説明

強接着性コーティングの製造方法

本発明は、無機又は有機基材上への強接着性コーティングの製造方法であって、第一の工程a)において、低温プラズマ、コロナ放電、又は火炎を、無機又は有機基材上に作用させ、第二の工程b)において、1種以上の定義された光開始剤、又は定義された光開始剤と少なくとも1個のエチレン性不飽和基を含有するモノマーとの混合物、あるいは前述の物質の溶液、懸濁液、又はエマルションを、好ましくは常圧で、無機又は有機基材に塗布し、第三の工程c)において、適切な方法を用いて、これら前述の物質を乾燥するか、かつ/又は電磁波を照射し、そして場合により、第四の工程d)において、そのように前処理した基材上に更なるコーティングを塗布する方法に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機又は有機基材上への強接着性コーティングの製造方法であって、
a)無機又は有機基材上に、低温プラズマ処理、コロナ放電処理、オゾン化、又は紫外線照射、又は火炎処理を行い、
b)1種以上の光開始剤、又は光開始剤と少なくとも1個のエチレン性不飽和基を含有するモノマー若しくは/及びオリゴマーとの混合物、あるいは前述の物質の溶液、懸濁液、又はエマルションを、無機又は有機基材に塗布し、そして
c)場合により、適切な方法を用いて、これら前述の物質を乾燥するか、かつ/又は電磁波を照射し、
工程b)において、式I又はIa:
【化1】


〔式中、nは、1〜4の数であり;
Xは、O、S、又はNR5であり;
Zは、O又はSであり;
nが1である場合、R1は、水素、C1〜C50アルキル、C2〜C24アルケニル、C3〜C25シクロアルキル;1種以上のX2で中断されたC2〜C250アルキル;1個以上のX2で中断されたC2〜C24アルケニル;1個以上のX2で中断されたC3〜C25シクロアルキル(ここで前記基C1〜C50アルキル、C2〜C24アルケニル、C3〜C25シクロアルキル;1個以上のX2で中断されたC2〜C250アルキル;1個以上のX2で中断されたC2〜C24アルケニル;1個以上のX2で中断されたC3〜C25シクロアルキルは;場合により1個以上のAで置換されている)であるか;
又はR1は、場合によりA1で置換されているフェニルであるか;
又は、XがNR5である場合、R5及びR1は、N−原子と一緒になって、場合によりN−原子のほかに別の基NR5を含んでいる環を形成していてもよく;
nが2である場合、R1は、二価の結合基であり;
nが3である場合、R1は、三価の結合基であり;
nが4である場合、R1は、四価の結合基であり;
Mは、n価のカチオンであり;
Aは、
【化2】


、OR9、SR9、NR1011、ハロゲン、非置換フェニル、又は1個以上のC1〜C24アルキル、C3〜C25シクロアルキル、C2〜C24アルケニル、C2〜C24アルキニル、フェニル、OR9、SR9、COR9、COOR9、OCOR9、CON1011、OCONR1011
【化3】


で置換されたフェニルであり、
1は、C1〜C24アルキル、1個以上のX2で中断されたC2〜C24アルキル;C2〜C24アルケニル、1個以上のX2で中断されたC2〜C24アルケニル;C3〜C25シクロアルキル;1個以上のX2で中断されたC3〜C25シクロアルキル(ここで前記基C1〜C24アルキル、1個以上のX2で中断されたC2〜C24アルキル、C2〜C24アルケニル;1個以上のX2で中断されたC2〜C24アルケニル;C3〜C25シクロアルキル;及び1個以上のX2で中断されたC3〜C25シクロアルキルは;場合により1個以上のC2〜C24アルキニル、フェニル、OR9、SR9、−COR9、COOR9
【化4】


で置換されている)であるか;
あるいはA1は、
【化5】


、OR9、SR9、NR1011、非置換フェニル、又は1個以上のC1〜C24アルキル、C2〜C24アルケニル、C3〜C25シクロアルキル、C2〜C24アルキニル、フェニル、OR9、SR9、COR9、COOR9、OCOR9、CON1011、OCONR1011
【化6】


で置換されたフェニルであり;
2、R3、及びR4は、互いに独立に、水素、ハロゲン、CN、C1〜C24アルキル、1個以上のX2で中断されたC2〜C24アルキル;C2〜C24アルケニル、1個以上のX2で中断されたC2〜C24アルケニル;C3〜C25シクロアルキル;1個以上のX2で中断されたC3〜C25シクロアルキル(ここで前記基C1〜C24アルキル、1個以上のX2で中断されたC2〜C24アルキル、C2〜C24アルケニル、1個以上のX2で中断されたC2〜C24アルケニル、C3〜C25シクロアルキル、及び1個以上のX2で中断されたC3〜C25シクロアルキルは;場合により1個以上のC2〜C24アルキニル、フェニル、ハロゲン、OR9、SR9、NR1011、COR9、COOR9、OCOR9、N(R5)COR9、CON(R5)R9
【化7】


