説明

情報配信装置、情報配信方法並びに情報記録媒体及び情報記録装置

【課題】DVDに記録すべき記録情報について、著作権法上の保護を確実化しつつ配信することができると共に、再生処理における汎用性を向上させることも可能な情報配信装置等を提供する。
【解決手段】暗号化記録情報を記録可能なDVD−RW40に予め記録される暗号化キーKと同一の暗号化キーKを用いてDVD−RW40に記録すべき記録情報を暗号化し、暗号化記録情報を生成する暗号化器2、生成された暗号化記録情報のみを、暗号化キーKが予め記録されたDVD−RW40に対して当該暗号化記録情報を記録する情報記録装置に対して外部ネットワーク5を介して配信するモデム4と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報配信装置、情報配信方法並びに情報記録媒体及び情報記録装置の技術分野に属し、より詳細には、暗号化された記録情報を配信する情報配信装置及び情報配信方法並びに当該配信された記録情報を記録する情報記録媒体及び当該情報記録媒体に当該記録情報を記録するための情報記録装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、従来のCD(Compact Disc)に対して数倍記録容量を高めた光ディスクであるDVD(Digital Versatile Disc)に関する研究開発が盛んであるが、最近では、音楽又は映画等(以下、単に音楽等と称する。)を記録した再生専用のDVDが既に一般化しつつあり、更には記録可能なDVDについての規格化も推進されているところである。
【0003】
ここで、当該DVDに記録される音楽等は、通常はいわゆる著作権法上の保護が施されているのが通常であり、著作権者に無断でこれらを複製することは一部の例外を除いて原則として禁止されている。
【0004】
そして、上記DVDに記録される音楽等に対してこのような著作権法上の保護を与えるために、近年では種々の不法複製防止のための方法が講じられている。
【0005】
このとき、上記記録可能なDVDの規格の一つであるDVD−RW(DVD-Re-Recordable)規格と、再生専用のDVDの規格の一つであるDVDビデオ規格とを比較した場合、記録可能であるが故にDVD−RW規格における不法複製防止方法の方がより厳重な方法が用いられており、再生専用のDVDビデオ規格との間では不法複製防止方法についての互換性は取られていなかった。
【0006】
一方、最近のインターネットが発達した状況下では、当該インターネットを介して所望する音楽等を取得して手元の光ディスク等に複製することも行われ始めている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したようにDVD−RW規格とDVDビデオ規格とでは不法複製防止方法について互換性がなかったため、最近一般化しつつあるDVDビデオ用の情報再生装置ではDVD−RW規格に基づいて音楽等が暗号化されて記録されているDVD−RWから当該暗号化を解読して音楽等を再生することができないこととなり、汎用性に欠けるという問題点があった。
【0008】
一方、上述したインターネットを介した音楽等の配信においては、当該インターネットが複数のコンピュータを介して構成されるネットワークを前提としたものであるため、何ら複製防止の処理をせずに配信してしまうと、本来当該音楽等の配信を受けるべき者以外の者が当該配信途中にある音楽等を簡単に取得できてしまうこととなり、結果として配信者の著作権が保護されないという問題点があった。
【0009】
そこで、本発明は、上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その課題は、音楽等のDVDに記録すべき記録情報について、著作権法上の保護を確実化しつつ配信することができると共に、再生処理における汎用性を向上させることも可能な情報配信装置及び情報配信方法並びに当該配信された記録情報を記録する情報記録媒体及び当該情報記録媒体に当該記録情報を記録するための情報記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、暗号化記録情報を記録可能なDVD−RW等の情報記録媒体に予め記録される暗号化情報と同一の暗号化情報を生成する暗号化キー設定部等の暗号化情報生成手段と、前記生成された暗号化情報を用いて前記情報記録媒体に記録すべき記録情報を暗号化し、前記暗号化記録情報を生成する暗号化器等の暗号化手段と、前記生成された暗号化記録情報のみを、前記暗号化情報が予め記録された前記情報記録媒体に対して当該暗号化記録情報を記録する情報記録装置に対して電気通信回線を介して配信するモデム等の配信手段と、を備える。
