説明

情報取得制御装置、および情報取得制御方法

【課題】 提供予定時刻において有効性が保たれている情報をあらかじめ取得すること。
【解決手段】 情報取得判定部104aは、現在時刻を情報取得時刻として情報を取得したときに、提供予定時刻まで情報の有効性が保てるか否かを判定し、提供予定時刻まで情報の有効性が保てると判定された場合に、情報を取得すると判定する。情報取得制御部104bは、情報取得判定部104aによって情報を取得すると判定された場合に、通信装置103を介して情報を取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供元からの情報の取得を制御する情報取得制御装置、および情報取得制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
次のような施設情報表示装置が特許文献1によって知られている。この施設情報表示装置では、地図上における指定された地点から所定距離内の施設を検索し、検索した施設に対する情報を情報提供元から取得する。そして、取得した施設情報を解析し、解析した施設情報をディスプレイに表示する。
【0003】
【特許文献1】特開2002−206932号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の施設情報表示装置によれば、指定された地点から所定距離内の施設の情報を取得するようにした。このため、情報を取得した施設に到達するまでの間に、その施設の情報が更新された場合には、当該施設に到達した時点では、取得済みの情報が古くなっている可能性があり、使用者が情報を利用する時点まで有効性が保たれていない無駄な情報を取得してしまう可能性があるという問題が生じていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、設定された提供予定時刻に使用者へ情報を提供するために、情報の取得を制御する情報取得制御装置、および方法であって、現在時刻を情報取得時刻として情報を取得した場合に、提供予定時刻まで情報の有効性が保てるか否かを判定し、提供予定時刻まで情報の有効性が保てると判定された場合に、通信回線を介して情報を取得することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、現在時刻を情報取得時刻として情報を取得したときに、提供予定時刻まで情報の有効性が保てると判定した場合に、情報を取得するようにした。これによって、提供予定時刻まで有効性が保てる情報のみを取得することができ、無駄な情報の取得を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、本実施の形態における情報取得制御装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。情報取得制御装置100は、車両に搭載され、ナビゲーション装置101と、テーブル記憶メモリ102と、通信装置103と、制御装置104と、モニタ105とを備えている。
【0008】
ナビゲーション装置101は、ナビゲーション装置101が有する地図データを使用して、使用者によって設定された目的地までの経路探索を行う。ナビゲーション装置101における種々の処理については、公知の技術のため詳細な説明は省略する。
【0009】
テーブル記憶メモリ102は、後述する処理で、使用者に提供される天気情報、ニュース情報、および交通情報の複数種別の情報のそれぞれがリアルタイム性が要求される情報であるかを判定するための情報を格納したリアルタイム性制御テーブルと、各情報の使用者への提供予定時刻を記憶した情報提供予定テーブルとが記憶されている。
【0010】
リアルタイム性制御テーブルは、天気情報、ニュース情報、および交通情報のそれぞれの情報(種別)ごとにテーブルが設けられている。各情報のリアルタイム性制御テーブルには、例えば図2に示すように、各情報の時間の有効範囲(時間範囲)2aと、地域の有効範囲(位置範囲)2bとを表す情報があらかじめ設定されて記憶されている。なお、リアルタイム性制御テーブル内のデータは、通信装置103を介して遠隔地から登録、更新、削除を行うことが可能となっている。
【0011】
情報提供予定テーブルは、例えば図3に示すように、あらかじめ設定された天気情報、ニュース情報、および交通情報のそれぞれの情報の使用者への提供予定時刻を記憶したテーブルである。この図3に示す例では、天気情報の情報提供予定時刻は4:00であり、ニュース情報の情報提供予定時刻は5:00であり、交通情報の情報提供予定時刻は6:00であることを示している。
【0012】
