説明

情報処理装置及びこれを用いた情報処理システム

【課題】 ネットワークを経由するなどして、外部からソフトウェアを入力して動作させる場合に、ソフトウェアの提供側がすべてのソフトウェアの組合せを事前に動作検証することができない状況であっても、ソフトウェアの組合せによって動作しないというリスクをより好適に軽減することが可能な情報処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 ソフトウェアの動作実績情報を提供するための情報処理装置において、ソフトウェア入力手段によって入力されたソフトウェアが,正常に動作するか否かを動作確認手段により確認する。前記動作確認手段によって動作が確認された結果から、動作実績情報を作成するための動作実績情報作成手段と、前記動作実績情報を送信するための動作実績情報送信手段と、を備えるように構成して課題を解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的なクライアントパーソナルコンピュータ(PC)やサーバ装置、あるいはネットワーク機能を搭載した複写機やプリンタなどの機能を兼ね備えた複合機、更にはネットワークスキャナ装置などの情報処理装置及びこれを用いた情報処理システムに関し、特にネットワークを経由するなどして、外部からソフトウェアを入力して動作させる際に、ソフトウェアの組合せによって動作しないというリスクをより好適に軽減することが可能な情報処理装置及びこれを用いた情報処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、上記パーソナルコンピュータ(PC)に代表されるように、文字情報や図形情報などを自由に処理することが可能な情報処理装置においては、予めハードディスクなどの記憶手段に記憶されたソフトウェア以外に、ソフトウェアを提供するソフトウェアメーカーや、シェアウエアなどでソフトウェアを提供する個人の開発者などが開設するインターネット上のサイトなどから、ネットワークを経由してソフトウェアを購入し、当該購入したソフトウェアをネットワークを経由してダウンロードし、パーソナルコンピュータ(PC)にインストールして使用することが可能となってきている。
【0003】
また、最近では、パーソナルコンピュータ(PC)に限らず、ネットワーク機能を搭載した複合機やネットワークスキャナ装置など、文字情報や図形情報などをコピー乃至プリントしたり、読取って希望する相手に送信したりする情報処理装置においても、インターネットに接続する機能などネットワーク接続機能が搭載されてきている。そして、これらのネットワーク機能を搭載した複合機やネットワークスキャナ装置などの情報処理装置においても、パーソナルコンピュータ(PC)などと同様に、ネットワークを経由してソフトウェアをダウンロードし、当該ネットワーク機能を搭載した複合機やネットワークスキャナ装置にインストールすることが、技術的な複雑さは伴うかもしれないが、可能となってきている。
【0004】
例えば、パーソナルコンピュータ(PC)では、マイクロソフト社の" Windows(登録商標)Update" の機能などを利用して、セキュリティホールなどの対策のために、修正を行うソフトウェアをユーザ側のパーソナルコンピュータ(PC)からダウンロードして利用することが可能となっている。この場合、ダウンロードされるソフトウェア自体の品質は、ソフトウェアの提供側で事前に検証されており、保証されている。
【0005】
なお、本発明者らは、キーワードによる先行技術調査を行ったが、本願発明に関連する先行技術は、発見できなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上述したように、最近では、パーソナルコンピュータ(PC)に限らず、ネットワーク機能を搭載し複合機やネットワークスキャナ装置などの情報処理装置においても、インターネットなどのネットワークを介して、所望のソフトウェアをダウンロードして、当該ネットワーク機能を搭載した複合機やネットワークスキャナ装置などにインストールして使用することが可能となってきている。
【0007】
そのため、上記ネットワーク機能を搭載した複合機やネットワークスキャナ装置などの情報処理装置で使用されるソフトウェアについても、様々なオープンソースを利用したり、ユーザが公開されているアプリケーションプログラムインタフェース(API)を使用して、新たにソフトウェアを開発することが可能となってきており、ライブラリとそれを使用するソフトウェアの組合せのように、ソフトウェア同士の組合せと相互の依存関係が急激に増加してくることが予想される。
【0008】
また、既に使用されているソフトウェアであっても、日々改良されてきており、同じ種類のソフトウェアを組合せて使用する場合でも、バージョンの相違までを考慮に入れると、ソフトウェア同士の組合せは、多種多様であって、実際に更に増加してくることが予想される。さらに、複数の互換性のあるハードウェアで動作するデバイスドライバのようなソフトウェアの場合には、ハードウェアとの組合せも考慮する必要があり、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせなども含めて増加する傾向にある。
【0009】
このような状況の中では、従来のように、ソフトウェアの提供側が当該ソフトウェアの動作品質を確認して保証するために、依存関係にあるソフトウェアのすべての組合せにおいて、正常に動作することを事前に検証することは、実際問題として困難となってくることが予想され、ユーザサイドにおいてダウンロードされたソフトウェアが正常に動作しないというリスクがあるという問題点を有していた。
【0010】
また、ソフトウェア同士の間でも、直接的に依存関係のないソフトウェアが存在することも考慮すると、依存関係のあるソフトウェアのすべての組合せにおいて、事前に品質を確認ことは、更に困難となるという問題点がある。例えば、依存関係の無い2つのソフトウェアが、共に共通ライブラリなどの1つのソフトウェアに依存している場合には、依存関係にある2つのソフトウェアの組合せだけでなく、3つが共存した場合の組合せも検証する必要があり、正常に動作することを事前に検証することは、非常に困難であるという問題点を有していた。
【0011】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ネットワークを経由するなどして、外部からソフトウェアを入力して動作させる場合に、ソフトウェアの提供側がすべてのソフトウェアの組合せを事前に動作検証することができない状況であっても、ソフトウェアの組合せによって動作しないというリスクをより好適に軽減することが可能な情報処理装置及びこれを用いた情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、請求項1に記載された発明は、ソフトウェアの動作実績情報を提供するための情報処理装置において、
ソフトウェアを入力するためのソフトウェア入力手段と、
前記ソフトウェア入力手段によって入力されたソフトウェアが正常に動作するか否かを確認するための動作確認手段と、
前記動作確認手段によって動作が確認された結果から、動作実績情報を作成するための動作実績情報作成手段と、
前記動作実績作成手段によって作成された動作実績情報を送信するための動作実績情報送信手段と、を備えたことを特徴とする情報処理装置である。
【0013】
また、請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された情報処理装置において、
前記動作実績情報作成手段は、前記動作実績情報として、動作確認した前記ソフトウェアの情報及び動作確認結果の情報、動作確認したときの自己の情報処理装置の動作環境情報のうち、少なくともいずれか1つを作成することを特徴とする情報処理装置である。
【0014】
さらに、請求項3に記載された発明は、請求項1に記載された情報処理装置において、
前記動作実績情報送信手段は、前記ソフトウェアの動作確認が正常に終了した時点か、動作確認中に異常が発生して異常終了した時点で、前記動作実績情報を送信することを特徴とする情報処理装置である。
【0015】
又、請求項4に記載された発明は、請求項1に記載された情報処理装置において、
前記動作実績情報作成手段は、前記ソフトウェアの動作確認が異常終了した場合には、当該異常の内容や異常発生の原因などを特定するための付加情報を含めた、前記動作実績情報を作成することを特徴とする情報処理装置である。
【0016】
更に、請求項5に記載された発明は、請求項1に記載された情報処理装置において、
前記動作確認手段は、前記ソフトウェアをインストールすることによって、動作確認することを特徴とする情報処理装置である。
【0017】
また、請求項6に記載された発明は、請求項1に記載された情報処理装置において、
前記動作確認手段は、前記ソフトウェアに含まれるテスト機能を実行することで、動作確認することを特徴とする情報処理装置である。
【0018】
さらに、請求項7に記載された発明は、ソフトウェアの動作情報を利用する情報処理装置において、
ソフトウェアを識別する情報と自己の情報処理装置の動作環境情報に基づき、当該ソフトウェアについて既知の動作実績情報との照合を依頼するための照合依頼手段と、
前記照合依頼手段によって依頼した既知の動作実績情報との照合結果を受信するための照合結果受信手段と、
