説明

形鋼の幅寄せ方法および幅寄せ装置並びに段積み装置

【課題】形鋼の簡単な幅寄せを行なうことができる幅寄せ方法および幅寄せ装置を提供する。
【解決手段】装置フレーム26に枢支した3つの幅寄せ部材27,28,29の夫々は、油圧シリンダ30,31,32によって独立して傾動される。幅寄せ部材27,28,29に幅寄せ体34,36,37が配設される。幅寄せ体34,36,37に、複数の山形部35がレールの幅方向に沿って設けられる。第1幅寄せ部材27で移送コンベヤからレールを押上げることで、レールを傾動させつつ幅寄せする。第2幅寄せ部材28で第1幅寄せ部材27からレールを押上げることで、レールを幅寄せする。第3幅寄せ部材29で第2幅寄せ部材28からレールを押上げることで、レールを幅寄せする。第3幅寄せ部材29を下動することで、幅寄せしたレールは座部が上下に重なった状態で移送コンベヤの載置面に載置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平板状の座部の一面から延出部が延出する並列状態の複数の形鋼を、座部が上下に重なるように幅寄せする幅寄せ方法および幅寄せ装置、並びに幅寄せされた形鋼を段積みする段積み装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種形状の条鋼を出荷する際には、幅方向に並ぶ複数の条鋼を複数段に段積みして結束し、ハンドリングが容易な荷姿としている(例えば、特許文献1参照)。この場合、荷姿を小さくするため、条鋼同士を幅寄せすることが行なわれている。
【0003】
従来、前記幅寄せは、条鋼を段積みした後に行なわれている。例えば、図12(a)に示す如く、座部10aと、該座部10aより幅寸法の短かい頭部10bおよび座部10aと頭部10bとを連設する柱部10cから構成されるレール10は、以下のように段積みおよび幅寄せが行なわれる。このレール10を幅寄せするには、先ず所定角度で傾斜する複数の受け面11aが鋸歯状に形成された支持部材11の各受け面11aに、座部10aが当接するようにレール10を夫々載置する。これにより、各レール10は、受け面11aに対応する傾斜姿勢で夫々支持され、幅方向に隣り合うレール10,10の座部10a,10aは、上下に離間する状態となる(図12(b)参照)。
【0004】
前記頭部10bが上向きの正姿勢で支持部材11上に支持された下段のレール10に対して段積みされる上段のレール10については、吊下げ手段によって下段のレール10と同様に隣り合うレール10,10の座部10a,10aが上下に重なるように保持すると共に上下を反転して、頭部10bが下向きとなる逆姿勢とする(図12(c)参照)。そして、逆姿勢の各レール10を、頭部10bおよび柱部10cが下段の隣り合うレール10,10の間に挿入されるようにして段積みする(図12(d)参照)。
【0005】
この状態で、下段のレール10について、幅方向の一端(図12(d)の右端)に位置するレール10を基準として該基準レール10に近接するように他のレール10を移動させることで、各レール10が受け面11aに沿って斜めに移動し、下段および上段の何れのレール10においても、隣り合うレール10,10の座部10a,10aが上下に重なるように幅寄せされる(図12(e)参照)。幅寄せ作業が完了した後、支持部材11から平坦な支持テーブル12にレール10を移載し(図12(f)参照)、これを結束することで、複数のレール10が幅寄せされると共に段積みされた纏まった荷姿となる。
【特許文献1】特開平8−268550号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した幅寄せ方法は、基準のレール10に対して他のレール10を押して近接させるため、個々のレール10が同じ位置で当接するわけではなく、当接位置の違いによって各レール10の姿勢が乱れ易く、均等に幅寄せされないばかりか、姿勢が安定しない問題がある。しかも、レール10を段積みした状態で幅寄せしているため、幅寄せに際して大きな力が必要になると共に、幅寄せの際に上段のレール10の姿勢が大きく乱れて良好な荷姿とすることができなかった。
【0007】
ここで、上下2段のレールを1組として、複数組を段積みする要請もある。しかるに、前述した幅寄せ方法は、段積みした状態で幅寄せしているため、1組目のレール10を段積み幅寄せ箇所から別の場所に移動し、2組目のレール10を段積み幅寄せ箇所で段積みおよび幅寄せを行なってから、別の場所に移動した1組目のレール10に段積みしている。このため、作業能率が低い問題が指摘される。また、前述したように逆姿勢で段積みされているレール10は姿勢が安定していないため、2組目のレール10を段積みする際には、作業者が手作業によってレール10の姿勢を矯正する必要があり、自動化の阻害要因となっている。
【0008】
すなわち本発明は、前述した従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、形鋼の姿勢を乱すことなく簡単に幅寄せを行なうことができる幅寄せ方法および幅寄せ装置を提供することを目的とする。また、形鋼を効率的に段積みすることができる段積み装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明の形鋼の幅寄せ方法は、
平板状の座部の一面から延出部が延出する複数の形鋼を、延出部が上方を向く姿勢で支持手段の載置面に並列に載置し、
前記支持手段に載置されている形鋼に対し、形鋼の重心から偏倚する位置に押上げ部を下側から当接して押上げることで該形鋼を傾斜姿勢とし、
傾斜姿勢とした形鋼における座部の傾斜上端側に隣り合う形鋼を、座部が傾斜姿勢の形鋼における座部の下側に臨む位置まで幅寄せ手段で傾斜姿勢とした形鋼に幅寄せし、
前記押上げ部を支持手段の載置面より下方まで下動することで、各形鋼が載置面上で傾動して隣り合う形鋼の座部が上下に重なりあった状態となるようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項1に係る発明によれば、傾斜姿勢とした形鋼に対して隣り合う形鋼を幅寄せするから、幅寄せ時には各形鋼が相互に当接することはなく、各形鋼の姿勢が乱れるのは抑制されると共に、形鋼が傷付くのも抑えることができる。
【0011】
請求項2に係る発明では、前記傾斜姿勢とした形鋼に隣り合う形鋼は、前記幅寄せ手段によって支持手段の載置面に沿って移動されて幅寄せされることを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、傾斜姿勢とした形鋼に対し、隣り合う形鋼を姿勢変化させることなく幅寄せするから、形鋼の姿勢の乱れおよび傷付くことを更に抑制し得る。
【0012】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項3に係る発明の形鋼の幅寄せ方法は、
平板状の座部の一面から延出部が延出する複数の形鋼を、延出部が上方を向く姿勢で支持手段の載置面に並列に載置し、
頂部から形鋼の並列方向の一方に向けて下方傾斜する傾斜面を有する押上げ部が形鋼の並列方向に沿って複数設けられた幅寄せ部材を、前記支持手段の載置面の下方から上動し、
前記載置面より上方へ移動する押上げ部により、対応する形鋼の重心が当該押上げ部の傾斜面側に臨む位置に前記頂部を下側から当接させて押上げることで、該形鋼を傾斜面側へ傾動させると共に傾斜面に沿って滑らせて、形鋼を、並列方向の一方に隣り合う形鋼の座部下側に座部が臨む位置まで幅寄せし、
前記幅寄せ部材を下動して押上げ部を前記支持手段の載置面より下方に移動して各押上げ部の傾斜面で支持されている形鋼を支持手段に移載することで、各形鋼が載置面上で傾動して隣り合う形鋼の座部が上下に重なりあった状態となるようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、幅寄せ部材を上下動するだけで、複数の形鋼を座部が上下に重なるように幅寄せすることができる。また、幅寄せ時には各形鋼が相互に当接しないから、各形鋼の姿勢が乱れるのは抑制されると共に、形鋼が傷付くのも抑えることができる。
【0014】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項4に係る発明の形鋼の幅寄せ方法は、
平板状の座部の一面から延出部が延出する複数の形鋼を、延出部が上方を向く姿勢で支持手段の載置面に並列に載置し、
頂部から形鋼の並列方向の一方に向けて下方傾斜する傾斜面を有する押上げ部が形鋼の並列方向に沿って複数設けられた複数の幅寄せ部材を、前記支持手段の載置面の下方から1つずつ順に上動し、
最初に上動する幅寄せ部材の前記載置面より上方へ移動する押上げ部により、対応する形鋼の重心が当該押上げ部の傾斜面側に臨む位置に前記頂部を下側から当接して押上げることで、該形鋼を傾斜面側へ傾動させると共に傾斜面に沿って滑らせて、形鋼を、並列方向の一方に隣り合う形鋼に幅寄せし、
以後は、先に上動された幅寄せ部材に支持されて傾斜姿勢となっている各形鋼を、次に上動された幅寄せ部材の各押上げ部の傾斜面に受渡すことで、形鋼を次の幅寄せ部材の傾斜面に沿って滑べらせて隣り合う形鋼を更に幅寄せする動作を、幅寄せ部材の数だけ繰返して、各形鋼を、並列方向の一方に隣り合う形鋼の座部下側に座部が臨むように幅寄せし、
上動した幅寄せ部材を下動して押上げ部を前記支持手段の載置面より下方に移動して各押上げ部の傾斜面で支持されている形鋼を支持手段に移載することで、各形鋼が載置面上で傾動して隣り合う形鋼の座部が上下に重なりあった状態となるようにしたことを特徴とする。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、幅寄せ部材を上下動するだけで、複数の形鋼を座部が上下に重なるように幅寄せすることができる。また、幅寄せ時には各形鋼が相互に当接しないから、各形鋼の姿勢が乱れるのは抑制されると共に、形鋼が傷付くのも抑えることができる。更に、複数の幅寄せ部材を用いて形鋼を段階的に幅寄せし得るから、姿勢が乱れるのをより抑制し得ると共に、複数の形鋼をより纏めることができる。
【0016】
請求項5に係る発明では、先に上動された幅寄せ部材から次に上動された幅寄せ部材への形鋼の受渡しは、先に上動された幅寄せ部材で支持されている各形鋼を、次に上動された幅寄せ部材の各押上げ部の傾斜面で押上げた後、先に上動されていた幅寄せ部材を下動することで行なわれることを要旨とする。
請求項5に係る発明によれば、先に上動された幅寄せ部材に対し、次の幅寄せ部材を上動することのみで形鋼の受渡しを行なう場合に比べ、形鋼を押上げる量を少なく抑えることができる。
【0017】
請求項6に係る発明では、前記支持手段に並列に載置されている複数の形鋼における一方の端に位置する形鋼の並列方向一方への移動を規制するようにしたことを要旨とする。
請求項6に係る発明によれば、移動規制される形鋼に対して他の形鋼を幅寄せすることで、幅寄せ後の形鋼の後処理時には、位置が変化していない形鋼を基準として処理することができ、後処理が容易となる。
【0018】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項7に係る発明の形鋼の幅寄せ装置は、
平板状の座部の一面から延出部が延出する複数の形鋼が、延出部を上方へ向けた姿勢で載置面に並列に載置される支持手段と、
前記形鋼の並列方向に沿って複数設けられて上下動に際して前記支持手段の載置面の下方と上方との間を移動し、上動に際して対応する形鋼の重心から偏倚する位置の座部に下側から当接して押上げて該形鋼を傾斜姿勢とする押上げ部と、
前記押上げ部を上下動する作動手段と、
前記押上げ部により傾斜姿勢とされた形鋼における座部の傾斜上端側に隣り合う形鋼を、座部が傾斜姿勢の形鋼における座部の下側に臨む位置まで傾斜姿勢とした形鋼に幅寄せする幅寄せ手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
請求項7に係る発明によれば、押上げ部による形鋼の傾斜姿勢への変化と、隣り合う形鋼の移動とを反復することで、複数の形鋼を座部が上下に重なるように幅寄せすることができる。また、幅寄せ時には各形鋼が相互に当接しないから、各形鋼の姿勢が乱れるのは抑制されると共に、形鋼が傷付くのも抑えることができる。
