説明

弾球遊技機

【課題】弾球遊技機において、不正行為の抑制を図ると共に、スイッチ信号の適正時と異常時の双方の確実な処理動作を確保可能とすることにある。
【解決手段】入賞検出スイッチ34a、35aのスイッチ信号にONエッジが生起したことに基づいて、入賞タイマに設定した所定のタイマ時間の計時を開始する第1制御手段(S312〜S315:処理ルートA)と、前記スイッチ信号にOFFエッジが生起したことに基づいて、当該入賞検出スイッチの作動と関連づけられた処理を行なう第2制御手段(S321〜S324:処理ルートB)と、前記入賞タイマが前記所定のタイマ時間を計時し終わるまでに前記スイッチ信号にOFFエッジが生起されない場合に、異常有りの判定をする異常判定手段(S317〜S320:処理ルートC)とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパチンコ機等の弾球遊技機、特に不正行為に基づくスイッチ信号の異常性を判断可能とする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の弾球遊技機では、遊技機の隙間から「セル板」と称される薄板状部材や針金等の線状部材などの不正部材を侵入させ、入賞検出スイッチをONさせることで、不当な賞球の払出や大当り抽選契機を発生させることが危惧される。
【0003】
一般に、遊技球が実際に入賞手段へ入球して入賞検出スイッチのON信号が出力された場合、その出力時間(信号継続期間)は長くとも20msec程度である。これに対し、不正行為者がセル板等を挿し抜きするような人為的な動作では、入賞手段へ入球した遊技球が入賞検出スイッチを通過して行く速度に比べて極めて遅く、どんなに短くとも数百msec程度かかってしまう。つまり、適正なON信号の信号継続期間と同様の擬似的な信号を、セル板等の挿し抜きといった上記不正行為により生成することは、不可能である。この不正行為時と適正遊技時とのON信号継続期間の違いを利用すれば、入賞検出スイッチのON信号の異常性を判断できることになる。
【0004】
そこで従来、パチンコ機において入賞検出スイッチのON継続時間が所定時間長さを超えた場合に異常と判定する方法が提案されている(下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−119198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の異常判定方法は、入賞検出スイッチのON時、つまり信号レベルの立ち上がりまたは立ち下がりであるONエッジが生起したとき、そのONエッジの存在を根拠として入賞検出スイッチが適正に作動したか否かを判断する。つまり、OFFエッジの到来を待たずして、入賞検出スイッチの作動の適否を決定している。このため、スイッチ信号の適正時と異常時の双方の確実な処理動作を確保することが難しいという課題がある。
【0007】
特に異常時の関連では、ONエッジの発生を根拠に実行した処理の結果は確定的なものではなく、その後に不正行為による信号異常が発見された場合等には取り消されるべきものであり、この点で確実な処理動作を確保することが難しいという課題がある。
【0008】
たとえば、ON継続期間中にスイッチ信号が異常であると判定された結果、ONエッジで実行済みである処理がその後にOFFエッジが生起する前に取り消したい処理であったと判明することがあり得る。既に実行済みの処理が、たとえばONエッジで開始済みの特別図柄の変動であるとか、既に実行済みの保留球数の加算処理等であるときは、制御状態をONエッジ到来前の元の状態に戻そうとしても、既にそれが困難な状況となっていると考えられる。このため、異常が検出されたスイッチ信号それ自体を無効にすることが不都合なく行うことのできる異常判定方法の提供が望まれている。
【0009】
特許文献1においても同様である。特許文献1では、2msごとに読み取られる信号レベルのONとOFFをそれぞれ論理1と論理0としたとき、最近の過去3回分のデータのうちの最先のデータ(最も古いデータ)の論理反転処理を行うとともに、当該論理反転された最先のデータおよび残り2回分のデータすべての論理積を算出する。論理積の値が「1」となった場合には、信号レベルが「L」から「H」に切り替わったことを意味する。また論理積の値が「0」の場合には、過去4msecの間、信号レベルが「L」のままかもしくは「H」のまま切り替わらなかった、または信号レベルが「H」から「L」に切り替わったことを意味する。このため、たとえば立ち上がり後にON期間が20ms以上続くスイッチ信号に関して、2msごとに読み取った論理値について論理積をとり、その論理積の値「1」が計10回続くと、18msecの間、ON信号が継続して入力されていることを意味するため、これをもって入力信号に何らかの異常有りと判断することとされる。したがって特許文献1は、上記論理積の値により信号レベルの連続性や切り替わりが把握されて、異常の有無の判断に利用されるが、OFFエッジが生起したことに基づいて入賞検出スイッチの作動が完結したと決定することは行われていない。このため、たとえば特別図柄の変動を開始させる特別図柄始動口に入球して、対応するセンサのスイッチ信号にONエッジが発生した場合、特別図柄始動口センサ信号にONエッジが発生したことに基づいて既に特別図柄の変動開始処理や保留球数の加算などの処理を実行していたときは、その後にスイッチ信号に異常が検出されると、当該スイッチ信号を不都合なく無効とすることが困難となってしまう。
【0010】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、不正行為の抑制を図ると共に、スイッチ信号の適正時と異常時の双方の確実な処理動作を確保することのできる弾球遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0012】
(1)遊技球が流下する遊技領域内に配置された入賞手段(34、35、37、43)と、
前記入賞手段へ入球した遊技球を検出する入賞検出スイッチ(34a、35a、37a、43a)と、
前記入賞検出スイッチから出力されるスイッチ信号を監視して遊技動作を統括的に制御する制御手段(20)とを備えた弾球遊技機において、
前記入賞検出スイッチは、遊技球の非検出中は第1レベルのOFF信号を継続して出力し、遊技球の検出中は第2レベルのON信号を継続して出力し、
前記制御手段は、
前記スイッチ信号にONエッジが生起したことに基づいて、入賞タイマに設定した所定のタイマ時間の計時を開始する第1制御手段(S312〜S315:処理ルートA)と、
前記スイッチ信号にOFFエッジが生起したことに基づいて、当該入賞検出スイッチの作動と関連づけられた処理を行なう第2制御手段(S321〜S324:処理ルートB)と、
前記入賞タイマが前記所定のタイマ時間を計時し終わるまでに前記スイッチ信号にOFFエッジが生起されない場合に、異常有りの判定をする異常判定手段(S317〜S320:処理ルートC)と、を有する、
ことを特徴とする弾球遊技機。
【0013】
(2)前記入賞手段は前記遊技領域内に配置された図柄始動口(34、35)を含んでおり、
前記制御手段は、乱数抽選による当り抽選を行なう抽選手段(S334)と、前記抽選手段の抽選結果に応じて図柄を表示装置(38)に変動表示させ、その結果を表示装置に表示する図柄管理手段(S209)と、をさらに有し、
前記第2制御手段は、前記図柄始動口に遊技球が入球した際、当該図柄始動口の入賞検出スイッチから出力されるスイッチ信号にOFFエッジが生起されたことに基づき、図柄変動動作の始動条件が成立したときになすべき処理を行う、ことを特徴とする上記(1)に記載の弾球遊技機。
【0014】
(3)前記制御手段は、図柄始動口に遊技球が入賞したとき、その入賞に基づく図柄変動動作の実行を一旦保留して保留球数を上限値まで記憶し、図柄変動動作の始動条件が成立したことを条件に保留球数を1つ消化する保留記憶手段(RAM203)を、さらに有し、
前記第2制御手段は、前記図柄変動動作の始動条件が成立したときになすべき処理として、保留球数を1増加させる保留加算処理(S324)を行う、ことを特徴とする上記(2)に記載の弾球遊技機。
【0015】
(4)前記第1制御手段は、前記図柄始動口に遊技球が入球した際、当該図柄始動口の入賞検出スイッチから出力されるスイッチ信号にONエッジが生起されたことに基づき、前記抽選手段による当たり抽選をなすための図柄抽選用乱数値を取得する(S315)、ことを特徴とする上記(2)または(3)に記載の弾球遊技機。
【0016】
(5)前記第1制御手段は、前記スイッチ信号にONエッジが生起されたときに前記保留球数が上限値未満であることを条件に図柄始動口に入賞があったことを記憶(入賞確認フラグ)し、
前記第2制御手段は、入賞があったことが記憶されている状態で前記スイッチ信号にOFFエッジが生起したことに基づいて始動条件が成立したときになすべき処理を行なう、
ことを特徴とする上記(3)または(4)に記載の弾球遊技機。
【0017】
(6)前記異常判定手段は、前記異常ありの判定をした場合、前記第1制御手段で取得した図柄抽選用乱数をクリアする、ことを特徴とする上記(4)に記載の弾球遊技機。
【0018】
(7)前記所定のタイマ時間は、正常時に前記入賞手段へ入球して前記スイッチ信号にOFFエッジが生起されるまでのON信号継続期間とこれに加えた余裕時間との和からなる、ことを特徴とする上記(1)〜(6)に記載の弾球遊技機。
【0019】
(8)前記入賞手段は構造の異なる第1の始動口(34)と第2の始動口(35)を含んでおり、この第1の始動口と第2の始動口を正常時に遊技球が転動流下する際の前記スイッチ信号のON信号継続時間の相違に基づいて、前記所定のタイマ時間が異なる値に設定されている、ことを特徴とする上記(7)に記載の弾球遊技機。
【0020】
(9)前記異常判定手段により異常有りと判定された場合において、その旨を報知する報知手段をさらに有する、ことを特徴とする上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の弾球遊技機。
【0021】
(10)前記異常判定手段により異常有りと判定された回数を記憶可能な異常回数記憶手段と、前記異常有りと判定された回数が所定回数以上となった場合において、その旨を報知する報知手段と、をさらに有する、ことを特徴とする上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の弾球遊技機。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、入賞検出スイッチのスイッチ信号にOFFエッジが生起したことが確認できたことを条件に、当該スイッチの作動と関連づけられた処理を行うため、ONエッジを確認しただけで処理を実行する場合に比べ、誤動作のない確実な処理動作をさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る弾球遊技機の外観を示す正面側の斜視図である。
【図2】本発明に係る弾球遊技機の遊技盤の正面側を示す図である。
【図3】本発明に係る弾球遊技機の制御装置を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る弾球遊技機の主制御側メイン処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る主制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る主制御側タイマ割込処理中の入力管理処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係るONエッジデータとOFFエッジデータの作成方法の説明に供するタイミングチャートである。
【図8】本発明に係る主制御側タイマ割込処理中の特別図柄管理処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係る特別図柄管理処理中の始動口チェック処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係る始動口チェック処理の動作例を示すタイミングチャートである。
【図11】本発明に係る始動口チェック処理において、ON時は保留球数が4で、その後のOFF時までに保留球数が3になった場合の動作例を示すフローチャートである。
【図12】本発明に係る特別図柄管理処理中の特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明に係る特別図柄管理処理中の特別図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明に係る特別図柄管理処理中の特別図柄変動停止中処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る弾球遊技機の実施形態について詳細に説明する。
【0025】
<1.構成の概要:図1、図2>
図1は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図である。
