説明

情報処理装置および情報処理システム

【課題】印刷を行う際の電力消費量を抑えつつ、印刷データの機密性を高めることが可能な情報処理装置および情報処理システムを提供する。
【解決手段】連続実行可能群の要素であるユーザーID201を表す連続実行可能群テーブル210aを記憶する管理部109と、前記連続実行可能群と関連付けられた印刷データを記憶する記憶部110と、ジョブ実行命令を受信するまで前記印刷データの印刷ジョブの実行を待機させるジョブ管理手段とを備え、前記ジョブ管理手段は、ジョブ実行命令を受信すると、該ジョブ実行命令に含まれるユーザーID201を要素とする連続実行可能群を検索し、検索された連続実行可能群と関連付けられた印刷データを抽出し、抽出された印刷データの印刷ジョブを連続実行させることが可能であるように、情報処理装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷を行う際の電力消費量を抑えつつ、印刷データの機密性を高めることが可能な情報処理装置および情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置は、印刷データを受信すると、即時その印刷データの印刷ジョブを実行するか、または設定時刻に印刷ジョブを実行する。そのため、画像形成装置で印刷ジョブの実行が可能なユーザーが1人である場合には、実行の時期を自ら選択することで、印刷データを印刷した印刷物を他人に閲覧されないようにすることができ、印刷データの機密性を高めることが可能である。
【0003】
ネットワークに接続されている画像形成装置では、その画像形成装置で印刷ジョブを実行可能なユーザーは複数人となるので、印刷物を他人に閲覧される可能性が高くなり、印刷データの機密性は低くなってしまうが、印刷ジョブの実行の時期を自ら選択することは可能であるので、ある程度印刷データの機密性を保つことはできる。
【0004】
ただし、各ユーザーが、各自が選択した時期に印刷データを印刷しようとすると、その時期に応じて、その都度、画像形成装置を印刷可能な状態にする必要が生じるので、画像形成装置の電力消費量は増加してしまう。一般的な画像形成装置は、加熱定着式の定着部を備えており、画像形成装置が印刷可能になるまで定着部の加熱を行うので、電力消費量はさらに増加する。
【0005】
このような電力消費量の増加という問題を解決可能な装置として、特許文献1には、印刷を行うプリンタが同一である印刷ジョブを単一の印刷ジョブにまとめてから印刷を行なわせるプリントサーバーが示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平7−295838号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の発明によれば、複数の印刷ジョブを異なる時期に実行させるのではなく、単一の印刷ジョブとして一括して実行可能であるので、定着部の温度低下があまり進行していない状態の画像形成装置で印刷ジョブの実行ができるので、定着部の加熱に必要な電力を低減することができる。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、高度な機密性が求められる印刷データも一括して印刷されてしまうので、印刷物を他人に閲覧される可能性が高くなり、印刷データの機密性が低くなってしまうという問題が生じる。
【0009】
本発明の目的は、印刷を行う際の電力消費量を抑えつつ、印刷データの機密性を高めることが可能な情報処理装置および情報処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、特定の第1識別情報を要素とする連続実行可能群を記憶する連続実行可能群記憶手段と、
前記連続実行可能群と関連付けられた印刷データを記憶する印刷データ記憶手段と、
ジョブ実行命令を受信するまで前記印刷データの印刷ジョブの実行を待機させるジョブ管理手段とを備える情報処理装置であって、
前記ジョブ管理手段は、ジョブ実行命令を受信すると、該ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群を検索し、
検索された連続実行可能群と関連付けられた印刷データを抽出し、
抽出された印刷データの印刷ジョブを連続実行させることが可能であるように構成されることを特徴とする情報処理装置である。
【0011】
また本発明は、特定の第1識別情報および特定の第2識別情報からなる識別情報対を記憶する識別情報対記憶手段を備え、
前記ジョブ管理手段は、第1識別情報および第2識別情報を含むジョブ実行命令を受信すると、該第1識別情報および該第2識別情報が同一の識別情報対に含まれる場合のみ、前記印刷ジョブを実行させることが可能であるように構成されることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記ジョブ管理手段は、複数の印刷ジョブを連続実行させる場合に、各印刷ジョブの実行の間に、区切りシートを排出させることが可能であるように構成されることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記ジョブ管理手段は、抽出された印刷データの印刷ジョブを連続実行させた後に、該印刷データの送信元に、前記ジョブ実行命令の送信元情報を通知することが可能であるように構成されることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、前記ジョブ管理手段は、抽出された印刷データの印刷ジョブを連続実行させた後に、該印刷データの作成元に、前記ジョブ実行命令の送信元情報を通知することが可能であるように構成されることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記ジョブ管理手段は、前記ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けられた印刷データの印刷ジョブを、設定印刷制限以内の印刷ジョブ数で連続実行させることが可能であるように構成されることを特徴とする。
【0016】
また本発明は、前記ジョブ管理手段は、前記ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けられた印刷データの印刷ジョブを、設定印刷制限以内の印刷枚数で連続実行させることが可能であるように構成されることを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記ジョブ管理手段は、前記ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けられた印刷データが、設定印刷制限を超えている場合に、前記ジョブ実行命令の送信元に通知を行うことが可能であるように構成されることを特徴とする。
【0018】
また本発明は、前記ジョブ管理手段は、前記ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けられた印刷データが、設定印刷制限を超えている場合に、設定印刷制限以内で前記印刷データの印刷ジョブを連続実行させ、該連続実行後に、前記ジョブ実行命令の送信元に、印刷を続行するか否かを選択させる通知を行うことが可能であるように構成されることを特徴とする。
【0019】
また本発明は、画像形成手段と、電力消費量関連情報を記憶する電力消費量関連情報記憶手段とを備える前記情報処理装置を複数含み、
画像形成手段を備える情報処理装置の電力消費量関連情報を、各情報処理装置間で共有可能な情報処理システムであって、
前記電力消費量関連情報に基づいて、前記情報処理システムに含まれるいずれかの画像形成手段を備える情報処理装置で、印刷ジョブの実行を行うことが可能であるように構成されることを特徴とする情報処理システムである。
【0020】
また本発明は、前記電力消費量関連情報は、前記情報処理システムに含まれる画像形成手段を備える情報処理装置の定着手段の温度情報を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、特定の第1識別情報を要素とする連続実行可能群を記憶する連続実行可能群記憶手段と、前記連続実行可能群と関連付けられた印刷データを記憶する印刷データ記憶手段と、ジョブ実行命令を受信するまで前記印刷データの印刷ジョブの実行を待機させるジョブ管理手段とを備える情報処理装置であって、前記ジョブ管理手段は、ジョブ実行命令を受信すると、該ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群を検索し、検索された連続実行可能群と関連付けられた印刷データを抽出し、抽出された印刷データの印刷ジョブを連続実行させることが可能であるように構成される情報処理装置が提供される。
【0022】
該装置によれば、ジョブ実行命令の送信者は、該送信者の印刷データの印刷権限に加えて、たとえば該送信者のID(IDentification)のような第1識別情報と予め関連付けられている他人の印刷データの印刷権限も持つことになる。よって、該送信者が印刷権限を持つ印刷データのみを連続印刷し、該送信者によって印刷物を回収することが可能となり、該送信者以外の人が前記印刷物を見たり、持ち出したりすることがなくなるので、前記装置の電力消費量を抑えつつ、印刷データの機密性を高めることができる。
【0023】
また本発明によれば、特定の第1識別情報および特定の第2識別情報からなる識別情報対を記憶する識別情報対記憶手段を備え、前記ジョブ管理手段は、第1識別情報および第2識別情報を含むジョブ実行命令を受信すると、該第1識別情報および該第2識別情報が同一の識別情報対に含まれる場合のみ、前記印刷ジョブを実行させることが可能であるように構成される。
【0024】
前記装置によれば、ジョブ実行命令の送信者がたとえば該送信者のIDのような第1識別情報およびパスワードのような第2識別情報を送信した場合に、IDとパスワードが予め登録された組合せであるか否かを確認することが可能になる。よって、ジョブ実行命令の送信者の本人認証が行われたときのみ、印刷データの印刷を行わせることが可能となるので、印刷データの機密性を高めることができる。
【0025】
また本発明によれば、前記ジョブ管理手段は、複数の印刷ジョブを連続実行させる場合に、各印刷ジョブの実行の間に、区切りシートを排出させることが可能であるように構成される。前記装置によれば、各印刷データに基づく印刷物が共通のトレイに排出された場合でも、印刷物の内容を確認せずとも、各印刷物を容易に区分けすることが可能であるので、印刷データの機密性を高めることができる。
【0026】
また本発明によれば、前記ジョブ管理手段は、抽出された印刷データの印刷ジョブを連続実行させた後に、該印刷データの送信元に、前記ジョブ実行命令の送信元情報を通知することが可能であるように構成される。前記装置によれば、印刷が行われた印刷データの送信者は、前記通知によって、前記ジョブ実行命令の送信者を確認することが可能であるので、印刷データの機密性を高めることができる。
【0027】
また本発明によれば、前記ジョブ管理手段は、抽出された印刷データの印刷ジョブを連続実行させた後に、該印刷データの作成元に、前記ジョブ実行命令の送信元情報を通知することが可能であるように構成される。前記装置によれば、印刷が行われた印刷データの作成者は、前記通知によって、前記ジョブ実行命令の送信者を確認することが可能であるので、印刷データの機密性を高めることができる。
【0028】
また本発明によれば、前記ジョブ管理手段は、前記ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けられた印刷データの印刷ジョブを、設定印刷制限以内の印刷ジョブ数で連続実行させることが可能であるように構成される。前記装置によれば、設定印刷制限以内の印刷ジョブ数で連続印刷が行われるので、他人の印刷ジョブが大量にある場合でも、前記送信者の印刷待ち時間を少なくすることができる。また、設定印刷制限以内のジョブ数に区分けすることで、各印刷物を容易に区分けすることが可能であるので、印刷データの機密性を高めることができる。
【0029】
また本発明によれば、前記ジョブ管理手段は、前記ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けられた印刷データの印刷ジョブを、設定印刷制限以内の印刷枚数で連続実行させることが可能であるように構成される。前記装置によれば、設定印刷制限以内の印刷枚数で連続印刷が行われるので、他人の印刷ジョブの印刷枚数が大量である場合でも、前記送信者の印刷待ち時間を少なくすることができる。また、設定印刷制限以内の印刷枚数に区分けすることで、各印刷物を容易に区分けすることが可能であるので、印刷データの機密性を高めることができる。
【0030】
