説明

建設機械の吸気装置

【課題】 吸入空気中のダストを除去すると共に、例えば雨水、雪等に伴った水分が吸入空気中に浸入するのを抑えることができるようにする。
【解決手段】 建屋カバー8内に複数の通気穴等を介して外部から空気が取入れられる外気導入室11Bを形成する。そして、プレクリーナ26と外気導入室11Bとの間には、横方向に延びる吸気ダクト23を設ける。プレクリーナ26のベース筒27には、内側筒部27Aと外側筒部27Cとの間に位置し吸気ダクト23に対して下向きに開口する流入口を設ける。そして、プレクリーナ26の筒形ケース30内には、流入口と流出口との間に位置し空気中からダストを分離して捕捉するダスト捕捉部を設ける。また、筒形ケース30を透明材料で形成し、ダスト捕捉量を建屋カバー8の外部から確認できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベル、油圧クレーン、ブルドーザ等の建設機械に搭載され、エンジンに吸入空気を供給するのに好適に用いられる建設機械の吸気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、油圧ショベル等の建設機械には、原動機となるエンジンに吸入空気を供給するための吸気装置が設けられている。そして、このような吸気装置は、建設機械のフレーム上に位置して建屋カバー内に設けられエンジンに吸入空気を供給する吸気管と、該吸気管の流入側に設けられ空気中に含まれるダストを分離して清浄な空気を該吸気管内に流入させるエアクリーナと、該エアクリーナの上流側に設けられ該エアクリーナと共に空気中のダストを除去するプレクリーナとを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この場合、建設機械の作業現場等では、例えば土砂等の掘削作業に伴い、細かな砂礫、塵埃等からなる多量のダストが吸入空気中に混入する虞れがある。そして、このようなダストの混入を防ぐためには、エアクリーナに追加してプレクリーナを設け、空気中に含まれるダストを十分に除去した上で、清浄な空気を吸気管内に流入させる必要がある。
【0004】
また、この従来技術では、前記プレクリーナの上流側に、建屋カバーから上方に突出して外部から空気を取入れる取入れ口を設け、該取入れ口の上部にはレインキャップを回転可能に設ける構成としている。そして、このレンイキャップを空気の流れに従って回転させることにより、例えば外部の雨水等が空気の取入れ口内へと流入するのを抑え、吸入空気中に含まれる水分量を低減させる構成としている。
【0005】
一方、他の従来技術として、プレクリーナとエアクリーナとの間に水平方向に延びる水分離用のダクトを設け、前記プレクリーナから雨水等の水分が流入した場合でも、このダクトの上面側で水分を分離した後に空気をエアクリーナに流通させる構成としたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平9−112360号公報
【特許文献2】特開2003−254183号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述した従来技術(特許文献1)による吸気装置では、外部から空気を取入れるため建屋カバーから外部に突出して設けたレインキャップを、吸入空気の流れによって回転させ、このときの遠心力で雨水等を外部に飛散させることにより、雨水等の水分が空気の取入れ口から内部に流入するのを抑える構成としているに過ぎない。
【0008】
このため、前記取入れ口から流入する空気中には、例えば降雨の跳ね返りによる水滴、降り積もった雪の溶出(雪解け)による水滴等を含んだ水分が混入してしまうことがあり、吸入空気中の水分を必ずしも十分には低減することができないという問題がある。
【0009】
また、他の従来技術(特許文献2)にあっても、プレクリーナとエアクリーナとの間に水平方向に延びる水分離用のダクトを設けているだけで、例えばエンジンの回転により高速で吸込まれる吸入空気中に水分が浸入するのを、必ずしも十分に規制できるものではない。
【0010】
このため、水分を含んだ空気がエアクリーナに流入すると、該エアクリーナのフィルタが水分によって目詰まり等を起こし易くなり、吸入空気の通気抵抗が増すばかりでなく、吸入空気の流量が不足し、エンジンの吸気性能が低下する等の問題がある。
【0011】
しかも、従来技術にあっては、プレクリーナで分離した空気中のダストが、該プレクリーナ内に溜まっても、これを建屋カバーの外部から確認することができず、例えばプレクリーナのメンテナンス性を高めることができないという問題がある。
【0012】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、塵埃等のダストが吸入空気中に混入するのを防止できると共に、例えば雨水、雪等に伴った水分が吸入空気中に浸入するのを抑えることができるようにした建設機械の吸気装置を提供することにある。
【0013】
