建設機械
【課題】 エンジン等が発生する熱や騒音がオペレータに伝わるのを防止すると共に、多くの燃料を貯蔵できるようにして稼働時間を伸ばし作業効率を向上する。
【解決手段】 旋回フレーム5上には、エンジン6、コントロールバルブ11等を覆うと共にオペレータが着座する運転席26を備えたフロア15を設け、このフロア15には、エンジン6、コントロールバルブ11と運転席26との間に位置して燃料24を貯える貯蔵容器22(燃料貯蔵部23)を設ける構成とした。従って、エンジン6、コントロールバルブ11が発生する熱や騒音は、フロア15に設けた貯蔵容器22(燃料貯蔵部23)および燃料24によって遮ることができる。また、フロア15の広範囲に設けた燃料貯蔵部23には、多くの燃料24を貯えることができ、油圧ショベル1の稼働時間を伸ばすことができる。
【解決手段】 旋回フレーム5上には、エンジン6、コントロールバルブ11等を覆うと共にオペレータが着座する運転席26を備えたフロア15を設け、このフロア15には、エンジン6、コントロールバルブ11と運転席26との間に位置して燃料24を貯える貯蔵容器22(燃料貯蔵部23)を設ける構成とした。従って、エンジン6、コントロールバルブ11が発生する熱や騒音は、フロア15に設けた貯蔵容器22(燃料貯蔵部23)および燃料24によって遮ることができる。また、フロア15の広範囲に設けた燃料貯蔵部23には、多くの燃料24を貯えることができ、油圧ショベル1の稼働時間を伸ばすことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベル等の建設建設に関し、特に、エンジンと燃料タンクとを備えた建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建設機械としての油圧ショベルには、ミニショベルと呼ばれる小型の油圧ショベルがある。この小型の油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とにより構成されている。
【0003】
また、上部旋回体は、前側に作業装置が設けられた旋回フレームと、該旋回フレームの後側に搭載され油圧ポンプを駆動するエンジンと、前記旋回フレーム上に設けられたフロアと、該フロアの上側に設けられオペレータが着座する運転席と、前記エンジンに供給する燃料を貯える燃料タンクと、作動油を貯える作動油タンクとにより大略構成されている。
【0004】
ここで、小型の油圧ショベルは、上部旋回体も小型に形成されているために、エンジン等の搭載機器の設置スペースを確保するのが困難である。このために、フロアの後側をエンジンの上側まで延ばし、該エンジンの上方に位置して前記フロア上に運転席を配置している。また、フロアの前側に位置する足乗せ部の下側のスペースを利用し、旋回フレーム上にコントロールバルブ等の搭載機器を配設している。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−217922号公報
【特許文献2】特開2005−48380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した特許文献1による油圧ショベルでは、エンジンの上側まで延ばしたフロア上に運転席を配置しているから、エンジンが発生する熱や騒音がオペレータに伝わってしまう。また、オペレータの足元には、コントロールバルブが発生する熱や騒音が伝わってしまう。このように、エンジンやコントロールバルブが発生する熱や騒音によって作業環境が悪くなるという問題がある。
【0007】
また、作動油タンクは、規定量の作動油を貯えることができる大きさが必要となる。このため、機器類の設置スペースが限られた小型の油圧ショベルでは、燃料タンクの容量を小さくして対応している。これにより、小型の油圧ショベルは、1回の給油で稼動できる時間が短くなり、作業効率が低下するという問題がある。
【0008】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、エンジン等が発生する熱や騒音がオペレータに伝わるのを抑制して作業環境を良好にし、かつ多くの燃料を貯蔵できるようにして稼働時間を伸ばすことができるようにした建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による建設機械は、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とからなり、前記上部旋回体は、支持構造体をなす旋回フレームと、該旋回フレーム上に搭載されたエンジンを含む搭載機器と、該搭載機器を覆うように前記旋回フレーム上に設けられオペレータが着座する運転席を有するフロアとを備えてなる。
【0010】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記フロアには、前記エンジンに供給する燃料を貯える燃料貯蔵部を設ける構成としたことにある。
【0011】
請求項2の発明は、前記フロアは、前側に位置してオペレータの足を乗せる足乗せ部と、該足乗せ部の後部から立上がった仕切り部とにより形成し、前記燃料貯蔵部は、前記足乗せ部と仕切り部とのうちいずれか一方または両方に設ける構成としたことにある。
【0012】
請求項3の発明は、前記フロアの足乗せ部には、前記燃料貯蔵部と異なる位置に物品を収容する物品収容部を設ける構成としたことにある。
【0013】
請求項4の発明は、前記フロアの仕切り部は、前記足乗せ部の後側から上側に延びた立上り部と、該立上り部の上側から後側に延び前記運転席を取付ける運転席取付部とにより形成し、前記燃料貯蔵部は、前記立上り部と運転席取付部とのうちいずれか一方または両方に設ける構成としたことにある。
【0014】
請求項5の発明は、前記フロアは、金属材料により形成された外枠体と、該外枠体に支持され樹脂材料からなる貯蔵容器とにより形成し、前記燃料貯蔵部は該貯蔵容器に形成された内部空間としてなる。
【0015】
請求項6の発明は、前記フロアは、金属材料を用いた鋳造品として形成し、前記燃料貯蔵部は該鋳造品に形成された内部空間でとしてなる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、フロアに燃料貯蔵部を設けた場合、この燃料貯蔵部の位置が二重構造になる。また、燃料貯蔵部には、熱が伝わり難く振動を吸収する液体である燃料を貯えることができる。これにより、例えば熱や騒音を発生するエンジン、コントロールバルブ等の搭載機器と運転席との間には、フロアの二重構造部と燃料とを隔壁として配置することができる。この結果、エンジンやコントロールバルブが発生する熱や騒音をフロアの燃料貯蔵部によって遮ることができ、オペレータの作業環境を良好にすることができる。
【0017】
しかも、燃料貯蔵部を設けたフロアは大きな面積となっているから、燃料タンクを独立して設けた場合に比較し、燃料の貯蔵量を大きくすることができる。これにより、建設機械の稼働時間を伸ばすことができ、作業効率を向上することができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、燃料貯蔵部を足乗せ部に設けた場合には、例えばフロアの下側に配設されるコントロールバルブと運転席に着座したオペレータの足元との間に燃料貯蔵部を配置することができる。これにより、コントロールバルブが発生する熱や騒音からオペレータの足元を保護することができる。
【0019】
一方、燃料貯蔵部を仕切り部に設けた場合には、例えば運転席の下側に配設されるエンジンと運転席に着座したオペレータとの間に燃料貯蔵部を配置することができる。これにより、エンジンが発生する熱や騒音からオペレータを保護することができる。
【0020】
請求項3の発明によれば、フロアの足乗せ部には、物品収容部を設けているから、例えば空気調和装置の室内機、工具、スペアパーツ等の物品を収容することができる。
【0021】
請求項4の発明によれば、フロアの仕切り部には運転席取付部を設けているから、該運転席取付部に運転席を取付けることができる。しかも、立上り部と運転席取付部とのうちいずれか一方または両方に設けた燃料貯蔵部は、運転席に着座したオペレータへの直接的な熱や騒音の伝わりを防止することができる。
【0022】
請求項5の発明によれば、樹脂材料からなる貯蔵容器は、複雑な形状とすることができ、また安価に製造することができる。そして、金属材料からなる外枠体は、貯蔵容器を強固に支持することができる。
【0023】
請求項6の発明によれば、フロアを金属材料を用いた鋳造品として形成することにより、フロアと燃料タンクとを一体構造物として形成することができ、部品点数の削減、組立作業性の向上等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るキャブ仕様の油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】図1中の上部旋回体を拡大して示す外観斜視図である。
【図3】下部走行体と上部旋回体を熱交換器、作動油タンク、外装カバー等を省略した状態で拡大して示す背面図である。
【図4】旋回フレームを拡大して示す外観斜視図である。
【図5】上部旋回体を外装カバー、キャブ、各種レバー等を省略した状態で拡大して示す平面図である。
【図6】旋回フレーム、フロア、運転席、空調ユニット、傾転機構等を示す外観斜視図である。
【図7】図6中のフロアと運転席と空調ユニットを拡大して示す外観斜視図である。
【図8】図7中のフロアを示す外観斜視図である。
【図9】図8中の外枠体を単体で示す外観斜視図である。
【図10】図8中の貯蔵容器を単体で示す外観斜視図である。
【図11】フロアの貯蔵容器を単体で示す正面図である。
【図12】図10中の矢示XII−XII方向からみた貯蔵容器の断面図である。
【図13】図10中の矢示XIII−XIII方向からみた貯蔵容器の断面図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態によるフロアを旋回フレーム、運転席、空調ユニット、傾転機構等と一緒に示す外観斜視図である。
【図15】フロアを単体で示す外観斜視図である。
【図16】図15中の矢示XVI−XVI方向からみた貯蔵容器の断面図である。
【図17】図15中の矢示XVII−XVII方向からみた貯蔵容器の断面図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態によるフロアを示す外観斜視図である。
【図19】図18中の貯蔵容器を単体で示す外観斜視図である。
【図20】本発明の第4の実施の形態によるフロアを示す外観斜視図である。
【図21】図20中の貯蔵容器を単体で示す外観斜視図である。
【図22】本発明の第1の変形例による貯蔵容器と燃料貯蔵部を示す外観斜視図である。
【図23】本発明の第2の変形例による貯蔵容器と燃料貯蔵部を示す外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態に係る建設機械の代表例として小型の油圧ショベルを例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0026】
まず、図1ないし図13は本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、1は建設機械としてのキャブ仕様の油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3とにより構成されている。また、上部旋回体3の前側には、土砂の掘削作業等を行うスイング式の作業装置4が揺動および俯仰動可能に設けられている。
【0027】
一方、上部旋回体3は、図1ないし図5に示す如く、後述の旋回フレーム5、エンジン6、作動油タンク9、コントロールバルブ11、フロア15、運転席26、キャブ32等により大略構成されている。また、上部旋回体3は、フロア15が運転席26、キャブ32と一緒に前側位置を支点とし、上側ないし前側に傾転(チルトアップ)でき、また後側ないし下側に傾転(チルトダウン)することができる。
【0028】