【0020】
請求項8に係る発明では、前記幅寄せ手段は、前記傾斜姿勢とされた形鋼に対して、隣り合う形鋼を支持手段の載置面に沿って移動して幅寄せするよう構成したことを要旨とする。
請求項8に係る発明によれば、傾斜姿勢とした形鋼に対し、隣り合う形鋼を姿勢変化させることなく幅寄せするから、形鋼の姿勢の乱れおよび傷付くことを更に抑制し得る。
【0021】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項9に係る発明の形鋼の幅寄せ装置は、
平板状の座部の一面から延出部が延出する複数の形鋼が、延出部を上方へ向けた姿勢で載置面に並列に載置される支持手段と、
前記支持手段の載置面より下方に配設されて上下動可能な幅寄せ部材と、
前記幅寄せ部材を上下動する作動手段と、
前記幅寄せ部材に形鋼の並列方向に沿って複数設けられて該幅寄せ部材の上下動に際して前記支持手段の載置面の下方と上方との間を移動し、頂部から形鋼の並列方向の一方に向けて下方傾斜する傾斜面を有する押上げ部とを備え、
前記各押上げ部の頂部は、幅寄せ部材の上動に際に、前記支持手段の載置面に載置されている対応する形鋼の座部に対して、形鋼の重心が当該押上げ部の傾斜面側に臨む位置に下側から当接して押上げるよう設定され、
前記各押上げ部には、隣り合う一方の押上げ部の傾斜面の傾斜下端に連設されて、該傾斜面を滑る形鋼の移動を規制する規制面が形成されると共に、隣り合う押上げ部の規制面間の離間長さは、形鋼の座部の幅寸法より短かく設定されていることを特徴とする。
【0022】
請求項9に係る発明によれば、幅寄せ部材を上下動するだけで、複数の形鋼を座部が上下に重なるように幅寄せすることができる。また、幅寄せ時には各形鋼が相互に当接しないから、各形鋼の姿勢が乱れるのは抑制されると共に、形鋼が傷付くのも抑えることができる。
【0023】
請求項10に係る発明では、前記支持手段に並列に載置されている複数の形鋼における一方の端に位置する形鋼の並列方向一方への移動を規制する規制手段を備えることを要旨とする。
請求項10に係る発明によれば、移動規制される形鋼に対して他の形鋼を幅寄せするので、幅寄せ後の形鋼の後処理時には、位置が変化していない形鋼を基準として処理することができ、後処理が容易となる。
【0024】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項11に係る発明の形鋼の幅寄せ装置は、
平板状の座部の一面から延出部が延出する複数の形鋼が、延出部を上方へ向けた姿勢で載置面に並列に載置される支持手段と、
前記支持手段の載置面より下方に配設されて上下動可能な複数の幅寄せ部材と、
前記幅寄せ部材を夫々独立して上下動する作動手段と、
前記各幅寄せ部材に形鋼の並列方向に沿って複数設けられて該幅寄せ部材の上下動に際して前記支持手段の載置面の下方と上方との間を移動し、頂部から形鋼の並列方向の一方に向けて下方傾斜する傾斜面を有する押上げ部とを備え、
前記各押上げ部の頂部は、幅寄せ部材の上動に際し、支持手段の載置面または既に上動している幅寄せ部材に支持されている対応する形鋼の座部に対して、形鋼の重心が当該押上げ部の傾斜面側に臨む位置に下側から当接するよう設定され、
前記各押上げ部には、隣り合う一方の押上げ部の傾斜面の傾斜下端に連設されて、該傾斜面を滑る形鋼の移動を規制する規制面が形成されると共に、隣り合う押上げ部の規制面間の離間長さは、形鋼の座部の幅寸法より短かく設定され、
複数の幅寄せ部材は、先に上動した幅寄せ部材の各押上げ部の規制面より傾斜面側に、次に上動する幅寄せ部材の対応する押上げ部の規制面が偏倚するよう設定されていることを特徴とする。
【0025】
請求項11に係る発明によれば、幅寄せ部材を上下動するだけで、複数の形鋼を座部が上下に重なるように幅寄せすることができる。また、幅寄せ時には各形鋼が相互に当接しないから、各形鋼の姿勢が乱れるのは抑制されると共に、形鋼が傷付くのも抑えることができる。更に、複数の幅寄せ部材を用いて形鋼を段階的に幅寄せし得るから、姿勢が乱れるのをより抑制し得ると共に、複数の形鋼をより纏めることができる。
【0026】
請求項12に係る発明では、前記支持手段に並列に載置されている複数の形鋼における一方の端に位置する基準となる形鋼の並列方向一方への移動を規制する規制手段を備えると共に、先に上動した幅寄せ部材の規制面と次に上動した幅寄せ部材の規制面との偏倚量は、基準となる形鋼が支持されている押上げ部から離間するにつれて大きくなるよう設定されていることを要旨とする。
請求項12に係る発明によれば、基準となる形鋼に対して他の形鋼を幅寄せすることで、幅寄せ後の形鋼の後処理時には、位置が変化していない形鋼を基準として処理することができ、後処理が容易となる。また規制面の偏倚量を、基準となる形鋼から離間するにつれて大きくなるよう設定してあるから、基準となる形鋼に対する離間距離に応じて形鋼を幅寄せすることができる。
【0027】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項13に係る発明の形鋼の段積み装置は、
請求項7〜12の何れか一項に記載の形鋼の幅寄せ装置を備えた段積み装置であって、
前記幅寄せ装置で幅寄せされて前記支持手段に載置されている複数の形鋼を上方から保持可能な正姿勢用保持部材を備え、該正姿勢用保持部材に保持した正姿勢の形鋼をリフターに移載する正移載装置と、
前記幅寄せ装置で幅寄せされて前記支持手段に載置され、前記正移載装置でリフターに移載された形鋼の数より1本少ない数の形鋼を下方から保持可能な逆姿勢用保持部材を回動自在に備え、該逆姿勢用保持部材に保持した正姿勢の形鋼を該逆姿勢用保持部材を回動することで上下反転した逆姿勢として、前記リフターに既に移載されている正姿勢の形鋼に段積みする逆移載装置とを備え、
前記リフターは、段積みされる形鋼の段数に応じて高さ位置が調節されるよう構成したことを特徴とする。
【0028】
請求項13に係る発明によれば、幅寄せ装置により段積み前に形鋼を幅寄せするから、幅寄せされた形鋼の乱れは少なく、段積みに際して人手による手直し作業を必要とせず、段積みを効率的に行なうことができる。
【0029】
請求項14に係る発明では、前記形鋼を並列状態で搬送して前記幅寄せ装置に供給する供給手段を備え、前記幅寄せ装置より搬送方向の上流側に、予め定めた設定数の形鋼を切分ける切分け装置が配設され、
前記切分け装置は、
前記供給手段で搬送される先頭の形鋼の移動規制が可能な切分けストッパと、
前記先頭の形鋼から数えて設定数の次の形鋼を上下で挟持する挟持解除可能な規制部材および挟持部材とを備え、
前記規制部材と挟持部材とで形鋼を挟持した状態で、前記切分けストッパによる形鋼の移動規制を解除することで、前記供給手段によって設定数の形鋼のみが幅寄せ装置に向けて供給されるよう構成したことを要旨とする。
請求項14に係る発明によれば、幅寄せ装置に供給される設定数の形鋼を、切分け装置により確実に切分けることができる。また形鋼を上下で挟持して移動規制するから、上流側から加わる圧力によって挟持されている形鋼の姿勢が乱れることはなく、挟持が解除された当該形鋼を搬送する際に支障を来たすことはない。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る形鋼の幅寄せ方法および幅寄せ装置によれば、形鋼の姿勢が乱れたり傷付くのを抑制しつつ、複数の形鋼の幅寄せを簡単に行なうことができる。
【0031】
また本発明に係る形鋼の段積み装置によれば、形鋼の段積みに際して姿勢が乱れた形鋼の手直しを行なう必要はなく、効率的に段積みを行ない得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
次に、本発明に係る形鋼の幅寄せ方法および幅寄せ装置並びに段積み装置につき、実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、幅寄せおよび段積みの対象となる形鋼は、図12を参照して既に説明した如く、長手方向の端面において、所定幅寸法の平板状の座部10aにおける一面の幅方向中央に、柱部10cを介して頭部10bが立設された形状を呈するレール10であって、該レール10における柱部10cおよび頭部10bの幅寸法は、座部10aより短かく設定されている。また、頭部10bおよび柱部10cで延出部が構成され、実施例では柱部10cより頭部10bが幅広に設定されているが、同一幅であってもよい。以下の説明において、幅方向、長手方向とは、特に断わらない限り、レール10に基づいて指称している。
【実施例】
【0033】
図1は、実施例に係るレール10の幅寄せ装置13を備える段積み装置14の全体構成を概略的に示すものである。段積み装置14は、レール10を幅方向に沿って搬送する搬入コンベヤ15と、該搬入コンベヤ15で搬送されてくる複数のレール10から予め設定された設定数のレール10を切分ける切分け装置16と、該切分け装置16で切分けられたレール10を幅寄せする幅寄せ装置13および該幅寄せ装置13で幅寄せされたレール10を段積みする段積み機構17とを備える。
【0034】
前記搬入コンベヤ15は、レール10の長手方向に所定間隔離間して並列に配置された複数のチェンコンベヤから構成され、搬入コンベヤ15上には、図3に示す如く、頭部10bを上向きとした正姿勢で複数のレール10が並列に載置される。そして、これら複数のレール10は、搬入コンベヤ15によって幅方向(並列方向)に隣り合う各レール10における座部10aの側端面を相互に当接した並列状態で搬送される。
【0035】
前記切分け装置16は、前記搬入コンベヤ15の下流端部側において、レール10の長手方向に所定間隔離間すると共に、搬入コンベヤ15における各チェンコンベヤと干渉しない位置に夫々配設されている。切分け装置16は、図2および図3に示す如く、搬入コンベヤ15の載置面から出没可能な切分けストッパ18を備え、該切分けストッパ18を油圧シリンダ等の駆動手段によって載置面から突出することで、搬入コンベヤ15により搬送される先頭のレール10の移動を規制し得るよう構成される。また切分け装置16は、搬入コンベヤ15の上方において搬送方向に所定長さで延在する規制部材19と、該規制部材19の下面に対向するよう搬入コンベヤ15の下方に配置されて、油圧シリンダ等の駆動手段により上下動されて搬入コンベヤ15の載置面から出没可能な挟持部材20,21を備え、規制部材19と挟持部材20,21とによりレール10を上下から挟持し得るようになっている。なお、規制部材19は調節手段22によって高さ調節自在に構成され、レール10の高さ寸法に応じて規制部材19の高さ位置を調節できるようにしてある。
【0036】
実施例では、段積み機構17により5本のレール10に4本のレール10を段積みするよう構成されており(図7参照)、この関係から、前記挟持部材20,21は、前記切分けストッパ18で移動規制されている先頭のレール10から数えて4番目のレール10を規制部材19との間で挟持可能な位置に第1挟持部材20が配置されると共に、3番目のレール10を規制部材19との間で挟持可能な位置に第2挟持部材21が配置されている(図2参照)。すなわち、第1挟持部材20で4番目のレール10を規制部材19とにより挟持した状態で、切分けストッパ18を載置面から没した場合は、搬入コンベヤ15により3本のレール10が下流側に搬送される。これに対し、第2挟持部材21で3番目のレール10を規制部材19とにより挟持した状態で、切分けストッパ18を載置面から没した場合は、搬入コンベヤ15により2本のレール10が下流側に搬送される。すなわち、切分け装置16では、3本のレール10と2本のレール10を切分けることができるよう構成され、3本のレール10を切分けた後に2本のレール10を切分けることで合計5本のレール10を下流側に供給することができ、また2本のレール10の切分けを連続して行なうことで、4本のレール10を下流側に供給することができる。なお、切分け装置16で切分けるレール10の数は、挟持部材20,21の配設位置や、切分けるレール10の組合わせによって変更可能である。
【0037】