【0026】
図示のパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前面枠2を開閉可能に取り付け、前面枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前面枠2の開口部に臨ませた構成を有する。上記遊技領域3aは、遊技盤3の面上に配設した球誘導レール5(図2参照)で囲まれた領域からなる。この遊技領域3aの前側に、透明ガラスを支持したガラス扉枠6が設けられている。
【0027】
またパチンコ遊技機1は、ガラス扉枠6の下側に配設された前面操作パネル7を有している。前面操作パネル7には上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。前面操作パネル7には、球貸しボタン11およびプリペイドカード排出ボタン12(カード返却ボタン12)が設けられている。また、上受け皿9の上皿表面部分には、内蔵ランプが点灯されて操作可能となり、その内蔵ランプ点灯時に押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の枠演出ボタン13が設けられている。この上受け皿9には、上受け皿9に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14が設けられている。
【0028】
また、前面操作パネル7の右端部側には、発射ユニットを作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また、前面枠2の上部の両側、発射操作ハンドル15の上側には、効果音を発生するスピーカ46が設けられている。またさらに、ガラス扉枠6の各所には、光の装飾により演出効果を現出する装飾ランプ45が設けられている。
【0029】
次に、遊技盤3の遊技領域3aについて説明する。図2に示すように、遊技盤3の略中央部には、3つ(左、中、右)の表示エリアにおいて、独立して数字やキャラクタや記号などによる図柄(装飾図柄)の変動表示が可能である画像表示装置としての液晶表示装置36(LCD:Liquid Crystal Display)が配設されている。この液晶表示装置36の真下には、第1の特別図柄始動口である上始動口34と、第2の特別図柄始動口である下始動口35とが上下に配設され、それぞれの内部には、入賞球を検出する特別図柄始動口センサ34a、35a(図3参照)が設けられている。下始動口35には、左右一対の可動翼片47が下始動口35を開閉可能に設けられ、いわゆるチューリップ型の電動役物(普通変動入賞装置41)を構成している。
【0030】
上始動口34より上左側には、ゲートからなる普通図柄始動口37が配設されており、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が配設されている。
【0031】
上記下始動口35の下方には、大入賞口40を開閉する開放扉42bで開閉可能に構成した特別変動入賞装置42が配設され、その内部には、入賞球を検出する大入賞口センサ40a(図3参照)が配設されている。
【0032】
特別変動入賞装置42の両側に一般入賞口43が計4つ配設されており、それぞれ内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。
【0033】
上記した第1の特別図柄始動口である上始動口34、第2の特別図柄始動口である下始動口35、普通図柄始動口37、および一般入賞口43は、遊技球が流下する遊技領域内に配置された入賞手段であり、また、それぞれに設けられた特別図柄始動口センサ34a、35a、普通図柄始動口センサ37a、一般入賞口センサ43aは、上記入賞手段へ入球した遊技球を検出する入賞検出スイッチである。これらの入賞検出スイッチは、フォトスイッチや近接スイッチなどの無接点スイッチや、マイクロスイッチなどの有接点スイッチで構成することができる。
【0034】
また、遊技領域3aの右上縁付近には、7セグを3桁に並べて構成される特別図柄表示装置38と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置39が設けられている。さらに、遊技領域3aには、センター飾り48、遊技球の落下方向変換部材としての風車44や複数の遊技釘(図示せず)、複数の発光装置(ランプ、LEDなど:図示せず)などが配設されている。さらに遊技盤3の両側端部近傍にも、装飾ランプ45などのランプ表示装置やLED装置が配設されている。
【0035】
遊技球が上始動口34または下始動口35に入賞したことに基づき、主制御部20(図3参照)において乱数抽選による大当りに関する抽選(大当り抽選)が行なわれる。この抽選結果に応じて特別図柄を特別図柄表示装置38に変動表示させて、特別図柄変動表示ゲーム(図柄遊技)を開始し、一定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置38に表示するようになっている。このとき、上記特別図柄変動表示ゲームに連動する形態で、装飾図柄を液晶表示装置36に変動表示させて、装飾図柄変動表示ゲームを開始し、上記一定時間経過後に、特別図柄表示装置38に抽選結果が表示されると共に、液晶表示装置36にも装飾図柄によりその結果が表示される。
【0036】
本実施形態では液晶表示装置36により画像表示装置を構成しているが、これに限らず、画像表示装置として、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、電子ペーパディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic ElectroLuminescent Display)などで構成しても良い。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24(図3参照)の制御の下で、種々の演出を画像で表示させる。すなわち、上記特別図柄変動表示ゲームでの抽選結果を反映させた演出、つまり装飾図柄を変動表示させて上記装飾図柄変動表示ゲームを現出し、これに付随して種々の予告演出(たとえば、連続予告演出やリーチ演出や背景演出など)を現出させる。
【0037】
したがって、特別図柄表示装置38での特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」であった場合、この液晶表示装置36の装飾図柄変動表示ゲームの結果も「大当り」を反映させた演出が現出される。また、特別図柄表示装置38には、大当りを示す特別図柄が所定の表示態様(たとえば、2個の7セグが全て「7」の表示状態)で停止表示され、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、当り有効ライン上で装飾図柄が上記大当り抽選結果を反映させた所定の表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
【0038】
そして、この大当りとなった場合には、特別変動入賞装置ソレノイド42a(図3参照)が作動して開放扉42bが開き、これにより大入賞口40が所定パターンで開閉制御されて、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉42bが所定時間(たとえば、29秒)開放して大入賞口40が開放されるか、または所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するまで大入賞口40が開放され、その後、所定時間(たとえば、2秒)開放扉42bが閉まって大入賞口40を閉鎖する、といった動作(ラウンド遊技)が所定回数(たとえば、最大15回(最大15R(ラウンド))繰り返されるようになっている。
【0039】
上記大当り遊技は、上記図柄変動表示ゲームにて大当りを示す図柄が確定表示されてから開始される。大当りが開始すると、最初に大当り開始ファンファーレによるオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、大入賞口40が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。また、ラウンド遊技中では、対応するラウンド演出が行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当り終了ファンファーレによるエンディング演出が行われ、大当りが終了する。
【0040】
また、遊技球が普通図柄始動口37を通過したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による補助当りに関する抽選(補助当り抽選)が行なわれる。この抽選結果に応じて2個のLED39により表現される普通図柄を普通図柄表示装置39に変動表示させて、普通図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果をLED39の点灯と非点灯の組合せまたは双方点灯の組合せにて停止表示するようになっている。普通図柄表示装置39での普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39の表示部を所定パターン(たとえば、2個のLED39が双方共に点灯状態)にて停止表示させる。
【0041】
そして補助当りとなった場合には、左右の可動翼片47を駆動させるための普通変動入賞装置ソレノイド41a(図3参照)が作動し、上記可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態となり、遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47が、所定時間(たとえば、0.2秒)開放して下始動口35が開放されるか、または所定個数(たとえば、5個)の遊技球が普通変動入賞装置41(下始動口35)に入賞するまで下始動口35が開放され、その後、所定時間(たとえば、0.5秒)可動翼片47が閉まって下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、1回)繰り返されるようになっている。
【0042】
また、上記普電開放遊技中に遊技球が下始動口35に入賞した場合にも、同様に上記特別図柄変動表示ゲームが行なわれ、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが行なわれる。各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。
【0043】
なお、上記特別図柄変動表示ゲームまたは上記普通図柄変動表示ゲームを行う最中に、さらに特別図柄始動口センサ34a、35aまたは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力がある場合には、この検出信号に基づいて各変動表示ゲームを行わせるための始動権利に関するデータである始動記憶(いわゆる作動保留球)を、変動表示中にかかわるものを除き、上限の所定個数まで記憶する。そして、この始動記憶個数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所にまたは液晶表示装置36による画面中に画像として表示させる。通常は、この始動記憶の発生順に、各始動記憶に対する変動表示ゲームが実行制御される。本実施形態では、上記上限の所定個数として、特別図柄、普通図柄に関する始動記憶をそれぞれ4個まで主制御部20に設けられるRAM203(図3参照)に記憶され、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留される。
【0044】
(1−1.当り遊技終了後の遊技状態)
上述した各当り遊技が終了した後、その当りの当選時の遊技状態と当りの種類とに基づき、所定の遊技状態に移行される。本実施形態のパチンコ遊技機1には、内部的な遊技状態(主制御基板20側で管理される遊技状態)として、複数種類の遊技状態が設けられており、当りの種類とその当り当選時の遊技状態とに基づいて、いずれの遊技状態に移行するかが決定される。先ず、本発明の理解を容易なものとするために、種々の遊技状態の発生に関連する機能(手段)について説明する。
【0045】
本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御基板20(主制御CPU201:図3参照)がその機能部を担う、確率変動(以下、「確変」と称する)機能を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下、「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下、「普通図柄確変機能」と称する)の二種類がある。
【0046】
