説明

情報提供システム、情報提供装置、情報提供方法、ならびに、プログラム

【課題】各ユーザへ、より適切なデータを提供することのできる情報提供システム、情報提供装置、情報提供方法、ならびに、プログラムを提供する。
【解決手段】運転者を特定し、予め設定されたユーザと該ユーザ別の嗜好データとを関連付けるユーザ別嗜好テーブルを用いて、そのユーザ別嗜好テーブルにおいて運転者に関連付けられている嗜好データを、サーバにアップリンク(送信)する。そして、サーバから、運転者に関連したデータを受信し、その受信したデータを再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム、情報提供装置、情報提供方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーションシステムのように、動画、静止画、音声、文字情報など様々な種類のコンテンツを配信するサービスが普及している。コンテンツを提供するデータ配信側は、例えば特許文献1に記載されるカーナビゲーションシステム等、データ受信側(カーナビゲーション車載装置側)であるユーザにコンテンツを効率的かつ効果的に提供できるような仕組みを模索している。
【0003】
例えば通信手法の1つであるDSRC(Dedicated Short Range Communication)を利用して、路側に設置されている路側無線装置を経由し、配信サーバから自動車に搭載している車載器に、例えば周辺の店舗等の情報や広告などの地域情報を配信するサービスが考えられている。具体的には、単一の嗜好データ(ユーザの嗜好を示すデータ)を自動車に保持させ、この自動車が所定の区域(DSRC通信エリア)に進入(エリアイン)すると、その嗜好データがその区域に対応した配信サーバ(タウンカーライフサーバ)へ送信(アップリンク)され、嗜好データに対応した地域情報が、配信サーバから自動的に配信されるようなシステムが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−345325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、こうしたシステムでは、車両がカーナビゲーション車載装置一台につき1人に対応した嗜好データしか保持していないため、嗜好の異なる複数人(例えば性別や年代の異なる友人や家族など)でドライブする場合などに、各人に適したデータを提供することが困難である。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、各ユーザへ、より適切なデータを提供することのできる情報提供システム、情報提供装置、情報提供方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
こうした目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る情報提供システムでは、ユーザに情報を提供する情報提供装置と、前記情報提供装置にデータを配信するサーバと、を有する情報提供システムであって、前記情報提供装置は、予め設定されたユーザと該ユーザ別の嗜好データとを関連付ける嗜好関連付け手段と、前記ユーザ別の嗜好データを記憶する第1記憶手段と、所定の条件に合ったユーザを特定するユーザ特定手段と、前記嗜好関連付け手段において前記ユーザ特定手段により特定されたユーザに関連付けられている嗜好データを、前記第1記憶手段から前記サーバへ送信する嗜好データ送信手段と、を備え、前記サーバは、データを記憶する第2記憶手段と、前記嗜好データ送信手段により送信された嗜好データを受信する嗜好データ受信手段と、前記嗜好データ受信手段により受信した嗜好データに基づいて、前記第2記憶手段に記憶されたデータの中から、前記情報提供装置に送信するデータを選択する選択手段と、前記選択手段により選択されたデータを前記情報提供装置に送信するデータ送信手段と、を備える、ことを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の観点に係る情報提供システムでは、ユーザに情報を提供する情報提供装置と、前記情報提供装置にデータを配信するサーバと、を有する情報提供システムであって、前記情報提供装置は、前記サーバから受信したデータを記憶する第1記憶手段と、
予め設定されたユーザと該ユーザ別の嗜好データとを関連付ける嗜好関連付け手段と、
前記ユーザ別の嗜好データを記憶する第2記憶手段と、所定の条件に合ったユーザを特定するユーザ特定手段と、前記嗜好関連付け手段において前記ユーザ特定手段により特定されたユーザに関連付けられている前記第2記憶手段内の嗜好データに基づいて、前記第1記憶手段に記憶されたデータから、前記ユーザ特定手段により特定されたユーザの嗜好に対応したデータを抽出する抽出手段と、を備える、ことを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の観点に係る情報提供装置では、予め設定されたユーザと該ユーザ別の嗜好データとを関連付ける嗜好関連付け手段と、前記ユーザ別の嗜好データを記憶する嗜好データ記憶手段と、所定の条件に合ったユーザを特定するユーザ特定手段と、前記嗜好関連付け手段において前記ユーザ特定手段により特定されたユーザに関連付けられている前記嗜好データ記憶手段内の嗜好データを選択する嗜好データ選択手段と、前記嗜好データ選択手段により選択された嗜好データに基づいて、前記ユーザ特定手段により特定されたユーザの嗜好に対応したデータを選択的に取得するユーザ別データ取得手段と、前記ユーザ別データ取得手段により取得されたデータをユーザに提供するデータ提供手段と、を備える、ことを特徴とする。
【0010】
前記情報提供装置は、サーバからデータを受信してユーザに情報を提供するものであり、前記ユーザ別データ取得手段は、前記嗜好データ選択手段により選択された嗜好データを、前記嗜好データ記憶手段から読み出して前記サーバへ送信し、該サーバから、前記ユーザ特定手段により特定されたユーザの嗜好に対応したデータを受信するものである、構成としてもよい。
【0011】
前記情報提供装置は、サーバからデータを受信してユーザに情報を提供するものであり、前記サーバから受信したデータを記憶するサーバデータ記憶手段を備え、前記ユーザ別データ取得手段は、前記嗜好データ選択手段により選択された嗜好データに基づいて、前記サーバデータ記憶手段に記憶されたデータから、前記ユーザ特定手段により特定されたユーザの嗜好に対応したデータを抽出するものである、構成としてもよい。
【0012】
前記情報提供装置は、自動車に搭載されるものであり、前記ユーザ特定手段は、前記自動車を運転している人物を特定するものである、構成としてもよい。
【0013】
前記ユーザ特定手段は、前記自動車の車内で再生されている楽曲に基づいて、前記自動車を運転している人物を特定するものである、構成としてもよい。
【0014】
前記ユーザ特定手段は、身体的な特徴に基づいて、前記自動車を運転している人物を特定するものである、構成としてもよい。
【0015】
前記ユーザ特定手段は、前記自動車の運転座席にかかる荷重に基づいて、前記自動車を運転している人物を特定するものである、構成としてもよい。
【0016】
前記ユーザ特定手段は、運転方法の特徴に基づいて、前記自動車を運転している人物を特定するものである、構成としてもよい。
【0017】
前記ユーザ特定手段は、手動操作に基づくユーザからの報知に基づいて、前記自動車を運転している人物を特定するものである、構成としてもよい。
【0018】
本発明の第4の観点に係る情報提供方法では、サーバからデータを受信してユーザに情報を提供する方法であって、所定の条件に合ったユーザを特定する第1ステップと、予め設定されたユーザと該ユーザ別の嗜好データとを関連付ける嗜好関連付け手段を用いて、該嗜好関連付け手段において前記第1ステップにより特定されたユーザに関連付けられている嗜好データを選択する第2ステップと、前記第2ステップにより選択された嗜好データを、前記サーバへ送信する第3ステップと、前記サーバから、前記第1ステップにより特定されたユーザの嗜好に対応したデータを受信する第4ステップと、を備える、ことを特徴とする。
【0019】
本発明の第5の観点に係るプログラムでは、コンピュータを、所定の条件に合ったユーザを特定するユーザ特定手段、前記嗜好関連付け手段において前記ユーザ特定手段により特定されたユーザに関連付けられている嗜好データを選択する嗜好データ選択手段、前記嗜好データ選択手段により選択された嗜好データに基づいて、前記ユーザ特定手段により特定されたユーザの嗜好に対応したデータを選択的に取得するユーザ別データ取得手段、前記ユーザ別データ取得手段により取得されたデータをユーザに提供するデータ提供手段、として機能させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、各ユーザへ、より適切なデータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】情報提供システムの全体構成を説明するための図である。
【図2】配信サーバの構成を説明するための図である。
【図3】路側無線装置の構成を説明するための図である。
【図4】車載器の構成を説明するための図である。
【図5】配信されるディジタルデータの概要構成を示す図である。
【図6】事業者情報の構成を示す図である。
【図7】コンテンツ情報の構成を示す図である。
【図8】再生条件情報の構成を示す図である。
【図9】有効期限情報の構成を示す図である。
【図10】提供時間情報の構成を示す図である。
【図11】対象地点情報の構成を示す図である。
【図12】情報提供地点情報の構成を示す図である。
【図13】遷移情報の構成を示す図である。
【図14】詳細情報の構成を示す図である。
【図15】駐車場情報の構成を示す図である。
【図16】運転支援情報の構成を示す図である。
【図17】嗜好情報の構成を示す図である。
【図18】構成ID情報の構成を示す図である。
【図19】(a)と(b)は、ポップアップ表示される画面の構成例である。
【図20】(a)〜(c)は、画面遷移の例を示す図である。
【図21】(a)と(b)は、画面遷移の例を示す図である。
【図22】(a)と(b)は、画面遷移の例を示す図である。
【図23】嗜好データを設定する画面の構成例である。
【図24】車載器と配信サーバとのデータ通信の一例の概要を示す図である。
【図25】車載器と配信サーバとのデータ通信の一例に係る処理を説明するためのフローチャートである。
【図26】車載器における嗜好データのアップリンク処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図27】車載器と配信サーバとのデータ通信の一例に係る処理を説明するためのフローチャートである。
【図28】車載器におけるコンテンツデータ抽出処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係る情報提供システムを、ITS(Intelligent Transport Systems)を例に説明する。
【0023】
(実施形態1)
図1に示すように、ITSは、道路、駐車場などの車両が通行する場所の近傍に配置された路側無線装置100と、交通情報や広告などの種々の内容のディジタルデータ150を生成して路側無線装置100に供給する配信サーバ300と、車両に搭載され、路側無線装置100との間で通信してユーザ(車両の乗車者)に交通情報や広告等を提供する車載器200と、を備える。車載器200と路側無線装置100との間の通信方法は、例えば、プッシュ配信において一般的に用いられるDSRC(Dedicated Short Range Communication)である。
【0024】
図2に示すように、配信サーバ300は、入力部301、出力部302、第1の通信制御部303、第2の通信制御部304、記憶装置305、制御部306、ROM(Read Only Memory)307、RAM(Random Access Memory)308、システムバス309を備える。
【0025】
入力部301は、キーボード、マウス、入力インタフェース等を備え、サーバ管理者からの指示入力や種々のデータの入力等を受け付けて制御部306に入力する。
【0026】
出力部302は、表示装置などから構成され、画像データやメッセージデータなどを表示する。
【0027】
第1の通信制御部303は、電話回線、インターネット等の一般通信網NW1を介して外部装置と交信し、種々の情報を送受信する。
【0028】
第2の通信制御部304は、ITS通信網NW2を介して各路側無線装置100に接続され、路側無線装置100に交通情報や広告などのディジタルデータ150を送信する。また、第2の通信制御部304は、各路側無線装置100が車載器200との交信などにより得た情報を、ITS通信網NW2を介して受信する。例えば、第2の通信制御部304が車載器200から受信した情報は、交通情報等を生成するために用いられる。
【0029】
記憶装置305は、ハードディスク装置等を備え、受信した交通情報や広告などを示す画像データ、音声データ、テキストデータ等を格納する。また、記憶装置305は、各路側無線装置100の位置やアドレスの他、各路側無線装置100の近傍の地理情報を記憶する。
【0030】
制御部306は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、配信サーバ300全体の動作を制御する。また、制御部306は、記憶装置305に格納されている各種情報に基づいて、各路側無線装置100に配信するディジタルデータ150を作成し、第2の通信制御部304を制御してITS通信網NW2を介して各路側無線装置100に配信する。尚、制御部306が配信するディジタルデータ150の構成の詳細については後述する。
【0031】
ROM307は、配信サーバ300全体の動作制御に必要なオペレーティングシステム(OS)やプログラム等を記憶する。
【0032】
RAM308は、制御部306のワークエリアとして機能する。
【0033】
システムバス309は、上記各部の間で命令やデータを転送するための伝送経路である。
【0034】
