説明

情報処理装置、表示装置及びプログラム

【課題】表示された画像に関する案内を簡単な仕組みで行う。
【解決手段】表示されている画像に含まれる文字列をキーワードとして用いて、案内情報を検索する。例えば、「電子メール」と表示されている画面W11が表示された場合において、ユーザが案内を要求する操作を行うと、複数の案内情報の中から、「電子メール」というキーワードに該当する案内情報が提示される。また、「作成」と表示されている画面W21が表示された場合において、ユーザが案内を要求する操作を行うと、複数の案内情報の中から、「作成」というキーワードに該当する案内情報が提示される。なお、画面が階層構造を有する場合には、上位の階層のキーワードをさらに用いて案内情報を検索してもよい。例えば、画面W21が表示された場合に、「電子メール」及び「作成」というキーワードに該当する案内情報が提示されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに必要な情報を案内するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが電子機器の機能や操作などを知りたい場合には、いわゆるヘルプ機能が用いられる。ここにおいて、ヘルプ機能とは、電子機器の機能や操作などを案内するための情報を出力(表示等)する機能をいう。一般に、ヘルプ機能は、情報を一覧表示したり、あるいは、ユーザがキーワードを入力するなどして、所望の情報を検索したりすることで実現される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−80139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、電子機器の状態に応じてより柔軟な案内を実現しようとした場合、ヘルプ機能にはある程度の作り込みが事前に必要である。しかしながら、事前に作り込まれたデータは、電子機器の機能の変更(バージョンアップ等)に対応できず、わずかな変更であってもヘルプ機能を作り直す必要がある場合もある。
そこで、本発明は、表示された画像に関する案内を簡単な仕組みで行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る情報処理装置は、画像に対応付けられた第1のキーワードを取得する第1の取得手段と、第2のキーワードが対応付けられた複数の案内情報を記憶する記憶手段から、前記第2のキーワードが前記第1の取得手段により取得された第1のキーワードに該当する案内情報を取得する第2の取得手段と、前記画像を表示手段が表示した場合に、当該画像に関する案内が要求されると、前記第2の取得手段により取得された案内情報に応じた出力データを出力する出力手段とを備える構成を有するものである。
【0006】
本発明に係る情報処理装置は、前記第1のキーワードに前記画像として表示される文字列が含まれる構成を採用することができる。
本発明に係る情報処理装置は、前記第1のキーワードに前記画像に割り当てられた文字列が含まれる構成を採用することができる。
本発明に係る情報処理装置は、複数の前記画像が、表示の遷移に応じた階層構造により関連付けられ、前記第1の取得手段が、前記第1のキーワードの取得の対象である第1の画像が当該第1の画像より上位の階層に属する第2の画像と関連付けられている場合に、前記第1の画像に対応付けられた前記第1のキーワードと、前記第2の画像に対応付けられた前記第1のキーワードとを取得する構成を採用することができる。
本発明に係る情報処理装置は、前記画像の表示回数と、前記画像の表示時間と、前記案内情報の参照回数と、前記案内情報の参照時間の少なくともいずれかを表す情報を取得する第3の取得手段を備え、前記出力手段が、前記第2の取得手段により取得された案内情報が複数ある場合に、前記第3の取得手段により取得された情報に応じて複数の前記案内情報のそれぞれに対して与えられる順位に従った態様で前記出力データを出力する構成を採用することができる。
本発明に係る情報処理装置は、前記第1の取得手段が、前記記憶手段に代えて、1又は複数の外部装置から前記案内情報を取得する構成を採用することができる。
【0007】
本発明に係る表示装置は、第1のキーワードが対応付けられた画像を表示する表示手段と、第2のキーワードが対応付けられた複数の案内情報を記憶する記憶手段と、表示手段に表示される画像にあらかじめ対応付けられた第1のキーワードを取得する第1の取得手段と、前記記憶手段に記憶された複数の案内情報のうち、前記第2のキーワードが前記第1の取得手段により取得された前記第1のキーワードに該当する案内情報を取得する第2の取得手段と、前記表示手段により表示された前記画像に関する案内が要求されると、前記第2の取得手段により取得された案内情報に応じた出力データを出力する出力手段とを備える構成を有するものである。
【0008】