【0011】
上記の課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の情報配信装置から配信された前記暗号化情報が記録される前記情報記録媒体であって、前記暗号化情報が予め記録されている。
【0012】
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の情報配信装置から配信された前記暗号化記録情報を、請求項5又は6に記載の情報記録媒体に記録する情報記録装置であって、前記暗号化記録情報を前記電気通信回線から取得するモデム等の取得手段と、前記取得した暗号化記録情報を前記情報記録媒体に記録するシステムコントローラ等の記録手段と、を備える。
【0013】
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、暗号化記録情報を記録可能なDVD−RW等の情報記録媒体に予め記録される暗号化情報と同一の暗号化情報を生成する暗号化情報生成工程と、前記生成された暗号化情報を用いて前記情報記録媒体に記録すべき記録情報を暗号化し、前記暗号化記録情報を生成する暗号化工程と、前記生成された暗号化記録情報のみを、前記暗号化情報が予め記録された前記情報記録媒体に対して当該暗号化記録情報を記録する情報記録装置に対して電気通信回線を介して配信する配信工程と、を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明に好適な実施の形態について、図1乃至図3を用いて説明する。
【0015】
なお、以下に説明する実施の形態は、インターネット等の外部ネットワークを介して情報記録媒体としてのDVD−RWに記録すべき音楽等の記録情報を取得して記録する際の不法複写(不法複製)を防止する不法複写防止システムに対して本発明を適用した場合の実施の形態である。
【0016】
また、図1は実施形態に係る不法複写防止システムを構成する情報配信装置の概要構成を示すブロック図であり、図2及び図3は実施形態に係る不法複写防止システムを構成する情報記録再生装置の概要構成を示すブロック図である。
【0017】
先ず、実施形態に係る不法複写防止システムを構成する情報配信装置の構成及び動作について、図1を用いて説明する。
【0018】
当該情報配信装置Pは、具体的にはいわゆるインターネットプロバイダ等に設置されるものであり、図1に示すように、データ生成器1と、暗号化手段としての暗号化器2と、暗号化情報生成手段としての暗号化キー設定部3と、配信手段としてのモデム4と、により構成されている。
【0019】
なお、モデム4は、インターネット等の外部ネットワーク5との間で電話回線等を介して情報の授受が可能なように構成されている。
【0020】
次に動作を説明する。
【0021】
先ず、データ生成器1は、DVD−RW40に記録されるべき音楽等の情報である記録情報を生成しデータ信号Sdとして暗号化器2へ出力する。
【0022】
一方、暗号化キー設定部3は、DVD−RW40に記録されるものと同一の暗号化キーKであって当該DVD−RW40に記録される記録情報を暗号化するための暗号化キーKを生成し、当該生成された暗号化キーKをキー信号Skとして暗号化器2へ出力する。
【0023】
ここで、当該DVD−RW40は、複数回の情報記録(情報書換)が可能なDVDであり、上記暗号化キーKがその製造時において記録され、当該暗号化キーKが記録されている状態で販売等の譲渡が為されるものである。
【0024】
また、当該暗号化キーKは実施形態に係るDVD−RW40全てについて共通とされているものであるが、例えば、製造者毎或いは販売者毎に一定の規則性の元で異なるようにすることもできる。
【0025】
更に、当該暗号化キーK自体のDVD−RW40への記録方法としては、例えば、いわゆるCSS(Content Scramble System)等の、後述する実施形態に係る情報記録再生装置以外の再生装置では容易に検出できない記録方法が用いられる。
【0026】
次に、暗号化キー設定部3から出力された上記キー信号Skを用いて、暗号化器2は上記データ信号Sdに対してスクランブル処理等の予め設定された暗号化処理を施し、当該データ信号Sdを暗号化した暗号化データ信号Ssdを生成してモデム4へ出力する。
【0027】
そして、モデム4は当該暗号化データ信号Ssdに対して予め設定された変調処理を施し、電話回線等を介して外部ネットワーク5に出力する。
