説明

慢性疼痛の治療または予防のためのV3アンタゴニスト

本発明は、慢性疼痛、特に神経因性疼痛の治療における使用のためのVアンタゴニストに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は慢性疼痛の治療方法に関する。より詳しくは、本発明は、慢性疼痛の治療における使用のためのバソプレッシン3型(VまたはV1b)アンタゴニストに関する。本発明は更に、Vアンタゴニストの新規医薬的使用に関する。
【背景技術】
【0002】
急性疼痛と慢性疼痛とは、それらの病因、病態生理、診断および治療において異なる。急性疼痛は組織損傷後に生じ、自己限定的であり、進行中の組織損傷に対する警報として働き、組織修復後、それは通常、鎮静化する。軽度の不安以外には、急性疼痛に伴う精神学的症状は最低限度である。急性疼痛は事実上、侵害受容性であり、A−デルタおよびC−多種疼痛受容体の化学的、機械的および熱的刺激の後に生じる。
【0003】
一方、慢性疼痛は防御的な生物学的機能を果たさない。それは組織損傷の症状ではなく、それ自体が疾患である。慢性疼痛はなかなか治まらず、自己限定的ではなく、初期損傷後数年間、おそらくは数十年間持続することがある。慢性疼痛は複数の治療法に対して抵抗性でありうる。慢性疼痛に関連した精神学的症状には、慢性不安、恐怖、うつ状態、不眠および社会的相互作用の障害が含まれる。慢性非悪性疼痛は事実上、主として神経障害性であり、末梢または中枢神経系に対する損傷を伴う。
【0004】
急性疼痛および慢性疼痛は、異なる神経生理学的過程により引き起こされ、したがって異なるタイプの治療に応答する傾向にある。急性疼痛は事実上、体性または内臓性である。体性疼痛は、十分に局在化した持続的疼痛である傾向にあり、鋭い、うずく、脈打つような、または絶えず刺すような、と表現される。一方、内臓疼痛は、分布が曖昧であり、事実上、発作性であり、通常、事実上、深い、うずく、締めつけるような、または疝痛と表現される。急性疼痛の例には、術後疼痛、外傷に伴う疼痛、および関節炎の疼痛が含まれる。急性疼痛は通常、オピオイドまたは非ステロイド抗炎症薬での治療に応答性である。
【0005】
急性疼痛とは対照的に、慢性疼痛は事実上、焼けるような、ぴりぴりする、ひりひりする、およびずきずきする、と表現される。それは発現において連続的または発作性でありうる。慢性疼痛の特徴は慢性異疼痛および痛覚過敏である。異疼痛は、軽い接触のような通常は疼痛応答を引き起こさない刺激から生じる疼痛である。
【0006】
痛覚過敏は、通常は疼痛性である刺激に対する感受性の亢進である。一次痛覚過敏は、損傷に直に接した領域内で生じる。二次痛覚過敏は、損傷の周囲の非損傷領域内で生じる。慢性疼痛の例には、複合局所疼痛症候群、末梢性ニューロパシー、機械的神経損傷、ならびに癌、代謝性疾患、神経向性ウイルス疾患、神経毒性および多発性硬化症のような疾患に関連した重度疼痛が含まれる。慢性疼痛は、オピオイド薬物での治療に部分的にしか応答しない傾向にある。
【0007】
オピオイドは安価かつ有効であるが、その使用に伴い、重度で生命を脅かしうる副作用、最も注目すべきは呼吸抑制および筋強剛が生じる。また、投与されうるオピオイドの用量は悪心、嘔吐、便秘、かゆみ、および尿閉により制限され、しばしば、患者は、これらの苦しい副作用を被る代わりに、最適ではない疼痛抑制を受けることを選択することとなる。さらに、これらの副作用のため、患者は、しばしば、入院の延長を要することとなる。オピオイドは高嗜癖性であり、多数の国・地域においては規制薬物である。
【0008】
したがって、疼痛の処置、特に慢性疼痛の治療のための新規治療方法を見出すための努力が続けられている。さらに、安全かつ有効な疼痛処置の治療法が必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
本発明は慢性疼痛の新規治療方法を提供する。より詳しくは、本発明は、慢性疼痛の治療における使用のためのバソプレッシン3型(VまたはV1b)アンタゴニストを提供する。したがって、本発明は、慢性疼痛の治療方法であって、それを要する対象に、医薬上有効な量のVアンタゴニストを投与することを含む方法を提供する。
【0010】
下垂体皮質親和性におけるアルギニンバソプレッシン(AVP)の作用はバソプレッシン3型(VまたはV1b)受容体により媒介され、該受容体は公知であり既にクローニングされている(ヒト受容体:Sugimotoら,J.Biol.Chem.,1994,269,27088−27092)。バソプレッシンは、V受容体に加えて、他のバソプレッシン受容体、すなわち、脳において並びに肝臓および血管組織において見出されるV1a受容体、ならびに主として腎臓組織において見出されるV受容体をも活性化する。これらの受容体における相互作用はAVPの昇圧および抗利尿作用をもたらす。
【0011】
