説明

感染性廃棄物の処理方法及びその処理装置

【課題】 多様な感染性医療廃棄物をまとめてかつ迅速に処理する。
【解決手段】 感染性廃棄物を熱分解炉A内の上流側の処理槽から下流側の処理槽に向けて撹拌回転手段によって撹拌移行しながら加熱ヒーターにより加熱処理しながら熱分解による炭化処理する炭化処理工程と、上記熱分解炉の排気口から排出される排気ガス中のタールをタール除去装置Bによって除くタール除去工程と、タールが除去された上記排気ガス中の臭気を脱臭装置Cによって除く脱臭工程と、上記臭気が除去された上記排気ガス中に含まれる塵埃を脱煙装置Dによって除去する脱煙工程とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、医療施設等から排出される感染性廃棄物の処理方法及びその処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
病院、個人医院及び保健所等の医療施設から紙おむつ、脱脂綿、プラスチック製の注射筒及び点滴容器、ガーゼ等を含む大量の医療廃棄物が排出され、この種の医療廃棄物は感染性病原体を含んだり若しくは付着したり又は感染性のおそれがあるものであることから、感染性廃棄物と呼ばれている。今、このような感染性廃棄物によるバイオハザード(生物災害)が問題になっている。
この問題を解決するために、特開2006−336955号公報に係る医療系廃棄物の処理方法およびその処理装置並びに特開2008−29987号公報に係る廃棄物処理装置及び廃棄物処理方法(以下「従来例1」及び「従来例2」という。)がそれぞれ提案されている。
従来例1は、滅菌処理設備、3槽のピット及びトンネル式加熱炉を有するガス化溶融設備と、高温反応炉と、廃棄物搬送設備とを備えているものである。上記ピットの構造は、上記トンネル式加熱炉の装入口から近い槽で一般廃棄物を貯留保持し、最も遠い槽で滅菌処理した医療系廃棄物を貯留保持し、中間の槽で上記医療系廃棄物と一般廃棄物とを混合した混合廃棄物を貯留保持するものである。
従来例1では、まず、医療系廃棄物を滅菌処理設備にて滅菌処理し、滅菌処理した医療系廃棄物をトンネル式加熱炉に装入する前に一旦ピットに貯留保持し、一般廃棄物と混合してから、ガス化溶融設備へ装入し、トンネル式加熱炉で100℃〜600℃に予熱しながら圧縮し、乾燥し、熱分解し、炭化処理する。炭化処理で生成された炭化生成物とその熱分解により発生したガス成分は、高温反応炉内に装入及び吹き込まれる。
従来例2は、加熱炉内に複数の乾留容器を収納してあり、各乾留容器内に感染性医療廃棄物を入れた廃棄物用籠を配置し、各乾留容器内から排気管によって空気を抜くと共に、窒素導入管から窒素ガスを導入し、その後、加熱炉内底部からガスバーナーを用いて400℃程度加熱する。加熱によって各乾留容器内の温度が200℃〜300℃のとき、上記感染性医療廃棄物に含まれる塩化ビニールは分解される。従来例2によれば、塩化ビニール製品を含む感染性医療廃棄物を滅菌し、かつ塩化ビニール製品を熱分解して無害化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−336955号公報
【特許文献2】特開2008−29987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来例1によれば、医療系廃棄物をトンネル式加熱炉に装入する前処理として、滅菌処理工程及び貯留保持・混合処理工程を必要とし、最終的に医療系廃棄物を加熱炉による加熱処理の迅速化に課題があることが予想される。
従来例2によれば、塩化ビニール製品を含む感染性医療廃棄物を無害化することができるので、この限りでは感染性医療廃棄物の有効処理が図られるが、感染性医療廃棄物の処理範囲が限られ、多種類の感染性医療廃棄物の有効処理に課題がある。
この発明の目的は、多様な感染性医療廃棄物をまとめてかつ迅速に処理することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係る感染性廃棄物の処理方法は、感染性廃棄物を熱分解炉内の上流側の処理槽から下流側の処理槽に向けて撹拌移行しながら加熱処理して熱分解による炭化処理する炭化処理工程と、上記熱分解炉の排気口から排出される排気ガス中のタールをタール除去装置によって除くタール除去工程と、タールが除去された上記排気ガス中の臭気を脱臭装置によって除く脱臭工程と、上記臭気が除去された上記排気ガス中に含まれる窒素酸化物、硫黄酸化物、塩素水素等が含まれる塵埃を脱煙装置によって除去する脱煙工程とを備えている。
例えば、上記タール除去はタール除去装置に設けてあるフィルタを使用し、そして臭気除去は脱臭装置内の噴射水が噴射されている脱臭槽を用いて、この脱臭槽の複数の槽内を通過する過程で上記噴射水によって除去されるものであり、また、窒素酸化物や塵埃は脱煙装置内の脱煙槽を通過する過程で除去される。
