説明

広帯域レーダ装置

【課題】レーダ装置に関し、特に、超広帯域の電波を送受信して移動物体等の目標の位置を高精度で検出する広帯域レーダ装置に関し、複数の受信波を合成して目標物体の距離や方位等を検出するレーダ装置において、送信及び受信アンテナ間の距離が小さく、目標物体が広帯域レーダ装置から距離が離れた場合でも、目標物体の方位精度を高めた小型かつ超広帯域レーダ装置を得る。
【解決手段】2つの受信アンテナ部で受信した2つの受信パルス信号が、サンプリング積分検波されて2つのデジタル信号に変換された後、移動物体を検出した2つの応答差分信号が得られる。2つの信号から、任意の距離離れた第1の仮想受信アンテナ部及び第2の仮想受信アンテナ部で受信する擬似応答差分信号が算出される。この信号を用いて移動目標の距離と方位を検出することで、目標物体の距離がある程度離れても、方位精度を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーダ装置に関し、特に、超広帯域(UWB:Ultra-Wideband)の電波を送受信して移動物体等の目標(ターゲット)の位置(距離、方位)を高精度で検出する広帯域レーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超広帯域の電波を送受信して移動物体の位置(距離、方位、高さ)を高精度で検出するUWBレーダ装置が知られている。
UWBレーダ装置は、超高距離分解能で高精度の位置評定ができることが特徴である。また、超広帯域の電波は、その周波数が数GHz以下の低い帯域が含まれる場合、コンクリートや木材等の非金属(減衰媒質)を透過する性質がある。そして、この2つの特徴を活かして種々のレーダやセンサへの適用が検討されている。
【0003】
超高距離分解能と減衰媒質透過性の2つの特徴を活かしたUWBレーダとして、例えば、建物内や部屋内の不正侵入者の動きを壁越しに検知するUWBレーダ(壁透過レーダ、スルーウォールレーダ)、森林に潜む危険動物等の動きを植林や植栽を透過させて検知するUWBレーダ(森林透過レーダ、群葉透過レーダ、FOPENレーダ:Foliage Penetration Radar)、瓦礫や土砂等の下に埋もれた生存者を検知するUWBレーダ(生存者探知レーダ)、施設等の侵入者が危険物を隠し持っていないかを服越しに検知するUWBレーダ(セキュリティゲート用危険物探知レーダ)、自動車のフロント内部に設置して非金属のバンパーやフロントグリル越しに前方を走行する自動車や停車する自動車、駐車場の壁等との距離を高精度に計測するUWBレーダ(衝突防止レーダ)等が検討されている。
【0004】
図35は従来の広帯域レーダ装置の構成を示す図である。
同期制御部1が送信クロック信号を繰り返しUWBパルス発生部2に送信する。UWBパルス発生部2は同期制御部1から送信された送信クロック信号のタイミングで繰り返しUWB送信パルス信号を発生する。
【0005】
UWBパルス発生部2が発生したUWBパルス送信信号は、送信アンテナ部3から目標物体が存在する自由空間に放射される。
目標物体からの反射波は、受信アンテナ部4、5で繰り返し受信され、第1のUWB受信パルス信号と第2のUWBパルス信号となる。
【0006】
第1のUWBゲートパルス発生部6及び第2のUWBゲートパルス発生部7は、同期制御部1から送信される受信クロック信号のタイミングでUWBゲートパルス信号をそれぞれ発生する。第1の受信アンテナ部4で受信された第1のUWB受信パルス信号及び第2の受信アンテナ部5で受信された第2のUWB受信パルス信号は、第1のUWBゲートパルス発生部6が発生したゲートパルス信号と第2のUWBゲートパルス発生部7が発生したゲートパルス信号の各パルス幅の間にそれぞれ導通となり、第1の検波部8及び第2の検波部9でそれぞれ検波され、それぞれ第1の受信パルス検波信号と第2の受信パルス検波信号となる。
【0007】
第1の受信パルス検波信号及び第2の受信パルス検波信号は、第1の積分部10及び第2の積分部11で積分され、それぞれ第1のベースバンド信号と第2のベースバンド信号となる。
【0008】
同期制御部1で発生させる受信クロックの繰り返し周期を、受信アンテナ部4で受信す
るUWB受信パルス信号の繰り返し周期(送信クロック周期)と、数Hzずらすことによって、超高速の繰り返し周波数で受信される信号が、第1の検波部8と第1の積分部10及び第2の検波部9と第2の積分部11においてそれぞれサンプリング積分検波(等価時間サンプリング)され、時間伸張された第1のベースバンド信号と第2のベースバンド信号になる。
【0009】
サンプリング積分検波された第1のベースバンド信号と第2のベースバンド信号は、第1のベースバンド信号AD変換部12及び第2のベースバンド信号AD変換部13でアナログ−ディジタル変換(AD変換)されて、それぞれ第1のディジタル信号と第2のディジタル信号となる。
【0010】
第1のベースバンド信号AD変換部12及び第2のベースバンド信号AD変換部13でAD変換された第1のディタジル信号及び第2のディジタル信号は、第1の移動物体検出部S1及び第2の移動物体検出部S2で移動物体の成分のみが検出され、それぞれ第1の応答差分信号と第2の応答差分信号となる。
【0011】
第1の移動物体検出部S1及び第2の移動物体検出部S2で移動物体成分のみ検出された第1の応答差分信号と第2の応答差分信号は、第1の移動物体データ変換部S28及び第2の移動物体データ変換部S29で1次元から2次元のデータに変換され、それぞれ第1の2次元応答差分信号と第2の2次元応答差分信号となる。
【0012】
第1の移動物体データ変換部S28及び第2の移動物体データ変換部S29でデータ変換された第1の2次元応答差分信号と第2の2次元応答差分信号は、第1の移動物体データシフト部S30と第2の移動物体データシフト部S31で第1の受信アンテナ部4及び第2の受信アンテナ部5の離隔距離分だけデータがシフトされ、第1の2次元応答シフト信号及び第2の2次元応答シフト信号となる。
【0013】
第1の移動物体データシフト部S30及び第2の移動物体データシフト部S31でデータシフトした第1の2次元応答シフト信号及び第2の2次元応答シフト信号は、移動物体データ合成部S27でデータ合成され、UWBレーダパルス2次元応答合成信号となる。
【0014】
移動物体データ合成部S27でデータ合成されたUWBレーダパルス2次元応答合成信号は、移動物体データ表示部14においてデータ表示される。
【特許文献1】特開平7−280924号公報
【特許文献2】特開2001−124846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところが、上記従来の技術を用いて、第1の2次元応答シフト信号と第2の2次元応答シフト信号からUWBレーダパルス2次元応答合成信号にデータ合成を行った場合、第1の受信アンテナ部と第2の受信アンテナ部の間の距離が小さく、目標物体の距離が大きくなると目標物体の方位方向の成分が広がってしまう。
【0016】
すなわち、図15(b)に示すように2つのアンテナを接近して設置した場合、目標物体の距離が大きい程、方位方向の精度が悪くなる。また、図15(a)に示すように2つのアンテナ間の距離を大きく設置した場合、目標物体の距離が大きくなっても、方位方向の成分の広がりは小さくなる。しかしながら、携帯用レーダ装置や過般型レーダ装置等の小型なレーダ構成とする場合、受信アンテナの間の距離を広げるには限界がある。
【0017】
従って従来、2つの受信波を合成して目標物体の距離と方位を検出する広帯域レーダ装
置では、レーダ装置の大きさを小型にしつつ(2つの受信アンテナ間の距離を小さくしつつ)、目標物体が広帯域レーダ装置から離れた場合に方位方向を高精度に探知することは期待できないという問題点を有していた。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の課題は、複数の受信波を合成して目標物体の距離や方位等を検出する広帯域レーダ装置において、受信アンテナ間の距離が小さく、目標物体が広帯域レーダ装置から距離が離れた場合でも、目標物体の方位精度を高めた広帯域レーダ装置を提供することにある。
【0019】
本発明の各態様は、観測対象となる目標物体に対して、広帯域レーダパルスを繰り返し発生させ送信し、上記目標物体からの反射波を受信して、サンプリング積分検波してベースバンド信号に時間伸張し、アナログ−ディジタル変換し、移動目標成分を検出した後、移動目標の距離と方位を検出して表示する広帯域レーダ装置を前提とする。
【0020】
本発明の第1の態様は、以下の構成を有する。
UWBパルス発生手段(2)は、広帯域パルスを発生する。
送信アンテナ手段(3)は、UWBパルス発生手段で発生させたUWB送信パルス信号を目標物体の存在する自由空間に送信する。
【0021】
2つの受信アンテナ手段(4、5)は、UWB送信パルス信号が目標物体に反射して戻ってくる信号を受信する。
同期制御手段(1)は、UWBパルス発生手段に送信クロックを送信すると共に、受信クロックを出力する。
【0022】
2つのUWBゲートパルス発生手段(6、7)は、受信クロックに基づいて2つのUWBゲートパルス信号をそれぞれ生成する。
2つの検波手段(8、9)は、2つの受信アンテナ手段で受信した2つのUWB受信パルス信号を2つのUWBゲートパルス信号の各パルス幅の間にそれぞれ検波する。
【0023】
2つの積分手段(10、11)は、2つの検波手段で検波した2つの受信パルス検波信号を積分する。
2つのベースバンド信号AD変換手段(12、13)は、2つの検波手段と2つの積分手段でサンプリング積分検波した2つのベースバンド信号をアナログ−ディジタル変換する。
【0024】
2つの移動物体検出手段(S1、S2)は、2つのベースバンド信号AD変換手段でAD変換された2つのディジタル信号から移動物体の成分のみを検出する。
2つの擬似移動物体データ生成手段(S3、S4)は、2つの移動物体検出手段で検出した2つの応答差分信号から2つの受信アンテナ手段が仮想的な距離間隔で配置されたときに受信されるであろう2つの擬似応答差分信号を生成する。