5は上部旋回体3の支持構造体を構成する旋回フレームである。この旋回フレーム5は、図6に示す如く、左,右方向の中間部を前,後方向に延びた平板状の底板5Aと、該底板5Aの上面側に左,右方向に離間して略V字状に立設された左,右の縦板5B,5Cと、該各縦板5B,5Cの前端部に設けられ、作業装置4を支持する支持ブラケット5Dと、該支持ブラケット5Dの基端部から左側に延びつつ屈曲して後側に延びた左サイドフレーム5Eと、前記支持ブラケット5Dの基端部から右側に延びつつ屈曲して後側に延びた右サイドフレーム5Fと、前部左寄りに位置して左サイドフレーム5Eの上方を左,右方向に延びて設けられ、旋回フレーム5の前側位置となる前梁5Gとにより大略構成されている。
【0029】
6は旋回フレーム5の後側に搭載されたエンジン(図3、図5参照)で、該エンジン6は、搭載機器の1つであり、左,右方向に延在する横置き状態に配置されている。ここで、エンジン6は、後述するフロア15の仕切り部15Bの下側に入り込むように配設されている。また、エンジン6の左側には、該エンジン6によって駆動される油圧ポンプ7が設けられ、エンジン6の右側にはラジエータ、オイルクーラ等の熱交換器8が配設されている。
【0030】
9は熱交換器8の前側に位置して旋回フレーム5の右側に設けられた作動油タンクで、該作動油タンク9は、各種アクチュエータを駆動するための作動油を貯えるものである。また、10は作動油タンク9の前側に設けられたバッテリを示している。
【0031】
また、11は旋回フレーム5の左前側に設けられた搭載機器としてのコントロールバルブである(図6中に一部のみ図示)。このコントロールバルブ11は、後述するフロア15の足乗せ部15Aの下側に配設されている。さらに、旋回フレーム5の中央部には、足乗せ部15Aの下側に位置して上部旋回体3を旋回駆動する旋回モータ、旋回動作を許しつつ圧油を下部走行体2側に供給するセンタジョイント(いずれも図示せず)等が設けられている。
【0032】
12はエンジン6の右側に位置して設けられた支持枠で、該支持枠12は、エンジン6の前側から上側を延びる逆L字状に形成され、下端部が旋回フレーム5に、後端部がカウンタウエイト13に取付けられている。そして、支持枠12には、図3等に示すように後述する傾転機構34が取付けられている。
【0033】
13はエンジン6の後側に位置して旋回フレーム5の後端部に取付けられカウンタウエイトである。このカウンタウエイト13は、作業装置4との重量バランスをとるもので、図5に示すように左,右方向に円弧状に延びる凸湾曲形状をなしている。また、カウンタウエイト13は、図3に示すように、後述するフロア15の建屋取付部15C(外枠体16の後枠部20)を取付けるための取付ベースとなっている。
【0034】
14は後述するキャブ32の周囲に設けられた外装カバーで、該外装カバー14は、図1、図2に示すように、カウンタウエイト13の左端側から前方に延びた左側面カバー14Aと、カウンタウエイト13の右端側から前方に延びた右側面カバー14Bと、後側に位置して前記各側面カバー14A,14B間に開閉可能に設けられたエンジンカバー14Cと、キャブ32の右側に位置して作動油タンク9等を覆った開閉可能なタンクカバー14Dとにより大略構成されている。
【0035】
次に、旋回フレーム5上に設けられた第1の実施の形態の特徴部分となるフロア15について説明する。このフロア15は、例えば前側位置が旋回フレーム5に対して傾転可能に取付けられたチルトフロアとして構成されている。しかも、フロア15は、エンジン6に供給する燃料24を貯える燃料貯蔵部23を有する貯蔵容器22を備えた容器兼用フロアとして構成されている。
【0036】
即ち、15は旋回フレーム5上の左側寄りに設けられたフロアである。このフロア15は、その前側位置が後述のフロア支持機構33を介して旋回フレーム5の前側位置となる前梁5Gに支持され、後側位置がカウンタウエイト13上に防振マウント(図示せず)を介して離脱可能に取付けられる。また、フロア15は、図4、図5、図7、図8等に示す如く、後述の外枠体16と貯蔵容器22(燃料貯蔵部23)とにより構成されている。
【0037】
ここで、フロア15は、前側に位置して後述の運転席26に着座したオペレータの足乗せ場となる足乗せ部15Aと、該足乗せ部15Aの後部から立上がりエンジン6の前側から上側を覆った仕切り部15Bと、該仕切り部15Bの上端部から後側に延びて設けられた建屋取付部15Cとにより構成されている。また、フロア15の仕切り部15Bは、足乗せ部15Aの後側から上側に延びた立上り部15B1と、該立上り部15B1の上側から後側に延びた運転席取付部15B2とにより大略構成されている。
【0038】
そして、フロア15の足乗せ部15Aと仕切り部15Bは、燃料貯蔵部23によって形成されている。また、足乗せ部15Aには、走行操作レバー・ペダル29、空調ユニット30等が設けられ、仕切り部15Bの運転席取付部15B2には、運転席26等が取付けられる。また、仕切り部15Bのエンジン6に対向する面には、シート状の断熱材(図示せず)が貼付けられている。
【0039】
さらに、フロア15の足乗せ部15Aは、旋回フレーム5の左前側に搭載されたコントロールバルブ11と運転席26に着座したオペレータの足元との間を遮る位置に配設されている。また、仕切り部15Bの立上り部15B1は、旋回フレーム5の後側に搭載されたエンジン6とオペレータの足元との間を遮る位置に配設されている。また、仕切り部15Bの運転席取付部15B2は、エンジン6とオペレータの胴体部分との間を遮る位置に配設されている。
【0040】
16はフロア15の支持構造体をなす外枠体を示し、該外枠体16は、樹脂製の貯蔵容器22を支持するもので、金属材料からなる強度部材として形成されている。また、外枠体16は、図8、図9に示すように、前側に位置して貯蔵容器22の足元貯蔵部22Aを支持する前枠部17と、該前枠部17の後部から上側に延び貯蔵容器22の中間縦貯蔵部22Bを支持する縦枠部18と、該縦枠部18の上部から後側に向け斜め上側に延び貯蔵容器22の中間横貯蔵部22Cと背面貯蔵部22Dとを支持する中間枠部19と、該中間枠部19の上部から後側に延びた後枠部20と、前記前枠部17の右側位置から立上った側面部21とにより大略構成されている。
【0041】
ここで、前枠部17は、左側に位置して前,後方向に延びた左側板17Aと、該左側板17Aとの間に貯蔵容器22の足元貯蔵部22Aを挟むように右側に位置して前,後方向に延びた右側板17Bと、前記各側板17A,17Bの前側に左,右方向に延びて設けられ後述の走行操作レバー・ペダル29等を取付けるためのレバー・ペダル取付部17Cと、該レバー・ペダル取付部17Cの前側に設けられた前側ブラケット17Dとにより大略構成されている。
【0042】
また、前枠部17には、左,右の側板17A,17B間に位置して2枚の支持板17Eが前,後方向に間隔をもって設けられ、該各支持板17Eは、両端部が上側に屈曲した略U字状の板体からなり、その両端部が左,右の側板17A,17Bに固着されている。これにより、前枠部17は、各支持板17Eによって貯蔵容器22の足元貯蔵部22Aを下側から支持することができる。そして、前枠部17は、前側ブラケット17Dに取付けられたフロア支持機構33によって旋回フレーム5の前梁5Gに傾転可能に取付けられている。
【0043】
また、縦枠部18は、左側に位置して前枠部17の左側板17Aの後部から上側に延びた左側面板18Aと、右側に位置して右側板17Bの後部から上側に延びた右支柱18Bと、上,下方向の途中に位置して左,右方向に延び両端部が左側面板18Aと右支柱18Bとに固着された支持板18Cとにより大略構成されている。そして、縦枠部18は、支持板18Cによって貯蔵容器22の中間縦貯蔵部22Bを後側から支持することができる。
【0044】
また、中間枠部19は、左側に位置して縦枠部18の左側面板18Aから後側に向け湾曲しつつ斜め上側に延びた左枠板19Aと、右側に位置して右支柱18Bの上部から後側に向け斜め上側に延びた右枠板19Bと、前側に位置して左,右方向に延び両端部が左枠板19Aと右枠板19Bとに固着された前支持板19Cと、後側に位置して左,右方向に延び両端部が左枠板19Aと右枠板19Bとに固着された後支持板19Dとにより大略構成されている。そして、縦枠部18は、前支持板19Cによって貯蔵容器22の中間横貯蔵部22Cを下側から支持することができ、後支持板19Dによって貯蔵容器22の背面貯蔵部22Dを斜め後側から支持することができる。
【0045】
また、後枠部20は、中間枠部19の左枠板19Aの上部と右枠板19Bの上部とを連結するように左,右方向に延びている。また、後枠部20は、カウンタウエイト13の上面部に防振マウント(図示せず)を介して離脱可能に取付けられるもので、後縁部が該カウンタウエイト13に沿うように円弧状に形成されている。
【0046】
さらに、側面部21は、前枠部17の右側板17Bから縦枠部18の右支柱18Bに添って上側に延び、その上側位置には、後述する傾転機構34の移動部材34Eを取付けるための取付部21Aが設けられている。
【0047】
22は外枠体16と別個に設けられた樹脂材料からなる貯蔵容器で、該貯蔵容器22は、外枠体16と一緒にフロア15を構成するものである。ここで、貯蔵容器22(燃料貯蔵部23)は、図8に示す如く、フロア15の足乗せ部15Aと仕切り部15Bとの両方に亘って設けられている。
【0048】
また、貯蔵容器22は、図10ないし図13に示すように、前側に位置して水平方向に延びた足元貯蔵部22Aと、該足元貯蔵部22Aの後部から上側に向け垂直方向に延びた中間縦貯蔵部22Bと、該中間縦貯蔵部22Bから後側に向け水平方向に延びた中間横貯蔵部22Cと、該中間横貯蔵部22Cの後部から後側に向け斜め上側に延びた背面貯蔵部22Dとにより大略構成されている。また、最も高い位置にある背面貯蔵部22Dには、手が届き易い左側の上部位置に給油口22Eが設けられている。
【0049】
また、フロア15の足乗せ部15Aを形成する貯蔵容器22の足元貯蔵部22Aには、内部の燃料貯蔵部23と異なる位置、具体的には、足乗せ部15Aの中間部から右側の部分を凹陥することにより物品を収容する物品収容部22Fが上向きに開口して設けられている。この場合、第1の実施の形態では、物品収容部22Fに物品として後述の空調ユニット30を収容する構成としている。
【0050】
さらに、貯蔵容器22の中間横貯蔵部22Cは、フロア15の仕切板15Bの運転席取付部15B2を構成している。そして、中間横貯蔵部22Cには、後述する運転席26を前,後方向に移動可能に支持するシートレール27を取付けるためのねじ穴22Gが所定の間隔をもって複数個設けられている。
【0051】
23はフロア15を構成する貯蔵容器22の内部空間として形成された燃料貯蔵部を示している。この燃料貯蔵部23は、図12、図13に示すように、エンジン6に供給する燃料24を貯えるものである。また、燃料貯蔵部23は、貯蔵容器22を構成する足元貯蔵部22Aと中間縦貯蔵部22Bと中間横貯蔵部22Cと背面貯蔵部22Dとの全てに亘って形成されている。
【0052】
ここで、燃料貯蔵部23は、その大部分が薄肉に形成された貯蔵容器22に設けている。しかし、燃料貯蔵部23は貯蔵容器22の広範囲に亘って形成しているから、一般的な燃料タンクよりも多くの燃料24を貯えることができる。また、燃料貯蔵部23は、旋回フレーム5に搭載された搭載機器、例えばエンジン6、コントロールバルブ11と運転席26に着座したオペレータとの間の隔壁となり、熱が伝わり難く振動を吸収する液体の1つである燃料24を収容しているから、エンジン6、コントロールバルブ11が発生する熱や騒音(振動)の伝達を抑制することができる。
【0053】
25は貯蔵容器22の中間縦貯蔵部22Bの前側を覆うように設けられた運転席26の前側取付部である。この前側取付部25は、例えば外枠体16の縦枠部18等に着脱可能に取付けられている。これにより、前側取付部25を取外したときには、貯蔵容器22の物品収容部22Fに対する空調ユニット30の着脱作業、メンテナンス作業等を行なうことができる。
【0054】
26はフロア15に設けられた運転席で(図6等参照)、該運転席26は、フロア15の運転席取付部15B2となる貯蔵容器22の中間横貯蔵部22Cと前側取付部25上に設けられている。この運転席26は、オペレータが着座するもので、中間横貯蔵部22Cに設けた各ねじ穴22G等を利用し、左,右のシートレール27を介してボルト止めされている。
【0055】
また、運転席26の左,右両側には、図2に示すように、作業装置4等を操作するための作業操作レバー28が配設されている。さらに、運転席26の前方となる前枠部17のレバー・ペダル取付部17Cには、下部走行体2を走行させるときに手動操作または足踏み操作によって操作する走行操作レバー・ペダル29が設けられている。
