説明

情報処理装置、通信システムおよび無線端末装置の課金方法

【課題】複数の無線端末装置間において共有される契約認証情報に係る料金を適切に算出する。
【解決手段】使用権移転検出部630は、無線接続サービスを提供する無線事業者に係るUSIM情報の使用権を共有する複数の無線端末装置について、各無線端末装置間におけるその使用権の移転を検出する。算出部640は、USIM情報の使用権の移転が検出された場合には、その使用権が移転された無線端末装置に設定されている課金情報(課金情報データベース610に記憶)に基づいて、その移転後に生じるUSIM情報に係る料金を算出する。この算出では、算出部640は、履歴情報記憶部620に記憶されている履歴情報(USIM情報の使用履歴(USIM情報の使用権の移転が行われた各無線端末装置に関するUSIM情報の使用に関する履歴)、USIM情報の使用権の移転履歴)を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関し、特に、公衆無線網に接続する無線端末装置に係る料金を算出する情報処理装置、通信システムおよび無線端末装置の課金方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、公衆無線網に接続する無線端末装置が広く普及している。例えば、携帯型の無線端末装置として、携帯電話装置やデータ通信専用端末装置等の無線端末装置が知られている。また、固定型の無線端末装置として、自動販売機のデータ収集を目的とする無線端末装置が知られている。
【0003】
また、近年では、無線端末装置に無線接続サービスを提供する無線事業者として、国や地域毎に数多くの無線事業者が存在している。
【0004】
ここで、無線端末装置が公衆無線網に接続するためには、無線接続サービスを提供する無線事業者が発行するカード(契約認証情報を保持するカード(いわゆる、UICCカード))を無線端末装置に取り付ける必要がある。また、このように無線端末装置に取り付けられるカード(UICCカード)を他の情報を記憶するために用いる技術が提案されている。
【0005】
例えば、加入者情報を取り扱うUSIM機能とともに、電子マネー等を取り扱うクレジット機能や大容量のメモリカード機能をUICCカードに付加する通信システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−210301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の従来技術では、USIM機能とともにクレジット機能や大容量のメモリカード機能がUICCカードに付加されているため、無線端末装置に関わる種々のサービスをUICCカード上に一体化することができる。
【0008】
ここで、上述の従来技術では、無線端末装置が無線接続サービスを受ける場合には、特定の場合(緊急の場合等)を除き、その無線端末装置に取り付けられているUICCカードを発行した無線事業者を介した無線接続サービスしか受けることができない。
【0009】
また、近年では、個人で複数の無線端末装置を所有するユーザが増えつつある。このように個人で複数の無線端末装置を所有するユーザが各無線端末装置を使用する場合には、使用対象となる無線端末装置のそれぞれにUICCカードを取り付けることが考えられる。または、1つのUICCカードを複数の無線端末装置で共有することが考えられる。
【0010】
しかしながら、使用対象となる無線端末装置のそれぞれにUICCカードを取り付ける場合には、UICCカードの増加分だけ無線接続サービスに係る費用負担が増加する。また、1つのUICCカードを複数の無線端末装置で共有する場合には、使用対象となる無線端末装置を変更する度に、無線端末装置間においてUICCカードを付け替える必要があり、その付け替え作業が煩雑となる。
【0011】
そこで、例えば、無線回線を介して契約認証情報(またはその使用権)を移転することにより、複数の無線端末装置間において契約認証情報を共有することが考えられる。このように複数の無線端末装置間において契約認証情報が共有される場合には、複数の無線端末装置が互いに異なる通信機能等を備えることも想定されるため、契約認証情報が使用される無線端末装置に応じた料金(通信料金等)を適切に算出することが重要である。
【0012】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、複数の無線端末装置間において共有される契約認証情報に係る料金を適切に算出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の側面は、無線接続サービスを提供する無線事業者に係る契約認証情報の使用権を共有する複数の無線端末装置について各無線端末装置間における上記使用権の移転を検出する検出部と、上記使用権の移転が検出された場合には当該使用権が移転された無線端末装置に設定されている課金情報に基づいて当該移転後に生じる上記契約認証情報に係る料金を算出する算出部とを具備する情報処理装置およびこれによる無線端末装置の課金方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、各無線端末装置間における契約認証情報の使用権の移転を検出し、その使用権の移転が検出された場合には、その使用権が移転された無線端末装置に設定されている課金情報に基づいてその移転後に生じる契約認証情報に係る料金を算出するという作用をもたらす。
【0014】
また、この第1の側面において、上記算出部は、上記使用権の移転が行われた各無線端末装置に関する上記契約認証情報の使用に関する履歴を上記契約認証情報の使用履歴とし、上記検出された使用権の移転履歴と上記契約認証情報の使用履歴と上記課金情報とに基づいて上記契約認証情報に係る料金を算出するようにしてもよい。これにより、契約認証情報の使用権の移転履歴と、契約認証情報の使用履歴と、課金情報とに基づいて契約認証情報に係る料金を算出するという作用をもたらす。
【0015】
また、この第1の側面において、上記算出部は、上記検出された使用権の移転履歴として上記使用権の移転が行われた回数を用いて上記契約認証情報に係る料金を算出するようにしてもよい。これにより、契約認証情報の使用権の移転が行われた回数を用いて、契約認証情報に係る料金を算出するという作用をもたらす。
【0016】
また、この第1の側面において、上記算出部は、上記検出された使用権の移転履歴として上記使用権の移転が行われた回数により特定される上限値および下限値を用いて上記契約認証情報に係る料金を算出するようにしてもよい。これにより、契約認証情報の使用権の移転が行われた回数により特定される上限値および下限値を用いて、契約認証情報に係る料金を算出するという作用をもたらす。
【0017】
また、この第1の側面において、上記算出部は、上記検出された使用権の移転履歴として上記使用権の移転が行われた各無線端末装置の種類を用いて上記契約認証情報に係る料金を算出するようにしてもよい。これにより、契約認証情報の使用権の移転が行われた各無線端末装置の種類を用いて、契約認証情報に係る料金を算出するという作用をもたらす。
【0018】
また、この第1の側面において、上記算出部は、上記検出された使用権の移転履歴として上記使用権の移転が行われた移転元および移転先の各無線端末装置のうちの少なくとも1つが特定種類の無線端末装置であるか否かを示す情報を用いて上記契約認証情報に係る料金を算出するようにしてもよい。これにより、契約認証情報の使用権の移転が行われた移転元および移転先の各無線端末装置のうちの少なくとも1つが特定種類の無線端末装置であるか否かを示す情報を用いて、契約認証情報に係る料金を算出するという作用をもたらす。
【0019】
また、この第1の側面において、上記算出部は、上記検出された使用権の移転履歴として上記使用権の移転が行われた各無線端末装置が利用したサービス内容を用いて上記契約認証情報に係る料金を算出するようにしてもよい。これにより、契約認証情報の使用権の移転が行われた各無線端末装置が利用したサービス内容を用いて、契約認証情報に係る料金を算出するという作用をもたらす。
【0020】
また、この第1の側面において、上記算出部は、上記検出された使用権の移転履歴として上記使用権の移転が行われた移転元および移転先の各無線端末装置のうちの少なくとも1つに特定サービスの利用履歴があるか否かを示す情報を用いて上記契約認証情報に係る料金を算出するようにしてもよい。これにより、契約認証情報の使用権の移転が行われた移転元および移転先の各無線端末装置のうちの少なくとも1つに特定サービスの利用履歴があるか否かを示す情報を用いて、契約認証情報に係る料金を算出するという作用をもたらす。
【0021】
また、この第1の側面において、上記算出部は、上記検出された使用権の移転履歴として上記使用権の移転が行われた移転元および移転先の各無線端末装置のうちの少なくとも1つにより利用されたサービスの利用量を示す情報を用いて上記契約認証情報に係る料金を算出するようにしてもよい。これにより、契約認証情報の使用権の移転が行われた移転元および移転先の各無線端末装置のうちの少なくとも1つにより利用されたサービスの利用量を示す情報を用いて、契約認証情報に係る料金を算出するという作用をもたらす。
【0022】
また、この第1の側面において、上記算出部は、上記契約認証情報の使用履歴として上記使用権の移転が行われた各無線端末装置が利用することができるサービス内容と、当該各無線端末装置が利用した通信時間および通信量と、当該各無線端末が備える無線通信に関する性能とのうちの少なくとも1つを用いて上記契約認証情報に係る料金を算出するようにしてもよい。これにより、契約認証情報の使用権の移転が行われた各無線端末装置が利用することができるサービス内容、その各無線端末装置が利用した通信時間および通信量、その各無線端末が備える無線通信に関する性能のうちの少なくとも1つを用いて契約認証情報に係る料金を算出するという作用をもたらす。
【0023】
また、この第1の側面において、上記検出部は、上記契約認証情報の使用権が各無線端末装置間において無線回線を介して移転された場合に上記使用権の移転を検出するようにしてもよい。これにより、契約認証情報の使用権が各無線端末装置間において無線回線を介して移転された場合に、その使用権の移転を検出するという作用をもたらす。
【0024】
また、本発明の第2の側面は、無線接続サービスを提供する無線事業者に係る契約認証情報の使用権を共有する複数の無線端末装置について各無線端末装置間における上記使用権の移転を検出する検出部と、上記検出された使用権の移転履歴に基づいて上記契約認証情報に係る料金を算出する算出部とを具備する情報処理装置およびこれによる無線端末装置の課金方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、各無線端末装置間における契約認証情報の使用権の移転を検出し、その検出された使用権の移転履歴に基づいて契約認証情報に係る料金を算出するという作用をもたらす。
【0025】
また、本発明の第3の側面は、無線接続サービスを提供する無線事業者に係る契約認証情報の使用権を各無線端末装置間において無線回線を介して移転することにより上記使用権を共有する複数の無線端末装置と、上記複数の無線端末装置について各無線端末装置間における上記使用権の移転を検出する検出部と、上記使用権の移転が検出された場合には当該使用権が移転された無線端末装置に設定されている課金情報に基づいて当該移転後に生じる上記契約認証情報に係る料金を算出する算出部とを備える情報処理装置とを具備する通信システムおよびこれによる無線端末装置の課金方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、各無線端末装置間における契約認証情報の使用権の移転を検出し、その使用権の移転が検出された場合には、その使用権が移転された無線端末装置に設定されている課金情報に基づいてその移転後に生じる契約認証情報に係る料金を算出するという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、複数の無線端末装置間において共有される契約認証情報に係る料金を適切に算出することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施の形態における複数の無線端末装置の使用例を簡略化して示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における通信システム100のシステム構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における無線端末装置による通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態における無線端末装置管理データベース220を模式的に示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における第1の無線端末装置300の内部構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400に表示される表示画面例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400に表示される表示画面例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における通信システム100を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態における第1の無線端末装置300による通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施の形態における第2の無線端末装置400による通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1の実施の形態における課金処理部600の機能構成例を示すブロック図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態における各無線端末装置の仕様例および課金情報データベース610の内容例を模式的に示す図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態における算出部640により算出されるUSIM情報に係る料金の遷移を模式的に示す図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態における課金処理部600による課金処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第1の実施の形態における課金処理部600による課金処理の加算料金の一例を簡略化して示す図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態における課金処理部600による課金処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第2の実施の形態における各無線端末装置の仕様例および課金情報データベース800の内容例を模式的に示す図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態における算出部640により算出されるUSIM情報に係る料金の遷移を模式的に示す図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態における課金処理部600による課金処理の加算料金の一例を簡略化して示す図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態における課金処理部600による課金処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第2の実施の形態における課金処理部600による課金処理の加算料金の一例を簡略化して示す図である。
