形状加速度計測装置及び方法
【課題】 連続したリアルタイムの計測ができ、かつ/または、動的形状を追跡できる。
【解決手段】 少なくとも1つのフィールド測定センサと、基体内の少なくとも1つの曲率測定センサとを有したセンサアレイであって、フィールド測定センサはフィールドに対して基体の配向データを得ることができ、曲率測定センサは動的・静的形状と、地質学的、構造的、生物学的物体の振動を測定するための、構造体内の相対的配向データを得ることができる。
【解決手段】 少なくとも1つのフィールド測定センサと、基体内の少なくとも1つの曲率測定センサとを有したセンサアレイであって、フィールド測定センサはフィールドに対して基体の配向データを得ることができ、曲率測定センサは動的・静的形状と、地質学的、構造的、生物学的物体の振動を測定するための、構造体内の相対的配向データを得ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定用のセンサアレイに関する。特に本発明は、物体と経路(pathways)の形状や加速度を検知するための方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地質学や地球科学の分野において、傾きセンサを用いて、地中の穴の経路を計測することが知られている。一般的に、傾きセンサは筒形状で、重力フィールドに対する傾きの2自由度(DOF)を検知するように配置された、電解・抵抗・容量・‘ゼロ変位(zero-displacement)’あるいはミクロ機械加工したシリコン重力センサを有する。普通、2DOFは直交し、傾きのx,y成分とされる。傾きセンサは、地中の穴に降ろして、傾きデータを間隔毎に計測してもよい。あるいは、数個の傾きセンサを地中の穴内に上下に配列し、既知の位置における傾きの変化を検知するために使用されてもよい。また、地中の穴に降ろした加速度計を用いて、s波・p波を含む、地震振動を計測することも知られている。s波は、主に地球表面と平行な加速度を生成する。また、磁気センサを用い、そのセンサを地中の穴に入れることにより、地表磁気フィールド中のセンサの配向を測定することも知られている。
【0003】
地中の穴に加え、上記方法は、橋・建物・坑道等の構造物や、土壌や土塁に取り付けられ、あるいは埋められたセンサに適用される。
【0004】
上記傾きセンサ方法の欠点は、連続したリアルタイムの計測を提供することができず、かつ/または、動的形状を追跡できないことである。ほとんどの現在の傾きセンサ技術では、地震中のs波のような動的加速を計測しない。さらに、センサを保持し、水や機械的力からセンサを保護する、校正、変形可能で、持ち運び可能な基体がないことも欠点である。さらに、傾きセンサは校正された構造体内あるいはねじれのない構造体内に配置されていないので、多数のセンサが必要となる欠点があり、そのため重力ベクトルについての配向の磁気的計測が必要となる。
【0005】
また、曲げ検知・曲げ−ねじり検知アレイを用いて、地中の穴・建物・人・装置・地質学的構造体の動的、静的な形状を計測することも知られている。その例は、Danisch,L.A.のライトガイドの一部に形成された光照射表面を有した光ファイバ曲げ・位置センサ、米国特許5,321,257、1994年6月14日、Danisch,L.A.の選択された曲面光照射表面を有した光ファイバ曲げ・位置センサ、米国特許5,633,494、1997年5月27日、Danisch,L.A.の光ファイバ曲げ・位置センサ、ヨーロッパ特許番号0702780、1997年10月22日、Danisch,L.A.の位相動作計測器、米国特許6,127,672、2000年10月3日、Danisch,L.A.の位相動作計測器、米国特許6,563,107である。
【0006】
Danischの、‘672では、3Dの経路を地図にするために用いることができる2DOF曲げ検知アレイが記載されている。第3のDOFとしてねじりを加えることにより(Danisch,L.A.の、‘107参照)、アレイの中のセンサはジョイントであるいは、長軸にそって連続して回転することができる。Danisch,L.A.の、‘107は、表面のエレメント間の角度を計測するため曲率センサを用いた表面マッピングアレイを記載している。これらのセンサアレイは、曲率センサを用いて、変形可能な表面に沿った角度を計測する。このようなセンサは光学ファイバを改造したものであることが多い。最も一般的形状の、2DOF曲げ検知アレイ、あるいは3DOF曲げ−ねじり検知アレイは、地中の穴計測を含む多くの適用例で生じる小さな角度を正確に計測できないという欠点がある。短期間に小さな角度を計測することはできるが、ドリフトにより不正確となり、長期間の計測の場合には問題となる。この不正確さは、強固な部材間に2DOF・3DOFカップリングを用いて、精度の高いエンコーダでそのカップリングのDOFを計測することにより克服される。しかし、これはかなりのコストがかかり、複雑となるので、長期間の計測には用いられなくなってしまう。
【0007】
Danischの‘672、Danischの‘107において、表面は、表面のエレメント間の角度関係を知ることにより、6DOFにおける参照表面に対して計測される。「世界座標系(WCS)」において要素の絶対角度は、直接計測されない。それらは、曲げセンサにより計測される角度関係、あるいはエレメント間の「局所的」角度を積算することにより算出される。たとえば、同一垂直面ですべて曲がっているヒンジにより接続されたロッドは、10、20、−10、30度の局所ヒンジ角度を有しているとき、世界座標系において水平である参照ロッドに対し、ロッド間のWCS角度は、経路に沿った局所角度を積分(加算)することにより得られる、10,30,20,50度になる。ロッドの長さがわかっており、WCS角度が測定されていれば、ロッドシステムの経路は完全に特定される。
【0008】
ロッド間の接続に、多軸曲げ・ねじりのような、追加DOFが可能である場合、ロッド間に2あるいは3角度DOFがあり、積分は3D数学を必要とする。3D空間曲線数学が使用でき、その例が、Danischの‘672、Danischの‘107に記載されている。単にロッドの集りではない変形可能な表面あるいは容量は、角度相互関係が計測可能で表面上のセンサの位置がわかれば、この方法で計測できる。この計測には、角度エラーの位置を超えて計算された表面の全ての部分に対しかなりのエラーがある。さらに、センサ内の浮動は、表面を前に得られたポーズに戻し、オフセットをなくして計測された形状を得られたポーズの形状に復元することにより訂正されるべき形状の不正確さをもたらす。しかし、光ファイバのかなり薄いアレイを用いて、形状を速く変化させるために、10,000フレーム/秒の高速であるいはそれ以上の高速で捕捉が行われているので、その計測は有効である。
【0009】
静止形状に対しては、一定あるいは‘DC’加速度に達する周波数特性を有した加速度計を利用することができるので、出力は、約9.8m/s/sの定加速度を有する重力フィールドに対応する。ミクロ機械加工シリコン(MEMあるいはミクロ加工電気機械センサ)により作られた、正確で、コストの低い、小型の装置は、一軸、二軸形状で利用可能である。1つの例は、アナログ・デバイス社の、DCから数千ヘルツ(Hz)への加速に応答する、ADXL311集積回路である。二軸MEM装置は1度未満の分解能を有し、多年にわたる高精密と幅広い温度範囲を維持することができる。これらのアレイが、可変表面に設置されると、傾き信号のアレイが発生し、設置場所のWCS角度を示す。場所間の距離がわかれば、経路、表面あるいは容体形状(volume shape)は高精度に測定される。局所角度の積分に基づく形状計測と違い、直接計測したWCS角度に基づく形状計測はエラーが蓄積せず、より高精度になる。MEMセンサの代わりとしては、計測するための塊(mass)を保持し、保持するために必要な力を測定する、電解傾きセンサ、容量性傾きセンサ、誘導傾きセンサ、ゼロ-ディスプレイスメント加速度計がある。しかし、先行技術によるすべての傾きセンサアレイには、形状が変化していない間に計測をしなければならないという欠点がある。
【0010】
アレイが広範囲の周波数特性を有したMEM加速度センサで形成されている場合、そのセンサは重力のような静的加速度のフィールドに応答し、また地震の振動のような急速に変化するフィールドにも応答する。電子工学やソフトウェアを用いて、全体信号(スローデータ)の長期平均を示す出力データや、急速変化成分(ファーストデータ)のみを表す他の出力データを提供するようにしても良い。スローデータは重力に対する応答を表し、ファーストデータは重力フィールド内のアレイの振動あるいは他の急速な動きに対する応答を示す。スローデータはデータの多くのフレームを平均化することにより、また、標準フィルタリング技術を用いて急速に変化する信号を除外することにより得られる。ファーストデータは、フィルタしていない全体データからスローデータを減算することにより得られる。スロー・ファーストデータを得るこの従来技術は公知である。ファーストデータがフィルタ内で時間がたってゼロに統合すると、平均形状を示す正確なスローデータが得られる。平均形状が変化していなければ、あるいは、かなりゆっくり変化しているのであれば、ファーストデータは、アレイ内の各々のセンサに存在する振動を示す。このように、各々のセンサでアレイに適用される振動を規定するためにファーストデータを用いながら、このように、アレイはWCS傾き角度(スローデータ)から静止形状を得るために用いられる。
【発明の開示】
【0011】
好ましくは、本発明は、低コストのフィールド設置に適した単一システムにおいて、変形の静的・動的形状と加速度とを正確に計測することができる、センサと計測方法との校正された組み合わせを提供する。経路に沿って角度を積分し、フィールド内で角度を計測し変更することにより好適に実施され、従来例の方法の精度をかなり改善することができることが示されている。さらに、計測、シールディング、シーリング機能を組み合わせた、好ましいパッケージング技術が開示され、低コストで携帯可能な測定ツールとなる。
【0012】
形状変化を急速にさせることによって、形状がアレイのエレメントの動きと、それと生じる同時に重力フィールド(傾き変化)に対する配向の変化とによって特定されるようにできる。また、全体的な振動フィールドがあってもよい。この場合、形状と振動は、加速度のみに基づく別々の出力データセットにわけることはできない。本発明の好適実施例においては、局所角度(曲げあるいは曲げとねじり)を計測するセンサは、形状変化を特定するため、このような動的変化毎に排他的に用いられる。局所角度センサ、WCS角度センサからの信号を用いて、静から動形状への移行が起こったことを測定する。最後に知られる静的形状を用いて、最適なスタート形状に対する動的形状計測を始めてもよい。
【0013】
加速度センサのみが存在する場合(局所角度センサがないとき)、静的・動的形状は、動的形状変化の間、一般的に知られることはない。しかし、本発明は、フィールドがやがて変化するとしても、均一な加速度フィールドが存在する場合には、加速度計のみによって、有効な動的形状を提供する。このように、均一な加速度フィールドとは、空間的に均一な加速度フィールドを意味する。1例は、空間的に均一な水平地震振動を受けている均質な岩盤層内に設けた穴内に垂直に並んだセンサである。この場合、すべての傾きセンサは、振動から同じ加速度を受け、重力から定加速度を受け、そしてここで述べるように、その出来事の間、アレイから静的形状情報を取り出すことができる。
【0014】
本発明の好適実施例によれば、少なくとも1つの外部参照フィールド内に設けられるようにした少なくとも1つのフィールド測定センサと、柔軟な基体内に設けられるようにした少なくとも1つの曲率測定センサとを有したセンサアレイであって、上記フィールド測定センサは上記フィールドに対して上記基体の配向データを提供することができ、上記曲率測定センサは動的、静的形状を測定するための上記基体の部分間の配向データを提供することができる。
【0015】
