説明

成りすまし検知システムおよびこれを用いたテレビドアホン装置

【課題】成りすまし検知システムおよびこれを用いたテレビドアホン装置に関し、制服の業者に成りすました者を検知する場合であっても、認証に係る手続きを容易にし、正当に依頼された業者にとって作業の効率をよくすることを目的とする。
【解決手段】テレビドアホン装置は、制服4aに取り付けられたRFIDタグ6の識別情報をRFIDリーダ11により読み取り、読み取られた識別情報に基づいて制服4aの業者に成りすました者を検知する認証装置17を備えたものであって、RFIDタグ6を制服4aの肩近傍の側面側4bに設けた構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成りすまし検知システムおよびこれを用いたテレビドアホン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、玄関の子機に設けたカメラの撮影映像を居室内の親機のモニタに出画させ、玄関の来訪者と通話を行うと共に居室内の居住者が来訪者を撮影映像により確認できるテレビドアホン装置が普及している。テレビドアホン装置では、来訪者をモニタ中の撮影映像から確認していたが、来訪者が宅配業者に成りすました者である場合には判断が難しかった。このため、宅配業者などを不正に装う成りすまし者からの侵入被害を防ぐシステムが提案されている。
【0003】
従来の成りすまし検知システムでは、子機に備えたカメラに来訪者の身分証を提示させ、この身分証のIDの検出、身分証中の顔写真の確認をすることにより来訪者が正当に依頼された業者であるか否かを判定していた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2008−252615号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の成りすまし検知システムでは、例えば宅配業者は成りすました者でないことを示すために、子機のカメラに身分証明用の社員証を手でかざして認証する必要があった。このため、宅配業者は宅配する荷物を足元に降ろしてから認証させる必要があるなど、正当に依頼された業者の場合には作業の効率がよくないという課題があった。
【0005】
そこで本発明は、成りすまし者を検知する場合であっても、認証に係る手続きを容易にし、正当に依頼された業者にとって作業の効率をよくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の成りすまし検知システムは、制服に取り付けられたRFIDタグの識別情報をRFIDリーダにより読み取り、読み取られた識別情報に基づいて制服の業者に成りすました者を検知する認証装置を備えたものであって、RFIDタグを制服の肩近傍の側面側に設けたことを特徴とする。このような構成により、所期の目的を達成するものである。
【0007】
また、本発明のテレビドアホン装置は、撮像装置を有する子機と、子機と電気的に接続されると共に撮像装置により来訪者を撮影して得た撮影映像を表示する表示装置を有する親機とを備えたものであって、上記した成りすまし検知システム内のRFIDリーダを子機に設け、成りすまし検知システム内の認証装置を親機に設け、表示装置は、RFIDリーダにより取得されたRFIDタグの識別情報に記録されている情報を撮影映像の近傍に表示する構成としたことを特徴とする。このような構成により、所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0008】
以上のように本発明の成りすまし検知システムは、制服に取り付けられたRFIDタグの識別情報をRFIDリーダにより読み取り、読み取られた識別情報に基づいて制服の業者に成りすました者を検知する認証装置を備えたものであって、RFIDタグを制服の肩近傍の側面側に設けた構成としたので、例えばテレビドアホン装置に適用した場合、宅配業者は荷物を両手で持ったままテレビドアホン装置の子機に設けられたRFIDリーダに近づき、制服の肩近傍の側面側を子機にかざすことで認証させることが可能となる。すなわち、制服の業者に成りすました者を検知する場合であっても、制服の肩近傍の側面側を子機にかざす行為だけでRFIDリーダがRFIDタグを読み取り認証でき、宅配業者は持ち抱えている荷物を降ろしたりすることもないので認証時間を短縮でき、これにより正当な業者にとって作業の効率をよくすることができる。
【0009】
