説明

情報コンテンツの配信装置及び配信方法

【課題】情報コンテンツを保護し配信するためのシステム及び技術を提供する。
【解決手段】ユーザへの情報コンテンツの配信を含むトランザクションを行う際に使用するためのユーザアカウントを開始した場合にデジタル権利管理(DRM)情報が生成され、ユーザ情報と関連して格納される。DRM情報により保護されている情報コンテンツの再生ができるように、適切な再生装置がDRM情報にアクセスすることができるような方法で、DRM情報のコピーがユーザに提供されるかまたはユーザがアクセスすることができるようになる。情報コンテンツを受信するためにユーザがトランザクションに入った場合に、ユーザに関連するDRM情報を使用して、ユーザに配信する前に情報コンテンツを保護する。ユーザが情報コンテンツを再生したい場合には、情報コンテンツの再生を行うことができるようにユーザのDRM情報を格納している着脱可能なメディア装置を提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、映像及び音楽などの情報コンテンツを分配するための技術及びシステムに関する。特に、本発明は、セキュアメディア内に格納するために情報利用者(以下、「ユーザ」という)にデジタル権利管理情報を配信するための装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エンターテイメント等の情報コンテンツは、それを配信することができる任意の種類の物理的なメディアからますます関係が薄くなってきている。エンターテイメントの現代の情報利用者は、エンターテイメント情報コンテンツを再生することができる多くのデバイスを有し、情報コンテンツを様々な方法でこれらのデバイスに配信することができる。例えば、ユーザのコンピュータは、DVDから、メモリカードのような着脱可能なメディアから、ユーザのハードドライブ上に格納しているファイルから、インターネット接続を通してストリーミングされる遠隔ソースから、または様々な他の方法で映画を再生することができる。情報利用者に情報コンテンツを提供するプロバイダは、このような情報コンテンツの提供に対する支払いを受けることを望んでいて、プロバイダが支払いを確実に受ける1つの方法は、ユーザが任意の一時点に再生することができる特定のアイテムの再生可能なコピーの数を制限するか、または他の方法でユーザがプロバイダが許容する方法及び時間だけに確実に情報コンテンツを再生することができるようにすることである。
【0003】
プロバイダがユーザの情報コンテンツの再生を制御するための1つの方法は、情報コンテンツと一緒にデジタル権利管理(DRM)情報を内蔵させる方法である。情報コンテンツアイテムのコピーは、情報コンテンツアイテムがDRM情報により保護され、デバイスを作動するために必要なDRM情報を、コピーが記録されるデバイス上に格納するという方法でユーザ装置内に格納される。情報コンテンツアイテムを再生することができる条件を指定している制御情報も含むことができるこのDRM情報は、保護エリア内に格納され、情報コンテンツを再生可能にするために使用される。情報コンテンツを保護するためによく使用される1つの機構は、ユーザがアクセスすることができないデバイスの保護エリア内に格納している暗号鍵を含んでいるDRM情報を使用または生成し、暗号鍵により情報コンテンツを暗号化及び解読する機構である。情報コンテンツを再生または使用する際に、情報コンテンツがデバイスからストリーミングされる時に情報コンテンツを解読するための暗号鍵を使用することができるので、再生したい情報コンテンツを解読することができるが、情報コンテンツの完全に解読されたコピーは存在しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザは、多くの場合、多数の異なるデバイスを有しているので、ユーザは、1回に1つのデバイス上だけでしか、またはある同意した長さの時間しか情報コンテンツを再生できないという制限を受け入れてでも、自分が望むデバイス上に情報コンテンツを格納したい場合があるが、プロバイダが、それぞれが、情報コンテンツが配信されるデバイスに適合しているDRMを含む複数のデバイスに情報コンテンツを配信する場合には、プロバイダは情報コンテンツを制御することができなくなる恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