また、本発明の他の目的は、プレクリーナで分離したダスト量を外部から容易に確認することができ、メンテナンス性を高めることができるようにした建設機械の吸気装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するため、本発明は、建設機械のフレーム上に位置して建屋カバー内に設けられエンジンに吸入空気を供給する吸気管と、該吸気管の流入側に設けられ空気中に含まれるダストを分離して清浄な空気を該吸気管内に流通させるエアクリーナと、該エアクリーナの上流側に設けられ該エアクリーナと共に空気中のダストを除去するプレクリーナとを備えてなる建設機械の吸気装置に適用される。
【0015】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記建屋カバーには、前記プレクリーナから離間した位置に外部の空気を取入れるための通気穴を設け、前記プレクリーナは、空気の流入口を前記建屋カバーの内部で前記通気穴に連通させる構成としたことにある。
【0016】
また、請求項2の発明によると、前記建屋カバー内には、一側が前記通気穴側に向けて開口し他側が前記プレクリーナの流入口に連通する吸気ダクトを設け、前記プレクリーナの流入口は、該吸気ダクト内に向けて下向きに開口する構成としてなる構成としている。
【0017】
また、請求項3の発明によると、前記プレクリーナは、その一部を前記建屋カバーから上方に突出させて設け、該プレクリーナの突出部分には、その内部に捕捉したダスト量を外部から確認するための覗き窓を設ける構成としている。
【0018】
一方、請求項4の発明によると、前記建屋カバーには、前記エアクリーナの上方に位置し前記プレクリーナが建屋カバーの外部から取付けられる取付穴と、該取付穴の周囲を取り囲んで前記建屋カバーの上面から上向きに突出し前記プレクリーナの外周面に接触する環状突部とを設ける構成としている。
【0019】
また、請求項5の発明によると、前記プレクリーナの外周面と前記環状突部との間には、両者の間をシールするシール部材を設ける構成としている。
【発明の効果】
【0020】
上述の如く、請求項1に記載の発明によれば、建屋カバーには外部の空気を取入れるための通気穴をプレクリーナから離間した位置に設け、該プレクリーナの流入口を建屋カバーの内部に連通させることにより、前記通気穴を介して外部から取入れた空気をプレクリーナ内に流入させる構成としているので、例えば降雨の跳ね返り、降り積もる雪等の水分を含む空気が通気穴から建屋カバー内に流入しても、この空気が建屋カバー内をプレクリーナの位置まで流通する間に空気中の水分を分離することができ、空気中に含まれる水分量を確実に低減した状態で前記プレクリーナ内に空気を取込むことができる。
【0021】
そして、プレクリーナは、前記流入口から取入れた空気中から塵埃等のダストを分離しつつ、このときのダストを内部(例えば、ダスト捕捉部内)に捕捉することができ、これによりダストが分離され清浄化された空気を流出口からエアクリーナに向けて流通させることができる。従って、前述の如きプレクリーナをエアクリーナに追加して設けることにより、空気中に混入した塵埃等のダストを良好に除去できると共に、例えば雨水、降り積もる雪等の水分が吸入空気中に浸入するのを防止できる。これにより、吸入空気の流量を安定させることができ、エンジンの吸気性能等を高めることができる。
【0022】
また、請求項2に記載の発明によると、建屋カバー内には、一側が通気穴側に向けて開口し他側がプレクリーナの流入口に連通する吸気ダクトを設け、前記プレクリーナの流入口を該吸気ダクト内に向け下向きに開口させる構成としているので、例えば雨水、雪等の水分を含む空気が通気穴から建屋カバー内に流入しても、この空気が吸気ダクト内に流入する前に空気中の水分を分離できると共に、この吸気ダクト内でも空気がプレクリーナの位置まで流通する間に空気中の水分を分離することができる。そして、プレクリーナの流入口は吸気ダクト内に向けて下向きに開口しているので、これによっても水分がプレクリーナ内に吸込まれるのを防止でき、空気中に含まれる水分量を確実に低減した状態で前記プレクリーナ内に空気を取込むことができる。
【0023】
また、請求項3に記載の発明は、プレクリーナを建屋カバーから上方に突出させて設け、該プレクリーナの突出部分には、その内部に捕捉したダスト量を外部から確認するための覗き窓を設ける構成としているので、建屋カバーの上方からプレクリーナの突出部分を覗くだけで、プレクリーナの内部に捕捉したダスト量を外部から確認することができ、プレクリーナのメンテナンス(保守、点検)作業を容易に行うことができる。
【0024】
一方、請求項4に記載の発明は、建屋カバーに取付穴と環状突部とを設ける構成としているので、プレクリーナを建屋カバーの外部から取付穴の位置に取付けたときには、該取付穴の周囲から建屋カバーの上方に突出する環状突部を前記プレクリーナの外周面に接触させることができ、例えば雨水等の水分が前記取付穴を介してエアクリーナ側に浸入するのを防ぐことができる。