次に、路側無線装置100の構成について説明する。路側無線装置100は、典型的には道路上や駐車場等に設置されるDSRCの電波ビーコン、光ビーコン等の送受信機を備える。路側無線装置100は、DSRC方式を用いて交通情報や広告などのディジタルデータ150を周囲に発信する。路側無線装置100は、ユーザが情報を引き出す(プル)のではなく、ユーザが操作しなくてもコンテンツ提供側から自動的に情報をクライアントに送る、いわゆるプッシュ配信によって情報を配信する。路側無線装置100は、配信対象のディジタルデータ150を配信サーバ300から受信して記憶し、無線送信する。路側無線装置100の近くを通過する車両の車載器200は、路側無線装置100からこのディジタルデータ150を受信する。
【0035】
配信されるディジタルデータ150には、例えば交通情報や広告などのほか、ディジタルデータ150を再生するための条件(例えばディジタルデータの再生を開始する地理的な位置)を指示するためのデータなどを含めることができる。詳細は後述する。
【0036】
図3に示すように、路側無線装置100は、無線通信部101、通信制御部102、記憶装置103、制御部104、ROM105、RAM106、システムバス107を備える。
【0037】
無線通信部101は、電波信号、光信号等の無線信号により路側無線装置100の近傍を通過する車両に設置された車載器200との間で情報を交信する。例えば、無線通信部101は、配信サーバ300から提供された交通情報や広告などのディジタルデータ150を車載器200に送信する。また、無線通信部101は、車載器200から送信されてくる車両ID等の情報を受信する。
【0038】
通信制御部102は、ITS通信網NW2を介して配信サーバ300に接続され、配信サーバ300から送信される交通情報や広告などのディジタルデータ150を受信して記憶装置103に格納する。また、車載器200から取得した情報を配信サーバ300に送信する。
【0039】
記憶装置103は、配信サーバ300から受信した交通情報や広告などのディジタルデータ150を格納する。
【0040】
制御部104は、CPU等から構成され、路側無線装置100全体の動作を制御する。例えば、制御部104は、記憶装置103に格納されているディジタルデータ150を、無線通信部101を制御して車載器200にプッシュ配信する。制御部104は、無線通信部101により車載器200から取得した情報を記憶装置103に格納する。また、制御部104は、トラフィックカウンター(図示せず)などを用いて路側無線装置100周辺の交通情報を生成して記憶装置103に格納し、ITS通信網NW2を介して配信サーバ300に送信することもできる。
【0041】
ROM105は、路側無線装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステム(OS)、プログラム、各種のデータを記憶する。
【0042】
RAM106は、制御部104のワークエリアとして機能する。
【0043】
システムバス107は、上記各部の間で命令やデータを転送するための伝送経路である。
【0044】
次に、車載器200の構成について説明する。車載器200は典型的には自動車の中に設置される。本実施形態では、車載器200は、一般的なカーナビゲーション装置と一体に構成され、カーナビゲーションの機能と、路側無線装置100からプッシュ配信されたディジタルデータ150を再生する機能とを備える。ただし、カーナビゲーションの機能を備えない実施形態を採用することもできる。
【0045】
車載器200は、自己の位置を判別し、また、路側無線装置100からプッシュ配信されるディジタルデータ150を受信する。例えば、車載器200は、測定された自己の位置と、受信したディジタルデータ150毎に指定される地理的な位置(再生開始位置)とが一致すると、ディジタルデータ150を再生することができるが、詳細は後述する。なお、ここで言う一致とは、位置の誤差が所定範囲内に収まっている状態も含む。
【0046】
図4に示すように、車載器200は、通信部201、音声処理部202、出力部203、操作部204、I/O(Input/Output)装置205、記憶装置206、制御部207、ROM208、RAM209、システムバス210を備える。
【0047】
通信部201は、GPS(Global Positioning System)モジュール201a、DSRC(Dedicated Short Range Communication)モジュール201bを含む。
【0048】
GPSモジュール201aは、複数のGPS衛星からのGPS電波を受信し、制御部207に供給する。制御部207は、GPSモジュール201aを制御して、車載器200の現在位置を取得できる。位置は、例えば緯度と経度を用いて表現される。
【0049】
DSRCモジュール201bは、DSRC方式により路側無線装置100と通信する。路側無線装置100を介して配信サーバ300から車載器200にデータを送信することを“ダウンリンク”と呼び、路側無線装置100を介して車載器200から配信サーバ300にデータを送信することを“アップリンク”と呼ぶ。
【0050】
音声処理部202は、制御部207から入力されたディジタルオーディオ信号をD/Aコンバータ(図示せず)でアナログオーディオ信号に変換して、スピーカ222に出力する。また、音声処理部202は、マイクロフォン223から入力された音声をA/Dコンバータ(図示せず)でディジタルオーディオ信号に変換して、制御部207に入力する。制御部207に入力されたディジタルオーディオ信号は公知の音声認識技術により音声認識処理が行われる。これにより、ユーザはナビゲーション音声を聞いたり、ナビゲーションに対し音声を入力することにより所定の指示を行なったりすることができる。
【0051】
出力部203は、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニタを備え、通信部201により取得されたディジタルデータ150の再生画像、ナビゲーション画像、テレビ画像、記憶装置206等に予め記憶されたマップ画像などを表示する。
【0052】
操作部204は、タッチパネル式入力装置などから構成され、ユーザによる指示入力に基づいて指示入力信号を生成して、制御部207に入力する。
【0053】
I/O装置205は、DVD−ROM(Digital Versatile Disk-Read Only Memory)ドライブを含み、所定の地図情報(マップデータ)などを納めたDVD−ROMやCD−ROMからデータを読み出して制御部207に入力する。また、I/O装置205は、速度センサ、走行距離センサ、方向センサ、ブレーキセンサ等のセンサ群225の検出信号を取得し、制御部207に供給する。
【0054】
記憶装置206は、ハードディスクドライブ(HDD)を備え、所定の地図情報、各種設定情報、受信したディジタルデータ150などを記憶する。なお、記憶装置206は、メモリカードなどの他のメモリを備えていてもよい。制御部207は、地図情報を記憶したDVD−ROM等の記憶媒体から随時この地図情報を読み出してもよいし、記録媒体から予めこの地図情報を読み出して記憶装置206に書き込んでおく(インストールしておく)ようにしてもよい。本実施形態では、予め設定されたユーザ(例えば性別や年代の異なる友人や家族などを任意に設定可能)と該ユーザ別の嗜好データとを関連付けるユーザ別嗜好テーブル(嗜好関連付け手段)が、それら各ユーザの嗜好データと共に、記憶装置206に格納されている(詳しくは後述)。さらに、嗜好データがユーザによって設定されたときに用いた分類コード体系のバージョンも、記憶装置206に格納されている。
【0055】
制御部207は、CPU等から構成され、車載器200全体の動作を制御する。なお、制御部207は、コプロセッサ等を備えても良い。
【0056】
具体的には、制御部207は、例えばGPSモジュール201aを介して受信したGPS信号に基づいて、車載器200(自車)の現在位置を判別する。また、制御部207は、センサ群225に含まれている方向センサの出力をI/O装置205を介して取り込み、現在の自車の進行方向を判別する。また、制御部207は、距離センサの出力から、自車の走行距離を求める。また、制御部207は、DSRCモジュール201bを介して路側無線装置100から交通情報や広告などのディジタルデータ150を受信し、受信したディジタルデータ150に含まれている再生開始条件を指定するデータに基づいて再生する。
【0057】
さらに、制御部207は、例えばセンサ群225の検出信号等に基づいて、その都度の運転者(車載器200が搭載された自動車を運転している人物)を特定する。具体的には、例えば運転座席に設けられた荷重センサにより、運転座席にかかる荷重を検出し、その荷重の大きさに基づいて、運転中の人物が、記憶装置206に格納されているユーザ別嗜好テーブルに登録されたユーザのいずれであるか又はいずれでもないかを判別することができる。あるいは、車内で再生されている楽曲に基づいて、運転中の人物が、ユーザ別嗜好テーブルに登録されたユーザのいずれであるか又はいずれでもないかを判別するようにしてもよい。通常、年代や性別などにより好みの楽曲が異なるため、ユーザ別の嗜好を、例えばユーザ別嗜好テーブルに予め設定しておくことで、再生中の楽曲に基づいてユーザを特定することが可能になる。あるいは、運転方法の特徴に基づいて、運転中の人物が、ユーザ別嗜好テーブルに登録されたユーザのいずれであるか又はいずれでもないかを判別するようにしてもよい。通常、運転者の性格や癖が運転方法に現れるため、ユーザ別の特徴を、例えばユーザ別嗜好テーブルに予め設定しておくことで、運転方法に基づいてユーザを特定することが可能になる。なお、運転方法の特徴は、例えば運転操作(例えばアクセル操作やブレーキ操作など)の履歴を随時記録し、解析することで、抽出することができる。さらに、あえて運転者を検出せずに、ユーザ自身に報知してもらうように構成してもよい。例えばユーザが操作可能な任意の入力装置(又は選択装置)を車内に設け、ユーザ(運転者自身に限定されず助手席の人物等も含む)の手動操作により入力(又は選択)された人物を、運転者として特定するようにしてもよい。そして、ユーザ操作に関する構成としては、例えばカーナビゲーション装置のタッチパネル画面の所定の場所(ユーザ別に設定)をユーザが触れることで、あるいは操作部204により画面に運転者の氏名を入力することで、あるいはユーザ別に用意された複数のスイッチのいずれかをユーザが操作することで、制御部207へ、そのユーザを示す信号が送信される構成などが有効である。なお、体重以外の身体的な特徴によっても、運転者を特定することができる。例えば脚の長さや座高(例えば運転座席の前後位置や背もたれの角度等により検出)、あるいはハンドルを持つ手の大きさや指紋(例えば適宜のセンサにより検出)、さらには音声識別や眼紋認証などに基づいて、運転者を特定するようにしてもよい。もっとも、運転者を特定する方法は、これらの方法に限られず、任意の方法を採用することができる。
【0058】
ROM208は、車載器200全体の動作制御に必要なオペレーティングシステム(OS)、プログラム、各種のデータが記録される。
【0059】
RAM209は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、通信部201が受信したディジタルデータ150、DVD−ROMから読み出したデータ等が保持される。また、制御部207は、RAM209をワークメモリとして使用する。
【0060】
システムバス210は、上記各部を相互に接続し、命令やデータを転送するための伝送経路である。
【0061】
次に、路側無線装置100を介して配信サーバ300から車載器200に配信されるディジタルデータ150の構成の詳細について説明する。
【0062】
図5は、配信されるディジタルデータ150の全体の概要を表す図である。ディジタルデータ150は、図6に示す事業者情報501、図7に示すコンテンツ情報502、図8に示す再生条件情報503、図9に示す有効期限情報504、図10に示す提供時間情報505、図11に示す対象地点情報506、図12に示す情報提供地点情報507、図13に示す遷移情報508、図14に示す詳細情報509、図15に示す駐車場情報510、図16に示す運転支援情報511、図17に示す嗜好情報512、図18に示す構成ID情報500、及び、拡張用予備領域513、の各項目を含む。各項目には固有のIDが予め割り当てられている。1つのディジタルデータ150は、これらの情報の一部又は全部を格納する1つの“情報グループ”とも言える。
【0063】
1つのディジタルデータ150には上記各項目の全部又は一部が含まれる。つまり、配信されるディジタルデータ150は必ずしも上記各項目のすべてを含まなくてもよく、ディジタルデータ150の使用目的に応じて上記各項目のうちいずれかを含むように構成すればよい。例えば、ディジタルデータ150の内容が店舗の広告であって、その店舗が駐車場を有しているかあるいは付近に利用可能な駐車場があるのであれば、駐車場情報510を含んでいることが望ましい。しかし、店舗とは無関係の駐車場内速度案内などであれば、駐車場情報510を含む必要はない。ディジタルデータ150の提供側(作成者側)は、ディジタルデータ150の使用目的に応じて、どの項目にどのような情報を格納すべきかを考慮してディジタルデータ150を作成すればよい。
【0064】
次に、上記項目のそれぞれに格納される情報内容について詳しく説明する。
【0065】
まず、事業者情報501について説明する。図6は、事業者情報501に格納される情報の詳細を示す図である。
【0066】
サービス事業者コード601は、当該ディジタルデータに係るサービス事業者を特定するための情報であり、必ず格納しなければならない情報である。典型的には、DSRCの運用を管理する機関が、サービス事業者毎にユニークに割り当てている。ここで言うサービス事業者とは、広告主等から受託し制作したディジタルコンテンツを、契約したユーザにDSRCにより配信する一連のサービスを行う業者のことである。
【0067】
サービス事業者コード601は、すべてのディジタルデータ150に格納される。
【0068】