また、本発明のテレビドアホン装置は、撮像装置を有する子機と、子機と電気的に接続されると共に撮像装置により来訪者を撮影して得た撮影映像を表示する表示装置を有する親機とを備えたものであって、上記した成りすまし検知システム内のRFIDリーダを子機に設け、成りすまし検知システム内の認証装置を親機に設け、表示装置は、RFIDリーダにより取得されたRFIDタグの識別情報に記録されている情報を撮影映像の近傍に表示する構成としたので、例えば宅配業者は制服の肩近傍の側面側を子機にかざすだけでRFIDリーダがRFIDタグを読み取り、居住者は表示装置で撮影映像の近傍に表示された来訪者の情報をすぐに比較して成りすまし者であるか否かを確認することができ、これによりに宅配業者と居住者の双方にとって認証時間を短縮でき、正当に依頼された業者にとって作業の効率をよくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
(実施の形態)
図1〜図6を参照しながら、本発明の実施の形態における成りすまし検知システムを含むテレビドアホン装置について説明する。ここでは、不正に宅配業者に成りすました者を検知するテレビドアホン装置を例に説明する。
【0012】
図1は本発明の実施の形態におけるテレビドアホン装置1の概略構成図であり、テレビドアホン装置1は子機2と親機3とから構成され、子機2と親機3は通信回線を介して電気的に接続されている。そして、子機2は玄関先に親機3は居室内にそれぞれ設置されている。これにより、来訪者4は玄関先にある子機2、居室内にある親機3を介して居住者5と通話することができる。
【0013】
またテレビドアホン装置1は来訪者4である宅配業者などの制服に取り付けられているRFIDタグ6で成りすました者を検知している。この成りすました者の検知の説明については後述する。
【0014】
まず、図2、図3を参照しながら、テレビドアホン装置1の子機2の構成について説明する。
【0015】
図2はテレビドアホン装置1の回路ブロック図であり、子機2は呼出ボタン7と子機制御部8と子機通話部9と撮像装置10とRFIDリーダ11とを備えている。また、撮像装置10は、来訪者4を撮影する撮像部10aと映像インタフェース(以下、「映像I/F」と記す)10bとを備えている。
【0016】
図3は子機2の正面図であり、子機2では子機本体2aの前面下側に来訪者4の指により押下される呼出ボタン7を設けている。また、子機本体2aの前面側、例えば呼出ボタン7より上側にガイド部2bを設けている。
【0017】
ガイド部2bの領域にはアンテナ11aが設けられると共に、宅配業者などに認証手続きをする位置、すなわち認証領域であることを示すマークや枠などが形成されている。マークや枠は、緑色や黄色、赤色など目立つ色で形成されている。さらに蛍光塗料を用いてマークや枠を形成し、暗い場所でも目立つようにしてもよい。
【0018】
ガイド部2bより上側に子機通話部9、撮像装置10の撮像部10aを設けている。子機通話部9にはマイクロフォン(以下、「マイク」と記す)9aとスピーカ9bが備えられている。
【0019】
図2に戻り、呼出ボタン7は来訪者4により押下されると子機制御部8へ押下信号を通知する。
【0020】
子機制御部8は子機2の全体を制御し、呼出ボタン7が来訪者4により押下されると親機3へ呼出通知を送信すると共に、子機通話部9および撮像装置10を作動させる。また子機制御部8は、親機3からの応答終了の信号の通知を受け取ると子機通話部9および撮像装置10の動作を終了させる。
【0021】
子機通話部9は、マイク9aとスピーカ9bと通話インタフェース(以下、「通話I/F」と記す)9cとを備え、子機本体2aの前面に設けられている。マイク9aは来訪者4の音声を音声信号として出力する。スピーカ9bは親機3からの音声信号を音声として出力する。通話I/F9cは親機3との音声の入出力を行う。
【0022】
撮像装置10は子機制御部8により作動して来訪者4を撮影し、撮影映像を映像I/F10bを介して親機3に出力する。
【0023】
RFIDリーダ11は、子機制御部8から確認信号の通知を受け取ると、アンテナ11aを介してRFIDタグ6の識別情報6aを読み取る。RFIDタグ6は業者の制服(例えば、業者のシンボルとなるワッペン内)に取り付けられている。また、識別情報6aは、RFIDタグ6の内部メモリ(図示せず)に記憶されている。
【0024】
次に、図2、図4を参照しながら、親機3の構成について説明する。図2の親機3は、操作ボタン12、親機制御部13、親機通話部14、表示装置15、業者確認ボタン16および認証装置17を備えている。