前記照合結果受信手段によって受信した照合結果の内容を判断するための照合結果判断手段と、
前記照合結果判断手段によって判断された判断に応じて前記ソフトウェアに関連する処理を制御するためのソフトウェア制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置である。
【0019】
又、請求項8に記載された発明は、請求項7に記載された情報処理装置において、
ユーザに通知するためのユーザインタフェース手段を備え、
前記ユーザインタフェース手段は、前記照合結果受信手段により受信した照合結果、もしくは前記照合結果判断手段による判断結果、もしくは前記ソフトウェア制御手段による処理結果、をユーザに通知することを特徴とする情報処理装置である。
【0020】
更に、請求項9に記載された発明は、請求項7に記載された情報処理装置において、
前記照合結果判断手段によって、自己の情報処理装置と同一の動作環境で前記ソフトウェアの正常動作の動作実績情報があると判断された場合、前記ソフトウェア制御手段は、前記ソフトウェアを入力するように制御することを特徴とする情報処理装置である。
【0021】
また、請求項10に記載された発明は、請求項7又は8に記載された情報処理装置において、
前記照合結果判断手段によって、自己の情報処理装置と同一の動作環境で前記ソフトウェアの異常動作の動作実績情報があると判断された場合、前記ソフトウェア制御手段は、前記ソフトウェアを入力しないようにするか、もしくは前記ユーザインタフェース手段によってユーザに通知するか、又はユーザに確認させた上で前記ソフトウェアを入力するように、制御することを特徴とする情報処理装置である。
【0022】
さらに、請求項11に記載された発明は、請求項7又は8に記載された情報処理装置において、
前記照合結果判断手段によって、自己の情報処理装置と同一の動作環境で前記ソフトウェアの動作実績情報がなく、かつ自己の情報処理装置と類似の動作環境で正常動作の動作実績情報があると判断された場合、前記ソフトウェア制御手段は、前記ユーザインタフェース手段によってユーザに通知するか、又はユーザに確認させた上で前記ソフトウェアを入力するように制御することを特徴とする情報処理装置である。
【0023】
又、請求項12に記載された発明は、請求項7又は8に記載された情報処理装置において、
前記照合結果判断手段によって、自己の情報処理装置と同一もしくは類似の動作環境で、前記ソフトウェアの動作実績情報はないが、前記ソフトウェアとは別の類似ソフトウェアでの動作実績情報があると判断された場合、前記ソフトウェア制御手段は、前記ユーザインタフェース手段によってユーザに通知するか、又はユーザに確認させた上で前記類似ソフトウェアを入力するように制御することを特徴とする情報処理装置である。
【0024】
又、請求項13に記載された発明は、請求項7又は8に記載された情報処理装置において、
前記照合結果判断手段によって、自己の情報処理装置と同一もしくは類似の動作環境で前記ソフトウェアの正常動作と異常動作の両方の動作実績情報があると判断された場合、前記ソフトウェア制御手段は、前記ソフトウェアを入力するようにするか、もしくは前記ユーザインタフェース手段によってユーザに通知するか、又はユーザに確認させた上で前記ソフトウェアを入力するように、制御することを特徴とする情報処理装置である。
【0025】
更に、請求項14に記載された発明は、請求項8に記載された情報処理装置において、
前記ユーザインタフェース手段は、前記照合結果受信手段によって受信した照合結果、もしくは前記照合結果判断手段による判断結果から、前記ソフトウェアの動作実績情報の提供元をユーザに通知することを特徴とする情報処理装置である。
【0026】
また、請求項15に記載された発明は、ソフトウェアの動作実績情報を管理する情報処理装置において、
ソフトウェアの動作実績情報を受信するための動作実績情報受信手段と、
前記動作実績情報受信手段によって受信した前記動作実績情報を格納するための動作実績情報格納手段と、
前記動作実績情報を管理するための動作実績情報管理手段と、
前記ソフトウェアの動作実績情報の照合の依頼を受信するための照合依頼受信手段と、
前記照合依頼受信手段によって受信した依頼の前記ソフトウェアの動作実績情報を照合するための照合手段と、
前記照合手段による照合結果を送信するための照合結果送信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置である。
【0027】
さらに、請求項16に記載された発明は、請求項15に記載された情報処理装置において、
前記ソフトウェアの提供元から前記ソフトウェアを入力するためのソフトウェア入力手段と、
前記ソフトウェア入力手段によって入力された前記ソフトウェアを格納するためのソフトウェア格納手段と、
前記ソフトウェアを出力するためのソフトウェア出力手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置である。
【0028】
又、請求項17に記載された発明は、請求項15に記載された情報処理装置において、
前記動作実績情報管理手段は、前記動作実績情報格納手段によって前記動作実績情報が格納された場合は、前記ソフトウェアの提供元に通知することを特徴とする情報処理装置である。
【0029】
更に、請求項18に記載された発明は、請求項16に記載された情報処理装置において、
前記動作実績情報管理手段は、既に旧版などの動作実績情報が格納されている前記ソフトウェアの新版が、前記ソフトウェア格納手段によって格納された場合は、前記動作実績情報の提供元に通知することを特徴とする情報処理装置である。
【0030】
また、請求項19に記載された発明は、請求項1乃至18のいずれかに記載された情報処理装置において、
前記ソフトウェア入力手段及び前記ソフトウェア制御手段は、ネットワークを経由して前記ソフトウェアをダウンロードすることで前記ソフトウェアを入力することを特徴とする情報処理装置である。
【0031】
さらに、請求項20に記載された発明は、請求項1乃至18のいずれかに記載された情報処理装置において、
前記ソフトウェア入力手段及び前記ソフトウェア制御手段は、CD−ROMやDVD−ROMなどのメディアから読取ることで前記ソフトウェアを入力することを特徴とする情報処理装置である。
【0032】
又、請求項21に記載された発明は、ソフトウェアの動作実績情報を相互に利用する情報処理システムにおいて、
ソフトウェアを入力するためのソフトウェア入力手段と、前記ソフトウェア入力手段によって入力されたソフトウェアの動作を確認するための動作確認手段と、前記動作確認手段によって動作が確認された結果から動作実績情報を作成するための動作実績作成手段と、前記動作実績作成手段によって作成された動作実績情報を送信するための動作実績情報送信手段とを備える情報提供装置と、
ソフトウェアを識別する情報と自己の装置の動作環境情報によって、前記ソフトウェアの動作実績情報との照合を依頼するための照合依頼手段と、前記照合依頼手段により依頼した照合の照合結果を受信するための照合結果受信手段と、前記照合結果受信手段によって受信した照合結果の内容を判断するための照合結果判断手段と、前記照合結果判断手段による判断結果に基づいて、前記ソフトウェアに関連する処理を制御するためのソフトウェア制御手段と、を備える情報利用装置と、
ソフトウェアの動作実績情報を受信するための動作実績情報受信手段と、前記動作実績情報受信手段によって受信した前記動作実績情報を格納するための動作実績情報格納手段と、前記動作実績情報を管理するための動作実績情報管理手段と、前記ソフトウェアの動作実績情報の照合の依頼を受信するための照合依頼受信手段と、前記照合依頼受信手段によって受信した依頼の前記ソフトウェアの動作実績情報を照合するための照合手段と、前記照合手段による照合結果を送信するための照合結果送信手段と、を備える情報管理装置と、で構成されることを特徴とする情報処理システムである。
【発明の効果】
【0033】
この発明によれば、ネットワークを経由するなどして、外部からソフトウェアを入力して動作させる場合に、ソフトウェアの提供側がすべてのソフトウェアの組合せを事前に動作検証することができない状況であっても、ソフトウェアの組合せによって動作しないというリスクをより好適に軽減することが可能な情報処理装置及びこれを用いた情報処理システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0035】
実施の形態1
図1はこの発明の実施の形態1に係る情報処理装置を適用した情報処理システムを示すシステム構成図である。
ここでは、情報処理システムの構成を次の順に説明する。
1.情報処理システムの構成
1−1情報提供装置の構成及び動作
1−2情報利用装置の構成及び動作
1−3情報管理装置の構成及び動作
【0036】
1.情報処理システムの構成
この情報処理システム1は、基本的に、ソフトウェアの動作実績情報を提供する情報提供装置として機能する複合機100(情報処理装置)と、ソフトウェアの動作実績情報を利用する情報利用装置として機能する複合機200(情報処理装置)と、ソフトウェアの動作実績情報を管理する情報管理装置として機能する動作実績管理サーバ300(情報処理装置)とで構成されている。なお、上記動作実績管理サーバ300では、ソフトウェア自体の管理をも行っている。
【0037】