【0056】
30は貯蔵容器22の物品収容部22Fに収容された空調ユニットで(図5ないし図7参照)、該空調ユニット30は、エンジン6側に取付けられた室外機をなすコンプレッサ、凝縮機(いずれも図示せず)等と共に空調装置を構成している。そして、空調ユニット30は、吸込んだ空気を冷気または暖気に調整し、この調和空気を後述の空調ダクト31を介してキャブ32内に供給するものである。
【0057】
31はフロア15の右前側に位置して空調ユニット30の吹出側に接続された空調ダクトである(図2参照)。この空調ダクト31は、空調ユニット30から供給される調和空気をキャブ32内の所定の位置に向けて吹き出すものである。
【0058】
32は運転席26の周囲を覆うようにフロア15に設けられた建屋としてのキャブである。このキャブ32は、運転席26の上方と周囲を覆うことにより、オペレータの居住空間を形成するものである。また、キャブ32は、前面部32A、後面部32B、左側面部32C、右側面部32D、天面部32Eからなり、左側面部32Cには出入り用のドア32Fが開閉可能に取付けられている。そして、キャブ32は、フロア15を構成する外枠体16の周囲にボルト止めされている。
【0059】
33は旋回フレーム5の前梁5Gと外枠体16の前枠部17の前側ブラケット17Dとの間に左,右に離間して設けられたフロア支持機構である(図6等参照)。この左,右のフロア支持機構33は、フロア15の前側位置で左,右方向に延びる軸線を回動軸線とし、フロア15の前側を旋回フレーム5に回動(傾転)可能に取付けるものである。これにより、フロア15は、図3に示す如く、後述する傾転機構34によって前側ないし上側となる矢示A方向(チルトアップ)、後側ないし下側となる矢示B方向(チルトダウン)に傾転可能となっている。
【0060】
34はフロア支持機構33よりも後側に位置して旋回フレーム5とフロア15との間に設けられた傾転機構で(図3参照)、該傾転機構34は、フロア15の右側位置に前,後方向に伸長して設けられている。
【0061】
また、傾転機構34は、旋回フレーム5側に位置する支持枠12に取付けられた取付ブラケット34Aと、基端側が該取付ブラケット34Aに上,下方向に回動可能に取付けられ、先端側が自由端となって前側に延びたガイドレール34Bと、該ガイドレール34Bに沿って延び該ガイドレール34Bに対し軸方向に位置決めされた状態で回転可能に取付けられたねじ軸34Cと、該ねじ軸34Cの先端部に設けられインパクトレンチ等の工具が連結される工具連結部34Dと、前記ねじ軸34Cに螺合して設けられ該工具連結部34Dを介してねじ軸34Cを回転操作することにより前記ガイドレール34Bに沿って前,後方向に移動する移動部材34Eとにより大略構成されている。また、フロア15を傾転させるための移動支点となる移動部材34Eは、フロア15を構成する外枠体16の側面板21に回動可能に取付けられている。
【0062】
そして、傾転機構34は、インパクトレンチ等の工具を工具連結部34Dに連結し、ねじ軸34Cを外部から任意の方向に回転駆動する。これにより、ねじ軸34Cに螺合している移動部材34Eをガイドレール34Bに沿って先端側(矢示C方向)に変位させるこができ、フロア15を移動部材34Eの変位量に応じて前側ないし上側(矢示A方向)に傾転させることができる。一方、ねじ軸34Cを逆方向に回転駆動することにより、移動部材34Eをガイドレール34Bに沿って基端側(矢示D方向)に変位させることができ、フロア15を後側ないし下側(矢示B方向)に傾転させることができる。
【0063】
第1の実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、その動作について説明する。
【0064】
まず、キャブ32内に乗込んだオペレータは運転席26に着座し、この状態で走行操作レバー・ペダル29を操作することにより、下部走行体2を走行させることができる。また、作業操作レバー28を操作することにより、作業装置4を俯仰動させて土砂の掘削作業等を行うことができる。
【0065】
ここで、油圧ショベル1の走行時、作業時には、旋回フレーム5の後側に設けたエンジン6が運転状態にあり、該エンジン6が発熱し、また騒音(振動)を発生する。同様に、フロア15の下側に位置して旋回フレーム6上に搭載したコントロールバルブ11も作動油の温度上昇によって発熱し、動作音を発生する。
【0066】
この場合、フロア15は、外枠体16と貯蔵容器22とから構成し、この貯蔵容器22内に燃料貯蔵部23を設けることにより、内部が燃料貯蔵部23となった貯蔵容器22は二重構造(容器構造)に形成することができる。また、燃料貯蔵部23には、熱が伝わり難く振動を吸収する液体である燃料24を貯えている。従って、熱や騒音を発生するエンジン6、コントロールバルブ11等と運転席26との間には、貯蔵容器22による二重構造部と燃料24とを隔壁として配置することができる。これにより、エンジン6やコントロールバルブ11が発生する熱や騒音は、フロア15の貯蔵容器22と燃料貯蔵部23によって遮ることができる。
【0067】
また、内部が燃料貯蔵部23となった貯蔵容器22は、フロア15の広い範囲に設けているから、燃料貯蔵部23による燃料の貯蔵量を増大することができ、油圧ショベル1を、給油作業をすることなく長時間に亘って稼働させることができる。
【0068】
次に、油圧ショベル1の旋回フレーム5に搭載したエンジン6、コントロールバルブ11等のメンテナンス作業を行う場合について説明する。この場合には、フロア15の建屋取付部15Cをカウンタウエイト13に取付けているボルト等を取外し、傾転機構34によってフロア15等をフロア支持機構33を支点として矢示A方向にチルトアップする。
【0069】
これにより、常時はフロア15によって覆われたエンジン6、コントロールバルブ11等のメンテナンス作業を行うことができる。一方、メンテナンス作業等が終了したら、傾転機構34によってフロア15等を矢示B方向にチルトダウンさせ、フロア15の建屋取付部15Cをカウンタウエイト13に固定することにより、メンテナンス作業を終了することができる。
【0070】
かくして、第1の実施の形態によれば、エンジン6、コントロールバルブ11等の搭載機器を覆うように旋回フレーム5上に設けられると共に、オペレータが着座する運転席26を有するフロア15には、前記エンジン6に供給する燃料24を貯える貯蔵容器22(燃料貯蔵部23)を設ける構成としている。従って、熱や騒音を発生するエンジン6、コントロールバルブ11等と運転席26に着座したオペレータとの間には、貯蔵容器22による二重構造部と、熱が伝わり難く振動を吸収する燃料24とを配設することができる。
【0071】
この結果、コントロールバルブ11が発生する熱や騒音は、フロア15の足乗せ部15Aに位置する貯蔵容器22の足元貯蔵部22Aおよび燃料24によって遮ることができ、また、エンジン6が発生する熱や騒音は、フロア15の仕切り部15Bに位置する貯蔵容器22の中間縦貯蔵部22B、中間横貯蔵部22Cおよび燃料24によって遮ることができる。これにより、オペレータの作業環境を良好にすることができる。
【0072】
しかも、フロア15は広い範囲(大きな面積)となり、そのほぼ全体を貯蔵容器22(燃料貯蔵部23)として形成しているから、燃料貯蔵部23の燃料の貯蔵量を大きくすることができる。これにより、油圧ショベル1の稼働時間を伸ばすことができ、作業効率を向上することができる。
【0073】
また、貯蔵容器22の足元貯蔵部22Aには、物品を収容する物品収容部22Fを設けているから、フロア15の足乗せ部15Aには、例えば空調ユニット30、工具、スペアパーツ等の物品(いずれも図示せず)を収容することができる。
【0074】
さらに、フロア15は、強度をもった金属製の外枠体16と、該外枠体16に支持された樹脂製の貯蔵容器22とにより形成しているから、貯蔵容器22は樹脂成形によって複雑な形状とすることができ、また安価に製造することができる。そして、金属材料からなる外枠体16は、貯蔵容器22を強固に支持することができる。
【0075】
次に、図14ないし図17は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、フロアは、金属材料を用いた鋳造品として形成し、燃料貯蔵部は該鋳造品に形成された内部空間としたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0076】
図14において、41は第2の実施の形態によるフロアを示している。このフロア41は、その全体が金属材料を用いた鋳造品として形成されている。また、フロア41は、その前側位置がフロア支持機構33を介して旋回フレーム5の前梁5Gに回動可能に支持され、後側位置がカウンタウエイト13上に防振マウント(図示せず)を介して離脱可能に取付けられる。また、フロア41には、図15ないし図17に示す如く、後述の燃料貯蔵部46が設けられている。
【0077】
ここで、フロア41は、前側に位置して運転席26に着座したオペレータの足乗せ場となる足乗せ部42と、該足乗せ部42の後部から立上がりエンジン6の前側から上側を覆った仕切り部43と、該仕切り部43の上端部から後側に延びて設けられた建屋取付部44と、前記足乗せ部42の右側位置から立上った側面部45とにより構成されている。
【0078】
また、足乗せ部42は、その前側位置が走行操作レバー・ペダル29等が取付けられるレバー・ペダル取付部42Aとなり、該レバー・ペダル取付部42Aの前側がフロア支持機構33が取付けられる前側ブラケット42Bとなっている。一方、足乗せ部42には、中間部から右側の部分を凹陥することにより物品を収容する物品収容部42Cが上向きに開口して設けられている。この物品収容部42Cには、図14に示すように、物品として空調ユニット30が収容されている。
【0079】
一方、仕切り部43は、足乗せ部42の後側から上側に延びた立上り部43Aと、該立上り部43Aの上側から後側に延びた運転席取付部43Bと、運転席取付部43Bの後側から斜め上側に延びた背面傾斜部43Cとにより大略構成されている。また、仕切り部43の運転席取付部43Bには、運転席26を支持するシートレール27を取付けるためのねじ穴43Dが複数個設けられている。また、背面傾斜部43Cの上部左側には、後述の燃料貯蔵部46の上部に連通するように給油口43Eが設けられている。そして、仕切り部43のエンジン6に対向する面には、シート状の断熱材(図示せず)が貼付けられている。
【0080】
さらに、建屋取付部44は、カウンタウエイト13の上面部に防振マウント(図示せず)を介して離脱可能に取付けられるもので、後縁部が該カウンタウエイト13に沿うように円弧状に形成されている。また、側面部45の上側位置には、傾転機構34の移動部材34Eを取付けるための取付部45Aが設けられている。
【0081】
このように構成されたフロア41は、その足乗せ部42が旋回フレーム5に搭載されたコントロールバルブ11と運転席26に着座したオペレータの足元との間を遮る位置に配設されている。また、仕切り部43の立上り部43A、運転席取付部43Bは、旋回フレーム5の後側に搭載されたエンジン6とオペレータの足元、胴体との間を遮る位置にそれぞれ配設されている。そして、フロア41に設けられた後述の燃料貯蔵部46は、足乗せ部42と仕切り部43の両方に亘って設けられている。
【0082】
次に、46はフロア41の内部空間として形成された燃料貯蔵部を示している。この燃料貯蔵部46は、図16、図17に示すように、エンジン6に供給する燃料24を貯えるものである。また、燃料貯蔵部46は、足乗せ部42に形成された前側空間部46Aと、仕切り部43の立上り部43Aに形成された中間空間部46Bと、仕切り部43の運転席取付部43B、背面傾斜部43Cに形成された後側空間部46Cとによって形成されている。ここで、燃料貯蔵部46は、第1の実施の形態による燃料貯蔵部23とほぼ同様に、その大部分が薄肉に形成されたフロア41に設けているものの、広範囲に亘って形成しているから、多くの燃料24を貯えることができる。また、燃料貯蔵部46は、エンジン6、コントロールバルブ11と運転席26に着座したオペレータとの間の隔壁となって、エンジン6、コントロールバルブ11が発生する熱や騒音(振動)の伝達を抑制することができる。
【0083】
