説明

建設機械のマニュアルレべリングシステムおよびその方法

【課題】走行手段が備えられる下部フレームと運転室が備えられる上部旋回体との間に結合されて上部旋回体をチルティングするようにアクチュエータで作動される建設機械のレベリングシステムに関する。
【解決手段】上部旋回体(1)の旋回角度を感知して旋回角度に対する信号を伝送する旋回角度感知部と、操作された位置によって上部旋回体の左右方向および前後方向を座標軸とする座標上における座標値に相応するチルティング操作信号を生成して伝送するチルティング操作入力部と、チルティング操作信号によって基準面に対し上部旋回体をチルティングさせるために、伝送されたチルティング操作信号の座標値と上部旋回体の旋回角度を用いてチルティングユニットの中心から放射状に位置されたアクチュエータらのうちの作動対象を決定して作動対象であるアクチュエータの伸長、あるいは、収縮の可否と作動範囲を決定する作動値を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械のレべリングシステムとその方法に関するものであって、さらに詳述すれば、使用者の手動操作によるレべリングを遂行する建設機械のマニュアルレべリングシステムおよびその方法に係る。
【背景技術】
【0002】
傾斜地で作業する掘削機、伐木機、クレーンなど建設機械は地面の屈曲によって上部回転体は水平面に対して傾斜された状態に作業するようになる。
【0003】
建設機械が傾斜された状態では、上部旋回体のスイング回転によって水平面との傾斜度が変わるようになって作業上不安定になり、建設機械の重さの中心が移動されるによって転覆事故の危険性が増大される問題がある。
【0004】
これを解決するために傾斜地で上部回転体をチルティングし、建設機械の重心を地面近くに移動させる方法が使用される。
【0005】
これと関連された最近の技術は、特許文献1に2つの油圧シリンダーによって支持されてチルトされる上部サポートを有するチルトメカニズムが記載されている。また、特許文献2には2つの油圧シリンダー、センターチルト軸と連結される上部ベアリング体支持プレートと、下部プレートが記載されている。
【0006】
一方、本出願人は特許文献3「山林装備および掘削機用レべリング装置」にかかる4つのアクチュエータが備えられたチルティングユニットを出願したことがある。
【0007】
このようなチルティングユニットを操作することにおいて、ジョイスティックの変異値が下部フレームの前面方向を基準として入力されるので、上部旋回体が左、右にスイングされた場合には、使用者がスイングされた角度を考慮してジョイスティックの操作の変異を入力しなければならない不便がある。
【0008】
たとえば、建設機械の作業は上部旋回体を180°旋回させた後になされる場合が多いが、この際、運転者を基準として左側の正の傾斜を加えるためにジョイスティックを左側に動かした場合、従来には下部フレームの前面を基準としてこの入力値を受け入れて、右側に正の傾斜を加えるように作動されるので、使用者の意図と違って上部旋回体の右側に正の傾斜が加わる結果になる。傾斜が非常に急な地形で使用者の未熟のため、このような誤りを起こすと、建設機械の重さの中心が誤った方向に移動されることによって建設機械が転覆する事故が起きる。
【0009】
したがって、使用者の前面方向、すなわち、上部旋回体の前面方向でチルティング操作が行って使用者のジョイスティックの操作を容易にするチルティングシステムの開発が必要になった。
【0010】
【特許文献1】米国特許第6,609,581号明細書
【特許文献2】米国特許第6,158,539号明細書
【特許文献3】韓国特許登録出願第10-2007-0012983号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上述したような問題点を解決するために案出されたものであって、建設機械の使用者の意図によって上部旋回体のレベリングを制御する建設機械のマニュアルレベリングシステムおよびその方法と関連される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は前記のような課題を解決するために、走行手段が備えられる下部フレームと運転室が備えられる上部旋回体との間に結合されて上部旋回体をチルティングするようにアクチュエータで作動されるチルティングユニットが備えられ、上部旋回体がチルティングユニットに対して旋回する建設機械のレべリングシステムにおいて、上部旋回体の旋回角度を感知して旋回角度に対する信号を伝送する旋回角度感知部と、使用者によって操作された位置によって上部旋回体の左右方向および前後方向を座標軸とする座標上における座標値に相応するチルティング操作信号を生成して伝送するチルティング操作入力部と、チルティング操作信号によって基準面に対し上部旋回体をチルティングさせるために、伝送されたチルティング操作信号の座標値と上部旋回体の旋回角度を用いてチルティングユニットの中心から放射状に位置されたアクチュエータらのうちの作動対象を決定して作動対象であるアクチュエータの伸長又は収縮の可否と作動範囲を決定する作動値を算出する制御部とを含めてなることを特徴とする建設機械のマニュアルレべリングシステムが提供される。
【0013】
好ましくは、 前記制御部は、前記座標値から座標角度および原点から座標点までの座標距離又は大きさを出力する操作信号分析モジュールと、
前記座標角度と前記下部フレームに対する前記上部旋回体の旋回角度から、前記基準面と前記上部旋回体の水平面との間で補償されるチルトの角度を形成する前記水平面上のチルティング補償軸と、前記基準面の基準軸との間の平面上の角度を表わす補償軸角度を算出する補償軸角度算出モジュールと、
前記座標距離又は大きさ、及び前記補償軸角度から作動対象であるアクチュエータの作動値を算出する作動値算出モジュールとを含めてからなることを特徴とする。
【0014】
さらに、好ましくは、前記チルティングユニットの中心から放射状に位置されたアクチュエータは、平面上互いに‘x’型に実質的に直交するチルト軸がシーソー運動するように、各チルト軸の両側に結合され、操作信号分析モジュールが出力する前記座標距離又は大きさは、上部旋回体の補償される上向又は下向チルティング角、又は、補償される上向又は下向チルティング角によるチルティング補償軸上においてチルティングユニットの一側の上昇又は下降長さに対応し、作動値算出モジュールは同一チルト軸の両側に連結されるアクチュエータを同一な作動範囲で互いに反対に伸長又は収縮させるように制御する作動値を算出することを特徴とする。
【0015】
さらに、前記課題を解決するために、走行手段が備えられる下部フレームと運転室が備えられる上部旋回体との間に結合されて、上部旋回体をチルティングするようにアクチュエータで作動されるチルティングユニットが備えられ、上部旋回体がチルティングユニットに対して旋回する建設機械のレベリング方法において、
【0016】
(A)チルティング操作入力装置の操作によって生成される位置座標値に相応するチルティング操作信号を伝送され、前記座標値から前記上部旋回体の左右方向、および前後方向を座標軸とする座標上における座標角度と原点から座標点までの座標距離又は大きさを算出する段階と、
【0017】
(B)既把握された前記下部フレームに対する前記上部旋回体の旋回角度と、前記座標角度から、基準面と前記上部旋回体の水平面との間で補償されるチルティング角を形成する前記水平面上のチルティング補償軸と、前記基準面の基準軸との間の平面上の角度を表わす補償軸角度を算出する段階と、
【0018】
(C)前記チルティング操作信号によって前記基準面に対して、前記上部旋回体をチルティングさせるために、前記座標距離又は大きさ、および前記補償軸角度から前記チルティングユニットの中心から放射状に位置されたアクチュエータのうち、作動対象と決定されるアクチュエータの伸長又は収縮の可否と作動範囲を決定する作動値を算出する段階とを含めてからなることを特徴とする建設機械のマニュアルレベリング方法が提供される。
【0019】
好ましくは、前記建設機械のマニュアルレベリング方法において(A)段階は、位置座標値がいずれか一つの座標軸に対する座標角度と原点から座標点までの座標距離又は大きさに表現される場合、前記位置座標値のチルティング操作信号から前記座標角度と座標距離又は大きさを出力し、座標値が上部旋回体の左右方向をX軸、前後方向をY軸とする座標系のX、Y座標値に表現される場合、X、Y座標値から何れか一つの座標軸に対する座標角度および原点から座標点までの座標距離又は大きさを算出することを特徴とする。
【0020】
さらに、好ましくは、チルティングユニットの中心から放射状に位置されたアクチュエータは、平面上互いに‘x’型で実質的に直交するチルト軸がシーソー運動するように一つのチルト軸の両側に結合されるA+アクチュエータとA−アクチュエータ、および異なる一つのチルト軸両側に結合されるB+アクチュエータとB−アクチュエータであり、前記(A)段階において出力される前記座標距離又は大きさは前記上部旋回体の補償される上向又は下向チルティング角、又は、前記補償される上向又は下向チルティング角による前記チルティング補償軸における前記チルティングユニットの一側の上昇又は下降長さに対応し、前記(C)段階において同一チルト軸の両側に連結される各アクチュエータを同一な作動範囲で互いに反対に伸長又は収縮させるように制御する作動値が算出されることを特徴とする。
【0021】
さらに、好ましくは、旋回角度の基準となる前記下部フレームの前方方向の軸と、前記基準面の基準軸の方向が一致し、座標角度は前記上部旋回体の正面方向である正のY軸を基準として測定され、前記旋回角度と同一符号は同一方向、反対符号は反対方向に測定される角度を意味し、基準軸は前記チルト軸の‘x’型交差平面の中心を通る縦方向垂直軸として上側を正の方向にし、補償軸角度は前記座標角度と前記旋回角度の合に算出されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
上述したような本発明の実施例による建設機械のマニュアルレベリングシステムおよびその方法によると、上部旋回体を基準とした使用者の認識によってチルティング操作入力部を操作して手動チルティングが行うので、建設機械の運転上の混乱が防止されて安定性が増大され、チルティング操作が便利になる効果が奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
