説明

情報処理装置

【課題】セキュリティ面での安全性を確保し、ログイン処理に対する負担を軽減する。
【解決手段】個人識別情報を記憶したICカード30から情報を読み取る機能を含むカードI/F部13と、個人照合情報を記憶するメモリ11と、個人識別情報と個人照合情報とを照合し、特定の個人を認証するカード認証部12と、カード認証部12により特定の個人が認証されたとき、アプリケーションの利用を可能にする装置ログイン処理部14と、暗号化されたアプリ用識別情報を記憶するメモリ19と、カード認証部12により特定の個人が認証されたとき、個人識別情報を用いて、暗号化されたアプリ用識別情報を復号化し、復号化により復元されたアプリ用識別情報を一時的に記憶するよう制御するアプリログイン制御部16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人識別情報を用いた装置ログイン処理の実行により、アプリケーション用識別情報を用いたアプリケーションログイン処理が必要なアプリケーションを含むアプリケーションの利用を可能にする情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような情報処理装置の典型的な例としてパーソナルコンピュータがある。例えば、企業などにおいてパーソナルコンピュータを使用する場合、まず電源を立ち上げた後、セキュリティ確保として、その装置の利用を許可されたユーザかどうかを判定するために、通常、個人を識別するような識別情報とパスワードとを入力するようなログイン処理を行う。この後、パーソナルコンピュータが使用許可された個人と認証すると、認証されたユーザは、そのパーソナルコンピュータを利用できるようになる。個人を識別するような識別情報としては、例えば、個人の名前や個人別に割り当てた番号などが利用される。また、パスワードは各個人が決定した文字や番号の組合せなどである。
【0003】
また、このようなパーソナルコンピュータの典型的な利用形態の例として、パーソナルコンピュータ内に各種アプリケーションプログラムなどを記憶しておき、ユーザが所望のアプリケーションプログラムを呼び出し、そのアプリケーションを実行することで、例えば、文章や図表の作成を行うなどの形態がある。また、他の利用形態の例としては、ユーザがインターネットなどのネットワークを介してWEBサイトなどのサービスサイトを呼び出し、そのサイトに対する処理を実行することで、例えば、各種情報を取得するような形態がある。
【0004】
ところで、このようなアプリケーションの実行やサービスサイトの利用においても、特に、セキュリティが重要となる場合には、上述のような識別情報とパスワードとが必要とされる。このため、パーソナルコンピュータを利用して、ユーザが各種処理を実行しようとする場合、処理ごとに上述のようなログイン処理が必要となるなど、セキュリティのために利便性が低下するという不都合があった。このような不都合を解決するため、従来、自動ログインシステムと呼ばれるような技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
このような従来の自動ログインシステムは、サービス提供サーバに設けられたログイン処理が必要なサービスサイトにログインする際に使用する自動ログイン情報を用いて、自動的にログインする自動ログイン装置を備えた自動ログインシステムである。
【0006】
また、この自動ログイン装置は、鍵情報を記憶したICカードから鍵情報を取得する鍵情報取得手段と、自動ログイン情報記憶手段に記憶され、暗号化された自動ログイン情報を、取得した鍵情報を用いて復号化する復号化手段と、復号化した自動ログイン情報を用いてサービスサイトに自動ログインする自動ログイン手段とを具備した構成である。
【0007】
従来の自動ログインシステムは、このような構成としているため、ICカードに記憶した鍵情報を用いてログインでき、キーボードからログイン識別情報やパスワードを入力する手間を省き、ユーザの負担を軽減している。また、各サービスサイトへのログインには、ICカードが必要となり、セキュリティ面でも安全性を確保している。さらに、正規のICカードであれば、各サービスサイトへのログインが自動的に行われるため、各サービスサイトへのログイン操作の負担を軽減することができる。