かくして、このように構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態によれば、フロア41を金属材料を用いた鋳造品として形成し、燃料貯蔵部46を鋳造品からなるフロア41の内部空間として形成している。これにより、フロア41と燃料タンクを構成する燃料貯蔵部46とを一体構造物として形成することができるから、部品点数の削減、組立作業性の向上等を図ることができる。
【0084】
次に、図18および図19は本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、燃料貯蔵部は、フロアの足乗せ部と仕切り部とのうち、仕切り部に設ける構成としたことにある。なお、第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0085】
図18において、51は第3の実施の形態によるフロアを示している。このフロア51は、後述の外枠体52と貯蔵容器54(燃料貯蔵部55)とにより構成されている。また、フロア51は、第1の実施の形態によるフロア15とほぼ同様に、足乗せ部51A、仕切り部51Bおよび建屋取付部51Cにより構成されている。また、フロア51の仕切り部51Bは、立上り部51B1と運転席取付部51B2とにより構成されている。そして、フロア51には、仕切り部51Bにのみ燃料貯蔵部55が設けられている。
【0086】
52はフロア51の支持構造体をなす第3の実施の形態による外枠体で、該外枠体52は、金属材料を用いて形成されている。また、53は前側に位置して設けられた外枠体52の前枠部を示している。この前枠部53は、前述した第1の実施の形態による前枠部17とほぼ同様に、左側板53A、右側板53B、レバー・ペダル取付部53Cおよび前側ブラケット53Dにより大略構成されている。しかし、第3の実施の形態による前枠部53は、前述した支持板が設けられていない点と、フロアパネル53Eが設けられている点で、第1の実施の形態による前枠部17と相違している。
【0087】
ここで、フロアパネル53Eは、左側板53Aと右側板53Bとの間で、レバー・ペダル取付部53Cの後側の開口を閉塞する平板として形成されている。また、フロアパネル53Eには、物品としての空調ユニット30を収容する物品収容部53Fが上向きに開口して設けられている。
【0088】
54は外枠体52と別個に設けられた樹脂材料からなる第3の実施の形態による貯蔵容器で、該貯蔵容器54は、外枠体52と一緒にフロア51を構成するものである。ここで、貯蔵容器54(燃料貯蔵部55)は、フロア51の足乗せ部51Aと仕切り部51Bとのうち、仕切り部51Bにのみ設けられている。そして、貯蔵容器54は、図19に示すように、縦貯蔵部54Aと横貯蔵部54Bと背面貯蔵部54Cとにより大略構成されている。また、背面貯蔵部54Cには給油口54Dが設けられ、横貯蔵部54Bには、運転席26を取付けるためのねじ穴54Eが複数個設けられている。
【0089】
55はフロア51を構成する貯蔵容器54の内部空間として形成された燃料貯蔵部を示している。この燃料貯蔵部55は、エンジン6に供給する燃料24を貯えるもので、貯蔵容器54の縦貯蔵部54Aと横貯蔵部54Bと背面貯蔵部54Cとに亘って形成されている。また、燃料貯蔵部55は、貯蔵容器54と協働し、エンジン6と運転席26に着座したオペレータとの間の隔壁となることにより、エンジン6が発生する熱や騒音(振動)がオペレータに伝わるのを防止することができる。
【0090】
かくして、このように構成された第3の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0091】
次に、図20および図21は本発明の第4の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、燃料貯蔵部は、フロアの足乗せ部と仕切り部とのうち、足乗せ部に設ける構成としたことにある。なお、第4の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0092】
図20において、61は第4の実施の形態によるフロアを示している。このフロア61は、後述の外枠体62と貯蔵容器69(燃料貯蔵部70)とにより構成されている。また、フロア61は、第1の実施の形態によるフロア15とほぼ同様に、足乗せ部61A、仕切り部61Bおよび建屋取付部61Cにより構成されている。また、フロア61の仕切り部61Bは、立上り部61B1と運転席取付部61B2とにより構成されている。そして、フロア61には、足乗せ部61Aにのみ燃料貯蔵部70が設けられている。
【0093】
62はフロア61の支持構造体をなす第4の実施の形態による外枠体で、該外枠体62は、金属材料を用いて形成されている。また、外枠体62は、左側板63A、右側板63B、レバー・ペダル取付部63C、前側ブラケット63Dおよび支持板63Eからなる前枠部63と、該前枠部63の後部から上側に延びた縦板部64と、該縦板部64の上部から後側に延び運転席26を取付けるためのねじ穴65Aを有する横板部65と、該横板部65の後部から後側に向け斜め上側に延びた傾斜板部66と、該傾斜板部66の上部から後側に延びカウンタウエイト13上に離脱可能に取付けられる取付板部67と、前記前枠部63の右側板63Bから上側に延び傾転機構34の移動部材34Eが取付けられる取付部68Aを備えた側面板68とにより大略構成されている。
【0094】
69は外枠体62と別個に設けられた樹脂材料からなる第4の実施の形態による貯蔵容器で、該貯蔵容器69は、外枠体62と一緒にフロア61を構成するものである。ここで、貯蔵容器69(燃料貯蔵部70)は、フロア61の足乗せ部61Aと仕切り部61Bとのうち、足乗せ部61Aにのみ設けられている。そして、貯蔵容器69は、図21に示すように、左,右方向に長尺な略長方形状の容器として構成され、その左側には給油口69Aが設けられている。また、貯蔵容器69には、中間部から右側に位置して物品収容部69Bが設けられている。
【0095】
70はフロア61を構成する貯蔵容器69の内部空間として形成された燃料貯蔵部で、該燃料貯蔵部70は、エンジン6に供給する燃料24を貯えるもので、フロア61の足乗せ部61Aにのみ設けられている。また、燃料貯蔵部70は、貯蔵容器69と協働し、コントロールバルブ11と運転席26に着座したオペレータの足元との間の隔壁となることにより、コントロールバルブ11が発生する熱や騒音(振動)がオペレータに伝わるのを防止することができる。
【0096】
かくして、このように構成された第4の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0097】
なお、第3の実施の形態では、フロア51の仕切り部51Bに、縦貯蔵部54A、横貯蔵部54Bおよび背面貯蔵部54Cによりステップ状に形成された貯蔵容器54を設け、貯蔵容器54の全体となる縦貯蔵部54Aと横貯蔵部54Bと背面貯蔵部54Cとに亘って燃料貯蔵部55を設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図22に示す第1の変形例のように構成してもよい。
【0098】
即ち、図22において、貯蔵容器81を、縦貯蔵部81A、横貯蔵部81B、背面貯蔵部81Cにより形成し、背面貯蔵部81Cに給油口81Dを設ける。そして、貯蔵容器81には、フロア51の仕切り部51Bの運転席取付部51B2に位置する横貯蔵部81B、背面貯蔵部81Cに亘って燃料貯蔵部82を設ける構成としてもよい。
【0099】
また、図23に示す第2の変形例のように構成してもよい。この場合、貯蔵容器91を、縦貯蔵部91A、横貯蔵部91B、背面貯蔵部91Cにより形成し、横貯蔵部91Bに給油口91Dを設ける。そして、貯蔵容器91には、フロア51の仕切り部51Bの立上り部51B1に位置する縦貯蔵部91Aにのみ燃料貯蔵部92を設ける構成としてもよい。
【0100】
また、第2の実施の形態では、フロア41を、足乗せ部42、仕切り部43、建屋取付部44等により形成し、燃料貯蔵部46は、フロア41の足乗せ部42と仕切り部43に設けた場合を例に挙げて説明している。しかし、本発明はこの構成に限るものではなく、例えば燃料貯蔵部を、フロアの足乗せ部、仕切り部、建屋取付部のうち、いずれか1つの部位に設ける構成としてもよい。また、選択した2つの部位に燃料貯蔵部を設ける構成としてもよい。
【0101】
一方、第1の実施の形態では、フロア15を前側位置を支点として後側が傾転可能なチルトフロアとした場合を例示した。しかし、本発明はこれに限らず、フロアを旋回フレームに対し固定的に取付ける構成としてもよい。この構成は、各実施の形態にも同様に適用することができるものである。
【0102】
また、第1の実施の形態では、貯蔵容器22の物品収容部22Fに空調装置の室内機となる空調ユニット30を収容した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばメンテナンス用の工具、スペアパーツ等の他の物品を物品収容部22Fに収容する構成としてもよい。この構成は、各実施の形態にも同様に適用することができるものである。
【0103】
また、第1の実施の形態では、フロア15を、前側の足乗せ部15Aと、該足乗せ部15Aの後部から立上がってエンジン6の前側から上側を覆った仕切り部15Bとによりステップ状に形成し、仕切り部15Bの運転席取付部15B2上に運転席26を取付ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば足乗せ部から後側に延びてほぼ平坦な運転席取付部を設け、該運転席取付部に設けた運転席支持台上に運転席を取付ける構成としてもよい。
【0104】
一方、各実施の形態では、建設機械として運転席26の周囲と上側を覆うキャブ32を備えたキャブ式の油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば複数本のピラーとルーフによって運転席の上側を覆うキャノピを備えたキャノピ式の油圧ショベルに適用してもよい。
【0105】
さらに、各実施の形態では、建設機械としてクローラ式の油圧ショベルを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えばホイール式の油圧ショベル、油圧クレーン等のエンジンを備えた他の建設機械にも広く適用することができる。
【符号の説明】
【0106】
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 作業装置
5 旋回フレーム
6 エンジン(搭載機器)
11 コントロールバルブ(搭載機器)
15,41,51,61 フロア
15A,42,51A,61A 足乗せ部
15B,43,51B,61B 仕切り部
15B1,43A,51B1,61B1 立上り部
15B2,43B,51B2,61B2 運転席取付部
15C,44,51C,61C 建屋取付部
16,52,62 外枠体
22,54,69,81,91 貯蔵容器
22F,42C,53F,69B 物品収容部
23,46,55,70,82,92 燃料貯蔵部
24 燃料
26 運転席
30 空調ユニット(物品)
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベル等の建設建設に関し、特に、エンジンと燃料タンクとを備えた建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建設機械としての油圧ショベルには、ミニショベルと呼ばれる小型の油圧ショベルがある。この小型の油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とにより構成されている。
【0003】
また、上部旋回体は、前側に作業装置が設けられた旋回フレームと、該旋回フレームの後側に搭載され油圧ポンプを駆動するエンジンと、前記旋回フレーム上に設けられたフロアと、該フロアの上側に設けられオペレータが着座する運転席と、前記エンジンに供給する燃料を貯える燃料タンクと、作動油を貯える作動油タンクとにより大略構成されている。
【0004】
ここで、小型の油圧ショベルは、上部旋回体も小型に形成されているために、エンジン等の搭載機器の設置スペースを確保するのが困難である。このために、フロアの後側をエンジンの上側まで延ばし、該エンジンの上方に位置して前記フロア上に運転席を配置している。また、フロアの前側に位置する足乗せ部の下側のスペースを利用し、旋回フレーム上にコントロールバルブ等の搭載機器を配設している。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−217922号公報