幾つかの態様では、本発明は、DRM情報及び情報コンテンツを再生するために必要な他のデータとは別々に、情報利用者にDRM保護情報コンテンツを配信するための改良形システム及び技術を提供する。プロバイダは、DRM情報により保護されている情報コンテンツを再生するために、DRM情報にユーザがアクセスすることができるように、また、DRM情報により保護されている情報コンテンツとは別々に、DRM情報を異なる再生装置に転送することができるように、ある位置またはあるデバイス上にDRM情報を格納する。一例では、ユーザに関連するDRM情報のコピーは、ユーザにより識別されるこのDRM情報のコピーと一緒に、セキュアデジタルカードのようなユーザの着脱可能なメディア装置内に格納することができ、プロバイダがアクセスすることができる安全な中央位置に格納することができる。ユーザが情報コンテンツを受信したい場合には、ユーザは、例えば、ユーザアカウントにログオンすることにより、または情報コンテンツを配信しているデバイスに、ユーザのDRMを格納しているセキュアデジタルカードを提供することにより、自身のDRMにより情報コンテンツを暗号化し、または他の方法で情報コンテンツを保護するためにプロバイダが必要とする情報を提供する。情報コンテンツは、ユーザのDRM情報により暗号化され、所望の方法でユーザに配信される。情報コンテンツを再生するために、ユーザは、情報コンテンツを再生するデバイス内に、ユーザのDRM情報を格納しているメディアを挿入しなければならない。DRM情報は、また、コピーをデバイス間で転送することができるような方法で管理することもできる。例えば、DRM情報が欠落した着脱可能なメディア装置を提示して、DRM情報がもはや使用することができないことを確認することができ、新しいコピーを他のデバイス上に格納することができる。DRM情報のコピーは、ユーザのコンピュータ内に格納することができ、デバイスに格納した後でコンピュータからDRMを削除するというようなプロバイダが設定した条件で、ユーザのコンピュータにおいて提示された記録可能なデバイス上に格納することができる。プロバイダが設定した条件でDRM情報を使用することができるようにするための多くの他の機構も使用することができる。
【0006】
下記の詳細な説明を読み、添付の図面を見れば、本発明及び本発明のその他の機能及び利点をよりよく理解することができるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一態様による、情報コンテンツ保護及び配信装置である。
【図2】本発明の一態様による、情報コンテンツ保護及び配信のプロセスである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の一態様による情報コンテンツ配信装置100である。情報コンテンツ配信装置100は、プロセッサ104と、メモリ106と、ストレージ108と、ネットワークインタフェース110とを備える中央サーバ102を備える。これらすべての構成要素は、バス112により通信する。ユーザ情報データベース114は、ストレージ108上に常駐していて、複数のユーザレコードを含む。この場合、各ユーザレコードは、ユーザを識別し、ユーザに関連するDRM情報を格納する。ユーザのためのユーザレコードは、また、ユーザにすでに配信されたDRM情報の1つまたは複数のコピーの配信及び状態に関連する情報も格納する。例えば、ユーザにDRM情報を配信するための1つの便利な機構は、ユーザのDRM情報がすでに書き込まれているセキュアデジタルカードのような着脱可能なメディア装置上にDRM情報を格納する機構である。ユーザは、再生装置の適切なインタフェース内に着脱可能なメディア装置を設置することができ、次に、再生装置は、ユーザのDRM情報にアクセスし、同じDRM情報によりすでに保護されている情報コンテンツを再生することができるようにDRM情報を使用することができる。
【0009】
例えば、ユーザにセキュアデジタルカード上に格納しているDRM情報が提供され、ユーザが同時にまたは後でセキュアデジタルインタフェーススロットを含むユーザの携帯型プレーヤ上に格納している保護情報コンテンツのコピーを受信したとしよう。情報コンテンツはプレーヤ上に格納することができ、プレーヤ上にそのまま留まることができるが、ユーザがプレーヤのセキュアデジタルインタフェーススロット内にDRM情報のコピーを格納しているセキュアデジタルカードを挿入しない限り情報コンテンツを再生することはできない。セキュアデジタルカードが存在する場合には、プレーヤは、プレーヤ上に格納している情報コンテンツの再生ができるように、カード上に格納しているDRM情報を使用することができる。
【0010】
以下にさらに詳細に説明するように、ユーザにDRM情報を配信するために様々な異なる機構を使用することができる。この場合、このような各機構は、任意の一時点にユーザのDRM情報の所定の数より多いアクティブなコピーに、ユーザがアクセスするのを防止するための様々な機能及び制御を提供する。
【0011】
中央サーバ102は、ストレージ108または他の場所に常駐することができる情報コンテンツリポジトリ116にアクセスする。中央サーバ102は、好適にはストレージ108内に常駐するソフトウェアとして実施され、プロセッサ104による実行のために、必要に応じてメモリ106に転送されるDRM管理モジュール118を使用する。サーバ102は、また、情報コンテンツ保護及び配信モジュール120を使用する。DRM管理モジュール118は、許可を受けたユーザに関連する幾つかの組のDRM情報を生成し、格納するので、適当な組のDRM情報を提供するか、またはそれにアクセスするユーザは、そのDRM情報により保護されている情報コンテンツを再生、または使用することができる。
【0012】