先ず、本発明が適用される建設機械は走行手段が備えられる下部フレームと、運転室が備えられる上部旋回体との間に結合されて上部旋回体をチルティングするようにアクチュエータで作動されるチルティングユニットが備えられる。運転室と作業装置が取り付けられるブームなどが備えられてスイング可能な上部旋回体と、車輪又は無限軌道などのような走行手段が備えられた下部フレーム、及びこの上部旋回体と下部フレームとの間に介在されて上部旋回体を重力方向に垂直した基準水平面にレベリングさせることができるチルティングユニットが含まれる。さらに、本発明が適用される建設機械は上部旋回体がチルティングユニットに対して旋回するようになっている。チルティングユニットは下部フレームに対して旋回することもできるが、好ましい形では固定されている。
【0024】
以下、先ず、本発明の1つの実施例に適用されるチルティングユニット1の具体的な構成を説明する。
【0025】
図1は本発明が適用される建設機械を概略的に示した斜視図であり、図2は本発明が適用されるチルトユニットを概略的に示した斜視図であり、図3は本発明が適用されるアクチュエータの装着構造を説明するためのチルトユニットの平面図であり、図4Aは本発明が適用されるチルトユニットのスイングベアリング装着プレートを概略的に示した斜視図であり、図4Bは図4Aに示したB−B線における断面図であり、図5は本発明が適用されるチルトユニットのチルトプレートの部分分解斜視図であり、図6Aは本発明が適用されるチルトユニットの斜視図であり、図6Bは図6Aに示したA−A線における断面図であり、図7Aは図2に示したチルト軸Aを基準として示した断面図であり、図7Bは図2に示したチルト軸Aを基準として示した断面図であり、図8は本発明が適用されるチルティングユニットの一実施例に係る使用状態図であり、図9Aないし図9Dは前後左右地面の傾斜に対してレベリングを維持する建設機械の使用状態図である。
【0026】
本発明においてチルト軸はアクチュエータの一端に連結されてアクチュエータの伸長又は収縮によって最大の角度に揺動される中心軸を意味する。アクチュエータが3つで作動される場合、チルト軸は各アクチュエータに対して備えられて3つの軸になることができ、好ましくは4つのアクチュエータに対して一対のアクチュエータが両側に連結される2つのチルト軸が備えられる。
【0027】
チルティングユニットは勾配や坂など地域の傾斜によって装備の傾きが変化するとき、上部旋回体1の傾斜又は傾きを調整して上部旋回体の水平レベルを調整するように山林装備および建設機械用のスイングベアリング9の下部に選択的に脱付着するのに適用する。
【0028】
符号10は下部フレーム、20はスイングベアリング装着プレート、30はチルトプレート、40は支持プレートを参照する。添付された図面を参照して説明すると、チルティングユニットは、
【0029】
上部旋回体1の下部に形成されたスイングベアリング9と、左側および右側のトラックサッシュ(4a、4b)と前記トラックサッシュ(4a、4b)の上部に連結されるプロントアーム3aおよびリアアーム3bとを含む下部走行体10に形成された下部フレーム3の間に搭載されて傾斜された地面(E)に対して、上部旋回体1の水平レベルを維持する山林装備および掘削機レベリング装置において、
【0030】
前記スイングベアリング9の下部にチルト可能に装着され、第1チルト軸(A)を支持するために、前記スイングベアリング9の下方に突出された一対のピボット支持部24と一対の第2ピストンホルダー25とを備えるスイングベアリング装着プレート20と、
【0031】
前記地面(E)の傾斜によって傾く下部フレーム3の上部に固定されて設けられ、第2チルト軸(B)を支持するために突出された一対のピボット支持部44と一対の第1ピストンホルダー45とを備える支持プレート40と、
【0032】
前記スイングベアリング装着プレート20と支持プレート40との間にチルト可能に装着され、
【0033】
本体の一側の端部33aから上方に突出形成された一対の第1ピボットホルダー34と、前記第1ピボットホルダー34から放射状に離隔されるように本体の他側の端部33bから下方に突出形成された一対の第2ピボットホルダー39、前記第1チルト軸(A)を形成するように前記第1ピボットホルダー34と前記スイングベアリング装着プレート20のピボット支持部24を回動可能になるように固定する第1シャフト13、前記第1チルト軸(A)に対して互いに異なる方向に交差される第2チルト軸(B)を形成するように前記第2ピボットホルダー39と、前記支持プレート40のピボット支持部44を回動可能になるように固定する第2シャフト14とを備えるチルトプレート30、および、
【0034】
前記チルトプレート30に一側がそれぞれ固定され、伸長および収縮の駆動時に前記第1チルト軸(A)を揺動させる一対の第1アクチュエータ11a、11bと、伸長および収縮駆動しに前記スイングベアリング装着プレート20の一側を揺動させる他の一対の第2アクチュエータ12a、12bとを含めて構成し、
【0035】
前記チルトプレート30が前記下部フレーム3の長方向の中心線(T)と交差する垂直中心線(C)を含み、前記それぞれのアクチュエータ11a、11b、12a、12bは前記垂直中心線(C)を中心として放射状に離隔設けられてなる。
【0036】
ここで、チルティングユニットの中心から放射状に位置されたアクチュエータは平面上互いに‘x’型で実質的に直交するチルト軸がシーソー運動するように各チルト軸の両側に結合される。好ましくは、前記それぞれのアクチュエータ11a、11b、12a、12bは前記垂直中心線(C)に水平の放射状に実質的に90°の間隔を備えて前記チルトプレート30に固定されて設けられる。本発明において、実質的に90°は正確な90°であるのみならず、90°に近いので外見上ほぼ直交するように見える場合も含む。具体的には80°〜100°の範囲を言い、好ましくは85°〜95°の範囲を、さらに好ましくは88°〜92°の範囲を、最も望ましくは90°をいう。
【0037】
図3に示されたように、前記第1アクチュエータ11a、11bおよび第2アクチュエータ12a、12bのうち、少なくとも一対が前記下部フレーム3の長方向の中心線(T)を基準として略40°ないし50°の左側又は右側に描かれる斜線(R)上において互いに対向するように設けられる。
【0038】
望ましくは、前記第1アクチュエータ11a、11bが前記チルトプレート30の長方向の中心線(T)を基準として略45°左側に回転された斜線(R)上において互いに対向して設けられると、すなわち、一対をなす1つのアクチュエータ11aがフロントアーム3a側に設けられると、他の1つのアクチュエータ11bは対向されるように前記アクチュエータ11aから180°をなす位置のリアアーム3b側に設けられると、他の一対の第2アクチュエータ12a、12bのそれぞれが同様に略45°右側に回転された斜線上において互いに対向するように構成し得るものと理解される。
【0039】
一方、チルティングユニットにおいて、前記チルトプレート30には、前記第1アクチュエータ11a、11bが下方に伸長および収縮駆動可能となるよう支持する一対の第1シリンダーホルダー35、36と、前記第2アクチュエータ12a、12bが上方に伸長および収縮駆動可能となるよう支持する他の一対の第2シリンダーホルダー37、38が構成される。
【0040】
前記第1アクチュエータ11a、11bが下方に伸長および収縮駆動時、前記第1ピボットホルダー34および前記スイングベアリング9のピボット支持部24が上下移動され、前記スイングベアリング装着プレート20のチルティング角度が変化され、前記第2アクチュエータ12a、12bが上方に伸長および収縮駆動時、前記スイングベアリング9の第2ピストンホルダー25が上下移動されて前記スイングベアリング装着プレート20のチルトの角度が変化することができる。
【0041】
チルティングユニットの説明において、スイングベアリング装着プレート20のチルティング角度は水平面(H)に対する傾斜を相殺して上部旋回体1の水平レベルを維持するに必要なスイングベアリング装着プレート20の角度および傾きを含める。
【0042】
また、前記チルトプレート30は前記第1チルト軸(A)方向に相応する多数の横方向のリブ32aおよび前記第2チルト軸(B)方向に相応する縦方向のリブ32bを含めるリブフレームワーク構造を備え、前記第1シリンダーホルダー35、36および前記第2シリンダーホルダー37、38が前記リブ32から突出形成されてなる。
【0043】
好ましくは、前記チルトプレート30に形成された横方向リブ32aと前記縦方向のリブ32bが所定の間隔で交差形成され、前記第1シリンダーホルダー35、36は前記横方向のリブ32aに固定されて上方に突出形成され、第2シリンダーホルダー37、38は前記縦方向のリブ32bに固定されて下方に突出形成される。
【0044】
前記チルトプレート30のリブ32からそれぞれ上方および下方から突出形成された前記第1シリンダーホルダー35、36および第2シリンダーホルダー37、38は前記第1アクチュエータ11a、11bおよび前記第2アクチュエータ12a、12bの伸長および収縮駆動時に加われる荷重をチルトプレート30の横方向のリブ32aおよび縦方向のリブ32bを通じて分散支持する機能を遂行する。
【0045】
前記第2チルト軸(B)は、前記第1チルト軸(A)の下で前記第1チルト軸(A)に対して大略90°の方向に交差してなる。本発明において大略90°の意味は前述した実質的に90°の意味と同一である。
【0046】
前記それぞれのアクチュエータ11a、11b、12a、12bは、油圧によってシリンダーハウジングから伸長および収縮するピストン17を備えるので、前記第1アクチュエータ11a、11bで伸長および収縮するピストン17は前記支持プレート40の第1ピストンホルダー45に固定され、前記第2アクチュエータ12a、12bで伸長および収縮するピストン17は前記スイングベアリング装着プレート20の第2ピストンホルダー25に固定される。
【0047】
前記支持プレート40は前記下部フレーム3の中央に形成されたマウンティングプレート15の上部に固定されて設けられ、取り付けおよび脱着の容易性を考慮してボルトを含む締結部材(図示せず)と溶接手段で固定する方が好適である。
【0048】