【0025】
図4は親機3の正面図であり、親機3の操作ボタン12は親機本体3aの前面下側に設けられている。また、親機通話部14のマイク14aとスピーカ14bは親機本体3aの前面中央、すなわち操作ボタン12の上側に設けられている。そして、表示装置15は親機本体3aの前面上側に設けられている。
【0026】
図2に戻り、操作ボタン12は、居室内にいる居住者5が来訪者4と通話する際に使用されるボタンであり、親機制御部13に接続されている。
【0027】
親機制御部13は、親機3の全体を統括制御する機能を備えており、呼出ボタン7の押下によって子機2の子機制御部8から呼出通知を受け取ると、親機通話部14および表示装置15を作動させ動作状態となる。すなわち、呼出ボタン7の押下により子機通話部9と親機通話部14との間で通話I/F9c、後述する通話I/F14cを介して音声信号の入出力が可能となり通話可能状態となる。また親機制御部13は、居住者5が来訪者4との通話が終了したことで押下される操作ボタン12からの信号により親機通話部14および表示装置15を停止状態にする機能を備えている。親機制御部13と子機制御部8とは互いに連携しながら、テレビドアホン装置1の各部の制御部となっている。
【0028】
親機通話部14は、マイク14aとスピーカ14bと通話I/F14cとを備えている。マイク14aは居住者5の音声を音声信号として出力する。スピーカ14bは子機2からの音声信号を音声として出力する。通話I/F14cは子機2との音声信号の入出力を行うものである。
【0029】
表示装置15は、映像I/F15aと表示部15bとを備えている。表示装置15は、映像I/F15aにより子機2からの撮影映像信号を入力し、入力した撮影映像信号に基づいて液晶表示パネルなどで構成される表示部15bにより撮影映像を表示する。
【0030】
業者確認ボタン16は、居住者5が表示部15bに映し出されている来訪者4が宅配業者などの家族や友人以外の者であった場合に、その身元を確認する際に押下される業者確認用のボタンである。親機制御部13は業者確認ボタン16が押下されると、認証装置17に確認信号を通知し、認証動作を行わせると共に、子機制御部8に問い合わせ信号を通知してRFIDリーダ11により読み取られたRFIDタグ6の識別情報6aを取得する。
【0031】
認証装置17は、宅配業者の制服に取り付けられているRFIDタグ6から取得して得た識別情報6aに基づいて、来訪者4が正規な業者であるか否かを居住者5に判断させる情報を提供する。すなわち、認証装置17は、識別情報6aが得られると親機制御部13に表示通知を行い、親機制御部13を介して表示装置15の表示部15bに識別情報6aに記録されている情報を表示させる。
【0032】
次に、テレビドアホン装置1の構成が理解されたところで本実施の形態の特徴となる成りすました者の検知について説明する。
【0033】
テレビドアホン装置1では、子機2の撮像装置10により来訪者4を撮影し、親機3の表示部15bにより来訪者4の撮影映像を確認する。このため、テレビドアホン装置1では、来訪者4が宅配業者などに成りすました者である場合には判断が難しかった。このため、宅配業者などを不正に装った成りすまし者による侵入される事件などが発生することもあった。このため、テレビドアホン装置1に成りすまし者を検知する機能が要望されている。
【0034】
まず比較例として、従来の成りすました者の検知例を説明する。従来、例えば子機2の撮像装置10に来訪者4の身分証を提示させ、この身分証のIDの検出(例えば、身分証から社員IDを検出)、身分証の顔写真の撮影などを行い、居住者5に来訪者4が正当に依頼された業者であるか否かを判断させていた。
【0035】
しかしながら、この比較例では、例えば宅配業者は成りすまし者でないことを示すために、子機2の撮像装置10に身分を証明する社員証を手でかざして認証手続きを行う必要があった。このため、宅配業者は宅配途中の荷物を足元に降ろし、社員証を取り出して撮像装置10に向けて見せて認証手続きを行うなど、認証手続きに時間を要し、正当に依頼された業者にとって作業の効率がよくなかった。
【0036】
そこで、本実施の形態の成りすまし検知システムでは、成りすまし者を検知する場合であっても、認証を容易にして時間を短縮し、正当に依頼された業者にとって作業の効率をよくする。
【0037】
