説明

情報記録媒体、情報記録媒体に対するアクセス装置及び領域設定方法

情報記録媒体(110)は、データを格納し、各々独立したファイルシステムにより管理される複数の領域(121〜124)を有する記憶素子である半導体メモリ(117)と、半導体メモリ(117)の各領域の大きさや位置に関する情報を格納する領域情報格納部(119)と、アクセス装置(100)から、半導体メモリ(117)の各領域の大きさを設定するためのコマンドを受信するホストインタフェース(111)と、半導体メモリ(117)の各領域の大きさや位置を設定する領域長設定手段(112、120)とを備える。領域長設定手段(112、120)は、アクセス装置(100)から受信したコマンドにしたがい、所定の設定条件に基づいて半導体メモリ(117)内の各領域(121〜124)の領域長を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、格納データをファイルシステムにより管理する半導体メモリカード等の情報記録媒体、及び情報記録媒体にアクセスするアクセス装置並びに領域設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
音楽コンテンツや、映像データ等のデジタルデータを記録する記録媒体には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等、様々な種類が存在する。これら記録媒体の1種類である半導体メモリカードは、記憶素子としてFlashROM(フラッシュROM)等の半導体メモリを使用しており、記録媒体の小型化が図れることから、デジタルスチルカメラや携帯電話端末等、小型の携帯機器を中心に急速に普及しつつある。
【0003】
このような半導体メモリカードの一例として、デジタル著作物を格納可能な著作権保護機能を備えた半導体メモリカードが存在する(例えば、特許文献1参照)。この半導体メモリカードは、デジタル著作物の著作権を保護するため、半導体メモリカード内に外部機器の認証に成功した場合にのみ外部機器にアクセスを許可する認証領域と、認証の結果に拘わらずアクセスを許可する非認証領域とを有する。
【0004】
一方、半導体メモリカードに格納されたデータはファイルシステムにより管理されており、ユーザは格納されたデータをファイルとして容易に取り扱うことができる。従来使用されているファイルシステムとして、FATファイルシステム(詳細は、非特許文献1参照)が一例として挙げられる。FATファイルシステムはPC(パーソナル・コンピュータ)などの情報機器で一般に用いられているファイルシステムであり、ファイルを構成するデータの格納位置をFAT(File Allocation Table)と呼ばれるテーブルにより一元管理するという特徴を持つ。半導体メモリカードに格納されたデータをFATファイルシステムにより管理した場合、FATファイルシステムを解釈可能な機器では半導体メモリカードに格納されたデータにアクセスすることが可能であるため、このような機器間では半導体メモリカードを介してデータを授受することが可能となる。
【0005】
しかしながら、ファイルシステムにはFATファイルシステムの他に、UDFファイルシステム(Universal Disk Format)(詳細は、非特許文献2参照)や、NTFSファイルシステム(New Technology File System)等が存在し、各機器が解釈可能なファイルシステムの種別が異なれば、機器間で半導体メモリカードを介してデータを授受することができなくなる。
【0006】
従来、この問題を解決する方法として、情報記録媒体に複数のファイルシステム管理情報を格納する領域と、共通のファイルデータを格納する領域を設ける方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この従来の方法では、情報記録媒体が機器に挿入された後、使用するファイルシステムを選択し、選択されたファイルシステムに対応するファイルシステム管理情報が格納された領域を、その先頭アドレスを0番地としてアクセスしてファイルシステム管理情報を読み出す。このように、複数のファイルシステム管理情報の内、いずれか1つを選択して使用することで、異なるファイルシステムを解釈する機器間で共通の情報記録媒体を介したデータの授受が可能となる。
【特許文献1】特開2003−233795号公報
【特許文献2】特開平8−272541号公報
【非特許文献1】ISO/IEC9293、「インフォメイション・テクノロジー−ボリュウム・アンド・ファイル・ストラクチャ・オブ・ディスク・カートリッジ・フォ・インフォメイション(Information Technology−Volume and file structure of disk cartridges for information)」、1994年
【非特許文献2】オプティカル・ストレージ・テクノロジー・アソシエイション(Optical Storage Technology Association)ユニバーサル・ディスク・フォーマット・スペシフィケイション・レビション 1.50(Universal Disk Format Specification Revision 1.50)、1997年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の従来技術には次のような問題点がある。従来の領域管理方法では、ファイルシステム管理情報を各ファイルシステム種別に対応して複数格納し、ファイルデータは各ファイルシステムに対し共通な一式のみを格納している。これにより、同じファイルを異なるファイルシステムで取り扱う場合に、データの実体を複数格納する必要がなく、情報記録領域を削減することが可能となる。しかしながら、この方法ではファイルを編集する際、複数のファイルシステム各々に対応する複数のファイル管理情報を一度に変更する必要があり、全てのファイルシステム管理情報を解釈可能な機器でしかファイルを編集することができない。
【0008】
この問題を解決する方法として、半導体メモリカード内の領域を複数の領域に分割し、各々の領域を異なるファイルシステムにより管理することが考えられる。この場合、ユーザにより使用するファイルシステムの種別が異なる可能性があるため、ユーザの利便性を考慮し、各領域の領域長を自由に設定可能にする方が好ましい。
【0009】
また、従来の認証領域と非認証領域を有する半導体メモリカードにおいて非認証領域と共に認証領域も複数の領域に分割した場合、半導体メモリカード内に少なくとも4つの領域が共存することになるため、領域長の設定は、より複雑なものとなる。
【0010】
本発明では上記問題点に鑑み、各々独立したファイルシステムにより管理される複数の領域を持つ情報記録媒体であって各領域の大きさの設定が可能な情報記録媒体及びそれに対するアクセス装置並びに領域設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る情報記録媒体は、アクセス装置からデータのアクセスが可能な情報記録媒体である。情報記録媒体は、データを格納し、各々独立したファイルシステムにより管理される複数の領域を有する記憶素子と、記憶素子の各領域の大きさや位置に関する情報を格納する領域情報格納手段と、アクセス装置から、記憶素子の各領域の大きさを設定するためのコマンドを受信するホストインタフェース手段と、記憶素子の各領域の大きさや位置を設定する領域長設定手段とを備える。領域長設定手段は、アクセス装置から受信したコマンドにしたがい、所定の設定条件に基づいて記憶素子内の各領域の領域長を設定する。
【0012】
情報記録媒体において、ホストインタフェース手段は、アクセス装置から記憶素子における一の領域の大きさを受信してもよい。このとき、領域長設定手段は、受信した一の領域の大きさと設定条件に基づいて記憶素子における他の領域の大きさを決定し、領域情報格納手段に格納される情報を受信した値及び決定した値に基づいて設定できる。
【0013】
また、情報記録媒体は、アクセス装置の認証を行う認証制御手段をさらに備えてもよい。また、記憶素子は、認証制御手段による認証が成功した場合にのみアクセス装置によるアクセスが許可される認証領域と、認証制御手段による認証の結果に拘わらずアクセス装置によるアクセスが許可される非認証領域とを有してもよい。非認証領域及び認証領域はそれぞれ複数の領域を有し、非認証領域の各領域と前記認証領域の各領域とは対応関係を有する。
【0014】
情報記録媒体が非認証領域及び認証領域を有する場合、設定条件として非認証領域及び認証領域の全体の大きさに関する情報を格納してもよい。このとき、ホストインタフェース手段は、非認証領域及び前記認証領域のいずれか一方における一の領域の大きさを前記アクセス装置から受信する。領域長設定手段は、その受信した大きさと設定条件とに基づき非認証領域及び認証領域のいずれか一方における他の領域の大きさを決定し、領域情報格納手段に格納される情報を受信した値及び決定した値に基づいて設定できる。
【0015】
また、情報記録媒体が非認証領域及び認証領域を有する場合、設定条件として、非認証領域内の領域の大きさと、それに対応する認証領域内の領域の大きさとの比率に関する情報を格納してもよい。このとき、ホストインタフェース手段は、非認証領域及び認証領域のいずれか一方における一の領域の大きさをアクセス装置から受信する。領域長設定手段は、その受信した一の領域の大きさと前記比率とに基づき、非認証領域及び認証領域の各領域の大きさを決定し、領域情報格納手段に格納される情報を受信した値及び決定した値に基づいて設定できる。
【0016】
また、情報記録媒体が非認証領域及び認証領域を有する場合、設定条件として、非認証領域内の領域の大きさと、それに対応する認証領域内の領域の大きさとの比率に関する情報を格納してもよい。このとき、ホストインタフェース手段は、非認証領域及び認証領域のいずれか一方における各領域の大きさをアクセス装置から受信する。領域長設定手段は、その受信した各領域の大きさと前記比率に基づき、非認証領域及び認証領域の各領域の大きさを決定し、領域情報格納手段に格納される情報を受信した値及び決定した値に基づいて設定できる。
【0017】
また、情報記録媒体が非認証領域及び認証領域を有する場合、設定条件は、非認証領域または認証領域における各領域の構成比であってもよい。このとき、ホストインタフェース手段は、非認証領域及び認証領域のいずれか一方における各領域の大きさを前記アクセス装置から受信する。領域長設定手段は、受信した各領域の大きさから前記構成比を算出し、その構成比に基づいて非認証領域及び認証領域のうちの他方における各領域の大きさを決定し、領域情報格納手段に格納される情報を受信した値及び決定した値に基づいて設定できる。
【0018】
また、情報記録媒体が非認証領域及び認証領域を有する場合、領域情報格納部が、非認証領域及び認証領域の各領域の大きさの組み合わせを複数格納してもよい。このとき、ホストインタフェース手段は、一つの組み合わせを示す指定情報をアクセス装置から受信する。領域長設定手段は、受信した指定情報にしたがい領域情報格納部内の一つの組み合わせを選択し、選択した組み合わせにしたがい非認証領域及び認証領域の各領域の大きさを設定できる。
【0019】
また、情報記録媒体が非認証領域及び認証領域を有する場合、ホストインタフェース手段は、アクセス装置から、非認証領域及び認証領域の少なくとも一方の全体の大きさを受信してもよい。領域長設定手段は、受信した全体の大きさに基づき、非認証領域及び認証領域の全体の大きさを設定できる。
【0020】
領域長設定手段は、アクセス装置により設定可能な領域の大きさとして、離散的な値のみ許可するようにしてもよい。
【0021】