【特許文献2】特開2005−48380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した特許文献1による油圧ショベルでは、エンジンの上側まで延ばしたフロア上に運転席を配置しているから、エンジンが発生する熱や騒音がオペレータに伝わってしまう。また、オペレータの足元には、コントロールバルブが発生する熱や騒音が伝わってしまう。このように、エンジンやコントロールバルブが発生する熱や騒音によって作業環境が悪くなるという問題がある。
【0007】
また、作動油タンクは、規定量の作動油を貯えることができる大きさが必要となる。このため、機器類の設置スペースが限られた小型の油圧ショベルでは、燃料タンクの容量を小さくして対応している。これにより、小型の油圧ショベルは、1回の給油で稼動できる時間が短くなり、作業効率が低下するという問題がある。
【0008】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、エンジン等が発生する熱や騒音がオペレータに伝わるのを抑制して作業環境を良好にし、かつ多くの燃料を貯蔵できるようにして稼働時間を伸ばすことができるようにした建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による建設機械は、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とからなり、前記上部旋回体は、支持構造体をなす旋回フレームと、該旋回フレーム上に搭載されたエンジンを含む搭載機器と、該搭載機器を覆うように前記旋回フレーム上に設けられオペレータが着座する運転席を有するフロアとを備えてなる。
【0010】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記フロアには、前記エンジンに供給する燃料を貯える燃料貯蔵部を設ける構成としたことにある。
【0011】
請求項2の発明は、前記フロアは、前側に位置してオペレータの足を乗せる足乗せ部と、該足乗せ部の後部から立上がった仕切り部とにより形成し、前記燃料貯蔵部は、前記足乗せ部と仕切り部とのうちいずれか一方または両方に設ける構成としたことにある。
【0012】
請求項3の発明は、前記フロアの足乗せ部には、前記燃料貯蔵部と異なる位置に物品を収容する物品収容部を設ける構成としたことにある。
【0013】
請求項4の発明は、前記フロアの仕切り部は、前記足乗せ部の後側から上側に延びた立上り部と、該立上り部の上側から後側に延び前記運転席を取付ける運転席取付部とにより形成し、前記燃料貯蔵部は、前記立上り部と運転席取付部とのうちいずれか一方または両方に設ける構成としたことにある。
【0014】
請求項5の発明は、前記フロアは、金属材料により形成された外枠体と、該外枠体に支持され樹脂材料からなる貯蔵容器とにより形成し、前記燃料貯蔵部は該貯蔵容器に形成された内部空間としてなる。
【0015】
請求項6の発明は、前記フロアは、金属材料を用いた鋳造品として形成し、前記燃料貯蔵部は該鋳造品に形成された内部空間でとしてなる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、フロアに燃料貯蔵部を設けた場合、この燃料貯蔵部の位置が二重構造になる。また、燃料貯蔵部には、熱が伝わり難く振動を吸収する液体である燃料を貯えることができる。これにより、例えば熱や騒音を発生するエンジン、コントロールバルブ等の搭載機器と運転席との間には、フロアの二重構造部と燃料とを隔壁として配置することができる。この結果、エンジンやコントロールバルブが発生する熱や騒音をフロアの燃料貯蔵部によって遮ることができ、オペレータの作業環境を良好にすることができる。
【0017】
しかも、燃料貯蔵部を設けたフロアは大きな面積となっているから、燃料タンクを独立して設けた場合に比較し、燃料の貯蔵量を大きくすることができる。これにより、建設機械の稼働時間を伸ばすことができ、作業効率を向上することができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、燃料貯蔵部を足乗せ部に設けた場合には、例えばフロアの下側に配設されるコントロールバルブと運転席に着座したオペレータの足元との間に燃料貯蔵部を配置することができる。これにより、コントロールバルブが発生する熱や騒音からオペレータの足元を保護することができる。
【0019】
一方、燃料貯蔵部を仕切り部に設けた場合には、例えば運転席の下側に配設されるエンジンと運転席に着座したオペレータとの間に燃料貯蔵部を配置することができる。これにより、エンジンが発生する熱や騒音からオペレータを保護することができる。
【0020】
請求項3の発明によれば、フロアの足乗せ部には、物品収容部を設けているから、例えば空気調和装置の室内機、工具、スペアパーツ等の物品を収容することができる。
【0021】
請求項4の発明によれば、フロアの仕切り部には運転席取付部を設けているから、該運転席取付部に運転席を取付けることができる。しかも、立上り部と運転席取付部とのうちいずれか一方または両方に設けた燃料貯蔵部は、運転席に着座したオペレータへの直接的な熱や騒音の伝わりを防止することができる。
【0022】
請求項5の発明によれば、樹脂材料からなる貯蔵容器は、複雑な形状とすることができ、また安価に製造することができる。そして、金属材料からなる外枠体は、貯蔵容器を強固に支持することができる。
【0023】
請求項6の発明によれば、フロアを金属材料を用いた鋳造品として形成することにより、フロアと燃料タンクとを一体構造物として形成することができ、部品点数の削減、組立作業性の向上等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るキャブ仕様の油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】図1中の上部旋回体を拡大して示す外観斜視図である。
【図3】下部走行体と上部旋回体を熱交換器、作動油タンク、外装カバー等を省略した状態で拡大して示す背面図である。
【図4】旋回フレームを拡大して示す外観斜視図である。
【図5】上部旋回体を外装カバー、キャブ、各種レバー等を省略した状態で拡大して示す平面図である。
【図6】旋回フレーム、フロア、運転席、空調ユニット、傾転機構等を示す外観斜視図である。
【図7】図6中のフロアと運転席と空調ユニットを拡大して示す外観斜視図である。
【図8】図7中のフロアを示す外観斜視図である。
【図9】図8中の外枠体を単体で示す外観斜視図である。
【図10】図8中の貯蔵容器を単体で示す外観斜視図である。
【図11】フロアの貯蔵容器を単体で示す正面図である。
【図12】図10中の矢示XII−XII方向からみた貯蔵容器の断面図である。
【図13】図10中の矢示XIII−XIII方向からみた貯蔵容器の断面図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態によるフロアを旋回フレーム、運転席、空調ユニット、傾転機構等と一緒に示す外観斜視図である。
【図15】フロアを単体で示す外観斜視図である。
【図16】図15中の矢示XVI−XVI方向からみた貯蔵容器の断面図である。
【図17】図15中の矢示XVII−XVII方向からみた貯蔵容器の断面図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態によるフロアを示す外観斜視図である。
【図19】図18中の貯蔵容器を単体で示す外観斜視図である。
【図20】本発明の第4の実施の形態によるフロアを示す外観斜視図である。
【図21】図20中の貯蔵容器を単体で示す外観斜視図である。
【図22】本発明の第1の変形例による貯蔵容器と燃料貯蔵部を示す外観斜視図である。
【図23】本発明の第2の変形例による貯蔵容器と燃料貯蔵部を示す外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態に係る建設機械の代表例として小型の油圧ショベルを例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0026】
まず、図1ないし図13は本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、1は建設機械としてのキャブ仕様の油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3とにより構成されている。また、上部旋回体3の前側には、土砂の掘削作業等を行うスイング式の作業装置4が揺動および俯仰動可能に設けられている。
【0027】
一方、上部旋回体3は、図1ないし図5に示す如く、後述の旋回フレーム5、エンジン6、作動油タンク9、コントロールバルブ11、フロア15、運転席26、キャブ32等により大略構成されている。また、上部旋回体3は、フロア15が運転席26、キャブ32と一緒に前側位置を支点とし、上側ないし前側に傾転(チルトアップ)でき、また後側ないし下側に傾転(チルトダウン)することができる。
【0028】
5は上部旋回体3の支持構造体を構成する旋回フレームである。この旋回フレーム5は、図6に示す如く、左,右方向の中間部を前,後方向に延びた平板状の底板5Aと、該底板5Aの上面側に左,右方向に離間して略V字状に立設された左,右の縦板5B,5Cと、該各縦板5B,5Cの前端部に設けられ、作業装置4を支持する支持ブラケット5Dと、該支持ブラケット5Dの基端部から左側に延びつつ屈曲して後側に延びた左サイドフレーム5Eと、前記支持ブラケット5Dの基端部から右側に延びつつ屈曲して後側に延びた右サイドフレーム5Fと、前部左寄りに位置して左サイドフレーム5Eの上方を左,右方向に延びて設けられ、旋回フレーム5の前側位置となる前梁5Gとにより大略構成されている。
【0029】
6は旋回フレーム5の後側に搭載されたエンジン(図3、図5参照)で、該エンジン6は、搭載機器の1つであり、左,右方向に延在する横置き状態に配置されている。ここで、エンジン6は、後述するフロア15の仕切り部15Bの下側に入り込むように配設されている。また、エンジン6の左側には、該エンジン6によって駆動される油圧ポンプ7が設けられ、エンジン6の右側にはラジエータ、オイルクーラ等の熱交換器8が配設されている。
【0030】
9は熱交換器8の前側に位置して旋回フレーム5の右側に設けられた作動油タンクで、該作動油タンク9は、各種アクチュエータを駆動するための作動油を貯えるものである。また、10は作動油タンク9の前側に設けられたバッテリを示している。
【0031】
また、11は旋回フレーム5の左前側に設けられた搭載機器としてのコントロールバルブである(図6中に一部のみ図示)。このコントロールバルブ11は、後述するフロア15の足乗せ部15Aの下側に配設されている。さらに、旋回フレーム5の中央部には、足乗せ部15Aの下側に位置して上部旋回体3を旋回駆動する旋回モータ、旋回動作を許しつつ圧油を下部走行体2側に供給するセンタジョイント(いずれも図示せず)等が設けられている。
【0032】
12はエンジン6の右側に位置して設けられた支持枠で、該支持枠12は、エンジン6の前側から上側を延びる逆L字状に形成され、下端部が旋回フレーム5に、後端部がカウンタウエイト13に取付けられている。そして、支持枠12には、図3等に示すように後述する傾転機構34が取付けられている。
【0033】
13はエンジン6の後側に位置して旋回フレーム5の後端部に取付けられカウンタウエイトである。このカウンタウエイト13は、作業装置4との重量バランスをとるもので、図5に示すように左,右方向に円弧状に延びる凸湾曲形状をなしている。また、カウンタウエイト13は、図3に示すように、後述するフロア15の建屋取付部15C(外枠体16の後枠部20)を取付けるための取付ベースとなっている。
【0034】
14は後述するキャブ32の周囲に設けられた外装カバーで、該外装カバー14は、図1、図2に示すように、カウンタウエイト13の左端側から前方に延びた左側面カバー14Aと、カウンタウエイト13の右端側から前方に延びた右側面カバー14Bと、後側に位置して前記各側面カバー14A,14B間に開閉可能に設けられたエンジンカバー14Cと、キャブ32の右側に位置して作動油タンク9等を覆った開閉可能なタンクカバー14Dとにより大略構成されている。