【0025】
2つの擬似移動物体データ変換手段(S5、S6)は、2つの擬似移動物体データ生成手段で生成した2つの擬似応答差分信号を1次元から2次元のデータに変換する。
2つの擬似移動物体データシフト手段(S7、S8)は、2つの擬似移動物体データ変換手段でデータ変換した2つの2次元擬似応答差分信号を受信アンテナ手段の仮想的な距離間隔分だけデータシフトする。
【0026】
擬似移動物体データ合成手段(S9)は、2つの擬似移動物体データシフト手段でデータシフトした2つの2次元擬似応答シフト信号を合成する。
移動物体データ表示手段(14)は、擬似移動物体データ合成手段でデータ合成した擬似UWBレーダパルス2次元応答合成信号を表示する。
【0027】
本発明の第2の態様は、上記本発明の第1の態様の構成に加えて、更に以下の構成を追加的に有する。
2つの移動物体データ変換手段(S10、S11)は、2つの移動物体検出手段で検出した2つの応答差分信号を1次元から2次元のデータに変換する。
【0028】
2つの移動物体データシフト手段(S12、S13)は、2つの移動物体データ変換手段でデータ変換した2つの2次元応答差分信号を2つの受信アンテナ手段の距離間隔分だけデータシフトする。
【0029】
移動物体/擬似移動物体データ合成手段(S14)は、2つの移動物体データシフト手段でデータシフトした2つの2次元応答シフト信号と、2つの擬似移動物体データシフト手段でデータシフトした2つの2次元擬似応答シフト信号をデータ合成する。
【0030】
本発明の第3の態様では、本発明の第1の態様における2つの擬似移動物体データ生成手段(S15、S16)は、2つの移動物体検出手段で検出した2つの応答差分信号に対して、目標物体からの距離に応じて仮想的な距離間隔を変化させて2つの擬似応答差分信号を生成するように構成される。
【0031】
本発明の第4の態様では、本発明の第1の態様における2つのUWBゲートパルス発生手段(6、7)を1つのUWBゲートパルス発生手段(6)で共用化し、UWBゲートパルス分配手段(25)が、その1つのUWBゲートパルス発生手段で発生させたUWBゲートパルス信号を分配させ、その結果得られる2つのUWBゲートパルス信号をそれぞれ2つの検波手段に出力するように構成される。
【0032】
本発明の第5の態様では、2つのUWBゲートパルス発生手段(6、7)をUWBパルス発生手段(2)で代用し、UWBパルス発生手段で発生させたUWB送信パルス信号を、送信アンテナ手段に供給されるUWB送信パルス信号と第2のUWB送信パルス信号に分配するUWBパルス分配手段(26)と、そのUWBパルス分配手段で分配された第2のUWB送信パルス信号を更に2つに分配するUWB送信パルス分配手段(27)と、そのUWB送信パルス分配手段で分配した2つのUWB送信パルス分配信号をそれぞれ時間遅延させ、それぞれ2つのUWBゲートパルス信号として2つの検波手段に出力する2つのUWBパルス遅延手段(28、29)とを含むように構成される。
【0033】
本発明の第6の態様では、2つのUWBゲートパルス発生手段(6、7)をUWBパルス発生手段(2)で代用し、UWBパルス発生手段で発生させたUWB送信パルス信号を、送信アンテナ手段に供給されるUWB送信パルス信号と第2のUWB送信パルス信号に分配するUWBパルス分配手段(26)と、そのUWBパルス分配手段で分配された第2のUWB送信パルス信号を時間遅延させてUWBゲートパルス信号を出力するUWBパルス遅延手段(31)と、そのUWBゲートパルス信号を2つに分配し、その結果得られる2つの分配信号をそれぞれ2つのUWBゲートパルス信号として2つの検波手段に出力するUWBゲートパルス分配手段(25)とを含むように構成される。
【0034】
本発明の第7の態様は、上記本発明の第1の態様の構成において、UWBパルス発生手段が発生させたUWBパルス信号を所定の周波数帯域のみ通過させ、その結果得られる信号をUWB送信パルス信号として出力するUWBパルス帯域ろ波手段(33)を更に含むように構成される。
【0035】
本発明の第8の態様は、上記本発明の第1の態様の構成において、UWBパルス発生手段が発生させたUWBパルス信号を変調し、その結果得られる信号をUWBパルス信号として出力するUWBパルス変調手段(38)を更に含むように構成される。
【0036】
本発明の第9の態様は、以下の構成を有する。
2つのUWBパルス発生手段(39、40)は、広帯域パルスを発生する。
2つの送信アンテナ手段(41、42)は、2つのUWBパルス発生手段で発生させた2つのUWB送信パルス信号を目標物体の存在する自由空間にそれぞれ時分割で連続するように送信する。
【0037】
1つの受信アンテナ手段(45)は、2つのUWB送信パルス信号が目標物体に反射してそれぞれ戻ってくる信号を時分割で受信する。
UWBゲートパルス発生手段(44)は、受信クロックに基づいてUWBゲートパルス信号を生成する。
【0038】
検波手段(46)は、受信アンテナ手段で受信したUWB受信パルス信号をUWBゲートパルス信号のパルス幅の間に検波する。
積分手段(47)は、検波手段で検波した受信パルス検波信号を積分する。
【0039】
ベースバンド信号AD変換手段(48)は、検波手段と積分手段でサンプリング積分検波したベースバンド信号をアナログ−ディジタル変換する。
移動物体検出手段(S28)は、ベースバンド信号AD変換手段でAD変換されたディジタル信号から移動物体の成分のみを検出する。
【0040】
2つの移動物体信号記録手段(S29、S30)は、移動物体検出手段で検出した時分割で連続する2つの応答差分信号を記録する。
2つの擬似移動物体データ生成手段(S3、S4)2つの移動物体信号記録手段で記録した2つの応答差分信号から2つの送信アンテナ手段が仮想的な距離間隔で配置されたときに受信されるであろう2つの擬似応答差分信号を生成する。
【0041】
2つの擬似移動物体データ変換手段(S5、S6)は、2つの擬似移動物体データ生成手段で生成した2つの擬似応答差分信号を1次元から2次元のデータに変換する。
2つの擬似移動物体データシフト手段(S7、S8)は、2つの擬似移動物体データ変換手段でデータ変換した2つの2次元擬似応答差分信号を送信アンテナ手段の仮想的な距離間隔分だけデータシフトする。
【0042】
擬似移動物体データ合成手段(S9)は、2つの擬似移動物体データシフト手段でデータシフトした2つの2次元擬似応答シフト信号を合成する。
移動物体データ表示手段(14)は、擬似移動物体データ合成手段でデータ合成した擬似UWBレーダパルス2次元応答合成信号を表示する。
【0043】
本発明の第10の態様は、以下の構成を有する。
送信アンテナ手段(3)は、UWBパルス発生手段で発生させたUWB送信パルス信号を目標物体の存在する自由空間に送信する。
【0044】
n個(nは2以上の整数)の受信アンテナ手段(4、5、15、・・・、49)は、UWB送信パルス信号が目標物体に反射して戻ってくる信号を受信する。
同期制御手段(1)は、UWBパルス発生手段に送信クロックを送信すると共に、受信クロックを出力する。
【0045】
n個のUWBゲートパルス発生手段(6、7、17、・・・、50)は、受信クロックに基づいてn個のUWBゲートパルス信号をそれぞれ生成する。
n個の検波手段(8、9、19、・・・、51)は、n個の受信アンテナ手段で受信したn個のUWB受信パルス信号をn個のUWBゲートパルス信号の各パルス幅の間にそれぞれ検波する。
【0046】
n個の積分手段(10、11、21、・・・、52)は、n個の検波手段で検波したn個の受信パルス検波信号を積分する。
n個のベースバンド信号AD変換手段(12、13、23、・・・、53)は、n個の検波手段とn個の積分手段でサンプリング積分検波したn個のベースバンド信号をアナログ−ディジタル変換する。
【0047】
n個の移動物体検出手段(S1、S2、S19、・・・、S31)は、n個のベースバンド信号AD変換手段でAD変換されたn個のディジタル信号から移動物体の成分のみを検出する。
【0048】
n個の擬似移動物体データ生成手段(S3、S4、S21、・・・、S32)は、n個の移動物体検出手段で検出したn個の応答差分信号からn個の受信アンテナ手段が仮想的な距離間隔で配置されたときに受信されるであろうn個の擬似応答差分信号を生成する。
【0049】
n個の擬似移動物体データ変換手段(S5、S6、S23、・・・、S33)は、n個の擬似移動物体データ生成手段で生成したn個の擬似応答差分信号を1次元から2次元のデータに変換する。
【0050】
n個の擬似移動物体データシフト手段(S7、S8、S25、・・・、S34)は、n個の擬似移動物体データ変換手段でデータ変換したn個の2次元擬似応答差分信号を受信アンテナ手段の仮想的な距離間隔分だけデータシフトする。
【0051】
擬似移動物体データ合成手段(S9)は、n個の擬似移動物体データシフト手段でデータシフトしたn個の2次元擬似応答シフト信号を合成する。
移動物体データ表示手段(14)は、擬似移動物体データ合成手段でデータ合成した擬似UWBレーダパルス2次元応答合成信号を表示する。
【発明の効果】
【0052】
本発明の第1の態様によれば、2つの受信アンテナ間の距離が小さい小型なレーダ装置において、目標物体の距離が大きくなった場合でも、目標物体の方位方向の広がりを小さく抑えることができ、方位精度を高めることが可能となる。
【0053】
本発明の第2の態様によれば、合成した後の目標物体成分の強調具合が大きくなり、探知確度を高めることが可能となる。
本発明の第3の態様によれば、移動目標の距離が変化しても、距離方法及び方位方向の精度をともに高めることが可能となる。
【0054】
本発明の第4の態様によれば、UWBゲートパルス発生手段を2個設けることなく、UWBゲートパルス分配手段を設けることで、それぞれのUWB受信パルス信号を検波することが可能となる。
【0055】
本発明の第5の態様によれば、UWBゲートパルス発生手段を設けることなく、UWBパルス分配手段とUWB送信パルス分配手段とUWBパルス分配部と2つのUWBパルス遅延手段を設けることで、それぞれのUWB受信パルス信号を検波することが可能となる