【特許文献1】特開2004−151863号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の自動ログインシステムは、ICカードを利用して各サービスサイトへのログインが自動的に行われるものの、装置の使用に対するセキュリティ確保が必要な場合には、電源の立ち上げ時などにおいて、その装置の利用を許可されたユーザかどうかを判定するためのログイン処理が必要となり、このログイン処理がユーザへの負担として残るという課題があった。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、セキュリティ面での安全性を確保しながら、ユーザのログイン処理に対する負担を軽減した情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述したような目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、個人識別情報を用いた装置ログイン処理の実行により、アプリケーション用識別情報を用いたアプリケーションログイン処理が必要なアプリケーションを含むアプリケーションの利用を可能にする情報処理装置であって、個人識別情報を記憶したICカードから情報を読み取る機能を含むカードインターフェース部と、個人識別情報との照合により特定の個人を認証するための個人照合情報を記憶する個人照合情報記憶部と、カード読取部から読み取った個人識別情報と個人照合情報記憶部に記憶した個人照合情報とを照合し、照合した結果に応じて特定の個人を認証する認証手段と、認証手段により特定の個人が認証されたとき、アプリケーションの利用を可能にする装置ログイン処理手段と、暗号化されたアプリケーション用識別情報を記憶するアプリケーション用識別情報記憶部と、認証手段により特定の個人が認証されたとき、個人識別情報を用いて、アプリケーション用識別情報記憶部が記憶する暗号化されたアプリケーション用識別情報を復号化し、復号化により復元されたアプリケーション用識別情報を一時的に記憶するよう制御するアプリケーションログイン処理制御手段とを備える。
【0011】
また、本発明の情報処理装置は、暗号化されたアプリケーション用識別情報を復号化する復号化手段をさらに備えた構成である。
【0012】
また、本発明の情報処理装置は、ICカードが、個人識別情報を用いて復号化する復号化手段を備え、認証手段により特定の個人が認証されたとき、アプリケーションログイン処理制御手段が、暗号化されたアプリケーション用識別情報をICカードに転送するよう制御するとともに、ICカードの復号化手段により復元されたアプリケーション用識別情報を取り込み一時的に記憶するよう制御する構成である。
【0013】
また、本発明の情報処理装置は、個人識別情報を、パスワードおよび特定の個人を識別する識別情報とした構成である。
【0014】
また、本発明の情報処理装置は、アプリケーション用識別情報を、パスワードおよび特定の個人を識別する識別情報とした構成である。
【0015】
また、本発明の情報処理装置は、アプリケーションログイン処理制御手段が、装置ログインを終了する装置ログオフとともに、一時的に記憶する復元されたアプリケーション用識別情報を消去するよう制御する構成である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の情報処理装置によれば、セキュリティ面での安全性を確保しながら、ユーザのログイン処理に対する負担を軽減した情報処理装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における情報処理装置10のブロック図である。本実施の形態では、このような情報処理装置としてのパーソナルコンピュータの一例を挙げて説明する。また、ユーザがこのようなパーソナルコンピュータである情報処理装置を利用する利用形態として、情報処理装置の内部や装着した記憶手段が記憶するアプリケーション用プログラム(以下、適宜、「アプリ用プログラム」と呼ぶ)を呼び出して、そのアプリ用プログラムに応じた処理を実行するような形態の一例を挙げて説明するが、例えば、情報処理装置内に備えた通信機能を利用して、インターネットなどネットワークを介してWebサイトやサーバなどにアクセスして、そのWebサイトなどに応じた処理を実行するような利用形態であってもよい。要するに、情報処理装置を利用して処理を開始するとき、処理を開始するログインにおいて識別情報やパスワードなどが必要とされる処理であれば、本発明を適用することができる。
【0019】
すなわち、本発明の情報処理装置は、パスワードなどのアプリケーション用識別情報(以下、適宜、「アプリ識別情報」と呼ぶ)を用いたアプリケーションログイン(以下、適宜、「アプリログイン」と呼ぶ)処理が必要なアプリケーションを含むアプリケーションの利用を可能にする処理に対応している。なお、ユーザが、例えば、本情報処理装置の電源を立ち上げた後、セキュリティ確保のためその装置の利用を許可されたユーザかどうかを判定し、判定に応じて利用を許可するようなログイン処理を装置ログイン処理とし、上述のようなアプリケーションを利用するためにアプリ用プログラムなどに対してのログイン処理をアプリログイン処理とし、それぞれ区分して、以下説明する。