特別図柄確変機能は、大当り種別に属する当り(15R大当り、特殊15R大当り)の抽選確率が所定確率の低確率(たとえば、399分の1)から高確率(たとえば39.9分の1)に変動させて大当り確率変動状態(以下、「大当り確変状態」と称する)を発生させる機能である。この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態、つまり大当り確変状態下では、大当り抽選確率が高確率である高確率状態に変動して、大当りが生起され易くなる。したがって、遊技者が期待する遊技状態は、特別図柄確変機能が作動中の遊技状態であるといえる。
【0047】
普通図柄確変機能は、補助当り抽選確率が低確率である通常確率(たとえば、256分の1)から高確率(たとえば、256分の255)に変動させて補助当り確変状態を発生させる機能である。普通図柄確変機能が作動中の遊技状態(補助当り確変状態)下では、補助当り抽選確率が高確率に変動して補助当りが生起され易くなるため、普電開放遊技が頻繁に発生するようになり、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記普通図柄確変機能の作動契機は後述の特別図柄時短機能の作動契機と同期し、その終了契機も特別図柄時短機能の終了契機と同期する形態となっている。
【0048】
さらにまた、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御CPU271がその機能部を担う、変動時間短縮(以下、「時短」と称する)機能を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下、「特別図柄時短機能」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下、「普通図柄時短機能」と称する)の二種類がある。
【0049】
特別図柄時短機能は、特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の変動時間を短縮した特別図柄時短状態を発生させる機能である。特別図柄時短機能が作動中の遊技状態下では、1回の特別図柄変動表示ゲームの時間(特別図柄が変動を開始してから確定表示される迄の時間)が、平均時間もしくはリーチなしハズレ変動において、たとえば30秒(特別図柄時短機能が未作動中のとき)から5秒(特別図柄時短機能が作動中のとき)に短縮され、通常遊技状態よりも単位時間当りの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。
【0050】
普通図柄時短機能は、普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の変動時間を短縮した普通図柄時短状態を発生させる機能である。普通図柄時短機能が作動中の遊技状態下では、1回の普通図柄変動表示ゲームの時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示されるまでの時間)が、たとえば、10秒(普通図柄時短機能が未作動中のとき)から1秒(特別図柄時短機能が作動中のとき)に短縮され、通常遊技状態よりも単位時間当りの補助当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記普通図柄時短機能の作動契機は上記特別図柄時短機能の作動契機と同期し、その終了契機も、特別図柄時短機能の終了契機と同期する形態となっている。
【0051】
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御基板20がその機能部を担う、開放延長機能を備えている。
【0052】
開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47を開動作させる期間およびその開放回数を延長した開放延長状態を発生させる機能である。開放延長機能が作動中の遊技状態下では、可動翼片47の開動作期間がたとえば0.2秒から1.7秒に延長され、また開閉回数が、たとえば1回(開放延長機能が未作動中のとき)から2回(開放延長機能が作動中のとき)に延長され、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記開放延長機能の作動契機は上記特別図柄時短機能の作動契機と同期し、その終了契機も、特別図柄時短機能の終了契機と同期する形態となっている。これにより、開放延長機能が作動中の遊技状態下では、普通図柄確変機能および普通図柄時短機能も作動中となるため、可動翼片47の作動率が著しく向上した遊技状態が発生する。
【0053】
上述のように、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能の作動契機は、特別図柄時短機能の作動契機と同期するようになっている。以下では、説明の便宜上、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を「時短状態(時短中)」と称し、この時短状態に加えてさらに特別図柄確変機能が作動する遊技状態を「確変状態(確変中)」と称し、特別図柄確変機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態(潜伏確変中)」と称し、いずれの機能も作動中でない状態を「通常状態(通常状態中)」と称する。
【0054】
(1−2.高ベース遊技状態)
本実施形態では上記の普通図柄に関する機能、すなわち普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能は、特別図柄時短機能の作動契機と同期する形態となっているため、3つの機能が同じ契機にて動作することになる。しかし、上記の普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能を個々に着目した場合、これらの機能のうち少なくともいずれか1つが作動すると、上記の可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となり下始動口35への入賞頻度が高くなることから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる「高ベース遊技状態(始動条件向上状態)」に移行することになる。なお、ここでいう「高ベース遊技状態」とは、上記のように普通図柄に関する機能が作動する場合の遊技状態をいい、特別図柄に関する機能、すなわち特別図柄確変機能および特別図柄時短機能の少なくともいずれか1つが作動する場合の遊技状態とは異なる。
【0055】
特別図柄に関する機能を個々に着目した場合、上記特別図柄確変機能が作動する場合には通常遊技状態よりも大当りが生起し易くなる、つまり大当り抽選の当選確率が通常遊技状態より高くなる「高確率遊技状態」となり、上記特別図柄時短機能が作動する場合には特別図柄変動表示ゲームの消化時間が通常遊技状態よりも速まる「特別図柄時短遊技状態」となる。この点において、特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる「高ベース遊技状態」とは区別される。
【0056】
本実施形態では上記「高ベース遊技状態」の一例として、可動翼片47の作動率が著しく向上する開放延長機能が付与された遊技状態を「高ベース遊技状態」として扱う。普通変動入賞装置41の可動翼片47は、開放延長機能が付与されている「高ベース遊技状態」下では、開放延長機能が付与されていない状態(本実施形態では「通常遊技状態」に相当する)に比較して、遊技者にとって有利な高ベース遊技状態の動作をすることになる。
【0057】
(1−3.大当りの種別)
次に、主制御部側で管理される大当りの種別について説明する。
【0058】
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記の特別図柄変動表示ゲームで抽選される大当りの種別として、非確変大当りの「15R非確変大当り」と、確変大当りの「15R確変大当り」「2R突然確変大当り(2R突確大当り)」「2R潜伏確変大当り」とが設けられている。
【0059】
これらの大当りによる大当り遊技のうち、15R非確変大当りと15R確変大当りでは、ラウンド遊技数(大入賞口40の開放回数)が最大規定回数の15ラウンド行われ、2R突確大当りと2R潜伏確変大当りでは、2ラウンド行われる。また、上記2R突確大当りと2R潜伏確変大当りについては、1回のラウンド遊技中の大入賞口40の開放時間が15R非確変大当りや15R確変大当りよりも短く(たとえば、0.5秒)設定されている。
【0060】
また大当り遊技終了後には、その大当りに応じた特定遊技状態が発生するようになっている。具体的には、15R確変大当りと2R突確大当りとには次回大当りが確定(大当り遊技が発生)するまで「確変状態」が発生し、2R潜伏確変大当りには次回大当りとなるまで潜伏確変状態が発生し、15R非確変大当りには特別図柄変動表示ゲーム回数が所定回数(たとえば、100回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定するまでの間、「時短状態」が発生するようになっている。ここで、確変状態中または時短状態中では、開放延長機能が付与されるので、これら遊技状態は「高ベース遊技状態」となっている。
【0061】
また上述した大当りの他、2R潜伏確変大当りの場合と実質的に同じ遊技動作態様で大入賞口40が2回開閉される当り状態(小当り遊技)が付与される「小当り」を設けてある。つまり、この小当り遊技は、2R潜伏確変大当りによる大当り遊技中の遊技動作態様との違いを遊技者が識別困難とする遊技動作態様で行われる。
【0062】
したがって、小当り遊技中に遊技者に付与される遊技価値と2R潜伏確変大当りによる大当り遊技中に遊技者に付与される遊技価値とは、実質的に同じとなる。しかし小当り遊技終了後には、当該小当りの当選時の遊技状態がそのまま継続されるようになっており、この点において、上記の特定遊技状態の発生する大当りとはその性質を異にする。たとえば、通常遊技状態中に「小当り」に当選した場合、その小当り遊技終了後の遊技状態は、小当り当選時の遊技状態である通常遊技状態となる。以下、特に必要がない限り、上記小当りについては他の大当りと区別することなく大当りの種別の一つとして同列に扱うことにする。
【0063】
なお、上記のいずれかの大当りに当選した場合、特別図柄表示装置38における特別図柄に関しては、そのまま抽選結果が反映した特別図柄が表示される。つまり特別図柄表示装置38には、確変大当りを報知する特別図柄または非確変大当りを報知する特別図柄もしくは確変大当りか非確変大当りかいずれかの可能性があることを報知する特別図柄が表示される。一方、液晶表示装置36には、当選した大当りが確変大当りであっても、装飾図柄に関しては必ずしも最初から当該確変大当りが明らかとなる図柄で表示することを行わない。通常、遊技者は液晶表示装置36の装飾図柄変動表示ゲームを見ながら遊技に興じているので、当該ゲーム結果が非確変大当り種別を示す図柄であっても、遊技者に確変大当りへの期待感を残すためである。
【0064】
(1−4.演出モード)
次に、演出モードについて説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1には、報知すべき現在の遊技状態に関連した演出の演出モードとして、遊技状態が非確変状態であることを報知する通常演出モードと、大当り抽選確率が高確率状態であることを確定的に報知する演出をなす「確変確定演出モード」と、時短状態であることを確定的に報知する演出をなす「時短演出モード」と、大当り当選確率状態を隠匿状態とする特別演出モード、具体的には現在の遊技状態を隠匿して遊技者に潜伏確変状態の期待感を与える「確変隠匿演出モード」とが設けられている。
【0065】
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記のように複数の演出モードを設定し、その演出モード間の行き来を可能に構成している。具体的には、移行先が確変状態であれば「確変確定演出モード」に、時短状態であれば「時短演出モード」に、潜伏確変状態であれば確変隠匿演出モード(本物)に移行制御され、通常遊技状態においては、小当りフラグの成立の有無に依存して通常演出モードかまたは確変隠匿演出モード(ガセ)のいずれかに移行制御される。
【0066】
<2.制御装置:図3>
図3は、上記のような遊技の進行状況に応じた遊技機制御を行う制御装置の概要を示した制御ブロック図である。
【0067】
この制御装置は、遊技動作全般の制御を司る主制御部20と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、画像と光と音についての演出制御とを行う演出制御部24とを中心に構成される。そして、演出制御部24には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお本明細書において、演出装置といった場合、液晶表示装置36やランプやLEDや音響発生装置、可動体など、画像や光や音、可動体の動作態様によって演出を行う装置を広く指す。
【0068】