この情報処理システム1は、図1に示すように、本実施の形態に係る情報処理装置であるが、情報提供装置として機能する複合機(マルチファンクション機:MF機)100と、同じく本実施の形態に係る情報処理装置であるが、情報利用装置として機能する複合機(マルチファンクション機:MF機)200と、本実施の形態に係る情報処理装置であるが、ソフトウェアのダウンロード元のサーバとしての機能を備えた動作実績を管理する情報管理装置として機能するサーバ300と、ソフトウェア製造メーカや開発者等のソフトウェアの提供元としてのパーソナルコンピュータ(PC)400と、これら複合機100と複合機200とサーバ300とソフトウェアの提供元400とを互いに通信可能に接続するネットワーク2とから構成されている。
【0038】
なお、図示例では、複合機が2台、サーバが1台、ソフトウエアの提供元が1台のみ図示されているが、これらの台数に制限はなく、任意台数の複合機やソフトウエアの提供元、あるいはサーバがネットワーク2に接続されていても良いことは勿論である。また、情報処理装置としては、ネットワーク機能を搭載した複合機に限定されるものではなく、ネットワークスキャナ装置などの装置をも広く含むものであり、又、パーソナルコンピュータ(PC)やワークステーション(WS)などであっても良いことは勿論である。
【0039】
上記ネットワーク2としては、例えば、Ethernet(登録商標)や、有線や無線のLAN(Local Area Network )、一般電話回線、ADSL(Asymmetoric Digital SubscriberLine)、ISDN(Integrated Switched Digital Network )などを含み、又、これらのネットワーク2を介して構築されるインターネットなども含むものである。ここで、ネットワーク2は、複合機100、200やサーバ300、あるいはソフトウエアの提供元400とを互いに通信可能に接続するネットワークであって、当該ネットワーク2に個別に付与された固有の情報に基づき、通信する相手方の情報処理装置を特定して通信することが可能なものである。上記ネットワーク2に個別に付与された固有の情報としては、その代表的なものが、インターネットにおいて定義されているIPv6(インターネット・プロトコル,バージョン6)のアドレス又はIPv4(同バージョン4)のアドレスとポート番号の組合せであり、当該IPv6のアドレス又はIPv4のアドレスとポート番号の組合せを特定することによって、ネットワークとしてのインターネットを介して、特定の情報処理装置と通信することができるとともに、当該特定の情報処理装置から情報を受信することが可能となっている。
【0040】
1−1情報提供装置の構成及び動作
情報提供装置として機能する複合機100は、図2に示すように、当該複合機本体5の上部に、原稿の画像を読み取るスキャナ装置6を備えている。このスキャナ装置6で読み取られた原稿の画像データは、図示しない画像処理部によって、画像フォーマットの変換、圧縮/伸張、裏写り除去、色変換(明度/色空間変換)や、シェーディング補正、位置ズレ補正、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の所定の画像処理が施される。
【0041】
また、上記複合機100は、複合機本体5の内部に、マルチファンクションモジュール(以下、「MFモジュール」という。)7を備えており、このMFモジュール7は、スキャナ装置6で読み込まれた画像や、ネットワーク2を介して送られてくる画像データ、あるいは一般電話回線を介して送られてくるファクシミリの画像データ等に基づいて、画像データの送受信や、画像データに基づいたコピーやプリント処理を行うように構成されている。なお、上記MFモジュール7は、例えば、電子写真方式により白黒やカラー画像の形成を行うが、これに限定されるものではなく、静電記録方式やインクジェット記録方式など、任意の方式によって画像の形成を行うものを含むものである。
【0042】
また、上記複写機本体5の上部には、ユーザインターフェースとしての操作表示パネル8が設けられている。この操作表示パネル8は、例えば、インターネット接続や、所望のソフトウエアの動作確認や動作情報の取得、並びに所望のソフトウエアのダウンロードなどの指示や、スキャンやプリント動作などの指示を行ったりするためのものである。なお、この操作表示パネル8とは別に、コピー指示などの基本的な操作をするための操作パネルを本体上面の所定位置に設けてもよい。
【0043】
さらに、上記複合機100は、後述するように、外部インターフェース部111を経由して、ネットワーク2に接続されたサーバ300や、ソフトウェア製造メーカーや開発者等のソフトウェアの提供元としてのパーソナルコンピュータ(PC)400など、外部の機器に接続したり、外部の機器からアクセスできるようになっている。
【0044】
一方、ソフトウェアの提供元400は、図3に示すように、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)から構成されるものであり、端末本体40と、CRT(陰極線管)や液晶パネルなどのディスプレイ装置41と、キーボードやマウスなどの入力指示デバイス42とを備えている。端末本体40には、基本ソフトウエア(オペレーティングシステム:OS)の他に、種々の情報処理を行なうために必要なアプリケーションのソフトウエアがインストールされている。
【0045】
このソフトウェアの提供元400によって作成されたソフトウエアは、例えば、サーバ300に記憶されて管理され、当該サーバ300からダウンロードされるように構成されている。アプリケーションのソフトウエアは、インターフェース部を経由して複合機100等からアクセスし、所望のソフトウエアをダウンロードすることが可能となっている。また、上記アプリケーションのソフトウエアの中には、IPP等によって複合機100や200でプリント処理を行うソフトや、複合機100や200のスキャナ装置6で読み取られた画像データを入力するソフト、あるいは複合機100や200のスキャナ装置6で読み取られた画像データに所望の画像処理を施したり、当該画像データをを他の情報処理装置に出力するソフトなど任意のものが含まれる。
【0046】
ところで、この実施の形態では、ソフトウェアの動作実績情報を提供するための情報処理装置において、ソフトウェアを入力するためのソフトウェア入力手段と、前記ソフトウェア入力手段によって入力されたソフトウェアが正常に動作するか否かを確認するための動作確認手段と、前記動作確認手段によって動作が確認された結果から、動作実績情報を作成するための動作実績情報作成手段と、前記動作実績作成手段によって作成された動作実績情報を送信するための動作実績情報送信手段と、を備えるように構成されている。
【0047】
また、この実施の形態では、前記動作実績情報作成手段は、前記動作実績情報として、動作確認した前記ソフトウェアの情報及び動作確認結果の情報、動作確認したときの自己の情報処理装置の動作環境情報のうち、少なくともいずれか1つを作成するように構成されている。
【0048】
さらに、この実施の形態では、前記動作実績情報送信手段は、前記ソフトウェアの動作確認が正常に終了した時点か、動作確認中に異常が発生して異常終了した時点で、前記動作実績情報を送信するように構成されている。
【0049】
又、この実施の形態では、前記動作実績情報作成手段は、前記ソフトウェアの動作確認が異常終了した場合には、当該異常の内容や異常発生の原因などを特定するための付加情報を含めた、前記動作実績情報を作成するように構成されている。
【0050】
更に、この実施の形態では、前記動作確認手段は、前記ソフトウェアをインストールすることによって、動作確認するように構成されている。
【0051】
また、この実施の形態では、前記動作確認手段は、前記ソフトウェアに含まれるテスト機能を実行することで、動作確認するように構成されている。
【0052】
すなわち、この実施の形態に係る情報提供装置として機能する複合機100は、プリンタ、複写機、及び、ファクシミリなどが有する機能を兼ね備えており、様々な情報処理要求に対して対応することが可能となっている。また、この複合機100は、ネットワーク2を介してソフトウエアを入力することができるように構成されており、しかも入力されたソフトウエアが正常に動作するか否かを確認することが可能となっている。
【0053】
この複合機100は、図4に示すように、CPU(Central Processing Unit )101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、ハードディスク104と、制御部105と、印刷部106と、スキャナ部6と、操作表示パネル8と、システム時計107と、画像処理部108と、ソフトウエア制御部109と、動作確認制御部110と、I/F(外部インターフェース)部111とを備えるように構成されている。
【0054】
CPU101は、当該複合機100を構成するROM102と、RAM103と、ハードディスク104と、制御部105と、印刷部106と、スキャナ部6と、操作表示パネル8と、システム時計107と、画像処理部108と、ソフトウエア制御部109と、動作確認制御部110と、I/F(外部インターフェース)部111とを、システムバス112を介して制御する中央演算処理装置である。この複合機100におけるプリント動作や、コピー動作、あるいはファクシミリとしての各種の動作、及びソフトウエアの動作確認等は、CPUl01及び動作確認制御部110の制御のもとに実行される。上記CPU101による制御動作は、プログラムに基づいて決定される。
