説明

情報伝送システム,情報伝送方法および情報表示装置

【課題】
デジタル放送により表示コンテンツを伝送し、シート状の表示装置に表示する広告システムにおいて、指定された広告が表示されたことを確認するデータ更新完了のリプライを通信により行う際に、多数の情報表示装置から同時にリプライが発生することによる通信回線の輻輳が生じる恐れがある。
【解決手段】
各情報表示装置の情報が書き替わったことを確認する表示確認サーバを設け、各情報表示装置は、デジタル放送で情報を受信して書き替えたことを表示確認サーバに対してリプライする。この時、各情報表示装置は、情報を書き替えた後、ランダムに待機時間を設け、待機時間後にリプライを発する。リプライを受信した表示確認サーバは代表してデータ更新完了を報告する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状の表示装置に対してデジタル情報をデータ転送して表示する情報表示装置と、シート状の複数の情報表示装置にデジタルデータを転送する場合、デジタル情報が確実に届いたことを認識するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術としては、シート状の表示部と、表示する画像情報を取得する通信手段と、画像情報の表示制御を行う表示制御手段とから構成されるシート状の情報表示装置が提案されている。例えば、特許文献1では、デジタル放送などから得られる任意の膨大な情報から、予め設定したジャンルの電子情報のみを表示する技術が開示されている。
【0003】
このような情報表示装置を大規模な広告媒体として利用する場合、デジタル放送などの伝送方式を用いることで、同時に大量の情報表示装置に対して書き替えることが可能である。また、予め情報表示装置毎に、表示ジャンルを設定することにより、特定の情報表示装置で、他と異なる内容を表示することが可能となる。
【0004】
【特許文献1】特開2002−300506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、広告媒体として用いる場合、情報表示装置の設置場所が問題になることが予想される。すなわち、情報の更新を放送によって行った場合には、情報表示装置の設置場所は、放送の電波が確実に届く場所に限られることになる。
【0006】
また、放送電波が届かずに表示が更新されなかった場合、広告提供者は、広告主に対する責務を果たせないことになるため、確実に広告が表示されたことを確認する必要がある。通信を利用する場合には、更新完了のリプライをとることで確認可能と考えられるが、この場合、大量の情報表示装置から同時にリプライが発生することによる通信回線の輻輳の発生が問題となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の問題を解決するために、本発明では、各情報表示装置の情報が書き替わったことを確認する表示確認サーバを有し、各情報表示装置は、情報を受信して書き替えたことを表示確認サーバに対してリプライすることを特徴とする。また、各情報表示装置は、情報を書き替えた後、ランダムに待機時間を設け、この待機時間後にリプライを発することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の第二の形態は、放送受信手段および無線通信手段を有するマスター装置と、マスター装置との通信手段を有する個別の情報表示装置からなる情報表示装置グループを構成することを特徴とする。この構成をとることにより、個別の情報表示装置は必ずしも放送が受信可能な場所に設置する必要がなくなる。そして、個別の情報表示装置の情報の書き替えリプライをマスター装置が一旦受信し、その結果をマスター装置が代表して表示確認サーバにリプライすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、大量の情報表示装置からほぼ同時に更新完了のリプライが発生し、表示確認サーバに対する通信が一時的に集中することを防ぎ、通信回線における輻輳の発生を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明の第一の実施例における情報伝送システムの構成図を示す。情報表示装置100は、広告媒体として、様々な場所に設置される。各情報表示装置100は、有線もしくは無線通信手段により通信網400に接続され、さらに、通信網400には、表示確認サーバ300が接続される。放送局200は、デジタル放送波を送信し、デジタル放送波には、各情報表示装置100に表示すべきデジタル情報が重畳される。
【0012】
情報表示装置100は、デジタル放送波によって運ばれるデジタル情報を受信し、それぞれの情報表示装置が表示すべきデータを受信し、情報表示装置100に具備するシート状表示部110に表示を行う。各情報表示装置100は、個別に保持するリプライタイミングによって指定された時間だけ待った後に、通信網400を介して表示確認サーバ300に対して表示が完了したことを伝える。
【0013】
デジタル放送波が各情報表示装置に届く時刻は、放送という伝送手段の特性からほぼ同時となる。各情報表示装置100が受信したデジタルデータによってシート状表示部110の内容を書き替えた直後に、通信によって表示確認サーバ300にアクセスしようとした場合、大量の通信要求が発生し、通信網400の回線・容量のオーバーフローが発生する可能性がある。このため本発明では、個々の情報表示装置100において、シート状表示部110の表示書き替え後、個別の待ち時間(リプライタイミング)を設けることにより、通信のオーバーフローの発生を抑止する。
【0014】
情報表示装置100は、受信アンテナ120と、受信モジュール121,表示制御部
130,シート状表示部110,通信モジュール140,データ保持部150で構成される。受信アンテナ120は、デジタル放送波を受信するための空中線である。近年、小型で受信性能の良いアンテナが開発されてきている。また、受信モジュール121は、受信アンテナ120で受信したデジタル放送波の中から所定のチャンネルに同調し、復調してデジタルデータを取り出す機能を持つ。データ保持部150には、その情報表示装置の識別情報,受信スケジュール,リプライタイミングが保持されている。