また、主制御部20には、主制御部20からの各種情報を遊技機外部に出力するための各外部端子を備えた外部集中端子基板21が接続されている。さらまた、主制御部20には払出制御基板29が接続され、これに発射装置32を制御する発射制御基板28および遊技球払出装置19が接続されている。符号31は電源基板であり、電源基板31は外部電源(図示せず)に接続され、変圧トランスから供給される交流電圧(AC24V:メイン電源)から所要の電源を生成し、各制御基板にそれぞれ供給する。なお、図3には電源供給ルートは省略してある。
【0069】
(2−1.主制御部20)
主制御部20は、主制御CPU201を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データなどを格納した主制御ROM202と、ワークエリアが形成される主制御RAM203を搭載して、1チップマイクロコンピュータを構成している。また図示はしていないが、一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能などを有するCTC(Counter Timer Circuit)やCPUに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路が設けられている。
【0070】
また主制御部20には、上始動口34への入賞を検出する特別図柄始動口センサ34aと、下始動口35への入賞を検出する特別図柄始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aと、大入賞口40への入賞を検出する大入賞口センサ40aとが接続され、主制御部20はこれらの各検出信号を受信可能となっている。
【0071】
また主制御部20には、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置39、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通変動入賞装置ソレノイド41a、および、大入賞口40の幅広な開放扉42bを開閉制御するための特別変動入賞装置ソレノイド42aが接続され、主制御部20は各装置を制御するための制御信号を送信可能となっている。
【0072】
また主制御部20は、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる「大当り」またはこの特別遊技状態を発生させない「ハズレ」のいずれであったかを抽選するとともに、その抽選結果である当否情報に応じて特別図柄の変動パターンや停止図柄を決定し、少なくともこの抽選結果と変動パターンとを含む演出制御コマンドや、決定された停止図柄に基づく装飾図柄コマンドを作成して演出制御部24に送信する構成となっている。
【0073】
主制御部20からの演出制御コマンドは、一方向通信により演出制御部24に送信される。これは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御部24を介して主制御部20に入力されることを防止するためである。
【0074】
(2−2.演出制御部24)
演出制御部24は、演出制御CPU241を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データなどを格納した演出制御ROM242と、ワークエリアが形成される演出制御RAM243と、を搭載している。また図示はしていないが、音源IC、CTC、および割り込みコントローラ回路などが設けられている。この演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出パターンの抽選、液晶表示装置36の制御、スピーカ46の音制御、枠ランプ・LEDの発光制御、可動体の可動制御、各種エラーの報知などである。
【0075】
演出制御部24は、光と音についての演出処理を行うため、装飾ランプ45やLEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部と、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部とを備えている。
【0076】
また、演出制御部24は、演出制御コマンドを受けて、変動パターンに対応する演出パターンを抽選し、液晶表示装置36の画面に映像で演出表示をさせる。
【0077】
また、演出制御部24には、演出介入操作手段となる枠演出ボタン13が接続されている。この枠演出ボタン13は遊技者が操作可能な押しボタンからなり、特別演出モードの停止ボタンチャンスゲームに遊技者が参加する場合や、遊技者参加型の昇格演出ゲームに遊技者が参加するときなどにおいて遊技者により操作される。
【0078】
演出制御CPU241は、主制御CPU201から演出制御コマンドを受けて各種演出を実行制御する演出実行制御手段として機能する。
【0079】
また演出制御部24は、液晶表示装置36の表示制御を行うために必要な制御データを生成してVDPに出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの動作手順を記述したプログラムを内蔵する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMとを有している。
【0080】
また、演出制御部24には、液晶制御CPUに接続されて画像展開処理を行う映像表示プロセッサVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開する必要な画像データを格納した画像データROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAMなども設けられている。
【0081】
遊技状態に関する情報は、まず、大当り抽選の結果(大当りかハズレかの別)に基づく特別図柄変動パターン、現在の遊技状態、作動保留球数、抽選結果に基づき停止させる装飾図柄などに必要となる基本情報が、演出制御コマンドにより主制御部20から演出制御部24へと送信される。
【0082】
演出制御部24側では、主制御部20から送られてくる演出制御コマンドにより指示された演出シナリオに対応する演出パターンが、あらかじめ用意された多数の演出パターンの中から抽選により決定され、この決定された演出パターンを実行指示する制御信号が、演出制御部24から液晶表示装置36、音響発生装置46aおよび光表示装置45aに送られる。これにより、演出パターンに対応した液晶表示装置36での画像の再生と、演出パターンに対応する効果音の再生と、装飾ランプ45やLEDなどの点灯点滅駆動とが実現される。
【0083】
なお、演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなり、これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、主制御CPU201は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行なう。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行なう。演出制御CPU241は、ストローブ信号が送信されて来ると、これに対応して割り込みを発生させ、この割り込み処理によってコマンドを受信する。ストローブ信号は主制御CPU201により、演出制御CPU241が確実にコマンドを受信することが可能な所定期間アクティブ状態に制御される。
【0084】
<3.主制御側の処理:図4〜図14>
次に、図4〜図14を参照して、主制御部20側における処理内容を説明する。
【0085】
(3−1.主制御側メイン処理:図4)
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板31によって各制御基板に電圧が供給され、主制御CPU201が図4に示す主制御側メイン処理を開始する。
【0086】
この主制御側メイン処理において、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を実行する(ステップS101)。
【0087】
次に、図示してない入力ポートを介して入力されるRAMクリアスイッチの出力信号の状態(オン、オフ)を確認し、RAMクリアスイッチがオンである場合(ステップS102:YES)にはステップS105の処理に進み、RAMの初期化処理として記憶エリアをクリアする。しかしRAMクリアスイッチがオンでない場合(ステップS102:NO)、次に電源断が発生した際にバックアップRAMに記憶されたバックアップ用データが有効であるか否かを判断する(ステップS103)。電源復旧の際には、チェックサムの比較を行うことにより、バックアップデータが有効であるか否かを確認している。
【0088】
バックアップデータが有効である場合には(ステップS103:YES)、バックアップデータに基づき、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技を開始するために必要な遊技復旧処理を実行し(ステップS104)、ステップS107の処理に進む。バックアップデータが有効でない場合には(ステップS103:NO)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定し、RAMを初期化する(ステップS105)。そして、このRAMの初期化に伴い、RAMクリア情報を初期化コマンドとして各制御基板に送信する(ステップS106)。
【0089】
次に、CPUに設けられているCTCの設定を行う(ステップS107)。本処理では、4msごとに定期的にタイマ割り込みがかかるように、初期値として4msに相当する値をCTCの時間定数レジスタに設定する。
【0090】
ステップS101〜S107での電源初期投入後の処理を終えた後、正常動作時の処理(ステップS108〜S112)として、割込禁止(ステップS108)と割込許可(ステップS112)とを繰り返すとともに、その間に、各種乱数の更新処理を実行する(ステップS109〜S111)。
【0091】
乱数の更新処理として、Sステップ108の処理後、まず変動パターン用乱数値更新処理を実行する(ステップS109)。この変動パターン用乱数値更新処理では、主として、特別図柄変動パターンコマンドを抽選に用いる変動パターン用乱数値を更新する。
【0092】
続いて、普通図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS110)と特別図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS111)を実行する普通図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS110)では、普通図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する普通図柄当り判定用乱数の初期値変更に使用する乱数を更新(たとえば、カウンタのカウント値を更新する処理)し、特別図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS111)では、前記特別図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する特別図柄当り判定用乱数の初期値変更に使用する乱数を更新する。
【0093】
(3−2.主制御側タイマ割込処理:図5)
図5は、主制御側メイン処理において、一定時間(4ms)ごとの割り込みで起動される主制御側のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【0094】
まず、主制御CPU201は、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理(ステップS201)を実行する。
【0095】
次いで、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新する定期乱数更新処理を実行する(ステップS202)。定期乱数更新処理では、普通図柄変動表示ゲームや特別図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する各種乱数を定期的に更新する。
【0096】
次いで、遊技動作に用いられるタイマを管理制御するためのタイマ管理処理を実行する(ステップS203)。遊技機制御に用いる各種のタイマのタイマ値はここで更新される。
【0097】
次いで、入力管理処理を実行する(ステップS204)。この入力管理処理では、パチンコ遊技機1に設けられた各種センサによる検出情報を、図示しない自身内のレジスタに読み込み格納する。各種センサによる検出情報とは、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ40a、特別図柄始動口センサ34a、35a、一般入賞口センサ43aなどの入賞検出スイッチから出力されるスイッチ信号のON、OFF情報である。
【0098】
(3−2−1.入力管理処理:図6)