また本発明によれば、前記ジョブ管理手段は、前記ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けられた印刷データが、設定印刷制限を超えている場合に、前記ジョブ実行命令の送信元に通知を行うことが可能であるように構成される。前記装置によれば、前記ジョブ実行命令の送信者は、前記通知によって、設定印刷制限を超える数の印刷ジョブが存在することを確認することができる。
【0031】
また本発明によれば、前記ジョブ管理手段は、前記ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けられた印刷データが、設定印刷制限を超えている場合に、設定印刷制限以内で前記印刷データの印刷ジョブを連続実行させ、該連続実行後に、前記ジョブ実行命令の送信元に、印刷を続行するか否かを選択させる通知を行うことが可能であるように構成される。前記装置によれば、前記ジョブ実行命令の送信者は、前記通知によって、設定印刷制限によって印刷されなかった印刷データの印刷を行うか否かを選択することができる。
【0032】
また本発明によれば、画像形成手段と、電力消費量関連情報を記憶する電力消費量関連情報記憶手段とを備える前記情報処理装置を複数含み、画像形成手段を備える前記情報処理装置の電力消費量関連情報を、各情報処理装置間で共有可能な情報処理システムであって、前記電力消費量関連情報に基づいて、前記情報処理システムに含まれるいずれかの画像形成手段を備える前記情報処理装置で、印刷ジョブの実行を行うことが可能であるように構成される情報処理システムが提供される。該システムによれば、前記電力消費量関連情報に基づいて、電力消費量がより小さくなるような情報処理装置に印刷ジョブを実行させることができる。
【0033】
また本発明によれば、前記電力消費量関連情報は、前記情報処理システムに含まれる画像形成手段を備える情報処理装置の定着手段の温度情報を含む。前記システムによれば、前記電量消費量関連情報に含まれる各情報処理装置の定着手段の温度情報に基づいて、前記システムに含まれる最も定着手段の温度が高い情報処理装置で、印刷ジョブを実行することが可能であるので、電力消費量がより小さくなるような情報処理装置に印刷ジョブを実行させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
図1は、本発明の第1の実施形態である情報処理装置1Aの断面を模式的に示した概略図である。この情報処理装置1Aでは、原稿の画像を読み取って記録用紙に印刷する複写モード、原稿の画像を読み取って送信したり、原稿の画像を受信して記録用紙に印刷したりするファクシミリモード、および情報端末装置からネットワークを通じて受信した画像を記録用紙に印刷するプリンタモード等の様々なモードを選択的に行うことができる。この情報処理装置1Aは、その構成を大別すると、原稿搬送読み取り部2と、画像形成部3と、給紙部4と、排紙処理部5とからなる。
【0035】
最初に、複写モードを例に挙げて、情報処理装置1Aの動作を説明する。
まず、原稿を原稿搬送読み取り部2の原稿セットトレイ11にセットすると原稿検知センサ12が原稿をセットされたことを検出する。そして、操作部106(図2に示す)を操作することによって印刷用紙のサイズおよび変倍率等を入力設定する。その後、操作部106の操作によって複写の開始を指示する。
【0036】
これらの操作に応答して原稿搬送読み取り部2では、ピックアップローラ13によって原稿セットトレイ11上の各原稿を1枚ずつ引き出し、原稿をサバキ板14と搬送ローラ15間を介してプラテンガラス16へと送り出し、原稿をプラテンガラス16上で副走査方向に搬送して原稿排出トレイ17へと排出する。
【0037】
このとき、第1読み取り部21によって原稿の表面(下側面)を読み取る。第1読み取り部21の第1走査ユニット23を所定位置に移動して位置決めし、第2走査ユニット24を所定位置に位置決めしておき、第1走査ユニット23の露光ランプによって原稿の表面を、プラテンガラス16を介して照射し、原稿の反射光を第1および第2走行ユニット23、24の各反射ミラーによって結像レンズ26へと導き、原稿の反射光を結像レンズ26によってCCD(Charge Coupled Device)27に集光させ、原稿の表面の画像をCCD27上に結像させ、これによって原稿の表面の画像を読み取る。
【0038】
また、第2読み取り部22によって原稿の裏面(上側面)を読み取る。第2読み取り部22は、プラテンガラス16の上方に配置されており、原稿の裏面を照射する露光ランプ(LED(Light Emitting Diode)アレイ、蛍光灯等)、画素毎に、原稿の反射光を集光するセルフォック(登録商標)レンズアレイ、およびセルフォック(登録商標)レンズアレイを通じて受光した原稿の反射光を光電変換して、アナログの画像信号を出力する密着イメージセンサ(CIS;Contact Image Sensor)等を備えている。
【0039】
更に、原稿搬送読み取り部2の上部筐体を開いて、プラテンガラス16上に原稿を載置し、この状態で第1読み取り部21によって原稿の表面を読み取ることが可能である。この場合は、第1および第2走査ユニット23、24を相互に所定の速度関係を維持しつつ副走査方向に移動させ、第1走査ユニット23によってプラテンガラス16上の原稿を露光し、第1および第2走査ユニット23、24によって原稿からの反射光を結像レンズ26へと導き、結像レンズ26によって原稿の画像をCCD27上に結像する。
【0040】
こうして原稿の片面もしくは両面が読み取られると、原稿の片面もしくは両面の画像を示す画像データがマイクロコンピュータ等の制御部101(図2に示す)に入力され、ここで画像データに各種の画像処理が施され、処理された画像データが画像形成部3へと出力される。
【0041】
画像形成部3は、画像データによって示される原稿の画像を記録用紙に印刷するものであって、感光体ドラム31、帯電部32、レーザスキャンユニット(以下、LSUと称する)33、現像部34、転写部35、クリーニング部36、除電部(図示せず)、および定着部37等を備えている。
【0042】
また、画像形成部3には、主搬送路38および反転搬送路39が設けられており、給紙部4から給紙されて来た記録用紙が主搬送路38に沿って搬送される。給紙部4は、用紙カセット41に収納された記録用紙、または手差トレイ42に載置された記録用紙を1枚ずつ引き出して、記録用紙を画像形成部3の主搬送路38へと送り出す。
【0043】
画像形成部3の主搬送路38に沿って記録用紙が搬送されている途中で、記録用紙が感光体ドラム31と転写部35との間を通過し、更に定着部37を通過して、記録用紙に対する印刷が行われる。感光体ドラム31は、一方向に回転しており、その表面をクリーニング部36と除電部とによってクリーニングされてから、その表面を帯電部32によって均一に帯電される。レーザスキャンユニット33は、原稿搬送読み取り部2からの画像データに基づいてレーザ光を変調し、このレーザ光によって感光体ドラム31表面を主走査方向に繰り返し走査して、静電潜像を感光体ドラム31表面に形成する。現像部34は、トナーを感光体ドラム31表面に供給して、静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラム31表面に形成する。転写部35は、該転写部35と感光体ドラム31間を通過して行く記録用紙に感光体ドラム31表面のトナー像を転写する。定着部37は、記録用紙を加熱および加圧して、記録用紙上のトナー像を定着させる。
【0044】
主搬送路38と反転搬送路39の接続位置には、分岐爪43が配設されている。記録用紙の片面だけに印刷が行われる場合は、分岐爪43が位置決めされ、この分岐爪43によって定着部37からの記録用紙が排紙トレイ44または排紙処理部5の方へと導かれる。
【0045】
また、記録用紙の両面に印刷が行われる場合は、分岐爪43が回転移動されて、記録用紙が反転搬送路39の方へと導かれる。そして、記録用紙は、反転搬送路39を通過して、その表裏を反転されて主搬送路38へと再び搬送され、主搬送路38の再度の搬送途中で、その裏面への印刷が行われて、排紙トレイ44または排紙処理部5の方へと導かれる。
【0046】
こうして印刷された記録用紙は、排紙トレイ44または排紙処理部5の方へと導かれて、排紙トレイ44に排出されるか、または、排紙処理部5の各排紙トレイ5aのいずれかに排出される。
【0047】
排紙処理部5では、複数の記録用紙を各排紙トレイ5aに仕分けして排出したり、各記録用紙にパンチング処理を施したり、各記録用紙にステープル処理を施す。例えば、複数部の印刷物を作成する場合は、各排紙トレイ5aに印刷物の一部ずつが割り当てられる様に各記録用紙を各排紙トレイ5aに仕分けして排出し、排紙トレイ5a毎に、排紙トレイ5a上の各記録用紙にパンチング処理またはステープル処理を施して、印刷物を作成する。
【0048】
上記のような、印刷の際に加熱定着によって定着を行う定着手段である、定着部37を備える情報処理装置1Aおよび他の画像形成装置は、定着部37を必要な温度まで加熱するために多大な電力を消費する。よって、複数の印刷を行う際に、電力消費量を抑えるためには、定着部37の温度低下が進行する前に、できるだけ多くの印刷を連続させて行うことが必要となる。
【0049】
次に、情報処理装置1Aの各モードについて、図2および図3に基づき簡単に説明する。図2は、本発明の情報処理装置1Aの内部構成を示すブロック図である。また、図3は情報処理装置1Aおよび情報処理装置1Aとネットワークで接続された外部機器を表した図である。
【0050】
情報処理装置1Aは、演算を行うCPU(中央処理装置)および演算に伴う一時的な情報を記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)等からなる制御部101を備えている。制御部101には、情報処理装置1Aを制御するための制御プログラムを記憶しているROM(リードオンリィメモリ)105、および情報処理装置1Aが行う処理を管理するための管理情報を記憶するメモリである管理部109が接続されている。また、制御部101には、記録用紙に記録された画像を読み取って画像データを生成する画像読み取り部102が接続されている。また、制御部101には、使用者からの操作を受け付ける操作部(指示受付手段)106が接続されている。操作部106は、操作のために必要な情報を表示する液晶パネル等と、使用者の操作によって制御命令などの情報が入力されるタッチパネルとを含む表示部106aとテンキー等の他の入力手段とからなっている。また、制御部101には、ハードディスクまたは光ディスク等からなる記憶部110が接続されている。記憶部110は、画像読み取り部102が生成した画像データ等を記憶する。
【0051】
また、制御部101には、画像データを一時的に記憶する画像メモリ104と、画像メモリ104が記憶した画像データから画像を形成して記録用紙に記録する画像形成部103とが接続されている。情報処理装置1Aは、画像読み取り部102が生成した画像データを画像メモリ104に一旦記憶させた後、画像形成手段である画像形成部103で画像を形成することができる。このように、情報処理装置1が複写機として機能するモードが複写モードである。
【0052】
また制御部101には、ファクシミリ通信を行うモデム部107が接続されており、モデム部107は公衆回線網N1に接続されている。情報処理装置1Aは、画像読み取り部102が生成した画像データを、モデム部107に接続された公衆回線網N1を介して他のファクシミリ装置111へファクシミリ通信にて送信することができる。情報処理装置1Aは、公衆回線網N1を介して他のファクシミリ装置111から送信された印刷データをモデム部107で受信し、受信した印刷データ中の画像データから画像形成部103で画像を形成する(以下では、印刷データを印刷する、または印刷データの印刷ジョブを実行すると表現する)ことができる。また、受信した印刷データを記憶部110に記憶することも可能である。このように、情報処理装置1Aがファクシミリ装置として機能するモードがファクシミリモードである。
【0053】
また制御部101には、情報処理装置1Aが外部と情報を送受信するための通信部(送受信手段)108が接続されている。通信部108は、社内LAN(Local Area Network
)等の通信ネットワークN2に接続されており、通信ネットワークN2にはパーソナルコンピュータ(以下、PCと略称する)112、基幹システム113、他の情報処理装置1B、およびプリントサーバー1Cが接続されている。情報処理装置1Bは情報処理装置1Aと同一の構成であり、プリントサーバー1Cは、画像読み取り部102、画像形成部103、および画像メモリ104を有さない本発明の他の実施形態である。通信部108は、通信ネットワークN2を介してPC112、基幹システム113、他の情報処理装置1B、およびプリントサーバー1Cとの間でデータ通信を行う。
