説明

情報通信システム及びオペレータ用通信端末

【課題】 通信衛星などの大掛かりな通信システムを不要にして実施コストを抑制すると共に、通信コストなどのランニングコストも低減できる情報通信システム及びオペレータ用通信端末の提供を目的とする。
【解決手段】 建設機械に設けられる建設機械用通信端末7と、建設機械に乗車するオペレータの腕に装着され、建設機械用通信端末7と無線で通信可能なリストバンド型のオペレータ用通信端末8とを備えており、建設機械用通信端末7には、建設機械の稼働情報をオペレータ用通信端末8に送信する稼働情報送信手段が設けられ、また、オペレータ用通信端末8には、建設機械用通信端末7から稼働情報を受信する稼働情報受信手段と、受信した稼働情報を記憶する稼働情報記憶手段とが設けられた建設機械に適用される情報通信システム6とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベルなどの建設機械に適用される情報通信システム及びオペレータ用通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、建設機械のオペレータは、建設機械の稼働状況(稼働時間、燃料残量など)を把握することが要求される。これは、作業終了後、作業日報を作成したり、適正な点検整備時期や部品交換時期を判断するためであるが、建設機械の稼働状況をいちいち手帳などに記録することは面倒であり、オペレータの負担になるという問題がある。
【0003】
そこで、建設機械の状態情報を自動的に記録(記憶)すると共に、記録した状態情報を外部に送信する監視システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような監視システムによれば、建設機械の状態情報を監視局(監視センタ)へ自動的に送信できるので、オペレータによる稼働状況の記録作業を不要にし、オペレータの負担を軽減できる。
【特許文献1】特開2002−290596号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載される監視システムでは、モーションレコーダに記録された建設機械の状態情報を、通信衛星及び地上局を介して監視局に送信しているので、システムが大掛かりになるだけでなく、通信コストが嵩むという問題がある。
【0005】
本発明は、建設機械の稼働記録に係るオペレータの作業負担を軽減するにあたり、通信衛星などの大掛かりな通信システムを不要にして実施コストを抑制すると共に、通信コストなどのランニングコストも低減できる情報通信システム及びオペレータ用通信端末の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の如き実情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創作された本発明の情報通信システムは、建設機械に適用される情報通信システムであって、建設機械に設けられる建設機械用通信端末と、建設機械に乗車するオペレータの腕に装着され、前記建設機械用通信端末と無線で通信可能なリストバンド型のオペレータ用通信端末とを備え、前記建設機械用通信端末には、建設機械の稼働情報を前記オペレータ用通信端末に送信する稼働情報送信手段が設けられ、前記オペレータ用通信端末には、前記建設機械用通信端末から稼働情報を受信する稼働情報受信手段と、受信した稼働情報を記憶する稼働情報記憶手段とが設けられることを特徴とする。このように構成すれば、建設機械の稼働情報をリストバンド型のオペレータ用通信端末に記憶して持ち帰ることができるので、オペレータによる稼働状況の記録作業を不要にし、オペレータの負担を軽減できる。また、本発明の情報通信システムでは、通信距離が短いので、通信衛星などの大掛かりな通信システムを使用する場合に比べ、実施コストを抑制できるだけでなく、通信コストなどのランニングコストも低減できる。
また、前記オペレータ用通信端末と無線又は有線で通信可能な情報管理用通信端末を更に備え、該情報管理用通信端末には、前記オペレータ用通信端末から稼働情報を受信する稼働情報受信手段と、受信した稼働情報を記憶する稼働情報記憶手段とが設けられることを特徴とする。このように構成すれば、オペレータ用通信端末に記憶して持ち帰った稼働情報を、情報管理用通信端末に転送して記憶したり、日報の作成に利用したりすることができる。
また、前記稼働情報には、建設機械の稼働時間データが含まれることを特徴とする。このように構成すれば、建設機械の稼働時間データをオペレータ用通信端末に記憶して持ち帰ることができるので、オペレータによる稼働時間の計測や記録が不要になるだけでなく、正確な稼働時間データにもとづいて点検整備時期や部品交換時期を適切に判断できる。
また、前記稼働情報には、建設機械の燃料残量データが含まれることを特徴とする。このように構成すれば、建設機械の燃料残量データをオペレータ用通信端末に記憶して持ち帰ることができるので、オペレータによる燃料残量の記録が不要になるだけでなく、正確な燃料残量データにもとづいて燃料補給時期を適切に判断できる。