本発明に係るプログラムは、コンピュータをこれらの情報処理装置として機能させることを特徴とするものである。また、本発明に係るプログラムは、インターネット等の通信ネットワークを介して、コンピュータにダウンロードさせ、これをインストールして利用可能にするなどの形態でも提供され得る。なお、本発明は、かかるプログラムを記憶させた光ディスク等の記録媒体としても提供され得る。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表示された画像に関する案内を簡単な仕組みで行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】移動通信端末の構成を示すブロック図
【図2】表示部の表示領域に表示される画像と一部の操作子とを例示する図
【図3】ヘルプ機能を実行させるための操作を例示する図
【図4】画面の階層構造を例示する図
【図5】制御部により実現されるヘルプ機能の詳細を示す機能ブロック図
【図6】移動通信端末が実行する処理を示すフローチャート
【図7】第1のキーワードの組み合わせを説明するための図
【図8】第2のキーワードと案内情報の対応付けを例示する図
【図9】機能ブロック図の変形例を示す図
【図10】案内情報の難易度と順位情報の関係を例示する図
【図11】案内情報の難易度と順位情報の関係を例示する図
【図12】移動通信端末でゲームを実行した場合を例示する図
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施形態]
図1は、本発明の一実施形態である移動通信端末の構成を示すブロック図である。同図に示す移動通信端末10は、いわゆる携帯電話機であり、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、操作部140と、表示部150とを備える。移動通信端末10は、本発明に係る表示装置の一例である。また、本発明に係る情報処理装置の一例に相当するものは、制御部110である。
【0012】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置やメモリを備え、プログラムを実行することによって移動通信端末10の各部の動作を制御する。記憶部120は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリ等の記憶媒体を備え、制御部110が処理を実行するために必要なデータを記憶する。なお、記憶部120は、いわゆるメモリカードのように、移動通信端末10に対して着脱可能な構成であってもよい。記憶部120は、本発明に係る記憶手段の一例である。
【0013】
通信部130は、通信ネットワークと通信可能なインターフェースを備え、通信ネットワークとの間でデータの送信及び受信を行う。なお、通信部130は、ある通信ネットワークを経由して別の通信ネットワークと通信を行ってもよい。ここでいう通信ネットワークには、移動体通信網や無線LAN(Local Area Network)のほか、インターネットや公衆交換電話網が含まれ得る。
【0014】
操作部140は、ボタン等の操作子を備え、ユーザの操作を受け付ける。操作部140は、受け付けた操作を表す操作情報を制御部110に供給する。なお、操作部140は、その一部又は全部の操作子が、表示部150に重ねて設けられたタッチスクリーン(タッチパネル)によって実現されてもよい。表示部150は、液晶や有機エレクトロルミネセンスなどを用いた表示素子と駆動回路とを備え、表示素子により構成される表示領域に対して、制御部110から供給されたデータに応じた画像を表示する。表示部150は、本発明に係る表示手段の一例である。
【0015】
記憶部120が記憶するデータには、案内情報が含まれる。ここにおいて、案内情報とは、後述するヘルプ機能において、ユーザに機能、操作、手順などを案内するための情報をいう。案内情報は、文字と画像のいずれによって表されていてもよく、必要に応じて、ハイパーリンクによって他の文字や画像と関連付けられていてもよい。ここでいう関連付けは、案内情報どうしの関連付けに限定されず、例えば、外部装置に記憶されたコンテンツ(Webページ、画像データなど)を関連付けるものも含まれる。なお、案内情報は、複数の案内情報がまとめて1つのデータファイル又はデータベースになっている構造であってもよい。
【0016】
また、案内情報には、キーワードが対応付けられている。案内情報に対応付けられたキーワードは、例えば、案内情報そのものに含まれている文字列の一部又は全部である。あるいは、案内情報に対応付けられたキーワードは、案内情報に対してあらかじめ割り当てられた文字列であってもよい。このキーワードは、1つの文字列である場合と、複数の文字列である場合とがある。
【0017】
本実施形態の制御部110が実行するプログラムには、所定のアプリケーションを実現するためのプログラムに加え、ヘルプ機能を実現するためのプログラムが含まれる。ここでいう所定のアプリケーションには、例えば、電子メールクライアント(いわゆるメーラ)、Webブラウザ、スケジューラ、ゲームなどが含まれる。また、本実施形態のヘルプ機能は、ユーザからの要求に応じて、案内情報を提示する機能である。ヘルプ機能は、OS(Operating System)によって実現されてもよいし、OSとは別のアプリケーションによって実現されてもよい。なお、案内情報には、記憶部120に記憶されているものと、通信部130を介して外部装置(Webサーバ等)から取得されるものとがある。