で置換されている)であるか;
あるいはR2、R3、及びR4は、
【化8】


、OR9、SR9、NR1011、COR9、COOR9、OCOR9、N(R5)COR9、CON(R5)R9、非置換フェニル、又は1個以上のOR9、SR9、NR1011、COR9、COOR9、OCOR9、N(R5)COR9、CONR1011、OCONR1011、C1〜C24アルキル、C2〜C24アルケニル、C3〜C25シクロアルキル、C2〜C24アルキニル、フェニル、
【化9】


で置換されたフェニルであるか;
あるいはR2及びR3は、一緒になってC1〜C6アルキレンを形成するか、又はR2及びR3は一緒になって、これらが結合したフェニル環に縮合したベンゼン環を形成し;
5は、nが1である場合のR1について示した意味の一つを有するか;又はR5は、
【化10】


であり、
1は、直接結合、O、S、又はNR12であり;
2は、O、S、NR12、CO、COO、OCO、CONR12、NR12CO、OCONR12、NR12COO、NR12CONR13、SO、SO2、CR12=CR13、C≡C、N=C−R12、R12C=N、
【化11】


、フェニレン;又はA1で置換されたフェニレンであり;
6、R7、及びR8は、互いに独立に、R2、R3、及びR4について示したのと同じ意味を有し;
9、R10、及びR11は、互いに独立に、水素、C1〜C24アルキル;1個以上のX2で中断されたC2〜C24アルキル;C2〜C24アルケニル;1個以上のX2で中断されたC2〜C24アルケニル;C3〜C25シクロアルキル;1個以上のX2で中断されたC3〜C25シクロアルキル(ここで前記基C1〜C24アルキル;1個以上のX2で中断されたC2〜C24アルキル;C2〜C24アルケニル;1個以上のX2で中断されたC2〜C24アルケニル;C3〜C25シクロアルキル;及び1個以上のX2で中断されたC3〜C25シクロアルキルは;場合により1個以上のC2〜C24アルキニル、フェニル、ハロゲン、CN、OR12、SR12、COR12、COOR12
【化12】


で置換されている)であるか;
あるいはR9、R10、及びR11は、互いに独立に、非置換フェニル、又は1個以上のCOR12、COOR12、OCOR12、CONR1314、OCONR1314、C1〜C24アルキル、C2〜C24アルケニル、C3〜C25シクロアルキル、C2〜C24アルキニル、フェニル、OR12、SR12
【化13】


で置換されたフェニルであるか;
あるいはR9、R10、及びR11は、互いに独立に、非置換フェニル−C1〜C4−アルキル、又は1個以上のCOR12、COOR12、OCOR12、CONR1314、OCONR1314、C1〜C24アルキル、C3〜C25シクロアルキル、C2〜C24アルケニル、C2〜C24アルキニル、フェニル、OR12、SR12
【化14】


で置換されたフェニル−C1〜C4アルキルであり;
12、R13、及びR14は、互いに独立に、水素、フェニル、C1〜C24アルキル;1個以上のX3で中断されたC2〜C24アルキル;C2〜C24アルケニル;1個以上のX3で中断されたC2〜C24アルケニル;C3〜C25シクロアルキル;1個以上のX3で中断されたC3〜C25シクロアルキル(ここで前記基フェニル、C1〜C24アルキル;1個以上のX3で中断されたC2〜C24アルキル;C2〜C24アルケニル;1個以上のX3で中断されたC2〜C24アルケニル;C3〜C25シクロアルキル;及び1個以上のX3で中断されたC3〜C25シクロアルキルは、場合により1個以上のOH又はハロゲンで置換されている)であり;
3は、O、S、又はNR5であり;そして
15、R16、及びR17は、互いに独立に、水素、C1〜C24アルキル、CH2−COOH、COOH、又はフェニルである〕の光開始剤を少なくとも1種用いることを特徴とする、方法。
【請求項2】
d)更なるコーティングを塗布し、そして乾燥又は硬化させる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
更なるコーティングd)が、
d1)UV/VIS放射線若しくは電子ビームで硬化する、少なくとも1種の重合性モノマー、又はエチレン性不飽和のモノマー若しくはオリゴマーを含む、溶剤又は水系の組成物;あるいは
d2)溶剤又は水系の通常の乾燥コーティング、例えば印刷インク又はラッカー;あるいは
d3)金属層
である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
式I及びIaの化合物において、
nが、1又は2の数であり;
Xが、O又はNR5であり;
Zが、Oであり;
nが1である場合、R1が水素、C1〜C50アルキル、1個以上のX2で中断されたC2〜C50アルキル;C2〜C24アルケニル、1個以上のX2で中断されたC2〜C24アルケニル(ここで前記基C1〜C50アルキル、1個以上のX2で中断されたC2〜C50アルキル、C2〜C24アルケニル、及び1個以上のX2で中断されたC2〜C24アルケニルは、場合により1個以上のAで置換されている)であるか;
あるいは、XがNR5である場合、R5及びR1が、N−原子と一緒になって、場合によりN−原子のほかに別の基NR5を含んでいる環を形成していてもよく;
nが2である場合、二価の結合基として、R1がC1〜C50アルキレン又はX2で中断されたC2〜C250アルキレンであるか;あるいは、nが2でありかつXがNR5である場合、R1がR5と一緒になって、ヘテロ原子として2個のN−原子を含む脂肪族環を形成し;
Mが、n価のカチオンであり;
Aが、
【化15】


