説明

情報端末装置、情報端末管理システム及びプログラム

【課題】追加されたウィジェットなどの機能が位置情報端末の本来の機能を阻害するのを防いで、位置情報端末の使い勝手が低下することを防止する。
【解決手段】情報端末装置は、表示装置の表示部に表示を行う単機能プログラムであるWidgetの実行を管理するWidget管理部を備え、Widget管理部は、Widgetに表示装置での表示状態に関する動作制限と優先度を含む動作ポリシーを決定するポリシー決定部と、Widgetに当該Widgetの信頼性を示す信頼度を決定する信頼度決定部と、を有し、Widget管理部は、ナビゲーション部が演算した移動の状態が予め設定した状態になったときに、動作制限と信頼度に応じてWidgetの表示状態を規制し、ナビゲーション部が演算した位置情報及び誘導状態を優先して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信機能と位置情報を扱う機能を持つ、携帯電話やカーナビゲーション装置やTV等の組込み機器と、それらを用いたシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末の高機能化が進んでいる上、携帯端末への位置情報処理機能の搭載とネットワーク連携によるサービス提供が活発化し、機能搭載の有無による他社差別化が困難になりつつある。
【0003】
したがって、ユーザに対して訴求力のある携帯端末を開発するためには、筐体や画面デザイン、GUI(graphical User Interface)等のより表層的な箇所への取り組みが重要になっている。さらに、ユーザに長期間端末を所有し利用してもらうため、出荷後もネットワーク経由でのアップデートや新サービス対応が必須となっている。さらに、端末の価格競争も加速し、より低価格化が進んでいる。
【0004】
こうした中、カーナビゲーション機能などを備えた位置情報端末では、コストを抑えつつユーザへ訴求力のある端末を提供するため、以下の取り組みが注目されている。
【0005】
(1)新サービス取り込みの容易化:ナビゲーション装置の通信対応、地図情報等を提供するナビゲーションのサービスセンタと連携したサービスの追加や、表示画面で情報を提供するWidgetの搭載。
【0006】
(2)画面やコンテンツ確保の容易化と開発工数低減:デザイナの要望の迅速な取り込み。ユーザや第3者が提供するコンテンツの利用。複数端末間でのコンテンツの流用。
【0007】
位置情報端末で利用する上記コンテンツとしては、位置情報端末の表示装置に表示されるウィジェットなどのアプリケーションを用いることができる。
【0008】
ここで「ウィジェット(Widget)」とは、XMLとスクリプト言語で記載され、表示装置の画面の一部分に恒常的に表示される単機能のアプリケーションを示す。
【0009】
しかし、従来の位置情報端末は、限られたハードウェア資源(CPU性能、メモリ容量、等)上で、利用者の安全性を確保しながら快適な操作性も実現するため、搭載された機能は全て事前構成済みで、各機能の動作についても製造段階で厳密に管理され、動作の不具合などの発生を極力抑える構造であることが多い。したがって、上記(1)、(2)を実現するために必要な、位置情報端末を出荷した後の機能追加を安全性と快適な操作性を保障しながらの実施は困難である。特に、ハードウェア資源に余裕がない位置情報端末では、追加した機能と既存機能が予期せぬ状況で干渉し、動作不安定になることが想定される。
【0010】
現在、これらの課題に対処する画面表示制御方法が提案されており、例えば、表示装置に出力する画面データを描画要素とそのアニメーション方法に分けて個々に管理し、ある描画要素を表示する時に、一定の条件を満たせば、その要素に対応するアニメーション方法に従ってアニメーションを出力させる方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2001−75772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記従来技術では、予め定めた状態遷移データに沿ってのみアニメーション表示方法を変更するため、表示装置を管理している状態が同一でも、システムの負荷状況など状態遷移データの管理外の状況が異なる場合に動的にアニメーションの表示を制御できない、という問題があった。
【0013】
さらに、上記従来技術では、グラフィックス要素とアニメーション要素の提供元を判断する手段を搭載していないため、ネットワーク等を介して動的に追加した要素(グラフィックス要素やアニメーション要素)の信頼度に関係なく、各要素を表示してしまい、ユーザなどが追加した機能と既存機能が干渉したり、ハードウェア資源の負荷が過大となって、位置情報端末の動作が不安定になる恐れがあった。つまり、ユーザなどが追加した機能が悪意のある機能である場合、位置情報端末が備える本来の機能(例えば、地図と進行方向の表示機能など)が追加した機能によって阻害される、という問題があった。あるいは、ハードウェア資源が限られている位置情報端末では、追加した機能が要求するハードウェア資源が大きい場合では、追加した機能を実行するために、位置情報端末が備える本来の機能が停止または不安定になる恐れがあった。
【0014】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、ユーザなどが追加したウィジェットなどの機能が位置情報端末の本来の機能を阻害するのを防いで、位置情報端末の使い勝手が低下することを防止することを目的とする。さらに、ユーザなどが追加したウィジェットなどの機能の信頼性を判定して、不正な追加機能を排除することで位置情報端末の信頼性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、演算処理を行うCPUと、情報を記憶するメモリと、現在の位置を検出して移動の状態を検知する位置情報検出部と、前記現在の位置と地図情報から位置情報を演算し、目的地が設定されたときには前記目的地へ向かう誘導情報を演算するナビゲーション部と、前記位置情報及び誘導情報を表示する表示部と、ネットワークを介して通信を行う通信部と、を備えた情報端末装置において、前記表示部に表示を行う単機能プログラムであるWidgetの実行を管理するWidget管理部を備え、前記Widget管理部は、前記Widgetに前記表示装置での表示状態に関する動作制限と優先度を含む動作ポリシーを決定するポリシー決定部と、前記Widgetに当該Widgetの信頼性を示す信頼度を決定する信頼度決定部と、を有し、前記Widget管理部は、前記移動の状態が予め設定した状態になったときに、前記動作制限と前記信頼度に応じて前記Widgetの表示状態を規制し、前記位置情報及び誘導状態を優先して表示する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、Widgetを十分に動作させるハードウェア資源を持たない位置情報端末上で、Widgetを動作させた場合に、Widgetの開発者の意図した形でWidgetの動作を制限できるため、Widgetの見た目と使い勝手の低下を抑制することができる。また、位置情報端末の状態に応じて、Widgetの表示と動作を自動的に制御するため、ユーザに対する目的地案内時の安全性と、Widgetの操作性のバランスを自動的にとることができる。さらに、Widget自体が動作ポリシーと信頼度パラメータを持つため、位置情報端末上での不正なWidgetの動作を防ぐことができ、情報端末装置の信頼性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態を示し、位置情報端末システムの一例を示すブロック図である。
【図2A】Widget管理ポータル102が管理する位置情報端末管理情報201の一例を示す説明図である。
【図2B】Widget管理ポータル102が管理するWidget管理情報202の一例を示す説明図である。
【図2C】Widget管理ポータル102が管理するWidgetブラックリスト203の一例を示す説明図である。
【図2D】Widget管理ポータル102が管理する動作制限定義204の一例を示す説明図である。
【図3A】Widget管理ポータル102が管理するユーザ基本情報401の一例を示す説明図である。
【図3B】Widget管理ポータル102が管理するユーザ端末最大負荷履歴402の一例を示す説明図である。
【図4】位置情報端末101の記録装置140に格納されるWidget管理情報142の一例を示す説明図である。
【図5】位置情報端末101のWidgetライブラリ対応表601を示す説明図である。
【図6】位置情報端末101のライブラリ動作履歴表126を示す説明図である。
【図7】位置情報端末101の起動時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】開発者が作成したWidget110をWidget管理ポータル102に登録する流れの一例を示すシーケンス図である。
【図9】Widget110をネットワーク経由でWidget管理ポータル102から位置情報端末101にインストールする時の流れを示すシーケンス図である。
【図10】位置情報端末101が第3者提供サイトからWidget110をダウンロードする流れを示すフローチャートである。
【図11】位置情報端末101の状態に応じたWidget110の動作制限の一例を示すフローチャートである。
【図12】位置情報端末101で実行されるWidget110の処理を示すフローチャートである。