【0018】
本実施形態のアプリケーションは、表示部150に表示されるウィンドウを介して、電子メールの送信等の所定の機能を実現するものである。ここにおいて、ウィンドウとは、表示領域中のある領域を他の領域と区別して表示する画像をいう。ウィンドウの形状は、典型的には矩形状であるが、他の形状であってもよい。本実施形態においては、表示領域に一度に表示されるウィンドウの数が「1」、すなわち単数であるとする。なお、以下においては、ウィンドウに表示される画像のことを「画面」ともいう。
【0019】
図2は、表示部150の表示領域150aに表示される画像と、一部の操作子とを例示する図である。同図において、表示領域150aは、第1の領域Ar1と、第2の領域Ar2と、第3の領域Ar3とに分割されている。第1の領域Ar1は、移動通信端末10の状態などに関する各種の情報を表示するための領域である。第1の領域Ar1には、例えば、電池残量を示す画像Im4、無線通信を行うために受信している電波の強度を示す画像Im5、電子メールを受信したことを知らせる画像Im6などが表示される。また、第2の領域Ar2は、ウィンドウを表示するための領域である。ここでは、第2の領域Ar2には、電子メールを作成するための画面が例示されている。なお、ウィンドウは、表示領域の全体に表示されてもよい。
【0020】
第3の領域Ar3は、操作子に割り当てられた機能を表示するための領域である。画像Im1は、操作子Ke1に対応する画像であり、画像Im2は、操作子Ke2に対応する画像であり、画像Im3は、操作子Ke3に対応する画像である。ここにおいて、操作子Ke1は、いわゆるメニューを表示させるための操作子である。ここでいうメニューには、例えば、第2の領域Ar2に表示されるウィンドウの画面を1つ前の画面に戻す選択肢などが含まれる。また、操作子Ke2は、ヘルプ機能を実行させるための操作子である。また、操作子Ke3は、カーソル(又はフォーカス)の位置を移動させたり、操作を確定させたりするための操作子である。
【0021】
なお、ヘルプ機能を実行させるための操作は、図2に示した例に限定されない。
図3は、ヘルプ機能を実行させるための操作の他の例を示す図であり、当該操作がメニューに含まれる場合を示すものである。この例の場合、ユーザは、操作子Ke1を押下し、さらに操作子Ke3を操作して、メニューから「ヘルプ」を選択する。すなわち、ヘルプ機能を実行させるための操作は、最少で1回であるが、複数回であることを妨げるものではない。
【0022】
また、ウィンドウに表示される画面は、他の画面と階層構造を有していると、より望ましい。ここでいう階層構造は、アプリケーション毎にあらかじめ定義されているものであり、画面表示の遷移に応じて定められるものである。
図4は、画面の階層構造を例示する図である。ここにおいて、画面W11は、電子メールに関する操作を行うするときに最初に表示される画面であり、最上位の階層に属する。画面W21、W22、W23及びW24は、画面W11よりも1つ下位の階層に属する画面である。画面W21は、電子メールを作成するときに表示される画面である。また、画面W22は、受信済みの電子メールを確認するときに表示される画面であり、画面W23は、送信済みの電子メールを確認するときに表示される画面である。さらに、画面W24は、電子メールの送受信などに関する各種の設定を行うときに表示される画面である。
【0023】
また、画面W31及びW32は、画面W21よりも1つ下位の階層に属する画面である。画面W31及びW32は、画面W21に関連付けられており、画面W22、W23及びW24には関連付けられていない。画面W31は、テキストメール(いわゆるプレーンテキストのみで本文が記述される電子メール)を作成するときに表示される画面であり、画面W32は、装飾メール(マークアップ言語等を用いて色や画像を付加した本文が記述される電子メール)を作成するときに表示される画面である。
【0024】
図5は、制御部110により実現されるヘルプ機能の詳細を示す機能ブロック図である。制御部110は、プログラムを実行することにより、同図に示すキーワード取得部111、案内情報取得部112、要求取得部113及び出力部114に相当する各機能を実現する。キーワード取得部111は、本発明に係る第1の取得手段の一例であり、案内情報取得部112は、本発明に係る第2の取得手段の一例である。また、出力部114は、本発明に係る出力手段の一例である。
【0025】