【0028】
これにより、後述する情報記録再生装置が当該外部ネットワーク5から暗号化データ信号Ssdを取得することが可能となる。
【0029】
次に、実施形態に係る不法複写防止システムを構成する情報記録再生装置の構成及び動作について、図2及び図3を用いて説明する。
【0030】
図2に示すように、当該情報記録再生装置Sは、スピンドルモータ10と、ピックアップ11と、反射全光量信号生成回路12と、サーボ信号生成回路13と、サーボ信号処理回路14と、二値化部15と、取得手段としてのモデム16と、RFデータデコーダ18と、記録手段としてのシステムコントローラ19と、データ入出力コントローラ20と、データエンコーダ21と、レーザドライバ22と、により構成されている。
【0031】
また、ピックアップ11は、半導体レーザ、偏向ビームスプリッタ及び対物レンズ等を含む光学系11aと、装填されているDVD−RW40からの反射光を受光する光検出器11bと、を含んで構成されている。
【0032】
更に、二値化部15は、図3に示すように、ゲインコントロール回路35と、ピークホールド回路36と、ボトムホールド回路37と、減算器38と、二値化回路39と、により構成されている。
【0033】
次に、動作を説明する。
【0034】
最初に、上述した暗号化キーKが予め記録された状態で譲渡されたDVD−RW40に対して記録情報を記録する場合の動作について説明する。
【0035】
ここで、DVD−RW40に記録される記録情報としては、図示しない外部装置から入出力信号Sioとして入力される場合と、モデム16を介して外部ネットワーク5から取得された上記記録情報(すなわち、図1に示す情報配信装置Pから外部ネットワーク5に出力された記録情報)がモデム信号Smとして入力される場合とがある。
【0036】
このとき、モデム信号Smとして入力される記録情報については上述したように情報配信装置Pにおいて暗号化の処理が施されているが、外部装置から入出力信号Sioとして入力された記録情報については、暗号化されている場合と暗号化されていない場合とがある。
【0037】
当該記録情報の記録時においては、先ず、スピンドルモータ10は、サーボ信号処理回路14からのスピンドル制御信号Sssに基づいて、DVD−RW40を予め設定されている回転数で回転させる。
【0038】
そして、データ入出力コントローラ20は、システムコントローラ19との間で制御信号Sciの授受を行いつつ、入出力信号Sioとして入力された記録情報又はモデム信号Smとして入力された記録情報のいずれか一方に対して予め設定されたインターフェース処理を施し、当該いずれか一方の内容を含む記録データSrを生成してデータエンコーダ21に出力する。
【0039】
これにより、データエンコーダ21は、システムコントローラ19からの記録クロック信号Sclに基づいて、当該記録データSrを必要な符号化方式により符号化する符号化処理並びにいわゆるライトストラテジ処理を当該記録データSrに対して施し、符号化データSenを生成してレーザドライバ22へ出力する。
【0040】
このとき、記録データSrがモデム信号Smとして入力された記録情報又は入出力信号Sioとして入力された記録情報であって暗号化されている記録情報を含む場合は、当該記録情報自体が既に暗号化されていることから上記符号化処理及びストラテジ処理のみが施されて符号化データSenが生成されるが、記録データSrが入出力信号Sioとして入力された記録情報であって暗号化されていない記録情報を含む場合は、上記符号化処理及びストラテジ処理に加えて、スクランブル処理等の予め設定された暗号化処理が施されて符号化データSenが生成される。
【0041】
これにより、レーザドライバ22は、システムコントローラ19からの記録クロック信号Sclに基づいて、符号化データSenに対応してピックアップ11内の光学系11bに備えられた図示しない上記半導体レーザを駆動するための駆動信号Sldを生成して当該半導体レーザに出力する。
【0042】
そして、当該半導体レーザにより記録すべき上記記録情報に対応した強度変化を有する記録用の光ビームBがDVD−RW40の記録領域内の情報トラック上に照射され、これにより当該記録情報に対応した例えば相変化ピットが情報トラック上に形成されて記録情報が記録される。
【0043】
このとき、当該光ビームBのDVD−RW40からの反射光は光検出器11bにより受光され、当該光検出器11bが当該反射光に対応する検出信号Sppを生成してサーボ信号生成回路13へ出力する。