【0055】
ROM102は、読み取り専用メモリであり、このROM102には、CPU101を制御するためのプログラムが格納されている。本実施の形態では、ROM102に格納されている制御プログラムは、スキャナ部6で入力された画像データを処理したり、印刷部106を介して外部に出力したりするためのものである。
【0056】
RAM103は、SRAM等で構成され、プログラム制御変数や各種処理のためのデータ等を格納するためのものである。
【0057】
ハードディスク104は、制御プログラムによる各種処理のためのデータを格納したり、画像データなどを格納したりするためのものである。
【0058】
制御部105は、スキャナ部6や印刷部106と制御データの授受を行ったり、画像データの入出力などの制御を行うためのものである。
【0059】
印刷部106は、出力画像を印刷して外部に出力するためのものである。この印刷部106は、例えば、スキャナ部6で読み取られた画像の印刷機能すなわち複写機としての機能に限らず、ネットワーク2を介して取得した文書データや画像ファイルなどに基づいて画像を印刷するいわゆるプリント機能や、一般電話回線を介して受信したFAX受信データに基づいて印刷出力するFAX機能をも果たしている。
【0060】
上記複合機100が例えばプリンタとして機能する場合、印刷部106は、外部からぺージ記述言語(PDL:Page Description Language)で記載されたPDLデータを受け取り、当該PDLデータをハードディスク104に出力単位ごと(1ぺージごと)の画像データとして展開し、そのラスタデータが印刷部106に送られ、印刷部106にてプリント出力するように構成されている。また、複合機100がカラーファクシミリ受信機として機能する場合、印刷部106は、PDLデータに代えてFAX受信データを受け取り、印刷部106にてLab信号に変換した後、印刷部106にてプリント出力する。
【0061】
スキャナ部6は、原稿を読取って、画像データを入力するためのものである。
【0062】
操作表示パネル8は、スキャン動作の設定を行う画面を表示したり、スキャン指示を行ったりするためのものである。また、ソフトウエアのダウンロード等の操作なども行うように構成されている。
【0063】
システム時計107は、時計用チップにより構成され、時刻情報(年月日、時分秒)をCPU101に提供するためのものである。システム時計107は、システム電源の遮断時や停電時等に時刻情報が消滅しないようバックアップ用電池を備え、常に現時点の時刻を保持している。
【0064】
画像処理部108は、入出力される画像に対する処理などを行うためのものである。
【0065】
ソフトウェア制御部109は、ソフトウェア入力手段として、ソフトウェアの入力処理や、インストール処理の制御などを行うためのものである。
【0066】
動作確認制御部110は、ソフトウェアの動作確認処理や、動作実績情報の生成処理や動作実績情報の送信処理の制御などを行うためのものである。更に説明すると、この動作確認制御部110は、ソフトウェア制御部109によって入力されたソフトウェアが正常に動作するか否かを確認するための動作確認手段としての機能や、前記動作確認手段によって動作が確認された結果から、動作実績情報を作成するための動作実績情報作成手段としての機能、更には、前記動作実績作成手段によって作成された動作実績情報を送信するための動作実績情報送信手段としての機能などを兼ね備えたものである。
【0067】
以上の構成において、この実施の形態に係る複合機では、次のようにして、ネットワークを経由するなどして、外部からソフトウェアを入力して動作させる場合に、ソフトウェアの提供側がすべてのソフトウェアの組合せを事前に動作検証することができない状況であっても、ソフトウェアの組合せによって動作しないというリスクをより好適に軽減することが可能となっている。
【0068】
図5は、この実施の形態に係る情報提供装置としての複合機の処理フローの例を示すフローチャートである。
【0069】
まず、上記情報提供装置としての複合機100では、最初に図5のステップ101に示すように、動作確認制御部110の制御によって、ソフトウェア制御部109を介して、ソフトウェアを指定することにより、ネットワーク2を経由するなどして所望のソフトウェアを入力する。ここでは、操作表示パネル8の図示しないソフトウェアダウンロード画面から、図6に示すように、ソフトウェアとして「ImagePerfect」を指定し、ネットワーク2を経由してダウンロードすることで入力する。
【0070】
上記動作確認制御部110は、ソフトウェアの入力が正常に終了したか否かを判別し (ステップ102)、ソフトウェアの入力が正常に終了した場合には、入力されたソフトウェアをインストールし(ステップ103)、ソフトウェアの入力が正常に終了しなかった場合には、ステップ101に戻る。
【0071】
上記動作確認制御部110は、入力されたソフトウェアをインストールした後、当該入力されたソフトウェアのインストールが正常に終了したか否かを判別する(ステップ104)。
【0072】
そして、動作確認制御部110は、入力されたソフトウェアのインストールが正常に終了したと判別すると、インストールしたソフトウェアのテスト機能を実行し、当該ソフトウェアがインストールされた動作環境で正常に動作するか否かを確認する(ステップ105)。なお、ソフトウェアの動作確認は、インストールしたソフトウェアが予め備えているテスト機能を使用せずに、当該情報提供装置としての複合機100が別に設定した動作確認プログラムによって行っても勿論良い。
【0073】
次に、上記動作確認制御部110は、ソフトウェアの動作確認が正常に終了したか否かを判別し(ステップ106)、ソフトウェアの動作確認が正常に終了した場合には、図6に示すように、インストールとテスト機能共に「正常動作」として、動作実績情報を作成する(ステップ107)。
【0074】
一方、上記動作確認制御部110は、ソフトウェアの動作確認が正常に終了しなかったと判別すると、ソフトウェアのインストールは正常に終了したが、ソフトウェアの動作を確認するテスト機能では、異常動作として動作実績情報を作成する(ステップ108)。
【0075】
また、上記動作確認制御部110は、入力されたソフトウェアのインストールが正常に終了したか否かを判別した際に、当該ソフトウェアのインストールが正常に終了しなかったと判別すると、インストールで異常動作として動作実績情報を作成する(ステップ109)。
【0076】
その後、上記動作確認制御部110は、動作実績情報管理サーバ300に、図6に示すように、当該ソフトウェアの動作実績情報を送信して(ステップ110)、当該動作を終了する。
【0077】
ここで、図6は動作確認制御部110が作成する動作実績情報の一例を示したものである。
【0078】
図6のIDはソフトウェアを識別するための識別子を示し、ソフトウェア名称は、ソフトウェアの名称を示し、バージョンは、ソフトウェアのバーションを示し、動作実績は、ソフトウェアのインストールやテスト機能を実行した際の動作確認による動作実績を示し、動作確認日は、動作確認を実施した日を示し、機械番号は動作確認を行ったハードウェアの機械番号を示し、機種は動作確認を行ったハードウェアの機種を示し、OSは動作確認を行ったソフトウェア環境のオペレーティングシステムとそのバージョンを示し、依存ファイル1は、動作確認を実施したソフトウェアを実行する上で使用するライブラリなど、依存しているファイルを示し、バージョン1は、依存ファイル1のバージョンを示す。
【0079】
また、依存ファイル2以降は、依存しているファイルが複数ある場合は、依存ファイル1と同様にファイルとバージョンを示している。機械番号と機種は、ハードウェア環境の情報を示し、OS、依存ファイルとそのバージョンは、ソフトウェア環境の情報を示している。これにより、ソフトウェアに関する情報と、そのソフトウェアがどのようはハードウェア環境とソフトウェア環境で、どういう動作実績があるのかを管理することができる。
【0080】
このように、上記実施の形態に係る情報提供装置として機能する複合機100では、ソフトウェアの動作を確認した情報と、動作確認したハードウェア環境とソフトウェア環境の情報を含む動作実績情報を提供することが可能となる。
【0081】
そのため、上記実施の形態に係る情報提供装置として機能する複合機100によれば、ユーザがネットワーク2を経由するなどして、外部からソフトウェアを入力して動作させることを希望する場合に、ソフトウェアの提供側がすべてのソフトウェアの組合せを事前に動作検証することができない状況であっても、複合機100が提供する動作実績情報を利用することによって、ソフトウェアの組合せによっては動作しないといったリスクをより好適に軽減することが可能となる。
【0082】
1−2情報利用装置の構成及び動作
次に、本実施の形態に係る情報利用装置として機能する複合機の構成を図7に基づいて説明する。図7に示す複合機200は、図1の複合機200に対応したものである。
【0083】
この情報利用装置として機能する複合機200では、図7に示すように、基本的に、複合機100と同様に、スキャナ部6で入力された画像の画像データを生成し、印刷部206で外部へ出力するように構成されている。
【0084】