上記フィールド測定センサは、振動・形状データを提供することができる単一、二軸、三軸の加速度計であり、基体は部分を有し、上記フィールド測定センサはさらに、セットされた磁気フィールド内の上記基体の上記部分の配向データを提供することができるようになっている磁力計を有することが好ましい。
【0016】
さらに、曲率測定センサは光ファイバ曲げ−ねじりセンサであり、上記曲率測定センサは二軸あるいは一軸曲げセンサであり、曲率測定センサの数はフィールド測定センサによる測定のために最小限であることが好ましい。
【0017】
また、上記加速度計は世界座標系における傾きを検知し、振動加速データと、重力データの定加速度とを提供することが好ましい。
【0018】
上記実施例において、上記基体は最小限にねじれるようになっており、上記アレイは表面上や容体中にフィールド設置するために、校正されることが望ましく、ここにいう表面や容体とは、地質的、構造的、土木工学システムのものである。
【0019】
また、その表面と容体は好ましくは、ボートの帆、人間、あるいは動物の体である。
【0020】
上記加速度計は、フレキシブルチュービングにより接続された非接触の略垂直の剛体パイプに搭載され、上記加速度計は、2自由度の傾きと、垂直軸に対するパイプの長軸の動きに対する加速度データを提供することが好ましい。
【0021】
また、上記加速度計は、フレキシブルチュービングにより接続された非接触の略水平な剛体パイプに搭載され、略水平表面にそろえるための位置そろえ平面に取り付けられ、上記加速度計は、2自由度の傾きと、垂直軸に対するパイプの長軸の動きに対する上記略水平パイプの略垂直軸の動きに対する加速度データを提供することが好ましい。
【0022】
上記実施例において、上記センサは、2自由度とねじりにおいて自由に曲がるように、上記基体に取り付けられ、上記基体は土壌あるいは水等の容体であり、上記センサは上記容体の曲線を描く、略垂直あるいは水平な湾曲部に配置され、各々の曲線からのデータは共通の収集ポイントに送られ、その容体の静的・動的形状のデータを集めることが好ましい。
【0023】
さらに、そのデータは収集ポイントへ通信チャンネルによって送られ、その通信チャンネルはワイヤを用いてあるいはワイヤレスで通信することが好ましい。
【0024】
上記センサは、地震を測定するために取り付けられることが好ましく、そのセンサは、地震の前、その間、その後の動きを測定する。
【0025】
本発明の別の実施例によれば、柔軟な基体内にフィールド測定サンサを有したセンサアレイであって、フィールド測定センサは上記基体に配向データを提供することができ、上記基体の隣接部分内で、信号の差から動的形状を規定するようになっている。
【0026】
本発明においては、変形の静的・動的形状と加速度を計測するための好ましい方法が提供され、計測用に上記アレイを用いるステップからなる。
【0027】
本発明は、好ましくは地質的、構造的、生物学的ボディの静的・動的形状を計測するため、本発明のセンサアレイを用いることを提供する。
【0028】
上記実施例においてもまた、その基体はフィールド計測センサを有した剛体リンク(rigid links)を備え、回転可能なジョイントにより接続された連結アームを有し、その連結アームは、回転センサを取り付けた1自由度において回転可能なジョイントにより、固定参照表面に接続され、そのリンクは、フィールド内で上記連結アームの位置と配向を計測するために、所定の範囲内でフィールドセンサを維持するように押さえつけられることが好ましい。
【0029】
上記実施例においては、フィールド計測センサは二軸、あるいは三軸加速度計であり、上記回転センサはデジタルシャフトエンコーダであり、その回転可能なジョイントは、動的形状を計測する際に増加精度のために曲げセンサを取り付けられていることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図1は、Danisch‘257に詳細に述べられている曲げを検知することのできる光ファイバセンサを示す。それは、ロスゾーン2を介して片側で、好ましくはそれを介して曲げが検知される全体の長さに沿って、光を失うようにされたファイバ1から成る。光学デザインは、そのファイバの処理される部分に沿って曲げが積分されるようになっている。ファイバを介して伝達される光学強度は、経路に関係なく、処理された領域の端部間でのネット角変位により調節される。センサは曲げ可能な基体3に取り付けられ、基体の曲げを検知する。
【0031】
図2は、Danisch‘672に詳細に説明されている、図1の曲げ検知方法の拡大部分を示す。光学ファイバ4は図示された湾曲の略全長である検知領域内の基体に沿って曲がりくねっている。基体の長軸に対し約45度配向しているファイバ1の部分5では、ファイバは曲率を検知するようになっており、この場合は基体6の曲げとねじりの成分を含む。基体の反対側にある第二のファイバは、逆向きに曲がっているので、約45度の部分5は、第一のファイバと略X形状を形成する。Danisch‘672は、一対のセンサから、別々のデータとして曲げとねじりを抽出するための方法を記載している。曲げ・ねじり検知基体を用いて、2つの剛体間の2DOF曲率を検知してもよい。また、Danisch‘107に記載されたような方法を用いて2つの剛体間に光ファイバ「ロープ」を接続することもできる。ロープは、2DOFにおける曲げに反応するようになっていてもよいし、また合計3DOFに対してねじりも検知するようにしてもよい。また、導電性ゴム、ポテンショメータ、ロータリエンコーダ、角度計、xyアレイに衝突する光学ビーム等(これらに限定はされない)の他の曲げ検知技術を用いて、2つの剛体を接続することもできる。
【0032】
一般的に、上記の剛体間の角度の検知方法はすべて、その適用により、1DOF曲げ、2DOF曲げ、2DOF曲げとねじり、あるいはねじりのみを含む、様々なDOFにより検知される、局所角度を検知するための手段である。これら全てを一般的に参照するために、我々は「曲率(curvature)」という単語を用い、曲げとねじりの組み合わせあるいは曲げのみ、ねじりのみを示す。
【0033】
前記したように、WCS角度はMEM加速度計により検知される。MEMセンサは半導体集積回路技術を用いて、シリコンをミクロ機械加工したものである。図3はMEM加速度計の原理を示す概略図である。導電性の曲げ可能なカンチレバー7が、シグナルがそこにあることを示すために図に「S」とした、参照フレーム8に固定されている。参照フレーム8は、センサ(不図示)のケースに機械的に取り付けられているが、導電性があり、カンチレバー7に存在する電荷を運ぶ。カンチレバー7付近の2つの反対にチャージされた板9,10(「−」、「+」と印をつけたもの)の間の容量性フィールドは、カンチレバーの動きによりアンバランスで、その結果、どちらかのプレート(9,10)に近接していることを示すSポテンシャルとなる。カンチレバー7は、矢印12により示されるように重力フィールドに、あるいはセンサのケースの変形速度により、両矢印11により示されるように、加速によって円弧状に曲がる。カンチレバー7が図示されたように垂直ならば、出力信号は中間レベルである。カンチレバー7が傾いて、+板(10)に近づいているときには、信号が増加する。他方に傾いている時には、信号は減少する。重力フィールドでの出力Sは、
S=gain × g × sinθ [式1]
ここで、ゲイン(gain)は、カンチレバーの量、材料、寸法と、回路の詳細とによる校正定数で、一般的には0.0034、であり、gは重力加速度(一般的には9.8m/秒/秒)であり、シータは垂直に対するラジアン弧である。
【0034】
図4は、図3と同一のMEM加速度計の概略図を上から見た図を示す。
【0035】
図5は、2DOFにおいて傾きと加速度を検知するための直交して設けられた、2つの加速度センサの概略平面図を示す。一般的に、両センサは同じケース15、通常片側が数ミリメートルの小さな表面搭載可能なケース、の中にある。
【0036】
上記した従来の傾き・加速度検知方法は、一対の直交する加速度計に第三の加速度計を直交して追加することにより、より多くのDOFに拡張することができる。さらに、磁力計を設けることにより、地表の磁気フィールドあるいは人工的磁気フィールドに対する配向を検知することができ、小さな統合パッケージに商業利用することもできる。さらに、ジャイロスコープセンサと角速度センサを追加することができる。
【0037】
図3に示すカンチレバーセンサは、垂直な時(磁気フィールド12に一直線の時)、角度の変化を最大限に検知する。磁気フィールドに直交して配向されている時は、最大出力となるが(正あるいは負)、この状態では角度変化は最小となる。両方の効果は、ゼロ交差近傍では急であるが、最大、最小近傍では緩やかなスロープとなるというサイン関数の形状に基づいている。
【0038】
垂直からの正・負の変化は、中間の垂直状態から各々信号を増加あるいは減少させるので、カンチレバー加速度計により識別されるが、垂直から90度を過ぎる角度は垂直から90度より小さい角度と識別することができない。このように、直行する一対のセンサにとっても、「上下逆」は「正しい面が上」と区別ができない。しかし、第三の直交加速度計を追加して3つのセンサを形成するようにすると、あいまいさが解消される。
【0039】
3つのセンサであっても、重力ベクトルに対するWCS配向(つまり水平面内の回転)を解決することはできない。この角度は、地表の磁気フィールドあるいは人工磁気フィールドの配向を測定するための磁気センサの追加を必要とする。
【0040】
曲率センサ20によって接続されその間の局所角度を検知する2つの剛体16,17には、WCS角度を検知するための加速度計と磁力計が備えられてもよい。これは図6に示され、図中、曲線20は曲げ(bend)、曲げ(bends)、かつ/またはねじりを示し、18,19は磁力計を任意に追加した(1軸、2軸あるいは3軸の)加速度計を示す。
【0041】
剛体間の三次元カーブ20は、まっすぐな時の曲率センサの曲がっていない長さの全長を有したポリラインとしてモデル化される。平面的な曲げのみが存在する場合、純粋な曲げは、内挿によりポリラインに沿って均等に分配され、円弧を生じさせるであろう。曲げとねじりが存在する場合は、ポリラインに沿って均等に分配され、螺旋の一部を生成するであろう。あるいは、スプラインあるいは他の内挿関数を用いて曲げとねじりを分配してもよい。
【0042】
図7は、ゴム製の長方形プリズムのような変形可能な容体(deformable volume)21内の局所・WCSセンサのより一般的な配置を示す。ローカルセンサ23は、検知すべき自由度により必要な数だけ必要な場所に、WCSセンサ22の間に延設されてもよい。図中のセンサのいくつかは図面を見やすくするため省略してある。WCSセンサは、間に曲げることのできる材料を有した小さな剛体としてモデル化されてもよい。圧縮・伸長センサを追加しなければ、圧縮あるいは伸長はこの方法では測定できないが、容体の曲げとねじりは、局所・WCS角度の変化として計測される。図8は、容体の変形状態の一例を示す。WCSセンサは傾き、局所角度センサは曲げられ、かつ/またはねじられている。変形した容体の形は「経路計算(path calculation)」によって形成され、ポリラインはWCSセンサを接続する曲線に沿って形成される。地中の穴内の曲げ可能なエレメントにより接続された一連のセンサは、上記した一般的な容体センサのサブセットである。
【0043】
図9は、局所曲率センサ23をその間に有した容体内のWCSセンサ22の2つを示す。WCSを有した2つの剛体間の角度は、角度26により示される。一般的に、WCSセンサ各々は、WCS内に3DOF配向を有する剛体であり、配向の違いは、ロール、ピッチ、揺れの数字により表される。しかし、ロール、ピッチ、揺れは、中間ポールの状態によるので、図10に示されるように、配向ベクトルを用いれば、あいまいさが減少する。各々の剛体は3つの直交ユニット配向ベクトル28,29,30のセット27により示される。剛体中心間の3D変位は、3D変位ベクトル31で描くことができ、内挿を用いる場合は、複数の3D変位ベクトルからなるポリラインによって、示される。容体における各々のWCS剛体のそのような計測値を収集すれば、完全にその容体の形状が描写される。容体内の各々の剛体配置では、合計6つのDOFに対しては、一般的に、x,y,z変位とrx,ry,rz配向としてWCSを参照すれば、位置と配向がわかる。rx,ry,rzはロール、ピッチ、揺れとしてあるいは、3つのユニット配向ベクトル(3つの各々は9つの番号を有し、その3つは重複しているが、9は3DOFを示す)として表される。