【0044】
これにより、サーボ信号生成回路13は、当該検出信号Sppの中から、光ビームBにおける集光位置の、DVD−RW40上の情報トラックの位置からのずれ(当該情報トラックに対して垂直方向のずれ及び水平方向のずれを含む。)を示すエラー信号Seを抽出し、サーボ信号処理回路14に出力する。
【0045】
そして、サーボ信号処理回路14は、システムコントローラ19との間で制御信号Scsの授受を行いつつ、上記エラー信号Seに基づいて、スピンドルモータ10を回転制御するための上記スピンドル制御信号Sssを生成して当該スピンドルモータ10へ出力すると共に、図示しない上記対物レンズを上記情報トラックに対して垂直な方向又は水平な方向に移動させることにより光ビームBにおける集光位置の当該垂直な方向及び水平な方向の位置を制御するピックアップ11内の図示しないアクチュエータを駆動するためのピックアップサーボ制御信号Spcを生成して当該アクチュエータに出力する。
【0046】
以上の動作により、いわゆるフォーカスサーボ制御及びトラッキングサーボ制御が実行されつつDVD−RW40に記録情報が記録される。
【0047】
次に、DVD−RW40に記録された記録情報を再生する際の動作について説明する。
【0048】
当該記録情報再生時においては、スピンドルモータ10は、情報記録時と同様に、スピンドル制御信号Sssに基づいてDVD−RW40を予め設定されている回転数で回転させる。
【0049】
このとき、光学系11bは、回転するDVD−RW40に対して記録情報再生用の一定強度の光ビームBを照射する。そして、その光ビームBの当該DVD−RW40からの反射光は光検出器11bにより受光され、当該光検出器11bがDVD−RW40上の記録情報に対応する検出信号Sppを生成して反射全光量信号生成回路12及びサーボ信号生成回路13へ出力する。
【0050】
これにより、サーボ信号生成回路13は、情報記録時と同様にしてエラー信号Seを抽出し、サーボ信号処理回路14に出力する。
【0051】
一方、反射全光量信号生成回路12は、検出信号Sppに基づいてDVD−RW40に記録されている記録情報に対応するRF信号(より具体的には、例えば光検出器11bが四分割光検出素子により構成されている場合には、その四つの光検出素子夫々からの出力信号を合成して得られるRF信号)Srfを生成し、二値化部15及びサーボ信号処理回路14へ出力する。
【0052】
そして、サーボ信号処理回路14は、システムコントローラ19との間で制御信号Scsの授受を行いつつ、当該RF信号Srf及び上記エラー信号Seに基づいて、情報記録時と同様にしてスピンドル制御信号Sssを生成して当該スピンドルモータ10へ出力すると共に、ピックアップサーボ制御信号Spcを生成して上記アクチュエータに出力する。
【0053】
これと並行して、二値化部15は、DVD−RW40上の記録領域を走査する光ビームBの反射光に対応して生成される上記RF信号Srfを二値化し、二値化信号Sbyを生成してRFデータデコーダ18へ出力する。
【0054】
このとき、図3に示すように、二値化部15に入力されたRF信号Srfは、ゲインコントロール回路35へ出力される。
【0055】
そして、ゲインコントロール回路35は、後述する減算信号Ssbに基づいて当該RF信号Srfの振幅を一定化するように制御し、ゲインコントロール信号Sgcを生成してピークホールド回路36、ボトムホールド回路37及び二値化回路39へ出力する。
【0056】
次に、ピークホールド回路36は、上記ゲインコントロール信号Sgcのピーク値(極大値)を検出し、当該ピーク値を示すピークホールド信号Shbを生成して減算器38の一方の入力端子に出力する。
【0057】
これと並行して、ボトムホールド回路37は、上記ゲインコントロール信号Sgcのボトム値(極小値)を検出し、当該ボトム値を示すボトムホールド信号Sbbを生成して減算器38の他方の入力端子に出力する。
【0058】
そして、減算器38は、ピークホールド信号Shbの値からボトムホールド信号Sbbの値を減算し、上記RF信号Srfの振幅変動を示す上記減算信号Ssbを生成して上記ゲインコントロール回路35へフィードバックする。
【0059】
これらと並行して、二値化回路39は、その振幅が一定化されたゲインコントロール信号Sgcを周知の二値化方法により二値化し、二値化信号Sbyを生成して上記RFデータデコーダ18へ出力する。
【0060】