前記搬入コンベヤ15より下流側には、該搬入コンベヤ15で搬送されるレール10を受け取って下流側に搬送する移送コンベヤ23が、その載置面を搬入コンベヤ15の載置面と一致した状態で配置されている。移送コンベヤ23は、図2に示す如く、レール10の幅方向に沿って千鳥足状に配置した複数のチェンコンベヤからなるコンベヤ組を、レール10の長手方向に所定間隔離間して配置して構成される。なお、コンベヤ組を構成する各チェンコンベヤの上流部および下流部がレール10の長手方向でオーバーラップして、各チェンコンベヤ間でのレール10の受渡しを支障なく行ない得るようになっている。また、最上流側のチェンコンベヤの上流部は、搬入コンベヤ15の対応するチェンコンベヤの下流部にオーバーラップしている。実施例では、搬入コンベヤ15と移送コンベヤ23とから、レール10を幅寄せ装置13に供給する供給手段を構成している。また移送コンベヤ23は、幅寄せ装置13に対する支持手段を兼用している。
【0038】
なお、前記搬入コンベヤ15の下流端より所定長さだけ下流側に、前記移送コンベヤ23の載置面から出没可能な集合ストッパ24が、レール10の長手方向に離間して複数配置されており、該集合ストッパ24を油圧シリンダ等の駆動手段によって載置面から突出することで、移送コンベヤ23で搬送されるレール10の移動規制を行ない得るよう構成してある。実施例では、集合ストッパ24を載置面から突出して、前記切分け装置16で切分けられた3本のレール10と2本のレール10を集合して5本にすると共に、2本のレール10と2本のレール10とを集合して4本にし得るよう構成される。そして、集合ストッパ24を載置面から没することで、5本のレール10または4本のレール10が、移送コンベヤ23によって下流側に纏めて搬送されるようになっている。
【0039】
前記集合ストッパ24より所定長さだけ下流側で前記幅寄せ装置13の下流端近傍に、移送コンベヤ23の載置面から出没可能な規制手段としての幅寄せストッパ25が、レール10の長手方向に離間して複数配置されている。そして、幅寄せストッパ25を油圧シリンダ等の駆動手段によって載置面から突出することで、移送コンベヤ23で搬送されるレール10の移動規制を行ない得るよう構成してある。
【0040】
前記幅寄せ装置13は、レール10の長手方向に離間して配設される複数の幅寄せ機構48から構成される。この幅寄せ機構48は、図2および図4に示す如く、装置フレーム26に揺動自在に枢支されると共にレール10の長手方向に離間する複数(実施例では3つ)の幅寄せ部材27,28,29と、装置フレーム26に配設されて各幅寄せ部材27,28,29に連結される作動手段としての油圧シリンダ30,31,32とを備え、各幅寄せ部材27,28,29が対応する油圧シリンダ30,31,32によって夫々独立して傾動されるよう構成してある。実施例では、各幅寄せ部材に関し、第1幅寄せ部材27、第2幅寄せ部材28および第3幅寄せ部材29と指称すると共に、対応する油圧シリンダについても、第1油圧シリンダ30、第2油圧シリンダ31および第3油圧シリンダ32と指称する。なお、第1〜第3幅寄せ部材27,28,29の基本的な構成は同一であるので、第1幅寄せ部材27の構成について主に説明し、第2および第3幅寄せ部材28,29の同一部分には同じ符号を付すものとする。
【0041】
前記第1幅寄せ部材27は、図4に示す如く、レール10の幅方向に所定長さで延在して搬送方向上流端が装置フレーム26に枢支された本体33と、該本体33の上面に着脱自在に配設された第1幅寄せ体34とを備え、該第1幅寄せ体34には、レール10の幅方向に沿って複数の押上げ部としての山形部35が鋸歯状に形成されている。山形部35は、図5に示す如く、該山形部35の頂部35aから下流側(レール10の並列方向)に向けて下方傾斜する傾斜面35bと、頂部35aから本体33に向けて垂直に延在する規制面35cとを有し、幅方向に隣り合う山形部35は、傾斜面35bの傾斜下端が規制面35cの下端に接続されている。なお、山形部35の数は、段積み機構17により正姿勢で段積みするレール10の数(実施例では5本)と同一に設定されるが、それ以上であってもよい。実施例では、山形部35の傾斜面35bが幅寄せ手段として機能する。
【0042】
前記第1幅寄せ部材27は、第1幅寄せ体34が、レール10を搬送する移送コンベヤ23の載置面より下方に臨む待機位置と、該載置面より上方の作動位置との間を揺動するよう前記第1油圧シリンダ30により作動される。第1幅寄せ体34における各山形部35は、図5(a)に示す如く、前記幅寄せストッパ25で移動規制された各レール10の夫々に対応し、第1幅寄せ部材27を待機位置から作動位置に向けて傾動することで、各山形部35の頂部35aが対応するレール10の座部10aの下面に下側から当接して押上げるよう構成される。また、各山形部35の頂部35aは、移送コンベヤ23の載置面に載置されている正姿勢での座部10aの下面に対して、レール10の重心が傾斜面35b側に臨む位置に当接するよう設定される。これにより、山形部35の頂部35aによって載置面から押上げられるレール10は、傾斜面35b側に向かう正方向に傾動して座部10aが傾斜面35bに当接した傾斜姿勢になると共に、該レール10が傾斜面35bに沿って座部10aにおける傾斜下端側の端部が別の山形部35の規制面35cに当接する位置まで滑って移動すようになっている(図5(b)参照)。なお、以下の説明において、山形部35の位置を特定する場合は、幅寄せストッパ25で移動規制される先頭のレール(基準となる形鋼であって、以後は基準レールとも称す)10に対応する最下流側のものを基準として上流側の順で、第1山形部、第2山形部・・・第5山形部と指称するものとする。また、幅寄せ装置13で幅寄せされるレール10についても、基準レール10から数えて2番目のレール10,3番目のレール10・・・5番目のレール10と区別して指称する場合もある。
【0043】
前記幅寄せストッパ25は、第1幅寄せ部材27が作動位置まで傾動したときにも、基準レール10における座部10aの側端に当接可能な位置まで載置面から突出するよう設定されており、前記第1山形部35の頂部35aで押上げられる基準レール10は、幅寄せストッパ25に座部10aの側端が当接して幅方向への移動が規制されたまま傾動するようになっている。また、第1山形部35の規制面35cから幅寄せストッパ25までの離間長さL1は、座部10aの幅寸法Lより短かく設定され、基準レール10に対して上流側に位置する夫々のレール10が幅寄せされるよう構成してある。なお、各山形部35の規制面35c,35c間の離間長さL2は、座部10aの幅寸法Lと同じかまたは短かく設定されている。更に、第1山形部35の規制面35cから幅寄せストッパ25までの離間長さL1は、各山形部35の規制面35c,35c間の離間長さL2より短かく設定されており、第1幅寄せ部材27では2番目のレール10は、基準レール10に対して座部10a,10a同士が上下に離間して重なる位置まで幅寄せされるようになっている(図5(b)参照)。すなわち、幅寄せストッパ25に近接する側(レール10の並列方向の一方側)のレール10の座部10aの下側に、離間する側(座部10aの傾斜上端側)のレール10の座部10aが入り込む位置まで幅寄せされる。
【0044】
前記第2幅寄せ部材28に配設される第2幅寄せ体36における各山形部35の頂部35aは、前記第1幅寄せ部材27の第1幅寄せ体34上に傾斜姿勢で支持されている対応するレール10の座部10aに対し、該レール10の重心が傾斜面35b側に臨む位置に当接するよう設定される。なお、第2幅寄せ体36の各山形部35における傾斜面35bの傾斜角度は、第1幅寄せ体34の傾斜面35bの傾斜角度と略同一とされる。また第2幅寄せ体36の各山形部35の高さおよび第2幅寄せ部材28の作動位置は、図5(c)に示す如く、第1幅寄せ体34の第2〜第5山形部35上のレール10を押上げることができる値に設定される。そして、第2幅寄せ部材28の作動位置において、第2幅寄せ体36の各山形部35の規制面35cが、第1幅寄せ体34の対応する各山形部35の規制面35cより幅寄せストッパ側(当該山形部35の傾斜面35b側)に偏倚するように設定してある。これにより、2番目〜5番目のレール10は、夫々対応する傾斜面35bに沿って座部10aの側端が対応する規制面35bに当接する位置まで滑って移動することで、基準レール10に対して幅寄せされるようになっている。なお、第2幅寄せ体36を作動位置まで上動した状態では、第1幅寄せ体34から押上げたレール10の側端が、第1幅寄せ体34の対応する各山形部35の規制面35cから離間しない値に設定される。
【0045】
また、前記第2幅寄せ体36における第1山形部35〜第3山形部35の各規制面35c,35c間の離間長さL3は、前記第1幅寄せ体34での離間長さL2より短かく設定され、第3山形部35および第4山形部35の各傾斜面35bに沿って滑って移動した3番目のレール10および4番目のレール10は、隣り合うレール10に対して座部10a,10a同士が上下に離間して重なる位置まで幅寄せされるよう構成してある(図5(d)参照)。すなわち、前述したと同様に、幅寄せストッパ25に近接する側のレール10の座部10aの下側に、離間する側のレール10の座部10aが入り込む位置まで幅寄せされる。
【0046】
前記第3幅寄せ部材29に配設される第3幅寄せ体37における各山形部35の頂部35aは、前記第2幅寄せ部材28の第2幅寄せ体36上に傾斜姿勢で支持されている対応するレール10の座部10aに対し、該レール10の重心が傾斜面35b側に臨む位置に当接するよう設定される。なお、第3幅寄せ体37の各山形部35における傾斜面35bの傾斜角度は、第2幅寄せ体36の傾斜面35bの傾斜角度と略同一とされる。また第3幅寄せ体37の各山形部35の高さおよび第3幅寄せ部材29の作動位置は、図6(a)に示す如く、第2幅寄せ体36の第3〜第5山形部35上のレール10を押上げることができる値に設定される。そして、第3幅寄せ部材29の作動位置において、第3幅寄せ体37の各山形部35の規制面35cが、第2幅寄せ体36の対応する各山形部35の規制面35cより幅寄せストッパ側(当該山形部35の傾斜面35b側)に偏倚するように設定してある。これにより、3番目〜5番目のレール10は、夫々対応する傾斜面35bに沿って座部10aの側端が対応する規制面35cに当接する位置まで滑って移動することで、基準レール10に対して更に幅寄せされるようになっている。なお、第3幅寄せ体37を作動位置まで上動した状態では、第2幅寄せ体36から押上げたレール10の側端が、第2幅寄せ体36の対応する各山形部35の規制面35cから離間しない値に設定される。
【0047】
また、前記第3幅寄せ体37における第3山形部35と第4山形部35との規制面35c,35c間の離間長さL4は、前記第1幅寄せ体34での離間長さL2より短かく設定され、第5山形部35の傾斜面35bに沿って滑って移動した5番目のレール10は、隣り合う4番目のレール10に対して座部10a,10a同士が上下に離間して重なる位置まで幅寄せされるよう構成してある(図6(b)参照)。すなわち、前述したと同様に、幅寄せストッパ25に近接する側のレール10の座部10aの下側に、離間する側のレール10の座部10aが入り込む位置まで幅寄せされる。
【0048】
なお、第1〜第3幅寄せ体34,36,37の夫々の山形部35において、隣り合う規制面35c,35cの離間長さで規定される傾斜面35bの長さは、レール10を安定して支持し得る寸法に設定される。また、第1幅寄せ体34と第2幅寄せ体36の作動位置での規制面35c,35cの偏倚量、および第2幅寄せ体36と第3幅寄せ体37の作動位置での規制面35c,35cの偏倚量は、第1山形部35から離間するにつれて大きくなるよう設定され、基準レール10に対する離間距離に応じた長さで幅寄せされるようになっている。なお、前記偏倚量は、レール10(座部10a)の幅寸法や幅寄せするレール10の数によって任意に設定可能である。
【0049】