【図22】本発明の第2の実施の形態における課金処理部600による課金処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図23】本発明の実施の形態の変形例における通信システム100を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。
【図24】本発明の実施の形態の変形例における無線端末装置管理データベース220を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(課金制御:USIM(Universal Subscriber Identity Module)情報の使用権を共有する複数の無線端末装置について課金処理を行う例)
2.第2の実施の形態(課金制御:一定条件を満たす場合に無線端末装置の料金を軽減する例)
3.変形例
【0029】
<1.第1の実施の形態>
[無線端末装置の使用例]
図1は、本発明の第1の実施の形態における複数の無線端末装置の使用例を簡略化して示す図である。
【0030】
図1(a)には、複数の無線端末装置(第1の無線端末装置300、第2の無線端末装置400および第3の無線端末装置700)を1人のユーザ10が使用する状態を示す。図1(b)には、1つの無線端末装置(第1の無線端末装置300)を1人のユーザ10が手に持って使用している状態を示す。また、比較的離れている場所(矢印30で示す距離だけ離れている)に他の無線端末装置(第2の無線端末装置400および第3の無線端末装置700)が置かれている状態を示す。例えば、第2の無線端末装置400および第3の無線端末装置700を家20に忘れたユーザ10が、職場で第1の無線端末装置300を使用している場合が想定される。
【0031】
第1の無線端末装置300は、例えば、携帯電話装置(例えば、スマートフォン)であり、第2の無線端末装置400は、例えば、無線通信機能を備える電子書籍表示装置である。また、第3の無線端末装置700は、例えば、無線通信機能を備える情報処理装置(例えば、ノート型パーソナルコンピュータ)である。
【0032】
[通信システムの構成例]
図2は、本発明の第1の実施の形態における通信システム100のシステム構成例を示すブロック図である。
【0033】
通信システム100は、Webサーバ101と、電子書籍ダウンロードサーバ102と、音楽コンテンツダウンロードサーバ103と、公衆回線網110と、ネットワーク制御装置200とを備える。また、通信システム100は、基地局231乃至233と、第1の無線端末装置300と、第2の無線端末装置400と、第3の無線端末装置700とを備える。
【0034】
Webサーバ101は、公衆回線網110に接続され、各無線端末装置からの要求に応じて各種Webサイトを供給するサーバである。
【0035】
電子書籍ダウンロードサーバ102は、公衆回線網110に接続され、各無線端末装置からの要求に応じて各種電子書籍(各無線端末装置の表示部において読むことができる出版物(コンテンツ))を供給するサーバである。
【0036】
音楽コンテンツダウンロードサーバ103は、公衆回線網110に接続され、各無線端末装置からの要求に応じて各種音楽コンテンツを供給するサーバである。
【0037】
公衆回線網110は、電話網、インターネット等の公衆回線網である。
【0038】
また、公衆回線網110とネットワーク制御装置200とは、ゲートウェイ(図示せず)を介して接続される。
【0039】
基地局231乃至233は、第1の無線端末装置300、第2の無線端末装置400、第3の無線端末装置700と、ネットワーク制御装置200とを無線回線251乃至253を介して接続する移動体通信基地局(NodeB)である。
【0040】
例えば、通信システム100において、第1の無線端末装置300は、無線回線251を介して基地局231と接続され、基地局231を介してネットワーク制御装置200と接続される。同様に、第2の無線端末装置400は、無線回線252を介して基地局232と接続され、基地局232を介してネットワーク制御装置200と接続される。同様に、第7の無線端末装置700は、無線回線253を介して基地局233と接続され、基地局233を介してネットワーク制御装置200と接続される。なお、第1の無線端末装置300、第2の無線端末装置400および第3の無線端末装置700のそれぞれは、使用されている位置に応じて、基地局231乃至233の何れについても接続が可能である。
【0041】
ネットワーク制御装置200は、無線接続サービスを提供する無線事業者により管理される通信制御装置であり、認証制御部210と、無線端末装置管理データベース220と、課金処理部600とを備える。
【0042】
認証制御部210は、基地局231乃至233を介して接続される無線端末装置の認証制御を行うものである。ここで、認証制御部210は、基地局231乃至233を介して接続される無線端末装置のうち、特定の場合を除き、有効なUSIM情報(契約認証情報)を保持する無線端末装置のみを認証する。ここで、USIM情報は、契約認証情報の一例であり、契約認証情報は、電話の加入者(Subscriber)情報と、認証鍵(Authentication)の情報とを含む情報である。なお、特定の場合については、図3を参照して詳細に説明する。また、ネットワーク制御装置200は、認証された無線端末装置をゲートウェイ(図示せず)を介して公衆回線網110に接続する。この場合に、認証制御部210は、認証された無線端末装置に関する接続情報(例えば、接続サービス(通話、データ通信)、接続時間)を課金処理部600に出力する。
【0043】
無線端末装置管理データベース220は、無線接続サービスを提供する無線事業者が1または複数の無線端末装置を管理するためのデータベースである。なお、無線端末装置管理データベース220については、図4等を参照して詳細に説明する。
【0044】
課金処理部600は、ネットワーク制御装置200に接続される無線端末装置に関する課金処理を行うものである。なお、課金処理部600については、図11を参照して詳細に説明する。また、課金処理部600およびこれを備えるネットワーク制御装置200は、特許請求の範囲に記載の情報処理装置の一例である。
【0045】
[USIM情報移転要求時における接続例]
ここで、有効なUSIM情報を保持していない無線端末装置が公衆回線網110に接続するための接続方法について説明する。
【0046】
現在、一般の携帯電話装置では、USIM情報が保持されていない場合(すなわち、UICCカードが取り付けられていない場合)でも、緊急用途(Emergency Call)での接続が可能である。この緊急用途は、例えば、警察や消防署等に発呼する場合である。
【0047】
例えば、USIM情報が保持されていない状態で、かつ、通話も行っていない状態の携帯電話装置を想定する。この携帯電話装置は、無線事業者を特定せずに受け入れ可能な任意の基地局(例えば、電波強度の高い基地局)を選択した状態(Idle modeの中のCamped on Any Cell Mode)となっている。この状態では、予め登録されている緊急呼の電話番号(緊急呼番号)がユーザにより入力された場合にのみ、携帯電話装置が、緊急呼の発信としてEMERGENCY SETUP信号を、移動体通信基地局およびRNCを介してMSCに送信する。ここで、RNC(Radio Network Controller)は、例えば、ネットワーク制御装置200に対応する。また、MSC(Mobile-services Switching Center)は、固定網(公衆回線網110)と、移動通信網とのインターフェースである。これにより、携帯電話装置は、アイドルモード(Idle Mode)を抜けて、接続モード(Connected Mode)となり、通話が可能な状態となる。
【0048】
本発明の第1の実施の形態では、上述した接続方法を拡張することにより、USIM情報(USIM情報の使用権)の移転要求を行うための一時的なネットワークへ(公衆回線網110)のアクセスを可能とする。
【0049】
例えば、USIM情報の移転要求を行うための専用の電話番号をユーザがかけることによって一時的なネットワークへのアクセスを行うことができる。また、メニュー画面(例えば、図6(a)に示す表示画面500)や装置の側面に設けられている操作部材(ボタン等)を用いたユーザ操作が行われた場合にその専用の電話番号が発信されて一時的なネットワークへのアクセスが行われるようにすることができる。
【0050】
このネットワークへのアクセスには、移動体通信システムの標準化規格3GPPに規定されるランダムアクセス処理が利用される。例えば、ランダムアクセスには優先度(Access Category)を設定することが可能であり、USIM情報の移転要求用に優先度(Access Category)を設定することができる。これにより、緊急用途(Emergency Call)とは異なる優先度(Access Category)を設定することができる。
【0051】
例えば、無線端末装置(要求元の無線端末装置)が、USIM情報の移転要求用の優先度(Access Category)でのアクセスを行った場合には、要求元の無線端末装置に対して限定的なネットワーク接続が提供される。そして、要求元の無線端末装置に対する限定接続の許可後には、USIM情報の移転要求先の無線端末装置(要求先の無線端末装置)からの情報(USIM情報の移転要求に係る情報)が、要求元の無線端末装置に通知される。
【0052】
このように、有効なUSIM情報を保持しない要求元の無線端末装置が、限定接続によりネットワークと接続した場合には、ネットワークは、要求元の無線端末装置との限定接続を維持する。この限定接続の維持とともに、ネットワークは、要求先の無線端末装置への通常接続を確保し、USIM情報の移転要求に係る情報の通信が可能となる。
【0053】
図3は、本発明の第1の実施の形態における無線端末装置による通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。この例では、有効なUSIM情報を保持していない無線端末装置において発呼操作により限定接続を行う場合を例にして説明する。また、その限定接続を行うために、無線端末装置にUSIM情報要求呼番号を登録しておき、その限定接続を行う際にはそのUSIM情報要求呼番号を用いる例を示す。
【0054】
最初に、発呼操作が行われたか否かが判断され(ステップS901)、発呼操作が行われていない場合には、監視を継続して行う。
【0055】
発呼操作が行われた場合には(ステップS901)、その発呼操作により入力された番号が、無線端末装置に登録されている緊急呼番号と一致するか否かが判断される(ステップS902)。その発呼操作により入力された番号が、緊急呼番号と一致する場合には(ステップS902)、EMERGENCY SETUP信号を含む発呼が行われる(ステップS903)。これにより、無線端末装置は、アイドルモード(Idle Mode)を抜けて、接続モード(Connected Mode)となり、通話が可能な状態となる。
【0056】
一方、その発呼操作により入力された番号が、緊急呼番号と一致しない場合には(ステップS902)、その発呼操作により入力された番号が、無線端末装置に登録されているUSIM情報要求呼番号と一致するか否かが判断される(ステップS904)。その発呼操作により入力された番号が、USIM情報要求呼番号と一致する場合には(ステップS904)、USIM情報の移転要求に限定した接続リクエストを含む発呼が行われる(ステップS905)。これにより、無線端末装置は、アイドルモード(Idle Mode)を抜けて、接続モード(Connected Mode)となり、通話が可能な状態となる。
【0057】
なお、その発呼操作により入力された番号が、USIM情報要求呼番号と一致しない場合には(ステップS904)、有効なUSIM情報が保持されていないため、発信することができない旨が表示される(ステップS906)。
【0058】
[無線端末装置管理データベースの構成例]
図4は、本発明の第1の実施の形態における無線端末装置管理データベース220を模式的に示す図である。
【0059】
無線端末装置管理データベース220は、第1の無線端末装置300、第2の無線端末装置400および第3の無線端末装置700のそれぞれに保持されるUSIM情報を管理するデータベースである。具体的には、無線端末装置管理データベース220には、電話番号221と、電子メールアドレス222と、端末識別情報223と、有効無効情報224とが関連付けられて記録されている。これらの情報は、例えば、第1の無線端末装置300、第2の無線端末装置400または第3の無線端末装置700を用いたユーザ10による操作入力に基づいて無線端末装置管理データベース220に記録される。また、無線接続サービスを提供する無線事業者が、ユーザ10との契約内容に基づいて無線端末装置管理データベース220に記録するようにしてもよい。
【0060】