【0025】
また、請求項5に記載の発明は、プレクリーナの外周面と環状突部との間にシール部材を設ける構成としているので、このシール部材によってプレクリーナと環状突部との間をシールでき、例えば雨水等の水分が取付穴を介してエアクリーナ側に浸入するのを遮断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態による建設機械の吸気装置を、油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0027】
ここで、図1ないし図6は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は建設機械としての油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、図1に示すように装軌式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、例えば土砂等の掘削作業を行うため該上部旋回体3の前部に俯仰動可能に設けられた作業装置4とにより大略構成されている。
【0028】
この場合、油圧ショベル1の上部旋回体3は、下部走行体2と共に建設機械の車体を構成するものである。そして、上部旋回体3は、後述の旋回フレーム5、キャブ6、カウンタウエイト7、建屋カバー8およびエンジン14等により構成されている。
【0029】
5は上部旋回体3の支持構造体(フレーム)を構成する旋回フレームで、該旋回フレーム5は、その前側に作業装置4が俯仰動可能に取付けられ、後側には後述のカウンタウエイト7が取付けられている。そして、旋回フレーム5は、図2および図3に示す如く前,後方向に延びた平板状の底板5Aと、該底板5A上に立設され前,後方向に延びた左,右一対のセンタビーム5B,5Bと、底板5Aの左,右両側に張出ビーム5C,5C等を介して設けられた左,右のサイドフレーム5D,5D等とにより構成されている。
【0030】
6は旋回フレーム5の前部左側に配設された操作運転部としてのキャブで、該キャブ6内には、オペレータが着座する運転席、操作レバー、操作ペダル(いずれも図示せず)等が配設されている。
【0031】
7は旋回フレーム5の後端側に設けられたカウンタウエイトで、該カウンタウエイト7は、図2に示す如く左,右のセンタビーム5B,5Bの後端側に搭載され、前側の作業装置4に対して上部旋回体3全体の重量バランスをとるものである。また、カウンタウエイト7の前側には、後述のエンジン14等を収容する建屋カバー8が設けられている。
【0032】
8はキャブ6とカウンタウエイト7との間に位置して旋回フレーム5上に立設された建屋カバーで、該建屋カバー8は、図1ないし図3に示すように鋼板等からなる複数枚の金属パネルを用いて形成され、内部に機械室を画成するものである。そして、建屋カバー8は、旋回フレーム5の左,右両側に立設されたサイドカバー8A,8Aと、該各サイドカバー8Aの上部側に設けられた上部カバー8Bと、該上部カバー8Bに設けられた点検窓8Cを開閉可能に施蓋するエンジンカバー8D等とにより構成されている。
【0033】
ここで、建屋カバー8の上部カバー8Bは、図4ないし図6に示す如く後述のエアクリーナ21等を上方から覆う上部外装板8B1 等を含んで構成されるものである。そして、この上部外装板8B1 には、後述するプレクリーナ26の筒形ケース30が着脱可能に取付けられる円形の取付穴9が設けられ、この取付穴9は、後述するエアクリーナ21の上方に配置されるものである。
【0034】
10は建屋カバー8内に配設された仕切板で、該仕切板10は、図2ないし図4に示す如く建屋カバー8内を前側のエアクリーナ収容室11Aと、後側の外気導入室11Bとに画成するものである。そして、仕切板10には、後述の吸気ダクト23を外気導入室11B内に開口(連通)させる開口部10Aが設けられ、該開口部10Aは、図6に示すように四角形の角穴として形成されている。
【0035】
12,12,…は図3に示すように建屋カバー8の上部カバー8B等に設けられた通気穴で、これらの通気穴12は、後述するエンジン14の一側(図3中の左側)に位置して建屋カバー8内の外気導入室11Bと連通し、この外気導入室11B内に外部からの空気を図3中の矢示A方向に取入れるものである。
【0036】
そして、外気導入室11B内に取入れた空気は、エンジン14等を冷却するため図3中の矢示B方向に冷却風となって流れると共に、仕切板10の開口部10Aから後述の吸気ダクト23内に向けて矢示C方向に流通し、エンジン14用の吸入空気としても用いられるものである。
【0037】
13,13,…は図3に示すように建屋カバー8の上部カバー8B等に設けられた他の通気穴で、これらの通気穴13は、エンジン14の他側(図3中の右側)に位置し、建屋カバー8内を矢示B方向に流れる冷却風を外部に排出させるものである。
【0038】