前記幅寄せ装置13の下流側に、該幅寄せ装置13で幅寄せされたレール10を段積みする前記段積み機構17が配置されている。この段積み機構17は、幅寄せ後のレール10を正姿勢のまま移送する正移載装置38と、幅寄せ後のレール10を正姿勢から逆姿勢に変換して移送する逆移載装置39と、両移載装置38,39により移送されるレール10が載置されるリフター40とから基本的に構成される。また段積み機構17は、両移載装置38,39で移送されるレール10を前記移送コンベヤ23上で位置決めするストッパ41,42を備える。
【0050】
前記幅寄せ装置13より所定長さだけ下流側に、前記移送コンベヤ23の載置面から出没可能な正姿勢用ストッパ41が、レール10の長手方向に離間して複数配置されている。そして、正姿勢用ストッパ41を油圧シリンダ等の駆動手段によって載置面から突出することで、移送コンベヤ23で搬送される幅寄せ後の複数のレール10の移動規制を行なって該レール10を正姿勢用停止位置に位置決めし得るよう構成してある。
【0051】
また、前記各正姿勢用ストッパ41に近接する位置に、逆姿勢用ストッパ42が夫々配設されている。この逆姿勢用ストッパ42は、前記移送コンベヤ23の載置面から出没可能で、油圧シリンダ等の駆動手段によって載置面から突出することで、移送コンベヤ23で搬送される幅寄せ後の複数のレール10の移動規制を行なって該レール10を逆姿勢用停止位置に位置決めし得るよう構成してある。なお、逆姿勢用ストッパ42は、段積みに際して上下が反転されるレール10の移動規制を行なうものであって、逆移載装置39により逆姿勢とされたレール10の頭部10bが、リフター40に既に載置されている正姿勢で並ぶ隣り合うレール10,10の間に挿入される位置に、幅寄せ後のレール10を位置決めし得るように正姿勢用ストッパ41より搬送方向上流側に偏倚した位置に設置されている(図2参照)。
【0052】
前記正姿勢用ストッパ41で位置決めされるレール10の上方には、正姿勢のレール10を移送コンベヤ23からリフター40に移載する前記正移載装置38が、レール10の長手方向に離間して複数配設されている。正移載装置38は、図3に示す如く、レール10を磁力吸着し得る正姿勢用保持部材43aを下端に配設された昇降体43と、該昇降体43が昇降動自在に配設された台車44とを備える。台車44は、搬送方向に延在するガイドレール45に沿って往復移動可能に構成され、図示しない駆動手段によって正姿勢用ストッパ41で正姿勢用停止位置に位置決めされている複数のレール10の上方に正姿勢用保持部材43aが臨む受取り位置と、リフター40の上方に正姿勢用保持部材43aが臨む受渡し位置との間を往復移動するよう構成される。また台車44に配設される昇降体43は、図示しない駆動手段によって下降位置と上昇位置との間を上下動するよう構成され、下降位置において移送コンベヤ23上に位置する正姿勢のレール10を磁力吸着するよう構成される。なお、正姿勢用保持部材43aは、正姿勢用ストッパ41で位置決めされている複数(実施例では5本)のレール10を一度に吸着保持し得る寸法に設定されている。
【0053】
前記移送コンベヤ23の下流端部側には、逆姿勢用ストッパ42で位置決めされている正姿勢のレール10を上下反転して、リフター40に移載されている正姿勢のレール10に段積みする前記逆移載装置39が、レール10の長手方向に離間して複数配設されている。逆移載装置39は、図3および図4に示す如く、図示しないフレームに軸46を介して回動自在に配設された反転アーム47と、該反転アーム47の上面に配設されてレール10を磁力吸着する逆姿勢用保持部材47aと、反転アーム47を回動する作動手段(図示せず)とから構成される。作動手段は、逆姿勢用保持部材47aが移送コンベヤ23の載置面より下方に臨む待機位置と、逆姿勢用保持部材47aがリフター40の上方に臨む受渡し位置との間で反転アーム47を往復回転するよう設定され、反転アーム47が待機位置から受渡し位置に向けて回転する途中で、移送コンベヤ23の載置面に載置されて逆姿勢用停止位置に位置決めされている正姿勢のレール10における座部下面を逆姿勢用保持部材47aで吸着保持するようになっている。そして、反転アーム47が受渡し位置まで回転することで、吸着保持したレール10を頭部10bが下向きとなる逆姿勢でリフター40の上方に臨ませ、この状態でレール10の吸着保持を解除することで、逆姿勢のレール10をリフター40上の正姿勢のレール10に段積みし得るよう構成される。なお、逆姿勢用保持部材47aは、逆姿勢用ストッパ42で位置決めされている複数(実施例では4本)のレール10を一度に吸着保持し得る寸法に設定されている。
【0054】
前記移送コンベヤ23より下流側に、レール10が載置される段積部49を昇降動自在に配設した前記リフター40が、レール10の長手方向に所定間隔離間して複数配設されている。リフター40は、正移載装置38および逆移載装置39から段積部49へのレール10の受渡しレベルが常に同一となるように、該段積部49に対するレール10の段積み数等に合わせて下降調節されるよう構成してある。
【0055】
前記リフター40における段積部49の下方には、レール10の長手方向に所定間隔離間して複数の送りローラ50を配設して構成された排出コンベヤ51が配置されている。各送りローラ50は、段積部49と干渉しない位置に臨み、段積部49が送りローラ50の載置面より下方に降下することで、段積部49からレール10が排出コンベヤ51に受渡されるようになっている。そして、各送りローラ50を回転駆動することで、段積みされたレール10が長手方向に搬送されるよう構成される。
【0056】
〔実施例の作用〕
次に、実施例に係るレールの幅寄せ装置を備えた段積み装置の作用につき、幅寄せ方法との関係で説明する。なお、正姿勢の5本のレール10に、4本のレール10を逆姿勢で段積みする場合で説明する。
【0057】
前記搬入コンベヤ15では、複数のレール10が、隣り合うレール10,10における座部10a,10aの側端面を相互に当接した状態で載置されて搬送される。先頭のレール10が所定位置に到来したことを図示しない検出手段が検出すると、前記切分け装置16の切分けストッパ18が載置面から突出し、先頭のレール10が該切分けストッパ18に当接して移動規制される。この状態で、先ず前記第1挟持部材20が載置面から突出することで、先頭から4番目のレール10が載置面から押上げられて、前記規制部材19との間で挟持される。このもとで、切分けストッパ18を載置面から没すると、規制部材19と第1挟持部材20とで挟持されているレール10より下流側に位置する3本のレール10のみが搬入コンベヤ15により下流側に搬送される。レール10の切分け時において、4番目のレール10を第1挟持部材20と規制部材19とで挟持しているから、後続するレール10を介して加わる搬入コンベヤ15の搬送力によって挟持されているレール10の姿勢が乱れるのは防止される。
【0058】
前記搬入コンベヤ15で搬送される3本のレール10は、前記移送コンベヤ23に受渡され、該移送コンベヤ23で下流側に搬送される。前記集合ストッパ24は移送コンベヤ23の載置面から突出しており、移送コンベヤ23で搬送される3本のレール10は、先頭のレール10が集合ストッパ24に当接することで移動規制される。
【0059】
前記切分け装置16では、切分けストッパ18が載置面から再び突出した後、第1挟持部材20が載置面から没することで、該第1挟持部材20と規制部材19とで移動規制されていたレール10および後続のレール10は搬入コンベヤ15により下流側に搬送される。そして、先頭のレール10が切分けストッパ18に当接して移動規制された状態で、前記第2挟持部材21が載置面から突出することで、先頭から3番目のレール10が載置面から押上げられて、前記規制部材19との間で挟持される。このもとで、切分けストッパ18を載置面から没すると、規制部材19と第2挟持部材21とで挟持されているレール10より下流側に位置する2本のレール10のみが搬入コンベヤ15により下流側に搬送される。
【0060】
前記搬入コンベヤ15で搬送される2本のレール10は、前記移送コンベヤ23に受渡され、該移送コンベヤ23で下流側に搬送されて、前記集合ストッパ24により移動規制されている先行の3本のレール10の上流側に集合される。そして、5本のレール10が集合された状態で、集合ストッパ24が載置面から没することで、移動規制されていた5本のレール10が集合状態で前記幅寄せ装置13に向けて搬送される。なお、5本のレール10が集合ストッパ24を通過した後に、該集合ストッパ24は載置面から突出し、次のレール10の集合を待機する。
【0061】
また前記切分け装置16では、先行する5本のレール10の幅寄せ装置13による幅寄せ処理が完了するまでの間に、前記切分けストッパ18と第2挟持部材21とを用いて、2本のレール10を切分ける動作を2回行なうことにより、前記集合ストッパ24で4本のレール10を集合させる処理が行なわれる。
【0062】
前記移送コンベヤ23で搬送される5本のレール10は、載置面から突出している前記幅寄せストッパ25に当接して移動規制される。5本のレール10が移動規制された後、前記第1油圧シリンダ30が付勢されて前記第1幅寄せ部材27は待機位置から作動位置に向けて傾動し、図5(a)に示す如く、前記第1幅寄せ体34の各山形部35の頂部35aが対応するレール10の座部10aに対して下側から当接する。前述したように各山形部35の頂部35aは、座部10aに対してレール10の重心が傾斜面35b側に臨むように、該重心から偏倚した位置に当接して押上げるので、レール10は山形部35により押上げられつつ頂部35aを支点として傾斜面35b側に向けて正方向に傾動し、座部10aが山形部35の傾斜面35bに当接する傾斜姿勢となる。このとき、先頭のレール10、すなわち基準レール10は幅寄せストッパ25に座部10aの側端が当接した状態で傾動し、傾斜姿勢となった後には傾斜面35b上を滑って移動しないのに対し、2番目〜5番目のレール10については、座部10aの側端が下流側の山形部35の規制面35cに当接する位置まで傾斜面35b上を滑って移動し、図5(b)に示すように、基準レール10に対して上流側の4本のレール10の夫々が幅寄せされる。
【0063】
なお、前記第1幅寄せ体34においては、前述したように第1山形部35の規制面35cから幅寄せストッパ25までの離間長さL1は、第1山形部35と第2山形部35との規制面35c,35c間の離間長さL2より短かく設定されているから、前記第1幅寄せ部材27により2番目のレール10は、基準レール10に対して座部10a,10a同士が上下に離間して重なる位置まで幅寄せされる(図5(b)参照)。すなわち、幅寄せストッパ25に近接する側のレール10の座部10aの下側に、離間する側のレール10の座部10aが入り込む位置まで幅寄せされる。但し、第2山形部35〜第4山形部35の各規制面35c,35c間の離間長さL2(=L)は同一とされているから、隣り合うレール10,10は、座部10a,10aが上下に離間して重なる位置までは幅寄せされない。
【0064】
次に、前記第2油圧シリンダ31が付勢されて前記第2幅寄せ部材28は待機位置から作動位置に向けて傾動し、前記第1幅寄せ体34上に支持されている各レール10に対して前記第2幅寄せ体36の対応する山形部35の傾斜面35bが当接する。そして、第2幅寄せ部材28が作動位置に至ると、第1幅寄せ体34の第2山形部35〜第5山形部35上に支持されている各レール10は、対応する第2幅寄せ体36の第2山形部35〜第5山形部35で押上げられる(図5(c)参照)。この状態で、第2幅寄せ体36における第1山形部35〜第4山形部35の各規制面35cは、第1幅寄せ体34の対応する第1山形部35〜第4山形部35の規制面35cより幅寄せストッパ25側に偏倚している。なお、第2幅寄せ体36の各山形部35の頂部35aは、第1幅寄せ体34の各山形部35の傾斜面35b上で傾斜姿勢となっている各レール10の座部10aに対して、レール10の重心が傾斜面35b側に臨むように、該重心から偏倚した位置に傾斜面35bが当接して押上げるので、該レール10が規制面35c側に傾動することはなく、傾斜姿勢は維持される。また、基準レール10については、前記幅寄せストッパ25で移動規制されて幅方向へは移動しないので、当該第2幅寄せ部材28における第1山形部35の傾斜面35bは、作動位置では第1幅寄せ部材27の対応する第1山形部35から基準レール10を押上げない位置に臨むように設定されている。