【0035】
次に、旋回フレーム5上に設けられた第1の実施の形態の特徴部分となるフロア15について説明する。このフロア15は、例えば前側位置が旋回フレーム5に対して傾転可能に取付けられたチルトフロアとして構成されている。しかも、フロア15は、エンジン6に供給する燃料24を貯える燃料貯蔵部23を有する貯蔵容器22を備えた容器兼用フロアとして構成されている。
【0036】
即ち、15は旋回フレーム5上の左側寄りに設けられたフロアである。このフロア15は、その前側位置が後述のフロア支持機構33を介して旋回フレーム5の前側位置となる前梁5Gに支持され、後側位置がカウンタウエイト13上に防振マウント(図示せず)を介して離脱可能に取付けられる。また、フロア15は、図4、図5、図7、図8等に示す如く、後述の外枠体16と貯蔵容器22(燃料貯蔵部23)とにより構成されている。
【0037】
ここで、フロア15は、前側に位置して後述の運転席26に着座したオペレータの足乗せ場となる足乗せ部15Aと、該足乗せ部15Aの後部から立上がりエンジン6の前側から上側を覆った仕切り部15Bと、該仕切り部15Bの上端部から後側に延びて設けられた建屋取付部15Cとにより構成されている。また、フロア15の仕切り部15Bは、足乗せ部15Aの後側から上側に延びた立上り部15B1と、該立上り部15B1の上側から後側に延びた運転席取付部15B2とにより大略構成されている。
【0038】
そして、フロア15の足乗せ部15Aと仕切り部15Bは、燃料貯蔵部23によって形成されている。また、足乗せ部15Aには、走行操作レバー・ペダル29、空調ユニット30等が設けられ、仕切り部15Bの運転席取付部15B2には、運転席26等が取付けられる。また、仕切り部15Bのエンジン6に対向する面には、シート状の断熱材(図示せず)が貼付けられている。
【0039】
さらに、フロア15の足乗せ部15Aは、旋回フレーム5の左前側に搭載されたコントロールバルブ11と運転席26に着座したオペレータの足元との間を遮る位置に配設されている。また、仕切り部15Bの立上り部15B1は、旋回フレーム5の後側に搭載されたエンジン6とオペレータの足元との間を遮る位置に配設されている。また、仕切り部15Bの運転席取付部15B2は、エンジン6とオペレータの胴体部分との間を遮る位置に配設されている。
【0040】
16はフロア15の支持構造体をなす外枠体を示し、該外枠体16は、樹脂製の貯蔵容器22を支持するもので、金属材料からなる強度部材として形成されている。また、外枠体16は、図8、図9に示すように、前側に位置して貯蔵容器22の足元貯蔵部22Aを支持する前枠部17と、該前枠部17の後部から上側に延び貯蔵容器22の中間縦貯蔵部22Bを支持する縦枠部18と、該縦枠部18の上部から後側に向け斜め上側に延び貯蔵容器22の中間横貯蔵部22Cと背面貯蔵部22Dとを支持する中間枠部19と、該中間枠部19の上部から後側に延びた後枠部20と、前記前枠部17の右側位置から立上った側面部21とにより大略構成されている。
【0041】
ここで、前枠部17は、左側に位置して前,後方向に延びた左側板17Aと、該左側板17Aとの間に貯蔵容器22の足元貯蔵部22Aを挟むように右側に位置して前,後方向に延びた右側板17Bと、前記各側板17A,17Bの前側に左,右方向に延びて設けられ後述の走行操作レバー・ペダル29等を取付けるためのレバー・ペダル取付部17Cと、該レバー・ペダル取付部17Cの前側に設けられた前側ブラケット17Dとにより大略構成されている。
【0042】
また、前枠部17には、左,右の側板17A,17B間に位置して2枚の支持板17Eが前,後方向に間隔をもって設けられ、該各支持板17Eは、両端部が上側に屈曲した略U字状の板体からなり、その両端部が左,右の側板17A,17Bに固着されている。これにより、前枠部17は、各支持板17Eによって貯蔵容器22の足元貯蔵部22Aを下側から支持することができる。そして、前枠部17は、前側ブラケット17Dに取付けられたフロア支持機構33によって旋回フレーム5の前梁5Gに傾転可能に取付けられている。
【0043】
また、縦枠部18は、左側に位置して前枠部17の左側板17Aの後部から上側に延びた左側面板18Aと、右側に位置して右側板17Bの後部から上側に延びた右支柱18Bと、上,下方向の途中に位置して左,右方向に延び両端部が左側面板18Aと右支柱18Bとに固着された支持板18Cとにより大略構成されている。そして、縦枠部18は、支持板18Cによって貯蔵容器22の中間縦貯蔵部22Bを後側から支持することができる。
【0044】
また、中間枠部19は、左側に位置して縦枠部18の左側面板18Aから後側に向け湾曲しつつ斜め上側に延びた左枠板19Aと、右側に位置して右支柱18Bの上部から後側に向け斜め上側に延びた右枠板19Bと、前側に位置して左,右方向に延び両端部が左枠板19Aと右枠板19Bとに固着された前支持板19Cと、後側に位置して左,右方向に延び両端部が左枠板19Aと右枠板19Bとに固着された後支持板19Dとにより大略構成されている。そして、縦枠部18は、前支持板19Cによって貯蔵容器22の中間横貯蔵部22Cを下側から支持することができ、後支持板19Dによって貯蔵容器22の背面貯蔵部22Dを斜め後側から支持することができる。
【0045】
また、後枠部20は、中間枠部19の左枠板19Aの上部と右枠板19Bの上部とを連結するように左,右方向に延びている。また、後枠部20は、カウンタウエイト13の上面部に防振マウント(図示せず)を介して離脱可能に取付けられるもので、後縁部が該カウンタウエイト13に沿うように円弧状に形成されている。
【0046】
さらに、側面部21は、前枠部17の右側板17Bから縦枠部18の右支柱18Bに添って上側に延び、その上側位置には、後述する傾転機構34の移動部材34Eを取付けるための取付部21Aが設けられている。
【0047】
22は外枠体16と別個に設けられた樹脂材料からなる貯蔵容器で、該貯蔵容器22は、外枠体16と一緒にフロア15を構成するものである。ここで、貯蔵容器22(燃料貯蔵部23)は、図8に示す如く、フロア15の足乗せ部15Aと仕切り部15Bとの両方に亘って設けられている。
【0048】
また、貯蔵容器22は、図10ないし図13に示すように、前側に位置して水平方向に延びた足元貯蔵部22Aと、該足元貯蔵部22Aの後部から上側に向け垂直方向に延びた中間縦貯蔵部22Bと、該中間縦貯蔵部22Bから後側に向け水平方向に延びた中間横貯蔵部22Cと、該中間横貯蔵部22Cの後部から後側に向け斜め上側に延びた背面貯蔵部22Dとにより大略構成されている。また、最も高い位置にある背面貯蔵部22Dには、手が届き易い左側の上部位置に給油口22Eが設けられている。
【0049】
また、フロア15の足乗せ部15Aを形成する貯蔵容器22の足元貯蔵部22Aには、内部の燃料貯蔵部23と異なる位置、具体的には、足乗せ部15Aの中間部から右側の部分を凹陥することにより物品を収容する物品収容部22Fが上向きに開口して設けられている。この場合、第1の実施の形態では、物品収容部22Fに物品として後述の空調ユニット30を収容する構成としている。
【0050】
さらに、貯蔵容器22の中間横貯蔵部22Cは、フロア15の仕切板15Bの運転席取付部15B2を構成している。そして、中間横貯蔵部22Cには、後述する運転席26を前,後方向に移動可能に支持するシートレール27を取付けるためのねじ穴22Gが所定の間隔をもって複数個設けられている。
【0051】
23はフロア15を構成する貯蔵容器22の内部空間として形成された燃料貯蔵部を示している。この燃料貯蔵部23は、図12、図13に示すように、エンジン6に供給する燃料24を貯えるものである。また、燃料貯蔵部23は、貯蔵容器22を構成する足元貯蔵部22Aと中間縦貯蔵部22Bと中間横貯蔵部22Cと背面貯蔵部22Dとの全てに亘って形成されている。
【0052】
ここで、燃料貯蔵部23は、その大部分が薄肉に形成された貯蔵容器22に設けている。しかし、燃料貯蔵部23は貯蔵容器22の広範囲に亘って形成しているから、一般的な燃料タンクよりも多くの燃料24を貯えることができる。また、燃料貯蔵部23は、旋回フレーム5に搭載された搭載機器、例えばエンジン6、コントロールバルブ11と運転席26に着座したオペレータとの間の隔壁となり、熱が伝わり難く振動を吸収する液体の1つである燃料24を収容しているから、エンジン6、コントロールバルブ11が発生する熱や騒音(振動)の伝達を抑制することができる。
【0053】
25は貯蔵容器22の中間縦貯蔵部22Bの前側を覆うように設けられた運転席26の前側取付部である。この前側取付部25は、例えば外枠体16の縦枠部18等に着脱可能に取付けられている。これにより、前側取付部25を取外したときには、貯蔵容器22の物品収容部22Fに対する空調ユニット30の着脱作業、メンテナンス作業等を行なうことができる。
【0054】
26はフロア15に設けられた運転席で(図6等参照)、該運転席26は、フロア15の運転席取付部15B2となる貯蔵容器22の中間横貯蔵部22Cと前側取付部25上に設けられている。この運転席26は、オペレータが着座するもので、中間横貯蔵部22Cに設けた各ねじ穴22G等を利用し、左,右のシートレール27を介してボルト止めされている。
【0055】
また、運転席26の左,右両側には、図2に示すように、作業装置4等を操作するための作業操作レバー28が配設されている。さらに、運転席26の前方となる前枠部17のレバー・ペダル取付部17Cには、下部走行体2を走行させるときに手動操作または足踏み操作によって操作する走行操作レバー・ペダル29が設けられている。
【0056】
30は貯蔵容器22の物品収容部22Fに収容された空調ユニットで(図5ないし図7参照)、該空調ユニット30は、エンジン6側に取付けられた室外機をなすコンプレッサ、凝縮機(いずれも図示せず)等と共に空調装置を構成している。そして、空調ユニット30は、吸込んだ空気を冷気または暖気に調整し、この調和空気を後述の空調ダクト31を介してキャブ32内に供給するものである。
【0057】
31はフロア15の右前側に位置して空調ユニット30の吹出側に接続された空調ダクトである(図2参照)。この空調ダクト31は、空調ユニット30から供給される調和空気をキャブ32内の所定の位置に向けて吹き出すものである。
【0058】
32は運転席26の周囲を覆うようにフロア15に設けられた建屋としてのキャブである。このキャブ32は、運転席26の上方と周囲を覆うことにより、オペレータの居住空間を形成するものである。また、キャブ32は、前面部32A、後面部32B、左側面部32C、右側面部32D、天面部32Eからなり、左側面部32Cには出入り用のドア32Fが開閉可能に取付けられている。そして、キャブ32は、フロア15を構成する外枠体16の周囲にボルト止めされている。
【0059】
33は旋回フレーム5の前梁5Gと外枠体16の前枠部17の前側ブラケット17Dとの間に左,右に離間して設けられたフロア支持機構である(図6等参照)。この左,右のフロア支持機構33は、フロア15の前側位置で左,右方向に延びる軸線を回動軸線とし、フロア15の前側を旋回フレーム5に回動(傾転)可能に取付けるものである。これにより、フロア15は、図3に示す如く、後述する傾転機構34によって前側ないし上側となる矢示A方向(チルトアップ)、後側ないし下側となる矢示B方向(チルトダウン)に傾転可能となっている。
【0060】
34はフロア支持機構33よりも後側に位置して旋回フレーム5とフロア15との間に設けられた傾転機構で(図3参照)、該傾転機構34は、フロア15の右側位置に前,後方向に伸長して設けられている。
【0061】
また、傾転機構34は、旋回フレーム5側に位置する支持枠12に取付けられた取付ブラケット34Aと、基端側が該取付ブラケット34Aに上,下方向に回動可能に取付けられ、先端側が自由端となって前側に延びたガイドレール34Bと、該ガイドレール34Bに沿って延び該ガイドレール34Bに対し軸方向に位置決めされた状態で回転可能に取付けられたねじ軸34Cと、該ねじ軸34Cの先端部に設けられインパクトレンチ等の工具が連結される工具連結部34Dと、前記ねじ軸34Cに螺合して設けられ該工具連結部34Dを介してねじ軸34Cを回転操作することにより前記ガイドレール34Bに沿って前,後方向に移動する移動部材34Eとにより大略構成されている。また、フロア15を傾転させるための移動支点となる移動部材34Eは、フロア15を構成する外枠体16の側面板21に回動可能に取付けられている。