この発明に係る感染性廃棄物の処理装置は、感染性廃棄物を炭化処理する熱分解炉、この熱分解炉から排出される排気ガス中のタールを除去するタール除去装置、上記タールが除去された排気ガスの臭気を除く脱臭装置及び上記排気ガス中の窒素酸化物、硫黄酸化物、塩素水素等が含まれる塵埃を除去する脱煙装置を備えている。
上記熱分解炉は、投入口から投入された感染性廃棄物を上流側から下流側に向けて順次処理する少なくとも第1の処理槽、第2の処理槽及び第3の処理槽を設けてある熱分解処理槽と、この熱分解処理槽の各処理槽内の感染性廃棄物を加熱する加熱手段と、この加熱手段によって加熱された感染性廃棄物を撹拌しながら上記上流側の処理槽から下側の処理槽まで移動させるための回転軸、この回転軸に取付けてある撹拌体及び上記回転軸を駆動させるための駆動源と、上記熱分解処理槽の上部に設けてある排気室とを有している。
上記タール除去装置は、上記熱分解炉の排気口に接続されていると共に、排気ガスが通過可能であるタール除去用のフィルタを配置してある。このタール除去装置として、例えばタール除去用のフィルタを収納してある筒状のケースを備えており、このケースの下流側端部にタール貯留部を設けているもの等がある。
上記脱臭装置は脱臭槽を備え、この脱臭槽には上流側から下流側に向けて並べて複数の槽を配置してあり、各槽内には噴射水が通過する排気ガスに向けて噴射可能である。
この脱臭装置の一例として、上記脱臭槽における各槽の仕切壁には開口が開けてあり、隣接する槽の仕切壁の相互の開口の位置関係は一方が上側であれば、他方が下側であって、通過する排気ガスが波形状に上記各槽を通過することができるものである。
この脱臭装置の他の例として、その脱臭槽は上側に設置され、下側に設置されている水槽と共に本体を構成し、かつ上記水槽とは仕切板によって上下に仕切られており、上記脱臭槽の各槽内の底部側に多孔板が水平状態に取付けてあり、上記仕切板には水槽内へ噴射水を流すための導管を取付けてある。
上記脱煙装置はその本体を脱煙槽で構成し、この脱煙槽には上流側から下流側に向けて並べて複数の槽を配置してあり、これらの槽のうち排気ガスが浸入可能な水槽及び脱煙層を収納してある槽を含むものである。
脱煙装置の一例として、その脱煙槽は少なくとも3槽からなり、排気入口側の第1の槽が水槽であり、第2の槽が吸着層を設けてあり、第3の槽が脱煙層を設けてあり、排気入口から入った排気ガスは第1の槽の貯留水を通過して、第2の槽の吸着層を経て、第3の槽の脱煙層を通って、排気出口側へ排気されるものである。
脱煙装置の他の例として、脱煙槽は少なくとも4槽からなり、排気入口側の第1の槽が水槽であり、この第2の槽内に吸着層を設けてあり、第3及び第4の各槽には脱煙層を設けてあり、上記第1の槽と第2の槽との間の第1の仕切壁には上側に開口を開けてあり、上記第2の槽と第3の槽との間の第2の仕切壁には下側に開口を開けてあり、上記第3の槽と第4の槽との間の第3の仕切壁には上下両側に開口を開けてあり、排気入口から入った排気ガスは第1の槽の貯留水を通過して、上記第1の仕切壁の開口を通って上記第2の槽内に入り、吸着層を経て、上記第2の仕切壁の開口を通って上記第3の槽内に入り、一方で上記第3の槽内の脱煙層を経て上記第3の仕切壁の上側の開口を通って、排気出口側へ排気され、他方で上記第3の仕切壁の下側の開口を通って、上記第4の槽内に入り、脱煙層を排気出口側へ排気されるものである。
【発明の効果】
【0006】
この発明によれば、多様な感染性医療廃棄物をまとめてかつ迅速に処理することができ、排気ガス中の窒素酸化物、硫黄酸化物、塩素水素等が含まれる塵埃を確実に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】この発明に係る感染性廃棄物の処理方法における処理過程を示すフロー図である。
【図2】この発明に係る感染性廃棄物の処理装置を示す正面図であって、主要部分を断面にして示す図である。
【図3】この発明に係る感染性廃棄物の処理装置における熱分解炉を示す一部切欠平面図である。
【図4】図2の右側面図である。
【図5】図2の左側面図である。
【図6】図2のVI−VI線断面図である。
【図7】図2のVII−VII線断面図である。
【図8】この発明に係る感染性廃棄物の処理装置におけるタール除去装置の取付け状態を示す一部切欠正面図である。
【図9】図8のIX−IX線拡大断面図である。
【図10】この発明に係る感染性廃棄物の処理装置における脱臭装置を示す正面図であって、その主要部を断面にして示す図である。
【図11】この発明に係る感染性廃棄物の処理装置における脱臭装置を示す平面図である。
【図12】図10の左側面図であって、その主要部を断面にして示す図である。
【図13】この発明に係る感染性廃棄物の処理装置における脱臭装置内に配置される仕切壁を示す側面図であって、(ア)は第1の仕切壁を、(イ)は第2の仕切壁を、(ウ)は第3の仕切壁を、(エ)は第4の仕切壁をそれぞれ示す図である。
