説明

感圧性接着剤を有するテープ材およびロール

薄い柔軟な基材と;前記基材の単一の面に担持された感圧性接着剤(PSA)物質とを有するテープ材であって、前記PSA物質は、前記基材の長さに沿って間欠的なパターンで与えられている、テープ材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記載される実施形態はテープ材に、より詳細には感圧性接着物質を担持する基材、その作成方法およびそのようなテープ材のロールに関する。
【背景技術】
【0002】
感圧性接着剤(PSA: pressure sensitive adhesive)物質は、材料を、他の基材を含みうる他の材料、物品または表面に接着するために使うことができる。PSA物質を使うテープは、転写テープとして知られる支持材なしの接着フィルム、担体フィルム、組織または不織材料の片側または両側を感圧性接着剤でコーティングした両面テープなど、幅広い範囲の形で生産できる。接着剤コーティングが第一の基材に塗布され、この接着剤をコーティングした基材が次いで第二の基材にあてがわれることができ、それにより第二の基材が接着剤コーティングされる。たとえば、PSA樹脂は剥離ライナー上にコーティングされることができ、PSAテープのロールとして供給されることができる。
【0003】
たいていのPSAテープでは、樹脂コーティングは剥離ライナーの全面またはほとんど全面を覆う。厚いコーティングは、大量のPSA樹脂を使うことにつながりうる。この量は、基材を実際にその場に保持するのに必要とされる量よりかなり過剰であることがあり、無用な無駄およびコストにつながっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存のPSA担持基材に付随する一つまたは複数の欠点または不都合な点に対処するまたはこれを緩和する、あるいは少なくともこれに代わる有用な代替物を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施形態は、薄い柔軟な基材と該基材の単一の面に担持された感圧性接着剤(PSA)物質とを有するテープ材に関する。PSA物質は、基材の長さに沿って間欠的なパターンで与えられている。
【0006】
間欠的なパターンはPSAのストリップを含み、各PSAストリップは隣接するPSAストリップからギャップで隔てられていてもよい。テープ材はさらに、前記単一の面に担持されたメッシュを有していてもよく、PSAストリップは概括的に前記基材と前記メッシュとの間に配置されてもよい。メッシュは、PSAストリップどうしの間のギャップにまたがってもよく、軽量の開いたメッシュを有していてもよい。メッシュは、主としてポリエステルおよびファイバーグラスの一方で形成されてもよい。
【0007】
基材には、隣り合うPSAストリップの少なくとも一つの対の中間に一つまたは複数のスリットが形成されてもよい。そのようなスリットは、テープ材の長さに沿って連続的であってもよい。PSAは、紫外光硬化したアクリル系PSAであってもよい。
【0008】
基材はプラスチック・フィルムを含んでいてもよい。プラスチック・フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリエチレンテレフタラート(PET)からなる群から選択される材料または他のポリマー・フィルムを含んでいてもよい。基材の厚さは約15ミクロンないし約150ミクロン、あるいは約20ミクロンないし約60ミクロンであってもよい。あるいはまた、基材の厚さは約35ミクロンないし約50ミクロンであってもよい。基材はコーティングされた紙を含んでいてもよい。基材は、好ましくは両面にシリコーン・コーティングされていてもよい。
【0009】
基材は、前記単一の面上の約0.01N/25mmないし約0.4N/25mmの剥離値を有していてもよい。前記単一の面の第一の剥離値と基材の反対側の第二の剥離値との比は、約3:1ないし約1:1であってもよい。
【0010】
他の実施形態は、上記したテープ材を有するおよび/または後述する方法または装置によって形成されるテープ材ロールに関する。
【0011】
さらなる実施形態は、テープ材を形成する方法に関する。本方法は、薄い柔軟な基材の片面に感圧性接着剤(PSA)物質をコーティングする段階を含む。ここで、PSA物質は基材の長さに沿って間欠的なパターンで基材にコーティングされる。
【0012】
本方法はさらに、テープ材のロールを形成するために基材を巻き取ることを含んでいてもよい。本方法はさらに、PSA物質の接着性を高めるためにコーティングされたPSA物質を硬化させるまたは架橋する段階を含んでいてもよい。硬化は、コーティングされたPSA物質に紫外光を照射することを含んでいてもよい。
【0013】
本方法はさらに、PSA物質によってコーティングされていない基材の一つまたは複数の部分に沿って基材中に一つまたは複数のスリットを形成することを含んでいてもよい。本方法はさらに、前記片面の基材上にメッシュをラミネートすることを含んでいてもよい。メッシュは、PSAストリップが概括的に前記基材と前記メッシュとの間に配置されるよう、コーティングされたPSA物質上にラミネートされてもよい。メッシュは、メッシュが前記間欠的なパターンにおけるギャップにまたがるよう、PSA物質上にラミネートされてもよい。メッシュは、軽量の開いたメッシュを有していてもよく、主としてポリエステルおよびファイバーグラスの一方で形成されていてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態は、物品を用意する方法であって:
上述した方法に従ってテープ材を(任意的に、ロールとして)形成し;
任意的に、必要なら前記ロールからテープ材の巻きを解き、PSAが表面に接着するようテープ材を物品の表面上に押しつけることを含む方法に関する。
【0015】