【0054】
情報処理装置1Aは、画像読み取り部102が生成した画像データを通信部108からPC112へ送信することができる。このように、情報処理装置1Aがスキャナ装置として機能するモードがスキャナモードである。また、情報処理装置1Aは、PC112、基幹システム113、他の情報処理装置1B、およびプリントサーバー1C等から送信された印刷データを通信部108で受信し、受信した印刷データを画像形成部103によって印刷することができる。また、受信した印刷データを記憶部110に記憶することも可能である。このように、情報処理装置1Aがプリンタ装置として機能するモードがプリンタモードである。
【0055】
通信ネットワークN2は、更にインターネット等の広域通信ネットワークに接続することが可能である。通信部108は、電子メールに印刷データを添付して送信するなどの方法によって、広域通信ネットワークに接続された図示しない情報処理装置および図示しない他のファクシミリ装置との間で、通信ネットワークN2および広域通信ネットワークを介して印刷データを受信することができる。このように、情報処理装置1Aがインターネットファクシミリ装置として機能するモードがインターネットファクシミリモードである。
【0056】
情報処理装置1Aは、上記のプリンタモード、ファクシミリモード、およびインターネットファクシミリモードにおいて、受信した印刷データの印刷ジョブを実行する際に、電力消費量を抑えつつ、印刷データの機密性を高めることができる連続印刷モードを選択できる。以下では、連続印刷モードについて説明する。
【0057】
情報処理装置1Aの連続印刷モードを利用するためには、事前に連続印刷モードを利用可能なユーザーのユーザーID等の第1識別情報を記憶しておく必要がある。第1識別情報は、管理者等によってユーザーごとに割振られているものである。たとえば、図4に示す識別情報対テーブル200として、各ユーザーに割振られた第1識別情報をまとめて記憶する。
【0058】
識別情報対テーブル200は、第1識別情報であるユーザーID201以外にも、第1識別情報に対応する第2識別情報であるパスワード203を含んでいる。たとえば、図4中のユーザーID201「佐藤」に対応するパスワード203は「AAA」である。また第1識別情報として、役職ID202、または「技術者、庶務、管理職」などの他の分類を用いた識別情報対テーブル200を記憶することも可能である。
【0059】
また、連続印刷モードを利用するためには、連続印刷を行う印刷データを判別するのに必要な第1識別情報を要素とする連続実行可能群を記憶しておく必要がある。たとえば、図5に示す連続実行可能群テーブル210として複数の連続実行可能群をまとめて記憶する。
【0060】
連続実行可能群および連続実行可能群テーブル210は、連続印刷を行う印刷データを判別するのに用いる第1識別情報によって異なる。図5(a)は、第1識別情報としてユーザーID201を用いた場合の連続実行可能群テーブル210aである。たとえば、図5(a)中の連続実行可能群の1つである「グループ1」は、ユーザーID201である「佐藤」、「鈴木」、「高橋」、「渡辺」、「伊藤」を要素とする群であることを表している。また、図5(b)は、第1識別情報として役職ID202を用いた場合の連続実行可能群テーブル210bである。情報処理装置1Aが記憶する連続実行可能群テーブル210は、事前に記憶した識別情報対テーブル200に応じて最適なものを選択することができる。
【0061】
識別情報対テーブル200および連続実行可能群テーブル210は、管理部109に記憶される。すなわち、管理部109は第1識別情報および第2識別情報を記憶する識別情報対記憶手段である。また、連続実行可能群を記憶する連続実行可能群記憶手段である。
【0062】
図6は、情報処理装置1Aの、第1識別情報および連続実行可能群記憶処理を示すフローチャートである。この処理によって、情報処理装置1Aは、連続印刷モードを利用不可能な状態から利用可能な状態になる。
【0063】
最初に連続印刷モードを利用可能なユーザーに割振られた第1識別情報を記憶する(ステップS100)。第1識別情報は、管理者等によって情報処理装置1Aに記憶させることができ、図4に示す識別情報対テーブル200のようにまとめて記憶することができる。識別情報対テーブル200のように、ユーザーID201および役職ID202等の分類が異なる第1識別情報をまとめて記憶してもよい。また、第1識別情報とともに、パスワード203のような第2識別情報を記憶してもよい。次に、記憶した第1識別情報に基づいて、連続実行を行う印刷データを判別するのに必要な連続実行可能群を記憶する(ステップS101)。たとえば、第1識別情報としてユーザーID201を用いる場合は、ユーザーID201を要素とする連続実行可能群を記憶する。第1識別情報および連続実行可能群を記憶した情報処理装置1Aは、連続印刷モードを利用可能になる。以下では、情報処理装置1Aは、図4の識別情報対テーブル200と図5(a)の連続実行可能群テーブル210aとを記憶しているものとする。
【0064】
連続印刷モードを利用可能となった情報処理装置1Aは、連続実行可能群と関連付けられた印刷データを記憶することが可能になる。たとえば、受信した印刷データを記憶するとともに、図7に示す印刷データ管理テーブル300のように、受信した印刷データと関連する情報をまとめて記憶する。印刷データ管理テーブル300は、受信した印刷データの名称である印刷データ名301、情報処理装置1Aの時刻管理機能によって示される印刷データの受信時刻302、受信した印刷データの送信者に割振られた第1識別情報である送信元情報303、受信した印刷データの作成者に割振られた第1識別情報である作成元情報304、受信した印刷データと関連付けられた連続実行可能群を示す関連グループ情報305、特定依頼設定の有無等の情報である特定依頼設定情報306、除外設定の有無等の情報である除外設定情報307、例外処理設定の有無等の情報である例外処理設定情報308を含んでいる。
【0065】
図7に示す印刷データ管理テーブル300中の1つの行は、1つの印刷データに関連する情報を示している。たとえば、1行目に関連する印刷データは、「無題.doc」という名称であり、第1識別情報が「佐藤」であるユーザーによって作成され、第1識別情報が「佐藤」であるユーザーから送信され、「8月1日15時15分」に受信し、連続実行可能群「グループ3」と関連付けられており、特定依頼設定および除外設定はされておらず、例外処理設定は「保存」であることを表している。上記の特定依頼設定、除外設定、例外処理設定については後述する。
【0066】
連続印刷モードでは、受信した印刷データは、ジョブ管理手段によってその印刷データの印刷ジョブの実行が待機され、記憶部110に記憶される。すなわち、記憶部110は印刷データ記憶手段である。上記ジョブ管理手段の機能は、ROM105に記憶されている連続印刷モードを行うためのプログラムである連続印刷プログラム、および制御部101によって発揮される。また、印刷データ管理テーブル300も記憶部110に記憶される。
【0067】
図8は連続印刷モードにおける情報処理装置1Aの印刷データ受信処理を示すフローチャートである。情報処理装置1Aは、印刷データの受信を行う前に、印刷データの送信を行おうとしているユーザー(以下では、印刷データの送信前においても、印刷データ送信者と称する)が連続印刷モードを利用可能なユーザーであるか否か、すなわち、印刷データ送信者は権限を有するか否かを判断する(ステップS200)。この判断は、印刷データ送信者に対して、その印刷データ送信者に割振られた第1識別情報の送信を要求し、送信された第1識別情報が識別情報対テーブル200に記憶されているか否かを確認することで行うことができる。また、第1識別情報とともに、第2識別情報の送信を要求し、送信された第1識別情報および第2識別情報が、識別情報対テーブル200に記憶されている組合せであるか否かを確認することで行うこともできる。たとえば、情報処理装置1Aは、ユーザーID201「佐藤」およびパスワード203「AAA」が送信された場合、図4の識別情報対テーブル200を参照して、印刷データ送信者が権限を有するユーザーであると判断する。また、IC(Integrated Circuit)カードを用いた個人認証によって、権限を有するか否かの判断を行うこともできる。印刷データ送信者が権限を有する場合はステップS201へ、有さない場合はステップS202へ進む。
【0068】
印刷データ送信者が権限を有するユーザーである場合には、印刷データおよび関連グループ情報305を受信する(ステップS201)。印刷データおよび関連グループ情報305は通信ネットワークN2によって接続されたPC112等から送信される。印刷データおよび関連グループ情報305は、予め連続実行可能群と関連付けられた印刷データ(印刷データ中に印刷データ管理テーブル300の一部を含むもの)を受信してもよく、また、印刷データと関連グループ情報305とをそれぞれ独立して受信してもよい。印刷データと関連グループ情報305とをそれぞれ独立して受信した場合は、情報処理装置1Aが関連付けを行う。関連付けは、記憶部110に記憶された印刷データ中の印刷データ名301を抽出し、関連グループ情報305とまとめて印刷データ管理テーブル300として記憶することで行う。関連グループ情報305は、連続実行可能群テーブル200の中から印刷データ送信者が選択した、関連付けを行うグループを示す情報であり、複数のグループを示すこともできる。
【0069】
印刷データおよび関連グループ情報305を受信し、印刷データおよび印刷データ管理テーブル300を記憶して受信処理を終了する。また、印刷データ送信者が権限を有するユーザーではない場合には、印刷データのみを受信して受信処理を終了する(ステップS202)。また、権限を有するユーザーでない場合には、印刷データの受信を行わないようにすることもできる。その場合は、印刷データを受信せずに受信処理を終了する。以下では、情報処理装置1Aは、図7の印刷データ管理テーブル300を記憶しているものとする。
【0070】
印刷データおよび印刷データ管理テーブル300を記憶している情報処理装置1Aは、ジョブ管理手段によって記憶している印刷データの印刷ジョブを実行させるか待機させるかを決定する。情報処理装置1Aは、ジョブの実行を行わせる命令であるジョブ実行命令を受信すると、ジョブ実行命令の送信者(以下、ジョブ実行者と称する)が印刷権限を有するか否かの判断後、印刷権限を有していれば、ジョブ管理手段によって印刷ジョブの実行を開始させる。このとき実行される印刷ジョブは、送信元情報303がジョブ実行命令に含まれる第1識別情報である印刷データの印刷ジョブ、すなわち、ジョブ実行者が自ら送信した印刷データの印刷ジョブ、およびジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けて記憶されている印刷データの印刷ジョブ、すなわち、ジョブ実行者に印刷権限が与えられている印刷データの印刷ジョブである。
【0071】
たとえば、ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報が図4の識別情報対テーブル200に示す「渡辺」である場合、すなわち、ジョブ実行者に割振られた第1識別情報が「渡辺」である場合、図7の印刷データ管理テーブル300中の送信元情報306を参照して、「B資料.doc」という名称の印刷データを印刷する。さらに、図5(a)の連続実行可能群テーブル210aから「渡辺」を要素とする連続実行可能群を検索し、検索された「渡辺」を要素とする「グループ1」および「グループ3」の少なくとも一方と関連付けられている印刷データを抽出し、抽出された「無題.doc」、「012xxxxxxx」、および「明細.doc」という名称の印刷データの印刷ジョブを連続実行する。
【0072】
このように、ジョブ実行者が印刷権限を有する印刷データだけを連続印刷するので、印刷権限を持たないユーザーに印刷データを見られたり持ち出されたり、印刷データの印刷物を取り忘れたりすることが少なくなり、印刷データの機密性が高められる。よって、情報処理装置1Aによれば、印刷データの機密性を高めながら、連続印刷によって情報処理装置1Aの電力消費量を抑えることができる。
【0073】
図9は、ジョブ実行命令受信後の、情報処理装置1Aのジョブ実行処理を示すフローチャートである。情報処理装置1Aは、ジョブ実行命令を受信すると、ジョブ実行者は連続印刷モードを利用可能なユーザーであるか否か、すなわち、ジョブ実行者が権限を有するか否かを判断する(ステップS300)。この判断は、ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報および第2識別情報が識別情報対テーブル200に記憶されている組合せであるか否かを確認することで行うことができる。また、ICカードを用いた個人認証によっても行うことができる。ジョブ実行者が権限を有する場合はステップS301へ、有さない場合は処理を終了する。