【0044】
いくつかのあるいはすべての剛体位置において磁気フィールドセンサを用いて、重力ベクトルの周りの容体の配向がわかる。各々のWCSセンサ位置で磁気配向を検知する必要はない。1つのセンサに対する磁気配向がわかれば、正しい磁気配向に容体のあらゆる検知された部分を配置するためには経路計算は十分である。関係のある形状に必要ない場合、すべてのDOFがあらゆるセンサ位置で検知される必要があるわけではないのもまた、明らかである。このように、ねじりのない機械的システムはねじりセンサを必要とせず、あるいは他のシステムは各々の局所角度センサ位置において曲げの単一DOFを必要とするのみである。地表の磁気フィールドにおける配向は知られる必要のないことが多い。
【0045】
この発明は、公知の6DOF位置で、容体内に間隔をおいて配置されたWCS、局所角度センサの集りにより、変形可能な容体に対し、静的形状と動的形状をいつも測定することができることを教示する。形状が変化していない時は、WCSセンサはそれのみで使用される。形状が変化している時は、WCSセンサと局所センサを組み合わせて用い、動的な場合は、WCSセンサあるいは局所センサのみで使用される。さらに、WCSセンサが加速度計の場合、WCS軸に沿った動的加速度情報はアレイから得られる。
【0046】
さらに、下記の出力信号の状態式1を適用することにより、静的形状はWCS情報のみによって特定される。
θ=asin(s/(gain × g) [式1]
各々の剛体位置での傾き角度を得て、各々の剛体において6DOFデータを「通過する」(満足する)ポリラインをモデル化する。この方法はまた、重力加速度と比べてセンサをあまり加速しないかなりゆっくりとした形状変化にも用いられる。
【0047】
もっと速い変化に対しては、局所曲率センサが設置されている場合、曲率センサは、急速な変化が始まる前にWCSセンサによって検知された最後の有効形状からのズレとして、形状を計算するために使用される。この場合、局所曲率は剛体分離距離を満足するポリライン経路を計算するために使用される。
【0048】
WCSセンサが加速度計の場合、加速度は、その時の傾きによって変調された静的重力と、地震振動あるいはセンサが設置されたリムの動き等による実際の加速度信号との組み合わせとして直接得ることができる。加速度は、一時的フィルタリングした信号を引いた、一時的フィルタリング以外の全体信号として計算される。この加速度信号は、振動フィールドの軸に対して傾いた、剛体の加速度により計測される加速度である。例えば、地中の穴では、ある剛体は垂直から10度の角度であり、振動は水平である。このような場合、傾きがわかれば、修正をして、振動の水平成分を見つけることができる。MEM加速度計が垂直に対して角度シータ傾き、加速度「a」の場合、その出力は、
S=gain × g × sinθ − 1 − gain × a × cosθ [式2]
シータが、ローカルセンサによって描かれた経路に沿った計算からわかっていれば、これにより加速度「a」が見つけられる。
【0049】
ローカル角度センサがない時、式2を使って局所角度を見つけることもまた重要であるが、均一な加速度が適用される。これは、重力の均一な静的加速度[式1]に対して既に記載されているが、MEMあるいは他の急加速度計を備えた隣接したペアの剛体に対し、式2をペアで適用して、信号から局所角度を測定する方法を含んでいる。この場合、2つの新しい式が形成される:
S1=gain1 × g × sin(θ1) + gain1 × a × cos(θ1)
[式3]
S2=gain2 × g × sin(θ2) + gain2 × a × cos(θ2)
[式4]
ここで、下付き文字「1」は第一の剛体を示し、「2」は第二の剛体を示し、両方の式は各々の剛体の同じDOFに対するものであり、たとえばMEM集積回路においては各々の「xy」ペアセンサの「x」センサに対する。局所角度を得るには式5を用いる:
△θ=θ1 − θ2 [式5]
式5により、動的データに対するポリライン経路、そして動的形状が求められる。
【0050】
共通の加速度「a」がわかっている場合には、反復数値技術を用いて、そのペアの式で△θをすぐに求めることができる。シータ1がシータ+delとして表され、シータ2がシータ−delとして表される場合、delは、S1−S2の差が任意に式3、式4の右辺の差に近くなるまで、delは変えられる。デルタシータは公知であり、動的形状は経路計算によって測定される。
【0051】
共通加速度は、ポリライン(ポリラインの第一の頂点)用参照センサから得られる。たとえば、一連のセンサが地中の穴内にあり、トップセンサが地面に垂直に設置されている場合には、それが計算を始めるための参照とされて、地面の表面に平行なs波加速度全体を示すために用いられる。加速度が全てのセンサにおいて均一である間は、動的形状の計算は正確であり、それを実行するために曲げあるいはねじり(局所)センサは必要ではない。この方法による校正アレイにおいてはセンサの種類や数を減らすことができ費用が減少する。
【0052】
加速度技術においては公知の二重積分技術を用いて加速度信号から動的形状を計算することもできる。動的加速度信号の各々は一旦積分されて速度を計算し、もう一度積分されて位置を得る。しかし、各々のDOFにおいて、各々の剛体の角度が知られていない場合は、水平化速度を求める場合、垂直に対するカンチレバー角度のコサインにより、加速度は減少される。
【0053】
地中の穴による地震の検知やスロープ監視、また多くの構造物監視用途においては、剛体の加速度のカンチレバーは、通常、略垂直であり、垂直から45度以上動かない。ほとんどの場合、ねじり計測は必要がないので、二軸加速度計は短いフレキシブルホースとねじりを減少するエレメントとによって接続されたパイプに用いられる。ねじりが許されない場合、あるいは必要とされない場合、フィールド設置可能なユニットとして校正され、輸送や貯留のためにロールアップできる単一構造物としてシステムが形成される。ねじりを検知すべき場合は、剛体間に局所ねじりセンサが必要となるか、あるいは磁力計を追加する必要がある。
【0054】
図11は、ねじりを最小にし、センサの数と型を最小にするようにしたアレイの概略図を示す。二軸加速度計15は、2DOFで傾きと加速度を検知する剛体を形成する薄肉メタルパイプ32内に搭載されている。内径12mmあるいはそれ以下のパイプは、センサと、接続されたワイヤ・回路を有するのに十分な大きさである。パイプの端と端は、通常カバリング内で45度までの曲げが可能な十分な距離離れている。一般的に5〜10mm離れている。カバリングは、きっちりしたフレキシブルチュービング33、たとえば第一層として一体接着シーラーを有した熱圧縮チューブ、の短い部分を有する。円形メタルブレイドの第二層34は図12に詳細が示され、これもたとえば熱収縮チューブであるフレキシブルチュービングの第三層35によりメタルチューブに接する全体的電気シールドが示されている。フレキシブルチュービングはエレメントにシーリングを供する。各々は耐水エンドキャップ(不図示)を備えている。メタルブレイドはカバリングにより、ほとんど円柱状に維持され、ジョイント部でねじりをかなり減少し、過剰な曲げに対する保護となっている。二重フレキシブルチュービングは水分浸透に対し2つのバリアとなる。
【0055】
また、図13に示されるように、パイプ32は、外側から各々のパイプにメタルクランプ37で留められたフレキシブルホース36によって被われている。フレキシブルホースは、ねじりを減少させ強度を与えるよう、金属あるいはポリマーのブレイドを有している。メタルブレイドはパイプに接触するホース内にも設けられて電気的にシールディングするようにしてもよい。また、図11、13はさらにフレキシブルジョイント部に曲げセンサを有していてもよい。
【0056】
アレイが水平か水平に対し約45度以内にする場合、図11,13のアレイの加速度計はパイプが水平の場合正確に計測することができないので他の配置を用いなければならない(角度変化に対する信号変化が小さく不確定なサインとなる)。この場合、図14に示されるように、パイプ32が水平な時カンチレバーが垂直になるように、加速度計15を設けられなければならない。フィッティングが水平表面に置かれているとき、外部付属物は、加速度カンチレバーが垂直となる向きにパイプを向けるためにに追加される。これは図15に示されており、クランプ37は水平表面51を含むよう変更されている。多くの場合、このタイプのセンサは平面内で稼動し、各々のパイプのWCS角度の単一DOFを計測するため、一軸加速度計のみを備える必要がある。通常、パイプはかなりの距離離れており、二重の加速度が用いられ各々のフレキシブルジョイントのねじりを促す場合、ブレイドは減少あるいは除去される。そして、各々のパイプで配向の2DOFが検知され、平面ではない経路が検知され計算される。ねじり・曲げセンサを局所曲率測定のために設けてもよい。水平センサ用の適用は、建物、埋立地、スロープ、鉱山、橋、トンネルの監視を含む。水平取り付け部を備えた上記クランプシステムは、垂直な壁への垂直なアレイの取り付けのように、垂直アレイに用いることもできる。
【0057】
加速度計はセンサリリボン(sensory ribbon)あるいはロープに追加することができる。センサリリボン、ロープはDanisch‘672とDanisch‘107に記載されている。リボン38への加速度計の追加は、Danisch‘672にさらに詳細に曲げ・ねじりセンサペア39を有したものが図16として示されている。一軸、二軸、三軸の加速度計40は、柔軟な基体に沿って、公知の間隔で配置されている。基体が動かない時、加速度計信号は、高精度のWCS配向を計算するために用いられる。WCS配向は、局所曲げ・ねじりセンサからのデータを「磨いて(hone)」初期状態にするために用いられ、形状が動いている時、その精度を向上させる。局所曲げ・ねじりセンサからの信号は、その形が実際に静止しているかどうかを測定するために用いられ、静止状態が勝る場合にはいつも自動回帰(homing)ができる。加速度計のいくつかがポールの近くに上下逆等になっている場合、局所センサは加速度計のあいまいさを解決するために用いられる。磁力計を重力ベクトルの周りの回転を解消するために追加してもよいが、多くの場合、いくつかのDOFのみが「磨かれている」場合、精度はかなり向上するので、追加する必要はない。
【0058】
Danish‘672に記載されたようなリボン状基体は加速度計のみを用いて(局所曲げ・ねじりセンサを設けない)、垂直あるいは水平センサアレイを形成してもよい。そのアレイは(X形状)センサペア39を用いない図16のようになる。加速度計は、一軸、二軸、あるいは三軸の加速度計でもよい。リボンが垂直で、磁力計が用いられていない場合は、重力ベクトルに対するねじりは、磁力計がなくては解決できないので、そのような構成は、通常平面の曲げを検知するために使用される。リボンが水平の場合、カンチレバーが垂直な二軸加速度計は、WCS傾きの差から曲げとねじりを測定することができる。局所曲げ・ねじりセンサを有したリボンに通常利用される数学が、WCSセンサから引き出されたデータとともに用いられる。図17に示すように、リボン38は、楕円の長軸内の端に支持された楕円断面41を有したホース内に設けられてもよい。
【0059】
