前記金属カバーを前記開放端部の近傍で前記ハウジング内に挿入するステップと、前記金属カバーを周囲室温より下の温度に冷却するステップと、前記開放端部を閉塞するために、前記金属カバーの縁部を前記ハウジングにレーザ溶接するステップとを含む方法。
【請求項69】
前記金属カバーが、前記溶接期間中に約100℃よりも大きい温度に達しないよう、前記金属カバーは、周囲室温より十分に下に冷却される、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記金属カバーを前記ハウジングに溶接した後、前記封止部材が前記金属カバーの少なくとも一部と接触するよう、非金属封止材料を前記金属カバーの上に配置するステップをさらに含む、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記金属カバーは、脱イオン水を前記金属カバーの露出部に塗布することによって冷却される、請求項68に記載の方法。
【請求項72】
前記金属カバーは、ポリビニルアルコールと水酸化カリウムとを含む水溶液を塗布することによって冷却され、前記ポリビニルアルコールは、前記金属カバーの露出部を被覆する、請求項68に記載の方法。
【請求項73】
前記金属カバーは、ゲル化剤を含む水溶液を塗布することによって冷却され、前記ゲル化剤は、前記金属カバーの露出部を被覆する、請求項68に記載の方法。
【請求項74】
前記封止部材を前記金属カバー上に配置する前に、前記非金属封止部材の一部をゲル化剤で被覆するステップをさらに含む、請求項70に記載の方法。
【請求項75】
前記封止部材はプラスチックを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項76】
前記封止部材は紙を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項77】
前記レーザ溶接は、Nd:Yagレーザを用いることで達成される、請求項68に記載の方法。
【請求項78】
前記閉塞されたハウジングは、立方体の形状である、請求項68に記載の方法。
【請求項79】
前記ハウジングは、約5〜10mmの間の全体的厚さを有し、前記全体的厚さは、前記ハウジングの短い寸法を定める前記ハウジングの対向する側面の外面の間の距離として定められる、請求項78に記載の方法。
【図1】
【図1A】
【図2】
【図2A】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図7A】
【図8】
【図8A】
【図9】
【図10】
【図10A】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【図1A】
【図2】
【図2A】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図7A】
【図8】
【図8A】
【図9】
【図10】
【図10A】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2007−512671(P2007−512671A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541283(P2006−541283)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/037979
【国際公開番号】WO2005/055342
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(593093249)ザ ジレット カンパニー (349)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/037979
【国際公開番号】WO2005/055342
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(593093249)ザ ジレット カンパニー (349)
【Fターム(参考)】
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