【図13】Widget110及びライブラリのアップデート時の処理流れを示すフローチャートである。
【図14】位置情報端末101の状態変更時の表示変更方法の一例を示す画面イメージである。
【図15】位置情報端末101の動作負荷が高いときの表示例を示す画面イメージである。
【図16】位置情報端末101上でWidget110をダウンロードするときに閲覧するWidget110のダウンロード用選択画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は、本発明を適用する位置情報端末システムの一例を示すブロック図である。図1の位置情報端末は、ユーザなどがWidgetを追加できる構成を備える。
【0020】
図1において、符号101は位置情報端末、符号102はWidget管理ポータル、符号103は第3者サイト、符号104はネットワーク、符号110はWidget、符号110はWidget、符号111は静止画データ、符号112は動画データ、符号113はアニメーションデータ、符号114はアニメ属性、符号115は動作ポリシー、符号116は信頼度、符号120はWidget管理部、符号121はWidgetブラックリスト、符号122はWidget管理表、符号123はWidget認証機能、符号124はWidgetライブラリ対応表、符号125は端末状態フラグ、符号126はライブラリ動作履歴表、符号127はナビエンジン、符号128はライブラリ群、符号129はOS、符号130はハードウェア、符号140は記録装置、符号141は地図情報、符号142はWidget情報、符号150は認証済みWidget、符号151は位置情報端末管理情報、符号152はWidget管理情報、符号153はユーザ基本情報、符号154はユーザ端末負荷履歴、符号155はWidgetブラックリストである。
【0021】
なお、Widget(ウィジェット)は、上記従来例で述べたように、XMLとスクリプト言語で記載される単機能のアプリケーションであり、状況によってはXML或いはスクリプト言語のどちらかのみで記述される場合もある。
【0022】
位置情報端末101は現在位置を識別しそれに応じた処理を実行する情報機器である。位置情報端末101は、例えば、車両に設定されるナビゲーション装置や、PND等であり、Widget110、Widget管理部120、ナビエンジン127、ライブラリ群128、OS129、ハードウェア130、記録装置140から構成されている。以下の説明では、位置情報端末101がカーナビゲーション装置である場合について説明する。
【0023】
なお、Widget110や、Widget管理部120、ナビエンジン127、ライブラリ群128、OS129等のソフトウェアは、記憶媒体としての記録装置(ストレージ装置)140に格納され、CPU131がメモリ132へロードして実行するものである。
【0024】
Widget110はXMLとスクリプトで構成された表示機能を持つ単機能プログラムであり、静止画データ111、アニメーションデータ113や動画データ等を表示装置133の画面(表示領域)の一部分に恒常的に表示し、動作ポリシー115と、信頼度116、動画データ112から構成されている。尚、本発明は、Widgetの代わりに、表示機能を持つプログラムを用い場合にも適用可能である。
【0025】
静止画データ111はWidget110が表示装置133に表示する静止画データであり、例えば、ビットマップ、Jpeg画像などである。
【0026】
アニメーションデータ113は、Widget110が表示装置133に表示するアニメーションデータある。各アニメーションデータ113には、アニメ属性114が割り当てられており、位置情報端末101の状態に応じて、Widget管理部120がアニメーションを制御するため参照される。
【0027】
動作ポリシー115はWidget110の動作規準であり、位置情報端末101の制御状態に応じた動作を予め定義したデータである。Widget管理部120は、Widget110毎に動作ポリシー115を決定する。
【0028】
動作ポリシー115として、例えば、以下のパラメータに対して、5種類の状態(通常時(停止時)/走行時/誘導時/ナビ高負荷時/特定エリア進入時)が考えられる。
・Widget実行優先度
Widget管理情報142の実行優先度情報を基本値として設定し、位置情報端末1 01へダウンロードした後、すでに位置情報端末101に存在する他のWidget1 10の信頼度との関係で実行優先度情報を変更する。例えば、ダウンロードしたWid get110よりも信頼度が高いWidget110が存在する場合は、実行優先度を 下げる。
・アニメーション制御
Widget管理情報142の負荷指標に基づき基本値を設定し、位置情報端末101 へダウンロードした後、すでに位置情報端末101に存在する他のWidget110 の信頼度との関係でアニメーション制御ポリシーを変更する。
・外部情報アクセス制御
Widgetの信頼度に応じて制御する。信頼度が予め定めた数段階の基準値以下にな るたびに、誘導時禁止、走行時禁止、完全禁止という制御をする。
・ナビ機能アクセス制御
Widgetの信頼度に応じて制御する。信頼度が予め定めた数段階の基準値以下にな るたびに、誘導時禁止、走行時禁止、完全禁止という制御をする。
【0029】
例えば、上記実行優先度512は信頼度に応じて設定することもでき、信頼度が高ければ実行優先度512も高く設定し、信頼度が低ければ実行優先度512も低く設定することができる。
【0030】
動作ポリシーの設定タイミングは、Widget設計時に固定値として埋め込む場合、Widget110を位置情報端末101へダウンロードするときに、Widget管理ポータル154がWidget管理情報142に基づいて設定する場合、そして、Widget110ダウンロード後に、Widget管理部120が設定する場合が考えられる。
【0031】
Widget管理部120はWidget110を管理する機能である。Widget110の起動終了、動作制御、Widget110の信頼度116を用いた認証などを実施し、Widget管理表122、Widget認証機能123、Widgetライブラリ対応表124、Widgetブラックリスト121、ライブラリ動作履歴表126、端末状態フラグ125から構成されている。尚、位置情報端末101の性能に対する制約が厳しい場合は、Widgetブラックリスト121、Widget認証機能123を持たず、Widget管理ポータル102で該当処理を全て実施する場合も考えられる。
【0032】
Widget認証機能123はWidget110のダウンロード及び、Widget110が位置情報端末101の内部へのアクセス制限を実施する。この位置情報端末101の内部へのアクセス制限方法として、例えば、一定レベル以上の信頼度116を持つWidget110に対して、内部情報へのアクセス用アクセスキーを提供する方法や、Widget110がOS129からAPI(Application Program Interface)を呼び出すたびにアクセス許可を判定する方法などが考えられる。
【0033】
Widgetライブラリ対応表124は、ユーザなどがWidget管理ポータル102等から現在ダウンロードしているWidget110の一覧データである。Widget情報142は位置情報端末101が保持するWidget110の情報である。
【0034】
Widgetブラックリスト121は位置情報端末101或いはユーザに不利益をもたらす可能性があるWidget110(悪意のあるWidget)を登録するリストであり、Widget管理ポータル102が所有するWidgetブラックリストの優先度の高いものから、位置情報端末101の記憶容量が許す範囲で記録される。ライブラリ動作履歴表126はネイティブアプリの動作順序一覧とCPU131の平均負荷の一覧を一定数まで記録する。なお、ネイティブアプリは、位置情報端末101が出荷時に備えるアプリケーションである。
【0035】
端末状態フラグ125は位置情報端末101の状態を管理するデータである。この状態としては、停車状態、走行状態、誘導状態の3種類の状態が考えられる。尚、位置情報端末101を徒歩による移動で利用する場合は、停車状態は場所を移動しない停止状態と考える。端末状態フラグ125は、ナビエンジン127が検出した現在の位置と前回の位置を比較して、停止状態と走行状態を判定する。走行状態(現在位置が移動する状態)のときに、目的地が設定されてナビエンジン127が誘導情報を表示装置133に出力して誘導しているときには、端末状態フラグ125は誘導状態となる。
【0036】
ナビエンジン127は位置情報端末101の現在位置計算と、地図情報141から表示用の地図データの生成と、ユーザが設定した目的地への誘導などを実行する。ナビエンジン127は、例えば、GPS等の信号を受信して現在の位置を演算し、地図情報141と現在位置から位置情報を演算して表示装置133に位置情報を出力する。位置情報には、現在位置の周辺の地図情報141と、現在位置を示す所定の図形が含まれる。ナビエンジン127には、GPS等の信号を受信するアンテナ等が含まれる。
【0037】
ライブラリ群128は目的地検索や、音声再生、等の各種ライブラリであり、表示装置133への表示が必要なものはWidget110と連携して動作する。
【0038】
OS129はLinux(登録商標)、Windows(登録商標)等の基本ソフトウェアである。