サーバは、公衆インターネット124へのアクセスを提供することができるネットワーク122を通して、複数の情報コンテンツ配信先と通信する。例示としての配信先としては、キオスク126及びユーザのホームコンピュータ128があるが、種々様々な多くの他の配信先をサポートすることができることを理解することができるだろう。
【0013】
キオスク126は、バス138を通して通信する、プロセッサ130と、メモリ132と、ストレージ134と、ネットワークインタフェース136とを含む。キオスク126は、また、タッチスクリーンディスプレイであってもよいディスプレイ140及びメディアインタフェース142を含む。図では、着脱可能なメディア装置143はインタフェース142内に挿入されている。DRM管理モジュール118は、DRM情報を生成し、そのコピーは、着脱可能なメディア装置143上に格納することができる。次に、着脱可能なメディア装置143を、インタフェース142から取り出して、ユーザはそれを持ち運ぶことができる。着脱可能なメディア装置143を互換性のある再生装置内に挿入すると、再生装置は、デバイス143内に格納しているDRM情報にアクセスすることができ、再生装置を再生可能にするか、または他の方法で、そのコピーをデバイス143内に格納している同じDRM情報により保護されている情報コンテンツにアクセスすることができるようにする。着脱可能なメディア装置143は、ある再生装置から他の再生装置に移動することができるので、ユーザは、その上に同じ情報コンテンツのコピーを格納することができる複数のデバイスを有することができるが、着脱可能なメディア装置143が存在する場合だけ、任意の特定のデバイス上で情報コンテンツを再生することができる。
【0014】
情報コンテンツリポジトリ144は、ユーザが提供したメディアまたはデバイスに転送するために使用することができる複数の記録済みのタイトルを含むストレージ134上に常駐することができる。キオスク126は、DRM管理モジュール118を呼び出すためにサーバ102と通信することもできるし、または代替的に、ユーザアカウントに関連して格納するためにDRM情報を生成し、図ではインタフェース142内に位置しているデバイス143のような着脱可能なデバイス上にDRM情報のコピーを格納するそれ自身のDRM管理モジュール146を使用することもできる。デバイス143は、インタフェース142内に挿入されるか、または他の方法でDRM情報を生成し、格納するためにキオスク126に提出されるユーザ自身のデバイスであってもよいし、またはユーザにDRM情報を格納している着脱可能なメディアを提供するために、キオスク126が維持している着脱可能なデバイスの目録のうちの1つであってもよい。
【0015】
ユーザがキオスクにアプローチすると、キオスク管理モジュール148は、ユーザにインタフェースを提示し、ユーザは自分の所望の行動を選択することができる。インタフェースは、選択を提示し、ユーザは、自分が新規なユーザであるか否かを表示することができる。ユーザが新規なユーザである場合には、キオスク管理モジュール148は、DRM管理モジュール146を呼び出し、DRM管理モジュール146は、インタフェースを表示して、ユーザにインタフェース142と互換性のあるメディア装置を挿入するように、またはメディア装置を受け入れるための選択を行うように求める。ユーザが選択すると、DRM管理モジュール146は、DRM情報を生成し、またユーザ識別情報に関連するユーザレコード内にDRM情報を格納しているユーザレコードも生成する。DRM管理モジュールは、また、着脱可能なメディア装置143のセキュアエリア内にDRM情報を格納し、また、サーバ102にユーザレコードを送信させ、サーバ102は、ユーザ情報データベース114内にユーザレコードを格納する。
【0016】
DRM管理モジュール146は、また、ローカルユーザデータベース150内にユーザレコードを格納するように命じる。キオスク126は、また、着脱可能なメディア装置143内にプレーヤソフトウェア152を格納することができる。プレーヤソフトウェア152は、デバイス143のユーザがアクセスすることができるエリア内に格納することができ、ユーザは、情報コンテンツを再生するために他の再生装置に自由にコピーすることができるし、またはデバイス143から実行することができる。
【0017】
プレーヤソフトウェア152は、情報コンテンツ再生機能を提供し、システム100が使用するDRMと確実に互換性を有するようにし、パーソナルコンピュータ、携帯型データ装置、携帯型メディアプレーヤ、またはプレーヤソフトウェア152を実行することができる任意の他のデバイスのような任意の互換性を有するユーザ装置に転送し、実行することができる。
【0018】