【0056】
本発明の第6の態様によれば、UWBゲートパルス発生手段を設けることなく、UWBパルス分配手段とUWBパルス遅延手段とUWBゲートパルス分配手段を設けることで、それぞれのUWB受信パルス信号を検波することが可能となる。
【0057】
本発明の第7の態様によれば、例えば、日本国内のUWBスペクトラムマスクに準拠した周波数帯域のみ送信アンテナ手段から放射させるようにすることが可能となる。
本発明の第8の態様によれば、送信アンテナ手段から放射されるUWB送信パルス信号のスペクトラムを拡散させ、平均送信電力を抑えることができ、平均送信電力が法律等で定められたUWB制限以下とすることが可能となる。
【0058】
本発明の第9の態様によれば、1つの受信アンテナ手段及びそれに続く受信回路系にて時分割的な受信処理が可能となるため、回路構成が複雑な受信回路系を1系統で構成することが可能となる。
【0059】
本発明の第10の態様によれば、n系統の受信処理系を有することにより、目標物体の信号がより強調されて、探知確度を高めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
本発明の第1の実施形態
図1は、本発明による広帯域レーダ装置の第1の実施形態の構成図である。
【0061】
同図において、数字が付された部分はハードウェアにより実現され、S1等のSが付された部分は、ソフトウェア処理により実現される。これらの処理は、CPU(中央演算処理装置)、主記憶メモリ、補助記憶装置、入出力装置等がバスによって相互に接続された構成を有する一般的なコンピュータにおいて、CPUが補助記憶装置等に記憶された各機能を実現する制御プログラムを主記憶メモリにロードして実行する動作として実現される。或いは、当該処理が、専用のDSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)によって実行されてもよい。
【0062】
同期制御部1は、UWBパルス発生部2に対して、送信クロック信号を送信する。UWBパルス発生部1は、同期制御部1から送信された送信クロック信号のタイミングで繰り返しUWB送信パルス信号を発生する。
【0063】
UWB送信パルス信号のパルス幅は、例えば200〜300ピコ秒とされる。周波数帯域は、例えば、数MHz〜5GHzの超広帯域とされる。パルス繰り返し周波数(PRF)は、送信クロック信号により決定され、例えば10MHzとされる。UWB送信パルス信号のパルス振幅は、例えば4Vとされる。
【0064】
UWB送信パルス信号は、送信アンテナ部3において、目標物体に対して自由空間に放射される。UWB送信パルス信号の一例を図2(a)に示す。UWB送信パルス信号は、同期制御部1から送信される送信クロック信号の周期毎に繰り返し発生し、放射される。
【0065】
目標物体で反射した反射波は、第1の受信アンテナ部4と第2の受信アンテナ部5で受信され、第1のUWB受信パルス信号と第2のUWB受信パルス信号となる。
第1のUWB受信パルス信号の一例を図2(b)に示す。第1のUWB受信パルス信号は、UWB送信パルス信号が目標物体からの反射した反射波であるため、UWB送信パルス信号同様、送信クロック信号の周期毎に繰り返し受信される。
【0066】
同期制御部1は、第1のUWBゲートパルス発生部6と第2のUWBゲートパルス発生部7に対して、それぞれ第1の受信クロック信号と第2の受信クロック信号を送信する。第1のUWBゲートパルス発生部6及び第2のUWBゲートパルス発生部7は、同期制御部1から送信された受信クロック信号のタイミングで繰り返しゲートパルス信号を発生させる。
【0067】
受信クロック信号は、送信クロック信号に対して、少し低い周波数のPRFの信号に設定する。例えば、送信クロック信号のPRFは10MHzであるのに対し、受信クロック信号のPRFは9.99998MHzとする。送信クロック信号と受信クロック信号のずれは20Hzとなる。この場合、送信クロック信号のパルス繰り返し間隔(PRI)は100ns(1/10MHz)に対し、受信クロック信号のPRIは100.0002ns(1/9.99998MHz)となる。
【0068】
ゲートパルス信号の一例を図2(c)に示す。第1のUWB受信パルス信号及び第2のUWB受信パルス信号は、各ゲートパルス信号のパルス幅の間にそれぞれ導通となり、第1の検波部8及び第2の検波部9で検波され、それぞれ第1の受信パルス検波信号と第2の受信パルス検波信号となる。
【0069】
検波は、図3に示すように、検波器に入力される入力レベルに応じた検波電圧を出力するため、第1の検波部8及び第2の検波部9は、それぞれ第1のUWB受信パルス信号及び第2のUWB受信パルス信号の入力レベルに応じて、電圧信号である第1の受信パルス検波信号及び第2の受信パルス検波信号を出力する。
【0070】
第1の検波部8及び第2の検波部9は、例えば、S帯検波用ショットキーバリアダイオードを用いた検波器で構成される。
第1の受信パルス検波信号の一例を図2(d)に示す。
【0071】
第1の受信パルス検波信号及び第2の受信パルス検波信号は、第1の積分部10及び第2の積分部11でそれぞれ積分される。積分は第1のUWB受信パルス信号及び第2のUWB受信パルス信号とゲートパルス信号のタイミングが一致するまで繰り返され、第1のベースバンド信号及び第2のベースバンド信号として出力される(等価時間サンプリング)。
【0072】
例えば、上記の場合、第1のUWB受信パルス信号の周期は100nsであり、ゲートパルス信号の周期は100.0002nsであるため、それぞれのタイミングが一致するまで500000回積分され、時間軸が500000倍に拡張された第1のベースバンド信号及び第2のベースバンド信号となり、その周期は50msとなる。
【0073】
第1のベースバンド信号及び第2のベースバンド信号は、最小距離地点から最大距離地点に向かって時間軸上に信号を並べたデータとなる。第1のベースバンド信号の一例を図2(e)に示す。
【0074】
第1のベースバンド信号及び第2のベースバンド信号は、第1のベースバンド信号AD変換部12及び第2のベースバンド信号AD変換部13においてAD変換され、それぞれ第1のディジタル信号と第2のディジタル信号となる。
【0075】
例えば、AD変換のサンプリングレートを15000サンプル/秒とすると、ベースバンド信号の周期50msあたり750サンプルのデータとなる。UWB送信パルス信号のPRFが10MHzであることから、最大探知距離は15m(光速3×108[m/s]
/10[MHz]/2)であり、距離分解能が0.02mのディジタル信号となる。
【0076】
第1のディジタル信号及び第2のディジタル信号は、第1の移動物体検出部S1及び第2の移動物体検出部S2において移動物体成分のみが検出され、それぞれ第1の応答差分信号と第2の応答差分信号となる。
【0077】
例えば、移動物体検出は図4に示すように実施される。すなわち、図4(a)はベースバンド周期のうち、あるサンプリング時刻t1におけるディジタル信号、(b)は次のサンプリング時刻t2におけるディジタル信号、(c)はさらに次のサンプリング時刻t3におけるディジタル信号の場合、(a’)のように時刻t1と時刻t2の信号の差分と、(b’)にように時刻t2と時刻t3の差分を計算することにより、静止物体からの応答成分は消去され、移動物体からの応答成分のみが検出される。
【0078】
第1の応答差分信号と第2の応答差分信号は、第1の擬似移動物体データ生成部S3及び第2の擬似移動物体データ生成部S4に入力し、これらにおいて、それぞれ第1の擬似応答差分信号及び第2の擬似応答差分信号が生成される。
【0079】
擬似応答差分信号とは、図5に示すように、第1の受信アンテナ部からの第1のUWB受信パルス信号から得られた第1の応答差分信号と、第2の受信アンテナ部からの第2のUWB受信パルス信号から得られた第2の応答差分信号を用いて、任意の距離離れた第1の仮想受信アンテナ部及び第2の仮想受信アンテナ部で受信するであろう応答差分信号として算出される信号のことである。
【0080】
図6は、まず第1の仮想受信アンテナ部C1での擬似応答差分信号を算出する根拠を示している。
送信アンテナ部の位置をA0、第1の受信アンテナ部の位置をA1、第2の受信アンテナ部の位置をA2、目標物体の位置をT0とし、A1−T0間の距離をx、A2−T0間の距離をy、AO−T0間の距離をb、A1−C1間の距離をc、A0−T0間の角度をθとすると、図7に示す3つの三角形に分解できる。図7(a)の三角形において余弦定理から、下記数1式が成り立つ。
【数1】

