説明

情報処理装置、情報処理プログラム

【課題】 原稿の置き忘れがあった場合に、原稿と関連付けられた利用者の情報を、原稿の通知先へ通知することができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 認証用カード100に記憶された利用者の識別情報を無線通信により読取る利用者識別情報読取部11と、情報処理の対象となる原稿200に添付された記憶部材200aが記憶する原稿200を識別するため原稿200の識別情報を読取る原稿識別情報読取部13と、利用者の識別情報及び原稿の識別情報に基づいて利用者に関する情報と原稿200に関する情報を関連付ける関連付部15と、利用者の識別情報が利用者識別情報読取部11の読取可能範囲外となった場合であって、原稿識別情報読取部13が利用者の識別情報と関連付けた原稿200の識別情報を読取可能な状態にあるときに、利用者に関する情報を関連付けられた原稿200の通知先へ通知をする通知部27とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1や特許文献2に示すように、非接触型ICタグが添付された記録用紙を使用して、画像処理装置における画像処理後の当該記録用紙の持ち忘れを防止する技術が知られている。
【特許文献1】特開2004−223966号公報
【特許文献2】特開2005−144845号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は原稿の置き忘れがあった場合に、当該原稿と関連付けられた利用者の情報を、当該原稿の通知先へ通知することができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の情報処理装置は、認証用媒体に記憶された利用者の識別情報を無線通信により読取る利用者の識別情報読取手段と、情報処理の対象となる原稿に添付された記憶部材が記憶する原稿を識別するため原稿の識別情報を読取る原稿の識別情報読取手段と、利用者の識別情報及び原稿の識別情報に基づいて利用者に関する情報と原稿に関する情報を関連付ける関連付け手段と、利用者の識別情報が利用者の識別情報読取手段の読取可能範囲外となった場合であって、原稿の識別情報読取手段が利用者の識別情報と関連付けた原稿の識別情報を読取可能な状態にあるときに、利用者に関する情報を関連付けられた原稿に関する情報の通知先へ通知をする通知手段とを有することを特徴としている。
【0005】
また、本発明は、通知手段が通知する前に、原稿の識別情報が読取り可能な状態であることを報知する報知手段をさらに含むことを特徴としている。
【0006】
また、本発明は、利用者の識別情報読取手段は、無線通信に代えて、利用者の識別情報を認証用媒体との電磁気的な接触により読取り、通知手段は、認証用媒体が利用者の識別情報読取手段と非接触状態となった場合に通知することを特徴としている。
【0007】
また、本発明は、利用者の属性情報及び原稿の属性情報を記憶する記憶手段を備え、関連付け手段は、利用者の属性情報と原稿の属性情報とを関連付け、通知手段は、利用者の属性情報の内容を、原稿の属性情報の通知先へ通知することを特徴としている。
【0008】
また、本発明は、記憶手段は、携帯可能であって、かつ、着脱可能であることを特徴としている。
【0009】
また、本発明の情報処理プログラムは、認証用媒体に記憶された利用者の識別情報を無線通信により読取るステップと、情報処理の対象となる原稿に添付された記憶部材が記憶する原稿を識別するため原稿の識別情報を読取るステップと、利用者の識別情報及び原稿の識別情報に基づいて利用者に関する情報と原稿に関する情報を関連付けるステップと、利用者の識別情報が利用者の識別情報読取手段の読取可能範囲外となった場合であって、原稿の識別情報読取手段が利用者の識別情報と関連付けた原稿の識別情報を読取可能な状態にあるときに、利用者に関する情報を関連付けられた原稿に関する情報の通知先へ通知をするステップとをコンピュータに実行させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、原稿の置き忘れがあった場合に、前記原稿と関連付けられた利用者の情報を前記原稿の通知先へ通知することができる効果を有する。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、原稿の置き忘れがあった場合に、前記原稿と関連付けられた利用者の情報を前記原稿の通知先へ通知する前に情報処理装置による報知が可能となる効果を有する。