通信装置103は、天気情報、ニュース情報、および交通情報のそれぞれの情報を取得するための通信アンテナを含んでいる。例えば、情報提供元としての情報提供サーバーから無線通信を介して配信される天気情報、およびニュース情報を取得する(受信する)ための無線LANモジュールや携帯電話を含んでいる。さらに情報提供元としての交通情報センターからFM多重放送を介して配信される交通情報を取得する(受信する)ためのFMアンテナ102を含んでいる。
【0013】
制御装置104は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路で構成され、情報取得判定部104aと、情報取得制御部104bと、情報提供部104cとを機能的に備えている。
【0014】
情報取得判定部104aは、現在時刻を情報取得時刻として取得対象の情報(取得対象情報)を取得したときに、本来の情報提供予定時刻において取得する場合と、取得できる情報の内容が変化するか否かを判定する。そして、現時点で取得対象情報を取得しても情報提供予定時刻まで情報の内容が変化しない、すなわち現時点で情報提供予定時刻における最新情報を取得できると判定した場合には、現時点で取得した取得対象情報が、情報提供予定時刻においても有効性を保っていると判定する。そしてこの場合は、情報取得判定部104aは、当該取得対象情報を現在時刻を情報取得時刻として取得することができると判定する。
【0015】
なお、現在時刻を情報取得時刻としたときに、本来の情報提供予定時刻においても有効性を保っているか否かの判定は、後述するように、図2に示したテーブル記憶メモリ102に記憶されているリアルタイム性制御テーブルに基づいて判定される。また、情報提供予定時刻は、図3に示したテーブル記憶メモリ102に記憶されている情報提供予定テーブルを参照して取得される。
【0016】
情報取得制御部104bは、情報取得判定部104aによって、取得対象情報を取得すると判定されたときに、通信装置103を制御して、取得対象情報を取得する。情報提供部104cは、図3に示したテーブル記憶メモリ102に記憶されている情報提供予定テーブルを参照し、取得対象情報の提供予定時刻になったときに、情報取得制御部104bによってあらかじめ取得しておいた取得対象情報をモニタ105に出力して、使用者に提供する。
【0017】
これに対して、情報取得判定部104aは、取得対象情報を現在取得しても取得予定時刻まで有効性を保てない、すなわち、現時点から情報提供予定時刻までの間に取得対象情報の内容が変化する判定した場合には、現時点では取得対象情報の取得を行わないと判定し、所定時間経過後に当該取得対象情報に対して再度上述した判定処理を行う。
【0018】
そして、情報取得判定部104aによって情報を取得することができると判定された時点で、情報取得制御部104bは、通信装置103を制御して取得対象情報を取得し、情報提供部104cは、提供予定時刻になったときに取得対象情報をモニタ105に出力する。
【0019】
以下、取得対象情報を天気情報、ニュース情報、および交通情報とした場合の、それぞれの取得対象情報に対する情報取得判定部104aによる判定処理について、次の(A)〜(C)により具体的に説明する。
【0020】
(A)取得対象情報が天気情報の場合
取得対象情報が天気情報の場合、取得対象となる天気情報は決められた予報時刻ごとに情報が更新される。予報時刻は、例えば0:00、6:00、12:00、18:00の1日4回であり、これら各時刻の間では、配信される天気情報の内容は変化しない。天気情報はまた、市町村などの予報区分(予報区域)ごとに異なるが、情報取得制御装置100を搭載した車両が移動した場合に、移動前の地点と移動後の地点が同一予報区分内であれば、それぞれの地点で配信される天気情報の内容は変化しない。
【0021】
このことを加味すると、現在時刻を情報取得時刻としたときに、情報取得時刻から情報提供予定時刻までの間に予報時刻を含まず、かつ情報取得制御装置100を搭載した車両の現在位置と、情報提供予定時刻における推定位置とが同一予報区分内である場合には、現時点で天気情報を取得しても、情報提供予定時刻に天気情報を取得した場合と同じ内容の情報を取得できると判定することができる。すなわち、現時点で取得した天気情報は、情報提供予定時刻においても最新の天気情報であり、情報提供予定時刻まで有効性を保っているといえる。したがって、この場合に、情報取得判定部104aは、天気情報を現在時刻を情報取得時刻として取得することができると判定する。
【0022】
なお、情報提供予定時刻における情報取得制御装置100を搭載した車両の推定位置は、ナビゲーション装置101によって推定される。例えば、ナビゲーション装置101が備える車速センサによって検出される車両の車速と、現在時刻から情報提供予定時刻までの時間とに基づいて、情報提供予定時刻までの車両の移動距離を算出することによって、推定される。