また、領域長設定手段は、記憶素子の各領域の大きさを、記憶素子全体の大きさ又は記憶素子の各領域の大きさと、良ブロック率とから算出される不良ブロック数の合計サイズよりも大きい値に設定するようにしてもよい。
【0022】
また、情報記録媒体において、認証領域に含まれるm個の領域の領域長、及び、非認証領域に含まれるn個の領域(m及びnは、m+n≧2を満足する0以上の整数)の領域長が固定サイズであってもよい。
【0023】
本発明に係るアクセス装置は、データを格納し、各々独立したファイルシステムによりデータが管理される複数の領域を有する情報記録媒体に対してデータの書き込み、読み出しを行う装置である。アクセス装置は、情報記録媒体を装着するスロットと、スロットに装着された情報記録媒体上に構築されたファイルシステムを制御するファイルシステム制御手段とを備える。ファイルシステム制御手段は、情報記録媒体の各領域の大きさを設定するために、情報記録媒体に対し、領域長設定を要求するコマンドを送信するとともに情報記録媒体の領域の大きさに関する情報を指定する。
【0024】
ファイルシステム制御手段は、情報記録媒体の各領域の大きさを設定するために、情報記録媒体における一の領域の大きさを情報記録媒体に指定しもよい。
【0025】
また、情報記録媒体が、認証が成功した場合にのみアクセスが許可される認証領域と、認証の結果に拘わらずアクセスが許可される非認証領域とを有し、非認証領域及び前記認証領域がそれぞれ複数の領域を有する場合、ファイルシステム制御手段を以下のように構成してもよい。
【0026】
すなわち、ファイルシステム制御手段は、情報記録媒体の各領域の大きさを設定するために、非認証領域及び認証領域のいずれか一方における一の領域の大きさを前記情報記録媒体に指定してもよい。
【0027】
または、ファイルシステム制御手段は、情報記録媒体の各領域の大きさを設定するために、非認証領域及び認証領域のいずれか一方における一の領域の大きさを情報記録媒体に指定してもよい。
【0028】
または、ファイルシステム制御手段は、情報記録媒体の各領域の大きさを設定するために、非認証領域及び認証領域のいずれか一方における各領域の大きさを情報記録媒体に指定してもよい。
【0029】
または、ファイルシステム制御手段は、情報記録媒体の各領域の大きさを設定するために、非認証領域及び認証領域のいずれか一方における各領域の大きさを情報記録媒体に指定してもよい。
【0030】
さらに、情報記録媒体が、非認証領域及び認証領域の各領域の大きさの組み合わせを複数格納する場合、ファイルシステム制御手段は、情報記録媒体の各領域の大きさを設定するために、格納された複数の組み合わせの中から一つの組み合わせを選択するための指定情報を情報記録媒体に送信してもよい。
【0031】
または、ファイルシステム制御手段は、情報記録媒体の各領域の大きさを設定するために、非認証領域及び認証領域の少なくとも一方の全体の大きさを情報記録媒体に指定してもよい。
【0032】
ファイルシステム制御手段は、情報記録媒体の各領域の大きさを設定する際に指定可能な領域の大きさとして、離散的な値のみを指定してもよい。
【0033】
ファイルシステム制御手段は、情報記録媒体の各領域の大きさを設定する際に指定する領域の大きさを、情報記録媒体全体の大きさ又は情報記録媒体の各領域の大きさと、良ブロック率とから算出される不良ブロック数の合計サイズよりも大きい値に設定してもよい。
【0034】
本発明に係る領域設定方法は、データを格納し、各々独立したファイルシステムにより前記データが管理される複数の領域を有する情報記録媒体に対する領域設定方法である。その領域設定方法は、情報記録媒体の外部から、情報記録媒体の領域の大きさの設定を要求するとともに情報記録媒体の領域の大きさに関する情報を指定するコマンドを受信し、その受信したコマンドにしたがい、所定の設定条件に基づいて情報記録媒体内の各領域の領域長を設定する。
【0035】
上記領域設定方法において、外部から、情報記録媒体における一の領域の大きさを受信し、受信した一の領域の大きさと設定条件に基づいて情報記録媒体における他の領域の大きさを決定し、情報記録媒体の各領域の大きさを受信した値及び決定した値に基づいて設定してもよい。
【0036】
また、情報記録媒体が、認証が成功した場合にのみアクセスが許可される認証領域と、認証の結果に拘わらずアクセスが許可される非認証領域とを有し、非認証領域及び認証領域がそれぞれ複数の領域を有する場合は、上記領域設定方法を以下のように構成してもよい。
【0037】
すなわち、非認証領域及び認証領域のいずれか一方における一の領域の大きさを受信し、その受信した大きさと、非認証領域及び認証領域の全体の大きさに関する情報とに基づき非認証領域及び認証領域のいずれか一方における他の領域の大きさを決定し、情報記録媒体の各領域の大きさを、受信した値及び決定した値に基づいて設定してもよい。
【0038】
または、設定条件として、非認証領域内の領域の大きさと、それに対応する認証領域内の領域の大きさとの比率に関する情報を格納しておき、非認証領域及び認証領域のいずれか一方における一の領域の大きさを受信し、受信した一の領域の大きさと前記比率に基づき、非認証領域及び認証領域の各領域の大きさを決定し、情報記録媒体の各領域の大きさを受信した値及び決定した値に基づいて設定してもよい。
【0039】
または、設定条件として、非認証領域内の領域の大きさとそれに対応する認証領域内の領域の大きさとの比率に関する情報を格納しておき、非認証領域及び認証領域のいずれか一方における各領域の大きさを受信し、受信した各領域の大きさと前記比率に基づき、非認証領域及び認証領域の各領域の大きさを決定し、情報記録媒体の各領域の大きさを、受信した値及び前記決定した値に基づいて設定してもよい。
【0040】
または、非認証領域及び認証領域のいずれか一方における各領域の大きさを受信し、受信した各領域の大きさから、非認証領域または認証領域における各領域の構成比を算出し、その構成比に基づいて非認証領域及び認証領域のうちの他方における各領域の大きさを決定し、情報記録媒体の各領域の大きさを、受信した値及び決定した値に基づいて設定してもよい。
【0041】
さらに、情報記録媒体が、非認証領域及び認証領域の各領域の大きさの組み合わせを複数格納する場合は、一つの組み合わせを選択するための指定情報を受信し、受信した指定情報にしたがい、格納した組み合わせの中から一つの組み合わせを選択し、選択した組み合わせにしたがい、情報記録媒体の各領域の大きさを設定してもよい。
【0042】
または、非認証領域及び認証領域の少なくとも一方の全体の大きさを受信し、受信した全体の大きさに基づき、非認証領域及び認証領域の全体の大きさを設定してもよい。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、各々独立したファイルシステムにより管理される複数の領域を持つ半導体メモリカード等の情報記録媒体、及び情報記録媒体にアクセスするアクセス装置において、アクセス装置が情報記録媒体内に存在する各領域の大きさに関する情報を指定することで、情報記録媒体内に存在する各領域の大きさを設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の半導体メモリカード及びアクセス装置の構成例を示した図
【図2】実施の形態1における領域情報格納部と半導体メモリの内部構成の一例を示した図
【図3】実施の形態1における領域長設定処理を示したフローチャート
【図4】(a)実施の形態1における領域長設定処理前の領域情報格納部と半導体メモリの状態を示した図、及び(b)実施の形態1における領域長設定処理後の領域情報格納部と半導体メモリの状態を示した図
【図5】実施の形態1における領域長設定処理の別の例を説明するための図
【図6】実施の形態2における領域情報格納部と半導体メモリの内部構成の一例を示した図
【図7】実施の形態2における領域長設定処理を示したフローチャート
【図8】(a)実施の形態2における領域長設定処理前の領域情報格納部の状態を示した図、及び(b)実施の形態2における領域長設定処理後の領域情報格納部の状態を示した図
【図9】実施の形態2における設定条件変更処理を示したフローチャート
【図10】実施の形態3における領域情報格納部と半導体メモリの内部構成の一例を示した図
【図11】実施の形態3における領域長設定処理を示したフローチャート
【図12】(a)実施の形態3における領域長設定処理前の領域情報格納部の状態を示した図、及び(b)実施の形態3における領域長設定処理後の領域情報格納部の状態を示した図
【図13】実施の形態4における領域情報格納部と半導体メモリの内部構成の一例を示した図
【図14】実施の形態4における領域長設定処理を示したフローチャート
【図15】(a)実施の形態4における領域長設定処理前の領域情報格納部の状態を示した図、及び(b)実施の形態4における領域長設定処理後の領域情報格納部の状態を示した図
【図16】実施の形態5における領域情報格納部と半導体メモリの内部構成の一例を示した図
【図17】実施の形態5における領域長設定処理を示したフローチャート
【図18】実施の形態6における異種領域間領域長設定処理を示したフローチャート
【図19】(a)実施の形態6における異種領域間領域長設定処理前の領域情報格納部の状態を示した図、及び(b)実施の形態6における異種領域間領域長設定処理後の領域情報格納部の状態を示した図
【図20】実施の形態7における領域長の設定方法の一例を説明するための図
【図21】実施の形態7における領域長の設定方法の別の例を説明するための図
【図22】半導体メモリの物理アドレス空間と論理アドレス空間の対応、及びそれらのアドレス空間における不良ブロックの対応を説明するための図
【図23】実施の形態7における不良ブロックの存在を考慮した領域長設定処理を説明するための図
【図24】実施の形態7における不良ブロックの存在を考慮した領域長設定処理の別の例を説明するための図
【符号の説明】
【0045】
100 アクセス装置
101,112 CPU
102,113 RAM
103 スロット
104,116 ROM
105 アプリケーションプログラム
106 ファイルシステム制御プログラム
107 アクセス制御プログラム
110 半導体メモリカード
111 ホストインタフェース
114 メモリコントローラ
115 不揮発性メモリ
117 半導体メモリ
118 認証制御部
119 領域情報格納部
120 領域長設定プログラム
121,122 非認証領域
123,124 認証領域
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明の情報記録媒体及びそのアクセス装置の実施形態について、添付の図面を参照しつつ説明する。
【0047】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態における半導体メモリカード及びアクセス装置の構成図である。図1においてアクセス装置100は、CPU101、RAM102、スロット103及びROM104を含む。
【0048】
スロット103は半導体メモリカード110との接続部であり、半導体メモリカード110を装着する。スロット103を経由して制御信号及びデータがアクセス装置100と半導体メモリカード110間で送受信される。
【0049】
ROM104はアクセス装置100を制御する種々のプログラム105〜107を格納し、これらのプログラムはRAM102を一時記憶領域として使用し、CPU101により実行され所定の機能を提供する。
【0050】