図2を参照して第1シャフト13と第2シャフト14の結合関係に対して説明する。前記第1シャフト13はアクチュエータの最大の伸長および収縮の範囲と、それに相応する干渉を考慮するところ、平面図上、前記左右の下部フレーム3の長方向の中心線(T)を基準として40°ないし50°、好ましくは略45°の左側又は右側に回転された斜線の方向に設けられ、前記第1アクチュエータ11a、11bが上下伸長および収縮駆動する際、前記第1ピボットホルダー34が第2チルト軸(B)を形成する前記第2シャフト14を基準として上下移動し、前記スイングベアリング装着プレート20のチルティング角度を変化させるように構成される。
【0049】
さらに、前記第2シャフト14は平面図上前記左右下部フレーム3の長方向の中心線(T)を基準として40°ないし50°、好ましくは大略45°の左側又は右側に回転された斜線の方向に設けられ、前記第2アクチュエータ12a、12bが上下伸長および収縮駆動する際、前記スイングベアリング装着プレート20に形成された第2ピストンホルダー25が第1チルト軸(A)を形成する第1シャフト13を基準として上下移動し、前記スイングベアリング装着プレート20のチルトの角度を変化させるように構成される。
【0050】
前記第1シャフト13と第2シャフト14の構成において、前記斜線方向は、レベリング維持時、チルトプレート30およびスイングベアリング装着プレート20の上下移動範囲と上部旋回体1の重心を考慮し、前記斜線Rと互いに一致するように構成することが好ましい。
【0051】
一方、前記支持プレート40は前記第1チルト軸(A)の方向に相応する多数の横方向リブ42bおよび前記第2チルト軸(B)の方向に相応する縦方向リブ42aを含めるリブフレームワーク構造を備え、前記第1ピストンホルダー45が前記横方向リブ42bから下方に突出形成され、前記第1アクチュエータ11a、11bのピストン17の先端部を回動可能となるよう固定する。
【0052】
前記リブ42から下方に突出形成された前記第1ピストンホルダー45は、前記第1アクチュエータ11a、11bの伸長および収縮駆動時、ピストン17を介して加えられる加重を横方向リブ42bおよび縦方向リブ42aを介して分散支持する機能を行う。
【0053】
前記スイングベアリング装着プレート20は、前記第1チルト軸(A)方向に相応する多数の横方向リブ22aおよび前記第2チルト軸(B)方向に相応する縦方向のリブ22bを含むリブフレームワーク構造を備え、前記第2ピストンホルダー25は前記縦方向のリブ22bから下方に突出形成されて、前記第2アクチュエータ12a、12bのピストン17を回動可能となるように固定する。
【0054】
前記スイングベアリング装着プレート20のリブ22から下方に突出形成された第2ピストンホルダー25は、第2アクチュエータ12a、12bの伸長および収縮駆動時に加えられる力又は荷重を縦方向リブ22bおよび横方向リブ22aを介して分散支持する機能を行う。
【0055】
前記第1シリンダーホルダー35、36および第2シリンダーホルダー37、38は、図5に示されたように、前記それぞれの第1ピボットホルダー34の内側面を放射状に延長した時に形成される直径(D)の内部に構成される。チルティングユニットの色々多様な実施例によると、前記第1および第2アクチュエータ11a、11b、12a、12bを設けるために、前記第1シリンダーホルダー35、36および第2シリンダーホルダー37、38の外側に別途でブラケットやトラニオン(trunnion)を設ける変更が可能である。
【0056】
チルティングユニットの実施例によると、図3に示されたように、第1チルト軸(A)を形成する一対の第1シャフト13を、平面図上、前記左右下部フレーム3の長方向の中心線(T)を基準として略40°ないし50°左側に回転された斜線(R)上で互いに対向するように設けるとき、前記それぞれの第1シリンダーホルダー35、36は通常的な回動ピン部材を備えて、チルトプレート30の上部で前記斜線(R)に相応して180°間隔で離隔形成され、第2シリンダーホルダー37、38はチルトプレート30の下部で前記斜線(R)に相応して180°の間隔に離隔形成され、前記第1および第2アクチュエータ11a、11b、12a、12bも前述した配置構造を維持し、前記それぞれの第1シリンダーホルダー35、36および第2シリンダーホルダー37、38に伸長および収縮駆動可能となるように装着される。
【0057】
さらに、図1ないし図3および図7に示されたように、前記支持プレート40が前記下部フレーム3の上部、あるいは、マウンティングプレート15の上部に固定されて設けられる時、前記チルトプレート30から上方に所定の高さを有するように突出された一対の第1ピボットホルダー34と、下方に所定の高さを有するように突出された第2ピボットホルダー39を平面図上大略90°の間隔に構成するか、第1チルト軸(A)が前記下部フレーム3の長方向の中心線(T)と略45°左側に回転された斜線方向の配置に構成することが好適である。
【0058】
チルティングユニットの構成において、前記下部フレーム3の長方向の中心線(T)は通常的なトラックサッシュ4a、4bの長方向の大略中央側に形成されるトラック中心線を含めて、チルトフレーム30の垂直中心線(C)および斜線(R)は、上部旋回体1の移動とその重心を考慮し、下部フレーム3上で移動する変形が可能であると理解されなければならない。
【0059】
チルティングユニットの説明において、スイングベアリング装着プレート20は、ボルティングの組み立てを介して従来のスイングベアリング9の色々な仕様によって脱着可能であり、スイングベアリング装着プレート20の略中央に貫通部をさらに形成してターニングジョイントや油圧配管および電気装置などを設けることが出来るのは勿論のことである。
【0060】
説明されていない符号14は、チルトプレート30の第2ピボットホルダー39と支持プレート40のピボット支持部44との結合孔41に軸結合される第2シャフトを表示し、18はピストンホルダー25、45に締結するためのピストン固定ピン部材、19はピボット回動可能となるように前記アクチュエータ11a、11b、12a、12bの一側とそれぞれのシリンダーホルダー35、36、37、38を締結するためのシリンダー固定部材、26はスイングベアリング締結用の固定ボルトを結合するための締結孔、46はアクチュエータハウジングを固定するためのシリンダーホルダーカバーを表示する。
【0061】
以下、チルティングユニットの作動原理および作用効果を説明すると、次の通りである。
【0062】
チルティングユニットは通常的にエンジンに繋げられた油圧ポンプによって作動油の油圧を動力源に作動するところ、
【0063】
図1ないし図3に示されたように、左、右トラックサッシュ4a、4bに繋げられた下部フレーム3の大略中央側に形成されたマウンティングプレート15の上部に支持プレート40が搭載され、支持プレート40の上部には支持プレート40のピボット支持部44とチルトプレート30の第2ピボットホルダー39が第2シャフト14によって所定の角度にチルト可能となるように結合され、チルトプレート30の上部には第1ピボットホルダー34とスイングベアリング装着プレート20のピボット支持部24が第1シャフト13によって所定の角度にチルト可能となるように結合されることによって、上部旋回体1およびスイングベアリング9がスイングベアリング装着プレート20の上部で第1アクチュエータ11a、11bおよび第2アクチュエータ12a、12bの駆動力を介して支持される。
【0064】
下部走行体10が水平面(H)に対して傾斜をなす地面(E)を移動する際、第1シャフト13と第2シャフト14はそれぞれ高さが異なって方向が互いに直交する第1チルト軸(A)および第2チルト軸(B)に作用し、第1アクチュエータ11a、11bおよび第2アクチュエータ12a、12bの伸長および収縮駆動によってスイングベアリング装着プレート20が第1チルト軸(A)および第2チルト軸(B)の方向に沿って予め設定された上下シーソー運動をしてチルトの角度を変化する。
【0065】
例えば、中心線(T)を基準として略40°ないし50°回転された斜線(R)において第1アクチュエータ11a、11bの伸長および収縮駆動時、チルトプレート30の本体の両側端部33aに放射状に離隔された一対の第1ピボットホルダー34およびスイングベアリング装着プレート20のピボット支持部24が第2シャフト14の中心線(第2チルト軸(B)を意味する)を基準としてシーソー運動をし、上下変異を有して、それによってスイングベアリング装着プレート20のチルトの角度が変化される。
【0066】
又は、第2アクチュエータ12a、12bの伸長および収縮駆動時には、前記スイングベアリング装着プレート20の縦方向リブ22bの外側端部23がチルトプレート30の第1シャフト13の中心線(第1チルト軸(A)を意味する)を基準として上下シーソー運動をし、上下変異を有して、それによってスイングベアリング装着プレート20のチルトの角度が変化される。
【0067】
好ましくは、一対をなす第1アクチュエータ11aおよび11b、そして、他の一対をなす第2アクチュエータ12aおよび12bがチルトプレート30の垂直中心線(C)を中心として時計方向に略90°の間隔を維持した状態で順次的に、又は、同時に上下伸長および収縮駆動する際、前記スイングベアリング装着プレート20はチルトプレート30に形成された第1シャフト13および第2シャフト14の上下変位を介して地面(E)の傾斜によって上部旋回体1の水平レベルに要求される角度の変化をなす。
【0068】
例えば、坂道を下りる途中に地面(E)の傾斜のため、第2チルト軸(B)は地面(E)に対して水平の状態であるが、第1チルト軸(A)が傾斜をなす状態である場合には、第1チルト軸(A)の傾斜を相殺することができるようにスイングベアリング装着プレート20と結合されたチルトプレート30の第1シャフト13側が第2シャフト14を基準としてシーソー運動するようになる。
【0069】
この場合、図7Aを参照すると、チルトプレート30のそれぞれの第1シリンダーホルダー35、36に固定された図面上の左側の第1アクチュエータ11aのピストン17が伸長すると同時に対向する位置の図面上の右側の第1アクチュエータ11bのピストン17が収縮駆動できる。
【0070】
それによって、第1シャフト13により結合されたチルトプレート30の第1ピボットホルダー34およびスイングベアリング装着プレート20のピボット支持部24がそれぞれ第2シャフト14(第2チルト軸(B)を意味する)を基準として左右シーソー運動を行い、地面(E)の傾斜を相殺するまでスイングベアリング装着プレート20のチルティング角度が調整されつつ、スイングベアリング9及び上部旋回体1の水平レベルが水平面(E)に一致するように維持される。