キーワード取得部111は、表示部150に表示される画面を特定し、当該画面に対応付けられたキーワードを取得する。本実施形態において、画面に対応付けられたキーワードとは、画面に含まれ、画面内の画像として表示される1又は複数の文字列をいい、例えば、いわゆる文字コード(Shift_JIS、ASCII、Unicode等)によって表されている。キーワード取得部111は、画面内の特定の領域(例えば、画面のタイトルに相当する領域)に表示される文字列のみをキーワードとして取得してもよいが、特定の領域によらず、表示される文字列のすべてをキーワードとして取得することも可能である。ただし、キーワード取得部111は、キーワードを取得する場合に、不要な文字は除外するなどの取捨選択を行ってもよい。ここにおいて、不要な文字とは、例えば、単なる番号のような意味を有しない文字(記号、符号などを含む。)や、多くの画面に共通して表示される文字列などである。
なお、キーワード取得部111は、文字コードで表されていない文字列をキーワードとして取得してもよい。例えば、キーワード取得部111は、画像に含まれる文字の形状を認識し、その文字を推定して特定することも可能である。
【0026】
案内情報取得部112は、キーワード取得部111により取得されたキーワード(以下、「第1のキーワード」という。)に基づいて、記憶部120又は外部装置から案内情報を検索して取得する。案内情報取得部112は、第1のキーワードと、案内情報に対応付けられたキーワード(以下、「第2のキーワード」という。)とを比較し、第2のキーワードが第1のキーワードに該当する案内情報を取得する。ここにおいて、「該当」とは、第1のキーワードと第2のキーワードとが所定の関係を満たすことをいう。ここでいう所定の関係とは、例えば、第1のキーワードが第2のキーワードに含まれる関係をいう。また、第1のキーワード及び第2のキーワードが複数の文字列を含む場合であれば、第2のキーワードに含まれる第1のキーワードの個数や割合があらかじめ決められた閾値以上であるか否かによって所定の関係を満たすか否かが判断されてもよい。なお、案内情報取得部112は、キーワードが一致するか否かを判断するだけでなく、いわゆるシソーラス(シソーラス検索ともいう。)を用いて、第1のキーワードとその同義語や類義語とを第2のキーワードと比較してもよく、ほかにも、いわゆるあいまい検索など、周知の情報検索技術を適宜用いてキーワードの比較を行うことが可能なものである。
【0027】
要求取得部113は、案内情報の出力の要求を受け付ける。この要求は、操作部140の操作による操作情報として制御部110に供給されるものであり、図2の例でいえば、操作子Ke2の押下によって供給されるものである。なお、キーワード取得部111及び案内情報取得部112による動作は、要求取得部113が要求を受け付けてからに限らず、要求を受け付ける前にあらかじめ行われていてもよいが、本実施形態は前者の態様で説明される。キーワード取得部111が第1のキーワードを要求取得部113により要求が受け付けられる前に取得する場合にあっては、「表示部150に表示される画面」とは、表示部150に表示された画面や表示中の画面のみならず、表示部150に表示される可能性がある画面のすべてを含むものである。
【0028】
出力部114は、ユーザにより表示中の画面に基づいて案内が要求されると、そのとき表示されている画面に対応する第1のキーワードに基づいて取得された案内情報に応じたデータ(以下、「出力データ」という。)を出力し、表示部150に供給する。出力データは、案内情報そのものであってもよいが、案内情報取得部112によって複数の案内情報が取得された場合などにあっては、案内情報の一部(例えば、冒頭部分)や案内情報へのハイパーリンクを表すものであってもよい。なお、出力部114は、案内情報取得部112によって複数の案内情報が取得された場合には、それぞれの案内情報に順位付けを行い、その順位に応じた出力データを出力する。順位付けの詳細は、後述する変形例において例示される。
【0029】
本実施形態の移動通信端末10の構成は、以上のとおりである。この構成のもと、移動通信端末10は、ユーザの操作に応じてアプリケーションを実行する。移動通信端末10は、アプリケーションを実行すると、ユーザの操作に応じて画面を遷移させ、画面毎に備わった機能を実現する。
ユーザは、アプリケーションの実行中において、例えば操作に関して不明点があるなどした場合に、ヘルプ機能により案内情報を表示させるための操作を行う。ユーザによるこの動作のことを、以下においては「(ヘルプ機能を)呼び出す」ともいう。移動通信端末10は、ヘルプ機能が呼び出されると、以下に示す処理を実行する。
【0030】
図6は、ヘルプ機能が呼び出されるときに移動通信端末10が実行する処理を示すフローチャートである。まず、移動通信端末10の制御部110は、ユーザが所定の操作を行うと、ヘルプ機能を呼び出す旨の要求を取得する(ステップS1)。続いて、制御部110は、この操作時において表示部150により表示されている画面を特定する(ステップS2)。このとき、制御部110は、実行中のアプリケーションがいずれであるかと、そのアプリケーションのいずれの画面が表示中であったかとを特定する。
【0031】