図6は入力管理処理を示したものである。この入力管理処理において主制御部20のCPU201は、特別図柄始動口センサ34a、35aについての入力ポートにアクセスし、特別図柄始動口センサ34a、35aから出力されるスイッチ信号が、第1レベル(Hレベル)のON信号(論理値1)または第2レベル(Lレベル)のOFF信号(論理値0)のいずれであるかを2回読み取る(ステップS221)。2回読み取った値が異なる場合は、信頼度を高めるため再度読み取り動作を繰り返す。そして読み取ったレベル(論理値)のデータを、主制御RAM203のワーク領域に設けたレベルデータ部にセットする(ステップS222)。
【0099】
次に、特図始動口ONエッジデータを作成し、この特図始動口ONエッジデータを主制御RAM203のワーク領域に設けたONエッジデータ部にセットする(ステップS223)。また、特図始動口OFFエッジデータを作成し、この特図始動口OFFエッジデータを主制御RAM203のワーク領域に設けたOFFエッジデータ部にセットする(ステップS224)。
【0100】
(3−2−2.ONエッジデータとOFFエッジデータ:図7)
ここで特図始動口ONエッジデータと特図始動口OFFエッジデータについて、その作成の仕方を説明する。図7において、時刻t1〜t7は、それぞれ4msごとの主制御側タイマ割込処理が行われる割込周期の各時点を示している。今、図7に示す例では、入賞検出スイッチである特別図柄始動口センサ34aまたは35aから出力されるスイッチ信号(以下「始動口センサ信号」と称する)が時刻t1とt2の間で立ち上がってON状態となり、時刻t5とt6の間で立ち下がってOFF状態となる。この例において、時刻t1〜t7の各時点で読み取られてRAM203のレベルデータ部にセットされるレベルデータの論理値は、時刻t1で論理0、時刻t2〜t5で論理1、時刻t6〜t7で論理0となる。
【0101】
特図始動口ONエッジデータは、このレベルデータの論理値が「0」から「1」に変化する時点を捉えてソフト上のONエッジが生起したと判断し、このONエッジで論理値「1」を立て、それ以外のレベルデータに論理状態の変化がない場合を論理値「0」とすることによって得られるものである。図7の例の場合、レベルデータは時刻t1で論理0であったものが時刻t2で論理1に変化するので、時刻t2において「ONエッジ」を意味する論理値「1」が立てられ、この特図始動口ONエッジデータがRAM203のONエッジデータ部に格納される(ステップS223)。
【0102】
特図始動口OFFエッジデータは、上記のレベルデータの論理値が「1」から「0」に変化する時点を捉えてソフト上のOFFエッジが生起したと判断し、論理値「1」を立て、それ以外のレベルデータに論理状態の変化がない場合を論理値「0」とすることによって得られるものである。図7の例の場合、レベルデータは時刻t5で論理1であったものが時刻t2で論理0に変化するので、時刻t6において「OFFエッジ」を意味する論理値「1」が立てられ、この特図始動口OFFエッジデータがRAM203のOFFエッジデータ部に格納される(ステップS224)。
【0103】
図5に戻り、次いで、エラー管理処理を実行する(ステップS205)。このエラー管理処理では、上記入力管理処理で読み込み格納したデータを把握してスイッチのチェックを行い、不正入賞を監視したり、遊技動作状態を監視したりして、パチンコ遊技機1の異常を監視する。ここでのエラー管理処理には、後述する特別図柄管理処理(図8)中の始動口チェック処理(図9のステップS320)で発生するエラー報知用フラグのON状態を、次の4ms後のタイマ割込時に把握して、特別図柄始動口センサ34a、35aのスイッチ状態の異常を監視する処理も含まれる。すなわち、前回の主制御側タイマ割込時に設定されたエラー報知用フラグの状態がチェックされる。そして、エラー報知用フラグがON状態にセットされていたと判断された場合は、不正入賞に関する報知処理、たとえば演出制御部へのエラー報知用コマンドの送信が行われる。このエラー報知用コマンドを受けて、演出制御部24ではたとえばエラー音の発生やエラー表示ランプの点滅などのエラー報知がなれる。
【0104】
さらに説明すると、このエラー管理処理では、1つ前の割込タイミング(たとえば、後述する図10(ロ)の時刻t26)において、異常判定手段である図9のステップS317(処理ルートC)によりスイッチ信号に異常有りと判定された場合、ステップS320でON状態に設定される可能性のあるエラー報知用フラグについて、そのエラー報知用フラグがONまたはOFFのいずれの状態であるかを監視している。そして、エラー管理処理は、現時点(図10(ロ)の時刻t27)においてエラー報知用フラグがON状態である場合、エラー報知用フラグをOFF状態に戻す。したがってエラー報知用フラグは、図10の(ロ)に示すように4ms間隔だけ継続するONパルスとなる。そして、エラー報知用コマンドを演出制御部24に送信し、光表示装置45aの装飾ランプ45の点滅や、音響発生装置46aのスピーカ46からの音響や、液晶表示装置での画面表示など、といった報知手段により、エラー報知を行う。また必要に応じ遊技の進行を停止させる。また、この異常判定手段により異常有りと判定された回数、つまりエラー報知用フラグがON状態とされた回数を、異常回数記憶手段としてのカウンタにより積算し記憶して行く。
【0105】
次いで、賞球管理処理を実行する(ステップS206)。この賞球管理処理では、遊技球払出装置19に払出し動作を行わせるための制御情報(賞球数を指定する賞球払出制御コマンド)を出力する。この賞球払出制御に関しては、たとえばエラー報知用フラグがON状態とされたこと、または上記異常回数記憶手段のカウンタにより、エラー報知用フラグの成立回数として所定回数のたとえば5回が計数されたことを条件として、払出し動作制御情報の出力を禁止してもよい。
【0106】
次いで、普通図柄管理処理を実行する(ステップS207)。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲームにおける当否抽選を実行し、その抽選結果に基づいて普通図柄の変動パターンや普通図柄の停止表示態様を決定したりする。
【0107】
次いで、普通変動入賞装置管理処理を実行する(ステップS208)。普通変動入賞装置管理処理では、普通図柄管理処理(ステップS207)における当否抽選の結果に基づき、ソレノイド制御用の励磁制御信号を普通変動入賞装置ソレノイド41aに送信し、普通変動入賞装置41の可動翼片47の一連の動作を制御する。
【0108】
次に、特別図柄管理処理を実行する(ステップS209)。この特別図柄管理処理では、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選(大当り判定処理)を実行し、その抽選の結果に基づいて特別図柄の変動パターンや特別図柄の停止表示態様(停止特別図柄)を決定する。
【0109】
(3−3.特別図柄管理処理:図8)
次に、大当り抽選に係るステップS209の特別図柄管理処理について説明する。図8は、特別図柄管理処理の詳細を示すフローチャートである。ここでは、まず始動口チェック処理(ステップS301)を行う。
【0110】
始動口チェック処理では、保留球数が上限値未満であることを条件に保留球数加算と各種乱数の取得を行う。
【0111】
(3−3−1.始動口チェック処理:図9)
まず保留球数が上限値である最大(=MAX)の4個であるか否かをチェックする(ステップS311)。保留球数が最大の4個となっている場合は(ステップS311:YES)、何もしないでこの始動口チェック処理を抜ける。
【0112】
保留球数が最大の4個未満(≠MAX)である場合は(ステップS311:NO)、ステップS312に進み、特図始動口ONエッジデータの論理状態が論理1であるか否かを判断する(ステップS312)。
【0113】
ステップS312の判断において、特図始動口ONエッジデータが論理1である場合(ステップS312:YES)、処理ルートAに入り、入賞タイマに所定のタイマ時間を設定して同入賞タイマを作動させ(ステップS313)、入賞確認フラグをONし(ステップS314)、各種乱数を取得する(ステップS315)。各種乱数には、特別図柄抽選用乱数値、特別図柄当り判定用乱数値、特別図柄用停止図柄乱数、および変動パターン用乱数値のカウンタの現在値が含まれ、これらは、それぞれRAM203の取得数値記憶エリアに格納される(ステップS306)。
【0114】
ここで「入賞タイマ」は、始動口センサ信号が異常であるか否かの判別を行う基準となる時間長さ(判別基準時間)RTを定めるタイマである。この判別基準時間RTつまり入賞タイマに設定される上記所定のタイマ時間は、正常時に前記入賞手段へ入球してスイッチ信号にOFFエッジが生起されるまでのON信号継続期間(たとえば20ms)とこれに加えた余裕時間との和として設定され、この判別基準時間RT内に始動口センサ信号のOFFエッジが来なければ、異常であると判断される。ただし、この判別基準時間RTは、余裕時間を含めた全体が、不正部材の挿し抜きによりスイッチ信号にOFFエッジが生起されるまでの既知のON信号継続期間(たとえば数百ms)よりも短くなるように定められる。この実施形態の場合、始動口センサ信号の通常のON信号継続期間は、入賞球の転動時間に長短があるものの最長で20ms程度であると考え、さらに不正行為に基づくON信号継続期間(たとえば数百ms)に対して判別可能な明瞭な時間差を設ける必要があることなどを考慮し、判別基準時間RTの値として、上記20msに余裕時間を加えた100msを設定している。すなわち入賞タイマは、始動口センサ信号の立ち上がりであるONエッジが生起した時点で初期設定値として「25」がセットされ、その後4ms間隔で主制御側タイマー割込処理が実行される毎に1減算され、合計で25回減算されて100msを計時した時点でタイムアップする。そして、この100ms以内に始動口センサ信号の立ち下がりであるOFFエッジが来なければ、スイッチ信号が異常であると判断される。
【0115】
また「入賞確認フラグ」は、既に保留個数が最大の4個である状況で追加的に始動口センサ信号のONエッジが生じた場合、その始動口センサ信号のON期間中に保留個数が3個に減少しても、その後にOFFエッジが到来したとき、このOFFエッジによっては保留加算処理もエラー報知も行われないことを保証するためのフラグである(図11参照)。保留個数4個の状況下では、たとえ追加的な始動口センサ信号のONエッジが生じても特別図柄抽選用乱数値の取得は行わず、当該ONエッジを無効扱いとするので、その後のOFFエッジに基づく保留個数の加算処理も行わないようにしなければならない。またエラー報知がなされることも回避されなければならない。そこで具体的には、ステップS317の前に、入賞確認フラグがON状態またはOFF状態のいずれであるかをチェックするステップS316を置き、入賞確認フラグがOFF状態下ではステップS317に入らないように工夫している。
【0116】
ステップS312の判断において特図始動口ONエッジデータが論理0の場合は(ステップS312:NO)、ステップS316に進み、入賞確認フラグがON状態であるか否かを判断する(ステップS316)。始動口センサ信号のONエッジが来ない限り処理ルートAに入ることはなく、入賞確認フラグはOFF状態にあるので、ステップS316の判断はNOとなり、何もしないで始動口チェック処理を終了する。
【0117】
しかし、始動口センサ信号のONエッジが来て、特図始動口ONエッジデータが論理1になった後のON期間中である場合は、処理ルートAを経ることで入賞確認フラグがON状態となっているので、ステップS316の判断はYESとなる。そこで、ステップS316からステップS317に進み、入賞タイマがタイムアップしているか否かをチェックする(ステップS317)。入賞タイマが作動中、つまり100msを計時中であり、まだタイムアップしていない間は(ステップS317:NO)、ステップS321に進み、特図始動口OFFエッジデータの論理状態が論理1であるか否かを判断する(ステップS321)。
【0118】
ステップS321の判断において、始動口センサ信号のOFFエッジが到来する迄のON期間中は、特図始動口OFFエッジデータの論理状態が論理0であるので、ステップS321の判断はNOとなり、始動口チェック処理を抜けて図8のステップS301に戻る。
【0119】
そして、ステップS321の判断において、始動口センサ信号のOFFエッジが到来した場合は、特図始動口OFFエッジデータの論理状態が論理1となるので、ステップS321の判断はYESとなり処理ルートBに入る。そして、入賞確認フラグをOFFに戻し(ステップS322)、入賞タイマの値をクリアし(ステップS323)、次いで、当該スイッチの作動と関連づけられた処理として、図柄変動動作の始動条件が成立したときになすべき処理を行う。本実施形態では、保留球数の1加算処理や保留加算コマンドの送信処理など、保留加算時の各種設定処理を行う(ステップS324)。
【0120】
この1加算情報は保留球数に関する入賞情報の一種であり、RAM203に記憶される。したがってRAM203は、図柄始動口に遊技球が入賞したとき、その入賞に基づく図柄変動動作の実行を一旦保留して保留球数を上限値まで記憶し、図柄変動動作の始動条件が成立したことを条件に保留球数を1つ消化する保留記憶手段として働く。
【0121】