いくつかの実施形態は、上述した方法であって、さらに、前記物品および前記テープ材をカットして別個の諸アイテムを形成することを含んでいてもよい。ここで、基材は、PSAをアイテム上に残しつつアイテムから除去可能であり、それにより各アイテムはPSAを使って目標表面に接着されることができるようになる。さらなる実施形態は、上記の方法に従って用意された物品に関する。
【0016】
さらに他の実施形態は、テープ材を形成する装置であって、アプリケーター・デバイスおよび搬送装置を有する装置に関する。アプリケーター・デバイスは、連続プロセスにおいて動いている基材上に感圧性接着物質を施与し、PSA物質を基材上に基材の長さに沿って間欠的なパターンで塗布するよう構成される。搬送装置は、基材を、連続プロセスにおいてアプリケーター・デバイスに対して搬送するよう構成される。
【0017】
搬送装置はさらに、張力のもとで基材を搬送するよう構成されてもよい。基材は塑性変形可能であってもよく、張力は、該張力のもとで基材がわずかに伸びるようなものであってもよい。
【0018】
本装置はさらに、基材中にスリットを形成するカッティング・デバイスを有していてもよい。カッティング・デバイスはPSA物質によってコーティングされていない基材の一つまたは複数の部分に沿って基材にスリットを刻むよう位置された少なくとも一つの刃を有していてもよい。
【0019】
本装置はさらに、PSA物質の接着性を高めるために、PSA物質が基材上にコーティングされた後でPSA物質を硬化させる手段を有していてもよい。PSA物質はアクリル系であってもよい。硬化させる手段は、PSA物質を照射する光源を有していてもよい。光源は紫外光源を有していてもよい。
【0020】
本装置はさらに、PSA物質上にメッシュをラミネートするラミネーション・デバイスを有していてもよい。本装置はさらに、PSA物質が基材に塗布された後で基材をテープ材のロールに巻き取る巻き取り装置を有していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
付属の図面を参照しつつ、例として、以下において実施形態をさらに詳述する。
【図1】PSA物質を担持するテープ材の一つの形の概略的な断面図である。
【図2】PSA物質を担持するテープ材のもう一つの形の概略的な端面断面図である。
【図3】PSA物質を担持するテープ材のもう一つの形の概略的な端面断面図である。
【図4】PSA物質を担持するテープ材のもう一つの形の概略的な端面断面図である。
【図5】図4のテープ材の平面分解図である。
【図6】テープ材を生産する方法のフローチャートである。
【図7】テープ材を生産する装置の概略図である。
【図8】PSA物質を担持するテープ材のロールの概略的な表現である。
【図9】基材上の間欠的なPSAコーティング・パターンの一つの形の平面図である。
【図10】図9の間欠的なコーティングを適用したテープ材のロールの概略的な表現である。
【図11】物品を用意する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
記載される実施形態は概括的には、間欠的なパターンの感圧性接着剤(PSA)物質がコーティングされたテープ材ならびにそのようなテープ材を形成する方法および装置ならびにそのようなテープ材のロールに関する。ここで図1ないし図5を参照するに、テープ材100の実施形態が示されており、これについてさらに述べる。いくつかの実施形態は、該テープ材が適用されるアイテム、物品または織物〔テクスタイル〕材およびそのような織物材のロールにも関する。
【0023】
図1ないし図5に示されるように、記載される実施形態は概括的には、樹脂のようなPSA物質のコーティングを基材110上に間欠的なパターンで塗布することに係わる。コーティングにギャップ125を設けることによって、別の物品の別の表面または基材に接着するためにコーティング120を剥がすときに基材の端が簡単に持ち上げられるようにするコーティングされていないセクションをより容易に見出すことができる。間欠的なコーティング120は、たとえばコーティングの機械方向のストリップにおいて、あるいは別のパターンで塗布されてもよい。これはたとえばスロット・ダイ(slot die)を用いたホットメルト・コーティングによって達成できるが、たとえばパターン付けされたローラーを用いたコーティングによって達成することもでき、また、ホットメルト・コーティングに加えて水ベースおよび溶媒ベースのコーティングを含んでいてもよい。
【0024】
感圧性接着物質は、ドイツのBASFから入手可能なAcResinの型番DS3583など、紫外光のもとで硬化できるアクリル系樹脂であってもよい。いくつかの好適なアクリル系樹脂は米国特許第5,128,386号および第5,741,829号に記載されている。PSA物質は、たとえば約10ないし約150ミクロンの厚さで基材110に塗布されてもよい。厚さは、あるいはまた、約20ないし約100ミクロン、可能性としてはたとえば約30ないし約75ミクロンであってもよい。たとえばBASF樹脂DS3583の場合、PSA物質は、基材110への適用のために約140°Cまで熱せられてもよい。基材110の選ばれた材料の温度関係の振る舞いに依存して、PSA物質の塗布温度は若干変えられてもよい。
【0025】
他の型のPSA物質、塗布厚さおよび塗布温度が、また照射の結果としてであれ他の硬化方法によってであれ異なる条件下で硬化できるPSA物質が使用されてもよい。たとえば、PSA物質はホットメルト合成ゴム・ベースの接着剤またはUV硬化性合成ゴム・ベースの接着剤であってもよい。PSAコーティング120は、たとえばホットメルト、水ベースまたは溶媒ベースのコーティングとして塗布されてもよい。UV硬化したホットメルト接着剤について、接着剤は、比較的低い融点の基材110と適合する比較的低い温度で塗布されることができる。その後のUV硬化は、基材110を過度に熱することなく、より高い温度耐性のために接着剤を架橋するはたらきをする。水ベースおよび溶媒ベースのコーティングは一般に、張力下での長大な乾燥および高温を必要とし、これは低融点の基材110を損なうことがある。そのようなPSAコーティングは間欠的に適用されてもよいが、低融点基材110にとっては理想的ではない。