受容体アンタゴニストおよびそれらの用途は当技術分野で公知である。例えば、US 2003114683は、ある1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン誘導体、例えば、ストレス、不安、うつ、強迫性障害、パニック発作、精神病的状態および記憶障害のようなCNS障害の治療において有用であることが示されているSSR149415に関するものである。より最近になって、WO 2006/095014は、HPAアクシスの活性のモジュレーションにより影響される障害または疾患(例えば、うつ病)の治療または予防に有用であることが示されている一連の2(4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)アセトアミド誘導体を開示している。
【0012】
データベースWPI,Derwent Publications Ltd.,Class 065,第1頁,AN 2006−5029261 XP002416515は、SSR 149415がモルヒネの鎮痛活性に対する耐性の発生を抑制することを示している。しかし、本発明において見出されたように急性疼痛の治療においてほとんど又は全く効果を示さない一方で慢性疼痛の治療においてSSR 149415自体が有効であるという可能性の示唆は存在しない。裏づけとなる実験データは記載されていないが、US 2003114683は、それにおいて開示されているVアンタゴニストが、疼痛全般および痛覚障害の治療を含む或る範囲の障害において有用であることを示している。しかし、同様に、本発明において見出されたように急性疼痛に対する効果をほとんど又は全く示さない一方で慢性疼痛の治療においてVアンタゴニストが特に有効でありうるという可能性はUS 2003114683には示唆されていない。
【0013】
本発明の1つの実施形態は、慢性疼痛の治療または予防のための医薬の製造のための、式I:
【0014】
【化1】

[式中、
はC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルC1−2アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルであり、該C1−6アルキル、C3−6シクロアルキルおよびC3−6シクロアルキルC1−2アルキルは1以上のハロゲンで置換されていてもよい;
は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルキルオキシおよびC3−6シクロアルキルオキシから選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC6−10アリールであり、該C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルキルオキシおよびC3−6シクロアルキルオキシは1以上のハロゲンで置換されていてもよい;あるいはRは、メチル、C1−6アルキルオキシおよびハロゲンから選ばれる置換基で置換されていてもよい、N、O、Sから選ばれるヘテロ原子を含む5〜10員ヘテロアリール環系である;
は、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシおよびハロゲンから選ばれる任意の置換基であり、該C1−6アルキルおよびC1−6アルキルオキシは1以上のハロゲンで置換されていてもよい;
は、キナゾリノン環の6位または7位に位置する基であり、
【0015】
【化2】

から選ばれ、各Rは、独立して、HまたはC1−6アルキルであり、あるいはRの1つはRまたはRの1つと一緒になって4〜7員複素環を形成している;
およびRは、独立して、H、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルC1−2アルキル、C6−10アリールまたはC6−10アリールC1−2アルキルである;あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、O、SおよびNR10から選ばれるもう1つのヘテロ原子部分を含んでいてもよい4〜8員飽和または不飽和複素環を形成しており、該複素環は、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、シアノおよびCOOR11から選ばれる1個または2個の置換基で置換されていてもよく、該複素環は2つの隣接炭素原子においてフェニル環に縮合していてもよい;あるいはRおよびRの1つは、Rの1つと一緒になって、4〜7員複素環を形成している;あるいはRおよびRの1つは、Rの1つと一緒になって、5〜6員複素環を形成している;
は、H、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシおよびハロゲンから選ばれる1個または2個の置換基であるか、あるいはRは、RおよびRの1つと一緒になって、5〜6員複素環を形成している;あるいはRの1つは、Rと一緒になって、5〜6員環を形成している;