【0081】
また、図7(b)の三角形においては、下記数2式の関係が成り立つ。
【数2】

【0082】
さらに、図7(c)の三角形においては、下記数3式の関係が成り立つ。
【数3】

【0083】
数1式+数2式により、下記数4式が得られる。
【数4】

【0084】
数1式−数2式により、下記数5式が得られる。
【数5】

【0085】
数4式と数5式を数3式に代入して変形すると、下記数6式となる。
【数6】

すなわち、数6式を計算することにより、第1の仮想受信アンテナ部で得られる目標物体までの距離zを算出することができる。
【0086】
第1の擬似移動物体データ生成部S3の処理は、図8に示すフローチャートで実施される。このフローチャートの処理は、特には図示しないコンピュータがプログラムを実行する動作として実現される。
【0087】
すなわち、ステップS131とステップS136のループ処理によって、第1のUWBレーダパルス応答差分信号の距離ポイントxが、1から第1のUWBレーダパルス応答差分信号のデータポイント数までの間で順次増加させられながら、その各第1の距離ポイント値についてさらに、ステップS132とステップS135のループ処理によって、第2のUWBレーダパルス応答差分信号の距離ポイントyが、(第1の距離ポイント−アンテナ離隔距離分ポイント数/2)から(第1の距離ポイント+アンテナ離隔距離分ポイント数/2)までの間で順次増加させられる。
【0088】
これらの二重ループによって決定される各第1のUWBレーダパルス応答差分信号の距離ポイントと第2のUWBレーダパルス応答差分信号の距離ポイントの組合せ毎に、ステップS133において、数6式に基づいて、第1の擬似UWBレーダパルス応答差分信号の距離ポイントzが算出される。
【0089】
そして、ステップS134において、元々の距離ポイントzの振幅データに今回算出された距離ポイントzの振幅データが加算されることにより、新たな距離ポイントzの振幅データが、第1の擬似UWBレーダパルス応答差分信号の振幅データとして算出される。
【0090】
以上の演算処理が、二重ループによって決定される各第1のUWBレーダパルス応答差分信号の距離ポイントと第2のUWBレーダパルス応答差分信号の距離ポイントの全ての組合せについて実行される。
【0091】
図9は、第2の仮想受信アンテナ部C2での擬似応答差分信号を算出する根拠を示している。送信アンテナ部の位置をA0、第1の受信アンテナ部の位置をA1、第2の受信ア
ンテナ部の位置をA2、目標物体の位置をT0とし、A1−T0間の距離をx、A2−T0間の距離をy、AO−T0間の距離をb、A2−C2間の距離をd、A0−T0間の角度をθとすると、図10に示す3つの三角形に分解できる。図10(a)の三角形において余弦定理から、
【数7】