帆計測においては、図18に示されるように、加速度計を水中帆船50の帆に取り付け、計測のために静的・動的形状を測定し、デザインあるいは帆の張りの制御を介してセーリング性能を向上させる。加速度計は、三角の帆47の頂点から、帆底部の略水平ブーム52に沿って間隔をあけて設けられたポイントに放射線状に広がる線に沿って設けられる、二軸ペア15であってもよい。上記したような他のセンサを、マスト51とブーム52に追加して、それらの形状と絶対的配向を求めてもよい。たとえば、磁力計、三軸加速度計、角速度センサで構成された配向センサ53を用いて、磁気フィールドを参照し、2垂直DOFにおいてマストとブームの絶対的配向を提供することができる。帆や、マストとブームの多くの部分では、配向センサに優先して、加速度計15を用いることにより、コストと重量が軽減される。帆上で、加速度計は、帆に沿ったラインの各々の静的・動的形状を計算するために使用される。それとともに、帆が完全に張られていないときライン48は3Dカーブを形成し、帆の3D形状を描く。配向センサと組み合わせて、形状は、帆船のロール、ピッチ、船首揺れからなる絶対的3D座標にしてもよい。配向センサは、帆船が転覆しいくつかのセンサが反転した時に起こる、天地を解消し、他の点では知られていない磁気ヘッディングによるあいまいさを解消する。
【0060】
図19に示される別の実施例においては、ペアの加速度計15は剛体アーム60に搭載されている。アームはジョイント59に取り付けられ、垂直平面でのみ自由に回転する。簡易にするため、2本のアームのみを示す。アームは、ベアリング57内で垂直線の周りを自由に回転するシャフト56に取り付けられた支持体55に取り付けられている。シャフトは、水平面上でシャフトの角度を計測する角度計測センサ(不図示)に取り付けられている。適切な角度計測センサは、ポテンショメータ、シャフトエンコーダ、光ファイバねじりあるいは曲げセンサを含む。あるいは、磁力計を用いて、磁気フィールドのシャフト角度を計測することもできる。ベアリングは、計測用の参照表面を形成する、静止表面58に取り付けられている。アームの長さがわかっていれば、加速度計とベアリングの回転角度により計測される傾き角度は、表面62にそって走査することのできる、滑らかなボールやピンのような、先端具61のx,y,z座標を測定するのに十分である。走査により得られたデータセットを用いて、3次元で表面を描くことができる。垂直平面のみで回転する代わりに、ジョイント59を変更して2自由度において回転するように、ベアリングのリーディングと組み合わせたペアの加速度計のリーディングを用いて、先端具のx、y、z位置のみならず、3D空間の絶対的傾斜を描くことができ、6自由度データを先端具に利用することができる。あいまいさを避けるため、アームは水平状態を通過すべきではなく、あるいは、三軸加速度計を用いて、上向きあるいは下向きアームに関するあいまいさを解消する。そのデータはアームの静止ポーズに対し高い精度で得られ、アームが動いている時には、精度は少なくはなるが有益である。アーム間のジョイントに、光ファイバ曲げセンサ等の曲げセンサを追加することにより、より高い動的精度が得られる。このアームシステムを用いて、表面を走査することができ、あるいは動いているボディの1点の位置と配向を追跡することもできる。たとえば、そのシステムを用いて、外科手術の準備の際に患者の座標点を計測することができ、あるいは、X線、磁気共鳴、あるいは患者が呼吸し、位置を変える間の患者の椅子や、他領域の医学用イメージを安定させるために、患者の1点の位置と配向を追跡することができる。また、他の適用例では、そのシステムは、プローブの先端やプローブの部分の位置と配向を追跡するために、内視鏡や他のプローブの部分を形成することができる。
【0061】
図19のシステムを用いて、1点の位置かつ/または配向を追跡する場合、その動きは、多くの場合、中心点に対する小さな動きを構成する。たとえば、参照される呼吸している患者は、中心点に対し小さな動きをするので、計測システムのジョイントは、呼吸サイクルの真ん中で患者の胸の一点を描いた静止ポーズに対する変更として小さな距離のみ移動する。これらの場合、動きによる加速度は、静止加速度から識別される繰り返しパターンを形成するので、加速度が全体的共通フィールドを表さなくても、形状と位置の動的計測をすることができる。
【0062】
図11,13,16のような整列したパイプは、それらを垂直に保持し、その出力を計測して、垂直を示す中間電圧を得ることによって校正される。温度センサがパイプのいくつかあるいは全てに組み込まれている場合、温度に対する校正ファクタを得るために、パイプは異なった温度にされる。パイプは水平表面を回転され、信号の最大値と最小値を得、各々のパイプは最大、最小に対応して、x軸、y軸を示すようにマークされる(x、yは、2次元におけるポリラインを表す直交軸の任意の記号表示である。zは垂直アレイの垂直面を示すために用いられる)。パイプを完全なアレイに組み立てた後、第一のパイプからの第一の加速度が最大信号を得るまで、水平表面上で回転される。第一のパイプはx軸を示すようマークされる、そのアレイは、第二のパイプにおける第一の加速度計が最大出力を得るまで回転される。第一のパイプのx、y出力は、この状態で記録され、第一パイプx、y値のテーブルが得られるまで各々のパイプに対してこの工程が繰り返される。これらの値を用いて、組立後、長軸に対するパイプの角度オフセットを計算する。この値は、回転訂正式を用いて、その軸に対する各々のパイプのx、y傾きセンサからのデータを回転することにより、これらのオフセットを訂正する。
sx = sx × cos(roll) − sy × sin(roll); [式6]
sy = sy × cos(roll) + sx × sin(roll); [式7]
ここで、sxが二軸加速度計のxセンサの出力、syは二軸加速度計のyセンサの出力、rollはパイプの長軸に対する角度オフセットである。その工程は公知の割合でアレイを回転させ、回転中の回転角度を計測し、公知の回転角度におけるセンサの最大・最小あるいはゼロ交点を計測することにより、自動化されていてもよい。アレイが水平使用の場合は、図14のように、水平表面上でパイプを水平にし、最大、最小を得るために回転し、中間電圧を得るために平均値を用いることにより、中間電圧が得られる。回転オフセットは垂直アレイと同様にして得られる。
【0063】
上記の校正ステップ、前記構成、計算方法により、実地に携帯でき、最小限の数と種類のセンサを与えられたタスクのために用い、公知の軸に沿った加速度データを提供し、実地で最小限の取り付け具によって使用でき、静的・動的状態の絶対的形状データを提供する構成済みのアレイが得られる。
【0064】
アレイの配置として、センサがフレキシブルチュービング内に配置され、通常は一番上の端のような曲線の一端であるような参照点で始まる3D曲線上のデータを提供する、図11、13、14、17の配置がある。地表、空気、水の容体はそのようなアレイの配置により検知される。各々のアレイからの信号は、アレイ内あるいはその近傍のマイクロプロセッサにより収集される。容量の大きなアレイ内のアレイは、ワイヤ通信あるいはワイヤレス通信を用いて、すべてのデータを中心点と通信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
一般的に上記のように記載した本発明は、添付の図面を参照する。
【図1】局所曲げの従来例において知られる光ファイバセンサを示す。
【図2】局所曲げ・ねじりの従来の光ファイバセンサを示す。
【図3】MEM加速度計としての本発明のカンチレバーセンサの部分該略図を示す。
【図4】図3のカンチレバーサンサの概略平面図を示す。
【図5】MEM加速度計の直交したペアを形成する1対のカンチレバーセンサを有した本発明の別の実施例の概略平面図を示す。
【図6】加速度計を有し、曲率センサを備えた曲げ可能な領域により分離された、2つの剛体を有する本発明の別の実施例を示す。
【図7】曲げ・ねじり可能で、曲がっていない状態で、複数の曲率センサに接続された多数の加速度計に取り付けることができる多数のフレキシブル材料の容体を示す。
【図8】曲げた状態における、図7の柔軟な材料の容体を示す。
【図9】図8の2つの加速度検知ユニットを示し、それらの間の距離と角度配向を示す。
【図10】2つの剛体間の配向と位置情報を各々示す、2セットの直交ユニットベクトルと、その間の距離ベクトルを示す。
【図11】縮み可能なチューブを用いた垂直計測をするためのフレキシブルエンクロージャー(flexible enclosure)内のセンサアレイを示す。
【図12】シールディング・ねじれ抵抗を有するブレードを示す。
【図13】外部から固定されたフレキシブルエンクロージャー内のセンサアレイを示す。
【図14】水平計測のために用いられるフレキシブルエンクロージャー内のセンサアレイを示す。
【図15】表面に取り付けるために変形されたクランプを示す。
【図16】リボン状の基体上のセンサアレイを示す。
【図17】楕円形の保護ホース内における図16のリボンを示す。
【図18】ボートの帆に用いられる本発明を示す。
【図19】終点計測装置に用いられる本発明を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定用のセンサアレイに関する。特に本発明は、物体と経路(pathways)の形状や加速度を検知するための方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地質学や地球科学の分野において、傾きセンサを用いて、地中の穴の経路を計測することが知られている。一般的に、傾きセンサは筒形状で、重力フィールドに対する傾きの2自由度(DOF)を検知するように配置された、電解・抵抗・容量・‘ゼロ変位(zero-displacement)’あるいはミクロ機械加工したシリコン重力センサを有する。普通、2DOFは直交し、傾きのx,y成分とされる。傾きセンサは、地中の穴に降ろして、傾きデータを間隔毎に計測してもよい。あるいは、数個の傾きセンサを地中の穴内に上下に配列し、既知の位置における傾きの変化を検知するために使用されてもよい。また、地中の穴に降ろした加速度計を用いて、s波・p波を含む、地震振動を計測することも知られている。s波は、主に地球表面と平行な加速度を生成する。また、磁気センサを用い、そのセンサを地中の穴に入れることにより、地表磁気フィールド中のセンサの配向を測定することも知られている。
【0003】
地中の穴に加え、上記方法は、橋・建物・坑道等の構造物や、土壌や土塁に取り付けられ、あるいは埋められたセンサに適用される。
【0004】
上記傾きセンサ方法の欠点は、連続したリアルタイムの計測を提供することができず、かつ/または、動的形状を追跡できないことである。ほとんどの現在の傾きセンサ技術では、地震中のs波のような動的加速を計測しない。さらに、センサを保持し、水や機械的力からセンサを保護する、校正、変形可能で、持ち運び可能な基体がないことも欠点である。さらに、傾きセンサは校正された構造体内あるいはねじれのない構造体内に配置されていないので、多数のセンサが必要となる欠点があり、そのため重力ベクトルについての配向の磁気的計測が必要となる。
【0005】
また、曲げ検知・曲げ−ねじり検知アレイを用いて、地中の穴・建物・人・装置・地質学的構造体の動的、静的な形状を計測することも知られている。その例は、Danisch,L.A.のライトガイドの一部に形成された光照射表面を有した光ファイバ曲げ・位置センサ、米国特許5,321,257、1994年6月14日、Danisch,L.A.の選択された曲面光照射表面を有した光ファイバ曲げ・位置センサ、米国特許5,633,494、1997年5月27日、Danisch,L.A.の光ファイバ曲げ・位置センサ、ヨーロッパ特許番号0702780、1997年10月22日、Danisch,L.A.の位相動作計測器、米国特許6,127,672、2000年10月3日、Danisch,L.A.の位相動作計測器、米国特許6,563,107である。
【0006】
Danischの、‘672では、3Dの経路を地図にするために用いることができる2DOF曲げ検知アレイが記載されている。第3のDOFとしてねじりを加えることにより(Danisch,L.A.の、‘107参照)、アレイの中のセンサはジョイントであるいは、長軸にそって連続して回転することができる。Danisch,L.A.の、‘107は、表面のエレメント間の角度を計測するため曲率センサを用いた表面マッピングアレイを記載している。これらのセンサアレイは、曲率センサを用いて、変形可能な表面に沿った角度を計測する。このようなセンサは光学ファイバを改造したものであることが多い。最も一般的形状の、2DOF曲げ検知アレイ、あるいは3DOF曲げ−ねじり検知アレイは、地中の穴計測を含む多くの適用例で生じる小さな角度を正確に計測できないという欠点がある。短期間に小さな角度を計測することはできるが、ドリフトにより不正確となり、長期間の計測の場合には問題となる。この不正確さは、強固な部材間に2DOF・3DOFカップリングを用いて、精度の高いエンコーダでそのカップリングのDOFを計測することにより克服される。しかし、これはかなりのコストがかかり、複雑となるので、長期間の計測には用いられなくなってしまう。
