説明

心拍呼吸計測機能付き体重計

【課題】本発明は、体重測定による健康管理において、さらに心拍数及び呼吸数による健康管理ができる。新生児や乳児などでの健康管理で体重の測定をするために体重計で、同時に心拍数及び呼吸数の計測ができる心拍呼吸計測機能付き体重計の提供を目的とする。
【解決手段】上記目的を達成するために本発明の心拍呼吸計測機能付き体重計は、体重計に生体の体動を検出し体動信号を出力する体動センサと、体動信号から生体の心拍による心拍信号を抽出する心拍フィルタ手段と、体動信号から生体の呼吸による呼吸信号を抽出する呼吸フィルタ手段と、心拍信号を基に心拍数を算出する心拍数演算手段と、呼吸信号を基に呼吸数を算出する呼吸数演算手段と、心拍と呼吸数を表示する表示手段を有することを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体の心拍および呼吸の計測機能を付加した体重計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人や動物などの生体の体重を測定するためには、体重計が使用され、さらに心拍を計測するには心電計などがあり、呼吸を計測するには呼吸計などが使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
体重および心拍数と呼吸数を計測するには、別々の装置で計測しなければならないので不便である。
【0004】
そこで本発明は、体重計で体重の測定することと同時に、心拍および呼吸を計測して心拍数および呼吸数を表示する心拍呼吸計測機能付き体重計の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明の心拍呼吸計測機能付き体重計は、生体の体重を量る体重計において、前記生体の体動を検出し体動信号を出力する体動センサと、前記体動信号から前記生体の心拍による心拍信号を抽出する心拍フィルタ手段と、前記体動信号から前記生体の呼吸による呼吸信号を抽出する呼吸フィルタ手段と、前記心拍信号を基に心拍数を算出する心拍数演算手段と、前記呼吸信号を基に呼吸数を算出する呼吸数演算手段と、前記心拍数および前記呼吸数を表示する表示手段を有することを特徴としている。
【0006】
前記体動センサは、高分子圧電体であるポリフッ化ビニリデンの薄膜であることを特徴としている。
【0007】
さらに、前記体重計で前記生体の体重の検出があることのもとに、前記心拍信号および前記呼吸信号の一方が消滅することで、警報音を発することおよび、公衆通信回線を通して遠隔地へ通報することの緊急通報手段を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によって、体重測定による健康管理において、さらに心拍数および呼吸数による健康管理ができる。新生児や乳児などでの健康管理で体重の測定をするために体重計にのせることと、同時に心拍数および呼吸数の計測ができるので有効である。また、ベッドなどで体重の計測が継続的に行なわれる状態で、心拍数および呼吸数の監視により緊急の事態が感知できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の心拍呼吸計測機能付き体重計を、図面を基に説明する。図1は実施例における体重計とセンサの構成概要を示す図である。人および動物などの生体の心拍および呼吸による体動を検出する体動センサ20は、体重を量る体重計10と重なり接する状態の一体な構造であるが、またはベッドの脚にロードセルなどによる荷重センサ10を施し体重を量ると共に、寝具の下に体動センサ20を分離して設置することも、体重と体動を同時に量り計測ことの基本は同じである。体重計10に体動センサ20を設置する位置関係は、重力の方向に対しての上下関係をどちらでもよいとする。また、体重計10で体重を測定する場合は、基本的には身体を静止させているので、体動は、少なくとも心拍および呼吸の体動だけになる。体動センサ20は、心拍および呼吸による体動を計測するために、フィルム状のポリフッ化ビニリデン(PVDF)で作られた圧電センサである。
【0010】
図2は、実施例における心拍と呼吸の計測概要を示すブロック図である。心拍および呼吸による体動を体動センサ100で検出し体動信号として出力する。また、体重は、体重計200で量り、その体重計200の体重計表示器700で表示する。心拍フィルタ手段300は、体動信号から心拍信号を抽出するために、体動信号を体動信号A/D変換部310でアナログ信号からデジダル信号へと数量化をする。このデジタル信号に変換された体動信号は、心拍フィルタ演算CPU部320で演算によるフィルタ処理により選別され心拍信号として出力される。呼吸フィルタ手段400は、体動信号から呼吸信号を抽出するために、体動信号を体動信号A/D変換部410でアナログ信号からデジダル信号へと数量化をする。このデジタル信号に変換された体動信号は、呼吸フィルタ演算CPU部420で演算によるフィルタ処理により選別され呼吸信号として出力される。
【0011】
心拍数演算手段500の心拍数演算CPU部510は、心拍信号から1分間当たりの心拍数を算出の演算をする。呼吸数演算手段600の呼吸数演算CPU部610は、呼吸信号から1分間当たりの呼吸数を算出の演算をする。表示手段800の表示制御CPU部810は、心拍数演算手段500および呼吸数演算手段600で算出された心拍数と呼吸数を基に、表示器820を制御して表示する。