上記から明らかなように、この図9の始動口チェック処理においては、始動口センサ信号が発生しても、その特図始動口ONエッジデータに論理1が発生した時点(ステップS312:YES)ではまだ保留球数の加算処理を行わず、いわば始動権利がキャンセル可能な状態で留保され、特図始動口OFFエッジデータに論理1が発生したことが確認できた時点(ステップS321:YES)で、はじめて保留球数の加算処理を行う。ただし、特別図柄抽選用乱数値などの各種乱数の取得については、特図始動口ONエッジデータに論理1が発生した時点(ステップS312:YES)で行う。こうすることで、始動口センサ信号のON時に特別図柄抽選用乱数値の取得を行うべしとの要請に沿うことができる。
【0122】
一方、特別図柄始動口センサ34a、35aへ不正部材を差し込んでON状態とするなどの不正行為が行われた場合は、始動口センサ信号のOFFエッジが上記した入賞タイマの100ms以内に到来しなくなる。そこで上記ステップS317の判断がタイマ時間=0となるので(ステップS317:YES)、処理ルートCに入り、入賞確認フラグをOFFし(ステップS318)、始動口センサ信号のON時に取得した乱数をクリア(ステップS319)した後、エラー報知用フラグをセットする(ステップS320)。
【0123】
本実施形態によれば、入賞検出スイッチのスイッチ信号にOFFエッジが生起したことが確認できたことを条件に、当該スイッチの作動と関連づけられた処理を行うため、ONエッジを確認しただけで処理を実行する場合に比べ、誤動作のない確実な処理動作をさせることができる。
【0124】
具体的には、入賞タイマのタイマ時間を計時し終わるまでにOFFエッジを確認できない場合に異常ありと判定するため、ON継続期間の長さが所定期間長を超える場合に異常ありと判定する場合に比べ、容易にスイッチ信号の異常に対処することができる。たとえば、保留球数ゼロの状況下で不正行為による入賞(不正入賞)に基づく特別図柄始動口センサ信号にONエッジが発生したとき、このONエッジに基づいて既に特別図柄に関する処理(大当り抽選や保留球数の加算などの処理)を実行しているとすれば、当該不正入賞による大当りが発生してしまう可能性があり、その後にこれを不正として取り消すことは不可能または極めて困難となってしまうが、本発明では、入賞検出スイッチのスイッチ信号にOFFエッジが生起しない限り上記特別図柄に関する処理が実行されないため、スイッチ信号がOFFするまでに異常と判定された場合、当該スイッチ信号を不都合なく無効として処理することができる。これにより、単にON継続期間の長さが所定期間長を超える場合に異常ありと判定する場合に比べ、高い精度で不正入賞であるか否かの判定を行うことができる。
【0125】
以下、始動口チェック処理の動作について、正常動作の場合と、異常動作の場合に分けて説明する。
【0126】
(イ)正常動作の場合(図10)
図10の(イ)は正常動作の場合を、(ロ)は異常動作の場合を例示したタイミングチャートである。両図において、時刻t1〜t15は、それぞれ4msごとの主制御側タイマー割込処理が行われる割込周期の各時点を示している。
【0127】
この図10(イ)に示す正常動作の例では、始動口センサ信号が時刻t1とt2の間で立ち上がってON状態となり、時刻t5とt6の間で立ち下がってOFF状態となる。したがって、時刻t1〜t15の各時点で読み取られ、RAM203のレベルデータ部にセットされるレベルデータの論理値は、時刻t1で論理0、時刻t2〜t5で論理1、時刻t6〜t8で論理0、時刻t9〜t12で論理1、時刻t13〜t15で論理0となる。このため特図始動口ONエッジデータは、レベルデータが論理0から論理1に変化する時刻t2とt13において論理1が立てられ、RAM203のONエッジデータ部に格納される。また特図始動口OFFエッジデータは、上記レベルデータが論理1から論理0に変化する時刻t6において論理1が立てられ、RAM203のOFFエッジデータ部に格納される。
【0128】
保留個数が最大の4個の状態であった場合、図9のステップS311の判断がYESとなり、何もせずに始動口チェック処理を抜ける。つまり、ステップS312〜S315の処理ルートAやステップS322〜S324の処理ルートBに入らず直ちに始動口チェック処理を抜けてしまう、という動作を行う。このため特別図柄抽選用乱数値や特別図柄当り判定用乱数値、特別図柄用停止図柄乱数値などの所得も、保留球数の1加算処理も行われない。
【0129】
次に現在の保留球数が上限の4個未満であった場合の動作について説明する。
【0130】
時刻t1ではまだ始動口センサ信号のONエッジが到来しておらず、レベルデータが論理0、特図始動口ONエッジデータが論理0、特図始動口OFFエッジデータが論理0の状態となっている。保留球数が上限の4個未満の場合であるので、ステップS311の判断はNO(保留球数≠MAX)となり、ステップS312に進み、始動口センサ信号について特図始動口ONエッジデータの論理状態を判断する(ステップS312)。特図始動口ONエッジデータは論理0であるので、ステップS312の判断はNOとなりステップS316に進み、ここで入賞確認フラグをチェックする。入賞確認フラグはOFFであるので、ステップS316の判断はYESとなり、ステップS316からステップS317に進み、入賞タイマの状態をチェックする。入賞タイマは現在非動作中であるので、ステップS317の判断はNO(入賞タイマ≠0)となり、ステップS321に進み、特図始動口OFFエッジデータの論理状態を判断する。時刻t1では特図始動口OFFエッジデータは論理0であるので、ステップS321の判断はNOとなり、始動口チェック処理を抜ける。結局、始動口センサ信号のONエッジが到来するまえの期間である時刻t1では何も行わないで始動口チェック処理を抜け、図8のステップS301に戻る。
【0131】
時刻t2の割り込み時の動作は次のようになる。まず、図9のステップS311に入る。ここでは保留球数が上限の4個未満である場合を扱っているので、ステップS311の判断はNO(保留球数≠MAX)となり、ステップS312に進み、始動口センサ信号について特図始動口ONエッジデータの論理状態を判断する(ステップS312)。
【0132】
始動口センサ信号が時刻t2の直前に立ち上がり時刻t2でレベルデータが論理0から論理1に変化しているので、時刻t2の割り込み時においては、特図始動口ONエッジデータが論理1で特図始動口OFFエッジデータが論理0の状態になっている。そこでステップS312の判断はYES(特図始動口ONエッジデータ=論理1)となり、処理ルートAに入り、入賞タイマに初期値として判別基準時間RTの100msをセットし(ステップS313)、入賞確認フラグをONし(ステップS314)、特別図柄抽選用乱数値、特別図柄当り判定用乱数値、特別図柄用停止図柄乱数や変動パターン用乱数値のカウンタの現在値などの各種乱数を取得する(ステップS315)。
【0133】
時刻t3〜t5では始動口センサ信号がON状態を継続していてレベルデータが論理1となっており、特図始動口ONエッジデータが論理0、特図始動口OFFエッジデータが論理0の状態を継続している。
【0134】
そこで、ステップS312の判断はNO(特図始動口ONエッジデータ=論理0)となりステップS316に進む。入賞確認フラグはステップS314でONにセットされているので、ステップS316の判断はYES(入賞確認フラグ=ON)となり、ステップS316からステップS317に進み、入賞タイマがタイムアップしているか否かを判断する。入賞タイマは現在100msを計時中であるので、ステップS317の判断はNO(入賞タイマ≠0)となり、ステップS321に進み、特図始動口OFFエッジデータが論理1であるか否かを判断する。時刻t3〜t5の間は始動口センサ信号のOFFエッジがまだ到来しておらず、特図始動口OFFエッジデータは論理0であるので、ステップS321の判断はNO(特図始動口OFFエッジデータ=論理0)となり、始動口チェック処理を抜けて図8のステップS301に戻る。
【0135】
始動口センサ信号は時刻t5とt6の間で立ち下がり、時刻t6でレベルデータが論理1から論理0に変化しているので、時刻t6の割り込み時においては、特図始動口ONエッジデータが論理0でかつ特図始動口OFFエッジデータが論理1の状態になっている。
【0136】
そこで、時刻t6においては、ステップS311からステップS312に進み、始動口センサ信号について特図始動口ONエッジデータが論理1であるか否かを判断する。特図始動口ONエッジデータは論理0であるので、ステップS312の判断はNO(特図始動口ONエッジデータ=0)となり、ステップS312からステップS316に進み、ここで入賞確認フラグがON状態であるか否かを判断する(ステップS316)。入賞確認フラグはステップS314でONにセットされたままなので、ステップS316の判断はYES(入賞確認フラグ=ON)となり、ステップS316からステップS317に進み、入賞タイマがタイムアップしている(入賞タイマ=0)か否かをチェックする。始動口センサ信号のON期間はたとえば20ms程度であり、入賞タイマの設定時間100msよりも短い関係にあるので、この時刻6の時点では入賞タイマが現在100msを計時中であり、まだタイムアップしていない。そこで、ステップS317の判断はNO(入賞タイマ≠0)となり、ステップS321に進み、特図始動口OFFエッジデータが論理1であるか否かを判断する(ステップS321)。
【0137】
時刻t6では特図始動口OFFエッジデータが論理1であるので、ステップS321の判断がYES(特図始動口OFFエッジデータ=論理1)となり、処理ルートBに入り、入賞確認フラグをOFFに戻し(ステップS322)、入賞タイマをクリアする(ステップS323)。次いで、保留加算時の各種設定処理として、保留球数の1加算処理、保留加算コマンドの送信処理などを行う(ステップS324)。その後、図8のステップS301に戻る。
【0138】
その後、時刻t9、t13でも、上述した時刻t2、t6と同じく、特図始動口ONエッジデータが論理1となり、特図始動口OFFエッジデータが論理1となるが、図10(イ)から判るように動作は時刻t2、t6の場合と同じであるので、説明を省略する。
【0139】
上記したように始動口センサ信号のソフト上のONエッジでは特別図柄抽選用乱数値の取得のみを行い、保留球数の加算処理については始動口センサ信号のOFFエッジが確認できたときに初めて行うことにより、次に述べるように異常動作時には、特別図柄抽選用乱数値の取得も保留加算処理も行わないことを保証することができる。
【0140】
(ロ)異常動作の場合(図10)
図10(ロ)は、異常動作の例として、始動口センサ信号が時刻t1の直後に立ち上がってON状態になった後、以後継続してON状態が続いた場合を示している。時刻t1とt2の間で始動口センサ信号が立ち上がり、レベルデータが論理0から論理1に変化しているので、時刻t2の割り込み時においては、特図始動口ONエッジデータが論理1で、特図始動口OFFエッジデータが論理0の状態になる。しかし、その後、始動口センサ信号がいつまでもOFFにならないため、特図始動口OFFエッジデータが論理0の状態を続けている、という状況になっている。
【0141】
まず時刻t2における動作は正常時の場合と同じで、次のようになる。すなわち特図始動口ONエッジデータが論理1であるので、ステップS312から処理フローAに入り、入賞タイマに初期値として判別基準時間RTの100msをセットし(ステップS313)、入賞確認フラグをONし(ステップS314)、特別図柄抽選用乱数値などの各種乱数を取得する(ステップS315)。
【0142】
また時刻t3〜t5における動作も正常時の場合と同じで、次のようになる。すなわち、特図始動口ONエッジデータが論理0であるので、ステップS312からステップS316に進み、入賞確認フラグの状態を確認する。入賞確認フラグはステップS314でONにセットされているので、ステップS316からステップS317に進み、入賞タイマがタイムアップしているか否かをチェックする。入賞タイマは現在100msを計時中であるので、ステップS321に進み、特図始動口OFFエッジデータの論理状態を判断する(ステップS321)。特図始動口OFFエッジデータは論理0であるので、ステップS321を抜けて図8のステップS301に戻る。この動作を時刻t3〜t5の各時点において繰り返す。
【0143】
しかし、時刻t6以降の動作は正常時のものと異なる。すなわち、正常時の場合は、始動口センサ信号が時刻t5の直後に立ち下がるので時刻t6で特図始動口OFFエッジデータが論理1になるが、この例に示す異常時の場合は、時刻t6以降も特図始動口OFFエッジデータが論理0の状態を続けている。そこで、上述した時刻t3〜t5における動作、つまりステップS311、S312、S316、S321を通って始動口チェック処理を抜ける動作を続けることになる。
【0144】