車載器200側は、サービス事業者コード601を、いわゆるスパム対策のために用いることもできる。具体的には、不正なサービス事業者コード601が付与されたディジタルデータ150や、サービス事業者コード601が付与されていないディジタルデータ150、あるいは、ユーザが契約していないサービス事業者に対応するサービス事業者コード601が付与されているディジタルデータ150などを通信部201が受信した場合、制御部207は、受信したディジタルデータ150を破棄したり、記憶装置206内の所定の迷惑データ保存領域(図示せず)に保存したりしてもよい。
【0069】
また、車載器200側は、受信したディジタルデータ150に所定のサービス事業者コード601が付与されているか否かによって、受信したディジタルデータ150に対する応答を送信する(あるいは送信しない)ようにしてもよい。具体的には、車載器200の記憶装置206には、ユーザが予め契約を交わしたサービス事業者に割り当てられたサービス事業者コード601を示す情報が格納され、この格納された情報が示すサービス事業者コード601と同じサービス事業者コード601が付与されたディジタルデータ150を通信部201が受信すると、制御部207は、正常に受信したことを示す応答として、通信部201に所定のアップリンク情報を路側無線装置100へ送信させてもよい。
【0070】
サービス事業者表示用文字列602は、サービス事業者名をモニタに表示してユーザに通知するために用いられるテキストデータである。文字数は、モニタに表示する際、改行せず1行で表示できる程度(例えば全角20文字程度)であることが望ましい。
【0071】
サービス事業者表音文字列603は、サービス事業者名を音声でスピーカに出力してユーザに通知するために用いられる音声データである。サービス事業者表音文字列603は、公知のTTS(Text-to-Speech)システムを用いて音声合成するための所定のフォーマットで作成され、例えば母音、子音、発音記号、イントネーション、抑揚などを指定する情報を含む。
【0072】
次に、コンテンツ情報502の詳細について、図7を用いて説明する。
【0073】
情報提供企業コード701は、1つ以上のディジタルデータ150から構成されるディジタルコンテンツの提供元(スポンサー)を示すコードである。典型的には、情報提供企業コード701は、サービス事業者によって情報提供企業ごとに予め割り当てられる。例えば車載器200の制御部207は、受信したディジタルデータ150に含まれる情報提供企業コード701を用いて、ユーザの所望のデータの検索、並び替え、削除等を行うことができる。情報提供企業コード701を割り当てる単位は「企業」に限られず、ディジタルコンテンツを提供する任意の団体、法人、個人を単位にしてもよい。
【0074】
情報提供企業表示テキスト702は、ディジタルコンテンツの提供元をモニタに表示してユーザに通知するために用いられるテキストデータである。文字数は、モニタに表示する際、改行せず1行で表示できる程度であることが望ましい。
【0075】
情報提供企業表音文字列703は、ディジタルコンテンツの提供元を音声でスピーカに出力してユーザに通知するために用いられる音声データである。情報提供企業表音文字列703は、サービス事業者表音文字列603と同様に、TTSシステムを用いて音声合成するための所定のフォーマットで作成される。
【0076】
情報コード704は、サービス事業者によって、配信するディジタルデータ150毎にユニークに割り当てられる識別符号である。識別符号は、例えば数字、文字、記号などを用いて表される。情報内容について、同一視できる範囲で更新した場合には、更新前と更新後のディジタルデータ150には、同じ識別符号が割り当てられることが望ましい。この場合、例えば、拡張用予備領域513あるいは詳細情報509にディジタルデータ150のバージョン情報を格納することとし、更新前後で同じ情報コード704を付与し、更新前後で異なるバージョン番号を付与するようにしてもよい。
【0077】
車載器200の制御部207は、受信したディジタルデータ150の情報コード704(識別符号)に基づいて、当該ディジタルデータ150を保存するメモリ領域を決定する。具体的には、制御部207は、受信したディジタルデータ150からサービス事業者コード601と、情報コード704(識別符号)とを読み出し、これらと一致するディジタルデータ150が記憶装置206に保存されているか否かをチェックする。その結果、該当するディジタルデータ150が保存されている場合(即ち、同じサービス事業者によって同じ識別符号が割り当てられたディジタルデータ150が存在する場合)、制御部207は、同じメモリ領域に新たに受信したディジタルデータ150を格納する(つまり、データを上書きする)。一方、該当するディジタルデータ150が保存されていない場合、制御部207は、記憶装置206の別のメモリ領域に新たに受信したディジタルデータ150を格納する。
【0078】
情報表示テキスト705は、ディジタルコンテンツ名をモニタに表示してユーザに通知するために用いられるテキストデータである。テキストの文字数は、モニタに表示する際、改行せず1行で表示できる程度であることが望ましい。典型的には、情報表示テキスト705はディジタルデータ150の表題(タイトル)である。ユーザは、モニタに表示される情報表示テキスト705を見て、所望のディジタルデータ150を車載器200に検索、並び替え、保存、削除等を指示することができる。
【0079】
情報表音文字列706は、ディジタルコンテンツ名を音声でスピーカに出力してユーザに通知するために用いられる音声データである。情報表音文字列706は、情報提供企業表音文字列703と同様に、TTSシステムを用いて音声合成するための所定のフォーマットで作成される。
【0080】
嗜好データカテゴリ707は、ディジタルデータ150を所定の分類方法でカテゴリ分けするために用いられる情報である。本実施形態では、1つのディジタルデータ150を複数のカテゴリに分類することができる。例えば、ディジタルコンテンツが“持ち帰り可能な和食レストラン”の広告である場合、そのディジタルコンテンツを構成するディジタルデータ150を、第1のカテゴリ“レストラン”、及び、第2のカテゴリ“テイクアウト”、といったように複数のカテゴリに分類してもよい。また、上位の主カテゴリ“レストラン”、及び、下位の副カテゴリ“和食”、といったようにツリー構造をもつ分類の仕方でもよい。本実施形態では、嗜好データカテゴリ707は96ビットのデータ領域から構成され、1つのカテゴリにつき1ビットが対応し、各ビットのON/OFFを設定することにより96種類のカテゴリ分けを行うことができる。ただし、このカテゴリ数は例示に過ぎず、任意の種類に分けてもよいことは言うまでもない。
【0081】
例えば車載器200の制御部207は、受信したディジタルデータ150に含まれる嗜好データカテゴリ707を用いて、ユーザの所望のデータの検索、並び替え、削除等を行うことができる。例えば、制御部207は、記憶装置206に記憶されたディジタルデータ150の嗜好データカテゴリ707と、ユーザが予め設定した嗜好データ(ユーザの嗜好を示すデータ)とを比較して、ユーザの嗜好に適合しないカテゴリに分類されるディジタルデータ150を記憶装置206から削除することができる。
【0082】
次に、再生条件情報503の詳細について、図8を用いて説明する。
【0083】
表示/保存コード801は、受信したディジタルデータ150を、車載器200が下記パターンA又はパターンBのどちらの手法で扱うべきかを示す情報である。
(パターンA)ディジタルデータ150を、DSRC通信エリア外でもユーザが利用可能なディジタルコンテンツとして、記憶装置206に記憶する。
(パターンB)ディジタルデータ150を、受信後、直ちに再生する。
【0084】
制御部207は、上記パターンAを採用する場合、受信したディジタルデータ150を再生しないで記憶装置206に保存しておき、ユーザから再生を開始する指示があると再生する。ただし、上記パターンBを採用する場合にも、再生後、ディジタルデータ150を記憶装置206に記憶するようにしてもよい。
【0085】
再生条件コード802は、受信したディジタルデータ150の情報提供地点情報507で指定される情報提供エリア内において、車載器200がカーナビゲーションシステムによる道案内等を行っている最中であるためディジタルデータ150を再生できない(あるいは再生するに相応しくない)場合の挙動を規定する情報である。例えば、「ディジタルデータ150を受信したとき、カーナビゲーションシステムによる道案内画面と音声の再生中であったり、交差点のすぐ近くを走行中であるためディジタルデータ150を再生するに相応しくないタイミングであると推定されたりした場合の挙動を示すフラグが格納される。再生条件コード802は、情報提供地点情報507で中心と半径が指定される情報提供エリア内でカーナビゲーションシステムによる道案内等を行っている等の理由でディジタルデータ150を再生できなかったとき、すなわちその道案内が終了した時点ではすでに情報提供エリアから出てしまっていたときに、そのディジタルデータ150の再生を行うか否かを指定する。
【0086】
次に、有効期限情報504の詳細について、図9を用いて説明する。
【0087】
ここで言う有効期限とは、車載器200がディジタルデータ150を再生することが許可される期間を指す。例えば、制御部207は、有効期限の切れたディジタルデータ150が記憶装置206に格納されていても再生しないようにすることができる。ただし、制御部207は、設定された有効期限に関わらず、ディジタルデータ150を再生してもよい。
【0088】
開始日時901は、ディジタルデータ150の有効期限の開始日時である。終了日時902は、ディジタルデータ150の有効期限の終了日時である。
【0089】
例えば開始日時901と終了日時902は、年、月、日、時、分、秒、を単位として設定される。
【0090】
開始日時901で指定される日時から終了日時902で指定される日時までが、ディジタルデータ150の有効期間である。つまり、ユーザは、ディジタルコンテンツを、この有効期間内においてのみ、閲覧可能である。制御部207は、現在日時が有効期間内であればディジタルデータ150を再生してもよいが、有効期間外であれば再生しない。なお、後述するように、制御部207は、現在ディジタルデータ150の有効期間内であって、且つ、予め決められた再生開始条件を満たす場合に、ディジタルデータ150を再生する。
【0091】
ただし、ディジタルコンテンツの中には、一旦車載器200が受信すると特に有効期限を定めずにユーザによる閲覧を可能とするものがあってもよい。この場合には、開始日時901と終了日時902のデータ領域にNULL値を予め設定したり、有効期限が定められていないことを示す所定値を予め設定したりすればよい。
【0092】
制御部207は、記憶装置206に記憶されたディジタルデータ150の有効期限情報504をチェックする。そして、制御部207は、現在日時が有効期間を過ぎている場合、言い換えれば、現在日時が有効期間外であって終了日時より後である場合には、このディジタルデータ150を削除することが望ましい。ただし、制御部207は、現在日時が有効期間外であって開始日時より前である場合には、このディジタルデータ150を削除しないことが望ましい。
【0093】
次に、提供時間情報505の詳細について、図10を用いて説明する。
【0094】
営業時間1001は、情報提供企業コード701で示される提供元が、予め営業時間を定めている店舗等である場合、その店舗等が営業しておりユーザにサービスを提供可能な時間帯を示す情報である。
【0095】
本実施形態では、営業時間1001は、各曜日について、1時間単位で管理される。例えば、曜日毎に、0:00〜0:59、1:00〜1:59、…等の時間帯にそれぞれ1ビットを割り当て、ビットのON/OFFで営業時間内か営業時間外かを表現する。各時間帯の決め方は任意であり、15分毎、30分毎などに時間帯を区切ってそれぞれビットを割り当てるようにしてもよい。
【0096】
なお、営業時間1001は、上述の有効期限情報504における開始日時901と終了日時902と同様に、営業開始時間と営業終了時間を、例えば時、分、秒を単位として記述する形式であってもよい。
【0097】
制御部207は、ディジタルデータ150ごとに予め定義される再生開始条件を満たすと判別した場合であって、現在日時が営業時間1001で指定される日時に含まれる場合に、例えば後述する情報提供地点情報507に格納されるポップアップ用画像データ1205を再生してポップアップ表示させ、そうでない場合に再生しない(ポップアップ表示しない)。なお、ユーザから再生する旨の指示があった場合であって、現在日時が営業時間1001で指定される日時に含まれる場合に、例えば後述する対象地点情報506に格納されるメイン画像データ1104を再生して表示させ、そうでない場合に再生しない(表示しない)ようにすることもできる。なお、メイン画像データ1104については、現在日時が営業時間1001で指定される日時に含まれない場合でも再生してもよい。
【0098】
情報提供時間1002は、ディジタルデータ150を再生してもよい時間帯を示す情報である。情報提供時間1002は、ディジタルコンテンツが、例えば提供元が午前中にのみ提供したいと希望する情報や、ランチタイムにのみ提供したいと希望する情報を含む場合などに設定される。
【0099】
本実施形態では、情報提供時間1002は、営業時間1001と同様に、各曜日について、1時間単位で管理され、各時間帯にそれぞれ1ビットを割り当ててビットのON/OFFで提供時間内か提供時間外かを表現する。
【0100】
例えば、広告主は、第1の時間帯(ランチタイムなど)を情報提供時間1002に設定した第1のディジタルデータと、第2の時間帯(ディナータイムなど)を情報提供時間1002に設定した第2のディジタルデータと、から構成されるディジタルコンテンツをサービス事業者に配信してもらう。このディジタルコンテンツを受信した車載器200の制御部207は、現在時刻が第1の時間帯に含まれれば第1のディジタルデータの情報提供地点情報507に含まれるデータを再生し、現在時刻が第2の時間帯に含まれれば第2のディジタルデータの情報提供地点情報507に含まれるデータを再生する。このようにすれば、車載器200は、現在時刻に相応しい情報がどれかを逐次推測してユーザに提供することができる。
【0101】
次に、対象地点情報506の詳細について、図11を用いて説明する。
【0102】