【0074】
ジョブ実行者が権限を有する場合、印刷データ管理テーブル300を参照して、ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報が送信元情報306である印刷データ、すなわち、ジョブ実行者の印刷データが存在するか否かを判断する(ステップS301)。ジョブ実行者の印刷データが存在する場合はステップS302へ、存在しない場合はステップS304へ進む。
【0075】
ジョブ実行者の印刷データを印刷する(ステップS302)。ジョブ実行者の印刷データが複数存在する場合は、受信時刻302の早い印刷データから順に印刷することができる。たとえばジョブ実行命令に含まれる第1識別情報が、図4の識別情報対テーブル200の「佐藤」である場合は、図7の印刷データ管理テーブル300を参照して、「無題.doc」および「予算.xls」という名称の印刷データの印刷ジョブを連続印刷する。ジョブ実行者の印刷データの印刷を終了すると、記憶部110からその印刷データを削除し、印刷データ管理テーブル300からその印刷データに関連する情報を削除する(ステップS303)。
【0076】
次に、ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けて記憶されている印刷データが存在するか否か、すなわち、ジョブ実行者が印刷権限を有する印刷データが存在するか否かを判断する(ステップS304)。この判断は印刷データ管理テーブル300を参照することで行う。ジョブ実行者が印刷権限を有する印刷データが存在する場合は、ステップS305へ、存在しない場合は処理を終了する。
【0077】
ジョブ実行者が印刷権限を有する印刷データを印刷する(ステップS305)。ジョブ実行者が印刷権限を有する印刷データが複数存在する場合は、受信時刻302の早い印刷データから順に印刷することができる。
【0078】
たとえば、ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報が図4の識別情報対テーブル200の「佐藤」である場合は、図5(a)の連続実行可能群テーブル210aから、「佐藤」を要素とする「グループ1」、「グループ2」および「グループ4」を検索する。図7の印刷データ管理テーブル300を参照して、検索された「グループ1」、「グループ2」、および「グループ4」の少なくとも1つと関連付けられている印刷データである、「A資料.doc」、「B資料.doc」、および「明細.doc」という名称の印刷データを連続印刷する。ジョブ実行者が印刷権限を有する印刷データの印刷を終了すると、記憶部110からその印刷データを削除し、印刷データ管理テーブル300からその印刷データに関連する情報を削除する(ステップS306)。印刷データの削除後、ジョブ実行処理を終了する。
【0079】
このような連続印刷モードは、画像形成部103を含まないプリントサーバー1Cでも行うことができる。情報処理装置1Aが情報処理装置1A内の画像形成部103に連続印刷を行わせていたのに対し、プリントサーバー1Cによる連続印刷モードの場合は、プリントサーバー1Cに接続された画像形成装置に連続印刷を行わせる。以下の情報処理装置1Aが行うことができる各機能は、プリントサーバー1Cにおいても行うことができる。
【0080】
情報処理装置1Aは、連続印刷モード時に、特定依頼設定を行うことができる。特定依頼設定とは、連続実行可能群を選択する代わりに、または、連続実行可能群とともに、特定の第1識別情報と印刷データとを関連付けて記憶することである。ジョブ実行者に割振られた第1識別情報が特定依頼設定の対象である場合、ジョブ管理手段は特定依頼設定が行われた印刷データの印刷を行う。
【0081】
たとえば、図7の印刷データ管理テーブル300の「予算.xls」という名称である印刷データは、「鈴木」に対し、特定依頼設定が行なわれている。「鈴木」は、図4の識別情報対テーブル200中の第1識別情報であるユーザーID201の1つである。このとき、ジョブ実行者に割振られた第1識別情報が「佐藤」または「鈴木」である場合のみ、「予算.xls」という名称の印刷データは印刷される。ジョブ実行者に割振られた第1識別情報が「佐藤」である場合は、「予算.xls」という名称の印刷データはジョブ実行者の印刷データであるので印刷することができる。ジョブ実行者に割振られた第1識別情報が「鈴木」である場合は、特定依頼設定によって、ジョブ実行者は印刷権限を有することになって、「予算.xls」という名称の印刷データを印刷することができる。
【0082】
上記の特定依頼設定は、複数の第1識別情報に対して設定することもできる。また、特定依頼設定情報306は関連グループ情報305の代わりに、または関連グループ情報305とともに、情報処理装置1Aに送信することができる。特定依頼設定情報306を受信することによって特定依頼設定がなされ、管理者等の定めた連続実行可能群以外の任意の組合せの第1識別情報に対して関連付けを行うことができる。
【0083】
情報処理装置1Aは、連続印刷モード時に、除外設定を行うことができる。除外設定とは、印刷データと連続実行可能群とを関連付けて記憶している場合に、その連続実行可能群に含まれる特定の第1識別情報を割振られたジョブ実行者には、ジョブ管理手段が印刷権限を与えないようにする設定である。
【0084】
たとえば、図7の印刷データ管理テーブル300中の「B資料.doc」という名称の印刷データは、図5(a)の連続実行可能群テーブル210a中の「グループ1」と関連付けられており、「伊藤」に対して除外設定が行われている。「伊藤」は図4の識別情報対テーブル200中の第1識別情報であるユーザーID201の1つである。このとき、ジョブ実行者に割振られた第1識別情報が「伊藤」である場合には、除外設定がされていなければ、「伊藤」は「グループ1」の要素であるので、ジョブ実行者は印刷権限を有し、「B資料.doc」という名称の印刷データを印刷することができるが、除外設定がされているので、第1識別情報「伊藤」を割振られたジョブ実行者は印刷を行うことができない。「伊藤」以外の「グループ1」の要素である、「佐藤」、「鈴木」、「高橋」、および「渡辺」のいずれか1つを割振られたジョブ実行者は、印刷権限を有する。
【0085】
上記の除外設定は、複数の第1識別情報に対して設定することもできる。また、除外設定情報307は、関連グループ情報305とともに、情報処理装置1Aに送信することができる。除外設定情報307を受信することによって除外設定がなされ、管理者等の定めた連続実行可能群以外の任意の組合せの第1識別情報を割振られたジョブ実行者に対して、印刷データの印刷権限を与えることができる。
【0086】
また、情報処理装置1Aは、ジョブ実行命令を受信し、ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けられている印刷データを印刷する際に、印刷データごとにヘッダーページなどの区切りシートの排出を行わせるように設定することができる。また、各ジョブ実行者によって区切りシートを排出させるか否かを選択することができる。区切りシートはヘッダーページのように、印刷データ名301および印刷データの送信元情報303等の印刷データに関連する情報を印刷したものであったり、印刷データの印刷物とは異なる色の用紙を排出するだけのものであったりしてよく、区切りシートに最適なものを選択することができる。区切りシートを排出させることで、連続印刷を行っても、各印刷データの印刷物間に区切りシートが挟まれるので、各印刷物を容易に区分けすることができる。よって、印刷データの印刷物の内容を確認することなく、各ユーザーの印刷物を区分けできるので印刷データの機密性を高めることができる。
【0087】
また、情報処理装置1Aは、図10に示す通知用テーブル400を予め管理部109に記憶しておくことで、ジョブ管理手段によって各種の通知を行うことができる。図10の通知用テーブル400は、各ユーザーを識別する第1識別情報としてユーザーID401を用いたものである。ユーザーID401は、識別情報対テーブル200に記憶されているユーザーID201に加えて、印刷データの作成元となりうる、「総務」および「人事」のような識別情報対テーブル200に記憶されていないものも含む。各ユーザーID401に対応して、各ユーザーのPCに割振られたPC番号402および各ユーザーのメールアドレス403が記憶される。たとえば、第1識別情報として「佐藤」を割振られたユーザーの専有するPCのPC番号402は「001」であり、メールアドレス403は「aaa@mail」ということを表している。以下では、情報処理装置1Aは図10の通知用テーブル400を記憶しているものとする。
【0088】
情報処理装置1Aは、ジョブ実行命令によって、ジョブ実行者が印刷権限を有する、ジョブ実行者以外の他人の印刷データが印刷された場合、その他人に対し、印刷データの印刷が行われたことを通知する。
【0089】
たとえば、ジョブ実行者に割振られた第1識別情報が図4の識別情報対テーブル200の「渡辺」である場合、図5(a)の連続実行可能群テーブル210a、および図7の印刷データ管理テーブル300を参照して、印刷データ名301が「無題.doc」という、送信元情報303が「佐藤」である印刷データは印刷される。このとき情報処理装置1Aは、第1識別情報「佐藤」を割振られたユーザーに対して、第1識別情報「渡辺」を割振られたユーザーからのジョブ実行命令によって自分の印刷データの印刷が行われたことを通知する。この通知には、ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報以外にも、印刷データ名301および受信時刻302等の情報が含まれていてもよい。
【0090】
上記通知を行うことで、第1識別情報「佐藤」を割振られたユーザーは、第1識別情報「渡辺」を割振られたユーザーの所へ印刷物を受取りに行くことができる。よって、自分の印刷データの印刷物をすぐに受取ることが可能になるので、印刷データの機密性を高めることができる。また、第1識別情報「佐藤」を割振られたユーザーは、第1識別情報「渡辺」を割振られたユーザーに対して自分の印刷データの印刷権限を与えていたことを確認することができ、たとえ印刷権限を与えることを意図していなかった場合でも、すぐに印刷物を受取りに行くことができるので、印刷データの機密性を高めることができる。
【0091】
また、情報処理装置1Aは、印刷データの送信元情報303と作成元情報304とが異なる場合に、印刷データの作成元に対して、どのユーザーに対して印刷権限が与えられたかを通知することができる。また、印刷データの送信元情報303と作成元情報304とが異なっており、印刷データの送信元以外のジョブ実行命令によってその印刷データが印刷された場合に、どのユーザーからジョブ実行命令によって印刷を行ったかを通知することもできる。
【0092】
たとえば、情報処理装置1Aは、図7の印刷データ管理テーブル300の「A資料.doc」という名称の印刷データを受信する際に、その印刷データの受信前の個人認証の際に受信した第1識別情報である送信元情報303「高橋」と、印刷データに含まれる作成元情報304「佐藤」とを記憶する。このとき、第1識別情報「佐藤」を割振られたユーザーに対し、第1識別情報「高橋」を割振られたユーザーによって「A資料.doc」という名称の印刷データと図5(a)の連続実行可能群テーブル210a中の「グループ2」という連続実行可能群とが関連付けられたことを通知する。この通知は、「グループ2」の要素である第1識別情報を通知してもよいし、印刷データ名301および受信時刻302等の情報が含まれていてもよい。また、その印刷データが第1識別情報「高橋」を割振られたユーザー以外のユーザーからのジョブ実行命令によって印刷された場合には、第1識別情報「佐藤」を割振られたユーザーに対して、そのジョブ実行命令の送信元を通知する。この通知には、ジョブ実行命令の送信元以外にも、印刷データ名301および受信時刻302等の情報が含まれていてもよい。さらに、「予算.xls」という名称の印刷データのように、作成元情報304が図4の識別情報対テーブル200に記憶されていない場合であっても、図10の通知用テーブル400を参照して通知を行うことができる。
【0093】
上記通知を行うことで、印刷データの作成元は、作成した印刷データの印刷権限がどのユーザーに対して与えているかを確認することができ、たとえ印刷権限を与えることを意図していなかった場合でも、印刷前または印刷後に、印刷データの送信元に対し注意を促すことができるので、印刷データの機密性を高めることができる。
【0094】