【0023】
現在時刻を3:00とした場合に、情報取得判定部104aが天気情報を取得するか否かを判定する処理の具体例を図4を用いて説明する。情報取得判定部104aは、まず、図4(b)に示す情報提供予定テーブルを参照して、天気情報の情報提供予定時刻を取得する。ここでは天気情報の情報提供予定時刻として4:00が取得される。
【0024】
次に、情報提供予定時刻(4:00)における自車両の推定位置を算出する。すなわち、上述したように、現在時刻(3:00)から情報提供予定時刻(4:00)までの間の自車両の移動距離を推定し、情報提供予定時刻(4:00)における自車両の到達位置を推定する。その結果、例えば図4(a)に示すように、現在時刻(3:00)における自車両の現在位置が地点4aであるときに、情報提供予定時刻(4:00)における推定位置は地点4bであると算出されたものとする。
【0025】
そして、自車両の現在位置4aにおける天気情報の予報区分と、自車両の推定位置4bにおける天気情報の予報区分とをナビゲーション装置101が備える地図データから取得する。その結果、例えば、現在位置4aおよび推定位置4bの予報区分がいずれも「埼玉1」であるときには、現在時刻現在時刻(3:00)における自車両の現在位置4aと、情報提供予定時刻(4:00)における自車両の推定位置4bとは同一予報区分内にあると判定できる。
【0026】
さらに、図4(c)に示す天気情報のリアルタイム性制御テーブルを参照して、現在時刻(3:00)を情報取得時刻としたときに、情報提供予定時刻(4:00)までの間に天気情報が更新されるか否かを判定する。図4(c)に示す例では、現在時刻(3:00)に取得する天気情報も情報提供予定時刻(4:00)に取得する天気情報も、前回の予報時刻の0:00に更新された情報であり、次の予報時刻の6:00までは更新されないと判定することができる。また、同一予報区分内(埼玉1)であれば、同一内容の天気情報を取得できることも判定できる。
【0027】
すなわち、現在時刻(3:00)を情報取得時刻としたときに、情報提供予定時刻(4:00)までの間に天気情報は更新されず、対象となる予報区分も同一であることから、いずれの時刻に天気情報を取得しても同じ内容の情報を得られると判定することができる。
【0028】
以上より、現在時刻(3:00)における自車両の現在位置4aと、情報提供予定時刻(4:00)における自車両の推定位置4bとは同一予報区分内にあり(判定1)、かつ、現在時刻(3:00)を情報取得時刻としたときに、情報提供予定時刻(4:00)までの間に天気情報が更新されないと判定することができる(判定2)。このため、情報取得判定部104aは、現在時刻(3:00)において天気情報を取得しても、情報提供予定時刻(4:00)まで情報の有効性が保てると判定し、天気情報を、現在時刻(3:00)を情報取得時刻として取得することができると判定する。
【0029】
一方、上述した判定1および判定2の少なくともいずれか一方が否定判定された場合には、情報取得判定部104aは、現在時刻(3:00)において天気情報を取得しても、情報提供予定時刻(4:00)まで情報の有効性が保てないと判定し、天気情報を、現在時刻(3:00)を情報取得時刻として取得することができないと判定する。この場合には、情報取得判定部104aは、上述したように所定時間経過後に再び上記判定処理を繰り返す。
【0030】
(B)取得対象情報がニュース情報の場合
取得対象情報がニュース情報の場合、取得対象となるニュース情報は決められた更新時刻ごとに情報が更新される。更新時刻は、例えば毎時ちょうど、すなわち0:00、1:00、2:00、3:00・・・であり、これら各時刻の間では、配信されるニュース情報の内容は変化しない。また、ニュース情報は、情報の性質上、天気情報における予報区分に相当するような情報の内容が変化する地域区分を持たず、いずれの地域においても同一内容のニュース情報が取得できるものとする。
【0031】
したがって、現在時刻を情報取得時刻としたときに、情報取得時刻から情報提供予定時刻までの間に更新時刻を含まない場合には、現時点でニュース情報を取得しても、情報提供予定時刻にニュース情報を取得した場合と同じ内容の情報を取得できると判定することができる。すなわち、現時点で取得したニュース情報は、情報提供予定時刻においても最新のニュース情報であるといえ、情報提供予定時刻まで情報の有効性を保っているといえる。したがって、この場合に、情報取得判定部104aは、ニュース情報を現在時刻を情報取得時刻として取得すると判定する。
【0032】