電話番号221には、無線端末装置の電話番号が格納される。電子メールアドレス222には、無線端末装置の電子メールアドレスが格納される。なお、無線端末装置の電話番号および電子メールアドレスは、無線端末装置を識別するための識別情報であり、USIM情報(USIM情報の使用権)の移転要求を行う場合に用いられる。
【0061】
端末識別情報223には、無線端末装置の端末識別番号が格納される。この端末識別情報は、無線端末装置を識別するための識別情報であり、例えば、IMEI(International Mobile Equipment Identity)が格納される。また、図4では、端末識別情報223の「IME#1」が第1の無線端末装置300に対応し、端末識別情報223の「IME#2」が第2の無線端末装置400に対応し、端末識別情報223の「IME#3」が第3の無線端末装置700に対応するものとする。
【0062】
有効無効情報224には、無線端末装置に保持されているUSIM情報が有効であるか、無効であるかを示す情報が格納される。なお、図4では、説明の容易のため、USIM情報が有効である無線端末装置には「有効」を示し、USIM情報が無効である無線端末装置には「無効」を示す。また、USIM情報が有効である無線端末装置に関する各情報を太線の矩形225で囲んで示す。
【0063】
[無線端末装置の構成例]
図5は、本発明の第1の実施の形態における第1の無線端末装置300の内部構成例を示すブロック図である。なお、第2の無線端末装置400および第3の無線端末装置700の内部構成については、第1の無線端末装置300と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0064】
第1の無線端末装置300は、アンテナ311と、アンテナ共用部312と、変調部321と、復調部322と、制御部330と、メモリ340と、USIM情報記憶部350とを備える。また、第1の無線端末装置300は、操作部360と、表示部370と、位置情報取得部380と、マイクロフォン391と、スピーカ392とを備える。第1の無線端末装置300は、例えば、通話およびデータ通信が可能な携帯電話装置により実現される。
【0065】
例えば、受信処理が行われる場合には、アンテナ311により受信された電波が、アンテナ共用部312を経由して復調部322により復調され、この復調された受信データが制御部330に供給される。その受信処理が受話処理である場合には、その復調された受信データ(音声データ)が制御部330を経由してスピーカ392から音声として出力される。
【0066】
また、例えば、送信処理が行われる場合には、制御部330により出力された送信データが変調部321により変調され、変調された送信データがアンテナ共用部312を経由してアンテナ311から送信される。その送信処理が送話処理である場合には、マイクロフォン391から入力された音声データが制御部330を経由して変調部321により変調され、変調された送信データ(音声データ)がアンテナ共用部312を経由してアンテナ311から送信される。
【0067】
制御部330は、メモリ340に格納されている制御プログラムに基づいて各種の制御を行うものである。制御部330は、例えば、マイクロプロセッサにより構成される。例えば、制御部330は、変調部321および復調部322と接続され、基地局231乃至233を介して接続されるネットワーク制御装置200との間で行われる各種データの送受信を行う。
【0068】
メモリ340は、制御部330が各種制御を行うための制御プログラム、送信データ、受信データ等を格納するメモリである。メモリ340は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)により構成される。
【0069】
USIM情報記憶部350は、USIM情報(契約認証情報)を保持するメモリである。USIM情報記憶部350として、例えば、UICC(Universal Integrated Circuit)カードを用いるようにしてもよく、USIM情報をセキュアに保つための専用メモリを用いるようにしてもよい。なお、USIM情報記憶部350としてUICCカードを用いる場合には、USIM情報が固定的に書き込まれているものではなく、USIM情報の有効化処理および無効化処理が可能なものを用いる。すなわち、アンテナ311から受信して復調された移転情報に基づいて制御部330がUSIM情報の有効化処理および無効化処理が可能なものを用いる。また、USIM情報の書換処理が可能なものを用いる。なお、USIM情報の有効化処理および無効化処理については、3GPP(Third Generation Partnership Project)に規定されている有効化処理および無効化処理により行うことができる。これらの各処理は、例えば、携帯電話装置の販売ショップで行われている。
【0070】
ここで、制御部330は、無線接続サービスを提供する無線事業者に係るUSIM情報の使用権の移転を要求する移転要求を指示するユーザによる指示操作(所定操作)が操作部360により受け付けられた場合には、移転要求を無線回線を介して送信させる。この移転要求は、他の無線端末装置のUSIM情報記憶部350に保持されているUSIM情報の使用権の移転を要求する移転要求である。また、制御部330は、例えば、USIM情報を用いずに限定的な接続のみを行うための限定接続によりその移転要求を無線回線を介して送信させる。ここで、USIM情報の使用権は、USIM情報を使用する権利である。例えば、USIM情報の有効化処理および無効化処理により、USIM情報の使用権の移転を行うことができる。また、USIM情報自体の転送処理により、USIM情報の使用権の移転を行うことができる。また、USIM情報の使用権は、無線端末装置のサービス利用権としても把握することができる。例えば、無線端末装置のサービス利用権の有無は、USIM情報の使用権の有無により決定することができる。
【0071】
また、制御部330は、その移転要求に応じて無線回線を介して送信される移転情報(USIM情報の使用権を移転させるための情報)を受信すると、この受信された移転情報に基づいて有効なUSIM情報を設定する。この移転情報は、例えば、無線端末装置管理データベース220の管理内容に基づいて認証制御部210が送信する。
【0072】
また、例えば、USIM情報の有効化処理および無効化処理により、USIM情報の使用権の移転を行う場合には、USIM情報記憶部350に保持されているUSIM情報を有効とするための有効化情報が移転情報に含まれる。そして、制御部330は、その受信された移転情報に含まれる有効化情報に基づいてUSIM情報記憶部350に保持されているUSIM情報を有効とすることにより、有効なUSIM情報を設定する。
【0073】
また、ネットワーク制御装置200は、移転要求に応じて移転情報を第1の無線端末装置300に送信することによりUSIM情報記憶部350に保持されているUSIM情報を有効とする制御を行う。また、ネットワーク制御装置200は、第2の無線端末装置400のUSIM情報記憶部350に保持されているUSIM情報を無効とする制御を行う。
【0074】
また、例えば、USIM情報の転送処理により、USIM情報の使用権の移転を行う場合には、第2の無線端末装置400のUSIM情報記憶部350に保持されていたUSIM情報が移転情報に含まれる。この移転を行う場合には、制御部330は、移転要求を第2の無線端末装置400に送信する。この移転要求の送信後に、第2の無線端末装置400に保持されているUSIM情報が無効とされ、第2の無線端末装置400またはネットワーク制御装置200から移転情報が送信される。そして、制御部330は、その受信された移転情報に含まれるUSIM情報をUSIM情報記憶部350に記録させることにより、有効なUSIM情報を設定する。
【0075】
また、第1の無線端末装置300が移転要求先である場合には、制御部330は、移転要求が受信された場合に移転情報を無線回線を介して移転要求元に送信させる。この場合に、制御部330は、その移転要求が受信された場合には、USIM情報記憶部350に保持されているUSIM情報の使用権の移転をユーザに確認させるための確認画面(例えば、図7に示す表示画面520、530)を表示部370に表示させる。また、制御部330は、その確認画面が表示された後に、USIM情報記憶部350に保持されているUSIM情報の使用権の移転を許可する操作入力が操作部360により受け付けられた場合には、移転情報を無線回線を介して送信させる。
【0076】
操作部360は、ユーザにより操作された操作入力を受け付ける操作受付部であり、受け付けられた操作入力に応じた信号を制御部330に出力する。操作部360は、例えば、数字キーやアルファベットキー等の各種キーを備え、無線接続サービスを提供する無線事業者に係るUSIM情報の使用権の移転を要求する移転要求を指示するユーザによる指示操作(所定操作)を受け付ける。
【0077】
表示部370は、制御部330の制御に基づいて、各種情報(文字情報や時刻情報等)を表示する表示部である。表示部370は、例えば、USIM情報の使用権の移転処理に関する各情報(例えば、図6および図7に示す表示画面)を表示する。なお、表示部370として、例えば、有機EL(Electro Luminescence)パネル、LCD(Liquid Crystal Display)パネル等の表示パネルを用いることができる。なお、操作部360および表示部370については、使用者がその指を表示面に接触または近接することにより操作入力を行うことが可能なタッチパネルを用いて一体で構成することができる。
【0078】
位置情報取得部380は、第1の無線端末装置300が存在する位置を示す位置情報を取得するものであり、この取得された位置情報を制御部330に出力する。位置情報取得部380は、例えば、GPS(Global Positioning System)信号受信アンテナ(図示せず)により受信されたGPS信号に基づいて位置情報を算出するGPSユニットにより実現することができる。この算出された位置情報には、GPS信号の受信時における緯度、経度、高度等の位置に関する各データが含まれる。また、他の位置情報の取得方法により位置情報を取得する位置情報取得装置を用いるようにしてもよい。例えば、周囲に存在する無線LAN(Local Area Network)によるアクセスポイント情報を用いて位置情報を導き出し、この位置情報を取得する位置情報取得装置を用いるようにしてもよい。
【0079】
[各装置間における通信例]
図6および図7は、本発明の第1の実施の形態における第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400に表示される表示画面例を示す図である。これらの表示画面については、図8に示すシーケンスチャートを参照して詳細に説明する。
【0080】
図8は、本発明の第1の実施の形態における通信システム100を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。なお、図6乃至図8では、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400間における通信処理例のみを示すが、他の無線端末装置間における通信処理についても同様に適用することができる。
【0081】
図8では、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400の何れもがUSIM情報を保持して、ネットワーク制御装置200の認証制御部210による有効無効制御により、USIM情報の使用権を移転する例を示す。また、図8では、第2の無線端末装置400が有効なUSIM情報を保持している場合において、第1の無線端末装置300が第2の無線端末装置400に移転要求を行う場合における通信処理を例にして説明する。
【0082】
最初に、USIM情報移転操作(USIM情報の使用権の移転要求操作)を行うための表示画面が第1の無線端末装置300の表示部370に表示される。
【0083】
図6(a)には、USIM情報移転操作を行うための表示画面の一例(表示画面500)を示す。表示画面500は、第1の無線端末装置300に実行させる機能を選択するための表示画面である。具体的には、表示画面500には、電話ボタン501と、カメラボタン502と、電子メールボタン503と、USIM情報の移転ボタン504と、確定ボタン505と、戻るボタン506とが設けられている。
【0084】
電話ボタン501は、通話機能を使用する際に押下されるボタンであり、カメラボタン502は、カメラ機能を使用する際に押下されるボタンであり、電子メールボタン503は、電子メール機能を使用する際に押下されるボタンである。
【0085】
USIM情報の移転ボタン504は、他の無線端末装置に保持されている有効なUSIM情報の使用権を移転させる際に押下されるボタンである。なお、USIM情報の移転ボタン504は、USIM情報記憶部350に有効なUSIM情報が保持されている場合には、表示されないものとする。
【0086】
確定ボタン505は、電話ボタン501、カメラボタン502、電子メールボタン503およびUSIM情報の移転ボタン504の何れかを選択する押下操作がされた後に、その選択を確定する際に押下されるボタンである。
【0087】
戻るボタン506は、例えば、直前に表示されていた表示画面に戻る場合に押下されるボタンである。なお、図6(b)および図7(b)に示す戻るボタン514および533についても同様である。
【0088】
ここで、図6(a)に示す表示画面500において、USIM情報の移転ボタン504が押下された後に、確定ボタン505が押下されたものとする(401)。このようにUSIM情報移転操作が受け付けられた場合には(401)、端末識別情報を入力するための表示画面が第1の無線端末装置300の表示部370に表示される。
【0089】
図6(b)には、端末識別情報を入力するための表示画面(表示画面510)の一例を示す。表示画面510は、USIM情報の使用権を移転させる移転元の無線端末装置を特定するための端末識別情報を入力するための表示画面である。具体的には、表示画面510には、電話番号入力欄511と、電子メールアドレス入力欄512と、確定ボタン513と、戻るボタン514とが設けられている。
【0090】
電話番号入力欄511は、USIM情報の使用権を移転させる移転元の無線端末装置の端末識別情報として、移転元の無線端末装置の電話番号を入力するための領域である。
【0091】