表示中の画面を特定すると、制御部110は、当該画面に対応付けられた第1のキーワードを取得する(ステップS3)。また、制御部110は、記憶部120に記憶された案内情報に対応する第2のキーワードを取得する(ステップS4)。
【0032】
なお、ステップS3において、制御部110は、画面が階層構造を有する場合に、取得の対象である画面(すなわち、表示中の画面)に対応付けられた第1のキーワードに加え、当該画面より上位の階層に属して関連付けられている画面に対応付けられた第1のキーワードを取得し、これらを組み合わせて第1のキーワードとして用いる。ここにおいて、上位の階層とは、取得の対象である画面と直接関連付けられる、当該画面よりも1階層上位の階層のみを指してもよいし、取得の対象である画面よりも2階層以上上位の階層がある場合には、より上位の階層を含んでもよい。また、制御部110は、第1のキーワードの取得の対象である画面を、例えば、表示中の画面の階層から3階層上まで、というように、一定の数に制限してもよい。
【0033】
図7は、第1のキーワードの組み合わせを説明するための図である。ここでは、図4で例示した階層構造において、画面W11に対応付けられた第1のキーワードが「電子メール」であり、画面W21に対応付けられた第1のキーワードが「作成」であり、画面W31に対応付けられた第1のキーワードが「テキストメール」であり、画面W32に対応付けられた第1のキーワードが「装飾メール」であるとする。この場合、画面W21に対応付けられているとみなされる第1のキーワードには、「作成」に加え、「電子メール」が含まれる。また、画面W31に対応付けられているとみなされる第1のキーワードには、「テキストメール」に加え、「作成」及び「電子メール」が含まれる。これらのキーワードは、例えば、いわゆるアンド検索(又はオア検索)の要領で第2のキーワードと比較される。アンド検索を用いると、下位層の画面に対応する案内情報ほど絞り込まれるようになり、オア検索を用いると、下位層の画面に対応する案内情報ほど多くなる。
【0034】
第1のキーワードと第2のキーワードとを取得すると、制御部110は、これらを比較し、第2のキーワードが第1のキーワードに該当する案内情報が存在するか否かを判断する(ステップS5)。制御部110は、この条件を満たす案内情報が存在する場合には、その案内情報を記憶部120から取得する(ステップS6)。一方、制御部110は、この条件を満たす案内情報が存在しない場合には、第1のキーワードによって外部のコンテンツを検索し、案内情報となり得るコンテンツを取得する(ステップS7)。なお、ここでいう外部のコンテンツは、本実施形態のヘルプ機能のために設けられた専用のWebサーバから取得されてもよいし、通信ネットワークに接続された不特定多数の外部装置から取得されてもよい。外部のコンテンツの検索には、インターネット等において用いられている周知の手法が適用可能である。
【0035】
以上のようにして記憶部120又は外部装置から案内情報を取得すると、制御部110は、取得した案内情報に応じた出力データを生成する(ステップS8)。制御部110は、取得した案内情報が複数ある場合、必要に応じて、出力データに含める案内情報の数を制限する。その後、制御部110は、生成した出力データを出力し、表示部150に供給する(ステップS9)。このとき、表示部150は、それまで表示されていたウィンドウに代えて、出力データが表す画像を表示してもよいし、それまで表示されていたウィンドウの一部に重なるように、出力データが表す画像をウィンドウの前面に表示してもよい。
【0036】
なお、制御部110は、ステップS5の判断に代えて、第1のキーワードに該当する案内情報が所定の数以上存在するか否かを判断してもよい。この場合、制御部110は、出力データに含める案内情報として、記憶部120から取得した案内情報と外部装置から取得した案内情報の双方を有し得る。
また、制御部110は、案内情報をステップS6よりも前の段階で取得しておいてもよい。例えば、制御部110は、ステップS4を実行する段階において、第2のキーワードとともに、対応する案内情報をも取得することが可能である。この場合、ステップS6の処理は、省略可能である。
【0037】
また、制御部110は、生成した出力データや、ユーザが実際に表示した案内情報がいずれであるかを履歴として記憶しておき、再び同じ画面からヘルプ機能が呼び出された場合には、この履歴と同じ出力データを(再び生成することなく)出力したり、履歴と同じ案内情報をユーザに提示するようにしたりしてもよい。このようにすれば、同じ画面からヘルプ機能が呼び出されたときの処理をより簡単にすることが可能である。
【0038】
以上のとおり、本実施形態の移動通信端末10によれば、表示されている画面に応じた案内情報がその画面毎に提示される。よって、ユーザは、その場の画面表示に応じた案内情報を得ることができる。この場合において、案内情報は、画面毎にあらかじめ区別や分類がされていることを要しないものであり、かかる区別や分類が事前に行われたデータ構造に比べ、比較的簡単な構造である。また、本実施形態のキーワードは、あらかじめ対応付けさえ有していれば足りるものであり、画面に表示される文字列や案内情報にもとから含まれている文字列などを利用する場合にあっては、事前に用意しておく必要すらないものである。