現在時刻を3:00とした場合に、情報取得判定部104aがニュース情報を取得するか否かを判定する処理の具体例を図5を用いて説明する。情報取得判定部104aは、まず、図5(b)に示す情報提供予定テーブルを参照して、ニュース情報の情報提供予定時刻を取得する。ここではニュース情報の情報提供予定時刻として5:00が取得される。
【0033】
次に、情報提供予定時刻(5:00)における自車両の推定位置を算出する。すなわち、上述したように、現在時刻(3:00)から情報提供予定時刻(5:00)までの間の自車両の移動距離を推定し、情報提供予定時刻(5:00)における自車両の到達位置を推定する。その結果、例えば図5(a)に示すように、現在時刻(3:00)における自車両の現在位置が地点5aであるときに、情報提供予定時刻(5:00)における推定位置は地点5bであると算出されたものとする。
【0034】
なお、取得対象情報がニュース情報の場合には、上述したように、いずれの地点においても同一内容のニュース情報が取得できため、ここでは、自車両の推定位置の算出を省略してもよい。
【0035】
そして、図5(c)に示すニュース情報のリアルタイム性制御テーブルを参照して、現在時刻(3:00)を情報取得時刻としたときに、情報提供予定時刻(5:00)までの間にニュース情報が更新されるか否かを判定する。図5(c)に示す例では、現在時刻(3:00)から情報提供予定時刻(5:00)までの間に4:00の更新時刻を挟むことから、現在時刻(3:00)を情報取得時刻としたときに、情報提供予定時刻(5:00)までの間にニュース情報が更新されると判定する。
【0036】
以上より、現在時刻(3:00)を情報取得時刻としたときに、情報提供予定時刻(5:00)までの間にニュース情報の内容が変化することから、情報提供予定時刻(5:00)まで情報の有効性を保てないと判定される。このため、情報取得判定部104aは、ニュース情報を、現在時刻(3:00)を情報取得時刻として取得することができないと判定する。
【0037】
そして、ニュース情報のリアルタイム性制御テーブルを参照して、情報提供予定時刻(5:00)まで情報の有効性が保つことができる情報取得時刻を判定する。その結果、図5(c)に示す例では、情報取得時刻は4:00に情報を取得すれば5:00まで情報の有効性を保つことができる。したがって、情報取得判定部104aは、4:00になったら再度上述した処理を実行し、その時点の現在時刻(4:00)を情報取得時刻としてニュース情報を取得することができると判定する。
【0038】
(C)取得対象情報が交通情報の場合
取得対象情報が交通情報の場合、取得対象となる交通情報は常に自車両位置における最新の情報を使用者に提供することに意味があるため、情報提供予定時刻より前に情報を取得しても意味がない。すなわち情報提供予定時刻より前に取得した情報は、全て情報提供予定時刻まで有効性が保てない。したがって、情報取得判定部104aは、常に情報提供予定時刻を情報取得時刻として交通情報を取得するように、以下のような判定処理を行う。
【0039】
現在時刻を3:00とした場合に、情報取得判定部104aが交通情報を取得するか否かを判定する処理の具体例を図6を用いて説明する。情報取得判定部104aは、まず、図6(b)に示す情報提供予定テーブルを参照して、交通情報の情報提供予定時刻を取得する。ここでは交通情報の情報提供予定時刻として6:00が取得される。
【0040】
次に、情報提供予定時刻(6:00)における自車両の推定位置を算出する。すなわち、上述したように、現在時刻(3:00)から情報提供予定時刻(6:00)までの間の自車両の移動距離を推定し、情報提供予定時刻(6:00)における自車両の到達位置を推定する。その結果、例えば図6(a)に示すように、現在時刻(3:00)における自車両の現在位置が地点6aであるときに、情報提供予定時刻(6:00)における推定位置は地点6bであると算出されたものとする。
【0041】
そして、図6(c)に示す交通情報のリアルタイム性制御テーブルを参照して、現在時刻(3:00)を情報取得時刻としたときに、情報提供予定時刻(6:00)までの間に交通情報の内容が変化するか否かを判定する。図6(c)に示す例では、交通情報はリアルタイム(Real Time)で更新されることから、現在時刻(3:00)を情報取得時刻としたときに、情報提供予定時刻(6:00)までの間にニュース情報が更新されると判定する。
【0042】
以上より、現在時刻(3:00)を情報取得時刻としたときに、情報提供予定時刻(6:00)までの間に交通情報の内容が変化することから、情報提供予定時刻(6:00)まで情報の有効性を保てないと判定される。このため、情報取得判定部104aは、交通情報を、現在時刻(3:00)を情報取得時刻として取得することができないと判定する。
【0043】