【0020】
図1に示すように、本情報処理装置10は、ICカード30とのインターフェースを行うカードインターフェース(以下、適宜、「カードI/F」と呼ぶ)部13と、個人照合情報を記憶するメモリ11と、ICカード30の個人識別情報とメモリ11の個人照合情報とを照合し、照合した結果に応じた認証処理を行うカード認証部12と、カード認証部12の認証結果に応じて、アプリケーションの利用を可能にする装置ログイン処理部14と、暗号化アプリ識別情報を記憶するメモリ19と、暗号化アプリ識別情報を復号化し、アプリ識別情報を復元する復号化部18と、復号化部18で復元されたアプリ識別情報を一時的に記憶するメモリ17と、カード認証部12の認証結果に応じて、アプリログイン処理に関する制御を行うアプリログイン制御部16と、アプリケーション処理を実行するアプリケーション処理部15とを備えている。
【0021】
まず、図1において、カードI/F部13は、個人識別情報を記憶したICカード30から情報を読み取る機能を含み、読み取った情報をカード認証部12などに通知する。なお、カードI/F部13は、ICカード30に情報を書き込むような機能も含んでいてもよい。
【0022】
また、カードI/F部13が情報を読み取るICカード30は、不揮発性メモリであるメモリ31を有しており、メモリ31には、個人を識別するような識別情報(以下、適宜、「ID(IDentifier)情報」と呼ぶ)およびパスワードが個人識別情報として記憶されている。
【0023】
次に、メモリ11は、不揮発性メモリであり、個人照合情報記憶部として、個人識別情報との照合により特定の個人を認証するための個人照合情報を記憶する。このような個人照合情報は、本情報処理装置10の利用が許可されたユーザを識別するための情報として、あらかじめ、メモリ11に記憶されている。すなわち、個人照合情報は、個人識別情報と照合するためのID情報やパスワードなどである。なお、不正を防止するため、このような個人照合情報を記憶するメモリ11は、記憶するデータへのアクセスが通常では困難な形態とすることが好ましい。
【0024】
次に、カード認証部12は、認証手段として、カードI/F部13から読み取った個人識別情報とメモリ11に記憶した個人照合情報とを照合し、照合した結果に応じて特定の個人を認証する。すなわち、カード認証部12は、ICカード30が記憶する個人識別情報としてのID情報やパスワードと、メモリ11に記憶する個人照合情報としてのID情報やパスワードとを照合し、それぞれが一致したとき、本情報処理装置10の利用を許可されたユーザであると判定する。カード認証部12は、このようにして、利用を許可された特定の個人であるユーザを認証する。また、カード認証部12は、このようにして認証した結果を認証結果情報として装置ログイン処理部14に通知する。
【0025】
次に、装置ログイン処理部14は、装置ログイン処理手段として、カード認証部12により特定の個人が認証されたとき、アプリケーションの利用を可能にするような処理を行う。すなわち、カード認証部12により本情報処理装置10の利用が許可されたユーザであると認証されると、装置ログイン処理部14は、装置利用のログインが許可されたユーザと判定し、アプリ用プログラムの利用などをユーザに開放するような処理である装置ログイン処理を行う。これによって、ユーザは、本情報処理装置10を用いて、アプリケーション処理部15による各種アプリ用プログラムの実行やインターネットなどの利用ができる。また、装置ログイン処理部14は、カード認証部12により特定の個人が認証されたとき、カードI/F部13から読み取った個人識別情報を、装置ログイン処理部14およびアプリログイン制御部16を経由して復号化部18に通知する。
【0026】
次に、メモリ19は、不揮発性メモリであり、アプリケーション用識別情報記憶部として、暗号化されたアプリ識別情報である暗号化アプリ識別情報を記憶する。アプリ識別情報は、上述したように、アプリログイン処理が必要なアプリケーションで使用するアプリログインのための識別情報である。アプリ識別情報は、個人識別情報と同様に、個人を識別するためのID情報やパスワードなどである。なお、このようなアプリ識別情報は、それぞれのアプリケーションに応じた複数組の識別情報や、それぞれのアプリケーションに応じて全部や一部が異なる複数種類であってもよい。また、アプリ識別情報は、個人識別情報と全部や一部が異なっていてもよく、また同じであってもよい。
