説明

情報端末及びデータ検索方法

【課題】ユーザがランドマークに関する複数の検索結果を簡単に参照して当該検索結果に基づく次の操作を容易に行えるようにすることを目的とする。
【解決手段】携帯電話機10は、入力された検索条件に対応する地図データと、該地図データで示される地図上に存在する複数のランドマークに関する複数のランドマーク情報とを取得する取得部11と、取得された地図データに基づいて、複数のランドマークの位置を示す位置情報を含む地図を表示部105に表示する地図表示部12aと、取得された複数のランドマーク情報に基づいて、各ランドマークについて、該ランドマークの属性を示す属性情報を該属性情報に対応するアプリケーション・プログラムへのリンクとして表示部105に表示する属性表示部12bと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランドマークに関する検索結果を地図と共に表示する情報端末及びデータ検索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、施設などのランドマークに関する検索結果を地図と共に表示するための様々な技術が知られている。例えば下記特許文献1には、設定された目的地情報を施設情報要求に含めて情報提供サーバに送信し、その要求に応じて情報提供サーバから送られてきた施設情報(地理情報などを含む)を出力する車載装置が記載されている。
【0003】
上記のような施設情報で示されるランドマークの検索結果をモニタに表示する方法としては、各ランドマークの位置を示すピンを地図上に表示する手法がある。また、ユーザインタフェースを介して選択された一のランドマークに関する詳細情報を、画面を切り替えて、あるいは切り替えることなく重畳して表示する手法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−19976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような表示方法では、ユーザは複数のランドマークの詳細情報を一目で比較することができない。また、その詳細情報に基づいて次の操作をするためには、ユーザは検索結果画面とは別の画面を開く必要がある。例えば、地図上の施設に関するウェブサイトを参照するためには、ユーザは検索結果画面とは別のブラウザを開き、そこから当該ウェブサイトへのアクセスを試みる必要がある。
【0006】
そこで本発明は、ユーザが、ランドマークに関する複数の検索結果を簡単に参照し、当該検索結果に基づく次の操作を容易に行うことが可能な情報端末及びデータ検索方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報端末は、入力された検索条件に対応する地図データと、該地図データで示される地図上に存在する複数のランドマークに関する複数のランドマーク情報とを取得する取得手段と、取得手段により取得された地図データに基づいて、複数のランドマークの位置を示す位置情報を含む地図を表示領域に表示する地図表示手段と、取得手段により取得された複数のランドマーク情報に基づいて、各ランドマークについて、該ランドマークの属性を示す属性情報を該属性情報に対応するアプリケーション・プログラムへのリンクとして表示領域に表示する属性表示手段と、を備える。
【0008】
本発明のデータ検索方法は、情報端末により実行されるデータ検索方法であって、入力された検索条件に対応する地図データと、該地図データで示される地図上に存在する複数のランドマークに関する複数のランドマーク情報とを取得する取得ステップと、取得ステップにおいて取得された地図データに基づいて、複数のランドマークの位置を示す位置情報を含む地図を情報端末の表示領域に表示する地図表示ステップと、取得ステップにおいて取得された複数のランドマーク情報に基づいて、各ランドマークについて、該ランドマークの属性を示す属性情報を該属性情報に対応するアプリケーション・プログラムへのリンクとして表示領域に表示する属性表示ステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
このような発明によれば、検索された複数のランドマークのそれぞれについて、当該ランドマークの属性情報が地図上に一度に表示されるので、ユーザは各ランドマークの属性を一目で簡単に参照できる。また、その属性情報はアプリケーション・プログラムへのリンクとして表示されるので、ユーザは地図及びランドマークの属性情報が表示されている画面(検索結果画面)を切り替えることなく、そのリンクを選択することで次の操作に簡単に移ることができる。