そして、交通情報のリアルタイム性制御テーブルを参照して、情報提供予定時刻(6:00)まで情報の有効性を保てるような情報取得時刻を判定する。その結果、図6(c)に示す例では、情報取得時刻はリアルタイムで更新されるため、情報提供予定時刻(6:00)における交通情報の有効性を保つためには、情報提供予定時刻(6:00)を情報取得時刻とする必要があると判定する。そして、情報取得判定部104aは、情報提供予定時刻(6:00)になったら再度上述した処理を実行する。
【0044】
以上(A)〜(C)で上述したように、本来であれば情報提供予定時刻に取得する予定の取得対象情報を、現在時刻に取得しても情報提供予定時刻まで情報の有効性が保てる場合には、現在時刻においてあらかじめ取得対象情報を取得するようにした。これによって、情報提供予定時刻に自車両がトンネル内に進入していたりしていて、通信装置102を介した取得対象情報の取得が困難な場合でも、あらかじめ取得しておいた情報の有効性が保たれた取得対象情報を情報提供予定時刻に使用者に提供することができ、情報提供の漏れや遅延を防止することができる。
【0045】
図7は、本実施の形態における情報取得制御装置100の処理を示すフローチャートである。図7に示す処理は、情報取得制御装置100の電源がオンされることによって起動するプログラムとして、制御装置104によって実行される。
【0046】
ステップS10において、情報取得判定部104aは、テーブル記憶メモリ102に格納された情報提供予定テーブルを参照して、取得対象情報の情報提供予定時刻を取得する。その後、ステップS20へ進み、上述したように、情報提供予定時刻における自車両の推定位置を算出して、ステップS30へ進む。ステップS30では、テーブル記憶メモリ102に格納されたリアルタイム性制御テーブルを読み込んで、ステップS40へ進む。
【0047】
ステップS40では、読み込んだリアルタイム性制御テーブルを参照して、現在時刻を情報取得時刻としたときに、情報提供予定時刻までの間に取得対象情報の内容が変化しないか、すなわち、情報提供予定時刻まで取得対象情報の有効性を保てるか否かを判断する。情報提供予定時刻まで取得対象情報の有効性を保てると判断した場合には、ステップS50へ進み、情報取得制御部104bは、通信装置103を制御して取得対象情報を取得する。その後、ステップS60へ進む。
【0048】
ステップS60では、現在時刻が情報提供予定時刻になったか否かを判断する。現在時刻が情報提供予定時刻になったと判断した場合にはステップS70へ進み、情報提供部104cは、取得済みの取得対象情報をモニタ105に出力する。その後、処理を終了する。
【0049】
これに対して、ステップS40において、情報提供予定時刻まで取得対象情報の有効性を保てないと判断した場合には、ステップS80へ進む。ステップS80では、リアルタイム性制御テーブルを参照して、情報提供予定時刻まで取得対象情報の有効性を保てるような情報取得時刻を判定する。その後、ステップ90へ進み、現在時刻がステップS80で判定した情報取得時刻になったか否かを判断する。現在時刻が情報取得時刻になったと判断した場合には、ステップS10へ戻って処理を繰り返す。
【0050】
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)情報提供予定時刻に取得する予定の取得対象情報を、現在時刻に取得しても情報提供予定時刻まで情報の有効性が保てる場合には、現在時刻においてあらかじめ取得するようにした。これによって、確実に使用する情報のみをあらかじめ取得することができ、情報提供予定時刻まで有効性が保てない無駄な情報の取得を防ぐことができるため、通信効率を向上することができる。
【0051】
(2)情報取得判定部104aは、リアルタイム性制御テーブルを参照して、各情報の時間の有効範囲2aと、地域の有効範囲2bとに基づいて、取得対象情報を現在時刻に取得しても情報提供予定時刻まで情報の有効性が保てるか否かを判定するようにした。これによって、情報提供予定時刻まで情報の有効性が保てるか否かを精度高く判定することができ、必要性の高い情報を確実に取得することができる。
【0052】
(3)情報取得判定部104aは、現在時刻を情報取得時刻として取得対象情報を取得した場合に、情報提供予定時刻まで情報の有効性が保てず、情報を取得することができないと判定した場合には、所定時間後に再度、情報を取得することができるか否かを判定するようにした。これによって、情報を取得することができると判定されるまで、繰り返し判定を行うことができ、最適なタイミングで情報を取得することができる。
【0053】
―変形例―
なお、上述した実施の形態の情報取得制御装置は、以下のように変形することもできる。