【0027】
特に、本実施の形態の情報処理装置10は、このようなアプリ識別情報に対して、ICカード30が記憶する個人識別情報に基づいて暗号化し、メモリ19に記憶していることを特徴としている。
【0028】
次に、復号化部18は、復号化手段として、メモリ19が記憶する暗号化アプリ識別情報に対して、アプリログイン制御部16から通知された個人識別情報を利用して復号化することで暗号化を解き、アプリ識別情報を復元する。
【0029】
次に、メモリ17は、揮発性メモリであり、復号化部18で復元されたアプリ識別情報を一時的に記憶する。
【0030】
次に、アプリログイン制御部16は、アプリケーションログイン処理制御手段として、このようなメモリ19に記憶した暗号化アプリ識別情報を復号化部18で復元し、復元したアプリ識別情報をメモリ17に書き込む処理を制御する。すなわち、アプリログイン制御部16は、カード認証部12により特定の個人が認証されたとき、その個人識別情報を用いて、メモリ19が記憶する暗号化アプリ識別情報を復号化部18により復号化し、復号化により復元されたアプリ識別情報を一時的にメモリ17に記憶するよう制御する。アプリログイン制御部16の制御で、このような処理が実行されることにより、アプリログイン処理が必要なアプリケーションで使用するアプリログインのためのアプリ識別情報が、メモリ17に記憶される。
【0031】
次に、アプリケーション処理部15は、ユーザが指定するアプリケーション処理などを実行する。このとき、アプリケーションの実行において、アプリログイン処理が必要である場合、アプリケーション処理部15は、メモリ17が記憶するアプリ識別情報を用いてアプリログイン処理を行い、その後、そのアプリ用プログラムを実行させる。
【0032】
本実施の形態の情報処理装置は以上のように構成されている。
【0033】
次に、本情報処理装置の動作について説明する。
【0034】
まず、ユーザが本情報処理装置10を利用する場合、本情報処理装置の電源を立ち上げるとともに、そのユーザ固有の個人識別情報が記憶されたICカード30をカードI/F部13に装着する。なお、ICカード30とカードI/F部13とは非接触で情報の送受信を行うような形態であってもよい。
【0035】
これにより、本情報処理装置10のログインするための装置ログイン処理が開始される。まず、カード認証部12は、カードI/F部13がICカード30から読み取った個人識別情報とメモリ11に記憶した個人照合情報とを照合し、照合した結果に応じて特定の個人を認証する。この後、カード認証部12は、認証した結果を示す認証結果情報を装置ログイン処理部14に通知する。
【0036】
装置ログイン処理部14は、カード認証部12からの認証結果情報が利用を許可された特定のユーザであることを示すとき、アプリケーション処理部15に対して、ユーザによるアプリケーションの利用が可能なように制御する。このようにして、正規のユーザは、本情報処理装置10による各種アプリ用プログラムの実行やインターネットなどの利用ができる。一方、装置ログイン処理部14は、カード認証部12からの認証結果情報が利用を許可されたユーザではないことを示すとき、アプリケーション処理部15に対して、ユーザによるアプリケーションの利用ができないように制御する。このように、不正規のユーザは、本情報処理装置10による各種アプリ用プログラムの実行などの利用ができない。装置ログイン処理部14は、認証結果情報に基づいてこのような処理を実行することにより、本情報処理装置10の利用に関するセキュリティの確保を図っている。
【0037】
さらに、装置ログイン処理部14は、カード認証部12からの認証結果情報が利用を許可された特定のユーザであることを示すとき、アプリログイン制御部16に対して、メモリ17にアプリ識別情報を書き込む処理を実行するよう通知する。また、このとき、装置ログイン処理部14は、カードI/F部13がICカード30から読み取った個人識別情報をアプリログイン制御部16に通知する。
【0038】
この通知に応答して、アプリログイン制御部16は、装置ログイン処理部14から通知された個人識別情報を復号化部18に通知する。さらに、アプリログイン制御部16は、復号化部18がメモリ19に記憶された暗号化アプリ識別情報を個人識別情報を用いて復号化するとともに、復号化により復元されたアプリ識別情報を一時的にメモリ17に記憶するよう制御する。これによって、アプリログイン処理が必要なアプリケーションで使用するアプリログインのためのアプリ識別情報が、メモリ17に記憶される。
【0039】