【発明の効果】
【0010】
このような情報端末及びデータ検索方法によれば、検索された複数のランドマークの属性情報がアプリケーション・プログラムへのリンクとして一度に地図上に表示される。これによりユーザは、ランドマークに関する複数の検索結果を簡単に参照し、当該検索結果に基づく次の操作を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係る携帯電話機の機能構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す携帯電話機のハードウェア構成を示す図である。
【図3】検索条件を入力する画面の例を示す図である。
【図4】検索結果を途中まで表示した例を示す図である。
【図5】検索結果の最終的な表示態様の例を示す図である。
【図6】図1に示す携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態では、本発明に係る情報端末を携帯電話機に適用する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
まず、図1〜5を用いて、実施形態に係る携帯電話機10の機能及び構成を説明する。携帯電話機10は、通話機能やメール機能、ウェブブラウザ機能などを備える通信端末である。携帯電話機10は、図示しないネットワークを介してサーバSから地図情報を取得して表示する機能も備えている。
【0014】
携帯電話機10について詳述する前に、サーバSについて説明する。サーバSは、所定の地理範囲に対応する地図データや、その地図データで示される地図上に存在するランドマークの情報(ランドマーク情報)を携帯電話機10に提供するコンピュータである。地図表示に関する検索条件が携帯電話機10から送られてくると、サーバSはその検索条件に基づいて所定のデータベースを検索し、検索条件に合致する地図データ及びランドマーク情報を抽出する。そしてサーバSは、抽出した地図データ及びランドマーク情報を検索結果として携帯電話機10に送信する。なお、サーバSがアクセスするデータベースはサーバSの内部に設けられていてもよいし、サーバSとネットワーク接続された別のコンピュータ上に設けられていてもよい。
【0015】
ここで、ランドマークとは目標となり得る場所であり、例えば、店舗や駅などの施設や建築物、景勝地などが挙げられる。ランドマーク情報とは、地図上におけるランドマークの位置を示す位置情報と、ランドマークの他の属性を示す属性情報とを含む情報である。位置情報は例えば緯度経度のデータや座標データなどの形式で予め生成されている。属性情報は、ランドマークの名称や所在地、電話番号、メールアドレス、関連ウェブサイト(例えばランドマークのホームページや、当該ランドマークに関するブログのサイトなど)のURL(Uniform Resource Locator)を含む形で予め生成されている。
【0016】
もっとも、位置情報の表現形式や属性情報の構成は上記のものに限定されず、任意に設定してよい。例えば、位置情報をランドマーク情報ではなく地図データの方に含ませてもよい。属性情報に関して言えば、例えば電話番号およびメールアドレスのみを含む属性情報を規定してもよいし、ファクシミリ番号を更に含む属性情報を規定してもよい。
【0017】
図1に示すように、携帯電話機10は機能的構成要素として取得部11及び結果表示部12を備えている。この携帯電話機10は、図2に示すように、オペレーティングシステムやアプリケーション・プログラムなどを実行するCPU101と、ROM及びRAMで構成される主記憶部102と、メモリなどで構成される補助記憶部103と、データ通信を行う通信制御部104と、液晶モニタなどで構成される表示部105と、入力キーなどで構成される操作部106とで構成される。図1に示す各機能は、CPU101及び主記憶部102の上に所定のプログラムを読み込ませ、CPU101の制御の下で通信制御部104、表示部105及び操作部106を動作させるとともに、主記憶部102や補助記憶部103に対してデータの読み出し又は書き込みを行うことで実現される。データベースや処理に必要なデータは主記憶部102または補助記憶部103内に格納されている。
【0018】
図1に戻って、取得部11は、入力された検索条件に対応する地図データと、該地図データで示される地図上に存在する一以上のランドマークに関する一以上のランドマーク情報とを取得する手段である。
【0019】