の式が成り立つ。また、図10(b)の三角形においては
【数8】

の関係が成り立つ。さらに、図10(c)の三角形においては、
【数9】

の関係が成り立つ。数7式+数8式により、
【数10】

が得られ、数7式−数8式により
【数11】

が得られる。数4式と数5式を数3式に代入して変形すると、
【数12】

となる。すなわち、数12式を計算することにより、第2の仮想受信アンテナ部で得られる目標物体までの距離wを算出することができる。
【0092】
第2の擬似移動物体データ生成部S4の処理は、図11に示すフローチャートで実施される。このフローチャートの処理も、図8の場合と同様、特には図示しないコンピュータがプログラムを実行する動作として実現される。
【0093】
すなわち、ステップS141とステップS146のループ処理によって、第2のUWBレーダパルス応答差分信号の距離ポイントyが、1から第2のUWBレーダパルス応答差分信号のデータポイント数までの間で順次増加させられながら、その各第2の距離ポイント値についてさらに、ステップS142とステップS145のループ処理によって、第1
のUWBレーダパルス応答差分信号の距離ポイントxが、(第2の距離ポイント−アンテナ離隔距離分ポイント数/2)から(第2の距離ポイント+アンテナ離隔距離分ポイント数/2)までの間で順次増加させられる。
【0094】
これらの二重ループによって決定される各第2のUWBレーダパルス応答差分信号の距離ポイントと第1のUWBレーダパルス応答差分信号の距離ポイントの組合せ毎に、ステップS143において、数12式に基づいて、第2の擬似UWBレーダパルス応答差分信号の距離ポイントwが算出される。
【0095】
そして、ステップS144において、元々の距離ポイントwの振幅データに今回算出された距離ポイントwの振幅データが加算されることにより、新たな距離ポイントwの振幅データが、第2の擬似UWBレーダパルス応答差分信号の振幅データとして算出される。
【0096】
以上の演算処理が、二重ループによって決定される各第2のUWBレーダパルス応答差分信号の距離ポイントと第1のUWBレーダパルス応答差分信号の距離ポイントの全ての組合せについて実行される。
【0097】
第1の擬似応答差分信号及び第2の擬似応答差分信号は、第1の擬似移動物体データ変換部S5及び第2の擬似移動物体データ変換部S6において、1次元から2次元の応答差分信号に変換され、それぞれ第1の2次元擬似応答差分信号と第2の2次元擬似応答差分信号となる。
【0098】
1次元から2次元の応答差分信号の変換は、図12に示すように、受信アンテナ部の位置を中心として同心円を描くように変換される。
第1の2次元擬似応答差分信号及び第2の2次元擬似応答差分信号は、第1の擬似移動物体データシフト部S7及び第2の擬似移動物体データシフト部S8において、送信アンテナ部から第1の受信アンテナ部と第2の受信アンテナ部までの距離分だけデータシフトされ、それぞれ第1の2次元擬似応答シフト信号と第2の2次元擬似応答シフト信号となる。擬似移動物体データシフト処理は、図13に示すように、送信アンテナ部から受信アンテナ部の距離分だけ、方位方向にデータがシフトされる。
【0099】
第1の2次元擬似応答シフト信号と第2の2次元擬似応答シフト信号は、擬似移動物体データ合成部S9においてデータ合成され、2次元擬似応答合成信号となる。データ合成は、図14に示すように、距離方向と方位方向を合わせたマトリクス上の各要素(マス目)を加算もしくは乗算等することにより行う。2次元擬似応答合成信号は、移動物体データ表示部14において表示される。
【0100】
ここで、第1の実施形態の広帯域レーダ装置によって取得できる2次元擬似応答合成信号と、従来の広帯域レーダ装置によって取得できる2次元応答合成信号を比較する。
図15(a)は、第1の実施形態の広帯域レーダ装置によって取得できる2次元擬似応答合成信号を示す図である。図15(a)では、送信アンテナ部と第1の仮想受信アンテナ部1までの距離及び第2の仮想受信アンテナ部2までの距離が離れており、目標物体の距離がある程度離れた場合においても、方位方法の広がりを小さく抑えることができる(同心円の交わり部分が小さい面積となる)。すなわち、移動する目標物体を探知した際の方位精度が高くなる。
【0101】
これに対して、従来の広帯域レーダ装置によって取得できる2次元応答合成信号は、図15(b)に示すように、送信アンテナ部と第1の受信アンテナ部1までの距離及び第2の受信アンテナ部2までの距離が近づいており、目標物体の距離がある程度離れた場合には、方位方向の広がりが大きくなってなる(同心円の交わり部分の面積が大きくなる)。
【0102】
図16は実際の移動人物の受信波から取得した応答差分信号と擬似応答差分信号である。第1の受信アンテナ部と第2の受信アンテナ部は送信アンテナ部から0.2m離れており、第1の仮想受信アンテナ部と第2の仮想受信アンテナ部は送信アンテナ部から1.0m離れたところに仮想設置したものである。図16(a)は第1の擬似応答差分信号、(b)は第1の応答差分信号、(c)は第2の応答差分信号、(d)は第2の擬似応答差分信号である。図17(a)は図16(b)と図16(c)を合成した2次元応答合成信号であり、図17(b)は図16(a)と図16(d)を合成した2次元擬似応答合成信号である。
【0103】
従って、第1の実施形態の広帯域レーダ装置の構成とすることにより、送信アンテナと2つの受信アンテナの距離を小さくした小型なレーダ装置とした場合において、目標物体の距離がある程度離れても、方位方向の精度を高めることができる。
【0104】
本発明の第2の実施形態
次に、図18は、本発明の第2の実施形態の広帯域レーダ装置の構成を示す図である。
図18において、図1と同じブロック及び処理は、同じ符号で示している。
【0105】
図18は、第1の応答差分信号から第1の2次元応答シフト信号を得る第1の移動物体データ変換部S11及び第1の移動物体データシフト部S13と、第2の応答差分信号から第2の2次元応答シフト信号を得る第2の移動物体データ変換部S12及び第2の移動物体データシフト部S14を設け、これら第1の2次元応答シフト信号及び第2の2次元応答シフト信号と、第1の擬似移動物体データシフト部S7及び第2の擬似移動物体データシフト部から得られる第1の2次元擬似応答シフト信号及び第2の2次元擬似応答シフト信号とを合成する移動物体/擬似移動物体データ合成部S15を設けるようにした。
【0106】
図18の構成にすることにより、移動物体/擬似移動物体データ合成部S15で合成する信号は4つとなるため、合成した後の目標物体成分の強調具合が大きくなり、探知確度を高めることができる。
【0107】
本発明の第3の実施形態
図19は、本発明の第3の実施形態の広帯域レーダ装置の構成を示す図である。
図19は、第1の応答差分信号と第2の応答差分信号から、第1の距離に応じた擬似移動物体データ生成部S16及び第1の距離に応じた擬似移動物体データ変換部S18を設け、第1の距離に応じた2次元擬似応答差分信号を得るようにし、第2の距離に応じた擬似移動物体データ生成部S17及び第2の距離に応じた擬似移動物体データ変換部S19を設け、第2の距離に応じた2次元擬似応答差分信号を得るようにした。
【0108】
図20に示すように、エリアaに目標物体がいるような場合、仮想アンテナD−D’の擬似受信波を生成すると、方位方向の精度は高まるが、逆に距離方法の精度が悪くなってしまう。従って、仮想受信アンテナの離隔距離を一定にするのではなく、目標物体の距離によって、仮想受信アンテナの離隔距離を変えるようにする。
【0109】
例えば、目標物体がエリアaにいるような近い場合には、受信アンテナはA−A’による受信波を使用し、目標物体の距離が離れて、エリアdにいるような遠い場合には、仮想受信アンテナD−D’による擬似受信波を使用して、擬似移動物体データを生成するようにする。
こうすることにより、移動目標の距離が変化しても、距離方法及び方位方向の精度をともに高めることができる。
【0110】
本発明の第4の実施形態
図21は、本発明の第4の実施形態の広帯域レーダ装置の構成を示す図である。
図21は、受信アンテナ部を水平方向の2系統だけでなく、垂直方向にも2系統、すなわち、第3の受信アンテナ部15、第3のUWBゲートパルス発生部17、第3の検波部19、第3の積分部21、第3のベースバンド信号AD変換部23、第3の移動物体検出部S20、第3の擬似移動物体データ生成部S22、第3の擬似移動物体データ変換部S24、第3の擬似移動物体データシフト部S26及び第4の受信アンテナ部16、第4のUWBゲートパルス発生部18、第4の検波部20、第4の積分部22、第4のベースバンド信号AD変換部24、第4の移動物体検出部S21、第4の擬似移動物体データ生成部S23、第4の擬似移動物体データ変換部S25、第4の擬似移動物体データシフト部S27を設けるようにした。
図21の構成にすることにより、目標物体の方位方向だけでなく高さ方向の精度も高めることができる。
【0111】
本発明の第5の実施形態
図22は、本発明の第5の実施形態の広帯域レーダ装置の構成を示す図である。
図22は、第1のUWBゲートパルス発生部6で発生したUWBゲートパルス信号を分配するUWBゲートパルス分配部25を設け、UWBゲートパルス分配部25で分配されるUWBゲートパルス分配信号のパルス幅の間に、第1の検波部8及び第2の検波部9を動作させるようにした。
【0112】
図22の構成にすることにより、ゲートパルス発生部を2個設けることなく、UWBゲートパルス分配部を設けることで、それぞれのUWB受信パルス信号を検波することができる。
【0113】
本発明の第6の実施形態
図23は、本発明の第6の実施形態の広帯域レーダ装置の構成を示す図である。
図23は、UWBパルス発生部2で発生させたUWBパルス信号を分配するUWBパルス分配部26と、分配したUWB送信パルス信号をさらに分配するUWB送信パルス分配部27と、そのUWB送信パルス分配信号を時間遅延させてUWBゲートパルス信号にする第1のUWBパルス遅延部28及び第2のUWBパルス遅延部29を設けるようにした。
【0114】
図23の構成にすることにより、ゲートパルス発生部を設けることなく、UWBパルス分配部とUWBパルス遅延部を設けることで、それぞれのUWB受信パルス信号を検波することができる。
【0115】
本発明の第7の実施形態
図24は、本発明の第7の実施形態の広帯域レーダ装置の構成を示す図である。
図24は、UWBパルス発生部2で発生させたUWBパルス信号を方向性結合するUWBパルス方向性結合部30と、方向性結合したUWB送信パルス信号を分配するUWB送信パルス分配部27と、そのUWB送信パルス分配信号を時間遅延させてUWBゲートパルス信号にする第1のUWBパルス遅延部28及び第2のUWBパルス遅延部29を設けるようにした。
【0116】
図24の構成にすることにより、ゲートパルス発生部を設けることなく、UWBパルス遅延部とUWBパルス分配部及びUWBパルス遅延部を設けることで、それぞれのUWB受信パルス信号を検波することができる。
【0117】
本発明の第8の実施形態
図25は、本発明の第8の実施形態の広帯域レーダ装置の構成を示す図である。
図25は、UWBパルス発生部2で発生させたUWBパルス信号を分配するUWBパルス分配部26と、分配したUWB送信パルス信号を時間遅延させるUWBパルス遅延部31と、時間遅延させたUWBゲートパルス信号を分配するUWBゲートパルス分配部25を設けるようにした。
【0118】
図25の構成にすることにより、ゲートパルス発生部を設けることなく、UWBパルス分配部とUWBパルス遅延部及びUWBゲートパルス分配部を設けることで、それぞれのUWB受信パルス信号を検波することができる。
【0119】
本発明の第9の実施形態
図26は、本発明の第9の実施形態の広帯域レーダ装置の構成を示す図である。
図26は、UWBパルス発生部2で発生させたUWBパルス信号をUWBパルス増幅部32で増幅するようにした。
図26の構成にすることにより、送信アンテナ部3から放射されるUWB送信パルス信号の電力が大きくなり、より遠距離の目標物体を探知することができる。
【0120】
本発明の第10の実施形態
図27は、本発明の第10の実施形態の広帯域レーダ装置の構成を示す図である。
図27は、UWBパルス発生部2で発生させたUWBパルス信号を所定の周波数帯域のみ通過させるUWBパルス帯域ろ波部33で帯域通過させるようにした。
図27の構成にすることにより、例えば、日本国内のUWBスペクトラムマスクに準拠した3.4〜4.8GHzの周波数帯域のみ送信アンテナ部3から放射することができる。
【0121】
本発明の第11の実施形態
図28は、本発明の第11の実施形態の広帯域レーダ装置の構成を示す図である。