はHまたはC1−6アルキルであるか、Rは、Rの1つと一緒になって、5〜6員環を形成している;
10はH、C1−6アルキルまたはC1−6アシルである;
11はHまたはC1−6アルキルである;
mは2〜4である;
nは1〜3である;
XはCH、O、S、SOまたはNR12である;
12はH、C1−6アルキル、C1−6アシルまたはC6−10アリールC1−2アルキル基であり、該C6−10アリールC1−2アルキル基はメチルまたはメトキシで置換されていてもよい;
YはCH、(CHまたは(CHである;
Q、T、VおよびWはCまたはNであり、ただし、Q、T、VおよびWの1つはNであり、その他はCである;
Q’、T’およびV’はC、O、NおよびSから選ばれ、ただし、Q’、T’およびV’の1つはO、NまたはSであり、その他はCである。]
を有するV受容体アンタゴニストまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物である。
【0016】
本明細書中で用いるC1−6アルキルなる語は、1〜6個の炭素原子を有する分枝または非分枝アルキル基を表す。そのような基の具体例としては、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、ペンチルおよびヘキシルが挙げられる。
【0017】
本明細書中で用いるC2−6アルケニルなる語は、2〜6個の炭素原子および少なくとも1つの二重結合を有する分枝または非分枝アルケニル基を表す。そのような基の具体例としては、エテニルおよび3−メチルブチニルが挙げられる。
【0018】
本明細書中で用いるC2−6アルキニルなる語は、2〜6個の炭素原子および少なくとも1つの三重結合を有する分枝または非分枝アルケニル基を表す。そのような基の具体例としては、エチニルおよび3−メチルブチニルが挙げられる。
【0019】
本明細書中で用いるC3−6シクロアルキルなる語は、3〜6個の炭素原子を有する分枝または非分枝環状アルキル基を表す。そのような基の具体例としては、シクロプロピル、シクロペンチルおよび2−メチルシクロペンチルが挙げられる。
【0020】
本明細書中で用いるC3−6シクロアルキルC1−2アルキル基なる語は、C3−6シクロアルキル基で置換されたC1−2アルキル基を表す。そのような基の具体例としては、シクロプロピルメチルおよび2−シクロブチルエチルが挙げられる。
【0021】
本明細書中で用いるC1−6アルキルオキシなる語は、1〜6個の炭素原子を有する分枝または非分枝アルコキシ基を表す。そのような基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシおよびtert−ブチルオキシが挙げられる。
【0022】
本明細書中で用いるC3−6シクロアルキルオキシなる語は、3〜6個の炭素原子を有する分枝または非分枝環状アルキルオキシ基を表す。そのような基の具体例としては、シクロプロピルオキシ、シクロペンチルオキシおよび2−メチルシクロペンチルオキシが挙げられる。同様に、C4−6シクロアルキルオキシなる語は、4〜6個の炭素原子を有する分枝または非分枝環状アルキルオキシ基を表す。
【0023】
本明細書中で用いるC1−6アシルなる語は、1〜6個の炭素原子を有するカルボン酸に由来するアシル基を表す。該アシル基は、分枝状、非分枝状、飽和または不飽和でありうる炭化水素を含みうる。そのような基の具体例には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、アクリロイルおよびピバロイルが含まれる。また、マロン酸に由来する基のようなジカルボン酸に由来する基もC1−6アシルの定義に含まれる。
【0024】
本明細書中で用いるC6−10アリールなる語は、6〜10個の炭素原子を有する芳香族基を表す。そのような基の具体例には、フェニルおよびナフチルが含まれる。
【0025】
本明細書中で用いるC6−10アリールC1−2アルキルなる語は、C6−10アリール基で置換されたC1−2アルキル基を表す。そのような基の具体例には、ベンジルおよびフェネチルが含まれる。
【0026】
本明細書中で用いるハロゲンなる語はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表す。
【0027】
本明細書中で用いる、N、OおよびSから選ばれるヘテロ原子を含む5〜10員ヘテロアリール環系なる語は、N、OおよびSから選ばれるヘテロ原子を含む単環式または縮合二環式5〜10員ヘテロアリール環系を表す。そのような基の具体例には、フラニル、チエニル、ピロリル、ピリジニル、インドリル、ベンゾチエニルおよびキノリニルが含まれる。
【0028】