取得部11は、所定の地理範囲におけるランドマークの検索条件の入力を受け付ける入力画面を表示部105に表示し、当該画面を介してユーザが入力した検索条件をサーバSに送信する。続いて、取得部11はその送信に応じてサーバSから送られてきた検索結果を受信して結果表示部12に出力する。
【0020】
取得部11により提供される入力画面の構成は任意であるが、例えば取得部11は図3のような入力画面Fsを表示する。入力画面Fsは、飲食店情報を提供するウェブサイトにおいて、地域「A地区」と飲食店のカテゴリ「イタリアン」とを条件に検索したときに表示される検索結果画面である。この画面Fsには、上記の条件に合致する4軒の店舗a〜dの名前と、これらから任意の店舗を選択するためのチェックボックスCと、選択した店舗の位置を示す地図情報をサーバSから取得するための決定ボタンとが表示されている。
【0021】
ユーザが入力画面Fsにおいて、例えば図3に示すように店舗a,b,dの欄にチェックを入れて決定ボタンを押すと、取得部11は入力内容等を反映した検索条件を生成してサーバSに送信する。具体的には、取得部11は地図データを特定するための情報(例えば「A地区」を特定する情報)や、ランドマークを特定するための情報(例えば「店舗a,b,d」を特定する情報)が含まれる検索条件を生成および送信する。その後、取得部11はその検索条件に基づく検索結果をサーバSから受信する。
【0022】
結果表示部12は、取得部11から入力された検索結果(地図データ及びランドマーク情報)を表示部105(表示領域)に表示する手段であり、地図表示部12a及び属性表示部12bを備えている。
【0023】
地図表示部12aは、取得部11から入力された地図データ及び一以上のランドマーク情報に基づいて、一以上のランドマークの位置を示す位置情報を含む地図を表示部105に表示する手段である。例えば、地図表示部12aは図4に示すような検索結果画面Frを表示する。図4に示す画面Frは、図3のように店舗が指定されて検索が実行された場合の結果を示す画面である。なお、この画面Frは、図3に示す検索結果画面(入力画面)Fsに続く最終的な検索結果画面であるとも言える。検索結果画面Frには、地図Mが表示されると共に、図3における店舗a,b,dの位置を示す位置情報が、それぞれ星形のマークPa,Pb,Pdとして地図上に表示されている。
【0024】
属性表示部12bは、取得手段から入力された一以上のランドマーク情報に基づいて、各ランドマークについて、該ランドマークの属性情報を、該属性情報に対応するアプリケーション・プログラムへのリンクとして表示部105に表示する手段である。
【0025】
属性表示部12bは、ランドマーク情報内の各属性情報について、対応するアプリケーション・プログラムを特定し、当該プログラムを起動する又は当該プログラムに遷移するためのコマンドを生成する。この際に、属性表示部12bは当該コマンドの引数に属性情報を代入する。属性表示部12bは、入力されたすべてのランドマーク情報に対してこのような処理を実行する。続いて、属性表示部12bは生成したコマンドを埋め込んだリンクを、地図表示部12aにより表示された地図上に重畳表示する。このとき、属性表示部12bはリンクの表示文字列として属性情報(属性の内容そのもの又は属性の項目名)を設定する。
【0026】
図3,4に倣って説明すると、属性表示部12bは図5に示すように店舗a,b,dの属性情報を、それぞれ吹出しZa,Zb,Zdの中に記述する形で地図上に表示する。例えば吹出しZaには、店舗aの名称や所在地、メールアドレス、ホームページのURL、電話番号、関連サイトのURLが記述されている。いずれの吹出しにおいても、名称を除く各属性情報は、対応アプリケーション・プログラムを起動したり当該プログラムに遷移したりするためのリンクとして表示されている。
【0027】
吹出しZaに関して言うと、リンク「所在地a」には、ルート検索アプリケーションを起動して現在地から店舗aまでのルートを検索するコマンドが埋め込まれている。リンク「アドレスa」には、メール・アプリケーションを起動して店舗a宛のメールを作成するための画面を開くコマンドが埋め込まれている。リンク「ホームページURL−a」には、ウェブブラウザを起動して店舗aのホームページを表示するコマンドが埋め込まれている。リンク「電話番号a」には、通話アプリケーションを起動して店舗a宛に発呼する準備を行うコマンドが埋め込まれている。リンク「関連サイトURL−a」には、ウェブブラウザを起動して所定の関連サイト(例えば、いわゆる口コミ情報が記載されたサイト)を表示するコマンドが埋め込まれている。吹出しZb,Zd内の各リンクについても同様である。
【0028】