【0012】
請求項3に係る発明によれば、無線通信による読取りと比較して、認証用媒体が電磁気的に非接触状態となった場合に、原稿の置き忘れを通知することができる効果を有する。
【0013】
請求項4に係る発明によれば、記憶させた利用者及び原稿の属性情報に基づいた通知が可能となる効果を有する。
【0014】
請求項5に係る発明によれば、記憶手段を簡単に持ち運ぶことができるという効果を有する。
【0015】
請求項6に係る発明によれば、原稿の置き忘れがあった場合に、前記原稿と関連付けられた利用者の情報を前記原稿の通知先へ通知することができる効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る情報処理装置の要部を示す機能ブロック図である。尚、図1に示す各機能ブロックは、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static RAM)、ROM(Read Only Memory)等の半導体記憶装置、HD(Hard Disc)等の磁気ディスク及び所要のソフトウェアによりそれぞれ実現される。また、後述する機能ブロックについても同様である。
【0017】
情報処理装置は、例えば印刷機能、複写機能、ファクシミリ機能、スキャナ機能、電子メール送受信機能等を少なくとも1つ備える複合機等で構成され、図1に示すように、利用者識別情報読取部11、原稿識別情報読取部13、関連付部15、属性記憶部17、計時部19、報知部21、通知部27等を備える。
【0018】
利用者識別情報読取部11は、本発明の利用者の識別情報読取手段の一例であって、例えばRFID(Radio Frequency Identification)リーダ等が該当し、認証用カード100に添付される非接触型ICタグ(RFIDタグ)100aが記憶する利用者の識別情報を無線通信により読取る機能を有する。本発明の認証用媒体の一例である認証用カード100には、例えばICカードやID(Identification)カード等、利用者を識別するための情報が記憶されたカード等が該当する。尚、利用者識別情報読取部11は、認証用カード100を投入して電気的、磁気的または電磁気的な接続に従って認証を確認する認証用投入口等であってもよい。
【0019】
原稿識別情報読取部13は、本発明の原稿の識別情報読取手段の一例であって、例えばRFIDリーダ等が該当し、画像情報等の情報処理の対象となる原稿200に添付される、本発明の記憶部材の一例である非接触型ICタグ200aが記憶する原稿の識別情報を無線通信により読取る機能を有する。情報処理の対象となる原稿200には、例えば保険証、運転免許証、パスポート、外国人登録証明書、住民票、印鑑証明書等の身分証明書、株式、債券、テレホンカード等の有価証券、設計図面等の機密性・秘匿性の高い書類等が該当し、原稿の識別情報はこれらを識別するための情報が該当する。このように、原稿の材質は紙、プラスチック、金属など、種々の材質が可能である。
【0020】
関連付部15は、本発明の関連付け手段の一例であって、利用者の識別情報及び原稿の識別情報に基づいて、利用者に関する情報と原稿に関する情報とを関連付ける。なお、本発明の記憶手段の一例である属性記憶部17を形成し、当該属性記憶部17に記憶される利用者の属性情報及び原稿の属性情報を関連付けるようにしてもよい。利用者の属性情報は、例えば、認証用カード100の所有者名、生年月日、住所、電話番号、携帯番号、内線番号、FAX番号、e-mailアドレス、所属部署等で構成され、また、原稿の属性情報は、通知先等を指定するための情報であって、例えば、原稿200の管理者、所有者、生成日時、複製数、連絡先、原稿200の内容を照会・検索する際に使用するURL(Uniform Resource Locator)等で構成される。したがって、関連付けられた内容(以下、関連付情報という。)は、認証用カード100の所有者名や所属等と、原稿200の管理者、所有者、連絡先が含まれる。尚、属性記憶部17は、携帯可能、かつ、着脱可能であって、情報処理装置に内蔵されていても、外付けされていてもよい。また、利用者の属性情報と原稿の属性情報とが別々の記憶部に記憶されていてもよい。
【0021】