上記の各種通知は、通知用テーブル400のメールアドレス403への電子メールの送信または、PC番号402を利用したSNMP(Simple Network Management Protocol)のトラップなどを用いて行うことができる。
【0095】
情報処理装置1Aは、識別情報対テーブル200に記憶されている第1識別情報を割振られたユーザーから送信された印刷データだけではなく、図11に示すジョブテーブル500および図12に示すジョブ関連付けテーブル510を予め管理部109に記憶しておくことで、本社経理等の基幹システム113およびファクシミリ装置111のような、情報処理装置1Aに対して印刷データの送信は行えるが、ジョブ実行命令の送信が行えない送信元から送信された印刷データに対しても連続印刷モードを適用することができる。
【0096】
ジョブテーブル500には、送信元ごとに割振られるジョブ番号501、および連続印刷モードを適用可能な印刷データの送信元として指定された送信元情報502が含まれる。たとえば、ファクシミリ装置111を用いる送信元の場合は、送信元情報502に「012xxxxxxx」のように特定の電話番号を指定して記憶させることもでき、また、「FAX」のように、特定の電話番号以外の全てのファクシミリ装置111を指定して記憶させることもできる。基幹システム113が送信元である場合は、送信元情報502に「経理」のように、経理の基幹システム113に含まれる全ての端末装置を指定して記憶させることができる。また、ジョブテーブル500は、後述する通知用のメールアドレス503を含んでいる。
【0097】
ジョブ関連付けテーブル510は、ジョブテーブル500中の送信元情報502に対応する送信元から送信された印刷データと連続実行可能群テーブル210a中の連続実行可能群とを関連付ける際に用いるものである。ファクシミリ装置111および基幹システム113は、PC112とは異なり、関連グループ情報305を送信することができないので、ジョブ関連付けテーブル510が必要となる。
【0098】
図13は、情報処理装置1Aの、ジョブテーブル500およびジョブ関連付けテーブル510記憶処理を示すフローチャートである。この処理によって、情報処理装置1Aは、ファクシミリ装置111および基幹システム113からの印刷データに対して連続印刷モードを適用不可能な状態から適用可能な状態になる。
【0099】
最初に連続印刷モードを適用可能な送信元に対応する送信元情報502等を記憶する(ステップS400)。送信元情報502は、管理者等によって情報処理装置1Aに記憶させることができ、図11に示すジョブテーブル500のようにまとめて記憶することができる。次に、記憶したジョブテーブル500に基づいて、連続実行可能群との関連付けを行うのに必要なジョブ関連付けテーブル510を記憶する(ステップS401)。たとえば、図12の関連付けテーブル510は、図11のジョブ2に対応する印刷データを図5(a)の連続実行可能群テーブル210の「グループ3」と関連付けるものであることを表している。ジョブテーブル500およびジョブ関連付けテーブル510を記憶した情報処理装置1Aは、ファクシミリ装置111および基幹システム113からの印刷データに対して連続印刷モードを適用可能になる。以下では、情報処理装置1Aは、図11のジョブテーブル500と図12のジョブ関連付けテーブル510とを記憶しているものとする。
【0100】
ファクシミリ装置111および基幹システム113からの印刷データに対して連続印刷モードを適用可能になった情報処理装置1Aに、ファクシミリ装置111等から印刷データが送信されると、ジョブ管理手段は、ジョブテーブル500を参照して、その印刷データに連続印刷モードを適用するか否かを判断し、適用可能であれば連続印刷モードを適用する。
【0101】
たとえば、送信元情報502「012xxxxxxx」に対応する送信元から印刷データが送信された場合、その印刷データを即時印刷させず、記憶部110に記憶する。また、その印刷データに関連する情報を印刷データ管理テーブル300に記憶する。印刷データ管理テーブル300の印刷データ名は「012xxxxxxx」となり、送信元情報303は「ジョブ1」となり、関連グループ情報305は、ジョブ関連付けテーブル510を参照して「4」となる。作成元情報304、特定依頼設定情報306、除外設定情報307、および例外処理設定情報308は記憶されない。
【0102】
また、ファクシミリ装置111等からの印刷データに対して連続印刷モードが適用された場合、ジョブ管理手段は、図4の識別情報対テーブル200中のユーザーID201を割振られたユーザーに対して通知を行うことができる。通知が行われるユーザーは、図4の識別情報対テーブル200、図5(a)の連続実行可能群テーブル210、および図12のジョブ関連付けテーブル510を参照して決定される。
【0103】
たとえば、送信元情報502が「012xxxxxxx」である印刷データは、関連グループ情報305が「4」、つまり、連続実行可能群「グループ4」と関連付けられており、「グループ4」の要素は「佐藤」だけであるので、通知は第1識別情報「佐藤」を割振られたユーザーに対して行われる。この通知は、ファクシミリ装置111等からの印刷データが記憶されたことを知らせるものであり、通知を受けたユーザーは、必要な場合には、すぐに印刷することができるようになる。また、この通知は、通知用テーブル400を参照して、電子メールおよびSNMPのトラップ等を用いて行うことができる。
【0104】
図14は、PC112、ファクシミリ装置111、および基幹システム113からの印刷データの印刷処理を示すフローチャートである。情報処理装置1Aは、ファクシミリ装置111および基幹システム113からの印刷データに対して連続印刷モードを適用可能になっている。
【0105】
受信した印刷データが、連続印刷モードを適用する印刷データであれば、ステップS501へ、適用しない印刷データであればステップS502へ進む(ステップS500)。連続印刷モードを適用する印刷データは、識別情報対テーブル200中の第1識別情報を割振られたユーザーから送信された印刷データ、およびジョブテーブル500中の送信元情報502に対応する送信元から送信された印刷データである。
【0106】
受信した印刷データが連続印刷モードを適用する印刷データである場合は、その印刷データの印刷ジョブを待機させる(ステップS501)。連続印刷モードを適用する印刷データを受信した場合には、印刷データおよび印刷データ管理テーブル300が記憶されており、ジョブ管理手段はその印刷データの印刷ジョブを待機させる。ステップS501を行い、ステップS503へ進む。受信した印刷データが連続印刷モードを適用する印刷データではない場合は、その印刷データの印刷ジョブを実行させる(ステップS502)。受信した印刷データは即時印刷し、処理を終了する。
【0107】
受信した印刷データがファクシミリ装置111等から送信された印刷データである場合には、ステップS504へ進み、ファクシミリ装置111等から送信された印刷データではない場合には処理を終了する。ファクシミリ装置111等から送信された印刷データである場合には、通知を行う(ステップS505)。この通知は、ファクシミリ装置111等からの印刷データが記憶されたことをユーザーに対して知らせるものである。通知を行うと処理を終了する。
【0108】
連続印刷モードが適用されて待機中の印刷データは、ジョブ実行命令を受信すると、ジョブ管理手段によって、印刷が開始される。ファクシミリ装置111等から送信された印刷データである場合でも、ユーザーから送信された印刷データと同様に、ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けられている印刷データが印刷される。このように、いつ送信されるかがわからないファクシミリ装置111および基幹システム113から送信された印刷データであっても、連続印刷を行うことによって、印刷物を印刷したまま放置しないようにすることが可能になり、印刷データの機密性を高めることができる。
【0109】
また、図11のジョブテーブル500のように、管理者等によって通知を行うためのメールアドレス503等が記憶されている場合、ジョブ管理手段は、基幹システム113等の送信元情報502に対応する送信元から送信された印刷データが印刷されたことの通知を行わせることができる。この通知には、メールアドレス502への電子メール、およびSNMPのトラップ等によって行うことができ、その印刷データを印刷させたジョブ実行命令の送信元、その印刷データ名、および印刷された時刻等を含めることができる。
【0110】
この通知によって、基幹システム113等に、基幹システム113等が送信した印刷ジョブが誰によって印刷されたかなどの情報を送信することが可能となり、印刷データの機密性を高めることができる。
【0111】
情報処理装置1Aは、図15(a)に示す設定印刷ジョブ数テーブル600aおよび図15(b)に示す設定印刷枚数テーブル600bを予め管理部109に記憶しておくことで、ジョブ管理手段によって、設定印刷ジョブ数602aおよび設定印刷枚数602bの少なくとも一方を設定印刷制限として連続印刷を行うことができる。設定印刷ジョブ数テーブル600aは、連続実行可能群を示すグループ名601aと、グループ名601aに対応する設定印刷ジョブ数602aとからなっている。また、印刷制限枚数テーブル600bは、連続実行可能群を示すグループ名601bと、グループ名601bに対応する設定印刷枚数602bとからなっている。以下では、情報処理装置1Aは、図15(a)の設定印刷ジョブ数テーブル600aおよび図15(b)の設定印刷枚数テーブル600bを記憶しているものとする。
【0112】
情報処理装置1Aは、ジョブ実行命令を受信すると、そのジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けられている印刷データを連続印刷する。このとき情報処理装置1Aは、連続実行可能群と関連付けられている印刷データを全て印刷させるのではなく、印刷制限ジョブ数テーブル600aを参照して、連続実行可能群ごとに設定印刷ジョブ数内で連続印刷を行う。たとえば、ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群が「グループ1」および「グループ3」である場合は、「グループ1」と関連付けられている印刷データの印刷ジョブ数は4ジョブ以内で、「グループ3」と関連付けられている印刷データの印刷ジョブ数は6ジョブ以内で印刷が行われる。よって、そのジョブ実行命令によって連続印刷される印刷データの印刷ジョブ数は最大で10ジョブとなる。
【0113】
また、設定印刷ジョブ数テーブル600aの代わりに設定印刷枚数テーブル600bを参照した場合は、「グループ1」と関連付けられている印刷データの印刷枚数は30枚以内で、「グループ3」と関連付けられている印刷データの印刷枚数は100枚以内で印刷される。よって、そのジョブ実行命令によって連続印刷される印刷データの印刷枚数は最大で130枚となる。また、設定印刷枚数602bを設定印刷制限として連続印刷を行う場合は、印刷データの一部だけが印刷されることがないように、設定印刷枚数602b以内で全部を印刷可能な印刷データのみを印刷させることもできる。
【0114】
この設定印刷制限によって、少量の印刷を行いたいユーザーに過多な負担をかけないようにできる。また、連続印刷される印刷ジョブ数および印刷枚数の少なくとも一方を少なくすることができるので、各印刷データの印刷物の区分けが容易になり、各印刷物が混在する可能性が低くなるので、印刷データの機密性を高めることができる。
【0115】
またジョブ管理手段は、ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けられている印刷データが、上記の設定印刷制限を超えている場合にジョブ実行命令の送信元に各種通知を行わせることができる。
【0116】
情報処理装置1Aは、連続印刷を行う前に、ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けられている印刷データが設定印刷制限を超えていることを通知し、ジョブ実行命令の送信元に対し、設定印刷制限以内で連続印刷するか、または関連付けられている全ての印刷データを連続印刷するかを選択させることができる。
【0117】
また、情報処理装置1Aは、設定印刷制限以内での連続印刷後に、設定印刷制限以内で関連付けられている印刷データの印刷を行ったこと、および関連付けられている印刷データがまだ残っていることを通知し、ジョブ実行命令の送信元に対し、印刷が行われなかった残りの印刷データを連続印刷するか否かを選択させることができる。
【0118】