ところで、この実施の形態では、ソフトウェアの動作情報を利用する情報処理装置において、ソフトウェアを識別する情報と自己の情報処理装置の動作環境情報に基づき、当該ソフトウェアについて既知の動作実績情報との照合を依頼するための照合依頼手段と、前記照合依頼手段によって依頼した既知の動作実績情報との照合結果を受信するための照合結果受信手段と、前記照合結果受信手段によって受信した照合結果の内容を判断するための照合結果判断手段と、前記照合結果判断手段によって判断された判断に応じて前記ソフトウェアに関連する処理を制御するためのソフトウェア制御手段と、
を備えるように構成されている。
【0085】
また、この実施の形態では、ユーザに通知するためのユーザインタフェース手段を備え、前記ユーザインタフェース手段は、前記照合結果受信手段により受信した照合結果、もしくは前記照合結果判断手段による判断結果、もしくは前記ソフトウェア制御手段による処理結果、をユーザに通知するように構成されている。
【0086】
さらに、この実施の形態では、前記照合結果判断手段によって、自己の情報処理装置と同一の動作環境で前記ソフトウェアの正常動作の動作実績情報があると判断された場合、前記ソフトウェア制御手段は、前記ソフトウェアを入力するように制御するように構成されている。
【0087】
又、この実施の形態では、前記照合結果判断手段によって、自己の情報処理装置と同一の動作環境で前記ソフトウェアの異常動作の動作実績情報があると判断された場合、前記ソフトウェア制御手段は、前記ソフトウェアを入力しないようにするか、もしくは前記ユーザインタフェース手段によってユーザに通知するか、又はユーザに確認させた上で前記ソフトウェアを入力するように、制御するものである。
【0088】
更に、この実施の形態では、前記照合結果判断手段によって、自己の情報処理装置と同一の動作環境で前記ソフトウェアの動作実績情報がなく、かつ自己の情報処理装置と類似の動作環境で正常動作の動作実績情報があると判断された場合、前記ソフトウェア制御手段は、前記ユーザインタフェース手段によってユーザに通知するか、又はユーザに確認させた上で前記ソフトウェアを入力するように制御するように構成されている。
【0089】
また、この実施の形態では、前記照合結果判断手段によって、自己の情報処理装置と同一もしくは類似の動作環境で、前記ソフトウェアの動作実績情報はないが、前記ソフトウェアとは別の類似ソフトウェアでの動作実績情報があると判断された場合、前記ソフトウェア制御手段は、前記ユーザインタフェース手段によってユーザに通知するか、又はユーザに確認させた上で前記類似ソフトウェアを入力するように制御するように構成されている。
【0090】
さらに、この実施の形態では、前記照合結果判断手段によって、自己の情報処理装置と同一もしくは類似の動作環境で前記ソフトウェアの正常動作と異常動作の両方の動作実績情報があると判断された場合、前記ソフトウェア制御手段は、前記ソフトウェアを入力するようにするか、もしくは前記ユーザインタフェース手段によってユーザに通知するか、又はユーザに確認させた上で前記ソフトウェアを入力するように、制御するものである。
【0091】
又、この実施の形態では、前記ユーザインタフェース手段は、前記照合結果受信手段によって受信した照合結果、もしくは前記照合結果判断手段による判断結果から、前記ソフトウェアの動作実績情報の提供元をユーザに通知するように構成されている。
【0092】
この複合機200は、図8に示すように、CPU(Central Processing Unit )201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、ハードディスク204と、制御部205と、印刷部206と、スキャナ部6と、操作表示パネル8と、システム時計207と、画像処理部208と、ソフトウエア制御部209と、動作実績制御部210と、I/F(外部インターフェース)部211とを備えるように構成されている。
【0093】
CPU201は、当該複合機200を構成するROM202と、RAM203と、ハードディスク204と、制御部205と、印刷部206と、スキャナ部6と、操作表示パネル8と、システム時計207と、画像処理部208と、ソフトウエア制御部209と、動作確認制御部210と、I/F(外部インタフェース)部211とを、システムバス212を介して制御する中央演算処理装置である。この複合機200におけるプリント動作や、コピー動作、あるいはファクシミリとしての各種の動作、及びソフトウエアの動作確認等は、CPU201及び動作実績制御部210の制御のもとに実行される。上記CPU201による制御動作は、プログラムに基づいて決定される。
【0094】
ROM202は、読み取り専用メモリであり、このROM202には、CPU201を制御するためのプログラムが格納されている。本実施の形態では、ROM202に格納されている制御プログラムは、スキャナ部で入力された画像データを処理したり、印刷部を介して外部に出力したりするためのものである。
【0095】
RAM203は、SRAM等で構成され、プログラム制御変数や各種処理のためのデータ等を格納するためのものである。
【0096】
ハードディスク204は、制御プログラムによる各種処理のためのデータを格納したり、画像データなどを格納したりするためのものである。
【0097】
制御部205は、スキャナ部6や印刷部206と制御データの授受を行ったり、画像データの入出力などの制御を行うためのものである。
【0098】
印刷部206は、出力画像を印刷して外部に出力するためのものである。この印刷部206は、例えば、スキャナ部6で読み取られた画像の印刷機能すなわち複写装置機能に限らず、ネットワーク2を介して取得した文書データや画像ファイルなどに基づいて画像を印刷するいわゆるプリント機能や、一般電話回線を介して受信したFAX受信データに基づいて印刷出力するFAX機能をも果たしている。
【0099】
上記複合機200が例えばプリンタとして機能する場合、印刷部206は、外部からぺージ記述言語(PDL:Page Description Language)で記載されたPDLデータを受け取り、当該PDLデータをハードディスク204に出力単位ごと(1ぺージごと)の画像データとして展開し、そのラスタデータが印刷部206に送られ、印刷部206にてプリント出力するように構成されている。また、複合機200がカラーファクシミリ受信機として機能する場合、印刷部106は、PDLデータに代えてFAX受信データを受け取り、印刷部206にてLab信号に変換した後、印刷部206にてプリント出力する。
【0100】
スキャナ部6は、原稿を読取って、画像データを入力するためのものである。
【0101】
操作表示パネル8は、スキャン動作の設定を行う画面を表示したり、スキャン指示を行ったりするためのものである。また、ソフトウエアのダウンロード等の操作なども行うように構成されている。
【0102】
システム時計207は、時計用チップにより構成され、時刻情報(年月日、時分秒)をCPU201に提供するためのものである。システム時計207は、システム電源の遮断時や停電時等に時刻情報が消滅しないようバックアップ用電池を備え、常に現時点の時刻を保持している。
【0103】
画像処理部208は、入出力される画像に対する処理などを行うためのものである。
【0104】
ソフトウェア制御部209は、ソフトウェア入力手段として、ソフトウェアの入力処理や、インストール処理の制御などを行うためのものである。
【0105】
動作実績制御部210は、ソフトウェアの動作実績情報の照合を依頼したり、照合結果を受信したり、受信した照合結果の内容を判断する処理の制御などを行うためのものである。更に説明すると、動作実績制御部210は、ソフトウェアを識別する情報と自己の情報処理装置の動作環境情報に基づき、当該ソフトウェアについて既知の動作実績情報との照合を依頼するための照合依頼手段と、前記照合依頼手段によって依頼した既知の動作実績情報との照合結果を受信するための照合結果受信手段と、前記照合結果受信手段によって受信した照合結果の内容を判断するための照合結果判断手段として機能するものである。
【0106】
以上の構成において、この実施の形態に係る複合機では、次のようにして、ネットワークを経由するなどして、外部からソフトウェアを入力して動作させる場合に、ソフトウェアの提供側がすべてのソフトウェアの組合せを事前に動作検証することができない状況であっても、ソフトウェアの組合せによって動作しないというリスクをより好適に軽減することが可能となっている。
【0107】
図9は、この実施の形態に係る情報提供装置としての複合機の処理フローの例を示すフローチャートである。
【0108】
まず、上記情報利用装置としての複合機200では、最初に図9のステップ201に示すように、動作実績制御部210によって、ソフトウェアを識別する情報を自己の装置の環境情報と共に、動作実績の照合を動作実績管理サーバ300に依頼する。ここでは、図示しないソフトウェアダウンロード画面から、ソフトウェアとして「ImagePerfect」を指定し、自装置の環境情報とともに、動作実績情報の照合をネットワーク2を経由して動作実績管理サーバ300に依頼する。上記自装置の環境情報の内容は、先に図6で示したハードウェア環境の情報とソフトウェア環境の情報に相当する情報である。ハードウェア環境の情報としては、機械番号と機種が挙げられる。また、ソフトウェア環境の情報としては、他にインストールされているソフトウエアの情報などが挙げられる。
【0109】