【0071】
ここで、第1アクチュエータ11a、11bの伸長および収縮駆動時、チルトプレート30及び支持プレート40に加えられる荷重は、第1シリンダーホルダー35、36及び支持プレート40の第1ピストンホルダー45を介してそれぞれのリブ32、42に形成されたリブフレームワーク構造によって分散支持される。
【0072】
さらに、第1アクチュエータ11a、11bが下部フレーム3の長方向の中心線(T)を基準として大略40°乃至50°の左側又は右側にて最大に上下伸長および収縮することができるので、上部旋回体1の後方部(R)が下部フレーム3のトラックサッシュ4a、4bに対して衝突又は干渉しないことがわかった。
【0073】
これは、第1アクチュエータ11a、11b、又は、第2アクチュエータ12aおよび12bを左右の下部フレーム3の長方向の中心線(T)側に隣接するように設ける場合、最大範囲の伸長および収縮過程において上部旋回体1の下部が左側および右側のトラックサッシュ4a、4bに干渉したり衝突する危険を除去することである。
【0074】
一方、第1チルト軸(A)は地面(E)に対して水平な状態であるが、第2チルト軸(B)が傾斜をなす場合には、第2チルト軸(B)の傾斜を相殺することができるように第1シャフト13を基準としてスイングベアリング装着プレート20の両側の端部23がシーソー運動を行うようになる。
【0075】
すなわち、図7Bに示されたように、スイングベアリング装着プレート20の両側の端部23に隣接した第2ピストンホルダー25にそれぞれの第2アクチュエータ12aが図面上左側から伸長すると同時に、これに対向する位置の図面上右側の第2アクチュエータ12bが収縮駆動される。
【0076】
それによって、チルトプレート30および支持フレーム40は下部フレーム3の上部において傾斜をなされても、スイングベアリング装着プレート20の左側および右側が第1シャフト13(第1チルト軸(A)を意味する)を基準として左右シーソー運動を行い、地面(E)の傾斜を相殺するまでスイングベアリング装着プレート20のチルティング角度が調整されつつ、スイングベアリング9及び上部旋回体1の水平レベルが水平面(E)に一致するように維持される。
【0077】
一方、図9Aないし9Bに示されたように、地面(E)の傾斜のために、上部旋回体1が下部フレーム3の長方向の中心線(T)に相応する前方および後方側に傾いたり、左側および右側に傾く場合には、第1チルト軸(A)および第2チルト軸(B)全てが地面(E)に対して傾斜をなし、この場合には、第1シャフト13と第2シャフト14が同時に、あるいは、順次的にシーソー運動を行わなければならない。
【0078】
すなわち、上部旋回体1の下部の前方(F)や後方(R)、左側(L)、又は、右側(R)が左右のトラックサッシュ4a、4bに対する衝突および干渉の危険を除去しつつ、上部旋回体1の水平レベルを維持することができるように第1アクチュエータ11a、11bおよび第2アクチュエータ12a、12b全てがそれぞれ伸長および収縮駆動しスイングベアリング装着プレート20のピボット支持部24および第2ピストンホルダー25側を押し上げたり引っ張ったりする。
【0079】
この際、チルティング角度の変化のためにスイングベアリング装着プレート20およびチルトプレート30の揺動の動きはチルトプレート30のそれぞれのシリンダーホルダー35、36、37、38に固定されたそれぞれのアクチュエータ11a、11b、12a、12bがそれぞれ交代に、あるいは、順次的に伸長および収縮駆動したり、あるいは、ほぼ同時に駆動しつつなされ、そのようなチルト作動時、第1シャフト13および第2シャフト14を基準として上下シーソー運動する作動原理は同様なので、詳細な説明は省略する。
【0080】
チルティングユニットの実施例によると、チルトプレート30および支持プレート40が下部フレーム3の大略中央側に形成されたマウンティングプレート15に設けられ、第1アクチュエータ11a、11bが下部フレーム3の長方向の中心線(T)を基準として略45°左側に描かれる斜線(R)上で互いに対向するように設けられ、第2アクチュエータ12a、12bは略45°右側で互いに対向されるようにする時、機械の前後左右それぞれのレベリング範囲が略水平面(H)に対して20°以上調節されることと現れた。
【0081】
これは、チルティングユニットによってスイングベアリング装着フレーム20の上部に装着される上部旋回体1のチルト範囲が建設機械の左右方向の傾斜地域であったり、前後方向の傾斜地域に対して偏重されずに大略対称的に作用するようにして、従来に比べ構造的にアクチュエータの容量および大きさが相対的に低減されると同時に装備の高さも低く維持することができる。
【0082】
上述したそれぞれの第1アクチュエータ11a、11bおよび第2アクチュエータ12a、12bの伸長および収縮駆動は傾斜された地面(E)を移動時に要求される上部旋回体1のチルトの角度によって必要な油量又はシリンダの大きさなどを制御するために予め設定されたアルゴリズムによって色々な変形が可能である。
【0083】
以下、本発明が適用されるチルティングユニットの形成位置をさらに具体的に限定する。4つのアクチュエータ11a、11b、12a、12bは、図3および図10を参照して、左側の上方(以下、A+と略す)、左側の下方(以下、B+と略す)、右側の上方(以下、B−と略す)、右側の下方(以下、
A−と略す)にそれぞれ位置されるが、各アクチュエータは下部クレームの長方向の中心線(T)を基準として45°左側又は右側に描かれる斜線(R)上で互いに対向されるように設けられてなる。
【0084】
このようなチルティングユニットの作動はA+アクチュエータ11aとA−アクチュエータ11bはいずれか一方が伸長されると他の一方が収縮され、同様にB+アクチュエータ12aとB−アクチュエータ12bもいずれか一方が伸長されると他の一方が収縮される。
【0085】
以下、添付の図面の好ましい実施例を介して、本発明に係る建設機械のマニュアルレベリングシステムの構成と作用をさらに具体的に調べる。
【0086】
図10は本発明が適用される下部フレームとチルティングユニットを簡略に示した平面図であって、図11は本発明の好ましい実施例にかかるチルティング操作入力部の座標を示した図であって、図12は本発明の好ましい実施例にかかるチルティング操作入力部の座標値の変換過程を示すプローチャートであって、図13は本発明の好ましい実施例にかかる作動値算出の作動区間を示した図であって、図14は本発明の好ましい実施例にかかる作動値算出過程を示すプローチャートであって、図15は本発明の好ましい実施例にかかる建設機械のマニュアルレベリングシステムを示したブロック図である。
【0087】
本発明の好ましい実施例にかかる建設機械のマニュアルレベリングシステム100は、上部旋回体の旋回角度を感知して旋回角度に対する信号を伝送する旋回角度感知部(図示せず)と、使用者によって操作された位置により上部旋回体の左右方向および前後方向を座標軸とする座標上における座標値に相応するチルティング操作信号を生成して伝送するチルティング操作入力部(図示せず)と、チルティング操作信号によって基準面に対して上部旋回体をチルティングさせるために、伝送されたチルティング操作信号の座標値と、上部旋回体の旋回角度を用いて前記チルティングユニットの中心から放射状に位置されたアクチュエータらのうち、作動対象を決定し、作動対象であるアクチュエータの伸張又は収縮の可否と作動範囲を決定する作動値を算出する制御部120とを含めてなる。
【0088】
チルティング操作入力部は図15に示されたチルトジョイスティックのようなチルティング操作入力装置110を含めてからなる。チルティング操作入力装置110はトラックボールの形態であることもあり、好ましくはチルトジョイスティックの形態である。
【0089】
チルティング操作入力部のチルティング操作入力装置110は、使用者の操作がない場合には平面上に垂直になるように位置され、使用者はこれを意図する方向に傾けて操作する方式で、この傾いた方向と傾けた程度によって操作命令が発生する。この際、操作の命令は上部旋回体の左右の方向をX軸、前後の芳香をY軸からなった座標を考慮する時、チルティング操作入力部の変位された位置が座標値で表現される。本発明でチルティング操作入力部の座標値はX軸値とY軸値で表現されたり、又は、該当座標のX軸又はY軸に対する角度および原点からの大きさの値で表現される。
【0090】
図11に示された座標を参照すると、操作命令はチルティング操作入力装置110が傾くによって入力される座標値を意味し、各軸の最大の範囲の値、すなわち、チルティング操作入力装置110の最大入力大きさ値を使用者の便宜に応じて、例えば、図11でのように16383と定めることができる。このような数値はアクチュエータの最大値作動のための電気信号値を算出するために、適合な数値で定義することもあるし、上述された16383値によって本発明の範囲が縮小、あるいは、限定解析されない。このような各軸の最大範囲は本発明の具体的適用によって設計変更される。
【0091】
一方、制御部120においては、チルティング操作入力部のチルティング操作信号の座標値から座標角度と座標距離、あるいは、大きさを算出する操作信号分析モジュール121と、アクチュエータを選定する基準である補償軸角度を座標角度と上部旋回体の旋回角度から算出する補償軸角度算出モジュール122およびこの補償軸角度と座標距離又は大きさから各アクチュエータの伸長又は収縮の可否および作動範囲を決定する作動値を算出する作動値算出モジュール123が含まれる。
【0092】
操作信号分析モジュール121は、座標値から座標角度および原点から座標点までの座標距離又は大きさを出力するが、出力される座標距離又は大きさは上部旋回体の補償される上向又は下向チルティング角度、又は、補償される上向又は下向チルティング角度によるチルティング補償軸上でチルティングユニットの一側の上昇又は下降長さに対応する。
【0093】
一つの実施例において、前記操作信号分析モジュール121でチルティング操作入力部から伝送された座標値を上部旋回体の正面を基準とする軸に対して時計方向に回転された座標角度と、座標の原点からの距離(あるいは、大きさ)である座標距離、あるいは、大きさ(JAmp)に算出する。
【0094】
一つの実施例において、座標角度を時計方向の回転を基準として0°〜360°と定める場合、操作信号分析モジュールで座標値が0<X軸値(x)であり、0≦Y軸値(y)の場合に、座標大きさ(JAmp)は
【数1】