ハードウェア130は位置情報端末のソフトウェアを動作させるために必要なハードウェアであり、演算処理を行うCPU131と、データやプログラムを格納するメモリ132と、位置情報等を表示する表示装置133と、位置情報端末のユーザからの入力を受け付ける入力装置134と、ネットワーク104を介してWidget管理ポータル102(管理サーバ)や第3者サイト103(第3者サーバ)等のサーバと通信を行う通信インターフェース135を含み、さらに図示しない描画機能、音声再生機能、位置検出機能、等から構成される。
【0039】
記録装置140は位置情報端末の動作に必要なデータを保存し、例えばHDD、SSD、SDメモリカードなどの記憶媒体で構成される。
【0040】
本実施形態では、記録装置140は、地図情報141、Widget110情報142を保持する。地図情報141は位置情報端末101が利用する地図情報である。
【0041】
Widget管理表122は管理ポータル102等から現在ダウンロードしているWidgetの一覧データである。
【0042】
アニメ属性114は、各アニメーションの属性を示しており、[必須アニメ]や[演出アニメ]のどちらかの値を割り当てる。
【0043】
必須アニメは、ユーザが操作する際に必須という意味であり、Widget110の機能実現に必須となるアニメーション表現である。必須アニメーションは、例えば、ユーザに対して操作の指示を示唆するものである。
【0044】
演出アニメは、装飾的なアニメーションの意味であり、ユーザの操作に対する指示はなく、位置情報端末101の負荷が高い場合に、実行を抑制される可能性がある。
【0045】
尚、位置情報端末101の状態としては、上記停車状態、走行状態、誘導状態の3種類の状態を示したが、制御に必要なその他の状態を割り当てることも考えられる。例えば、走行中か否かにより、表示を切り替える属性値を割り当てるなども考えられる。
【0046】
信頼度116はWidget110の信頼性を示すデータである。ここで信頼度116とはWidget110がどの程度ユーザにとって信頼できるか、位置情報端末101の動作に悪影響を及ぼさないかを意味し、例えば、以下の属性が考えられる。
・配布元URL:Widget110の配布元サイトのURL
・Widget110の発行元がWidget110に付加した証明書
・ユーザの利用頻度:ユーザがこのWidget110を何度起動したか。
【0047】
上記の属性によりWidget110毎の信頼度を数値として設定することができる。例えば、配布元URLが正当なものであれば信頼度に1を加え、配布元URLが不正なものであれば信頼度116に−1を加える。また、Widget110に付加された証明書が正当なものであれば信頼度116に1を加え、証明書が不正なものであれば信頼度116に−1を加える。また、ユーザの利用頻度毎に所定の数値を信頼度116に加えることで、Widget110毎の信頼度116を数値にて判定することが可能となる。なお、信頼度116の決定は、Widget管理部120が行っても良いし、OS129上で実行される他のモジュールが行っても良い。また、信頼度116は、Widget110の正当性を示す値としても良く、Widget管理ポータル102で認証済みのWidget150の場合は、信頼性の高いWidget110として信頼度116を高く設定し、第3者サイト103からダウンロードした認証のないWidget110については、悪意ないし不正のあるWidget110の可能性が高いので信頼度116を低く設定することができる。Widget110毎の信頼度116の設定は、Widget管理部120が行うことができる。なお、OS129上で実行される他のモジュールで信頼度116の設定を行うようにしても良い。
【0048】
Widget管理ポータル102はWidget110を配信するポータルサイトであり、例えば、配信用Widgetデータを格納したWebサーバ等で構成され、認証済みWidget150と、位置情報端末管理情報151と、Widget管理情報152と、ユーザ基本情報153と、ユーザ端末負荷履歴154と、Widgetブラックリスト155、から構成されている。なお、Widget管理ポータル102は、図示しないCPU、メモリ、記憶装置及びネットワークインターフェースを備える計算機で構成される。
【0049】
尚、Widget管理ポータル102は位置情報端末101と通信する際には、安全性を高めるためSSL等のセキュアな通信をサポートしてもよい。
【0050】
認証済みWidget150は、Widget管理ポータル102の運営者が、位置情報端末101上での動作を保障したWidget110である。Widget管理ポータル102の運営者の確認項目としては、例えば、Widget110の内部構造、位置情報端末101での動作負荷、他のWidget110と同時動作させたときの競合状態の確認などがある。
【0051】
位置情報端末管理情報151は、後述するように本Widget管理ポータル102に接続する位置情報端末101の管理情報であり、Widget110を位置情報端末101へ配信する時に参照する。
【0052】
Widget管理情報152は、後述するように本Widget管理ポータル102が管理するWidget110毎の情報を管理する。ユーザ基本情報153は本Widget管理ポータル102に接続する位置情報端末101のユーザ管理情報である。
【0053】
ユーザ端末負荷履歴154は本Widget管理ポータル102に接続する位置情報端末101の負荷の履歴情報である。ユーザ毎に所有する位置情報端末101の負荷状態が異なるため、Widget110配信用に管理する。
【0054】
Widgetブラックリスト155は不正なWidget110などを登録しておくリストである。ユーザが位置情報端末101へダウンロードしたWidget110が不正なアプリケーションであるか否かをチェックする場合に、当該Widgetブラックリスト155を利用する。
【0055】
第3者サイト103は本発明で提供する位置情報端末101上で実行可能なWidget110を提供する第3者が提供するサイトであり、Widget110を提供する。
【0056】
ネットワーク104は機器を接続するネットワークであり、LAN、Internet、無線ネットワーク等である。動画データ112はWidget110が表示する動画データであり、例えば、WMV(Windows Media Video)、MOV(QuickTimeムービー)、FLV(Flash Video)等の各種動画ファイルが考えられる。
【0057】
図2A〜図2Dは、Widget管理ポータル102が管理する情報を示す図である。図2Aは、Widget管理ポータル102が管理する位置情報端末管理情報151の一例を示す説明図である。
【0058】
この図2Aにおいて、符号210は位置情報端末101の機器種別番号、符号211は位置情報端末101の画面サイズ、符号212は位置情報端末101のWidget記録容量(kB)、符号213は位置情報端末101のWidget認証機能、符号214は位置情報端末101のWidget同時実行可能閾値である。
【0059】
機器種別番号210は位置情報端末101の型番を識別する番号であり、機種毎に異なる。画面サイズ211は機器種別番号210の位置情報端末101の画面(表示装置133)の解像度である。
【0060】
Widget記録容量(kB)212は、機器種別番号210の位置情報端末101Widget記憶領域の最大容量である。
【0061】
Widget認証機能213は、機器種別番号210の位置情報端末101のWidget110の認証機能の有無を格納し、Yesは搭載、Noは非搭載を示す。
【0062】
Widget同時実行可能閾値214は、機器種別番号210の位置情報端末101でWidget110が動作するために最低限必要な負荷指標を示している。位置情報端末101上で複数のWidget110を実行した場合に、負荷指標の合計値を幾らに抑えなければいけないかの閾値を示す。単体でこの閾値214を超える負荷を持つWidget110をダウンロードする場合は、位置情報端末101がユーザに警告を表示するなどの方法が考えられる。
【0063】
ここで、負荷指標とは、Widget110が動作するときの位置情報端末101のCPU131の使用率及びメモリ132の占有率から一定の基準で計算した指標であり、この指標を目安に、Widget110の動作条件を判断する。
【0064】
尚、負荷指標の計算方法として、例えば、(CPU使用率(%)+メモリ占有率(%))/10などにより、負荷指標を求める方法などが考えられる。
【0065】
図2Bは、Widget管理ポータル102が管理するWidget管理情報152の一例を示す説明図である。
【0066】
この図2Bにおいて、符号220は識別ID、符号221はWidget名、符号222はサイズ(kB)、符号223は動作負荷値、符号224は同時動作禁止、符号225は動作制限を示す。
【0067】
Widget管理情報152はWidget110毎の特徴を管理する表である。識別ID220はWidget110毎に異なる固有番号である。サイズ(kB)222はWidget110のサイズである。動作負荷値223は位置情報端末101で当該Widget110を実行する際の動作負荷の大きさを示す負荷指標である。同時動作禁止224は位置情報端末101で当該Widget110と同時に動作させると位置情報端末101の動作に支障をきたすWidget110一覧である。動作制限225は当該Widget110を位置情報端末101で実行する際の動作制限の定義を示し、図2Dに示す動作制限定義204の識別IDを格納する。
【0068】
図2Cは、Widget管理ポータル102が管理するWidgetブラックリスト155の一例を示す説明図である。
【0069】
図2Cにおいて、符号230はWidget名、符号231は検出回数、符号232は動作制限である。