14はカウンタウエイト7寄りに位置して旋回フレーム5の後部側に設けられた原動機としてのエンジンで、該エンジン14は、図3に示すように旋回フレーム5の各センタビーム5B上に防振マウント等を介して横置き状態で搭載され、建屋カバー8内を左,右方向に延在している。
【0039】
そして、エンジン14の一側(図3中の左側)には、例えばラジエータ、オイルクーラ等からなる熱交換器15と、矢示B方向の冷却風を発生させる冷却ファン16が配設されている。また、エンジン14の他側(図3中の右側)には、複数台の油圧ポンプ17(図2参照)等が取付けられている。
【0040】
18は図2に示すように油圧ポンプ17の前側に位置して旋回フレーム5の右側に設けられた作動油タンクで、該作動油タンク18は、油圧ポンプ17の吸込側に接続されると共に、油圧アクチュエータ(図示せず)からの戻り油が還流されるものである。また、作動油タンク18の前側には、エンジン14に燃料を供給するための燃料タンク19が設けられている。
【0041】
20はエンジン14に吸入空気を供給するための吸気管で、該吸気管20は、図2に示す如く旋回フレーム5上に位置して建屋カバー8内に設けられている。そして、吸気管20は、その一側(上流側)が後述のエアクリーナ21に接続され、他側(下流側)がエンジン14の吸気側に接続されている。
【0042】
21は吸気管20の一側(先端側)に設けられたエアクリーナで、該エアクリーナ21は、図2、図4ないし図6に示す如く流入側の筒部21Aが後述のプレクリーナ26に接続され、流出側が吸気管20に接続されている。そして、エアクリーナ21は、内部にフィルタエレメント(図示せず)等を収容し、内部を流れる空気中から塵埃等のダストを分離して清浄な空気を吸気管20側に流通させるものである。
【0043】
ここで、エアクリーナ21は、図4、図6に示す如く後述する吸気ダクト23の下面側に溶接またはボルト等の手段を用いて固定され、吸気ダクト23と一体化されている。そして、この状態でエアクリーナ21は、図2に示すように建屋カバー8のエアクリーナ収容室11A内に吸気ダクト23を介して着脱可能に取付けられるものである。
【0044】
また、エアクリーナ21は、図4に示す如く下向きに垂下されたダスト排出管22を有し、該ダスト排出管22は、エアクリーナ21のフィルタエレメントで空気中から分離されたダストを、例えばエンジン14の停止時等に下方へと排出するものである。
【0045】
23は建屋カバー8のエアクリーナ収容室11A内にエアクリーナ21と共に固定して収容された吸気ダクトで、該吸気ダクト23は、図4、図6に示すように全体として略L字状をなす中空のケースとして形成され、その上端部23Aと後端部23Bとが開放端となっている。そして、吸気ダクト23は、エアクリーナ収容室11A内にエアクリーナ21を取付けるための取付ブラケットを兼用するものである。
【0046】
即ち、吸気ダクト23の下面部23Cには、エアクリーナ21が図4に示す如く溶接またはボルト等の手段を用いて固定され、エアクリーナ21の流入側となる筒部21Aは、吸気ダクト23の下面部23Cを上,下方向に貫通して気液密に固定されている。
【0047】
そして、吸気ダクト23の上端部23Aは、図4ないし図6に示す如く上部カバー8Bの上部外装板8B1 にボルト等を用いて固定され、これにより吸気ダクト23は、上部外装板8B1 を用いて上側から覆われる。また、吸気ダクト23の後端部23Bは、図4、図6に示す如く仕切板10にボルト等を用いて固定され、これにより吸気ダクト23の後端部23Bは、仕切板10を用いて閉塞されるものである。
【0048】
この場合、吸気ダクト23の一側は、仕切板10に設けた開口部10Aを介して図4に示す外気導入室11B内に開口(連通)し、この外気導入室11B内から矢示C方向に空気が流通する。また、吸気ダクト23の他側は、上部外装板8B1 の取付穴9を下側から取り囲み、後述のプレクリーナ26内に矢示C方向の空気を流入させるものである。
【0049】
そして、外気導入室11Bから仕切板10の開口部10Aを介して吸気ダクト23内を矢示C方向に流通する空気が塵埃等のダストを多く含んでいる場合でも、この空気中に含まれるダストのうち一部のダストは、吸気ダクト23内を流通する間に空気中から分離されて下面部23C上に落下し、これ以外のダストは、後述するプレクリーナ26の流入口26A内に空気と一緒に流入する。このため、吸気ダクト23は、その内部が予備のダスト分離室(塵埃分離室)を構成するものである。
【0050】
24は取付穴9の周囲を取り囲むように上部外装板8B1 の上面に設けられた環状突部で、該環状突部24は、図5に示す如く上部外装板8B1 の取付穴9を径方向外側から取り囲むリング体として形成され、上部外装板8B1 の上面から予め決められた寸法をもって上向きに突出している。そして、環状突部24は、後述するプレクリーナ26の外周面にシール部材25を介して接触し、上部外装板8B1 の取付穴9とプレクリーナ26との間に外部の雨水等が浸入するのを防ぐものである。
【0051】