【図14】図13における脱臭装置に使用している多孔板を示す拡大平面図である。
【図15】この発明に係る感染性廃棄物の処理装置における脱煙装置を示す正面図であって、その主要部を断面にして示す図である。
【図16】この発明に係る感染性廃棄物の処理装置における脱煙装置を示す平面図である。
【図17】図15の左側面図である。
【図18】図15のXVIII−XVIII線断面図である。
【図19】図15のXIX−XIX線断面図である。
【図20】図15のXX−XX線断面図である。
【図21】図15における脱煙装置に使用している棚板を示す拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
まず、この発明に係る感染性廃棄物の処理方法について図1を参照して説明する。
感染性廃棄物の処理方法は、熱分解炉Aを用いて感染性廃棄物を炭化処理する炭化処理工程と、炭化処理の工程で排出される排気ガス中に含まれるタールをタール除去装置Bにより取り除くタール除去工程と、上記タールが除去された排気ガスの臭気を脱臭装置Cによって取り除く脱臭工程と、上記臭気が除去された排気ガス中に含まれる塵埃(窒素酸化物、硫黄酸化物、塩素水素等を含む物質)を脱煙装置Dにより取り除く脱煙工程とを備えている。
上記炭化処理工程では、感染性廃棄物を熱分解炉A内に投入して上流側の処理槽(第1の処理槽)から中間の処理槽(第2の処理槽)を経て下流側の処理槽(第3の処理槽)に向けて撹拌粉砕かつ移行しながら加熱処理して熱分解による炭化処理をする。
上記タール除去工程では、排気ファン(排気ブロワ)によって熱分解炉A内で発生した排気ガスを排気口からタール除去装置Bに向けて排出し、このタール除去装置によって排気ガス中のタールを除く。具体的なタール除去方法としては、タール除去装置Bに設けてある例えばフィルタを用いて上記排気ガスに含まれるタールや水蒸気を捕集する。
上記脱臭工程ではタールが除去された上記排気ガス中の臭気を除去する。脱臭方法として、タール除去装置Bに接続されていている脱臭装置Cの脱臭槽内に臭気を含む排気ガスを通過させる過程で、排気ガスに噴射水を噴射する。
上記脱煙工程では、上記臭気が除去された上記排気ガス中に含まれる例えば窒素酸化物等の塵埃を除去する。塵埃は、脱臭装置Cに接続されていている脱煙装置D内の活性炭等を使用している脱煙層を通過する過程で除去される。
【0009】
この発明に係る感染性廃棄物の処理装置について説明する。
感染性廃棄物の処理装置は、図1、図2、図8、図10及び図15に示すように、熱分解炉A、タール除去装置B、脱臭装置C及び脱煙装置Dを備えている。
【0010】
熱分解炉Aについて、図1〜図7を参照して説明する。
熱分解炉Aの本体を構成している熱分解処理槽1は架台フレーム2内に架台(図示せず。)によって保持されている。熱分解処理槽1は筒状に形成されており、その内部が上流側(図1右側)から下流に向けて第1乃至第3の各処理槽3,4,5からなる3槽に仕切られており、各処理槽の上部が逆溝形に突出した排気室6となっている。図6及び図7に示すように、熱分解処理槽1の外側は保温材7によって被覆されている。熱分解処理槽1内は後述する加熱手段である加熱ヒーター8によって所定温度に加熱される。
【0011】
3槽を備えている熱分解処理槽1において、第1の処理槽3は主に感染性廃棄物の前処理としての水除去用であり、第2の処理槽4は主に乾燥用であり、第3の処理槽5は主に炭化用である。すなわち、
図2及び図3の例によれば、熱分解処理槽1において、第1の処理槽3と第2の処理槽4とは第1の仕切壁9によって、第2の処理槽4と第3の処理槽5とは第2の仕切壁10によって、それぞれ仕切られている。第1の処理槽3では、投入口11から投入された感染性廃棄物が破砕され、水分調整による減量が行われる。第2の処理槽4では感染性廃棄物の破砕と共に乾燥処理が主に行われる。第3の処理槽5では、第2の処理槽4で乾燥処理された感染性廃棄物に対する炭化処理が主に行われる。
【0012】
図6に示すように、第1の仕切壁9は上端面9bが水平に切欠かれており、排気室6の天井面との間の距離が広くとられている。第1の仕切壁9には、図6に示すように複数の第1の移送用孔9aが設けられている。各移送用孔9aは、第1の仕切壁9を厚み方向に貫通している貫通孔である。各移送用孔9aは、図6の例では半径の異なる2種類の丸孔からなる。第2の仕切壁10には、図7に示すように丸孔からなる複数の第2の移送用孔10aが設けられている。各移送用孔10aは、第2の仕切壁10を厚み方向に貫通している貫通孔である。
第1、第2及び第3の各処理槽3,4,5は、上述のとおり、互いに排気室6で連なっているが、第1の処理槽3と第2の処理槽4との間は第1の移送用孔9aを通じても連なり、また、第2の処理槽4と第3の処理槽5は第2の移送用孔10aを通じても連なっている。