次に、動作実績制御部210は、動作実績の照合の依頼が正常に終了したか否かを判別し(ステップ202)、動作実績の照合の依頼が正常に終了した場合には、依頼した照合の照合結果を受信する(ステップ203)。また、動作実績の照合の依頼が正常に終了しなかった場合には、ステップ201に戻る。
【0110】
その後、動作実績制御部210は、照合結果の受信が正常に終了したか否かを判別し (ステップ204)、照合結果の受信が正常に終了した場合には、受信した照合結果の内容を判断する(ステップ205)。また、照合結果の受信が正常に終了しなかった場合には、ステップ208に進む。
【0111】
また、動作実績制御部210は、受信した照合結果の内容を判断した後、照合結果の内容の判断は、正常に終了したか否かを判別する(ステップ206)。そして、照合結果の内容の判断が正常に終了した場合には、判断結果により処理内容を決定した後(ステップ207)、決定された処理内容に従って、ユーザへの通知とユーザ確認、ソフトウエアの入力、インストール、ソフトウエア提供元への通知を行い(ステップ208)、当該処理を終了する。
【0112】
次に、図10に基づいて、図9のステップ207で述べた本実施の形態に係る情報利用装置において、照合の判断結果によって処理内容を決定する処理について説明する。
【0113】
まず最初に、動作実績制御部210では、図10に示すように、照合結果の判断結果を入力する(ステップ301)。そして、動作実績制御部210は、判断結果に応じて、自己の装置と同一の動作環境で正常に動作した動作実績があるか否かを判別し(ステップ302)、自己の装置と同一の動作環境で正常に動作した動作実績があれば、ソフトウエアを入力することを決定する(ステップ303)。
【0114】
また、動作実績制御部210は、自己の装置と同一の動作環境で正常に動作した動作実績がなければ、自己の装置と同一の動作環境で異常実績があるか否かを判別し(ステップ304)、自己の装置と同一の動作環境で異常実績があれば、ソフトウエアを入力しないか、又はユーザに確認を求めることを決定する(ステップ305)。
【0115】
さらに、動作実績制御部210は、自己の装置と同一の動作環境で異常実績がなければ、自己の装置と類似の動作環境で正常実績があるか否かを判別し(ステップ306)、自己の装置と類似の動作環境で正常実績があれば、ソフトウエアを入力するか、又はユーザに確認を求めることを決定する(ステップ307)。
【0116】
又、動作実績制御部210は、自己の装置と類似の動作環境で正常実績がなければ、自己の装置と類似の動作環境で異常実績があるか否かを判別し(ステップ308)、自己の装置と類似の動作環境で異常実績があれば、ソフトウエアを入力しないか、又はユーザに確認を求めることを決定する(ステップ309)。
【0117】
更に、動作実績制御部210は、自己の装置と類似の動作環境で異常実績がなければ、自己の装置と同一又は類似の動作環境で代替するソフトウエアの正常実績があるか否かを判別し(ステップ310)、自己の装置と同一又は類似の動作環境で代替するソフトウエアの正常実績があれば、ソフトウエアを入力するか、又はユーザに確認を求めることを決定する(ステップ311)。
【0118】
また、動作実績制御部210は、自己の装置と同一又は類似の動作環境で代替するソフトウエアの正常実績がなければ、ソフトウエアを入力するか、又はユーザに確認を求め選択させることを決定し(ステップ312)、当該処理を終了する。
【0119】
ここで、自装置の動作環境と同一または類似であることの判断であるが、これは図6で示した動作実績情報のハードウェアの環境情報に相当する情報と、ソフトウェアの環境情報に相当する情報が一致した場合に、同一であると判断すればよい。また、ソフトウェアの環境情報だけが一致する場合でも同一としてもよいし、類似としてもよい。ソフトウェアの環境情報の内、OSが一致し、依存するファイルの一部が一致していれば、類似していると判断してもよい。
【0120】
このように、本実施の形態に係る情報利用装置では、自装置のハードウェア環境とソフトウェア環境の情報からソフトウェアの動作実績情報の照合を依頼し、受信した照合結果を判断して、適切に動作実績情報を利用することが可能になる。
【0121】
1−3情報管理装置の構成及び動作
図11は本実施の形態に係る情報管理装置としての動作実績管理サーバを示す構成図である。このサーバは、図1のサーバに対応している。
【0122】
この実施の形態では、ソフトウェアの動作実績情報を管理する情報処理装置において、ソフトウェアの動作実績情報を受信するための動作実績情報受信手段と、前記動作実績情報受信手段によって受信した前記動作実績情報を格納するための動作実績情報格納手段と、前記動作実績情報を管理するための動作実績情報管理手段と、前記ソフトウェアの動作実績情報の照合の依頼を受信するための照合依頼受信手段と、前記照合依頼受信手段によって受信した依頼の前記ソフトウェアの動作実績情報を照合するための照合手段と、前記照合手段による照合結果を送信するための照合結果送信手段と、を備えるように構成されている。
【0123】
また、この実施の形態で、前記ソフトウェアの提供元から前記ソフトウェアを入力するためのソフトウェア入力手段と、前記ソフトウェア入力手段によって入力された前記ソフトウェアを格納するためのソフトウェア格納手段と、前記ソフトウェアを出力するためのソフトウェア出力手段と、を備えるように構成されている。
【0124】
さらに、この実施の形態では、前記動作実績情報管理手段は、前記動作実績情報格納手段によって前記動作実績情報が格納された場合は、前記ソフトウェアの提供元に通知するように構成されている。
【0125】
又、この実施の形態では、前記動作実績情報管理手段は、既に旧版などの動作実績情報が格納されている前記ソフトウェアの新版が、前記ソフトウェア格納手段によって格納された場合は、前記動作実績情報の提供元に通知するように構成されている。
【0126】
更に、この実施の形態では、前記ソフトウェア入力手段及び前記ソフトウェア制御手段は、ネットワークを経由して前記ソフトウェアをダウンロードすることで前記ソフトウェアを入力するように構成されている。
【0127】
また、この実施の形態では、前記ソフトウェア入力手段及び前記ソフトウェア制御手段は、CD−ROMやDVD−ROMなどのメディアから読取ることで前記ソフトウェアを入力するように構成されている。
【0128】
本実施の形態に係る情報管理装置としてのサーバでは、動作実績管理部でソフトウェアの動作実績情報を管理し、ソフトウェア制御部でソフトウェア自体の管理を行うように構成されている。
【0129】
サーバ300は、図12に示すように、CPU301と、ROM302と、RAM303と、ハードディスク304と、制御部305と、動作実績格納部306と、ソフトウェア格納部307と、操作表示パネル308と、システム時計309と、通知部310と、ソフトウェア制御部311と、動作実績管理部312と、インターフェース部313とから構成されている。
【0130】
CPU301はシステムバス314を介してサーバ全体の制御を行うものである。ROM302はCPU301の制御プログラムを格納するものである。本実施の形態のROM302に格納されている制御プログラムは、いわゆるオペレーティングシステム相当の機能を提供するプログラムであるものとする。RAM303はSRAM等で構成され、プログラム制御変数や各種処理のためのデータ等を格納するためのものである。ハードディスク304は、制御プログラムによる各種処理のためのデータを格納したり、ソフトウェアデータなどを格納したりするためのものである。制御部305は、動作実績格納部306やソフトウェア格納部307と制御データの授受を行ったり、各種データの入出力などの制御を行うためのものである。
【0131】
動作実績格納部306は、受信した動作実績情報を格納するためのものである。
【0132】
ソフトウェア格納部307は、ソフトウェア自体を格納するためのものである。操作表示パネル308は、本装置の各種設定を行う画面を表示したり、管理者が指示を行ったりするためのものである。システム時計309は、時計用チップにより構成され時刻情報 (年月日、時分秒)をCPU301に提供する。システム時計309は、システム電源断時や停電時等に時刻情報が消滅しないようバックアップ用電池を備え、常に現時点の時刻を保持している。通知部310は、異常動作の実績情報を受信したときにソフトウェア提供元に障害解析を依頼する趣旨でその旨を通知するなど、外部に通知するためのものである。
【0133】
ソフトウェア制御部311は、ソフトウェアの入力処理や、ソフトウェアの出力処理や、ソフトウェア格納部307の制御などを行うためのものである。
【0134】
動作実績管理部312は、ソフトウェアの動作実績情報を受信したり、動作実績情報の照合の依頼を受信したり、照合結果を送信したり、動作実績情報を送信したり、動作実績格納部306の処理の制御などを行うためのものである。
【0135】
図13は、この実施の形態に係る情報管理装置としてのサーバの動作実績情報の蓄積動作の処理フローを示すフローチャートである。
【0136】
まず最初に、通信部310を介して、図13のステップ401において、ソフトウェアの動作実績情報を受信する。
【0137】
動作実績情報については、既に図6で説明した通りである。動作実績管理部312は、動作実績情報の受信が正常に終了したか否かを判別し(ステップ402)、動作実績情報の受信が正常終了した場合には、受信した動作実績情報を格納する(ステップ403)。また、動作実績管理部312は、動作実績情報の受信が正常に終了しなかった場合には、異常動作として、当該処理を終了する。