具体的には、ROM104は、アプリケーションプログラム105、ファイルシステム制御プログラム106、アクセス制御プログラム107を格納する。アプリケーションプログラム105、ファイルシステム制御プログラム106、アクセス制御プログラム107はそれぞれ、アクセス装置100全体の制御、半導体メモリカード110上に構築されたファイルシステムの制御、半導体メモリカード110に対するデータの読み出し、書き込み等のアクセス制御を行う。
【0051】
具体的には、アプリケーションプログラム105はアクセス装置100上で動作するアプリケーションを制御するプログラムであり、アクセス装置100がオーディオプレーヤであれば音楽再生プログラムを、デジタルスチルカメラであれば静止画撮影プログラム等を含む。
【0052】
ファイルシステム制御プログラム106はCPU101と協働することにより、ファイルシステム制御手段を構成し、半導体メモリカード110に対する、データの書き込み、読み出しをファイル単位で管理、制御する機能(ファイルシステム制御機能)を提供する。
【0053】
アクセス制御プログラム107はCPU101と協働することにより、アクセス制御手段を構成し、半導体メモリカード110上に構築された論理アドレス空間に対し、処理開始アドレスと処理サイズを指定してデータの書き込み、読み出しを実行する機能(アクセス制御機能)を提供する。
【0054】
一方、半導体メモリカード110は、ホストインタフェース111、CPU112、RAM113、メモリコントローラ114、不揮発性メモリ115、ROM116、半導体メモリ117を含む。
【0055】
ホストインタフェース111は、アクセス装置100との間で、制御信号及びデータを送受信するインタフェースである。ホストインタフェース111は、半導体メモリカード110にアクセスするアクセス装置100の認証を制御する認証制御部118を含む。認証制御部118は、認証が成功した場合にのみアクセス装置100による半導体メモリ117内の所定の記録領域へのアクセスを許可する。
【0056】
また、ROM116は半導体メモリカード110を制御するプログラム(図示せず)を格納しており、このプログラムはRAM113を一時記憶領域として使用し、CPU112上で実行され、所定の機能を提供する。
【0057】
半導体メモリ117はデータを格納する記録領域を有し、メモリコントローラ114を介してホストインタフェース111やCPU112が接続されるバスに接続されている。半導体メモリ117に対する制御はメモリコントローラ114が行う。半導体メモリ117内は複数の領域に分割され、各領域は各々独立したファイルシステムにより管理される。
【0058】
半導体メモリカード110の複数の領域は、非認証領域と認証領域とに分けられる。認証領域は、アクセス装置100の認証に成功した場合にのみアクセス装置100からのアクセスが許可される領域であり、非認証領域は、認証の結果に拘わらずアクセスが許可される領域である。非認証領域は非認証領域1(121)と非認証領域2(122)とからなる。認証領域は認証領域1(123)と認証領域2(124)とからなる。各領域121〜124はそれぞれ独立したファイルシステムにより格納データが管理される。ここで、非認証領域1と認証領域1とは対をなす。すなわち、認証領域1は非認証領域1の格納データに対する認証データを格納する。同様に、非認証領域2と認証領域2とは対をなす。すなわち、認証領域2は非認証領域2の格納データに対する認証データを格納する。なお、以降の説明において、非認証領域1と認証領域1を「第1領域」とも呼び、非認証領域2と認証領域2を「第2領域」とも呼ぶ。
【0059】
半導体メモリカード110は、非認証領域1(121)、非認証領域2(122)、認証領域1(123)、認証領域2(124)の4つの領域を有する。各領域121〜124の位置や大きさに関する情報は、不揮発性メモリ115内の領域情報格納部119に格納される。
【0060】
更に、各領域の大きさを設定する機能は、ROM116内に格納される領域長設定プログラム120により実現される。すなわち、領域長設定プログラム120はCPU112と協働して領域長設定手段を構成し、半導体メモリ117内に複数の領域が存在する半導体メモリカード110において、各領域の大きさを設定する機能(領域長設定機能)を提供する。
【0061】
以上のように構成される半導体メモリカード110及びアクセス装置100による領域長設定処理について以下に説明する。
【0062】
図2に、本実施の形態における領域情報格納部119と半導体メモリ117の内部構成の一例を示す。領域情報格納部119は、半導体メモリ117内に存在する非認証領域全体の大きさ(TS_D)、非認証領域1の大きさ(AS1_D)、半導体メモリ117内に存在する認証領域全体の大きさ(TS_P)、認証領域1の大きさ(AS1_P)に関する情報を格納する。非認証領域全体の大きさ(TS_D)、認証領域全体の大きさ(TS_P)の値は固定である。本実施の形態では、設定条件として、固定長の全非認証領域と全認証領域のサイズ(TS_D、TS_P)を用いて、後述の領域長設定コマンドにより、全非認証領域または全認証領域内の第1領域と第2領域のサイズの配分を設定する。
【0063】
図2の例では、TS_Dが8000MB(メガバイト)、AS1_Dが1000MBであり、これらの値から非認証領域2の大きさが7000MB(=8000−1000MB)であると算出される。同様に、TS_Pが196MB、AS1_Pが10MBであり、これらの値から認証領域2の大きさが186MB(=196−10MB)であると算出される。
【0064】
次に、図3を用いて、本実施の形態における領域長設定処理について説明する。ここで説明する領域長設定処理は、半導体メモリカード110内の領域長設定プログラム120とCPU112により実現される。
【0065】
本実施の形態の領域長設定処理は、領域長設定コマンド(Set_Area_Sizeコマンド)により実行される。領域長設定コマンドは以下のフォーマットを持つ。
Set_Area_Size(Size,Area)
引数のSizeで、第1領域の非認証領域1または認証領域1の大きさを指定する。引数のAreaで領域の種別(非認証領域または認証領域)を指定する。Set_Area_Sizeコマンドにより、全非認証領域における非認証領域1と非認証領域2のサイズまたは全認証領域における認証領域1と認証領域2のサイズが設定される。
【0066】
本実施の形態における領域長設定処理において、まず第1に半導体メモリカード110はアクセス装置100からコマンドを受信する(S301)。次に、受信したコマンドを参照し、自身が認識できない不正コマンドか否かを判定する(S302)。不正コマンドの場合、アクセス装置100にエラーを通知して処理を終了する(S303)。不正コマンドでない認識可能なコマンドの場合、そのコマンドが領域長設定コマンドであるか否かを判定する(S304)。
【0067】
コマンド判定の結果、領域長設定コマンド以外の場合、そのコマンドに対応した他の処理を実施する(S305)。領域長設定コマンドの場合、コマンドと共に渡された引数が正しいか否かを判定する(S306)。
【0068】
引数のAreaで非認証領域、認証領域以外の領域を指定した場合等、引数が不正であると判断した場合、アクセス装置100にエラーを通知して処理を終了する(S307)。
【0069】
引数が正しい場合、Areaで指定された種別の領域の全領域長(TS)を領域情報格納部119から取得する(S308)。つまり、Areaで「非認証領域」を指定した場合、TS=TS_D(全非認証領域長)となり、Areaで「認証領域」を指定した場合、TS=TS_P(全認証領域長)となる。
【0070】
次に、TSとSizeの値を比較する(S309)。SizeがTSを超えていた場合、Sizeの値に領域長を設定することが不可能であるため、アクセス装置100にエラーを通知して処理を終了する(S310)。
【0071】
SizeがTS以下であった場合、Areaで指定された種別の領域に格納されているデータを全て消去する(S311)。最後に、領域情報格納部119に格納されている、Areaで指定された種別の第1領域の大きさ(AS1_DまたはAS1_P)を、Sizeで指定された値に変更し、処理を終了する(S312)。
【0072】
図4は、図3で説明した領域長設定処理前後の領域情報格納部119と半導体メモリ117の状態の一例を示した図である。図4(a)は、領域長設定処理前の状態であり、非認証領域1(AS1_D)の大きさは1000MBである。図4(b)は、図4(a)の状態から、Set_Area_Size(Size=3000MB,Area=非認証領域)により領域長設定処理を行った後の状態を示した図である。非認証領域1の大きさは3000MBに変更され、それに伴い非認証領域2大きさは5000MBに変更される。
【0073】
以上説明したように、本実施の形態では、複数の記録領域を有する半導体メモリカード110において、領域情報格納部119に各記録領域の位置や大きさに関する情報を事前に格納しておき、これらの情報の一部を領域設定条件として用いて、アクセス装置100からの要求にしたがい各記録領域の大きさを設定することができる。これにより、ユーザ毎に異なる半導体メモリカード110の使用用途に応じて柔軟に各領域の大きさを変更することが可能となる。
【0074】
なお、領域情報格納部119を含む不揮発性メモリ115は、単独で半導体メモリカード110内に存在せずに、半導体メモリ117内に含まれる構成としても良い。
【0075】
また、図3のステップS311の処理において、Areaで指定した領域に格納された全データを消去するとしたが、消去が必要な部分のみ消去しても良いし、消去が不要であれば全く消去しなくても良い。
【0076】
また、図3の処理に認証処理等の処理を付加しても良い。また、本実施の形態で説明したコマンドの形式は一例であり、その他の形式を用いても良い。例えば、Areaの引数を無くし、非認証領域、認証領域毎に異なるコマンドを用いても良い。すなわち、非認証領域の領域長設定コマンドとしてSet_Data_Area_Size(Size)、認証領域の領域長設定コマンドとしてSet_Protected_Area_Size(Size)のような形式としても良い。またSizeは第1領域の大きさではなく、第2領域の大きさを指定するようにしても良い。その他の方法でも第1領域、第2領域の領域長配分が特定できる情報であれば良く、例えば各領域間の比率を用いても良い。すなわち、領域長設定コマンドの引数でSize=80%と指定した場合、TS=10000MBであれば第1領域の大きさは8000MBと算出してもよい。
【0077】
また、本実施の形態における領域長設定方法は、非認証領域、認証領域のいずれか一方の領域にのみ影響を与える方法であり、一方の領域に対する領域長設定が他方の領域に影響を与えることがない。そのため、本実施の形態における領域長設定方法を非認証領域、認証領域のいずれか一方の領域のみに適用しても構わない。例えば、非認証領域の領域長設定方法として本実施の形態で説明した方法を適用し、認証領域の各領域は固定長としても構わない。この場合、認証領域は必ずしも認証領域1、認証領域2の2領域存在する必要はなく、0以上の任意の領域数で構成される半導体メモリカード110に適用しても良い。同様に認証領域の領域長設定方法として本実施の形態で説明した方法を適用し、0以上の任意の領域数で構成される非認証領域を有する半導体メモリカード110に適用しても良い。
【0078】