【0065】
前記第1油圧シリンダ30が逆付勢されて前記第1幅寄せ部材27が作動位置から待機位置に傾動することで、第1幅寄せ体34における各山形部35の規制面35cがレール10における座部10aの側端から離間すると、該レール10は前記第2幅寄せ体36における各山形部35の傾斜面35b上を滑って、座部10aの側端が規制面35cに当接する位置まで移動する(図5(d)参照)。これにより、第1幅寄せ体34から第2幅寄せ体36へレール10が受渡される。なお、第1山形部35の傾斜面35b上の基準レール10は、前記幅寄せストッパ25で幅方向への移動が規制されているから、該基準レール10に対して上流側の各レール10が夫々幅寄せされる。
【0066】
なお、前記第2幅寄せ体36においては、前述したように第1山形部35〜第3山形部35の規制面35c,35c間の離間長さL3を、第1幅寄せ体34の前記離間長さL2(=L)より短かく設定したから、第2幅寄せ部材28により3番目のレール10および4番目のレール10は、夫々2番目のレール10および3番目のレール10に対して座部10a,10a同士が上下に離間して重なる位置まで幅寄せされる。但し、第3山形部35と第4山形部35の規制面35c,35c間の離間長さは、第1幅寄せ体34の前記離間長さL2(=L)と略同一とされ、4番目のレール10に対して5番目のレール10は、座部10a,10aが上下に離間して重なる位置までは幅寄せされない。
【0067】
前記第1幅寄せ部材27が待機位置に戻った後、前記第3油圧シリンダ32が付勢されて前記第3幅寄せ部材29は待機位置から作動位置に向けて傾動し、前記第2幅寄せ体36上に支持されている各レール10に対して前記第3幅寄せ体37の対応する山形部35の傾斜面35cが当接する。そして、第3幅寄せ部材29が作動位置に至ると、第2幅寄せ体36の第3山形部35〜第5山形部35上に支持されている各レール10は、対応する第3幅寄せ体37の第3山形部35〜第5山形部35で押上げられる。この状態で、第3幅寄せ体37における第2山形部35〜第4山形部35の各規制面35cは、第2幅寄せ体36の対応する第2山形部35〜第4山形部35の各規制面35cより幅寄せストッパ25側に偏倚している(図6(a)参照)。なお、第3幅寄せ体37の各山形部35の頂部35aは、第2幅寄せ体36の各山形部35の傾斜面35b上で傾斜姿勢となっている各レール10の座部10aに対して、レール10の重心が傾斜面35b側に臨むように、該重心から偏倚した位置に傾斜面35bが当接して押上げるので、該レール10が規制面35c側に傾動することはなく、傾斜姿勢は維持される。
【0068】
また、第2幅寄せ部材28で支持されている基準レール10および2番目のレール10については、既に座部10a,10aが上下に重なる位置まで幅寄せされているから、当該第3幅寄せ部材29における第1および第2山形部35の傾斜面35bは、作動位置では第2幅寄せ部材28の対応する第1および第2山形部35から基準レール10および2番目のレール10を押上げない位置に臨むように設定されている。すなわち、先に上動した幅寄せ部材に対して次に上動する幅寄せ部材は、既に幅寄せが完了しているレール10以外のレール10を押上げるように、作動位置での各山形部35の高さが設定されていればよい。また同様の理由により、第2幅寄せ部材28における第1山形部35の規制面35cに対して、第3幅寄せ部材29における第1山形部35の規制面35cは幅方向に偏倚しておらず(図6(a)参照)、後述する第2幅寄せ部材28の下動時に2番目のレール10は幅方向に移動することはない。
【0069】
前記第2油圧シリンダ31が逆付勢されて前記第2幅寄せ部材28が作動位置から待機位置に傾動することで、前記第2幅寄せ体36における各山形部35の規制面35cがレール10における座部10aの側端から離間すると、該レール10は前記第3幅寄せ体37における各山形部35の傾斜面35bを滑って、座部10aの側端が規制面35cに当接する位置まで移動する。これにより、第2幅寄せ体36から第3幅寄せ体37へレール10が受渡される。なお、第1山形部35の傾斜面35b上の基準レール10は、前記幅寄せストッパ25で幅方向への移動が規制され、また第2山形部35の傾斜面35b上の2番目のレール10は第1山形部35の規制面35bで幅方向への移動が規制されているから、該基準レール10に対して3番目以降の各レール10の夫々が更に幅寄せされる。
【0070】
なお、前記第3幅寄せ体37においては、前述したように第3山形部35と第4山形部との規制面35c,35c間の離間長さL4を、第1幅寄せ体34の前記離間長さL2(=L)より短かく設定したから、第3幅寄せ部材29により5番目のレール10は、4番目のレール10に対して座部10a,10a同士が上下に離間して重なる位置まで幅寄せされる(図6(b)参照)。
【0071】
前記第3油圧シリンダ32が逆付勢されて前記第3幅寄せ部材29が作動位置から待機位置に傾動する途上において、前記第3幅寄せ体37上で傾斜姿勢に支持されている各レール10は、その座部10aにおける傾斜下端が最初に前記移送コンベヤ23の載置面に当接する。そして、第3幅寄せ部材29が更に傾動することで、各レール10は、傾斜姿勢から座部10aの傾斜下端を支点として傾斜上端側が載置面側に向けて逆方向に傾動し、幅寄せされている隣り合うレール10の座部10a,10a同士が相互に上下に重なった状態で移送コンベヤ23の載置面に載置される(図6(c)参照)。すなわち、隣り合うレール10,10は、幅寄せストッパ25から離間する側のレール10の座部10aに対して、近接する側のレール10の座部10aが上側に載置されるように重なる。
【0072】
前記幅寄せ装置13による幅寄せが完了すると、前記幅寄せストッパ25が載置面から没し、幅寄せ状態のレール10は移送コンベヤ23により下流側に搬送され、載置面から突出している前記正姿勢用ストッパ41に基準レール10が当接することで、当該幅寄せ状態のレール10は正姿勢用停止位置に位置決めされる。この状態で、前記正移載装置38が作動し、昇降体43が上昇位置から下降位置に移動して、正姿勢用保持部材43aで正姿勢用停止位置で位置決めされている5本のレール10の上端を吸着保持し、昇降体43を上昇位置まで移動することで幅寄せ状態の5本のレール10は移送コンベヤ23から持上げられる。次に前記台車44が受取り位置から受渡し位置に移動して昇降体43を前記リフター40における段積部49の上方まで移動した後、該昇降体43を所定位置まで下降してレール10の吸着保持を解除することで、5本の正姿勢のレール10が段積部49に移載される。
【0073】
前記幅寄せ装置13による幅寄せが行なわれている間に前記集合ストッパ24によって集合された4本のレール10は、幅寄せ装置13から幅寄せ後のレール10が搬送された後に、集合ストッパ24が載置面から没することで幅寄せ装置13に搬送される。そして、幅寄せ装置13では、前述した5本のレール10の幅寄せ処理と同様に4本のレール10の幅寄せ処理を行ない、幅寄せされた4本のレール10は、移送コンベヤ23で下流側に搬送される。4本のレール10は、逆姿勢で段積みされるものであるから、載置面から突出している前記逆姿勢用ストッパ42に基準レール10が当接することで、当該幅寄せ状態の4本のレール10は逆姿勢用停止位置に位置決めされる。この状態で、前記逆移載装置39が作動し、前記反転アーム47が待機位置から受渡し位置に向けて回転し、その途中において逆姿勢用保持部材47aが逆姿勢用停止位置に位置決めされている4本のレール10下面(座部10aの下面)を吸着保持し、受渡し位置に至ることでレール10は上下反転した逆姿勢で前記リフター40における段積部49の上方に臨む。
【0074】
前述したように逆姿勢用ストッパ42によるレール10の逆姿勢用停止位置は、逆移載装置39で反転して段積部49の上方に臨ませた各レール10の頭部10bが、既に段積部49に移載されている正姿勢の各レール10,10間に臨むように設定されている。従って、前記反転アーム47が受渡し位置に到来したときにレール10の吸着保持を解除することで、逆姿勢の4本のレール10は、各頭部10bが正姿勢の各レール10,10の間に挿入されるように段積みされる(図7参照)。
【0075】
前記リフター40では、段積部49上で5本のレール10に4本のレール10が段積みされると、該段積部49を下降して前記排出コンベヤ51にレール10を受渡し、段積み状態のレール10は排出コンベヤ51を介して次工程に向けて搬送される。
【0076】
前述したように、実施例の幅寄せ装置13では、複数の幅寄せ部材27,28,29を所定順で傾動させることで、複数のレール10を夫々接触しない状態で幅寄せを行ない、最後の幅寄せ部材29で移送コンベヤ23にレール10を載置したときに、隣り合うレール10,10の座部10a,10aが上下に重なった状態となるので、整った姿勢の幅寄せ状態とし得ると共に、各レール10が傷付くのを抑制し得る。また、段積みされる1段毎のレール10を幅寄せするから、幅寄せされた正姿勢のレール10および逆姿勢となるレール10の夫々の姿勢は乱れておらず、段積みに際して正姿勢のレール10の頭部10bと逆姿勢のレール10の頭部10bとが干渉するのは抑制され、スムーズな段積みを達成し得る。すなわち、段積みに際して手作業によってレール10の姿勢を直す作業は必要なく、作業者の負担を軽減し得る。なお、実施例では、複数の幅寄せ部材27,28,29により複数のレール10を段階的に幅寄せするようにしたから、基準レール10に対して大きく離間しているレール10を一度に大きく移動して幅寄せする場合に比して、レール10の姿勢が乱れるのをより抑制し得る。また、複数のレール10を略均等に幅寄せしてコンパクトに纏めることができ、結束時の荷数を小さくし得る。
【0077】
前記各幅寄せ部材27,28,29に対して幅寄せ体34,36,37は着脱自在に構成してあるから、レール10のサイズや形状、あるいは幅寄せするレール10の数等が変更された場合は、対応するサイズ、形状あるいは数で設定した山形部35が形成された幅寄せ体34,36,37に交換することで対応し得る。また、幅寄せ体34,36,37が損傷等した場合は、該幅寄せ体34,36,37のみを交換して対応することができ、交換時のコストを低廉に抑えることができる。
【0078】
次に、上下2段のレール10を1組として、複数組を段積みする場合は、1組目のレール10が前記リフター40の段積部49に移載されたときに、該リフター40は段積部49を下降し、1組目のレール10における逆姿勢のレール10の座部10aの高さ位置を調節する。この状態で、前述したように幅寄せ装置13により幅寄せされた5本の正姿勢のレール10を、正移載装置38により前記段積部49に載置されている1組目のレール10の上に段積みする(図8参照)。この場合に、1組目のレール10の姿勢は安定しているから、2組目のレール10の段積みに際し、作業者がレール10の乱れを手直しする必要はなく、自動化を図り得る。また段積み装置14では、幅寄せ装置13で1段毎にレール10を幅寄せし、そのレール10を段積み機構17で1段毎にリフター40に移載するから、従来のように段積み後に幅寄せを行なう場合に比べて効率的に作業を行なうことができる。
【0079】
(第1の別実施例)
前述した実施例では、各幅寄せ機構48が複数の幅寄せ部材を用いる幅寄せ装置13に関して説明したが、図9に示すように、各幅寄せ機構48が1つの幅寄せ部材52を備えた幅寄せ装置13によって、複数のレール10の幅寄せを行なう構成を採用し得る。図9に示すように、例えば3本のレール10を幅寄せする場合で説明すれば、幅寄せ部材52に着脱自在に配設される幅寄せ体53に設けられる各山形部35の頂部35aは、前述した実施例の第1幅寄せ体34と同様に、対応するレール10の座部10aに対して、レール10の重心が傾斜面35b側に臨むように、該重心から偏倚した位置に下側から当接するよう設定される。また、基準レール10を支持する第1山形部35の規制面35cから幅寄せストッパ25までの離間長さ、および第1山形部35の規制面35cと第2山形部35の規制面35c,35c間の離間長さの夫々は、図9(b)に示す如く、前記移送コンベヤ23の載置面から幅寄せ体53で押上げた各レール10について、基準レール10の座部10aに対して2番目のレール10の座部10aが上下に離間して重なる位置まで幅寄せされ、2番目のレール10の座部10aに対して3番目のレール10の座部10aが上下に離間して重なる位置まで幅寄せされる値に設定する。