【0062】
そして、傾転機構34は、インパクトレンチ等の工具を工具連結部34Dに連結し、ねじ軸34Cを外部から任意の方向に回転駆動する。これにより、ねじ軸34Cに螺合している移動部材34Eをガイドレール34Bに沿って先端側(矢示C方向)に変位させるこができ、フロア15を移動部材34Eの変位量に応じて前側ないし上側(矢示A方向)に傾転させることができる。一方、ねじ軸34Cを逆方向に回転駆動することにより、移動部材34Eをガイドレール34Bに沿って基端側(矢示D方向)に変位させることができ、フロア15を後側ないし下側(矢示B方向)に傾転させることができる。
【0063】
第1の実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、その動作について説明する。
【0064】
まず、キャブ32内に乗込んだオペレータは運転席26に着座し、この状態で走行操作レバー・ペダル29を操作することにより、下部走行体2を走行させることができる。また、作業操作レバー28を操作することにより、作業装置4を俯仰動させて土砂の掘削作業等を行うことができる。
【0065】
ここで、油圧ショベル1の走行時、作業時には、旋回フレーム5の後側に設けたエンジン6が運転状態にあり、該エンジン6が発熱し、また騒音(振動)を発生する。同様に、フロア15の下側に位置して旋回フレーム6上に搭載したコントロールバルブ11も作動油の温度上昇によって発熱し、動作音を発生する。
【0066】
この場合、フロア15は、外枠体16と貯蔵容器22とから構成し、この貯蔵容器22内に燃料貯蔵部23を設けることにより、内部が燃料貯蔵部23となった貯蔵容器22は二重構造(容器構造)に形成することができる。また、燃料貯蔵部23には、熱が伝わり難く振動を吸収する液体である燃料24を貯えている。従って、熱や騒音を発生するエンジン6、コントロールバルブ11等と運転席26との間には、貯蔵容器22による二重構造部と燃料24とを隔壁として配置することができる。これにより、エンジン6やコントロールバルブ11が発生する熱や騒音は、フロア15の貯蔵容器22と燃料貯蔵部23によって遮ることができる。
【0067】
また、内部が燃料貯蔵部23となった貯蔵容器22は、フロア15の広い範囲に設けているから、燃料貯蔵部23による燃料の貯蔵量を増大することができ、油圧ショベル1を、給油作業をすることなく長時間に亘って稼働させることができる。
【0068】
次に、油圧ショベル1の旋回フレーム5に搭載したエンジン6、コントロールバルブ11等のメンテナンス作業を行う場合について説明する。この場合には、フロア15の建屋取付部15Cをカウンタウエイト13に取付けているボルト等を取外し、傾転機構34によってフロア15等をフロア支持機構33を支点として矢示A方向にチルトアップする。
【0069】
これにより、常時はフロア15によって覆われたエンジン6、コントロールバルブ11等のメンテナンス作業を行うことができる。一方、メンテナンス作業等が終了したら、傾転機構34によってフロア15等を矢示B方向にチルトダウンさせ、フロア15の建屋取付部15Cをカウンタウエイト13に固定することにより、メンテナンス作業を終了することができる。
【0070】
かくして、第1の実施の形態によれば、エンジン6、コントロールバルブ11等の搭載機器を覆うように旋回フレーム5上に設けられると共に、オペレータが着座する運転席26を有するフロア15には、前記エンジン6に供給する燃料24を貯える貯蔵容器22(燃料貯蔵部23)を設ける構成としている。従って、熱や騒音を発生するエンジン6、コントロールバルブ11等と運転席26に着座したオペレータとの間には、貯蔵容器22による二重構造部と、熱が伝わり難く振動を吸収する燃料24とを配設することができる。
【0071】
この結果、コントロールバルブ11が発生する熱や騒音は、フロア15の足乗せ部15Aに位置する貯蔵容器22の足元貯蔵部22Aおよび燃料24によって遮ることができ、また、エンジン6が発生する熱や騒音は、フロア15の仕切り部15Bに位置する貯蔵容器22の中間縦貯蔵部22B、中間横貯蔵部22Cおよび燃料24によって遮ることができる。これにより、オペレータの作業環境を良好にすることができる。
【0072】
しかも、フロア15は広い範囲(大きな面積)となり、そのほぼ全体を貯蔵容器22(燃料貯蔵部23)として形成しているから、燃料貯蔵部23の燃料の貯蔵量を大きくすることができる。これにより、油圧ショベル1の稼働時間を伸ばすことができ、作業効率を向上することができる。
【0073】
また、貯蔵容器22の足元貯蔵部22Aには、物品を収容する物品収容部22Fを設けているから、フロア15の足乗せ部15Aには、例えば空調ユニット30、工具、スペアパーツ等の物品(いずれも図示せず)を収容することができる。
【0074】
さらに、フロア15は、強度をもった金属製の外枠体16と、該外枠体16に支持された樹脂製の貯蔵容器22とにより形成しているから、貯蔵容器22は樹脂成形によって複雑な形状とすることができ、また安価に製造することができる。そして、金属材料からなる外枠体16は、貯蔵容器22を強固に支持することができる。
【0075】
次に、図14ないし図17は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、フロアは、金属材料を用いた鋳造品として形成し、燃料貯蔵部は該鋳造品に形成された内部空間としたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0076】
図14において、41は第2の実施の形態によるフロアを示している。このフロア41は、その全体が金属材料を用いた鋳造品として形成されている。また、フロア41は、その前側位置がフロア支持機構33を介して旋回フレーム5の前梁5Gに回動可能に支持され、後側位置がカウンタウエイト13上に防振マウント(図示せず)を介して離脱可能に取付けられる。また、フロア41には、図15ないし図17に示す如く、後述の燃料貯蔵部46が設けられている。
【0077】
ここで、フロア41は、前側に位置して運転席26に着座したオペレータの足乗せ場となる足乗せ部42と、該足乗せ部42の後部から立上がりエンジン6の前側から上側を覆った仕切り部43と、該仕切り部43の上端部から後側に延びて設けられた建屋取付部44と、前記足乗せ部42の右側位置から立上った側面部45とにより構成されている。
【0078】
また、足乗せ部42は、その前側位置が走行操作レバー・ペダル29等が取付けられるレバー・ペダル取付部42Aとなり、該レバー・ペダル取付部42Aの前側がフロア支持機構33が取付けられる前側ブラケット42Bとなっている。一方、足乗せ部42には、中間部から右側の部分を凹陥することにより物品を収容する物品収容部42Cが上向きに開口して設けられている。この物品収容部42Cには、図14に示すように、物品として空調ユニット30が収容されている。
【0079】
一方、仕切り部43は、足乗せ部42の後側から上側に延びた立上り部43Aと、該立上り部43Aの上側から後側に延びた運転席取付部43Bと、運転席取付部43Bの後側から斜め上側に延びた背面傾斜部43Cとにより大略構成されている。また、仕切り部43の運転席取付部43Bには、運転席26を支持するシートレール27を取付けるためのねじ穴43Dが複数個設けられている。また、背面傾斜部43Cの上部左側には、後述の燃料貯蔵部46の上部に連通するように給油口43Eが設けられている。そして、仕切り部43のエンジン6に対向する面には、シート状の断熱材(図示せず)が貼付けられている。
【0080】
さらに、建屋取付部44は、カウンタウエイト13の上面部に防振マウント(図示せず)を介して離脱可能に取付けられるもので、後縁部が該カウンタウエイト13に沿うように円弧状に形成されている。また、側面部45の上側位置には、傾転機構34の移動部材34Eを取付けるための取付部45Aが設けられている。
【0081】
このように構成されたフロア41は、その足乗せ部42が旋回フレーム5に搭載されたコントロールバルブ11と運転席26に着座したオペレータの足元との間を遮る位置に配設されている。また、仕切り部43の立上り部43A、運転席取付部43Bは、旋回フレーム5の後側に搭載されたエンジン6とオペレータの足元、胴体との間を遮る位置にそれぞれ配設されている。そして、フロア41に設けられた後述の燃料貯蔵部46は、足乗せ部42と仕切り部43の両方に亘って設けられている。
【0082】
次に、46はフロア41の内部空間として形成された燃料貯蔵部を示している。この燃料貯蔵部46は、図16、図17に示すように、エンジン6に供給する燃料24を貯えるものである。また、燃料貯蔵部46は、足乗せ部42に形成された前側空間部46Aと、仕切り部43の立上り部43Aに形成された中間空間部46Bと、仕切り部43の運転席取付部43B、背面傾斜部43Cに形成された後側空間部46Cとによって形成されている。ここで、燃料貯蔵部46は、第1の実施の形態による燃料貯蔵部23とほぼ同様に、その大部分が薄肉に形成されたフロア41に設けているものの、広範囲に亘って形成しているから、多くの燃料24を貯えることができる。また、燃料貯蔵部46は、エンジン6、コントロールバルブ11と運転席26に着座したオペレータとの間の隔壁となって、エンジン6、コントロールバルブ11が発生する熱や騒音(振動)の伝達を抑制することができる。
【0083】
かくして、このように構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態によれば、フロア41を金属材料を用いた鋳造品として形成し、燃料貯蔵部46を鋳造品からなるフロア41の内部空間として形成している。これにより、フロア41と燃料タンクを構成する燃料貯蔵部46とを一体構造物として形成することができるから、部品点数の削減、組立作業性の向上等を図ることができる。
【0084】
次に、図18および図19は本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、燃料貯蔵部は、フロアの足乗せ部と仕切り部とのうち、仕切り部に設ける構成としたことにある。なお、第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0085】
図18において、51は第3の実施の形態によるフロアを示している。このフロア51は、後述の外枠体52と貯蔵容器54(燃料貯蔵部55)とにより構成されている。また、フロア51は、第1の実施の形態によるフロア15とほぼ同様に、足乗せ部51A、仕切り部51Bおよび建屋取付部51Cにより構成されている。また、フロア51の仕切り部51Bは、立上り部51B1と運転席取付部51B2とにより構成されている。そして、フロア51には、仕切り部51Bにのみ燃料貯蔵部55が設けられている。
【0086】
52はフロア51の支持構造体をなす第3の実施の形態による外枠体で、該外枠体52は、金属材料を用いて形成されている。また、53は前側に位置して設けられた外枠体52の前枠部を示している。この前枠部53は、前述した第1の実施の形態による前枠部17とほぼ同様に、左側板53A、右側板53B、レバー・ペダル取付部53Cおよび前側ブラケット53Dにより大略構成されている。しかし、第3の実施の形態による前枠部53は、前述した支持板が設けられていない点と、フロアパネル53Eが設けられている点で、第1の実施の形態による前枠部17と相違している。
【0087】
ここで、フロアパネル53Eは、左側板53Aと右側板53Bとの間で、レバー・ペダル取付部53Cの後側の開口を閉塞する平板として形成されている。また、フロアパネル53Eには、物品としての空調ユニット30を収容する物品収容部53Fが上向きに開口して設けられている。
【0088】
54は外枠体52と別個に設けられた樹脂材料からなる第3の実施の形態による貯蔵容器で、該貯蔵容器54は、外枠体52と一緒にフロア51を構成するものである。ここで、貯蔵容器54(燃料貯蔵部55)は、フロア51の足乗せ部51Aと仕切り部51Bとのうち、仕切り部51Bにのみ設けられている。そして、貯蔵容器54は、図19に示すように、縦貯蔵部54Aと横貯蔵部54Bと背面貯蔵部54Cとにより大略構成されている。また、背面貯蔵部54Cには給油口54Dが設けられ、横貯蔵部54Bには、運転席26を取付けるためのねじ穴54Eが複数個設けられている。
【0089】