で算出され、
座標角度(JAng)は、
【数2】

で算出される。ここで、常数57.2957は逆正接(arctangent)によるラジアン値をディグリー(degree)値に換算するためのものであって、正確には180/πとなる。このような常数値の適切な変更は当業者によって自明である。
【0095】
一方、座標値が0≦X軸値であり、0>Y軸値である場合には、座標距離又は大きさ(JAmp)は、
【数3】

で算出され、
座標角度(JAng)は、
【数4】

で算出される。
【0096】
一方、座標値が0>X軸値であり、0≧Y軸である場合には、座標距離又は大きさ(JAmp)は、
【数5】

で算出され、
座標角度(JAng)は、
【数6】

で算出される。
【0097】
一方、座標値が0≧X軸値であって、0<Y軸値である場合には、座標距離又は大きさ(JAmp)は、
【数7】

で算出され、
座標角度(JAng)は、
【数8】

で算出される。
【0098】
一方、座標値がX軸値=0であって、Y軸値=0である場合には、座標距離、あるいは、大きさ(JAmp)は0と算出され、座標角度(JAng)は0と算出される。
【0099】
このような座標角度が360と算出される場合には、360°が0°と同一な意味なので、この際の座標角度は0と算出される。
【0100】
他の実施例として、座標角度は−180°〜180°の範囲に定められるし、また他の実施例としては異なる範囲に定めることができる。
【0101】
一方、補償軸角度の算出モード122は、作動されるアクチュエータを選定する基準となる補償軸角度を座標角度と下部フレームに対する上部旋回体の旋回角度から算出するが、補償軸角度は基準面と上部旋回体の水平面との間において補償されるチルティング角度を形成する水平面上のチルティング補償軸と基準面の基準軸との間の平面上の角度を示す。ここで、基準面は傾斜された上部旋回体をレベリングするために基準となる面を意味し、好ましくは重力方向に垂直の面である。そして、基準面の基準軸は、上部旋回体をチルティング補償するためのチルティング角度をなす基準になる。好ましくは、基準軸は下部フレームの正面の方向軸と平面上で一致する。
【0102】
このような補償軸角度は上部旋回体の現在の旋回角度を含むのでチルトの基準を下部フレームで上部旋回体に変更される。一の実施例において、補償軸角度は「座標角度+上部旋回体の旋回角度」で算出する。
【0103】
一の実施例において、旋回角度の基準となる下部フレームの前方方向軸と基準面の基準軸の方向が一致し、座標角度は上部旋回体の正面方向である正のY軸を基準として測定され、旋回角度と同一符号は同一方向、反対符号は反対方向に測定される角度を意味し、基準軸はチルト軸の‘x’型の交差平面の中心を通る縦方向の垂直軸として上側を正の方向にし、補償軸角度は座標角度と旋回角度の合で算出される。
【0104】
一方、作動値算出モジュール123では、各アクチュエータの伸長、あるいは、収縮の可否を決定し、補償軸角度と座標距離、あるいは、大きさ(JAmp)を考慮して各アクチュエータの作動範囲を決定する作動値を算出する。一の実施例において同一チルト軸の両側に連結されるアクチュエータを同一な作動範囲で互いに反対に伸長又は収縮させるように制御する作動値を算出する。
【0105】
一の実施例において、チルト軸が交差する‘x’型の平面上においてチルト軸を基準として補償軸角度の範囲によって作動区間を分割し作動値を算出することができる。この場合、作動値において正の符号はチルティング操作信号による座標方向での補償しようとするチルティング方向と同一にアクチュエータが作動されるようにし、負の符号は反対に作動されるようにする。すなわち、下向チルティング信号の場合、チルティング操作方向にあるアクチュエータが収縮されるようにして、上向チルティング信号の場合、チルティング操作方向にあるアクチュエータが伸長されるように作動される。
【0106】
ここで、アクチュエータらのチルト軸との結合地点らを繋げて実質的に半径rである円弧を描くと、座標距離、あるいは、大きさからチルティング補償されるチルティングユニットの前述したで円弧上において最大上昇、あるいは、下降の長、あるいは、高さを算出することができ、このようなチルティングユニットの前記の円弧上において最大上昇、あるいは、下降の長、あるいは、高さをhとすると、前記の円弧上の円弧の長と上昇、あるいは、下降の高さとの間の線形的な比を用いて概略的に下記のように作動値を求めることができる。
【0107】
ここで、αは補償軸角度の大きさの値であって、チルティング補償しようとするチルティング操作入力装置の操作座標の方向に下向チルティングされるように操作する場合であれば、作動値の正の値はアクチュエータを収縮させるように作動させることを意味し、負の値はアクチュエータを上昇させるように作動させることを意味する。ここで、A+、B+アクチュエータの作動値はA−、B−アクチュエータの作動値と絶対値が同じであるが、符号が異なってA−、B−アクチュエータと反対にA+、B+アクチュエータを伸長、あるいは、収縮させる。次の実施例における補償軸角度の範囲の選定と、作動値の計算における円弧の長はチルト軸の精密な交差角によって異なるように設定することができ、このような変更は当該技術分野における通常の知識を有するものに自明である。
【0108】
i)前記補償軸角度が−45°以上45°未満、すなわち、補償軸角度が大きさ(α)が−45≦α<45であると、
A+の作動値[数9]は、[数10]から[数11]であって、
【数9】