なお、リンクを選択して表示された画面から図5のような地図表示画面に戻る操作を可能にするように、携帯電話機10の操作インタフェースを構築してもよい。
【0029】
次に、図6を用いて、携帯電話機10の動作を説明するとともに本実施形態に係るデータ検索方法について説明する。
【0030】
まず、取得部11が入力画面を表示部105に表示して検索条件の入力を受け付ける(ステップS11、取得ステップ)。続いて、取得部11は入力された検索条件をサーバSに送信し、当該送信に応じて送られてきた検索結果、すなわち地図データ及びランドマーク情報を受信する(ステップS12、取得ステップ)。
【0031】
続いて、結果表示部12が検索結果を表示部105に表示する。具体的には、地図表示部12aが地図データに基づいて地図を表示し、更に、ランドマーク情報に基づいて各ランドマークの位置情報を所定の方法で(例えば図4に示すような星形のマークで)当該地図上に表示する(ステップS13、地図表示ステップ)。また、属性表示部12bがランドマーク情報に基づいて各ランドマークの属性情報に対応するリンクを生成し、生成したリンクを地図上に表示する(ステップS14、属性表示ステップ)。
【0032】
以上説明したように、本実施形態によれば、検索された複数のランドマークのそれぞれについて、当該ランドマークの属性情報が地図上に一度に表示されるので、ユーザは各ランドマークの属性を一目で簡単に参照できる(図5参照)。例えば、ユーザは複数のランドマークの属性を短時間で比較することができる。また、その属性情報はアプリケーション・プログラムへのリンクとして表示されるので(図5参照)、ユーザは地図及びランドマークの属性情報が表示されている画面(検索結果画面)を切り替えることなく、そのリンクを選択することで次の操作に簡単に移ることができる。
【0033】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0034】
本発明は、携帯電話機のような、画面サイズが限られてしまう機器において特に有効である。しかしながら、携帯情報端末(PDA)や、携帯型又は据置型のパーソナルコンピュータ、あるいはその他の情報端末などに本発明を適用してもよく、その場合にも上記のような効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0035】
10…携帯電話機(情報端末)、11…取得部(取得手段)、12…結果表示部、12a…地図表示部(地図表示手段)、12b…属性表示部(属性表示手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された検索条件に対応する地図データと、該地図データで示される地図上に存在する複数のランドマークに関する複数のランドマーク情報とを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された地図データに基づいて、前記複数のランドマークの位置を示す位置情報を含む地図を表示領域に表示する地図表示手段と、
前記取得手段により取得された複数のランドマーク情報に基づいて、各ランドマークについて、該ランドマークの属性を示す属性情報を該属性情報に対応するアプリケーション・プログラムへのリンクとして前記表示領域に表示する属性表示手段と、
を備える情報端末。
【請求項2】
情報端末により実行されるデータ検索方法であって、
入力された検索条件に対応する地図データと、該地図データで示される地図上に存在する複数のランドマークに関する複数のランドマーク情報とを取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された地図データに基づいて、前記複数のランドマークの位置を示す位置情報を含む地図を前記情報端末の表示領域に表示する地図表示ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された複数のランドマーク情報に基づいて、各ランドマークについて、該ランドマークの属性を示す属性情報を該属性情報に対応するアプリケーション・プログラムへのリンクとして前記表示領域に表示する属性表示ステップと、
を含むことを特徴とするデータ検索方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−203863(P2011−203863A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−68801(P2010−68801)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】