電子メールアドレス入力欄512は、USIM情報の使用権を移転させる移転元の無線端末装置の端末識別情報として、移転元の無線端末装置の電子メールアドレスを入力するための領域である。この例では、移転元の無線端末装置の電話番号および電子メールアドレスの何れかを入力して、その移転元の無線端末装置を特定する例を示す。また、電話番号入力欄511および電子メールアドレス入力欄512への入力は、操作部360における操作入力により行われる。
【0092】
確定ボタン513は、電話番号入力欄511または電子メールアドレス入力欄512への入力操作が行われた後に、その入力を確定する際に押下されるボタンである。
【0093】
ここで、図6(b)に示す表示画面510において、電話番号入力欄511への入力操作(090−2222−○○○○)が行われた後に、確定ボタン513が押下されたものとする(402)。このようにUSIM情報の使用権を移転させる移転元(移転要求先)の無線端末装置の端末識別情報が入力される(402)。この場合には、この入力された端末識別情報を含むUSIM情報移転要求が第1の無線端末装置300からネットワーク制御装置200の認証制御部210に送信される(403、404)。なお、このUSIM情報移転要求には、移転要求先(移転元)の端末識別情報とともに移転要求元(移転先)の端末識別情報が含まれる。また、このUSIM情報移転要求は、上述した限定接続により、第1の無線端末装置300からネットワーク制御装置200の認証制御部210に送信される。
【0094】
USIM情報移転要求を認証制御部210が受信すると(404)、無線端末装置管理データベース220の内容を確認した後に、受信したUSIM情報移転要求に含まれる端末識別情報により特定される無線端末装置にUSIM情報移転要求を送信する(405)。この例では、端末識別情報(090−2222−○○○○)に対応する第2の無線端末装置400にUSIM情報移転要求が送信される(405)。ここで、USIM情報移転要求が受信された場合には、認証制御部210は、例えば、そのUSIM情報移転要求に含まれる端末識別情報により特定される無線端末装置が有効なUSIM情報を保持しているかを無線端末装置管理データベース220を用いて確認する。また、認証制御部210は、移転元(第2の無線端末装置400)に表示させる移転先(第1の無線端末装置300)に関する各情報(電話番号、電子メールアドレス等)を無線端末装置管理データベース220から取得する。そして、認証制御部210は、その取得された移転先(第1の無線端末装置300)に関する各情報を含めたUSIM情報移転要求を送信する(405)。
【0095】
第2の無線端末装置400がUSIM情報移転要求を送信すると(406)、USIM情報の使用権の移転をユーザに確認させるための表示画面が第2の無線端末装置400の表示部370に表示される(407)。
【0096】
図7(a)には、USIM情報の使用権の移転をユーザに確認させるための表示画面(表示画面520)の一例を示す。表示画面520は、USIM情報の使用権を移転させる移転先の無線端末装置を特定するための情報を表示してUSIM情報移転をユーザが確認するための表示画面である。具体的には、表示画面520には、電話番号表示欄521と、電子メールアドレス表示欄522と、OKボタン523と、NGボタン524とが設けられている。
【0097】
電話番号表示欄521は、USIM情報の使用権を移転させる移転先の無線端末装置の端末識別情報として、移転先の無線端末装置の電話番号を表示する領域である。
【0098】
電子メールアドレス表示欄522は、USIM情報の使用権を移転させる移転先の無線端末装置の端末識別情報として、移転先の無線端末装置の電子メールアドレスを表示する領域である。
【0099】
この例では、移転先の無線端末装置の電話番号および電子メールアドレスを同時に表示して、その移転先の無線端末装置をユーザに通知する例を示す。なお、認証制御部210から送信されるUSIM情報移転要求に含まれる他の情報(例えば、所有者の氏名)を表示画面520に表示させるようにしてもよい。また、例えば、第2の無線端末装置400に保持されている登録情報(例えば、電話帳)に基づいて、その移転先の無線端末装置に関する他の情報(例えば、所有者の氏名)を、電話番号および電子メールアドレスとともに表示させるようにしてもよい。
OKボタン523は、電話番号表示欄521および電子メールアドレス表示欄522に端末識別情報が表示されている無線端末装置にUSIM情報の使用権を移転させることをユーザが確認した後に押下されるボタンである。
【0100】
NGボタン524は、電話番号表示欄521および電子メールアドレス表示欄522に端末識別情報が表示されている無線端末装置にUSIM情報の使用権を移転させることをユーザが了承しない場合に押下されるボタンである。
【0101】
ここで、図7(a)に示す表示画面520において、OKボタン523が押下されたものとする(407)。このようにUSIM情報の使用権の移転確認後にOKボタン523が押下された場合には(407)、USIM情報の使用権を移転する際に用いられるパスワードを入力するための表示画面が第2の無線端末装置400の表示部370に表示される(408)。
【0102】
図7(b)には、パスワードを入力するための表示画面(表示画面530)の一例を示す。表示画面530は、USIM情報の使用権を移転する際に用いられるパスワードを入力するための表示画面である。具体的には、表示画面530には、パスワード入力欄531と、確定ボタン532と、戻るボタン533とが設けられている。
【0103】
パスワード入力欄531は、USIM情報の使用権を移転する際に用いられるパスワードを入力するための領域である。
【0104】
確定ボタン532は、パスワード入力欄531への入力操作が行われた後に、その入力を確定する際に押下されるボタンである。
【0105】
ここで、図7(b)に示す表示画面530において、例えば、パスワード「123abc(実際の画面ではセキュリティの観点から非表示となるため、図7(b)では「******」と示す)」が入力されたものとする(408)。このようにパスワードが入力された場合には(408)、第2の無線端末装置400の制御部330が、入力されたパスワードの認証処理を行う(409)。そして、入力されたパスワードが認証された場合には(409)、USIM情報の使用権の移転を許可するUSIM情報移転許可(移転情報)が、第2の無線端末装置400からネットワーク制御装置200の認証制御部210に送信される(410、411)。なお、入力されたパスワードが認証されない場合には(409)、正しいパスワードの入力を促す表示画面が表示される。
【0106】
続いて、USIM情報移転許可を認証制御部210が受信すると(411)、USIM情報移転許可を送信した無線端末装置のUSIM情報を無効化するためのUSIM情報無効化情報を第2の無線端末装置400に送信する(412、413)。USIM情報無効化情報を第2の無線端末装置400が受信すると(413)、第2の無線端末装置400のUSIM情報記憶部350に記憶されているUSIM情報の無効化処理が行われる(414)。これにより、第2の無線端末装置400に保持されているUSIM情報が無効化され、第2の無線端末装置400ではUSIM情報を使用することができなくなる。
【0107】
USIM情報の無効化処理が終了した後に(414)、USIM情報の無効化処理が終了した旨を示すUSIM情報無効化確認情報が、第2の無線端末装置400からネットワーク制御装置200の認証制御部210に送信される(415、416)。
【0108】
認証制御部210が、USIM情報無効化確認情報を受信すると(416)、USIM情報移転要求を送信した無線端末装置のUSIM情報を有効とするためのUSIM情報有効化情報を第1の無線端末装置300に送信する(417、418)。USIM情報有効化情報(移転情報)を第1の無線端末装置300が受信すると(418)、第1の無線端末装置300のUSIM情報記憶部350に記憶されているUSIM情報の有効化処理が行われる(419)。これにより、第1の無線端末装置300に保持されているUSIM情報が有効とされ、第1の無線端末装置300ではUSIM情報を使用することができるようになる。
【0109】
USIM情報の有効化処理が終了した後に(419)、USIM情報の有効化処理が終了した旨を示すUSIM情報有効化確認情報が、第1の無線端末装置300からネットワーク制御装置200の認証制御部210に送信される(420、421)。USIM情報有効化確認情報を認証制御部210が受信すると(421)、無線端末装置管理データベース220の内容を書き換える。すなわち、第1の無線端末装置300を有効とし、第2の無線端末装置400を無効とするように、無線端末装置管理データベース220の内容が書き換えられる。
【0110】
続いて、USIM情報の移転処理が終了した旨を示すUSIM情報移転終了情報が、ネットワーク制御装置200の認証制御部210から第2の無線端末装置400に送信される(422、423)。同様に、USIM情報移転終了情報が、ネットワーク制御装置200の認証制御部210から第1の無線端末装置300に送信される(424、425)。
【0111】
このように、USIM情報移転終了情報が第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400に送信された場合には、認証制御部210が、USIM情報移転終了情報を課金処理部600に出力する。また、認証制御部210は、認証された無線端末装置に関する接続情報(例えば、接続サービス(通話、データ通信)、接続時間)を課金処理部600に出力する。また、これらの情報に基づいて課金処理部600が課金処理を行う。この課金処理については、図11乃至図16等を参照して詳細に説明する。
【0112】
なお、この例では、有効化/無効化を行うことにより、USIM情報の使用権を移転する例を示したが、USIM情報そのものを転送することにより、USIM情報の使用権を移転するようにしてもよい。この場合には、USIM情報移転要求が第2の無線端末装置400に送信されると、第2の無線端末装置400に保持されているUSIM情報が無効(消去)とされ、第2の無線端末装置400またはネットワーク制御装置200から移転情報が送信される。この移転情報に含まれるUSIM情報をUSIM情報記憶部350に記録させることにより、有効なUSIM情報が設定される。
【0113】
また、この例では、USIM情報の使用権を有しない無線端末装置からUSIM情報移転要求を行う例を示したが、USIM情報の使用権を有する無線端末装置からUSIM情報移転要求を行うようにしてもよい。この場合におけるUSIM情報移転要求は、相手方の無線端末装置にUSIM情報を移転するための要求である。また、この場合には、USIM情報の使用権を有しない相手方の無線端末装置には、限定的な接続により移転処理に係る各種情報を送信することができる。
【0114】
[通信システムの動作例]
次に、本発明の第1の実施の形態における通信システム100の動作について図面を参照して説明する。なお、図9および図10では、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400間における動作例のみを示すが、他の無線端末装置間における動作についても同様に適用することができる。
【0115】
[無線端末装置(USIM情報の使用権の移転先)の動作例]
図9は、本発明の第1の実施の形態における第1の無線端末装置300による通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。図9では、第1の無線端末装置300が、USIM情報の使用権の移転先である場合を例にして説明する。また、図9では、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400の何れもがUSIM情報を保持して、ネットワーク制御装置200の認証制御部210による有効無効制御により、USIM情報の使用権を移転する例を示す。
【0116】
最初に、制御部330が、USIM情報移転操作が行われたか否かを判断し(ステップS911)、USIM情報移転操作が行われていない場合には、監視を継続して行う。
【0117】
USIM情報移転操作が行われた場合には(ステップS911)、制御部330が、USIM情報の使用権を移転させる移転元(移転要求先)の無線端末装置の端末識別情報を入力するための表示画面を表示部370に表示させる(ステップS912)。続いて、制御部330が、その表示画面において、移転要求先の無線端末装置の端末識別情報が入力されたか否かを判断し(ステップS913)、その入力操作が行われていない場合には、監視を継続して行う。
【0118】
移転要求先の無線端末装置の端末識別情報が入力された場合には(ステップS913)、制御部330が、その入力された端末識別情報を含むUSIM情報移転要求をネットワーク制御装置200の認証制御部210に送信する(ステップS914)。このUSIM情報移転要求は、上述した限定接続により行われる。
【0119】
続いて、制御部330が、USIM情報記憶部350に記憶されているUSIM情報を有効とするためのUSIM情報有効化情報を受信したか否かを判断する(ステップS915)。USIM情報有効化情報を受信していない場合には(ステップS915)、制御部330が、USIM情報移転要求を送信してから一定時間が経過したか否かを判断する(ステップS916)。USIM情報移転要求を送信してから一定時間が経過していない場合には(ステップS916)、ステップS915に戻る。一方、USIM情報移転要求を送信してから一定時間が経過した場合には(ステップS916)、制御部330が、USIM情報の使用権の移転ができない旨を通知するための移転不可情報を表示部370に表示させ(ステップS917)、通信処理の動作を終了する。
【0120】
また、USIM情報有効化情報を受信した場合には(ステップS915)、制御部330が、USIM情報記憶部350に記憶されているUSIM情報の有効化処理を行う(ステップS918)。これにより、USIM情報記憶部350に記憶されているUSIM情報が有効とされ、第1の無線端末装置300ではUSIM情報を使用することができるようになる。
【0121】
続いて、制御部330が、USIM情報の有効化処理が終了した旨を示すUSIM情報有効化確認情報をネットワーク制御装置200の認証制御部210に送信する(ステップS919)。続いて、制御部330が、USIM情報の移転処理が終了した旨を示すUSIM情報移転終了情報を受信したか否かを判断し(ステップS920)、USIM情報移転終了情報を受信していない場合には、監視を継続して行う。USIM情報移転終了情報を受信した場合には(ステップS920)、通信処理の動作を終了する。