すなわち、図5に示すように、成りすまし検知システムは、制服4aに取り付けられたRFIDタグ6の識別情報6aをRFIDリーダ11により読み取り、読み取られた識別情報6aに基づいて制服4aの業者に成りすました者を検知する親機3の認証装置17を備えたものであって、RFIDタグ6を制服4aの肩近傍の側面側4bに設けた構成としたので、宅配業者は荷物4cを両手で持ったまま子機2に設けられたRFIDリーダ11に近づき、制服4aの肩近傍の側面側4b(RFIDタグ6を設けている箇所)を子機2のガイド部2bにかざすことで認証させることができる。すなわち、成りすまし者を検知する場合であっても、子機2にかざしても作業がし易い制服4aの肩からひじまでの間の二の腕の部分(制服4aの肩近傍の側面側4b)をガイド部2bにかざす行為だけでRFIDリーダ11がガイド部2bの領域に配置されているアンテナ11aを介してRFIDタグ6を読み取り認証することができる。このため、宅配業者は持ち抱えている荷物を降ろしたりすることもないので認証時間を短縮でき、これにより正当な業者にとって作業の効率をよくすることができる。
【0038】
親機3は、認証装置17により、識別情報6aの記録を表示装置15に表示させる。また、表示装置15は識別情報6aに記録されている情報を撮影映像の近傍に表示する構成とした。これにより、居住者5は、表示装置15で撮影映像の近傍に表示された来訪者4の情報をすぐに比較して成りすまし者であるか否かを確認することができ、これにより来訪者4である宅配業者と居住者5の双方にとって認証時間を短縮でき、正当に依頼された業者にとって作業の効率をよくすることができる。なお、認証装置17は通信回線18を介して宅配会社19の管理装置20と接続され、認証に係る情報を取得するようにしてもよい。
【0039】
また、図6に示すように、宅配会社19では会社の信頼度を高めるために制服4aが厳重に管理されている。すなわち、宅配会社19では制服管理室22で社員が着用する制服4aを管理している。各制服4aのワッペン4dにはRFIDタグ6が取り付けられていて、管理装置20により制服管理室22からの制服4aの出し入れが管理されている。ワッペン4dにはひと目で会社がわかるようなデザインが施されている。このように、ワッペン4dにRFIDタグ6を設けることで、宅配業者である配達者にとってもガイド部2bに制服4aのどの位置をかざせばよいかを容易に知ることができ、探す手間もなく作業の効率を高めることができる。
【0040】
管理装置20はリーダライタ23に接続され、各制服4aのそれぞれのRFIDタグ6を読み取っている。リーダライタ23は、制服4aの出入を管理するための入退室用アンテナ24と、制服管理室22内に収納されている制服4aの在庫を管理するための複数のアンテナ23aに接続されている。
【0041】
社員は配達先に出向くときに制服管理室22の中で制服4aを着用し、入退室用アンテナ24のゲートを必ず通過して制服管理室22の外に出る。社員は社員IDが記録されているRFIDタグ(図示せず)が貼付された社員証を所持し、これにより社員の制服管理室22の入退室が管理されている。社員は、社員証を用いた認証処理により、制服管理室22の入退室が許可される。
【0042】
すなわち、管理装置20は、社員証のRFIDタグと制服4aのRFIDタグ6を、リーダライタ23、入退室用アンテナ24、アンテナ23aを介して検知し、どの社員(社員ID)が何番の制服4aを着用し制服管理室22の外に出たか、または中に入ったかを管理している。この管理された情報は認証情報21aとして管理装置20のデータベース21に記憶される。このようにして、宅配会社19では、会社で使用する制服4aの外部への流出を防止し、会社の制服4aに対する社会からの信用を高めている。
【0043】
管理装置20は、リーダライタ23を介して、社員が入退室用アンテナ24のゲートを通過するときに、制服4aに取り付けてあるRFIDタグ6の内部メモリに記録する。例えば識別情報6aとして、制服4aの業者を特定する業者情報、制服4aの業者に荷物4cを依頼した依頼人を特定する依頼元情報および制服4aの業者の配達者を特定する配達者情報、制服4aの制服管理情報の少なくとも1つを記録する。
【0044】
また、識別情報6aとしての業者情報、依頼元情報、配達者情報および制服管理情報は互いに関連付けされ、RFIDタグ6の内部メモリに識別情報6aとして記録されている。例えば識別情報6aには、業者情報として会社名、配達者情報として配達者の性別や顔画像、荷物4cの依頼元情報として名前や住所、制服管理情報として制服管理番号などが記録される。
【0045】
