説明

情報表示装置、情報表示方法、および情報表示プログラム

【課題】 少ない操作回数で且つスクロール前後の表示箇所の関係を把握しながら情報全体を閲覧することを可能にする。
【解決手段】 画像データを取得し、取得した画像データをメモリ17に記憶し、メモリ17に記憶した画像データを基に表示部13に1ページ目の画像の表示を行う。操作部14のスクロール割当キーである十字キーが操作されると、表示スクロール部18eはメモリ17に記憶された画像データに基づき、表示部13の表示内容を現在の表示内容から1画面分スクロールさせた後の表示内容までアニメーションさせながらスクロールさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1画面に表示しきれない情報をスクロールさせて表示する、または、画像に付属した付属情報を表示する情報表示装置、情報表示方法、および情報表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機などの携帯端末において、インターネットに接続してコンテンツを閲覧することが可能になっているが、携帯端末の表示画面のサイズが小さいことからコンテンツ全体を1画面で表示しきれないことが多い。このため、利用者が容易な操作で全体を閲覧できるように、利用者が携帯端末に設けられた該当するキーを操作することによって、表示内容を1行分スクロール、或いは、1画面分スクロールさせる機能を携帯端末に搭載するものが開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2002−149301号公報
【特許文献2】特開2001−245351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、1行分のスクロールでは、全体を閲覧するために利用者が相当回数のキー操作を行う必要がある。また、1画面分のスクロールでは、次の画面に一瞬に切り替わるために利用者(閲覧者)はスクロール前後の表示箇所の関係を把握しづらいことがある。
【0004】
また、パーソナルコンピュータなどでは、画面表示されたコンテンツを構成する画像に従属する付属情報を表示させる場合には、マウスなどのポインティングデバイスを利用して、表示させたい付属情報が従属した画像の表示領域を指定することによって容易に行うことができる。しかしながら、ポインティングデバイスを有しない携帯電話機などでは、表示させたい付属情報が従属した画像の表示領域を直接指定することは困難である。
【0005】
そこで、本発明は、少ない操作回数で且つスクロール前後の表示箇所の関係を把握しながら表示データ全体を閲覧することを可能にする情報表示装置、情報表示方法、および情報表示プログラムを提供することを目的とする。また、容易な操作で主表示データに付属した補助データを出力することが可能な情報表示装置、情報表示方法、および情報表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の情報表示装置は、表示データを取得する取得手段と、前記取得手段により取得される前記表示データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている表示データに基づく表示を行う表示手段と、前記表示手段の表示内容のスクロールを指示するためのスクロール指示手段と、前記スクロール指示手段に対する指示操作があると、前記記憶手段に記憶されている表示データに基づき、前記表示手段の表示内容を現在の表示内容からある量スクロールさせた後の表示内容までアニメーションさせながらスクロールさせる表示スクロール手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の情報表示装置は、前記ある量が前記表示手段のスクロール方向の長さであることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の情報表示装置は、前記表示スクロール手段が前記ある量スクロールさせる前にスクロール方向の表示データの全てを表示することになるか否かを判断する判断手段をさらに備え、前記表示スクロール手段は、前記判断手段により全てを表示することになると判断される場合、前記アニメーションさせながらのスクロールを前記スクロール方向の表示データの全てが表示された時点で中断することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の情報表示装置は、主表示データおよび該主表示データ内の領域に割り当てられた補助データを取得する取得手段と、前記取得手段により取得される前記主表示データおよび該主表示データ内の領域に割り当てられた補助データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている主表示データに基づく表示を行う表示手段と、前記表示手段の表示内容の移動を指示するための移動指示手段と、前記移動指示手段に対する指示操作があると、前記記憶手段に記憶されている主表示データに基づき、前記表示手段の表示内容を移動させる表示移動手段と、前記補助データの出力を指示するための出力指示手段と、前記出力指示手段に対する指示操作があると、前記表示手段の予め定められている領域に表示されている前記主表示データの領域を特定する領域特定手段と、前記領域特定手段に特定される主表示データの領域に割り当てられている補助データを前記記憶手段から取り出し出力する補助データ出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の情報表示方法は、表示データを取得する取得手順と、前記取得手順において取得された前記表示データを記憶手段に記憶する記憶手順と、前記記憶手段に記憶された表示データに基づき、表示手段に表示内容を表示する表示手順と、前記表示手段の表示内容のスクロールの指示があると、前記記憶手段に記憶されている表示データに基づき、前記表示手段の表示内容を現在の表示内容からある量スクロールさせた後の表示内容までアニメーションさせながらスクロールさせる表示スクロール手順と、を有することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の情報表示方法は、前記ある量スクロールさせる前にスクロール方向の表示データの全てを表示することになるか否かを判断する判断手順をさらに備え、前記表示スクロール手順は、前記判断手順において全てを表示することになると判断される場合、前記アニメーションさせながらのスクロールを前記スクロール方向の表示データの全てが表示された時点で中断することを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の情報表示方法は、主表示データおよび該主表示データ内の領域に割り当てられた補助データを取得する取得手順と、前記取得手順において取得された前記主表示データおよび該主表示データ内の領域に割り当てられた補助データを記憶手段に記憶する記憶手順と、前記記憶手段に記憶された主表示データに基づき、表示手段に表示内容を表示する表示手順と、前記表示手段の表示内容の移動指示があると、前記記憶手段に記憶されている主表示データに基づき、前記表示手段の表示内容を移動させる表示移動手順と、前記補助データの出力指示があると、前記表示手段の予め定められている領域に表示されている前記主表示データの領域を特定する領域特定手順と、前記領域特定手順において特定される主表示データの領域に割り当てられている補助データを前記記憶手段から取り出し出力する補助データ出力手順と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の情報表示プログラムは、コンピュータを、表示データを取得する取得手段、前記取得手段により取得される前記表示データを記憶する記憶手段、前記記憶手段に記憶されている表示データに基づく表示を行う表示手段、前記表示手段の表示内容のスクロールを指示するためのスクロール指示手段、および前記スクロール指示手段に対する指示操作があると、前記記憶手段に記憶されている表示データに基づき、前記表示手段の表示内容を現在の表示内容からある量スクロールさせた後の表示内容までアニメーションさせながらスクロールさせる表示スクロール手段、として機能させることを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の情報表示プログラムは、コンピュータを、前記表示スクロール手段が前記ある量スクロールさせる前にスクロール方向の表示データの全てを表示することになるか否かを判断する判断手段としてさらに機能させ、前記表示スクロール手段は、前記判断手段により全てを表示することになると判断される場合、前記アニメーションさせながらのスクロールを前記スクロール方向の表示データの全てが表示された時点で中断することを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の情報表示プログラムは、コンピュータを、主表示データおよび該主表示データ内の領域に割り当てられた補助データを取得する取得手段、前記取得手段により取得される前記主表示データおよび該主表示データ内の領域に割り当てられた補助データを記憶する記憶手段、前記記憶手段に記憶されている主表示データに基づく表示を行う表示手段、前記表示手段の表示内容の移動を指示するための移動指示手段、前記移動指示手段に対する指示操作があると、前記記憶手段に記憶されている主表示データに基づき、前記表示手段の表示内容を移動させる表示移動手段、前記補助データの出力を指示するための出力指示手段、前記出力指示手段に対する指示操作があると、前記表示手段の予め定められている領域に表示されている前記主表示データの領域を特定する領域特定手段、および前記領域特定手段に特定される主表示データの領域に割り当てられている補助データを前記記憶手段から取り出し出力する補助データ出力手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1、5、8によれば、表示手段の表示内容をアニメーションさせながらある量スクロールさせるため、少ない操作回数で表示データの全体を閲覧することができるとともに、スクロール前後の表示データの表示箇所の関係の把握が可能になる。
【0017】
請求項2によれば、1回の操作で表示手段の1画面分スクロールするので、全体を閲覧するのに必要は操作回数が非常に少ないという利点が得られる。
【0018】
請求項3、6、9によれば、1つの表示データについて表示手段の画面全体を使用して表示されることになり、利用者は閲覧しやすくなる。