【0015】
表示制御部130は、データ保持部150に保持する受信スケジュール1300に従い、受信モジュール121を起動して所定のチャンネルに同調させ、所定のコンテンツを取得する。デジタル放送波から特定のコンテンツを取得することは、デジタル放送の番組特定に利用されるEPGなどを用いることにより容易に可能である。
【0016】
図7に受信スケジュール1300の一例を示す。受信スケジュール1300は、少なくとも、受信開始予定時刻1311,受信チャンネル1313,コンテンツ識別ID1314から構成される。表示制御部130は、受信スケジュール1300に保持された受信開始予定時刻1311の欄に保持された受信予定時刻が近づくと、受信モジュール121を起動し、受信スケジュールで対応する受信チャンネル1313の欄に示された受信チャンネルに同調させ、デジタル放送波を受信して、このチャンネルで放送中のデジタルデータを取得する。表示制御部130は、取得したデジタルデータからコンテンツ識別ID1314の欄に指定されたコンテンツ識別IDで指定されたコンテンツを取り出す。表示制御部130
は、指定されたコンテンツが受信できたことを確認して受信モジュール121を休止させ、消費電カを低減させる。
【0017】
また、受信スケジュール1300には、受信終了予定時刻1312を含んでいても良い。受信終了予定時刻1312が含まれる場合には、表示制御部130は、受信終了予定時刻を過ぎたら、コンテンツが受信できたか否かにかかわらず受信モジュール121を休止させ、消費電カを低減させることが可能となる。
【0018】
受信スケジュール1300は、コンテンツの配信側で作成する。例えば、配信するコンテンツが広告であるならば、広告代理店などの広告提供事業者と、放送事業者との間で、そのコンテンツの放送スケジュールを決定し、放送スケジュールの内容に基づいて情報表示装置における受信スケジュール1300を生成する。生成された受信スケジュールは、表示確認サーバ300と放送局200との双方で保持する。
【0019】
情報表示装置100は、最初の表示確認サーバ300に対する登録フェーズの際に初期の受信スケジュールを受け取り、以降は通信網400を介した通信で、もしくは放送により受信スケジュールを更新する。通信による受信スケジュールの更新は、各情報表示装置100に対する新しい受信スケジュールが生成された際に、表示確認サーバ300から情報表示装置に対して新しい受信スケジュールが送信されることで行われる。
【0020】
また、放送により受信スケジュールを更新する場合は、受信スケジュールの中に、次回の受信スケジュールの更新日時及びチャンネルを記載しておくことにより実施すればよい。この場合は、コンテンツ識別IDとして新規の受信スケジュールを意味するIDとすることにより、情報表示装置100では先の受信スケジュールで指定された更新日時に指定されたチャンネルで受信したコンテンツの中からこのIDのコンテンツを取り出すことで容易に受信スケジュールの更新を行うことが可能である。
【0021】
また、受信スケジュールは全ての情報表示装置に共通なものではなく、複数の異なる受信スケジュールを対象となる情報表示装置の識別情報を指定することで個々の情報表示装置毎に設定することも可能である。このようにすることによって、広告コンテンツ毎に、表示する地域や範囲を制御することが可能となる。即ち、受信スケジュールによって、表示するコンテンツの系列を制御し、情報表示装置のグループ毎に異なるコンテンツを表示させることが可能となる。例えば、地区Aに存在する情報表示装置に対しては、受信スケジュールAに従ってコンテンツAを表示させ、地区Bに存在する情報表示装置に対しては、受信スケジュールBに従ってコンテンツBを表示させることが可能となる。また、これらの受信スケジュールを放送によって配信することにより、継統して同系列の受信スケジュールに従ったコンテンツの更新が可能となる。なお、個々の情報表示装置に対して、受信スケジュールの系列を変更する場合は、通信により該当する情報表示装置に対して直接受信スケジュールを送信して更新すればよい。
【0022】
表示制御部130は、受信スケジュールで指定されたコンテンツを取得すると、シート状表示部110に対して受信したコンテンツの画像情報への書き替え指示を出す。シート状表示部110は、薄型で、表示する画像の書き替えが可能な画像表示機能を持ち、一度書き替えると低消費電カで次に書き替えるまでその状態を保持する機能を持つ。例えば特開2001−102872号公報に開示されるような、書き替え可能なシート状の画像情報表示装置を利用可能である。
【0023】
表示制御部130は、シート状表示部110の画像を書き替え完了すると、通信モジュール140を用いて、表示確認サーバ300に対して画像の書き替えを完了した旨の通信を行う。具体的には、表示制御部130は、データ保持部150に保存された、個々の情報表示装置100を特定する識別情報と、指定のデジタルデータによってシート状表示部の表示画像を書き替え完了したという情報を示す書き替え完了情報900とを、デジタル放送を通じて該当するデジタルデータを受信した時点から、データ保持部150に保持されたリプライタイミングで規定された時間だけ待機した後に、表示確認サーバ300に対して送信する。
【0024】
図4に書き替え完了情報900の一例を示す。書き替え完了情報900は、少なくとも、書き替えを実施した情報表示装置を識別するための識別情報である個体識別ID911と、書き替えた内容を識別することが可能なコンテンツ識別ID913と、画像の書き替えが完了した時刻を示す書き替え完了日時914とを含むものとする。
【0025】
図9に、情報表示装置100における処理フローの一例を示す。まず、ステップ1500は、この処理の開始を示す。ステップ1511において、情報表示装置100は、データ保持部150に保持されている受信スケジュール1300の中で最も近い将来における受信開始予定時刻1311に対し、現在時刻と比較して所定の時間内となったか否かを判断する。
【0026】