【0080】
前記のように幅寄せ体53の各山形部35を設定することで、図9(a)〜図9(c)に示すように、幅寄せ部材52を油圧シリンダ30によって待機位置と作動位置との間を1回揺動するだけで、移送コンベヤ23上には隣り合うレール10,10が、座部10a,10aを上下に重ねた状態で幅寄せされる。
【0081】
なお、1つの幅寄せ部材52でレール10の幅寄せを行なう場合は、基準レール10に対する他のレール10の離間長さに応じて、対応する山形部35,35の規制面35c,35c間の離間長さを設定することで、全てのレール10について、座部10a,10aが上下に離間して重なる位置まで隣り合うレール10,10を幅寄せすることができる。すなわち、基準レール10に対する他のレール10の離間長さが長くなるに従って、幅寄せする距離が長くなるように、山形部35,35の規制面35c,35c間の離間長さを設定すればよい。なお、第1の別実施例におけるその他の構成は、実施例と同様である。
【0082】
(第2の別実施例)
図10は、幅寄せ装置の第2の別実施例を示す概略説明図であって、前述した実施例とは異なる部分につき説明する。第2の別実施例では、各幅寄せ機構48は、1つの幅寄せ部材54を備えた幅寄せ装置13によって、複数のレール10の幅寄せを行なうよう構成される。この幅寄せ装置13について、図10に示すように、例えば3本のレール10を幅寄せする場合で説明する。幅寄せ部材54に着脱自在に配設される幅寄せ体55に、押上げ部としての山形部35がレール10の幅方向に沿って2つ設けられ、幅寄せストッパ25に近接する側の第1山形部35の頂部35aは、図10(b)に示す如く、幅寄せストッパ25で移動規制されている対応する基準レール10の座部10aに対して、該レール10の重心が傾斜面35b側に臨むように、該重心から偏倚した位置(レール10における重心に対して基準となる一方の端から離間する側に偏倚する位置)に下側から当接するよう設定される。これに対し、幅寄せストッパ25から離間する側の第2山形部35の頂部35aは、図10(d)に示す如く、第2レール10の側端が第1山形部35の規制面35cに当接した状態において、当該第2レール10の座部10aに対して、該レール10の重心が傾斜面35b側に臨むように、該重心から偏倚した位置に下側から当接するよう設定される。なお、第2の別実施例においては、山形部35の傾斜面35bは必須ではなく、レール10を押上げて傾斜姿勢とし得る部分(頂部35a)があればよい。
【0083】
なお、前記幅寄せ体55において、第1山形部35の規制面35cから幅寄せストッパ25までの離間長さL5および第1山形部35と第2山形部35との規制面35c,35c間の離間長さL5は、レール10の座部10aの幅寸法Lより短かく設定される。これにより、基準レール10に対して第2レール10が、第2レール10に対して第3レール10が、夫々座部10a,10a同士が上下に離間して重なる位置まで幅寄せされるように設定される(図10(c),(e)参照)。
【0084】
前記第1山形部35の頂部35aに対して第2山形部35の頂部35aは、第1山形部35で移送コンベヤ23の載置面から基準レール10を押上げた状態で、第2山形部35の頂部35aが載置面から上方に突出しない高さだけ低い位置に臨むように設定されている。そして、前記幅寄せ部材54は、実施例と同様に作動手段としての油圧シリンダ30によって上下動されるよう構成され、第2の別実施例では、第1山形部35で基準レール10を押上げる第1作動位置と、第2山形部35で第2レール10を押上げる第2作動位置とに、油圧シリンダ30で幅寄せ部材54を段階的に上動するよう設定される。
【0085】
第2の別実施例では、前記移送コンベヤ23が幅寄せ手段として機能し、各山形部35で押上げられて傾斜姿勢となっているレール10に対し、上流側(幅寄せストッパ25から離間する側で、座部10aの傾斜上端側)の各レール10を平行に移動して幅寄せするよう構成される。
【0086】
(第2の別実施例の作用)
第2の別実施例に係るレールの幅寄せ装置の作用につき、幅寄せ方法との関係で説明する。第2の別実施例では、図10(a)に示す如く、3本のレール10が幅寄せストッパ25によって移動規制された後、前記油圧シリンダ30が付勢されて前記幅寄せ部材54は待機位置から第1作動位置に向けて傾動し、図10(b)に示す如く、前記幅寄せ体55の第1山形部35の頂部35aが、対応する基準レール10の座部10aに対して下側から当接する。前述したように第1山形部35の頂部35aは、座部10aに対して基準レール10の重心が傾斜面35b側に臨むように、該重心から偏倚した位置に当接して押上げるので、幅寄せストッパ25で一方の側端が移動規制されている基準レール10は、第1山形部35により押上げられることで一方の側端を支点として傾動し、幅寄せストッパ25から離間する側の座部10aが移送コンベヤ23の載置面から上方に離間する傾斜姿勢となる。このとき、第2山形部35の頂部35aは移送コンベヤ23の載置面から上方に突出しておらず、第2レール10は載置面から押上げられていない。
【0087】
次に、前記移送コンベヤ23が作動し、第1山形部35で押上げられることなく載置面に載置されている第2レール10および第3レール10が下流側に搬送され、第2レール10の側端が、第1山形部35の規制面35cに当接したときに停止する。これにより、第2レール10は、図10(c)に示す如く、座部10aが基準レール10の座部10aの下側に臨む位置まで幅寄せされる。
【0088】
前記油圧シリンダ30が付勢されて前記幅寄せ部材54は第1作動位置から第2作動位置に向けて傾動し、図10(d)に示す如く、前記幅寄せ体55の第2山形部35の頂部35aが対応する第2レール10の座部10aに対して下側から当接する。前述したように第2山形部35の頂部35aは、第1山形部35の規制面35cに側端が当接した第2レール10の座部10aに対して、該レール10の重心が傾斜面35b側に臨むように、該重心から偏倚した位置に当接して押上げるよう設定してある。従って、第1山形部35の規制面35cで一方の側端が移動規制されている第2レール10は、第2山形部35により押上げられることで一方の側端を支点として傾動し、基準レール10から離間する側の座部10aが移送コンベヤ23の載置面から上方に離間する傾斜姿勢となる。このとき、基準レール10も第1山形部35により更に押上げられ、第2レール10と当接することはない。
【0089】
前記第2レール10を傾斜姿勢とした後、前記移送コンベヤ23が再び作動し、第1山形部35および第2山形部35で押上げられることなく載置面に載置されている第3レール10のみが下流側に搬送され、第3レール10の側端が、第2山形部35の規制面35cに当接したときに停止する。これにより、第3レール10は、図10(e)に示す如く、座部10aが第2レール10の座部10aの下側に臨む位置まで幅寄せされる。
【0090】
前記油圧シリンダ30が逆付勢されて前記幅寄せ部材54が第2作動位置から待機位置に傾動する途上において、前記幅寄せ体55で傾斜姿勢に支持されている基準レール10および第2レール10の夫々は、座部10aにおける一方の側端を支点として傾斜上端側が載置面側に向けて傾動し、幅寄せされている隣り合うレール10の座部10a,10a同士が相互に上下に重なった状態で移送コンベヤ23の載置面に載置される(図10(f)参照)。すなわち、隣り合うレール10,10は、幅寄せストッパ25から離間する側のレール10の座部10aに対して、近接する側のレール10の座部10aが上側に載置されるように重なる。
【0091】
第2の別実施例に係る幅寄せ装置13においても、隣り合うレール10,10を幅寄せする際にはレール同士が当接することはなく、姿勢が乱れたり傷付くのを抑制することができる。
【0092】
第2の別実施例に係る幅寄せ装置13は、幅寄せストッパ25に近接する側(基準側)のレール10を幅寄せ部材54で押上げて傾斜姿勢とした状態で、幅寄せストッパ25から離間する側に隣り合うレール10を移送コンベヤ23で下流側に搬送する工程を繰り返すことで、複数のレール10を幅寄せするものである。すなわち、幅寄せ体55に設けられる山形部35の数は、幅寄せして纏めるレール10の数より1つ少なく設定されて、最後のレール10を押上げる山形部を省略し得る。なお、各山形部35における頂部35aの関係は、基準側に近接する頂部35aより離間する側の頂部35aが低く、かつ基準側に近接する頂部35aでレール10を押上げた際に、離間する側の頂部35aが移送コンベヤ23の載置面から上方に突出せず、レール10の搬送を許容するように設定されていればよい。
【0093】
(第3の別実施例)
図11は、レールの幅寄せ装置の第3の別実施例を示す概略説明図であって、前述した実施例とは異なる部分につき説明する。第3の別実施例では、各幅寄せ機構48は、複数の幅寄せ部材56,57を備えた幅寄せ装置13によって、複数のレール10の幅寄せを行なうよう構成される。この幅寄せ装置13について、図11に示すように、例えば3本のレール10を幅寄せする場合で説明する。各幅寄せ部材56,57に着脱自在に配設される幅寄せ体58,59に、押上げ部としての山形部35が1つ設けられ、第1幅寄せ部材56の第1幅寄せ体58における山形部35が、基準レール10に対応し、第2幅寄せ部材57の第2幅寄せ体59における山形部35が、第2レール10に対応する。なお、第1幅寄せ部材56と第2幅寄せ部材57とは、実施例と同様にレール10の長手方向に離間して相互に干渉しない位置に配置されると共に、夫々が作動手段としての油圧シリンダ(実施例に合わせて第1油圧シリンダ30および第2油圧シリンダ31と指称する)によって独立して上下動されるよう構成してある。
【0094】
第1幅寄せ体58の山形部35の頂部35aは、図11(a)に示す如く、幅寄せストッパ25で移動規制されている対応する基準レール10の座部10aに対して、該レール10の重心が傾斜面35b側に臨むように、該重心から偏倚した位置(レール10における重心に対して基準となる一方の端から離間する側に偏倚する位置)に下側から当接するよう設定される。これに対し、第2幅寄せ体59の山形部35の頂部35aは、図11(c)に示す如く、第2レール10の側端が第1幅寄せ体58の山形部35の規制面35cに当接した状態において、当該第2レール10の座部10aに対して、該レール10の重心が傾斜面35b側に臨むように、該重心から偏倚した位置に下側から当接するよう設定される。なお、第3の別実施例においては、山形部35の傾斜面35bは必須ではなく、レール10を押上げて傾斜姿勢とし得る部分(頂部35a)があればよい。
【0095】
なお、前記第1幅寄せ体58の山形部35の規制面35cから幅寄せストッパ25までの離間長さL6および第1幅寄せ体58の山形部35と第2幅寄せ体59の山形部35との規制面35c,35c間の離間長さL6は、レール10の座部10aの幅寸法Lより短かく設定される。これにより、基準レール10に対して第2レール10が、第2レール10に対して第3レール10が、夫々座部10a,10a同士が上下に離間して重なる位置まで幅寄せされるように設定される(図11(c),(e)参照)。
【0096】
第3の別実施例では、前記移送コンベヤ23が幅寄せ手段として機能し、各山形部35で押上げられて傾斜姿勢となっているレール10に対し、上流側(幅寄せストッパ25から離間する側で、座部10aの傾斜上端側)の各レール10を平行に移動して幅寄せするよう構成される。
【0097】
(第3の別実施例の作用)