【0013】
図2及び図3に示す熱分解処理槽1は、その上部に感染性廃棄物の投入口11を、投入口に並んで点検口12,13を設けてあり、側面に取出し口14,15を設けてある。
感染性廃棄物は投入口11から第1の処理槽3内に投入される。投入口は蓋により開閉される。
一方の取出し口14は、熱分解により炭化処理を終えた感染性廃棄物(炭化処理物)を第3の処理槽5外に排出するためのものである(図2)。また、他方の取出し口15は、第1の処理槽3と第2の処理槽4との間に跨って配置してあって、各槽内の感染性廃棄物を槽外に取り出すためのものである。
【0014】
熱分解処理槽1は、投入された感染性廃棄物を第1の処理槽3から第2及び第3の処理槽4,5に向けて回転撹拌しながら移動するための回転撹拌移送手段を備えている。
回転撹拌移送手段は、図2及び図4に示すように、熱分解処理槽1の軸心を貫通している回転軸16と、この回転軸の周囲から突出している複数の撹拌体17(17a,17b,17c,17d,17e,17f,17g,17h,17i)と、上記回転軸を回転させるための駆動源である駆動モータ18とを備えている。
なお、撹拌体に関して、これを総称する場合には符号「17」を、個々を指す場合には符号「17a〜17i」をそれぞれ使用して説明する。
【0015】
図2〜図4において、回転軸16は、その両側端部が熱分解処理槽1の両側に配置されている受架台19に回転可能に軸受けされている。回転軸16の一端側(図2右端側)は第1の処理槽3の外方へ伸ばされて、その先端部側にスプロケット20が取り付けられている。スプロケット20と駆動モータ18のスプロケット21との間にはチェーン22が掛け回されている(図4)。このため、駆動モータ18の駆動力は、スプロケット20,21及びチェーン22を通じて回転軸16へ伝達される。駆動モータ18は正逆回転可能である。
【0016】
各撹拌体17a〜17iは、図2及び図4の例によれば、第1、第2及び第3の各処理槽3,4,5内の回転軸16に取り付けられている。各撹拌体17a〜17iは、第1、第2及び第3の各処理槽3,4,5内に収納されている感染性廃棄物を撹拌破砕しながら、図1右方から左方へ移送する機能を持つ。
図2に示す各撹拌体17に関して述べると、第1の処理槽3内には4つの撹拌体17a,17b,17c,17dが、第2の処理槽4内には3つの撹拌体17e,17f,17gが、第3の処理槽5内にはそれぞれ2つの撹拌体17h,17iが配置されている。
撹拌体17の形状や本数は、各処理槽3,4,5の処理容積、処理能力及び処理する感染性廃棄物の種類等に応じて適宜選択されるものであって、図示する例に限定されない。
【0017】
加熱ヒーター8は、図6及び図7に示す例では図示していない角筒内に配線してある電線で構成されている。上記各図面上、加熱ヒーター8を黒丸で図示してある。
加熱ヒーター8は第1、第2及び第3の各処理槽3,4,5の外側でこれらを囲むように設けられている。このために、加熱ヒーター8から生じる熱は、各処理槽3,4,5内で処理される感染性廃棄物に対してこれらを囲む方向から均等に加熱可能となって、処理槽内の感染性廃棄物の乾燥と炭化の促進とが図られる。図2に示す例では、第1、第2及び第3の各処理槽3,4,5内の温度を250°C〜300°Cに設定されており、最高400°Cまで上げることができる。
加熱ヒーター8は第1、第2及び第3の各処理槽3,4,5の外側面と保温材7との間に配置されている。加熱ヒーター8によって加熱された各処理槽3,4,5内の加熱温度は、各処理槽が保温材7によって覆われているので、一定に維持される。
【0018】
熱分解処理槽1における排気室6であって、第3の処理槽5の真上に対応する位置の側壁の排気口には排気管23の一端が接続されている。排気管23の他端側はタール除去装置B及び排気管24を介して排気ファン(排気ブロワ)25(図2及び図3)に接続されている。排気ファン25は熱分解処理槽1の一端側(図2右端側)の外側の上部に配置され、架台フレーム2上に固定されている。
排気ファン25は、その吸引力によって熱分解処理槽1の各処理槽3,4,5において処理中の感染性廃棄物から排出される排気ガスを排気室6を通じて熱分解処理槽外へ円滑に排出するためのものであり、また、熱分解処理槽内を減圧することによって処理中の感染性廃棄物を燃焼させることなく炭化処理可能にするために機能する。
【0019】
タール除去装置Bについて図2〜図9を参照して説明する。
タール除去装置Bは、図8及び図9に示すように、角筒状のケース26と、ケース内に配置してあるタール除去用フィルタ27とからなる。ケース26は架台フレーム2の上部に上流側(図8左側)を上にし、下流側(右側)を下した傾斜状態に、換言すれば下流側に向けて下り勾配の状態に取り付けられている。ケース26の下流側端部はタール貯留部26aとなっている。タール貯留部26aにはタール取り出し管28が接続されている。