【数10】

【数11】

B−の作動値[数12]は、[数13]から[数14]である。
【数12】

【数13】

【数14】

【0109】
ii)前記補償軸角度が45°以上135°未満、すなわち、補償軸角度が大きさ(α)が45≦α<135であると、
A+の作動値[数9]は、[数15]から[数16]であって、
【数9】

【数15】

【数16】

B−の作動値[数12]は、[数17]から[数18]である。
【数12】

【数17】

【数18】

【0110】
iii)前記補償軸角度が135°以上180°未満と−180°以上−135°未満の範囲は、135°以上225°未満の範囲と同一なので、補償軸角度が大きさ(α)が135≦α<225の範囲であると、
A+の作動値[数9]は、[数19]から[数20]であって、
【数9】

【数19】

【数20】

B−の作動値[数12]は、[数21]から[数22]である。
【数12】

【数21】

【数22】

【0111】
iv)前記補償軸角度が−135°以上−45°未満、すなわち、補償軸角度が大きさ(α)が−135≦α<−45であると、
A+の作動値[数9]は、[数23]から[数24]であって、
【数9】

【数23】

【数24】

B−の作動値[数12]は、[数25]から[数26]である。
【数12】

【数25】

【数26】

【0112】
さらに、他の一の実施例において、本発明が適用されるチルティングユニットの第1アクチュエータと第2アクチュエータの配置の特性によって、図13に示されたように、上部旋回体の正面方向を基準として、それぞれ45°の間隔を有する作動区間(セクター1ないしセクター8)に分割し、この作動区間によって各アクチュエータの作動方向と関係された作動値を算出する。
【0113】
さらに具体的に補償軸角度の大きさによって該当作動区間において、各アクチュエータの配置の位置と作動可能な範囲を考慮した作動角度(CPer)を定義し、この作動角度(CPer)と座標距離又は大きさ(JAmp)を変数として各アクチュエータの伸長又は収縮の可否と作動範囲を決定する作動値を次のような制御値に算出する。
【0114】
図13にかかる作動区間におよって作動角度(CPer)、A+、A−アクチュエータの制御値(AVCon)およびB+、B−アクチュエータの制御値(BVCon)は次のように算出される。ここで、作動角度を求めることにおいて50/45をかけることは45°の範囲の角度値を100の範囲に換算するためのものであって、100の範囲に換算するために作動区間別に50を必要に応じて加えたものである。100の範囲に換算されることによって、作動区間を考慮し作動角度を含めて補正した値と座標距離、あるいは、大きさ(JAmp)から作動値を決定するために座標距離、あるいは、 大きさ(JAmp)を100で割った。このような数値の選定は多様に変更して適用することができるのは自明である。
【0115】
作動区間1:0<補償軸角度(CAng)≦45の範囲であるとき、
作動角度(CPer)は、
【数27】