25は環状突部24の上端側に取付けられたシール部材で、該シール部材25は、後述するプレクリーナ26の筒形ケース30に外側から弾性的に接触し、上部外装板8B1 の取付穴9と筒形ケース30との間を気液密にシールするものである。
【0052】
26はエアクリーナ21と共に空気中のダストを除去するプレクリーナで、該プレクリーナ26は、図2、図4、図6に示すようにエアクリーナ21の上流(流入)側に設けられ、エアクリーナ21に達する前の空気中から塵埃等のダストを分離しつつ、分離したダストを後述の筒形ケース30内に捕捉するものである。
【0053】
そして、プレクリーナ26は、後述のベース筒27、筒形ケース30および蓋体32等により構成され、吸気ダクト23を介して外部から取入れた空気を流入させる流入口26Aと、エアクリーナ21の筒部21A内に連通する流出口26Bと、流入口26Aを介してプレクリーナ26内に取入れた空気中からダストを分離して捕捉するダスト捕捉部26Cとを有している。
【0054】
27はプレクリーナ26の固定側となるベース筒で、該ベース筒27は、図5に示すように下端側がエアクリーナ21の筒部21Aに嵌合して固定される内側筒部27Aと、該内側筒部27Aの径方向外側に複数の固定翼27B,27B,…を介して一体に設けられ該内側筒部27Aよりも軸方向寸法が短い外側筒部27Cとから二重の筒体として形成されている。
【0055】
また、外側筒部27Cの上端側には、径方向外側へと円弧状に湾曲して延びる支持フランジ27Dが一体に形成され、この支持フランジ27Dは、上部外装板8B1 の取付穴9よりも小径となって、該取付穴9の径方向内側に配設されている。そして、ベース筒27の支持フランジ27D上には、後述する筒形ケース30の下端側が着脱可能に載置されるものである。
【0056】
ここで、内側筒部27Aと外側筒部27Cとの間は、吸気ダクト23内に向けて下向きに開口するプレクリーナ26の流入口26Aとなっている。そして、ベース筒27の固定翼27B,27B,…は、内側筒部27Aと外側筒部27Cとの間を放射状または渦巻き状に斜めに傾斜して延び、流入口26A内を矢示C方向に流れる空気に対し、例えば図5中に二点鎖線で示すような矢示D方向の旋回流を発生させる。
【0057】
このため、プレクリーナ26内に流入した空気は、空気中に含まれる塵埃等のダストが矢示D方向の旋回流による遠心力等で撹拌されて分離され、分離されたダストだけが後述の筒形ケース30内に捕捉される。そして、このようにダストが分離された空気は、プレクリーナ26の流出口26B(内側筒部27A内)からエアクリーナ21の筒部21A内に向けて図5中の矢示E方向に流出するものである。
【0058】
また、プレクリーナ26のベース筒27には、内側筒部27Aの中心部にステム固定部27Eが設けられ、このステム固定部27Eは、放射状に延びる複数の板状アーム27F等を介して内側筒部27Aの内周側に一体に形成されている。そして、内側筒部27Aの内周側は、ステム固定部27Eと板状アーム27Fとの間等がプレクリーナ26の流出口26Bを構成するものである。
【0059】
28はベース筒27のステム固定部27Eに設けられた細長棒状のステムで、該ステム28は、図5に示すようにステム固定部27Eから上向きに突出し、その突出端には蝶形のねじ部材29が螺着されている。そして、このねじ部材29は、後述の蓋体32をステム28の突出端側に着脱可能に締結し、筒形ケース30と蓋体32とをベース筒27に対して抜止め状態に保持するものである。
【0060】
30はプレクリーナ26のダスト捕捉部26Cを構成する筒形ケースで、この筒形ケース30は、例えば透明または半透明な樹脂材料等を用いて図5に示す如く断面V字状をなす筒状の容器として形成されている。そして、筒形ケース30は、後述の蓋体32と共に上部外装板8B1 の取付穴9から上方に突出し、建屋カバー8の外側(上側)から筒形ケース30内を容易に覗くことができるものである。
【0061】
ここで、筒形ケース30は、ベース筒27の支持フランジ27D上に載置される断面V字状の底部30Aと、該底部30Aから斜め上向きに径方向内側へと傾斜して延びた内側テーパ部30Bと、該内側テーパ部30Bを外側から取り囲むように底部30Aから斜め上向きに径方向外側へと傾斜して延び外部からの覗き窓を形成する外側テーパ部30Cとにより構成されている。
【0062】
また、筒形ケース30の内側テーパ部30Bは、外側テーパ部30Cよりもステム28の軸方向(上向き)に長く延び、内側テーパ部30Bの上端は、蓋体32との間に比較的狭隘な環状通路となるダスト捕捉通路31を形成している。そして、このダスト捕捉通路31は、図5に示す矢示D方向の旋回流により空気中から分離されたダストが、ダスト捕捉部26C(内側テーパ部30Bと外側テーパ部30Cとの間の空間)に向けて矢示F方向に遠心力で飛散されるのを許し、この矢示F方向とは逆向きにダストが移動するのを規制するものである。
【0063】