また、フィルタ27は、図9に示すように、平板状の繊維等の吸着材27aと波形板状の繊維等の吸着材27bとを交互に複数積層したものであって、図9紙面に垂直方向に排気ガスが流通可能な通孔27cが形成されている。
図8に示すように、排気管23を通じてケース26の左端側である上流側から内部に流入した排気ガスに含有されているタール及び水蒸気がフィルタ27によって捕集されて、やがて排気ガスが右端側である下流側からケース外へ排気管24を通じて排気ファン25に吸引され、排気管29を通じて脱臭装置Cへ排出される。
フィルタ27に捕集されたタールは経時的にタール貯留部26aに貯留されることになる。貯留されたタールは、タール取り出し管28から熱分解処理槽1外に取り出される。
【0020】
脱臭装置Cについて、図10〜図14を参照して説明する。
脱臭装置Cは、その本体を構成している上側の脱臭槽30と下側の水槽31とが仕切板32によって上下二分されている。
図10〜図12において、脱臭槽30は、上流側(図10右側)から下流側(左側)に向けて複数槽(図10の例では5槽)が並べて配置されている。5槽を形成している脱臭槽30において、第1、第2、第3、第4及び第5の各槽33,34,35,36,37はそれぞれ第1、第2、第3及び第4の仕切壁38,39,40,41によって仕切られている。図13(ア)、(ウ)において、第1の仕切壁38及び第3の仕切壁40の各上部には四角形状の開口38a,40aを開けてある。図13(イ)、(エ)において、第2の仕切壁39及び第4の仕切壁41の各下部には四角形状の開口39a,41aを開けてある。このため、第1及び第2の各槽33,34間は相互に第1の仕切壁38の開口38aによって上部側で連通されている。第2及び第3の各槽34,35間は相互に第2の仕切壁39の開口39aによって下部側で連通されている。第3及び第4の各槽35,36間は相互に第3の仕切壁40の開口40aによって上部側で連通されている。第4及び第5の各槽36,37間は相互に第4の仕切壁41の開口41aによって下部側で連通されている。
脱臭槽30は、図10に示すように、上流側(右側)の側壁下部に排気入口42を、下流側(左側)の側壁上部に排気出口43をそれぞれ設けてある。排気入口42は排気ファン25に通じている排気管29に接続されている(図3)。排気出口43には、脱煙装置Dに通じている排気管44(図10)が接続されている。
各槽33,34,35,36,37内の天井部には噴射ノズル45を配置してある。各噴射ノズル45は、ウォーターポンプ46によって配管47を通じて脱臭用の水が供給される。各槽33,34,35,36,37の底部側には多孔板48を水平状態に設置してある。図14では、多孔板48の孔48aを部分的に表示し、全面に描くことを省略している。
各槽33,34,35,36,37の各噴射ノズル45からの噴射水は多孔板48の各孔48aを通過して仕切板32上に至る。
水槽31内には、仕切板32から複数の導管49を垂直方向に突出状態に取付けてある。各導管49は各槽33,34,35,36,37にそれぞれ対応し、かつ上端が各槽内に向けて開口されている。
このため、各槽33,34,35,36,37の各噴射ノズル45からの噴射水は、導管49を経て水槽31内に流れ落ち、貯留される。
水槽31の外側には、貯留水を排水し、かつオーバーフロー貯留水を排水するための排水管50を設けてある(図10)。
図10及び図13に示すように、排気ガスは排気入口42から脱臭槽30の第1の槽33の下側に入り、多孔板48を通過して上昇して第1の仕切壁38の上部に位置している開口38aを経て第2の槽34の上側に入り、降下して多孔板48を通過して、第2の仕切壁39の下部に位置している開口39aを経て、第3の槽35の下側に入り、多孔板48を通過して上昇して第3の仕切壁40の上部に位置している開口40aを経て第4の槽36の上側に入り、降下して多孔板48を通過して、第4の仕切壁41の下部に位置している開口41aを経て、第5の槽37の下側に入り、多孔板48を通過して上昇して排気出口43から脱煙装置Dへ排出される。
このように、排気ガスは脱臭槽30を波形状に通過し、噴射水によって冷却されながら、臭気が除去されることになる。波形状にすることにより、通過距離を長くして臭気除去効果を高くしている。
【0021】
脱煙装置Dについて、図15〜図21を参照して説明する。
脱煙装置Dは、図15に示すようにその本体が4槽からなる脱煙槽51によって構成されている。脱煙槽51は、上流(図15右側)から下流(左側)に向けて第1、第2、第3及び第4の各槽52,53,54,55が並べて配置されている。