(1)上述した実施の形態では、取得対象情報として天気情報、ニュース情報、および交通情報を取得する例について説明したが、これに限定されず、その他の種々の情報も同様に取得することができる。
【0054】
(2)上述した実施の形態では、情報取得判定部104aは、天気情報、ニュース情報、および交通情報を取得するか否かを(A)〜(C)で上述したようにそれぞれ判定し、情報取得制御部104bは、情報取得判定部104aによる判定結果に基づいて、それぞれの情報を取得する例について説明した。しかしこれに限定されず、情報の有効性を保てる期間が長い情報については、他の情報を取得するタイミングで同時に取得するようにしてもよい。例えば、(A)で上述したように、天気情報は6時間おきに1日4回更新されることから、天気情報の有効期間は6時間と他の情報に比べて長い。これは、天気情報を取得するタイミングとしては6時間の猶予時間があることを示しており、この間に他の情報の取得タイミングが重なる場合には、その情報と一緒に天気情報も取得することで、情報取得のための通信頻度を低下することができ、通信効率を向上することができる。
【0055】
(3)上述した実施の形態では、情報取得制御部104bは、情報取得判定部104aによる判定結果に基づいて、それぞれの取得対象情報を取得する例について説明した。しかしこれに限定されず、情報取得判定部104aによって情報を取得できると判定されたときに、通信装置103の通信状態を検出し、通信装置103の通信状態が良い場合にのみ情報を取得するようにしてもよい。もし、情報取得判定部104aによって情報を取得できると判定されたときに、通信装置103の通信状態が悪ければ、情報の取得を一時的に保留し、所定時間後に再度、通信装置103の通信状態を検出して、通信装置103の通信状態が良ければ情報を取得するようにする。これによって、常に通信装置103の通信状態が良いときに情報を取得することができ、通信状態が悪いことに起因する情報の取得漏れなどを防止して、確実に情報を取得することができるようになる。
【0056】
(4)上述した実施の形態では、情報提供予定テーブルには、天気情報の情報提供予定時刻は4:00であり、ニュース情報の情報提供予定時刻は5:00であり、交通情報の情報提供予定時刻は6:00であることを示すデータが格納されている。そして、情報取得判定部104aは、各情報の有効性がこれらの情報提供予定時刻まで保てるか否かを判定して、各情報を取得することができるか否かを判定する例について説明した。しかしこれに限定されず、情報取得判定部104aは、1つの情報について複数の情報提供予定時刻が設定されている場合には、現在時刻からみた次の情報提供予定時刻だけでなく、それ以降の全ての情報提供予定時刻も対象として、データを取得することができるか否かを判定するようにしてもよい。そして、次以降の情報提供予定時刻まで情報の有効性が保てると判断した場合には、情報提供部104cは、現在時刻で取得した情報を有効性が保てる範囲の全ての情報提供予定時刻において提供するようにしてもよい。
【0057】
(5)上述した実施の形態では、情報取得判定部104aは、情報提供予定時刻まで情報の有効性が保てると判定した場合には、情報を取得することができると判定し、情報取得制御部104bは、現在時刻を情報取得時刻として取得対象情報を取得する例について説明した。しかしこれに限定されず、情報取得判定部104aは、情報提供予定時刻における自車位置を推定したときに、その推定自車位置がトンネル内などの取得対象情報の受信が不可能な地点であるか否かを判定し、推定自車位置が取得対象情報の受信が不可能な地点であると判定された場合のみ、情報取得制御部104bは取得対象情報を取得するようにしてもよい。これによって、推定自車位置に到達したときに取得対象情報を受信することができず、情報提供予定時刻に取得対象情報を使用者に提供できなくなることを防止することができる。
【0058】
なお、推定自車位置が取得対象情報の受信が不可能な地点であるかを判定するために、電波環境が悪い地域などを特定するための情報取得不可能地域データをあらかじめ用意しておく必要がある。この情報取得不可能地域データは、例えばナビゲーション装置101が保持する地図データ内に記憶しておくなどして、各車両ごとに保持しておく。また、この情報取得不可能地域データを保持する複数の車両を通信装置103を介して接続されるネットワークで結び、各車両でそれぞれが保持する情報取得不可能地域データを、ネットワークで結ばれた全ての車両で共有するようにしてもよい。
【0059】
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。
【0060】