【0070】
Widgetブラックリスト155は位置情報端末101及びユーザへ悪影響を及ぼす可能性があるWidget110の一覧表である。
【0071】
検出回数231は位置情報端末101内のWidget110のリストから検出した数で、位置情報端末101から受信した値である。検出回数231は当該Widget110がどれだけ位置情報端末101で利用されているかの目安となり、例えば、一定の閾値を超えた場合に、管理者へ通知する等が考えられる。動作制限232はWidgetブラックリスト155のWidget110に対する動作制限を示し、図2Dに示す識別IDを格納する。
【0072】
図2Dは、Widget管理ポータル102が管理する動作制限定義204の一例を示す説明図である。
【0073】
図2Dにおいて、符号240は表示、符号341は停車、符号342は走行、符号343は誘導、符号350はAPIアクセス、符号360は外部アクセスである。
【0074】
動作制限定義204はWidget110の動作制限の内容を予め定義した表である。表示240は位置情報端末101の各状態における、Widget110の表示制限を示す。本例では一例として以下の通り定めている。
○・・・制限無し
△・・・アニメーション禁止
×・・・表示禁止
停車341は位置情報端末101を搭載した車両が停車中、或いは位置情報端末101が移動していない場合状況を示す。
【0075】
誘導243は位置情報端末101がユーザに指定された目的地への誘導を実施している状況を示す。走行242は位置情報端末101を搭載した車両が移動している状態を示す。
【0076】
APIアクセス250は、位置情報端末101が提供するAPIへのアクセス制限を示す。本例では一例として以下の通り定めている。
○・・・アクセス許可
×・・・アクセス禁止
外部アクセス260はWidget110動作時の外部アクセス制限を定めている。本例では一例として以下の通り定めている。
○・・・外部アクセス無制限に許可
△・・・ダウンロード元のみ許可
図3A、図3BはWidget管理ポータル102が管理するユーザ情報を示す図である。図3Aは、Widget管理ポータル102が管理するユーザ基本情報153の一例を示す説明図である。
【0077】
この図3Aにおいて、ユーザ基本情報301は、位置情報端末101のユーザの識別子を格納するユーザIDと、位置情報端末101の機種を示す識別子を格納する機種識別番号と、位置情報端末101で記憶可能なWidget110の容量を格納するWidget記録空き容量(kb)と、位置情報端末101に既にインストールされているWidget110の一覧を格納するインストールWidget410から1つのエントリが構成される。
【0078】
ユーザ基本情報301は位置情報端末101を所有するユーザ毎の基本情報である。
【0079】
インストールWidget一覧410はユーザが所有する位置情報端末101へインストールされているWidget110の一覧である。Widget管理ポータル102が提供したWidget110の場合は、インストールWidget一覧410にWidget110IDが記録され、それ以外の提供手段で入出したWidget110は、そのタイトル等の名称が直接記載される。
【0080】
図3BはWidget管理ポータル102が管理するユーザ端末負荷履歴154の一例を示す説明図である。図3Bにおいて、ユーザ端末負荷履歴154はユーザが所有している位置情報端末101で最大負荷を記録したときの状態を、最も高いものから順に複数個記録したデータである。これらの情報は位置情報端末101をWidget管理ポータル102へ接続したときに、Widget管理ポータル102が位置情報端末101から収集し、ユーザ端末負荷履歴154を更新する。なお、最大負荷は、所定の時間内の最大値を示す。
【0081】
図3Bにおいて、ユーザ端末負荷履歴154は、位置情報端末101のユーザの識別子を格納するユーザIDと、最大負荷を更新した日時を格納する記録日時と、最大負荷を更新したときの軽度と緯度を格納する位置(経度、緯度)と、CPU131の使用率を格納するCPU使用率420と、メモリ132の空き容量を格納するメモリ空き容量(kB)と、負荷指標を格納する負荷量422と、最大負荷の際に動作していたWidget110の一覧を格納する動作Widget一覧323から1つのエントリが構成される。
【0082】
負荷量422は、記録日時の時点で、位置情報端末101で動作していたWidget110の負荷指標の総和である。
【0083】
図4は位置情報端末101の記録装置140に格納されるWidget管理情報142を示す図である。
【0084】
この図4において、WidgetIDには、Widget110の識別子が格納され、符号142はWidget管理情報、符号410はWidget設定値、符号511は負荷指標、符号512はWidget110の実行優先度、符号520は現在の状態、符号521はWidget110に対する動作制限である。
【0085】
Widget設定値410はダウンロードしたWidget110の基本属性である。基本属性は、負荷指標511と実行優先度512からなる。負荷指標511はWidget110が動作するために必要な負荷指標である。実行優先度512はWidget110の実行優先度。数字が小さいほど優先度が高い。位置情報端末101の負荷が高まったとき実行優先度512が最も低いWidget110から動作制限を受ける。また位置情報端末101の状態に応じて異なる優先度を割り当てる場合もある。
【0086】
現在の状態520は各Widget110の現在の状態で表示状態と動作制限状況が記録される。表示状態の一例として以下が考えられる。
表示中:通常の表示
アイコン化:Widget110の機能のみ動作していることを示す。
アイコンを表示。停止:Widget110が動作していない。
非表示:Widget110が表示装置133に表示されていないことを示す。
【0087】
動作制限521は現在Widget110に設定されている動作制限の内容を格納する。
【0088】
Widget管理ポータル102が提供したWidget110の場合は、Widget管理情報142のWidgetIDにWidget110IDが記録され、第3者サイト103からダウンロードしたWidget110の場合は、そのWidget110を一意に識別可能なタイトル等の名称がWidgetIDに記載される。
【0089】
図5は位置情報端末101のWidgetライブラリ対応表124を示す説明図であり、Widget110とライブラリの対応を管理する表の一例である。
【0090】
Widgetライブラリ対応表124では、現在、位置情報端末101にダウンロードされた各Widget110が利用する位置情報端末101内に存在するライブラリの関係を示す。なお、ライブラリは位置情報端末101の各機能を提供するインターフェースである。
【0091】
図5において、符号124はWidget110−ライブラリ対応表、符号502はI/FVer.である。Widgetライブラリ対応表124は、WidgetIDとライブラリ毎のI/FVer.502から1つのエントリが構成される。
【0092】
I/FVer.502は各ライブラリのI/Fのバージョンである。また、Widget110がライブラリを利用する場合は、当該Widget110が対応するライブラリのバージョン番号を設定する。このバージョン番号が異なるとそのライブラリは利用できない。バージョン番号が異なる場合は、例えばユーザに警告を表示するなどの方法が考えられる。
【0093】
図6は位置情報端末101のライブラリ動作履歴表126を示す説明図である。
【0094】
ライブラリ動作履歴表126は、位置情報端末101でライブラリが動作したときにCPU131の平均負荷が最も高かったものから順にライブラリの識別子と当該ライブラリの直前に実行されていたライブラリの識別子を管理する。Widget110管理部120はライブラリ動作履歴表126を用いて、位置情報端末101の負荷を予測し、Widget110の動作を制限する。
【0095】
図6において、ライブラリ動作履歴表126は履歴の識別子を格納する履歴番号702と、ライブラリの動作状態を格納するライブラリ動作パターン703と、CPU131の平均負荷(%)を格納するCPU平均負荷704から1つのエントリが構成される。
【0096】
ライブラリ動作パターン703はライブラリ動作順序の関連性を示し、CPU131の使用率(負荷)が高かったライブラリの識別子を格納する高負荷ライブラリIDと、高負荷ライブラリIDの直前に実行されていたライブラリID及び平均実行時間から構成される。CPU平均負荷(%)704は一定期間内のCPU131の使用率の平均値である。位置情報端末101の動作負荷を予測する方法として、ライブラリを起動するとき、Widget管理部120が起動するライブラリの識別子がライブラリ動作履歴表126に登録されているかチェックする。起動するライブラリの識別子がライブラリ動作履歴表126の前段ライブラリとして登録されていれば、実行時間を定期的に監視し、平均実行時間を越えた時点で、Widget110の動作を制限する方法が考えられる。これにより、高負荷ライブラリが動作開始したときに位置情報端末101でリソース不足が発生する状況を未然に防ぐことが可能となる。
【0097】
図7は位置情報端末101の起動時の処理の流れを示すフローチャートである。
【0098】
ステップ701は位置情報端末101の電源を投入する処理である。
【0099】
ステップ702は位置情報端末101のハードウェア130を初期化し、OS129及びナビゲーションエンジン127とライブラリ群128を起動する処理である。