【0019】
請求項4、7、10によれば、出力させたい補助データが割り当てられた主表示データの領域を表示手段の予め定められた領域に移動させれば補助データを出力させることができるため、主表示データに付属した補助データの出力を容易な操作で行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0021】
本発明の実施の形態における携帯電話機の機能について図1および図2を参照しつつ説明する。図1は携帯電話機の概観を示す斜視図であり、図2は携帯電話機の機能構成を示す機能ブロック図である。なお、本実施の形態では情報表示装置として携帯電話機を例に挙げるが、携帯電話機以外の装置であってもよい。
【0022】
携帯電話機1は、図2に示すように、アンテナ11、無線部12、表示部13、操作部14、マイク15、スピーカ16、メモリ17、および制御部18として機能する各部を有している。無線部12はアンテナ11を介してデータや音声などを送信し、受信する。表示部13は、液晶ディスプレイなどにより構成されており、表示部13には携帯電話機1がインターネットを介して取得した画像データ(表示データ、主表示データに対応)やその画像データ内の領域に割り当てられた付属情報データ(補助データに対応)などを表示する。
【0023】
操作部14は、図1に示すように、数字キー14aや機能キー14b、十字キー14cや確定キー14dなどにより構成されている。本実施の形態では、表示部13の表示内容をスクロールさせる際に操作するキー(スクロール指示手段、移動指示手段)として十字キー14cを割り当てており、以下、適宜、スクロール割当キーという。具体的には、表示部13に現在表示されている画像の左側に位置する画像を表示部13にスクロールさせて表示させる(図3(a),(b)または図3(a),(c)参照)キーとして十字キー14cの左方向キー14c1を割り当てている(このスクロールを左スクロールという。)。表示部13に現在表示されている画像の右側に位置する画像を表示部13にスクロールさせて表示させるキーとして十字キー14cの右方向キー14c3を割り当てている(このスクロールを右スクロールという。)。表示部13に現在表示されている画像の上側に位置する画像を表示部13にスクロールさせて表示させるキーとして十字キー14cの上方向キー14c4を割り当てている(このスクロールを上スクロールという。)。表示部13に現在表示されている画像の下側に位置する画像を表示部13にスクロールさせて表示させるキーとして十字キー14cの下方向キー14c2を割り当てている(このスクロールを下スクロールという。)。
【0024】
本実施の形態では、表示部13の表示内容をスライドさせる際に操作するキー(移動指示手段)として数字キー14aを割り当てており、以下、適宜、スライド割当キーという。具体的には、表示部13に現在表示されている画像内の右側の所定量(例えば1ピクセル分の列)を除いた画像および現在表示されている画像の所定量左側に位置する画像を表示させる(図3(a),(d)参照)キーとして数字キー14aの“4”を割り当てている(このスライドを左スライドという。)。表示部13に現在表示されている画像内の左側の所定量を除いた画像および現在表示されている画像の所定量右側に位置する画像を表示させるキーとして数字キー14aの“6”を割り当てている(このスライドを右スライドという。)。表示部13に現在表示されている画像内の下側の所定量を除いた画像および現在表示されている画像の所定量上側に位置する画像を表示させるキーとして数字キー14aの“2”を割り当てている(このスライドを上スライドという。)。表示部13に現在表示されている画像内の上側の所定量を除いた画像および現在表示されている画像の所定量下側に位置する画像を表示させるキーとして数字キー14aの“8”を割り当てている(このスライドを下スライドという。)。なお、携帯電話機1の利用者はスクロール割当キーやスライド割当キーを操作することによって表示部13の画像を変え、画像の位置を変えることができる。
【0025】
本実施の形態では、付属情報データを呼び出して出力する際に操作するキー(出力指示手段)として確定キー14dを割り当てており、以下、適宜、付属出力割当キーという。なお、スクロール割当キー、スライド割当キー、付属出力割当キーとして上記以外のキーを割り当てるようにしてもよい。
【0026】
マイク15は音を収集するものであり、スピーカ16は音を出力するものである。また、メモリ17は情報を記憶するものであって、本実施の形態では、携帯電話機1がインターネットを介して取得した画像データとその画像データ内の領域に割り当てられた付属情報データとを記憶する。ただし、付属情報として、テキスト情報、URL、別の画像、別の動画像、別の動画像と音声情報、インデックス(目次情報)などがある。なお、例えば、制御部18がメモリ17に記憶された画像データの何れの部分を表示部13に表示するかを判断するために、メモリ17に記憶された画像データの何れの部分が表示部13に表示されていてスクロールさせるために1画面分以上残っているかを判断するために、呼び出す付属情報を特定する際に表示部13の予め定められた領域に画像データのどの領域が表示されているかを判断するために、座標(X座標、Y座標)を利用して画像データの位置が分かるようにメモリ17では記憶している。