図28は、第1の受信アンテナ部4及び第2の受信アンテナ部5でそれぞれ受信した第1のUWB受信パルス信号及び第2のUWB受信パルス信号を、第1の受信パルス増幅部34と第2の受信パルス増幅部35でそれぞれ増幅するようにした。
【0122】
図28の構成にすることにより、第1の受信アンテナ部4及び第2の受信アンテナ部5で受信するUWB受信パルス信号の電力が大きくなり、より遠距離の目標物体を探知することができる。
【0123】
本発明の第12の実施形態
図29は、本発明の第12の実施形態の広帯域レーダ装置の構成を示す図である。
図29は、第1の積分部10及び第2の積分部11で出力される第1のベースバンド信号及び第2のベースバンド信号を、第1のベースバンド信号増幅部36と第2のベースバンド信号増腹部で増幅させるようにした。
図29の構成にするにより、第1のベースバンド信号と第2のベースバンド信号の電圧が大きくなり、より遠距離の目標物体を探知することができる。
【0124】
本発明の第13の実施形態
図30は、本発明の第13の実施形態の広帯域レーダ装置の構成を示す図である。
図30は、UWBパルス発生部2で発生させたUWBパルス信号をUWBパルス変調部
38で変調するようにした。
図30の構成にすることにより、送信アンテナ部3から放射されるUWB送信パルス信号のスペクトラムを拡散させ、平均送信電力を抑えることができる。
【0125】
例えば、図31(a)に示されるように、変調が行われないUWBパルス信号が用いられた場合には、そのスペクトラム特性は図31(b)に示されるように櫛状となって、平均送信電力が法律等で定められたUWB制限を超えてしまう場合がある。
【0126】
これに対して、図31(c)に示されるように、パルス位置変調(PPM)が行われたUWBパルス信号が用いられた場合には、そのスペクトラム特性は図31(d)に示されるように拡散スペクトラムとなって、平均送信電力が法律等で定められたUWB制限以下とすることができる。
【0127】
本発明の第14の実施形態
図32は、本発明の第14の実施形態の広帯域レーダ装置の構成を示す図である。
図32は、2つの送信クロック信号と1つの受信クロック信号を発生させ送受信の同期を制御する同期制御部1と、UWBパルスを発生させる第1のUWBパルス発生部39と第2のUWBパルス発生部40と、第1のUWB送信パルス信号と第2のUWB送信パルス信号を自由空間に放射する第1の送信アンテナ部41と第2の送信アンテナ部42と、目標物体からの反射波を受信する受信アンテナ部45と、受信クロック信号のタイミングでUWBゲートパルス信号を発生させるUWBゲートパルス発生部44と、UWB受信パルス信号をゲートパルス信号のパルス幅の間に検波する検波部46と、受信パルス検波信号を積分する積分部47と、ベースバンド信号をAD変換するベースバンド信号AD変換部48と、ディジタル信号から移動物体成分のみを検出する移動物体検出部S28と、第1の応答差分信号を記録する第1の移動物体信号記録部S29と、第2の応答差分信号を記録する第2の移動物体信号記録部S30と、第1の応答差分信号と第2の応答差分信号から第1の受信アンテナ手段から任意の距離離れた第1の仮想受信アンテナ手段で擬似的に受信したデータを生成する第1の擬似移動物体データ生成部S3と、第1の応答差分信号と第2の応答差分信号から第2の受信アンテナ手段から任意の距離離れた第2の仮想受信アンテナ手段で擬似的に受信したデータを生成する第2の擬似移動物体データ生成部S4と、第1の擬似応答差分信号を1次元から2次元のデータに変換する第1の擬似移動物体データ変換部S5と、第2の擬似応答差分信号を1次元から2次元のデータに変換する第2の擬似移動物体データ変換部S6と、第1の2次元擬似応答差分信号を第1の仮想アンテナ手段の距離分データシフトする第1の擬似移動物体データシフト部S7と、第2の2次元擬似応答差分信号を第2の仮想アンテナ手段の距離分データシフトする第2の擬似移動物体データシフト部S8と、第1の2次元擬似応答シフト信号と第2の2次元擬似応答シフト信号をデータ合成する擬似移動物体データ合成部S9と、擬似UWBレーダパルス2次元応答合成信号を表示する移動物体データ表示部14を設けるようにした。
【0128】
この結果、図33に示されるように、第1のUWB送信パルス信号と第2のUWB送信パルス信号がそれぞれ第1の送信アンテナ部41及び第2の送信アンテナ部42から時分割されて送信されることにより、1つの受信アンテナ部45及びそれに続く受信回路系にて時分割的な受信処理が可能となるため、回路構成が複雑な受信回路系を1系統で構成することができる。
【0129】
本発明の第15の実施形態
図34は、本発明の第15の実施形態の広帯域レーダ装置の構成を示す図である。
図34は、受信アンテナ部を2系統だけでなく、3系統からn系統まで、すなわち、第3の受信アンテナ部15、第3のUWBゲートパルス発生部17、第3の検波部19、第3の積分部21、第3のベースバンド信号AD変換部23、第3の移動物体検出部S20
、第3の擬似移動物体データ生成部S22、第3の擬似移動物体データ変換部S24、第3の擬似移動物体データシフト部S26から第nの受信アンテナ部49、第nのUWBゲートパルス発生部50、第nの検波部51、第nの積分部52、第nのベースバンド信号AD変換部53、第nの移動物体検出部S31、第nの擬似移動物体データ生成部S32、第nの擬似移動物体データ変換部S33、第nの擬似移動物体データシフト部S34を設けるようにした。
図34の構成にすることにより、目標物体の信号がより強調されて、探知確度を高めることができる。
【0130】
本発明の第1〜第15の実施形態に対する補足
以上の第1〜第15の実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
観測対象となる目標物体に対して、広帯域レーダパルスを繰り返し発生させ送信し、上記目標物体からの反射波を受信して、サンプリング積分検波してベースバンド信号に時間伸張し、アナログ−ディジタル変換し、移動目標成分を検出した後、移動目標の距離と方位を検出して表示する広帯域レーダ装置において、
広帯域パルスを発生するUWBパルス発生手段と、
前記UWBパルス発生手段で発生させたUWB送信パルス信号を目標物体の存在する自由空間に送信する送信アンテナ手段と、
前記UWB送信パルス信号が目標物体に反射して戻ってくる信号を受信する2つの受信アンテナ手段と、
前記UWBパルス発生手段に送信クロックを送信すると共に、受信クロックを出力する同期制御手段と、
前記受信クロックに基づいて2つのUWBゲートパルス信号をそれぞれ生成する2つのUWBゲートパルス発生手段と、
前記2つの受信アンテナ手段で受信した2つのUWB受信パルス信号を前記2つのUWBゲートパルス信号の各パルス幅の間にそれぞれ検波する2つの検波手段と、
前記2つの検波手段で検波した2つの受信パルス検波信号を積分する2つの積分手段と、
前記2つの検波手段と前記2つの積分手段でサンプリング積分検波した2つのベースバンド信号をアナログ−ディジタル変換する2つのベースバンド信号AD変換手段と、
前記2つのベースバンド信号AD変換手段でAD変換された2つのディジタル信号から移動物体の成分のみを検出する2つの移動物体検出手段と、
前記2つの移動物体検出手段で検出した2つの応答差分信号から前記2つの受信アンテナ手段が仮想的な距離間隔で配置されたときに受信されるであろう2つの擬似応答差分信号を生成する2つの擬似移動物体データ生成手段と、
前記2つの擬似移動物体データ生成手段で生成した2つの擬似応答差分信号を1次元から2次元のデータに変換する2つの擬似移動物体データ変換手段と、
前記2つの擬似移動物体データ変換手段でデータ変換した2つの2次元擬似応答差分信号を前記受信アンテナ手段の仮想的な距離間隔分だけデータシフトする2つの擬似移動物体データシフト手段と、
前記2つの擬似移動物体データシフト手段でデータシフトした2つの2次元擬似応答シフト信号を合成する擬似移動物体データ合成手段と、
前記擬似移動物体データ合成手段でデータ合成した擬似UWBレーダパルス2次元応答合成信号を表示する移動物体データ表示手段と、
を含むことを特徴とする広帯域レーダ装置。
(付記2)
前記2つの移動物体検出手段で検出した2つの応答差分信号を1次元から2次元のデータに変換する2つの移動物体データ変換手段と、
前記2つの移動物体データ変換手段でデータ変換した2つの2次元応答差分信号を前記
2つの受信アンテナ手段の距離間隔分だけデータシフトする2つの擬似移動物体データシフト手段と、
前記2つの移動物体データシフト手段でデータシフトした2つの2次元応答シフト信号と、前記2つの擬似移動物体データシフト手段でデータシフトした2つの2次元擬似応答シフト信号をデータ合成する移動物体/擬似移動物体データ合成手段と、
を更に含むことを特徴とする付記1に記載の広帯域レーダ装置。
(付記3)
前記2つの擬似移動物体データ生成手段は、前記2つの移動物体検出手段で検出した2つの応答差分信号に対して、前記目標物体からの距離に応じて前記仮想的な距離間隔を変化させて前記2つの擬似応答差分信号を生成する、
ことを特徴とする付記1に記載の広帯域レーダ装置。
(付記4)
観測対象となる目標物体に対して、広帯域レーダパルスを繰り返し発生させ送信し、上記目標物体からの反射波を受信して、サンプリング積分検波してベースバンド信号に時間伸張し、アナログ−ディジタル変換し、移動目標成分を検出した後、移動目標の距離と方位を検出して表示する広帯域レーダ装置において、
広帯域パルスを発生するUWBパルス発生手段と、
前記UWBパルス発生手段で発生させたUWB送信パルス信号を目標物体の存在する自由空間に送信する送信アンテナ手段と、
前記UWB送信パルス信号が目標物体に反射して戻ってくる信号を受信する4つの受信アンテナ手段と、
前記UWBパルス発生手段に送信クロックを送信すると共に、受信クロックを出力する同期制御手段と、
前記受信クロックに基づいて4つのUWBゲートパルス信号をそれぞれ生成する4つのUWBゲートパルス発生手段と、
前記4つの受信アンテナ手段で受信した4つのUWB受信パルス信号を前記4つのUWBゲートパルス信号の各パルス幅の間にそれぞれ検波する4つの検波手段と、
前記4つの検波手段で検波した4つの受信パルス検波信号を積分する4つの積分手段と、
前記4つの検波手段と前記4つの積分手段でサンプリング積分検波した4つのベースバンド信号をアナログ−ディジタル変換する4つのベースバンド信号AD変換手段と、
前記4つのベースバンド信号AD変換手段でAD変換された4つのディジタル信号から移動物体の成分のみを検出する4つの移動物体検出手段と、
前記4つの移動物体検出手段で検出した4つの応答差分信号から前記4つの受信アンテナ手段が仮想的な距離間隔で配置されたときに受信されるであろう4つの擬似応答差分信号を生成する4つの擬似移動物体データ生成手段と、
前記4つの擬似移動物体データ生成手段で生成した4つの擬似応答差分信号を1次元から2次元のデータに変換する4つの擬似移動物体データ変換手段と、
前記4つの擬似移動物体データ変換手段でデータ変換した4つの2次元擬似応答差分信号を前記受信アンテナ手段の仮想的な距離間隔分だけデータシフトする4つの擬似移動物体データシフト手段と、
前記4つの擬似移動物体データシフト手段でデータシフトした4つの2次元擬似応答シフト信号を合成する擬似移動物体データ合成手段と、
前記擬似移動物体データ合成手段でデータ合成した擬似UWBレーダパルス2次元応答合成信号を表示する移動物体データ表示手段と、
を含むことを特徴とする広帯域レーダ装置。
(付記5)
前記2つのUWBゲートパルス発生手段を1つのUWBゲートパルス発生手段で共用化し、
該1つのUWBゲートパルス発生手段で発生させたUWBゲートパルス信号を分配させ
、その結果得られる2つのUWBゲートパルス信号をそれぞれ前記2つの検波手段に出力するUWBゲートパルス分配手段を更に含む、
ことを特徴とする付記1に記載の広帯域レーダ装置。(4、図22)
(付記6)
前記2つのUWBゲートパルス発生手段を前記UWBパルス発生手段で代用し、
前記UWBパルス発生手段で発生させた前記UWB送信パルス信号を、前記送信アンテナ手段に供給される前記UWB送信パルス信号と第2のUWB送信パルス信号に分配するUWBパルス分配手段と、
該UWBパルス分配手段で分配された前記第2のUWB送信パルス信号を更に2つに分配するUWB送信パルス分配手段と、
該UWB送信パルス分配手段で分配した2つのUWB送信パルス分配信号をそれぞれ時間遅延させ、それぞれ2つの前記UWBゲートパルス信号として前記2つの検波手段に出力する2つのUWBパルス遅延手段と、
を含むことを特徴とする付記1に記載の広帯域レーダ装置。
(付記7)
前記2つのUWBゲートパルス発生手段を前記UWBパルス発生手段で代用し、
前記UWBパルス発生手段で発生させた前記UWB送信パルス信号を、前記送信アンテナ手段に供給される前記UWB送信パルス信号と第2のUWB送信パルス信号に方向性結合させるUWBパルス方向性結合手段と、