【0039】
また、本実施形態の移動通信端末10によれば、例えば、アプリケーションがバージョンアップされ、画面の追加や変更が生じた場合であっても、案内情報自体を追加又は変更しなくてもよい場合がある。また、本実施形態の移動通信端末10は、記憶部120に記憶された案内情報に加え、外部装置に記憶された案内情報を利用することができるため、記憶部120に適当な案内情報が存在しない場合であっても、外部装置に記憶された案内情報から適当なものを提示することが可能である。
【0040】
さらに、本実施形態の移動通信端末10は、画面に基づいて第1のキーワードを取得するため、ユーザが第1のキーワードに相当する文字列を入力したりする必要がないものである。したがって、本実施形態の移動通信端末10によれば、ユーザは、操作子を1回ないし数回押下する操作を行うだけで、表示されている画面に応じた案内情報を得ることができる。
【0041】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態による実施に制限されないものである。本発明は、例えば、以下の態様による実施が可能である。また、本発明は、以下の変形例を適宜組み合わせて適用したものであってもよい。
【0042】
(変形例1)
本発明において、第1のキーワードは、画像として表示されるもの(すなわち、ユーザの目に見えるもの)に限定されない。例えば、ウィンドウ又はその画面に一意的な識別情報(名称など)を表す文字列が割り当てられる場合には、当該文字列を第1のキーワードに含むことが可能である。なお、第1のキーワードは、画像として表示される文字列と表示されない文字列とを組み合わせたものであってもよく、また、あらかじめ対応付けられた文字列と、ユーザが入力等により指定した文字列とを組み合わせたものであってもよい。
【0043】
また、本発明は、例えば、ウィンドウ内に表示される画像を複数の要素に分けるとともに、それぞれの要素に第1のキーワードを対応付けて、それぞれの要素がユーザによって選択された場合に、当該選択された要素に対応する案内情報に応じた出力がなされるものであってもよい。ここでいう選択とは、例えば、上述した複数の要素のいずれかにフォーカスを与えることや、タッチスクリーン上においていずれかの要素をタッチすることをいう。
なお、本発明は、上述した「ウィンドウ」を「表示領域」に、「要素」を「ウィンドウ」にそれぞれ置き換えることにより、いわゆるマルチウィンドウシステムへの適用が可能になる。
【0044】
また、本発明において、第1のキーワードが対応付けられる画像は、ウィンドウ又はその画面に限定されない。例えば、本発明は、図2に示した画像Im4に「電池残量」、画像Im5に「電波」及び「強度」、画像Im6に「電子メール」及び「受信」、というようなキーワードをあらかじめ対応付け、画像を選択可能な構成にすることにより、選択された画像を案内の対象とすることが可能である。
【0045】
(変形例2)
本発明において、第2のキーワードは、案内情報そのものに含まれている文字列であってもよい。すなわち、第2のキーワードの形態としては、案内情報というデータとは独立したデータとして存在する場合(図8(a)参照)と、案内情報というデータの一部として存在する場合とがある(図8(b)参照)。要するに、本発明の第2のキーワードは、案内情報とあらかじめ決められた形態で対応関係を有していれば、どのように対応付けられていてもよいものである。
なお、第2のキーワードは、図8(a)に示す場合にあっては、案内情報に含まれる文字列とは一致しない文字列であってもよい。例えば、第2のキーワードは、図8(a)に示す例において、「電子メール」という文字列の代わりに「E−mail」という文字列を用いることも可能である。
【0046】
(変形例3)
本発明は、案内情報に順位付けを行う場合に、第1のキーワードが対応付けられた画像の表示の態様や、案内情報の参照の態様に応じて順位を決めるようにすることが可能である。
図9は、本例に係る機能ブロック図であり、図5に示した機能ブロック図の一部の構成を変更したものである。本例の制御部110aは、順位情報取得部115を有する点において上述した制御部110と相違し、その他の点において制御部110と共通する構成を有するものである。なお、制御部110と共通する構成は、その説明が省略される。
【0047】
順位情報取得部115は、本発明に係る第3の取得手段の一例であり、順位付けの基準となる情報を取得する。この情報のことを、以下では「順位情報」という。順位情報には、画面の表示回数を表すものと、案内情報の参照回数を表すものとがあり、順位情報取得部115は、これらの一方又は両方を用いる。ここにおいて、表示回数や参照回数は、自端末、すなわち単独の移動通信端末10における値であってもよいし、複数の移動通信端末10における値を集計した値であってもよい。順位情報は、記憶部120に記憶されているか、あるいは、外部装置から取得される。