【0122】
[無線端末装置(USIM情報の使用権の移転元)の動作例]
図10は、本発明の第1の実施の形態における第2の無線端末装置400による通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。図10では、第2の無線端末装置400が、USIM情報の使用権の移転元である場合を例にして説明する。また、図10では、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400の何れもがUSIM情報を保持して、ネットワーク制御装置200の認証制御部210による有効無効制御により、USIM情報の使用権を移転する例を示す。
【0123】
最初に、制御部330が、USIM情報移転要求を受信したか否かを判断し(ステップS931)、USIM情報移転要求を受信していない場合には、監視を継続して行う。
【0124】
USIM情報移転要求を受信した場合には(ステップS931)、制御部330が、USIM情報の使用権の移転をユーザに確認させるための表示画面を表示部370に表示させる(ステップS932)。また、この表示画面による移転確認後に、制御部330が、USIM情報の使用権を移転する際に用いられるパスワードを入力するための表示画面(パスワード入力画面)を表示部370に表示させる(ステップS932)。
【0125】
続いて、制御部330が、パスワード入力画面において、パスワードの入力操作が行われたか否かを判断する(ステップS933)。パスワードの入力操作が行われていない場合には(ステップS933)、制御部330が、パスワード入力画面が表示されてから一定時間が経過したか否かを判断する(ステップS934)。パスワード入力画面が表示されてから一定時間が経過していない場合には(ステップS934)、ステップS933に戻る。一方、パスワード入力画面の表示から一定時間が経過した場合には(ステップS934)、制御部330が、USIM情報の使用権の移転ができない旨を通知するための移転不許可情報を認証制御部210に送信し(ステップS935)、通信処理の動作を終了する。
【0126】
また、パスワードの入力操作が行われた場合には(ステップS933)、制御部330が、入力されたパスワードが、登録されているパスワードと一致するか否かを判断する(ステップS936)。すなわち、パスワードの認証処理が行われる。入力されたパスワードが、登録されているパスワードと一致しない場合には(ステップS936)、ステップS932に戻り、制御部330が、正しいパスワードの入力を促す表示画面を表示部370に表示させる。
【0127】
また、入力されたパスワードが、登録されているパスワードと一致する場合には(ステップS936)、制御部330が、USIM情報の使用権の移転を許可するUSIM情報移転許可を認証制御部210に送信する(ステップS937)。
【0128】
続いて、制御部330が、USIM情報記憶部350に記憶されているUSIM情報を無効とするためのUSIM情報無効化情報を受信したか否かを判断し(ステップS938)、USIM情報無効化情報を受信していない場合には、監視を継続して行う。一方、USIM情報無効化情報を受信した場合には(ステップS938)、制御部330が、USIM情報記憶部350に記憶されているUSIM情報の無効化処理を行う(ステップS939)。これにより、USIM情報記憶部350に記憶されているUSIM情報が無効とされ、第2の無線端末装置400ではUSIM情報を使用することができなくなる。
【0129】
続いて、制御部330が、USIM情報の無効化処理が終了した旨を示すUSIM情報無効化確認情報をネットワーク制御装置200の認証制御部210に送信する(ステップS940)。続いて、制御部330が、USIM情報の移転処理が終了した旨を示すUSIM情報移転終了情報を受信したか否かを判断し(ステップS941)、USIM情報移転終了情報を受信していない場合には、監視を継続して行う。USIM情報移転終了情報を受信した場合には(ステップS941)、通信処理の動作を終了する。
【0130】
以上で示したように、本発明の第1の実施の形態では、簡単なユーザ操作のみで複数の無線端末装置間における有効なUSIM情報(契約認証情報)の移転処理を容易に行うことができる。このため、例えば、個人で複数の無線端末装置を所有する場合でも、複数の無線接続サービスを契約しなくても、複数の無線端末装置を容易に利用することができる。また、複数の無線端末装置を利用する場合でも、無線端末装置間においてUICCカードを付け替える必要がない。これらにより、複数の無線端末装置間においてUSIM情報(契約認証情報)を容易に共有することができる。
【0131】
ここで、各無線端末装置は、上述したように異なる機器であるため、各無線端末装置が備える機能(通信機能等)が異なる。このため、USIM情報が移転された場合には、移転先の無線端末装置に応じた適切な通信料金等を算出することが重要である。また、このような移転処理に係る料金を適切に課金することが重要である。そこで、以下では、通信システム100における課金処理について説明する。
【0132】
[課金処理部の機能構成例]
次に、ネットワーク制御装置200における課金処理部600について図面を参照して詳細に説明する。
【0133】
図11は、本発明の第1の実施の形態における課金処理部600の機能構成例を示すブロック図である。なお、図11では、課金処理部600とともに、図2に示す認証制御部210を示す。
【0134】
課金処理部600は、課金情報データベース610と、履歴情報記憶部620と、使用権移転検出部630と、算出部640と、出力部650とを備える。
【0135】
課金情報データベース610は、各無線端末装置に関する課金情報を記憶するデータベースであり、記憶されている課金情報を算出部640に供給する。なお、課金情報データベース610の内容については、図12(b)を参照して詳細に説明する。
【0136】
履歴情報記憶部620は、USIM情報の使用権の移転履歴やUSIM情報の使用履歴等を含む履歴情報(例えば、図13(a)乃至(c)に示す各情報)を記憶するものであり、記憶されている履歴情報を算出部640に供給する。
【0137】
使用権移転検出部630は、認証制御部210からのUSIM情報移転終了情報に基づいて、各無線端末装置間におけるUSIM情報の使用権の移転を検出するものであり、検出結果(移転検出情報)を算出部640に出力する。なお、使用権移転検出部630は、特許請求の範囲に記載の検出部の一例である。
【0138】
算出部640は、認証制御部210からの接続情報と、課金情報データベース610に記憶されている課金情報と、履歴情報記憶部620に記憶されている履歴情報とを用いて、USIM情報に係る料金(無線端末装置に係る料金等)を算出するものである。ここで、算出部640は、課金情報データベース610に記憶されている課金情報のうち、USIM情報の使用権が移転された無線端末装置に係る課金情報を用いてUSIM情報に係る料金を算出する。すなわち、算出部640は、USIM情報の使用権の移転が使用権移転検出部630により検出された場合には、その使用権が移転された無線端末装置に設定されている課金情報に基づいて、その移転後に生じるUSIM情報に係る料金を算出する。
【0139】
また、算出部640は、履歴情報記憶部620に記憶されている履歴情報(使用権移転検出部630により検出されたUSIM情報の使用権の移転履歴、USIM情報の使用履歴)を用いてUSIM情報に係る料金を算出する。ここで、USIM情報の使用履歴は、USIM情報の使用権の移転が行われた各無線端末装置に関するUSIM情報の使用に関する履歴である。例えば、その各無線端末装置が利用することができるサービス内容、その各無線端末装置が利用した通信時間および通信量、その各無線端末が備える無線通信に関する性能のうちの少なくとも1つをUSIM情報の使用履歴として用いることができる。また、USIM情報の使用権の移転履歴は、USIM情報の使用権の移転が行われた回数、その移転が行われた各無線端末装置の種類、その移転が行われた各無線端末装置が利用したサービス内容を含む履歴である。そして、算出部640は、USIM情報の使用権の移転履歴のうちの少なくとも1つを用いてUSIM情報に係る料金を算出する。
【0140】
出力部650は、履歴情報記憶部620に記憶されている履歴情報に含まれる合計金額(USIM情報に係る料金の合計値)を出力するものである。例えば、所定期間が満了した場合に、出力部650は、その合計金額を出力する。
【0141】
[無線端末装置の仕様例および課金情報データベースの内容例]
図12は、本発明の第1の実施の形態における各無線端末装置の仕様例および課金情報データベース610の内容例を模式的に示す図である。図12(a)には、第1の無線端末装置300、第2の無線端末装置400および第3の無線端末装置700の仕様例を示す。また、図12(b)には、課金情報データベース610の内容例を示す。
【0142】
図12(a)では、説明の容易のため、第1の無線端末装置300、第2の無線端末装置400および第3の無線端末装置700の仕様例として、サービス能力601およびデータ通信性能602のみを簡略化して示す。
【0143】
サービス能力601として、対応する無線端末装置が備える機能(通話機能およびデータ通信機能の少なくとも1つ)を示す。すなわち、第1の無線端末装置300は、通話機能およびデータ通信機能の双方を備え、第2の無線端末装置400および第3の無線端末装置700は、データ通信機能のみを備えるものとする。
【0144】
データ通信性能602として、対応する無線端末装置が備えるデータ通信機能の性能を通信速度の単位(Mbps(Mega bit per second))を用いて示す。なお、通話機能を備える第1の無線端末装置300については、データ通信機能の性能のみを示す。
【0145】
図12(b)に示す課金情報データベース610には、各無線端末装置に関する課金情報として、無線端末装置識別情報611と、サービス能力612と、データ通信性能613と、単価614と、単位615とが格納されている。また、課金情報データベース610には、USIM情報の使用権の移転に関する課金情報として、単価614および単位615が格納されている。
【0146】
無線端末装置識別情報611には、各無線端末装置を識別するための識別情報が格納される。なお、図12(b)では、説明の容易のため、図1、図2等に示す名称(第1乃至第3の無線端末装置)のみを示す。
【0147】
サービス能力612には、対応する無線端末装置が備える機能(通話機能およびデータ通信機能の少なくとも1つ)が格納される。なお、サービス能力612は、図12(a)に示すサービス能力601に対応する。
【0148】
データ通信性能613には、対応する無線端末装置が備えるデータ通信機能の性能(図12(b)では、通信速度の単位を用いて示す)が格納される。なお、データ通信性能613は、図12(a)に示すデータ通信性能602に対応する。また、サービス能力612およびデータ通信性能613における各情報は、例えば、各無線端末装置のUSIM情報の使用権の移転処理時に、各無線端末装置から課金処理部600に通知することにより格納することができる。また、例えば、各無線端末装置のUSIM情報の取得時(すなわち、ユーザ10が無線事業者と契約した時)に無線事業者により格納されるようにしてもよい。また、各無線端末装置が無線回線を介したサービスを受けるため接続事業者に接続する際に、各無線端末装置から課金処理部600に通知することにより格納することができる。
【0149】
単価614には、各無線端末装置に関する課金情報として、対応する機能により行われる通信料金の単価が格納される。また、単価614には、USIM情報の使用権の移転に関する情報として、その移転に係る料金の単価が格納される。ここで、例えば、「通話対応およびパケット対応」の無線端末装置と、「パケット専用」の無線端末装置とでは、単価(パケット料金そのもの)が異なるように設定することができる(例えば、第1の無線端末装置および第2の無線端末装置)。すなわち、対応する機能が少ない場合には、通信に使用される機能が限定されているため、安く設定することができる。また、通信性能が高くなるに応じて、1パケットあたりの単価を安く設定することができる(例えば、第2の無線端末装置および第3の無線端末装置)。すなわち、通信性能が高ければ、1パケット通信に必要な時間が少ないため、その分だけ安く設定することができる。
【0150】
単位615には、各無線端末装置に関する課金情報、または、USIM情報の使用権の移転に関する情報として、単価614に対応する単位が格納される。
【0151】
[履歴情報の遷移例]
図13は、本発明の第1の実施の形態における算出部640により算出されるUSIM情報に係る料金の遷移を模式的に示す図である。図13では、USIM情報に係る料金の遷移として、USIM情報の移転履歴およびUSIM情報の使用履歴と、使用サービスと、加算料金と、累積料金との遷移を示す。
【0152】
図13に示す例では、最初に、USIM情報の使用権が第1の無線端末装置300に保持され、その後、USIM情報の使用権が、第2の無線端末装置400、第3の無線端末装置700に順次移転される場合を想定して説明する。また、最初の累積料金は0円であるものとする。
【0153】
図13(a)には、USIM情報の使用権が第1の無線端末装置300に保持されている場合において、算出部640により算出されるUSIM情報に係る料金を示す。例えば、USIM情報の使用権が第1の無線端末装置300に保持されている場合に、第1の無線端末装置300を所有するユーザ10が通話を10分間行ったものとする。この場合には、算出部640は、この通話時間(使用サービスおよびその時間)を認証制御部210から取得するとともに、課金情報データベース610に記憶されている第1の無線端末装置の単価614(図12(b)に示す)を参照して加算料金を算出する。すなわち、加算料金として50円(5(単価:円/分)×10(使用時間:分))が算出される。また、累積料金として50円が算出される。なお、使用サービスおよびその時間については、無線端末装置から送信されるサービスを受けるためのリクエスト、または、サービスの提供業者から送信されるサービス種別情報から取得することができる。
【0154】