このため、内側テーパ部30Bと外側テーパ部30Cとの間(ダスト捕捉部26C内)には、図5に示す矢示D方向の旋回流により空気中から分離されたダストが順次堆積するように捕捉される。また、筒形ケース30の外側テーパ部30Cには、図5に示す如くシール部材25が外側から弾性的に接触し、上部外装板8B1 の取付穴9と筒形ケース30との間は、シール部材25により気液密にシールされるものである。
【0064】
32はプレクリーナ26の蓋体を示し、該蓋体32は、筒形ケース30を上側から覆う円皿形状をなし、その外周側には、外側テーパ部30Cの上端に衝合される環状の縁取り部32Aとなっている。また、蓋体32の内周側には、ステム28の突出端側に螺合するねじ部材29が着脱可能に設けられる。そして、ねじ部材29をステム28に螺着したときには、蓋体32の内周側がステム28の突出端側に締結され、外周側の縁取り部32Aは、外側テーパ部30Cの上端に液密状態で押付けられる。
【0065】
このため、筒形ケース30の底部30Aは、ベース筒27の支持フランジ27Dに強く押付けられ、これにより筒形ケース30と蓋体32とは、ベース筒27に対し支持フランジ27Dとステム28、ねじ部材29とを介して抜止め状態に保持される。また、このときにシール部材25は、筒形ケース30の外側テーパ部30Cに外側から接触し、上部外装板8B1 の取付穴9と筒形ケース30との間を気液密にシールするものである。
【0066】
なお、図6中に示す前側の仕切板33は、上部外装板8B1 (上部カバー8B)の下側で後側の仕切板10と対向し、図2に示すエアクリーナ収容室11Aを仕切板10との間で画成するものである。また、仕切板33は、エンジン14からの熱がキャブ6側に伝わるのを抑える遮蔽板としても機能するものである。
【0067】
本実施の形態による油圧ショベル1の吸気装置は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0068】
まず、油圧ショベル1のキャブ6内に乗り込んだオペレータが、始動スイッチ(図示せず)を操作して建屋カバー8内のエンジン14を起動すると、該エンジン14による吸入空気の吸込み作用によって、エンジン14の吸込側に連通する吸気管20内は負圧傾向となる。
【0069】
このため、建屋カバー8内の外気導入室11Bには、図3に例示する各通気穴12等を介して外部の空気が矢示A方向に取入れられる。そして、このときの空気は、エンジン14等を冷却する冷却風となって図3中の矢示B方向に流れると共に、仕切板10の開口部10Aから吸気ダクト23内に向けて矢示C方向に流通する。
【0070】
そして、吸気ダクト23からの空気は、図5に示すプレクリーナ26の流入口26Aからベース筒27の内側筒部27A、外側筒部27C間を上向きに流通し、このときに複数の固定翼27B,27B,…により矢示D方向の旋回流が発生される。このため、プレクリーナ26内に流入した空気は、空気中に含まれる塵埃等のダストが矢示D方向の旋回流による遠心力等で撹拌されて分離され、分離されたダストだけが筒形ケース30(ダスト捕捉部26C)内に捕捉される。
【0071】
このとき、筒形ケース30の内側テーパ部30Bは、外側テーパ部30Cよりも上向きに長く延び、内側テーパ部30Bの上端は、蓋体32との間に比較的狭隘な環状通路となるダスト捕捉通路31を形成している。そして、このダスト捕捉通路31は、図5に示す矢示D方向の旋回流により空気中から分離されたダストが、内側テーパ部30Bと外側テーパ部30Cとの間のダスト捕捉部26Cに向けて矢示F方向に遠心力で飛散されるのを許し、この矢示F方向とは逆向きにダストが移動するのを規制することができる。
【0072】
次に、このようにダストが分離された空気は、プレクリーナ26の流出口26B(内側筒部27A内)からエアクリーナ21の筒部21A内に向けて図5中の矢示E方向に流出する。そして、この空気がエアクリーナ21内を流通するときには、内蔵のフィルタエレメントにより、例えば細かいダスト等を分離して除去することができる。
【0073】
この結果、エンジン14の吸気管20内には、プレクリーナ26とエアクリーナ21とにより2段階でダストが除去され、清浄化された空気のみが吸入空気となって吸込まれる。そして、この吸入空気は、エンジン14の燃焼室内で燃料と混合され、ピストン等で高圧縮されることにより着火して燃焼圧(回転出力)を発生することができる。
【0074】
かくして、本実施の形態によれば、建屋カバー8内に複数の通気穴12等を介して外部の空気が取入れられる外気導入室11Bを形成し、エアクリーナ21の上流側に設けるプレクリーナ26には、建屋カバー8内の外気導入室11Bに吸気ダクト23を介して連通する流入口26Aと、エアクリーナ21の流入側に連通する流出口26Bと、流入口26Aと流出口26Bとの間に位置し空気中からダストを分離して捕捉するダスト捕捉部26Cとを設ける構成としている。
【0075】