【0100】
ステップ703は、Widget管理部120を起動する処理である。
【0101】
ステップ704は記録装置140からからWidget情報142を読み込む処理である。
【0102】
ステップ705はWidget110を表示装置133に表示する処理である。
【0103】
図8は開発者が作成したWidget110をWidget管理ポータル102に登録する流れの一例を示すシーケンス図である。
【0104】
ここで、符号801はWidget110の開発者ユーザであり図示しない計算機からネットワーク104を介してWidget管理ポータル102に接続する。符号102はWidget管理ポータルであり、符号903はWidget管理ポータル102に登録されたWidget110を承認する登録Widget承認者である。
【0105】
最初に、Widget開発者ユーザ901は、Widget110のデータをWidget管理ポータル102へ送信し、Widget管理ポータル102に登録する(ステップ904)。
【0106】
次に、Widget管理ポータル102は、登録されたWidget110を検査(動作負荷、アクセス先API等の検証)する処理を行う(ステップ905)。
【0107】
続いて、登録Widget承認者903は、図示しない計算機からネットワーク104を介してWidget管理ポータル102に接続し、Widget110の検査結果を確認し、所定の基準値を満たせば承認する(ステップ906)。
【0108】
そして、Widget管理ポータル102はWidget110に証明書を付与する処理を行う(ステップ907)。最後に、Widget管理ポータル102はWidget管理表にWidget110を追加する処理を行う(ステップ908)。
【0109】
図9は、Widget110をネットワーク経由でWidget管理ポータル102から位置情報端末101にインストールする時の流れを示すシーケンス図である。
ここで、符号102はWidget管理ポータルであり、符号101は位置情報端末であり、符号1003はユーザである。
【0110】
最初に、ユーザ1003は、位置情報端末101にインストール可能なWidget110の一覧を取得する指示を位置情報端末101へ指令する(ステップ1004)。
【0111】
次に、位置情報端末101はWidget管理表122をチェックする処理1005と、記録装置140の容量をチェックする処理1006と、Widgetライブラリ対応表124をチェックする処理1007を行う。
【0112】
そして、位置情報端末101は、端末101の識別子やユーザID、負荷履歴及びWidget管理表122等の端末情報をWidget管理ポータル102へ送信し、ダウンロード可能なWidget110の一覧をWidget管理ポータル102に要求する(ステップ1008)。
【0113】
Widget管理ポータル102は、位置情報端末101から受信した負荷履歴に基づいてユーザ端末負荷履歴154を更新する処理1009を実行する。Widget管理ポータル102は、受信した要求に含まれるWidget管理表122内のWidget110を参照し、位置情報端末101で利用可能なWidget110の一覧を選定する処理1010を行う。
【0114】
次に、Widget管理ポータル102は、位置情報端末101でダウンロードが可能なWidget110の一覧を位置情報端末101へ送信する(ステップ1011)。
【0115】
位置情報端末101は、Widget管理ポータル102から受信したダウンロード可能なWidget110の一覧を表示装置133に表示する(ステップ1012)。
【0116】
そして、ユーザ1003は、ダウンロードするWidget110を位置情報端末101上で選択する(ステップ1013)。
【0117】
位置情報端末101は、Widget管理ポータル102のWidget管理情報152を参照し、ダウンロードの対象となっているWidget110に動作制限225が設定されているか否かを判定する。Widget110の動作制限がある場合、位置情報端末101はユーザに動作制限を警告する処理を行う(ステップ1014)。そして、ユーザ1003は、位置情報端末101上で、選択したWidget110をWidget管理ポータル102からダウンロードする操作を実行する(ステップ1015)。
【0118】
Widget管理ポータル102は、指定されたWidget110のデータを位置情報端末101へ送信する(ステップ1016)。
【0119】
位置情報端末101はWidget管理ポータル102から受信したWidget110のデータをメモリ132または記録装置140に格納する(ステップ1017)。次に、位置情報端末101は、ダウンロードしたWidget110の情報をWidget管理表122及びWidget管理情報142に追加して更新する(ステップ1018)。位置情報端末101は、最後にダウンロードしたWidget110を起動する(ステップ1019)。Widget110を起動する際には、位置情報端末101が、Widget管理情報142に当該Widget110のエントリを追加し、動作ポリシー115に基づいて実行優先度512や動作制限521を設定する。
【0120】
図10は位置情報端末101が第3者提供サイトからWidget110をダウンロードする流れを示すフローチャートである。
【0121】
ステップ1101は位置情報端末101が第3者サイトからWidget110の一覧をダウンロードする処理である。なお、第3者サイト103とWidget管理ポータル102の区別は、URLまたはIPアドレスによって判定することができる。
【0122】
ステップ1102は位置情報端末101の状態をチェックする処理である。
【0123】
ステップ1103は、ユーザが指定したWidget110についてダウンロード可能かどうか調べる処理で、例えば、Widget110を格納する記録装置140の空き容量が指定されたWidget110の容量よりも大きいか否かを判定する。指定されたWidget110がダウンロード可能であれば、ステップ1004へ進む。一方、指定されたWidget110がダウンロード可能でなければ処理を終了する。
【0124】
ステップ1104は位置情報端末101がWidget110の認証機能を備えているか否かを判定する処理である。もし位置情報端末101がWidget110の認証機能を備えていれば、ステップ1105へ進む。一方、位置情報端末101がWidget110の認証機能を備えていなければ終了する。
【0125】
ステップ1105は位置情報端末101がネットワーク104に接続可能か否かを判定する処理である。もしネットワーク104に接続可能であれば、ステップ1106へ進む。もしネットワーク104に接続可能でなければ、ステップ1112へ進む。
【0126】
ステップ1106は位置情報端末101が第3者サイト103から受信したWidget110の一覧情報をWidget管理ポータル102に送信する処理である。
【0127】
ステップ1107はWidget管理ポータル102で、位置情報端末101から受信した第3者サイト103のWidget110の一覧情報と、Widgetブラックリスト155を比較する処理である。
【0128】
ステップ1108はWidget管理ポータル102が、Widgetブラックリスト155に載っているWidget110が第3者サイト103のWidget110の一覧情報に存在するか否かを判定する処理である。もし第3者サイト103のWidget110の一覧情報にWidgetブラックリスト155に載っているWidget110が存在すれば、ステップ1109へ進む。もしWidgetブラックリスト155に載っているWidget110が第3者サイト103のWidget110の一覧情報に存在しなければ、ステップ1111へ進む。
【0129】
ステップ1109はWidget管理ポータル102が該当するWidget110の信頼度116にブラックリストに登録済みとの情報を付与する処理である。
【0130】
ステップ1110はWidget管理ポータル102がWidgetブラックリスト155の該当部分の検出回数に1を加算する処理である。
【0131】
ステップ1111はWidget管理ポータル102が第3者サイト103のWidget110の一覧情報とWidgetブラックリスト155との比較結果を位置情報端末101へ送信する処理である。
【0132】
ステップ1112は位置情報端末101がWidgetブラックリスト121を備えているか否かを判定する処理である。もし位置情報端末101がWidgetブラックリスト121を備えていれば、ステップ1113へ進む。もし位置情報端末101がWidgetブラックリスト121を備えていなければ、ステップ1116へ進む。
【0133】
ステップ1113は位置情報端末101が、第3者サイト103から受信したWidget110の一覧情報の中にWidgetブラックリスト121に載っているWidget110が存在するか否かを判定する処理である。第3者サイト103から受信したWidget110の一覧情報の中にWidgetブラックリスト121に載っているWidget110が存在する場合には、ステップ1114へ進む。もしブラックリストに載っているWidget110が存在しなければ、ステップ1116へ進む。
【0134】
ステップ1114は該当するWidget110の信頼度116にブラックリスト登録済みとの情報を付与する処理である。
【0135】
ステップ1115は位置情報端末101がWidgetブラックリスト121の該当部分の検出回数に1を加算する処理である。