もし受信開始予定時刻前で所定時間内の時刻となっていれば、ステップ1521へ処理を進め、そうでなければ、ステップ1515に進む。ステップ1515では、受信スケジュール1300が更新されたか否かを確認してステップ1511に戻り、更新されていれば新しい受信スケジュールに従い、処理を行う。
【0027】
ステップ1521では、受信モジュールを起動し、放送波の受信を開始する。続くステップ1522では、受信スケジュール1300に従い、予定のコンテンツを受信するためのフィルタリング設定を受信モジュール121に対して実施する。即ち、受信スケジュール1300における受信チャンネル1313ヘの設定と、受信すべき放送コンテンツのコンテンツ識別ID1314を指定する。
【0028】
ステップ1523では、受信モジュール121からの応答を待ち、受信スケジュール
1300で指定されたコンテンツの受信が確認できれば、ステップ1541へ進み、そうでなければ、ステップ1524へ進む。ステップ1524では、該当する受信スケジュール1300で指定された受信終了予定時刻1312になったか否かを判定する。もしも、受信終了予定時刻となっていた場合は、受信モジュール121を停止し、処理の開始状態へ戻る。まだ受信終了予定時刻に至らない場合は、引き続き予定のコンテンツが受信できるまで、受信モジュール121からの応答を待つ。
【0029】
ステップ1541では、予定のコンテンツの受信が完了したため、受信モジュール121を停止し、受信モジュール121による電力消費を抑制する。そしてステップ1542では、受信したコンテンツから画像情報を取り出し、シート状表示部110に対する画像情報の書き替えを実施する。そして、ステップ1543では、シート状表示部110の画像の書き替えが完了した後、所定のリプライタイミング時間待機する。ステップ1543では、リプライタイミング時間経過後、書き替え完了情報を生成し、表示確認サーバ300に対して通信モジュール140を介して、生成した書き替え完了情報を送信し、開始状態へ戻る。
【0030】
図16は、表示確認サーバ300へ情報表示装置100を新規登録する時の、情報表示装置100における処理フローを示す。ステップ2400は、この処理の開始であり、この処理は、情報表示装置100の起動時や再初期化設定等を行った場合に実施される。
【0031】
ステップ2405は、自情報表示装置が既に登録済みであるか否かを確認するステップである。この確認は、データ保持部150に、正しい登録情報があるか否かをチェックすることにより行う。データ保持部150に正しい登録情報が保持されていれば、既に自情報表示装置は登録済みであるものとしてステップ2450に進む。ステップ2450は、既に登録済みである場合に実施される処理であり、更新待ち受け状態へ移行する。即ち、図9で説明したコンテンツの受信処理を実行する。
【0032】
ステップ2410以降は、ステップ2405にて、まだ自情報表示装置が登録済みでないと判断された場合に実行する処理である。ステップ2410では、表示確認サーバ300に対して、登録要求を送信する処理を行う。この際、少なくとも自情報表示装置における個体の識別情報を送信する。またこの処理で認証情報の送受信が入っても良い。ステップ2415は、所定のタイムアウト時間内に登録確認情報が、表示確認サーバ300から返信されたか否かを確認するステップである。もしも、登録確認情報が受信できなかった場合には、ステップ2430のエラー発生状態へ移行する。
【0033】
ステップ2420は、表示確認サーバ300における自情報表示装置の登録確認後、登録された表示確認サーバ300に対して、リプライタイミングを要求する処理である。ステップ2425は、所定のタイムアウト時間内に、表示確認サーバ300からのリプライタイミング情報を受信したか否かを判定する処理を行う。ここでリプライタイミング情報が受信できた場合には、ステップ2450へ進む。また受信できなかった場合には、ステップ2430へ進み、エラー発生状態へ移行する。なお、ステップ2420、およびステップ2425は、表示確認サーバ300からの登録確認情報と共にリプライタイミングも受信する構成にすることで、これらのステップは省略可能である。ステップ2490では、リプライタイミングが受信できたことを表示確認サーバ300に送信する処理を行い、登録処理を終了する。以上のようにして、情報表示装置100は、表示確認サーバ300に対して、個体の登録を行い、リプライタイミングを受け取る。
【0034】
図1に示したシステム構成図における表示確認サーバ300は、登録管理部310と、タイミング管理部320と、集計管理部330と、通信モジュール340と、サーバデータ保持部350とから構成される。サーバデータ保持部350には、コンテンツの送信スケジュール情報と、情報表示装置の登録情報である情報表示装置データベース1800が保持される。
【0035】
登録管理部310は、表示確認サーバ300が管理する情報表示装置を登録し、登録した情報表示装置を管理可能とする機能を持つ。また、管理不要となった情報表示装置の登録を削除し、その情報表示装置の管理を終了する機能も併せて持つ。
【0036】
タイミング管理部320は、登録された各情報表示装置に対して、各情報表示装置個別のリプライタイミングを生成する機能を持つ。即ち、ある情報表示装置に対して、競合する伝送路を用いる可能性を持つ、登録されている他の全ての情報表示装置と、それらの情報表示装置のリプライタイミングを考慮し、競合する伝送路を同時に使用する台数がその伝送路における許容台数以下となるようにリプライタイミングをずらして生成する。
【0037】
表示確認サーバ300は、通信モジュール340を介して、インターネット等の通信網400に接続する。
【0038】
集計管理部330は、通信モジュール340を介して情報表示装置100からの書き替え完了情報を受信し、どの情報表示装置が、どのコンテンツの表示を完了したかということを把握する。通信により得られる情報表示装置からの書き替え完了情報と、各情報表示装置へ配信された送信スケジュールを比較し、送信スケジュールで指示された予定通りに情報表示装置の表示内容が書き替えられているかを管理確認する機能を持つ。
【0039】
図5に送信スケジュールの一例を示す。送信スケジュール1000は、少なくとも、送信するコンテンツを識別可能なコンテンツ識別ID1011と、そのコンテンツの送信開始予定時刻1012と、書き替え完了情報が到着するまでの有効期限を示すリプライ有効期限1014と、受信予定の情報表示装置の登録した個体リストを識別可能な、受信予定個体リストID1015とから構成される。受信予定個体リスト1200は、該当するコンテンツを受信すべき情報表示装置の個体識別IDをリストとして管理する情報である。即ち、送信スケジュール1000は、全ての受信スケジュールのORをとり、どのコンテンツをどの情報表示装置が表示するべきかという情報と、各コンテンツの表示確認期限を追加したものである。具体的には、図6に例示するような、受信予定の情報表示装置に割り当てられている個体識別ID1202の欄を持つリストである。
【0040】
集計管理部330は、各情報表示装置から受け取った書き替え完了情報900に含まれるコンテンツ識別ID913と、送信スケジュール1000に含まれるコンテンツ識別
ID1011を比較し、受け取ったコンテンツ識別ID913に対応する送信開始予定時刻1012と、受信予定個体リストID1015を検索する。
【0041】
さらに、集計管理部330は、書き替え完了情報900に含まれる個体識別ID911が、検索された受信予定個体リストID1015で識別される受信予定個体リストID
1200に含まれるか否かを検索する。書き替え完了情報900に含まれる個体識別ID911が受信予定個体リストID1200に含まれる場合には、更に、書き替え完了情報900に含まれる書き替え完了日時914と、送信スケジュール1000に含まれる送信開始予定時刻1012とを比較し、所定の時間内に書き替えられていることが確認できた場合、この書き替え完了情報900を送信してきた情報表示装置100は正常動作していると判断する。書き替え完了情報900に含まれる個体識別ID911が受信予定個体リストID1200に含まれない場合、もしくは、所定の時間内に書き替えられていない場合には、この書き替え完了情報900を送信してきた情報表示装置の動作不良であると判断する。
【0042】
サーバデータ保持部350は、デジタル放送によるコンテンツの送信スケジュールや、登録された情報表示装置の個体識別情報、各情報表示装置の表示確認結果、並びに各情報表示装置が正常動作である動作不良であるかの判断結果を保持する。
【0043】
図10に表示確認サーバ300の処理フローの一例を示す。ステップ1600は、表示確認サーバ300の処理の開始を示す。ステップ1611では、書き替え完了情報900が、通信により到着したか否かを検出する処理を実行する。書き替え完了情報900が到着している場合は、ステップ1631を実行し、到着していない場合は、ステップ1612に進む。
【0044】
ステップ1612では、新規の登録要求が到着しているか否かを検出する。到着している場合は、ステップ1621を実施し、そうでない場合は、ステップ1613へ進む。
【0045】
書き替え完了情報900が到着している場合、ステップ1631では、書き替え完了情報900のコンテンツ識別ID911に対応するコンテンツ識別ID1011をもつ送信スケジュールをサーバデータ保持部350から検索する。
【0046】
ステップ1632では、検索した送信スケジュールから、該当するコンテンツの送信開始予定時刻1012を求める。そして求めた送信開始予定時刻1012と、書き替え完了情報900で報告された書き替え完了日時914との差が所定の時間以内か否かを判断する。所定時間以内であれば、ステップ1634へ進み、そうでなければ、ステップ1633へ進む。
【0047】
ステップ1634では、処理中の書き替え完了情報900を送信した情報表示装置は、該当するコンテンツについて「コンテンツ受信完了」であると判断し、その情報表示装置の個体識別IDについて、情報表示装置データベース1800の該当する個体識別IDの項目の受信完了情報1814に受信完了を登録する。次に、ステップ1635では、処理中の書き替え完了情報900を送信した情報表示装置は「正常動作」の状態であると判断し、その情報表示装置の個体識別IDについて、情報表示装置データベース1800の該当する個体識別IDの項目の動作状態1815に正常動作である旨を登録する。そして、ステップ1635終了後は、ステップ1612の処理に戻る。
【0048】
一方、ステップ1633では、書き替え完了情報900で報告された書き替え完了日時914が該当するコンテンツの送信開始予定時刻1012と所定時間異常ずれていたことから、この書き替え完了情報900を送信した情報表示装置は「動作不良」の状態であるとみなし、この情報表示装置の識別IDについて、情報表示装置データベース1800の該当する個体識別IDの項目の動作状態1815に動作不良である旨を登録する。ステップ1633終了後は、ステップ1612の処理に戻る。
【0049】
ステップ1612において、新規の登録要求が到着していると判断された場合、ステップ1621〜ステップ1624では、新規に登録を要請された情報表示装置の登録処理を行う。
【0050】
ステップ1621では、登録要求を送信した情報表示装置が使用している通信網400のアドレスから、ネットワーク構成情報を元に当該情報表示装置が用いることになる通信路を特定する。次にステップ1622では、特定された通信路の情報により、この通信路に接続されている他の情報表示装置の数と通信路の伝送容量を、情報表示装置データベース1800から特定し、登録要求を送信した情報表示装置に対するリプライタイミングの算出を行う。ステップ1623では、後述する最小更新周期の更新を行い、ステップ1624では、登録要求を送信した情報表示装置に対して、登録認可の通知とともに、その情報表示装置に対する受信スケジュール1300および、リプライタイミング情報を通信により返信する。ステップ1624終了後は、ステップ1613の処理に移行する。
【0051】
ステップ1613は、送信スケジュール1000に更新があるか否かを確認する。そしてステップ1614では、送信スケジュール1000を確認して、リプライ有効期限が過ぎた送信スケジュール項目を検索する。該当する項目が存在する場合は、ステップ1615を実施し、リプライ有効期限が過ぎた項目がなければ、ステップ1600ヘ戻る。ステップ1615では、リプライ有効期限が過ぎた送信スケジュール項目については、その項目の受信予定個体リストID1015から、この送信スケジュール項目のコンテンツを受信予定であった情報表示装置の個体識別IDを全て求める。更に、求めた情報表示装置の各個体識別IDについて、「コンテンツ受信完了」の状態が登録されていなければ、「動作不良」とみなし、情報表示装置データベース1800の該当する個体識別IDの項目の動作状態1815に動作不良である旨を登録する。