計時部19は、例えばタイマー等で構成され、認証用カード100と利用者の識別情報読取部11とが非接続となった状態または利用者の識別情報が利用者情報識別情報読取部11の読取可能範囲外となった状態から報知部21または通知部27を動作させるまでの所定の時間を計時する。計時部19によって計時させる時間は、情報処理装置を管理する管理者によって適宜変更可能である。
【0022】
報知部21は、本発明の報知手段の一例であって、音声出力部23や警告表示部25等によって構成される。
音声出力部23は、例えばスピーカ等で構成され、計時部19によって計時された所定の時間が経過すると音声メッセージや警告音を出力する。すなわち、音声メッセージや警告音は、情報処理装置において情報処理の対象となった原稿200の置き忘れに対する音声メッセージや警告音を出力する。
警告表示部25は、液晶ディスプレイ等で構成され、計時部19によって計時された所定の時間が経過すると警告表示を出力する。
【0023】
通知部27は、本発明の通知手段の一例であって、情報処理後に、利用者の識別情報が利用者識別情報読取部11の読取可能範囲外となった場合または認証用カード100と利用者識別情報読取部11とが非接続となった場合であって、原稿識別情報読取部13が原稿の識別情報を読取可能な状態にあるときに、原稿200の管理状態と利用者の属性情報に含まれる内容を原稿の属性情報に含まれる通知先へ通知する。原稿200の管理状態は、例えば、放置されている状態等がある。したがって、情報処理装置に原稿200を置き忘れると、関連付情報に基づいて、原稿が放置されている旨と、情報処理を行っていた利用者名(認証用カード100の所有者名)、所属、内線番号等が、原稿200の管理者や所有者の連絡先に通知される。
【0024】
続いて、情報処理装置の動作について図面を参照して説明する。
図2は情報処理装置における処理の一例を示すフローチャートである。
情報処理装置は、まず、認証用カード100が有する利用者の識別情報を利用者識別情報読取部11で読取る(ステップS1)。次いで、利用者の識別情報に基づく利用者の属性情報を属性記憶部17から取得する(ステップS2)。
【0025】
情報処理装置は、次いで、原稿200が有する原稿の識別情報を原稿識別情報読取部13で読取る(ステップS3)。次いで、原稿の識別情報に基づく原稿の属性情報を属性記憶部17から取得する(ステップS4)。そして、取得した利用者の属性情報及び原稿の属性情報とを関連付ける関連付情報を生成する(ステップS5)。
【0026】
情報処理装置は、ここで、認証用カード100が利用者識別情報読取部11の読取可能範囲外となったか否か判断する(ステップS6)。これにより、利用者が認証用カード100を保持したまま、情報処理装置から離れたか否かを判断する。認証用カード100が利用者識別情報読取部11の読取可能範囲内であると判断した場合には、利用者から操作された指示に基づいて原稿200に対し印刷、複写、スキャン等の画像情報処理を行う(ステップS7)。そして、関連付情報に対して画像処理済みである旨の情報を付し(ステップS8)、関連付情報を画像処理内容や画像処理履歴(ログ)と共に、図示しない記憶装置に記憶する(ステップS9)。
【0027】
情報処理装置は、ここで、原稿識別情報読取部13が新たな原稿の識別情報を読取ったか否かを判断する(ステップS10)。すなわち、情報処理を行った原稿200とは別の原稿が情報処理装置にセットされたか否かを判断する。原稿識別情報読取部13が新たな原稿の識別情報を読取ったと判断した場合には、ステップS4の処理を行う。
【0028】
情報処理装置は、原稿識別情報読取部13が新たな原稿の識別情報を読取っていないと判断した場合には、次いで、連続して情報処理すべき指示があるか否かを判断する(ステップS11)。すなわち、例えば、原稿200をスキャンした後に、続けて印刷処理や複写処理、ファクシミリ処理を行う指示が情報処理装置に入力されているか否かを判断する。
【0029】
情報処理装置は、連続して画像処理すべき指示があると判断した場合には、当該指示に基づく情報処理を行う(ステップS12)。一方で、当該指示がない場合には、再度、認証用カード100が利用者識別情報読取部11の読取可能範囲外となったか否か判断する(ステップS13)。
【0030】