また、本実施の形態では、設定条件として固定長の全非認証領域と全認証領域のサイズを用いて、領域長設定コマンドにより、全非認証領域または全認証領域内の第1領域と第2領域のサイズの配分を設定できるようにしたが、設定条件として固定長の全第1領域と全第2領域のサイズを用いて、それらの領域内における非認証領域と認証領域のサイズの配分を設定できるようにしてもよい。この場合、図5に示すように、領域情報格納部119は、全第1領域長(TS_1)と、全第2領域長(TS_2)とを固定値として格納する。このとき、領域長設定コマンド(Set_Area_Sizeコマンド)において、例えば、引数のSizeで、非認証領域1または非認証領域2の大きさを指定し、引数のAreaで領域の種別として”第1領域”または”第2領域”を指定するようにすればよい。
【0079】
(実施の形態2)
実施の形態1では、領域長設定処理に使用する設定条件として非認証領域長または認証領域長の全体サイズを用いたが、本実施の形態では、設定条件として各領域間のサイズの比率を用いる。
【0080】
図6は本実施の形態の半導体メモリカード110内の領域情報格納部119と半導体メモリ117の内部構成の一例を示した図である。本実施の形態における半導体メモリカード及びアクセス装置の構成は図1で示す構成と同じである。図6に示すように領域情報格納部119は、領域長に関する情報として、半導体メモリ117の全領域の大きさ(CS)、非認証領域1の大きさ(AS1_D)、非認証領域2の大きさ(AS2_D)、認証領域1の大きさ(AS1_P)、認証領域2の大きさ(AS2_P)を格納している。
【0081】
さらに、本実施の形態では、領域情報格納部119は、領域長設定処理に使用する設定条件として、非認証領域1に対する認証領域1の割合(RT1)と、非認証領域2に対する認証領域2の割合(RT2)とを格納している。図6の例では、非認証領域1の大きさ(AS1_D)が2000MB、認証領域1の割合(RT1)は1%であるため、認証領域1の大きさ(AS1_P)は20MBとなる。
【0082】
このように本実施の形態では、非認証領域長と認証領域長の間に相関関係を設け、非認証領域長の変更と連動して認証領域長を変更する。本実施の形態における領域長設定処理では、非認証領域1の大きさ(AS1_D)をアクセス装置100から取得し、その値と領域情報格納部119に格納された設定条件を元に、非認証領域2の大きさ(AS2_D)、認証領域1の大きさ(AS1_P)、認証領域2の大きさ(AS2_P)を決定する。これにより、アクセス装置100は1つの領域の大きさを指定するだけで、半導体メモリ117内の4つの領域全ての大きさを設定することが可能となる。
【0083】
図7を用いて、本実施の形態における領域長設定処理について説明する。ここで説明する領域長設定処理は、実施の形態1と同様、半導体メモリカード110内の領域長設定機能により実行される。
【0084】
領域長設定処理において、まず、半導体メモリカード110はアクセス装置100からコマンドを受信する(S601)。受信したコマンドを参照し、自身が認識できない不正コマンドか否かを判定する(S602)。不正コマンドの場合、アクセス装置100にエラーを通知して処理を終了する(S603)。不正コマンドでない認識可能なコマンドの場合、そのコマンドが領域長設定コマンドであるか否かを判定する(S604)。領域長設定コマンドは以下のフォーマットを有し、引数のSizeで非認証領域1の大きさを指定する。
Set_Area_Size(Size)
【0085】
領域長設定コマンド以外の場合、そのコマンドに対応した他の処理を実施する(S605)領域長設定コマンドの場合、コマンドと共に渡された引数が正しいか否かを判定する(S606)。引数のSizeで負の数を指定した場合等、引数が不正であると判断した場合、アクセス装置100にエラーを通知して処理を終了する(S607)。引数が正しい場合、非認証領域1の大きさ(AS1_D)を、指定されたSizeの値に仮決めする(S608)。
【0086】
次に、領域情報格納部119に格納されている認証領域1の割合(RT1)に基づき、認証領域1の大きさ(AS1_P)を算出する(S609)。例えば、AS1_Dが4000MB、RT1が1%の場合、AS1_Pは40MB(=4000MB×1%)と算出される。
【0087】
次に、第2領域全体の大きさを算出する(S610)。第2領域全体の大きさは、カード全体容量(CS)から、非認証領域1の大きさ(AS1_D)と認証領域1の大きさ(AS1_P)の和を減じることにより求められる。例えば、カード全体容量(CS)が10000MB、AS1_Dが4000MB、AS1_Pが40MBであれば、第2領域全体の大きさは5960MBとなる。
【0088】
次に、算出した全第2領域長と、領域情報格納部119に格納されている認証領域2の割合(RT2)とから、認証領域2の大きさ(AS2_P)を算出する(S611)。例えば、全第2領域長が5960MB、非認証領域2に対する認証領域2の割合(RT2)が5%である場合、全第2領域長の内、非認証領域2の大きさを100%とした場合の5%を認証領域2に割り当てる。よって、認証領域2の大きさ(AS2_P)は285MB(≒5960MB×5(%)/105(%))となる。なお、AS2_Pの値を算出する際に値が割り切れない場合、5MB刻みでAS2_Pの値を切り上げることとした。
【0089】
次に、全第2領域長から認証領域2の大きさ(AS2_P)を減じて非認証領域2の大きさ(AS2_D)を算出する(S612)。例えば、上記の例の場合、AS2_Dは5675MB(=5960MB−285MB)となる。
【0090】
次に、ここまでの手順で算出した4つの領域長が有効な値であるか否かを判定する(S612)。有効な値である場合とは、4つの領域の領域長の総和がカード全体容量(CS)を超えず且つ各領域長の値が0以上である場合である。無効な値の場合、アクセス装置100にエラーを通知して処理を終了する(S614)。有効な値の場合、全領域のデータを消去し(S615)、最後に、領域情報格納部119内の値を変更する(S616)。
【0091】
図8は、図7で示した領域長設定処理前後の領域情報格納部119の状態例を示した図である。図8(a)は、領域長設定処理前の状態であり、図8(b)は、図8(a)の状態から、Set_Area_Size(Size=4000MB)により領域長設定処理を行った後の状態を示した図である。図8(b)に示すように、アクセス装置100から領域長設定コマンドで指定された非認証領域1のサイズと、情報格納部119に格納された割合(RT1、RT2)とに各領域のサイズが設定されている。AS1_D、AS2_D、AS1_P、AS2_Pの各値の算出方法は図7を用いて説明した通りである。
【0092】
以上説明したように、本実施の形態では、複数の記録領域を有する半導体メモリカード110において、領域情報格納部119に領域設定条件として所定の記録領域間の領域長の比率に関する情報を事前に格納しておき、アクセス装置100からの要求にしたがい、アクセス装置100により指定された領域長と、領域設定条件とを用いて各記録領域の大きさを自動的に設定することができる。
【0093】
領域情報格納部119に存在する、領域長設定処理に使用される設定条件は、アクセス装置100からの要求に応じて変更することも可能である。図9は、本実施の形態の設定条件変更処理を示したフローチャートである。設定条件変更処理は、アクセス装置100からの設定条件変更コマンドにより実行される。設定条件変更コマンドは以下のフォーマットを有する。
Set_Change_Condition(Rate,Area)
引数のRateで、認証領域1の割合(RT1)または認証領域2の割合(RT2)を指定する。引数のAreaで、領域の種別(第1領域または第2領域)を指定する。
【0094】
図9に示す設定条件変更処理において、コマンド受信後、前述のものと同様に、不正コマンドのチェック、引数のチェック、エラー処理等(S801〜S807)が行われる。受信したコマンドが正当な設定条件変更コマンドであると判断された場合、コマンドの引数で指定されたRateの値に基づき、領域情報格納部119内の設定条件RT1、RT2を変更する(S808)。この処理手順により、アクセス装置100は、設定条件RT1、RT2の値を設定することが可能となる。
【0095】
なお、領域情報格納部119を含む不揮発性メモリ115は、半導体メモリ117と独立して設けずに半導体メモリ117内に含めても良い。図7のステップS615において全データを消去するとしたが、消去が必要な部分のみ消去しても良いし、消去が不要であれば全く消去しなくても良い。また、図7の処理において数値が割り切れない場合に値を切り上げる例について説明したが、値を切り捨てる等、その他一意に値を特定することが可能な手段であれば、いずれの方法を取っても良い。また、図7の処理に認証処理等の処理を付加しても良い。
【0096】
また、本実施の形態で説明したコマンドの形式は一例であり、その他の形式を用いても良い。例えば、Sizeは非認証領域1の大きさではなく、非認証領域2の大きさを指定するようにして、認証領域2、認証領域1、非認証領域1の順に各領域長を算出しても良いし、その他の方法でも1つの領域の大きさを指定する情報であれば良く、例えばカード全領域内の比率を用いても良い。すなわち、領域長設定コマンドの引数でSize=80%と指定した場合、CS=10000MBであれば非認証領域1の大きさは8000MBと算出される。
【0097】
また、本実施の形態では、半導体メモリ117内に非認証領域が2つ、認証領域が2つ存在する場合の例について説明したが、認証領域が1つだけ存在する場合にも適用可能である。その場合、設定条件の認証領域の割合として、非認証領域1に対する割合、非認証領域2に対する割合のいずれかを使用すれば良い。また、3つ以上の認証領域が存在する場合でも、その内の2つの認証領域に本領域長設定処理を適用し、その他の認証領域の大きさは固定長とする等、本実施の形態に変形を加え、実施しても良い。また、設定条件としてRT1とRT2の2つの条件を使用する場合の例について説明したが、RT1=RT2として1つの情報のみを設定条件として格納しても良い。また設定条件は、非認証領域と認証領域の相関関係が特定できる情報であれば、認証領域の割合以外の情報を用いても良い。
【0098】
(実施の形態3)
図10は本実施の形態における領域情報格納部119と半導体メモリ117の内部構成の一例を示した図である。本実施の形態における半導体メモリカード及びアクセス装置の構成は図1で示す構成と同じである。図10に示す本実施の形態の領域情報格納部119に格納される情報は、図6に示す実施の形態2の場合と同じである。実施の形態2と異なる点は、半導体メモリ117内に未使用領域125が存在する点である。実施の形態2では、半導体メモリ117内の全領域を余すことなく、全て4つの領域に割り当てられる場合を説明した。本実施の形態では、半導体メモリ117において4つの領域のいずれにも属さない未使用領域が存在し得ることを前提とし、かかる場合にも対応可能な領域長設定処理を説明する。
【0099】
本実施の形態では、実施の形態2と同様、設定条件として非認証領域長と認証領域長の間に相関関係を設け、非認証領域長の変更と連動して認証領域長を変更する。本実施の形態における領域長設定処理は、非認証領域1の大きさ(AS1_D)及び非認証領域2の大きさ(AS2_D)をアクセス装置100から取得し、その値と領域情報格納部119に格納された設定条件を元に、認証領域1の大きさ(AS1_P)、認証領域2の大きさ(AS2_P)を決定する。このようにアクセス装置100は2つの領域の大きさを指定することで、4つの領域の大きさを設定することが可能となる。
【0100】
図11を用いて、本実施の形態における領域長設定処理について説明する。本実施の形態における領域長設定処理は、実施の形態1と同様、半導体メモリカード110の領域長設定機能により実行される。
【0101】