第3の別実施例に係るレールの幅寄せ装置の作用につき、幅寄せ方法との関係で説明する。第3の別実施例では、図11(a)に示す如く、3本のレール10が幅寄せストッパ25によって移動規制された後、前記第1油圧シリンダ30が付勢されて前記第1幅寄せ部材56は待機位置から作動位置に向けて傾動し、図11(b)に示す如く、前記第1幅寄せ体58の山形部35の頂部35aが対応する基準レール10の座部10aに対して下側から当接する。前述したように第1幅寄せ体58の山形部35における頂部35aは、座部10aに対して基準レール10の重心が傾斜面35b側に臨むように、該重心から偏倚した位置に当接して押上げるので、幅寄せストッパ25で一方の側端が移動規制されている基準レール10は、山形部35により押上げられることで一方の側端を支点として傾動し、幅寄せストッパ25から離間する側の座部10aが移送コンベヤ23の載置面から上方に離間する傾斜姿勢となる。
【0098】
次に、前記移送コンベヤ23が作動し、第1幅寄せ体58で押上げられることなく載置面に載置されている第2レール10および第3レール10が下流側に搬送され、第2レール10の側端が、第1幅寄せ体58の山形部35の規制面35cに当接したときに停止する。これにより、第2レール10は、図11(c)に示す如く、座部10aが基準レール10の座部10aの下側に臨む位置まで幅寄せされる。
【0099】
前記第2油圧シリンダ31が付勢されて前記第2幅寄せ部材57が待機位置から作動位置に向けて傾動し、図11(d)に示す如く、前記第2幅寄せ体59の山形部35の頂部35aが対応する第2レール10の座部10aに対して下側から当接する。前述したように第2幅寄せ体59の山形部35の頂部35aは、第1幅寄せ体58の山形部35の規制面35cに側端が当接した第2レール10の座部10aに対して、該レール10の重心が傾斜面35b側に臨むように、該重心から偏倚した位置に当接して押上げるよう設定してある。従って、第1幅寄せ体58の山形部35の規制面35cで一方の側端が移動規制されている第2レール10は、第2幅寄せ体59の山形部35により押上げられることで一方の側端を支点として傾動し、基準レール10から離間する側の座部10aが移送コンベヤ23の載置面から上方に離間する傾斜姿勢となる。
【0100】
前記第2レール10を傾斜姿勢とした後、前記移送コンベヤ23が再び作動し、第1幅寄せ体58および第2幅寄せ体59で押上げられることなく載置面に載置されている第3レール10のみが下流側に搬送され、第3レール10の側端が、第2幅寄せ体59の山形部35の規制面35cに当接したときに停止する。これにより、第3レール10は、図11(e)に示す如く、座部10aが第2レール10の座部10aの下側に臨む位置まで幅寄せされる。
【0101】
前記第1油圧シリンダ30および第2油圧シリンダ31が夫々逆付勢されて、前記第1幅寄せ部材56および第2幅寄せ部材57の夫々が作動位置から待機位置に傾動する途上において、前記第1幅寄せ体58および第2幅寄せ体59で傾斜姿勢に支持されている基準レール10および第2レール10の夫々は、座部10aにおける一方の側端を支点として傾斜上端側が載置面側に向けて傾動し、幅寄せされている隣り合うレール10の座部10a,10a同士が相互に上下に重なった状態で移送コンベヤ23の載置面に載置される(図11(f)参照)。すなわち、隣り合うレール10,10は、幅寄せストッパ25から離間する側のレール10の座部10aに対して、近接する側のレール10の座部10aが上側に載置されるように重なる。
【0102】
第3の別実施例に係る幅寄せ装置13においても、隣り合うレール10,10を幅寄せする際にはレール同士が当接することはなく、姿勢が乱れたり傷付くのを抑制することができる。
【0103】
第3の別実施例に係る幅寄せ装置13は、幅寄せストッパ25に近接する側(基準側)のレール10を対応する幅寄せ部材56,57で押上げて傾斜姿勢とした状態で、幅寄せストッパ25から離間する側に隣り合うレール10を移送コンベヤ23で下流側に搬送する工程を繰り返すことで、複数のレール10を幅寄せするものである。すなわち、幅寄せ部材の数は、幅寄せして纏めるレール10の数より1つ少なく設定されて、最後のレール10を押上げる幅寄せ部材を省略し得る。
【0104】
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
1. 実施例または第1の別実施例では、3つまたは1つの幅寄せ部材を用いた場合で説明したが、幅寄せ部材は2つあるいは4つ以上であってもよい。また第2の別実施例においては、1つの幅寄せ部材に、幅寄せして纏めるレールの数より1つ少ない数の山形部が設けられていればよい。更に、第3の別実施例においては、幅寄せして纏めるレールの数より1つ少ない数の幅寄せ部材があればよい。
2. 実施例では幅寄せ部材を傾動して待機位置と作動位置とに位置決めするよう構成したが、該幅寄せ部材を直線的に上下動する構成を採用し得る。
3. 実施例では、幅寄せ部材の作動手段として油圧シリンダを挙げたが、該作動手段はこれに限定されるものではなく、モータとリンク機構を組合わせたもの、その他幅寄せ部材を上下動させ得るものであれば、公知の各種手段を採用し得る。
4. 実施例では、幅方向の移動が規制されている基準レールに対して他のレールを幅寄せする場合で説明したが、基準レールを設定することなく、全てのレールを幅方向に移動させて幅寄せすることも可能である。この場合は、幅方向に並んでいる複数のレールにおいて、一端に位置するレールから他端に位置にするレールの順で、幅寄せ部材により押上げられた際に傾斜面に沿って移動する量が徐々に大きくなるよう設定することで、隣り合うレールを座部同士が上下に離間して重なる位置まで幅寄せすることができる。
5. 実施例では幅寄せ装置が備える全ての幅寄せ部材を用いてレールの幅寄せを行なう場合で説明したが、レールの数、サイズ、形状等の各種条件に応じた複数の幅寄せ部材を配設しておき、各条件に応じた幅寄せ部材の組合わせを選択して、必要な幅寄せ部材のみを用いてレールを幅寄せする方法および構成を採用し得る。この場合は、レールの各種条件の変更に際して幅寄せ部材に対して幅寄せ体を交換する手間を省くことができる。
6. 実施例では、先に上動した幅寄せ部材の幅寄せ体で支持されているレールを、次に上動した幅寄せ部材の幅寄せ体で押上げた後、先に上動した幅寄せ部材を下動することでレールの受渡しを行なう場合で説明したが、これに限定されるものではない。例えば、先に上動した幅寄せ部材の幅寄せ体における山形部の頂部より上方に、次の幅寄せ部材の幅寄せ体における山形部の傾斜面が臨む位置まで該幅寄せ部材を上動するよう設定することで、先に上動した幅寄せ部材で支持されているレールを、次に上動する幅寄せ部材で押上げつつ受取る工程を繰り返し、最後に全ての幅寄せ部材を下動するようにしてもよい。また、先に上動した幅寄せ部材の幅寄せ体における山形部の傾斜面に対し、次に上動する幅寄せ部材の幅寄せ体における山形部の傾斜面が下方に位置するよう設定し、先に上動した幅寄せ部材を下動することでレールを次の幅寄せ部材に受渡すようにしてもよい。
7. 各幅寄せ体における山形部の規制面間の離間長さは、実施例に限定されるものではなく、複数のレールにおける座部同士が上下に重なり合った最終的な状態となるように、任意に設定すればよい。
8. 第2および第3の別実施例において、幅寄せ手段として移送コンベヤを用いた場合で説明したが、幅寄せ手段はこれに限定されるものでなく、別途設けたプッシャー等の押送装置によってレールを載置面に沿って移動させるものであってもよい。
9. 実施例では、幅寄せの対象となる形鋼として、座部の幅方向中央から柱部および頭部が延出する形状のレールを挙げたが、形鋼の形状としてはこれに限定されるものではなく、座部の幅方向一端あるいは中央から偏倚した位置から柱部や頭部が延出する形状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】実施例に係る段積み装置の全体構成を示す概略平面図である。
【図2】実施例に係る段積み装置の要部を示す概略平面図である。
【図3】実施例に係る段積み装置の要部を示す概略側面図である。
【図4】実施例に係る幅寄せ装置の幅寄せ機構を示す概略側面図である。
【図5】実施例に係る幅寄せ装置によるレールの幅寄せ工程を示す説明図であって、(a)は移送コンベヤの載置面に載置されているレールの座部に対して第1幅寄せ体における山形部の頂部が当接した状態を示し、(b)は第1幅寄せ体上にレールが支持されて傾斜姿勢となった状態を示し、(c)は第1幅寄せ体から第2幅寄せ体でレールを押上げた状態を示し、(d)は第1幅寄せ体が下動してレールが第2幅寄せ体上に支持された状態を示す。
【図6】実施例に係る幅寄せ装置によるレールの幅寄せ工程を示す説明図であって、(a)は第2幅寄せ体から第3幅寄せ体でレールを押上げた状態を示し、(b)は第2幅寄せ体が下動してレールが第3幅寄せ体上に支持された状態を示し、(c)は第3幅寄せ体が下動して幅寄せされたレールが移送コンベヤの載置面に載置された状態を示す。
【図7】実施例に係る段積み機構により正姿勢のレールに対して逆姿勢のレールを段積みする状態を示す説明図である。
【図8】実施例に係る段積み機構により1組目のレールに2組目のレールを段積みした態を示す説明図である。
【図9】第1の別実施例に係る幅寄せ装置によるレールの幅寄せ工程を示す説明図であって、(a)は移送コンベヤの載置面に載置されているレールの座部の下方に幅寄せ体における山形部の頂部が臨んでいる状態を示し、(b)は幅寄せ体上にレールが支持されて傾斜姿勢となった状態を示し、(c)は幅寄せ体が下動して幅寄せされたレールが移送コンベヤの載置面に載置された状態を示す。
【図10】第2の別実施例に係る幅寄せ装置によるレールの幅寄せ工程を示す説明図であって、(a)は基準レールが幅寄せストッパに当接して移動規制された状態を示し、(b)は基準レールを第1山形部で押上げて傾斜姿勢とした状態を示し、(c)は第2レールの側端が第1山形部の規制面に当接した状態を示し、(d)は第2レールを第2山形部で押上げて傾斜姿勢とした状態を示し、(e)は第3レールの側端が第2山形部の規制面に当接した状態を示し、(f)は幅寄せ体が下動して幅寄せされたレールが移送コンベヤの載置面に載置された状態を示す。
【図11】第3の別実施例に係る幅寄せ装置によるレールの幅寄せ工程を示す説明図であって、(a)は基準レールが幅寄せストッパに当接して移動規制された状態を示し、(b)は基準レールを第1幅寄せ体の山形部で押上げて傾斜姿勢とした状態を示し、(c)は第2レールの側端が第1幅寄せ体の山形部の規制面に当接した状態を示し、(d)は第2レールを第2幅寄せ体の山形部で押上げて傾斜姿勢とした状態を示し、(e)は第3レールの側端が第2幅寄せ体の山形部の規制面に当接した状態を示し、(f)は全ての幅寄せ体が下動して幅寄せされたレールが移送コンベヤの載置面に載置された状態を示す。
【図12】従来の技術に係る幅寄せ方法の工程を示す説明図である。
【符号の説明】
【0106】
10 レール(形鋼),10a 座部,10b 頭部(延出部),10c 柱部(延出部)
15 搬入コンベヤ(供給手段),16 切分け装置,18 切分けストッパ
19 規制部材,20 第1挟持部材(挟持部材),21 第2挟持部材(挟持部材)
23 移送コンベヤ(支持手段,供給手段,幅寄せ手段)
25 幅寄せストッパ(規制手段),27 第1幅寄せ部材(幅寄せ部材)
28 第2幅寄せ部材(幅寄せ部材),29 第3幅寄せ部材(幅寄せ部材)
30 第1油圧シリンダ(作動手段),31 第2油圧シリンダ(作動手段)
32 第3油圧シリンダ(作動手段),35 山形部(押上げ部),35a 頂部
35b 傾斜面(幅寄せ手段),35c 規制面,38 正移載装置,39 逆移載装置
40 リフター,43a 正姿勢用保持部材,47a 逆姿勢用保持部材
52 幅寄せ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の座部(10a)の一面から延出部(10b,10c)が延出する複数の形鋼(10)を、延出部(10b,10c)が上方を向く姿勢で支持手段(23)の載置面に並列に載置し、
前記支持手段(23)に載置されている形鋼(10)に対し、形鋼(10)の重心から偏倚する位置に押上げ部(35)を下側から当接して押上げることで該形鋼(10)を傾斜姿勢とし、