、OR9、又はNR1011であり;
2、R3、及びR4が、互いに独立に、水素、C1〜C24アルキル、OR9、SR9、又はNR1011であり;
5が、nが1である場合R1について示した意味の一つを有するか;又はR5が、
【化16】


であり;
1が、直接結合又はOであり;
2が、Oであり;
6及びR7が、R2、R3、及びR4について示した意味の一つを有し;
9、R10、及びR11が、互いに独立に、水素、C1〜C24アルキル、C2〜C24アルケニル;
【化17】


で置換されたC2〜C24アルケニルであるか;
あるいはR9、R10、及びR11が、互いに独立に、非置換フェニル−C1〜C4−アルキル;又は
【化18】


で置換されたフェニル−C1〜C4−アルキルであり;そして
15、R16、及びR17が、互いに独立に、水素又はC1〜C24アルキルである、
請求項1記載の方法。
【請求項5】
工程b)において、光開始剤(1種又は複数種)又はそのモノマー若しくはオリゴマーとの混合物を、1種以上の液体と組み合わせて、溶液、懸濁液、及びエマルションの形態で用いる、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
工程a)において、不活性ガス、又は不活性ガスと反応性ガスとの混合物をガスとして用いる、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
式Ib:
【化19】


(式中、T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8は、互いに独立に、水素又はC1〜C4アルキルであり;
Tは、NR12COR9、NR1011
【化20】


であり;
a、b、cは、互いに独立に、0〜50の整数であり、
ただし、a+b+cの合計は2以上であり;そして
2、R3、R4、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R15、R16、及びR17は、請求項1の定義の通りである)の化合物。
【請求項8】
式Ic:
【化21】


(式中、T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8は、互いに独立に、水素又はC1〜C4アルキルであり;
aは、4〜50、好ましくは4〜20の整数であり;
Tは、
【化22】


、OR9、SR9、NR1011、ハロゲン、非置換フェニル、又は1個以上のC1〜C24アルキル、C3〜C25シクロアルキル、C2〜C24アルケニル、C2〜C24アルキニル、フェニル、OR9、SR9、COR9、COOR9、OCOR9、CON1011、OCONR1011
【化23】


で置換されたフェニルであり;そして
2、R3、R4、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、X1、R15、R16、及びR17は、
請求項1の定義の通りである)の化合物。
【請求項9】
式Id:
【化24】


(式中、aは、1〜7の整数であり;そして
2、R3、及びR4は、請求項1定義の通りである)の化合物。
【請求項10】
式Ie:
【化25】


(式中、T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9、T10、T11、T12は、互いに独立に、水素又はC1〜C4アルキルであり;
13は、水素又はC1〜C4アルキル、好ましくは水素又はエチルであり;
x、Ty、Tzは、互いに独立に、NR12COR9、NR1011
【化26】


であり;
ただし、Tx、Ty、又はTzの少なくとも1つは、
【化27】


であり;
uは、0〜10の整数であり;
x、y、zは、互いに独立に、0〜50の整数であり;そして
6、R7、R8、R9、R10、R11、12、R15、R16、及びR17は、請求項1の定義の通りである)の化合物。
【請求項11】
工程b)において塗布した光開始剤層の層厚さが10ミクロンまでである、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
工程c)を行った後の光開始剤層の層厚さが1ミクロンまでである、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
方法の工程b)を、方法の工程a)の直後に又は方法の工程a)の後24時間内に実施する、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
方法の工程b)における、光開始剤又は複数の光開始剤の濃度が、全配合物に基づいて0.0001〜100%である、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
方法の工程c)における乾燥を、オーブン中で、熱ガス、熱ローラー、又はIR若しくはマイクロ波ラジエータを用いて行うか、又は吸収により行う、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
方法の工程c)及び/又はd)において、波長200nm〜700nmの範囲の電磁波を発光する光源を用いて、又は電子ビームにより、又はコロナ放電により照射を行う、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
方法の工程b)において塗布した、光開始剤又はそのモノマー及び/若しくはオリゴマーとの混合物の、方法の工程c)での照射の後に架橋していない部分を、溶剤及び/又は水を用いる処理により除去するか、並びに/又は機械的に除去する、請求項1記載の方法。
【請求項18】
方法の工程d)における照射の後、コーティングの一部を、溶剤及び/若しくは水を用いる処理により除去するか、並びに/又は機械的に除去する、請求項2記載の方法。
【請求項19】
請求項1〜6のいずれか1項記載の方法により得た、強接着性コーティング。

【公表番号】特表2008−523987(P2008−523987A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547451(P2007−547451)
【出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【国際出願番号】PCT/EP2005/056683
【国際公開番号】WO2006/067061
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】