以上のような処理が実行されることにより、ユーザが、アプリログイン処理が必要なアプリケーションを実行しようとする場合、アプリケーション処理部15が、メモリ17に記憶されたアプリ識別情報を用いてアプリログイン処理を行い、その後、そのアプリ用プログラムが実行される。
【0040】
このように、本実施の形態の情報処理装置10は、装置ログイン時において、アプリログイン処理に必要なアプリ識別情報がメモリ17に設定され、ユーザがアプリログイン処理が必要なアプリケーションを利用するとき、アプリケーション処理部15が、メモリ17に記憶されたアプリ識別情報を用いてアプリログイン処理を例えば自動的に行うため、ユーザは、複雑なパスワードを各種覚えておく必要はなく、また、ID情報やパスワードなどを入力する手間も省くことができる。また、本実施の形態は、このようなアプリログイン処理のためのアプリ識別情報をICカード30に記憶させるような手法ではなく、また、アプリ識別情報は装置ログインされていない状態では、暗号化されて記憶されるため、安全性を確保でき、セキュリティの向上を図ることが可能となる。また、ICカード30の記憶容量に縛られることなく、アプリログイン処理が必要なアプリケーションやWebサイトなどの登録数を増やすことができる。また、このようなアプリケーションやWebサイトは、従来通りのものを利用できる。
【0041】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における情報処理装置100のブロック図である。実施の形態1との比較において、実施の形態1では情報処理装置10が復号化部18を備えた構成であったのに対して、本実施の形態では、ICカード300が復号化部38を備えた構成である。また、実施の形態1と同様の構成要素については同一の符号を付しており、これらについての詳細な説明は省略する。
【0042】
このように構成された本実施の形態の情報処理装置100において、カード認証部12が本情報処理装置100の利用を許可された特定のユーザであると認証すると、実施の形態1と同様に、装置ログイン処理部14は、この認証結果に応じて、装置ログインに関する処理を開始する。これに応答して、アプリログイン制御部16は、メモリ19に記憶された暗号化アプリ識別情報を、カードI/F部13を介して、ICカード300に送出する。さらに、ICカード300が備える復号化部38は、受け取った暗号化アプリ識別情報に対して、メモリ31が記憶する個人識別情報を用いて復号化する。さらに、復号化により復元されたアプリ識別情報は、カードI/F部13を介して、メモリ17に記憶される。
【0043】
このように、本実施の形態の情報処理装置100は、アプリログイン処理が必要なアプリケーションで使用するアプリログインのためのアプリ識別情報を、ICカード300が備える復号化部38により復元する構成である。このような構成とすることにより、情報処理装置に復号化部を備えた場合と比較して、復号化部の不正な解読によりメモリ19に記憶された暗号化アプリ識別情報を解読するような不正をも防止でき、不正に対するセキュリティのより向上を図ることができる。
【0044】
以上説明したように、本発明の情報処理装置は、個人識別情報を用いた装置ログイン処理の実行により、アプリケーション用識別情報を用いたアプリケーションログイン処理が必要なアプリケーションを含むアプリケーションの利用を可能にする情報処理装置であって、個人識別情報を記憶したICカードから情報を読み取る機能を含むカードインターフェース部と、個人識別情報との照合により特定の個人を認証するための個人照合情報を記憶する個人照合情報記憶部と、カードインターフェース部から読み取った個人識別情報と個人照合情報記憶部に記憶した個人照合情報とを照合し、照合した結果に応じて特定の個人を認証する認証手段と、認証手段により特定の個人が認証されたとき、アプリケーションの利用を可能にする装置ログイン処理手段と、暗号化されたアプリケーション用識別情報を記憶するアプリケーション用識別情報記憶部と、認証手段により特定の個人が認証されたとき、個人識別情報を用いて、アプリケーション用識別情報記憶部が記憶する暗号化されたアプリケーション用識別情報を復号化し、復号化により復元されたアプリケーション用識別情報を一時的に記憶するよう制御するアプリケーションログイン処理制御手段とを備える。
【0045】
このような構成とすることにより、本発明の情報処理装置は、ユーザがアプリケーションログイン処理が必要なアプリケーションを利用するとき、一時的に記憶されたアプリ識別情報を用いてアプリケーションログイン処理を例えば自動的に行うことができるため、ユーザは複雑なパスワードを各種覚えておく必要はなく、また、ID情報やパスワードなどを入力する手間も省くことができる。さらに、本発明の情報処理装置は、このようなアプリケーションログイン処理のためのアプリケーション識別情報をICカードに記憶させるような手法を利用せず、また、アプリケーション識別情報は装置ログインされていない状態では、暗号化されて記憶されるため、安全性を確保でき、セキュリティの向上を図ることが可能となる。