かくするうちに、時刻t26において、入賞タイマが100msの計時を終了し、タイムアップする。そこで、ステップS317の判断がYES(入賞タイマ=0)となって処理フローCに入り、入賞確認フラグをOFFに戻し(ステップS318)、ON時に取得した乱数をクリア(ステップS319)した後、エラー報知用フラグをセットする(ステップS320)。このエラー報知用フラグが立つと、エラー管理処理(図5のステップS205)にて、不正入賞に関する報知処理(演出制御部へのエラー報知用コマンドの送信など)や遊技進行停止などの処理が行われる。
【0145】
よって、特別図柄始動口34a、35aに金属片などを挿入して不正に図柄遊技を開始させようとしたり賞球を得ようとする不正行為が行われた場合は、始動口センサ信号のOFFエッジが上記した入賞タイマの100ms以内に到来しなくなるため、このことに基づいて不正行為をいち早く検知して、エラーを報知することができる。
【0146】
(ハ)入賞確認フラグの作用(図11)
ここで入賞確認フラグの作用について説明する。図11は、始動口センサ信号のON時に保留個数が最大の4個で、その後のOFF時までに保留個数が3個に減った場合の動作を示している。
【0147】
時刻t1では、保留個数が最大の4個の状態であるので、図9のステップS311の判断がYESとなり、何もせずに始動口チェック処理を抜ける。つまり、ステップS312〜S315の処理ルートAに入らず直ちに始動口チェック処理を抜けてしまう、という動作を行う。
【0148】
次に、時刻t2では、新たな入賞(保留球数の4個目を1つ上回る5個目の入賞)があり、始動口センサ信号のONエッジ(ONエッジデータの論理1)が到来する。しかし、この時点でも保留個数が最大の4個であることには変わりがないので、やはりステップS312〜S315の処理ルートAに入らずに、ステップS311から直ちに始動口チェック処理を抜けてしまう。ここでの動作で注目すべきは、始動口センサ信号のONエッジが到来したにも拘わらず、各種乱数の取得(ステップS315)が行われていない、という点である。
【0149】
次の時刻t3においても、保留個数が最大の4個であることには変わりがないので、同じくステップS311から直ちに始動口チェック処理を抜けてしまう、という動作になる。
【0150】
次に、時刻t4で、保留個数が1個消化されて3個に減少する。このとき図9の始動口チェック処理では、ステップS311において保留球数≠MAXと判断されるので、ステップS312に進む。この時刻t4の時点では、特図始動口ONエッジデータの論理状態が論理0であるので、ステップS312からステップS316に進み、入賞確認フラグがON状態か否かを判断する(ステップS316)。今取り扱っている5個目の始動口センサ信号については、そのONエッジの到来時(時刻t2)において処理ルートAを通っていないので、入賞確認フラグはOFF状態となっている。そこでステップS316の判断はNO(入賞確認フラグ=OFF)となり、何もしないで図9の始動口チェック処理を終了し、図8のステップS301に戻る。
【0151】
その後、時刻t6において、OFFエッジ(特図始動口OFFエッジデータの論理1)が到来する。このとき図9の始動口チェック処理では、上記のようにステップS311およびステップS312を通ってステップS316に至るが、この時刻t6においても入賞確認フラグはOFF状態となっているので、ステップS316の判断はNO(入賞確認フラグ=OFF)となり、何もしないで図9の始動口チェック処理を終了し、図8のステップS301に戻る。
【0152】
すなわち、5個目の始動口センサ信号については、そのONエッジの到来時(時刻t2)において特別図柄抽選用乱数値の取得がされず、またOFFエッジの到来時(時刻t6)においても保留個数を1増加させる保留加算処理が行われない。この結果は、保留個数が最大の4個である状況下で5個目の始動口センサ信号が発生しても、これを無効とする、という要請に合致したものとなる。
【0153】
仮に、上記の入賞確認フラグの状態確認ステップ(ステップS316)が無いとすると、時刻t6において、OFFエッジ(特図始動口OFFエッジデータの論理1)が到来したとき、上記のようにステップS311およびS312を通った後、直ちにステップS317に至り、入賞タイマが作動しているか否かを判断することになる。この時刻t6においては、入賞タイマが作動していないので(入賞タイマ=0)、処理ルートCに入りエラー報知用フラグがセットされて、正規の入賞であるにもかかわらずエラー報知に関する処理がなされてしまうことになる。また、仮に入賞タイマが作動中であれば(入賞タイマ≠0)ステップS321に至り、ここで特図始動口OFFエッジデータの論理状態を判断するが、特図始動口OFFエッジデータは論理1であるので処理ルートBに入り、保留個数の加算処理が行われてしまうことになる。しかし本実施形態では上記のように入賞確認フラグを設けているので、このような不都合は生じない。
【0154】
上記したように、図8の始動口チェック処理(ステップS301)においては、上始動口34または下始動口35において入賞球を検出したか否かを、まず始動口センサ信号のONエッジが生じたか否かにより確認し、確認できた場合には特別図柄当り判定用乱数を取得する(ステップS315)。次いで、当該始動口センサ信号について、そのOFFエッジが発生したか否かを確認し、確認できた場合は特別図柄作動保留球数が4未満であることを条件として、保留加算時の各種処理を行う(ステップS324)。この各種処理には、保留球数の1加算処理や、保留加算コマンドの送信処理などが含まれる。この保留加算コマンドは、上始動口34については上始動口入賞コマンド、下始動口35については下始動口入賞コマンドとして区別して演出制御部24に送信され、特別図柄の作動保留球数を液晶表示装置36に表示する際に利用される。そしてOFFエッジの発生が確認できない場合は、エラー報知用フラグを立てて、エラーコマンドを演出制御部24に送信する。
【0155】
次いでステップS302の処理に進む。ステップS302の処理に進むと「大当り中」であるか否かを判断して、「大当り中」であれば(ステップS302:YES)、特別図柄を管理する必要がないので、これにより特別図柄管理処理を終了し、図5のステップS209の特別変動入賞装置管理処理に移行する。
【0156】
一方、ステップS302の処理で「大当り中」でないと判断された場合(ステップS302:NO)、特別図柄の挙動を示す処理状態が「特別図柄待機中」「特別図柄変動中」「特別図柄停止中」のいずれであるかを順に判断し(ステップS303、ステップS305、ステップS307)、該当する場合はそれぞれの処理状態に属する処理を行う。なお、「特別図柄待機中」とは特別図柄の変動が行なわれておらず次回の変動のための待機状態であることを示し、「特別図柄変動中」とは特別図柄が現在変動中であることを示し、「特別図柄停止中」とは特別図柄の変動が終了して停止中であることを示している。
【0157】
上記処理状態が特別図柄待機中である場合は「特別図柄変動開始処理」が、特別図柄変動中である場合は「特別図柄変動中処理」が、そして特別図柄停止中である場合は「特別図柄変動停止中処理」が行われる。以下、特別図柄変動開始処理、特別図柄変動中処理、特別図柄変動停止中処理の順に説明して行く。
【0158】
(3−3−2.特別図柄変動開始処理:図12)
図12は、特別図柄管理処理(図8)で特別図柄待機中と判断された場合(ステップS303:YES)に移行する特別図柄変動開始処理の詳細を示す。
【0159】
この図12の特別図柄変動開始処理においては、まず特別図柄の作動保留球数(保留記憶)がゼロかどうかを判断する(ステップS331)。
【0160】
特別図柄作動保留球数がゼロの場合(ステップS331:YES)、特別図柄が待機中でかつ保留記憶なしの状態となったのであり、この状態に突入したことを演出制御部24側に報せる必要がある。このため、本実施形態では待機演出コマンドの送信を行う(ステップS340)。
【0161】
ただし、特別図柄作動保留球数がゼロの場合に条件なしに待機演出コマンドを送信すると、特別図柄作動保留球数がゼロである間は4msの周期で待機演出コマンドの送信を繰り返すことになり、不必要な送信が発生する。そこで待機演出コマンドが未送信であるか否かを判断し(ステップS339)、待機演出コマンドが未送信の場合は(ステップS339:YES)、待機演出コマンドを演出制御部24に送信し(ステップS340)、既に待機演出コマンドが送信済みである場合は(ステップS339:NO)、待機演出コマンドを演出制御部24に送信することなく、この特別図柄管理処理を終了する。
【0162】
遊技機によっては、ここでデモ演出を行なうべきデモ表示条件が成立しているか否かを判断し、デモ表示条件が成立している場合は、デモ表示コマンドを演出制御部24に送信するが、本実施形態の遊技機では、この判断を演出制御部24に委ねることとし、デモ表示条件が成立しているか否かの判断は行わずに、この特別図柄管理処理を終了する。
【0163】
一方、特別図柄作動保留球数がゼロでない場合(ステップS331:NO)、特別図柄作動保留球数を1減算し(ステップS332)、減少した保留球数に対応した保留コマンドを送信する(ステップS333)。次いで、ステップS306で取得した乱数値が大当り判定値に属するか否かの判定処理(大当り判定処理)を実行する(ステップS334)。この判定処理では、大当りの抽選を遊技状態(低確率状態、確変状態)に応じた抽選確率で行なう。
【0164】
次に、ステップS334における大当りの判定結果とステップS306で取得した特別図柄用停止図柄乱数値とに基づいて、停止図柄(特別図柄停止図柄)を抽選により選択する(ステップS335)。この処理で抽選される特別図柄停止図柄により、大当り態様(たとえば、大当り遊技中のラウンド数を幾つにするか)および大当り終了後の遊技状態(たとえば、確率変動、時短状態、開放延長中などを設定するかどうか)が最終的に決定される。
【0165】
次に、変動パターンの設定処理を実行する(ステップS336)。この変動パターン設定処理では、ステップS335の停止図柄の抽選結果とステップS306で取得した変動パターン用乱数値とに基づいて、特別図柄の変動パターンが決定され、さらにこの変動パターンに対応する変動時間が決定される。そして、処理状態を「特別図柄変動中」に切り替え(ステップS337)、特別図柄変動コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS338)。ここでいう「特別図柄変動コマンド」には、「特別図柄変動パターン」コマンドの他、「特別図柄指定」コマンドや「装飾図柄表示」コマンドが含まれる。したがって、これらの演出制御コマンドは、特別図柄の変動開始条件が成立したことを条件に演出制御部24に送信されることになる。これによりこの特別図柄管理処理を終了して、特別変動入賞装置管理処理(図5)に移行する。
【0166】
(3−3−3.特別図柄変動中処理:図13)
図13は、特別図柄管理処理(図8)で特別図柄変動中と判断された場合(ステップS305:YES)に移行する特別図柄変動中処理の詳細を示す。
【0167】
この図13の特別図柄変動中処理においては、まず特別図柄変動時間が経過するのを待つ(ステップS351:NO)。特別図柄変動時間が経過していなければ何もしないで特別図柄変動中処理を終了する(ステップS351:NO)。特別図柄変動時間が経過した場合(ステップS351:YES)、処理状態を「特別図柄停止中」に切り替え(ステップS352)、特別図柄の変動が終了し停止したことを示す「図柄停止」コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS353)。これにより特別図柄管理処理を終了して、特別変動入賞装置管理処理(図5)に移行する。
【0168】
(3−3−4.特別図柄変動停止中処理:図14)
図14は、特別図柄管理処理(図8)で特別図柄停止中と判断された場合(ステップS307:YES)に移行する特別図柄変動停止中処理の詳細を示す。
【0169】
この図14の特別図柄変動停止中処理においては、まず停止図柄を特別図柄表示装置38に表示させるための一定時間が経過するのを待ち(ステップS361:NO)、一定時間が経過したならば(ステップS361:YES)、その停止図柄が大当り図柄であるか否かを判断する(ステップS362)。大当り図柄である場合は(ステップS362:YES)、処理状態を「大当り中」に設定し(ステップS363)、「特別図柄待機中」に切り替える(ステップS364)。また停止図柄が大当り図柄でない場合は(ステップS362:NO)、ステップS363の処理を行わずにステップS364に進み、「特別図柄待機中」に切り替える(ステップS364)。これによりこの特別図柄管理処理を終了して、特別変動入賞装置管理処理(図5)に移行する。
【0170】
図5に戻り、上記特別図柄管理処理(ステップS209)に次いで、特別変動入賞装置管理処理を実行する(ステップS210)。この特別変動入賞装置管理処理は、特別図柄管理処理(ステップS209)における大当りの当否抽選の結果に基づき、ソレノイド制御用の励磁制御信号を特別変動入賞装置ソレノイド42aに送信し、特別変動入賞装置42の大入賞口40を所定のパターンに従い開閉制御して、大当りに関する遊技を実行制御する処理である。
【0171】