傾斜姿勢とした形鋼(10)における座部(10a)の傾斜上端側に隣り合う形鋼(10)を、座部(10a)が傾斜姿勢の形鋼(10)における座部(10a)の下側に臨む位置まで幅寄せ手段(23,35b)で傾斜姿勢とした形鋼(10)に幅寄せし、
前記押上げ部(35)を支持手段(23)の載置面より下方まで下動することで、各形鋼(10)が載置面上で傾動して隣り合う形鋼(10,10)の座部(10a,10a)が上下に重なりあった状態となるようにした
ことを特徴とする形鋼の幅寄せ方法。
【請求項2】
前記傾斜姿勢とした形鋼(10)に隣り合う形鋼(10)は、前記幅寄せ手段(23)によって支持手段(23)の載置面に沿って移動されて幅寄せされる請求項1記載の形鋼の幅寄せ方法。
【請求項3】
平板状の座部(10a)の一面から延出部(10b,10c)が延出する複数の形鋼(10)を、延出部(10b,10c)が上方を向く姿勢で支持手段(23)の載置面に並列に載置し、
頂部(35a)から形鋼(10)の並列方向の一方に向けて下方傾斜する傾斜面(35b)を有する押上げ部(35)が形鋼(10)の並列方向に沿って複数設けられた幅寄せ部材(52)を、前記支持手段(23)の載置面の下方から上動し、
前記載置面より上方へ移動する押上げ部(35)により、対応する形鋼(10)の重心が当該押上げ部(35)の傾斜面(35b)側に臨む位置に前記頂部(35a)を下側から当接させて押上げることで、該形鋼(10)を傾斜面(35b)側へ傾動させると共に傾斜面(35b)に沿って滑らせて、形鋼(10)を、並列方向の一方に隣り合う形鋼(10)の座部(10a)下側に座部(10a)が臨む位置まで幅寄せし、
前記幅寄せ部材(52)を下動して押上げ部(35)を前記支持手段(23)の載置面より下方に移動して各押上げ部(35)の傾斜面(35b)で支持されている形鋼(10)を支持手段(23)に移載することで、各形鋼(10)が載置面上で傾動して隣り合う形鋼(10,10)の座部(10a,10a)が上下に重なりあった状態となるようにした
ことを特徴とする形鋼の幅寄せ方法。
【請求項4】
平板状の座部(10a)の一面から延出部(10b,10c)が延出する複数の形鋼(10)を、延出部(10b,10c)が上方を向く姿勢で支持手段(23)の載置面に並列に載置し、
頂部(35a)から形鋼(10)の並列方向の一方に向けて下方傾斜する傾斜面(35b)を有する押上げ部(35)が形鋼(10)の並列方向に沿って複数設けられた複数の幅寄せ部材(52)を、前記支持手段(23)の載置面の下方から1つずつ順に上動し、
最初に上動する幅寄せ部材(27)の前記載置面より上方へ移動する押上げ部(35)により、対応する形鋼(10)の重心が当該押上げ部(35)の傾斜面(35b)側に臨む位置に前記頂部(35a)を下側から当接して押上げることで、該形鋼(10)を傾斜面(35b)側へ傾動させると共に傾斜面(35b)に沿って滑らせて、形鋼(10)を、並列方向の一方に隣り合う形鋼(10)に幅寄せし、
以後は、先に上動された幅寄せ部材(27,28)に支持されて傾斜姿勢となっている各形鋼(10)を、次に上動された幅寄せ部材(28,29)の各押上げ部(35)の傾斜面(35b)に受渡すことで、形鋼(10)を次の幅寄せ部材(28,29)の傾斜面(35b)に沿って滑べらせて隣り合う形鋼(10,10)を更に幅寄せする動作を、幅寄せ部材(27,28,29)の数だけ繰返して、各形鋼(10)を、並列方向の一方に隣り合う形鋼(10)の座部(10a)下側に座部(10a)が臨むように幅寄せし、
上動した幅寄せ部材(29)を下動して押上げ部(35)を前記支持手段(23)の載置面より下方に移動して各押上げ部(35)の傾斜面(35b)で支持されている形鋼(10)を支持手段(23)に移載することで、各形鋼(10)が載置面上で傾動して隣り合う形鋼(10,10)の座部(10a,10a)が上下に重なりあった状態となるようにした
ことを特徴とする形鋼の幅寄せ方法。
【請求項5】
先に上動された幅寄せ部材(27,28)から次に上動された幅寄せ部材(28,29)への形鋼(10)の受渡しは、先に上動された幅寄せ部材(27,28)で支持されている各形鋼(10)を、次に上動された幅寄せ部材(28,29)の各押上げ部(35)の傾斜面(35b)で押上げた後、先に上動されていた幅寄せ部材(27,28)を下動することで行なわれる請求項4記載の形鋼の幅寄せ方法。
【請求項6】
前記支持手段(23)に並列に載置されている複数の形鋼(10)における一方の端に位置する形鋼(10)の並列方向一方への移動を規制するようにした請求項1〜5の何れか一項に記載の形鋼の幅寄せ方法。
【請求項7】
平板状の座部(10a)の一面から延出部(10b,10c)が延出する複数の形鋼(10)が、延出部(10b,10c)を上方へ向けた姿勢で載置面に並列に載置される支持手段(23)と、
前記形鋼(10)の並列方向に沿って複数設けられて上下動に際して前記支持手段(23)の載置面の下方と上方との間を移動し、上動に際して対応する形鋼(10)の重心から偏倚する位置の座部(10a)に下側から当接して押上げて該形鋼(10)を傾斜姿勢とする押上げ部(35)と、
前記押上げ部(35)を上下動する作動手段(30,31)と、
前記押上げ部(35)により傾斜姿勢とされた形鋼(10)における座部(10a)の傾斜上端側に隣り合う形鋼(10)を、座部(10a)が傾斜姿勢の形鋼(10)における座部(10a)の下側に臨む位置まで傾斜姿勢とした形鋼(10)に幅寄せする幅寄せ手段(23,35b)とを備える
ことを特徴とする形鋼の幅寄せ装置。
【請求項8】
前記幅寄せ手段(23)は、前記傾斜姿勢とされた形鋼(10)に対して、隣り合う形鋼(10)を支持手段(23)の載置面に沿って移動して幅寄せするよう構成した請求項7記載の形鋼の幅寄せ装置。
【請求項9】
平板状の座部(10a)の一面から延出部(10b,10c)が延出する複数の形鋼(10)が、延出部(10b,10c)を上方へ向けた姿勢で載置面に並列に載置される支持手段(23)と、
前記支持手段(23)の載置面より下方に配設されて上下動可能な幅寄せ部材(52)と、
前記幅寄せ部材(52)を上下動する作動手段(30)と、
前記幅寄せ部材(52)に形鋼(10)の並列方向に沿って複数設けられて該幅寄せ部材(52)の上下動に際して前記支持手段(23)の載置面の下方と上方との間を移動し、頂部(35a)から形鋼(10)の並列方向の一方に向けて下方傾斜する傾斜面(35b)を有する押上げ部(35)とを備え、
前記各押上げ部(35)の頂部(35a)は、幅寄せ部材(52)の上動に際に、前記支持手段(23)の載置面に載置されている対応する形鋼(10)の座部(10a)に対して、形鋼(10)の重心が当該押上げ部(35)の傾斜面(35b)側に臨む位置に下側から当接して押上げるよう設定され、
前記各押上げ部(35)には、隣り合う一方の押上げ部(35)の傾斜面(35b)の傾斜下端に連設されて、該傾斜面(35b)を滑る形鋼(10)の移動を規制する規制面(35c)が形成されると共に、隣り合う押上げ部(35)の規制面(35c,35c)間の離間長さは、形鋼(10)の座部(10a)の幅寸法より短かく設定されている
ことを特徴とする形鋼の幅寄せ装置。
【請求項10】
前記支持手段(23)に並列に載置されている複数の形鋼(10)における一方の端に位置する形鋼(10)の並列方向一方への移動を規制する規制手段(25)を備える請求項7〜9の何れか一項に記載の形鋼の幅寄せ装置。
【請求項11】
平板状の座部(10a)の一面から延出部(10b,10c)が延出する複数の形鋼(10)が、延出部(10b,10c)を上方へ向けた姿勢で載置面に並列に載置される支持手段(23)と、
前記支持手段(23)の載置面より下方に配設されて上下動可能な複数の幅寄せ部材(27,28,29)と、
前記幅寄せ部材(27,28,29)を夫々独立して上下動する作動手段(30,31,32)と、
前記各幅寄せ部材(27,28,29)に形鋼(10)の並列方向に沿って複数設けられて該幅寄せ部材(27,28,29)の上下動に際して前記支持手段(23)の載置面の下方と上方との間を移動し、頂部(35a)から形鋼(10)の並列方向の一方に向けて下方傾斜する傾斜面(35b)を有する押上げ部(35)とを備え、
前記各押上げ部(35)の頂部(35a)は、幅寄せ部材(27,28,29)の上動に際し、支持手段(23)の載置面または既に上動している幅寄せ部材(27,28)に支持されている対応する形鋼(10)の座部(10a)に対して、形鋼(10a)の重心が当該押上げ部(35)の傾斜面(35b)側に臨む位置に下側から当接するよう設定され、
前記各押上げ部(35)には、隣り合う一方の押上げ部(35)の傾斜面(35b)の傾斜下端に連設されて、該傾斜面(35b)を滑る形鋼(10)の移動を規制する規制面(35c)が形成されると共に、隣り合う押上げ部(35)の規制面(35c,35c)間の離間長さは、形鋼(10)の座部(10a)の幅寸法より短かく設定され、
複数の幅寄せ部材(27,28,29)は、先に上動した幅寄せ部材(27,28)の各押上げ部(35)の規制面(35c)より傾斜面(35b)側に、次に上動する幅寄せ部材(28,29)の対応する押上げ部(35)の規制面(35c)が偏倚するよう設定されている
ことを特徴とする形鋼の幅寄せ装置。
【請求項12】
前記支持手段(23)に並列に載置されている複数の形鋼(10)における一方の端に位置する基準となる形鋼(10)の並列方向一方への移動を規制する規制手段(25)を備えると共に、先に上動した幅寄せ部材(27,28)の規制面(35c)と次に上動した幅寄せ部材(28,29)の規制面(35c)との偏倚量は、基準となる形鋼(10)が支持されている押上げ部(35)から離間するにつれて大きくなるよう設定されている請求項11記載の形鋼の幅寄せ装置。
【請求項13】
請求項7〜12の何れか一項に記載の形鋼の幅寄せ装置を備えた段積み装置であって、
前記幅寄せ装置(13)で幅寄せされて前記支持手段(23)に載置されている複数の形鋼(10)を上方から保持可能な正姿勢用保持部材(43a)を備え、該正姿勢用保持部材(43a)に保持した正姿勢の形鋼(10)をリフター(40)に移載する正移載装置(38)と、
前記幅寄せ装置(13)で幅寄せされて前記支持手段(23)に載置され、前記正移載装置(38)でリフター(40)に移載された形鋼(10)の数より1本少ない数の形鋼(10)を下方から保持可能な逆姿勢用保持部材(47a)を回動自在に備え、該逆姿勢用保持部材(47a)に保持した正姿勢の形鋼(10)を該逆姿勢用保持部材(47a)を回動することで上下反転した逆姿勢として、前記リフター(40)に既に移載されている正姿勢の形鋼(10)に段積みする逆移載装置(39)とを備え、
前記リフター(40)は、段積みされる形鋼(10)の段数に応じて高さ位置が調節されるよう構成した
ことを特徴とする形鋼の段積み装置。
【請求項14】
前記形鋼(10)を並列状態で搬送して前記幅寄せ装置(13)に供給する供給手段(15,23)を備え、前記幅寄せ装置(13)より搬送方向の上流側に、予め定めた設定数の形鋼(10)を切分ける切分け装置(16)が配設され、
前記切分け装置(16)は、
前記供給手段(15,23)で搬送される先頭の形鋼(10)の移動規制が可能な切分けストッパ(18)と、
前記先頭の形鋼(10)から数えて設定数の次の形鋼(10)を上下で挟持する挟持解除可能な規制部材(19)および挟持部材(20,21)とを備え、
前記規制部材(19)と挟持部材(20,21)とで形鋼(10)を挟持した状態で、前記切分けストッパ(18)による形鋼(10)の移動規制を解除することで、前記供給手段(15,23)によって設定数の形鋼(10)のみが幅寄せ装置(13)に向けて供給されるよう構成した請求項13記載の形鋼の段積み装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−84030(P2009−84030A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−259031(P2007−259031)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(000149505)大同マシナリー株式会社 (27)
【Fターム(参考)】