対象地点とは、典型的には、ユーザに商品・役務を提供する者であって事業者情報501に規定されるサービス事業者以外の者(以下「ショップ」と呼ぶ)が、ユーザに商品・役務を提供する所定の場所のことである。ショップが店舗を構えている場合、店舗の場所を指す。ただし、対象地点として任意の地点を設定することができる。
【0103】
対象地点情報506には、文字データ、画像データ、音声データが含まれる。文字データには、対象地点表示テキスト1102と表示用文字データ1103がある。画像データには、静止画像データとしてメイン画像データ1104とアイコン画像データ1111が、動画像としてビデオデータ1108がある。音声データには、TTS言語データ1105と圧縮音声データ1106がある。
【0104】
対象地点情報506に含めることができる静止画像には、ユーザによる再生開始の指示があった場合に再生されるメイン画像と、ユーザによる再生開始の指示に関わらず地図などと共にナビゲーション画面に簡易表示されるアイコン画像とがある。
【0105】
対象地点座標1101は、ショップの場所を緯度・経度で表した情報である。対象地点座標1101には、緯度・経度を日本測地系と世界測地系のどちらで表現するかを指定する測地系識別フラグも含まれる。車載器200の制御部207は、対象地点座標1101に緯度・経度が設定されたディジタルデータ150を再生するとき、対象地点座標1101が示す位置をカーナビゲーションによる目的地や経由地に設定するためのボタン等を出力部203にモニターへ表示させ、この位置をユーザからの指示入力に応じて目的地や経由地に設定することができる。
【0106】
例えば、対象地点座標1101で指定される地図上の位置には、上述のアイコン画像が表示される。
【0107】
対象地点表示テキスト1102は、ショップ名をモニタに表示してユーザに通知するために用いられるテキストデータである。テキストの文字数は、モニタに表示する際、改行せず1行で表示できる程度であることが望ましい。
【0108】
表示用文字データ1103は、ショップについての補足説明等をモニタに表示してユーザに通知するために用いられるテキストデータである。テキストの文字数は、最大でも全角1000文字程度とする。制御部207は、ディジタルデータ150の一覧をモニタに表示させる際、先頭から120文字程度を1ページ目として表示させ、順次2ページ目、3ページ目、…というようにページ送りしたりスクロールしたりして表示させる。
【0109】
メイン画像データ1104は、所定の画像形式、所定の画像サイズ、所定の色数で作成されたメイン画像のデータ本体である。画像形式には、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、GIF(Graphics Interchange Format)、PNG(Portable Network Graphics)、ビットマップ、などがある。操作部204がユーザから再生開始の指示を受け付けると、制御部207は、メイン画像データ1104を読み出して出力部203にモニタへ表示させる。メイン画像の表示位置は任意である。
【0110】
このメイン画像データ1104には、メイン画像のフォーマットを指定する情報である画像形式識別フラグが含まれる。
【0111】
TTS言語データ1105は、TTS形式で作成される発話用の音声のデータ本体である。
【0112】
このTTS言語データ1105には、言語識別フラグと音声形式識別フラグが含まれる。言語識別フラグは、日本語、英語などを区別するためのフラグである。音声形式識別フラグは、日本語表音文字列、外国語表音文字列などを区別するためのフラグである。
【0113】
圧縮音声データ1106は、所定の圧縮形式で作成された音声のデータ本体である。圧縮形式には、IMA−ADPCM(Interactive Multimedia Association - Adaptive Differential Pulse Code Modulation)、MP3(Moving Picture Experts Group Audio Layer-3)、AAC(Advanced Audio Coding)、CELP(Code Excited Linear Prediction)、PCM(Pulse Code Modulation)などがある。
【0114】
この圧縮音声データ1106には、圧縮音声データ1106のフォーマットを指定する情報である圧縮音声形式識別フラグが含まれる。
【0115】
音声再生順1107は、対象地点情報506に音声データとしてTTS言語データ1105と圧縮音声データ1106の両方が含まれている場合、どの順番で再生するかを指定する情報である。例えば、音声再生順1107には、先に圧縮音声データ1106を再生してその後TTS言語データ1105を再生することを示すフラグ値「0」、又は、先にTTS言語データ1105を再生してその後圧縮音声データ1106を再生することを示すフラグ値「1」が設定される。
【0116】
例えば、TTS言語データ1105にセリフの音声を、圧縮音声データ1106にいわゆるサウンドロゴの音声を、それぞれ格納しておき、音声再生順1107にフラグ値「0」をセットしておくと、まずサウンドロゴが再生され、その後セリフが流れる。
【0117】
ビデオデータ1108は、所定の圧縮形式で作成された動画像のデータ本体である。圧縮形式には、MPEG4(Moving Picture Experts Group Layer-4)などがある。
【0118】
このビデオデータ1108には、ビデオデータ1108のフォーマットを指定する情報であるビデオ形式識別フラグが含まれる。
【0119】
表示用文字データ1103、メイン画像データ1104、TTS言語データ1105、圧縮音声データ1106、ビデオデータ1108を総称して「メインコンテンツデータ」と呼ぶことがある。
【0120】
URL(Uniform Resource Locator)1109は、インターネット上のウェブページを指定する記述子を格納する。典型的には、ショップが開設しているウェブページを指定する記述子であるが、記述子による指定先(リンク先)は限定されない。URL1109が設定されているディジタルデータ150を再生する場合、制御部207は、URL1109に設定されたリンク先にページをジャンプするためのボタンを表示させ、ユーザの要求に応じてページをジャンプさせることができる。
【0121】
提携駐車場情報1110は、ショップが提携している駐車場に関する情報であり、後述する駐車場情報510の駐車場ID1501を用いて表される。例えば、ショップが提携している駐車場がある場合、その駐車場の固有の駐車場ID1501を提携駐車場情報1110に格納する。
【0122】
アイコン画像データ1111は、所定の画像形式、所定の画像サイズ、所定の色数で作成されたアイコン画像のデータ本体である。車載器200の記憶装置206には、地図記号、道路標識などを表す画像を予め記憶しているが、ショップが独自のアイコン画像をナビゲーション画面等に表示させたい場合には、アイコン画像データ1111をディジタルデータ150に格納して配信することもできる。
【0123】
なお、対象地点情報506に、対象地点表示テキスト1102、メイン画像データ1104、TTS言語データ1105(又は圧縮音声データ1106)、ビデオデータ1108のうち2つ以上が含まれている場合、制御部207は、それらのデータの再生を同じタイミングで開始することが望ましい。
【0124】
次に、情報提供地点情報507の詳細について、図12を用いて説明する。
【0125】
情報提供地点情報507には、対象地点情報506と同様に、再生用の画像データと音声データが含まれる。対象地点情報506に格納される画像データと音声データは、主にユーザによる再生開始の指示があったときに再生される。これに対し、情報提供地点情報507に格納される画像データと音声データは、主に車載器200が再生地点に到達したときに再生される。
【0126】
再生地点は、情報提供地点情報507に格納された音声データ、画像データの再生を開始する場所のことである。例えば、車載器200が静止画像データを格納したディジタルデータ150を受信し、この車載器200を搭載した車両が再生地点に到達すると、車載器200のモニタには静止画像データがポップアップ表示される。言い換えれば、車両が再生地点に到達しないと静止画像データはポップアップ表示されない。ただし、後述するように、車両が再生地点に到達したにも関わらず、何らかの理由により再生できなかった場合には、ユーザから再生する指示があったときに再生することができる。
【0127】
本実施形態では、再生地点として最大5箇所の場所を指定することができる。ただし、4箇所以下、あるいは、6箇所以上の場所を指定できる実施形態を採用することもできることは言うまでもない。
【0128】
再生地点は、緯度・経度で表される。再生地点は、1つの緯度・経度に対応する点を、いわばピンポイントで指定することができるだけでなく、ある程度の広さをもつ領域(以下「情報提供エリア」と呼ぶ)として指定することもできる。本実施形態では、緯度・経度で指定される地点を中心とし、所定距離を半径とする円で含まれる情報提供エリア内を、再生地点とすることができる。つまり、車載器200を搭載した車両がこの情報提供エリア内のどこかに入れば、ディジタルデータ150が再生される。
【0129】
なお、情報提供エリアの形状は円に限られず、楕円、四角形など、任意の図形で囲まれる領域であってもよい。
【0130】
情報提供中心座標1201は、情報提供エリアの中心座標であり、緯度・経度を用いて表される。情報提供中心座標1201には、対象地点座標1101と同様に、緯度・経度を日本測地系と世界測地系のどちらで表現するかを指定する測地系識別フラグも含まれる。
【0131】
情報提供半径1202は、情報提供エリアを定める円の半径であり、メートルを単位として表される。
【0132】
1組の情報提供中心座標1201と情報提供半径1202によって、1つの情報提供エリアが定まる。
【0133】
ディジタルデータ150に情報提供中心座標1201が含まれ且つ情報提供半径1202が含まれない場合、再生地点は、情報提供中心座標1201で指定される地点である。車載器200を搭載した車両がこの地点を通過すれば、ディジタルデータ150が再生される。
【0134】
情報提供方向1203は、緯度や経度などを用いて、あるいは、例えば東西南北や16方位程度のおおまかな方向を用いて表される。情報提供方向1203が設定されているディジタルデータ150は、車載器200が再生地点を情報提供方向1203が示す方向に移動している場合に再生される。つまり、車載器200が再生地点を情報提供方向1203が示す方向ではない方向に移動している場合には再生されない。
【0135】
ただし、左右22.5度程度の反応角度を設定し、自車の進行方向と情報提供方向1203が示す方向との差が反応角度以内であれば、両者は一致するとみなして、ディジタルデータ150を再生することが望ましい。
【0136】
なお、制御部207は、センサ群225が備える方向センサを用いて自車の進行方向を判別することができる。また、方向センサを備えなくても、制御部207は、ある時刻T1における自車の位置と、別の時刻T2における自車の位置とを結ぶ方向ベクトルから自車の進行方向を判別することもできる。
【0137】
情報提供道路種別1204は、一般道路、高速道路、一方通行など、道路の種別を表す情報である。情報提供道路種別1204が設定されているディジタルデータ150は、車載器200が情報提供道路種別1204の示す道路を通過する場合に再生される。つまり、車載器200が再生地点に到達しても、情報提供道路種別1204の示す道路ではない道路を通過する場合には再生されない。
【0138】
上記の情報提供中心座標1201、情報提供半径1202、情報提供方向1203、情報提供道路種別1204のうちいずれか1つ、もしくは、これらのうち2つ以上の組み合わせによって、ディジタルデータ150の再生開始条件が設定される。ショップ(又はサービス事業者)は、自由に再生開始条件を設定することができる。例えば、情報提供中心座標1201と情報提供半径1202と情報提供方向1203が設定されている場合、これら3つの条件をすべて満たすこと(論理積;AND)が再生開始条件となる。例えば、情報提供中心座標1201と情報提供半径1202が設定され情報提供方向1203が設定されていない場合、情報提供中心座標1201と情報提供半径1202の2つの条件を満たすこと(AND)が再生開始条件となる。つまり、制御部207は、情報提供中心座標1201、情報提供半径1202、情報提供方向1203、情報提供道路種別1204のうち設定されているもの同士の論理積をとって、再生開始条件とする。
【0139】
ポップアップ用画像データ1205は、所定の画像形式、所定の画像サイズ、所定の色数で作成された画像データ本体である。画像形式には、JPEG、GIF、PNG、ビットマップ、などがある。画像サイズは、典型的にはメイン画像データ1104よりも小さいサイズである。制御部207は、所定の再生開始条件が満たされたと判別すると、ポップアップ用画像データ1205を読み出して出力部203にモニタへ表示させる。画像の表示位置は任意であるが、典型的には画面の中央付近である。ポップアップ用画像データ1205には、メイン画像データ1104と同様に、画像のフォーマットを指定する情報である画像形式識別フラグが含まれる。
【0140】
ポップアップ用TTS言語データ1206は、TTS形式で作成される発話用の音声のデータ本体である。ポップアップ用TTS言語データ1206には、TTS言語データ1105と同様に、言語識別フラグと音声形式識別フラグが含まれる。
【0141】
ポップアップ用圧縮音声データ1207は、所定の圧縮形式で作成された音声のデータ本体である。圧縮形式には、IMA−ADPCM、MP3、AAC、CELP、PCMなどがある。ポップアップ用圧縮音声データ1207には、圧縮音声データ1106と同様に、ポップアップ用圧縮音声データ1207のフォーマットを指定する情報である圧縮音声形式識別フラグが含まれる。
【0142】
ポップアップ用画像データ1205、ポップアップ用TTS言語データ1206、ポップアップ用圧縮音声データ1207を総称して「ポップアップ用コンテンツデータ」と呼ぶことがある。
【0143】