【0052】
図3に、2つの情報表示装置100aおよび100bを、表示確認サーバ300に登録する際のシーケンス図を示す。情報表示装置100aは、通信モジュール140を介して表示確認サーバ300に接続し、自身の個体識別IDとともに登録要求を送信する。表示確認サーバ300は、通信モジュール340を介して、情報表示装置100aからの個体識別IDと登録要求を受け取り、登録管理部310により当該情報表示装置の登録を行う。そしてタイミング管理部320では、登録された情報表示装置100aに対して、リプライタイミング1を生成する。この時、情報表示装置100aが使用する通信路における同時通信可能な上限数を定め、表示確認時間幅内でこの上限数を超えないようにリプライタイミング1を割り当てる。
【0053】
リプライタイミングの生成方法を、図8を用いて説明する。図8に、図3における通信網400の一例を詳細に示す。通信網400は、十分な通信容量を確保可能な、表示確認サーバ300側の基幹通信路1421と、確保可能な通信容量が限られ、全ての情報表示装置100が同時に通信しようとした場合には容量オーバーとなってしまう限定通信路
1411a,1411bとに分けられるものと考えられる。図8の例では、限定通信路が2つの場合を説明する。限定通信路1411aおよび1411bは、例えば携帯電話通信網のいくつかの基地局からなる通信路や、固定電話等の通信網である。
【0054】
各限定通信路1411a,1411bは、それぞれ伝送レートがS1[bit/sec],
2[bit/sec] の通信量を確保可能であり、使用する限定通信路における同時通信可能な上限数から定まる単位時間当たりの接続許容台数が、Nmax1[台],Nmax2[台]であるということが予めわかっているものとする。この値は、本情報伝送システムの設計時に、通信事業者との契約等により決定される値である。
【0055】
図12に、限定通信路に関する情報を管理する限定通信路情報1900のテーブルの例を示す。限定通信路情報1900には、限定通信路を特定する通信路ID1911と、単位時間当たりの接続許容台数である許容台数1912と、伝送レート1913と、受信予定個体リストID1914を含む。限定通信路情報1900を管理することにより、各限定通信路のパラメタと、その限定通信路内に存在する情報表示装置100とを関連付けることが可能となる。
【0056】
情報表示装置群1401aと、情報表示装置群1401bは、それぞれ限定通信路
1411a,1411bに接続されるN1台およびN2台の情報表示装置100を示しており、それぞれ、限定通信路1411a,限定通信路1411bに接続することにより基幹通信路1421に接続可能なものとする。
【0057】
この時、N1≦Nmax1および、N2≦Nmax2であれば、たとえ、各情報表示装置100がデジタル放送波によって同時にシート状表示部110の表示を書き替えるコンテンツを受信し、その結果、通信網400を介して同時に表示の書き替え完了情報を表示確認サーバに転送しようとしても問題は発生しない。
【0058】
しかし、より多くの人の目にとまるような有効な広告媒体として情報表示装置100を活用するためには、N1>Nmax1もしくはN2>Nmax2となるような台数の情報表示装置を扱うことが必要になると考えられる。
【0059】
本発明では、タイミング管理部320は、書き替え完了情報に必要なデータ量D[bit]と、限定通信路iの伝送レートSiから、リプライタイミング幅Triを算出する。このリプライタイミング幅Triは、
【0060】
【数1】

となるように計算する。
【0061】
タイミング管理部320では、例えば、情報表示装置群1401aに属するN1 台の情報表示装置をNmax1台毎に分け、最初のNmax1台に対しては、リプライタイミングを0
[sec]と設定する。そして次のNmax1台に対しては、リプライタイミングをTri[sec]として設定する。更にその次のNmax1 台に対しては、リプライタイミングをTri+Tri=2Tri[sec]として設定する。以降、Nmax1台毎に、Tri[sec]ずつ増やしたリプライタイミングを設定する。
【0062】
以上のように、リプライタイミング幅Triを、表示確認時間幅としてリプライタイミングを設定することにより、限定通信路i(図12の例では、i=1,2)内で書き替え完了情報を送信する情報表示装置の接続台数が、常に単位時間当たりの接続許容台数Nmaxi以下になるよう制御することが可能となる。
【0063】
また、この例では、最大Nmax1台の情報表示装置に対して同じリプライタイミングが設定されるが、各情報表示装置において、割り当てられたリプライタイミングに対して、乱数により、リプライタイミング幅以下の微調整を行い、同じリプライタイミングを割り当てられたNmax1台の情報表示装置が同期して通信を開始する状態が発生することを回避することも可能である。即ち、あるリプライタイミングTa[sec]が割り当てられた情報表示装置の通信モジュール140では、このリプライタイミングTa[sec]からTa+Tri[sec ]の間で乱数を生成し、生成された乱数のタイミングで表示確認サーバ300に対する書き替え完了情報900の送信を開始するようにする。
【0064】
またこの場合、各限定通信路1411a,1411bに接続される全ての情報表示装置が書き替え完了情報を送信開始するまでに必要な最短の更新周期T[sec]は、
【0065】
【数2】

となり、送信スケジュール1000および受信スケジュール1300の更新周期は、この最短の更新周期Tを下回らないように設定する必要がある。また、送信スケジュール1000におけるリプライ有効期限1014は、この最短の更新周期Tに基づき決定される。
【0066】