システム100は、配信を行うことができ、通常、情報コンテンツを再生するために使用するDRM情報とは別に、ユーザに情報コンテンツを配信する。それ故、ユーザは、結果としてDRM情報を生成することになる初期トランザクションに従事することができ、次に、デバイス143のようなデバイスに格納しているこのDRM情報のコピーをユーザに配信し、同じユーザセッションまたはその後の任意の時間中に行われる以降のトランザクション中に、DRM情報により保護されている情報コンテンツを別々に受信することができる。ユーザに配信された情報コンテンツは、ユーザのために以前に生成された同じ情報により保護され、デバイス143上に格納されるが、情報コンテンツが配信されるメディアは、情報コンテンツを再生するのに必要なDRM情報を含んでいない。このDRM情報は、ユーザが情報コンテンツを再生したい時点でユーザが別々に提供しなければならない。ユーザは、例えば、情報コンテンツを再生するのに使用する再生装置に着脱可能なメディア装置143を提供することによりDRM情報を提供することができるか、またはDRM情報を、例えばサーバ102とユーザの再生装置との直接対話により、種々の他の方法で提供することができる。それ故、ユーザは、複数のデバイス上に情報コンテンツを格納することができるが、任意のデバイス上に格納している情報コンテンツは、デバイスがDRM情報を受信した時だけしか再生することができない。それ故、システム100のオペレータは、ユーザに情報コンテンツのその格納及び使用におけるかなりの柔軟性を与えながら、ユーザがシステム100により保護されている情報コンテンツを再生する方法を制御することができる。
【0019】
ユーザが自分のアカウントを開設し、またユーザに対するDRM情報が生成された後で、ユーザは、所望の任意の時間にDRM情報で保護されている情報コンテンツを受信することができる。ユーザがキオスク126から情報コンテンツを受信したい場合には、ユーザは単にキオスク126にアプローチするだけでよい。キオスク管理モジュール148は、ユーザにインタフェースを提示し、ユーザは、自分がアカウントを有していることを表示し、識別情報を入力する。ユーザは、所望の情報コンテンツを選択し、情報コンテンツは適当なメディア上に記録され、ユーザに配信される。情報コンテンツは、ユーザに関連するDRM情報により保護され、この情報コンテンツも、時間制限のような情報コンテンツの使用に関する制限を含むことができる。例えば、情報コンテンツは、配信の後2週間の間再生することができる。
【0020】
情報コンテンツを再生するために、ユーザに関連するDRM情報を提供することもできるし、または情報コンテンツを再生するために使用する再生装置がアクセスすることができるようにすることもできる。例えば、ユーザのDRM情報を格納している着脱可能なメディア装置143を、情報コンテンツを再生するために使用する再生装置内に挿入することができ、再生装置は、情報コンテンツを再生するために必要な情報を読み出す。例えば、DRM情報がDRM鍵を含んでいる場合には、情報コンテンツはこの鍵により暗号化される。DRM鍵のコピーは、ユーザが保持しているメディア装置143上に位置していて、このメディア装置上に位置する鍵は、再生のために情報コンテンツを解読するために使用される。代替的に、再生装置は、情報コンテンツを再生するために必要なDRM情報を受信するために、サーバ102と通信することができる。情報コンテンツは、再生装置上または再生装置がアクセスすることができるメディア上に格納することができるので、サーバ102は、情報コンテンツ自体ではなく、DRM情報を提供するだけでよい。
【0021】
メディア装置143が紛失することも起こるだろうし、またはメディア装置上に格納しているDRM情報が欠落する場合もあり得る。したがって、DRM管理モジュール146は、このような破損したまたは欠落した情報を置換するための機能を含む。情報が欠落し、デバイス143が十分読み出すことができ、明確に識別できる場合には、デバイス143を、インタフェース142において提示することができ、DRM情報の新しいコピーをデバイス143に配信することもできるし、またはデバイス143が故障している場合には、DRM情報の新しいコピーを、デバイス143が提示され識別された後で、インタフェース142内に位置する新しいデバイスに配信することができる。追加的にまたは代替的に、ユーザに提供されたDRM情報のコピーは時間制限付きのものであってもよいので、ユーザのDRM情報は、所定の時間が経過した後で自動的に無効になる。ユーザがデバイス143または類似のデバイスを保持している場合には、デバイス143を、現在のDRM情報でデバイス143を更新するために、例えば、そのようなデバイスをインタフェース142内に設置することにより、任意のキオスクに提示することができる。以下にさらに詳細に説明するように、種々の代替機構をDRM情報を更新するために使用することができる。ユーザがデバイス143を紛失した場合には、ユーザは、新しい着脱可能なメディア装置を提示することにより、新しいDRM情報を受信することができる。この場合、紛失したデバイス内に格納していた以前のコピーが無効になった日付の後にこのような配信を行うことができる。代替的に、紛失したデバイス上に格納していたDRM情報が非アクティブになった後でだけアクティブになる新しいDRM情報を配信することができる。
【0022】
紛失したまたは欠陥のあるDRM情報を置換するために種々の他の機構を使用することができ、すでに格納しているDRM情報が除去することができる場合、または不活性にすることができる場合、または非アクティブになっていることを知っている場合には、サーバからのコピーをユーザの任意の許容できるデバイスに転送することができる。