【0136】
ステップ1116は位置情報端末101が表示装置133に第3者サイト103のWidget110の一覧表を出力し、ユーザがダウンロードするWidget110を表示装置133で選択する処理である。
【0137】
ステップ1117は位置情報端末101がダウンロード対象のWidget110に動作制限事項があるか否かを判定する処理である。もしダウンロード対象のWidget110に動作制限事項があれば、ステップ1118へ進む。ダウンロード対象のWidget110に動作制限事項が無ければ処理を終了する。
【0138】
ステップ1118は位置情報端末101が、ダウンロード対象のWidget110に動作制限事項がある旨をユーザに警告を表示する処理である。
【0139】
ステップ1119は位置情報端末101で、ユーザが警告を受け入れたか否かを判定する処理である。もしユーザが警告を受け入れた場合は、ステップ1120へ進む。もしユーザ警告を受け入れなかった場合は、処理を終了する。
【0140】
ステップ1120は位置情報端末101が第3者サイト103から対象のWidget110のデータをダウンロードする処理である。
【0141】
ステップ1121は位置情報端末101が、ダウンロードしたWidget110のデータを記録装置140に格納する処理である。
【0142】
ステップ1122は位置情報端末101がダウンロードしたWidget110の情報を、Widget管理部120のWidget管理表122に加えて更新する処理である。
【0143】
上記処理により位置情報端末101で第3者サイト103からWidget110をダウンロードする際には、位置情報端末101またはWidget管理ポータル102のWidgetブラックリストを参照して、不正なWidget110を検知する。そして、不正なWidget110には、Widgetブラックリストにより動作制限が付与されるので、動作制限を行う旨をユーザに通知することで不正なWidget110であることを示唆することができる。
【0144】
図11は位置情報端末101の状態に応じたWidget110の動作制限の一例を示すフローチャートである。この処理は、動作制限を付与されたWidget110を実行する際に行われる。
【0145】
ステップ1201は、位置情報端末101でCPU131の負荷を測定する処理である。
【0146】
ステップ1202は位置情報端末101がCPU131の負荷が閾値以上か否かを判定する処理である。測定したCPU131の負荷が閾値以上であれば、ステップ1209へ進む。もしCPU131の負荷が閾値以上でなければ、ステップ1203へ進む。尚、閾値として例えば、位置情報端末101の機種別に一定の値を定める方法やライブラリ、Widget110のインストール状態に応じて動的に変更する方法などが考えられる。また、閾値はWidget管理ポータル102の位置情報端末管理情報151のWidget同時実行可能閾値214から取得した値を用いることができる。Widget同時実行可能閾値214の取得は、位置情報端末101がWidget管理ポータル102へ接続したときに取得するようにしても良い。
【0147】
ステップ1203は、位置情報端末101で現在動作中のライブラリが、ライブラリ動作履歴表126の前段アプリIDに存在するか否かを判定する処理である。もし現在動作中のライブラリが、ライブラリ動作履歴表126の前段ライブラリIDに登録済みであれば、ステップ1204へ進む。もし現在動作中のライブラリが、ライブラリ動作履歴表126の前段ライブラリIDに登録されていなければ、ステップ1206へ進む。
【0148】
ステップ1204は前段ライブラリIDに該当するライブラリの実行時間がライブラリ動作履歴表126の平均実行時間を越えたか否かを判定する処理である。前段ライブラリIDに該当するライブラリの実行時間がライブラリ動作履歴表126の平均実行時間を越えたか超えていればステップ1205へ進む。そうでなければ終了する。
【0149】
ステップ1205はCPU131の負荷の閾値を低減する処理である。例えば、CPU131の負荷の閾値として位置情報端末101の機種別に一定値を与えておき、該当条件が満たすライブラリが実行中の数だけ一定値(例えば、10%)ずつ下げる方法等が考えられる。
【0150】
ステップ1206は位置情報端末101がライブラリ動作履歴表126の高負荷ライブラリIDのライブラリが動作中か否かを判定する処理である。高負荷ライブラリIDのライブラリが動作中であれば、ステップ1207へ進む。高負荷ライブラリIDのライブラリが無ければステップ1208へ進む。
【0151】
ステップ1207は位置情報端末101がCPU131の負荷の閾値を低減する処理である。この処理は上記ステップ1205と同様に行うことができる。
【0152】
ステップ1208はCPU131の負荷の閾値を規定値に設定する処理である。
【0153】
ステップ1209は位置情報端末101でWidget管理情報142を参照し、現在動作中で、実行優先度512が最も低いWidget110の動作制限値521を取得する処理である。
【0154】
ステップ1210は位置情報端末101で動作制限値521が最大値かどうか調べる処理である。もし動作制限値521が最大値であれば、ステップ1211へ進む。もし動作制限値が最大値でなければ、ステップ1215へ進む。
【0155】
ステップ1211はユーザに最も実行優先度512の低いWidget110を停止する警告を表示する処理である。
【0156】
ステップ1212はユーザが最も実行優先度512の低いWidget110の停止を許可したか否かを判定する処理である。もしユーザが最も実行優先度512の低いWidget110の停止を許可していれば、ステップ1213へ進む。もしユーザが最も実行優先度512の低いWidget110の停止を許可していなければ、ステップ1214へ進む。
【0157】
ステップ1213は最も実行優先度512の低いWidget110を停止する処理である。
【0158】
ステップ1214は位置情報端末101で停止させたWidget110の次に優先度が低いWidget110を選択する処理である。 0
ステップ1215は選択したWidget110の動作制限値を+1する処理である。
【0159】
上記処理によって位置情報端末101のCPU131の負荷が上昇したときには、実行優先度の低いWidget110を順次停止させて、実行優先度512の高いWidgetの処理を確実に実行させることができる。
【0160】
図12は位置情報端末101で実行されるWidget110の処理を示すフローチャートであり、位置情報端末の状態に応じたWidget110動作の処理の流れを示す。
【0161】
ステップ1301は端末状態フラグ125の変化を判定する処理である。端末状態フラグ125の値が変化していれば、ステップ1152へ進む。変化していなければ終了する。
【0162】
ステップ1302は端末状態フラグ125が誘導状態か否かを判定する処理である。端末状態フラグ125の値が誘導状態であれば、ステップ1303へ進む。端末状態フラグ125の値が誘導状態で無ければステップ1308へ進む。
【0163】
ステップ1303は第3者サイト103からダウンロードしたWidget110(第3者提供Widget)の表示変更とAPIに対するアクセス制限を開始する処理である。
【0164】
ステップ1304は動作制限を受けるWidget110が存在するか否かを判定する処理である。もし動作制限を受けるWidget110が存在していれば、ステップ1305へ進む。動作制限を受けるWidget110が存在していなければステップ1306へ進む。
【0165】
ステップ1305は、動作制限を受けるWidget110が存在することをユーザに警告する処理である。
【0166】
ステップ1306は誘導情報が表示装置133上でユーザから視認可能なようにWidget110の配置またはレイアウトを変更する処理である。この処理は、誘導情報とWidget110が重なっている場合には、Widget110の表示位置を誘導情報に重ならない位置へ変更する。あるいは、Widget110の表示サイズを誘導情報に重ならないサイズへ変更する。また、誘導情報は、ナビエンジン127が地図情報141とともに表示装置133に出力する進行方向を示唆する情報で、ユーザが設定した目的地へ案内する情報である。
【0167】
ステップ1307は信頼度116の低いWidget110及び動作制限521に誘導中は表示禁止の属性を有するWidget110を、動作ポリシー115に従ってアイコン化及び非表示化する処理である。表示禁止の属性などは、Widget管理情報142の動作制限521と、動作制限定義204を参照して、現在実行中のWidget110の属性を判定すればよい。動作制限定義204は、位置情報端末101がWidget管理ポータル102に接続したときに取得すればよい。
【0168】
ステップ1308は端末状態フラグ125が走行状態か否かを判定する処理である。端末状態フラグ125の値が走行状態であれば、ステップ1309へ進む。そうでなければステップ1313へ進む。
【0169】
ステップ1309は動作制限を受けるWidget110が存在するか否かを判定する処理である。もし動作制限を受けるWidget110が存在していればステップ1310へ進む。動作制限を受けるWidget110が存在していなければステップ1311へ進む。
【0170】
ステップ1310は動作制限を受けるWidget110が存在する旨をユーザに警告する処理である。
【0171】
ステップ1311は第3者サイト103が提供したWidget110の表示変更とAPIに対するアクセス制限を開始する処理である。