該UWBパルス分配手段で方向性結合された前記第2のUWB送信パルス信号を更に2つに分配するUWB送信パルス分配手段と、
該UWB送信パルス分配手段で分配した2つのUWB送信パルス分配信号をそれぞれ時間遅延させ、その結果得られる2つの遅延信号をそれぞれ2つの前記UWBゲートパルス信号として前記2つの検波手段に出力する2つのUWBパルス遅延手段と、
を含むことを特徴とする付記1に記載の広帯域レーダ装置。
(付記8)
前記2つのUWBゲートパルス発生手段を前記UWBパルス発生手段で代用し、
前記UWBパルス発生手段で発生させた前記UWB送信パルス信号を、前記送信アンテナ手段に供給される前記UWB送信パルス信号と第2のUWB送信パルス信号に分配するUWBパルス分配手段と、
該UWBパルス分配手段で分配された前記第2のUWB送信パルス信号を時間遅延させてUWBゲートパルス信号を出力するUWBパルス遅延手段と、
該UWBゲートパルス信号を2つに分配し、その結果得られる2つの分配信号をそれぞれ2つの前記UWBゲートパルス信号として前記2つの検波手段に出力するUWBゲートパルス分配手段と、
を含むことを特徴とする付記1に記載の広帯域レーダ装置。
(付記9)
前記UWBパルス発生手段が発生させたUWBパルス信号を増幅し、その結果得られる信号を前記UWB送信パルス信号として出力するUWBパルス増幅手段を更に含む、
ことを特徴とする付記1に記載の広帯域レーダ装置。
(付記10)
前記UWBパルス発生手段が発生させたUWBパルス信号を所定の周波数帯域のみ通過させ、その結果得られる信号を前記UWB送信パルス信号として出力するUWBパルス帯域ろ波手段を更に含む、
ことを特徴とする付記1に記載の広帯域レーダ装置。
(付記11)
前記2つの受信アンテナ手段で受信したUWB受信パルス信号をそれぞれ増幅し、前記2つの検波手段に出力する2つの受信パルス増幅手段を更に含む、
ことを特徴とする付記1に記載の広帯域レーダ装置。
(付記12)
前記2つの積分手段で積分した2つのベースバンド信号をそれぞれ増幅し、前記2つのベースバンド信号AD変換手段に出力する2つのベースバンド信号増幅手段を更に含む、
ことを特徴とする付記1に記載の広帯域レーダ装置。
(付記13)
前記UWBパルス発生手段が発生させたUWBパルス信号を変調し、その結果得られる信号を前記UWBパルス信号として出力するUWBパルス変調手段を更に含む、
ことを特徴とする付記1に記載の広帯域レーダ装置。
(付記14)
観測対象となる目標物体に対して、広帯域レーダパルスを繰り返し発生させ送信し、上記目標物体からの反射波を受信して、サンプリング積分検波してベースバンド信号に時間伸張し、アナログ−ディジタル変換し、移動目標成分を検出した後、移動目標の距離と方位を検出して表示する広帯域レーダ装置において、
広帯域パルスを発生する2つのUWBパルス発生手段と、
前記2つのUWBパルス発生手段で発生させた2つのUWB送信パルス信号を目標物体の存在する自由空間にそれぞれ時分割で連続するように送信する2つの送信アンテナ手段と、
前記2つのUWB送信パルス信号が目標物体に反射してそれぞれ戻ってくる信号を時分割で受信する1つの受信アンテナ手段と、
前記受信クロックに基づいてUWBゲートパルス信号を生成するUWBゲートパルス発生手段と、
前記受信アンテナ手段で受信したUWB受信パルス信号を前記UWBゲートパルス信号のパルス幅の間に検波する検波手段と、
前記検波手段で検波した受信パルス検波信号を積分する積分手段と、
前記検波手段と前記積分手段でサンプリング積分検波したベースバンド信号をアナログ−ディジタル変換するベースバンド信号AD変換手段と、
前記ベースバンド信号AD変換手段でAD変換されたディジタル信号から移動物体の成分のみを検出する移動物体検出手段と、
前記移動物体検出手段で検出した時分割で連続する2つの応答差分信号を記録する2つの移動物体信号記録手段と、
前記2つの移動物体信号記録手段で記録した2つの応答差分信号から前記2つの送信アンテナ手段が仮想的な距離間隔で配置されたときに受信されるであろう2つの擬似応答差分信号を生成する2つの擬似移動物体データ生成手段と、
前記2つの擬似移動物体データ生成手段で生成した2つの擬似応答差分信号を1次元から2次元のデータに変換する2つの擬似移動物体データ変換手段と、
前記2つの擬似移動物体データ変換手段でデータ変換した2つの2次元擬似応答差分信号を前記送信アンテナ手段の仮想的な距離間隔分だけデータシフトする2つの擬似移動物体データシフト手段と、
前記2つの擬似移動物体データシフト手段でデータシフトした2つの2次元擬似応答シフト信号を合成する擬似移動物体データ合成手段と、
前記擬似移動物体データ合成手段でデータ合成した擬似UWBレーダパルス2次元応答合成信号を表示する移動物体データ表示手段と、
を含むことを特徴とする広帯域レーダ装置。
(付記15)
観測対象となる目標物体に対して、広帯域レーダパルスを繰り返し発生させ送信し、上記目標物体からの反射波を受信して、サンプリング積分検波してベースバンド信号に時間伸張し、アナログ−ディジタル変換し、移動目標成分を検出した後、移動目標の距離と方位を検出して表示する広帯域レーダ装置において、
広帯域パルスを発生するUWBパルス発生手段と、
前記UWBパルス発生手段で発生させたUWB送信パルス信号を目標物体の存在する自由空間に送信する送信アンテナ手段と、
前記UWB送信パルス信号が目標物体に反射して戻ってくる信号を受信するn個(nは2以上の整数)の受信アンテナ手段と、
前記UWBパルス発生手段に送信クロックを送信すると共に、受信クロックを出力する同期制御手段と、
前記受信クロックに基づいてn個のUWBゲートパルス信号をそれぞれ生成するn個のUWBゲートパルス発生手段と、
前記n個の受信アンテナ手段で受信したn個のUWB受信パルス信号を前記n個のUWBゲートパルス信号の各パルス幅の間にそれぞれ検波するn個の検波手段と、
前記n個の検波手段で検波したn個の受信パルス検波信号を積分するn個の積分手段と、
前記n個の検波手段と前記n個の積分手段でサンプリング積分検波したn個のベースバンド信号をアナログ−ディジタル変換するn個のベースバンド信号AD変換手段と、
前記n個のベースバンド信号AD変換手段でAD変換されたn個のディジタル信号から移動物体の成分のみを検出するn個の移動物体検出手段と、
前記n個の移動物体検出手段で検出したn個の応答差分信号から前記n個の受信アンテナ手段が仮想的な距離間隔で配置されたときに受信されるであろうn個の擬似応答差分信号を生成するn個の擬似移動物体データ生成手段と、
前記n個の擬似移動物体データ生成手段で生成したn個の擬似応答差分信号を1次元から2次元のデータに変換するn個の擬似移動物体データ変換手段と、
前記n個の擬似移動物体データ変換手段でデータ変換したn個の2次元擬似応答差分信号を前記受信アンテナ手段の仮想的な距離間隔分だけデータシフトするn個の擬似移動物体データシフト手段と、
前記n個の擬似移動物体データシフト手段でデータシフトしたn個の2次元擬似応答シフト信号を合成する擬似移動物体データ合成手段と、
前記擬似移動物体データ合成手段でデータ合成した擬似UWBレーダパルス2次元応答合成信号を表示する移動物体データ表示手段と、
を含むことを特徴とする広帯域レーダ装置。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明の第1の実施形態による広帯域レーダ装置を示す構成図である。
【図2】移動物体検出処理の動作を説明する図である。
【図3】検波部の動作を説明する図である。
【図4】移動物体検出処理の動作を説明する図である。
【図5】応答差分信号と擬似応答差分信号の関係を説明する図である。
【図6】第1の擬似移動物体データ生成処理の動作を説明する図(その1)である。
【図7】第1の擬似移動物体データ生成処理の動作を説明する図(その2)である。
【図8】第1の擬似移動物体データ生成処理のフローチャートを説明する図である。
【図9】第2の擬似移動物体データ生成処理の動作を説明する図(その1)である。
【図10】第2の擬似移動物体データ生成処理の動作を説明する図(その2)である。
【図11】第2の擬似移動物体データ生成処理のフローチャートを説明する図である。
【図12】擬似移動物体データ変換処理の動作を説明する図である。
【図13】擬似移動物体データシフト処理の動作を説明する図である。
【図14】擬似移動物体データ合成処理の動作を説明する図である。
【図15】受信アンテナ間の距離と目標物体の距離及び方位精度の関係を説明する図である。
【図16】擬似応答差分信号を説明する図である。
【図17】2次元擬似応答合成信号を説明する図である。
【図18】本発明の第2の実施形態による広帯域レーダ装置を示す構成図である。
【図19】本発明の第3の実施形態による広帯域レーダ装置を示す構成図である。
【図20】距離に応じた擬似移動物体データ生成処理の動作を説明する図である。
【図21】本発明の第4の実施形態による広帯域レーダ装置を示す構成図である。
【図22】本発明の第5の実施形態による広帯域レーダ装置を示す構成図である。
【図23】本発明の第6の実施形態による広帯域レーダ装置を示す構成図である。
【図24】本発明の第7の実施形態による広帯域レーダ装置を示す構成図である。
【図25】本発明の第8の実施形態による広帯域レーダ装置を示す構成図である。
【図26】本発明の第9の実施形態による広帯域レーダ装置を示す構成図である。
【図27】本発明の第10の実施形態による広帯域レーダ装置を示す構成図である。
【図28】本発明の第11の実施形態による広帯域レーダ装置を示す構成図である。
【図29】本発明の第12の実施形態による広帯域レーダ装置を示す構成図である。
【図30】本発明の第13の実施形態による広帯域レーダ装置を示す構成図である。
【図31】本発明の第13の実施形態による広帯域レーダ装置における電力削減効果を説明するための説明図である。
【図32】本発明の第14の実施形態による広帯域レーダ装置を示す構成図である。
【図33】本発明の第14の実施形態による広帯域レーダ装置における時分割処理を説明するための説明図である。
【図34】本発明の第15の実施形態による広帯域レーダ装置を示す構成図である。
【図35】従来の形態の広帯域レーダ装置の構成図である。
【符号の説明】
【0132】
1 同期制御部
2 UWBパルス発生部
3 送信アンテナ部
4 第1の受信アンテナ部
5 第2の受信アンテナ部
6 第1のUWBゲートパルス発生部
7 第2のUWBゲートパルス発生部
8 第1の検波部
9 第2の検波部
10 第1の積分部
11 第2の積分部
12 第1のベースバンド信号AD変換部
13 第2のベースバンド信号AD変換部
14 移動物体データ表示部
15 第3の受信アンテナ部
16 第4の受信アンテナ部
17 第3のUWBゲートパルス発生部
18 第4のUWBゲートパルス発生部
19 第3の検波部
20 第4の検波部
21 第3の積分部
22 第4の積分部
23 第3のベースバンド信号AD変換部
24 第4のベースバンド信号AD変換部
25 UWBゲートパルス分配部
26 UWBパルス分配部
27 UWB送信パルス分配部
28 第1のUWBパルス遅延部
29 第2のUWBパルス遅延部
30 UWBパルス方向性結合部
31 UWBパルス遅延部
32 UWBパルス増幅部
33 UWBパルス帯域ろ波部
34 第1の受信パルス増幅部
35 第2の受信パルス増幅部
36 第1のベースバンド信号増幅部
37 第2のベースバンド信号増幅部
38 UWBパルス変調部
39 第1のUWBパルス発生部
40 第2のUWBパルス発生部
41 第1の送信アンテナ部
42 第2の送信アンテナ部
43 受信アンテナ部
44 UWBゲートパルス発生部
45 受信アンテナ部
46 検波部
47 積分部
48 ベースバンド信号AD変換部
49 第nの受信アンテナ部
50 第nのUWBゲートパルス発生部
51 第nの検波部
52 第nの積分部
53 第nのベースバンド信号AD変換部
S1 第1の移動物体検出部
S2 第2の移動物体検出部
S3 第1の擬似移動物体データ生成部
S4 第2の擬似移動物体データ生成部
S5 第1の擬似移動物体データ変換部
S6 第2の擬似移動物体データ変換部
S7 第1の擬似移動物体データシフト部
S8 第2の擬似移動物体データシフト部
S9 擬似移動物体データ合成部
S10 第1の移動物体データ変換部
S11 第2の移動物体データ変換部
S12 第1の移動物体データシフト部
S13 第2の移動物体データシフト部
S14 移動物体/擬似移動物体データ合成部
S15 第1の距離に応じた擬似移動物体データ生成部
S16 第2の距離に応じた擬似移動物体データ生成部
S17 第1の距離に応じた擬似移動物体データ変換部
S18 第2の距離に応じた擬似移動物体データ変換部