ここで、USIM情報の使用権が第1の無線端末装置300から第2の無線端末装置400に移転された場合を想定する。この場合には、算出部640は、この移転を使用権移転検出部630からの移転検出情報に基づいて判断し、課金情報データベース610に記憶されている単価614(図12(b)に示す)を参照して加算料金を算出する。すなわち、加算料金として10円(単価:円/1回)が算出され、累積料金として60円(50+10)が算出される。この移転時における加算例については、図13(b)に示す。
【0155】
図13(b)には、USIM情報の使用権が第2の無線端末装置400に保持されている場合において、算出部640により算出されるUSIM情報に係る料金を示す。例えば、USIM情報の使用権が第2の無線端末装置400に保持されている場合に、第2の無線端末装置400を所有するユーザ10がデータ通信(電子書籍のダウンロードを100パケット分)を行ったものとする。この場合には、算出部640は、このデータ通信に係るパケットの量(パケット量)を認証制御部210から取得するとともに、課金情報データベース610に記憶されている第2の無線端末装置の単価614(図12(b)に示す)を参照して加算料金を算出する。すなわち、加算料金として2円(0.02(単価:円/パケット)×100(使用パケット))が算出される。また、上述したように、移転による加算処理が行われているため、累積料金として62円(50+10+2)が算出される。
【0156】
次に、USIM情報の使用権が第2の無線端末装置400から第3の無線端末装置700に移転された場合を想定する。この場合についても同様に、算出部640は、加算料金(10円(単価:円/1回))を算出し、累積料金として72円(62+10)を算出する。この移転時における加算例については、図13(c)に示す。
【0157】
図13(c)には、USIM情報の使用権が第3の無線端末装置700に保持されている場合において、算出部640により算出されるUSIM情報に係る料金を示す。例えば、USIM情報の使用権が第3の無線端末装置700に保持されている場合に、第3の無線端末装置700を所有するユーザ10がデータ通信(音楽コンテンツのダウンロードを1000パケット分)を行ったものとする。この場合には、算出部640は、このデータ通信に係るパケットの量(パケット量)を認証制御部210から取得するとともに、課金情報データベース610に記憶されている第3の無線端末装置の単価614(図12(b)に示す)を参照して加算料金を算出する。すなわち、加算料金として10円(0.01(単価:円/パケット)×1000(使用パケット))が算出される。また、上述したように、移転による加算処理が行われているため、累積料金として82円(62+10+10)が算出される。
【0158】
このように移転が行われる毎に算出部640により加算料金が算出される。また、移転後に無線端末装置が使用された場合には、その使用に応じて算出部640により加算料金が算出される。そして、これらの加算料金が累積料金に順次加算される。また、このように算出された加算料金および累積料金が履歴情報(図13(a)乃至(c)に示す各情報)として履歴情報記憶部620に順次保存される。
【0159】
[課金処理部の動作例]
次に、本発明の第1の実施の形態における課金処理部600の動作について図面を参照して説明する。
【0160】
図14は、本発明の第1の実施の形態における課金処理部600による課金処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。図14では、無線端末装置間においてUSIM情報の使用権の移転が行われる毎に一定額(例えば、図12(b)に示す10円)が加算される例を示す。
【0161】
最初に、算出部640が、認証制御部210からの接続情報に基づいてUSIM情報の使用権を保持する無線端末装置に関する課金処理を行う(ステップS951)。すなわち、USIM情報の使用権を保持する無線端末装置の使用状況に応じた課金処理が行われる。続いて、算出部640が、USIM情報の使用権に関する移転履歴および使用履歴を含む履歴情報を履歴情報記憶部620に保存する(ステップS952)。
【0162】
続いて、算出部640は、使用権移転検出部630からの移転検出情報に基づいて、無線端末装置間においてUSIM情報の使用権の移転が行われたか否かを判断する(ステップS953)。USIM情報の使用権の移転が行われていない場合には(ステップS953)、所定期間(例えば、1月)が満了したか否かが判断される(ステップS954)。そして、所定期間が満了した場合には(ステップS954)、履歴情報記憶部620に記憶されている履歴情報に含まれる合計金額(USIM情報に係る料金の合計値)が出力部650から出力される(ステップS955)。一方、所定期間が満了していない場合には(ステップS954)、ステップS951に戻る。
【0163】
また、USIM情報の使用権の移転が行われた場合には(ステップS953)、算出部640は、USIM情報の使用権の移転に係る料金(10円)を加算する(ステップS956)。続いて、算出部640は、移転後の無線端末装置に応じた単価(例えば、サービス能力、データ通信性能に応じた単価)を、課金処理を行う際における単価として設定する(ステップS957)。この単価(図12(b)に示す単価614)は、課金情報データベース610から取得される。なお、ステップS953は、特許請求の範囲に記載の検出手順の一例である。また、ステップS957およびステップS951は、特許請求の範囲に記載の算出手順の一例である。
【0164】
なお、図14では、USIM情報の使用権の移転毎に一定額を加算する例を示した。ここで、USIM情報の使用権の移転毎に一定額を加算する代わりに、例えば、USIM情報の使用権の移転回数にかかわらず、一定額とすることも想定される。また、例えば、USIM情報の使用権の移転回数の上限値を設け、上限値未満の場合にはその移転回数に応じた加算を行い、上限値に達した場合には一定額とすることも想定される。また、例えば、USIM情報の使用権の移転回数の下限値および上限値を設け、下限値未満の場合には一定額(例えば、Xmin)とし、上限値に達した場合には一定額(例えば、Xmax)とすることも想定される。この場合には、上限値から上限値までの間はその移転回数に応じた加算を行う。これらの例(USIM情報の使用権の移転毎に一定額を加算する加算例以外の例)について図15および図16を参照して詳細に説明する。
【0165】
[USIM情報の移転に係る課金料金例]
図15は、本発明の第1の実施の形態における課金処理部600による課金処理の加算料金の一例を簡略化して示す図である。図15(a)には、USIM情報の使用権の移転回数と、その移転に係る加算料金との関係例を表で示し、図15(b)には、図15(a)に示す関係例をグラフで示す。
【0166】
図15に示す例において、Nmin、Nmaxは正の整数(ただし、0≦Nmin≦Nmax)とする。また、Xmin、Xmaxは正値(ただし、0≦Xmin≦Xmax)とする。また、X(N)は、USIM情報の使用権の移転毎に加算される料金であり、一定値とするようにしてもよく、Nの増加に応じて減少または増加する変数とするようにしてもよい。これらの各値(Nmin、Nmax、Xmin、Xmax、X(N))を調整することにより、定額による課金、移転回数に応じた課金を実現することができる。なお、移転回数に応じた課金として、上限値以上は定額とすることができる。また、移転回数に応じた課金として、下限値未満は定額、上限値以上は定額(下限値未満の定額よりも額が大きい)とすることができる。なお、図15に示す例については、図16を参照して説明する。
【0167】
[課金処理部の動作例]
図16は、本発明の第1の実施の形態における課金処理部600による課金処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図16に示すフローチャートは、図14の変形例であるため、図14と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
【0168】
USIM情報の使用権の移転が行われた場合には(ステップS953)、算出部640は、所定期間(例えば、1月)内の移転回数NがNmin以上であるか否かを判断する(ステップS961)。所定期間内の移転回数NがNmin以上でない場合には(ステップS961)、算出部640は、USIM情報の使用権の移転に係る料金としてXminを加算し(ステップS962)、ステップS957に進む。
【0169】
一方、所定期間内の移転回数NがNmin以上である場合には(ステップS961)、算出部640は、所定期間内の移転回数NがNmax以上であるか否かを判断する(ステップS963)。所定期間内の移転回数NがNmax以上でない場合には(ステップS963)、算出部640は、USIM情報の使用権の移転に係る料金として{Xmin+(N−Nmin)×X(N)}を加算し(ステップS964)、ステップS957に進む。また、所定期間内の移転回数NがNmax以上である場合には(ステップS963)、算出部640は、USIM情報の使用権の移転に係る料金としてXmaxを加算し(ステップS965)、ステップS957に進む。
【0170】
このように、算出部640は、USIM情報の使用権の移転履歴として、その使用権の移転が行われた回数により特定される上限値(Xmax)および下限値(Xmin)を用いてUSIM情報に係る料金を算出することができる。
【0171】
ここで、例えば、音声通話とデータ通信の両方が可能な携帯電話装置から、特定用途のデータ通信(例えば、電子書籍のダウンロードのみ可能な電子書籍表示装置)にUSIM情報の使用権を移転する場合を想定する。この場合には、汎用的な用途で使用される携帯電話装置と、特定用途でのみ使用されるデータ通信装置とでは、利用単価を変えることが好ましいこともある。また、同一のサービスであっても、例えば、最大伝送速1Mbpsのパケットサービスのみを行うことが可能な無線端末装置と、最大伝送速度100Mbpsのパケットサービスが可能な無線端末装置とでは、同一時間に伝送することができる情報量が異なる。このような場合にも、利用単価を変えることが好ましいこともある。そこで、本発明の第1の実施の形態よれば、USIM情報(契約認証情報)を共有する複数の無線端末装置が異なる機能(通信機能等)を備える場合でも、その機能に応じた適切な課金処理を行うことができる。
【0172】
また、本発明の第1の実施の形態よれば、USIM情報(契約認証情報)を共有する複数の無線端末装置間における移転処理に係る料金を適切に算出することができる。すなわち、本発明の第1の実施の形態よれば、複数の無線端末装置間において共有されるUSIM情報(契約認証情報)に係る料金を適切に算出することができる。
【0173】
<2.第2の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態では、USIM情報の使用権の移転毎に移転に係る料金を加算し、その移転後の無線端末装置の使用状況に応じた課金処理を行う例を示した。ここで、移転先の無線端末装置が特定会社の製品である場合や、移転元または移転先の無線端末装置が一定以上のサービスを利用しているような場合には、その移転に係る料金を軽減してユーザに対して優遇を与えることも考えられる。そこで、本発明の第2の実施の形態では、一定条件を満たす場合に、USIM情報に係る料金を軽減してユーザに対して優遇を与える例を示す。なお、本発明の第2の実施の形態における通信システムの構成については、図1等に示す例と略同様である。このため、本発明の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
【0174】
[無線端末装置の仕様例および課金情報データベースの内容例]
図17は、本発明の第2の実施の形態における各無線端末装置の仕様例および課金情報データベース800の内容例を模式的に示す図である。図17に示す例は、図12の一部を変形した例であるため、図12と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。また、図17に示す例では、無線事業者において、割引料金の対応機種(無線端末装置)が予め設定されている場合を例にして説明する。
【0175】
図17(a)には、第1の無線端末装置300、第2の無線端末装置400および第3の無線端末装置700の仕様例を示す。また、図17(b)には、課金情報データベース800の内容例を示す。
【0176】
図17(a)では、図12(a)に示すサービス能力601およびデータ通信性能602以外に、割引料金適用の要否603を示す。
【0177】
割引料金適用の要否603は、対応する無線端末装置が割引料金を適用されるか否かを示すものである。すなわち、対応する無線端末装置が、無線事業者において予め設定されている割引料金の対応機種に該当するか否かを示す。図17(a)では、第1の無線端末装置300については割引料金が適用されない(図17では「×」で示す)が、第2の無線端末装置400および第3の無線端末装置700については割引料金が適用される(図17では「○」で示す)例を示す。
【0178】
図17(b)に示す課金情報データベース800には、各無線端末装置に関する課金情報として、無線端末装置識別情報611と、サービス能力612と、データ通信性能613と、単価614と、単位615と、割引料金適用の要否616とが格納されている。
【0179】
割引料金適用の要否616には、対応する無線端末装置が割引料金を適用されるか否かを示す情報が格納される。なお、図17(b)では、説明の容易のため、「○」および「×」で模式的に示す。
【0180】
また、図17(b)に示す例では、割引料金を適用される無線端末装置については、単価が1/2の値となる場合(すなわち、50%オフ)を示す。具体的には、図12(b)に示す例と比較すると、第2の無線端末装置および第3の無線端末装置の単価614が、割引料金の適用により1/2の値となる(具体的な割引料金の適用例については、図18に示す)。
【0181】
[履歴情報の遷移例]
図18は、本発明の第2の実施の形態における算出部640により算出されるUSIM情報に係る料金の遷移を模式的に示す図である。図18に示す例は、図13の一部を変形した例であるため、図13と共通する部分についてはその説明の一部を省略する。また、図18に示す例では、無線事業者において、割引料金の対応機種(無線端末装置)が予め設定されている場合を例にして説明する。
【0182】
図18(a)には、USIM情報の使用権が第1の無線端末装置300に保持されている場合において、算出部640により算出されるUSIM情報に係る料金を示す。なお、第1の無線端末装置300については、図17に示すように、割引料金が適用されない。このため、図18(a)に示す履歴情報は、図13(a)と同一となる。