領域長設定処理において、まず、半導体メモリカード110はアクセス装置100からコマンドを受信する(S1001)。次に、受信したコマンドを参照し、自身が認識できない不正コマンドか否かを判定する(S1002)。不正コマンドの場合、アクセス装置100にエラーを通知して処理を終了する(S1003)。不正コマンドでない認識可能なコマンドの場合、そのコマンドが領域長設定コマンドであるか否かを判定する(S1004)。本実施形態の領域長設定コマンドは以下のフォーマットを持つ。
Set_Area_Size(Size1,Size2)
引数のSize1で非認証領域1の大きさを、Size2で非認証領域2の大きさを指定する。
【0102】
領域長設定コマンド以外の場合、そのコマンドに対応した他の処理を実施する(S1005)。領域長設定コマンドの場合、コマンドと共に渡された引数が正しいか判定する(S1006)。引数のSize1で負の数を指定した場合等、引数が不正であると判断した場合、アクセス装置100にエラーを通知して処理を終了する(S1007)。引数が正しい場合、非認証領域1の大きさ(AS1_D)を、コマンドで指定されたSize1の値に仮決めする(S1008)。
【0103】
次に、領域情報格納部119に格納されている、非認証領域1に対する認証領域1の割合(RT1)を用いて、認証領域1の大きさ(AS1_P)を算出する(S1009)。例えば、非認証領域1の大きさ(AS1_D)が3000MB、認証領域1の割合(RT1)が1%の場合、認証領域1の大きさ(AS1_P)は30MBと算出される。
【0104】
次に、非認証領域2の大きさ(AS2_D)を、コマンドで指定されたSize2の値に仮決めする(S1010)。
【0105】
次に、領域情報格納部119に格納されている、非認証領域2に対する認証領域2の割合(RT2)を用いて、認証領域2の大きさ(AS2_P)を算出する(S1011)。例えば、非認証領域2の大きさ(AS2_D)が6000MB、認証領域2の割合(RT2)が5%の場合、認証領域2の大きさ(AS2_P)は300MBと算出される。
【0106】
次に、ここまでの手順で算出した4つの領域長が有効な値であるか判定する(S1012)。有効な値である場合とは、4つの領域の総和がカード全体容量(CS)を超えず、かつ、4つの各領域の領域長の値が0以上である場合である。無効な値の場合、アクセス装置100にエラーを通知して処理を終了する(S1013)。有効な値の場合、全領域のデータを消去し(S1014)、最後に、領域情報格納部119内の値を変更する(S1015)。
【0107】
図12は、図11に示す領域長設定処理前後の領域情報格納部119の状態例を示した図である。図12(a)は領域長設定処理前の状態を示し、図12(b)は、図12(a)に示す状態からSet_Area_Size(Size1=3000MB,Size2=6000MB)により領域長設定処理を行った後の状態を示す。AS1_D、AS2_D、AS1_P、AS2_Pの各数値の算出方法は図11を用いて説明した通りである。
【0108】
以上説明したように、本実施の形態では、複数の記録領域を有する半導体メモリカード110において、領域情報格納部119に領域設定条件として所定の記録領域間の領域長の比率に関する情報を事前に格納しておき、アクセス装置100からの領域設定要求にしたがい、アクセス装置100により指定された領域長と、領域設定条件とを用いて各記録領域の大きさを自動的に設定することができる。
【0109】
なお、本実施の形態における領域長設定処理で使用した領域情報格納部119内の設定条件は、実施の形態2と同様、アクセス装置100からの要求に応じて変更することも可能である。設定条件変更処理は図9に示す処理手順と同じである。
【0110】
また、本実施の形態では、半導体メモリ117内に未使用領域が存在し得ることを前提としているため、アクセス装置100から未使用領域の大きさ、あるいはカード全体容量を取得する機能を半導体メモリカード110に備えると、より効果的である。
【0111】
また、領域情報格納部119を含む不揮発性メモリ115は、半導体メモリ117と独立して設けずに半導体メモリ117内に含めても良い。図11のステップS1014において全データを消去するとしたが、消去が必要な部分のみ消去しても良いし、消去が不要であれば全く消去しなくても良い。また、図11の処理に認証処理等の処理を付加しても良い。また、本実施の形態で説明したコマンドの形式は一例であり、その他の形式を用いても良い。例えば、Size1は非認証領域1の大きさではなく、認証領域1の大きさを指定するようにして、非認証領域と認証領域の扱いを逆にしても良いし、その他の方法でも領域の大きさを指定する情報であれば良く、例えばカード全領域内の比率を用いても良い。例えば、領域長設定コマンドの引数でSize1=80%と指定した場合、CS=10000MBであれば非認証領域1の大きさは8000MBと算出される。
【0112】
また、本実施の形態では、半導体メモリ117内に非認証領域が2つ、認証領域が2つ存在する場合の例について説明したが、認証領域が1つだけ存在する場合にも適用可能である。その場合、設定条件の認証領域の割合として、非認証領域1に対する割合、非認証領域2に対する割合のいずれかを使用すれば良い。また、3つ以上の認証領域が存在する場合でも、その内の2つの認証領域に本領域長設定処理を適用し、その他の認証領域の大きさは固定長とする等、本実施の形態に変形を加え、実施しても良い。また、設定条件としてRT1とRT2の2つの条件を使用する場合の例について説明したが、RT1=RT2として1つの情報のみを設定条件として格納しても良い。また設定条件は、非認証領域と認証領域の相関関係が特定できる情報であれば、認証領域の割合以外の情報を用いても良い。また、非認証領域と、認証領域の組が2組ではなく、N組存在する半導体メモリカードに適用しても良い。この場合、領域長設定コマンドの引数にN個の非認証領域長を指定すればよい。
【0113】
(実施の形態4)
図13は実施の形態4における領域情報格納部119と半導体メモリ117の内部構成の一例を示した図である。本実施の形態における半導体メモリカード及びアクセス装置の構成は図1で示す構成と同じである。図13に示す領域情報格納部119は、半導体メモリ117内に存在する全領域の大きさ(CS)、非認証領域1の大きさ(AS1_D)、非認証領域2の大きさ(AS2_D)、認証領域1の大きさ(AS1_P)、認証領域2の大きさ(AS2_P)を格納する。
【0114】
本実施の形態では、実施の形態3と同様、非認証領域長と認証領域長の間に相関関係を設け、非認証領域長の変更と連動して、認証領域長を変更する。更に、領域長設定処理において非認証領域1の大きさ(AS1_D)、及び、非認証領域2の大きさ(AS2_D)をアクセス装置100から取得し、その値を元に、認証領域1の大きさ(AS1_P)、認証領域2の大きさ(AS2_P)を決定する。これにより、アクセス装置100は2つの領域の大きさを指定することで、4つの領域の大きさを設定することが可能となる。本実施の形態が、実施の形態3と異なる点は、領域長設定処理において、設定条件として領域情報格納部119に格納された情報を用いない点である。本実施の形態では、認証領域内の各領域の大きさを決定する際に、非認証領域内の各領域間の大きさの比率である構成比を領域設定条件として算出し、この算出した構成比に基づいて認証領域内の各領域の大きさを決定する。
【0115】
図14を用いて、本実施の形態における領域長設定処理について説明する。本実施の形態の領域長設定処理は、半導体メモリカード110内の領域長設定機能により実行される。
【0116】
図14に示す領域長設定処理において、まず、半導体メモリカード110はアクセス装置100からコマンドを受信する(S1301)。次に、受信したコマンドを参照し、自身が認識できない不正コマンドか否かを判定する(S1302)。不正コマンドの場合、アクセス装置100にエラーを通知して処理を終了する(S1303)。不正コマンドでない認識可能なコマンドの場合、そのコマンドが領域長設定コマンドであるか否かを判定する(S1304)。なお、本実施形態の領域長設定コマンドは以下のフォーマットを持つ。
Set_Area_Size(Size1,Size2)
引数のSize1で非認証領域1の大きさを、Size2で非認証領域2の大きさを指定する。
【0117】
領域長設定コマンド以外の場合、そのコマンドに対応した他の処理を実施する(S1305)。領域長設定コマンドの場合、コマンドと共に渡された引数が正しいか判定する(S1306)。引数のSize1で負の数を指定した場合等、引数が不正であると判断した場合、アクセス装置100にエラーを通知して処理を終了する(S1307)。引数が正しい場合、非認証領域1の大きさ(AS1_D)をコマンドで指定されたSize1の値に仮決めする(S1308)。
【0118】
次に、非認証領域2の大きさ(AS2_D)をコマンドで指定されたSize2の値に仮決めする(S1309)。
【0119】
次に、非認証領域1の大きさ(AS1_D)と非認証領域2の大きさ(AS2_D)の比率である構成比を求め、この構成比に基づき認証領域1の大きさ(AS1_P)を算出する(S1310)。例えば、カード全体容量(CS)が10000MB、非認証領域1の大きさ(AS1_D)が3000MB、非認証領域2の大きさ(AS2_D)が5000MBの場合、認証領域に割り当てが可能な残り領域長は2000MB(=10000−(3000+5000)MB)となる。また、非認証領域1の大きさ(AS1_D)と非認証領域2の大きさ(AS2_D)の比率(構成比)は3対5であることから、残り領域長(2000MB)を3対5の比率に案分し、認証領域1の大きさ(AS1_P)は750MBと算出される。
【0120】
次に、認証領域2の大きさ(AS2_P)を算出する(S1311)。認証領域2の大きさは、認証領域に割り当てが可能な残り領域長から、認証領域1の大きさを減じることで求められる。例えば、上記の例の場合、認証領域2の大きさ(AS2_P)は1250MB(=2000−750MB)となる。
【0121】
次に、ここまでの手順で算出した4つの領域長が有効な値であるか否かを判定する(S1312)。有効な値である場合とは、4つの領域の領域長の総和がカード全体容量(CS)を超えず、かつ、各領域の領域長が0以上である場合である。無効な値の場合、アクセス装置100にエラーを通知して処理を終了する(S1313)。有効な値の場合、全領域のデータを消去し(S1314)、最後に、領域情報格納部119内の値を変更する(S1315)。
【0122】
図15は、図14に示す領域長設定処理前後の領域情報格納部119の状態例を示した図である。図15(a)は、領域長設定処理前の状態を示し、図15(b)は、図15(a)に示す状態から、Set_Area_Size(Size1=3000MB,Size2=5000MB)により領域長設定処理を行った後の状態を示した図である。AS1_D、AS2_D、AS1_P、AS2_Pの各数値の算出方法は図14を用いて説明した通りである。
【0123】
以上説明したように、本実施の形態では、複数の記録領域を有する半導体メモリカード110において、アクセス装置100からの領域設定要求にしたがい、アクセス装置100により指定された所定の記録領域間の領域長から領域設定条件として領域長の比率を算出し、その算出した領域設定条件を用いて各記録領域の大きさを自動的に設定することができる。
【0124】
なお、領域情報格納部119を含む不揮発性メモリ115は、半導体メモリ117と独立して設けずに半導体メモリ117内に含めても良い。図14のステップS1314において全データを消去するとしたが、消去が必要な部分のみ消去しても良いし、消去が不要であれば全く消去しなくても良い。