また、本発明のオペレータ用通信端末は、建設機械に乗車するオペレータの腕に装着され、建設機械に設けられる建設機械用通信端末と無線で通信可能なリストバンド型のオペレータ用通信端末であって、前記建設機械用通信端末から建設機械の稼働情報を受信する稼働情報受信手段と、受信した稼働情報を記憶する稼働情報記憶手段とが設けられることを特徴とする。このように構成すれば、建設機械の稼働情報をリストバンド型のオペレータ用通信端末に記憶して持ち帰ることができるので、オペレータによる稼働状況の記録作業を不要にし、オペレータの負担を軽減できる。また、大掛かりな通信システムが不要であるため、実施コストやランニングコストも抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
次に、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。図1において、1は建設機械の一例を示す油圧ショベルであって、該油圧ショベル1は、履帯式走行装置を構成する下部走行体2と、下部走行体2の上部に旋回自在に設けられる上部旋回体3と、上部旋回体3の前部に連結される作業部4とを備えている。上部旋回体3には、オペレータが乗車するキャブ5が設けられ、ここに乗車したオペレータが各種の操作具を操作することにより、下部走行体2の走行動作、上部旋回体3の旋回動作、作業部4の作業動作などが行われる。
【0008】
図2は、油圧ショベル1などの建設機械に適用される情報通信システム6の構成を示している。この図に示すように、本発明の実施形態に係る情報通信システム6は、建設機械に設けられる建設機械用通信端末7と、オペレータが所持するオペレータ用通信端末8と、事務所などに設置される情報管理用通信端末9とを備えている。
【0009】
建設機械用通信端末7は、送受信部10、制御部11、記憶部12などで構成されており、送受信部10を介してオペレータ用通信端末8と無線通信を行う。送受信部10は、キャブ5内に持ち込まれたオペレータ用通信端末8と通信できればよく、要求される通信距離は数メートルである。従って、微弱な電波を用いる安価な無線通信機器で送受信部10を構成できる。
【0010】
制御部11は、建設機械に新たに追加してもよいし、既存の機体コントローラを兼用してもよい。本実施形態の制御部11には、前述した送受信部10や記憶部12の他に、エンジン始動スイッチの操作に応じてエンジンを始動させるエンジン始動回路13、アクセルダイヤルの操作などに応じてエンジン回転数をコントロールするエンジンコントロール回路14、燃料タンク内の燃料残量を検出する燃料残量センサ15、作動油タンク内の油温を検出する作動油温センサ16、エンジン冷却水の水温を検出する冷却水温センサ17などが接続され、後述する各種の処理を行う。
【0011】
図3に示すように、オペレータ用通信端末8は、建設機械に乗車するオペレータの腕に装着可能なリストバンド型であり、送受信部18、表示部19、バイブレータ20、制御部21、記憶部22などを備えて構成されている。送受信部18は、建設機械用通信端末7と無線通信を行うためのものであり、建設機械用通信端末7の送受信部10と同様、微弱な電波を用いる安価な無線通信機器で構成できる。
【0012】
表示部19は、例えば、液晶パネル、セグメントLEDなどの表示デバイスで構成され、文字や図柄の表示を行う。本実施形態の表示部19は、赤色バックライト付きの液晶パネルで構成され、液晶パネルで文字や図柄を表示すると共に、赤色バックライトの点滅により警報表示を行う。バイブレータ20は、振動を発生させるものであり、例えば、携帯電話用振動発生モジュールが用いられる。
【0013】
情報管理用通信端末9は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)で構成され、オペレータ用通信端末8と無線又は有線で通信を行う。本実施形態の情報管理用通信端末9には、クレードル23が接続されており、ここにオペレータ用通信端末8を設置すると、オペレータ用通信端末8と情報管理用通信端末9の通信が可能になる。
【0014】
次に、本実施形態の情報通信システム6(オペレータ用通信端末8)において実現される無線キー機能、エンジン自動停止機能、稼働情報記録機能、個人設定保持機能、モニタ機能及び警報機能について、図4〜図10を参照して説明する。尚、図4〜図9は、情報通信システム6の全体的な処理手順を示し、図10は、オペレータ用通信端末8の処理手順を示している。
【0015】