【0026】
基材110の目的は、PSA物質が目標物品に適用される(接着される)ことができるよう、PSA物質のための担体としてはたらくことである。目標物品は、別の基材であってもよい。基材110はその後、剥がして除去することができ、PSA物質は基材110があった側でむき出しになる。PSA物質の新たにむき出しになった面は、目標表面に適用されることができる。たとえば、前記目標物品を前記目標表面に接着するためである。
【0027】
間欠的なPSAコーティング120の塗布される部分の大きさおよび間隔に依存して、コーティングされる領域の割合が変えられる。コーティング120の塗布される領域は、たとえば基材110の面積の10ないし90%の間で変わることができる。いくつかの実施形態では、PSAコーティング120はストリップの形で塗布され、ストリップの間隔はPSAテープのエンドユーザーの要求に依存して変わりうる。ストリップ間の間隔またはギャップ125が広いほど、基材110の除去を一層簡単にできる。
【0028】
接着剤を長さ方向の諸ストリップのような間欠的なパターンで塗布することにより、全面積の一部分のみをコーティングすることによってPSA樹脂の大きな割合を節約しつつ、特定の用途のために所望されるコーティング重量を達成することが可能である。特に、記載される実施形態は、全面的なコーティングを必要としない軽量かつ多孔性の目標物品上に減少した量のPSA物質を使うために開発された。
【0029】
間欠的なコーティングは、剥離ライナーとしてはたらく好適な基材110に適用される。基材110は紙、コーティングされた紙およびフィルム式剥離ライナーを含んでもよい。剥離ライナーはシリコーン・コーティングされてもよいが、他の型および形の剥離コーティングも使用できる。言及の簡単のため、だがあくまでも例として、基材110は本稿では剥離ライナー110と称されることがある。
【0030】
PSAコーティング120は、コーティング後に乾燥される水ベースのエマルジョンとして、コーティング後に溶媒が蒸発させられる溶媒ベースの樹脂として、あるいはコーティング後に冷めるホットメルト樹脂として与えられてもよい。PSAテープは、のちに基材に貼るために巻き取られることができ、あるいはインラインで物品の表面にラミネートされることができる。PSAテープは、フォーム、ゴム、紙、フィルムなどといった別の基材または目標物品上に引き出されることができ、それらは次いでダイ・カットされるまたは他の仕方で変形されてもよい。剥離ライナー110は目標物品から除去されることができ、PSA物質が目標物品上に残される。該目標物品を最終的に別の表面に接着的に適用するためである。たとえば、テープ材100が目標物品としての吸音材に適用される場合(目標物品はその後ダイ・カットされる)、ひとたび剥離ライナー110が剥ぎ取られると、PSAコーティング120は別の表面への適用のためにむき出しになる。別の表面とは、吸音材が貼られるべき自動車の一部の内部エリアなどである。こうして、テープ材100は、PSAを該PSAを使って何か別のものに接着することが望まれている物品上に転写する転写テープまたは機構としてはたらく。
【0031】
さらに使用を簡単にするため、剥離ライナー110は、一体として除去できるよう、比較的高い引き裂き強さをもつよう形成されることができる。剥離ライナーのために使われる材料に依存して、約15ミクロンないし150ミクロンの間の厚さをもっていてもよい。剥離ライナー110は、たとえばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)または同様のプラスチック・フィルムを含んでいてもよい。MDPE剥離ライナー110は、ブロー押し出しされたフィルムで形成されてもよく、後述するメッシュとともに使われるとき、たとえば約35ないし約60ミクロンまたは約40ないし約45ミクロンの厚さを有していてもよい。たとえば、45ミクロンの中密度ポリエチレン(MPDE)剥離ライナー110の引き裂き強さは機械(製造プロセス)方向において約3ニュートン、横断方向において約6.5ニュートンであってもよい。あるいはまた、低密度(LDPE)または高密度ポリエチレン(HDPE)フィルムが剥離ライナー110として使われてもよい。約50ミクロンの厚さのHDPE剥離ライナーが、向上した引き裂き強さのためには好ましいことがありうる。メッシュを使わない場合は、剥離ライナーは、PSA物質のためのさらなる構造的支持を与えるためにたとえばシリコーンおよびPEコーティングされた紙を含んでいてもよく、剥離ライナーはより厚くてもよい。
【0032】
好適な剥離ライナー110は、引き裂き強さ、柔軟性および剥離値の特定の組み合わせを有するよう選択されてもよい。たとえば、上述したMDPE剥離ライナーは一面でほぼ0.15N/25mmの剥離値、第二の面でほぼ0.45N/25mmの剥離値を有していてもよい。すなわち、剥離比は1:3である。理想的な剥離ライナー110はより低い剥離値を有しうるが、これはPEフィルムでは達成するのは難しいことがある。そのような一層簡単な剥離を提供するために、必要とされるシリコーン・コーティング・システムに架橋するために必要とされる熱のためである。そのようなシリコーン・コーティングは、より低い剥離値を達成するためにより重いPEコーティングされた紙に適用されることができるが、そのような紙はPEフィルムのようなより低い重量およびより高い柔軟性をもたない。後述するようにPSAテープにメッシュが組み込まれる場合には、剥離ライナーの「簡単な剥離」の面と「タイトな剥離」の面の間の、より低い剥離の比をもつ剥離ライナーを使うことが可能である。これは、メッシュがPSAおよび剥離ライナー110を支持および強化し、事実上、剥離ライナー110にいくばくかの引っ張り強さを与えるからである。
【0033】