また、管理装置20は、社員の入退室時、すなわち入退室用アンテナ24を社員が通過するごとに、認証情報21aに基づいて、どこの社員(業者情報)、どの社員(配達者情報)が何番の制服4aを着用(制服管理情報)し、誰から(依頼元情報)の荷物4cを配達するのかなどを識別情報6aとして都度記録し、更新する。
【0046】
なお、管理装置20は通信回線18を介して外部のテレビドアホン装置1に対して認証情報21aを公開し、利用できるようにしてもよい。
【0047】
次に、図2、図5、図7を参照しながら、成りすまし検知システムを含むテレビドアホン装置1の動作について説明する。図7は本発明の実施の形態におけるテレビドアホン装置1の動作を説明するフローチャートである。
【0048】
図2、図5、図7に示すように、来訪者4である宅配業者は玄関先に到着すると、制服4aの二の腕の部分(図5中の制服4aの肩近傍の側面側4b)に取り付けられているワッペン(内部にRFIDタグ6が設けられていて、業者のシンボルとなるマーク、デザインが施されている紋章)を子機2のガイド部2b(図3)の位置にかざす。
【0049】
テレビドアホン装置1は、子機2の呼出ボタン7が配達者である来訪者4により押下(例えば、来訪者4のひじや手の甲などで呼出ボタン7が押下される)されると、子機2の子機制御部8を介して、親機3の親機制御部13に呼出信号を通知する。テレビドアホン装置1の親機制御部13は子機制御部8から呼出信号を受信すると、親機通話部14のスピーカ14bからチャイムを鳴らし、これにより居住者5は来訪者4(宅配業者)が訪れたことを知ることができる(S100,S102)。
【0050】
次にテレビドアホン装置1は、子機2の撮像装置10により来訪者4を撮影し、撮影した撮影映像を親機3の表示装置15に表示する(S104)。
【0051】
居住者5は、表示装置15の表示部15bに出画される来訪者4の撮影映像を確認し、家族、友人、近隣者などよく知っている者の顔であると判断した場合、操作ボタン12を押下して通話を行う。また、玄関の施錠を解除し、来訪者4を家内に招き入れる。テレビドアホン装置1では、操作ボタン12が押下されると業者確認がいらない通常通話と判断し(S106)、子機2の子機通話部9、親機3の親機通話部14を介して音声入出力を開始し、通話できるようにする(S108)。
【0052】
一方、居住者5は、表示装置15の表示部15bに出画される来訪者4の撮影映像を確認し、見知らぬ者、例えば宅配業者と判断した場合、業者確認ボタン16を押下する。テレビドアホン装置1では、業者確認ボタン16が押下されると業者確認ありと判断し(S106)、RFIDリーダ11の電源をONにしてガイド部2bの位置にかざされているRFIDタグ6の識別情報6aを取得する(S110)。識別情報6aには、例えば、会社名などの業者情報、制服4aと関連付けられた配達者情報(性別、顔画像)、制服4aの制服管理情報、制服4aと関連付けられた依頼元情報などが記録されている。また、テレビドアホン装置1は識別情報6aを取得した後、RFIDリーダ11の電源をOFFにする。このように、テレビドアホン装置1では、RFIDリーダ11の電源を識別情報6aを取得する期間のみONにし、子機2の消費電力を削減する。
【0053】
テレビドアホン装置1は、識別情報6aに表示装置15に表示させる情報があった場合(記録あり)(S112)、図8に示すように、表示装置15の表示部15bに識別情報6aに記録されている、制服の業者を特定する業者情報、制服の業者に依頼した依頼人を特定する依頼元情報および制服の業者の配達者を特定する配達者情報の少なくとも1つを表示する。例えば、テレビドアホン装置1は、撮影映像を表示エリア27に表示すると共に、会社名28や依頼元情報である依頼人の名前29などの情報を表示エリア27の近傍の表示エリア26内に表示する(S114)。これにより、居住者5は、会社名28や依頼人の名前29から、不審な業者であるか否かを判断することができる。
【0054】
またテレビドアホン装置1は、識別情報6aのうち、宅配業者の配達者の顔情報30(性別、顔画像)を表示エリア26に表示する。これにより、居住者5は、制服4aが不正に悪用された場合であっても、表示エリア27に表示されている撮影映像の人物の顔部と顔情報30をすぐに見比べ、性別を確認し、宅配会社19から来た者が正規な者であるか否かを判断する。これにより、来訪者4が不審者であるか否かを確認でき、防犯に対する安全性をさらに高めることができる。
【0055】