【0007】
Danischの‘672、Danischの‘107において、表面は、表面のエレメント間の角度関係を知ることにより、6DOFにおける参照表面に対して計測される。「世界座標系(WCS)」において要素の絶対角度は、直接計測されない。それらは、曲げセンサにより計測される角度関係、あるいはエレメント間の「局所的」角度を積算することにより算出される。たとえば、同一垂直面ですべて曲がっているヒンジにより接続されたロッドは、10、20、−10、30度の局所ヒンジ角度を有しているとき、世界座標系において水平である参照ロッドに対し、ロッド間のWCS角度は、経路に沿った局所角度を積分(加算)することにより得られる、10,30,20,50度になる。ロッドの長さがわかっており、WCS角度が測定されていれば、ロッドシステムの経路は完全に特定される。
【0008】
ロッド間の接続に、多軸曲げ・ねじりのような、追加DOFが可能である場合、ロッド間に2あるいは3角度DOFがあり、積分は3D数学を必要とする。3D空間曲線数学が使用でき、その例が、Danischの‘672、Danischの‘107に記載されている。単にロッドの集りではない変形可能な表面あるいは容量は、角度相互関係が計測可能で表面上のセンサの位置がわかれば、この方法で計測できる。この計測には、角度エラーの位置を超えて計算された表面の全ての部分に対しかなりのエラーがある。さらに、センサ内の浮動は、表面を前に得られたポーズに戻し、オフセットをなくして計測された形状を得られたポーズの形状に復元することにより訂正されるべき形状の不正確さをもたらす。しかし、光ファイバのかなり薄いアレイを用いて、形状を速く変化させるために、10,000フレーム/秒の高速であるいはそれ以上の高速で捕捉が行われているので、その計測は有効である。
【0009】
静止形状に対しては、一定あるいは‘DC’加速度に達する周波数特性を有した加速度計を利用することができるので、出力は、約9.8m/s/sの定加速度を有する重力フィールドに対応する。ミクロ機械加工シリコン(MEMあるいはミクロ加工電気機械センサ)により作られた、正確で、コストの低い、小型の装置は、一軸、二軸形状で利用可能である。1つの例は、アナログ・デバイス社の、DCから数千ヘルツ(Hz)への加速に応答する、ADXL311集積回路である。二軸MEM装置は1度未満の分解能を有し、多年にわたる高精密と幅広い温度範囲を維持することができる。これらのアレイが、可変表面に設置されると、傾き信号のアレイが発生し、設置場所のWCS角度を示す。場所間の距離がわかれば、経路、表面あるいは容体形状(volume shape)は高精度に測定される。局所角度の積分に基づく形状計測と違い、直接計測したWCS角度に基づく形状計測はエラーが蓄積せず、より高精度になる。MEMセンサの代わりとしては、計測するための塊(mass)を保持し、保持するために必要な力を測定する、電解傾きセンサ、容量性傾きセンサ、誘導傾きセンサ、ゼロ-ディスプレイスメント加速度計がある。しかし、先行技術によるすべての傾きセンサアレイには、形状が変化していない間に計測をしなければならないという欠点がある。
【0010】
アレイが広範囲の周波数特性を有したMEM加速度センサで形成されている場合、そのセンサは重力のような静的加速度のフィールドに応答し、また地震の振動のような急速に変化するフィールドにも応答する。電子工学やソフトウェアを用いて、全体信号(スローデータ)の長期平均を示す出力データや、急速変化成分(ファーストデータ)のみを表す他の出力データを提供するようにしても良い。スローデータは重力に対する応答を表し、ファーストデータは重力フィールド内のアレイの振動あるいは他の急速な動きに対する応答を示す。スローデータはデータの多くのフレームを平均化することにより、また、標準フィルタリング技術を用いて急速に変化する信号を除外することにより得られる。ファーストデータは、フィルタしていない全体データからスローデータを減算することにより得られる。スロー・ファーストデータを得るこの従来技術は公知である。ファーストデータがフィルタ内で時間がたってゼロに統合すると、平均形状を示す正確なスローデータが得られる。平均形状が変化していなければ、あるいは、かなりゆっくり変化しているのであれば、ファーストデータは、アレイ内の各々のセンサに存在する振動を示す。このように、各々のセンサでアレイに適用される振動を規定するためにファーストデータを用いながら、このように、アレイはWCS傾き角度(スローデータ)から静止形状を得るために用いられる。
【発明の開示】
【0011】
好ましくは、本発明は、低コストのフィールド設置に適した単一システムにおいて、変形の静的・動的形状と加速度とを正確に計測することができる、センサと計測方法との校正された組み合わせを提供する。経路に沿って角度を積分し、フィールド内で角度を計測し変更することにより好適に実施され、従来例の方法の精度をかなり改善することができることが示されている。さらに、計測、シールディング、シーリング機能を組み合わせた、好ましいパッケージング技術が開示され、低コストで携帯可能な測定ツールとなる。
【0012】
形状変化を急速にさせることによって、形状がアレイのエレメントの動きと、それと生じる同時に重力フィールド(傾き変化)に対する配向の変化とによって特定されるようにできる。また、全体的な振動フィールドがあってもよい。この場合、形状と振動は、加速度のみに基づく別々の出力データセットにわけることはできない。本発明の好適実施例においては、局所角度(曲げあるいは曲げとねじり)を計測するセンサは、形状変化を特定するため、このような動的変化毎に排他的に用いられる。局所角度センサ、WCS角度センサからの信号を用いて、静から動形状への移行が起こったことを測定する。最後に知られる静的形状を用いて、最適なスタート形状に対する動的形状計測を始めてもよい。
【0013】
加速度センサのみが存在する場合(局所角度センサがないとき)、静的・動的形状は、動的形状変化の間、一般的に知られることはない。しかし、本発明は、フィールドがやがて変化するとしても、均一な加速度フィールドが存在する場合には、加速度計のみによって、有効な動的形状を提供する。このように、均一な加速度フィールドとは、空間的に均一な加速度フィールドを意味する。1例は、空間的に均一な水平地震振動を受けている均質な岩盤層内に設けた穴内に垂直に並んだセンサである。この場合、すべての傾きセンサは、振動から同じ加速度を受け、重力から定加速度を受け、そしてここで述べるように、その出来事の間、アレイから静的形状情報を取り出すことができる。
【0014】
本発明の好適実施例によれば、少なくとも1つの外部参照フィールド内に設けられるようにした少なくとも1つのフィールド測定センサと、柔軟な基体内に設けられるようにした少なくとも1つの曲率測定センサとを有したセンサアレイであって、上記フィールド測定センサは上記フィールドに対して上記基体の配向データを提供することができ、上記曲率測定センサは動的、静的形状を測定するための上記基体の部分間の配向データを提供することができる。
【0015】
上記フィールド測定センサは、振動・形状データを提供することができる単一、二軸、三軸の加速度計であり、基体は部分を有し、上記フィールド測定センサはさらに、セットされた磁気フィールド内の上記基体の上記部分の配向データを提供することができるようになっている磁力計を有することが好ましい。
【0016】
さらに、曲率測定センサは光ファイバ曲げ−ねじりセンサであり、上記曲率測定センサは二軸あるいは一軸曲げセンサであり、曲率測定センサの数はフィールド測定センサによる測定のために最小限であることが好ましい。
【0017】
また、上記加速度計は世界座標系における傾きを検知し、振動加速データと、重力データの定加速度とを提供することが好ましい。
【0018】
上記実施例において、上記基体は最小限にねじれるようになっており、上記アレイは表面上や容体中にフィールド設置するために、校正されることが望ましく、ここにいう表面や容体とは、地質的、構造的、土木工学システムのものである。
【0019】
また、その表面と容体は好ましくは、ボートの帆、人間、あるいは動物の体である。
【0020】
上記加速度計は、フレキシブルチュービングにより接続された非接触の略垂直の剛体パイプに搭載され、上記加速度計は、2自由度の傾きと、垂直軸に対するパイプの長軸の動きに対する加速度データを提供することが好ましい。
【0021】
また、上記加速度計は、フレキシブルチュービングにより接続された非接触の略水平な剛体パイプに搭載され、略水平表面にそろえるための位置そろえ平面に取り付けられ、上記加速度計は、2自由度の傾きと、垂直軸に対するパイプの長軸の動きに対する上記略水平パイプの略垂直軸の動きに対する加速度データを提供することが好ましい。
【0022】
上記実施例において、上記センサは、2自由度とねじりにおいて自由に曲がるように、上記基体に取り付けられ、上記基体は土壌あるいは水等の容体であり、上記センサは上記容体の曲線を描く、略垂直あるいは水平な湾曲部に配置され、各々の曲線からのデータは共通の収集ポイントに送られ、その容体の静的・動的形状のデータを集めることが好ましい。
【0023】
さらに、そのデータは収集ポイントへ通信チャンネルによって送られ、その通信チャンネルはワイヤを用いてあるいはワイヤレスで通信することが好ましい。
【0024】
上記センサは、地震を測定するために取り付けられることが好ましく、そのセンサは、地震の前、その間、その後の動きを測定する。
【0025】
本発明の別の実施例によれば、柔軟な基体内にフィールド測定サンサを有したセンサアレイであって、フィールド測定センサは上記基体に配向データを提供することができ、上記基体の隣接部分内で、信号の差から動的形状を規定するようになっている。
【0026】
本発明においては、変形の静的・動的形状と加速度を計測するための好ましい方法が提供され、計測用に上記アレイを用いるステップからなる。
【0027】
本発明は、好ましくは地質的、構造的、生物学的ボディの静的・動的形状を計測するため、本発明のセンサアレイを用いることを提供する。
【0028】
上記実施例においてもまた、その基体はフィールド計測センサを有した剛体リンク(rigid links)を備え、回転可能なジョイントにより接続された連結アームを有し、その連結アームは、回転センサを取り付けた1自由度において回転可能なジョイントにより、固定参照表面に接続され、そのリンクは、フィールド内で上記連結アームの位置と配向を計測するために、所定の範囲内でフィールドセンサを維持するように押さえつけられることが好ましい。
【0029】
上記実施例においては、フィールド計測センサは二軸、あるいは三軸加速度計であり、上記回転センサはデジタルシャフトエンコーダであり、その回転可能なジョイントは、動的形状を計測する際に増加精度のために曲げセンサを取り付けられていることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図1は、Danisch‘257に詳細に述べられている曲げを検知することのできる光ファイバセンサを示す。それは、ロスゾーン2を介して片側で、好ましくはそれを介して曲げが検知される全体の長さに沿って、光を失うようにされたファイバ1から成る。光学デザインは、そのファイバの処理される部分に沿って曲げが積分されるようになっている。ファイバを介して伝達される光学強度は、経路に関係なく、処理された領域の端部間でのネット角変位により調節される。センサは曲げ可能な基体3に取り付けられ、基体の曲げを検知する。
【0031】