【0027】
制御部18は、携帯電話機1の各部を制御するものであって、通信処理部18a、初期表示処理部18b、操作キー判断部18c、残表示量判断部18d、表示スクロール部18e、表示スライド部18f、領域特定部18g、付属情報特定部18h、および付属情報出力処理部18iとして機能する各部を有している。通信処理部18aは、無線部12を制御し、アンテナ11および無線部12を介して取得した例えば画像データや付属情報データをメモリ17に格納する。初期表示処理部18bは、メモリ17に記憶された画像データを基に1画面分の画像を表示部13に表示する。
【0028】
操作キー判断部18cは操作部14の何れかのキーが操作(押下)されたかを判断し、さらに、操作部14の操作されたキーが何れのキーであるかを判断する。操作キー判断部18cはスクロール割当キーである十字キー14cに対する操作であると判断した場合には、十字キー14cの操作されたキーを基にスクロール方向を判断し、残表示量判断部18dおよび表示スクロール部18eに対してスクロール方向を示すスクロール方向信号を出力する。操作キー判断部18cはスライド割当キーである数字キー14aに対する操作であると判断した場合には、数字キー14aの操作されたキーを基にスライド方向を判断し、表示スライド部18fに対してスライド方向を示すスライド方向信号を出力する。操作キー判断部18cは付属出力割当キーである確定キー14dに対する操作であると判断した場合には、現在表示部13の予め定められた領域(例えば、画面中央部)に表示されている画像の領域を特定することを指令する領域特定信号を領域特定部18gに対して出力する。
【0029】
残表示量判断部18dは、操作キー判断部18cからスクロール方向信号があると、メモリ17に記憶されている画像データを基に、その信号が示すスクロール方向にスクロールさせるための画像データが1画面分以上残っているかを判断する。残表示量判断部18dは、その判断結果(1画面分以上残っている、或いは、1画面分残っていない)を示す残表示量信号を表示スクロール部18eへ出力する。図3(a)を用いて説明すれば、画像データの画像A(表示部13の1画面分)が現在表示部13に表示されているとすると、十字キー14cの左方向キー14c1が操作された場合、画像Aの左側に1画面分の画像Bと1画面分に満たない画像Cが残っているので、残表示量判断部18dは1画面分以上残っていると判断する。一方、画像データの画像Bが現在表示部13に表示されているとすると、十字キー14cの左方向キー14c1が操作された場合、画像Bの左側に1画面分に満たない画像Cしか残っていないので、残表示量判断部18dは1画面分残っていないと判断する。
【0030】
表示スクロール部18eは、操作キー判断部18cからスクロール方向信号があり、残表示量判断部18dから残表示量信号があると、残表示量信号が1画面分以上残っていることを示している場合には、メモリ17に記憶されている画像データを基に、表示部13の表示内容をスクロール方向信号が示すスクロール方向にアニメーションさせながら1画面分スクロールさせる。これを図3(a)および図3(b)を用いて説明する。図3(a)はメモリ17に記憶されている画像データの全体を示し、図3(b)はスクロール時の表示部13の表示内容の変わる様子の概要を示している。表示部13に画像データの画像Aが表示されていて左スクロールの場合、図3(b)に示すように、スクロール時の表示部13にはスクロール方向に画像データを所定量(例えば1ピクセル分)スライドさせた画像を順次表示させながら、画像Aから画像Bまでスクロールさせる。
【0031】
表示スクロール部18eは、残表示量信号が1画面分残っていないことを示している場合には、メモリ17に記憶されている画像データを基に、表示部13の表示内容をスクロール方向信号が示すスクロール方向にアニメーションさせながらスクロールさせ、スクロール方向にスクロールさせるための画像がなくなるとスクロールを中断する。これを図3(a)および図3(c)を用いて説明する。図3(a)はメモリ17に記憶されている画像データの全体を示し、図3(c)はスクロール時の表示部13の表示内容の変わる様子の概要を示している。表示部13に画像データの画像Bが表示されていて左スクロールの場合、図3(c)に示すように、スクロール時の表示部13にはスクロール方向に画像データを所定量(例えば1ピクセル分)スライドさせた画像を順次表示させながら、画像Cの全てが表示部13に表示された時点でスクロールを中断する。
【0032】
表示スライド部18fは、操作キー判断部18cからスライド方向信号があると、メモリ17に記憶されている画像データを基に、表示部13の表示内容をスライド方向信号が示すスライド方向に所定量スライドさせる。これを図3(a)および図3(d)を用いて説明する。図3(a)はメモリ17に記憶されている画像データの全体を示し、図3(d)は表示部13のスライド前後の表示内容の概要を示している。表示部13に画像データの画像Aが表示されていて左スライドの場合、図3(d)に示すように、スライド後の表示部13にはスライド方向に画像データを所定量(例えば1ピクセル分)スライドさせた画像、画像Aの右の所定量を除いた部分と画像Bの右側の所定量の部分を含む画像が表示される。