なお、テレビドアホン装置1は、識別情報6aに表示装置15に表示させる情報がない場合(S112)、警告を出す。例えば、表示装置15の表示部15bの表示エリア27内に警告メッセージを表示する。例えば、図9に示すように、表示部15bの表示エリア26に、「警告!!この業者の情報はありません。注意してください。」などの警告メッセージを表示する(S116)。なお、スピーカ14bを併用して音声で警告メッセージを出力してもよく、字を読むことが難しい小さな子供や目が不自由な者でも警告を耳で知ることができる。これにより、安全性をさらに高めることができる。警告メッセージにより、居住者5は応答しない、玄関の施錠を解除しないなど危険を回避する対応ができ、不審な者の家内への侵入を防ぐことができる。
【0056】
テレビドアホン装置1は親機制御部13により居住者5が来訪者4との通話が終了したことで押下される操作ボタン12からの信号により子機通話部9、撮像装置10、親機通話部14および表示装置15を停止状態にする。
【0057】
なお、親機3の認証装置17は、取得した識別情報6aに基づいて通信回線18を介して宅配会社19の公開されている管理装置20にアクセスし、データベース21内にある認証情報21aを取得して、識別情報6aと認証情報21aとを照合し、認証するようにしてもよい。また、テレビドアホン装置1は、認証装置17により通信回線18を介して宅配会社19、警備会社などに通報するようにしてもよい。
【0058】
以上のように本実施の形態によれば、図2、図5に示すように、成りすまし検知システムは、制服4aに取り付けられたRFIDタグ6の識別情報6aをRFIDリーダ11により読み取り、読み取られた識別情報6aに基づいて制服4aの業者に成りすました者を検知する認証装置17を備えたものであって、RFIDタグ6を制服4aの肩近傍の側面側4bに設けた構成としたので、例えば宅配業者は荷物4cを両手で持ったまま子機2に設けられたRFIDリーダ11に近づき、制服4aの肩近傍の側面側4bを子機2にかざすことで認証させることができる。すなわち、制服の業者に成りすました者を検知する場合であっても、制服4aの肩近傍の側面側4bを子機2にかざす行為だけでRFIDリーダ11がRFIDタグ6を読み取り認証することができ、宅配業者は持ち抱えている荷物を降ろしたりすることもないので認証時間を短縮でき、これにより正当な業者にとって作業の効率をよくすることができる。
【0059】
また、テレビドアホン装置1は、撮像装置10を有する子機2と、子機2と電気的に接続されると共に撮像装置10により来訪者4を撮影して得た撮影映像を表示する表示装置15を有する親機3とを備えたものであって、成りすまし検知システム内のRFIDリーダ11を子機2に設け、成りすまし検知システム内の認証装置17を親機3に設け、表示装置15は、RFIDリーダ11により取得されたRFIDタグ6の識別情報6aに記録されている情報を撮影映像の近傍に表示する構成としたので、宅配業者は制服4aの肩近傍の側面側4bを子機2にかざすだけでRFIDリーダ11がRFIDタグ6を読み取り、居住者5は表示装置15で撮影映像の近傍に表示された来訪者4の情報をすぐに比較して成りすまし者であるか否かを確認することができ、これにより宅配業者と居住者5の双方にとって認証時間を短縮でき、正当に依頼された業者にとって作業の効率をよくすることができる。
【0060】
なお、RFIDリーダ11の電源を常にONしておき、配達業者の識別コードを有するRFIDタグ6がRFIDリーダ11により検知されたときに、親機3のチャイムを鳴らすようにしてもよい。これにとり、子機2の呼出ボタン7を押すことなくチャイムを鳴らすことができる。この場合、子機2の消費電力は増えるが、宅配業者にとっての手間を省くことができ、作業の効率が向上する。
【0061】
また、本実施の形態ではテレビドアホン装置を例に説明したが、来訪者の成りすまし者を検知することができるので、会社や学校の入出門管理装置などの電子機器にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上のように本発明は、制服に取り付けられたRFIDタグの識別情報をRFIDリーダにより読み取り、読み取られた識別情報に基づいて制服の業者に成りすました者を検知する認証装置を備えたものであって、RFIDタグを制服の肩近傍の側面側に設けた構成としたので、例えばテレビドアホン装置に適用した場合、宅配業者は荷物を両手で持ったまま子機に設けられたRFIDリーダに近づき、制服の肩近傍の側面側を子機にかざすことで認証させることが可能となる。