上記各種通知は、ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報および通知用テーブル400を参照して、電子メールおよびSNMPのトラップ等を用いて行うことができる。この通知によって、ジョブ実行命令を送信したユーザーが全ての印刷データの印刷ジョブを実行することを望む場合には、より多くの印刷ジョブを実行することができるため、情報処理装置1Aの電力消費量をより少なくすることが可能になる。
【0119】
またジョブ管理手段は、連続実行可能群と関連付けられている印刷データであるにも関わらず、前記除外設定によって、その連続実行可能群の要素である特定の第1識別情報を含むジョブ実行命令によって印刷が行われなかった印刷データの送信元、および連続実行可能群と関連付けられている印刷データであるにも関わらず、前記設定印刷制限によって、その連続実行可能群の要素である第1識別情報を含むジョブ実行命令によって印刷が行われなかった印刷データの送信元に対して、送信した印刷データの印刷が行われなかったことの通知を行うことができる。
【0120】
この通知は、印刷データ管理テーブル300の送信元情報303および通知用テーブル400を参照して、電子メールおよびSNMPのトラップ等を用いて行うことができる。この通知によって、除外設定を行なっていた印刷データ送信者は、除外設定を行っていたことを確認できる。また、設定印刷制限によって印刷されなかった印刷データの送信者は、その印刷データと関連付けられている連続実行可能群の要素である第1識別情報を割振られたユーザーがジョブ実行命令を送信したものの、設定印刷制限によって、その印刷データは印刷されなかったことを知ることができる。
【0121】
よって、上記通知を受信したユーザーは、通知受信後すぐにジョブ実行命令を送信することが可能になり、定着部37の温度低下が進行する前に印刷を行わせることができるので、情報処理装置1Aの電力消費量を少なくすることができる。
【0122】
情報処理装置1Aは、図16に示す優先度テーブル700を予め管理部109に記憶しておくことで、ジョブ管理手段によって、優先度に従って連続印刷を行わせることができる。優先度テーブル700は、関連付けられている連続実行可能群の間の優先度を示すグループ順位701、および1つの連続実行可能群と関連付けられている印刷データの間の優先度を示すグループ内順位702からなっている。以下では、情報処理装置1Aは図16の優先度テーブル700を記憶しているものとする。
【0123】
情報処理装置1Aは、ジョブ実行命令を受信すると、そのジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けられている印刷データを連続印刷する。このとき通常は、印刷データ管理テーブル300の受信時刻302を参照して、情報処理装置1Aが受信した時刻が早い印刷データから順に印刷されるが、情報処理装置1Aが優先度テーブル700に従って連続印刷を行う優先度設定がされている場合は、優先度に従って連続印刷される。
【0124】
たとえば、ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群が「グループ1」および「グループ3」である場合、連続印刷される印刷データは、「グループ1」および「グループ3」の少なくとも一方と関連付けられている印刷データである。このとき、図16の優先度テーブル700のグループ順位701を参照して、「グループ3」と関連付けられている印刷データは、「グループ1」のみと関連付けられている印刷データより優先度が高くなり、先に印刷される。「グループ1」および「グループ3」と関連付けられている印刷データのように、複数の連続実行可能群と関連付けられている印刷データは、優先度の高い「グループ3」と関連付けられている印刷データとして優先度が決定される。
【0125】
また、たとえば、ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群が「グループ1」および「グループ3」である場合であって、「グループ3」と関連付けられている印刷データとして、送信元情報303が「佐藤」の印刷データおよび「鈴木」の印刷データがそれぞれ存在する場合、図16の優先度テーブル700のグループ順位701を参照して、「グループ3」と関連付けられている印刷データが優先され、さらに、図16の優先度テーブル700のグループ3内順位を参照して、送信元情報303が「鈴木」の印刷データは、送信元情報303が「佐藤」の印刷データより優先度が高くなり、先に印刷される。
【0126】
この優先度設定によって、早く印刷を行う必要のある印刷データを優先して印刷することができる。また、上記設定印刷制限によって、全ての印刷データの印刷が行われない場合においても、優先度の高い印刷データを印刷することができる。
【0127】
図17Aおよび図17Bは、ジョブ実行命令受信後の、情報処理装置1Aのジョブ実行処理を示すフローチャートである。情報処理装置1Aは、区切りシートの排出設定、各種通知の設定、特定依頼設定、除外設定、印刷制限の設定、および優先度設定を行うことが可能となっている。
【0128】
情報処理装置1Aは、ジョブ実行命令を受信すると、ジョブ実行者は連続印刷モードを利用可能なユーザーであるか否か、すなわち、ジョブ実行者が権限を有するか否かを判断する(ステップS600)。この判断は、ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報および第2識別情報が識別情報対テーブル200に記憶されている組合せであるか否かを確認することで行うことができる。また、ICカードを用いた個人認証によっても行うことができる。ジョブ実行者が権限を有する場合はステップS601へ、有さない場合は処理を終了する。
【0129】
ジョブ実行者が権限を有する場合、印刷データ管理テーブル300を参照して、ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報が送信元情報306である印刷データ、すなわち、ジョブ実行者の印刷データが存在するか否かを判断する(ステップS601)。ジョブ実行者の印刷データが存在する場合はステップS602へ、存在しない場合はステップS604へ進む。
【0130】
ジョブ実行者の印刷データを印刷する(ステップS602)。ジョブ実行者の印刷データが複数存在する場合は、受信時刻302の早い印刷データから順に印刷することができる。ジョブ実行者の印刷データの印刷を終了すると、記憶部110からその印刷データを削除し、印刷データ管理テーブル300からその印刷データに関連する情報を削除する(ステップS603)。
【0131】
次に、区切りシートの排出を行うかどうかをジョブ実行者に選択させる(ステップS604)。この選択は、ジョブ実行者ごとに区切りシートを排出させるか否かを選択させる通知によって行う。区切りシートを排出することが選択された通知を受信した場合は、ステップS605へ進み、排出しないことが選択された通知を受信した場合は、ステップS606へ進む。区切りシートを排出するように設定する(ステップS605)。上記のステップS604およびステップS605では、ジョブ実行者ごとに区切りシートを排出するか否かを決定するが、管理者等がジョブ実行命令を受信する前に予め区切りシートを排出させるか否かを設定する、ジョブ実行者によらない設定としてもよい。
【0132】
特定依頼設定がされている印刷データが存在するか否かを判断する(ステップS606)。
この判断は印刷データ管理テーブル300を参照することで行う。特定依頼設定がされている印刷データが存在する場合は、ステップS607へ進み、存在しない場合はステップS610へ進む。
【0133】
特定依頼設定がされている印刷データを印刷する(ステップS607)。たとえば、ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報が図4の識別情報対テーブル200の「鈴木」である場合は、図7の印刷データ管理テーブル300を参照して、「鈴木」に対して特定依頼設定がされている印刷データである、「予算.xls」という名称の印刷データを印刷する。また、特定依頼設定がされている印刷データが複数存在する場合は、受信時刻302の早い印刷データから順に印刷することができる。
【0134】
特定依頼設定がされている印刷データの印刷を終了すると、印刷が行われた印刷データの送信者および作成者に対して通知を行う(ステップS608)。この通知はジョブ実行者の第1識別情報および印刷時刻等が含まれ、印刷データ管理テーブル300の送信元情報303および作成元情報304、ならびに通知用テーブル400を参照して、電子メールおよびSNMPのトラップ等を用いて行うことができる。この通知により、印刷データの送信者は、ジョブ実行者に印刷権限を与えていたことを確認することができる。また、印刷データの送信者と作成者とが異なる場合に、印刷データの作成者は、印刷データの送信者がジョブ実行者に印刷権限を与えていたことを知ることができる。
【0135】
前記通知後、情報処理装置1Aは、記憶部110からその印刷データを削除し、印刷データ管理テーブル300からその印刷データに関連する情報を削除する(ステップS609)。
【0136】
次に、ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けて記憶されている印刷データが存在するか否かを判断する(ステップS610)。この判断は印刷データ管理テーブル300を参照することで行う。ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けて記憶されている印刷データが存在する場合は、ステップS611へ、存在しない場合は処理を終了する。
【0137】
ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けて記憶されている印刷データの中に、ジョブ実行者に割振られた第1識別情報に対して除外設定がされている印刷データがあるか確認する(ステップS611)。除外設定がされていない印刷データだけがジョブ実行者が印刷権限を有する印刷データとなる。
【0138】
ジョブ実行者が印刷権限を有する印刷データの印刷ジョブ数および印刷枚数の少なくとも一方が設定印刷制限を超えているか否かを判断する(ステップS612)。この判断は、印刷データ管理テーブル300、設定印刷ジョブ数テーブル600a、および設定印刷枚数テーブル600bを参照して行う。超えている場合は、ステップS613へ進み、超えていない場合は、ステップS617へ進む。
【0139】
優先度および設定印刷制限に従って、ジョブ実行者が印刷権限を有する印刷データを印刷する(ステップS613)。優先度は優先度テーブル700を参照し、設定印刷制限は設定印刷ジョブ数テーブル600aおよび設定印刷枚数テーブル600bを参照して、連続印刷を行う。ジョブ実行者が印刷権限を有する印刷データの印刷を終了すると、記憶部110からその印刷データを削除する(ステップS614)。
【0140】
印刷データの削除後、設定印刷制限を超えていることをジョブ実行者に対して通知する(ステップS615)。この通知は、ジョブ実行者に印刷権限を有する残りの印刷データを印刷させるか否かを選択させる通知である。この通知により、残りの印刷データを印刷させない命令を受信したか否かを判断する(ステップS616)。残りの印刷データを印刷させない命令を受信した場合は、ステップS619へ進み、印刷させる命令を受信した場合は、ステップS617へ進む。
【0141】
優先度に従って、残りの印刷データを印刷する(ステップS617)。優先度は優先度テーブル700を参照して連続印刷を行う。残りの印刷データの印刷を終了すると、記憶部110からその印刷データを削除する(ステップS618)。
【0142】
印刷を終了すると、印刷が行われた印刷データの送信者および作成者に対して通知を行う(ステップS619)。この通知は、ジョブ実行者の第1識別情報および印刷時刻等が含まれ、印刷データ管理テーブル300の送信元情報303および作成元情報304、ならびに通知用テーブル400を参照して、電子メールおよびSNMPのトラップ等を用いて行うことができる。この通知により、印刷データの送信者は、ジョブ実行者に印刷権限を与えていたことを確認することができる。また、印刷データの送信者と作成者とが異なる場合に、印刷データの作成者は、印刷データの送信者がジョブ実行者に印刷権限を与えていたことを知ることができる。
【0143】
上記通知後、ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けて記憶されている印刷データであって、印刷が行われなかった印刷データの送信者に対して通知を行う(ステップS620)。この通知は、ジョブ実行者の第1識別情報およびジョブ実行命令の受信時刻等が含まれ、印刷データ管理テーブル300の送信元情報303および通知用テーブル400を参照して、電子メールおよびSNMPのトラップ等を用いて行うことができる。この通知により、除外設定がされている印刷データの送信者は、ジョブ実行者に印刷権限を与えなかったことを確認することができる。設定印刷制限によって印刷されなかった印刷データの送信者は、印刷制限によって印刷がされなかったことを知ることができる。