紙ベースの剥離ライナーは高温に対する比較的高い耐性をもち、よって高めの温度でPSAコーティング120が塗布または硬化される場合に有用である。フィルム式剥離ライナーの温度耐性は、フィルムのために使われるポリマーの型に依存する。下の端では、LDPEは約100°の軟化点をもつ。上の端では、PETは約240°Cの軟化点をもつ。フィルムの温度耐性が増すにつれて、引き裂き強さは一般に減少する。よって、低温フィルムは一般により高い引き裂き強さをもつ。フィルムの配向もその引き裂き強さに影響することがあり、高度に配向性のフィルムは機械方向に比較的低い引き裂き強さをもつ。剥離ライナー110の引き裂き強さが低い場合、剥離ライナー110は、PSAコーティング120からの剥離の間に引き裂かれる傾向が強くなる。剥離ライナー110中に何らかのノッチが存在する場合は特にそうである。したがって、より高い引き裂き強さが望ましいが、これは基材110としてより厚いフィルムまたは材料を必要とすることがあり、したがって追加的なコストを含むことになりうる。
【0034】
柔軟性のために、テープ材100が適用される目標物品がロールに形成される場合には、軟らかい、柔軟な剥離ライナー110が好ましい。剥離ライナー110が剛性であれば、目標物品は均等に丸まらず、特に目標物品がフォーム(foam)または繊維ウェブ(fibrous web)のような厚い材料である場合、目標物品にしわや折れ目を引き起こしうる。そのようなしわや折れ目は、テープ材の目標物品への接着の均等性に影響することがあり、目標物品が展開されたときにその視覚的な外観および接着力に悪影響を及ぼすことがある。
【0035】
いくつかのホットメルト接着システムは比較的低い温度耐性をもつ。より高い温度、しばしば(プラスチックが使われる場合)剥離ライナー110の融点より高い温度では、より高い温度耐性をもつものが適用されねばならない。この理由により、ポリエステル(ポリエチレンテレフタラート、PET)剥離ライナー110が使用されてもよい。PETの融点は220°Cより優に高いからである。
【0036】
放射硬化可能なホットメルトPSA接着剤は、140°C付近の温度で剥離ライナー110に塗布されてもよく、次いで、剥離ライナー110へのコーティング後、紫外(UV)光への露光によって架橋されてもよい。この場合、剥離ライナー110としてMDPEのような低融点フィルムを使うことが可能である。MDPEは一方でより高い引き裂き強さ(引き裂きに対するより高い耐性)を示す傾向があるからである。
【0037】
さらに、コーティング120の塗布は不連続なので、加えられる実際のコーティング重量は100%カバー率の場合よりも低く、実際の熱暴露を減らし、PE剥離フィルムのような熱に敏感な剥離フィルムの熱歪みを最小にする。
【0038】
従来のPSAテープに裏打ちされた材料の一つの欠点は、剥離ライナーをカット端から手で分離するのを開始することが難しいことがあるということである。この欠点は、使うために感圧性の接着剤をむき出しにするのにかかる追加的な時間のため、そのようなPSAテープに関するエンドユーザーの不満につながりうる。
【0039】
剥離ライナーの簡単な除去のためにさらなる助けとして、剥離ライナー110には、一つまたは複数のスリット115が形成されていてもよい。これはいくつかの仕方で達成できるが、一例では、剥離ライナー110は再巻き取りプロセスに先立って位置されていた静的ナイフによってスリットを入れられる。スリット115は、コーティングされていない部分に入れられるよう選択される。それにより、ナイフが接着樹脂をかき集めることがなく、スリットを入れられているところに隣接する剥離ライナー110の部分はコーティングされていない。スリット115の数は必要に応じて変えることができる。
【0040】
いくつかの実施形態によれば、PSAコーティング120は、ポリエステルまたはファイバーグラスまたは他の好適な織物またはプラスチック材料の軽量の開いたメッシュ130によって安定化されうる。一例では、メッシュは熱可塑性樹脂でコーティングされたポリエステル・ストランドで形成される。メッシュは、約78デニールおよび密度約2.88g/m2を有していてもよく、長方形のメッシュ間隔が約8mmかける12mmであってもよい。好適なメッシュは、米国ニューヨーク州グランド・アイランドのサンゴバン(Saint Gobain)から製品コードKPM3210/P3A-3Lのもとで入手できる。あるいはまた、(横糸方向に比して)縦糸方向により多くのストランドをもつ(よって強さが増した)メッシュが、横断方向でのPSAの支持および剥離を改善するために使われてもよい。メッシュの少なくとも一つの縦糸ストランド(好ましくは複数のストランド)が、長さ方向に延在するPSAストリップのそれぞれと一致および整列することが望ましい。こうして、メッシュの縦糸および横糸は、一般に、それぞれ機械方向および横断方向に整列されうる。
【0041】
メッシュの型、大きさおよび形はたとえば、PSAコーティング120により大きな支持を提供するためにより密な形をもつ(すなわち、縦糸または横糸方向においてより小さな間隔で編まれている)ために変えられてもよい。メッシュの一つの具体的な機能は、PSAコーティング120に十分な補強強さを与えて、基材110から簡単に除去できるようにすることである。メッシュがより開いていれば(すなわち、縦糸または横糸方向においてより大きな間隔で編まれている)、PSAコーティング120が破れるリスクは増大し、剥離ライナー110の除去はより難しくなることがある。
【0042】
メッシュ130は、剥離ライナー110にスリット115が(もし形成されるなら)形成された後、ただし接着テープを再度巻き取る前に、間欠的なPSA上にラミネートされてもよく、接着コーティング120と比較的一体になるまたは接着コーティング120中に埋め込まれる。メッシュ130はまた、間欠的にコーティングされ、スリットを付けられた剥離ライナー110を、扱うのを簡単にするため、一緒に保持したり、剥離ライナー110が除去された後に間欠的なPSAコーティング120を一緒に保持する役割も果たしうる。