【0183】
図18(b)には、USIM情報の使用権が第2の無線端末装置400に保持されている場合において、算出部640により算出されるUSIM情報に係る料金を示す。ここで、第2の無線端末装置400については、図17に示すように、割引料金が適用される。このため、図18(b)に示す履歴情報は、図13(b)と比較すると、加算料金が1/2の値となる(すなわち、1円(0.02(単価:円/パケット)×100(使用パケット)×1/2))。
【0184】
図18(c)には、USIM情報の使用権が第3の無線端末装置700に保持されている場合において、算出部640により算出されるUSIM情報に係る料金を示す。ここで、第3の無線端末装置700についても、図17に示すように、割引料金が適用される。このため、図18(c)に示す履歴情報は、図13(c)と比較すると、加算料金が1/2の値となる(すなわち、5円(0.01(単価:円/パケット)×1000(使用パケット)×1/2))。
【0185】
このように割引料金が適用される無線端末装置については、その割引に応じて算出部640により加算料金が算出される。なお、図17および図18に示す例では、割引料金として1/2とする例を示したが、他の割引料金とするようにしてもよい。また、使用状況等に応じて、割引料金を適宜変更するようにしてもよい。
【0186】
[移転元または移転先に応じた課金料金例]
次に、移転元または移転先の無線端末装置が、所定会社の製品であるか否かに応じてUSIM情報の使用権の移転に係る料金を変更する例について説明する。
【0187】
図19は、本発明の第2の実施の形態における課金処理部600による課金処理の加算料金の一例を簡略化して示す図である。図19に示す例において、X1乃至X3は正値(ただし、0≦X1≦X2≦X3)とする。なお、X1、X2は、割引が適用される料金であり、X3は、割引が適用されない料金であるものとする。また、図19に示す例については、図20を参照して説明する。
【0188】
[課金処理部の動作例]
図20は、本発明の第2の実施の形態における課金処理部600による課金処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図20に示すフローチャートは、図14の変形例であるため、図14と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
【0189】
USIM情報の使用権の移転が行われた場合には(ステップS953)、算出部640は、移転元および移転先の無線端末装置が所定会社(例えば、S社製)の製品であるか否かを判断する(ステップS971)。移転元および移転先の無線端末装置が所定会社の製品である場合には(ステップS971)、算出部640は、USIM情報の使用権の移転に係る料金としてX1を加算し(ステップS972)、ステップS957に進む。
【0190】
一方、移転元および移転先のうちの少なくとも1つが所定会社の製品でない場合には(ステップS971)、算出部640は、移転先の無線端末装置が所定会社の製品であるか否かを判断する(ステップS973)。移転先の無線端末装置が所定会社の製品である場合には(ステップS973)、算出部640は、USIM情報の使用権の移転に係る料金としてX2を加算し(ステップS974)、ステップS957に進む。また、移転先の無線端末装置が所定会社の製品でない場合には(ステップS973)、算出部640は、USIM情報の使用権の移転に係る料金としてX3を加算し(ステップS975)、ステップS957に進む。
【0191】
なお、この例では、移転元の無線端末装置のみが所定会社の製品である場合には、割引を行わない例を示したが、移転元の無線端末装置が所定会社の製品である場合でも割引を行うようにしてもよい。すなわち、算出部640は、USIM情報の使用権の移転が行われた移転元および移転先の各無線端末装置のうちの少なくとも1つが特定種類の無線端末装置であるか否かを示す情報を用いてUSIM情報に係る料金を算出することができる。なお、特定種類の無線端末装置は、上述したように、所定会社の製品(例えば、1または複数の会社の製品)とすることができる。また、特定種類の無線端末装置は、所定会社の製品のうちの特定製品(例えば、特定のキャンペーンをしている製品)とするようにしてもよい。また、所定会社は、無線事業者の関連会社や無線事業者との間で何らかの提携を結んでいる会社(提携会社)等とすることができる。
【0192】
このように、移転元および移転先の無線端末装置が特定種類の無線端末装置(例えば、S社製)であるか否かに応じて、USIM情報の使用権の移転に係る料金を割り引くことにより、特定種類の無線端末装置を使用しているユーザに優遇を与えることができる。例えば、特定種類の無線端末装置をS社製の無線端末装置とする場合を想定する。この場合には、そのユーザのS社に対する愛着が増加し、S社の製品の使用機会が増加することが想定される。また、その使用機会の増加に応じて、そのユーザに対してさらに高い優遇を与えることが可能となる。また、このようにユーザに対して優遇を与えることにより、そのユーザが新たな製品を購入する際にS社の製品を購入する動機になり、S社の製品を使用する機会を増やすことができると想定される。このため、ユーザに対して優遇を与えることができるとともに、S社にとっては、そのように愛着が増加したユーザによる継続した製品の購入およびその利用により安定した収益を確保することが可能となる。
【0193】
[使用額または使用サービスに応じた課金料金例]
次に、移転元または移転先の無線端末装置による使用額または使用サービスが一定条件(減算条件)を満たすか否かに応じてUSIM情報の使用権の移転に係る料金を変更する例について説明する。
【0194】
図21は、本発明の第2の実施の形態における課金処理部600による課金処理の加算料金の一例を簡略化して示す図である。図21に示す例において、所定サービスは、例えば、電子書籍のダウンロードサービス、音楽コンテンツ、動画コンテンツのダウンロードサービス等である。また、X5およびX6は正値(すなわち、0<X5、0<X6)とする。また、X5およびX6は、減算条件を満たさない場合における料金(USIM情報の使用権の移転に係る料金)X4(図22に示す)以下であるものとする。また、Y1およびY2は正値(すなわち、0<Y1、0<Y2)とする。なお、図21に示す例については、図22を参照して説明する。
【0195】
[課金処理部の動作例]
図22は、本発明の第2の実施の形態における課金処理部600による課金処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図22に示すフローチャートは、図14の変形例であるため、図14と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
【0196】
USIM情報の使用権の移転が行われた場合には(ステップS953)、算出部640は、USIM情報の使用権の移転に係る料金X4を加算し(ステップS981)、移転先の無線端末装置の履歴情報を履歴情報記憶部620から取得する(ステップS982)。
【0197】
続いて、算出部640は、取得された履歴情報に含まれる累積料金(使用額)がY1以上であるか否かを判断する(ステップS983)。その累積料金がY1以上である場合には(ステップS983)、算出部640は、USIM情報の使用権の移転に係る料金X4からX5を減算し(ステップS984)、ステップS985に進む。また、その累積料金がY1未満である場合には(ステップS983)、ステップS985に進む。
【0198】
続いて、算出部640は、取得された履歴情報に含まれる使用サービスのうち、所定サービスが含まれるか否かを判断する(ステップS985)。すなわち、移転先の無線端末装置が所定サービスを利用しているか否かが判断される。移転先の無線端末装置が所定サービスを利用している場合には(ステップS985)、算出部640は、USIM情報の使用権の移転に係る料金X4からX6を減算し(ステップS986)、ステップS987に進む。また、移転先の無線端末装置が所定サービスを利用していない場合には(ステップS985)、ステップS987に進む。
【0199】
続いて、算出部640は、移転元の無線端末装置の履歴情報を履歴情報記憶部620から取得する(ステップS987)。
【0200】
続いて、算出部640は、取得された履歴情報に含まれる累積料金(使用額)がY2以上であるか否かを判断する(ステップS988)。その累積料金がY2以上である場合には(ステップS988)、算出部640は、USIM情報の使用権の移転に係る料金X4からX5を減算し(ステップS989)、ステップS990に進む。また、その累積料金がY2未満である場合には(ステップS988)、ステップS990に進む。
【0201】
続いて、算出部640は、取得された履歴情報に含まれる使用サービスのうち、所定サービスが含まれるか否かを判断する(ステップS990)。すなわち、移転元の無線端末装置が所定サービスを利用しているか否かが判断される。移転元の無線端末装置が所定サービスを利用している場合には(ステップS990)、算出部640は、USIM情報の使用権の移転に係る料金X4からX6を減算し(ステップS991)、ステップS957に進む。また、移転元の無線端末装置が所定サービスを利用していない場合には(ステップS990)、ステップS957に進む。なお、料金X4からX5およびX6が減算されて、USIM情報の使用権の移転に係る料金が負値となる場合には、料金X4=0とするようにしてもよい。
【0202】
また、この例では、減算条件を満たす場合には、移転元および移転先の何れの場合についても料金X5またはX6を減算する用いる例を示したが、これらを異なる値とするようにしてもよい。例えば、移転元について減算する場合には、料金X5、X6とは異なる値(X7、X8)を用いることができる。また、減算条件として複数の条件を用いるようにしてもよい。例えば、移転先の累積料金(使用額)の判断基準としてY1、Y10、Y11(例えば、Y1<Y10<Y11)を用いることができる。
【0203】
また、この例では、移転元または移転先の無線端末装置による使用額(累積料金)または使用サービスを判断対象として用いる例を示したが、他の情報を判断対象として用いるようにしてもよい。例えば、共有されているUSIM情報を用いた無線通信により購入されたもの(例えば、ダウンロードされたコンテンツ)の総額を取得することができる場合には、その総額を判断対象として用いるようにしてもよい。
【0204】
このように、算出部640は、USIM情報の使用権の移転が行われた移転元および移転先の各無線端末装置のうちの少なくとも1つに特定サービスの利用履歴があるか否かを示す情報を用いてUSIM情報に係る料金を算出することができる。また、算出部640は、USIM情報の使用権の移転が行われた移転元および移転先の各無線端末装置のうちの少なくとも1つにより利用されたサービスの利用量を示す情報を用いてUSIM情報に係る料金を算出することができる。
【0205】
このように、例えば、USIM情報の使用権の移転が行われた移転元および移転先の各無線端末装置のうちの少なくとも1つが特定サービスを利用している場合には、その使用権の移転に係る料金を割り引くことができる。また、例えば、USIM情報の使用権の移転が行われた移転元および移転先の各無線端末装置のうちの少なくとも1つが、1月当り一定の使用額を超えている場合には、その使用権の移転に係る料金を割り引くことができる。これらにより、ユーザの無線事業者に対する愛着が増加し、その無線事業者の使用機会が増加することが想定される。この場合には、そのユーザに対してさらに高い優遇を与えることが可能となる。すなわち、ユーザに対して優遇を与えることができるとともに、その無線事業者にとっては、そのように愛着が増加したユーザによる継続した利用により安定した収益を確保することが可能となる。
【0206】
このように、本発明の第2の実施の形態によれば、USIM情報(契約認証情報)を共有する複数の無線端末装置の機種や、無線回線の使用状況等に基づいてUSIM情報(契約認証情報)の料金を軽減してユーザに対して優遇を与えることができる。これにより、ユーザの満足度を高めるとともに、複数の無線端末装置間において共有されるUSIM情報(契約認証情報)に係る料金を適切に算出することができる。
【0207】
<3.変形例>
本発明の第1および第2の実施の形態では、ユーザが操作可能な状態である複数の無線端末装置間においてUSIM情報の使用権を移転する例を示した。ただし、図1(b)に示すように、無線端末装置(第2の無線端末装置400、第3の無線端末装置700)をユーザが操作できない場合も想定される。そこで、本発明の実施の形態の変形例では、有効なUSIM情報を保持する無線端末装置をユーザが操作できない場合においてUSIM情報の使用権を移転する例を示す。なお、この変形例における通信システムの構成については、図1等に示す例と略同様である。このため、本発明の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
【0208】
[各装置間における通信例]
図23は、本発明の実施の形態の変形例における通信システム100を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。なお、図23に示すシーケンスチャートは、図8の変形例であるため、図8と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
【0209】
USIM情報移転要求を受信すると(404)、認証制御部210は、無線端末装置管理データベース220の内容に基づいて、移転要求先(移転元)および移転要求元(移転先)の無線端末装置を確認する(430)。すなわち、認証制御部210は、受信したUSIM情報移転要求に含まれる端末識別情報により特定される移転要求先(移転元)および移転要求元(移転先)の無線端末装置を確認する。
【0210】
続いて、その確認後に、認証制御部210は、移転要求先(移転元)のUSIM情報を無効化するためのUSIM情報無効化情報を移転要求先(移転元)(第2の無線端末装置400)に送信する(412、413)。
【0211】