以上は、各情報表示装置100において、シート状表示部110に表示するコンテンツの書き替え時間が十分短い場合について説明したが、コンテンツの書き替え時間が、リプライタイミングに対して影響を及ぼすほど長時間必要となる場合は、最大書き替え時間
d[sec]を設定し、この値を考慮してリプライタイミングを決定する必要がある。即ち
【0067】
【数3】

となるようにリプライタイミングを決定する。ここで最大書き替え時間Td は、情報表示装置100の描画性能と、表示するコンテンツのデータ量により予め見積もっておくものとする。
【0068】
図3の説明に戻ると、情報表示装置100aでは、表示確認サーバ300から受け取ったリプライタイミング1をデータ保持部150に保存する。同様に、情報表示装置100bについても、表示確認サーバ300は情報表示装置100bからの登録要求に対して、登録確認とリプライタイミング2を返す。情報表示装置100bは、リプライタイミング2を受け取り、データ保持部150に保存する。
【0069】
図11に、情報表示装置データベース1800の一例を示す。情報表示装置データベース1800は少なくとも、個別の情報表示装置を識別する個体識別ID1811と、情報表示装置が使用する限定通信路ID1812と、情報表示装置に指定されたリプライタイミング1813と、情報表示装置が正常に動作しており、受信スケジュールに基づき指定されたコンテンツの受信が完了したことをあらわす「コンテンツ受信完了」の情報を保持する受信完了情報1814と、情報表示装置の動作が「正常動作」か「動作不良」かを示す動作状態1815の各情報とから構成される。
【0070】
表示確認サーバ300は、この情報表示装置データベース1800をサーバデータ保持部350に記憶し、情報表示装置データベース1800を用いて、図10に示す処理を実行する。
【0071】
また、情報表示装置100に、現在時刻を管理し、表示制御部130からの要求に対して現在時刻を提供する機能を持つ時刻管理部160を備えることにより、表示制御部130により現在時刻の指定を受け付ける機能、すなわち、表示制御部130によって指定された現在時刻を新たに設定し、以降は設定された現在時刻からの経過時間により、情報表示装置100における現在時刻を更新する機能を持つ。時刻管理部160は、常に正確な時刻を保持する必要あるが、これは受信したデジタル放送波に含まれている時刻情報を示すデータを抽出し、このデータを用いて補正することが可能である。
【0072】
図15は、本発明の第一の実施例において用いる他の受信スケジュール2300の例を示す図である。この例の場合、全ての情報表示装置が正しく表示を更新しているか個々に確認するのではなく、コンテンツを表示すべき情報表示装置が概ね正しく表示を更新していることを確認するようにしたことで、最大書き替え時間を下回る更新周期でのコンテンツの更新を可能としている。
【0073】
受信スケジュール2300は、図7に示した受信スケジュール1300の構成に加え、更新頻度情報2320を持つ。情報表示装置100は、コンテンツ識別IDで指定されたコンテンツを受信した際には、このコンテンツ識別IDに対応する更新頻度情報2320を参照して、書き替え完了情報900を送信するか否かを判断する。
【0074】
例えば、更新頻度情報を確率データとして採用した場合、受信スケジュールで指定されたコンテンツの更新頻度情報が0.2 であった場合には、そのコンテンツを受信した全情報表示装置では、20%の確率で書き替え完了情報を送信するように制御する。
【0075】
一方、表示確認サーバ300では、そのコンテンツの表示への更新が開始された後、各情報表示装置からの書き替え完了情報の送信回数を保存し、各情報表示装置の送信回数を、書き替え完了情報送信回数の期待値=対象となるコンテンツ更新回数×更新頻度情報、と比較し、各情報表示装置の動作状態が正常動作であるか動作不良であるかを確率的に算出する。
【0076】
そこで、情報表示装置からの書き替え完了情報の送信回数がその期待値に一致する確率を、所定の確率分布に従うと仮定し、期待値から一定以下の送信回数となる確率に対して、統計的検定手法を用いることによって、各情報表示装置の動作状態が正常動作/動作不良のいずれかであるとみなす。例えば、更新頻度情報が0.2 で、コンテンツの書き替えが50回指定されていた時に、実際に情報表示装置から受信した書き替え完了情報が6であった場合、その情報表示装置が20%の確率で書き替え完了情報を送信していたか否かを判定するためには、次のような検定を行う。
【0077】
まず、確率分布が2項分布であると仮定した場合、50回のコンテンツの書き替えについて、書き替え完了情報を送信する回数が6回よりも小さくなる累積確率は0.1034となる。棄却域を5%とすれば、この累積確率は0.05 よりも大きいので、その情報表示装置は動作不良であるとはみなさない。
【0078】
一方、100回のコンテンツ書き替えについて、書き替え完了情報を送信した回数が
12回の場合、n=100,x=12の累積確率は0.0111となり、棄却域の0.05よりも小さい。この場合は、その情報表示装置は動作不良であると判断する。
【0079】
このようにすることにより、書き替え完了情報を送信する必要のある情報表示装置が更新頻度情報で指定された割合まで減ることから、更新頻度情報を0.2 とした場合には、最大書き替え時間の1/5のコンテンツの更新周期が可能となり、かつ、各情報表示装置の動作状態を統計的に確認することができる。
【0080】
また、更新頻度情報に採用する確率値としては、各情報表示装置が書き替え完了情報を送信する割合の代わりに、最大書き替え時間に対するコンテンツ更新周期の割合を採用することが可能である。
【実施例2】
【0081】
図2は本発明を用いた第二の実施例のシステム構成を示す図である。
【0082】
図3の第一の実施例によるシステム構成と異なるのは、図1に示した構成では直接各情報表示装置100が通信網400に接続されていたことに対して、図2ではマスター情報表示装置4100のみが通信網に接続されており、スレーブ情報表示装置5100はマスター情報表示装置4100を介してのみ接続されている点、及び、デジタル放送波を受信するのはマスター情報表示装置4100だけである点が異なる。
【0083】