およびRが、それらが結合している窒素と一緒になって形成しており、O、SおよびNR10から選ばれるもう1つのヘテロ原子部分を含んでいてもよい4〜8員飽和または不飽和複素環(ここで、R、RおよびR10は、本明細書中で用いられる前記で定義されている意義を有する)の具体例には、ピペリジン、ホモピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、4−メチルピペラジン、テトラヒドロピリジンおよび4−メチルホモピペラジンが含まれる。
【0029】
式Iを有する本発明のこの実施形態のVアンタゴニストの製造方法はWO 2006/095014に記載されている。
【0030】
また、本発明は、その範囲内に、例えば立体配置異性または幾何異性により生じる、本明細書に記載されているVアンタゴニストの全ての立体異性体を含む。そのような立体異性体は、エンナチオマー、ジアステレオマー、シスおよびトランス異性体などである。例えば、Rが2−メチルブチルである場合、該化合物はエナンチオマーのペアとして存在する。Rがアルケン断片を含む場合、該化合物の(Z)および(E)立体異性体の両方が考えられうる。式Iの化合物またはその塩もしくは溶媒和物の個々のエナンチオマーの場合、本発明は、その他のエナンチオマーを実質的に含有しない前記立体異性体の使用、すなわち、5%未満、好ましくは2%未満、特に1%未満のその他のエナンチオマーを伴う前記立体異性体の使用を含む。任意の比率の立体異性体の混合物、例えば、実質的に等しい量の2つのエナンチオマーを含むラセミ混合物も、本発明の範囲内に含まれる。
【0031】
本発明のもう1つの実施形態は、
(2S,4R)−1−[5−クロロ−1−(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−ヒドロキシ−N,N−ジメチル−2−ピロリジンカルボキサミド;
2−[2−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−4−オキソ−6−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド;
N−イソプロピル−2−[2−(3−メトキシフェニル)−4−オキソ−6−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)−4H−キナゾリン−3−イル]アセトアミド;
2−[2−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−オキソ−6−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド;
2−[2−(3−クロロフェニル)−6−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)プロポキシ]−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド;
2−[2−(3−クロロフェニル)−4−オキソ−6−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド;
(S)−(+)−2−[2−(3−クロロフェニル)−6−(2−メチル−3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド;
2−[6−(5−ジメチルアミノメチル−2−フルオロフェニル)−2−(3−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド;
2−[6−(3−ジメチルアミノメチルフェニル)−2−(3−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド;
N−tert−ブチル−2−[2−(3−クロロフェニル)−4−オキソ−6−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−4H−キナゾリン−3−イル]アセトアミドおよび
2−[6−(3−ジメチルアミノメチルフェニル)−2−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
またはそれらの医薬上許容される塩もしくは溶媒和物から選ばれる、慢性疼痛の治療において使用するためのV受容体アンタゴニストである。
【0032】
もう1つの実施形態は、複合局所疼痛症候群、末梢ニューロパシーから生じる疼痛、術後疼痛、慢性疲労症候群疼痛、緊張型頭痛、機械的神経損傷から生じる疼痛、ならびに癌、代謝性疾患、神経向性ウイルス疾患、神経毒性、炎症、多発性硬化症のような疾患に関連した重度疼痛、あるいはストレスもしくは抑うつ性疾患の結果として生じる又はそれらに関連したいずれかの疼痛である慢性疼痛の治療において使用するためのV受容体アンタゴニストである。もう1つの実施形態は、神経因性疼痛である慢性疼痛の治療または予防のための医薬の製造のための、Vアンタゴニストの使用である。
【0033】