これにより、エンジン14の吸入空気となる空気(外気)は、建屋カバー8の各通気穴12から外気導入室11B内に流入した後に、この外気導入室11Bから横方向(ほぼ水平方向)に延びる吸気ダクト23を介してプレクリーナ26の流入口26Aに供給され、例えば吸気ダクト23の長さ寸法分だけプレクリーナ26の流入口26Aを通気穴12から横方向に離間させることができる。
【0076】
このため、建屋カバー8の通気穴12近傍に、例えば降雨の跳ね返りによる水滴、または降り積もった雪の溶出(雪解け)による水滴等が残り、これらの水分を多量に含んだ空気が通気穴12側から建屋カバー8(外気導入室11B)内に流入しても、この空気が建屋カバー8内をプレクリーナ26の位置まで、例えば吸気ダクト23等を介して流通する間に空気中の水分を分離することができ、空気中に含まれる水分量を確実に低減した状態でプレクリーナ26の流入口26A内に空気を取込むことができる。
【0077】
しかも、プレクリーナ26の流入口26Aは、吸気ダクト23内に向けて下向きに開口しているので、これによっても水分がプレクリーナ26内に吸込まれるのを防止でき、空気中に含まれる水分量を確実に低減した状態でプレクリーナ26内に空気を取込むことができる。
【0078】
そして、プレクリーナ26の筒形ケース30(ダスト捕捉部26C)は、流入口26Aから取入れた空気中から塵埃等のダストを旋回流によって分離しつつ、このときのダストをダスト捕捉部26C内に捕捉することができ、一旦捕捉したダストが流出口26B側に逆流するのを、内側テーパ部30Bの上端と蓋体32との間のダスト捕捉通路31により規制することができる。
【0079】
従って、本実施の形態によれば、前述の如きプレクリーナ26をエアクリーナ21に追加して設けることにより、プレクリーナ26のダスト捕捉部26Cによってダストが分離され清浄化された空気を流出口26Bからエアクリーナ21に向けて流通させることができ、空気中に混入した塵埃等のダストを良好に除去できると共に、例えば雨水または雪等による水分が吸入空気に浸入するのも防止することができる。
【0080】
そして、プレクリーナ26からエアクリーナ21に向けて流通する空気中には水分の混入等がほぼ完全になくなっているので、エアクリーナ21内のフィルタエレメント等に水分が付着して目詰まりの原因になる等の問題を解消でき、吸気騒音を低減することができる。そして、エアクリーナ21の除塵性能を良好に維持することができ、エンジン14に供給する吸入空気の流量を安定させ、エンジン14の吸気性能等を高めることができる。
【0081】
また、プレクリーナ26のダスト捕捉部26Cとなる筒形ケース30を、例えば透明な樹脂材料により形成し、建屋カバー8に設けた取付穴9から上方に突出させる構成としているので、建屋カバー8の上方からプレクリーナ26の筒形ケース30内を覗くだけで、プレクリーナ26によるダストの捕捉量を外部から容易に確認することができる。
【0082】
そして、プレクリーナ26のメンテナンス(保守、点検)作業等を行うときには、図5に示す蝶形のねじ部材29をステム28の上端側から取外すことによって、蓋体32と共に筒形ケース30を建屋カバー8の上方へと脱着することができ、筒形ケース30内に捕捉されたダストの排出、洗浄作業等を容易に遂行することができる。
【0083】
また、建屋カバー8に設けたプレクリーナ26用の取付穴9には、その周囲を取り囲むように上部カバー8B(上部外装板8B1 )の上面から上向きに突出する環状突部24を付設し、該環状突部24の上端側には、プレクリーナ26(筒形ケース30)の外周面に弾性的に接触するシール部材25を設ける構成としている。
【0084】
このため、プレクリーナ26の筒形ケース30等を建屋カバー8の上方から取付穴9の位置に取付けたときには、該取付穴9の周囲から建屋カバー8の上方に突出する環状突部24をシール部材25を介して筒形ケース30の外周面に接触させることができ、取付穴9の周囲における防水性能を確実に向上することができる。
【0085】
特に、この場合の環状突部24は、取付穴9の周囲から建屋カバー8の上方に突出しているので、激しい降雨による水滴の飛沫、降り積もった雪の溶出(雪解け)による水分等が取付穴9内に入り込むのを良好に遮断することができる。そして、シール部材25は、筒形ケース30の外側テーパ部30Cに外側から弾性的に接触することにより、上部外装板8B1 の取付穴9と筒形ケース30との間を気液密にシールでき、取付穴9の周囲におけるシール性能を高めることができる。
【0086】
また、プレクリーナ26は、図5に示すようにベース筒27、ステム28、ねじ部材29、筒形ケース30および蓋体32からなり、このうちのベース筒27等を吸気ダクト23と共に建屋カバー8内に収容し、筒形ケース30と蓋体32を取付穴9から建屋カバー8の外部に突出させる構成としている。
【0087】
このため、プレクリーナ26が建屋カバー8から突出する高さ(突出寸法)を低く抑えることができ、上部旋回体3(例えば、エンジン14等)の振動による影響がプレクリーナ26の取付部等に及ぶのを低減できると共に、プレクリーナ26の耐久性、寿命等を向上することができる。
【0088】