図4は、無線キー機能に係る処理手順を示しており、具体的には、オペレータが建設機械に乗車したときの処理である。この図に示すように、建設機械用通信端末7は、建設機械におけるメインスイッチのON操作に応じて起動すると、まず、オペレータ用通信端末8に対してID送信要求を行う(S101)。オペレータ用通信端末8は、ID送信要求を受信すると(S102、S701)、予め記憶される固有のIDを建設機械用通信端末7に対して送信する(S103、S702)。建設機械用通信端末7は、IDを受信すると(S104)、受信したIDの判定を行い(S105)、受信したIDが正規IDである場合は(S106)、エンジンスタートボタンなどの操作によるエンジン始動を許可する一方(S107)、受信したIDが正規IDでない場合は(オペレータ用通信端末8から応答がない場合を含む。)、エンジン始動を許可することなく、ID送信要求を繰り返す。
【0016】
このような無線キー機能によれば、オペレータ用通信端末8を装着して乗車するだけでエンジンの始動が可能になるので、キーをキー穴に差し込む操作や、差し込んだキーを回す操作が不要になるだけでなく、降車時におけるキーの抜き忘れも防止することができる。
【0017】
図5は、エンジン自動停止機能に係る処理手順を示しており、具体的には、建設機械のエンジン駆動中に行われる処理である。この図に示すように、建設機械用通信端末7は、建設機械のエンジンが駆動中である場合も、オペレータ用通信端末8に対してID送信要求を行う(S201)。オペレータ用通信端末8は、ID送信要求を受信すると(S202、S701)、予め記憶される固有のIDを建設機械用通信端末7に対して送信する(S203、S702)。建設機械用通信端末7は、IDを受信すると(S204)、受信したID及び通信状態の判定を行い(S205)、オペレータ用通信端末8との通信途絶を判断する(S206)。この判断結果がYESの場合は、オペレータが建設機械から降車したと判断してエンジンを自動的に停止させる一方(S207)、判断結果がNOの場合は、エンジンを停止させることなく、ID送信要求を繰り返す。
【0018】
このようなエンジン自動停止機能によれば、オペレータ用通信端末8を装着したオペレータが降車すると、建設機械のエンジンが自動的に停止するので、オペレータによるエンジン停止操作が不要になるだけでなく、エンジンの止め忘れによる無駄な燃料消費も防止できる。なお、上記の説明では、建設機械用通信端末7とオペレータ用通信端末8の通信途絶に応じてエンジンを自動的に停止させているが、エンジン回転数を予め定めた低回転域(ローアイドル)まで自動的に下げるようにしてもよい。また、通信途絶時の動作(エンジン停止/ローアイドル)は、オペレータの好みで選択可能としてもよい。
【0019】
図6は、稼働情報記録機能に係る処理手順を示しており、具体的には、オペレータ用通信端末8が建設機械用通信端末7又は情報管理用通信端末9と通信可能な状態において実行される処理である。この図に示すように、建設機械用通信端末7は、稼働情報送信周期(例えば1分毎)を判断し(S301)、この判断結果がYESの場合は、オペレータ用通信端末8に対して建設機械の稼働情報を送信する(S302:稼働情報送信手段)。オペレータ用通信端末8は、建設機械用通信端末7から稼働情報を受信すると(S303、S711:稼働情報受信手段)、受信した稼働情報を記憶部22に記憶する(S304、S712:稼働情報記憶手段)。オペレータ用通信端末8に送信する建設機械の稼働情報に制限はないが、建設機械の稼働時間や燃料残量を含むことが好ましい。
【0020】
また、オペレータ用通信端末8は、クレードル23との接続や情報管理用通信端末9からの稼働情報転送要求を判断し(S305、S713)、この判断結果がYESの場合は、記憶している稼働情報を情報管理用通信端末9に対して送信する(S306、S714)。情報管理用通信端末9は、オペレータ用通信端末8から稼働情報を受信すると(S307:稼働情報受信手段)、受信した稼働情報をハードディスクなどの記憶部に記憶する(S308:稼働情報記憶手段)。
【0021】
このような稼働情報記録機能によれば、建設機械の稼働情報をリストバンド型のオペレータ用通信端末8に記憶して持ち帰ることができるので、オペレータによる稼働状況の記録作業を不要にし、オペレータの負担を軽減できる。また、オペレータ用通信端末8に記憶して持ち帰った稼働情報は、情報管理用通信端末9に転送して記憶されるので、情報管理用通信端末9における日報の作成などに利用することができる。
【0022】
図7は、個人設定保持機能に係る処理手順を示しており、具体的には、オペレータ用通信端末8が建設機械用通信端末7又は情報管理用通信端末9と通信可能な状態において実行される処理である。この図に示すように、情報管理用通信端末9は、クレードル23に接続されたオペレータ用通信端末8に対し、建設機械に係る個人設定情報を送信できる(S401:個人設定情報送信手段)。例えば、情報管理用通信端末9の画面上で建設機械に係る個人設定作業を行った後、所定の転送操作に応じて個人設定情報をオペレータ用通信端末8に送る。オペレータ用通信端末8は、情報管理用通信端末9から個人設定情報を受信すると(S402、S715)、受信した個人設定情報を記憶部22に記憶する(S403、S716:個人設定情報記憶手段)。オペレータ用通信端末8が保持する建設機械の個人設定情報に制限はないが、建設機械におけるレバー操作パターン設定データやレスポンス設定データを含むことが好ましい。