音声再生順1208は、音声再生順1107と同様に、情報提供地点情報507に音声データとしてポップアップ用TTS言語データ1206とポップアップ用圧縮音声データ1207の両方が含まれている場合、どの順番で再生するかを指定する情報である。
【0144】
1つの再生地点には、1組の情報提供中心座標1201と情報提供半径1202と情報提供方向1203と情報提供道路種別1204とポップアップ用画像データ1205とポップアップ用TTS言語データ1206とポップアップ用圧縮音声データ1207と音声再生順1208の組み合わせ(再生地点データ)が対応付けられる。上述のように、本実施形態では、1つのディジタルデータ150につき、最大で5つの再生地点を設定することができ、それぞれの再生地点ごとに再生地点データを格納できる。
【0145】
例えば、ショップのある場所に上り車線を通って接近する場合と下り車線を通って接近する場合とで、上り車線用の駐車場案内と下り車線用の駐車場案内といったように異なるディジタルコンテンツをユーザの手を煩わすことなく視聴してもらうことが可能である。
【0146】
情報提供地点情報507に、ポップアップ用画像データ1205とポップアップ用TTS言語データ1206(又はポップアップ用圧縮音声データ1207)の両方が含まれている場合、制御部207は、これらのデータの再生を同じタイミングで開始することが望ましい。
【0147】
図19(a)は、ポップアップ表示される画面の構成例である。制御部207は、情報提供地点情報507が格納されているディジタルデータ150を受信し、再生開始条件が満たされたと判別すると、ポップアップ用画像データ1205とポップアップ用TTS言語データ1206とポップアップ用圧縮音声データ1207とを再生する。モニタにはポップアップ画像1901が表示され、スピーカからは再生音が出力される。例えば、ポップアップ用圧縮音声データ1207にショップのジングルが格納され、ポップアップ用TTS言語データ1206にショップの名前等を発音する音声が格納され、音声再生順1208にはポップアップ用圧縮音声データ1207、ポップアップ用TTS言語データ1206の順に再生する旨の情報が格納されているとする。この場合、制御部207は、まずショップのジングルを再生し、その後、ショップの名前を発音する音声を再生する。
【0148】
上述の説明では、ポップアップ用コンテンツデータとしてポップアップ用画像データ1205、ポップアップ用TTS言語データ1206、ポップアップ用圧縮音声データ1207のすべてがディジタルデータ150に格納されていることを前提にしているが、ポップアップ用画像データ1205のみ、あるいはポップアップ用TTS言語データ1206のみ等、これらすべてを有していない場合もある。
【0149】
制御部207は、図19(b)に示すように、ポップアップで表示された情報より更に詳しい情報を再生する旨の指示入力をユーザから受け付けるボタン1902と、ポップアップ画像1901に対応するディジタルデータ150をお気に入りグループに追加する旨の指示入力をユーザから受け付けるボタン1903と、ポップアップで表示された画像に対応するショップをカーナビゲーションシステムによる目的地あるいは経由地に設定する旨の指示入力をユーザから受け付けるボタン1904と、を表示させてもよい。
【0150】
以下の説明では、ボタンが表示されている画像領域に相当するタッチパネル部分がユーザにより押下されることを、単に「ボタンが押下される」と表現する。
【0151】
ボタン1902が押下された場合、制御部207は、ポップアップで再生したディジタルデータ150の対象地点情報506に格納されているメインコンテンツデータ(つまりメイン画像データ1104、TTS言語データ1105、圧縮音声データ1106、ビデオデータ1108)を再生する。ただし、制御部207は、車載器200を搭載している車両が走行中でなければ再生を許可し、走行中である場合には再生を許可しないこととする。制御部207は、速度センサ、走行距離センサ、方向センサ、ブレーキセンサ等のセンサ群225からの検出信号から、車両が走行中か否かを判断すればよい。制御部207は、車両が走行中の場合、ボタン1902を表示させないか、あるいはボタン1902をグレーで表示し、ユーザによる押下を受け付けないようにする。なお、メインコンテンツデータは、メイン画像データ1104、TTS言語データ1105、圧縮音声データ1106、ビデオデータ1108のすべてを有する場合もあるが、これらのうちの1つのみを有する場合や、これらのうち2つ以上を有する場合もある。
【0152】
また、ボタン1903が押下された場合、制御部207は、ボタン1903が押下されたときにポップアップ表示していたディジタルデータ150からサービス事業者コード601と、情報コード704(識別符号)とを読み出し、読み出したこれらの情報を、お気に入りグループに追加するディジタルデータ150のインデックス(以下、インデックス情報という。)として、記憶装置206に記憶させる。制御部207は、このように記憶したインデックス情報に基づいて、お気に入りグループに属するディジタルデータ150のリストを表示させることができる。そして、ユーザにより所望のディジタルデータ150が選択されると、制御部207は、選択されたディジタルデータ150の再生を開始する。
【0153】
また、ボタン1904が押下された場合、制御部207は、ポップアップで再生したディジタルデータ150に格納されている対象地点座標1101で示される位置を、目的地あるいは経由地に設定する。ただし、ディジタルデータ150に対象地点座標1101が格納されていない場合、制御部207は、ボタン1904を表示させないか、あるいはボタン1904をグレーで表示し、ユーザによる押下を受け付けないようにする。
【0154】
次に、遷移情報508の詳細について、図13等を用いて説明する。
【0155】
次再生情報コード1301は、車載器200が対象地点情報506に格納される画像データ等を再生しているとき、ユーザが次に再生を指示することができるディジタルデータ150を指定する情報であり、コンテンツ情報502の情報コード704に用いられる識別符号で表現される。本実施形態では、1つのディジタルデータ150は、最大で8個の次再生情報コード1301を格納することができる。ただし、7個以下、あるいは、9個以上の次再生コード1301を指定できる実施形態を採用することもできることは言うまでもない。
【0156】
図20(a)〜(c)、図21(a),(b)、及び、図22(a),(b)は、記憶装置206に予め格納された画像データに基づいて制御部207が生成した画像データや、ディジタルデータ150に格納されている画像データを、制御部207が再生してモニタに表示したときの画面の構成例である。本例は、あるレストランが提供するディジタルコンテンツを再生したときの画面遷移を表している。例えばディジタルコンテンツは、N個のディジタルデータ150(第1ディジタルデータ、第2ディジタルデータ、第3ディジタルデータ、…、第Nディジタルデータ)から構成される。これらの図を使って、画面遷移について説明する。
【0157】
ユーザによるディジタルコンテンツの再生開始の指示があると、制御部207は、まず、最初に再生することが予め指定されている画像データ等を再生する。例えば図20(a)に示すように、制御部207は、カーナビゲーションシステムを起動するか、あるいは、DSRCを使った情報提供システム(以下、単に「DSRCシステム」と呼ぶ)を起動するか、の選択を受け付ける車載器トップ画面を表示させる。車載器トップ画面用の画像データや音声データ等は記憶装置206に予め記憶されている。なお、車載器200がカーナビゲーションシステムを備えていない実施形態を採用するのであれば、車載器トップ画面をスキップし、後述する図20(b)の画面を最初に表示してもよい。
【0158】
図20(a)において、DSRCシステムを起動する旨の指示入力をユーザから受け付けた場合、制御部207は、図20(b)に示すように、DSRCシステムのメインメニューに画面を遷移させる。ここで再生される画像データや音声データ等は記憶装置206に予め記憶されている。この画面からは、例えば、DSRCシステムの初期設定等を行うためのセットアップ画面、リアルタイムで路側無線装置100から配信される交通情報を取得する画面、ショップから提供されるディジタルコンテンツを視聴する画面(エンターテイメント)、などに遷移できる。なお、カーナビゲーションシステムを起動する旨の指示入力を受け付けた場合、制御部207は、カーナビゲーション用の画面に遷移させるが、これ以降の画面遷移の詳細については省略する。
【0159】
図20(b)において、“エンターテイメント”が選択されると、制御部207は、図20(c)に示すように、サービス事業者の選択をユーザから受け付ける画面に遷移させる。ここで再生される画像データや音声データ等は記憶装置206に予め記憶されている。例えば、ユーザが予め契約したサービス事業者の一覧が表示される。なお、制御部207は、ユーザが未契約のサービス事業者を、契約済みのサービス事業者との区別を明瞭にした上で合わせて表示させ、未契約のサービス事業者が選択された場合、契約手続き画面に遷移させるようにしてもよい。
【0160】
図20(c)において、いずれかのサービス事業者が選択されると、制御部207は、図21(a)に示すように、選択されたサービス事業者のトップメニューの画面データをメイン画像データ1104に格納している第1ディジタルデータを再生する。例えば、トップメニューからは、サービス事業者Aと提携しているショップのページに遷移可能である。第1ディジタルデータの次再生情報コード1301には、例えばそれぞれのショップのトップページを構成するディジタルデータ150を指定する識別符号など、最大で8個の遷移先のディジタルデータ150を指定する識別符号が格納される。
【0161】
制御部207は、それぞれのページに画面を遷移させるためのボタン2101,2102,2103を出力部203に表示させる。例えば、ボタン2101,2102,2103のいずれかが押下されると、制御部207は、押下されたボタンに対応付けられたディジタルデータ150を再生し、画面を遷移する。また、制御部207は、ディジタルコンテンツの再生を終了する旨の指示入力を受け付けるボタン2109を表示させる。ボタン2109が押下されると、制御部207は、ディジタルデータ150の再生を終了する。
【0162】
また、制御部207は、上述したように、ディジタルデータ150に対象地点情報506の対象地点座標1101が格納されている場合、対象地点座標1101をカーナビゲーションシステムによる道案内の目的地あるいは経由地に設定することができる。例えば、対象地点座標1101で示される位置をカーナビゲーションシステムによる道案内の目的地あるいは経由地に設定するためのボタン2110が押下された場合、制御部207は、対象地点座標1101で示される位置を目的地あるいは経由地に設定する。
【0163】
また、制御部207は、再生中の画面を後でユーザがすぐに再生できるように、お気に入りグループに追加するためのボタン2111を表示させてもよい。
【0164】
すなわち、制御部207は、ボタン2111が押下されたときに再生していたディジタルデータ150からサービス事業者コード601と、情報コード704(識別符号)とを読み出し、読み出したこれらの情報を、インデックス情報として、記憶装置206に記憶させる。制御部207は、このように記憶したインデックス情報に基づいて、お気に入りグループに属するディジタルデータ150のリストを表示させることができる。そして、ユーザにより所望のディジタルデータ150が選択されると、制御部207は、選択されたディジタルデータ150の再生を開始する。このようにお気に入りグループに追加することで、ユーザは、所望の画面を後で容易に視聴することができる。
【0165】
図21(a)において、例えばボタン2102が押下されると、制御部207は、“ショップ××”ページのディジタルデータ150(第2ディジタルデータ)を再生して、図21(b)に示すような“お食事メニュー”ページに画面を遷移する。
【0166】
第2ディジタルデータの次再生情報コード1301には、例えば“本日のおすすめ”ページのディジタルデータ150を指定する識別符号、“麺類”ページのディジタルデータ150を指定する識別符号、(以下同様)など、最大で8個の遷移先のディジタルデータ150を指定する識別符号が格納される。ボタン2101乃至2108には、“本日のおすすめ”ページのディジタルデータ150を指定する識別符号、“麺類”ページのディジタルデータ150を指定する識別符号、(以下同様)など、次再生情報コード1301に指定された識別符号がそれぞれ新しく対応付けられる。
【0167】
図21(a)の画面から図21(b)の画面に遷移させる際、選択されたショップのディジタルコンテンツを構成するディジタルデータ150の中に、TTS言語データ1105と圧縮音声データ1106と音声再生順1107とが格納されているディジタルデータ150(典型的には選択されたショップのトップ画面に対応するディジタルデータ150)が存在する場合、制御部207は、画面を遷移させるとともに、音声をスピーカから出力させる。例えば、圧縮音声データ1106にショップのジングルが格納され、TTS言語データ1105にショップの名前等を発音する音声が格納され、音声再生順1107には圧縮音声データ1106、TTS言語データ1105の順に再生する旨の情報が格納されているとする。この場合、制御部207は、まずショップのジングルを再生し、その後、ショップの名前を発音する音声を再生する。なお、制御部207は、図21(a)や図21(b)の画面のディジタルデータ150に限らず、任意のディジタルデータ150について、画面の遷移とともに音声を再生することができる。
【0168】
図21(b)において、例えばボタン2103が押下されると、制御部207は、“定食”ページのディジタルデータ150(第3ディジタルデータ)を再生して、図22(a)に示すような“定食”ページに画面を遷移する。
【0169】
第3ディジタルデータには、例えば“○○定食”ページのディジタルデータ150を指定する識別符号、“××定食”ページのディジタルデータ150を指定する識別符号(以下同様)など6個の識別符号が格納されている。そして、ボタン2101乃至2105には、“○○定食”ページのディジタルデータ150を指定する識別符号、“××定食”ページのディジタルデータ150を指定する識別符号(以下同様)が新しく対応付けられる。