本発明において特許請求され本明細書に記載されている使用のための医薬組成物は、薬学分野における標準的な技術に従い製造された。該化合物は、0.001〜50mg/kg体重の投与量、好ましくは0.01〜20mg/kg体重の投与量でヒトに使用されることが可能であり、この場合、最適投与量は、投与経路、所望の作用持続時間、製剤化のタイプ(持続的放出対即時放出)、患者のタイプ、要求される化合物のタイプ、該化合物の効力および治療を受ける者の他の身体的特徴、例えば他の疾患の同時罹患率、肝代謝能などのような要因に従い決定されうる。
【0034】
受容体拮抗性、およびそのような生物学的効果の決定方法は、Gプロテイン共役受容体の生化学における公知技術に従い決定されうる。具体的な方法は後記実施例に記載されており、それに基づいて、V受容体アンタゴニストなる語の意味を明らかにするために少なくとも6.0、または好ましくは6.5、または更に好ましくは7.0の基準pKi値が導かれうる。さらに、このようにしてV受容体アンタゴニストが特定されうる。
【0035】
慢性疼痛の診断基準に関しては、DSM IV改訂版が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1a】図1aは、ラットにおけるニューロパシー誘発性機械的異疼痛に対する化合物1の急性経口投与の効果を示す。
【図1b】図1bは、ラットにおけるニューロパシー誘発性機械的異疼痛に対する化合物2の急性経口投与の効果を示す。
【図1c】図1cは、ラットにおけるニューロパシー誘発性機械的異疼痛に対する化合物3の急性経口投与の効果を示す。
【図2】図2は、ラットにおけるCFA誘発性機械的痛覚過敏に対する化合物2の急性経口投与の効果を示す。
【0037】
本発明は、以下の実施例により、さらに詳しく例示されるが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0038】
受容体拮抗性の決定
ヒトV受容体を安定に発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を試験化合物(10−10mol.L−1〜10−5mol.L−1の最終アッセイ濃度)および[H]AVP(2.5×10−9mol.L−1の最終アッセイ濃度)と共に平衡になるまでインキュベートした。全体を通じて、ジメチルスルホキシド(DMSO)の濃度は0.1%(v/w)を超えなかった。氷冷リン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄した後、シンチレーション流体を加え、Topcount NXT装置でプレートを計数した。[H]AVPの特異的結合率に対する試験化合物の濃度(mol.L−1)として、S字状用量反応曲線(非線形回帰、可変勾配)がプロットされ、K値を計算した。各決定は3回重複して行い、少なくとも3つの別々の場合に反復した。
【0039】
生理的に適切な系においてVアンタゴニストとして作用する本発明の化合物の能力を、アルギニンバソプレッシン(AVP)での治療に応答した下垂体前葉副腎皮質刺激ホルモン産生細胞からの副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の放出を遮断するそれらの能力を測定することにより決定した。下垂体前葉副腎皮質刺激ホルモン産生細胞を成体雌Sprague−Dawleyラットから調製し、48ウェルプレート内に播いた。該細胞を、化合物にさらす前に4日間培養した。100% DMSO中、10−5mol.L−1で試験化合物を調製した。細胞を試験化合物の用量反応に20分間さらした(10−8mol.L−1〜10−5mol.L−1)。アッセイにおけるDMSOの最終濃度を0.3%に維持した。ついで該細胞を3×10−9mol.L−1 AVPに120分間さらした。上清を集め、−20℃で保存した。ついで製造業者(Immunodiagnostic systems,UK(Cat No.DX−SDX018))の説明に従いELISAによりACTHレベルを測定した。各処理を4回重複して行い、放出されたACTHの量に関する平均値を得た。ついでACTHの基底レベルに関する補正の後、アゴニストのみにより放出されたACTHの量に対する百分率として拮抗性の度合を計算した。ソフトウェアパッケージGraphPad prismを使用して、データに非線形(フィット)でS字状用量反応(可変勾配)曲線をフィットさせることにより、pIC50を計算した。各決定は少なくとも3つの別々の場合に反復した。
【実施例2】
【0040】
神経因性疼痛のラット(Chung)モデルにおける選択的V受容体アンタゴニストの評価
このモデルにおいては、左L5脊髄神経の堅い結さつにより機械的異疼痛が誘発される。このアッセイは、神経因性疼痛(ニューロパシー疼痛)の治療において臨床で使用されている抗痙攣薬(ガバペンチン)、抗うつ薬(デュロキセチン)およびオピオイド鎮痛薬(モルヒネ)の抗異疼痛効果を示すために成功裏に用いられている。