【0138】
次に、動作実績管理部312は、動作実績情報の格納が正常に終了したか否かを判別し(ステップ404)、動作実績情報の格納が正常に終了した場合には、当該処理を終了する。また、動作実績管理部312は、動作実績情報の格納が正常に終了しなかった場合には、異常動作として、当該処理を終了する。
【0139】
次に、図14に基づいて、本実施の形態に係る情報管理装置における動作実績情報の照合処理フローを説明する。
【0140】
動作実績管理部312は、まず最初に、図14のステップ501に示すように、ソフトウェアの動作実績情報の照合の依頼を受信する。次に、動作実績管理部312は、ソフトウェアの動作実績情報の照合の依頼の受信が正常に終了したか否かを判別し(ステップ502)、ソフトウェアの動作実績情報の照合依頼の受信が正常に終了した場合には、依頼された動作実績情報を照合する(ステップ503)。また、ソフトウェアの動作実績情報の照合依頼の受信が正常に終了しなかった場合には、ステップ501に戻る。
【0141】
動作実績の照合については、図6で示した動作実績情報で、対象となるソフトウェアと、受信した照合の依頼に含まれるハードウェアの環境情報に相当する情報と、ソフトウェアの環境情報に相当する情報から一致するものがないか、類似する環境で一致するものがないか、同一か類似する環境で、類似するソフトウェアが存在しないかなどを、照合するようになっている。
【0142】
また、動作実績管理部312は、依頼された動作実績情報の照合が正常に終了したか否かを判別し(ステップ504)、依頼された動作実績情報の照合が正常に終了した場合には、照合結果を通知部310を介して依頼元に送信する(ステップ505)。また、動作実績管理部312は、依頼された動作実績情報の照合が正常に終了しなかった場合には、照合自体に失敗したことを照合結果として通知部310を介して依頼元に送信する(ステップ506)。
【0143】
このように、本実施の形態に係る情報管理装置では、ソフトウェアの動作実績情報を受信し、格納することで蓄積し、かつ管理することができる。そして、ハードウェア環境とソフトウェア環境の情報からソフトウェアの動作実績情報の照合の依頼を受信したら照合処理を行ない、照合結果を返すことで、動作実績情報を有効活用することができる。また、処理フローには図示しなかったが、ソフトウェア自体も管理することで、ソフトウェアのダウンロードサーバとしてソフトウェアの管理も行なうことができる。
【0144】
このように、上記実施の形態1によれば、情報処理提供装置である複合機100で実際に動作確認できたソフトウェアの動作実績情報を、情報管理装置である動作実績管理サーバ300で管理し、情報利用装置である複合機200で照合を依頼することで、動作実績情報を活用することができる。具体的には、事前に同様の複合機100で目的とするソフトウェアが動作していることを知ることができ、リスクを少なくして動作させることができる。
【0145】
また、本実施の形態では、動作実績情報を情報提供装置から受信していたが、ソフトウェアの提供元であるメーカや開発者がテストして動作確認した情報を動作実績情報として受信し、管理するようにしてもよい。このときは、ソフトウェアの提供元の動作実績情報なのか、ユーザレベルで動作確認した動作実績情報なのかを区別するようにし、動作実績情報を利用する側にも区別して照合結果に含ませることで知らせることでより正確に実績情報が伝わるようになる。
【0146】
また、本実施の形態では、動作実績情報を提供した側には何らメリットを与えていなかったが、動作実績情報を提供した場合には、ソフトウェアの利用料金を優遇するか、次回のソフトウェアのバージョンアップ時の利用料金を優遇するなどのメリットを与えるようにしてもよい。また、ソフトウェアの新バージョンリリースなどの情報も動作実績情報の提供者にも通知するようにしてもよい。これによりより多くの動作実績情報が集まるようになる。
【0147】
また、本実施例において、ソフトウェアはネットワーク経由でダウンロードすることにしているが、CD−ROMやDVD−ROMなどのメディアから読取ることで、ソフトウェアを装置に入力するように構成してもよい。
【0148】
また、本実施の形態において、動作実績情報の照合結果を判断したところ正常動作と異常動作のいずれかしか判断していなかったが、正常動作と異常動作の両方の動作実績情報がある場合には、ユーザに確認させるような画面を表示し、選択するようにさせてもよい。
【0149】
また、本実施の形態において、類似した環境での動作実績情報が存在するかどうかしか照合していなかったが、同一環境と類似環境の違いまで照合結果に含めて、依頼元に送信するようにしてもよい。さらに、同一環境と類似環境で異なる部分のソフトウェアもダウンロードできるようにしてもよい。
【0150】
また、本実施の形態において、障害解析を依頼する趣旨で、異常動作の動作実績情報を受信した場合には、ソフトウェアの提供元に通知していたが、正常動作の動作実績情報も合わせて、ソフトウェアの提供元に通知するようにしてもよい。これにより、ソフトウェア提供元にすれば、自身で全ての環境での動作検証を実施しなくても、動作実績情報として実質的な動作検証の結果を得られるのである。
【0151】
このように、本発明による情報処理装置では、上記実施の形態から明らかなように、ネットワーク経由など外部からソフトウェアを入力して動作させる場合に、ソフトウェアの提供側が全てのソフトウェアの組合せを事前に動作検証ができない状況の中でも、ソフトウェアの組合せにより動作しないというリスクをより好適に軽減することが可能になる。すなわち、対象ソフトウェアの動作実績を利用する側は、ソフトウェアを事前にダウンロードする前に、利用する環境の情報に基づいて、対象ソフトウェアの動作実績情報を確認できるので、動作するかどうかの予測を立てることができ、リスクを回避できる。ソフトウェア提供元にとっては、多様な環境での組み合わせを検証をしなくても、上記実施例の動作実績管理サーバのように、動的に実績情報が増えていくという効果がある。ソフトウェアの動作実績情報提供側もソフトウェア利用料金やソフトウェアの新バージョンリリースの情報を受けるなどの優遇を受ける。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】図1はこの発明の実施の形態1に係る情報処理装置を適用した情報処理システムを示すシステム構成図である。
【図2】図2はこの発明の実施の形態1に係る情報処理装置としての複合機を示す構成図である。
【図3】図3はソフトウェアの提供元としてのパーソナルコンピュータを示す構成図である。
【図4】図4はこの発明の実施の形態1に係る情報処理装置としての複合機の制御回路を示すブロック図である。
【図5】図5はこの発明の実施の形態1に係る情報処理装置としての複合機の動作を示すフローチャートである。
【図6】図6は動作実績情報を示す図表である。
【図7】図7はこの発明の実施の形態1に係る情報処理装置としての複合機を示す構成図である。
【図8】図8はこの発明の実施の形態1に係る情報処理装置としての複合機の制御回路を示すブロック図である。
【図9】図9はこの発明の実施の形態1に係る情報処理装置としての複合機の動作を示すフローチャートである。
【図10】図10はこの発明の実施の形態1に係る情報処理装置としての複合機の動作を示すフローチャートである。
【図11】図11はこの発明の実施の形態1に係る情報処理装置としてのサーバを示す構成図である。
【図12】図12はこの発明の実施の形態1に係る情報処理装置としてのサーバの制御回路を示すブロック図である。
【図13】図13はこの発明の実施の形態1に係る情報処理装置としてのサーバの動作を示すフローチャートである。
【図14】図14はこの発明の実施の形態1に係る情報処理装置としてのサーバの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0153】
1:情報処理システム、100:複合機(情報提供装置)、200:複合機(情報利用装置)、300:サーバ(情報管理理置)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトウェアの動作実績情報を提供するための情報処理装置において、
ソフトウェアを入力するためのソフトウェア入力手段と、
前記ソフトウェア入力手段によって入力されたソフトウェアが正常に動作するか否かを確認するための動作確認手段と、
前記動作確認手段によって動作が確認された結果から、動作実績情報を作成するための動作実績情報作成手段と、
前記動作実績作成手段によって作成された動作実績情報を送信するための動作実績情報送信手段と、を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載された情報処理装置において、
前記動作実績情報作成手段は、前記動作実績情報として、動作確認した前記ソフトウェアの情報及び動作確認結果の情報、動作確認したときの自己の情報処理装置の動作環境情報のうち、少なくともいずれか1つを作成することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載された情報処理装置において、