図2は、Danisch‘672に詳細に説明されている、図1の曲げ検知方法の拡大部分を示す。光学ファイバ4は図示された湾曲の略全長である検知領域内の基体に沿って曲がりくねっている。基体の長軸に対し約45度配向しているファイバ1の部分5では、ファイバは曲率を検知するようになっており、この場合は基体6の曲げとねじりの成分を含む。基体の反対側にある第二のファイバは、逆向きに曲がっているので、約45度の部分5は、第一のファイバと略X形状を形成する。Danisch‘672は、一対のセンサから、別々のデータとして曲げとねじりを抽出するための方法を記載している。曲げ・ねじり検知基体を用いて、2つの剛体間の2DOF曲率を検知してもよい。また、Danisch‘107に記載されたような方法を用いて2つの剛体間に光ファイバ「ロープ」を接続することもできる。ロープは、2DOFにおける曲げに反応するようになっていてもよいし、また合計3DOFに対してねじりも検知するようにしてもよい。また、導電性ゴム、ポテンショメータ、ロータリエンコーダ、角度計、xyアレイに衝突する光学ビーム等(これらに限定はされない)の他の曲げ検知技術を用いて、2つの剛体を接続することもできる。
【0032】
一般的に、上記の剛体間の角度の検知方法はすべて、その適用により、1DOF曲げ、2DOF曲げ、2DOF曲げとねじり、あるいはねじりのみを含む、様々なDOFにより検知される、局所角度を検知するための手段である。これら全てを一般的に参照するために、我々は「曲率(curvature)」という単語を用い、曲げとねじりの組み合わせあるいは曲げのみ、ねじりのみを示す。
【0033】
前記したように、WCS角度はMEM加速度計により検知される。MEMセンサは半導体集積回路技術を用いて、シリコンをミクロ機械加工したものである。図3はMEM加速度計の原理を示す概略図である。導電性の曲げ可能なカンチレバー7が、シグナルがそこにあることを示すために図に「S」とした、参照フレーム8に固定されている。参照フレーム8は、センサ(不図示)のケースに機械的に取り付けられているが、導電性があり、カンチレバー7に存在する電荷を運ぶ。カンチレバー7付近の2つの反対にチャージされた板9,10(「−」、「+」と印をつけたもの)の間の容量性フィールドは、カンチレバーの動きによりアンバランスで、その結果、どちらかのプレート(9,10)に近接していることを示すSポテンシャルとなる。カンチレバー7は、矢印12により示されるように重力フィールドに、あるいはセンサのケースの変形速度により、両矢印11により示されるように、加速によって円弧状に曲がる。カンチレバー7が図示されたように垂直ならば、出力信号は中間レベルである。カンチレバー7が傾いて、+板(10)に近づいているときには、信号が増加する。他方に傾いている時には、信号は減少する。重力フィールドでの出力Sは、
S=gain × g × sinθ [式1]
ここで、ゲイン(gain)は、カンチレバーの量、材料、寸法と、回路の詳細とによる校正定数で、一般的には0.0034、であり、gは重力加速度(一般的には9.8m/秒/秒)であり、シータは垂直に対するラジアン弧である。
【0034】
図4は、図3と同一のMEM加速度計の概略図を上から見た図を示す。
【0035】
図5は、2DOFにおいて傾きと加速度を検知するための直交して設けられた、2つの加速度センサの概略平面図を示す。一般的に、両センサは同じケース15、通常片側が数ミリメートルの小さな表面搭載可能なケース、の中にある。
【0036】
上記した従来の傾き・加速度検知方法は、一対の直交する加速度計に第三の加速度計を直交して追加することにより、より多くのDOFに拡張することができる。さらに、磁力計を設けることにより、地表の磁気フィールドあるいは人工的磁気フィールドに対する配向を検知することができ、小さな統合パッケージに商業利用することもできる。さらに、ジャイロスコープセンサと角速度センサを追加することができる。
【0037】
図3に示すカンチレバーセンサは、垂直な時(磁気フィールド12に一直線の時)、角度の変化を最大限に検知する。磁気フィールドに直交して配向されている時は、最大出力となるが(正あるいは負)、この状態では角度変化は最小となる。両方の効果は、ゼロ交差近傍では急であるが、最大、最小近傍では緩やかなスロープとなるというサイン関数の形状に基づいている。
【0038】
垂直からの正・負の変化は、中間の垂直状態から各々信号を増加あるいは減少させるので、カンチレバー加速度計により識別されるが、垂直から90度を過ぎる角度は垂直から90度より小さい角度と識別することができない。このように、直行する一対のセンサにとっても、「上下逆」は「正しい面が上」と区別ができない。しかし、第三の直交加速度計を追加して3つのセンサを形成するようにすると、あいまいさが解消される。
【0039】
3つのセンサであっても、重力ベクトルに対するWCS配向(つまり水平面内の回転)を解決することはできない。この角度は、地表の磁気フィールドあるいは人工磁気フィールドの配向を測定するための磁気センサの追加を必要とする。
【0040】
曲率センサ20によって接続されその間の局所角度を検知する2つの剛体16,17には、WCS角度を検知するための加速度計と磁力計が備えられてもよい。これは図6に示され、図中、曲線20は曲げ(bend)、曲げ(bends)、かつ/またはねじりを示し、18,19は磁力計を任意に追加した(1軸、2軸あるいは3軸の)加速度計を示す。
【0041】
剛体間の三次元カーブ20は、まっすぐな時の曲率センサの曲がっていない長さの全長を有したポリラインとしてモデル化される。平面的な曲げのみが存在する場合、純粋な曲げは、内挿によりポリラインに沿って均等に分配され、円弧を生じさせるであろう。曲げとねじりが存在する場合は、ポリラインに沿って均等に分配され、螺旋の一部を生成するであろう。あるいは、スプラインあるいは他の内挿関数を用いて曲げとねじりを分配してもよい。
【0042】
図7は、ゴム製の長方形プリズムのような変形可能な容体(deformable volume)21内の局所・WCSセンサのより一般的な配置を示す。ローカルセンサ23は、検知すべき自由度により必要な数だけ必要な場所に、WCSセンサ22の間に延設されてもよい。図中のセンサのいくつかは図面を見やすくするため省略してある。WCSセンサは、間に曲げることのできる材料を有した小さな剛体としてモデル化されてもよい。圧縮・伸長センサを追加しなければ、圧縮あるいは伸長はこの方法では測定できないが、容体の曲げとねじりは、局所・WCS角度の変化として計測される。図8は、容体の変形状態の一例を示す。WCSセンサは傾き、局所角度センサは曲げられ、かつ/またはねじられている。変形した容体の形は「経路計算(path calculation)」によって形成され、ポリラインはWCSセンサを接続する曲線に沿って形成される。地中の穴内の曲げ可能なエレメントにより接続された一連のセンサは、上記した一般的な容体センサのサブセットである。
【0043】
図9は、局所曲率センサ23をその間に有した容体内のWCSセンサ22の2つを示す。WCSを有した2つの剛体間の角度は、角度26により示される。一般的に、WCSセンサ各々は、WCS内に3DOF配向を有する剛体であり、配向の違いは、ロール、ピッチ、揺れの数字により表される。しかし、ロール、ピッチ、揺れは、中間ポールの状態によるので、図10に示されるように、配向ベクトルを用いれば、あいまいさが減少する。各々の剛体は3つの直交ユニット配向ベクトル28,29,30のセット27により示される。剛体中心間の3D変位は、3D変位ベクトル31で描くことができ、内挿を用いる場合は、複数の3D変位ベクトルからなるポリラインによって、示される。容体における各々のWCS剛体のそのような計測値を収集すれば、完全にその容体の形状が描写される。容体内の各々の剛体配置では、合計6つのDOFに対しては、一般的に、x,y,z変位とrx,ry,rz配向としてWCSを参照すれば、位置と配向がわかる。rx,ry,rzはロール、ピッチ、揺れとしてあるいは、3つのユニット配向ベクトル(3つの各々は9つの番号を有し、その3つは重複しているが、9は3DOFを示す)として表される。
【0044】
いくつかのあるいはすべての剛体位置において磁気フィールドセンサを用いて、重力ベクトルの周りの容体の配向がわかる。各々のWCSセンサ位置で磁気配向を検知する必要はない。1つのセンサに対する磁気配向がわかれば、正しい磁気配向に容体のあらゆる検知された部分を配置するためには経路計算は十分である。関係のある形状に必要ない場合、すべてのDOFがあらゆるセンサ位置で検知される必要があるわけではないのもまた、明らかである。このように、ねじりのない機械的システムはねじりセンサを必要とせず、あるいは他のシステムは各々の局所角度センサ位置において曲げの単一DOFを必要とするのみである。地表の磁気フィールドにおける配向は知られる必要のないことが多い。
【0045】
この発明は、公知の6DOF位置で、容体内に間隔をおいて配置されたWCS、局所角度センサの集りにより、変形可能な容体に対し、静的形状と動的形状をいつも測定することができることを教示する。形状が変化していない時は、WCSセンサはそれのみで使用される。形状が変化している時は、WCSセンサと局所センサを組み合わせて用い、動的な場合は、WCSセンサあるいは局所センサのみで使用される。さらに、WCSセンサが加速度計の場合、WCS軸に沿った動的加速度情報はアレイから得られる。
【0046】
さらに、下記の出力信号の状態式1を適用することにより、静的形状はWCS情報のみによって特定される。
θ=asin(s/(gain × g) [式1]
各々の剛体位置での傾き角度を得て、各々の剛体において6DOFデータを「通過する」(満足する)ポリラインをモデル化する。この方法はまた、重力加速度と比べてセンサをあまり加速しないかなりゆっくりとした形状変化にも用いられる。
【0047】
もっと速い変化に対しては、局所曲率センサが設置されている場合、曲率センサは、急速な変化が始まる前にWCSセンサによって検知された最後の有効形状からのズレとして、形状を計算するために使用される。この場合、局所曲率は剛体分離距離を満足するポリライン経路を計算するために使用される。
【0048】
WCSセンサが加速度計の場合、加速度は、その時の傾きによって変調された静的重力と、地震振動あるいはセンサが設置されたリムの動き等による実際の加速度信号との組み合わせとして直接得ることができる。加速度は、一時的フィルタリングした信号を引いた、一時的フィルタリング以外の全体信号として計算される。この加速度信号は、振動フィールドの軸に対して傾いた、剛体の加速度により計測される加速度である。例えば、地中の穴では、ある剛体は垂直から10度の角度であり、振動は水平である。このような場合、傾きがわかれば、修正をして、振動の水平成分を見つけることができる。MEM加速度計が垂直に対して角度シータ傾き、加速度「a」の場合、その出力は、
S=gain × g × sinθ − 1 − gain × a × cosθ [式2]
シータが、ローカルセンサによって描かれた経路に沿った計算からわかっていれば、これにより加速度「a」が見つけられる。
【0049】
ローカル角度センサがない時、式2を使って局所角度を見つけることもまた重要であるが、均一な加速度が適用される。これは、重力の均一な静的加速度[式1]に対して既に記載されているが、MEMあるいは他の急加速度計を備えた隣接したペアの剛体に対し、式2をペアで適用して、信号から局所角度を測定する方法を含んでいる。この場合、2つの新しい式が形成される:
S1=gain1 × g × sin(θ1) + gain1 × a × cos(θ1)
[式3]
S2=gain2 × g × sin(θ2) + gain2 × a × cos(θ2)
[式4]
ここで、下付き文字「1」は第一の剛体を示し、「2」は第二の剛体を示し、両方の式は各々の剛体の同じDOFに対するものであり、たとえばMEM集積回路においては各々の「xy」ペアセンサの「x」センサに対する。局所角度を得るには式5を用いる:
△θ=θ1 − θ2 [式5]
式5により、動的データに対するポリライン経路、そして動的形状が求められる。
【0050】