そして、RFデータデコーダ18は、上記記録領域を走査する光ビームBの反射光に対応する上記二値化信号Sbyに対して当該記録情報に対して施されている暗号化処理に対応する復号処理(解読処理)を施して当該記録情報に対応する復号信号Spdを生成し、データ入出力コントローラ20を介し入出力信号Sioとして図示しない外部装置に出力する。
【0061】
このとき、DVD−RW40に記録されていた記録情報が上記情報配信装置Pにより暗号化されて配信されたものである場合には、光ビームBのDVD−RW40からの反射光に基づいて光検出器11bにより検出されて上記検出信号Spp中に含まれている上記暗号化キーKを用いてRFデータデコーダ18における上記復号処理が実行される。
【0062】
以上述べた各構成部材の動作と並行して、システムコントローラ19は、上記制御信号Sci及び記録クロック信号Sclを生成しつつ当該各構成部材の動作を制御すると共に、上記制御信号Scsをサーボ信号処理回路14へ出力することにより上記フォーカスサーボ制御及びトラッキングサーボ制御等のサーボ制御動作を継続して行う。
【0063】
以上説明したように、実施形態の不法複写防止システムの動作によれば、DVD−RW40に記録されている暗号化キーKを用いて暗号化した記録情報を、当該記録情報の当該DVD−RW40への記録に用いられる情報記録再生装置Sに配信するので、当該配信途中の記録情報を取得して表示等しようとしても当該暗号化キーKがない状態では当該表示等が不可能となり、配信途中で不法に取得された記録情報が不法に表示等されることを未然に防止できる。
【0064】
また、記録情報の配信先において暗号化キーKが記録されているDVD−RW40に当該暗号化された記録情報を記録することで、予め記録されている暗号化キーKを用いて情報の暗号化を解読して出力する形式の既存の情報再生装置全てにおいて上記暗号化された記録情報を解読して再生することが可能となる。
【0065】
従って、暗号化キーKを用いて暗号化した記録情報の著作権法上の安全な配信と再生処理における汎用性の向上とを共に実現することができる。
【0066】
なお、当該既存の情報再生装置としては、DVDビデオ規格に準拠した再生専用のDVDを再生する情報再生装置がそれに該当するので、上記DVD−RW40に記録された記録情報はDVDビデオ規格に準拠した情報再生装置でも再生することができることとなる。
【0067】
更に、情報記録媒体としてDVD−RW40を用いるので、大容量の暗号化された記録情報を配信して記録することができる。
【0068】
更にまた、当該配信がインターネット等の外部ネットワーク5を介して実行されるので、配信途中における情報の取得が容易な外部ネットワーク5を用いて記録情報を配信する場合においても、当該配信途中の記録情報が不法に取得されて表示等されることを未然に防止できる。
【0069】
なお、上述した実施形態においては、情報記録媒体としてDVD−RW40を用いた場合について説明したが、これ以外に、例えば上述したDVD−R又は記録可能なCDであるCD−R(CD-Recordable)或いはCD−RW(CD-ReWrightable)を暗号化キーKが予め記録された情報記録媒体として用いる等の、再生専用の情報記録媒体と記録・再生が可能な情報記録媒体とを同じ不法複写防止方式で処理する情報記録再生システムに対して本発明を適用することも可能である。
【0070】
更に、暗号化された記録情報を外部ネットワーク5を介して配信する場合だけでなく、いわゆるケーブルテレビジョン(CATV(Cable Television))回線、衛星放送回線又は地上波ディジタル回線等を介して配信してDVD−RW40等に記録する場合に本発明を適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】実施形態の情報配信装置の概要構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態の情報記録再生装置の概要構成を示すブロック図である。
【図3】二値化部の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0072】
1 データ生成器
2 暗号化器
3 暗号化キー設定部
4、16 モデム
5 外部ネットワーク
10 スピンドルモータ
11 ピックアップ
11a 光学系
11b 光検出器
12 反射全光量信号生成回路
13 サーボ信号生成回路
14 サーボ信号処理回路
15 二値化部
18 RFデータデコーダ
19 システムコントローラ
20 データ入出力コントローラ
21 データエンコーダ
22 レーザドライバ