【0048】
図10は、案内情報の難易度と順位情報の関係の一例を示す図である。図10(a)の例において、案内情報の難易度は、当該案内情報の参照回数によって決められる。ここでは、参照回数が多い案内情報ほど、アプリケーションに習熟しているユーザからそうでないユーザまで幅広く参照するものであるとみなし、易しい内容(ここでは、「難易度が低い」とする。)であるとみなす。一方、参照回数が少ない案内情報は、主にアプリケーションに習熟しているユーザが参照するものであるとみなし、難しい内容(ここでは、「難易度が高い」とする。)であるとみなす。
【0049】
制御部110aは、ヘルプ機能が呼び出された画面(すなわち、ステップS2において特定した画面)の表示回数を取得して特定し、その表示回数に応じて案内情報に順位を与える。この例において、制御部110aは、図10(b)に示すように、ヘルプ機能が呼び出された画面の表示回数が少ないときは、難易度が低い案内情報を優先し、当該画面の表示回数が多いときは、難易度が高い案内情報を優先する。優先された案内情報には、より上位の順位が与えられる。これは、ユーザが画面を見たことのある回数が少なければ、より易しい案内情報が必要とされる可能性が高く、ユーザが画面を見たことのある回数が多くなれば、より難しい案内情報が必要とされる可能性が高いという前提に基づく制御である。制御部110aは、このようにして与えられた順位に従った態様で、出力データを出力する。例えば、制御部110aは、複数の案内情報を一覧表示する出力データを生成する場合には、上位の案内情報ほどユーザに確認されやすくなる表示態様の出力データを生成する。すなわち、制御部110aは、案内情報に与えられた順位に従い、それぞれの案内情報の表示の順番や文字の太さ又は色などを案内情報毎に異ならせる。
なお、案内情報の難易度は、参照回数によらず、あらかじめ設定されていてもよい。
【0050】
図11は、案内情報の難易度と順位情報の関係の他の例を示す図である。図11(a)の例においては、案内情報の難易度は、参照回数が多いものほど高い(難しい)とみなし、参照回数が少ないものほど低い(易しい)とみなす。すなわち、ここでの難易度と参照回数の関係は、図10(a)の例と反対の関係である。これは、多くのユーザが参照する(あるいは、同じユーザが何度も参照する)案内情報は、それだけ多くのユーザが案内を必要としているということであり、難しい内容に対応するものである一方、あまり参照されない案内情報は、その案内情報を参照しなくても問題を解決できるか、又はそもそも問題が生じにくい内容に対応するものであるという前提に基づく。制御部110aは、図10(a)に示した関係に代えて、図11(a)に示した関係を用いることも可能である。
【0051】
また、図11(b)に示す関係は、ヘルプ機能が呼び出された画面の表示回数が少ないときは、難易度が高い案内情報を優先し、当該画面の表示回数が多いときは、難易度が低い案内情報を優先するものである。これは、多くのユーザが見るような画面に対しては、比較的易しい案内画像を優先し、習熟したユーザなど、一部のユーザしか見ないような画面に対しては、比較的難しい案内画像を優先する、ということである。制御部110aは、図10(b)に示した関係に代えて、図11(b)に示した関係を用いることも可能である。
【0052】
なお、上述した「表示回数」や「参照回数」については、これを画面の「表示時間」や案内情報の「参照時間」に置き換えることが可能である。これらは、いずれも、画面の表示や案内情報の参照の程度を表す情報であるといえる。また、順位情報取得部115は、これらの「表示回数」、「参照回数」、「表示時間」及び「参照時間」のすべてを用いて順位付けを行ってもよい。
【0053】
(変形例4)
本発明は、いわゆるヘルプ(オンラインヘルプ)以外の情報検索にも適用可能である。
図12は、移動通信端末10でゲームを実行した場合の画面を例示する図である。同図において、ウィンドウWgには、ゲームのタイトルに相当する文字列St1と、ゲームにおける特定の場面を表す文字列St2とが表示されている。なお、文字列St1又はSt2は、上述したとおり、実際には表示されないものであってもよい。この場合において、移動通信端末10は、ユーザによる所定の操作を受け付けると、文字列St1及びSt2を第1のキーワードとして用いて、案内情報を検索する。この場合において、移動通信端末10が外部のコンテンツを検索すると、実行中のゲームに関する案内情報(当該ゲームの攻略法など)がユーザに提示される。このようにすれば、ユーザがWebブラウザを起動し、キーワードを入力して外部のコンテンツを検索する場合に比べ、そのときに表示されている画像に関する案内情報をより簡単な操作により得ることが期待できる。
【0054】
(変形例5)
本発明は、案内情報を提示(すなわち出力)する態様として、表示以外の態様を用いることが可能である。例えば、本発明は、案内情報を音声により出力することも可能である。