【0043】
繊維ウェブのような多孔性の目標物品に塗布されるとき、感圧性接着コーティング120の比較的狭いストリップは、剥離ライナー110の除去の際に多孔性物品を引きはがす傾向があることがある。ラミネートされたメッシュ130はこの問題を緩和する助けになることがある。
【0044】
メッシュ130を用いる実施形態では、ロールに巻き取られたとき、PSA物質の個々のストリップがメッシュ130によって支持されるので、再び巻き取る前の横断方向に沿った所定の諸位置で剥離フィルムにスリットを入れることが可能である。これらのスリット115は、事実上、剥離ライナー110に追加的な端長さを与え、ユーザーが、ライナー除去を手で開始する端をより容易にみつけられるようにする。
【0045】
基材およびそれに塗布される任意のコーティングの材料組成は、PSAがコーティングされる側と剥離ライナー110の反対側との間の剥離値の特定の比を達成するよう選択されてもよい。いくつかの実施形態は、PSAコーティングされた面の剥離値と反対側の(PSAコーティングされない)面の剥離値との間の約3:1の比を有していてもよい。それにより、テープ材100がロール800または1000に整形されるとき、PSA物質は、該PSA物質がもともと塗布されていた剥離ライナー110から剥がれることなく、ロールの隣接する巻き層のコーティングされていない表面から容易に剥がれる。そのような基材の一面と反対側との不均等な剥離値は、差動剥離値(differential release values)と称することができる。そのような差動剥離値については、約3:1以外の比、たとえば約2.5:1、2:1または1.5:1が用いられてもよい。実際、差動剥離値は、使用される材料に依存して、10:1近くまで高くてもよい。しかしながら、特にストリップの長手方向を横断する方向において基材110からのPSA物質の剥離を簡単にするためには、1:1により近い差動剥離値が好ましい。
【0046】
1:1により近い比をもつ剥離値については、テープを引き出し、別の物品に貼ることができるよう基材110に塗布されるPSAに十分な一体性を与えるために、メッシュ130が必要とされることが考えられる。上記の、より大きな差動剥離値については、メッシュは必要とされないこともある。
【0047】
基材110の各面についての具体的な剥離値は、ロール800または1000からテープ材を引き出す能力に影響することがある。約0.45N/25mmより有意に大きい剥離値は、剥離ライナー110のPSAからの分離が望ましいよりも難しくなる結果を与えることがあることが見出されている。よって、約0.01N/25mmないし約0.4N/25mmの剥離値が有効と考えられる。より好ましい基材110のPSAコーティングされた側の剥離値は、約0.01N/25mmないし約0.1N/25mmである。PSAコーティングされた側の0.06N/25mmの剥離値がいくつかの事例において有効であると見出されている。
【0048】
ここで図6および図7を参照するに、PSAコーティングされた基材を有するテープ材100を形成するためのプロセス600および装置700がさらに詳細に記載されている。ステップ610では、剥離ライナー110が好適なプラスチック・フィルムまたはコーティングされた紙から引き出される。剥離ライナー110は、ローラー715を通される前に、張力付与ローラー710のまわりを通される。ステップ620において、剥離ライナーがローラー715を通過する際、剥離ライナーの、PSA物質120がコーティングされる側が、剥離ライナーのコーティングのためのPSAアプリケーター・デバイスまたは装置720にさらされる。
【0049】
剥離ライナーがローラー715を通過する際に剥離ライナー110のさらされている面上に間欠的なパターンで、好適な樹脂のような薄いPSA物質を選択的に塗布するために、ステップ620における剥離ライナーのコーティングは、たとえばアプリケーター・デバイス720に含まれるソレノイド・アクチュエータによって制御できる。コーティング120の長い平行なストリップもよく機能すると考えられるが、コーティング120は、たとえば図9に示されるようなチェック模様または交互パターンのような異なる間欠的パターンでアプリケーター・デバイス120によって剥離ライナー110上に与えられてもよい。あるいはまた、長い平行ストリップがコーティング120として塗布される場合、それらのストリップは完全に連続的でなくてもよい。すなわち、剥離ライナー110に塗布される必要のあるPSAコーティングの量をさらに減らすために、ストリップはそれらの長さに沿って間欠的な諸ギャップを有していてもよい。
【0050】
PSAコーティング120のストリップは、ストリップ間のギャップより狭い幅、より広い幅または同じ幅を有していてもよい。一例では、PSAストリップの幅は約8mmであってもよく、ストリップ間の12ミリメートルのギャップによって離間されていてもよい。それにより、基材110の約40%に対してPSAコーティング120が与えられる。テープ材の特定の用途に依存して、他のストリップおよびギャップ幅を使ってもよい。
【0051】
剥離ライナー110がステップ620でコーティングされたのち、ステップ630でコーティングされた剥離ライナー110は、UVオーブンのような紫外(UV)光源725のもとを通過させることによって紫外光を照射される。PSAコーティング120を硬化させて選択された接着特性をもつようにするためである。たとえば、約0.05ないし約4ジュール/cm2のUV-C露光がPSAコーティング120を硬化させるために適用されてもよい。あるいはまた、照射量は約0.1ないし約2.0ジュール/cm2、可能性としては約0.2ないし約1.5ジュール/cm2であってもよい。PSAコーティング120の所望される接着特性に依存して、UV光源725は、より高いまたはより低いパワーまたは強度を送り出すよう制御されてもよい。UV光源725は、そのような光源のアレイに配置された複数のUV光源を有していてもよい。