S19 第3の移動物体検出部
S20 第4の移動物体検出部
S21 第3の擬似移動物体データ生成部
S22 第4の擬似移動物体データ生成部
S23 第3の擬似移動物体データ変換部
S24 第4の擬似移動物体データ変換部
S25 第3の擬似移動物体データシフト部
S26 第4の擬似移動物体データシフト部
S27 移動物体データ合成部
S28 移動物体検出部
S29 第1の移動物体信号記録部
S30 第2の移動物体信号記録部
S31 第nの移動物体検出部
S32 第nの擬似移動物体データ生成部
S33 第nの擬似移動物体データ変換部
S34 第nの擬似移動物体データシフト部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
観測対象となる目標物体に対して、広帯域レーダパルスを繰り返し発生させ送信し、上記目標物体からの反射波を受信して、サンプリング積分検波してベースバンド信号に時間伸張し、アナログ−ディジタル変換し、移動目標成分を検出した後、移動目標の距離と方位を検出して表示する広帯域レーダ装置において、
広帯域パルスを発生するUWBパルス発生手段と、
前記UWBパルス発生手段で発生させたUWB送信パルス信号を目標物体の存在する自由空間に送信する送信アンテナ手段と、
前記UWB送信パルス信号が目標物体に反射して戻ってくる信号を受信する2つの受信アンテナ手段と、
前記UWBパルス発生手段に送信クロックを送信すると共に、受信クロックを出力する同期制御手段と、
前記受信クロックに基づいて2つのUWBゲートパルス信号をそれぞれ生成する2つのUWBゲートパルス発生手段と、
前記2つの受信アンテナ手段で受信した2つのUWB受信パルス信号を前記2つのUWBゲートパルス信号の各パルス幅の間にそれぞれ検波する2つの検波手段と、
前記2つの検波手段で検波した2つの受信パルス検波信号を積分する2つの積分手段と、
前記2つの検波手段と前記2つの積分手段でサンプリング積分検波した2つのベースバンド信号をアナログ−ディジタル変換する2つのベースバンド信号AD変換手段と、
前記2つのベースバンド信号AD変換手段でAD変換された2つのディジタル信号から移動物体の成分のみを検出する2つの移動物体検出手段と、
前記2つの移動物体検出手段で検出した2つの応答差分信号から前記2つの受信アンテナ手段が仮想的な距離間隔で配置されたときに受信されるであろう2つの擬似応答差分信号を生成する2つの擬似移動物体データ生成手段と、
前記2つの擬似移動物体データ生成手段で生成した2つの擬似応答差分信号を1次元から2次元のデータに変換する2つの擬似移動物体データ変換手段と、
前記2つの擬似移動物体データ変換手段でデータ変換した2つの2次元擬似応答差分信号を前記受信アンテナ手段の仮想的な距離間隔分だけデータシフトする2つの擬似移動物体データシフト手段と、
前記2つの擬似移動物体データシフト手段でデータシフトした2つの2次元擬似応答シフト信号を合成する擬似移動物体データ合成手段と、
前記擬似移動物体データ合成手段でデータ合成した擬似UWBレーダパルス2次元応答合成信号を表示する移動物体データ表示手段と、
を含むことを特徴とする広帯域レーダ装置。
【請求項2】
前記2つの移動物体検出手段で検出した2つの応答差分信号を1次元から2次元のデータに変換する2つの移動物体データ変換手段と、
前記2つの移動物体データ変換手段でデータ変換した2つの2次元応答差分信号を前記2つの受信アンテナ手段の距離間隔分だけデータシフトする2つの擬似移動物体データシフト手段と、
前記2つの移動物体データシフト手段でデータシフトした2つの2次元応答シフト信号と、前記2つの擬似移動物体データシフト手段でデータシフトした2つの2次元擬似応答シフト信号をデータ合成する移動物体/擬似移動物体データ合成手段と、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の広帯域レーダ装置。
【請求項3】
前記2つの擬似移動物体データ生成手段は、前記2つの移動物体検出手段で検出した2つの応答差分信号に対して、前記目標物体からの距離に応じて前記仮想的な距離間隔を変化させて前記2つの擬似応答差分信号を生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の広帯域レーダ装置。
【請求項4】
前記2つのUWBゲートパルス発生手段を1つのUWBゲートパルス発生手段で共用化し、
該1つのUWBゲートパルス発生手段で発生させたUWBゲートパルス信号を分配させ、その結果得られる2つのUWBゲートパルス信号をそれぞれ前記2つの検波手段に出力するUWBゲートパルス分配手段を更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の広帯域レーダ装置。
【請求項5】
前記2つのUWBゲートパルス発生手段を前記UWBパルス発生手段で代用し、
前記UWBパルス発生手段で発生させた前記UWB送信パルス信号を、前記送信アンテナ手段に供給される前記UWB送信パルス信号と第2のUWB送信パルス信号に分配するUWBパルス分配手段と、
該UWBパルス分配手段で分配された前記第2のUWB送信パルス信号を更に2つに分配するUWB送信パルス分配手段と、
該UWB送信パルス分配手段で分配した2つのUWB送信パルス分配信号をそれぞれ時間遅延させ、それぞれ2つの前記UWBゲートパルス信号として前記2つの検波手段に出力する2つのUWBパルス遅延手段と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の広帯域レーダ装置。
【請求項6】
前記2つのUWBゲートパルス発生手段を前記UWBパルス発生手段で代用し、
前記UWBパルス発生手段で発生させた前記UWB送信パルス信号を、前記送信アンテナ手段に供給される前記UWB送信パルス信号と第2のUWB送信パルス信号に分配するUWBパルス分配手段と、
該UWBパルス分配手段で分配された前記第2のUWB送信パルス信号を時間遅延させてUWBゲートパルス信号を出力するUWBパルス遅延手段と、
該UWBゲートパルス信号を2つに分配し、その結果得られる2つの分配信号をそれぞれ2つの前記UWBゲートパルス信号として前記2つの検波手段に出力するUWBゲートパルス分配手段と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の広帯域レーダ装置。
【請求項7】
前記UWBパルス発生手段が発生させたUWBパルス信号を所定の周波数帯域のみ通過させ、その結果得られる信号を前記UWB送信パルス信号として出力するUWBパルス帯域ろ波手段を更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の広帯域レーダ装置。
【請求項8】
前記UWBパルス発生手段が発生させたUWBパルス信号を変調し、その結果得られる信号を前記UWBパルス信号として出力するUWBパルス変調手段を更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の広帯域レーダ装置。
【請求項9】
観測対象となる目標物体に対して、広帯域レーダパルスを繰り返し発生させ送信し、上記目標物体からの反射波を受信して、サンプリング積分検波してベースバンド信号に時間伸張し、アナログ−ディジタル変換し、移動目標成分を検出した後、移動目標の距離と方位を検出して表示する広帯域レーダ装置において、
広帯域パルスを発生する2つのUWBパルス発生手段と、
前記2つのUWBパルス発生手段で発生させた2つのUWB送信パルス信号を目標物体の存在する自由空間にそれぞれ時分割で連続するように送信する2つの送信アンテナ手段と、
前記2つのUWB送信パルス信号が目標物体に反射してそれぞれ戻ってくる信号を時分割で受信する1つの受信アンテナ手段と、
前記受信クロックに基づいてUWBゲートパルス信号を生成するUWBゲートパルス発生手段と、
前記受信アンテナ手段で受信したUWB受信パルス信号を前記UWBゲートパルス信号のパルス幅の間に検波する検波手段と、
前記検波手段で検波した受信パルス検波信号を積分する積分手段と、
前記検波手段と前記積分手段でサンプリング積分検波したベースバンド信号をアナログ−ディジタル変換するベースバンド信号AD変換手段と、
前記ベースバンド信号AD変換手段でAD変換されたディジタル信号から移動物体の成分のみを検出する移動物体検出手段と、
前記移動物体検出手段で検出した時分割で連続する2つの応答差分信号を記録する2つの移動物体信号記録手段と、
前記2つの移動物体信号記録手段で記録した2つの応答差分信号から前記2つの送信アンテナ手段が仮想的な距離間隔で配置されたときに受信されるであろう2つの擬似応答差分信号を生成する2つの擬似移動物体データ生成手段と、
前記2つの擬似移動物体データ生成手段で生成した2つの擬似応答差分信号を1次元から2次元のデータに変換する2つの擬似移動物体データ変換手段と、
前記2つの擬似移動物体データ変換手段でデータ変換した2つの2次元擬似応答差分信号を前記送信アンテナ手段の仮想的な距離間隔分だけデータシフトする2つの擬似移動物体データシフト手段と、
前記2つの擬似移動物体データシフト手段でデータシフトした2つの2次元擬似応答シフト信号を合成する擬似移動物体データ合成手段と、
前記擬似移動物体データ合成手段でデータ合成した擬似UWBレーダパルス2次元応答合成信号を表示する移動物体データ表示手段と、
を含むことを特徴とする広帯域レーダ装置。
【請求項10】
観測対象となる目標物体に対して、広帯域レーダパルスを繰り返し発生させ送信し、上記目標物体からの反射波を受信して、サンプリング積分検波してベースバンド信号に時間伸張し、アナログ−ディジタル変換し、移動目標成分を検出した後、移動目標の距離と方位を検出して表示する広帯域レーダ装置において、
広帯域パルスを発生するUWBパルス発生手段と、
前記UWBパルス発生手段で発生させたUWB送信パルス信号を目標物体の存在する自由空間に送信する送信アンテナ手段と、
前記UWB送信パルス信号が目標物体に反射して戻ってくる信号を受信するn個(nは2以上の整数)の受信アンテナ手段と、
前記UWBパルス発生手段に送信クロックを送信すると共に、受信クロックを出力する同期制御手段と、
前記受信クロックに基づいてn個のUWBゲートパルス信号をそれぞれ生成するn個のUWBゲートパルス発生手段と、
前記n個の受信アンテナ手段で受信したn個のUWB受信パルス信号を前記n個のUWBゲートパルス信号の各パルス幅の間にそれぞれ検波するn個の検波手段と、
前記n個の検波手段で検波したn個の受信パルス検波信号を積分するn個の積分手段と、
前記n個の検波手段と前記n個の積分手段でサンプリング積分検波したn個のベースバンド信号をアナログ−ディジタル変換するn個のベースバンド信号AD変換手段と、
前記n個のベースバンド信号AD変換手段でAD変換されたn個のディジタル信号から移動物体の成分のみを検出するn個の移動物体検出手段と、
前記n個の移動物体検出手段で検出したn個の応答差分信号から前記n個の受信アンテナ手段が仮想的な距離間隔で配置されたときに受信されるであろうn個の擬似応答差分信号を生成するn個の擬似移動物体データ生成手段と、
前記n個の擬似移動物体データ生成手段で生成したn個の擬似応答差分信号を1次元か
ら2次元のデータに変換するn個の擬似移動物体データ変換手段と、
前記n個の擬似移動物体データ変換手段でデータ変換したn個の2次元擬似応答差分信号を前記受信アンテナ手段の仮想的な距離間隔分だけデータシフトするn個の擬似移動物体データシフト手段と、
前記n個の擬似移動物体データシフト手段でデータシフトしたn個の2次元擬似応答シフト信号を合成する擬似移動物体データ合成手段と、
前記擬似移動物体データ合成手段でデータ合成した擬似UWBレーダパルス2次元応答合成信号を表示する移動物体データ表示手段と、
を含むことを特徴とする広帯域レーダ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図16】
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【図18】
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【図19】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図17】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−78367(P2010−78367A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−244566(P2008−244566)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】