【0023】
また、オペレータ用通信端末8は、建設機械に対するオペレータの乗車、又は建設機械用通信端末7からの個人設定情報送信要求を判断し(S404、S703)、この判断結果がYESの場合は、記憶している個人設定情報を建設機械用通信端末7に対して送信する(S405、S704:個人設定情報送信手段)。建設機械用通信端末7は、オペレータ用通信端末8から個人設定情報を受信すると(S406:個人設定情報受信手段)、受信した個人設定情報に含まれるレバー操作パターン設定やレスポンス設定を建設機械に適用する(S407)。
【0024】
このような個人設定保持機能によれば、オペレータ用通信端末8を装着して建設機械に乗車すると、オペレータ用通信端末8に記憶された個人設定情報が建設機械用通信端末7に送信され、建設機械の各種設定変更が自動的に行われることになる。これにより、手動による設定変更が不要になってオペレータの操作負担を軽減できるだけでなく、設定変更忘れに起因する操作性の低下や誤操作の発生を防止できる。
【0025】
図8は、モニタ機能に係る処理手順を示しており、具体的には、オペレータ用通信端末8が建設機械用通信端末7と通信可能な状態において実行される処理である。この図に示すように、建設機械用通信端末7は、機体情報送信周期(例えば1分毎)を判断し(S501)、この判断結果がYESの場合は、オペレータ用通信端末8に対して建設機械の機体情報を送信する(S502:機体情報送信手段)。オペレータ用通信端末8は、建設機械用通信端末7から機体情報を受信すると(S503、S705:機体情報受信手段)、受信した機体情報を表示部19に表示する(S504、S706:機体情報表示手段)。オペレータ用通信端末8に送信する建設機械の機体情報に制限はないが、建設機械の燃料残量、作動油温、冷却水温などを含むことが好ましい。
【0026】
このようなモニタ機能によれば、オペレータは、腕に装着されたリストバンド型のオペレータ用通信端末8において、燃料残量、作動油温、冷却水温などの機体情報を確認することが可能になる。これにより、オペレータによる機体情報の確認が容易になるだけでなく、キャブ5内のモニタを不要にすることができる。
【0027】
図9は、警報機能に係る処理手順を示しており、具体的には、オペレータ用通信端末8が建設機械用通信端末7と通信可能な状態において実行される処理である。この図に示すように、建設機械用通信端末7は、建設機械における異常の発生を判断し(S601)、この判断結果がYESの場合は、オペレータ用通信端末8に対して警報情報を送信する(S602:警報情報送信手段)。オペレータ用通信端末8は、建設機械用通信端末7から警報情報を受信すると(S603、S707:警報情報受信手段)、受信した警報情報に含まれる警報内容を表示部19の液晶パネルに表示すると共に(S604、S708:警報手段)、表示部19のバックライトを点滅させ(S605、S709:警報手段)、更には、バイブレータ20を駆動させる(S606、S710:警報手段)。オペレータ用通信端末8に送信する建設機械の警報情報に制限はないが、建設機械の燃料残量警報、作動油温警報、冷却水温警報などを含むことが好ましい。
【0028】
このような警報機能によれば、オペレータの腕に装着されるオペレータ用通信端末8で警報が行われるので、騒音の大きい作業現場であっても、建設機械の異常発生をオペレータに確実に知らせることができる。なお、本実施形態では、建設機械用通信端末8側で建設機械の異常を判断し、オペレータ用通信端末8に警報情報を送信しているが、建設機械用通信端末8から受信した機体情報に基づいてオペレータ用通信端末8側が建設機械の異常を判断し、警報を行うようにしてもよい。
【0029】
叙述の如く構成された本実施形態は、建設機械に適用される情報通信システム6であって、建設機械に設けられる建設機械用通信端末7と、建設機械に乗車するオペレータの腕に装着され、建設機械用通信端末7と無線で通信可能なリストバンド型のオペレータ用通信端末8とを備えており、建設機械用通信端末7には、建設機械の稼働情報をオペレータ用通信端末8に送信する稼働情報送信手段が設けられ、また、オペレータ用通信端末8には、建設機械用通信端末7から稼働情報を受信する稼働情報受信手段と、受信した稼働情報を記憶する稼働情報記憶手段とが設けられるので、建設機械の稼働情報をリストバンド型のオペレータ用通信端末8に記憶して持ち帰ることが可能になる。これにより、オペレータによる稼働状況の記録作業を不要にし、オペレータの負担を軽減できる。しかも、情報通信システム6では、通信距離が短いので、通信衛星などの大掛かりな通信システムを使用する場合に比べ、実施コストを抑制できるだけでなく、通信コストなどのランニングコストも低減できる。