【0052】
ステップ630の照射に続く任意的なステップ(図6には示さず)として、剥離ライナー110および硬化されたPSAコーティング120は、冷却デバイス730の上または中を通すことによって冷却されてもよい。剥離ライナー110および硬化されたPSAコーティング120は次いで、ステップ640においてカッティング・デバイスによってスリットを入れられる前に、張力付与ローラー735上を通されてもよい。カッティング・デバイス640は、剥離ライナーがカッティング・デバイス740を通過する際に剥離ライナーの長さに沿って延在するスリットを形成するよう、剥離ライナーの幅を横断して横に配置された一つまたは複数の刃を有していてもよい。PSAコーティング120間のギャップに一致するよう剥離ライナー中にスリットが形成されるよう、カッティング・デバイス740の前記一つまたは複数のナイフは選択的に位置できてもよい。剥離ライナーに塗布される特定のコーティング・パターンに依存して、カッティング・デバイス740の刃は、PSAコーティング120が塗布されている剥離ライナー110の部分を通ってカットするのを避けるよう、選択的に引っ込められてもよい。
【0053】
ステップ650では、硬化されたPSAコーティング120を担持するスリット付けされた剥離ライナーがさらなる張力付与ローラー750の上を通される。同時に、メッシュのスプールまたはロール745からメッシュ130を受け取るさらなる適切に位置されたローラー755または他のラミネーション・デバイスの適用によって、メッシュ130がPSAコーティング120にラミネートされる。組み合わされたスリット付けされた剥離ライナー110、PSAコーティング120およびメッシュ130は次いでステップ660において好適な電動巻き取り装置またはデバイス(図示せず)を使って巻き取られ、図8に示されるようなPSAテープ800を形成する。図8に示されるように、ロール800(または1000)の横方向の幅xは約1.5mないし約1.0mであってもよい。必要な場合、約1.5mより大きな幅の物品にテープを接着するために、複数のロール800または1000が横方向に互いに隣接して配置されることができる。
【0054】
代替的な実施形態では、PSA物質が剥離ライナー110上にコーティングされるのに先立って、別個のステップにおいて、メッシュ130が剥離ライナー110に適用されてもよい。そのような実施形態では、メッシュ130は、PSAコーティング120によって剥離ライナーに効果的に接着される。そのような実施形態については、剥離ライナー110はステップ640においてスリットを入れられない。そうしていたら、メッシュもスリットを入れられることになるであろう。メッシュ130はPSAの諸ストリップを一緒に保持するのに有用なので、これは望ましくない。
【0055】
図9に示されるように、PSAコーティング120は必ずしも、基材110の長さに沿った途切れないストリップまたは線において塗布される必要はない。図9は、市松模様で形成され、ギャップ925によって離間されるストリップ920をもつ間欠的なコーティング・パターン905を示している。市松模様は、アプリケーター・デバイス720による基材110へのPSA物質の塗布を選択的に適用および中断するようにするソレノイド・バルブのアレイの制御によって達成されうる。間欠的なパターン905の制作はアプリケーター・デバイス720のさらなる洗練および制御を必要とするが、そのようなパターンは、基材110に塗布されるPSA物質の量をさらに減らす可能性がある。
【0056】
装置600および方法700が市松模様の間欠的パターン905においてPSA物質で基材110をコーティングするために用いられる場合、テープ材のロール1000(図10に示す)が作られる。これは、PSAコーティング120のパターンを除いて他の点ではロール800と同じである。
【0057】
図6には示されていないが、装置600は、基材110のロールが尽き、テープ材800または1000のロールが形成されるまで、基材110を約30メートル/分で装置600を通じて上記の仕方で連続プロセスにおいて搬送する好適な駆動機構を含む。
【0058】
基材110が装置600を通じて搬送される線速度は、硬化ステップ630において適用される構成設定されたUV線量に依存し、該線量はPSAコーティング120の所望される接着属性に依存する。UV光源725が単位時間当たりより高いUV線量を与えるよう構成設定される場合、線速度は高められることができる。線速度を限定する可能性があるもう一つの因子は、ステップ620でPSA物質が基材110に塗布されるレートである。さまざまな因子に依存して、線速度は約5メートル/分ないし約80メートル/分でありうる。
【0059】
プロセス600の間、剥離ライナーは張力下に保たれる。この張力は、剥離ライナー(もし塑性変形可能であれば)が該張力のもとでわずかに伸びるよう選択的に適用されることができる。それにより、剥離ライナーにスリットが入れられ、張力が解除されたのち、剥離ライナーはその自然な形に戻るべく長手方向にわずかに収縮する。長手方向の収縮は一般に横方向の幅のわずかな増加を伴う。その結果、剥離ライナーのスリットを入れられた部分はロール800または1000上に巻き取られたのち、互いにわずかに重なることがありうる。スリットを入れたところでの剥離ライナーのこのわずかな重なりにより、PSAテープを目標物品に貼ったのち、PSAコーティングから剥離ライナーを引き離す際に剥離ライナーを手で掴むのが容易になる。
【0060】