【0144】
上記通知後、情報処理装置1Aは、印刷データ管理テーブル300から印刷された印刷データに関連する情報を削除し、処理を終了する(ステップS621)。
【0145】
情報処理装置1Aは、図18に示す強制ジョブ管理テーブル800を予め管理部109に記憶しておくことで、ジョブ管理手段および時刻管理機能によって、強制ジョブ管理時刻802に、PC112、ファクシミリ装置111、および基幹システム113等から送信されて印刷されずに記憶部110に記憶されたままの印刷データの印刷および削除等の処理を自動で行うことができる。
【0146】
強制ジョブ管理テーブル800は、強制ジョブ管理を行う否かの設定である強制ジョブ管理設定801、強制ジョブ管理を行う時刻である強制ジョブ管理時刻802、印刷データの送信元に応じた強制ジョブ管理処理の内容を示す処理内容803を含む。以下では、情報処理装置1Aは、図18の強制ジョブ管理テーブル800を記憶しているものとする。
【0147】
ジョブ管理手段は、強制ジョブ管理テーブル800に従って、強制ジョブ管理処理を行う。たとえば、図7の印刷データ管理テーブル300中の「B資料.doc」という名称の印刷データは、強制ジョブ管理テーブル800中の個別印刷データにあたる。よって、その印刷データが印刷されずに残っている場合、強制ジョブ管理時刻802である「23時30分」に削除される。また、「012xxxxxxx」という名称の印刷データは、送信元情報303が「ジョブ1」の印刷データであるので、その印刷データが印刷されずに残っている場合、強制ジョブ管理時刻802「23時30分」に、自動的に印刷される。また、「企画」という名称の印刷データは、送信元情報303が「ジョブ4」の印刷データであるので、その印刷データが印刷されずに残っている場合、強制ジョブ管理時刻802になってもそのまま記憶される。
【0148】
上記のような強制ジョブ管理処理によって、情報処理装置1Aに記憶されている印刷データを一定の時間間隔で自動的に管理することができ、印刷データが記憶部110の記憶容量限界まで記憶されて新たな印刷データを送信できなくなるという不具合の発生を防ぐことができる。
【0149】
また、ジョブ管理手段は、例外処理設定がされている印刷データに対しては、強制ジョブ管理時刻に従わずに、印刷データ管理テーブル300中の例外処理設定情報308に従って例外処理を行う。例外処理は、強制ジョブ管理処理と同様に、強制ジョブ管理時刻802にジョブ管理処理を行う、自動ジョブ管理処理である。例外処理設定がされている印刷データとは、例外処理設定情報308が記憶されている印刷データである。例外処理設定情報308は、特定依頼設定情報306および除外設定情報307と同様に、関連グループ情報305の送信時期に送信することができ、情報処理装置1Aが例外処理設定情報308を受信することによって、印刷データに例外処理設定がなされる。例外処理設定情報308は、処理内容803と同様に「印刷」、「削除」、および「保存」の中から選択される。
【0150】
たとえば、図7の印刷データ管理テーブル300の「無題.doc」という名称の印刷データは、図18の強制ジョブ管理テーブル800の個別印刷データにあたるが、例外処理設定情報308が「保存」であるので、強制ジョブ管理時刻「23時30分」には、その印刷データは削除されずにそのまま記憶される。また、「A資料.doc」という名称の印刷データは、図18の強制ジョブ管理テーブル800の個別印刷データにあたるが、例外処理設定情報308が「印刷」であるので、強制ジョブ管理時刻「23時30分」には、その印刷データは削除されずに印刷される。
【0151】
上記のような例外処理によって、印刷データが強制ジョブ管理処理によって削除される設定になっていたとしても、強制ジョブ管理時刻802に削除されないようにできるので、ユーザーの望む時刻に印刷データの印刷を行うことができる。また、印刷データが強制ジョブ管理処理によって印刷される設定になっていたとしても、強制ジョブ管理時刻802に削除されるように設定できるので、印刷データの印刷物を他人に見られたり、持ち出されたりすることがなくなり、印刷データの機密性を高めることができる。
【0152】
また、強制ジョブ管理処理および例外処理以外にも、ジョブ管理手段は、管理者等から送信された手動ジョブ管理命令によって、印刷データの管理を行うことができる。ジョブ管理手段は、管理者等の操作によって、情報処理装置1Aの表示部106a、または管理者等のPC112に情報処理装置1Aに記憶されている印刷データ管理テーブル300を表示することができる。管理者等は、表示された印刷データ管理テーブル300を確認し、手動ジョブ管理命令を送信する。管理者等から送信される手動ジョブ管理命令には、印刷データ名301、ならびに「印刷」、「削除」、および「関連グループ情報変更」のいずれか1つの情報が含まれる。情報処理装置1Aは、この手動ジョブ管理命令に従って、印刷データ名301に対応する印刷データの印刷、削除、および関連グループ情報305の変更のいずれかの手動ジョブ管理処理を行う。
【0153】
上記のような手動ジョブ管理処理によって、誤った関連グループ情報305を送信した場合、および連続実行可能群テーブル210の変更を行なった場合などに、誤って印刷権限を与えられたユーザーがジョブ実行命令を送信する前に印刷データの印刷等を行うことができるので、印刷データの機密性を高めることができる。
【0154】
また、ジョブ管理手段は、上記の強制ジョブ管理処理、例外処理、および手動ジョブ管理処理のいずれかの管理処理を行った場合に、強制ジョブ管理処理結果、例外処理結果、および手動ジョブ管理処理結果のそれぞれの通知を行わせることができる。この通知は、管理処理の内容および管理処理を行なった時刻等を含み、印刷データ管理テーブル300の送信元情報303および通知用テーブル400を参照し、電子メールおよびSNMPのトラップ等を用いて、管理処理が行われた印刷データの送信元および管理者等に行われる。
【0155】
この結果通知によって、管理処理によって印刷された印刷物が放置されたり、印刷データが削除されたことを印刷データの送信者が知らないままであったりすることを防ぐことが可能になる。
【0156】
図19は情報処理装置1Aの自動ジョブ管理処理を示すフローチャートである。情報処理装置1Aは、現在時刻が、強制ジョブ管理時刻802であるかどうかを判断する(ステップS700)。強制ジョブ管理時刻802であれば、ステップS701へ進み、強制ジョブ管理時刻802でなければ強制ジョブ管理処理を行わずに処理を終了する。記憶部110に記憶されている印刷データが存在するか判断する(ステップS701)。印刷データが存在する場合はステップS702へ進み、印刷データが存在しない場合は、強制ジョブ管理処理を行う対象が存在しないので処理を終了する。
【0157】
例外処理設定がされている印刷データが存在するか判断する(ステップS702)。例外処理設定がされている印刷データが存在する場合は、ステップS703へ進み、存在しない場合は、ステップS704へ進む。例外処理設定がされている印刷データに対して例外処理を行い(ステップS703)、ステップS704へ進む。例外処理設定がされていない印刷データに対して、強制ジョブ管理処理を行う(ステップS704)。管理者および印刷データの送信者に強制ジョブ管理処理結果および例外処理結果を通知する(ステップS705)。ステップS703の例外処理が行われなかった場合は、強制ジョブ管理処理結果のみを通知することになる。結果通知を行なって処理を終了する。
【0158】
図20は情報処理装置1Aの手動ジョブ管理処理を示すフローチャートである。情報処理装置1Aは、管理者等の操作によって、表示部106a、または管理者等のPC112に印刷データ管理テーブル300を表示する(ステップS800)。表示した印刷データ管理テーブル300が管理者等によって確認され、管理者等から送信された手動ジョブ管理命令を受信した場合は、ステップS802へ進み、受信しない場合は処理を終了する(ステップS801)。手動ジョブ管理命令に従って、印刷データの印刷、削除、および関連グループ情報の変更のいずれかの手動ジョブ管理処理を行う(ステップS802)。手動ジョブ管理処理後、管理者および印刷データの送信者に手動ジョブ管理処理結果を通知する(ステップS803)。結果通知を行なって処理を終了する。
【0159】
次に、本発明の第2の実施形態である情報処理システム1000について説明する。図3に示すように、情報処理システム1000は、本発明の第1実施形態である情報処理装置1Aおよび1Bを含んでいる。情報処理装置1Aおよび1Bは画像形成部103を備えており、互いに隣接している。このように、情報処理システム1000には、画像形成手段を備えた複数の隣接する情報処理装置が含まれる。また、情報処理システム1000は、情報処理装置1Aおよび1Bの間で、図21に示す電力消費量関連情報テーブル900を共有させる。
【0160】
電力消費量関連情報テーブル900は、情報処理システム1000に含まれる画像形成手段を備えた情報処理装置を示すプリンタID901と、それぞれの情報処理装置の定着部37の温度情報である定着部温度902と、それぞれの情報処理装置が実行中であるか待機中であるかを示す状態903とを含んでいる。また、電力消費量関連情報テーブル900には、温度情報以外の情報として、印刷中の情報処理装置に待機中の印刷ジョブ数および印刷枚数等を含んでいてもよい。情報処理システム1000は、定着部温度902を参照して、最も定着部温度902が高い情報処理装置に連続印刷を行わせる。また、状態903を参照して、最も定着部温度902が高い情報処理装置が実行中であり、その情報処理装置の定着部温度902と待機中の情報処理装置の定着部温度902とに、ほとんど差がないような場合、待機中で、かつ、直近で印刷を行なった情報処理装置に印刷を行わせる。
【0161】
このように、定着部温度902が高い情報処理装置に印刷を行わせることで、定着部37を加熱するための電力消費量を少なくすることができる。また、状態903を参照して待機中の情報処理装置に印刷を行わせることで、定着部37の温度低下が進行しなくなり、他の印刷データを印刷する際に、電力消費量を少なくすることができる。
【0162】
また、情報処理システム1000は、ジョブ実行命令を受信した情報処理装置以外の情報処理装置で印刷が行われた場合には、ジョブ実行者に対して通知を行う。この通知は、印刷を行った情報処理装置のプリンタID901および印刷を行なった時刻等を含み、印刷データ管理テーブル300の送信元情報303および通知用テーブル400を参照し、電子メールおよびSNMPのトラップ等を用いて行われる。この通知によって、ジョブ実行者は、印刷データが他の情報処理装置で印刷されたことを知ることができるので、印刷された印刷物が放置されて印刷データの機密性が失われることを防ぐことができる。
【0163】
図22は、ジョブ実行命令受信後の、情報処理システム1000のジョブ実行処理を示すフローチャートである。情報処理システム1000に含まれる情報処理装置1Aは、ジョブ実行命令を受信すると、ジョブ実行者は連続印刷モードを利用可能なユーザーであるか否か、すなわち、ジョブ実行者が権限を有するか否かを判断する(ステップS900)。この判断は、ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報および第2識別情報が、情報処理装置1Aの識別情報対テーブル200に記憶されている組合せであるか否かを確認することで行うことができる。また、ICカードを用いた個人認証によっても行うことができる。ジョブ実行者が権限を有する場合はステップS901へ、有さない場合は処理を終了する。
【0164】
ジョブ実行者が権限を有する場合、情報処理装置1Aは、電力消費量関連情報テーブル900を参照して、情報処理装置1Aよりも定着部の温度が高い隣接情報処理装置が存在するか否かを判断する(ステップS901)。たとえば、情報処理装置1Aの定着部温度902より情報処理装置1Bの定着部温度903が高いか否かを判断する。情報処理装置1Bの定着部温度903の方が高い場合は、ステップS902へ進み、情報処理装置1Bの定着部温度903の方が低い場合はステップS910へ進む。
【0165】
情報処理装置1Aは、印刷データ管理テーブル300を参照して、ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報が送信元情報306である印刷データ、すなわち、ジョブ実行者の印刷データが、情報処理装置1Aの記憶部110に存在するか否かを判断する(ステップS902)。ジョブ実行者の印刷データが存在する場合はステップS903へ、存在しない場合はステップS906へ進む。