情報処理装置は、ステップS6またはステップS13の処理において、認証用カード100が利用者識別情報読取部11の読取可能範囲外であると判断した場合には、利用者が認証用カード100を持ち、情報処理装置から離れたと判断し、計時部19を作動させ、所定の時間の計測を開始する(ステップS14)。尚、認証用カード100が利用者識別情報読取部11の読取可能範囲内であると判断した場合には、利用者が情報処理の終了を待っている状態と判断し、情報処理終了後に計時部19を作動させ、所定の時間の計測を開始する(ステップS15)。
【0031】
情報処理装置は、次いで、原稿識別情報読取部13が原稿の識別情報を読取可能であるか否かを判断する(ステップS16)。すなわち、原稿の識別情報が読取可能であれば、情報処理装置に原稿200が放置されている状態であると判断する。そして、情報処理装置は、原稿識別情報読取部13が原稿の識別情報を読取可能であると判断した場合には、警告表示部25に原稿200が放置されている旨を表示し(ステップS17)、さらに、音声出力部23から、警告音や音声メッセージを出力する(ステップS18)。
【0032】
情報処理装置は、次いで、計時部19が所定の時間を計測したか否かを判断する(ステップS19)。すなわち、警告の表示や警告音の出力を行っても、未だ、原稿識別情報読取部13が原稿の識別情報を読取可能であると判断する場合には、利用者が原稿200を持ち帰り忘れたと判断し、原稿200の置き忘れの旨や情報処理装置の利用者等を原稿200の管理者や所有者に通知する(ステップS20)。尚、ステップS16の処理において、情報処理装置は原稿識別情報読取部13が原稿の識別情報を読取不可能であると判断した場合には、利用者が原稿200を持ち帰ったと判断し、ステップS17からステップS20までの処理を行わない。
【0033】
続いて、本発明を利用した実施形態に係る認証装置について図面を参照して説明する。
本発明の認証装置は、認証用媒体に記憶された情報処理装置を利用するための利用者の識別情報を無線通信により読取る利用者の識別情報読取手段と、情報処理の対象となる原稿に添付された記憶部材が記憶する原稿を識別するための原稿の識別情報を読取る原稿の識別情報読取手段と、利用者の識別情報と原稿の識別情報との関連性が、関連性の正否を判断するための判断基準情報に基づいて、正当または不当のいずれかである旨を表示する表示手段と、関連性が正当である旨を表示する場合に、情報処理装置を含む所定の領域内から所定の領域外への出口に設置される門扉を開放する門扉制御手段とを有することを特徴としている。
【0034】
また、本発明は、警告音を出力する警告音出力手段を備え、表示手段が、関連性が不当である旨を表示する場合に、警告音出力手段が警告音を出力することを特徴としている。
【0035】
また、本発明の認証プログラムは、認証用媒体に記憶された情報処理装置を利用するための利用者の識別情報を無線通信により読取るステップと、情報処理の対象となる原稿に添付された記憶部材が記憶する原稿を識別するための原稿の識別情報を読取るステップと、利用者の識別情報と原稿の識別情報との関連性が、関連性の正否を判断するための判断基準情報に基づいて、正当または不当のいずれかである旨を表示するステップと、関連性が正当である旨を表示する場合に、情報処理装置を含む所定の領域内から所定の領域外への出口に設置される門扉を開放するステップとを有することを特徴としている。
【0036】
すなわち、本実施形態では、情報処理装置で情報処理を行った利用者が情報処理装置を含む所定の領域から外出する際に認証用カードと原稿とを使用して認証を行った後に所定の領域から外出することができるようにしたものである。
【0037】
図3は本発明の実施形態に係る認証装置の要部を示す機能ブロック図である。尚、図1に示される情報処理装置の各部と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0038】
認証装置は、図3に示すように、利用者識別情報読取部11、原稿識別情報読取部13、関連性表示部55、識別情報記憶部57、判断基準記憶部59、門扉制御部61、警告音出力部63等から構成される。
【0039】