特許請求の範囲の構成要素と実施の形態との対応関係について説明する。情報取得判定部104aは有効性判定手段に、情報取得制御部104bは情報取得手段、および通信状態判定手段に、情報提供部104cは情報提供手段に相当する。なお、以上の説明はあくまでも一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係に何ら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】情報取得制御装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】リアルタイム性制御テーブルの具体例を示す図である。
【図3】各種特対照情報の情報提供予定時刻の具体例を示す図である。
【図4】天気情報の取得判定処理の具体例を示す図である。
【図5】ニュース情報の取得判定処理の具体例を示す図である。
【図6】交通情報の取得判定処理の具体例を示す図である。
【図7】情報取得制御装置100の処理を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0062】
100 情報取得制御装置
101 ナビゲーション装置
102 テーブル記憶メモリ
103 通信装置
104 制御装置
104a 情報取得判定部
104b 情報取得制御部
104c 情報提供部
105 モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定された提供予定時刻に使用者へ情報を提供するために、前記情報の取得を制御する情報取得制御装置であって、
現在時刻を情報取得時刻として前記情報を取得した場合に、前記提供予定時刻まで前記情報の有効性が保てるか否かを判定する有効性判定手段と、
前記有効性判定手段によって、前記提供予定時刻まで前記情報の有効性が保てると判定された場合に、通信回線を介して前記情報を取得する情報取得手段とを備えることを特徴とする情報取得制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報取得制御装置において、
前記情報取得手段で取得した前記情報を、前記提供予定時刻に使用者へ提供する情報提供手段をさらに備えることを特徴とする情報取得制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報取得制御装置において、
前記有効性判定手段は、前記提供予定時刻、および前記提供予定時刻における情報取得位置が前記情報の有効性が保てる時間範囲、および位置範囲にあるか否かを判定して、前記情報を現在時刻を情報取得時刻として取得した場合に、前記提供予定時刻まで前記情報の有効性が保てるか否かを判定することを特徴とする情報取得制御装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報取得制御装置において、
前記有効性判定手段は、前記情報を現在時刻を情報取得時刻として取得した場合に、前記提供予定時刻まで前記情報の有効性が保てないと判定した場合には、所定時間経過後に再度前記有効性を判定することを特徴とする情報取得制御装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報取得制御装置において、
前記情報は複数種別の情報を含み、
前記情報取得手段は、前記情報の有効性が保てる範囲内で、前記複数種別の情報の少なくとも2つを同時に取得することを特徴とする情報取得制御装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報取得制御装置において、
前記通信回線の通信状態を判定する通信状態判定手段をさらに備え、
前記情報取得手段は、前記情報の有効性が保てる範囲内で、前記通信状態判定手段によって前記通信回線の通信状態が良いと判定されたときに、前記情報を取得することを特徴とする情報取得制御装置。
【請求項7】
設定された提供予定時刻に使用者へ情報を提供するために、前記情報の取得を制御する情報取得制御方法であって、
現在時刻を情報取得時刻として前記情報を取得した場合に、前記提供予定時刻まで前記情報の有効性が保てるか否かを判定し、
前記提供予定時刻まで前記情報の有効性が保てると判定された場合に、通信回線を介して前記情報を取得することを特徴とする情報取得制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−93261(P2007−93261A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−279678(P2005−279678)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】