【0170】
図22(a)において、例えばボタン2105が押下されると、制御部207は、“サラダ・ドリンク付き”ページのディジタルデータ150(第4ディジタルデータ)を再生して、図22(b)に示すような“サラダ・ドリンク付き”ページに画面を遷移する。
【0171】
第4ディジタルデータには、例えば“○○定食”ページのディジタルデータ150を指定する識別符号など、4個の識別符号が格納されている。そして、ボタン2101乃至2104には、“○○定食”ページのディジタルデータ150を指定する識別符号などが新しく対応付けられる。つまり、“○○定食”ページには、図22(a)に示す画面からたどり着くこともできるし、図22(b)に示す画面からたどり着くこともできる。
【0172】
なお、図21(a)に示すようなサービス事業者のトップページは、各ショップのトップ画面にリンクするページに限定されない。例えば、ショップ毎に分類せず、図22(b)に示すようなショップ内の任意のディジタルデータ150に直接リンクするページであってもよい。また、各ショップのトップページへのリンクと、個別のディジタルデータ150のページへのリンクとが混在する画面でもよい。
【0173】
例えば、サービス事業者が、ショップ(テナント)が入っていないデパートである場合、図21(b)に示すショップの選択画面を省略し、図20(c)に示すサービス事業者選択ページから図21(b)に示すようなページに遷移させればよい。この場合、図21(b)において、“ショップ”のトップページを、“サービス事業者”のトップページに置き換えればよい。
【0174】
例えば、サービス事業者が、ショップが入っていて且つ自らも商品・役務を提供するようなショッピングセンターである場合、図21(a)に示すサービス事業者のトップページには、サービス事業者自らが提供するページのディジタルデータ150へのリンクと、ショップが提供するディジタルデータ150へのリンクの両方を含めることができる。
【0175】
このように、次再生情報コード1301を用いれば、ディジタルコンテンツを構成する複数のディジタルデータ150の間で複雑に入り組んだ関連性を保ちつつ、ユーザが視聴したいページに簡単にたどり着けるように構成することができる。
【0176】
本実施形態では、遷移先のディジタルデータ150を指定する識別符号が対応付けられていないボタンは表示されない。ただし、遷移先のディジタルデータ150を指定する識別符号が対応付けられている他のボタンとの視覚的な区別が容易な程度に、例えばグレーや影付きで表示することとしてもよい。
【0177】
遷移情報508を設定することによって、複数のディジタルデータ150から構成されるディジタルコンテンツにおいて、ショップの意図通りに画面を遷移させることができる。また、ユーザは自分の見たいページまで簡単にたどり着けるようになり好都合である。遷移情報508は、分岐型の画面遷移を実現するために好適である。
【0178】
次に、詳細情報509の詳細について、図14を用いて説明する。
【0179】
詳細情報509は、ディジタルコンテンツが複数のディジタルデータ150から構成される場合、もしくは、記憶装置206に複数のディジタルデータ150が記憶されている場合、ユーザがいち早く所望のページを探し出せるように、検索を容易にするための情報である。本実施形態では、最大で8個の詳細情報509を設定することができる。ただし、7箇所以下、あるいは、9箇所以上の詳細情報509を指定できる実施形態を採用することもできることは言うまでもない。
【0180】
詳細情報データ1401は、ディジタルデータ150の内容を端的に表現するキーワードを格納する。キーワードは、任意の文字、数字、記号等を用いて設定される。1つのキーワードは、長くても全角20文字程度に収めることが望ましい。
【0181】
詳細情報表示用文字列1402は、上記キーワードをモニタに表示するときに用いる文字列データである。
【0182】
詳細情報発話用表音文字列1403は、上記キーワードを音声で出力するときに用いる発話用TTSデータである。
【0183】
詳細情報509を設定することによって、ユーザは自分の見たいページを簡単に探し出せるようになり好都合である。詳細情報509は、串刺し型の画面遷移を実現するために好適である。例えば、車載器200の電源を投入したときのトップページ等に検索ボタンを設け、ユーザから任意の文字列等の入力を受け付ける。車載器200は、受け付けた文字列等と一致するキーワードが詳細情報509に格納されているディジタルデータ150を検索してリスト表示する。リスト表示されたページの中からいずれかがユーザにより選択されると、車載器200は、選択されたページにジャンプする。
【0184】
本実施形態では1つのディジタルデータ150につき8個の詳細情報509を格納できるので、8個のキーワードを設定することが可能である。しかし、詳細情報データ1401の記載形式を工夫することで、更に多くのキーワードを設定することもできる。
【0185】
例えば、詳細情報データ1401に、キーワードの区切りを表す所定の記号(例えば“_”)を挟んで、「和食_わしょく_わしよく」のような形式でキーワードを設定する。制御部207は、所定の記号が含まれる場合、その記号の位置がキーワードの切れ目であると判断し、複数のキーワードが設定されているものとみなす。この例では、制御部207は、“和食”と“わしょく”と“わしよく”のすべてがキーワードとなる。このように、いわゆるあいまい検索も可能である。
【0186】
例えば、詳細情報データ1401にキーワード“クーポン”を設定したディジタルデータ150と、設定していないディジタルデータ150とを配信する。車載器200の制御部207は、ユーザの指示により、キーワード“クーポン”が設定されているディジタルデータ150のみを抽出してモニタに表示させることができる。
【0187】
なお、詳細情報データ1401のデータ領域として、所定のnビット(nは1以上の整数)を確保し、それぞれのビットに所定のキーワードを予め対応付けておき、それぞれのビットのON/OFFでキーワードを設定するようにしてもよい。例えば、「クーポン」と「新着」と「更新」の3つのキーワードに1ビットずつ割り当てておき、それぞれのビットを1又は0にセットする。ビットの値が“101”であれば、キーワード「クーポン」と「更新」が設定されていることと実質的に同じになる。
【0188】
次に、駐車場情報510の詳細について、図15を用いて説明する。
【0189】
駐車場情報510は、ショップの近くに存在する駐車場を案内するための駐車場データを格納する。本実施形態の情報提供装置(車載器200)は自動車等の車両に搭載されるため、ユーザがショップに立ち寄る(ユーザにショップへ立ち寄ってもらう)ためには駐車場に関する情報が重要である。
【0190】
駐車場ID1501は、駐車場ごとにユニークに割り当てられた記号、番号である。
【0191】
駐車場詳細情報1502は、駐車場ID1501が示す駐車場に関する詳しい情報を格納する。駐車場の名称や座標等の静的情報は、駐車場ID1501と共に、車載器200の記憶装置206に地図データベースとして保存されている。一方、満空情報や料金の割引情報、予約の可否、営業時間等の動的情報が、駐車場詳細情報1502として格納されている。
【0192】
駐車場特記事項1503は、駐車場詳細情報1502のほかに追加すべき情報がある場合に設定される。駐車場特記事項1503には、「本日お祭り開催のため混雑が予想されます」などといったような駐車場詳細情報1502で表現できない内容を記載できる。
【0193】
駐車場情報発話用表音文字列1504は、駐車場詳細情報1502及び/又は駐車場特記事項1503を音声で出力するときに用いる発話用TTSデータである。
【0194】
1組の駐車場ID1501、駐車場詳細情報1502、駐車場特記事項1503、駐車場情報発話用表音文字列1504が、1つの駐車場に割り当てられる。本実施形態では、最大で127箇所の駐車場情報を提供できる。ただし、126箇所以下、あるいは、128箇所以上の駐車場情報を指定できる実施形態を採用することもできることは言うまでもない。
【0195】
記憶装置206は、駐車場IDと、駐車場の場所(緯度・経度)を示す情報とを対応付けて予め記憶する。制御部207は、この記憶装置206に記憶された情報から、駐車場ID1501が示す駐車場の位置を取得できる。制御部207は、取得した駐車場の位置を、ユーザの指示により、カーナビゲーションにおける目的地あるいは経由地に設定することができる。
【0196】
次に、運転支援情報511の詳細について、図16を用いて説明する。
【0197】
駐車場の位置は緯度・経度を用いて表現されるため、2次元マップを用いてナビゲーションを行うと、モニタには駐車場のある場所が平面的に表示される。しかし、地下駐車場や立体駐車場の場合には、緯度・経度だけでは充分に場所を案内できない可能性がある。運転支援情報511は、駐車場付近を運転する際の補助となる情報である。運転支援情報511が格納されるディジタルデータ150は、駐車場付近に設置された路側無線装置100から、表示/保存コード801で「表示する」と指定されたディジタルデータ150として送信され、制御部207は、このディジタルデータ150を受信すると、直ちに再生する。
【0198】
例えば、駐車場P1の近くに設置されている路側無線装置100は、駐車場P1内の道案内や、駐車場P1周辺の交通案内(例えば細い路地など視界が良くない場所等における「駐車場はこの先まっすぐ行ったところにあります」といった案内)を運転支援情報511に格納しているディジタルデータ150を配信する。このディジタルデータ150を受信した車載器200の制御部207は、運転支援情報511を用いて直ちに注意を促す画像や音声を出力させる。
【0199】
運転支援画像データ1601は、所定の画像形式、所定の画像サイズ、所定の色数で作成された画像データ本体である。画像形式には、JPEG、GIF、PNG、ビットマップ、などがある。制御部207は、運転支援情報511を格納しているディジタルデータ150を受信すると、運転支援画像データ1601を読み出して出力部203にモニタへ表示させる。運転支援画像データ1601には、メイン画像データ1104と同様に、画像のフォーマットを指定する情報である画像形式識別フラグが含まれる。
【0200】
運転支援発話用表音文字列1602は、TTS形式で作成される発話用の音声のデータ本体である。運転支援発話用表音文字列1602には、TTS言語データ1105と同様に、言語識別フラグと音声形式識別フラグが含まれる。
【0201】
運転支援圧縮音声データ1603は、所定の圧縮形式で作成された音声のデータ本体である。圧縮形式には、IMA−ADPCM、MP3、AAC、CELP、PCMなどがある。運転支援圧縮音声データ1603には、圧縮音声データ1106と同様に、運転支援圧縮音声データ1603のフォーマットを指定する情報である圧縮音声形式識別フラグが含まれる。
【0202】
音声再生順1604は、音声再生順1107と同様に、運転支援情報511に音声データとして運転支援発話用表音文字列1602と運転支援圧縮音声データ1603の両方が含まれている場合、どの順番で再生するかを指定する情報である。
【0203】
1組の運転支援画像データ1601、運転支援発話用表音文字列1602、運転支援圧縮音声データ1603、音声再生順1604が、1つの運転支援情報となる。
【0204】
次に、嗜好情報512の詳細について、図17を用いて説明する。
【0205】
嗜好情報512は、サービス事業者(配信サーバ300)がユーザの嗜好する情報を選択して配信するために利用される。嗜好情報512は、サービス事業者が配信する情報(ディジタルデータ150)を複数項目(例えば、最大128項目)に分類して示すデータテーブル(嗜好データテーブル)であり、サービス事業者によって予め決められる。嗜好データテーブルは、サービス事業者によって随時更新可能である。本実施形態では、車載器200の記憶装置206に格納されているユーザ別嗜好テーブルに基づいて、その都度の運転者の嗜好データを配信サーバ300にアップリンク(送信)することで、この嗜好データテーブルを更新するようにしている。
【0206】
配信サーバ300は、例えば、契約したユーザの車載器200から初めてアップリンク情報が送信された場合や、初回ではないものの車載器200からのアップリンク情報に含まれる嗜好情報512のバージョン(嗜好情報バージョン1701)が異なる(古い)場合等に、嗜好情報512を格納しているディジタルデータ150を車載器200に送信する。
【0207】
嗜好情報バージョン1701は、嗜好情報512(即ち、嗜好データテーブル)のバージョンである。サービス事業者は、嗜好データテーブルを更新する際には、嗜好情報バージョン1701も更新する。
【0208】
嗜好情報表示用文字列1702は、分類項目に対応する所定の文字列をモニタに表示するときに用いる文字列データである。
【0209】
嗜好情報発話用表音文字列1703は、分類項目に対応する所定の文字列を音声で出力するときに用いる発話用TTSデータである。
【0210】
嗜好情報表示用ネスト1704は、嗜好情報表示用文字列1702に格納される文字列を表示する際のネストの深さを示す数値である。
【0211】
図23は、嗜好情報512の内容をモニタに表示した際の画面の一例である。例えば、分類項目「暮らし」は、更に「病院」と「ロードサービス」の2つの項目に分類される。この場合、分類項目「病院」のネストは、「暮らし」の2階層目である。仮に、分類項目「暮らし」の嗜好情報表示用ネスト1704が“0”であると、分類項目「病院」の嗜好情報表示用ネスト1704は“1”となる。
【0212】
それぞれの分類項目には、所定の分類コードが予め割り当てられている。例えば、「暮らし」に分類コード=1、「病院」に分類コード=2、「小児科」に分類コード=3、といった具合である。本実施形態では、ディジタルデータ150を最大で128種類に分類できる。ただし、127種類以下、あるいは、129種類以上に分類する実施形態を採用することもできることは言うまでもない。
【0213】