55はフロア51を構成する貯蔵容器54の内部空間として形成された燃料貯蔵部を示している。この燃料貯蔵部55は、エンジン6に供給する燃料24を貯えるもので、貯蔵容器54の縦貯蔵部54Aと横貯蔵部54Bと背面貯蔵部54Cとに亘って形成されている。また、燃料貯蔵部55は、貯蔵容器54と協働し、エンジン6と運転席26に着座したオペレータとの間の隔壁となることにより、エンジン6が発生する熱や騒音(振動)がオペレータに伝わるのを防止することができる。
【0090】
かくして、このように構成された第3の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0091】
次に、図20および図21は本発明の第4の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、燃料貯蔵部は、フロアの足乗せ部と仕切り部とのうち、足乗せ部に設ける構成としたことにある。なお、第4の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0092】
図20において、61は第4の実施の形態によるフロアを示している。このフロア61は、後述の外枠体62と貯蔵容器69(燃料貯蔵部70)とにより構成されている。また、フロア61は、第1の実施の形態によるフロア15とほぼ同様に、足乗せ部61A、仕切り部61Bおよび建屋取付部61Cにより構成されている。また、フロア61の仕切り部61Bは、立上り部61B1と運転席取付部61B2とにより構成されている。そして、フロア61には、足乗せ部61Aにのみ燃料貯蔵部70が設けられている。
【0093】
62はフロア61の支持構造体をなす第4の実施の形態による外枠体で、該外枠体62は、金属材料を用いて形成されている。また、外枠体62は、左側板63A、右側板63B、レバー・ペダル取付部63C、前側ブラケット63Dおよび支持板63Eからなる前枠部63と、該前枠部63の後部から上側に延びた縦板部64と、該縦板部64の上部から後側に延び運転席26を取付けるためのねじ穴65Aを有する横板部65と、該横板部65の後部から後側に向け斜め上側に延びた傾斜板部66と、該傾斜板部66の上部から後側に延びカウンタウエイト13上に離脱可能に取付けられる取付板部67と、前記前枠部63の右側板63Bから上側に延び傾転機構34の移動部材34Eが取付けられる取付部68Aを備えた側面板68とにより大略構成されている。
【0094】
69は外枠体62と別個に設けられた樹脂材料からなる第4の実施の形態による貯蔵容器で、該貯蔵容器69は、外枠体62と一緒にフロア61を構成するものである。ここで、貯蔵容器69(燃料貯蔵部70)は、フロア61の足乗せ部61Aと仕切り部61Bとのうち、足乗せ部61Aにのみ設けられている。そして、貯蔵容器69は、図21に示すように、左,右方向に長尺な略長方形状の容器として構成され、その左側には給油口69Aが設けられている。また、貯蔵容器69には、中間部から右側に位置して物品収容部69Bが設けられている。
【0095】
70はフロア61を構成する貯蔵容器69の内部空間として形成された燃料貯蔵部で、該燃料貯蔵部70は、エンジン6に供給する燃料24を貯えるもので、フロア61の足乗せ部61Aにのみ設けられている。また、燃料貯蔵部70は、貯蔵容器69と協働し、コントロールバルブ11と運転席26に着座したオペレータの足元との間の隔壁となることにより、コントロールバルブ11が発生する熱や騒音(振動)がオペレータに伝わるのを防止することができる。
【0096】
かくして、このように構成された第4の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0097】
なお、第3の実施の形態では、フロア51の仕切り部51Bに、縦貯蔵部54A、横貯蔵部54Bおよび背面貯蔵部54Cによりステップ状に形成された貯蔵容器54を設け、貯蔵容器54の全体となる縦貯蔵部54Aと横貯蔵部54Bと背面貯蔵部54Cとに亘って燃料貯蔵部55を設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図22に示す第1の変形例のように構成してもよい。
【0098】
即ち、図22において、貯蔵容器81を、縦貯蔵部81A、横貯蔵部81B、背面貯蔵部81Cにより形成し、背面貯蔵部81Cに給油口81Dを設ける。そして、貯蔵容器81には、フロア51の仕切り部51Bの運転席取付部51B2に位置する横貯蔵部81B、背面貯蔵部81Cに亘って燃料貯蔵部82を設ける構成としてもよい。
【0099】
また、図23に示す第2の変形例のように構成してもよい。この場合、貯蔵容器91を、縦貯蔵部91A、横貯蔵部91B、背面貯蔵部91Cにより形成し、横貯蔵部91Bに給油口91Dを設ける。そして、貯蔵容器91には、フロア51の仕切り部51Bの立上り部51B1に位置する縦貯蔵部91Aにのみ燃料貯蔵部92を設ける構成としてもよい。
【0100】
また、第2の実施の形態では、フロア41を、足乗せ部42、仕切り部43、建屋取付部44等により形成し、燃料貯蔵部46は、フロア41の足乗せ部42と仕切り部43に設けた場合を例に挙げて説明している。しかし、本発明はこの構成に限るものではなく、例えば燃料貯蔵部を、フロアの足乗せ部、仕切り部、建屋取付部のうち、いずれか1つの部位に設ける構成としてもよい。また、選択した2つの部位に燃料貯蔵部を設ける構成としてもよい。
【0101】
一方、第1の実施の形態では、フロア15を前側位置を支点として後側が傾転可能なチルトフロアとした場合を例示した。しかし、本発明はこれに限らず、フロアを旋回フレームに対し固定的に取付ける構成としてもよい。この構成は、各実施の形態にも同様に適用することができるものである。
【0102】
また、第1の実施の形態では、貯蔵容器22の物品収容部22Fに空調装置の室内機となる空調ユニット30を収容した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばメンテナンス用の工具、スペアパーツ等の他の物品を物品収容部22Fに収容する構成としてもよい。この構成は、各実施の形態にも同様に適用することができるものである。
【0103】
また、第1の実施の形態では、フロア15を、前側の足乗せ部15Aと、該足乗せ部15Aの後部から立上がってエンジン6の前側から上側を覆った仕切り部15Bとによりステップ状に形成し、仕切り部15Bの運転席取付部15B2上に運転席26を取付ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば足乗せ部から後側に延びてほぼ平坦な運転席取付部を設け、該運転席取付部に設けた運転席支持台上に運転席を取付ける構成としてもよい。
【0104】
一方、各実施の形態では、建設機械として運転席26の周囲と上側を覆うキャブ32を備えたキャブ式の油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば複数本のピラーとルーフによって運転席の上側を覆うキャノピを備えたキャノピ式の油圧ショベルに適用してもよい。
【0105】
さらに、各実施の形態では、建設機械としてクローラ式の油圧ショベルを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えばホイール式の油圧ショベル、油圧クレーン等のエンジンを備えた他の建設機械にも広く適用することができる。
【符号の説明】
【0106】
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 作業装置
5 旋回フレーム
6 エンジン(搭載機器)
11 コントロールバルブ(搭載機器)
15,41,51,61 フロア
15A,42,51A,61A 足乗せ部
15B,43,51B,61B 仕切り部
15B1,43A,51B1,61B1 立上り部
15B2,43B,51B2,61B2 運転席取付部
15C,44,51C,61C 建屋取付部
16,52,62 外枠体
22,54,69,81,91 貯蔵容器
22F,42C,53F,69B 物品収容部
23,46,55,70,82,92 燃料貯蔵部
24 燃料
26 運転席
30 空調ユニット(物品)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とからなり、
前記上部旋回体は、支持構造体をなす旋回フレームと、該旋回フレーム上に搭載されたエンジンを含む搭載機器と、該搭載機器を覆うように前記旋回フレーム上に設けられオペレータが着座する運転席を有するフロアとを備えてなる建設機械において、
前記フロアには、前記エンジンに供給する燃料を貯える燃料貯蔵部を設ける構成としたことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記フロアは、前側に位置してオペレータの足を乗せる足乗せ部と、該足乗せ部の後部から立上がった仕切り部とにより形成し、
前記燃料貯蔵部は、前記足乗せ部と仕切り部とのうちいずれか一方または両方に設ける構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記フロアの足乗せ部には、前記燃料貯蔵部と異なる位置に物品を収容する物品収容部を設ける構成としてなる請求項2に記載の建設機械。
【請求項4】
前記フロアの仕切り部は、前記足乗せ部の後側から上側に延びた立上り部と、該立上り部の上側から後側に延び前記運転席を取付ける運転席取付部とにより形成し、
前記燃料貯蔵部は、前記立上り部と運転席取付部とのうちいずれか一方または両方に設ける構成としてなる請求項2または3に記載の建設機械。
【請求項5】
前記フロアは、金属材料により形成された外枠体と、該外枠体に支持され樹脂材料からなる貯蔵容器とにより形成し、前記燃料貯蔵部は該貯蔵容器に形成された内部空間である請求項1,2,3または4に記載の建設機械。
【請求項6】
前記フロアは、金属材料を用いた鋳造品として形成し、前記燃料貯蔵部は該鋳造品に形成された内部空間である請求項1,2,3または4に記載の建設機械。
【請求項1】
自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とからなり、
前記上部旋回体は、支持構造体をなす旋回フレームと、該旋回フレーム上に搭載されたエンジンを含む搭載機器と、該搭載機器を覆うように前記旋回フレーム上に設けられオペレータが着座する運転席を有するフロアとを備えてなる建設機械において、
前記フロアには、前記エンジンに供給する燃料を貯える燃料貯蔵部を設ける構成としたことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記フロアは、前側に位置してオペレータの足を乗せる足乗せ部と、該足乗せ部の後部から立上がった仕切り部とにより形成し、
前記燃料貯蔵部は、前記足乗せ部と仕切り部とのうちいずれか一方または両方に設ける構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記フロアの足乗せ部には、前記燃料貯蔵部と異なる位置に物品を収容する物品収容部を設ける構成としてなる請求項2に記載の建設機械。
【請求項4】
前記フロアの仕切り部は、前記足乗せ部の後側から上側に延びた立上り部と、該立上り部の上側から後側に延び前記運転席を取付ける運転席取付部とにより形成し、
前記燃料貯蔵部は、前記立上り部と運転席取付部とのうちいずれか一方または両方に設ける構成としてなる請求項2または3に記載の建設機械。
【請求項5】
前記フロアは、金属材料により形成された外枠体と、該外枠体に支持され樹脂材料からなる貯蔵容器とにより形成し、前記燃料貯蔵部は該貯蔵容器に形成された内部空間である請求項1,2,3または4に記載の建設機械。
【請求項6】
前記フロアは、金属材料を用いた鋳造品として形成し、前記燃料貯蔵部は該鋳造品に形成された内部空間である請求項1,2,3または4に記載の建設機械。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2010−248689(P2010−248689A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−95782(P2009−95782)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
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