【0033】
領域特定部18gは、操作キー判断部18cから領域特定信号があると、メモリ17に記憶されている画像データを基に、表示部13の予め定められた領域に表示されている画像データの領域を特定し、特定した画像データの領域を示す領域信号を付属情報特定部18hへ出力する。付属情報特定部18hは、領域特定部18gから領域信号があると、領域信号が示す画像データの領域を基に、その領域に割り当てられた付属情報データをメモリ17から特定して取り出し、取り出した付属情報データを付属情報出力処理部18iへ出力する。付属情報出力処理部18iは、付属情報特定部18gから付属情報データを受け取ると、受け取った付属情報データを基に付属情報を表示部13或いはスピーカ16へ出力する。付属情報出力処理部18iが表示部13に表示する付属情報の一例が図4に示されており、付属情報には店舗の電話番号や住所や営業時間などが含まれているとともに、付属情報から店舗の所在地を示す地図を表示させ、また、アドレス帳への登録が可能になっている。また、図示はしないが、付属情報としての画像データが表示部13の縦方向の画面サイズより大きく、横方向のサイズより小さい画像の場合、その画像の上から或いは下から連続的に画像を移動させて表示させる。
【0034】
次に、携帯電話機1において行われるスクロール表示処理および付属情報出力処理について図5を参照しつつ説明する。図5は携帯電話機1が行うスクロール表示処理および付属情報出力処理の手順を示すフローチャートである。
【0035】
まず、携帯電話機1の利用者が操作部14を操作して閲覧したい画像データやこれに従属した付属情報データなどからなるコンテンツのURLを入力すると、通信処理部18aによりアンテナ11および無線部12を介して画像データや付属情報データが取得され(ステップS101)、取得された画像データや付属情報データがメモリ17に記憶される(ステップS102)。そして、初期表示処理部18bは、メモリ17に記憶された画像データを基に、表示部13に1ページ目の画像データを表示する(ステップS103)。
【0036】
操作キー判断部18cは操作部14の何れかのキーに対する利用者の操作(押下)があったか否かを判断する(ステップS104)。キー操作がなかったと判断された場合には(S104:NO)ステップS104の処理へ戻り、キー操作があったと判断された場合には(S104:YES)ステップS105の処理へ進む。続いて、操作キー判断部18cは操作されたキーがスクロール割当キー(本実施の形態では十字キー14b)であるか否かを判断する(ステップS105)。スクロール割当キーであると判断された場合には(S105:YES)ステップS106の処理へ進み、スクロール割当キーでないと判断された場合には(S105:NO)ステップS109の処理へ進む。
【0037】
操作キー判断部18cはスクロール割当キーである十字キー14cのうち何れが操作されたかを判断してスクロール方向を特定し、残表示量判断部18dは特定されたスクロール方向にスクロールさせるための画像データが1画面分以上残っているかを判断する(ステップS106)。1画面分以上の画像データが残っていると判断された場合には(S106:YES)ステップS107の処理へ進む。そして、表示スクロール部18eは操作キー判断部18cにより特定されたスクロール方向に、表示部13の表示内容をアニメーションさせながら1画面分スクロールさせ(図3(a),(b)参照)(ステップS107)、ステップS104の処理へ戻る。
【0038】
一方、1画面分の画像データが残っていないと判断された場合には(S106:NO)ステップS108の処理へ進む。そして、表示スクロール部18eは操作キー判断部18cにより特定されたスクロール方向に、表示部13の表示内容をアニメーションさせながら残っている画像データ分スクロールさせ、残っている画像データ分スクロールさせた時点で表示内容のスクロールを中断し(図3(a),(c)参照)(ステップS108)、ステップS104の処理へ戻る。
【0039】
操作キー判断部18cは操作されたキーがスライド割当該当キー(本実施の形態では数字キー14aのうちの該当するキー)であるか否かを判断する(ステップS109)。スライド割当キーであると判断された場合には(S109:YES)ステップS110の処理へ進み、スライド割当キーでないと判断された場合には(S109:NO)ステップS111の処理へ進む。
【0040】
操作キー判断部18cはスライド割当キーである数字キー14aのうち何れが操作されたかを判断してスライド方向を特定し、表示スライド部18fは表示部13の表示内容を特定されたスライド方向にスライドさせ(図3(a),(d)参照)(ステップS110)、ステップS104の処理へ戻る。
【0041】
操作キー判断部18cは操作されたキーが付属出力割当キー(本実施の形態では確定キー14d)であるか否かを判断する(ステップS111)。付属出力割当キーであると判断された場合には(S111:YES)ステップS112の処理へ進み、付属出力割当キーでないと判断された場合には(S111:NO)ステップS115の処理へ進む。そして、終了キーとして割り当てられたキーに対する操作であるかを判断し(ステップS115)、終了キーであると判断された場合には(S115:YES)処理を終了し、終了キーでないと判断されれば(S115:NO)操作されたキーに対応した処理が行われる(ステップS116)。