【0125】
また、図14の処理において数値が割り切れる場合について説明したが、割り切れない場合は切り上げ、切り捨て等の方法を取り、一意に値を特定する。また、図14の処理に認証処理等の処理を付加しても良い。
【0126】
また、本実施の形態で説明したコマンドの形式は一例であり、その他の形式を用いても良い。例えば、Size1は非認証領域1の大きさではなく、認証領域1の大きさを指定するようにして、非認証領域と認証領域の扱いを逆にしても良いし、その他の方法でも領域の大きさを指定する情報であれば良く、例えばカード全領域内の比率を用いても良い。例えば、領域長設定コマンドの引数でSize1=80%と指定した場合、CS=10000MBであれば非認証領域1の大きさは8000MBと算出される。
【0127】
また、本実施の形態では、半導体メモリ117内に非認証領域が2つ、認証領域が2つ存在する場合の例について説明したが、認証領域が1つだけ存在する場合にも適用可能である。その場合、認証領域の大きさはカード全体容量(CS)から非認証領域の大きさの総和を差し引いた大きさとなる。また、3つ以上の認証領域が存在する場合でも、その内の2つの認証領域に本領域長設定処理を適用し、その他の認証領域の大きさは固定長とする等、本実施の形態に変形を加え、実施しても良い。
【0128】
また、非認証領域と、認証領域の組が2組ではなく、N組(Nは自然数)存在する半導体メモリカード110に適用しても良い。この場合、領域長設定コマンドの引数にN個の非認証領域長を指定すればよい。
【0129】
また、本実施の形態では、非認証領域1と非認証領域2の大きさを指定することで、非認証領域1と非認証領域2の構成比に基づいて認証領域1と認証領域2の大きさを自動的に設定する方法について説明したが、非認証領域1と認証領域1の大きさを指定することで、非認証領域1と認証領域1の構成比に基づいて非認証領域2と認証領域2の大きさを自動的に設定するようにしても良い。
【0130】
(実施の形態5)
本実施の形態では、領域情報格納部119は、設定条件として、半導体メモリ117内の各領域121〜124に対する領域長の状態を管理する。状態は、半導体メモリ117内の各領域121〜124の領域長の組み合わせを含む。領域情報格納部119は複数の状態に関する情報を格納する。アクセス装置100は1つの状態を選択するコマンドを半導体メモリカード110に送信し、半導体メモリカード110はそのコマンドにしたがい選択された1つの状態を有効にする。この構成により、アクセス装置100は予め設定されている複数の状態から1つの状態を選択するだけで、4つの領域の大きさを設定することが可能となる。
【0131】
図16は本実施の形態における領域情報格納部119と半導体メモリ117の内部構成の一例を示した図である。本実施の形態における半導体メモリカード及びアクセス装置の構成は図1で示す構成と同じである。図16に示すように領域情報格納部119は、半導体メモリ117内に存在する全領域の大きさ(CS)、領域情報内に存在する全状態数、現在有効となっている状態を示す有効フラグ(AF)、及び各状態(ケース1、2)の詳細な情報を格納する。第1番目の状態(ケース1)として、非認証領域1の大きさ(AS1_D)、非認証領域2の大きさ(AS2_D)、認証領域1の大きさ(AS1_P)、認証領域2の大きさ(AS2_P))を格納し、同様に、第2番目の状態(ケース2)として、更に4つの領域長の別の組合わせを格納する。
【0132】
図17を用いて、本実施の形態における領域長設定処理について説明する。本領域長設定処理は、半導体メモリカード110内の領域長設定機能により実行される。
【0133】
図17に示す領域長設定処理において、まず、半導体メモリカード110はアクセス装置100からコマンドを受信する(S1901)。次に、受信したコマンドを参照し、自身が認識できない不正コマンドか否かを判定する(S1902)。不正コマンドの場合、アクセス装置100にエラーを通知して処理を終了する(S1903)。不正コマンドでない認識可能なコマンドの場合、そのコマンドが領域長設定コマンドであるか否かを判定する(S1904)。領域長設定コマンドは以下のフォーマットを持つ。
Set_Area_Size(Flag)
引数のFlagで予め領域情報格納部119内に格納されている複数の状態のうち1つの状態を指定する。
【0134】
領域長設定コマンド以外の場合、そのコマンドに対応した他の処理を実施する(S1905)。領域長設定コマンドである場合、コマンドと共に渡された引数が正しいか判定する(S1906)。
【0135】
引数のFlagで存在しない状態を指定した場合等、引数が不正であると判断した場合、アクセス装置100にエラーを通知して処理を終了する(S1907)。引数が正しい場合、全領域のデータを消去する(S1908)。
【0136】
最後に、領域情報格納部119内の有効フラグ(AF)を、引数のFlagで指定された値に変更する(S1909)。図16の例の場合、半導体メモリカード110は、状態としてケース1とケース2の2つの状態を領域情報格納部119内に保持しているため、アクセス装置100は状態として”ケース1”あるいは”ケース2”のいずれかを指定し、領域情報格納部119の有効フラグ(AF)の値が指定された状態に変更される。
【0137】
以上説明したように、本実施の形態では、領域設定条件として、半導体メモリ117内の各領域の領域長の状態(組み合わせ)を管理し、アクセス装置100により指定された状態にしたがい各領域の大きさを同時に設定することが可能となる。
【0138】
また、本実施の形態における領域長設定処理では、領域情報格納部119に予め複数の状態を設定しておくことから、半導体メモリカード110は、既に設定されている状態に関する情報や、状態の数、現在有効となっている状態に関する情報等をアクセス装置100から取得する機能を備えることが好ましい。更に、半導体メモリカード110は、アクセス装置100から状態の追加や変更、削除等を行う機能を備えても良い。
【0139】
なお、領域情報格納部119を含む不揮発性メモリ115は、半導体メモリ117と独立して設けずに半導体メモリ117内に含めても良い。図17の処理のステップS1908において全データを消去するとしたが、消去が必要な部分のみ消去しても良いし、消去が不要であれば全く消去しなくても良い。また、図17の処理に認証処理等の処理を付加しても良い。
【0140】
また、本実施の形態で説明したコマンドの形式は一例であり、その他の形式を用いても良い。また、本実施の形態では、半導体メモリ117内に非認証領域が2つ、認証領域が2つ存在する場合の例について説明したが、本実施の形態における領域長設定処理は各領域の領域長が設定された状態を指定する方法であるため、非認証領域及び認証領域の数は0個以上のいずれの組み合わせでも良い。また、状態として2種類の状態を保持している例について説明したが、1つ以上の任意数の状態を保持している構成としても良い。
【0141】
(実施の形態6)
実施の形態1では、非認証領域長、認証領域長を個別に設定する方法について説明した。この場合、非認証領域と認証領域のそれぞれの領域内で領域長の設定は可能であるが、非認証領域と認証領域間に跨って領域の大きさを変更することはできない。本実施の形態では、非認証領域と認証領域間に跨って領域の大きさを変更可能とする処理(以下「異種領域間領域長設定処理」という。)について説明する。
【0142】
本実施の形態の異種領域間領域長設定処理は、異種領域間領域長設定コマンドにより実行される。異種領域間領域長設定コマンドは以下のフォーマットを持ち、
Set_Area_Border(Size)
引数のSizeで全非認証領域長を指定する。
【0143】
図18を用いて、本実施の形態における異種領域間領域長設定処理について説明する。異種領域間領域長設定処理は、半導体メモリカード110の領域長設定機能により実行される。
【0144】
図18に示す領域長設定処理において、まず、半導体メモリカード110はアクセス装置100からコマンドを受信する(S2001)。次に、受信したコマンドを参照し、自身が認識できない不正コマンドか否かを判定する(S2002)。不正コマンドの場合、アクセス装置100にエラーを通知して処理を終了する(S2003)。不正コマンドでない認識可能なコマンドの場合、そのコマンドが異種領域間領域長設定コマンド(Set_Area_Border)であるか否かを判定する(S2004)。
【0145】
異種領域間領域長設定コマンド以外の場合、そのコマンドに対応した他の処理を実施する(S2005)。異種領域間領域長設定コマンドである場合、コマンドと共に渡された引数が正しいか判定する(S2006)。引数のSizeで負の値を指定した場合等、引数が不正であると判断した場合、アクセス装置100にエラーを通知して処理を終了する(S2007)。引数が正しい場合、全領域のデータを消去する(S2008)。最後に、領域情報格納部119内の全非認証領域長、全認証領域長を、コマンドで指定された値に基づき変更する(S2009)。例えば、半導体メモリ117の全体容量(CS)が10000MBであり、異種領域間領域長設定コマンドのSizeにより全非認証領域長として7000MBが指定された場合、領域情報格納部119内の全非認証領域長(TS_D)を7000MBとする。全認証領域長(TS_P)は、半導体メモリ117の全体容量(CS)が10000MBであるため、3000MBとする。
【0146】
図19は、図18に示す異種領域間領域長設定処理前後の領域情報格納部119の状態例を示した図である。領域情報格納部119は設定条件としてメモリカード全体容量(CS)を格納する。図19(a)は、処理前の状態を示し、図19(b)は、図19(a)に示す状態から、Set_Area_Border(Size=7000MB)により領域長設定処理を行った後の状態を示した図である。
【0147】
以上説明したように、本実施の形態では半導体メモリ117内に非認証領域と認証領域の2種類の領域が存在し、さらに各々の領域が2つ以上の領域に分割管理されている半導体メモリカード110において、非認証領域と認証領域の全体の大きさを任意に設定することが可能となる。
【0148】
なお、領域情報格納部119を含む不揮発性メモリ115は、半導体メモリ117と独立して設けずに半導体メモリ117内に含めても良い。図18のステップS2008において全データを消去するとしたが、消去が必要な部分のみ消去しても良いし、消去が不要であれば全く消去しなくても良い。また、図18の処理に認証処理等の処理を付加しても良い。
【0149】
また、本実施の形態で説明したコマンドの形式は一例であり、その他の形式を用いても良い。例えば、Sizeで指定するのは非認証領域長ではなく、認証領域長としても良いし、非認証領域長と認証領域長の両方を引数で指定する形式としても良い。更に、引数で領域長を指定する代わりにカード全領域内の比率を用いても良い。例えば、異種領域間領域長設定コマンドの引数でSize=80%と指定した場合、CS=10000MBであれば非認証領域の大きさは8000MBと算出される。
【0150】
また、本実施の形態では、半導体メモリ117内に非認証領域が2つ、認証領域が2つ存在する場合の例について説明したが、非認証領域及び認証領域の数は1個以上のいずれの組み合わせでも良い。
【0151】
また、本実施の形態では、全非認証領域長と認証領域長を変更する方法について説明したが、いずれか1組の非認証領域長、認証領域長だけを変更しても良い。この場合、異種領域間領域長設定コマンドの引数に、領域長を変更する組を指定する引数を設ければよい。
【0152】
(実施の形態7)