共通の加速度「a」がわかっている場合には、反復数値技術を用いて、そのペアの式で△θをすぐに求めることができる。シータ1がシータ+delとして表され、シータ2がシータ−delとして表される場合、delは、S1−S2の差が任意に式3、式4の右辺の差に近くなるまで、delは変えられる。デルタシータは公知であり、動的形状は経路計算によって測定される。
【0051】
共通加速度は、ポリライン(ポリラインの第一の頂点)用参照センサから得られる。たとえば、一連のセンサが地中の穴内にあり、トップセンサが地面に垂直に設置されている場合には、それが計算を始めるための参照とされて、地面の表面に平行なs波加速度全体を示すために用いられる。加速度が全てのセンサにおいて均一である間は、動的形状の計算は正確であり、それを実行するために曲げあるいはねじり(局所)センサは必要ではない。この方法による校正アレイにおいてはセンサの種類や数を減らすことができ費用が減少する。
【0052】
加速度技術においては公知の二重積分技術を用いて加速度信号から動的形状を計算することもできる。動的加速度信号の各々は一旦積分されて速度を計算し、もう一度積分されて位置を得る。しかし、各々のDOFにおいて、各々の剛体の角度が知られていない場合は、水平化速度を求める場合、垂直に対するカンチレバー角度のコサインにより、加速度は減少される。
【0053】
地中の穴による地震の検知やスロープ監視、また多くの構造物監視用途においては、剛体の加速度のカンチレバーは、通常、略垂直であり、垂直から45度以上動かない。ほとんどの場合、ねじり計測は必要がないので、二軸加速度計は短いフレキシブルホースとねじりを減少するエレメントとによって接続されたパイプに用いられる。ねじりが許されない場合、あるいは必要とされない場合、フィールド設置可能なユニットとして校正され、輸送や貯留のためにロールアップできる単一構造物としてシステムが形成される。ねじりを検知すべき場合は、剛体間に局所ねじりセンサが必要となるか、あるいは磁力計を追加する必要がある。
【0054】
図11は、ねじりを最小にし、センサの数と型を最小にするようにしたアレイの概略図を示す。二軸加速度計15は、2DOFで傾きと加速度を検知する剛体を形成する薄肉メタルパイプ32内に搭載されている。内径12mmあるいはそれ以下のパイプは、センサと、接続されたワイヤ・回路を有するのに十分な大きさである。パイプの端と端は、通常カバリング内で45度までの曲げが可能な十分な距離離れている。一般的に5〜10mm離れている。カバリングは、きっちりしたフレキシブルチュービング33、たとえば第一層として一体接着シーラーを有した熱圧縮チューブ、の短い部分を有する。円形メタルブレイドの第二層34は図12に詳細が示され、これもたとえば熱収縮チューブであるフレキシブルチュービングの第三層35によりメタルチューブに接する全体的電気シールドが示されている。フレキシブルチュービングはエレメントにシーリングを供する。各々は耐水エンドキャップ(不図示)を備えている。メタルブレイドはカバリングにより、ほとんど円柱状に維持され、ジョイント部でねじりをかなり減少し、過剰な曲げに対する保護となっている。二重フレキシブルチュービングは水分浸透に対し2つのバリアとなる。
【0055】
また、図13に示されるように、パイプ32は、外側から各々のパイプにメタルクランプ37で留められたフレキシブルホース36によって被われている。フレキシブルホースは、ねじりを減少させ強度を与えるよう、金属あるいはポリマーのブレイドを有している。メタルブレイドはパイプに接触するホース内にも設けられて電気的にシールディングするようにしてもよい。また、図11、13はさらにフレキシブルジョイント部に曲げセンサを有していてもよい。
【0056】
アレイが水平か水平に対し約45度以内にする場合、図11,13のアレイの加速度計はパイプが水平の場合正確に計測することができないので他の配置を用いなければならない(角度変化に対する信号変化が小さく不確定なサインとなる)。この場合、図14に示されるように、パイプ32が水平な時カンチレバーが垂直になるように、加速度計15を設けられなければならない。フィッティングが水平表面に置かれているとき、外部付属物は、加速度カンチレバーが垂直となる向きにパイプを向けるためにに追加される。これは図15に示されており、クランプ37は水平表面51を含むよう変更されている。多くの場合、このタイプのセンサは平面内で稼動し、各々のパイプのWCS角度の単一DOFを計測するため、一軸加速度計のみを備える必要がある。通常、パイプはかなりの距離離れており、二重の加速度が用いられ各々のフレキシブルジョイントのねじりを促す場合、ブレイドは減少あるいは除去される。そして、各々のパイプで配向の2DOFが検知され、平面ではない経路が検知され計算される。ねじり・曲げセンサを局所曲率測定のために設けてもよい。水平センサ用の適用は、建物、埋立地、スロープ、鉱山、橋、トンネルの監視を含む。水平取り付け部を備えた上記クランプシステムは、垂直な壁への垂直なアレイの取り付けのように、垂直アレイに用いることもできる。
【0057】
加速度計はセンサリリボン(sensory ribbon)あるいはロープに追加することができる。センサリリボン、ロープはDanisch‘672とDanisch‘107に記載されている。リボン38への加速度計の追加は、Danisch‘672にさらに詳細に曲げ・ねじりセンサペア39を有したものが図16として示されている。一軸、二軸、三軸の加速度計40は、柔軟な基体に沿って、公知の間隔で配置されている。基体が動かない時、加速度計信号は、高精度のWCS配向を計算するために用いられる。WCS配向は、局所曲げ・ねじりセンサからのデータを「磨いて(hone)」初期状態にするために用いられ、形状が動いている時、その精度を向上させる。局所曲げ・ねじりセンサからの信号は、その形が実際に静止しているかどうかを測定するために用いられ、静止状態が勝る場合にはいつも自動回帰(homing)ができる。加速度計のいくつかがポールの近くに上下逆等になっている場合、局所センサは加速度計のあいまいさを解決するために用いられる。磁力計を重力ベクトルの周りの回転を解消するために追加してもよいが、多くの場合、いくつかのDOFのみが「磨かれている」場合、精度はかなり向上するので、追加する必要はない。
【0058】
Danish‘672に記載されたようなリボン状基体は加速度計のみを用いて(局所曲げ・ねじりセンサを設けない)、垂直あるいは水平センサアレイを形成してもよい。そのアレイは(X形状)センサペア39を用いない図16のようになる。加速度計は、一軸、二軸、あるいは三軸の加速度計でもよい。リボンが垂直で、磁力計が用いられていない場合は、重力ベクトルに対するねじりは、磁力計がなくては解決できないので、そのような構成は、通常平面の曲げを検知するために使用される。リボンが水平の場合、カンチレバーが垂直な二軸加速度計は、WCS傾きの差から曲げとねじりを測定することができる。局所曲げ・ねじりセンサを有したリボンに通常利用される数学が、WCSセンサから引き出されたデータとともに用いられる。図17に示すように、リボン38は、楕円の長軸内の端に支持された楕円断面41を有したホース内に設けられてもよい。
【0059】
帆計測においては、図18に示されるように、加速度計を水中帆船50の帆に取り付け、計測のために静的・動的形状を測定し、デザインあるいは帆の張りの制御を介してセーリング性能を向上させる。加速度計は、三角の帆47の頂点から、帆底部の略水平ブーム52に沿って間隔をあけて設けられたポイントに放射線状に広がる線に沿って設けられる、二軸ペア15であってもよい。上記したような他のセンサを、マスト51とブーム52に追加して、それらの形状と絶対的配向を求めてもよい。たとえば、磁力計、三軸加速度計、角速度センサで構成された配向センサ53を用いて、磁気フィールドを参照し、2垂直DOFにおいてマストとブームの絶対的配向を提供することができる。帆や、マストとブームの多くの部分では、配向センサに優先して、加速度計15を用いることにより、コストと重量が軽減される。帆上で、加速度計は、帆に沿ったラインの各々の静的・動的形状を計算するために使用される。それとともに、帆が完全に張られていないときライン48は3Dカーブを形成し、帆の3D形状を描く。配向センサと組み合わせて、形状は、帆船のロール、ピッチ、船首揺れからなる絶対的3D座標にしてもよい。配向センサは、帆船が転覆しいくつかのセンサが反転した時に起こる、天地を解消し、他の点では知られていない磁気ヘッディングによるあいまいさを解消する。
【0060】
図19に示される別の実施例においては、ペアの加速度計15は剛体アーム60に搭載されている。アームはジョイント59に取り付けられ、垂直平面でのみ自由に回転する。簡易にするため、2本のアームのみを示す。アームは、ベアリング57内で垂直線の周りを自由に回転するシャフト56に取り付けられた支持体55に取り付けられている。シャフトは、水平面上でシャフトの角度を計測する角度計測センサ(不図示)に取り付けられている。適切な角度計測センサは、ポテンショメータ、シャフトエンコーダ、光ファイバねじりあるいは曲げセンサを含む。あるいは、磁力計を用いて、磁気フィールドのシャフト角度を計測することもできる。ベアリングは、計測用の参照表面を形成する、静止表面58に取り付けられている。アームの長さがわかっていれば、加速度計とベアリングの回転角度により計測される傾き角度は、表面62にそって走査することのできる、滑らかなボールやピンのような、先端具61のx,y,z座標を測定するのに十分である。走査により得られたデータセットを用いて、3次元で表面を描くことができる。垂直平面のみで回転する代わりに、ジョイント59を変更して2自由度において回転するように、ベアリングのリーディングと組み合わせたペアの加速度計のリーディングを用いて、先端具のx、y、z位置のみならず、3D空間の絶対的傾斜を描くことができ、6自由度データを先端具に利用することができる。あいまいさを避けるため、アームは水平状態を通過すべきではなく、あるいは、三軸加速度計を用いて、上向きあるいは下向きアームに関するあいまいさを解消する。そのデータはアームの静止ポーズに対し高い精度で得られ、アームが動いている時には、精度は少なくはなるが有益である。アーム間のジョイントに、光ファイバ曲げセンサ等の曲げセンサを追加することにより、より高い動的精度が得られる。このアームシステムを用いて、表面を走査することができ、あるいは動いているボディの1点の位置と配向を追跡することもできる。たとえば、そのシステムを用いて、外科手術の準備の際に患者の座標点を計測することができ、あるいは、X線、磁気共鳴、あるいは患者が呼吸し、位置を変える間の患者の椅子や、他領域の医学用イメージを安定させるために、患者の1点の位置と配向を追跡することができる。また、他の適用例では、そのシステムは、プローブの先端やプローブの部分の位置と配向を追跡するために、内視鏡や他のプローブの部分を形成することができる。
【0061】
図19のシステムを用いて、1点の位置かつ/または配向を追跡する場合、その動きは、多くの場合、中心点に対する小さな動きを構成する。たとえば、参照される呼吸している患者は、中心点に対し小さな動きをするので、計測システムのジョイントは、呼吸サイクルの真ん中で患者の胸の一点を描いた静止ポーズに対する変更として小さな距離のみ移動する。これらの場合、動きによる加速度は、静止加速度から識別される繰り返しパターンを形成するので、加速度が全体的共通フィールドを表さなくても、形状と位置の動的計測をすることができる。
【0062】
図11,13,16のような整列したパイプは、それらを垂直に保持し、その出力を計測して、垂直を示す中間電圧を得ることによって校正される。温度センサがパイプのいくつかあるいは全てに組み込まれている場合、温度に対する校正ファクタを得るために、パイプは異なった温度にされる。パイプは水平表面を回転され、信号の最大値と最小値を得、各々のパイプは最大、最小に対応して、x軸、y軸を示すようにマークされる(x、yは、2次元におけるポリラインを表す直交軸の任意の記号表示である。zは垂直アレイの垂直面を示すために用いられる)。パイプを完全なアレイに組み立てた後、第一のパイプからの第一の加速度が最大信号を得るまで、水平表面上で回転される。第一のパイプはx軸を示すようマークされる、そのアレイは、第二のパイプにおける第一の加速度計が最大出力を得るまで回転される。第一のパイプのx、y出力は、この状態で記録され、第一パイプx、y値のテーブルが得られるまで各々のパイプに対してこの工程が繰り返される。これらの値を用いて、組立後、長軸に対するパイプの角度オフセットを計算する。この値は、回転訂正式を用いて、その軸に対する各々のパイプのx、y傾きセンサからのデータを回転することにより、これらのオフセットを訂正する。