35 ゲインコントロール回路
36 ピークホールド回路
37 ボトムホールド回路
38 減算器
39 二値化回路
40 DVD−RW
P 情報配信装置
S 情報記録再生装置
B 光ビーム
K 暗号化キー
Sd データ信号
Ssd 暗号化データ信号
Sk キー信号
Sss スピンドル制御信号
Spp 検出信号
Se エラー信号
Srf RF信号
Spc ピックアップサーボ制御信号
Sby 二値化信号
Spd 復号信号
Sio 入出力信号
Sci、Scs 制御信号
Sr 記録データ
Scl 記録クロック信号
Sen 符号化データ
Sld 駆動信号
Shb ピークホールド信号
Sbb ボトムホールド信号
Ssb 減算信号
Sgc ゲインコントロール信号
Sm モデム信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
暗号化記録情報を記録可能な情報記録媒体に予め記録される暗号化情報と同一の暗号化情報を生成する暗号化情報生成手段と、
前記生成された暗号化情報を用いて前記情報記録媒体に記録すべき記録情報を暗号化し、前記暗号化記録情報を生成する暗号化手段と、
前記生成された暗号化記録情報のみを、前記暗号化情報が予め記録された前記情報記録媒体に対して当該暗号化記録情報を記録する情報記録装置に対して電気通信回線を介して配信する配信手段と、
を備えることを特徴とする情報配信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報配信装置において、
前記暗号化情報は、全ての前記情報記録媒体について共通であるか、或いは当該情報記録媒体の製造者又は販売者の少なくともいずれか一方について共通であるか、の少なくともいずれか一方とされていることを特徴とする情報配信装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報配信装置において、
前記情報記録媒体は、前記暗号化記録情報が記録可能なDVD(Digital Versatile Disc)であることを特徴とする情報配信装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報配信装置において、
前記電気通信回線は、インターネット回線、ケーブルテレビジョン回線、衛星放送回線又は地上波ディジタル回線のいずれか一つであることを特徴とする情報配信装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報配信装置から配信された前記暗号化情報が記録される前記情報記録媒体であって、
前記暗号化情報が予め記録されていることを特徴とする情報記録媒体。
【請求項6】
請求項5に記載の情報記録媒体において、
当該情報記録媒体は、前記暗号化記録情報が記録可能なDVDであることを特徴とする情報記録媒体。
【請求項7】
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報配信装置から配信された前記暗号化記録情報を、請求項5又は6に記載の情報記録媒体に記録する情報記録装置であって、
前記暗号化記録情報を前記電気通信回線から取得する取得手段と、
前記取得した暗号化記録情報を前記情報記録媒体に記録する記録手段と、
を備えることを特徴とする情報記録装置。
【請求項8】
暗号化記録情報を記録可能な情報記録媒体に予め記録される暗号化情報と同一の暗号化情報を生成する暗号化情報生成工程と、
前記生成された暗号化情報を用いて前記情報記録媒体に記録すべき記録情報を暗号化し、前記暗号化記録情報を生成する暗号化工程と、
前記生成された暗号化記録情報のみを、前記暗号化情報が予め記録された前記情報記録媒体に対して当該暗号化記録情報を記録する情報記録装置に対して電気通信回線を介して配信する配信工程と、
を含むことを特徴とする情報配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−235955(P2007−235955A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−45343(P2007−45343)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【分割の表示】特願2000−126418(P2000−126418)の分割
【原出願日】平成12年4月26日(2000.4.26)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】