【0041】
雄Wistarラット(手術時に体重150〜175g)を研究において使用した。ラットをパースペックス箱内の一段高く(〜40cm)なったメッシュ床上に配置し、次第に増強する力(2.6〜167mN)のフィラメントを使用して、機械的刺激(校正されたフォン・フライ・フィラメント)に対するラットの逃避閾値を測定した。脚の足底表面にフォン・フライ・フィラメントを適用し、上げ下げ法を用いて閾値応答を決定した。脚が急激に引っ込められた場合、陽性応答が認められた。試験の上限として、15gのカットオフを選択した。ベースライン測定の後、各動物を麻酔し、L5脊髄神経を堅く結さつした。動物を少なくとも3日間にわたって手術から回復させた。薬物投与の日に、脚逃避(脚引っ込め)閾値を再測定した(0分)。この読取りの直後、該ラットにビヒクルまたは試験化合物を経口投与した。ついで、化合物投与後30、60、120、180および240分の間隔で読取りを行った。
【0042】
データを平均±s.e.m.として表した。最大用量群における各動物に関する最大効果の時間を決定し、これらの値を平均して、最大効果の平均時間を算出した。分析目的のために、最大効果の時間tmaxを、この平均値に最も近い時点と定義した。ノンパラメトリック統計検定であるKruskal−Wallis一元配置分散分析を用いて、tmaxにおけるデータを群間で比較した。ついでノンパラメトリックDunn検定を用いて、処理群のそれぞれをビヒクル群と比較した。それぞれ最低および最高に関して0および15g(カットオフ)の定数で非線形回帰(S字状用量反応;可変勾配)を用いて(XLFitソフトウェア)、tmaxにおけるED50(異疼痛が50%逆転する用量)値も計算した。
【0043】
3つのVアンタゴニストを実験において使用した:
化合物1、すなわち、2−[6−(3−ジメチルアミノメチルフェニル)−2−(3−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド;
化合物2、すなわち、2−[3−(3−クロロフェニル)−4−オキソ−6−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミドおよび
化合物3、すなわち、(2S,4R)−1−[5−クロロ−1−(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−ヒドロキシ−N,N−ジメチル−2−ピロリジンカルボキサミド、すなわち、SSR149415。
【0044】
これらの化合物、すなわち、化合物1(5.6、18.6または55.6μmol/kg)、化合物2(5.3、17.3または52.6μmol/kg)または化合物3(3、10または30μmol/kg)のラットにおける経口投与は機械的異疼痛を用量依存的に逆転させた(表1;それぞれ図1a、b、c)。化合物1の最大抗異疼痛効果は、薬物投与後、化合物1では120分(図1a)、化合物2では30分(図1b)、そして化合物3では180分(図1c)に観察された。最大効果における算出ED50値は、化合物1では21.2μmol/kg p.o.、化合物2では21.0μmol/kg、そして化合物3では10.6μmol/kgであった。
【0045】
これらのデータは、V受容体アンタゴニストが、慢性疼痛の一形態である神経因性疼痛のラットモデルにおいて強力な経口抗異疼痛活性を有することを示している。
【0046】
【表1】

【実施例3】
【0047】
炎症性疼痛のラットモデルにおける機械的痛覚過敏に関するV受容体アンタゴニスト化合物2の評価
このモデルにおいては、後脚への完全フロイントアジュバント(CFA)の皮下注射により炎症が誘発される。それに関連した機械的痛覚過敏を、脚の機械的圧迫に対する脚逃避閾値(PWT)を測定することにより定量する。このアッセイは、慢性炎症性疼痛の治療において臨床で使用されている非ステロイド抗炎症薬(インドメタシン)およびシクロオキシゲナーゼ−2インヒビター(セレコキシブ)の抗痛覚過敏効果を示すために成功裏に用いられている。
【0048】
実験は雄Wistarラット(体重130〜180g)において行った。簡潔に説明すると、Randall−Sellito装置(Ugo Basile)を使用して、後脚の機械的圧迫に対するラットの脚逃避閾値(PWT)を測定した(ベースライン測定)。脚に対する組織損傷を最小にするために、200gのカットオフを用いた。ついで動物を、左後脚の足底表面へ皮下(s.c.)注射されたイソフルラン(1〜3%)およびCFA(0.1ml.脚−1)で軽く麻酔した。ついで該動物をそれらの檻に戻し、炎症を進行させた。
【0049】
CFA注射の7日後、PWTを再測定し(0分)、この測定の直後、ビヒクルまたは化合物2(3〜30mg/kg)をラットに経口投与した。ついで薬物投与後の30分および2時間の時点で測定を行った。
【0050】