sx = sx × cos(roll) − sy × sin(roll); [式6]
sy = sy × cos(roll) + sx × sin(roll); [式7]
ここで、sxが二軸加速度計のxセンサの出力、syは二軸加速度計のyセンサの出力、rollはパイプの長軸に対する角度オフセットである。その工程は公知の割合でアレイを回転させ、回転中の回転角度を計測し、公知の回転角度におけるセンサの最大・最小あるいはゼロ交点を計測することにより、自動化されていてもよい。アレイが水平使用の場合は、図14のように、水平表面上でパイプを水平にし、最大、最小を得るために回転し、中間電圧を得るために平均値を用いることにより、中間電圧が得られる。回転オフセットは垂直アレイと同様にして得られる。
【0063】
上記の校正ステップ、前記構成、計算方法により、実地に携帯でき、最小限の数と種類のセンサを与えられたタスクのために用い、公知の軸に沿った加速度データを提供し、実地で最小限の取り付け具によって使用でき、静的・動的状態の絶対的形状データを提供する構成済みのアレイが得られる。
【0064】
アレイの配置として、センサがフレキシブルチュービング内に配置され、通常は一番上の端のような曲線の一端であるような参照点で始まる3D曲線上のデータを提供する、図11、13、14、17の配置がある。地表、空気、水の容体はそのようなアレイの配置により検知される。各々のアレイからの信号は、アレイ内あるいはその近傍のマイクロプロセッサにより収集される。容量の大きなアレイ内のアレイは、ワイヤ通信あるいはワイヤレス通信を用いて、すべてのデータを中心点と通信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
一般的に上記のように記載した本発明は、添付の図面を参照する。
【図1】局所曲げの従来例において知られる光ファイバセンサを示す。
【図2】局所曲げ・ねじりの従来の光ファイバセンサを示す。
【図3】MEM加速度計としての本発明のカンチレバーセンサの部分該略図を示す。
【図4】図3のカンチレバーサンサの概略平面図を示す。
【図5】MEM加速度計の直交したペアを形成する1対のカンチレバーセンサを有した本発明の別の実施例の概略平面図を示す。
【図6】加速度計を有し、曲率センサを備えた曲げ可能な領域により分離された、2つの剛体を有する本発明の別の実施例を示す。
【図7】曲げ・ねじり可能で、曲がっていない状態で、複数の曲率センサに接続された多数の加速度計に取り付けることができる多数のフレキシブル材料の容体を示す。
【図8】曲げた状態における、図7の柔軟な材料の容体を示す。
【図9】図8の2つの加速度検知ユニットを示し、それらの間の距離と角度配向を示す。
【図10】2つの剛体間の配向と位置情報を各々示す、2セットの直交ユニットベクトルと、その間の距離ベクトルを示す。
【図11】縮み可能なチューブを用いた垂直計測をするためのフレキシブルエンクロージャー(flexible enclosure)内のセンサアレイを示す。
【図12】シールディング・ねじれ抵抗を有するブレードを示す。
【図13】外部から固定されたフレキシブルエンクロージャー内のセンサアレイを示す。
【図14】水平計測のために用いられるフレキシブルエンクロージャー内のセンサアレイを示す。
【図15】表面に取り付けるために変形されたクランプを示す。
【図16】リボン状の基体上のセンサアレイを示す。
【図17】楕円形の保護ホース内における図16のリボンを示す。
【図18】ボートの帆に用いられる本発明を示す。
【図19】終点計測装置に用いられる本発明を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの外部参照フィールド内に存在するようにした少なくとも1つのフィールド測定センサと、柔軟な基体内に存在するようにした少なくとも1つの曲率測定センサとを備えたセンサアレイであって、
上記フィールド測定センサは上記フィールドに対する上記基体の配向データを提供でき、上記曲率測定センサは動的、静的形状を測定するため上記基体の部分間の配向データを提供することができるセンサアレイ。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサアレイであって、
上記フィールド測定センサは単一、二軸、あるいは三軸の加速度計であるセンサアレイ。
【請求項3】
請求項2に記載のセンサアレイであって、
上記加速度計は、振動と形状とのデータを提供することができるセンサアレイ。
【請求項4】
請求項1に記載のセンサアレイであって、
上記基体は部分を有し、かつ
上記フィールド測定センサはさらに、セットされた磁気フィールド内で、上記基体の上記部分の配向データを提供できるようにした磁力計を備えている、センサアレイ。
【請求項5】
請求項2に記載のセンサアレイであって、
上記加速度計は世界座標系における傾きを検知し、振動加速データと重力データの定加速度を提供するセンサアレイ。
【請求項6】
請求項2に記載のセンサアレイであって、
上記加速度計は、フレキシブルチュービングにより接続された非接触の略垂直の剛体パイプに搭載され、かつ
上記加速度計は、垂直軸に対する上記パイプの長軸の動きに関する、2自由度の傾きと加速度データを提供するセンサアレイ。
【請求項7】
請求項2に記載のセンサアレイであって、
上記加速度計は、フレキシブルチュービングにより接続された非接触の略水平な剛体パイプに搭載され、かつ略水平表面に整列するための位置そろえ表面に取り付けられており、
上記加速度計は、垂直軸に対する上記略垂直パイプの略垂直軸の動きに関する、2自由度の傾きと加速度データを提供するセンサアレイ。
【請求項8】
請求項1に記載のセンサアレイであって、
上記センサは、2自由度とねじりにおいて自由に曲がるように、上記基体に取り付けられているセンサアレイ。
【請求項9】
請求項1に記載のセンサアレイであって、
上記基体は地表あるいは水等の容体(volume)であり、かつ
上記センサは、上記容体内で曲線を描く略垂直あるいは水平な湾曲部に配列されており、
上記各々の曲線からのデータが共通の収集ポイントに送られ、その容体の静的・動的形状についてのデータが収集されるようにしているセンサアレイ。
【請求項10】
柔軟な基体内にフィールド測定サンサを存在させたセンサアレイであって、
上記フィールド測定センサは、上記基体の配向データを提供することができ、かつ上記容体の隣接部分内の信号差から動的形状を決定するようにしているセンサアレイ。
【請求項11】
請求項の1に記載のセンサアレイであって、
上記柔軟な基体は、回転可能なジョイントにより接続された、フィールド測定センサを有した剛性リンク(rigid links)を備えた、連結アームを有し、かつ
上記連結アームは、回転センサを取り付けた1自由度において回転可能なジョイントにより参照表面に接続されており、
上記リンクは、フィールド内で上記連結アームの位置と配向を測定するために、所定の範囲内でフィールドセンサを維持するよう押し付けられているセンサアレイ。
【請求項1】
少なくとも1つの外部参照フィールド内に存在するようにした少なくとも1つのフィールド測定センサと、柔軟な基体内に存在するようにした少なくとも1つの曲率測定センサとを備えたセンサアレイであって、
上記フィールド測定センサは上記フィールドに対する上記基体の配向データを提供でき、上記曲率測定センサは動的、静的形状を測定するため上記基体の部分間の配向データを提供することができるセンサアレイ。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサアレイであって、
上記フィールド測定センサは単一、二軸、あるいは三軸の加速度計であるセンサアレイ。
【請求項3】
請求項2に記載のセンサアレイであって、
上記加速度計は、振動と形状とのデータを提供することができるセンサアレイ。
【請求項4】
請求項1に記載のセンサアレイであって、
上記基体は部分を有し、かつ
上記フィールド測定センサはさらに、セットされた磁気フィールド内で、上記基体の上記部分の配向データを提供できるようにした磁力計を備えている、センサアレイ。
【請求項5】
請求項2に記載のセンサアレイであって、
上記加速度計は世界座標系における傾きを検知し、振動加速データと重力データの定加速度を提供するセンサアレイ。
【請求項6】
請求項2に記載のセンサアレイであって、
上記加速度計は、フレキシブルチュービングにより接続された非接触の略垂直の剛体パイプに搭載され、かつ
上記加速度計は、垂直軸に対する上記パイプの長軸の動きに関する、2自由度の傾きと加速度データを提供するセンサアレイ。
【請求項7】
請求項2に記載のセンサアレイであって、
上記加速度計は、フレキシブルチュービングにより接続された非接触の略水平な剛体パイプに搭載され、かつ略水平表面に整列するための位置そろえ表面に取り付けられており、
上記加速度計は、垂直軸に対する上記略垂直パイプの略垂直軸の動きに関する、2自由度の傾きと加速度データを提供するセンサアレイ。
【請求項8】
請求項1に記載のセンサアレイであって、
上記センサは、2自由度とねじりにおいて自由に曲がるように、上記基体に取り付けられているセンサアレイ。
【請求項9】
請求項1に記載のセンサアレイであって、
上記基体は地表あるいは水等の容体(volume)であり、かつ
上記センサは、上記容体内で曲線を描く略垂直あるいは水平な湾曲部に配列されており、
上記各々の曲線からのデータが共通の収集ポイントに送られ、その容体の静的・動的形状についてのデータが収集されるようにしているセンサアレイ。
【請求項10】
柔軟な基体内にフィールド測定サンサを存在させたセンサアレイであって、
上記フィールド測定センサは、上記基体の配向データを提供することができ、かつ上記容体の隣接部分内の信号差から動的形状を決定するようにしているセンサアレイ。
【請求項11】
請求項の1に記載のセンサアレイであって、
上記柔軟な基体は、回転可能なジョイントにより接続された、フィールド測定センサを有した剛性リンク(rigid links)を備えた、連結アームを有し、かつ
上記連結アームは、回転センサを取り付けた1自由度において回転可能なジョイントにより参照表面に接続されており、
上記リンクは、フィールド内で上記連結アームの位置と配向を測定するために、所定の範囲内でフィールドセンサを維持するよう押し付けられているセンサアレイ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2006−47293(P2006−47293A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−186718(P2005−186718)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(505243607)059312 エヌ. ビー. インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】059312 N.B.Inc.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−186718(P2005−186718)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(505243607)059312 エヌ. ビー. インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】059312 N.B.Inc.
【Fターム(参考)】
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