また、本発明に係る表示手段は、複数あってもよい。例えば、本発明は、アプリケーションのウィンドウを表示する第1の表示手段と、案内情報を表示する第2の表示手段とを備える構成とすることができる。このようにすれば、案内情報の確認のためにアプリケーションのウィンドウの表示が妨げられることがない。この場合、案内情報の表示は、ウィンドウの画面の遷移(あるいは、当該遷移を要求するユーザの操作)に応じて行われてもよい。
なお、本発明は、携帯電話機に限らず、その他の表示装置に適用することが可能である。例えば、本発明は、PDA(Personal Digital Assistance)等の通信端末装置や、カメラ、携帯音楽プレーヤ、携帯ゲーム機などにも適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
10…移動通信端末、110…制御部、111…キーワード取得部、112…案内情報取得部、113…要求取得部、114…出力部、115…順位情報取得部、120…記憶部、130…通信部、140…操作部、150…表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像に対応付けられた第1のキーワードを取得する第1の取得手段と、
第2のキーワードが対応付けられた複数の案内情報を記憶する記憶手段から、前記第2のキーワードが前記第1の取得手段により取得された第1のキーワードに該当する案内情報を取得する第2の取得手段と、
前記画像を表示手段が表示した場合に、当該画像に関する案内が要求されると、前記第2の取得手段により取得された案内情報に応じた出力データを出力する出力手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第1のキーワードに前記画像として表示される文字列が含まれることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1のキーワードに前記画像に割り当てられた文字列が含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
複数の前記画像が、表示の遷移に応じた階層構造により関連付けられ、
前記第1の取得手段が、
前記第1のキーワードの取得の対象である第1の画像が当該第1の画像より上位の階層に属する第2の画像と関連付けられている場合に、前記第1の画像に対応付けられた前記第1のキーワードと、前記第2の画像に対応付けられた前記第1のキーワードとを取得する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記画像の表示回数と、前記画像の表示時間と、前記案内情報の参照回数と、前記案内情報の参照時間の少なくともいずれかを表す情報を取得する第3の取得手段を備え、
前記出力手段が、
前記第2の取得手段により取得された案内情報が複数ある場合に、前記第3の取得手段により取得された情報に応じて複数の前記案内情報のそれぞれに対して与えられる順位に従った態様で前記出力データを出力する
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1の取得手段が、前記記憶手段に代えて、1又は複数の外部装置から前記案内情報を取得する
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
第1のキーワードが対応付けられた画像を表示する表示手段と、
第2のキーワードが対応付けられた複数の案内情報を記憶する記憶手段と、
表示手段に表示される画像にあらかじめ対応付けられた第1のキーワードを取得する第1の取得手段と、
前記記憶手段に記憶された複数の案内情報のうち、前記第2のキーワードが前記第1の取得手段により取得された前記第1のキーワードに該当する案内情報を取得する第2の取得手段と、
前記表示手段により表示された前記画像に関する案内が要求されると、前記第2の取得手段により取得された案内情報に応じた出力データを出力する出力手段と
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項8】
コンピュータを、
画像に対応付けられた第1のキーワードを取得する第1の取得手段と、
第2のキーワードが対応付けられた複数の案内情報を記憶する記憶手段から、前記第2のキーワードが前記第1の取得手段により取得された第1のキーワードに該当する案内情報を取得する第2の取得手段と、
前記画像を表示手段が表示した場合に、当該画像に関する案内が要求されると、前記第2の取得手段により取得された案内情報に応じた出力データを出力する出力手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−39814(P2011−39814A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−187067(P2009−187067)
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】