【0023】
ユーザコンピュータ128のようなユーザ端末を、キオスク126と類似の方法で使用することができ、またユーザのDRM情報を格納し、転送するための追加の機構を提供することもできる。コンピュータ128は、バス162を通して通信する、それ自身のプロセッサ154と、メモリ156と、ストレージ158と、ネットワークインタフェース160とを含む。コンピュータ128は、また、通常、ディスプレイ164と、キーボード166とを含む。コンピュータ128は、また、システム100に対して互換性を有し、DRM情報を格納することができる着脱可能なメディア装置169のようなメディアを収容するのに適している着脱可能なメディアインタフェース168を含む。コンピュータ128は、ブラウザ170を適宜使用することができ、インターネット124を通してサーバ102と通信することができる。
【0024】
サーバ102は、好適には、ユーザインタフェースモジュール174、ユーザアカウントを開始し、ユーザにDRM情報を配信することができるようにする登録モジュール176、及びユーザへの情報コンテンツの配信のためのトランザクションを管理することができるトランザクションモジュール178を使用することができる。サーバ102は、また、識別したユーザからユーザの選択を受信し、ユーザ装置に情報コンテンツを配信する情報コンテンツ保護及び配信モジュール120を使用する。ユーザが、コンピュータ128によりシステム100に登録したい場合には、ユーザは、ブラウザ170をナビゲートして、サーバ102により維持されているかまたはサーバ102にアクセスを提供するウエブページと通信する。サーバは、ユーザインタフェースモジュール174の制御下でブラウザ170と通信する。ユーザが新しいアカウントを開設したいことを表示した場合には、ユーザインタフェースモジュール174は、登録モジュール176を呼び出し、この登録モジュール176は、アカウントを生成するためのユーザの入力を受信し、ユーザ情報データベース114内にユーザのレコードを格納する。
【0025】
ユーザは、また、キオスク126を通してのような他の手段によりユーザがサーバ102と対話を行った後で、すでに生成されているDRM情報を受信し、管理するためにコンピュータ128を使用することができる。ユーザがアカウントを生成すると、ユーザは、DRM情報を受信することができる。コンピュータ128を使用すると、ユーザDRM情報を格納及び管理するための多数の便利な機構を提供することができる。例えば、コンピュータ128は、システム100の事業者が設定する条件に従って、ユーザがアクセスすることができるDRM情報のローカルコピーを格納することができる。コンピュータ128により、サーバ102上に常駐しているDRM管理モジュール118にアクセスすることができ、また、ストレージ158内に常駐している自身のDRM管理モジュール180を使用することもできる。DRM管理モジュール180は、ユーザDRM情報のローカル管理を行うことができ、ユーザのローカル環境内でコピーを生成し、除去することができ、ユーザのDRM情報のコピーの状態に関連する情報で、ユーザの情報を更新するために、DRM管理モジュール118と通信することができる。
【0026】
一例を挙げて説明すると、DRM管理モジュール180は、コンピュータ128上、好適にはユーザがアクセスすることができないストレージ158のエリア内に常駐することができるユーザのDRM情報のコピー182を受信し、格納することができる。DRM情報は、コンピュータ128上で情報コンテンツを再生するために使用することができる。サーバ102上に格納しているユーザアカウントは、DRM情報のコピーがコンピュータ128上に位置している情報により更新される。所望に応じて、ユーザは、着脱可能なメディアインタフェース168において、デバイス169のような適当な着脱可能なメディア装置を提示することにより、ユーザのDRM情報の携帯型コピーを受信することができる。DRM管理モジュール180は、デバイス169上にユーザのDRM情報のコピーを格納し、同時にコンピュータ128からユーザのDRM情報のコピーを削除する。代替的に、DRM管理モジュール180は、単に、ユーザのDRM情報を不活性にすることができる。ユーザ情報データベース114内のユーザのレコードは、ユーザのDRMのコピーがデバイス169上に存在する情報により更新される。所望に応じて、ユーザは、その生成の1日または2日後、またはその生成の数時間後のようなデバイス169上に格納しているDRM情報に対する有効期限を設定することができる。有効期限を経過すると、ユーザは、新しい着脱可能なメディア装置上にDRM情報の新しいコピーを生成することもできるし、またはデバイス169を紛失した場合でも、コンピュータ128上に格納しているDRM情報を使用することができる。
【0027】
DRM管理モジュール180は、また、デバイス169上に再生ソフトウェアを格納することができるので、このソフトウェアを実行することができる任意のデバイスは、システム100により配信された情報コンテンツを再生することができる。代替的にまたは追加的に、ユーザは、いつでもサーバ102にアクセスして再生装置で使用するための所望の再生ソフトウェアを検索することができる。