マスター情報表示装置4100は、基本的に、情報表示装置100と同じ構成であり、デジタル放送の受信アンテナ120,受信モジュール121,表示制御部4130,通信モジュール4140,シート状表示部110,データ保持部4150から構成される。ただし、通信モジュール4140は、外部の通信網400への通信手段に加え、ローカルな通信手段を持つことにより通信の効率を高めることが可能である。ローカルな通信手段には、有線LANや、無線LAN、あるいは他の近距離無線通信手段など種々の通信手段が適用可能である。
【0084】
受信モジュール121はデジタル放送波の信号を受信し復調を行い、表示制御部4130により指定されたデジタルデータを抽出して表示制御部4130に提供する機能を持つ。表示制御部4130は、受信したデジタル放送波の予め定められた放送データの中から必要なデータを抽出し、スレーブ情報表示装置5100にローカルな通信手段を介して伝送する。
【0085】
スレーブ情報表示装置5100は、シート状表示部110と、表示制御部5130,通信モジュール5140,データ保持部5150から構成される。通信モジュール5140はローカルな通信手段を有し、マスター情報表示装置4100と無線もしくは有線により接続される。
【0086】
本システム構成をとることにより、表示確認サーバ300と直接通信するマスター情報表示装置4100の台数が少なくなる分、リプライタイミングの調整がしやすくなるという効果がある。また、デジタル放送波を受信するマスター情報表示装置4100のみ、確実にデジタル放送波が届く場所に設置すればよく、スレーブ情報表示装置5100は、デジタル放送波が届かない場所に設置しても良く、自由な場所に設置可能であるという利点がある。
【0087】
更に、図1に示した実施例1の場合と同様に、マスター情報表示装置4100とスレーブ情報表示装置5100にそれぞれ、時刻管理部3161,3162を設け、現在時刻の管理を行うようにしてもよい。
【0088】
マスター情報表示装置4100においては、受信したデジタル放送波の時刻情報により、時刻管理部4160の時刻を常時正確に適合させることが可能である。一方、スレーブ情報表示装置5100においては、デジタル放送波を直接受信することができないため、マスター情報表示装置4100とのローカルな通信により時刻情報を入手して現在時刻を補正する。
【0089】
図14に時刻補正時における通信シーケンスを示す。マスター情報表示装置4100からスレーブ情報表示装置5100に対して現在時刻を送受信し、この通信に要する時間をマスター側とスレーブ側の双方で測定した結果から、マスター情報表示装置4100とスレーブ情報表示装置5100間の時刻ずれを検出し、スレーブ情報表示装置5100側でマスター情報表示装置4100の現在時刻に同期することにより、スレーブ情報表示装置5100における時刻管理部5160の現在時刻を補正する。この処理を、マスター情報表示装置4100が管理する各スレーブ情報表示装置5100に対して行う。
【実施例3】
【0090】
図13は、本発明を用いた第三の実施例における情報表示装置について説明する図である。図13に示す情報表示装置6100は、実施例1における情報表示装置100に対し、画像抽出部180もしくは光発電部170を備える点が異なる。画像抽出部180では、受信モジュール121で受信したデジタル放送波から得られる動画像のデジタルデータを解析し、静止画像の画像情報を取り出す。例えば、MPEG−2デコーダや、H.264デコーダなどを使うことで実現する。
【0091】
この時、表示制御部130は、受信スケジュール1300によって指定されたコンテンツの受信開始予定時刻1311における受信チャンネル1313で指定されたチャンネルに受信モジュール121を同調させ、受信チャンネルで配信される動画像のコンテンツを受信する。画像抽出部180は、受信した動画像の1フレームもしくは複数フレームの画像、或いは動画像の1フレームもしくは複数フレームの画像内の特定の領域を切り出して表示制御部130に渡す。表示制御部130は、受け取った画像をシート状表示部110に表示制御を行う。このようにして表示制御部130は、画像抽出部が抽出した画像を、所定コンテンツとして扱うことが可能である。この場合は、所定のコンテンツを、通常の放送に加えて放送波に別途載せる必要がなく、既に放送波に載っている情報を使用することが可能となる。
【0092】
また、表示制御部130は、画像抽出部180が抽出した静止画像を、所定コンテンツと入れ替わりに定期的に表示することが可能である。この場合は、通常放送の画像により、広告対象とする人々の注意を引き、引き続き所定のコンテンツを表示する。
【0093】
また、光発電部170を有することにより、電カ供給が不要もしくは電池交換の期間を延長することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明を用いた情報伝送システムの第一の実施例について説明する図である。
【図2】本発明を用いた情報伝送システムの第二の実施例について説明する図である。
【図3】情報表示装置を表示確認サーバに登録する際のシーケンスの一例を説明する図である。
【図4】書き替え完了情報の一例を示す図である。
【図5】送信スケジュール情報の一例を示す図である。
【図6】受信予定個体リストの一例を示す図である。
【図7】受信スケジュールの一例を示す図である。
【図8】リプライタイミング決定方法を説明するためのシステム構成の一例を示す図である。
【図9】情報表示装置の動作フローの一例を示す図である。
【図10】表示確認サーバの動作フローの一例を示す図である。
【図11】情報表示装置データベースの一例を示す図である。
【図12】限定通信路情報の一例を示す図である。
【図13】情報表示装置の一例について説明する図である。
【図14】マスター・スレーブ間の送受信シーケンスの一例について説明する図である。
【図15】受信スケジュールの他の例について説明する図である。
【図16】情報表示装置の処理フローについて説明する図である。
【符号の説明】
【0095】
100 情報表示装置
110 シート状表示部
120 受信アンテナ
121 受信モジュール
130 表示制御部
140,340,4140,5140 通信モジュール