【0172】
ステップ1312は、信頼度116の低いWidget110及び誘導中は表示禁止の属性を有するWidget110をアイコン化または非表示化する処理である。
【0173】
ステップ1313は端末状態フラグ125が停止中の場合で、Widget110の表示位置を復帰させ、第3者提供Widget110の表示変更とAPIに対するアクセス制限を解除する処理である。
【0174】
ステップ1314は位置情報端末101でWidget110へのイベントを検出したか否かを判定する処理である。もしWidget110へのイベント検出であれば、ステップ1315へ進む。そうでなければ終了する。
【0175】
ステップ1315は表示変更の対象となったWidget110へイベントを通知する処理である。
【0176】
ステップ1316はWidgetライブラリ対応表124から表示変更の対象となったWidget110に動作制限があるか否かを判定する処理である。
【0177】
ステップ1317は端末状態フラグ125が誘導状態か調べる処理である。もし端末状態フラグ125が誘導状態であれば、ステップ1318へ進む。そうでなければステップ1320へ進む。
【0178】
ステップ1318は対象となるWidget110の動作ポリシー115から誘導時の動作制限を抽出する。動作ポリシー115は、Widget管理情報142の動作制限521を参照することができる。
【0179】
ステップ1319はWidget110の動作制限を満たす表示切替え及びデータアクセスを実施する処理である。
【0180】
ステップ1320は端末状態フラグ125が走行状態か否かを判定する処理である。端末状態フラグ125が走行状態であれば、ステップ1321へ進む。そうでなければ、ステップ1323へ進む。
【0181】
ステップ1321は対象Widget110の動作ポリシー115から誘導時の動作制限を抽出する。
【0182】
ステップ1322はWidget110の動作制限を満たす表示切り替え及びデータアクセスを実施する処理である。
【0183】
ステップ1323はWidget110の動作制限の条件を満たす表示切り替え及びデータアクセスを実施する処理である。
【0184】
上記処理によって、ナビエンジン127が誘導情報を表示している誘導状態のときには、Widget管理情報142の動作制限に基づいてWidget110を非表示またはアイコン化あるいは表示位置を変更して誘導情報を確実にユーザへ提示することができる。また、ナビエンジン127が地図情報141と現在位置を表示する走行状態のときには、第3者サイト103からダウンロードしたWidget110について表示変更を加えることで、ユーザに現在位置を的確に提示することができる。また、誘導状態または走行状態のときにWidget110のAPIに対するアクセス制限を実施することで、CPU131の負荷が過大になるのを防いで、地図情報141等ユーザが必要とする処理を確実に提示することができる。
【0185】
また、走行状態のときに表示するWidget110は、認証が完了しているWidget管理ポータル102からダウンロードしたWidget110の表示を許容し、認証が完了していない第3者サイト103からダウンロードしたWidget110の表示を規制することで、挙動の不明な第3者サイト103からダウンロードしたWidget110が地図情報141や現在位置等ユーザが必要とする情報と重なるのを防いで、位置情報端末101の信頼性を確保することができる。
【0186】
図13はWidget110及びライブラリのアップデート時の処理を示すフローチャートである。
【0187】
ステップ1401は位置情報端末101でアップデート対象のWidget110がアクセスするライブラリをライブラリ群128から一覧を取得する処理である。
【0188】
ステップ1402はWidgetライブラリ対応表124をチェックし、ライブラリ毎のi/FVer.502を取得する処理である。
【0189】
ステップ1403はアップデート対象のWidget110がアクセスするライブラリのI/Fバージョンに不整合が存在するか否かを判定する処理である。もしI/Fバージョンの不整合が存在すればステップ1404へ進む。I/Fバージョンに不整合が無ければ、ステップ1407へ進む。
【0190】
ステップ1404はI/Fバージョンの不整合が存在するためWidget110の実行時に動作制限が発生するため、ユーザに動作制限の内容と警告を表示する処理である。
【0191】
ステップ1405はユーザが警告及び内容を了承しアップデートを許可したか否かを判定する処理である。ユーザがアップデートを許可していればステップ1406へ進む。アップデートが許可されていなければステップ1407へ進む。
【0192】
ステップ1406は対象となるWidget110をアップデートする処理である。この処理は、例えば、位置情報端末101がWidget管理ポータル102からWidget110の更新プログラムを取得し、実行する処理である。
【0193】
ステップ1407はアップデートの対象となるライブラリを利用しているWidget110の一覧をWidgetライブラリ対応表124からチェックする処理である。
【0194】
ステップ1408はI/Fのバージョンの不整合が発生するWidget110が存在するか否かを判定する処理である。I/F不整合が存在していればステップ1409へ進む。存在していなければステップ1409へ進む。
【0195】
ステップ1409はI/Fのバージョンの不整合があるためWidget110の実行時に動作制限が発生するので、ユーザに動作制限の内容と警告を表示する処理である。
【0196】
ステップ1410はユーザが警告を了承したか否かを判定する処理である。ユーザが動作制限の警告を了承していればステップ1411へ進む。ユーザが動作制限の警告を了承していなければ処理を終了する。
【0197】
ステップ1411はアップデートの対象となるライブラリを利用しているWidget110をアップデートする処理である。この処理も上記ステップ1406と同様である。
【0198】
ステップ1412はライブラリの更新を実行し、Widgetライブラリ対応表124を更新する処理である。
【0199】
図14は位置情報端末101の状態変更時の表示変更方法の一例を示す説明図である。
【0200】
図14において、符号1501は停車中、符号1530は警告表示、符号1503は走行中、符号1504は誘導中、符号1510はWidget(認証済み)、符号1511はWidget(第3者提供)、符号1512はWidget(第3者提供)、符号1520は移動開始、符号1521は目的地設定、符号1530は警告画面を、符号1540はWidget1102をアイコン化した画面を示している。
【0201】
停車中は、全てのWidget110が表示装置133に表示される。位置情報端末101が移動を開始すると、端末状態フラグ125が走行状態に変化し、各Widget110の動作ポリシー115から走行状態時の設定を読み取り、動作ポリシー115に応じた表示制御を実施する。また、走行中は地図情報がユーザから見やすいように、画面の中央付近にあるWidget1511をアイコン化して自動的に画面の端に移動する。この例では、Widget1540を画面の端に移動している。
【0202】
また、停車状態から目的地を設定したとき、誘導状態で動作制限が加わるWidget110が表示されていた場合は、位置情報端末101が誘導状態に入る前に、その内容を警告1530として表示する。本例では、Widget1103は誘導中表示できず、表示範囲を広げるため、Widget1102がアイコン化されることから、警告が表示される。尚、2回目以降警告を表示しないなどの表現方法も考えられる。
【0203】
図15は、位置情報端末101の動作負荷が高いときの表示例を示す画面イメージである。
【0204】
本例では、通常動作中は画面(a)1601である。位置情報端末101の負荷が閾値を超えると、警告画面1−1602か警告画面2−1603のどちらかに分岐する。分岐の規準としてCPU131の負荷が閾値をどれだけ越えたかの差異を見る方法が考えられる。
【0205】
警告画面1−1602は、Widget1604の動作を停止する場合の例を示している。
【0206】
警告画面2−1603は、Widget1605,3のアニメーション動作を制限する場合の例を示している。
【0207】
図16はユーザが位置情報端末101上でWidget110をダウンロードするときに閲覧するWidget110のダウンロード用選択画面の一例である。尚、サービスによっては、図示しないPC上で本画面を閲覧し、選択したWidget110をナビにダウンロードする方法も考えられる。
【0208】
Widget一覧1720には、ダウンロード可能なWidget110に関する情報が表示される。ここで負荷1721は、そのWidget110実行時の最大負荷であり、負荷指標で表現している。
【0209】
レート1622は、そのWidget110の評価値であり、値が大きいほど評価が高い。
【0210】
評価方法としては、今までそのWidget110をダウンロードしたユーザからの評価の平均値を表示する等が考えられる。
【0211】
警告1730は、ユーザが所有する位置情報端末101上でWidgetブラックリスト155に登録されているWidget110を発見した場合に表示される。
【0212】
これを見たユーザがもし対象Widget110を削除したい場合は、削除ボタン1732を押下することで位置情報端末101上から削除される。
【0213】