【0166】
情報処理装置1Aは、情報処理装置1Aよりも定着部の温度が高い隣接情報処理装置にジョブ実行者の印刷データを送信する(ステップS903)。たとえば、情報処理装置1Bにジョブ実行者の印刷データを送信する。隣接情報処理装置である情報処理装置1Bは、ジョブ実行者の印刷データを印刷し、情報処理システム1000はジョブ実行者に対して通知を行う(ステップS904)。ジョブ実行者の印刷データが複数存在する場合は、情報処理装置1Aの受信時刻302の早い印刷データから順に受信し、印刷することができる。印刷データの印刷後、ジョブ実行者に対して、情報処理装置1Bで印刷を行ったことを通知する。
【0167】
通知が終了すると、情報処理装置1Aは、記憶部110からその印刷データを削除し、印刷データ管理テーブル300からその印刷データに関連する情報を削除する(ステップS905)。
【0168】
次に、ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けて記憶されている印刷データが、情報処理装置1Aの記憶部110に存在するか否か、すなわち、ジョブ実行者が印刷権限を有する印刷データが存在するか否かを判断する(ステップS906)。この判断は情報処理装置1Aに記憶されている印刷データ管理テーブル300を参照することで行う。ジョブ実行者が印刷権限を有する印刷データが存在する場合は、ステップS907へ、存在しない場合は処理を終了する。
【0169】
情報処理装置1Aは、情報処理装置1Aよりも、定着部の温度が高い隣接情報処理装置にジョブ実行者が印刷権限を有する印刷データを送信する(ステップS907)。たとえば、情報処理装置1Bにジョブ実行者が印刷権限を有する印刷データを送信する。隣接情報処理装置である情報処理装置1Bは、ジョブ実行者が印刷権限を有する印刷データを印刷し、情報処理システム1000はジョブ実行者に対して通知を行う(ステップS908)。ジョブ実行者が印刷権限を有する印刷データが複数存在する場合は、情報処理装置1Aの受信時刻302の早い印刷データから順に受信し、印刷することができる。印刷データの印刷後、ジョブ実行者に対して、情報処理装置1Bで印刷を行ったことを通知する。
【0170】
通知が終了すると、情報処理装置1Aは、記憶部110からその印刷データを削除し、印刷データ管理テーブル300からその印刷データに関連する情報を削除する(ステップS909)。印刷データの削除後、ジョブ実行処理を終了する。
【0171】
ステップS901において、情報処理装置1Bの定着部温度903の方が低い場合、印刷データ管理テーブル300を参照して、ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報が送信元情報306である印刷データ、すなわち、ジョブ実行者の印刷データが、情報処理装置1Aの記憶部110に存在するか否かを判断する(ステップS910)。ジョブ実行者の印刷データが存在する場合はステップS911へ、存在しない場合はステップS913へ進む。
【0172】
情報処理装置1Aは、ジョブ実行者の印刷データを印刷する(ステップS911)。ジョブ実行者の印刷データが複数存在する場合は、情報処理装置1Aの受信時刻302の早い印刷データから順に印刷することができる。また、印刷データの印刷後、情報処理システム1000は、ジョブ実行者に対して、情報処理装置1Aで印刷を行ったことを通知してもよい。
【0173】
印刷が終了すると、情報処理装置1Aは、記憶部110からその印刷データを削除し、印刷データ管理テーブル300からその印刷データに関連する情報を削除する(ステップS912)。
【0174】
次に、ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けて記憶されている印刷データが、情報処理装置1Aの記憶部110に存在するか否か、すなわち、ジョブ実行者が印刷権限を有する印刷データが存在するか否かを判断する(ステップS913)。この判断は情報処理装置1Aに記憶されている印刷データ管理テーブル300を参照することで行う。ジョブ実行者が印刷権限を有する印刷データが存在する場合は、ステップS914へ、存在しない場合は処理を終了する。
【0175】
情報処理装置1Aは、ジョブ実行者が印刷権限を有する印刷データを印刷する(ステップS914)。ジョブ実行者が印刷権限を有する印刷データが複数存在する場合は、情報処理装置1Aの受信時刻302の早い印刷データから順に印刷することができる。また、印刷データの印刷後、情報処理システム1000は、ジョブ実行者に対して、情報処理装置1Aで印刷を行ったことを通知してもよい。
【0176】
通知が終了すると、情報処理装置1Aは、記憶部110からその印刷データを削除し、印刷データ管理テーブル300からその印刷データに関連する情報を削除する(ステップS915)。印刷データの削除後、ジョブ実行処理を終了する。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】本発明の第1の実施形態である情報処理装置1Aの断面を模式的に示した概略図である。
【図2】本発明の情報処理装置1Aの内部構成を示すブロック図である。
【図3】情報処理装置1Aおよび情報処理装置1Aとネットワークで接続された外部機器を表した図である。
【図4】識別情報対テーブル200を示す図である。
【図5】連続実行可能群テーブル210を示す図である。
【図6】情報処理装置1Aの、第1識別情報および連続実行可能群記憶処理を示すフローチャートである。
【図7】印刷データ管理テーブル300を示す図である。
【図8】連続印刷モードにおける情報処理装置1Aの印刷データ受信処理を示すフローチャートである。
【図9】ジョブ実行命令受信後の、情報処理装置1Aのジョブ実行処理を示すフローチャートである。
【図10】通知用テーブル400を示す図である。
【図11】ジョブテーブル500を示す図である。
【図12】ジョブ関連付けテーブル510を示す図である。
【図13】情報処理装置1Aの、ジョブテーブル500およびジョブ関連付けテーブル510記憶処理を示すフローチャートである。
【図14】PC112、ファクシミリ装置111、および基幹システム113からの印刷データの印刷処理を示すフローチャートである。
【図15】設定印刷ジョブ数テーブル600aおよび設定印刷枚数テーブル600bを示す図である。
【図16】優先度テーブル700を示す図である。
【図17A】ジョブ実行命令受信後の、情報処理装置1Aのジョブ実行処理を示すフローチャートである。
【図17B】ジョブ実行命令受信後の、情報処理装置1Aのジョブ実行処理を示すフローチャートである。
【図18】強制ジョブ管理テーブル800を示す図である。
【図19】情報処理装置1Aの自動ジョブ管理処理を示すフローチャートである。
【図20】情報処理装置1Aの手動ジョブ管理処理を示すフローチャートである。
【図21】電力消費量関連情報テーブル900を示す図である。
【図22】ジョブ実行命令受信後の、情報処理システム1000のジョブ実行処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0178】
1A,1B 情報処理装置
1C プリントサーバー
101 制御部
102 画像読み取り部
103 画像形成部
104 画像メモリ
105 ROM
106 操作部
106a 表示部
107 モデム部
108 通信部
109 管理部
110 記憶部
111 ファクシミリ装置
112 パーソナルコンピュータ
113 基幹システム
1000 情報処理システム
N1 公衆回線網
N2 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の第1識別情報を要素とする連続実行可能群を記憶する連続実行可能群記憶手段と、
前記連続実行可能群と関連付けられた印刷データを記憶する印刷データ記憶手段と、
ジョブ実行命令を受信するまで前記印刷データの印刷ジョブの実行を待機させるジョブ管理手段とを備える情報処理装置であって、
前記ジョブ管理手段は、ジョブ実行命令を受信すると、該ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群を検索し、
検索された連続実行可能群と関連付けられた印刷データを抽出し、
抽出された印刷データの印刷ジョブを連続実行させることが可能であるように構成されることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
特定の第1識別情報および特定の第2識別情報からなる識別情報対を記憶する識別情報対記憶手段を備え、
前記ジョブ管理手段は、第1識別情報および第2識別情報を含むジョブ実行命令を受信すると、該第1識別情報および該第2識別情報が同一の識別情報対に含まれる場合のみ、前記印刷ジョブを実行させることが可能であるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ジョブ管理手段は、複数の印刷ジョブを連続実行させる場合に、各印刷ジョブの実行の間に、区切りシートを排出させることが可能であるように構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ジョブ管理手段は、抽出された印刷データの印刷ジョブを連続実行させた後に、該印刷データの送信元に、前記ジョブ実行命令の送信元情報を通知することが可能であるように構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ジョブ管理手段は、抽出された印刷データの印刷ジョブを連続実行させた後に、該印刷データの作成元に、前記ジョブ実行命令の送信元情報を通知することが可能であるように構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ジョブ管理手段は、前記ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けられた印刷データの印刷ジョブを、設定印刷制限以内の印刷ジョブ数で連続実行させることが可能であるように構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ジョブ管理手段は、前記ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けられた印刷データの印刷ジョブを、設定印刷制限以内の印刷枚数で連続実行させることが可能であるように構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記ジョブ管理手段は、前記ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けられた印刷データが、設定印刷制限を超えている場合に、前記ジョブ実行命令の送信元に通知を行うことが可能であるように構成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記ジョブ管理手段は、前記ジョブ実行命令に含まれる第1識別情報を要素とする連続実行可能群と関連付けられた印刷データが、設定印刷制限を超えている場合に、設定印刷制限以内で前記印刷データの印刷ジョブを連続実行させ、該連続実行後に、前記ジョブ実行命令の送信元に、印刷を続行するか否かを選択させる通知を行うことが可能であるように構成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項10】
画像形成手段と、電力消費量関連情報を記憶する電力消費量関連情報記憶手段とを備える請求項1〜7に記載のいずれかの情報処理装置を複数含み、
画像形成手段を備える情報処理装置の電力消費量関連情報を、各情報処理装置間で共有可能な情報処理システムであって、
前記電力消費量関連情報に基づいて、前記情報処理システムに含まれるいずれかの画像形成手段を備える情報処理装置で、印刷ジョブの実行を行うことが可能であるように構成されることを特徴とする情報処理システム。
【請求項11】
前記電力消費量関連情報は、前記情報処理システムに含まれる画像形成手段を備える情報処理装置の定着手段の温度情報を含むことを特徴とする請求項10に記載の情報処理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17A】
image rotate

【図17B】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2010−69642(P2010−69642A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−237222(P2008−237222)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】