【0042】
領域特定部18gは付属出力割当キーが操作された時点で、表示部13の予め定められた領域に表示されている画像データの領域を特定する(ステップS112)。続いて、付属情報特定部18hはステップS112において特定された画像の領域に割り当てられた付属情報データをメモリ17の記憶内容に基づいて特定して取り出す(ステップS113)。さらに続いて、付属情報出力処理部18iはステップS113で特定して取り出された付属情報データを基に付属情報を表示部13に表示し、あるいは、スピーカ16から出力し(ステップS114)、ステップS104の処理へ戻る。
【0043】
以上説明した本実施の形態によれば、1回の操作で1画面分の表示内容をアニメーションさせながらスクロールさせるため、少ない操作回数で且つスクロール前後の表示箇所の関係を把握しながら情報全体を閲覧することが可能になる。特に、1回のスクロール指示操作で1画面分スクロールするようにしているため、情報全体を閲覧するのに必要な操作回数が最小限になるという利点がある。
【0044】
また、付属情報を出力させたい場合、その付属情報を割り当てた画像の領域を表示部13の表示部の予め定められた領域にスクロール割当キーやスライド割当キーを利用して移動させればよいので、簡単な操作で付属情報を閲覧し、或いは、聞くことができる。
【0045】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、本実施の形態では1回で1画面分スクロールさせる構成としているが、これに限らず、1回でスクロールさせる量をスクロール方向の表示部13の表示画面の95パーセントや90パーセントなど特に限定されるものではない。
【0046】
尚、上述した各処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上記各種処理を行ってもよい。尚、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。更に「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0047】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。更に、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態における携帯電話機の斜視図。
【図2】図1の携帯電話機の機能を説明するための機能ブロック図。
【図3】図1の携帯電話機の表示部の変わる様子を説明するための説明図。
【図4】図1の表示部に表示される付属情報を説明するための説明図。
【図5】図1の携帯電話機が行うスクロール表示処理および付属情報出力処理の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0049】
1 携帯電話機、 13 表示部、 14 操作部、 18 制御部、 18a 通信処理部、 18b 初期表示処理部、 18c 操作キー判断部、 18d 残表示量判断部、 18e 表示スクロール部、 18f 表示スライド部、 18g 領域特定部、 18h 付属情報特定部、 18i 付属情報出力処理部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得される前記表示データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている表示データに基づく表示を行う表示手段と、
前記表示手段の表示内容のスクロールを指示するためのスクロール指示手段と、
前記スクロール指示手段に対する指示操作があると、前記記憶手段に記憶されている表示データに基づき、前記表示手段の表示内容を現在の表示内容からある量スクロールさせた後の表示内容までアニメーションさせながらスクロールさせる表示スクロール手段と、
を備えたことを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記ある量が前記表示手段のスクロール方向の長さであることを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記表示スクロール手段が前記ある量スクロールさせる前にスクロール方向の表示データの全てを表示することになるか否かを判断する判断手段をさらに備え、
前記表示スクロール手段は、前記判断手段により全てを表示することになると判断される場合、前記アニメーションさせながらのスクロールを前記スクロール方向の表示データの全てが表示された時点で中断することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報表示装置。
【請求項4】
主表示データおよび該主表示データ内の領域に割り当てられた補助データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得される前記主表示データおよび該主表示データ内の領域に割り当てられた補助データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている主表示データに基づく表示を行う表示手段と、