150,4150,5150 データ保持部
200 放送局
300 表示確認サーバ
310 登録管理部
320 タイミング管理部
330 集計管理部
350 サーバデータ保持部
4100 マスター情報表示装置
4130,5130 表示制御部
5100 スレーブ情報表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報の表示制御により該画像情報の表示状態を継続するシート状表示部と該シート状表示部の表示制御を行う表示制御部を備えた複数の情報表示装置と、
当該複数の情報表示装置による画像の表示状態を管理する表示確認サーバとからなる情報伝送システムであって、
該表示確認サーバと該情報表示装置は、通信網を介して接続され、
各情報表示装置は、
前記表示確認サーバと前記通信網を介して通信する第一の通信モジュールと、
デジタル放送波によって伝送される表示用コンテンツを受信する受信モジュールと、
前記表示確認サーバから通知された、表示制御の実行後に前記第一の通信モジュールによる通知を行うまでの時間差を保持するデータ保持部とを備え、
前記表示制御部により、前記受信モジュールで受信した表示用コンテンツを前記シート状表示部に表示する表示制御の実行し少なくとも前記時間差の間待機した後、前記第一の通信モジュールにより当該表示制御の実行を前記表示確認サーバに通知し、
前記表示確認サーバは、
前記情報表示装置を管理リストに登録する登録管理部と、
前記管理リストを保持するデータ保持部と、
前記情報表示装置と通信を行う第二の通信モジュールと、
各情報表示装置から、放送データ受信後に時間差をおいて送信される該放送データによる表示の書き替え完了通知を管理する集計管理部と、
所定時間内における情報表示装置に接続数が、情報表示装置が接続される通信網に対し定められた許容台数以下となるように、各情報表示装置に対する通信の前記時間差を生成するタイミング管理部とを備え、
前記時間差は前記第二の通信モジュールにより各情報表示装置に通知されること
を特徴とする情報伝送システム。
【請求項2】
複数の情報表示装置による画像の表示状態を管理する表示確認サーバにおいて、
前記情報表示装置を管理リストに登録する登録管理部と、
前記管理リストを保持するデータ保持部と、
前記情報表示装置と通信を行う通信モジュールと、
各情報表示装置から、放送データ受信後に時間差をおいて送信される該放送データによる表示の書き替え完了通知を管理する集計管理部と、
所定時間内における情報表示装置に接続数が、情報表示装置が接続される通信網に対し定められた許容台数以下となるように、各情報表示装置に対する通信の前記時間差を生成するタイミング管理部とを備え、
前記時間差は前記通信モジュールにより各情報表示装置に送信されること
を特徴とする表示確認サーバ。
【請求項3】
画像情報の表示制御により該画像情報の表示状態を継続するシート状表示部と、
前記シート状表示部の表示制御を行う表示制御部と、を備えた情報表示装置において、
デジタル放送を受信する受信モジュールと、
前記表示制御部により、前記受信モジュールで受信したデータを前記シート状表示部に表示する表示制御の実行を外部の表示確認サーバに通知する通信モジュールと、
当該表示制御の実行後に前記通信モジュールによる通信を行うまでの時間差を保持するデータ保持部と
を有することを特徴とする情報表示装置。
【請求項4】
画像情報の表示制御により該画像情報の表示状態を継続するシート状表示部を備えた複数の第一の情報表示装置と第二の情報表示装置、及び当該複数の第一の情報表示装置と第二の情報表示装置による画像の表示状態を管理する表示確認サーバとからなる情報伝送システムであって、
該表示確認サーバと該第二の情報表示装置は、通信網を介して接続され、
前記第一の情報表示装置は、
前記シート状表示部の表示制御を行う第一の表示制御部と、
前記第二の情報表示装置と通信路を介して通信する第一の通信モジュールとを備え、
第一の表示制御部は、前記第一の通信モジュールを介して前記第二の情報表示装置から伝送される表示用コンテンツを受信し、受信した表示用コンテンツを前記シート状表示部に表示する表示制御の実行した後、前記第一の通信モジュールにより当該表示制御の実行を前記第二の情報表示装置に通知し、
前記第二の情報表示装置は、
前記シート状表示部の表示制御を行う第二の表示制御部と、
前記表示確認サーバと前記通信路を介して通信し、また前記表示確認サーバとは前記通信網を介して通信する第二の通信モジュールと、
デジタル放送波によって伝送される表示用コンテンツを受信する受信モジュールと、
前記表示確認サーバから通知された、時間差の情報を保持するデータ保持部とを備え、
前記第二の通信モジュールは、前記受信した表示用コンテンツを前記通信路に接続される全ての前記第一の情報表示装置に送信し、
前記第二の表示制御部は、前記表示用コンテンツを送信後少なくとも前記時間差の間待機し、前記全ての第一の情報表示装置からの表示制御の実行の通知を前記第一の通信モジュールにより受信して、当該表示制御の実行の通知を前記表示確認サーバに通知し、
前記表示確認サーバは、
少なくとも前記第二の情報表示装置を管理リストに登録する登録管理部と、
前記管理リストを保持するデータ保持部と、
前記第二の情報表示装置と通信を行う第三の通信モジュールと、
各第二の情報表示装置から、放送データ受信後に時間差をおいて送信される該放送データによる表示の書き替え完了通知を管理する集計管理部と、
所定時間内における第二の情報表示装置に接続数が、第二の情報表示装置が接続される通信網に対し定められた許容台数以下となるように、各第二の情報表示装置に対する通信の前記時間差を生成するタイミング管理部とを備え、
前記時間差は前記第三の通信モジュールにより各第二の情報表示装置に通知されること
を特徴とする情報伝送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−205980(P2008−205980A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−41575(P2007−41575)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】