【0028】
DRM情報がメディア装置169に格納されると、ユーザは、メディア装置169を取り外すことができ、ユーザがシステム100から受信した保護情報コンテンツを再生したい任意の互換性のある再生装置でデバイス169を使用することができる。
【0029】
ユーザが自分のコンピュータ128に配信された情報コンテンツを受信したい場合には、ユーザは、ユーザインタフェースモジュール174が提示したユーザインタフェース上で、適切な選択を行うためにブラウザ170を使用し、ユーザインタフェースモジュール174は、情報コンテンツ保護及び配信モジュール120を呼び出すことにより応答する。情報コンテンツ保護及び配信モジュール120は、映画、歌、または音楽アルバムのような適当な情報コンテンツアイテムを選択し、その情報コンテンツアイテムをユーザが指定する方法で配信する。この配信は、例えば、コンピュータ128のストレージ158へのダウンロード、ユーザが後で検索するためのキオスク126のようなキオスクへの配信、コンピュータ128へのストリーミング、ユーザのセットトップボックス184へのダウンロードまたはストリーミング、公衆にアクセス可能なコンピュータ186、または任意の数の他の配信機構への配信を含むことができる。それぞれの場合、ユーザが選択した情報コンテンツアイテムは、配信前にユーザに関連するDRM情報により保護され、配信された情報コンテンツアイテムは、再生のために使用中のデバイスがユーザのDRM情報にアクセスすることができる場合だけ再生することができる。情報コンテンツを再生するために必要なDRM情報は、許可がない場合には、他のメディア装置にうまく転送することができない。何故なら、それが、ユーザがアクセスすることができないメディア装置の一部上に常駐しているからである。それ故、プロバイダは、確実にユーザが、同時に情報コンテンツの複数のコピーから利益を受けないようにすることができる。何故なら、ユーザは、情報コンテンツを再生するために必要なDRM情報のコピーを1つしか有していないからである。ユーザは、情報コンテンツの複数の再生可能なコピーを作ったり、配信することはできない。何故なら、他のものに配信されたコピーは、ユーザのメディア装置169なしでは再生することができないからである。
【0030】
ユーザがシステム100との識別を行うと、ユーザは、任意の適当な位置から所望の任意の方法で情報コンテンツを受信することができ、所望のデバイスに情報コンテンツを転送することができる。ユーザは、キオスク126のようなキオスクにおいて、コンピュータ128のようなそれ自身のコンピュータにおいて、公衆にアクセス可能なコンピュータ186において、セットトップボックス184において、移動機188において、または所望の任意のデバイスにおいて情報コンテンツを受信することができ、情報コンテンツは、格納している情報コンテンツの転送、ダウンロードまたはストリーミングなどにより、所望に応じて配信することができる。ユーザは、複数のコピーを作り、維持することができる。何故なら、ユーザは、一度に1つのコピーしか使用することができないからである。
【0031】
ユーザは、ユーザのDRMの新しいまたは更新したコピーを受信するために、コンピュータ128または任意の他の適当なデバイスを使用して、コンピュータ128またはサーバ102と通信することができる。この場合、デバイスは、2つ以上のコピー、または規定した数より多くのコピーが同時に存在するのを防止する制限に確実に適合するように、相互に配信を行うために使用される。例えば、すでに説明したように、ユーザは、着脱可能なメディア装置上でDRM情報を受信することを選択することができる。この場合、DRM情報は、ユーザが規定した有効期限が経過すると非アクティブになり、コンピュータ128上に格納しているDRM情報は、その有効期限を経過するまでアクセスすることができなくなり、サーバ102は、有効期限が経過するまでDRM情報の新しいコピーを配信することができなくなる。着脱可能なメディア装置は、同じ手順によりキオスク126においてユーザに配信することができるし、または着脱可能なメディア装置をデフォルト有効期限と一緒にユーザに配信することができる。DRM情報を格納している着脱可能なメディア装置が有効期限前に提示された場合には、DRM情報は、所望に応じて、メディア装置及びコンピュータ128上に格納しているアクセス可能なコピー、または他のデバイスから削除することができる。DRM情報のコピーが生成または削除される時はいつでも、サーバ102内に格納しているユーザのレコードが、新しい状態を反映するように更新される。
【0032】
種々の他の機構を、情報コンテンツの再生を制御するために使用することができる。例えば、ある時間中、ユーザは、ユーザのDRM情報の任意のコピーを格納しないことを選択することができ、代わりに保護情報コンテンツを再生することができるようにサーバとの通信を選択する。このような場合、情報コンテンツを再生するのにDRM情報を必要とする場合に、DRM情報を受信するために、サーバ102と通信するコンピュータ128または他の再生装置内に情報コンテンツを格納することができる。ユーザがDRM情報のコピーを受信したい場合には、他のコピーが存在しないことを確認してからコピーを配信することができる。それ故、ユーザが自分がサーバ102と確実に通信することができる場合には、ユーザは、DRM情報のコピーを追跡しなくても、所望に応じて情報コンテンツを再生することができ、必要に応じてコピーを受信することができる。