で算出され、
A+アクチュエータの制御値(AVCon)は、
【数28】

で算出され、
B+アクチュエータの制御値(BVCon)は、
【数29】

で算出される。
【0116】
作動区間2:45<補償軸角度(CAng)≦90の範囲であるとき、
作動角度(CPer)は、
【数30】

で算出され、
A+アクチュエータの制御値(AVCon)は、
【数31】

で算出され、
B+アクチュエータの制御値(BVCon)は、
【数32】

で算出される。
【0117】
作動区間3:90<補償軸角度(CAng)≦135の範囲であるとき、
作動角度(CPer)は、
【数33】

で算出され、
A+アクチュエータの制御値(AVCon)は、
【数31】

で算出され、
B+アクチュエータの制御値(BVCon)は、
【数32】

で算出される。
【0118】
作動区間4:135<補償軸角度(CAng)≦180の範囲であるとき、
作動角度(CPer)は、
【数34】

で算出され、
A+アクチュエータの制御値(AVCon)は、
【数35】

で算出され、
B+アクチュエータの制御値(BVCon)は、
【数36】

で算出される。
【0119】
作動区間5:180<補償軸角度(CAng)≦225の範囲であるとき、
作動角度(CPer)は、
【数37】

で算出され、
A+アクチュエータの制御値(AVCon)は、
【数35】

で算出され、
B+アクチュエータの制御値(BVCon)は、
【数36】

で算出される。
【0120】
作動区間6:225<補償軸角度(CAng)≦270の範囲であるとき、
作動角度(CPer)は、
【数38】

で算出され、
A+アクチュエータの制御値(AVCon)は、
【数39】

で算出され、
B+アクチュエータの制御値(BVCon)は、
【数40】

で算出される。
【0121】
作動区間7:270<補償軸角度≦315の範囲であるとき、
作動角度(CPer)は、
【数41】

で算出され、
A+アクチュエータの制御値(AVCon)は、
【数39】

で算出され、
B+アクチュエータの制御値(BVCon)は、
【数40】

で算出される。
【0122】
作動区間8:315<補償軸角度≦359の範囲であるとき、
作動角度(CPer)は、
【数42】

で算出され、
A+アクチュエータの制御値(AVCon)は、
【数28】

で算出され、
B+アクチュエータの制御値(BVCon)は、
【数29】

で算出される。
【0123】
さらに、補償軸角度が0の場合、
作動角度(CPer)は、
【数43】

に算出され、
A+アクチュエータの制御値(AVCon)は、
【数28】

で算出され、
B+アクチュエータの制御値(BVCon)は、
【数29】

で算出される。
【0124】
このように算出されたA+、A−アクチュエータの制御値(AVCon)と、B+、B−アクチュエータの制御値(BVCon)は、0、正数又は負数の値を有するようになっている。このような制御値はアクチュエータを作動させる作動値として機能する。
【0125】
この際、チルティング補償のためのチルティング操作信号が下向チルティング調整を意味する場合、制御値(AVCon、あるいは、BVCon)が正数の場合には、A+アクチュエータ又はB+アクチュエータを収縮させると同時に、A−アクチュエータ又はB−アクチュエータを伸張させることを決定する意味がある。一方、負数の場合には、A+アクチュエータ又はB+アクチュエータを伸張させると同時に、A−アクチュエータ又はB−アクチュエータを収縮させることを決定する意味がある。
【0126】
即ち、A+アクチュエータとA−アクチュエータは、互いに対向された位置に置かれていずれか1つのアクチュエータが伸長すると、これと対応されるように残りの1つのアクチュエータが収縮するように設計されているので、互いに作動の長は同一であるが、ただ、伸長、あるいは、収縮の可否が互いに反対になる。
【0127】
このような構成は、B+アクチュエータとB−アクチュエータにおいても同一である。したがって、作動値として制御値(AVCon、BVCon)が定められると、この制御値、あるいは、作動値の符号によって各アクチュエータの伸長、あるいは、収縮の可否が定められ、この作動値の大きさによって各アクチュエータの作動範囲が決定されるものである。
【0128】
以下、添付された図面の好ましい実施例を介して、本発明にかかる建設機械のマニュアルレベリング方法の構成と作用をさらに具体的に調べてみる。
【0129】
走行手段が備えられる下部フレームと運転室が備えられる上部旋回体との間に結合され、上部旋回体をチルティングするようにアクチュエータで作動されるチルティングユニットが備えられて、上部旋回体がチルティングユニットに対して旋回する建設機械のレベリング方法において、
【0130】
(A)チルティング操作入力装置の操作によって生成される位置座標値に相応するチルティング操作信号を伝送され、前記座標値から前記上部旋回体の左右方向、および前後方向を座標軸とする座標上における座標角度と原点から座標点までの座標距離、あるいは、大きさを算出する段階と、
【0131】
(B)既把握された前記下部フレームに対する前記上部旋回体の旋回角度と、前記座標角度から、基準面と前記上部旋回体の水平面との間で補償されるチルティング角を形成する前記水平面上のチルティング補償軸と、前記基準面の基準軸との間の平面上の角度を表わす補償軸角度を算出する段階と、
【0132】
(C)前記チルティング操作信号によって前記基準面に対して、前記上部旋回体をチルティングさせるために、前記座標距離、あるいは、大きさ、および前記補償軸角度から前記チルティングユニットの中心から放射状に位置されたアクチュエータのうち、作動対象と決定されるアクチュエータの伸長、あるいは、収縮の可否と作動範囲を決定する作動値を算出する段階とを含めてからなる。
【0133】
好ましくは、前記建設機械のマニュアルレベリング方法において、(A)段階では、位置座標値がいずれか一つの座標軸に対する座標角度と原点から座標点までの座標距離、あるいは、大きさに表現される場合、位置座標値のチルティング操作信号から前記座標角度と座標距離、あるいは、大きさを出力する。
【0134】
一実施例において、位置座標値が上部旋回体の左右方向をX軸、前後方向をY軸とする座標系のX、Y座標値で表現される場合には、X、Y座標値からいずれか1つの座標軸に対する座標角度および原点から座標点までの座標距離、あるいは、大きさを算出する。
【0135】
この場合、チルティング操作入力装置の位置を上部旋回体の左右方向をX軸、前後方向をY軸となされた座標において、座標値(X軸値とY軸値)と入力される段階と、前記座標値(X軸値とY軸値)によってチルティング操作入力装置の位置を座標の原点での長である座標距離、あるいは、大きさと、正のY軸を基準とした角度である座標角度に算出する段階と経てなされる(s1ないしs11)。座標値(X軸値とY軸値)によってチルティング操作入力装置の位置を座標の原点での長である座標距離、あるいは、大きさと、正のY軸を基準として角度である座標角度に算出する具体的内容は前記されたことと同様なので、重なった説明は省略する。
【0136】
さらに、好ましくは、前記した(A)段階において出力される座標距離、あるいは、大きさは、上部旋回体の補償される上向、あるいは、下向のチルティング角、あるいは、補償される上向、あるいは、下向のチルティング角によるチルティング補償軸上におけるチルティングユニットの一側の上昇、あるいは、下降の長に対応する。
【0137】
一方、(B)段階は、前記座標距離、あるいは、大きさ(JAmp)が0である場合には、前記(A)段階に戻って使用者の操作命令がない場合、アクチュエータの作動値(AVCon、BVCon)を0にしてアクチュエータの作動がない状態で、使用者のチルティング操作入力装置の操作による操作命令の待機状態を維持する(s11ないしs12)。
【0138】
仮に、チルティング操作入力装置で操作命令において、座標距離、あるいは、大きさ(JAmp)が0ではない場合には、補償軸角度を座標角度と下部フレームに対する上部旋回体の旋回角度から算出する。具体的な説明は前記を参照する。
【0139】
一実施例において「補償軸角度=座標角度+上部旋回体の旋回角度」で算出する(s13)。
【0140】
一方、(C)段階は、前述したことによって、補償軸角度による作動区間を分けて、各作動区間別に作動値、例えば、A+の作動値(A+v)、B−の作動値(B-v)を、前述したことによって算出する。これに対する具体的な算出内容は、前述した方法と同じなので、詳しい説明は省略する。
【0141】
他の実施例により、(C)段階は、前述したことによって、補償軸角度による作動区間を分けて、各作動区間で作動角度(CPer)、 A+、A−アクチュエータの制御値(AVCon)、B+、B−アクチュエータの制御値(BVCon)を、前述したことによって算出する(s14ないしs29)。これに対する具体的な算出内容は、前述した方法と同じなので、詳しい説明は省略する。
【0142】
例えば、チルティング補償のためのチルティング操作信号が下向チルティング調整を意味する場合には、前記のように算出されたA+、A−アクチュエータの制御値(AVCon)、B+、B−アクチュエータの制御値(BVCon)が正数であると、A+、B+アクチュエータは該当作動値の大きさだけ収縮し、A−、B−アクチュエータは伸張するように作動命令を伝送し、負数であると、A+、B+アクチュエータは該当作動値の大きさだけ伸張し、A−、B−アクチュエータは収縮するように作動命令を伝送する(s30)。チルティング操作信号によってチルティング操作座標方向で下向チルト補償される場合には、正の値はアクチュエータが収縮するように、負の値は伸長するように作動命令を伝送するようになる。
【0143】
以上で、本発明は添付された図面を参照して好ましい実施例を中心として具体的に説明された。添付された図面および前記した実施例は本発明対する当該技術分野における通常の知識を有する者の理解を助けるために例示的に説明されたものであって、本発明の本質的な特性から外れない範囲内で変更された形態に具現することができるのは自明である。
【0144】
なお、前記した実施例は制限的なものではない例示的なものであり、本発明の範囲は前記した実施例ではない添付された特許請求の範囲に記載された発明に基づいて解析されなければならならず、その範囲は当該技術分野における通常の知識を有する者による様々な変更、代案、均等物を含める。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明が適用される建設機械を概略的に示した斜視図である。
【図2】本発明が適用されるチルトユニットを概略的に示した斜視図である。
【図3】本発明が適用されるアクチュエータの装着構造を説明するためのチルトユニットの平面図である。
【図4A】本発明が適用されるチルティングユニットのスイングベアリング装着プレートを概略的に示した斜視図である。
【図4B】図4Aに示したA−A線における断面図である。
【図5】本発明が適用されるチルティングユニットのチルトプレートの部分分解斜視図である。
【図6A】本発明が適用されるチルティングユニットの斜視図である。
【図6B】図6Aに示したB−B線における断面図である。
【図7A】図2に示したチルト軸Aを基準として示した断面図である。
【図7B】図2に示したチルト軸Aを基準として示した断面図である。
【図8】本発明が適用されるチルティングユニットの一実施例に係る使用状態図である。
【図9A】前後左右地面の傾斜に対してレベリングを維持する建設機械の使用状態図である。
【図9B】前後左右地面の傾斜に対してレベリングを維持する建設機械の使用状態図である。
【図9C】前後左右地面の傾斜に対してレベリングを維持する建設機械の使用状態図である。
【図9D】前後左右地面の傾斜に対してレベリングを維持する建設機械の使用状態図である。
【図10】本発明が適用される下部フレームをチルティングユニットとを簡略化して示した平面図である。
【図11】本発明の好ましい実施例にかかるチルティング操作入力部の座標を示した図である。
【図12】本発明の好ましい実施例にかかるチルティング操作入力部の座標値変換過程を示すプローチャートである。
【図13】本発明の好ましい実施例にかかる作動値算出の作動区間を示した図である。
【図14】本発明の好ましい実施例にかかる作動値算出過程を示すプローチャートである。
【図15】本発明の好ましい実施例にかかる建設機械のマニュアルレベリングシステムを示したブロック図である。
【符号の説明】
【0146】
3 上部フレーム
4 トラックサッシュ
9 スイングベアリング
10 下部走行体
11 第1アクチュエータ
12 第2アクチュエータ
13 第1シャフト
20 スイングベアリング装着プレート
24 スイングベアリング装着プレートのピボット支持部
25 第2ピストンホルダー
30 チルトプレート
34 第1ピボットホルダー
39 第2ピボットホルダー
40 支持プレート
44 支持プレートのピボット支持部
45 第1ピストンホルダー
110 チルティング操作入力装置
120 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行手段が備えられる下部フレームと、運転室が備えられる上部旋回体との間に結合され、上部旋回体をチルティングするようにアクチュエータで作動されるチルティングユニットが備えられ、上部旋回体がチルティングユニットに対して旋回する建設機械のレベリングシステムにおいて、
前記上部旋回体の旋回角度を感知して前記旋回角度に対する信号を伝送する旋回角度感知部と、
使用者により操作された位置によって前記上部旋回体の左右方向および前後方向を座標軸とする座標上における座標値に相応するチルティング操作信号を生成して伝送するチルティング操作入力部と、
前記チルティング操作信号に応じて基準面に対して前記上部旋回体をチルティングさせるために、伝送された前記チルティング操作信号の座標値と前記上部旋回体の旋回角度を用いて、前記チルティングユニットの中心から放射状に位置したアクチュエータらのうちの作動対象を決定し、作動対象であるアクチュエータの伸張又は収縮の可否と作動範囲を決定する作動値を算出する制御部とを含めてなることを特徴とする建設機械のマニュアルレベリングシステム。
【請求項2】
前記制御部は、前記座標値から座標角度および原点から座標点までの座標距離又は大きさを出力する操作信号分析モジュールと、
前記座標角度と前記下部フレームに対する前記上部旋回体の旋回角度から、前記基準面と前記上部旋回体の水平面との間で補償されるチルティング角度を形成する前記水平面上のチルティング補償軸と前記基準面の基準軸との間の平面上の角度を表わす補償軸角度を算出する補償軸角度算出モジュールと、および、
前記座標距離又は大きさ及び前記補償軸角度から作動対象であるアクチュエータの作動値を算出する作動値算出モジュールとを含めてなることを特徴とする請求項1に記載の建設機械のマニュアルレベリングシステム。
【請求項3】
前記チルティングユニットの中心から放射状に位置したアクチュエータは、平面上互いに‘x’型に実質的に直交するチルト軸がシーソー運動するように、各チルト軸の両側に結合され、
前記操作信号分析モジュールが出力する前記座標距離又は大きさは、前記上部旋回体の補償される上向又は下向チルティング角、又は、前記補償される上向又は下向チルティング角に応じたチルティング補償軸上において前記チルティングユニットの一側の上昇又は下降長さに対応し、
前記作動値算出モジュールは同一チルト軸の両側に連結されるアクチュエータを同じ作動範囲に互いに反対に伸長又は収縮させるように制御する作動値を算出することを特徴とする請求項2に記載の建設機械のマニュアルレベリングシステム。
【請求項4】
走行手段が備えられる下部フレームと運転室が備えられる上部旋回体との間に結合されて上部旋回体をチルティングするようにアクチュエータで作動されるチルティングユニットが備えられ、上部旋回体がチルティングユニットに対して旋回する建設機械のレベリング方法において、
(A)チルティング操作入力装置の操作によって生成される位置座標値に相応するチルティング操作信号を伝送され、前記座標値から前記上部旋回体の左右方向、および前後方向を座標軸とする座標上における座標角度と原点から座標点までの座標距離又は大きさを算出する段階と、
(B)既に把握された前記下部フレームに対する前記上部旋回体の旋回角度と前記座標角度から、基準面と前記上部旋回体の水平面との間で補償されるチルティング角を形成する前記水平面上のチルティング補償軸と、前記基準面の基準軸との間の平面上の角度を表わす補償軸角度を算出する段階と、および、
(C)前記チルティング操作信号によって前記基準面に対して前記上部旋回体をチルティングさせるために、前記座標距離又は大きさ、及び前記補償軸角度から前記チルティングユニットの中心から放射状に位置されたアクチュエータのうち、作動対象と決定されるアクチュエータの伸長又は収縮の可否と作動範囲を決定する作動値を算出する段階とを含めてなることを特徴とする建設機械のマニュアルレベリング方法。
【請求項5】
前記(A)段階は、
前記位置座標値がいずれか一つの座標軸に対する座標角度と原点から座標点までの座標距離又は大きさで表現される場合、前記位置座標値のチルティング操作信号から前記座標角度と座標距離又は大きさを出力し、
前記座標値が前記上部旋回体の左右方向をX軸、前後方向をY軸とする座標系のX、Y座標値で表現される場合、X、Y座標値から何れか一つの座標軸に対する座標角度および原点から座標点までの座標距離又は大きさを算出することを特徴とする請求項4に記載の建設機械のマニュアルレベリング方法。
【請求項6】
前記チルティングユニットの中心から放射状に位置されたアクチュエータは、平面上互いに‘x’型で実質的に直交するチルト軸がシーソー運動するように一つのチルト軸の両側に結合されるA+アクチュエータとA−アクチュエータ、及び他の一つのチルト軸両側に結合されるB+アクチュエータとB−アクチュエータであり、
前記(A)段階から出力される前記座標距離又は大きさは、前記上部旋回体の補償される上向又は下向チルティング角、又は、前記補償される上向又は下向チルティング角に応じた前記チルティング補償軸上における前記チルティングユニットの一側の上昇又は下降長さに対応し、
前記(C)段階において同一チルト軸の両側に連結される各アクチュエータを同じ作動範囲に互いに反対に伸長又は収縮させるように制御する作動値が算出されることを特徴とする請求項5に記載の建設機械のマニュアルレベリング方法。
【請求項7】
前記旋回角度の基準となる前記下部フレームの前方方向の軸と、前記基準面の基準軸の方向が一致し、
前記座標角度は前記上部旋回体の正面方向である正のY軸を基準として測定され、前記旋回角度と同一符号は同一方向、反対符号は反対方向に測定される角度を意味し、
前記基準軸は前記チルト軸の‘x’型交差平面の中心を通る縦方向垂直軸として上側を正の方向とし、
前記補償軸角度は前記座標角度と前記旋回角度との合で算出されることを特徴とする請求項6に記載の建設機械のマニュアルレベリング方法。
【請求項8】
前記(C)段階は、
前記‘x’型交差平面において前記チルト軸を基準として前記補償軸角度の範囲によって作動区間を分割し、
前記基準軸の左上側から右下側方向に配置されたチルト軸の左上側アクチュエータを A+、前記基準軸の右上側から左下側方向に配置されたチルト軸の右上側アクチュエータをB−とする場合に、A−およびB+アクチュエータはそれぞれA+およびB−アクチュエータと反対に伸長又は収縮されるように制御され、
前記作動値において正の符号は、前記チルティング操作信号に応じた座標方向における補償しようとするチルティング方向と同じように、すなわち下向チルティング信号の場合にはアクチュエータが収縮されるようにし、上向チルティング信号の場合にはアクチュエータが伸長されるように作動させ、負の符号は反対に作動するようにし、
前記座標距離又は大きさから、前記アクチュエータらの前記チルト軸との結合地点らが連結される実質的に半径rの円弧上でチルティング補償される前記チルティングユニットの最大上昇又は下降長さ(h)を算出し、
i) 前記補償軸角度が−45゜以上45゜未満、すなわち補償軸角度の大きさ(α)が −45≦α<45の範囲であれば、
A+の作動値[数9]は、[数10]から[数11]であり、
【数9】