主制御部(主制御CPU)20は、上記の特別変動入賞装置管理処理に次いで「LED管理処理」を実行する(ステップS211)。このLED管理処理は、処理の進行状態に応じて、普通図柄表示装置39や特別図柄表示装置38への出力データを作成したり、当該データに基づく制御信号を出力したりする処理である。
【0172】
さらに主制御部(主制御CPU)20は、大当りの発生、特別図柄確定、普通図柄確定、図柄始動口の入賞球検出などの遊技状態を示す信号を、外部集中端子基板310を通して、遊技場の遊技島管理に使用されるホールコンピュータHCや島ランプなど、遊技機外部に対して出力する外部端子管理処理を行う(ステップS212)。この外部端子管理処理の一環として、主制御部(主制御CPU)20は、エラー管理処理(ステップS205)において、異常回数記憶手段のカウンタに記憶されているエラー報知用フラグがON状態とされた回数を読み出し、これが所定回数たとえば5回に達している場合、不正入賞の可能性が極めて高いと判断し、その旨を外部集中端子基板310を通してホールコンピュータHCなどの外部にエラー報知情報(不正入賞情報)として出力する。勿論、エラー報知用フラグがON状態とされた回数が1回である場合にホールコンピュータHCにエラー報知情報を送信する構成としても良い。
【0173】
そして、上記のようにステップS202〜ステップS212の処理を実行した後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS213)、タイマ割込処理を終了する。その結果、割込み処理ルーチンからメインルーチンに処理が戻ることになる。
【0174】
この4ms後に、再度主制御側タイマ割込処理が生じた場合、ステップS205のエラー管理処理において、エラー報知用フラグの状態がチェックされる。ここでエラー報知用フラグがON状態にセットされていたと判断された場合は、エラー管理処理にて、不正入賞に関する報知処理(演出制御部へのエラー報知用コマンドの送信など)が行われる。このエラーコマンドを受けて、演出制御部24ではたとえばエラー音の発生などのエラー報知がなれる。このエラー管理処理においては、必要に応じ、エラー報知だけでなく遊技進行停止などの処理も行われる。
【0175】
<変形例>
上記実施形態では、たとえば図10(イ)の時刻t1とt2の間で始動口センサ信号にONエッジが発生したとき、このONエッジ直後の時刻t2の割り込みタイミングでONエッジデータが論理1(ソフト上のONエッジ)になることから、この論理1のONエッジデータに基づいて、つまり実際のONエッジから時間的に少し遅れて、特別図柄抽選用乱数値や特別図柄当り判定用乱数値、特別図柄用停止図柄乱数値などの各種乱数を所得する構成としている。しかし、ハード的に、時刻t1とt2の間で生起する真のONエッジに時間的に遅れることなく、これらの乱数を取得する回路構成を有する場合は、これにより既に入賞時にハード的に保持している乱数値を、その後に生起する始動口センサ信号のソフト上のONエッジとOFFエッジのいずれのタイミングで取得するように構成してもよい。
【0176】
また上記実施形態では、異常判定を行うための判別基準時間RTを100msの一種類とした。しかし、第1の特別図柄始動口である上始動口34は通常の入賞口であるのに対し、第2の特別図柄始動口である下始動口35は左右一対の可動翼片47が開閉するチューリップ型の電動役物となっており、両者は構造が異なっている。この第1の始動口34と第2の始動口35を正常時に遊技球が転動流下する場合、その特別図柄始動口センサ34a、35aから出力されるスイッチ信号には、ON信号継続時間に相違が認められる。そこで、このON信号継続時間の相違に基づいて複数種類の判別基準時間RTを用意し、対応する特別図柄始動口センサ34a、35aのスイッチ信号の異常を監視するために、それぞれの入賞タイマに所定のタイマ時間として互いに異なる値の判別基準時間RTを設定してもよい。
【0177】
また上記実施形態では、特別図柄始動口センサ34a、35aのスイッチ信号の異常を監視する場合について説明したが、普通図柄始動口37を通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37aのスイッチ信号の異常を監視する場合にも適用することができる。この場合は、図9のフロー図において、ステップS315では普通図柄変動表示ゲームを開始させる普通図柄抽選用乱数の取得を行い、ステップS324では普通図柄の作動保留球数(上限値4個)を1加算する保留加算処理を行う。これにより、普通図柄始動口センサ37aのスイッチ信号にOFFエッジが生起したことが確認できたことを条件に、普通図柄変動表示ゲームを開始させ、そのゲーム結果が補助当りであった場合、普通変動入賞装置41を作動させることができる。また、入賞タイマのタイマ時間を計時し終わるまでにOFFエッジを確認できない場合には、異常ありとの判定を下すことができ、取得した普通図柄抽選用乱数をクリアして、当該スイッチ信号それ自体を無効とすることができる。このため特別図柄始動口センサ34a、35aのスイッチ信号の場合と同様に、普通図柄始動口センサ37aのスイッチ信号についても適正時と異常時の双方の確実な処理動作を確保することができる。
【0178】
また本発明は、入賞検出スイッチのスイッチ信号にOFFエッジが生起したことが確認できたことを条件に、当該スイッチの作動と関連づけられた処理を行うものであるので、一般入賞口43に入球した遊技球を検出する一般入賞口センサ43aのスイッチ信号の異常を監視する場合に適用することも可能である。
【0179】
また上記実施形態では、始動口チェック処理のステップS420でエラー報知用フラグをON状態にセットし、このエラー報知用フラグを4ms後のエラー管理処理において自動的にOFF状態に戻したが、外部からの解除信号が入るのを待ってOFF状態に戻すように構成することもできる。
【0180】
また上記実施形態では、始動口チェック処理においてエラー報知用フラグをセットし、エラー管理処理において、エラー報知用フラグに基づき演出制御部にエラー報知用コマンドを送信するなどの報知処理や遊技進行停止などの処理を行う構成としたが、エラー管理処理にて行う代わりに、始動口チェック処理のステップS320において、これらのエラー報知用コマンドの送信などの報知処理や遊技進行停止などの処理を行うようにしてもよい。
【0181】
同様に、上記実施形態では外部端子管理処理(ステップS212)においてエラー報知用フラグが所定回数連続した場合に、その旨のエラー報知情報を外部に出力するように構成したが、始動口チェック処理のステップS320において、このようなエラー報知情報を外部に出力するように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0182】
本発明はパチンコ遊技機などの弾球遊技機に適用することができる。
【符号の説明】
【0183】
1 パチンコ遊技機、
2 前面枠、
3 遊技盤、
4 外枠、
5 球誘導レール、
6 ガラス扉枠、
7 前面操作パネル、
8 上受け皿ユニット、
9 上受け皿、
11 球貸しボタン、
12 カード返却ボタン、
13 枠演出ボタン、
14 球抜きボタン、
15 発射操作ハンドル、
19 遊技球払出装置、
20 主制御部、
21 外部集中端子基板、
24 演出制御部、
28 発射制御基板、
29 払出制御基板、
31 電源基板、
32 発射装置、
34 特別図柄始動口(上始動口)、
34a 特別図柄始動口センサ、
35 特別図柄始動口(下始動口)、
35a 特別図柄始動口センサ、
36 液晶表示装置、
37 普通図柄始動口、
38 特別図柄表示装置、
39 普通図柄表示装置、
40 大入賞口、
41 普通変動入賞装置、
42 特別変動入賞装置、
43 一般入賞口、
43a 一般入賞口センサ、
44 風車、
45 装飾ランプ、
45a 光表示装置、
46 スピーカ、
46a 音響発生装置、
47 可動翼片、
48 センター飾り、
49 アウト口、
201 主制御CPU、
202 主制御ROM、
203 主制御RAM、
241 演出制御CPU、
242 演出制御ROM、
243 演出制御RAM。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域内に配置された入賞手段と、
前記入賞手段へ入球した遊技球を検出する入賞検出スイッチと、
前記入賞検出スイッチから出力されるスイッチ信号を監視して遊技動作を統括的に制御する制御手段とを備えた弾球遊技機において、
前記入賞検出スイッチは、遊技球の非検出中は第1レベルのOFF信号を継続して出力し、遊技球の検出中は第2レベルのON信号を継続して出力し、
前記制御手段は、
前記スイッチ信号にONエッジが生起したことに基づいて、入賞タイマに設定した所定のタイマ時間の計時を開始する第1制御手段と、
前記スイッチ信号にOFFエッジが生起したことに基づいて、当該スイッチの作動と関連づけられた処理を行なう第2制御手段と、
前記入賞タイマが前記所定のタイマ時間を計時し終わるまでに前記スイッチ信号にOFFエッジが生起されない場合に、異常有りの判定をする異常判定手段と、を有する、
ことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
前記入賞手段は前記遊技領域内に配置された図柄始動口を含んでおり、
前記制御手段は、乱数抽選による当り抽選を行なう抽選手段と、前記抽選手段の抽選結果に応じて図柄を表示装置に変動表示させ、その結果を表示装置に表示する図柄管理手段と、をさらに有し、
前記第2制御手段は、前記図柄始動口に遊技球が入球した際、当該図柄始動口の入賞検出スイッチから出力されるスイッチ信号にOFFエッジが生起されたことに基づき、図柄変動動作の始動条件が成立したときになすべき処理を行なう、
ことを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【請求項3】
前記制御手段は、図柄始動口に遊技球が入賞したとき、その入賞に基づく図柄変動動作の実行を一旦保留して保留球数を上限値まで記憶し、図柄変動動作の始動条件が成立したことを条件に保留球数を1つ消化する保留記憶手段を、さらに有し、
前記第2制御手段は、前記図柄変動動作の始動条件が成立したときになすべき処理として、保留球数を1増加させる保留加算処理を行う、
ことを特徴とする請求項2に記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記第1制御手段は、前記図柄始動口に遊技球が入球した際、当該図柄始動口の入賞検出スイッチから出力されるスイッチ信号にONエッジが生起されたことに基づき、前記抽選手段による当たり抽選をなすための図柄抽選用乱数値を取得する、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の弾球遊技機。
【請求項5】
前記第1制御手段は、前記スイッチ信号にONエッジが生起されたときに前記保留球数が上限値未満であることを条件に図柄始動口に入賞があったことを記憶し、
前記第2制御手段は、入賞があったことが記憶されている状態で前記スイッチ信号にOFFエッジが生起したことに基づいて、前記始動条件が成立したときになすべき処理を行なう、
ことを特徴とする請求項3または4に記載の弾球遊技機。
【請求項6】
前記異常判定手段は、前記異常ありの判定をした場合、前記第1制御手段で取得した図柄抽選用乱数をクリアする、ことを特徴とする請求項4に記載の弾球遊技機。
【請求項7】
前記所定のタイマ時間は、正常時に前記入賞手段へ入球して前記スイッチ信号にOFFエッジが生起されるまでのON信号継続期間とこれに加えた余裕時間との和からなる、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の弾球遊技機。
【請求項8】
前記入賞手段は構造の異なる第1の始動口と第2の始動口を含んでおり、
この第1の始動口と第2の始動口を正常時に遊技球が転動流下する際の前記スイッチ信号のON信号継続時間の相違に基づいて、前記所定のタイマ時間が異なる値に設定されている、
ことを特徴とする請求項7に記載の弾球遊技機。
【請求項9】
前記異常判定手段により異常有りと判定された場合において、その旨を報知する報知手段をさらに有する、ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の弾球遊技機。
【請求項10】
前記異常判定手段により異常有りと判定された回数を記憶可能な異常回数記憶手段と、
前記異常有りと判定された回数が所定回数以上となった場合において、その旨を報知する報知手段と、をさらに有する、ことを特徴とする手段1ないし8のいずれかに記載の弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−136113(P2011−136113A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−299309(P2009−299309)
【出願日】平成21年12月31日(2009.12.31)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】