以上のように本発明によれば、Widget110を十分に動作させるハードウェア130の資源を持たない位置情報端末101上で、Widget110を動作させた場合に、Widget110の開発者の意図した形でWidget110の動作を制限できるため、Widget110の見た目と使い勝手の低下を抑制することができる。また、位置情報端末110の状態(誘導状態、走行状態、停止状態)に応じて、Widget110の表示と動作を自動的に制御するため、ユーザに対する目的地案内時の安全性と、Widget110の操作性のバランスを自動的にとることができる。さらに、Widget自体が動作ポリシー115と信頼度パラメータ116を持つため、位置情報端末101上での不正なWidget110の動作を防ぐことが可能となる。
また、本事例ではナビの状態に応じてWidget110を制御するが、その状態として例えばナビ高負荷時/特定エリア進入時等の他の状態を条件として追加する方法も考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0214】
本発明は、ユーザなどが追加したWidgetを再生可能な位置情報端末に適用することができ、特にハードウェア資源が少ない位置情報端末上でもWidgetの製作者の意図を反映した制限範囲でWidget110を再生することが可能となる。また、ユーザなどが追加したWidget110の削除機能を搭載し、安全性の高い位置情報端末及び位置情報端末の制御プログラムに適用できる。
【符号の説明】
【0215】
101 位置情報端末
102 Widget管理ポータル
103 第3者サイト
104 ネットワーク
110 Widget
111 静止画データ
112 動画データ
113 アニメーションデータ
114 アニメ属性
115 動作ポリシー
116 信頼度
120 Widget管理部
121 Widgetブラックリスト
122 Widget管理表
123 Widget認証機能
124 Widgetライブラリ対応表
125 端末状態フラグ
126 ライブラリ動作履歴表
127 ナビエンジン
128 ライブラリ群
129 OS
130 ハードウェア
140 記録装置
141 地図情報
142 Widget情報
150 認証済みWidget
151 位置情報端末管理情報
152 Widget管理情報
153 ユーザ基本情報
154 ユーザ端末負荷履歴
155 Widgetブラックリスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
演算処理を行うCPUと、
情報を記憶するメモリと、
現在の位置を検出して移動の状態を検知する位置情報検出部と、
前記現在の位置と地図情報から位置情報を演算し、目的地が設定されたときには前記目的地へ向かう誘導情報を演算するナビゲーション部と、
前記位置情報及び誘導情報を表示する表示部と、
ネットワークを介して通信を行う通信部と、を備えた情報端末装置において、
前記表示部に表示を行う単機能プログラムであるWidgetの実行を管理するWidget管理部を備え、
前記Widget管理部は、
前記Widgetに前記表示装置での表示状態に関する動作制限と優先度を含む動作ポリシーを決定するポリシー決定部と、
前記Widgetに当該Widgetの信頼性を示す信頼度を決定する信頼度決定部と、を有し、
前記Widget管理部は、
前記移動の状態が予め設定した状態になったときに、前記動作制限と前記信頼度に応じて前記Widgetの表示状態を規制し、前記位置情報及び誘導状態を優先して表示することを特徴とする情報端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報端末装置であって、
前記Widget管理部は、
複数のWidgetの実行を管理し、前記移動の状態が予め設定した状態になったときには、前記信頼度または前記優先度が低いWidgetから前記動作制限を適用することを特徴とする情報端末装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報端末装置であって、
前記Widget管理部は、
前記CPUの負荷を測定して予め設定した閾値と比較し、前記負荷が閾値を超えたときには、前記優先度が低いWidgetから前記動作制限を適用することを特徴とする情報端末装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報端末装置であって、
前記Widget管理部は、
前記移動の状態が予め設定した状態になったときに、前記動作制限と前記信頼度に応じて前記Widgetの表示位置を変更して、前記位置情報及び誘導状態を優先して表示することで前記Widgetの表示状態を規制することを特徴とする情報端末装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報端末装置であって、
前記予め設定した状態は、前記現在位置が移動する走行状態と、前記現在位置が移動しながら前記誘導情報を前記表示部に出力する誘導状態を含むことを特徴とする情報端末装置。
【請求項6】
請求項1に記載の情報端末装置であって、
前記Widget管理部は、
前記移動の状態が変化し、かつ、前記Widgetの表示状態を規制するときには、前記表示部に警告を表示することを特徴とする情報端末装置。
【請求項7】
請求項1に記載の情報端末装置であって、
前記Widgetは、操作に対する示唆を含む必須アニメーションと、前記操作に対する示唆を含まない装飾要素で構成される演出アニメーションと、を含み、前記Widgetの表示状態を規制するときには、前記演出アニメーションの表示状態を規制し、さらに表示状態を規制するときには前記必須アニメーションの表示状態を規制することを特徴とする情報端末装置。
【請求項8】
演算処理を行うCPUと、情報を記憶するメモリと、現在の位置を検出して移動の状態を検知する位置情報検出部と、前記現在の位置と地図情報から位置情報を演算し、目的地が設定されたときには前記目的地へ向かう誘導情報を演算するナビゲーション部と、前記位置情報及び誘導情報を表示する表示部と、ネットワークを介して通信を行う通信部と、を備えた情報端末装置と、
前記ネットワークを介して前記情報端末装置と通信を行う管理サーバと、を備えた情報端末管理システムにおいて、
前記情報端末装置は、
前記表示部に表示を行う単機能プログラムであるWidgetの実行を管理するWidget管理部を備え、
前記Widget管理部は、
前記Widgetに前記表示装置への表示状態に関する動作制限と優先度を含む動作ポリシーを決定するポリシー決定部と、
前記Widgetに当該Widgetの信頼性を示す信頼度を決定する信頼度決定部と、を有し、
前記Widget管理部は、
前記移動の状態が予め設定した状態になったときに、前記動作制限と前記信頼度に応じて前記Widgetの表示状態を規制し、前記位置情報及び誘導状態を優先して表示し、
前記通信部は、
前記Widget管理部が保持するWidgetの一覧を前記管理サーバに送信して、ダウンロードが可能なWidgetの一覧を要求し、
前記管理サーバは、
前記情報端末装置からWidgetの一覧の要求を受信すると、前記情報端末装置のWidget管理部が保持するWidgetの一覧を取得して、前記情報端末装置でダウンロードが可能なWidgetを選択し、前記選択したWidgetの一覧を前記情報端末装置へ送信することを特徴とする情報端末管理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の情報端末管理システムであって、
前記管理サーバは、
不正なWidgeを保持するブラックリストを有し、
前記情報端末装置のから受信したWidgetの一覧に前記ブラックリストの不正なWidgetが含まれるときには、前記情報端末装置へ警告を送信することを特徴とする情報端末管理システム。
【請求項10】
請求項8に記載の情報端末管理システムであって、
前記Widget管理部は、
前記CPUの負荷を測定し、前記負荷の履歴を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記情報端末装置から受信した負荷の履歴を保持することを特徴とする情報端末管理システム。
【請求項11】
演算処理を行うCPUと、情報を記憶するメモリと、現在の位置を検出して移動の状態を検知する位置情報検出部と、前記現在の位置と地図情報から位置情報を演算し、目的地が設定されたときには前記目的地へ向かう誘導情報を演算するナビゲーション部と、前記位置情報及び誘導情報を表示する表示部と、ネットワークを介して通信を行う通信部と、を備えた情報端末装置を制御するプログラムであって、
前記表示部に表示を行う単機能プログラムで構成されたWidgetに前記表示装置での表示状態に関する動作制限と優先度を含む動作ポリシーを決定する手順と、
前記Widgetに当該Widgetの信頼性を示す信頼度を決定する手順と、
前記Widgetを実行する手順と、
前記移動の状態が予め設定した状態になったときに、前記動作制限と前記信頼度に応じて前記Widgetの表示状態を規制し、前記位置情報及び誘導状態を優先して表示する手順と、
を前記CPUに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−99739(P2011−99739A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−253971(P2009−253971)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】