前述の実施の形態では、半導体メモリ117内の各領域の大きさを設定する種々の方法について説明した。これらの方法の説明において、設定可能な領域長に対する制限については特に言及しなかった。しかし、実際の設計において全ての領域長に対する設定を可能とした場合、設定の自由度が高くなる反面、商品化における試験項目数が膨大な数に上る等の問題が生じる。
【0153】
そこで、上記問題点を解決するために、領域長設定処理を実施するにあたり、設定可能な領域長に対する制限を設けるのが好ましい。制限方法はアクセス装置100と半導体メモリカード110との間で合意の取れる方法であれば、いずれの方法を用いてもよい。以下に、いくつかの制限方法について説明する。
【0154】
第1の方法として、設定可能な領域長を離散的な値に設定する方法について説明する。
【0155】
図20は領域長設定の一例を示した図である。図20は、設定可能な領域長を、固定サイズのデータ単位(領域長設定単位)の整数倍に設定する場合を示している。すなわち、この方法では、半導体メモリ117内の全領域を、領域長設定単位(ここでは、64MB)毎に分割したN個(Nは自然数)の領域で管理する。領域長設定において、領域の境界を、領域長設定単位の倍数となる境界1から境界(N−1)のいずれかの境界にのみ設定することを可能とする。すなわち、各領域の大きさは領域長設定単位の整数倍となる。図20の例では、境界2に認証領域、非認証領域の境界が存在し、認証領域の大きさが128MB、非認証領域の大きさが1920MBに設定されている。
【0156】
また、図21に、本実施の形態における領域長設定の別の例を示す。図21では、設定可能な領域長を、固定サイズの最小設定単位(AU)の2のべき乗倍の大きさに設定する場合について示している。すなわち、この方法では、領域の境界は、最小設定単位(AU)(ここでは、8MB)の2のべき乗倍の位置に存在し、この境界でのみ領域長の設定が可能となる。図21では、8MBの位置に境界1が、16MBの位置に境界2が、32MBの位置に境界3が、64MBの位置に境界4がそれぞれ存在し、以下同様に最小設定単位(AU)の2のべき乗倍の位置に境界が存在する。また、図21では、境界2に、認証領域と非認証領域の境界が存在し、認証領域の大きさが16MB、非認証領域の大きさが2032MBに設定されている。
【0157】
第2の方法として、半導体メモリの物理特性を考慮した制限方法について説明する。
【0158】
半導体メモリ117に主として使用されるFlashメモリは、一定確率で不良ブロックが存在するという物理的な特性を持つ。例えば、1000ブロックの物理的なメモリを含むFlashメモリにおいて、良ブロック率98%という仕様であれば、最大20ブロック(1000ブロックの2%)の不良ブロックが存在する可能性がある。そのため、Flashメモリを使用した半導体メモリカードでは、不良ブロックの存在を前提とし、半導体メモリカード外部に記録領域として提供する領域長(容量)は、物理的に内部に存在する全ブロック数よりも少なくなる。
【0159】
図22は、半導体メモリカード110における記録領域の一例を示した図である。半導体メモリカード110は、Flashメモリ上の物理的なアドレスと、外部のアクセス装置100からアクセスする際の論理的なアドレスとを対応づけるテーブルを管理している。更に、半導体メモリカード110は、外部のアクセス装置100からアクセス可能な記録領域と、不良ブロックであって外部よりアクセス不可能な不良ブロック領域との2種類の領域を管理している。これらの仕組みにより、実際にFlashメモリ内に不良ブロックを発見した場合、この不良ブロックを不良ブロック領域内の論理アドレスに変換して管理し、アクセス装置100からアクセスさせないようにする。
【0160】
すなわち、不良ブロックを不良ブロック領域に論理的に固めることにより、物理的には任意の位置に不良ブロックが存在する場合においても、全ての良ブロックへのアクセスを保証する。実際の半導体メモリカードにおいては、不良ブロック対策として、不良ブロック領域で不良ブロックを管理するのみではなく、正常なブロックが物理的に破壊され記録不能になった場合に、その不良ブロックを正常ブロックで代替する方式が採用されている。このため、一定数のブロックを含む代替ブロック領域を保持している。この場合、記録領域として使用可能なブロック数は更に減少する。以下の説明では、特に不良ブロックのみに焦点をあてて説明する。
【0161】
このような半導体メモリカードの領域を複数の領域に分割する場合、いずれの領域に不良ブロックが含まれるかは不明である。そこで、各領域に対し、一定の良ブロック率を満たすように領域長設定に制限を設ける。
【0162】
図23は、不良ブロックを考慮した領域長設定の一例を示した図である。図23は、領域長をブロック単位で表現し、半導体メモリ117内には1000ブロックが存在し、良ブロック率が98%である場合を示す。この半導体メモリ117を認証領域と非認証領域に分割して管理する場合、不良ブロックがいずれの領域にも含まれる可能性があるため、認証領域と非認証領域のそれぞれに、最大不良ブロック数(20ブロック)分の不良ブロック領域を設ける必要がある。これは、全ての不良ブロックが認証領域と非認証領域のいずれか一方にのみ集中して含まれる場合であっても、その全不良ブロックを含む方の領域において最低でも1ブロックの記録領域を確保する必要があるからである。よって、認証領域と非認証領域の領域長はそれぞれ、最大不良ブロック数よりも大きいサイズ(21ブロック以上)に設定する必要がある。つまり、領域長設定の制限として、各領域長>最大不良ブロック数(20ブロック)分のサイズ、という制限を設ける必要がある。
【0163】
また、上記制限を緩和するためにFlashメモリを改良する方法がある。従来のFlashメモリは1枚あたりの良ブロック率が規定されている。この規定を、一定ブロック数あたりの良ブロック率を規定するように変更する。例えば、1000ブロックを含むFlashメモリにおいて、100ブロックあたりの良ブロック率を98%と規定した場合、領域長設定において100ブロックあたり2ブロックの不良ブロックを想定すれば良いようになる。すなわち、図24に示すように認証領域長を100ブロックと設定した場合、不良ブロック領域として2ブロック確保すれば良く、図23の例で示した20ブロックに比べ、制限が緩和される。
【0164】
なお、本実施の形態では、半導体メモリ117内に認証領域、非認証領域が1つずつ存在する場合について説明したが、2つ以上存在する場合に適用しても良い。また、設定可能な領域長を離散的な値に制限する方法として2つの方法を説明したが、これら以外の方法を用いても良い。また、良ブロック率に応じて設定可能な領域長に制限を設ける方法について説明したが、Flashメモリの消去ブロックサイズや、半導体メモリカード内部の領域管理単位等、その他の物理特性を用いて制限を設けても良い。
【0165】
本発明は、特定の実施形態について説明されてきたが、当業者にとっては他の多くの変形例、修正、他の利用が明らかである。それゆえ、本発明は、ここでの特定の開示に限定されず、添付の請求の範囲によってのみ限定され得る。
【産業上の利用可能性】
【0166】
本発明は、データを格納する情報記録媒体や、その情報記録媒体にアクセスする、デジタルAV機器、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ等のアクセス装置に適用できる。特に、本発明は、複数の記録領域を有する情報記録媒体において各記録領域の大きさを外部より適宜設定することを可能とするため、情報記録媒体の各記録領域を独立したファイルシステムで管理させる場合に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセス装置からデータのアクセスが可能な情報記録媒体であって、
データを格納し、各々独立したファイルシステムにより管理される複数の領域を有する記憶素子と、
前記記憶素子の各領域の大きさや位置に関する情報を格納する領域情報格納手段と、
前記アクセス装置から、前記記憶素子の各領域の大きさを設定するためのコマンドを受信するホストインタフェース手段と、
前記記憶素子の各領域の大きさや位置を設定する領域長設定手段とを備え、
該領域長設定手段は、前記アクセス装置から受信したコマンドにしたがい、所定の設定条件に基づいて前記記憶素子内の各領域の領域長を設定する、情報記録媒体。
【請求項2】
前記ホストインタフェース手段は、前記アクセス装置から前記記憶素子における一の領域の大きさを受信し、
前記領域長設定手段は、前記受信した一の領域の大きさと前記設定条件に基づいて前記記憶素子における他の領域の大きさを決定し、前記領域情報格納手段に格納される情報を前記受信した値及び前記決定した値に基づいて設定する、請求項1記載の情報記録媒体。
【請求項3】
前記アクセス装置の認証を行う認証制御手段をさらに備え、
前記記憶素子は、前記認証制御手段による認証が成功した場合にのみ前記アクセス装置によるアクセスが許可される認証領域と、前記認証制御手段による認証の結果に拘わらず前記アクセス装置によるアクセスが許可される非認証領域とを有し、
前記非認証領域及び前記認証領域はそれぞれ複数の領域を有し、前記非認証領域の各領域と前記認証領域の各領域とは対応関係を有する、
請求項1記載の情報記録媒体。
【請求項4】
前記設定条件として、前記非認証領域及び前記認証領域の全体の大きさに関する情報を格納し、
前記ホストインタフェース手段は、前記非認証領域及び前記認証領域のいずれか一方における一の領域の大きさを前記アクセス装置から受信し、
前記領域長設定手段は、その受信した大きさと前記設定条件とに基づき前記非認証領域及び前記認証領域のいずれか一方における他の領域の大きさを決定し、前記領域情報格納手段に格納される情報を前記受信した値及び前記決定した値に基づいて設定する、
請求項3記載の情報記録媒体。
【請求項5】
前記設定条件として、前記非認証領域内の領域の大きさと、それに対応する、前記認証領域内の領域の大きさとの比率に関する情報を格納し、
前記ホストインタフェース手段は、前記非認証領域及び前記認証領域のいずれか一方における一の領域の大きさを前記アクセス装置から受信し、
前記領域長設定手段は、その受信した一の領域の大きさと前記比率とに基づき、前記非認証領域及び前記認証領域の各領域の大きさを決定し、前記領域情報格納手段に格納される情報を前記受信した値及び前記決定した値に基づいて設定する、請求項3記載の情報記録媒体。
【請求項6】
前記設定条件として、前記非認証領域内の領域の大きさと、それに対応する、前記認証領域内の領域の大きさとの比率に関する情報を格納し、
前記ホストインタフェース手段は、前記非認証領域及び前記認証領域のいずれか一方における各領域の大きさを前記アクセス装置から受信し、
前記領域長設定手段は、その受信した各領域の大きさと前記比率に基づき、前記非認証領域及び前記認証領域の各領域の大きさを決定し、前記領域情報格納手段に格納される情報を前記受信した値及び前記決定した値に基づいて設定する、請求項3記載の情報記録媒体。
【請求項7】
前記設定条件は、前記非認証領域または前記認証領域における各領域の構成比であり、
前記ホストインタフェース手段は、前記非認証領域及び前記認証領域のいずれか一方における各領域の大きさを前記アクセス装置から受信し、
前記領域長設定手段は、前記受信した各領域の大きさから前記構成比を算出し、該構成比に基づいて前記非認証領域及び前記認証領域のうちの他方における各領域の大きさを決定し、前記領域情報格納手段に格納される情報を前記受信した値及び前記決定した値に基づいて設定する、請求項3記載の情報記録媒体。
【請求項8】
前記領域情報格納部は、前記非認証領域及び前記認証領域の各領域の大きさの組み合わせを複数格納し、