なお、この例では、第2の無線端末装置400からUSIM情報無効化確認情報を受信した場合に(416)、認証制御部210が、USIM情報有効化情報を第1の無線端末装置300に送信する(417)例を示す。しかしながら、移転要求先(移転元)の無線端末装置の電源がオフとなっている場合や移転要求先(移転元)の無線端末装置が圏外となっていることも想定される。そこで、例えば、移転要求先(移転元)の無線端末装置からUSIM情報無効化確認情報を受信しない場合であっても、一定条件を満たす場合には、USIM情報有効化情報を移転要求元(移転先)の無線端末装置に送信するようにしてもよい。一定条件としては、例えば、移転要求先(移転元)のユーザによりその旨の設定が予め行われている場合、かつ、一定時間経過しても移転要求先(移転元)からUSIM情報無効化確認情報を受信しない場合とすることができる。
【0212】
ただし、移転要求先(移転元)からUSIM情報無効化確認情報を受信しない場合に、USIM情報有効化情報を移転要求元(移転先)に送信すると、移転要求元(移転先)および移転要求先(移転元)の何れのUSIM情報も有効となる。この場合において、移転要求先(移転元)の無線通信端末の電源がオンとなったり、圏内となったりした場合には、移転要求先(移転元)の無線通信端末から基地局へのアクセスが許可されることになる。そこで、移転要求先(移転元)からUSIM情報無効化確認情報を受信しない場合であって一定条件を満たす場合には、認証制御部210が、無線端末装置管理データベース220の内容を書き換える。すなわち、認証制御部210が、移転要求元(移転先)を有効とし、移転要求先(移転元)を無効とするように無線端末装置管理データベース220の内容を書き換える。また、認証制御部210が、各基地局に移転要求先(移転元)が無効である旨の情報(無効情報)を保持させる。この無効情報を各基地局に保持させておき、移転要求先(移転元)の無線通信端末から基地局にアクセスがあった場合には、USIM情報無効化情報をその基地局から移転要求先(移転元)の無線通信端末に送信させるようにする。このように、無線端末装置管理データベース220の内容を書き換え、各基地局に無効情報を保持させた後に、認証制御部210が、USIM情報有効化情報を移転要求元(移転先)に送信するようにする。
【0213】
例えば、図23に示す例において、第2の無線端末装置400からUSIM情報無効化確認情報を受信しない場合であって一定条件を満たす場合には、認証制御部210が、無線端末装置管理データベース220の内容を書き換える。すなわち、認証制御部210が、第1の無線端末装置300を有効とし、第2の無線端末装置400を無効とするように無線端末装置管理データベース220の内容を書き換える。また、認証制御部210が、基地局231乃至233に第2の無線端末装置400が無効である旨の情報(無効情報)を保持させる。この無効情報を基地局231乃至233に保持させておき、第2の無線端末装置400から基地局231乃至233の何れかにアクセスがあった場合には、USIM情報無効化情報をその基地局から第2の無線端末装置400に送信させるようにする。このように、無線端末装置管理データベース220の内容を書き換え、基地局231乃至233に無効情報を保持させた後に、認証制御部210が、USIM情報有効化情報を第1の無線端末装置300に送信するようにする。
【0214】
以上で示したように、本発明の実施の形態の変形例では、複数の無線端末装置間においてUSIM情報(契約認証情報)を共有する場合に、USIM情報(契約認証情報)を保持する無線端末装置を持ち歩かなくてもよい。例えば、無線携帯端末(例えば、携帯電話装置)を家に忘れたユーザでも、出先で無線携帯端末を借りて自分の無線携帯端末として使用することができる。これにより、複数の無線端末装置間においてUSIM情報(契約認証情報)をさらに容易に共有することができる。また、この場合でも、複数の無線端末装置間において共有されるUSIM情報(契約認証情報)に係る料金を適切に算出することができる。
【0215】
[無線端末装置管理データベースの構成例]
本発明の第1および第2の実施の形態では、3つの無線端末装置間においてUSIM情報の使用権の移転を行う例を示した。ただし、2または4以上の無線端末装置間においてUSIM情報の使用権の移転を行う場合についても、本発明の第1および第2の実施の形態を適用することができる。また、4以上の無線端末装置間においてUSIM情報の使用権の移転を行う場合における無線端末装置管理データベース220の内容例を図24に示す。
【0216】
図24は、本発明の実施の形態の変形例における無線端末装置管理データベース220を模式的に示す図である。
【0217】
なお、図24に示す無線端末装置管理データベース220は、管理対象となる無線端末装置の数が4以上である点が異なるが、それ以外は、図4と略同様である。
【0218】
例えば、1人のユーザがM個(M≧4)の無線端末装置を所有している場合において、このM個の無線端末装置のうちの1個の無線端末装置のUSIM情報のみを有効として、他の無線端末装置のUSIM情報を無効とすることができる。この場合には、図24に示す無線端末装置管理データベース220の有効無効情報224のうち、1つの欄に「有効」が格納され、他の欄には「無効」が格納される。
【0219】
また、例えば、1人のユーザがM個(M≧3)の無線端末装置を所有している場合において、このM個の無線端末装置のうちのN個(1<N<M)の無線端末装置のUSIM情報を有効として、他の無線端末装置のUSIM情報を無効とすることができる。この場合には、図24に示す無線端末装置管理データベース220の有効無効情報224のうち、N個の欄に「有効」が格納され、他の欄には「無効」が格納される。
【0220】
また、本発明の第1および第2の実施の形態では、1人のユーザが複数の無線端末装置を所有している場合において、これらの無線端末装置間においてUSIM情報の使用権を移転する例を示した。ただし、複数のユーザのそれぞれが所有する無線端末装置(複数の無線端末装置)について、これらの無線端末装置間においてUSIM情報の使用権を移転する場合についても、本発明の第1および第2の実施の形態を適用することができる。例えば、1人のユーザが1個の無線端末装置を所有しているグループ(例えば、5人グループ)を想定する。この場合に、グループを構成する5人のうちの2人の無線端末装置のUSIM情報のみを有効として、他の3人の無線端末装置のUSIM情報を無効とすることができる。この場合には、図24に示す無線端末装置管理データベース220において、グループ登録をしておき、グループ登録がされているメンバー間において移転処理を行うことができる。このようにメンバー間において移転処理を行う場合には、そのメンバー間において移転が可能なUSIM情報の数だけ、無線事業者との契約を行う必要がある。また、この場合には、複数の無線端末装置間においてUSIM情報の使用権の移転が行われる毎に、グループ単位で上述した課金処理を行う。また、USIM情報の使用権が移転された無線端末装置に設定されている課金情報に基づいてUSIM情報に係る料金をグループ単位で算出する。
【0221】
なお、携帯電話装置以外の携帯型または固定型の無線端末装置(例えば、データ通信専用端末装置)や、固定型の無線端末装置(例えば、自動販売機のデータ収集を目的とする無線端末装置)に本発明の実施の形態を適用することができる。
【0222】
また、本発明の実施の形態では、課金処理部600が1つの装置内に構成される例を示したが、課金処理部600が備える各機能を複数の装置により実現するようにしてもよい。この場合には、その各機能を実現する複数の装置からなる情報処理システムにより本発明を具現化することができる。
【0223】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、本発明の実施の形態において明示したように、本発明の実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本発明の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0224】
また、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。
【符号の説明】
【0225】
100 通信システム
101 Webサーバ
102 電子書籍ダウンロードサーバ
103 音楽コンテンツダウンロードサーバ
110 公衆回線網
200 ネットワーク制御装置
210 認証制御部
220 無線端末装置管理データベース
231〜233 基地局
251〜253 無線回線
300 第1の無線端末装置
311 アンテナ
312 アンテナ共用部
321 変調部
322 復調部
330 制御部
340 メモリ
350 USIM情報記憶部
360 操作部
370 表示部
380 位置情報取得部
391 マイクロフォン
392 スピーカ
400 第2の無線端末装置
600 課金処理部
610 課金情報データベース
620 履歴情報記憶部
630 使用権移転検出部
640 算出部
650 出力部
700 第3の無線端末装置
800 課金情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線接続サービスを提供する無線事業者に係る契約認証情報の使用権を共有する複数の無線端末装置について各無線端末装置間における前記使用権の移転を検出する検出部と、
前記使用権の移転が検出された場合には当該使用権が移転された無線端末装置に設定されている課金情報に基づいて当該移転後に生じる前記契約認証情報に係る料金を算出する算出部と
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記算出部は、前記使用権の移転が行われた各無線端末装置に関する前記契約認証情報の使用に関する履歴を前記契約認証情報の使用履歴とし、前記検出された使用権の移転履歴と前記契約認証情報の使用履歴と前記課金情報とに基づいて前記契約認証情報に係る料金を算出する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記検出された使用権の移転履歴として前記使用権の移転が行われた回数を用いて前記契約認証情報に係る料金を算出する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記算出部は、前記検出された使用権の移転履歴として前記使用権の移転が行われた回数により特定される上限値および下限値を用いて前記契約認証情報に係る料金を算出する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記算出部は、前記検出された使用権の移転履歴として前記使用権の移転が行われた各無線端末装置の種類を用いて前記契約認証情報に係る料金を算出する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記算出部は、前記検出された使用権の移転履歴として前記使用権の移転が行われた移転元および移転先の各無線端末装置のうちの少なくとも1つが特定種類の無線端末装置であるか否かを示す情報を用いて前記契約認証情報に係る料金を算出する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記算出部は、前記検出された使用権の移転履歴として前記使用権の移転が行われた各無線端末装置が利用したサービス内容を用いて前記契約認証情報に係る料金を算出する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記算出部は、前記検出された使用権の移転履歴として前記使用権の移転が行われた移転元および移転先の各無線端末装置のうちの少なくとも1つに特定サービスの利用履歴があるか否かを示す情報を用いて前記契約認証情報に係る料金を算出する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記算出部は、前記検出された使用権の移転履歴として前記使用権の移転が行われた移転元および移転先の各無線端末装置のうちの少なくとも1つにより利用されたサービスの利用量を示す情報を用いて前記契約認証情報に係る料金を算出する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記算出部は、前記契約認証情報の使用履歴として前記使用権の移転が行われた各無線端末装置が利用することができるサービス内容と、当該各無線端末装置が利用した通信時間および通信量と、当該各無線端末が備える無線通信に関する性能とのうちの少なくとも1つを用いて前記契約認証情報に係る料金を算出する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記検出部は、前記契約認証情報の使用権が各無線端末装置間において無線回線を介して移転された場合に前記使用権の移転を検出する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項12】
無線接続サービスを提供する無線事業者に係る契約認証情報の使用権を共有する複数の無線端末装置について各無線端末装置間における前記使用権の移転を検出する検出部と、
前記検出された使用権の移転履歴に基づいて前記契約認証情報に係る料金を算出する算出部と
を具備する情報処理装置。
【請求項13】
無線接続サービスを提供する無線事業者に係る契約認証情報の使用権を各無線端末装置間において無線回線を介して移転することにより前記使用権を共有する複数の無線端末装置と、
前記複数の無線端末装置について各無線端末装置間における前記使用権の移転を検出する検出部と、前記使用権の移転が検出された場合には当該使用権が移転された無線端末装置に設定されている課金情報に基づいて当該移転後に生じる前記契約認証情報に係る料金を算出する算出部とを備える情報処理装置と
を具備する通信システム。
【請求項14】
無線接続サービスを提供する無線事業者に係る契約認証情報の使用権を共有する複数の無線端末装置について各無線端末装置間における前記使用権の移転を検出する検出手順と、
前記使用権の移転が検出された場合には当該使用権が移転された無線端末装置に設定されている課金情報に基づいて当該移転後に生じる前記契約認証情報に係る料金を算出する算出手順と
を具備する無線端末装置の課金方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−134750(P2012−134750A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284781(P2010−284781)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】