【0033】
図2は、本発明の一態様による、情報コンテンツ保護及び配信のプロセス200である。プロセス200は、好適には、図1のシステム100のようなシステムにより実行することができる。
【0034】
ステップ202において、好適には、情報コンテンツ配信ポイントまたは中央位置と通信するために提示されたユーザインタフェースを通してユーザから識別情報が受信される。例えば、キオスク126のようなキオスクは、情報コンテンツ配信ポイントとして機能し、それ自身のインタフェースを提示し、ユーザのパーソナルコンピュータ128またはセットトップボックス184は、サーバ102のような遠隔サーバと通信するために仲介者として機能する。
【0035】
ステップ204において、ユーザアカウントが生成され、ユーザから受信した情報が、アカウントに関連する中央リポジトリ内に格納される。ステップ206において、デジタル権利(DRM)管理情報が生成され、ユーザに関連するユーザレコードに格納される。ステップ208において、DRM情報は、ユーザコンピュータまたは着脱可能なメディア装置のようなユーザ装置上に格納される。オプションとしてのステップ210において、再生ソフトウェアが、DRM情報を格納しているユーザ装置上に格納される。ステップ212において、DRM情報が周期的に更新される。ステップ214において、DRM情報が、ユーザの行動及び選択により、及び例えば、格納しているDRM情報を削除するためのDRM情報を格納しているユーザ装置の提示により、及びDRM情報を格納するための新しいデバイス、またはDRM情報の格納しているコピーがもはやアクティブになっていないという確認の提示により、情報コンテンツプロバイダの許可によりあるユーザ装置から他のユーザ装置に転送される。
【0036】
ステップ216において、情報コンテンツを受信するというユーザの以降の選択が行われた場合、及びユーザアカウント識別情報の提出された場合、DRMを含んでいるユーザレコードが検索される。ステップ218において、ユーザが情報コンテンツを選択した場合、情報コンテンツのコピーは、ユーザに関連するDRMにより保護され、ユーザに配信される。情報コンテンツは、配信キオスク、ユーザまたは他のもののパーソナルコンピュータ、ユーザの携帯型デバイス、セットトップボックスのような所望の配信ポイントにおいて、また所望の任意の形態で配信することができ、及びユーザのストレージ装置に転送することができ、所望の任意の他の形態で、ダウンロード、ストリーミングまたは配信することができる。ステップ220において、DRM情報を格納している着脱可能なメディア装置を提供し、DRM情報を受信し、または再生装置自身の格納しているDRM情報にアクセスするために、サーバと通信するなどして、再生装置がユーザのDRM情報にアクセスした場合には、情報コンテンツの再生が可能になり、着脱可能なメディア装置が挿入されている再生装置により情報コンテンツが再生される。
【0037】
現在の好ましい実施形態を参照しながら本発明を開示してきたが、当業者であれば、上記説明及び添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、本発明を種々様々な方法で実施することができることを理解することができるだろう。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、映像及び音楽などの情報コンテンツを分配するための技術及びシステムに関するものであり、産業上の利用可能性を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに関連するユーザ識別及びアカウント情報を格納するためのストレージと、
ユーザに関連するデータを受信し、前記ユーザに対するユーザアカウントを生成するためのものであって、前記ユーザに関連するデジタル権利管理(DRM)情報を生成するようにさらに動作し、前記ユーザアカウントに関連して前記DRM情報を格納するようにさらに動作し、再生装置が前記ユーザのDRM情報で保護されている情報コンテンツを再生するために、前記ユーザに関連する前記DRM情報にアクセスしなければならないように、前記ユーザに関連する前記DRM情報を使用して前記ユーザに提供する情報コンテンツを保護するようにさらに動作するプロセッサと、
を備える情報コンテンツの保護及び配信装置。
【請求項2】
着脱可能なメディア装置と一緒に提供された再生装置が、前記DRM情報により保護されている情報コンテンツを再生することができるように、前記DRM情報のコピーが、前記着脱可能なメディア装置上に格納される、請求項1に記載の情報コンテンツの保護及び配信装置。
【請求項3】
前記着脱可能なメディア装置が、POSキオスクにおいてユーザに提供される、請求項2に記載の情報コンテンツの保護及び配信装置。