データを平均±s.e.m.としてプロットし、ノンパラメトリック統計検定であるKruskal−Wallis一元配置分散分析を用いて群間で比較した。この検定で統計的有意性(P<0.05)が観察された場合、ノンパラメトリックDunn検定を用いてビヒクル群および各処理群を比較した。最大効果時(tmax)における機械的痛覚過敏の低下率を計算する。
痛覚過敏の低下率(%)=(化合物投与後PWT−CFA投与後PWT)/(ベースラインPWT−CFA投与後PWT)×100。
【0051】
化合物2(5.7、18.9または56.6μmol/kg)の経口投与は、CFAにより誘発された機械的痛覚過敏を用量依存的に逆転させた(表2;図2)。最大抗疼痛効果は薬物投与後の30分の時点で観察された(図2)。最大効果における算出ED50値は19.2μmol/kg p.o.であった。
【0052】
これらのデータは、V受容体アンタゴニスト化合物2が慢性炎症性疼痛のラットモデルにおいて強力な経口抗疼痛活性を有することを示している。
【0053】
【表2】

【実施例4】
【0054】
マウス尾振りアッセイを用いる急性熱疼痛におけるV受容体アンタゴニストの評価
マウスにおける試験化合物の抗痛覚活性を評価するために、尾振り(tail flick)試験を用いる。動物を尾振り装置内に配置し、それらの尾を放射熱の集束ビームにさらした。該マウスは、熱源から離れるようにそれらの尾を振ることにより、有害な熱刺激に反応する。これらの反応が生じるのに要した時間(潜伏時間;秒)を測定する。このアッセイは、中等度の疼痛の治療のために臨床で使用されているオピオイド(モルヒネ、フェンタニル)およびアドレナリン作動性アゴニスト(クロニジン)の抗痛覚効果を示すために成功裏に用いられている。
【0055】
ICRマウス(体重25〜32g)を使用して実験を行った。簡潔に説明すると、パースペックス拘束器により尾振り装置(Ugo Basile,Italy)上に動物を適所に保ち、それらの尾を熱源上に配置した。先端から2.5cmに集束する放射熱源から尾を振るまでの潜伏時間を、ビヒクルまたは試験化合物(化合物1、5.6〜55.6μmol/kg p.o.;化合物2、5.3−52.6μmol/kg p.o.)の投与前(ベースライン測定)および該投与後一定間隔で決定した。組織損傷を防ぐために、12秒のカットオフを用いた。
【0056】
データを平均±s.e.m.として表し、ノンパラメトリック統計検定であるKruskal−Wallis一元配置分散分析を用いて群間で比較する。この検定で統計的有意性(P<0.05)が観察された場合、ノンパラメトリックDunn検定を用いてビヒクル群および各処理群を比較する。
【0057】
マウスへの化合物1(5.6、18.6または55.6μmol/kg)または化合物2(5.3、17.3または52.6μmol/kg)の経口投与は、化合物投与の20、40および60分後に測定した場合に、尾振り潜伏時間に何ら効果を与えなかった(表3)。
【0058】
これらのデータは、V受容体アンタゴニストが急性熱疼痛のマウスモデルにおいて抗痛覚活性を有さないことを示している。
【0059】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
慢性疼痛の治療における使用のためのV受容体アンタゴニスト。
【請求項2】
(2S,4R)−1−[5−クロロ−1−(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−ヒドロキシ−N,N−ジメチル−2−ピロリジンカルボキサミド;
2−[2−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−4−オキソ−6−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド;
N−イソプロピル−2−[2−(3−メトキシフェニル)−4−オキソ−6−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)−4H−キナゾリン−3−イル]アセトアミド;
2−[2−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−オキソ−6−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド;
2−[2−(3−クロロフェニル)−6−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)プロポキシ]−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド;
2−[2−(3−クロロフェニル)−4−オキソ−6−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド;