前記ホストインタフェース手段は、一つの組み合わせを示す指定情報を前記アクセス装置から受信し、
前記領域長設定手段は、前記受信した指定情報にしたがい前記領域情報格納部内の一つの組み合わせを選択し、該選択した組み合わせにしたがい前記非認証領域及び前記認証領域の各領域の大きさを設定する、請求項3記載の情報記録媒体。
【請求項9】
前記ホストインタフェース手段は、前記アクセス装置から、前記非認証領域及び前記認証領域の少なくとも一方の全体の大きさを受信し、
前記領域長設定手段は、該受信した全体の大きさに基づき、前記非認証領域及び前記認証領域の全体の大きさを設定する、請求項3記載の情報記録媒体。
【請求項10】
前記領域長設定手段は、前記アクセス装置により設定可能な領域の大きさとして、離散的な値のみ許可する、請求項1記載の情報記録媒体。
【請求項11】
前記領域長設定手段は、前記記憶素子の各領域の大きさを、前記記憶素子全体の大きさ又は前記記憶素子の各領域の大きさと、良ブロック率とから算出される不良ブロック数の合計サイズよりも大きい値に設定する、請求項1記載の情報記録媒体。
【請求項12】
前記認証領域に含まれるm個の領域の領域長、及び、前記非認証領域に含まれるn個の領域(m及びnは、m+n≧2を満足する0以上の整数)の領域長が固定サイズである、請求項3記載の情報記録媒体。
【請求項13】
データを格納し、各々独立したファイルシステムにより前記データが管理される複数の領域を有する情報記録媒体に対してデータの書き込み、読み出しを行う装置であって、
前記情報記録媒体を装着するスロットと、
該スロットに装着された情報記録媒体上に構築されたファイルシステムを制御するファイルシステム制御手段とを備え、
該ファイルシステム制御手段は、前記情報記録媒体の各領域の大きさを設定するために、前記情報記録媒体に対し、領域長設定を要求するコマンドを送信するとともに前記情報記録媒体の領域の大きさに関する情報を指定する、
アクセス装置。
【請求項14】
前記ファイルシステム制御手段は、前記情報記録媒体の各領域の大きさを設定するために、前記情報記録媒体における一の領域の大きさを前記情報記録媒体に指定する、請求項13記載のアクセス装置。
【請求項15】
前記情報記録媒体が、認証が成功した場合にのみアクセスが許可される認証領域と、認証の結果に拘わらずアクセスが許可される非認証領域とを有し、前記非認証領域及び前記認証領域がそれぞれ複数の領域を有する場合に、
前記ファイルシステム制御手段は、前記情報記録媒体の各領域の大きさを設定するために、前記非認証領域及び前記認証領域のいずれか一方における一の領域の大きさを前記情報記録媒体に指定する、
請求項13記載のアクセス装置。
【請求項16】
前記情報記録媒体が、認証が成功した場合にのみアクセスが許可される認証領域と、認証の結果に拘わらずアクセスが許可される非認証領域とを有し、前記非認証領域及び前記認証領域がそれぞれ複数の領域を有する場合に、
前記ファイルシステム制御手段は、前記情報記録媒体の各領域の大きさを設定するために、前記非認証領域及び前記認証領域のいずれか一方における一の領域の大きさを前記情報記録媒体に指定する、請求項13記載のアクセス装置。
【請求項17】
前記情報記録媒体が、認証が成功した場合にのみアクセスが許可される認証領域と、認証の結果に拘わらずアクセスが許可される非認証領域とを有し、前記非認証領域及び前記認証領域がそれぞれ複数の領域を有する場合に、
前記ファイルシステム制御手段は、前記情報記録媒体の各領域の大きさを設定するために、前記非認証領域及び前記認証領域のいずれか一方における各領域の大きさを前記情報記録媒体に指定する、請求項13記載のアクセス装置。
【請求項18】
前記情報記録媒体は認証が成功した場合にのみアクセスが許可される認証領域と、認証の結果に拘わらずアクセスが許可される非認証領域とを有し、前記非認証領域及び前記認証領域はそれぞれ複数の領域を有する場合に、
前記ファイルシステム制御手段は、前記情報記録媒体の各領域の大きさを設定するために、前記非認証領域及び前記認証領域のいずれか一方における各領域の大きさを前記情報記録媒体に指定する、
請求項13記載のアクセス装置。
【請求項19】
前記情報記録媒体が、認証が成功した場合にのみアクセスが許可される認証領域と、認証の結果に拘わらずアクセスが許可される非認証領域とを有し、前記非認証領域及び前記認証領域はそれぞれ複数の領域を有し、さらに、前記非認証領域及び前記認証領域の各領域の大きさの組み合わせを複数格納する場合に、
前記ファイルシステム制御手段は、前記情報記録媒体の各領域の大きさを設定するために、前記格納された複数の組み合わせの中から一つの組み合わせを選択するための指定情報を前記情報記録媒体に送信する、請求項13記載のアクセス装置。
【請求項20】
前記情報記録媒体が、認証が成功した場合にのみアクセスが許可される認証領域と、認証の結果に拘わらずアクセスが許可される非認証領域とを有し、前記非認証領域及び前記認証領域がそれぞれ複数の領域を有する場合に、
前記ファイルシステム制御手段は、前記情報記録媒体の各領域の大きさを設定するために、前記非認証領域及び前記認証領域の少なくとも一方の全体の大きさを前記情報記録媒体に指定する、請求項13記載のアクセス装置。
【請求項21】
前記ファイルシステム制御手段は、前記情報記録媒体の各領域の大きさを設定する際に指定可能な領域の大きさとして、離散的な値のみを指定する、請求項13記載のアクセス装置。
【請求項22】
前記ファイルシステム制御手段は、前記情報記録媒体の各領域の大きさを設定する際に指定する領域の大きさを、前記情報記録媒体全体の大きさ又は前記情報記録媒体の各領域の大きさと、良ブロック率とから算出される不良ブロック数の合計サイズよりも大きい値に設定する、請求項13記載のアクセス装置。
【請求項23】
データを格納し、各々独立したファイルシステムにより前記データが管理される複数の領域を有する情報記録媒体の領域設定方法であって、
前記情報記録媒体の外部から、情報記録媒体の領域の大きさの設定を要求するとともに前記情報記録媒体の領域の大きさに関する情報を指定するコマンドを受信し、
該受信したコマンドにしたがい、所定の設定条件に基づいて情報記録媒体内の各領域の領域長を設定する、情報記録媒体の領域設定方法。
【請求項24】
前記外部から、前記情報記録媒体における一の領域の大きさを受信し、
前記受信した一の領域の大きさと前記設定条件に基づいて前記情報記録媒体における他の領域の大きさを決定し、
前記情報記録媒体の各領域の大きさを、前記受信した値及び前記決定した値に基づいて設定する、請求項23記載の情報記録媒体の領域設定方法。
【請求項25】
前記情報記録媒体が、認証が成功した場合にのみアクセスが許可される認証領域と、認証の結果に拘わらずアクセスが許可される非認証領域とを有し、前記非認証領域及び前記認証領域がそれぞれ複数の領域を有する場合に、
前記非認証領域及び前記認証領域のいずれか一方における一の領域の大きさを受信し、
その受信した大きさと、前記非認証領域及び前記認証領域の全体の大きさに関する情報とに基づき前記非認証領域及び前記認証領域のいずれか一方における他の領域の大きさを決定し、
前記情報記録媒体の各領域の大きさを、前記受信した値及び前記決定した値に基づいて設定する、請求項23記載の情報記録媒体の領域設定方法。
【請求項26】
前記情報記録媒体が、認証が成功した場合にのみアクセスが許可される認証領域と、認証の結果に拘わらずアクセスが許可される非認証領域とを有し、前記非認証領域及び前記認証領域がそれぞれ複数の領域を有する場合に、
設定条件として、前記非認証領域内の領域の大きさと、それに対応する前記認証領域内の領域の大きさとの比率に関する情報を格納しておき、
前記非認証領域及び前記認証領域のいずれか一方における一の領域の大きさを受信し、
該受信した一の領域の大きさと前記比率に基づき、前記非認証領域及び前記認証領域の各領域の大きさを決定し、
前記情報記録媒体の各領域の大きさを、前記受信した値及び前記決定した値に基づいて設定する、請求項23記載の情報記録媒体の領域設定方法。
【請求項27】
前記情報記録媒体が、認証が成功した場合にのみアクセスが許可される認証領域と、認証の結果に拘わらずアクセスが許可される非認証領域とを有し、前記非認証領域及び前記認証領域がそれぞれ複数の領域を有する場合に、
設定条件として、前記非認証領域内の領域の大きさとそれに対応する前記認証領域内の領域の大きさとの比率に関する情報を格納しておき、
前記非認証領域及び前記認証領域のいずれか一方における各領域の大きさを受信し、
該受信した各領域の大きさと前記比率に基づき、前記非認証領域及び前記認証領域の各領域の大きさを決定し、
前記情報記録媒体の各領域の大きさを、前記受信した値及び前記決定した値に基づいて設定する、請求項23記載の情報記録媒体の領域設定方法。
【請求項28】
前記情報記録媒体が、認証が成功した場合にのみアクセスが許可される認証領域と、認証の結果に拘わらずアクセスが許可される非認証領域とを有し、前記非認証領域及び前記認証領域がそれぞれ複数の領域を有する場合に、
前記非認証領域及び前記認証領域のいずれか一方における各領域の大きさを受信し、
該受信した各領域の大きさから、前記非認証領域または前記認証領域における各領域の構成比を算出し、
該構成比に基づいて前記非認証領域及び前記認証領域のうちの他方における各領域の大きさを決定し、
前記情報記録媒体の各領域の大きさを、前記受信した値及び前記決定した値に基づいて設定する、請求項23記載の情報記録媒体の領域設定方法。
【請求項29】
前記情報記録媒体が、認証が成功した場合にのみアクセスが許可される認証領域と、認証の結果に拘わらずアクセスが許可される非認証領域とを有し、前記非認証領域及び前記認証領域がそれぞれ複数の領域を有し、さらに、前記非認証領域及び前記認証領域の各領域の大きさの組み合わせを複数格納する場合に、
一つの組み合わせを選択するための指定情報を受信し、
前記受信した指定情報にしたがい、格納した組み合わせの中から一つの組み合わせを選択し、前記選択した組み合わせにしたがい、前記情報記録媒体の各領域の大きさを設定する、請求項23記載の情報記録媒体の領域設定方法。
【請求項30】
前記情報記録媒体が、認証が成功した場合にのみアクセスが許可される認証領域と、認証の結果に拘わらずアクセスが許可される非認証領域とを有し、前記非認証領域及び前記認証領域がそれぞれ複数の領域を有する場合に、
前記非認証領域及び前記認証領域の少なくとも一方の全体の大きさを受信し、
該受信した全体の大きさに基づき、前記非認証領域及び前記認証領域の全体の大きさを設定する、請求項23記載の情報記録媒体の領域設定方法。
【請求項31】
設定可能な領域の大きさとして離散的な値のみ許可する、請求項23記載の情報記録媒体の領域設定方法。
【請求項32】
前記情報記録媒体の各領域の大きさを、前記情報記録媒体全体の大きさ又は前記情報記録媒体の各領域の大きさと、良ブロック率とから算出される不良ブロック数の合計サイズよりも大きい値に設定する、請求項23記載の情報記録媒体の領域設定方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【国際公開番号】WO2005/045681
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【発行日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515315(P2005−515315)
【国際出願番号】PCT/JP2004/016421
【国際出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】