【0012】
図3は、実施例における全体構成の概要を示すブロック図である。A/D変換機能を搭載した計測CPU(中央演算処理装置)30で構成する。体動センサ100からの体動信号は、計測CPU30の体動信号A/D変換部31でアナログ信号からデジダル信号へと数量化されて体動信号データとする。数量化された体動信号データから、心拍フィルタ手段40の心拍フィルタ用演算ソフトウエア41の演算処理によって、心拍信号データが抽出される。心拍信号データは、心拍数演算手段50の心拍数用演算ソフトウエア51で1分間当たりの心拍数データが算出される。数量化された体動信号データから、呼吸フィルタ手段60の呼吸フィルタ用演算ソフトウエア61の演算処理によって、呼吸信号データが抽出される。呼吸信号データは、呼吸数演算手段52の呼吸数用演算ソフトウエア53で1分間当たりの呼吸数データが算出される。また、体重計200の荷重センサ210からの体重信号は、計測CPU30の体重信号A/D変換部32でアナログ信号からデジダル信号へと数量化されて体重信号データとする。体重信号データから、体重演算手段54の体重用演算ソフトウエア55で体重値データが算出される。表示手段70の表示用制御ソフトウエア71は、心拍数データ、呼吸数データ、体重値データを基に、表示器72へ表示することの制御をする。
【0013】
また病の人がベッドなどに長く留まる状態においては、体重管理が困難となるので、連続して体重を量る荷重センサ210を設置すると共に、体動センサ100を設置しておけば、緊急事態に対応できる。緊急通報手段80の緊急通報用制御ソフトウエア81は、体重計で体重の検出した体重信号データがあるもとに、心拍信号データおよび呼吸信号データのいずれかが消滅すると、緊急の事態が生じたと判断して、ブザー82から警報音を発する。必要とするならば、公衆通信回線83を通して遠隔地へと通報する。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明の心拍呼吸計測機能付き体重計は、日常、体重計で体重を量ることにおいて、心拍数、呼吸数を同時に計測できることで健康管理に有効である。さらに、病人などがベッドで体重と心拍数、呼吸数を常に量れる状態に設置すれば、緊急の事態が感知できる。また人に限らず、犬や猫などと動物も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】は、実施例における体重計とセンサの構成概要を示す図である。
【図2】は、実施例における心拍と呼吸の計測概要を示すブロック図である。
【図3】は、実施例における全体構成の概要を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0016】
10 体重計 (荷重センサ)
20 体動センサ
30 計測CPU (A/D変換機能を搭載した中央演算処理装置)
31 体動信号A/D変換部
32 体重信号A/D変換部
40 心拍フィルタ手段
41 心拍フィルタ用演算ソフトウエア
50 心拍数演算手段
51 心拍数用演算ソフトウエア
52 呼吸数演算手段
53 呼吸数用演算ソフトウエア
54 体重演算手段
55 体重用演算ソフトウエア
60 呼吸フィルタ手段
61 呼吸フィルタ用演算ソフトウエア
70 表示手段
71 表示用制御ソフトウエア
72 表示器
80 緊急通報手段
81 緊急通報用制御ソフトウエア
82 ブザー
83 公衆通信回線
100 体動センサ
200 体重計
210 荷重センサ
300 心拍フィルタ手段
310 体動信号A/D変換部
320 心拍フィルタ演算CPU部
400 呼吸フィルタ手段
410 体動信号A/D変換部
420 呼吸フィルタ演算CPU部
500 心拍数演算手段
510 心拍数演算CPU部
600 呼吸数演算手段
610 呼吸数演算CPU部
700 体重計表示器
800 表示手段
810 表示制御CPU部
820 表示器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の体重を量る体重計において、前記生体の体動を検出し体動信号を出力する体動センサと、前記体動信号から前記生体の心拍による心拍信号を抽出する心拍フィルタ手段と、前記体動信号から前記生体の呼吸による呼吸信号を抽出する呼吸フィルタ手段と、前記心拍信号を基に心拍数を算出する心拍数演算手段と、前記呼吸信号を基に呼吸数を算出する呼吸数演算手段と、前記心拍数および前記呼吸数を表示する表示手段を有する心拍呼吸計測機能付き体重計。
【請求項2】
前記体動センサは、高分子圧電体であるポリフッ化ビニリデンの薄膜であることを特徴とする請求項1記載の心拍呼吸計測機能付き体重計。
【請求項3】
請求項1記載の心拍呼吸計測機能付き体重計において、さらに、前記体重計で前記生体の体重の検出があることのもとに、前記心拍信号および前記呼吸信号の一方が消滅することで、警報音を発することおよび、公衆通信回線を通して遠隔地へ通報することの緊急通報手段を有する心拍呼吸計測機能付き体重計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−283071(P2007−283071A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−138280(P2006−138280)
【出願日】平成18年4月17日(2006.4.17)
【出願人】(591143294)
【Fターム(参考)】