(S)−(+)−2−[2−(3−クロロフェニル)−6−(2−メチル−3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド;
2−[6−(5−ジメチルアミノメチル−2−フルオロフェニル)−2−(3−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド;
2−[6−(3−ジメチルアミノメチルフェニル)−2−(4,フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド;
N−tert−ブチル−2−[2−(3−クロロフェニル)−4−オキソ−6−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−4H−キナゾリン−3−イル]アセトアミドおよび
2−[6−(3−ジメチルアミノメチルフェニル)−2−(3−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
またはそれらの医薬上許容される塩もしくは溶媒和物から選ばれる、請求項1記載のV受容体アンタゴニスト。
【請求項3】
神経因性疼痛の治療または予防のための、請求項1または請求項2記載のV受容体アンタゴニスト。
【請求項4】
慢性疼痛の治療を要する対象にVアンタゴニストの医薬的有効量を投与することを含む、慢性疼痛の治療方法。
【請求項5】
アンタゴニストが、
(2S,4R)−1−[5−クロロ−1−(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−ヒドロキシ−N,N−ジメチル−2−ピロリジンカルボキサミド;
2−[2−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−4−オキソ−6−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド;
N−イソプロピル−2−[2−(3−メトキシフェニル)−4−オキソ−6−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)−4H−キナゾリン−3−イル]アセトアミド;
2−[2−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−オキソ−6−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド;
2−[2−(3−クロロフェニル)−6−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)プロポキシ]−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド;
2−[2−(3−クロロフェニル)−4−オキソ−6−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド;
(S)−(+)−2−[2−(3−クロロフェニル)−6−(2−メチル−3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド;
2−[6−(5−ジメチルアミノメチル−2−フルオロフェニル)−2−(3−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド;
2−[6−(3−ジメチルアミノメチルフェニル)−2−(4,フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド;
N−tert−ブチル−2−[2−(3−クロロフェニル)−4−オキソ−6−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−4H−キナゾリン−3−イル]アセトアミドおよび
2−[6−(3−ジメチルアミノメチルフェニル)−2−(3−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
またはそれらの医薬上許容される塩もしくは溶媒和物から選ばれる、請求項4記載の治療方法。
【請求項6】
慢性疼痛が神経因性疼痛である、請求項4または請求項5に記載の治療方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−513249(P2010−513249A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540781(P2009−540781)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/063913
【国際公開番号】WO2008/071779
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(398057282)ナームローゼ・フエンノートチヤツプ・オルガノン (93)
【Fターム(参考)】