例えば、ユーザは、図23に示す画面において、所望の分類項目にチェックマークをつける等して、サービス事業者に配信して欲しい情報を選択することができる。制御部207は、その選択結果を嗜好データとして、記憶装置206に保存する。このとき、ユーザ別嗜好テーブル内の嗜好データを、ユーザごとに更新するようにしてもよい。また、制御部207は、アップリンク情報に更新された嗜好データを格納して、配信サーバ300に送信する。配信サーバ300は、受信した嗜好データに基づいて、ディジタルデータ150を構築し、当該ユーザ(車載器200)に配信する。
【0214】
また、路側無線装置100は、車載器200からアップリンクされた嗜好データを用いて、嗜好データに合致する内容のディジタルデータ150のみ抽出して車載器200に配信してもよい。
【0215】
なお、嗜好情報バージョン1701に指定されるバージョンが変わった場合、すなわち、嗜好データテーブルのバージョンが変わった場合、制御部207は、現在記憶装置206に記憶している嗜好データを一時待避させ、新しい嗜好データテーブルを初期値で記憶装置206に記憶させた後、一時待避させた嗜好データを上書きして反映させることが望ましい。これにより、ユーザに再び嗜好データを設定し直させるような手間をかけずに済む。
【0216】
次に、構成ID情報500の詳細について、図18を用いて説明する。
【0217】
構成ID情報500は、ディジタルデータ150に、上述の事業者情報501、コンテンツ情報502、再生条件情報503、有効期限情報504、提供時間情報505、対象地点情報506、情報提供地点情報507、遷移情報508、詳細情報509、駐車場情報510、運転支援情報511、及び、嗜好情報512の各項目が、それぞれ格納されているか否かを示す情報である。
【0218】
本実施形態では、各項目に予め割り当てられているIDは2バイトの数値で表現される。構成ID情報500には、ディジタルデータ150に含まれている項目に対応するIDを、数値の小さい順に羅列して格納されている。
【0219】
例えば、構成ID情報500に、“010203040510”が格納されている場合、このディジタルデータ150には、事業者情報501(ID=01)、コンテンツ情報502(ID=02)、再生条件情報503(ID=03)、有効期限情報504(ID=04)、提供時間情報505(ID=05)、及び、対象地点情報506(ID=10)が格納されていることを意味する。
【0220】
なお、構成ID情報500に格納するデータの形式は、この手法に限定されない。例えば、上記14項目のそれぞれに1ビットずつ割り当て、格納されているのであれば対応するビットを“1”に、格納されていないのであれば対応するビットを“0”にする、といった形式でもよい。
【0221】
次に、車載器200がローカルに保持している情報を配信サーバ300に送信(アップリンク)する処理、及び配信サーバ300がそのアップリンク情報に基づいて車載器200にディジタルデータ150を送信する処理について説明する。
【0222】
配信サーバ300側にアップリンクされる情報(以下「アップリンク情報」という。)の内容は様々であるが、典型的には次に例示するような情報を含む。
(情報1)車載器200を搭載した車両の累積走行距離や、過去に立ち寄った地点・地域を示す情報。この「立ち寄る」には、「カーナビゲーションの目的地や経由地に設定される」ことが含まれるほか、「カーナビゲーションの目的地や経由地に設定されたか否かに関わらず車両が通過したことがある」ことが含まれてもよい。
(情報2)ユーザによって設定された嗜好データ(ユーザの嗜好を表すデータ)。制御部207は、任意のタイミングで、嗜好データをアップリンクすることができる。
(情報3)ユーザがショップあるいはサービス事業者と何らかのサービスの提供を受けることを契約しているか否かを示す会員データ。例えば、ユーザがカード会員か否かで提供価格を変えるガソリンスタンドの場合における、ユーザがカード会員か否かを示す情報などである。なお、契約している場合には、その具体的な契約内容をアップリンク情報に含めることもできる。
(情報4)ディジタルデータ150の受信履歴や再生履歴。例えば受信履歴には、受信したディジタルデータ150ごとに、ディジタルデータ150の識別符号と、受信日時あるいは受信場所と、を対応付けた情報が含まれる。例えば再生履歴には、再生したディジタルデータ150ごとに、ディジタルデータ150の識別符号と、ディジタルデータ150の再生日時あるいは再生場所と、を対応付けた情報が含まれる。また、再生履歴には、受信したけれども再生していないディジタルデータ150の識別符号を示す情報が含まれていてもよい。
【0223】
車載器200は、上記(情報1)〜(情報4)のすべての内容を常に配信サーバ300にアップリンクする必要はなく、これらのうちの一部、あるいは、これらのほかの情報をアップリンクすることができる。本実施形態では、車載器200が上記(情報2)の内容をアップリンク情報としてアップリンクする例について説明する。
【0224】
図24に示すように、この例では、予め設定されたユーザA〜Dとそれらユーザ別の嗜好データA〜Dとを関連付けるユーザ別嗜好テーブルが、それら各ユーザの嗜好データA〜Dと共に、記憶装置206に格納されている。制御部207に運転者が特定されることで、運転者の嗜好に対応した嗜好データが、車載器200から配信サーバ300へアップリンクされる。そして、その嗜好データに基づいて選択されたディジタルデータ150が配信サーバ300から車載器200へ送信される。
【0225】
こうした車載器200と配信サーバ300との間の相互のデータ通信においては、例えば図25に示すように、まず、車載器200の制御部207が、車載器200がDSRC通信エリアの中にあるか否かを判別する(ステップS2501)。制御部207は、例えば通信部201が受信したDSRC通信用の電波の強度が所定値以上か否かに基づいて判別する。
【0226】
DSRC通信エリアの外であると判別された場合(ステップS2501;NO)、ステップS2501の処理を繰り返す。なお、制御部207は、ステップS2501の処理を開始してから所定のタイムアウト時間が経過するまでに、DSRC通信用の電波の強度が所定値以上とならない場合に、DSRC通信エリアの外であると判別してもよい。また、ステップS2501でNOの場合であっても、ステップS2501の処理を所定のリトライ回数だけ繰り返して実行するように構成してもよい。
【0227】
一方、DSRC通信エリアの中であると判別された場合(ステップS2501;YES)、制御部207は、DSRCによる路側無線装置100との通信を経由して、配信サーバ300に自らの認証を要求する(ステップS2502)。例えば制御部207は、車載器200の固有番号やユーザ名などを通信部201に送信させ、自らが登録済みの(あるいは正規の)製品あるいはユーザであるか否かの認証を行うよう配信サーバ300に要求する。
【0228】
配信サーバ300の制御部306は、車載器200からの認証要求を受け取り、車載器200側が予め登録済みの製品あるいはユーザであるか否かの認証を行う(ステップS2503)。例えば制御部306は、記憶装置305に予め記憶されている登録済み車載器一覧などを格納するデータベースを参照し、認証要求のあった車載器200の固有番号やユーザ名がこのデータベースに登録されている固有番号やユーザ名と一致すれば、登録済みの固有番号やユーザ名であると判別し、そうでなければ、未だ登録されていない固有番号やユーザ名であると判別する。
【0229】
配信サーバ300の制御部306は、ステップS2503の認証結果に基づいて、ディジタルデータ150の配信を許可するか否かを判別する(ステップS2504)。
【0230】
例えば、配信サーバ300の制御部306は、予め登録されている車載器200には登録者専用のディジタルデータ150の配信のみ許可し、それ以外の車載器200には未登録者専用のディジタルデータ150の配信のみ許可する。
【0231】
あるいは、例えば配信サーバ300の制御部306は、予め登録されている車載器200にはディジタルデータ150の配信を許可し、それ以外の車載器200にはディジタルデータ150の配信を許可しないようにしてもよい。
【0232】
認証要求のあった車載器200側が登録済みの製品あるいはユーザではないと判別された場合(ステップS2504;NO)、アップリンク処理を終了する。ただし、配信サーバ300の制御部306は、ステップS2504でNOの場合、認証要求のあった車載器200側が登録済みの製品あるいはユーザではない旨の認証結果を、第2の通信制御部304に車載器200へ送信させてもよい。
【0233】
一方、認証要求のあった車載器200側が登録済みの製品あるいはユーザであると判別された場合(ステップS2504;YES)、配信サーバ300の制御部306は、認証要求のあった車載器200側が登録済みの製品あるいはユーザである旨の認証結果を、第2の通信制御部304に車載器200へ送信させる。車載器200の通信部201は、路側無線装置100を介して認証結果を受信する。
【0234】
なお、制御部306は、車載器200のモニタに表示させる初期画面用の所定のディジタルデータ150を配信させてもよい。例えば、初期画面用のディジタルデータ150には、図20(a)に示すような車載器トップメニューを表示するために用いる画像データや音声データ等が含まれる。例えば、ステップS2503での認証結果や、車載器200の起動回数、アップリンク処理の実行回数、現在の日付、現在の時刻、車載器200の現在位置、などに応じて初期画面用のディジタルデータ150を選択して配信するようにすれば、車載器200を起動して初めに表示させるいわゆる“Welcome画面”等をその都度変えることができる。
【0235】
車載器200の制御部207は、認証結果を受信すると、例えば図20(a)に示すような初期画面を出力部203にモニタへ表示させる(ステップS2505)。
【0236】
なお、認証要求のあった車載器200側が登録済みの製品あるいはユーザであるか否かに関わらず認証結果を送受信する実施形態を採用するのであれば、制御部207は認証結果に応じた初期画面を出力部203にモニタへ表示させればよい。例えば図20(a)において、制御部207は、登録済みである場合には「カーナビ」と「DSRC」のいずれのボタンもユーザが押下できるようにし、登録済みでない場合には「カーナビ」のボタンのみユーザが押下でき「DSRC」のボタンは押下できないようにしてもよい。
【0237】
次に車載器200の制御部207は、記憶装置206に記憶されている嗜好データを、通信部201により、路側無線装置100を介して配信サーバ300へ送信する(ステップS2506)。
【0238】
詳しくは、この嗜好データの送信処理(ステップS2506)に際しては、例えば図26に示すように、制御部207が、前述した運転座席の荷重等に基づき、運転者を特定し(ステップS2601)、記憶装置206に格納されているユーザ別嗜好テーブル(図24)を参照して、その特定された運転者の嗜好データを選択(チェック)する。
【0239】
すなわち、運転者がユーザAか否かを判断し(ステップS2602)、ユーザAである旨判断されれば嗜好データAをチェックする(ステップS2603)。他方、ユーザAでない旨判断されれば、次に運転者がユーザBか否かを判断し(ステップS2604)、ユーザBである旨判断されれば嗜好データBをチェックする(ステップS2605)。他方、ユーザBでない旨判断されれば、次に運転者がユーザCか否かを判断し(ステップS2606)、ユーザCである旨判断されれば嗜好データCをチェックする(ステップS2607)。他方、ユーザCでない旨判断されれば、次に運転者がユーザDか否かを判断し(ステップS2608)、ユーザDである旨判断されれば嗜好データDをチェックする(ステップS2609)。さらに、これらのステップによりユーザA〜Dのいずれでもない旨判断されれば、嗜好データA〜Dの全てをチェックするか、又は嗜好データA〜Dのいずれもチェックしない(ステップS2610)。
【0240】
こうして、運転者の嗜好データを選択(チェック)し、又は運転者の嗜好データがない場合には総チェック又は総オフし、そのチェックした嗜好データを、配信サーバ300へ送信(アップリンク)する(ステップS2611)。なお、運転者の嗜好データがない場合に配信サーバ300へ送信する嗜好データとして、予め嗜好データA〜Dとは別に標準的な嗜好データを用意しておいてもよい。
【0241】
続けて、図25に示すように、配信サーバ300の第2の通信制御部304が、車載器200により送信された嗜好データ(運転者の嗜好データ又は嗜好データA〜Dの全て)を、路側無線装置100を介して車載器200から受信する(ステップS2507)。配信サーバ300の制御部306は、受信した嗜好データと車載器200を識別できる情報とを対応付けて記憶装置305に記憶させる。なお、ステップS2610で嗜好データA〜Dのいずれもチェックしなかった(総オフ)場合は、嗜好データを受信しない。
【0242】
ここまでの処理がアップリンク処理である。これ以降の処理は、車載器200に配信すべきディジタルデータ150が存在する場合に実行される。例えば総オフの場合は、この配信は実行されない。
【0243】
配信サーバ300の制御部306は、受信した嗜好データを用いて、車載器200に配信するディジタルデータ150を抽出する(ステップS2508)。
【0244】
すなわち、配信サーバ300の記憶装置305には様々なショップの様々なディジタルデータ150が記憶されており、制御部306は、車載器200のそれぞれについて、記憶装置305に記憶されているディジタルデータ150の中から、ユーザに適していると推測されるディジタルデータ150を、嗜好データに基づいて選択する。例えば制御部306は、記憶装置305に記憶されているディジタルデータ150の中から、車載器200に対応付けられた嗜好データが示す嗜好分類と一致する嗜好分類が嗜好データカテゴリ707に格納されているディジタルデータ150のみを抽出する。
【0245】
なお、嗜好データと共に会員データ(情報3)もアップリンクする場合には、制御部306は、(a)嗜好データによって指定された嗜好分類に当てはまり、且つ、会員データによって指定されたディジタルデータ150を配信する手法、あるいは、(b)嗜好データによって指定された嗜好分類に当てはまるか、又は、会員データによって指定されるか、の少なくともどちらか一方を満たすディジタルデータ150を配信する手法、を採用することもできる。