図11は、上述した方法600に基づいて形成された物品を用意する方法1100のフローチャートである。方法1100は、方法600の出力としてのテープ材のロール800または1000を受け取ることを含んでいてもよい。あるいは実施形態によっては、テープ材は、複数のシートとしてまたは連続的に生産された材料として形成されてもよい(すなわち、テープ・ロールに巻くことなく直接加えられる)。ステップ1110では、テープ材は物品表面に押しつけられる。それにより、テープ材100の一方の側の露出したPSAが物品表面に接着する。ステップ1110は、必要なら、ロール800または100からテープ材を引き出すことを含んでいてもよい。たとえば前記物品が繊維ウェブのような生産ラインから連続的に生産される材料を含む場合、露出したPSAを物品表面に押しつけることは、ローラーによって容易にされてもよい。
【0061】
ひとたびステップ1110においてテープ材が物品表面に貼られたら、物品およびテープ材は、適切であれば、輸送のためにロールに再び巻き取られてもよいし、あるいは所望に応じて前記物品はさらに処理されてもよい。たとえば、ステップ1120において、前記物品は、一つまたは複数の側にテープ材100を有するいくつかの項目を形成するよう裁断されてもよい。テープ材100が各項目の一部をなすことで、項目は事実上、該項目を目標表面に接着するためにPSAを露出させるよう手で剥がすことができるよりも、剥がしやすい裏打ちライナーを有することになる。たとえば、テープ材が吸音材料として作用する繊維ウェブに貼られる場合、該材料はパネルに裁断され、任意的に熱形成されることができ、剥離ライナー110が剥がされてそれらのパネルが乗物の一部に適用されることができる。
【0062】
まとめると、記載された実施形態は、次のうち一つまたは複数に関わる:
・使用される樹脂の量を減らす、間欠的なパターン形成されたPSAコーティング120。
・特定の用途のために少量の接着剤を使うPSAテープ。
・各ギャップにおける拡張された「指持ち上げ部(finger lift)」端を事実上与える、間欠的なコーティングにおけるギャップのおかげによる、基材除去の容易さ。
・各スリット115における拡張された「指持ち上げ部」端を事実上与える、基材110中のスリット115のおかげによる、基材除去の容易さ。
・プラスチック基材110の所定の引き裂き耐性のおかげによる、基材除去の容易さ。
・安定性を与えるためにテープ中に組み込まれるメッシュのおかげによる、安定化されたスリットを入れられたPSAテープ。
・UV線量によって決定される接着属性をもつ、そして特に高温耐性をもつ、架橋されたPSAテープ。
【0063】
したがって、いくつかの実施形態は、強化メッシュの挿入によって物理的属性が高められた、間欠的または不連続的なコーティングを特徴とする実際的な高性能PSAテープに関する。剥離ライナーは、比較的引き裂き耐性があり、リサイクル可能な薄いPE、PPまたはPETフィルムを有していてもよい。任意的なスリットを入れられた剥離フィルムにより、使いやすさが大幅に向上する。
【0064】
本稿では図面を参照して実施形態を記載してきたが、記載される実施形態の精神および範囲から外れることなく、記載される実施形態に対していくつかの修正がされてもよい。したがって、記載される実施形態は、いずれの請求項に関しても、限定することを意図したものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄い柔軟な基材と;
前記基材の単一の面に担持された感圧性接着剤(PSA)物質とを有するテープ材であって、前記PSA物質は、前記基材の長さに沿って間欠的なパターンで与えられている、テープ材。
【請求項2】
請求項1記載のテープ材であって、前記間欠的なパターンはPSAのストリップを含み、各PSAストリップは隣接するPSAストリップからギャップで隔てられている、テープ材。
【請求項3】
請求項2記載のテープ材であって、前記テープ材がさらに、前記単一の面に担持されたメッシュを有する、テープ材。
【請求項4】
請求項3記載のテープ材であって、前記PSAストリップは概括的に前記基材と前記メッシュとの間に配置される、テープ材。
【請求項5】
請求項3記載のテープ材であって、前記メッシュは概括的に前記PSAストリップと前記基材との間に配置される、テープ材。
【請求項6】
請求項3ないし5のうちいずれか一項記載のテープ材であって、前記メッシュが前記PSAストリップどうしの間のギャップにまたがる、テープ材。
【請求項7】
請求項3ないし6のうちいずれか一項記載のテープ材であって、前記メッシュが、軽量の開いたメッシュを有する、テープ材。
【請求項8】
請求項3ないし7のうちいずれか一項記載のテープ材であって、前記メッシュが、主としてポリエステルおよびファイバーグラスの一方で形成されている、テープ材。
【請求項9】
請求項1ないし8のうちいずれか一項記載のテープ材であって、前記PSAが紫外光硬化したアクリル系PSAである、テープ材。
【請求項10】
請求項4ないし9のうちいずれか一項記載のテープ材であって、前記基材が、隣り合うPSAストリップの少なくとも一つの対の中間に形成された一つまたは複数のスリットを有する、テープ材。
【請求項11】
請求項1ないし10のうちいずれか一項記載のテープ材であって、前記基材がプラスチック・フィルム剥離ライナーを含む、テープ材。
【請求項12】
請求項11記載のテープ材であって、前記プラスチック・フィルムが:ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリエチレンテレフタラートからなる群から選択される材料を含む、テープ材。
【請求項13】
請求項11または12記載のテープ材であって、前記基材の厚さが約15ミクロンないし約150ミクロンである、テープ材。
【請求項14】
請求項1ないし10のうちいずれか一項記載のテープ材であって、前記基材が紙ベースの剥離ライナーを含む、テープ材。
【請求項15】
請求項1ないし14のうちいずれか一項記載のテープ材であって、前記基材がシリコーン・コーティングされている、テープ材。
【請求項16】
請求項1ないし15のうちいずれか一項記載のテープ材であって、前記基材は、前記単一の面上の約0.01N/25mmないし約0.4N/25mmの剥離値を有する、テープ材。