【数10】

【数11】

B−の作動値[数12]は、[数13]から[数14]であって、
【数12】

【数13】

【数14】

ii) 前記補償軸角度が45゜以上135゜未満、すなわち補償軸角度の大きさ(α)が 45≦α<135の範囲であれば、
A+の作動値[数9]は、[数15]から[数16]であり、
【数9】

【数15】

【数16】

B−の作動値[数12]は、[数17]から[数18]であって、
【数12】

【数17】

【数18】

iii) 前記補償軸角度が135゜以上180゜未満と−180゜以上−135゜未満の範囲は、135゜以上225゜未満の範囲と同じなので、補償軸角度の大きさ(α)が 135≦α<225の範囲であれば、
A+の作動値[数9]は、[数19]から[数20]であって、
【数9】

【数19】

【数20】

B−の作動値[数12]は、[数21]から[数22]であって、
【数12】

【数21】

【数22】

iv) 前記補償軸角度が−135゜以上−45゜未満、すなわち補償軸角度の大きさ(α)が −135≦α<−45の範囲であれば、
A+の作動値[数9]は、[数23]から[数24]であり、
【数9】

【数23】

【数24】

B−の作動値[数12]は、[数25]から[数26]
【数12】

【数25】

【数26】

であることを特徴とする請求項7に記載の建設機械のマニュアルレベリング方法。
【請求項9】
前記(C)段階は、
前記‘x’型の交差平面における前記チルト軸、前記基準軸および前記基準軸に垂直であり、かつ交差中心を通る水平軸を基準として前記補償軸角度の範囲によって前記各アクチュエータの作動区間を8等分し、前記0〜360までの補償軸角度(CAng)から前記アクチュエータの位置区間によって作動範囲を限定するための作動角度(CPer)を算出し、前記作動角度と前記座標距離又は大きさに基づいて、前記A+、A−アクチュエータの制御値
(AVCon)と、前記B+、B−アクチュエータの制御値(BVCon)を作動値として算出し、 A−及びB−アクチュエータの制御値は、A+及びB+アクチュエータの制御値と反対であり、
(C1)0<補償軸角度(CAng)≦45の範囲であれば、
作動角度(CPer)を、
【数27】

で算出し、
前記A+アクチュエータの制御値(AVCon)を
【数28】

で算出し、
前記B+アクチュエータの制御値(BVCon)を
【数29】

で算出する段階と、
(C2)45<補償軸角度(CAng)≦90の範囲であれば、
作動角度(CPer)は、
【数30】

で算出され、
前記A+アクチュエータの制御値(AVCon)を
【数31】

で算出し、
前記B+アクチュエータの制御値(BVCon)を
【数32】

で算出する段階と、
(C3)90<補償軸角度(CAng)≦135の範囲であれば、
作動角度(CPer)は、
【数33】

で算出され、
前記A+アクチュエータの制御値(AVCon)を
【数31】

で算出し、
前記B+アクチュエータの制御値(BVCon)を
【数32】

で算出する段階と、
(C4)135<補償軸角度(CAng)≦180の範囲であれば、
作動角度(CPer)は、
【数34】

で算出され、
前記A+アクチュエータの制御値(AVCon)を
【数35】

で算出し、
前記B+アクチュエータの制御値(BVCon)を
【数36】

で算出する段階と、
(C5)180<補償軸角度(CAng)≦225の範囲であれば、
作動角度(CPer)は、
【数37】

で算出され、
前記A+アクチュエータの制御値(AVCon)を
【数35】

で算出し、
前記B+アクチュエータの制御値(BVCon)を
【数36】

で算出する段階と、
(C6)225<補償軸角度(CAng)≦270の範囲であれば、
作動角度(CPer)は、
【数38】

で算出され、
前記A+アクチュエータの制御値(AVCon)を
【数39】

で算出し、
前記B+アクチュエータの制御値(BVCon)を
【数40】

で算出する段階と、
(C7)270<補償軸角度(CAng)≦315の範囲であれば、
作動角度(CPer)は、
【数41】

で算出され、
前記A+アクチュエータの制御値(AVCon)を
【数39】

で算出し、
前記B+アクチュエータの制御値(BVCon)を
【数40】

で算出する段階と、
(C8)315<補償軸角度(CAng)≦359の範囲であれば、
作動角度(CPer)は、
【数42】

で算出され、
前記A+アクチュエータの制御値(AVCon)を
【数28】

で算出し、
前記B+アクチュエータの制御値(BVCon)を
【数29】

で算出する段階と、
(C9)補償軸角度(CAng)=0であれば、
作動角度(CPer)は、
【数43】

に算出され、
前記A+アクチュエータの制御値(AVCon)を
【数28】

で算出し、
前記B+アクチュエータの制御値(BVCon)を
【数29】

で算出する段階とからなることを特徴とする請求項7に記載の建設機械のマニュアルレベリング方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図9C】
image rotate

【図9D】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2009−144503(P2009−144503A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−316599(P2008−316599)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(502032378)ボルボ コンストラクション イクイップメント アーベー (156)
【Fターム(参考)】