【0063】
すなわち、制服の業者に成りすました者を検知する場合であっても、制服の肩近傍の側面側を子機にかざす行為だけでRFIDリーダがRFIDタグを読み取り認証することができ、宅配業者は持ち抱えている荷物を降ろしたりすることもないので認証時間を短縮でき、これにより正当な業者にとって作業の効率をよくすることを可能とする成りすまし検知システムおよびこれを用いたテレビドアホン装置、入出門管理装置などの電子機器などに有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態におけるテレビドアホン装置の概略構成図
【図2】同テレビドアホン装置の回路ブロック図
【図3】同テレビドアホン装置の子機の正面図
【図4】同テレビドアホン装置の親機の正面図
【図5】本発明の実施の形態におけるRFIDタグの取り付け位置を示す概要図
【図6】本発明の実施の形態における宅配会社の制服の管理例を示す構成図
【図7】本発明の実施の形態におけるテレビドアホン装置の動作を説明するフローチャート
【図8】図4に示す親機の表示装置の出画例を示す概要図
【図9】図4に示す親機の表示装置の他の出画例を示す概要図
【符号の説明】
【0065】
1 テレビドアホン装置
2 子機
2a 子機本体
2b ガイド部
3 親機
3a 親機本体
4 来訪者
4a 制服
4b 制服の肩近傍の側面側
4c 荷物
4d ワッペン
5 居住者
6 RFIDタグ
6a 識別情報
7 呼出ボタン
8 子機制御部
9 子機通話部
9a,14a マイク
9b,14b スピーカ
9c,14c 通話I/F
10 撮像装置
10a 撮像部
10b,15a 映像I/F
11 RFIDリーダ
11a,23a アンテナ
12 操作ボタン
13 親機制御部
14 親機通話部
15 表示装置
15b 表示部
16 業者確認ボタン
17 認証装置
18 通信回線
19 宅配会社
20 管理装置
21 データベース
21a 認証情報
22 制服管理室
23 リーダライタ
24 入退室用アンテナ
26,27 表示エリア
28 会社名
29 名前
30 顔情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制服に取り付けられたRFIDタグの識別情報をRFIDリーダにより読み取り、読み取られた前記識別情報に基づいて前記制服の業者に成りすました者を検知する認証装置を備えた成りすまし検知システムであって、
前記RFIDタグを前記制服の肩近傍の側面側に設けたことを特徴とする成りすまし検知システム。
【請求項2】
前記識別情報として、前記制服の業者を特定する業者情報、前記制服の業者に依頼した依頼人を特定する依頼元情報および前記制服の業者の配達者を特定する配達者情報の少なくとも1つを記録していることを特徴とする請求項1に記載の成りすまし検知システム。
【請求項3】
前記配達者情報として、配達者の顔画像を記録していることを特徴とする請求項2に記載の成りすまし検知システム。
【請求項4】
撮像装置を有する子機と、
前記子機と電気的に接続されると共に前記撮像装置により来訪者を撮影して得た撮影映像を表示する表示装置を有する親機とを備えたテレビドアホン装置であって、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の成りすまし検知システム内のRFIDリーダを前記子機に設け、
前記成りすまし検知システム内の認証装置を前記親機に設け、
前記表示装置は、前記RFIDリーダにより取得されたRFIDタグの識別情報に記録されている情報を前記撮影映像の近傍に表示する構成としたことを特徴とするテレビドアホン装置。
【請求項5】
前記表示装置は、制服の業者を特定する業者情報、前記制服の業者に依頼した依頼人を特定する依頼元情報および前記制服の業者の配達者を特定する配達者情報の少なくとも1つを表示することを特徴とする請求項4に記載のテレビドアホン装置。
【請求項6】
前記配達者情報として、配達者の顔画像を表示することを特徴とする請求項5に記載のテレビドアホン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−206742(P2010−206742A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−52834(P2009−52834)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】