【0246】
配信サーバ300の制御部306は、ステップS2508で抽出されたディジタルデータ150を、第2の通信制御部304により、路側無線装置100を介して車載器200へ送信する(ステップS2509)。
【0247】
車載器200の通信部201は、ステップS2509で送信されたディジタルデータ150を、路側無線装置100を介して受信する(ステップS2510)。車載器200の制御部207は、受信したディジタルデータ150を記憶装置206に記憶させる。
【0248】
そして、車載器200の制御部207は、受信したディジタルデータ150の再生条件情報503に設定された再生開始条件が満たされた場合には、ステップS2508で抽出されたディジタルデータ150中のポップアップ用コンテンツデータを再生し、ユーザから再生開始の指示が入力された場合には、ディジタルデータ150中のメインコンテンツデータを再生する(ステップS2511)。この際、出力部203や音声処理部202を通じて、再生画像の表示や発話が可能となる。
【0249】
こうした構成であれば、ユーザ別嗜好テーブルを参照して、その都度、運転者の嗜好に対応したデータを提供することができる。
【0250】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。概略的なシステム構成については実施形態1と同様であるため、主に実施形態1との相違点について説明する。
【0251】
本実施形態2では、先の図25及び図26に示した処理の代わりに、又は状況に応じて使い分けて、図27及び図28に示すような処理を実行して、車載器200と配信サーバ300との間で相互にデータのやりとりをする。
【0252】
すなわち、図27に示すように、先の図25に示したステップS2501〜S2505と同様の処理内容であるステップS2701〜S2705を経て、初期画面を表示した後、続くステップS2706で、嗜好データA〜Dの全てをチェックし、そのチェックした全ての嗜好データA〜Dを、配信サーバ300へ送信(アップリンク)する。次に、配信サーバ300の第2の通信制御部304が、その嗜好データA〜Dを、路側無線装置100を介して車載器200から受信する(ステップS2707)。次に、配信サーバ300の制御部306が、その受信した嗜好データA〜Dの全て、すなわちユーザA〜D全員の嗜好に対応したディジタルデータ150(コンテンツデータ)を、第2の通信制御部304により、路側無線装置100を介して車載器200へ送信する(ステップS2708)。続けて、車載器200の通信部201が、ユーザA〜D全員の嗜好に対応したコンテンツデータを、路側無線装置100を介して受信し、記憶装置206に格納する(ステップS2709)。そして、制御部207が、その記憶装置206に格納されたコンテンツデータから、運転者の嗜好に対応したコンテンツデータを抽出する(ステップS2710)。
【0253】
詳しくは、このコンテンツデータの抽出処理(ステップS2710)に際しては、例えば図28に示すように、制御部207が、前述した運転座席の荷重等に基づき、運転者を特定し(ステップS2801)、記憶装置206に格納されているユーザ別嗜好テーブル(図24)を参照して、その特定された運転者の嗜好データを選択(チェック)する。そして、そのチェックされた運転者の嗜好データに基づいて、運転者の嗜好に対応したコンテンツデータを抽出する。
【0254】
すなわち、運転者がユーザAか否かを判断し(ステップS2802)、ユーザAである旨判断されれば嗜好データAをチェックし、嗜好データAに従ってコンテンツデータを抽出する(ステップS2803)。他方、ユーザAでない旨判断されれば、次に運転者がユーザBか否かを判断する(ステップS2804)。そして、ユーザBである旨判断されれば嗜好データBをチェックし、嗜好データBに従ってコンテンツデータを抽出する(ステップS2805)。他方、ユーザBでない旨判断されれば、次に運転者がユーザCか否かを判断する(ステップS2806)。そして、ユーザCである旨判断されれば嗜好データCをチェックし、嗜好データCに従ってコンテンツデータを抽出する(ステップS2807)。他方、ユーザCでない旨判断されれば、次に運転者がユーザDか否かを判断する(ステップS2808)。そして、ユーザDである旨判断されれば嗜好データDをチェックし、嗜好データDに従ってコンテンツデータを抽出する(ステップS2809)。なお、これらのステップによりユーザA〜Dのいずれでもない旨判断されれば、コンテンツデータを抽出しない。
【0255】
続けて、受信したディジタルデータ150の再生条件情報503に設定された再生開始条件が満たされた場合には、図27に示すように、車載器200の制御部207が、ステップS2710で抽出されたポップアップ用コンテンツデータを再生し、ユーザから再生開始の指示が入力された場合には、ディジタルデータ150中のメインコンテンツデータを再生する(ステップS2711)。この際、出力部203や音声処理部202を通じて、再生画像の表示や発話が可能となる。なお、ステップS2710で抽出されなかった場合には、全てのコンテンツデータを再生するようにしても、任意の方法で再生すべきコンテンツデータを選択するようにしてもよい。また、再生自体をしなくてもよい。
【0256】
こうした構成によっても、ユーザ別嗜好テーブルを参照して、その都度、運転者の嗜好に対応したデータを提供することができる。
【0257】
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
【0258】
運転者以外のユーザを特定して、そのユーザの嗜好に対応したデータを提供するように構成してもよい。例えば助手席や後部座席など、他の座席位置に座っている人物を特定(例えば荷重センサにより特定)して、そのユーザの嗜好に対応したデータを提供するように構成してもよい。
【0259】
車載器200を装置の全部又は一部として動作させるためのコンピュータプログラムを、メモリカード、CD−ROM、DVD、MO(Magneto Optical Disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、車載器200として動作させ、あるいは、車載器200が行う工程を実行させてもよい。さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【0260】
本発明に係る情報提供装置は、自動車以外の乗り物に搭載するようにしてもよい。さらには、乗り物以外に適用するようしてもよい。例えば会社において所定の座席に座ったユーザを特定し、インターネットに接続されたコンピュータを通じて、そのユーザの嗜好に対応したデータを提供するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0261】
100 路側無線装置
101 無線通信部
102 通信制御部
103 記憶装置
104 制御部
105 ROM
106 RAM
107 システムバス
150 ディジタルデータ
200 車載器
201 通信部
201a GPSモジュール
201b DSRCモジュール
202 音声処理部
203 出力部
204 操作部
205 I/O装置
206 記憶装置
207 制御部
208 ROM
209 RAM
210 システムバス
225 センサ群
300 配信サーバ
301 入力部
302 出力部
303 第1の通信制御部
304 第2の通信制御部
305 記憶装置
306 制御部
307 ROM
308 RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに情報を提供する情報提供装置と、前記情報提供装置にデータを配信するサーバと、を有する情報提供システムであって、
前記情報提供装置は、
予め設定されたユーザと該ユーザ別の嗜好データとを関連付ける嗜好関連付け手段と、
前記ユーザ別の嗜好データを記憶する第1記憶手段と、
所定の条件に合ったユーザを特定するユーザ特定手段と、
前記嗜好関連付け手段において前記ユーザ特定手段により特定されたユーザに関連付けられている嗜好データを、前記第1記憶手段から前記サーバへ送信する嗜好データ送信手段と、
を備え、
前記サーバは、
データを記憶する第2記憶手段と、
前記嗜好データ送信手段により送信された嗜好データを受信する嗜好データ受信手段と、
前記嗜好データ受信手段により受信した嗜好データに基づいて、前記第2記憶手段に記憶されたデータの中から、前記情報提供装置に送信するデータを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択されたデータを前記情報提供装置に送信するデータ送信手段と、
を備える、
ことを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
ユーザに情報を提供する情報提供装置と、前記情報提供装置にデータを配信するサーバと、を有する情報提供システムであって、
前記情報提供装置は、
前記サーバから受信したデータを記憶する第1記憶手段と、
予め設定されたユーザと該ユーザ別の嗜好データとを関連付ける嗜好関連付け手段と、
前記ユーザ別の嗜好データを記憶する第2記憶手段と、
所定の条件に合ったユーザを特定するユーザ特定手段と、
前記嗜好関連付け手段において前記ユーザ特定手段により特定されたユーザに関連付けられている前記第2記憶手段内の嗜好データに基づいて、前記第1記憶手段に記憶されたデータから、前記ユーザ特定手段により特定されたユーザの嗜好に対応したデータを抽出する抽出手段と、
を備える、
ことを特徴とする情報提供システム。
【請求項3】
予め設定されたユーザと該ユーザ別の嗜好データとを関連付ける嗜好関連付け手段と、
前記ユーザ別の嗜好データを記憶する嗜好データ記憶手段と、
所定の条件に合ったユーザを特定するユーザ特定手段と、
前記嗜好関連付け手段において前記ユーザ特定手段により特定されたユーザに関連付けられている前記嗜好データ記憶手段内の嗜好データを選択する嗜好データ選択手段と、
前記嗜好データ選択手段により選択された嗜好データに基づいて、前記ユーザ特定手段により特定されたユーザの嗜好に対応したデータを選択的に取得するユーザ別データ取得手段と、
前記ユーザ別データ取得手段により取得されたデータをユーザに提供するデータ提供手段と、
を備える、
ことを特徴とする情報提供装置。
【請求項4】
前記情報提供装置は、サーバからデータを受信してユーザに情報を提供するものであり、
前記ユーザ別データ取得手段は、前記嗜好データ選択手段により選択された嗜好データを、前記嗜好データ記憶手段から読み出して前記サーバへ送信し、該サーバから、前記ユーザ特定手段により特定されたユーザの嗜好に対応したデータを受信するものである、
請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記情報提供装置は、サーバからデータを受信してユーザに情報を提供するものであり、
前記サーバから受信したデータを記憶するサーバデータ記憶手段を備え、
前記ユーザ別データ取得手段は、前記嗜好データ選択手段により選択された嗜好データに基づいて、前記サーバデータ記憶手段に記憶されたデータから、前記ユーザ特定手段により特定されたユーザの嗜好に対応したデータを抽出するものである、
請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記情報提供装置は、自動車に搭載されるものであり、
前記ユーザ特定手段は、前記自動車を運転している人物を特定するものである、
請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記ユーザ特定手段は、前記自動車の車内で再生されている楽曲に基づいて、前記自動車を運転している人物を特定するものである、
請求項6に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記ユーザ特定手段は、身体的な特徴に基づいて、前記自動車を運転している人物を特定するものである、
請求項6に記載の情報提供装置。
【請求項9】
前記ユーザ特定手段は、前記自動車の運転座席にかかる荷重に基づいて、前記自動車を運転している人物を特定するものである、
請求項6に記載の情報提供装置。
【請求項10】
前記ユーザ特定手段は、運転方法の特徴に基づいて、前記自動車を運転している人物を特定するものである、
請求項6に記載の情報提供装置。
【請求項11】
前記ユーザ特定手段は、手動操作に基づくユーザからの報知に基づいて、前記自動車を運転している人物を特定するものである、
請求項6に記載の情報提供装置。
【請求項12】
サーバからデータを受信してユーザに情報を提供する方法であって、
所定の条件に合ったユーザを特定する第1ステップと、
予め設定されたユーザと該ユーザ別の嗜好データとを関連付ける嗜好関連付け手段を用いて、該嗜好関連付け手段において前記第1ステップにより特定されたユーザに関連付けられている嗜好データを選択する第2ステップと、
前記第2ステップにより選択された嗜好データを、前記サーバへ送信する第3ステップと、
前記サーバから、前記第1ステップにより特定されたユーザの嗜好に対応したデータを受信する第4ステップと、
を備える、
ことを特徴とする情報提供方法。
【請求項13】
コンピュータを、
所定の条件に合ったユーザを特定するユーザ特定手段、
前記嗜好関連付け手段において前記ユーザ特定手段により特定されたユーザに関連付けられている嗜好データを選択する嗜好データ選択手段、
前記嗜好データ選択手段により選択された嗜好データに基づいて、前記ユーザ特定手段により特定されたユーザの嗜好に対応したデータを選択的に取得するユーザ別データ取得手段、
前記ユーザ別データ取得手段により取得されたデータをユーザに提供するデータ提供手段、
として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2010−236953(P2010−236953A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−83654(P2009−83654)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】