関連性表示部55は、本発明の表示手段の一例であって、例えば液晶ディスプレイ等で構成され、利用者識別情報取得部11から取得された利用者の識別情報と原稿識別情報読取部13から取得された原稿の識別情報とが識別情報記憶部57に記憶される利用者の識別情報と原稿の識別情報とに基づいて、正当な利用者の識別情報、正当な原稿の識別情報であるか否かを判断する。さらに正当な利用者の識別情報、正当な原稿の識別情報である場合には、これらの関連性(組み合わせ)が、本発明の記憶手段の一例である判断基準記憶部59に記憶される関連性を判断するための判断基準情報に基づいて、正当な関連性または不当な関連性である旨を表示する。尚、識別情報記憶部57及び判断基準記憶部59は、認証装置に内蔵させてもよく、また、所定の領域AR外に設置して認証装置と通信回線を介して接続させてもよい。認証情報記憶部57と判断基準記憶部59とを別々の場所に設置してもよい。
【0040】
すなわち、例えば、判断基準記憶部59に予め利用者の識別情報と原稿の識別情報との関連性が正当であるか否かを定める判断基準情報を記憶させておき、利用者識別情報取得部11から取得された利用者の識別情報と原稿識別情報読取部13から取得された原稿の識別情報とを関連付け、判断基準記憶部59に基づいて突き合わせることにより、利用者の識別情報と原稿の識別情報との関連性が正当であるか不当であるかを表示する。
【0041】
門扉制御部61は、本発明の門扉制御手段の一例であって、関連性が正当である旨を表示する場合に、情報処理装置400を含む所定の領域AR内から所定の領域AR外への出口に設置される門扉300を開放する。
【0042】
警告音出力部63は、本発明の警告音出力手段の一例であって、例えばスピーカ等で構成され、関連性表示部55が利用者の識別情報と原稿の識別情報との関連性を不当であると表示する場合に、門扉300が開かれず、警告音を出力する。
【0043】
続いて、認証装置の動作について図面を参照して説明する。
図4は認証装置における処理の一例を示すフローチャートである。
利用者Mが認証用カード100を認証装置の利用者識別情報読取部11に読取らせると、認証装置は、当該利用者の識別情報を読取り(ステップS31)、識別情報記憶部57に記憶される利用者の識別情報か否か判断する(ステップS32)。尚、識別情報記憶部57に記憶されていない利用者の識別情報であると判断した場合には、処理を終了する。
【0044】
次いで、利用者Mが原稿200を原稿識別情報読取部13に読取らせると、認証装置は、まず、当該原稿の識別情報を読取り(ステップS33)、識別情報記憶部57に記憶される原稿の識別情報か否か判断する(ステップS34)。尚、識別情報記憶部57に記憶されていない原稿の識別情報であると判断した場合には、処理を終了する。
【0045】
認証装置は、ステップS32の処理において、正当な利用者の識別情報であると判断し、かつ、ステップS34の処理において正当な原稿の識別情報であると判断する場合には、次に利用者の識別情報と原稿の識別情報との関連性が、判断記述記憶部59に記憶される判断基準を定めた情報に基づいて正当であるか不当であるか判断していずれかの旨を表示する(ステップS35)。
【0046】
認証装置は、利用者の識別情報と原稿の識別情報との関連性が、判断基準記憶部59に記憶される判断基準情報に基づいて正当であると判断した場合には、正当な利用者Mであって正当な原稿200であると判断し、所定の領域AR外への門扉300を開放し(ステップS37)、利用者の識別情報、原稿の識別情報及び利用者Mの門扉300の通過時刻を図示しない記憶装置に記憶する(ステップS39)。一方で、利用者の識別情報と原稿の識別情報との関連性が、判断記述記憶部59に記憶される判断基準に基づいて不当であると判断した場合には、利用者Mまたは原稿200のいずれかが不当であると判断し、門扉300を開放せず、警告音を出力する(ステップS38)。このように、認証装置は、情報処理後の原稿200が所定の領域ARから不正に持ち出されることを抑制する。
【0047】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。例えば、本発明のプログラムを通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。また、上述した実施形態では、情報処理装置を用いて説明したが、画像処理に関する機能等を有する装置であることが望ましい。非接触型ICタグは添付に限られず、埋め込まれていてもよい。上述した非接触型ICタグや各記憶部に記憶される情報は予め管理者等によって記憶させておくことが好ましい。情報処理装置は認証用媒体による認証結果が正常である場合に動作するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上説明したように、本発明によれば、記憶部材が添付された原稿を情報処理装置に置き忘れにくいため、産業上の利用可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】情報処理装置の要部構成を示す機能ブロック図である。