図15及び図16に示すように、4槽を形成している脱煙槽51において、第1、第2、第3及び第4の各槽52,53,54,55はそれぞれ第1、第2及び第3の仕切壁56,57,58によって仕切られている。図18において、第1の仕切壁56の上部には四角形状の開口56aを開けてある。図19において、第2の仕切壁57の下部には四角形状の開口57aを開けてある。図20において、第3の仕切壁58の上下部には四角形状の開口58a,58bをそれぞれ開けてある。
図15及び図16に示すように、第1の槽52は水槽であり、上端部には排気入口導管59を上下方向に取付けてある。排気入口導管59の上端部は第1の槽52の上端部より槽外に突出されている。排気入口導管59には脱臭装置Cに通じている排気管44に接続されている。第1の槽52の側壁の上下には注水口60及び排水口61を取付けてある。
図15及び図18に示す第2の槽53内には吸着層62を設けてある。すなわち、第2の槽53内にはネット状の袋(図示せず。)に入れた吸着用鉱物(例えば泥石等)62aを充填し、この吸着用鉱物が吸着層62を構成している。
第3及び第4の各槽54,55は、図15、図19及び図20に示すように上下方向に複数段の脱煙層63を設けてあり、図示の例では棚板63aと、棚板間に配置している脱煙材(例えば活性炭等)63bとからなる脱煙層を形成してある。各棚板63aは多孔板からなる。図21では、各棚板63aの孔63a1を部分的に表示し、全面に描くことを省略している。
図15に示すように、排気出口導管64は第4の槽55の上端部から起立状態に設けてある。この排気出口導管には図示していないが、大気へ排出するための排気配管が接続されている。
図15において、符号65は点検窓である。符号66は棚板63a及び脱煙材63bを出し入れ可能にするための扉であって、かつ第3及び第4の各槽54,55に取付けられている。
図15に示すように、第1の槽52内へ排気入口導管59を通じて入った排気ガスは内部の貯留水を通って第1の仕切壁56の上側の開口56aから第2の槽53に入り、降下して吸着層62を経て、第2の仕切壁57の下側の開口57aから第3の槽54内に入り、一方の排気ガスは上昇して第3の槽内の脱煙層63を通過して、第3の仕切壁58の上側の開口58aから第4の槽55を経て排気出口導管64に導かれ、他方の排気ガスは第3の槽から第3の仕切壁58の下側の開口58bを経て第4の槽55内に入り、上昇して脱煙層63を通過して排気出口導管64に導かれる。最終的に、排気出口導管64から排気管(図示せず。)を通じて大気へ排出されることになる。
排気ガスは脱煙槽51内においても波形状に流れることになるから、脱煙の効果的な除去が図られる。
【0022】
熱分解炉A(図2)、タール除去装置B(図8)、脱臭装置C(図10)及び脱煙装置D(図15)からなる処理装置を用いて行う感染性廃棄物の処理方法について説明する。
まず、感染性廃棄物の熱分解炉Aの熱分解処理槽1による炭化処理は、回転軸16の撹拌体17を使用して第1から第3までの各処理槽3,4,5内の感染性廃棄物を撹拌しながら移動させることによって行われる。すなわち、
感染性廃棄物を図2右側から左側に前進移動させる。そのために、駆動モータ18を駆動させて、回転軸16を正回転(図6時計方向回転)させると、全ての撹拌体17a〜17iも正転される。感染性廃棄物は、撹拌体17a〜17iの正転により図2右側から左側方向に、換言すれば上流側の処理槽(第1の処理槽3)から下流側の各処理槽(第2及び第3の各処理槽4,5)へ移送される。
第1の処理槽3内における感染性廃棄物は、加熱ヒーター8により加熱されるために水分が蒸発され、水分調整され、減量され、同時に、撹拌体17a〜17dの撹拌によって破砕される。第1の処理槽3内で処理された感染性廃棄物は第1の仕切壁9の第1の移送用孔9aを通じて第2の処理槽4内に少量ずつ移動される。また、第1の処理槽3内には、投入口11から新たな感染性廃棄物が投入されるので、感染性廃棄物は、第1の処理槽3内の容積を越えた分量だけ第1の仕切壁9の上端面9bを越えて第2の処理槽4内へ移送される。
第2の処理槽4内の感染性廃棄物は、加熱ヒーター8により乾燥処理されながら撹拌体17e〜17gにより破砕され、水分調整され、第1の処理槽3内の処理量と比較してより一層減量されると共に、細く破砕乾燥処理される。
第2の処理槽4内で処理された感染性廃棄物は、撹拌体17e〜17gによって第2の仕切壁10に設けてある第2の移送用孔10aより第3の処理槽5へ少量ずつ移送される。同時に、処理された感染性廃棄物は、第2の処理槽4内の容積を越えた場合には、越えた分量だけ第2の仕切壁10を越えて第3の処理槽5へ移送される。
第3の処理槽5内の感染性廃棄物は、加熱ヒーター8により加熱されながら撹拌体17h,17iによって破砕され、水分調整され、第1の処理槽3内の処理量と比較してより一層減量されると共に、細く破砕乾燥されると共に、炭化処理される。
第3の処理槽5内で処理された感染性廃棄物の炭化処理物を取出し口14から取り出す。