【0046】
したがって、本発明の情報処理装置によれば、セキュリティ面での安全性を確保しながら、ユーザのログイン処理に対する負担を軽減した情報処理装置を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、例えば、パーソナルコンピュータや情報端末装置など情報処理を行う情報処理装置に利用でき、セキュリティ面での安全性を確保しながら、ユーザのログイン処理に対する負担を軽減できるためその有用性は大である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態1における情報処理装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態2における情報処理装置のブロック図
【符号の説明】
【0049】
10,100 情報処理装置
11,17,19,31 メモリ
12 カード認証部
13 カードI/F部
14 装置ログイン処理部
15 アプリケーション処理部
16 アプリログイン制御部
18,38 復号化部
30,300 ICカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人識別情報を用いた装置ログイン処理の実行により、アプリケーション用識別情報を用いたアプリケーションログイン処理が必要なアプリケーションを含むアプリケーションの利用を可能にする情報処理装置であって、
前記個人識別情報を記憶したICカードから情報を読み取る機能を含むカードインターフェース部と、
前記個人識別情報との照合により特定の個人を認証するための個人照合情報を記憶する個人照合情報記憶部と、
前記カードインターフェース部から読み取った前記個人識別情報と前記個人照合情報記憶部に記憶した前記個人照合情報とを照合し、照合した結果に応じて特定の個人を認証する認証手段と、
前記認証手段により特定の個人が認証されたとき、前記アプリケーションの利用を可能にする装置ログイン処理手段と、
暗号化された前記アプリケーション用識別情報を記憶するアプリケーション用識別情報記憶部と、
前記認証手段により特定の個人が認証されたとき、前記個人識別情報を用いて、前記アプリケーション用識別情報記憶部が記憶する前記暗号化されたアプリケーション用識別情報を復号化し、復号化により復元された前記アプリケーション用識別情報を一時的に記憶するよう制御するアプリケーションログイン処理制御手段とを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記暗号化されたアプリケーション用識別情報を復号化する復号化手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ICカードは、前記個人識別情報を用いて復号化する復号化手段を備え、
前記認証手段により特定の個人が認証されたとき、
前記アプリケーションログイン処理制御手段は、前記暗号化されたアプリケーション用識別情報を前記ICカードに転送するよう制御するとともに、前記ICカードの復号化手段により復元された前記アプリケーション用識別情報を取り込み一時的に記憶するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記個人識別情報は、パスワードおよび特定の個人を識別する識別情報であることを特徴とする請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記アプリケーション用識別情報は、パスワードおよび特定の個人を識別する識別情報であることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記アプリケーションログイン処理制御手段は、装置ログインを終了する装置ログオフとともに、一時的に記憶する前記復元されたアプリケーション用識別情報を消去するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−269523(P2008−269523A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−115190(P2007−115190)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】