なお、前記実施の形態では、プレクリーナ26のダスト捕捉部26Cとなる筒形ケース30を透明な樹脂材料等により形成し、外側テーパ部30Cを全周に亘る覗き窓とする場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば筒形ケースに透明な覗き窓を部分的に設け、覗き窓以外の部分は、不透明な材料(金属、樹脂を含む)を用いて形成する構成としてもよい。
【0089】
また、前記実施の形態では、取付穴9の周囲に設けた環状突部24にシール部材25を取付ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばプレクリーナの外周側にシール部材を設け、このシール部材を環状突部24の内周等に気液密に接触させる構成としてもよい。
【0090】
さらに、前記実施の形態では、建設機械として油圧ショベルを例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば油圧クレーン、ホイールローダ、ブルドーザ等のように、種々の建設機械における吸気装置にも広く適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の実施の形態による吸気装置が適用された油圧ショベルを示す外観図である。
【図2】図1中の上部旋回体を上側からみた一部破断の平面図である。
【図3】建屋カバー内に収容したエンジン等を図2中の矢示 III−III 方向からみた断面図である。
【図4】プレクリーナ、吸気ダクトおよびエアクリーナ等を図2中の矢示IV−IV方向からみた断面図である。
【図5】プレクリーナを図4中の矢示V−V方向から拡大してみた断面図である。
【図6】図4中のプレクリーナ、吸気ダクトおよびエアクリーナ等を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0092】
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 作業装置
5 旋回フレーム(フレーム)
6 キャブ
7 カウンタウエイト
8 建屋カバー
8B 上部カバー
9 取付穴
10 仕切板
10A 開口部
11A エアクリーナ収容室
11B 外気導入室
12 通気穴
14 エンジン
15 熱交換器
16 冷却ファン
17 油圧ポンプ
20 吸気管
21 エアクリーナ
23 吸気ダクト
24 環状突部
25 シール部材
26 プレクリーナ
26A 流入口
26B 流出口
26C ダスト捕捉部
27 ベース筒
27A 内側筒部
27B 固定翼
27C 外側筒部
28 ステム
29 ねじ部材
30 筒形ケース
30A 底部
30B 内側テーパ部
30C 外側テーパ部(覗き窓)
32 蓋体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械のフレーム上に位置して建屋カバー内に設けられエンジンに吸入空気を供給する吸気管と、該吸気管の流入側に設けられ空気中に含まれるダストを分離して清浄な空気を該吸気管内に流通させるエアクリーナと、該エアクリーナの上流側に設けられ該エアクリーナと共に空気中のダストを除去するプレクリーナとを備えてなる建設機械の吸気装置において、
前記建屋カバーには、前記プレクリーナから離間した位置に空気を取入れるための通気穴を設け、
前記プレクリーナは、空気の流入口を前記建屋カバーの内部で前記通気穴に連通させる構成としたことを特徴とする建設機械の吸気装置。
【請求項2】
前記建屋カバー内には、一側が前記通気穴側に向けて開口し他側が前記プレクリーナの流入口に連通する吸気ダクトを設け、前記プレクリーナの流入口は、該吸気ダクト内に向けて下向きに開口する構成としてなる請求項1に記載の建設機械の吸気装置。
【請求項3】
前記プレクリーナは、その一部を前記建屋カバーから上方に突出させて設け、該プレクリーナの突出部分には、その内部に捕捉したダスト量を外部から確認するための覗き窓を設ける構成としてなる請求項1または2に記載の建設機械の吸気装置。
【請求項4】
前記建屋カバーには、前記エアクリーナの上方に位置し前記プレクリーナが建屋カバーの外部から取付けられる取付穴と、該取付穴の周囲を取り囲んで前記建屋カバーの上面から上向きに突出し前記プレクリーナの外周面に接触する環状突部とを設けてなる請求項1,2または3に記載の建設機械の吸気装置。
【請求項5】
前記プレクリーナの外周面と前記環状突部との間には、両者の間をシールするシール部材を設けてなる請求項4に記載の建設機械の吸気装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−28873(P2006−28873A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−208830(P2004−208830)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】