【0023】
図1及び図8において、熱分解処理槽1内での感染性廃棄物の処理の過程で排出される排気ガスは、排気室6から排気管23を流れてタール除去装置Bのケース26内に導かれて、フィルタ27によってタール及び水蒸気が吸着される。図2及び図10に示すように、タール等が除去された排気ガスは排気管24,29を経て排気入口42から脱臭槽30に入る。
排気ガスは脱臭槽30の第1乃至第5の各槽33〜37内を波形状(ジクザグ状)に通過して臭気が取り除かれた状態になって排気出口43から脱煙装置Dへ排出される。排気ガスが第1乃至第5の各槽33〜37を通過する過程では、第1乃至第5の各槽の噴射ノズル45から噴射される噴射水が、排気ガスを冷却すると共に、この排気ガス中に含まれる臭気を取り込む。
臭気が除去された排気ガスは、排気管44(図10)を通じて図15に示す排気入口導管59から脱煙装置D内へ排出される。この排気ガスは、脱煙槽51の第1乃至第4の各槽52〜55内を波形状に通過して、脱煙された状態になって排気出口導管64から脱煙装置D外の大気に排出される。排気ガスに含有されている窒素酸化物、硫黄酸化物、塩素水素等を含む塵埃は、第1の槽52内の貯留水を通ることによって除かれ、また第2の槽53では吸着層62を通過することによって吸着除去され、第3及び第4の槽54,55では脱煙層63を通過することによって除去され、滅菌、無臭及び脱煙状態となって、大気に排出される。
【0024】
熱分解処理槽1における感染性廃棄物の処理において、乾燥粉砕処理及び炭化処理を確実かつ効率的なものにするために、駆動モータ18を正回転、回転停止及び逆回転を繰り返し行う。
駆動モータ18を逆回転させた場合には、回転軸16が図6反時計方向に回転(逆転)されるから、撹拌体17a〜17iはすべて逆転される。処理中の感染性廃棄物は、撹拌体17a〜17iの逆転によって、図2左側から右側方向に換言すれば、下流側から上流側に逆送される。ただし、逆送が行われる範囲はそれぞれの各処理槽3,4,5内であることが望ましい。
排気ファン25によって熱分解処理槽1内は減圧されているから、加熱ヒーター8の加熱によっても、燃焼されることなく熱分解による炭化が促進される。熱分解処理槽1内の温度はその容積等によってことなるが、図示の例では、約250°C〜300°Cの範囲に保つのが良い。
感染性廃棄物の投入から炭化処理までの処理時間を約6時間乃至8時間として、処理の迅速化を図る。
【0025】
図2に示す熱分解処理槽1の処理槽の数は3槽に限定されず、3槽以上でも良く、そして図10に示す脱臭槽30の槽数は5槽に限定されず、さらに図15に示す脱煙槽51における第3及び第4の槽54,55は何れかどちらか設ければ良い。多孔板48及び棚板63aはパンチングプレートに限られず、メッシュ状のものであっても良い。
【符号の説明】
【0026】
A 熱分解炉
B タール除去装置
C 脱臭装置
D 脱煙装置
1 熱分解処理槽
2 架台フレーム
3 第1の処理槽
4 第2の処理槽
5 第3の処理槽
6 排気室
7 保温材
8 加熱ヒーター
9 第1の仕切壁
10 第2の仕切壁
11 感染性廃棄物の投入口
14 炭化処理物の取出し口
16 回転軸(回転撹拌移送手段)
17 撹拌体(回転撹拌移送手段)
17a,17b,17c,17d 撹拌体(回転撹拌移送手段)
17e,17f,17g 撹拌体(回転撹拌移送手段)
17h,17i 撹拌体(回転撹拌移送手段)
18 駆動モータ(駆動源)
23,24,29,44 排気管
25 排気ファン
26 ケース
26a タール貯留部
27 フィルタ
28 タール取り出し管
30 脱臭槽
31 水槽
32 仕切板
33 第1の槽
34 第2の槽
35 第3の槽
36 第4の槽
37 第5の槽
38 第1の仕切壁
39 第2の仕切壁
40 第3の仕切壁
41 第4の仕切壁
38a,39a,40a,41a 開口
45 噴射ノズル
48 多孔板
49 導管
51 脱煙槽
52 第1の槽
53 第2の槽
54 第3の槽
55 第4の槽
56 第1の仕切壁
57 第2の仕切壁
58 第3の仕切壁
56a,57a,58a,58b 開口
59 排気入口導管
62 吸着層
63 脱煙層
63a 棚板
63b 脱煙材
64 排気出口導管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感染性廃棄物を熱分解炉内の上流側の処理槽から下流側の処理槽に向けて撹拌移行しながら加熱処理して熱分解による炭化処理する炭化処理工程と、
上記熱分解炉の排気口から排出される排気ガス中のタールをタール除去装置によって除くタール除去工程と、
タールが除去された上記排気ガス中の臭気を脱臭装置によって除く脱臭工程と、
上記臭気が除去された上記排気ガス中に含まれる塵埃を脱煙装置によって除去する脱煙工程と
を備えていることを特徴とする感染性廃棄物の処理方法。