【図2】情報処理装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】認証装置の要部構成を示す機能ブロック図である。
【図4】認証装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
11 利用者識別情報読取部
13 原稿識別情報読取部
15 関連付部
17 属性情報記憶部
19 計時部
21 報知部
23 音声出力部
25 警告表示部
27 通知部
55 関連性表示部
57 識別情報記憶部
59 判断基準記憶部
61 門扉制御部
63 警告音出力部
100 認証用カード
100a、200a 非接触型ICタグ
200 原稿
300 門扉
400 情報処理装置
AR 所定の領域
M 利用者



【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証用媒体に記憶された利用者の識別情報を無線通信により読取る利用者の識別情報読取手段と、
情報処理の対象となる原稿に添付された記憶部材が記憶する原稿を識別するため原稿の識別情報を読取る原稿の識別情報読取手段と、
前記利用者の識別情報及び前記原稿の識別情報に基づいて前記利用者に関する情報と前記原稿に関する情報を関連付ける関連付け手段と、
前記利用者の識別情報が前記利用者の識別情報読取手段の読取可能範囲外となった場合であって、前記原稿の識別情報読取手段が前記利用者の識別情報と関連付けた前記原稿の識別情報を読取可能な状態にあるときに、前記利用者に関する情報を関連付けられた前記原稿に関する情報の通知先へ通知をする通知手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記通知手段が通知する前に、前記原稿の識別情報が読取り可能な状態であることを報知する報知手段をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記利用者の識別情報読取手段は、前記無線通信に代えて、前記利用者の識別情報を前記認証用媒体との電磁気的な接続により読取り、
前記通知手段は、前記認証用媒体が前記利用者の識別情報読取手段と非接続状態となった場合に通知することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
利用者の属性情報及び原稿の属性情報を記憶する記憶手段を備え、
前記関連付け手段は、前記利用者の属性情報と前記原稿の属性情報とを関連付け、
前記通知手段は、前記利用者の属性情報の内容を、前記原稿の属性情報の通知先へ通知することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、携帯可能であって、かつ、着脱可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
認証用媒体に記憶された利用者の識別情報を無線通信により読取るステップと、
情報処理の対象となる原稿に添付された記憶部材が記憶する原稿を識別するため原稿の識別情報を読取るステップと、
前記利用者の識別情報及び前記原稿の識別情報に基づいて前記利用者に関する情報と前記原稿に関する情報を関連付けるステップと、
前記利用者の識別情報が前記利用者の識別情報読取手段の読取可能範囲外となった場合であって、前記原稿の識別情報読取手段が前記利用者の識別情報と関連付けた前記原稿の識別情報を読取可能な状態にあるときに、前記利用者に関する情報を関連付けられた前記原稿に関する情報の通知先へ通知をするステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−110552(P2008−110552A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−295437(P2006−295437)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】