前記動作実績情報送信手段は、前記ソフトウェアの動作確認が正常に終了した時点か、動作確認中に異常が発生して異常終了した時点で、前記動作実績情報を送信することを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載された情報処理装置において、
前記動作実績情報作成手段は、前記ソフトウェアの動作確認が異常終了した場合には、当該異常の内容や異常発生の原因などを特定するための付加情報を含めた、前記動作実績情報を作成することを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載された情報処理装置において、
前記動作確認手段は、前記ソフトウェアをインストールすることによって、動作確認することを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載された情報処理装置において、
前記動作確認手段は、前記ソフトウェアに含まれるテスト機能を実行することで、動作確認することを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
ソフトウェアの動作情報を利用する情報処理装置において、
ソフトウェアを識別する情報と自己の情報処理装置の動作環境情報に基づき、当該ソフトウェアについて既知の動作実績情報との照合を依頼するための照合依頼手段と、
前記照合依頼手段によって依頼した既知の動作実績情報との照合結果を受信するための照合結果受信手段と、
前記照合結果受信手段によって受信した照合結果の内容を判断するための照合結果判断手段と、
前記照合結果判断手段によって判断された判断に応じて前記ソフトウェアに関連する処理を制御するためのソフトウェア制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載された情報処理装置において、
ユーザに通知するためのユーザインタフェース手段を備え、
前記ユーザインタフェース手段は、前記照合結果受信手段により受信した照合結果、もしくは前記照合結果判断手段による判断結果、もしくは前記ソフトウェア制御手段による処理結果、をユーザに通知することを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
請求項7に記載された情報処理装置において、
前記照合結果判断手段によって、自己の情報処理装置と同一の動作環境で前記ソフトウェアの正常動作の動作実績情報があると判断された場合、前記ソフトウェア制御手段は、前記ソフトウェアを入力するように制御することを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
請求項7又は8に記載された情報処理装置において、
前記照合結果判断手段によって、自己の情報処理装置と同一の動作環境で前記ソフトウェアの異常動作の動作実績情報があると判断された場合、前記ソフトウェア制御手段は、前記ソフトウェアを入力しないようにするか、もしくは前記ユーザインタフェース手段によってユーザに通知するか、又はユーザに確認させた上で前記ソフトウェアを入力するように、制御することを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
請求項7又は8に記載された情報処理装置において、
前記照合結果判断手段によって、自己の情報処理装置と同一の動作環境で前記ソフトウェアの動作実績情報がなく、かつ自己の情報処理装置と類似の動作環境で正常動作の動作実績情報があると判断された場合、前記ソフトウェア制御手段は、前記ユーザインタフェース手段によってユーザに通知するか、又はユーザに確認させた上で前記ソフトウェアを入力するように制御することを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
請求項7又は8に記載された情報処理装置において、
前記照合結果判断手段によって、自己の情報処理装置と同一もしくは類似の動作環境で、前記ソフトウェアの動作実績情報はないが、前記ソフトウェアとは別の類似ソフトウェアでの動作実績情報があると判断された場合、前記ソフトウェア制御手段は、前記ユーザインタフェース手段によってユーザに通知するか、又はユーザに確認させた上で前記類似ソフトウェアを入力するように制御することを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
請求項7又は8に記載された情報処理装置において、
前記照合結果判断手段によって、自己の情報処理装置と同一もしくは類似の動作環境で前記ソフトウェアの正常動作と異常動作の両方の動作実績情報があると判断された場合、前記ソフトウェア制御手段は、前記ソフトウェアを入力するようにするか、もしくは前記ユーザインタフェース手段によってユーザに通知するか、又はユーザに確認させた上で前記ソフトウェアを入力するように、制御することを特徴とする情報処理装置。
【請求項14】
請求項8に記載された情報処理装置において、
前記ユーザインタフェース手段は、前記照合結果受信手段によって受信した照合結果、もしくは前記照合結果判断手段による判断結果から、前記ソフトウェアの動作実績情報の提供元をユーザに通知することを特徴とする情報処理装置。
【請求項15】
ソフトウェアの動作実績情報を管理する情報処理装置において、
ソフトウェアの動作実績情報を受信するための動作実績情報受信手段と、
前記動作実績情報受信手段によって受信した前記動作実績情報を格納するための動作実績情報格納手段と、
前記動作実績情報を管理するための動作実績情報管理手段と、
前記ソフトウェアの動作実績情報の照合の依頼を受信するための照合依頼受信手段と、
前記照合依頼受信手段によって受信した依頼の前記ソフトウェアの動作実績情報を照合するための照合手段と、
前記照合手段による照合結果を送信するための照合結果送信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項16】
請求項15に記載された情報処理装置において、
前記ソフトウェアの提供元から前記ソフトウェアを入力するためのソフトウェア入力手段と、
前記ソフトウェア入力手段によって入力された前記ソフトウェアを格納するためのソフトウェア格納手段と、
前記ソフトウェアを出力するためのソフトウェア出力手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項17】
請求項15に記載された情報処理装置において、
前記動作実績情報管理手段は、前記動作実績情報格納手段によって前記動作実績情報が格納された場合は、前記ソフトウェアの提供元に通知することを特徴とする情報処理装置。
【請求項18】
請求項16に記載された情報処理装置において、
前記動作実績情報管理手段は、既に旧版などの動作実績情報が格納されている前記ソフトウェアの新版が、前記ソフトウェア格納手段によって格納された場合は、前記動作実績情報の提供元に通知することを特徴とする情報処理装置。
【請求項19】
請求項1乃至18のいずれかに記載された情報処理装置において、
前記ソフトウェア入力手段及び前記ソフトウェア制御手段は、ネットワークを経由して前記ソフトウェアをダウンロードすることで前記ソフトウェアを入力することを特徴とする情報処理装置。
【請求項20】
請求項1乃至18のいずれかに記載された情報処理装置において、
前記ソフトウェア入力手段及び前記ソフトウェア制御手段は、CD−ROMやDVD−ROMなどのメディアから読取ることで前記ソフトウェアを入力することを特徴とする情報処理装置。
【請求項21】
ソフトウェアの動作実績情報を相互に利用する情報処理システムにおいて、
ソフトウェアを入力するためのソフトウェア入力手段と、前記ソフトウェア入力手段によって入力されたソフトウェアの動作を確認するための動作確認手段と、前記動作確認手段によって動作が確認された結果から動作実績情報を作成するための動作実績作成手段と、前記動作実績作成手段によって作成された動作実績情報を送信するための動作実績情報送信手段とを備える情報提供装置と、
ソフトウェアを識別する情報と自己の装置の動作環境情報によって、前記ソフトウェアの動作実績情報との照合を依頼するための照合依頼手段と、前記照合依頼手段により依頼した照合の照合結果を受信するための照合結果受信手段と、前記照合結果受信手段によって受信した照合結果の内容を判断するための照合結果判断手段と、前記照合結果判断手段による判断結果に基づいて、前記ソフトウェアに関連する処理を制御するためのソフトウェア制御手段と、を備える情報利用装置と、
ソフトウェアの動作実績情報を受信するための動作実績情報受信手段と、前記動作実績情報受信手段によって受信した前記動作実績情報を格納するための動作実績情報格納手段と、前記動作実績情報を管理するための動作実績情報管理手段と、前記ソフトウェアの動作実績情報の照合の依頼を受信するための照合依頼受信手段と、前記照合依頼受信手段によって受信した依頼の前記ソフトウェアの動作実績情報を照合するための照合手段と、前記照合手段による照合結果を送信するための照合結果送信手段と、を備える情報管理装置と、で構成されることを特徴とする情報処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−79534(P2006−79534A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−265604(P2004−265604)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】