【請求項2】
タール除去はタール除去装置に設けてあるフィルタを使用し、臭気除去は脱臭装置内の噴射水が噴射されている脱臭槽の複数の槽内を通過する過程で上記噴射水によって除去されるものであり、塵埃は脱煙装置内の脱煙槽を通過する過程で除去されるものであることを特徴とする請求項1記載の感染性廃棄物の処理方法。
【請求項3】
感染性廃棄物を炭化処理する熱分解炉、この熱分解炉から排出される排気ガス中のタールを除去するタール除去装置、上記タールが除去された排気ガスの臭気を除く脱臭装置及び上記排気ガス中に含まれる塵埃を除去する脱煙装置を備えており、
上記熱分解炉は、投入口から投入された感染性廃棄物を上流側から下流側に向けて順次処理する少なくとも第1の処理槽、第2の処理槽及び第3の処理槽を設けてある熱分解処理槽と、この熱分解処理槽の各処理槽内の感染性廃棄物を加熱する加熱手段と、この加熱手段によって加熱された感染性廃棄物を撹拌しながら上記上流側の処理槽から下側の処理槽まで移動させるための回転軸、この回転軸に取付けてある撹拌体及び上記回転軸を駆動させるための駆動源と、上記熱分解処理槽の上部に設けてある排気室とを有しており、
上記タール除去装置は、上記熱分解炉の排気口に接続されていると共に、排気ガスが通過可能であるタール除去用のフィルタを配置してあり、
上記脱臭装置は脱臭槽を備え、この脱臭槽には上流側から下流側に向けて並べて複数の槽を配置してあり、各槽内には噴射水が通過する排気ガスに向けて噴射可能であり、
上記脱煙装置はその本体を脱煙槽で構成し、この脱煙槽には上流側から下流側に向けて並べて複数の槽を配置してあり、これらの槽のうち排気ガスが浸入可能な水槽及び脱煙層を収納してある槽を含む
ことを特徴とする感染性廃棄物の処理装置。
【請求項4】
タール除去装置は、タール除去用のフィルタを収納してある筒状のケースを備えており、このケースの下流側端部にタール貯留部を設けてあることを特徴とする請求項3記載の感染性廃棄物の処理装置。
【請求項5】
脱臭装置の脱臭槽における各槽の仕切壁には開口が開けてあり、隣接する槽の仕切壁の相互の開口の位置関係は一方が上側であれば、他方が下側であって、通過する排気ガスが波形状に上記各槽を通過することができるものであることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の感染性廃棄物の処理装置。
【請求項6】
脱臭装置の脱臭槽は上側に設置され、下側に設置されている水槽と共に本体を構成していると共に、上記水槽とは仕切板によって上下に仕切られており、上記脱臭槽の各槽内の底部側に多孔板が水平状態に取付けてあり、上記仕切板には水槽内へ噴射水を流すための導管を取付けてあることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の感染性廃棄物の処理装置。
【請求項7】
脱煙装置の脱煙槽は少なくとも3槽からなり、排気入口側の第1の槽が水槽であり、第2の槽が吸着層を設けてあり、第3の槽が脱煙層を設けてあり、排気入口から入った排気ガスは第1の槽の貯留水を通過して、第2の槽の吸着層を経て、第3の槽の脱煙層を通って、排気出口側へ排気されることを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の感染性廃棄物の処理装置。
【請求項8】
脱煙装置の脱煙槽は少なくとも4槽からなり、排気入口側の第1の槽が水槽であり、この第2の槽内に吸着層を設けてあり、第3及び第4の各槽には脱煙層を設けてあり、上記第1の槽と第2の槽との間の第1の仕切壁には上側に開口を開けてあり、上記第2の槽と第3の槽との間の第2の仕切壁には下側に開口を開けてあり、上記第3の槽と第4の槽との間の第3の仕切壁には上下両側に開口を開けてあり、排気入口から入った排気ガスは第1の槽の貯留水を通過して、上記第1の仕切壁の開口を通って上記第2の槽内に入り、吸着層を経て、上記第2の仕切壁の開口を通って上記第3の槽内に入り、一方で上記第3の槽内の脱煙層を経て上記第3の仕切壁の上側の開口を通って、排気出口側へ排気され、他方で上記第3の仕切壁の下側の開口を通って、上記第4の槽内に入り、脱煙層を排気出口側へ排気されることを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の感染性廃棄物の処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−96186(P2012−96186A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247057(P2010−247057)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(593100488)
【出願人】(510292548)
【Fターム(参考)】