前記表示手段の表示内容の移動を指示するための移動指示手段と、
前記移動指示手段に対する指示操作があると、前記記憶手段に記憶されている主表示データに基づき、前記表示手段の表示内容を移動させる表示移動手段と、
前記補助データの出力を指示するための出力指示手段と、
前記出力指示手段に対する指示操作があると、前記表示手段の予め定められている領域に表示されている前記主表示データの領域を特定する領域特定手段と、
前記領域特定手段に特定される主表示データの領域に割り当てられている補助データを前記記憶手段から取り出し出力する補助データ出力手段と、
を備えたことを特徴とする情報表示装置。
【請求項5】
表示データを取得する取得手順と、
前記取得手順において取得された前記表示データを記憶手段に記憶する記憶手順と、
前記記憶手段に記憶された表示データに基づき、表示手段に表示内容を表示する表示手順と、
前記表示手段の表示内容のスクロールの指示があると、前記記憶手段に記憶されている表示データに基づき、前記表示手段の表示内容を現在の表示内容からある量スクロールさせた後の表示内容までアニメーションさせながらスクロールさせる表示スクロール手順と、
を有することを特徴とする情報表示方法。
【請求項6】
前記ある量スクロールさせる前にスクロール方向の表示データの全てを表示することになるか否かを判断する判断手順をさらに備え、
前記表示スクロール手順は、前記判断手順において全てを表示することになると判断される場合、前記アニメーションさせながらのスクロールを前記スクロール方向の表示データの全てが表示された時点で中断することを特徴とする請求項5に記載の情報表示方法。
【請求項7】
主表示データおよび該主表示データ内の領域に割り当てられた補助データを取得する取得手順と、
前記取得手順において取得された前記主表示データおよび該主表示データ内の領域に割り当てられた補助データを記憶手段に記憶する記憶手順と、
前記記憶手段に記憶された主表示データに基づき、表示手段に表示内容を表示する表示手順と、
前記表示手段の表示内容の移動指示があると、前記記憶手段に記憶されている主表示データに基づき、前記表示手段の表示内容を移動させる表示移動手順と、
前記補助データの出力指示があると、前記表示手段の予め定められている領域に表示されている前記主表示データの領域を特定する領域特定手順と、
前記領域特定手順において特定される主表示データの領域に割り当てられている補助データを前記記憶手段から取り出し出力する補助データ出力手順と、
を備えたことを特徴とする情報表示方法。
【請求項8】
コンピュータを、
表示データを取得する取得手段、
前記取得手段により取得される前記表示データを記憶する記憶手段、
前記記憶手段に記憶されている表示データに基づく表示を行う表示手段、
前記表示手段の表示内容のスクロールを指示するためのスクロール指示手段、および
前記スクロール指示手段に対する指示操作があると、前記記憶手段に記憶されている表示データに基づき、前記表示手段の表示内容を現在の表示内容からある量スクロールさせた後の表示内容までアニメーションさせながらスクロールさせる表示スクロール手段、
として機能させることを特徴とする情報表示プログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
前記表示スクロール手段が前記ある量スクロールさせる前にスクロール方向の表示データの全てを表示することになるか否かを判断する判断手段としてさらに機能させ、
前記表示スクロール手段は、前記判断手段により全てを表示することになると判断される場合、前記アニメーションさせながらのスクロールを前記スクロール方向の表示データの全てが表示された時点で中断することを特徴とする請求項8に記載の情報表示プログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
主表示データおよび該主表示データ内の領域に割り当てられた補助データを取得する取得手段、
前記取得手段により取得される前記主表示データおよび該主表示データ内の領域に割り当てられた補助データを記憶する記憶手段、
前記記憶手段に記憶されている主表示データに基づく表示を行う表示手段、
前記表示手段の表示内容の移動を指示するための移動指示手段、
前記移動指示手段に対する指示操作があると、前記記憶手段に記憶されている主表示データに基づき、前記表示手段の表示内容を移動させる表示移動手段、
前記補助データの出力を指示するための出力指示手段、
前記出力指示手段に対する指示操作があると、前記表示手段の予め定められている領域に表示されている前記主表示データの領域を特定する領域特定手段、および
前記領域特定手段に特定される主表示データの領域に割り当てられている補助データを前記記憶手段から取り出し出力する補助データ出力手段、
として機能させることを特徴とする情報表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−99580(P2006−99580A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−286781(P2004−286781)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】