【請求項4】
前記プロセッサが、前記ユーザが維持しているパーソナルコンピュータからデータを受信し、前記DRM情報のコピーを、前記パーソナルコンピュータにおいて提示された着脱可能なメディア装置に格納する、請求項1に記載の情報コンテンツの保護及び配信装置。
【請求項5】
前記プロセッサが、前記ユーザへの情報コンテンツの配信のために前記ユーザとトランザクションを開始するように動作し、前記プロセッサが、さらに、前記ユーザアカウントをチェックし、前記ユーザアカウントに関連するDRM情報を検索し、前記DRM情報を使用して前記トランザクション中に配信のために選択した情報コンテンツを保護するように動作する、請求項1に記載の情報コンテンツの保護及び配信装置。
【請求項6】
前記トランザクションが、ユーザ装置への情報コンテンツのダウンロードを含む、請求項3に記載の情報コンテンツの保護及び配信装置。
【請求項7】
前記トランザクションが、ユーザ装置への情報コンテンツのストリーミングを含む、請求項3に記載の情報コンテンツの保護及び配信装置。
【請求項8】
前記トランザクションが、前記ユーザへの前記ユーザに関連する前記DRM情報により再生可能な保護情報コンテンツを格納している着脱可能なメディア装置の配信を含む、請求項3に記載の情報コンテンツの保護及び配信装置。
【請求項9】
前記プロセッサが、前記ユーザに以前に提供した前記コピーが非アクティブであるとの表示を受信した場合に、前記ユーザに前記DRM情報の新しいコピーを配信するように動作する、請求項1に記載の情報コンテンツの保護及び配信装置。
【請求項10】
前記ユーザに提供された前記DRM情報の前記コピーが、所定の時間経過後に非アクティブになる、請求項1に記載の情報コンテンツの保護及び配信装置。
【請求項11】
ユーザに関連するユーザアカウントを生成するステップと、
前記ユーザに関連してデジタル権利管理(DRM)情報を生成するステップと、
前記ユーザへの情報コンテンツの配信を要求するユーザトランザクションに応答して、前記情報コンテンツを再生するには前記DRM情報にアクセスしなければならないように、前記ユーザに配信する前に、前記情報コンテンツを保護するステップと、
を含む情報コンテンツの保護及び配信方法。
【請求項12】
前記DRM情報のユーザがアクセス可能なコピーを生成するステップをさらに含む、請求項11に記載の情報コンテンツの保護及び配信方法。
【請求項13】
着脱可能なメディア装置上に前記情報DRM情報のコピーを格納するステップと、前記ユーザに前記着脱可能なメディア装置を配信するステップと、前記情報コンテンツを再生することができるように、前記着脱可能なメディア装置が提示される再生装置により前記DRM情報を読み出すステップとをさらに含む、請求項11に記載の情報コンテンツの保護及び配信方法。
【請求項14】
前記着脱可能なメディア装置が、POSキオスクにおいて前記ユーザに提示される、請求項13に記載の情報コンテンツの保護及び配信方法。
【請求項15】
前記DRM情報が、前記ユーザのパーソナルコンピュータにおいて提示される着脱可能なメディア装置に格納される、請求項13に記載の情報コンテンツの保護及び配信方法。
【請求項16】
ユーザへの情報コンテンツの配信のために前記ユーザとのトランザクションを開始するステップと、
前記ユーザアカウントをチェックするステップと、前記ユーザアカウントに関連するDRM情報を検索するステップと、
前記DRM情報を使用して前記トランザクション中に配信のために選択した情報コンテンツを保護するステップと、
をさらに含む、請求項12に記載の情報コンテンツの保護及び配信方法。
【請求項17】
前記トランザクションが、ユーザのストレージ装置への情報コンテンツのダウンロードを含む、請求項16に記載の情報コンテンツの保護及び配信方法。
【請求項18】
前記トランザクションが、ユーザのストレージ装置への情報コンテンツのストリーミングを含む、請求項16に記載の情報コンテンツの保護及び配信方法。
【請求項19】
前記DRM情報のアクティブなユーザがアクセス可能なコピーが存在しないことを確認し、このような判定が行われた場合に、前記ユーザがアクセス可能な前記DRM情報の新しいコピーを生成するステップを、さらに含む、請求項12に記載の情報コンテンツ保護及び配信方法。
【請求項20】
前記ユーザがアクセスすることができるようになった前記DRM情報の前記コピーが、所定の時間経過後に非アクティブになる、請求項12に記載の情報コンテンツ保護及び配信方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−120209(P2011−120209A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−190229(P2010−190229)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(391007161)エヌ・シー・アール・コーポレイション (85)
【氏名又は名称原語表記】NCR CORPORATION
【Fターム(参考)】