【請求項17】
請求項1ないし16のうちいずれか一項記載のテープ材であって、前記単一の面の第一の剥離値と前記基材の反対側の第二の剥離値との比が約3:1ないし約1:1である、テープ材。
【請求項18】
請求項1ないし17のうちいずれか一項記載のテープ材のロール。
【請求項19】
テープ材を形成する方法であって:
薄い柔軟な基材の片面に感圧性接着剤(PSA)物質をコーティングする段階を含み、ここで、前記PSA物質は前記基材の長さに沿って間欠的なパターンで前記基材にコーティングされる、方法。
【請求項20】
請求項19記載の方法であって、さらに、テープ材のロールを形成するために前記コーティングされた基材を巻き取る段階を含む、方法。
【請求項21】
請求項19または20記載の方法であって、さらに、前記PSA物質の接着性を高めるために前記コーティングされたPSA物質を硬化させる段階を含む、方法。
【請求項22】
請求項21記載の方法であって、前記PSAはアクリル系であり、前記硬化させる段階は、前記コーティングされたPSA物質に紫外光を照射することを含む、方法。
【請求項23】
請求項19ないし22のうちいずれか一項記載の方法であって、前記PSA物質によってコーティングされていない前記基材の一つまたは複数の部分に沿って前記基材中に一つまたは複数のスリットを形成する段階を含む、方法。
【請求項24】
請求項19ないし23のうちいずれか一項記載の方法であって、さらに、前記基材の前記片面に連続的なメッシュをラミネートする段階を含む、方法。
【請求項25】
請求項24記載の方法であって、前記PSA物質が少なくとも部分的に前記基材と前記メッシュとの間に配置されるよう、前記メッシュが前記コーティングされたPSA物質上にラミネートされる、方法。
【請求項26】
請求項24記載の方法であって、前記メッシュが、前記基材に前記PSA物質をコーティングするのに先立って、前記基材に加えられる、方法。
【請求項27】
請求項24ないし26のうちいずれか一項記載の方法であって、前記メッシュが前記間欠的なパターンにおけるギャップにまたがるよう、前記メッシュが前記基材上に配置される、方法。
【請求項28】
物品を用意する方法であって:
請求項19ないし27のうちいずれか一項記載の方法に従ってテープ材のロールを形成する段階と;
前記ロールの巻きを解き、前記PSAが前記物品の表面に接着するよう前記テープ材を前記物品の表面上に押しつける段階とを含む、
方法。
【請求項29】
物品を用意する方法であって:
請求項19ないし27のうちいずれか一項記載の方法に従って前記テープ材を形成する段階と;
前記PSAが前記物品の表面に接着するよう前記テープ材を前記物品の表面上に押しつける段階とを含む、
方法。
【請求項30】
請求項38または29記載の方法であって、さらに、前記物品および前記テープ材を裁断して別個の諸アイテムを形成する段階を含み、前記基材は、前記PSAを前記アイテム上に残しつつ前記アイテムから除去可能であり、それにより各アイテムは前記PSAを使って目標表面に接着されることができる、方法。
【請求項31】
テープ材を形成する装置であって:
連続プロセスにおいて動いている基材上に感圧性接着材(PSA)物質を施与し、前記PSA物質を前記基材上に前記基材の長さに沿って間欠的なパターンで塗布するよう構成されるアプリケーター・デバイスと;
前記基材を、前記連続プロセスにおいて前記アプリケーター・デバイスに対して搬送するよう構成された搬送装置とを有する、
装置。
【請求項32】
前記搬送装置は、張力のもとで前記基材を搬送するよう構成されている、請求項31記載の装置。
【請求項33】
前記基材が塑性変形可能であり、前記張力は、該張力のもとで前記基材がわずかに伸びるようなものである、請求項32記載の装置。
【請求項34】
前記基材中にスリットを形成するカッティング・デバイスをさらに有する、請求項31ないし33のうちいずれか一項記載の装置。
【請求項35】
前記カッティング・デバイスは、前記PSA物質によってコーティングされていない前記基材の一つまたは複数の部分に沿って前記基材にスリットを刻むよう位置された少なくとも一つの刃を有する、請求項34記載の装置。
【請求項36】
前記PSA物質が前記基材上にコーティングされた後で前記PSA物質を照射するための光源をさらに有する、請求項31ないし35のうちいずれか一項記載の装置。
【請求項37】
前記PSAがアクリル系であり、前記光源が紫外(UV)光源を含む、請求項36記載の装置。
【請求項38】
前記PSA物質の接着性を高めるよう、前記PSA物質が前記基材上にコーティングされた後で前記PSA物質を硬化させる手段をさらに有する、請求項31ないし35のうちいずれか一項記載の装置。
【請求項39】
前記PSA物質上にメッシュをラミネートするラミネーション・デバイスをさらに有する、請求項31ないし38のうちいずれか一項記載の装置。
【請求項40】
前記PSA物質が前記基材に塗布された後で前記基材をテープ材のロールに巻き取る巻き取り装置をさらに有する、請求項31ないし39のうちいずれか一項記載の装置。
【請求項41】
請求項28ないし30のうちいずれか一項記載の方法に基づいて用意された物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−505930(P2012−505930A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531303(P2011−531303)
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【国際出願番号】PCT/AU2009/001365
【国際公開番号】WO2010/042995
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(511096019)イーマン8 ピーティワイ リミテッド (3)
【Fターム(参考)】