【0030】
また、情報通信システム6は、オペレータ用通信端末8と無線又は有線で通信可能な情報管理用通信端末9を更に備え、該情報管理用通信端末9には、オペレータ用通信端末8から稼働情報を受信する稼働情報受信手段と、受信した稼働情報を記憶する稼働情報記憶手段とが設けられるので、オペレータ用通信端末8に記憶して持ち帰った稼働情報を、情報管理用通信端末9に転送して記憶したり、日報の作成に利用したりすることができる。
【0031】
また、建設機械の稼働時間データをオペレータ用通信端末8に記憶して持ち帰ることができるので、オペレータによる稼働時間の計測や記録が不要になるだけでなく、正確な稼働時間データにもとづいて点検整備時期や部品交換時期を適切に判断できる。
【0032】
また、建設機械の燃料残量データをオペレータ用通信端末8に記憶して持ち帰ることができるので、オペレータによる燃料残量の記録が不要になるだけでなく、正確な燃料残量データにもとづいて燃料補給時期を適切に判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】油圧ショベル(建設機械)の斜視図である。
【図2】情報通信システムのブロック図である。
【図3】オペレータ用通信端末の全体正面図である。
【図4】無線キー機能に係る情報通信システムの処理手順を示すフローチャートである。
【図5】エンジン自動停止機能に係る情報通信システムの処理手順を示すフローチャートである。
【図6】稼働情報記録機能に係る情報通信システムの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】個人設定保持機能に係る情報通信システムの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】モニタ機能に係る情報通信システムの処理手順を示すフローチャートである。
【図9】警報機能に係る情報通信システムの処理手順を示すフローチャートである。
【図10】オペレータ用通信端末の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0034】
1 油圧ショベル
6 情報通信システム
7 建設機械用通信端末
8 オペレータ用通信端末
9 情報管理用通信端末
10 送受信部
11 制御部
12 記憶部
13 エンジン始動回路
14 エンジンコントロール回路
15 燃料残量センサ
16 作動油温センサ
17 冷却水温センサ
18 送受信部
19 表示部
20 バイブレータ
21 制御部
22 記憶部
23 クレードル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械に適用される情報通信システムであって、
建設機械に設けられる建設機械用通信端末と、
建設機械に乗車するオペレータの腕に装着され、前記建設機械用通信端末と無線で通信可能なリストバンド型のオペレータ用通信端末とを備え、
前記建設機械用通信端末には、
建設機械の稼働情報を前記オペレータ用通信端末に送信する稼働情報送信手段が設けられ、
前記オペレータ用通信端末には、
前記建設機械用通信端末から稼働情報を受信する稼働情報受信手段と、
受信した稼働情報を記憶する稼働情報記憶手段とが設けられる
ことを特徴とする情報通信システム。
【請求項2】
前記オペレータ用通信端末と無線又は有線で通信可能な情報管理用通信端末を更に備え、
該情報管理用通信端末には、
前記オペレータ用通信端末から稼働情報を受信する稼働情報受信手段と、
受信した稼働情報を記憶する稼働情報記憶手段とが設けられる
ことを特徴とする請求項1記載の情報通信システム。
【請求項3】
前記稼働情報には、建設機械の稼働時間データが含まれることを特徴とする請求項1又は2記載の情報通信システム。
【請求項4】
前記稼働情報には、建設機械の燃料残量データが含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報通信システム。
【請求項5】
建設機械に乗車するオペレータの腕に装着され、建設機械に設けられる建設機械用通信端末と無線で通信可能なリストバンド型のオペレータ用通信端末であって、
前記建設機械用通信端末から建設機械の稼働情報を受信する稼働情報受信手段と、
受信した稼働情報を記憶する稼働情報記憶手段とが設けられる
ことを特徴とするオペレータ用通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−18315(P2007−18315A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−199891(P2005−199891)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【出願人】(000190297)新キャタピラー三菱株式会社 (1,189)
【Fターム(参考)】